JPWO2011125221A1 - 圧延材冷却制御装置、圧延材冷却制御方法、圧延材冷却制御プログラム - Google Patents

圧延材冷却制御装置、圧延材冷却制御方法、圧延材冷却制御プログラム Download PDF

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Abstract

所定の冷却区間における圧延材の温度変化を、パラメータを用い数式により記述した詳細温度モデルを記憶した詳細温度モデル記憶部(31)と、前記詳細温度モデルに基づいて圧延材の温度変化の制御に必要な影響係数を算出する影響係数算出部(32)と、前記影響係数に基づいて、前記圧延材の所望の材質(強度や延性)を得るために必要な所望の詳細冷却パターンを簡略化した簡略冷却パターンを算出する簡略冷却パターン算出部(33)と、前記簡略冷却パターンと、前記詳細温度モデルとに基づいて、前記所定の冷却区間における前記圧延材の詳細冷却パターンを算出する詳細冷却パターン算出部(34)と、前記詳細冷却パターンに基づいて、前記圧延材の冷却を制御する冷却制御部(35)とを有する。

Description

本発明は、圧延材の冷却温度を制御する圧延材冷却制御装置、圧延材冷却制御方法、圧延材冷却制御プログラムに関する。
従来、圧延材の温度モデルを利用して冷却パターンを決定し、冷却制御を行う圧延材冷却制御装置として、例えば、圧延材に対する冷却水量パターンを、圧延材が搬送テーブルに進入する前の一時期に決めるだけでなく、圧延材の速度変化や冷却バンクの入側温度変化を取り込んでオンラインで冷却水量を決め、これに応じてバルブの操作を行うものがある。具体的には、圧延材を、その進行方向に仮想的に分割した切り板を冷却制御単位とし、詳細温度モデル及び熱間薄板圧延ラインの設定計算情報に基づいて、冷却制御単位毎にそれぞれ初期冷却長を演算する手段と、熱間薄板圧延ラインの出側の圧延材の設定計算による温度に対する検出温度の偏差と圧延ラインの設定計算による平均速度に対する検出平均速度の偏差とに関連付けて初期冷却長を補正する手段とを備える圧延材冷却制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、その他にも、圧延材の温度モデルに基づいて圧延材の冷却を制御する装置がある(例えば、特許文献2〜4参照)。
特開2004−34122号公報 特開2005−297015号公報 特開2003−039109号公報 特開2000−167615号公報
ところで、最近の高級鋼板等の圧延材では、要求される品質および材質のレベルが非常に高く、その製造の際における冷却温度の制御を高精度に実行するため、温度モデルに複数のパラメータを使用し、かつ、複雑に記述された詳細な温度モデル(以下、詳細温度モデルという。)が使用されている場合がある。
しかし、前記背景技術の冷却温度制御装置では、圧延材の詳細温度モデルを用いる場合、詳細温度モデルから直接、冷却パターンを求めている。ここで、冷却パターンとは、圧延材が冷却されてたどる温度履歴のパターンとその温度履歴を実現する注水パターンのいずれかまたは両方を指すものとする。また詳細温度モデルを用いて求めた冷却パターンを詳細冷却パターンという。
高級鋼板等の圧延材の製造における詳細温度モデルでは、多数のパラメータが使用され、詳細な温度計算を行い、冷却制御を行う必要がある。また、計算途中で発生するリミット超過状態を回避しながら目標とする詳細冷却パターンを実現しようとすると、繰返し計算を行うことが必要になり、計算負荷が非常に大きくなり、最適解を得ることが困難になり、所望の材質の圧延材が製造できない、という課題があった。
本発明は前記課題を鑑みてなされたものであり、本発明は、圧延材の詳細温度モデルから詳細冷却パターンを求める際の計算負荷を小さくして、最適に冷却制御を実行して、所望の材質を適確に達成することができる、圧延材冷却制御装置、圧延材冷却制御方法、圧延材冷却制御プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る圧延材冷却制御装置の第1の特徴は、所定の冷却区間における圧延材の温度変化を、パラメータを用い数式により記述した詳細温度モデルを記憶した詳細温度モデル記憶部と、前記詳細温度モデル記憶部に記憶された前記詳細温度モデルに基づいて、前記圧延材の温度変化の制御に必要な影響係数を算出する影響係数算出部と、前記影響係数算出部によって算出された前記影響係数に基づいて、前記圧延材の所望の材質を得るために必要な所望の詳細冷却パターンを簡略化した簡略冷却パターンを算出する簡略冷却パターン算出部と、前記簡略冷却パターン算出部によって算出された前記簡略冷却パターンと、前記詳細温度モデル記憶部に記憶された前記詳細温度モデルとに基づいて、前記所定の冷却区間における前記圧延材の詳細冷却パターンを算出する詳細冷却パターン算出部と、前記詳細冷却パターン算出部によって算出された前記詳細冷却パターンに基づいて、前記圧延材の冷却を制御する冷却制御部と、を有することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る圧延材冷却制御装置の第2の特徴は、上記第1の特徴に記載の圧延材冷却制御装置において、前記簡略冷却パターン算出部は、前記圧延材の冷却速度を、直線または多項式または指数関数または対数の代数の数式により近似することにより、前記所定の冷却区間における当該圧延材の温度変化を幾何学的に近似して、前記所望の詳細冷却パターンを簡略化した簡略冷却パターンを算出する、ことにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る圧延材冷却制御装置の第3の特徴は、上記第1の特徴又は第2の特徴に記載の圧延材冷却制御装置において、前記簡略冷却パターン算出部は、前記影響係数算出部によって算出された前記影響係数に基づいて、前記圧延材の所望の材質を得るために必要な所望の詳細冷却パターンに許される最低速度および最高速度で前記簡略冷却パターンを算出して、算出した前記簡略冷却パターンにおける各パラメータの値が、各パラメータの上下限範囲内であるか否かを判断し、算出した前記簡略冷却パターンにおける各パラメータの値が各パラメータの上下限範囲内にない場合は、算出した前記簡略冷却パターンにおける各パラメータの優先順位に従って、優先順位の低いパラメータから修正し、算出した前記簡略冷却パターンにおける各パラメータの値が、各パラメータの上下限範囲内になるように簡略冷却パターンを算出する、ことにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る圧延材冷却制御装置の第4の特徴は、上記第1の特徴〜第3の特徴のいずれか一つに記載の圧延材冷却制御装置において、前記詳細冷却パターン算出部は、前記簡略冷却パターン算出部によって算出された前記簡略冷却パターンにおけるパラメータの値を、前記詳細冷却パターン算出のための目標値とするか、あるいは前記詳細冷却パターン算出のための初期値として、前記圧延材の所望の材質を得るために必要な所望の詳細冷却パターンに許される最低速度および最高速度で前記詳細冷却パターンを算出し、前記簡略冷却パターンにおけるパラメータの値を前記目標値とする場合には、その算出した前記詳細冷却パターンを出力する一方、前記簡略冷却パターンにおけるパラメータの値を前記初期値とする場合には、その算出した前記詳細冷却パターンにおける各パラメータの値が、各パラメータの上下限範囲内であるか否かを判断し、算出した前記詳細冷却パターンにおける各パラメータの値が各パラメータの上下限範囲内にない場合、算出した前記詳細冷却パターンにおける各パラメータの優先順位に従って、優先順位の低いパラメータから修正し、算出した前記詳細冷却パターンにおける各パラメータの値が、各パラメータの上下限範囲内になるように前記詳細冷却パターンを算出する、ことにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る圧延材冷却制御装置の第5の特徴は、上記第1の特徴〜第3の特徴のいずれか一の請求項に記載の圧延材冷却制御装置において、前記冷却制御部は、前記圧延材の詳細冷却パターンとして、水冷の第一冷却区間、空冷の第二冷却区間、水冷の第三冷却区間の3段階を経る3段冷却パターンを行う場合、前記第一冷却区間の下流端のバルブを常にオンすることにより、前記第二冷却区間としての空冷時間を確保し、前記第三冷却区間の上流端でオンするバルブの位置のみを修正する、ことにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る圧延材冷却制御装置の第6の特徴は、上記第1の特徴〜第3の特徴のいずれか一つに記載の圧延材冷却制御装置において、前記冷却制御部は、前記圧延材の所望の材質を実現するために与えられる所望の温度より所望の冷却速度の方が優先順位が高い場合、目標温度と測定温度との偏差をフィードバックし前記目標温度に加算して内部温度目標値とし、その内部温度目標値を達成するように、前記圧延材の冷却を制御する、ことにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る圧延材冷却制御方法の第1の特徴は、圧延材を冷却する所定の冷却区間における当該圧延材の温度変化を、数式により記述した詳細温度モデルに基づいて、前記圧延材の温度変化の制御に必要な影響係数を算出するステップと、算出された前記影響係数に基づいて、前記圧延材の所望の材質を得るために必要な所望の詳細冷却パターンを簡略化した簡略冷却パターンを算出するステップと、算出された前記簡略冷却パターンと、前記詳細温度モデルとに基づいて、前記所定の冷却区間における前記圧延材の詳細冷却パターンを算出するステップと、算出された前記詳細冷却パターンに基づいて、前記圧延材の冷却を制御するステップと、を有することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る圧延材冷却制御プログラムの第1の特徴は、コンピュータに、圧延材を冷却する所定の冷却区間における当該圧延材の温度変化を、数式により記述した詳細温度モデルに基づいて、前記圧延材の温度変化の制御に必要な影響係数を算出するステップと、算出された前記影響係数に基づいて、前記圧延材の所望の材質を得るために必要な所望の詳細冷却パターンを簡略化した簡略冷却パターンを算出するステップと、算出された前記簡略冷却パターンと、前記詳細温度モデルとに基づいて、前記所定の冷却区間における前記圧延材の詳細冷却パターンを算出するステップと、算出された前記詳細冷却パターンに基づいて、前記圧延材の冷却を制御するステップと、を実行させることにある。
以上のように、本発明にかかる圧延材冷却制御装置、圧延材冷却制御方法、圧延材冷却制御プログラムによれば、所定の冷却区間における圧延材の温度変化を、パラメータを用い数式により記述した詳細温度モデルに基づいて、前記圧延材の温度変化の制御に必要な影響係数を算出し、その影響係数に基づいて、前記圧延材の所望の材質(強度や延性等)を得るために必要な所望の詳細冷却パターンを簡略化した簡略冷却パターンを算出し、算出した簡略冷却パターンと詳細温度モデルとに基づいて、所定の冷却区間における圧延材の詳細冷却パターンを算出し、算出した詳細冷却パターンに基づいて、圧延材の冷却を制御するようにしたので、圧延材の詳細温度モデルから直接、詳細冷却パターンを求める場合と比較して、詳細温度モデルから詳細冷却パターンを求める際の計算負荷が小さくなり、最適に冷却制御を実行して、高級鋼板等の製造に必要な材質を効率良く制御することができる。
本発明にかかる圧延材冷却制御装置の実施形態が適用される熱間薄板圧延ラインにおける搬送テーブルおよび冷却バンクの一例を示す図である。 本発明にかかる圧延材冷却制御装置の実施形態が適用される熱間薄板圧延ラインにおける冷却バンクの構成の一例を示す図である。 本発明に係る第1実施形態の圧延材冷却制御装置の構成例を示すブロック図である。 圧延材におけるノードを説明するための説明図である。 前段冷却パターンの一例を近似的に示す説明図である。 後段冷却パターンの一例を近似的に示す説明図である。 緩冷却パターンの一例を近似的に示す説明図である。 3段冷却パターンの一例を近似的に示す説明図である。 3段冷却の詳細冷却パターンの一例を示す説明図である。 3段冷却パターンにおいて第三冷却区間の最終位置を、物理的な実際の冷却バンクの最下流以前に修正した場合の一例を近似的に示す説明図である。 影響係数算出部32における影響係数の算出から詳細冷却パターン算出部34における初期設定値算出完了までの詳細冷却パターン算出処理の一例を示すフローチャートである。 詳細冷却パターン算出部34における初期設定計算後にすべての切り板(冷却制御単位)に適用されるダイナミック制御の一例を示すフローチャートである。 第2実施形態において、第一冷却区間の最上流の冷却バンク(Bank)のバルブを、常にON(開)状態にするピボットバルブとして設定した場合を示す説明図である。 第2実施形態において、第一冷却区間の最下流の冷却バンク(Bank)のバルブを、常にON(開)状態にするピボットバルブとして設定した場合を示す説明図である。 本発明に係る第3実施形態の圧延材冷却制御装置の構成例を示すブロック図である。 第3実施形態の圧延材冷却制御装置における内部温度目標値を修正するフィードバック制御の一例を示す説明図である。
以下、本発明にかかる圧延材冷却制御装置の実施形態を、図面を用いて説明する。なお、実施形態の圧延材冷却制御装置による制御対象は、説明の便宜上、次に説明する図1、図2の冷却設備を有する熱間薄板圧延ラインとするが、厚板圧延ラインや、冷間圧延ライン等の他の形態の圧延設備においても同様に適用することができる。
≪熱間薄板圧延ラインの説明(図1、図2)≫
まず、本発明にかかる圧延材冷却制御装置の実施形態が適用される熱間薄板圧延ラインについて説明する。
熱間薄板圧延ラインにおける圧延材の品質制御には、圧延材の幅方向中央部の板厚を制御する板厚制御、板幅制御、幅方向板厚分布を制御する板クラウン制御、圧延材の幅方向の伸びを制御する平坦度制御、などの製品の寸法制御と、圧延材の温度制御とがある。
また、圧延材の温度制御には、仕上圧延機出側の温度を制御する仕上出側温度制御と、巻き取り機前の温度を制御する巻取温度制御とがある。
熱間薄板圧延ラインには、一般に、加熱炉、粗圧延ライン、仕上圧延機、冷却バンクが設置された搬送テーブル(ROT:Run out tableと呼ばれている。)、巻き取り機が順に配置されている。代表的な圧延材の温度は、加熱炉の出側で1200〜1250℃、粗圧延ラインの出側で1100〜1150℃、仕上圧延機の入側で1050〜1100℃、仕上圧延機の出側で850〜900℃、巻き取り機前における巻き取り温度は150〜700℃である。
材料の強度、延性等の材質は、仕上圧延機における変形量および温度などの条件による他、仕上圧延機を出てから巻き取り機までの冷却による影響が非常に大きい。このため、仕上圧延機を出てから巻き取り機までの巻取温度制御が材質の造り込みのために非常に重要である。
ここで、品質と材質という言葉を分けて使用する。品質は、上記のように、厚、幅、板クラウン、平坦度、温度などのことを指し、材質は、強度、延性などを指すものとする。
一般鋼の巻き取り温度は、上記のように150〜700℃であり、冷却パターンも、搬送テーブル(ROT)の前段で注水して冷却する前段冷却パターン、搬送テーブル(ROT)の後段で注水して冷却する後段冷却パターン、搬送テーブル(ROT)上の中段で徐々に冷却する緩冷却パターンなどが多く用いられている。
一方、鋼の組織であるフェライトやマルテンサイトの2層を有するDual Phase鋼や、残留オーステナイトを有するTRIP鋼など、特殊鋼、高級鋼の製造のための冷却は、第一冷却区間(水冷)、第二冷却区間(空冷)、第三冷却区間(水冷)の3段階を経るので、3段冷却パターンと呼ばれる。このときの巻き取り温度は150〜350℃である。また、3段冷却パターンでは、第一冷却区間および第3冷却区間の2つの水冷区間に、冷却速度の目標値が与えられ、その目標値を維持することが求められる。
図1は、熱間薄板圧延ラインにおける搬送テーブル(ROT)10上等の設備構成例を示す説明図である。
図1において、搬送テーブル(ROT)10は、圧延材11を、圧延機、一般には、仕上圧延機の圧延機最終スタンド12から巻き取り機16まで搬送しながら冷却する装置である。搬送テーブル(ROT)10の最上流となる、仕上圧延機の圧延機最終スタンド12の出側には、仕上出側温度計(FDT:Finisher Delivery Thermometer)13が設置されている一方、搬送テーブル(ROT)10の最下流となる、巻き取り機16の前段には、巻き取り温度計(CT:Coiling Thermometer)14が設置される。また、搬送テーブル(ROT)10上の任意の場所に、中間温度計(MT:Intermediate Thermometer)15が設置される場合がある。中間温度計(MT)15の数と、設置場所とは、搬送テーブル(ROT)10や圧延ラインによって異なる。
図1に示すように、圧延機最終スタンド12を出た圧延材11は、仕上出側温度計(FDT)13により温度を測定され、搬送テーブル(ROT)10上に設置されたn(n=1〜N。Nは通常7〜25である。)個の冷却バンク(Bank)17n、すなわち冷却バンク(Bank)171,171,・・・17Nで冷却水が噴射され、圧延材11が冷却される。その後、巻き取り温度計(CT)14で温度が測定され、巻き取り機16で巻き取られる。一般に、搬送テーブル(ROT)10は、多数のロール18を並べて回転させ、圧延材11を搬送している。
図2は、搬送テーブル(ROT)10上における1つの冷却バンク(Bank)17nの設備構成例を示す説明図である。
図2に示すように、1つの冷却バンク(Bank)17nには、通常、上下に4〜12個程度のヘッダ17n1が設けられており(図2(A)では、上側は4個、下側12個としている。)、各ヘッダ17n1には、圧延材の搬送方向に対し両側と、図2(B)に示すように搬送方向に対し垂直方向に複数のノズル17n2が設けられている。
また、各ヘッダ17n1には、バルブ17n3が取り付けられており、バルブ17n3のON/OFFによって冷却水の流量の調整が行われる。なお、図2(A)の搬送テーブル(ROT)10の下側に示すように、複数のヘッダ17n1を、1つのバルブ17n3で制御する場合もある。バルブ17n3につながる配管の大元には、貯水タンク(図示せず)が高所に設置されており、その貯水タンク(図示せず)とヘッダ17n1との高低差によって、圧延材11の表面に衝突する冷却水の勢いが決まる。
なお、流量調整を連続的に行うことができるバルブ17n3が取り付けられたり、上記のような冷却水の自由落下による金属表面への衝突ではなく、冷却水の元圧力を高くして、冷却水の衝突の勢いを強めた冷却バンクもある。
ここで、冷却水をなるべく勢いよく衝突させようとする理由は、高温物体に注水されると、高温物体と水の間に蒸気膜が形成され、水の冷却効果が弱くなるため、この蒸気膜を打ち破り、金属表面に直接注水し、冷却効果を高めようとするためである。
いずれのバルブ17n3においても、バルブ17n3に対するON/OFF指令、または流量指令が出されてから、実際にバルブ17n3から注水が開始/停止されるまで、またはバルブ17n3からの流量実績値が指令値に到達するまでには、遅れ時間がある。このため、バルブ17n3の動作はなるべくON/OFF、すなわち開閉を繰り返さないほうが、冷却温度制御の精度を向上させる点で望ましい。
<第1実施形態の圧延材冷却制御装置の構成>
次に、本発明に係る第1実施形態の圧延材冷却制御装置の構成について説明する。
図3は、本発明に係る第1実施形態の圧延材冷却制御装置の構成例を示すブロック図である。なお、図3において、搬送テーブル(ROT)10の構成は、図1に示す搬送テーブル(ROT)10の構成と同様なので説明を省略する。
図3において、本発明に係る第1実施形態の圧延材冷却制御装置30は、詳細温度モデル記憶部31と、影響係数算出部32と、簡略冷却パターン算出部33と、詳細冷却パターン算出部34と、冷却制御部35と、を有する。
詳細温度モデル記憶部31は、熱間薄板圧延ラインで圧延された圧延材を冷却する所定の冷却区間における当該圧延材の温度変化を、数式により記述した詳細温度モデルを記憶するものである。ここで、圧延材を冷却する所定の冷却区間とは、本実施形態1では、例えば、仕上出側温度計(FDT)13から搬送テーブル(ROT)10を介し巻き取り温度計(CT)14までの冷却区間とするが、これに限定されるものではない。なお、パラメータおよび詳細温度モデルについては後述する。
影響係数算出部32は、詳細温度モデル記憶部31に記憶された詳細温度モデルに基づいて、圧延材11の温度変化の制御に必要な影響係数を算出するものである。
簡略冷却パターン算出部33は、影響係数算出部32によって算出された影響係数に基づいて、圧延材11の所望の材質を得るために必要な所望の詳細冷却パターンを簡略化した簡略冷却パターンを算出するものである。本実施形態1の簡略冷却パターン算出部33では、例えば、仕上出側温度計(FDT)13から搬送テーブル(ROT)10を介し巻き取り温度計(CT)14までの冷却区間における圧延材11の冷却速度を、直線または多項式または指数関数または対数の代数の数式によって近似することにより、所定の冷却区間における当該圧延材11の温度変化を幾何学的に近似して、前記所望の詳細冷却パターンを簡略化した近似した簡略冷却パターンを算出するものである。
詳細冷却パターン算出部34は、簡略冷却パターン算出部33によって算出された簡略冷却パターンと、詳細温度モデル記憶部31に記憶された詳細温度モデルとに基づいて、所定の冷却区間である仕上出側温度計(FDT)13から巻き取り温度計(CT)14までの冷却区間における圧延材11の詳細冷却パターンを算出するものである。
冷却制御部35は、圧延材トラッキング部351と、冷却バンク制御部352と、フィードバック(FB)制御部353とを有し、詳細冷却パターン算出部34によって算出された詳細冷却パターンに基づいて、各バルブ17n3等にon/off操作信号(開閉操作信号)を送り、所定の冷却区間である仕上出側温度計(FDT)13から巻き取り温度計(CT)14までの冷却区間における圧延材11の冷却を制御するものである。
ここで、圧延材トラッキング部351は、圧延機最終スタンド12や巻取機16に取り付けられたパルスジェネレータ19a,19bの信号により、圧延材11の位置をトラッキングして、そのトラッキング信号を冷却バンク制御部352等に出力するものである。なお、圧延材のトラッキングは、パルスジェネレータ19a,19bのカウントのみならず、材料感知センサー等の他の方法でも良く、さらには搬送テーブル(ROT)10の中間に置くようにしても勿論よい。
冷却バンク制御部352は、圧延材トラッキング部351からの圧延材11の位置を示すトラッキング信号と、詳細冷却パターン算出部34によって算出された詳細温度モデルの詳細冷却パターンとに基づいて、各冷却バンク(Bank)17nのバルブ17n3等にON/OFF(開閉)操作信号を送るものである。
フィードバック(FB)制御部353は、巻き取り温度計(CT)14における切り板毎に巻き取り温度の実測値と、目標値との偏差を評価して、巻き取り温度計(CT)14に近い、フィードバック(FB)制御用の冷却バンク(Bank)、例えばN−1,N番目の冷却装置(Bank)17N−1,17Nに対して、注水指示を出力するものである。なお、フィードバック(FB)制御部353は、任意な構成であり、省略しても勿論よい。
<第1実施形態の概略動作>
次に、以上のように構成された第1実施形態の圧延材冷却制御装置30の概略動作について説明する。
まず、第1実施形態の圧延材冷却制御装置30では、仕上圧延機設定計算装置20から、仕上出側温度計(FDT)13における圧延材の温度予測値や、仕上出側温度計(FDT)13における圧延材の速度パターン等の情報を入手する。
すると、第1実施形態の圧延材冷却制御装置30では、冷却制御部35の冷却バンク制御部352が、搬送テーブル(ROT)10上における冷却バンク(Bank)17nに対し制御信号を送り、冷却バンク制御部352で算出したバルブ17n3のON/OFF情報や、バルブ17n3から出すべき流量等の制御情報を設定する。以下、簡単のため、冷却バンク(Bank)17nに設置されている制御対象であるバルブ17n3は、バルブ17n3のON/OFF情報により制御される開閉弁であるものとする。なお、流量等の制御情報により制御される流量制御弁であっても、考え方は同じである。
ここで、冷却制御部35の圧延材トラッキング部351は、圧延機最終スタンド12や巻取機16に取り付けられたパルスジェネレータ19a,19bからパルス信号を入力して、圧延材11の位置をトラッキングする。
その際、本実施形態1の圧延材冷却制御装置30では、従来からの巻取り温度の制御方法と同様に、圧延材11を切り板(冷却制御単位)と呼ばれる固定長の部分が連なるものと想定し、切り板(冷却制御単位)に分割して、切り板毎に温度を制御するため、切り板毎に圧延材位置をトラッキングする。
そして、本実施形態1の圧延材冷却制御装置30では、冷却制御部35の冷却バンク制御部352は、圧延材トラッキング部351からの切り板毎の圧延材位置を示すトラッキング情報に基づいて、1つ1つの切り板(冷却制御単位)が、仕上出側温度計(FDT)13下を通過し、巻取り温度計(CT)14下に到達するまでに、どの冷却バンク(Bank)17nの、どのバルブ17n3をON/OFFすれば良いかを決めている。圧延材11を切り板に分割し、各切り板の温度を制御する考え方は、従来も、本発明でも、変わらない。
冷却バンク制御部352は、その初期設定計算として、仕上圧延機設定計算装置20からの情報、例えば、仕上出側温度予測値をもとに、最初の切り板、すなわちNo.=1の切り板が仕上出側温度計(FDT)13から巻き取り温度計(CT)14まで通過するときに、どのバルブ17n3をON(開)すべきかを、詳細冷却パターン算出部34が算出した詳細冷却パターンに基づいて決定する。
具体的には、冷却バンク制御部352は、詳細冷却パターン算出部34が算出した詳細冷却パターンに基づいて、バルブ17n3をON(開)する優先順を決め、その優先順にしたがってON/OFFを試行しながら、所望の巻き取り温度が達成されるまで、繰り返す。
そして、冷却バンク制御部352は、最初(No.=1)の切り板についてどのバルブ17n3をON/OFFするかを決める初期設定計算の後、それ以降の切り板、すなわちNo.=2以降の切り板が仕上出側温度計(FDT)13を通過するたびに、仕上出側温度計(FDT)13が測定した仕上出側温度に基づいて、上記初期設定計算と同様の計算をその切り板に適用し、どのバルブ17n3をON/OFFするかを決める、いわゆるダイナミック制御を行う。なお、初期設定計算およびダイナミック制御の詳細な処理については、後述する。
圧延材トラッキング部351は、パルスジェネレータ19a,19bからのパルス信号に基づいて、初期設定計算およびダイナミック制御の場合に切り板の位置をトラッキングしており、切り板がバルブをON/OFFすべき冷却バンク(Bank)17nの位置に来たときに、位置検出信号を冷却バンク制御部352に送り、冷却バンク制御部352は、的確に冷却バンク(Bank)17nのバルブ17n3をON/OFFする。
そして、巻き取り温度計(CT)14は、切り板毎に巻き取り温度を測定すると、目標巻き取り温度と、測定巻き取り温度の偏差を評価して、フィードバック(FB)制御部353により、フィードバック(FB)制御用の冷却バンク(Bank)、例えば、N−1,N番目の冷却バンク(Bank)17N−1,17Nに対して、注水指示を出力する。
巻き取り器16が圧延材11の1本分の巻き取りを完了すると、詳細温度モデル記憶部31は、仕上出側温度計(FDT)13や、巻き取り温度計(CT)14等から切り板毎の測定温度等を収集し、必要あれば、仕上出側温度計(FDT)13から巻き取り温度計(CT)14までの搬送テーブル(ROT)10上における温度変化を、数式により記述した詳細温度モデルを学習したり、適応的に修正する。
<第1実施形態の詳細動作>
次に、以上のように構成された第1実施形態の圧延材冷却制御装置30の動作について説明する。
(詳細温度モデル記憶部31の動作)
詳細温度モデル記憶部31は、熱間薄板圧延ラインで圧延された圧延材11を冷却する所定の冷却区間、例えば、仕上出側温度計(FDT)13から巻き取り温度計(CT)14までの搬送テーブル(ROT)10上における当該圧延材の温度変化を、数式により記述した詳細温度モデルを記憶している。
具体的には、詳細温度モデル記憶部31は、搬送テーブル(ROT)10上における冷却区間における温度変化を、数式により記述した詳細温詳細温度モデルとして、例えば、有限差分法により、圧延材11をその板厚方向に複数に分割し、板厚方向のそれぞれの分割区間をノードiという点で代表させ、圧延材11それぞれのノードiの温度変化△Tiを、下記に示す多数のパラメータを用いて数式により記述した関数を詳細温度モデルとする。
つまり、圧延材11におけるノード番号iの温度変化△TIの詳細温度モデルは、例えば、以下の式1のように表わすことができる。
ここで、上記式1において、Qiは熱流、ρは密度、Cpは比熱、Viはノードiの体積、Δtは搬送テーブル(ROT)10上における時間変化を示すパラメータである。
そして、熱流Qiは、圧延材11表面にあるノードと、圧延材内部にあるノードとに分けて、以下の式2またが式3に示すように記述することができる。ノードについては、後述の図4により説明する。
まず、圧延材表面ノードの熱流の収支は、以下の式2により表すことができる。
ここで、上記式2において、
radは放射による熱流、Qwaterは水冷熱伝達による熱流、Qairは空冷対流熱伝達による熱流、
はノードiからノード(i+1)への熱伝導、QTransfは相変態による熱流のパラメータである。また、“−”がつくものは熱が奪われ、 “+”は熱が発生することを示している。
次に、圧延材11内部ノードの熱流の収支は、以下の式3により表すことができる。各パラメータの意味は、上記式2と同様である。
なお、上記(式2),(式3)における放射、熱伝達、熱伝導の記述は、熱力学の一般式を用いている。
図4は、圧延材11の板厚方向の温度分布の一例を示す説明図である。
図4では、圧延材11を、その板厚方向に、例えば、4分割し、それぞれをノードi(i=1〜4)という点で代表させ、ノードi間の熱伝導を計算する例を示している。図4では、ノード間の熱伝導を、ノードiからノード(i+1)という一般的な方法により示している。
図4における圧延材11の板厚方向の熱の流れを示す関係式は、連続系で表せば、
ここで、記号の意味は以下のとおりである。単位の例も示す。
Q:単位時間あたりの熱流[J/s]
k:熱伝導率[J/(msK)]
A:面積[m
T:圧延材の温度[degC]
x:圧延材板厚方向の位置
下記に記号により示す多数のパラメータを用いて表わすと、例えば、下記式4のようになる。
また、差分方程式で表せば、下記に記号により示すパラメータを用いて表わすと、下記式5のようになる。
i→i+1:ノードiからノードi+1への単位時間あたりの熱流[J/s]
k:熱伝導率[J/(msK)]
i→i+1:ノードiからノードi+1との間の断面積[m
i:ノードiにおける温度[degC]
d:ノード間の距離[m]
なお、差分方程式の解き方は、一般的な方法を用いればよい。また、図4においては圧延材の板厚方向のノード数のiを、4個としているが、これは一例である。一般に、同じ板厚であればノード数iを多くすれば、精度のよい計算結果が得られる。しかし、ノード数iがあまり多すぎても、計算負荷が高くなるだけで、精度の向上は鈍化する。そのため、ノード数iの選択は事前に検討する必要がある。なお、圧延材11のノードについては、WO2008/012881等に開示されている。
(影響係数算出部32の動作)
影響係数算出部32は、詳細温度モデル記憶部31によって複数のパラメータを用いて数式により表わされた詳細温度モデルに基づいて、圧延材11の温度変化の制御に必要な影響係数を算出する。
具体的には、変数Yが変数Xの関数Y(X)である場合に、変数Xから変数Yへの影響係数の計算方法は、次の式6により表すことができる。
ここで、関数Y(X)は、単純な一次関数ではなく、未知のパラメータを多数集め、上記式1のように数式により表した複雑な詳細温度モデルである。また、変数Xは、各パラメータである。
つまり、上記式6により表わされる影響係数は、各パラメータである変数Xを微小(2ΔX)変化させたときに、詳細温度モデルの関数であるYがどれだけ変化するかを数値計算により計算したものである。つまり、上記式6により表わされる影響係数は、複数のパラメータを集め記述した詳細温度モデルを表す上記式1の関数Y(X)を、各パラメータであるXにより偏微分したものである。
(簡略冷却パターン算出部33の動作)
次に、簡略冷却パターン算出部33は、影響係数算出部32によって算出された影響係数に基づいて、圧延材の所望の材質(強度や延性等)を得るために必要な詳細冷却パターンを簡略化した簡略冷却パターンを算出する。
具体的には、簡略冷却パターン算出部33は、直線や指数関数等を用いて詳細冷却パターンを近似した、図5〜図8に示すような簡略冷却パターンを算出する。
図5は前段冷却の簡略冷却パターン、図6は後段冷却の簡略冷却パターン、図7は緩冷却の簡略冷却パターン、図8は3段冷却の簡略冷却パターンを示している。
図5〜図8それぞれの簡略冷却パターンにおいて、仕上出側温度計(FDT)13の位置から水冷開始位置までは必ず空冷とならざるを得ず、初期空冷区間と称している。図8に示す3段冷却の場合は、最下流の冷却バンク(Bank)におけるバルブから巻き取り温度計(CT)14までの間も、空冷とならざるを得ず、最終空冷区間と称している。
また、図5〜図8それぞれの簡略冷却パターンでは、水冷、空冷区間とも、温度降下は直線で近似しているが、実際の詳細冷却パタ−ンは、直線にはならない。その理由は後述する。
また、図5〜図8それぞれの簡略冷却パターンにおいて、TFDは仕上出側温度計(FDT)13の仕上出側温度であり、目標値はあるものの、常に一定の値で制御できるとは限らない。すなわち、巻取温度制御にとっては、TFDの変動は外乱となる。
また図5〜図7において、初期空冷区間の終端温度T0、冷却速度S0、第一冷却区間の終端温度T1、冷却速度S1、第二冷却区間の終端温度T(巻き取り温度)、冷却速度S2、また中間温度計(MT)がある位置での温度Tである。図8において、初期空冷区間の終端温度T0、冷却速度S0、第一冷却区間の終端温度T1、冷却速度S1、第二冷却区間の終端温度T、冷却速度S2、第三冷却区間の終端温度T、冷却速度S、最終空冷区間の終端温度TC(巻き取り温度)、冷却速度S、また中間温度計(MT)がある位置での温度Tである。
図5の前段冷却パタ−ン、図6の後段冷却パタ−ン、図7の緩冷却パタ−ンの場合、巻き取り温度計(CT)14における巻き取り温度(T)の目標値が最も重要な達成目標である。さらに、第一冷却区間の冷却速度S1の目標値が指定されることもある。
また、図8に示す3段冷却パタ−ン場合、5つの重要なパラメータがある。図8に示す3段冷却パタ−ンにおける5つの重要なパラメータとは、第一冷却区間の終端温度T1および冷却速度S1、第二冷却区間の時間t2、第一冷却区間の冷却速度S3、巻き取り温度Tである。これら5つのパラメータの優先順位は、製造する鋼板の材質によって決められる。
ここでは、最も複雑な冷却パターンである3段冷却パターンを例として取り上げ、簡略冷却パターン算出部33は、後述する図9に示すような3段冷却パターンの詳細冷却パターンを直線近似して、図8に示すような簡略冷却パターンを算出する場合について説明する。
簡略冷却パターン算出部33は、図8に示すような3段冷却の簡略冷却パターンを算出するため、各冷却区間における冷却速度S0、S1、S2、S3、S4の概算値が必要になる。
図9は、詳細冷却パターン算出部34によって算出された3段冷却の詳細冷却パターンの一例を示す説明図である。
図9において、横軸は、仕上出側温度計(FDT)13からの時間(Time from FDT[sec])、縦軸は、ストリップ(圧延材)温度(Strip temperature[degC])または冷却速度(Cooling rate[degC/s])である。
図9では、図8における初期空冷区間t0、第一冷却区間t、第二冷却区間t、第三冷却区間t、最終冷却(空冷)区間tは、それぞれ0〜1秒、1〜2.5秒、1.5秒〜6.4秒、6.4秒〜8.3秒、8.3秒〜11.7秒の区間に相当する。
また、図9において、折れ線910は、圧延材の表面の温度履歴、折れ線920は、圧延材の厚み方向の平均温度、折れ線930は、圧延材の厚み方向平均温度に基づいた冷却速度を示している。
詳細冷却パターン算出部34は、冷却制御のための管理値として、一般に、折れ線920により示す圧延材の厚み方向の平均温度を使用する。
そのため、簡略冷却パターン算出部33は、それぞれの区間、すなわち初期空冷区間t0、第一冷却区間t、第二冷却区間t、第三冷却区間t、最終冷却(空冷)区間tにおける冷却速度S0、S1、S2、S3、S4が必要なので、影響係数算出部32が影響係数として算出した冷却速度を入力して使用する。
ここで、図9の詳細冷却パターンにおける仕上出側温度計(FDT)13からの時間が1〜2.5秒の第一冷却区間tや、時間が6.4〜8.3秒の第3冷却区間tでは、折れ線930により示す冷却速度が複雑かつ急激に変化しており、この第一冷却区間tおよび第3冷却区間tでは、折れ線920により示す圧延材の厚み方向の平均温度の温度降下も、一見、直線に見えるが、実際は、複雑な曲線からなる。なお、冷却速度が一定ならば、温度降下は直線となる。
このため、図5〜図8に示す簡略冷却パターンでは、直線で近似しているものの、実際の詳細冷却パターンは、折れ線910により示す圧延材の表面の温度履歴や、折れ線920により示す圧延材の厚み方向の平均温度の温度降下等を、指数関数等の曲線で近似しなければならない場合もある。
特に、折れ線910により示す圧延材の表面の温度履歴や、折れ線920により示す圧延材の厚み方向の平均温度の温度降下は、図9の詳細冷却パターンに示すように、第一冷却区間tや、第3冷却区間tの水冷の場合に、複雑な曲線となりやすい。
そのため、詳細冷却パターン算出部34は、詳細温度モデル記憶部31が記憶した詳細温度モデルより、直接、図9に示すような詳細冷却パターンを算出することは、とても計算負荷がかかり、時間がかかる。
そこで、本実施形態では、詳細冷却パターン算出部34は、詳細温度モデル記憶部31が記憶した詳細温度モデルより、直接、図9に示すような詳細冷却パターンを算出するのではなく、詳細温度モデル記憶部31が記憶した詳細温度モデルに基づいて、影響係数算出部32に影響係数を算出させ、さらにその影響係数に基づいて簡略冷却パターン算出部33に簡略冷却パターンを算出させ、算出された簡略冷却パターンを参照して、詳細温度モデル記憶部31が記憶した詳細温度モデルより、図9に示すような詳細冷却パターンを算出することにより、詳細冷却パターン算出の際の、計算負荷を軽くすると共に、時間を短くしたものである。
そこで、簡略冷却パターン算出部33が算出する簡略冷却パターンでは、例えば、直線近似のみを考える。なお、直線近似以外を含めても勿論よい。
このため、簡略冷却パターン算出部33では、例えば、以下のような計算を行う。ただし、ここでは、一例として、図5〜図8に示す冷却パターンのうち、最も複雑な図8に示す3段冷却の場合を例に取り説明する。なお、それ以外の図5〜図7に示す冷却パターンに対しても同様に簡略冷却パターンを算出することができる。
まず、図8において、TFDは仕上出側温度計(FDT)13の温度、T0は初期空冷区間t0の終端温度、S0は初期空冷区間t0の冷却速度、T1は第一冷却区間tの終端温度、S1は第一冷却区間tの冷却速度、Tは第二冷却区間tの終端温度、Sは第二冷却区間tの冷却速度、Tは第三冷却区間tの終端温度、Sは第三冷却区間tの冷却速度、TCTは最終空冷区間tの終端温度(巻き取り温度)、Tは中間温度計(MT)がある位置での温度とする。
すると、図8に示す3段冷却の簡略冷却パターンの基本式は、以下のとおりとなる。
ここで、L1-3は、時間t1からt3の距離であり、L0-4は時間t0からt4の距離、すなわち仕上出側温度計(FDT)13から巻き取り温度計(CT)14までの距離である。Vは圧延材の搬送速度で、τは時刻を表す。
このとき、簡略冷却パターン算出部33には、3段冷却における5つの重要なパラメータT1,T,t2,S1,S3は、達成すべき値として与えられる。また、値が変化するものの、測定可能または予測可能なパラメータとして、仕上出側温度計(FDT)13の温度TFDと、圧延材の搬送速度Vとが与えられる。仕上出側温度計(FDT)13から巻き取り温度計(CT)14までの距離L0-4は、固定値である。
このような条件下で、簡略冷却パターン算出部33は、パラメータT0,T2,t0,t1,t3,t4,L0を計算して、簡略冷却パターンを算出する。
例えば、水冷を行う第一冷却区間t1の下流端のバルブを常にオンするものとすると、例えば、図8に示すような幾何学的な関係が得られ、パラメータT0,T2,t0,t1,t3,t4,L0はすべて得られる。
しかしながら、簡略冷却パターン算出部33では、影響係数算出部32によって算出された影響係数に基づいて簡略冷却パターンを算出する際、圧延材11の所望の強度や延性等の圧延材11の所望の材質や、実際の冷却バンク(Bank)17nにおけるバルブ17n3の数や配置等の制約条件を満たす必要である。
そのため、本実施形態1の簡略冷却パターン算出部33は、図11および図12にて後述するが、影響係数算出部32によって算出された影響係数に基づいて、圧延材11の所望の材質を得るために必要な所望の詳細冷却パターンに許される最低速度および最高速度で簡略冷却パターンを算出して、算出した簡略冷却パターンにおける各パラメータの値が、各パラメータの上下限範囲内であるか否かを判断し、算出した簡略冷却パターンにおける各パラメータの値が各パラメータの上下限範囲内にない場合は、算出した簡略冷却パターンにおける各パラメータの優先順位に従って、優先順位の低いパラメータから修正し、算出した簡略冷却パターンにおける各パラメータの値が、各パラメータの上下限範囲内になるように簡略冷却パターンを算出する。パラメータには、例えば、圧延材の通過位置や、その位置における温度、冷却速度および空冷時間の等がある。
ここで、簡略冷却パターン算出部33における簡略冷却パターンの計算により、例えば、図10における、折れ線1010のような簡略冷却パターンが得られたとする。
このとき、計算上の第三冷却区間t3の最終位置は、物理的な実際の冷却バンクの最下流より上流側か、最下流の位置になければ、圧延材11の所望の強度や延性等の圧延材11の所望の材質を満足できないので、簡略冷却パターン算出部33は、算出した簡略冷却パターンがこれらの制約条件を満たすか否かを確認し、制約条件内に入るようにパラメータを調整する必要がある。
例えば、簡略冷却パターン算出部33は、算出した簡略冷却パターンにおける第三冷却区間t3の最終位置が、物理的な実際の冷却バンクの最下流より下流にあり、5つの重要なパラメータT1,T,t2,S1,S3のうち、第三冷却区間t3における冷却速度S3が優先順位が最下位である場合には、図10の折れ線1020に示すように、第三冷却区間t3における冷却速度S3を目標値より急な傾きである冷却速度S3 ULになるまで修正して、第三冷却区間t3の時間を短くすることにより、計算上の第三冷却区間t3の最終位置を、物理的な実際の冷却バンク(Bank)17nの最下流以前にする修正を行う。
ただし、簡略冷却パターン算出部33は、第三冷却区間t3における冷却速度S3にも、所望の詳細冷却パターンとして、上下限値があるので、冷却速度S3の上限値を超える場合には、例えば、冷却速度S3の修正を上限値までとして、次に優先順位の低いパラメータを修正する。
このように、簡略冷却パターン算出部33は、影響係数算出部32によって算出された影響係数に基づいて、圧延材11の強度や延性等の所望の材質や、実際の冷却バンク(Bank)17nにおけるバルブ17n3の数や配置等の制約条件を満たように、図5〜図8に示すように直線等により近似した簡略冷却パターンを算出する。
その際、本実施形態の簡略冷却パターン算出部33では、計算を簡略化するため、例えば、圧延材の搬送速度として、当該圧延材で想定される最低速度と最高速度の2通りを計算し、圧延材の搬送速度が最低速度と最高速度の双方において、冷却速度や、空冷時間等の所望の詳細冷却パターンを確保できるか否かを事前に確認する。なお、当該圧延材で想定される搬送速度として最低速度と最高速度の2通りでなく、それ以上の速度を計算しても勿論よい。
(詳細冷却パターン算出部34の動作)
そして、詳細冷却パターン算出部34では、実際の冷却バンク(Bank)17nにおけるバルブ17n3のON/OFFを試行しながら、詳細温度モデル記憶部31に記憶された詳細温度モデルを参照して、簡略冷却パターン算出部33によって算出された簡略冷却パターンを目標値または初期値として使用して、圧延材の所望の強度や延性等の所望の材質を実現するために詳細冷却パターンを計算していく。
ここで、本実施形態1の詳細冷却パターン算出部34では、簡略冷却パターン算出部33によって算出された簡略冷却パターンを目標値として使用する場合と、初期値として使用する場合とがある。
詳細冷却パターン算出部34が、簡略冷却パターン算出部33によって算出された簡略冷却パターンを目標値として使う場合、圧延材の搬送速度が当該圧延材で想定される最低速度と、最高速度の2通りで上下限を超えていないか確認した後、5つの重要なパラメータT1,T,t2,S1,S3は実現できるものとみなして詳細冷却パターンを計算する。
つまり、詳細冷却パターン算出部34が、簡略冷却パターン算出部33によって算出された簡略冷却パターンを目標値として使う場合、当該圧延材11で想定される最低速度と、最高速度の2通りでそれぞれの上下限を逸脱するパラメータがあっても、そのまま詳細冷却パターンを算出し、詳細冷却パターンが厳密に達成されなくても仕方ないものとする。こうすることで、詳細冷却パターン算出部34の計算負荷は非常に軽くなる。
これに対し、詳細冷却パターン算出部34が、簡略冷却パターン算出部33で計算した詳細冷却パターンを初期値として使う場合、詳細冷却パターンの全てパラメータ(変数)が予め設定しておいた当該圧延材で想定される最低速度と、最高速度にてそれぞれの上下限範囲内に入るか否かを確認し、もし逸脱していれば、それぞれの上下限範囲内に入るように優先順位の低いパラメータから修正計算を繰り返し行う。この場合、詳細冷却パターン算出部34の計算負荷は、簡略冷却パターン算出部33により計算された詳細冷却パターンを目標値として使う場合より増えるが、初期値が適性に決められていることにより、計算回数が減ることは明らかであり、また、より正確な詳細冷却パターンを実現できる。ここで、詳細冷却パターン算出部34は、詳細冷却パターンの全てパラメータ(変数)が予め設定しておいた当該圧延材で想定される最低速度と、最高速度にてそれぞれの上下限範囲内に入るか否かではなく、それぞれの所望の値を達成できるか否かにより判断するようにしても良い。
なお、詳細冷却パターン算出部34の詳細冷却パターン算出処理は、最初のNo.1の切り板について設定する初期設定値の算出時と、その後、切り板(冷却制御単位)が仕上出側温度計(FDT)13下にあって仕上出側温度が測定された後に切り板(冷却制御単位)毎に行うダイナミック制御時とに実行される。
図11は、影響係数算出部32における影響係数の算出から詳細冷却パターン算出部34における最初の、すなわちNo.1の切り板についての初期設定値算出完了までの詳細冷却パターン算出処理の一例を示すフローチャートである。
まず、本装置では、仕上圧延機設定計算装置20等から、冷却対象である圧延材等に関する製品情報や、冷却速度、目標温度、制約条件等の必要なデータを入力する(S1100)。
すると、影響係数算出部32は、詳細温度モデル記憶部31に記憶された詳細温度モデルに基づき、前記のようにして影響係数を算出して、簡略冷却パターン算出部33へ出力する(S1110)。
簡略冷却パターン算出部33は、S1110にて影響係数算出部32が算出した影響係数に基づいて、圧延材11の所望の材質を得るために想定される、圧延材11の搬送速度の最低速度と、最高速度の2通りで簡略冷却パターンを算出する(S1120)。
次に、簡略冷却パターン算出部33は、圧延材11の搬送速度が最低速度と、最高速度の2通りで、S1120で算出した簡略冷却パターンの全ての変数であるパラメータがそれぞれのパラメータの制約条件である上下限範囲内であるか否かを判断する(S1130)。
ここで、簡略冷却パターン算出部33は、圧延材11の搬送速度が最低速度と、最高速度の2通りで、簡略冷却パターン算出部33によって算出された簡略冷却パターンの全てのパラメータがそれぞれのパラメータの制約条件である上下限範囲内にないと判断した場合(S1130“No”)、優先順位の低いパラメータからその上下限範囲内で修正し(S1140)、再度、ステップ1120の処理に戻る。
ここで、優先順位の低いパラメータとは、図8や図10に示す3段冷却の場合には、前述したように、5つの重要なパラメータT1,T,t2,S1,S3、すなわち第一冷却区間の終端温度T1および冷却速度S1、第二冷却区間の時間t2、第三冷却区間の冷却速度S3、巻き取り温度T以外のパラメータとなる。例えば、第二冷却区間の終端温度T2や、第三冷却区間の終端温度T、第2冷却区間tにおける冷却速度S、最終冷却(空冷)区間tにおける冷却速度S等である。
これに対し、簡略冷却パターン算出部33は、圧延材11の搬送速度が最低速度と、最高速度の2通りで、算出した簡略冷却パターンの全てのパラメータが、それぞれのパラメータの制約条件である上下限範囲内にあると判断した場合(S1130“Yes”)、算出した簡略冷却パターンを詳細冷却パターン算出部34へ出力する。
すると、詳細冷却パターン算出部34は、簡略冷却パターン算出部33によって算出された簡略冷却パターンを、初期値として使用するか、目標値として使用するかを判断する(S1150)。
ここで、詳細冷却パターン算出部34は、簡略冷却パターン算出部33によって算出された簡略冷却パターンを、初期値として使用すると判断した場合(S1150“Yes”)、圧延材11の搬送速度として想定される最低速度、最高速度で詳細冷却パターンを算出し(S1160)、続いてその算出した詳細冷却パターンにおける全てのパラメータがそれぞれのパラメータの制約条件である上下限範囲内であるか否かを判断する(S1170)。
そして、詳細冷却パターン算出部34は、S1160により算出した詳細冷却パターンにおける全てのパラメータがそれぞれのパラメータの制約条件である上下限範囲内にないと判断した場合(S1170“No”)、S1140と同様に、優先順位の低いパラメータからその上下限範囲内で修正し(S1180)、再度S1160の処理に戻る。
これに対し、詳細冷却パターン算出部34は、詳細冷却パターンにおける全てのパラメータがそれぞれのパラメータの制約条件である上下限範囲内にあると判断した場合(S1170“Yes”)、図11における処理を終了する。
一方、S1150の判断処理において、詳細冷却パターン算出部34は、簡略冷却パターン算出部33によって算出された簡略冷却パターンを、目標値として使用すると判断した場合(S1150“No”)、圧延材11の搬送速度として想定される最低速度、最高速度で詳細冷却パターンを算出する(S1190)。ただし、その際、初期値として使用する場合とは異なり、その算出した詳細冷却パターンにおけるパラメータがそれぞれのパラメータの制約条件である上下限範囲を超えても、修正せずに想定される最低速度、最高速度で詳細冷却パターンを算出する(S1190)。以上で、図11における処理を終了する。
以上の図11に示す処理が、詳細冷却パターン算出部34における最初の、すなわちNo.1の切り板についての初期設定値の算出処理である。
そして、詳細冷却パターン算出部34は、以上の初期設定値算出処理によって算出した詳細冷却パターンに基づくバルブ17n3のON/OFFパターンを、冷却制御部35に設定する。
冷却制御部35は、図11に示すようにして詳細冷却パターン算出部34によって算出されたパラメータの初期値設定に基づいて、No.1の切り板(冷却制御単位)について冷却制御を行う。なお、No.1以降の切り板(冷却制御単位)についてのパラメータは、詳細冷却パターン算出部34が、次の図12に示すダイナミック制御により、切り板(冷却制御単位)毎に決定する。
次に、図12により初期値設定計算後にすべての切り板(冷却制御単位)に適用されるダイナミック制御の一例について説明する。
図12は、詳細冷却パターン算出部34における初期設定計算後にすべての切り板(冷却制御単位)毎に適用されるダイナミック制御の一例を示すフローチャートである。
つまり、詳細冷却パターン算出部34は、まず、最初の切り板についてNo.=1を設定し(S1200)、続いて仕上出側温度測定値や、予測速度パターン等の冷却制御に必要なデータを、仕上圧延機設定計算装置20等から入力する(S1210)。
次いで、詳細冷却パターン算出部34は、簡略冷却パターン算出部33によって算出された簡略冷却パターンを、初期値として使用するか、目標値として使用するかを判断する(S1220)。
ここで、詳細冷却パターン算出部34は、簡略冷却パターン算出部33によって算出された簡略冷却パターンを初期値として使用すると判断した場合には(S1220“Yes”)、当該切り板の仕上出側温度測定値、予測速度などが、1つ前の切り板(切り板No.=1であれば初期設定状態)から変化していれば、1つ前の切り板のバルブ17n3のオン/OFF状態を初期値として変化分を計算する(S1230)。
次に、詳細冷却パターン算出部34は、圧延材11の搬送速度が最低速度と、最高速度の2通りで、簡略冷却パターン算出部33によって算出された簡略冷却パターンの全てのパラメータがそれぞれのパラメータの制約条件である上下限範囲内であるか否かを判断し(S1240)、パラメータの制約条件である上下限範囲内にないと判断した(S1240“No”)、優先順位の低いパラメータからその範囲内で修正し(S1250)、ステップ1310の処理に戻る。
これに対し、詳細冷却パターン算出部34は、圧延材11の搬送速度が最低速度と、最高速度の2通りで、簡略冷却パターン算出部33によって算出された簡略冷却パターンの全てのパラメータがそれぞれのパラメータの制約条件である上下限範囲内にあると判断した場合(S1240“Yes”)、切り板のバルブ17n3のオン/OFF状態を冷却制御部35に設定する(S1270)。
そして、詳細冷却パターン算出部34は、当該切り板が最後の切り板であるか否かを判断し(S1280)、当該切り板が最後の切り板である場合には(S1280“Yes”)、この処理を終了する一方、当該切り板が最後の切り板でないと判断した場合には(S1280“No”)、次の切り板の番号に更新して(S1290)、ステップ1310の処理に戻る。
これに対し、詳細冷却パターン算出部34は、S1220の判断で、簡略冷却パターン算出部33によって算出された簡略冷却パターンを初期値として使用しないと判断した場合(S1220“No”)、すなわち簡略冷却パターンを目標値として使用すると判断した場合には、当該切り板の仕上出側温度測定値、予測速度などが、1つ前の切り板(切り板No.=1であれば初期設定状態)から変化していれば、1つ前の切り板のバルブ17n3のオン/OFF状態を初期値として変化分を計算し、この場合には簡略冷却パターンの全てのパラメータがそれぞれのパラメータの制約条件である上下限範囲を超えていても修正しない(S1260)。
そして、詳細冷却パターン算出部34は、算出した詳細冷却パターンにより決定したバルブ17n3のON/OFFパターンを、冷却制御部35に設定する(S1270)。
すると、冷却制御部35は、図12に示すようにして詳細冷却パターン算出部34によって算出されたパラメータの初期値設定に基づいて、No.2以降の切り板(冷却制御単位)毎に冷却制御を行う。
従って、第1実施形態の圧延材冷却制御装置30によれば、圧延材11を冷却する所定の冷却区間における当該圧延材の温度変化を数式により記述した詳細温度モデルより、直接、図9に示すような詳細冷却パターンを算出するのではなく、まず、影響係数算出部32が詳細温度モデルに基づいて前記圧延材の温度変化の制御に必要な影響係数を算出し、次いで簡略冷却パターン算出部33がその影響係数に基づいて、圧延材11の所望の材質を得るために必要な所望の詳細冷却パターンを簡略化した簡略冷却パターンを算出し、さらに詳細冷却パターン算出部34がその簡略冷却パターンと、詳細温度モデルとに基づいて、所定の冷却区間における圧延材の詳細冷却パターンを算出し、冷却制御部35がその詳細冷却パターンに基づいて、圧延材11の冷却を制御するようにしたので、詳細冷却パターン算出の際の計算負荷を軽減することができると共に、その計算時間を短縮化することができる。
特に、第1実施形態の圧延材冷却制御装置30では、詳細温度モデルより影響係数を算出し、その影響係数に基づいて、圧延材11の所望の材質を得るために必要な所望の詳細冷却パターンを簡略化した簡略冷却パターンを算出し、その簡略冷却パターンと詳細温度モデルとに基づいて、所定の冷却区間における圧延材の詳細冷却パターンを算出するので、詳細冷却パターン算出の際の計算負荷が少ないだけでなく、計算負荷の軽い簡略冷却パターン算出時に、パラメータを上下限内に収める等のリミット回避が可能になる。
そのため、第1実施形態の圧延材冷却制御装置30によれば、詳細冷却パターンの実現を阻害する制約条件を容易に回避することができ、所望の詳細冷却パターンを簡単に実現して、最適に圧延材11の冷却制御を実行することができる。
その結果、高級鋼板等における詳細温度モデルでは、多数の未知のパラメータが使用され、詳細温度モデルから直接、詳細冷却パターンを求めようとすると、計算負荷がとても大きくなり、切り板毎の詳細冷却パターンを適確に求めることができず、最適に冷却制御することが困難であったが、第1実施形態の圧延材冷却制御装置30によれば、高級鋼板等であっても、切り板毎に所望の詳細冷却パターンを簡単に求めることが可能となり、高級鋼板等の所望の材質を適確に達成することができる。
また、第1実施形態の圧延材冷却制御装置30では、簡略冷却パターン算出部33は、影響係数に基づいて、圧延材11の冷却速度を、例えば、直線または多項式または指数関数または対数の代数の数式により近似することにより、所定の冷却区間における当該圧延材11の温度変化を幾何学的に近似して、所望の詳細冷却パターンを簡略化した簡略冷却パターンを算出しているので、詳細冷却パターン算出の際の計算負荷を軽減することができると共に、その計算時間を短縮化することができる。なお、この処理は、本発明では、任意である。
また、第1実施形態の圧延材冷却制御装置30では、簡略冷却パターン算出部33は、影響係数に基づいて、圧延材11の所望の材質を得るために必要な所望の詳細冷却パターンに許される最低速度および最高速度で簡略冷却パターンを算出して、算出した簡略冷却パターンにおける各パラメータの値が、各パラメータの上下限範囲内であるか否かを判断し、算出した簡略冷却パターンにおける各パラメータの値が各パラメータの上下限範囲内にない場合は、算出した簡略冷却パターンにおける各パラメータの優先順位に従って、優先順位の低いパラメータから修正し、算出した簡略冷却パターンにおける各パラメータの値が、各パラメータの上下限範囲内になるように簡略冷却パターンを算出するので、より計算負荷の軽い簡略冷却パターン算出時に、パラメータを上下限内に収める等のリミット回避が効率良く可能になる。なお、この処理も、本発明では、任意である。
また、第1実施形態の圧延材冷却制御装置30では、詳細冷却パターン算出部34は、簡略冷却パターン算出部33によって算出された簡略冷却パターンにおけるパラメータの値を、詳細冷却パターン算出のための目標値とするか、あるいは詳細冷却パターン算出のための初期値として、圧延材11の所望の材質を得るために必要な所望の詳細冷却パターンに許される最低速度および最高速度で詳細冷却パターンを算出し、簡略冷却パターンにおけるパラメータの値を目標値とする場合には、その算出した詳細冷却パターンを出力する一方、簡略冷却パターンにおけるパラメータの値を初期値とする場合には、その算出した詳細冷却パターンにおける各パラメータの値が、各パラメータの上下限範囲内であるか否かを判断し、算出した詳細冷却パターンにおける各パラメータの値が各パラメータの上下限範囲内にない場合、算出した詳細冷却パターンにおける各パラメータの優先順位に従って、優先順位の低いパラメータから修正し、算出した詳細冷却パターンにおける各パラメータの値が、各パラメータの上下限範囲内になるように詳細冷却パターンを算出するようにしたので、より精度の高い詳細冷却パターンを簡単かつ確実に算出することができる。なお、この処理も、本発明では、任意である。
なお、本実施形態1の圧延材冷却制御装置30では、では、3段冷却パターンにより冷却制御を行う場合を一例に説明したが、それ以外の冷却パターン、すなわち前段冷却パターン、後段冷却パターン、緩冷却パターンに対しても、同様に適用できる。
≪第2実施形態≫
次に、第2実施形態の圧延材冷却制御装置について説明する。なお、第2実施形態の圧延材冷却制御装置の構成は、図3に示す第1実施形態の圧延材冷却制御装置30の構成と外見は同じであるので、図3に示す第1実施形態の圧延材冷却制御装置30の構成を参照して、第2実施形態の圧延材冷却制御装置の動作を説明する。
第2実施形態の圧延材冷却制御装置では、冷却バンク(Bank)17nにおけるバルブ17n3のON/OFF動作(操作)を最小、即ちなるべく少なくするように制御するものである。なお、第2実施形態では、3段冷却パターンにより冷却制御を行う場合を一例に説明するが、それ以外の冷却パターン、すなわち前段冷却パターン、後段冷却パターン、緩冷却パターンでも同様に適用できる。
冷却バンク(Bank)17nにおけるバルブ17n3のON/OFF動作(操作)をなるべく少なくする理由は、前述のように、冷却バンク(Bank)17nにおけるバルブ17n3の応答には、必ず遅れがあるため、バルブ17n3は、なるべくON/OFF動作を繰り返さないほうが望ましい。例えば、図13に示すように、最上流の冷却バンク(Bank)171におけるバルブ1713を、常にON(開)状態にするピボットバルブとして設定すると、同じ圧延材11でも、仕上出側温度が変化したり、圧延材11の搬送速度が変化するため、このような状態で冷却制御を実行すると、下流側に向かってバルブ17n3をON/OFFすることになり、第一冷却区間の最下流の冷却バンク(Bank)17pにおけるバルブ17p3のON/OFF状態が変化する。
3段冷却パターンでは、第二冷却区間である空冷区間の長さ(時間)を目標値に保つことも重要である。そのため、第一冷却区間の最下流の冷却バンク(Bank)17pにおけるバルブ17p3のON/OFF状態が変化すると、第二冷却区間における空冷区間の長さ(時間)を保つために、第三冷却区間の最上流の冷却バンク(Bank)17rのバルブ17r3のON/OFFもあわせて変更しなければならないことになる。なお、第二冷却区間における空冷区間の長さ(時間)は、圧延材11の搬送速度によって変わる。
従って、第二冷却区間の最上流および最下流の冷却バンク(Bank)17qにおけるバルブ17q3のON/OFFが繰り返されることは、冷却制御の精度劣化、ひいては圧延材の強度や延性等の材質劣化につながる。
そこで、第2実施形態の冷却バンク制御部352は、図14に示すように、最上流のバルブが最高速度でONするように、すなわち第一冷却区間の最下流の冷却バンク(Bank)17pにおけるバルブ17p3をピポットバルブとして常にON(開)状態にするように設定し、第一冷却区間の最下流の冷却バンク(Bank)17pにおけるバルブ17p3から上流に向かってバルブ17n3をON/OFFするように制御する。
このためには、第2実施形態の冷却バンク制御部352では、予め圧延材の搬送速度の最低速度と最高速度とのそれぞれにおいてON(開)状態にすることが必要な第一冷却区間のバルブ数を予め計算しておき、最大数ON(開)状態にする状態が第1冷却区間の最下流から所定の上流までのバルブ並びになるように、第一冷却区間の所定の上流の冷却バンク(Bank)17nのバルブ位置を決める。
ここで、第一冷却区間の最下流の冷却バンク(Bank)17pにおけるバルブ17p3をピポットバルブとして常にON(開)状態にすることにより、第二冷却区間の空冷時間を目標値に保つためには、圧延材の搬送速度の変化等による第二冷却区間の空冷時間自体の変化も考慮して、第三冷却区間の最上流のONバルブ位置を変更すればよい。
すると、第二冷却区間の空冷時間は、圧延材の搬送速度、第一冷却区間の最下流の冷却バンク(Bank)17pにおけるONバルブ位置、第三冷却区間の最上流の冷却バンク(Bank)17rにおけるONバルブ位置の関係によって決まる。なお、圧延材の搬送速度は、加速後一定速度となり、その後減速というのが一般的なパターンであるから、第三冷却区間の最上流の冷却バンク(Bank)17rにおけるONバルブ位置が小刻みに変わることはない。
このように、第一冷却区間の最下流の冷却バンク(Bank)17pにおけるバルブ17p3を、常にON(開)状態にすることにより、各バルブ17n3がON/OFF動作を繰り返すことを、最低限にとどめることができる。
従って、第2実施形態の圧延材冷却制御装置によれば、前記第1実施形態の圧延材冷却制御装置と同様に、詳細温度モデルから影響係数を求め、その影響係数に基づいて簡略冷却パターンを求め、簡略冷却パターンにしたがって詳細冷却パターンを決めるようにしたので、詳細冷却パターンを算出する際の計算負荷が少なくなり、リミット回避が容易に可能な冷却制御を行うことができ、その結果、詳細冷却パターンの実現を阻害する制約条件を容易に回避することができ、所望の詳細冷却パターンを実現して、最適に冷却制御を実行することにより、所望の材質を適確に達成することができる。
特に、第2実施形態の圧延材冷却制御装置では、水冷の第一冷却区間の最下流の冷却バンク(Bank)17pにおけるバルブ17p3をピポットバルブとして常にONにして、上流に向かってバルブをON/OFF制御するようにしたので、各冷却バンク(Bank)17nにおけるバルブ17n3のON/OFF動作(操作)が最小になるように制御することができ、水冷の第1冷却区間の最上流の冷却バンク(Bank)171におけるバルブ1713をピポットバルブとして常にONにして、下流に向かってバルブをON/OFF制御する場合と比較すると、バルブ17n3の応答遅れの悪影響を低減することができる。その結果、所望の詳細冷却パターンを維持しながら、目標値を維持するフィードバック制御を行うことが可能となり、高精度な冷却パターンの制御を実現することができ、冷却制御の精度が向上し、さらに、圧延材の強度や延性等の材質も向上させることができる。
≪第3実施形態≫
次に、第3実施形態の圧延材冷却制御装置40について説明する。
第3実施形態の圧延材冷却制御装置40では、圧延材11の強度や延性などの所望の材質を実現するために与えられる所望の温度、冷却速度および空冷時間等のうち、所望の温度より冷却速度の優先順位が高い場合にあっては、目標温度と測定温度の偏差のフィードバック制御として温度計近くの冷却バンクから直接注水する制御方式ではなく、目標温度と測定温度の偏差により目標温度を修正するフィードバック制御を行うようにしたものである。
つまり、第1実施形態の圧延材冷却制御装置30等では、フィードバック(FB)制御部353によるフィードバック制御により、巻き取り温度計(CT)14に近い冷却バンク(Bank)17N−1,17Nを使用して、巻き取り温度計(CT)14における最終的な巻取り温度を制御することを目的としているが、第3実施形態の圧延材冷却制御装置40では、材質を確保するうえで重要な冷却速度を守るために、フィードバック制御により冷却バンク(Bank)17N−1,17N等にて局所的に注水しないようにしたものである。
冷却バンク(Bank)17N−1,17Nを使用して局所的に注水する理由は、操作端である冷却バンク(Bank)から巻き取り温度計(CT)14までの距離が短いほうが、むだ時間が短く、制御性能を出しやすいためである。
しかしながら、図5に示す前段冷却パターンや、図7に示す緩冷却パターンにおいては、巻き取り温度計(CT)14の位置につながる最後の冷却区間である第二空冷区間を、比較的長い時間確保しているため、第1実施形態の圧延材冷却制御装置30におけるフィードバック(FB)制御部353によるフィードバック制御のように、巻き取り温度計(CT)14に近い冷却バンク(Bank)17N−1,17Nを使用して、巻き取り温度計(CT)14における最終的な巻取り温度を制御しようとすると、第二空冷区間内に、水冷区間が入ってしまう場合がある。
また、図6に示す後段冷却パターンや、図8に示す3段冷却パターンにおいても、巻き取り温度計(CT)14につながる最後の冷却区間は空冷区間(図6では、第二空冷区間、図8では、最終空冷区間)で、その時間は短いものの、フィードバック(FB)制御部353によるフィードバック制御により、巻き取り温度計(CT)14に近い冷却バンク(Bank)17N−1,17Nを使用して、巻き取り温度計(CT)14における最終的な巻取り温度を制御しようとすると、最後の水冷の冷却区間(図6では、第一冷却区間、図8では、第三冷却区間)の冷却速度を変更することになり、意図せず冷却速度が変化してしまうことがある。
圧延材の強度や延性などの所望の材質を実現するために、設定される所望の温度、冷却速度および空冷時間のうちで、温度より冷却速度の優先順位が高い場合には、フィードバック(FB)制御部353によるフィードバック制御により、巻き取り温度計(CT)14近くの冷却バンク(Bank)17N−1,17Nから直接注水する制御方式は使わないほうがよい。
同様の理由により、温度より冷却速度が優先される場合には、中間温度計(MT)15の中間温度に目標値が与えられる場合でも、中間温度計(MT)15の測定値を、中間温度計(MT)15の直近上流の冷却バンク(Bank)の注水量を、フィードバック制御により直接変更しないほうが良い。
そこで、第3実施形態の圧延材冷却制御装置は、所望の材質を確保するうえで重要な冷却速度を守るために、フィードバック(FB)制御部353により、冷却バンク(Bank)17N−1,17N等にて局所的に注水して、巻き取り温度計(CT)14における目標値を達成するのではなく、内部温度目標値を修正することにより巻き取り温度計(CT)14における目標値を達成するようにしたものである。
図15は、第3実施形態の圧延材冷却制御装置40の構成例を示す図である。
図15において、第3実施形態の圧延材冷却制御装置40は、図3に示す第3実施形態の圧延材冷却制御装置30の構成からフィードバック(FB)制御部353の機能を省略し、冷却制御部45の冷却バンク制御部452等が、次の図16に示すように巻き取り温度計(CT)14や中間温度計(MT)15等が測定した巻き取り温度や中間温度等に基づいて、内部温度目標値を修正するフィーバック温度制御を変更したものである。なお、冷却バンク制御部452に内部温度目標値を修正するフィーバック温度制御機能を追加するのではなく、独立してフィーバック温度制御部を設けるようにしても勿論よい。
図16は、第3実施形態の圧延材冷却制御装置40における内部温度目標値を修正するフィードバック制御の一例を示す説明図である。
図16は、説明の便宜上、図1と同様に、1つの中間温度計(MT)15が、搬送テーブル(ROT)10上に設置されている場合を例とする。搬送テーブル(ROT)10上には、開始点に仕上出側温度計(FDT)13、終了点に巻き取り温度計(CT)14が設置されているものとする。
ここで、仕上出側温度計(FDT)13から中間温度計(MT)15までを前半冷却単位とし、中間温度計(MT)から巻き取り温度計(CT)14までを後半冷却単位とする。
第3実施形態の冷却バンク制御部452は、前半冷却単位では、中間温度計(MT)15の中間温度目標値と、中間温度計(MT)15における中間温度測定値との偏差を、中間温度計(MT)15の中間温度内部目標値に加算して修正し、中間温度計(MT)15における中間温度測定値が修正された中間温度内部目標値を達成するように、仕上出側温度計(FDT)13と中間温度計(MT)15との間の冷却バンク(Bank)を制御する。
つまり、第3実施形態の冷却バンク制御部452は、仕上出側温度計(FDT)13と中間温度計(MT)15との間における水冷区間の時間を変更することにより、設定された冷却速度を変えないようにする。
これに対し、後半冷却単位では、第3実施形態の冷却バンク制御部452は、巻き取り温度計(CT)14の巻き取り温度目標値と、巻き取り温度計(CT)14における巻き取り温度測定値との偏差を、巻き取り温度内部目標値に加算して修正し、巻き取り温度計(CT)14における巻き取り温度測定値が修正された巻き取り温度目標値を達成するように、中間温度計(MT)15と巻き取り温度計(CT)14との間の冷却バンク(Bank)を制御する。
つまり、第3実施形態の冷却バンク制御部452は、中間温度計(MT)15と巻き取り温度計(CT)14との間における水冷区間の時間を変更することにより、設定された冷却速度を変えないようにする。
なお、第3実施形態の冷却バンク制御部452は、前半冷却単位および後半冷却単位において、中間温度計(MT)15または巻き取り温度計(CT)14が、それぞれ修正された中間温度内部目標値または巻き取り温度測定値を達成するように、以上のような制御を、所定時間毎に、複数回実行するようにしても良い。
第3実施形態の冷却バンク制御部452は、以上のような制御を、所定時間毎に、複数回実行した場合の巻き取り温度計(CT)14における巻き取り温度測定値を、数式により表わすと、次の式14に示すよう表わすことができる。なお、中間温度の場合も、同様に表わすことができる。
である。
なお、中間温度の場合も、同様に表わすことができる。また、中間温度計(MT)15が複数個ある場合は、その数を最大数として、すなわち温度計の間毎に冷却単位を分割して、上記と同様に制御すればよい。
従って、第3実施形態の圧延材冷却制御装置40によれば、第1実施形態の圧延材冷却制御装置30等と同様に、詳細温度モデルから影響係数を求め、その影響係数に基づいて簡略冷却パターンを求め、簡略冷却パターンにしたがって詳細冷却パターンを決めるようにしたので、詳細冷却パターンを算出する際の計算負荷が少なくなり、リミット回避が容易に可能な冷却制御を行うことができ、その結果、詳細冷却パターンの実現を阻害する制約条件を容易に回避することができ、所望の詳細冷却パターンを実現して、最適に冷却制御を実行することにより、所望の材質を適確に達成することができる。
特に、第3実施形態の圧延材冷却制御装置では、所望の材質を確保するうえで重要な冷却速度を守るために、フィードバック(FB)制御部353により、巻き取り温度計(CT)14に近い冷却バンク(Bank)17N−1,17N等にて局所的に注水して、巻き取り温度計(CT)14における目標値を達成するのではなく、第3実施形態の冷却バンク制御部452により、温度計の目標値と、その温度計における度測定値との偏差を、その温度計の温度内部目標値に加算して修正し、その温度計における温度測定値が修正された温度内部目標値を達成するように、その温度計までの冷却バンク(Bank)を制御するようにしたので、空冷区間内に水冷区間が入ってしまったり、さらには、意図せず冷却速度が変化してしまうことを防止することができ、圧延材の強度や延性などの所望の材質を実現するために、設定される所望の温度、冷却速度および空冷時間のうちで、温度より冷却速度の優先順位が高い場合でも、冷却速度を優先して維持することができる。
なお、前記第1〜第3実施形態の圧延材冷却制御装置30,40は、熱間薄板圧延ラインに適用して説明したが、本発明はこれに限定されず、同様の冷却バンクを有する他の態様の熱間薄板圧延ラインや、厚板圧延ラインや、冷間圧延ライン等の圧延プラント、でも同様に適用することができる。
また、前記第1〜第3実施形態では、本発明に係る圧延材冷却制御装置の構成例を、図3に示すようにハードウエア的に説明したが、本発明では、これに限らず、本発明に係る圧延材冷却制御装置および圧延材冷却制御方法を、CPUと、前記実施形態と同様の動作を実行させる圧延材冷却制御プログラムを記憶した記憶部等を設けて、コンピュータ装置や、制御装置により、ソフトウエア的に実行するように構成しても勿論よい。
また、前記第1〜第3実施形態は、あくまで、本発明の一例である実施形態であり、各種パラメータや各種数値等も一例であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で修正等可能であり、これらに限定されるものでない。
産業上の利用の可能性
以上のように、本発明に係る圧延材冷却制御装置、圧延材冷却制御方法、圧延材冷却制御プログラムは、所定の冷却区間における圧延材の温度変化を、パラメータを用い数式により記述した詳細温度モデルに基づいて、パラメータの制御に必要な影響係数を算出し、その影響係数に基づいて、圧延材の所望の材質(強度や延性等)を得るために必要な所望の詳細冷却パターンを簡略化した簡略冷却パターンを算出し、算出した簡略冷却パターンと、詳細温度モデルとに基づいて所定の冷却区間における圧延材の詳細冷却パターンを算出して、算出した詳細冷却パターンに基づいて圧延材の冷却を制御するようにしたので、圧延材の詳細温度モデルから直接、詳細冷却パターンを求める場合と比較して、詳細温度モデルから詳細冷却パターンを求める際の計算負荷が小さくなり、最適に冷却制御を実行して、高級鋼板等の製造に必要な材質を効率良く制御することができる、という効果を有し、熱間薄板圧延ラインや、厚板圧延ラインや、冷間圧延ライン等における圧延材冷却制御装置、圧延材冷却制御方法、圧延材冷却制御プログラムが対象になり、これらの圧延材冷却制御装置、圧延材冷却制御方法、圧延材冷却制御プログラムに対し産業上の利用の可能性が高い。
20…仕上圧延機設定計算装置
30,40…圧延材冷却制御装置
31…詳細温度モデル記憶部
32…影響係数算出部
33…簡略冷却パターン算出部
34…詳細冷却パターン算出部
35,45…冷却制御部
351…圧延材トラッキング部
352,452…冷却バンク制御部
353…フィードバック(FB)制御部
図1に示すように、圧延機最終スタンド12を出た圧延材11は、仕上出側温度計(FDT)13により温度を測定され、搬送テーブル(ROT)10上に設置されたn(n=1〜N。Nは通常7〜25である。)個の冷却バンク(Bank)17n、すなわち冷却バンク(Bank)171,172,・・・17Nで冷却水が噴射され、圧延材11が冷却される。その後、巻き取り温度計(CT)14で温度が測定され、巻き取り機16で巻き取られる。一般に、搬送テーブル(ROT)10は、多数のロール18を並べて回転させ、圧延材11を搬送している。
つまり、圧延材11におけるノード番号iの温度変化△T i の詳細温度モデルは、例えば、以下の式1のように表わすことができる。
はノードiからノード(i+1)への熱伝導、 transf は相変態による熱流のパラメータである。また、“−”がつくものは熱が奪われ、 “+”は熱が発生することを示している。
また、図8に示す3段冷却パタ−ン場合、5つの重要なパラメータがある。図8に示す3段冷却パタ−ンにおける5つの重要なパラメータとは、第一冷却区間の終端温度T1および冷却速度S1、第二冷却区間の時間t2、第冷却区間の冷却速度S3、巻き取り温度Tである。これら5つのパラメータの優先順位は、製造する鋼板の材質によって決められる。
図9では、図8における初期空冷区間t0、第一冷却区間t、第二冷却区間t、第三冷却区間t、最終冷却(空冷)区間tは、それぞれ0〜1秒、1〜2.5秒、.5秒〜6.4秒、6.4秒〜8.3秒、8.3秒〜11.7秒の区間に相当する。
これに対し、詳細冷却パターン算出部34が、簡略冷却パターン算出部33で計算した簡略冷却パターンを初期値として使う場合、簡略冷却パターンの全てパラメータ(変数)が予め設定しておいた当該圧延材で想定される最低速度と、最高速度にてそれぞれの上下限範囲内に入るか否かを確認し、もし逸脱していれば、それぞれの上下限範囲内に入るように優先順位の低いパラメータから修正計算を繰り返し行う。この場合、詳細冷却パターン算出部34の計算負荷は、簡略冷却パターン算出部33により計算された簡略冷却パターンを目標値として使う場合より増えるが、初期値が適性に決められていることにより、計算回数が減ることは明らかであり、また、より正確な詳細冷却パターンを実現できる。ここで、詳細冷却パターン算出部34は、簡略冷却パターンの全てパラメータ(変数)が予め設定しておいた当該圧延材で想定される最低速度と、最高速度にてそれぞれの上下限範囲内に入るか否かではなく、それぞれの所望の値を達成できるか否かにより判断するようにしても良い。
ここで、簡略冷却パターン算出部33は、圧延材11の搬送速度が最低速度と、最高速度の2通りで、簡略冷却パターン算出部33によって算出された簡略冷却パターンの全てのパラメータがそれぞれのパラメータの制約条件である上下限範囲内にないと判断した場合(S1130“No”)、優先順位の低いパラメータからその上下限範囲内で修正し(S1140)、再度、ステップ1120の処理に戻る。
次に、詳細冷却パターン算出部34は、圧延材11の搬送速度が最低速度と、最高速度の2通りで、簡略冷却パターン算出部33によって算出された簡略冷却パターンの全てのパラメータがそれぞれのパラメータの制約条件である上下限範囲内であるか否かを判断し(S1240)、パラメータの制約条件である上下限範囲内にないと判断した(S1240“No”)、優先順位の低いパラメータからその範囲内で修正し(S1250)、ステップ1310の処理に戻る。
そして、詳細冷却パターン算出部34は、当該切り板が最後の切り板であるか否かを判断し(S1280)、当該切り板が最後の切り板である場合には(S1280“Yes”)、この処理を終了する一方、当該切り板が最後の切り板でないと判断した場合には(S1280“No”)、次の切り板の番号に更新して(S1290)、ステップ1310の処理に戻る。
図15において、第3実施形態の圧延材冷却制御装置40は、図3に示す第実施形態の圧延材冷却制御装置30の構成からフィードバック(FB)制御部353の機能を省略し、冷却制御部45の冷却バンク制御部452等が、次の図16に示すように巻き取り温度計(CT)14や中間温度計(MT)15等が測定した巻き取り温度や中間温度等に基づいて、内部温度目標値を修正するフィーバック温度制御を変更したものである。なお、冷却バンク制御部452に内部温度目標値を修正するフィーバック温度制御機能を追加するのではなく、独立してフィーバック温度制御部を設けるようにしても勿論よい。
なお、第3実施形態の冷却バンク制御部452は、前半冷却単位および後半冷却単位において、中間温度計(MT)15または巻き取り温度計(CT)14が、それぞれ修正された中間温度内部目標値または巻き取り温度目標値を達成するように、以上のような制御を、所定時間毎に、複数回実行するようにしても良い。

Claims (8)

  1. 所定の冷却区間における圧延材の温度変化を、パラメータを用い数式により記述した詳細温度モデルを記憶した詳細温度モデル記憶部と、
    前記詳細温度モデル記憶部に記憶された前記詳細温度モデルに基づいて、前記圧延材の温度変化の制御に必要な影響係数を算出する影響係数算出部と、
    前記影響係数算出部によって算出された前記影響係数に基づいて、前記圧延材の所望の材質を得るために必要な所望の詳細冷却パターンを簡略化した簡略冷却パターンを算出する簡略冷却パターン算出部と、
    前記簡略冷却パターン算出部によって算出された前記簡略冷却パターンと、前記詳細温度モデル記憶部に記憶された前記詳細温度モデルとに基づいて、前記所定の冷却区間における前記圧延材の詳細冷却パターンを算出する詳細冷却パターン算出部と、
    前記詳細冷却パターン算出部によって算出された前記詳細冷却パターンに基づいて、前記圧延材の冷却を制御する冷却制御部と、
    を有することを特徴とする圧延材冷却制御装置。
  2. 請求項1記載の圧延材冷却制御装置において、
    前記簡略冷却パターン算出部は、
    前記圧延材の冷却速度を、直線または多項式または指数関数または対数の代数の数式により近似することにより、前記所定の冷却区間における当該圧延材の温度変化を幾何学的に近似して、前記所望の詳細冷却パターンを簡略化した簡略冷却パターンを算出する、
    ことを特徴とする圧延材冷却制御装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の圧延材冷却制御装置において、
    前記簡略冷却パターン算出部は、
    前記影響係数算出部によって算出された前記影響係数に基づいて、前記圧延材の所望の材質を得るために必要な所望の詳細冷却パターンに許される最低速度および最高速度で前記簡略冷却パターンを算出して、算出した前記簡略冷却パターンにおける各パラメータの値が、各パラメータの上下限範囲内であるか否かを判断し、
    算出した前記簡略冷却パターンにおける各パラメータの値が各パラメータの上下限範囲内にない場合は、算出した前記簡略冷却パターンにおける各パラメータの優先順位に従って、優先順位の低いパラメータから修正し、算出した前記簡略冷却パターンにおける各パラメータの値が、各パラメータの上下限範囲内になるように簡略冷却パターンを算出する、
    ことを特徴とする圧延材冷却制御装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一の請求項に記載の圧延材冷却制御装置において、
    前記詳細冷却パターン算出部は、
    前記簡略冷却パターン算出部によって算出された前記簡略冷却パターンにおけるパラメータの値を、前記詳細冷却パターン算出のための目標値とするか、あるいは前記詳細冷却パターン算出のための初期値として、前記圧延材の所望の材質を得るために必要な所望の詳細冷却パターンに許される最低速度および最高速度で前記詳細冷却パターンを算出し、
    前記簡略冷却パターンにおけるパラメータの値を前記目標値とする場合には、その算出した前記詳細冷却パターンを出力する一方、
    前記簡略冷却パターンにおけるパラメータの値を前記初期値とする場合には、その算出した前記詳細冷却パターンにおける各パラメータの値が、各パラメータの上下限範囲内であるか否かを判断し、算出した前記詳細冷却パターンにおける各パラメータの値が各パラメータの上下限範囲内にない場合、算出した前記詳細冷却パターンにおける各パラメータの優先順位に従って、優先順位の低いパラメータから修正し、算出した前記詳細冷却パターンにおける各パラメータの値が、各パラメータの上下限範囲内になるように前記詳細冷却パターンを算出する、
    ことを特徴とする圧延材冷却制御装置。
  5. 請求項1〜請求項3のいずれか一の請求項に記載の圧延材冷却制御装置において、
    前記冷却制御部は、
    前記圧延材の詳細冷却パターンとして、水冷の第一冷却区間、空冷の第二冷却区間、水冷の第三冷却区間の3段階を経る3段冷却パターンを行う場合、前記第一冷却区間の下流端のバルブを常にオンすることにより、前記第二冷却区間としての空冷時間を確保し、前記第三冷却区間の上流端でオンするバルブの位置のみを修正する、
    ことを特徴とする圧延材冷却制御装置。
  6. 請求項1〜請求項3のいずれか一の請求項に記載の圧延材冷却制御装置において、
    前記冷却制御部は、
    前記圧延材の所望の材質を実現するために与えられる所望の温度より所望の冷却速度の方が優先順位が高い場合、目標温度と測定温度との偏差をフィードバックし前記目標温度に加算して内部温度目標値とし、その内部温度目標値を達成するように、前記圧延材の冷却を制御する、
    ことを特徴とする圧延材冷却制御装置。
  7. 圧延材を冷却する所定の冷却区間における当該圧延材の温度変化を、数式により記述した詳細温度モデルに基づいて、前記圧延材の温度変化の制御に必要な影響係数を算出するステップと、
    算出された前記影響係数に基づいて、前記圧延材の所望の材質を得るために必要な所望の詳細冷却パターンを簡略化した簡略冷却パターンを算出するステップと、
    算出された前記簡略冷却パターンと、前記詳細温度モデルとに基づいて、前記所定の冷却区間における前記圧延材の詳細冷却パターンを算出するステップと、
    算出された前記詳細冷却パターンに基づいて、前記圧延材の冷却を制御するステップと、
    を有する圧延材の圧延材冷却制御方法。
  8. コンピュータに、
    圧延材を冷却する所定の冷却区間における当該圧延材の温度変化を、数式により記述した詳細温度モデルに基づいて、前記圧延材の温度変化の制御に必要な影響係数を算出するステップと、
    算出された前記影響係数に基づいて、前記圧延材の所望の材質を得るために必要な所望の詳細冷却パターンを簡略化した簡略冷却パターンを算出するステップと、
    算出された前記簡略冷却パターンと、前記詳細温度モデルとに基づいて、前記所定の冷却区間における前記圧延材の詳細冷却パターンを算出するステップと、
    算出された前記詳細冷却パターンに基づいて、前記圧延材の冷却を制御するステップと、
    を実行させるための圧延材の圧延材冷却制御プログラム。
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