JPWO2011125210A1 - 突入電流抑制装置および突入電流抑制方法 - Google Patents

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Abstract

三相遮断器の開極時前後において、三相変圧器の内部に生ずる各相の残留磁束を求める残留磁束算出部7と、三相遮断器のプレアーク特性および閉極時間ばらつき特性を考慮して閉極位相の投入磁束誤差を求める投入磁束誤差算出部11と、三相遮断器の各相閉極順序を決定する閉極順序決定部13と、閉極第一相の投入磁束誤差が最小となる位相と残りの二相の投入磁束誤差が最小となる位相とを算出すると共に、基準点から閉極第一相の目標閉極位相までの時間を閉極第一相の目標閉極時刻として設定し、基準点から閉極第二相の目標閉極位相までの時間と閉極第一相の投入磁束誤差に起因して閉極第一相の磁束が飽和し得る期間を避けて設定される遅延時間との和を閉極第二相の目標閉極時刻として設定する目標閉極位相・時刻設定部15と、閉極指令に応答し、目標閉極時刻にて各相を閉極させるよう閉極制御信号を生成して出力する閉極制御部17と、を備える。

Description

本発明は、三相変圧器に三相電源を投入する際に発生し得る過大な励磁突入電流を抑制する突入電流抑制装置および突入電流抑制方法に関する。
変圧器の励磁突入電流を抑制する方式の一つとして、三相電源の特定位相において遮断器を投入する位相制御投入方式が挙げられる。従来、三相のうちで最初に閉極操作を行う閉極第一相については、任意の基準相の位相0度を基準点として、閉極第一相の残留磁束ならびに、予め求められている三相遮断器のプレアーク特性および閉極時間ばらつき特性に基づいて、投入点における定常磁束値と残留磁束値との最大誤差の絶対値である投入磁束誤差が最小となる閉極位相を算出して閉極第一相の目標閉極位相として設定し、残り二相については、基準相の位相0度を基準点として、予め求められている三相遮断器のプレアーク特性および閉極時間ばらつき特性に基づいて、残留磁束が0である場合に投入磁束誤差が最小となる閉極位相を算出して残り二相の目標閉極位相として設定し、基準点から残り二相の目標閉極位相までの時間と予め設定しておいた三相電源の周期の整数倍に相当する遅延時間とを合計した時間を、残り二相の目標閉極時刻として設定する技術が開示されている(例えば、下記特許文献1)。
特許第3804606号公報(第5−12頁、図1−4)
上述のように、上記特許文献1に記載の技術では、投入点における定常磁束値と残留磁束値との最大誤差の絶対値である投入磁束誤差が最小となる閉極位相を算出して第一相を投入することとしている。しかしながら、第一相の閉極時間ばらつき特性により実際の投入点は目標投入点に必ずしも一致しない。実際の投入点が目標投入点からずれた場合には、投入磁束誤差は零ではなく、この投入磁束誤差の分だけ投入後の定常磁束がオフセットして零基準軸に対して非対称波形となる。このとき、オフセット量が多い場合には、鉄心の磁束が飽和領域に達し、この期間において励磁突入電流が発生する。励磁突入電流が発生している期間は残り二相の極間電圧が高くなるため、この期間に残り二相を投入する場合、想定する目標投入点よりも投入点が早くなり、想定以上の励磁突入電流が発生してしまうという課題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、励磁突入電流の最大値を抑制して過大な励磁突入電流の発生を抑制することができる突入電流抑制装置および突入電流抑制方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる突入電流抑制装置は三相変圧器に対する三相交流電源の供給および遮断を三相遮断器を介して行う構成に適用され、前記三相遮断器の投入時に前記三相変圧器に発生し得る励磁突入電流を抑制する突入電流抑制装置であって、前記三相遮断器の開極時前後における前記三相変圧器に生ずる各相電圧に基づき、この三相変圧器の内部に生ずる各相の残留磁束を求める残留磁束算出部と、前記各相の残留磁束に基づき、前記三相遮断器のプレアーク特性および閉極時間ばらつき特性を考慮して、閉極位相の投入磁束誤差を各相毎に求める投入磁束誤差算出部と、前記各相の残留磁束に基づき、前記三相遮断器における各相の閉極順序を決定する閉極順序決定部と、前記閉極順序決定部が決定した閉極第一相における投入磁束誤差が最小となる位相を算出して当該閉極第一相の目標閉極位相として設定すると共に、所定の基準相における所定位相を基準点として、残りの二相における投入磁束誤差が最小となる位相を算出して閉極第二相の目標閉極位相として設定する目標閉極位相設定部と、前記基準点から前記閉極第一相の目標閉極位相までの時間を当該閉極第一相の目標閉極時刻として設定すると共に、当該基準点から前記閉極第二相の目標閉極位相までの時間と所定の遅延時間とを合計した時間を当該閉極第二相の目標閉極時刻として設定する目標閉極時刻設定部と、前記三相遮断器に対する閉極指令に応答し、前記目標閉極時刻設定部が設定した各相の目標閉極時刻にて各相を閉極させるよう前記三相遮断器に対し閉極制御信号を生成して出力する閉極制御部と、を備え、前記所定の遅延時間は、前記閉極第一相の投入磁束誤差に起因して当該閉極第一相の磁束が飽和する可能性のある期間を避けて設定されることを特徴とする。
本発明にかかる突入電流抑制装置によれば、励磁突入電流の最大値を抑制して過大な励磁突入電流の発生を抑制することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る突入電流抑制装置を説明する図である。 図2は、閉極第一相投入後の三相変圧器に生ずる磁束波形および三相変圧器に印加される電源電圧波形を示す図である。 図3は、閉極一相であるA相投入後のB相およびC相の目標投入点を説明する図である。 図4は、プレアーク特性および閉極時間ばらつき特性に起因する磁束誤差および目標投入点のずれを説明する図である。 図5は、磁束誤差に起因するA相励磁突入電流を説明する図である。 図6は、励磁突入電流が流れない状態での電源電圧、変圧器電圧および極間電圧を示す図である。 図7は、励磁突入電流が流れた状態での電源電圧、変圧器電圧および極間電圧を示す図である。 図8は、励磁突入電流によって閉極第二相であるB,C相の投入時間が早まる様子を説明する図である。 図9は、実施の形態1による一制御手法を説明する図である。 図10は、本発明の実施の形態2に係る突入電流抑制装置を説明する図である。 図11は、閉極第二相投入後の三相変圧器に生ずる磁束波形および三相変圧器に印加される電源電圧波形を示す図である。 図12は、閉極第二相であるB相投入後のC相の目標投入点を説明する図である。 図13は、プレアーク特性および閉極時間ばらつき特性に起因する磁束誤差および目標投入点のずれを説明する図である。 図14は、磁束誤差に起因するA,B相間励磁突入電流を説明する図である。 図15は、励磁突入電流によって閉極第三相であるC相の投入時刻がずれる様子を説明する図である。 図16は、実施の形態2による一制御手法を説明する図である。
以下に添付図面を参照し、本発明の実施の形態にかかる突入電流抑制装置および突入電流抑制方法について説明する。なお、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る突入電流抑制装置を説明する図である。図1に示すように、実施の形態1に係る突入電流抑制装置100は、三相電源1と三相変圧器3とが三相遮断器2を介して接続される電力システムに用いられて好適な装置であり、残留磁束算出部7、投入磁束誤差算出部11、閉極順序決定部13、目標閉極位相・時刻設定部15および閉極制御部17を備えて構成される。
つぎに、実施の形態1に係る突入電流抑制装置100の動作について、図1および図2を参照して説明する。なお、図2は、三相遮断器を開放状態から投入状態に制御するときの三相変圧器に生ずる磁束波形および三相変圧器に印加される電源電圧波形を示す図である。
まず、本実施の形態では、三相電源1のうちの何れかの一相(例えばA相)を基準相と定義する。図1に示すように、電力システムには、電圧測定器4,5が設けられている。基準相の電源電圧18は、電圧測定器4で測定され、突入電流抑制装置100に入力される。また、各相に生ずる変圧器電圧6は、電圧測定器5で測定され、突入電流抑制装置100に入力される。なお、電圧測定器4,5としては、例えば高電圧測定用の計器用変圧器が用いられる。
図1において、残留磁束算出部7は、開極指令19aが入力されると開極指令入力時刻前後における各相の変圧器電圧6(電圧測定器5が測定)を用いて各相の残留磁束8、すなわち三相変圧器3の鉄心内における残留磁束を算出する。投入磁束誤差算出部11は、三相変圧器3の各相の残留磁束8、三相遮断器2のプレアーク特性9および閉極時間ばらつき特性10を考慮して、閉極位相の投入磁束誤差12を各相毎に求める。なお、投入磁束誤差算出部11の代わりに、残留磁束のパターンによって、予め目標閉極位相を決定するマップ作成部(図示は省略)を有する構成であっても構わない。
閉極順序決定部13は、三相遮断器2における各相の閉極順序14を決定する。なお、本実施の形態では、各相のうち残留磁束算出部7で求められた残留磁束8の絶対値が最も大きい相を閉極第一相として説明するが、この限りではない。例えば三相のうちの二相の残留磁束に極端な差がない場合には、残留磁束の大きさが2番目の相を閉極第一相としても構わない。
目標閉極位相・時刻設定部15は、基準相の電源電圧18の位相0度を基準として、各相の目標閉極時刻16を算出する。つまり、閉極順序決定部13により決定された閉極第一相については、基準相の位相0度を基準点として、閉極第一相の残留磁束、予め求められている三相遮断器2のプレアーク特性9および閉極時間ばらつき特性10に基づいて、投入点における定常磁束値と残留磁束値との最大誤差の絶対値である投入磁束誤差が最小となる閉極位相を算出して閉極第一相の目標閉極位相として設定すると共に、基準点から閉極第一相の目標閉極位相までの時間を、閉極第一相の目標閉極時刻として設定する。また、残り二相については、所定の基準相における基準位相(例えば位相0度)を基準点として、三相遮断器2のプレアーク特性9および閉極時間ばらつき特性10に基づいて、残留磁束が0である場合に投入磁束誤差が最小となる閉極位相を算出して残り二相の目標閉極位相(すなわち閉極第二相の目標閉極位相)として設定すると共に、基準点から残り二相の目標閉極位相までの時間と予め設定しておいた所定の遅延時間とを合計した時間を残り二相の目標閉極時刻として設定する。なお、ここでいう所定の遅延時間の詳細については後述する。
閉極制御部17は、閉極指令19bが入力されると、電圧測定器4が測定した基準相の電源電圧18の位相0度を基準点として、目標閉極位相・時刻設定部15が設定した各相の目標閉極時刻16において各相を閉極させるように、三相遮断器2に対し閉極制御信号20を出力する。
図2は、一例として、A相に“−0.5PU”、B相に“+0.2PU”、C相に“+0.3PU”(“1.0PU”は変圧器に生じ得る最大残留磁束)の残留磁束が残存した場合に、閉極第一相としてのA相を投入磁束誤差がゼロとなる位相で投入させ、残り二相はA相投入後1サイクル経過後の投入磁束誤差がゼロとなる位相で投入させた場合の各部波形を示している。
図2に示すような三相電源電圧(A相電源電圧101、B相電源電圧102、C相電源電圧103)が印加されるとき、A相投入後にはA相定常磁束104が発生し、B相、C相にはA相と逆位相で振幅が1/2となる磁束107(B相磁束:一点鎖線、C相磁束:二点鎖線)が発生する。この磁束107は、A相投入後、残り二相の変圧器側電圧にはA相の逆位相の1/2の振幅の電圧が誘起されることにより発生する。なお、鉄心磁束の均一化現象により残り二相に残存していた残留磁束による直流分は減衰し、ゼロに収束する。残り二相であるB、C相投入後は、B,C相の磁束は定常磁束105,106になる。
図1に戻り、三相変圧器3は、Y結線の一次巻線およびΔ結線の二次巻線(要すれば三次巻線)を備え、Y結線中性点は接地されている。一次巻線は、三相電源1に三相遮断器2を介して接続されており、三相変圧器3に対する三相電源1への投入および三相電源1からの遮断の両方が、この三相遮断器2の開閉操作によって行われる。なお、図1では、三相変圧器3の二次巻線または三次巻線が、Δ結線の場合を示しているが、Y結線であっても構わない。
ここで、三相変圧器3が三相電源1から遮断されるとき、三相遮断器2では、通常の三相遮断器と同じように三相の主接点を同時に動作させて三相一括の開極制御が行われる。一方、投入のときは、各相個々に設定された閉極位相に基づいて閉極制御が行われる。すなわち、三相遮断器2は、各相の投入を個々独立に制御可能な位相制御機能付の三相遮断器である。
つぎに、三相遮断器2を用いて変圧器投入操作を実施するときのプレアーク特性および閉極時間ばらつき特性ならびに、これらの特性に起因して発生する磁束誤差および励磁突入電流について、図3〜図8を参照して説明する。ここで、図3は、三相遮断器2を用いて変圧器投入操作を実施するときのプレアーク特性に基づく目標投入点を説明する図であり、図4は、プレアーク特性および閉極時間ばらつき特性に起因する磁束誤差および目標投入点のずれを説明する図であり、図5は、磁束誤差に起因する励磁突入電流を説明する図である。また、図6は、励磁突入電流が流れない状態での電源電圧、変圧器電圧および極間電圧を示す図であり、図7は、励磁突入電流が流れた状態での電源電圧、変圧器電圧および極間電圧を示す図であり、図8は、励磁突入電流によって閉極第二相の投入時間が早まる様子を説明する図である。なお、図4および図5において、閉極第一相であるA相は投入状態であり、閉極第二相であるB,C相は開放状態である。
まず、図3には、三相遮断器2を用いて変圧器投入操作を実施した場合の各相極間電圧とプレアーク特性とが示されている。この図3において、A相極間電圧110とプレアーク特性直線115とが交差する点が、閉極第一相であるA相の目標投入点(A相目標投入点)114となる。
ここで、残り二相(B相、C相)の電源電圧は、図6に示される、B相電源電圧302およびC相電源電圧303であり、基準相であるA相電源電圧301の位相をθとすれば、それらの各相電源電圧は、
B相電源電圧=sin(θ−120°) …(1)
C相電源電圧=sin(θ−240°) …(2)
で表される。
一方、図示しないA相投入後のB相変圧器電圧およびC相変圧器電圧は、
B相変圧器電圧=sin(θ−180°)/2 …(3)
C相変圧器電圧=sin(θ−180°)/2 …(4)
で表される。
よって残り二相の極間電圧である、B相、C相の各極間電圧は、
B相極間電圧=B相電源電圧−B相変圧器電圧
=−√3/2×sin(θ−90°) …(5)
C相極間電圧=C相電源電圧−C相変圧器電圧
=+√3/2×sin(θ−90°) …(6)
となる。
また、図3には、B相極間電圧およびC相極間電圧の絶対値(上記(5)、(6)式から明らかなように同じ値)であるB,C相極間電圧113(A相目標投入点114より前ではB相極間電圧111、C相極間電圧112)が示されている。残り二相の目標投入点は、閉極時間ばらつき特性およびプレアーク特性を考慮して、B,C相極間電圧113とプレアーク特性直線117,118の交差する投入時間範囲120において、投入磁束誤差が最小となるようにB,C相目標投入点119(B,C相極間電圧113とプレアーク特性直線116との交点)を決定する。
ところが、図4に示すように、閉極第一相であるA相の投入点が、閉極時間ばらつき特性により、A相極間電圧139とプレアーク特性直線130との交点であるA相目標投入点134ではなく、A相極間電圧139とプレアーク特性直線131との交点であるA相投入点135となってしまった場合、A相磁束133は、磁束上昇点138から上昇するカーブを描くため、投入磁束誤差136が発生する。すなわち、A相磁束133は、この投入磁束誤差136の増分だけA相定常磁束132からオフセットし、変圧器鉄心の磁束飽和閾値137を超えるため、図5に示すようなA相励磁突入電流140が発生する。
図5に示すA相励磁突入電流140が発生すると、図6に示すA相変圧器電圧306が図7に示すA相変圧器電圧316に変化すると共に、図6に示すB,C相変圧器電圧307が図7に示すB,C相変圧器電圧317に変化し、それに伴って、図6に示すB相極間電圧304およびC相極間電圧305も、図7に示すB相極間電圧314およびC相極間電圧315に変化(増加)する。
ここで、図8を参照すると、A相励磁突入電流140が発生している期間では、B,C相極間電圧162,163も増加している。このため、閉極時間ばらつき特性が大きい場合には投入点164が投入点165に変わり、想定していた投入時間範囲160が投入時間範囲161に広がる。その結果、残り二相の投入により想定以上の投入磁束誤差が発生し、想定以上の励磁突入電流が発生することになる。
以上説明した事項が、「発明が解決しようとする課題」の項でも説明した事項、すなわち「想定する目標投入点よりも投入点が早くなり、想定以上の励磁突入電流が発生してしまう」という課題である。
この課題を解決するため、実施の形態1では、図5に示すような励磁突入電流が発生しない期間において、残り二相の目標投入点を設定するという制御を行う。図9は、想定以上の励磁突入電流の発生を抑制するという本実施の形態による一制御手法を説明する図である。具体的には、以下の制御を行う。
まず、閉極第一相により発生する励磁突入電流は、360°毎に繰り返し発生するのに対して、残り二相の目標投入点は180°毎に存在するという点に着目する。このため、残り二相の遅延時間(従来の投入時間に対する遅延時間)を0.5サイクル分短縮する制御を行うか、あるいは“0.5+n”サイクル(nは整数)分延長する制御を行う。別言すれば、残り二相の遅延時間を三相交流電源の半サイクルもしくは半サイクルの奇数倍に相当する時間に設定する制御を行う。この制御により、B相およびC相は、励磁突入電流が発生しない期間に投入することができ、想定内である投入時間範囲の確保が可能となる。図9に示す例は、残り二相の遅延時間を0.5サイクル分短縮する制御(B相およびC相投入のための遅延時間を半サイクルに設定)を行った場合であり、プレアーク特性直線176とB,C相極間電圧113とによるC相目標投入点279の決定に際し、プレアーク特性直線177,178を考慮した投入時間範囲170を想定することができる。この制御により、B相およびC相は、励磁突入電流が発生しない期間に投入することができ、想定内である投入時間範囲の確保が可能となる。
なお、本実施の形態では、残り二相の遅延時間を三相交流電源の半サイクルに相当する時間に設定する例を開示したが、本発明はこれに限定されるものではない。肝要な点は、残り二相の遅延時間が閉極第一相の投入磁束誤差に起因して閉極第一相の磁束が飽和する可能性のある期間を避けて設定されればよく、つきつめれば、励磁突入電流が発生しない期間に投入することができればよく、この概念も本発明の要旨を成すものである。
以上説明したように、実施の形態1に係る突入電流抑制装置によれば、閉極第一相投入時の投入磁束誤差から第一相の磁束のオフセットによる磁束飽和閾値を超えて励磁突入電流が発生する期間を算出し、励磁突入電流が発生しない期間で遅延相となる残り二相の目標投入点を決定することとしたので、残り二相の極間電圧が不安定とならない期間での投入が可能となる。また、この制御により、想定した投入時間範囲内での投入が可能となり、意図しない過大な励磁突入電流を抑制することができる。
実施の形態2.
図10は、本発明の実施の形態2にかかる突入電流抑制装置を説明する図である。図1に示す電力システムでは、変圧器一次側がY結線であり、変圧器二次側がΔ結線であるY−Δ接続の三相変圧器3を例示したが、図10に示す電力システムでは、変圧器一次側、二次側共にΔ結線であるΔ−Δ接続の三相変圧器3aを例示している。なお、図10では、三相変圧器3aの二次巻線または三次巻線が、Δ結線の場合を示しているが、Y結線であっても構わないことは実施の形態1と同様である。また、上記以外の構成については、図1に示した実施の形態1の構成と同一または同等であり、これら共通の構成部には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
変圧器一次側がΔ結線の場合、第一相投入時には三相変圧器に励磁電流が発生せず、第二相投入時に初めて励磁電流が発生する。すなわち、第一相投入時(例えばA相投入時)の各変圧器電圧yta,ytb,ytcは、A相電源電圧をypaとするとき、
A相変圧器電圧yta=A相電源電圧ypa …(7)
B相変圧器電圧ytb=A相電源電圧ypa …(8)
C相変圧器電圧ytc=A相電源電圧ypa …(9)
となる。
つぎに、第二相の投入時(A相に続き、B相を投入)には、A相変圧器巻線両端のみに定格電圧が印加され、B,C相の変圧器巻線にはその逆位相電圧が1/2ずつ印加される。すなわち、B相電源電圧をypaとするとき、各相巻線両端の電位差は、
A相巻線両端の電位差=ypa−ypb
=√(3)sin(θ+30) …(10)
B相巻線両端の電位差=−(ypa−ypb)/2
=−√(3)/2sin(θ+30) …(11)
C相巻線両端の電位差=−(ypa−ypb)/2
=−√(3)/2sin(θ+30) …(12)
となる。
また、C相変圧器電圧およびC相極間電圧は、
C相変圧器電圧=ypa−(ypa−ypb)/2
=(ypa+ypb)/2 …(13)
C相極間電圧=ypc−(ypa+ypb)/2 …(14)
となる。
しかしながら、閉極第一相、第二相を投入した際に閉極時間ばらつき特性により、実施の形態1と同様、励磁突入電流が発生する場合がある。励磁突入電流が発生している期間の各相巻線両端の電位差は、(励磁突入電流)×(系統インピーダンス)に応じた電圧低下量ΔVが発生するため、
A相巻線両端の電位差=ypa−ypb−ΔV
=√(3)sin(θ+30)−ΔV …(15)
B相巻線両端の電位差=−(ypa−ypb)/2−ΔV
=−√(3)/2sin(θ+30)−ΔV …(16)
C相巻線両端の電位差=−(ypa−ypb)/2−ΔV
=−√3/2sin(θ+30) −ΔV …(17)
となり、
C相変圧器電圧=ypa−((ypa−ypb)/2−ΔV)
=(ypa+ypb)/2+ΔV …(18)
C相極間電圧=ypc−(ypa+ypb)/2−ΔV …(19)
となる。
上記のとおり、励磁突入電流が発生している期間に遅延相であるC相を投入する場合、C相の極間電圧が変動するため、所望の位相で投入できない。なお、図11〜図16は、このときの状況を説明するための図である。これらの図面のうち、図11〜図14は、それぞれ実施の形態1の説明で使用した図2〜図5に対応し、図15,16は、それぞれ実施の形態1の説明で使用した図8,9に対応する。
図11は、A相に“−0.5PU”、B相に“+0.2PU”、C相に“+0.3PU”の残留磁束が残った場合に、閉極第一相としてのA相を投入磁束誤差がゼロとなる位相で投入させた場合の各部波形を示している。
図11において、A相投入後にはA,B相間定常磁束204が発生し、BC相間、CA相間にはAB相間と逆位相で振幅が1/2となるB,C相間、C,A相間定常磁束205が発生する。ここで、図2との相違は、定常磁束の波形が相間の定常磁束である点が異なっている(相間の定常磁束であるため、大きさは√3倍となっている)。この理由は、本実施の形態で説明する三相変圧器3aの一次側がΔ結線であるためである。なお、B,C相間、C,A相間定常磁束205の定常磁束が1/2となるのは、A相投入後、残り2つの相間にはA相の逆位相の1/2の振幅の電圧が誘起されるためである。この点は、図2と同一の態様である。この後、鉄心磁束の均一化現象により残り2つの相間に残存していた残留磁束による直流分は減衰し、ゼロに収束する。
ここで、図12には、閉極第一相としてA相を投入し、閉極第二相としてB相を投入したときのB,C相極間電圧とプレアーク特性とが示されている。この図12において、B相極間電圧212とB相プレアーク特性直線215とが交差する点が、閉極第二相であるB相の目標投入点(B相目標投入点)214となる。
また、図12には、C相極間電圧の絶対値であるC相極間電圧213が示されている。C相目標投入点219はC相極間電圧213とC相プレアーク特性直線216との交点として示されているが、閉極時間ばらつき特性およびプレアーク特性を考慮して、C相極間電圧213とプレアーク特性直線217,218の交差する投入時間範囲220において、投入磁束誤差が最小となるように決定される。
ところが、図13に示すように、閉極第二相であるB相の投入点が、閉極時間ばらつき特性により、B相極間電圧239とB相プレアーク特性直線230との交点であるB相目標投入点234ではなく、B相極間電圧239とB相プレアーク特性直線231との交点であるB相投入点235となってしまった場合、A,B相間磁束233は、磁束上昇点238から上昇するカーブを描くため、投入磁束誤差236が発生する。すなわち、A,B相間磁束233は、この投入磁束誤差236の増分だけA,B相間定常磁束232からオフセットし、変圧器鉄心の磁束飽和閾値237を超えるため、図14に示すようなA,B相間励磁突入電流240が発生する。
図14に示すA,B相間励磁突入電流240が発生すると、各相巻線両端の電位差も(15)〜(17)式に示すように変化し、それに伴って、C相変圧器電圧が(18)式に示すように変化し、C相極間電圧も(19)式に示すように変化する。その結果、所望の位相で投入することができなくなる。
図15に示す例で説明すると、閉極時間のばらつきがない場合、C相プレアーク特性直線216と、励磁突入電流が流れない場合のC相極間電圧213との交点であるC相目標投入点219が、C相プレアーク特性直線218とC相極間電圧263との交点である意図しない投入点266に変わってしまう。
この課題を解決するため、実施の形態2では、実施の形態1と同様、先行投入する2相のタイミングにより励磁突入電流が発生する期間を避け、残り一相(閉極第三相)の目標投入点を設定するという制御を行う。このような制御を行えば、先行投入相の影響を受けずに所望の位相で投入することが可能となる。
図16に示す例は、残り一相(この例ではC相)の遅延時間(従来の投入時間に対する遅延時間)を0.5サイクル分短縮する制御(C相投入のための遅延時間を半サイクルに設定)を行った場合であるが、C相プレアーク特性直線276とC相極間電圧263とによるC相目標投入点279の決定に際し、C相プレアーク特性直線277,278を考慮した投入時間範囲270を想定することができる。この制御により、C相は、励磁突入電流が発生しない期間に投入することができ、想定内である投入時間範囲の確保が可能となる。
なお、本実施の形態では、残り一相の遅延時間を三相交流電源の半サイクルに相当する時間に設定する例を開示したが、本発明はこれに限定されるものではない。肝要な点は、残り一相(閉極第三相)の遅延時間が閉極第一相および閉極第二相の投入磁束誤差に起因して閉極第一相と閉極第二相との間の磁束が飽和する可能性のある期間を避けて設定されればよく、つきつめれば、励磁突入電流が発生しない期間に投入することができればよく、この概念も本発明の要旨を成すものである。
以上説明したように、実施の形態2に係る突入電流抑制装置によれば、閉極第二相投入時の投入磁束誤差から第二相の磁束のオフセットによる磁束飽和閾値を超えて励磁突入電流が発生する期間を算出し、励磁突入電流が発生しない期間で遅延相となる残り一相の目標投入点を決定することとしたので残り一相の極間電圧が安定化することができ、想定した所望の位相での投入が可能となり、意図しない過大な励磁突入電流を抑制することができる。
なお、以上の実施の形態1,2に示した構成は、本発明の構成の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能であることは言うまでもない。
以上のように、本発明にかかる突入電流抑制装置は、励磁突入電流の最大値を抑制して過大な励磁突入電流の発生を抑制することができる発明として有用である。
1 三相電源
2 三相遮断器
3,3a 三相変圧器
4,5 電圧測定器
6 変圧器電圧
7 残留磁束算出部
8 残留磁束
9 プレアーク特性
10 閉極時間ばらつき特性
11 投入磁束誤差算出部
12 投入磁束誤差
13 閉極順序決定部
14 閉極順序
15 目標閉極位相・時刻設定部
16 目標閉極時刻
17 閉極制御部
18 電源電圧
19a 開極指令
19b 閉極指令
20 閉極制御信号
100 突入電流抑制装置
101 A相電源電圧
102 B相電源電圧
103 C相電源電圧
104 A相定常磁束
105 B相定常磁束
106 C相定常磁束
107 B,C相磁束
110,139 A相極間電圧
111 B相極間電圧
112 C相極間電圧
113 B,C相極間電圧
114 A相目標投入点
115〜118,130,131,177,178 プレアーク特性直線
119,179 B,C相目標投入点
120,160,161,170 投入時間範囲
132 A相定常磁束
133 A相磁束
134 A相目標投入点
135 A相投入点
136 投入磁束誤差
137 磁束飽和閾値
138 磁束上昇点
140 A相励磁突入電流
162 B相極間電圧
163 C相極間電圧
164,165,266 投入点
204 A,B相間定常磁束
205 B,C相間、C,A相間定常磁束
212 B相極間電圧
213,239 C相極間電圧
214,234 B相目標投入点
215,230,231 B相プレアーク特性直線
216〜218,276〜278 C相プレアーク特性直線
219 C相目標投入点
220,270 投入時間範囲
232 A,B相間定常磁束
233 A,B相間磁束
234 B相目標投入点
235 B相投入点
236 投入磁束誤差
237 磁束飽和閾値
238 磁束上昇点
240 A,B相間励磁突入電流
263 C相極間電圧
301 A相電源電圧
302 B相電源電圧
303 C相電源電圧
304,314 B相極間電圧
305,315 C相極間電圧
306,316 A相変圧器電圧
307,317 B,C相変圧器電圧

Claims (5)

  1. 一次巻線がY結線された三相変圧器に対する三相交流電源の供給および遮断を三相遮断器を介して行う構成に適用され、前記三相遮断器の投入時に前記三相変圧器に発生し得る励磁突入電流を抑制する突入電流抑制装置であって、
    前記三相遮断器の開極時前後における前記三相変圧器に生ずる各相電圧に基づき、この三相変圧器の内部に生ずる各相の残留磁束を求める残留磁束算出部と、
    前記各相の残留磁束に基づき、前記三相遮断器のプレアーク特性および閉極時間ばらつき特性を考慮して、閉極位相の投入磁束誤差を各相毎に求める投入磁束誤差算出部と、
    前記各相の残留磁束に基づき、前記三相遮断器における各相の閉極順序を決定する閉極順序決定部と、
    前記閉極順序決定部が決定した閉極第一相における投入磁束誤差が最小となる位相を算出して当該閉極第一相の目標閉極位相として設定すると共に、所定の基準相における所定位相を基準点として、残りの二相における投入磁束誤差が最小となる位相を算出して閉極第二相の目標閉極位相として設定する目標閉極位相設定部と、
    前記基準点から前記閉極第一相の目標閉極位相までの時間を当該閉極第一相の目標閉極時刻として設定すると共に、当該基準点から前記閉極第二相の目標閉極位相までの時間と所定の遅延時間とを合計した時間を当該閉極第二相の目標閉極時刻として設定する目標閉極時刻設定部と、
    前記三相遮断器に対する閉極指令に応答し、前記目標閉極時刻設定部が設定した各相の目標閉極時刻にて各相を閉極させるよう前記三相遮断器に対し閉極制御信号を生成して出力する閉極制御部と、
    を備え、
    前記所定の遅延時間は、前記閉極第一相の投入磁束誤差に起因して当該閉極第一相の磁束が飽和する可能性のある期間を避けて設定されることを特徴とする突入電流抑制装置。
  2. 一次巻線がΔ結線された三相変圧器に対する三相交流電源の供給および遮断を三相遮断器を介して行う構成に適用され、前記三相遮断器の投入時に前記三相変圧器に発生し得る励磁突入電流を抑制する突入電流抑制装置であって、
    前記三相遮断器の開極時前後における前記三相変圧器に生ずる各相電圧または各相間電圧に基づき、この三相変圧器の内部に生ずる各相の残留磁束を求める残留磁束算出部と、
    前記各相の残留磁束に基づき、前記三相遮断器のプレアーク特性および閉極時間ばらつき特性を考慮して、閉極位相の投入磁束誤差を各相毎に求める投入磁束誤差算出部と、
    前記各相の残留磁束に基づき、前記三相遮断器における各相の閉極順序を決定する閉極順序決定部と、
    前記閉極順序決定部が決定した閉極第一相および閉極第二相における投入磁束誤差が最小となる位相をそれぞれ算出して当該閉極第一相の目標閉極位相および当該閉極第二相の目標閉極位相として設定すると共に、所定の基準相における所定位相を基準点として、残りの一相における投入磁束誤差が最小となる位相を算出して閉極第三相の目標閉極位相として設定する目標閉極位相設定部と、
    前記基準点から前記閉極第一相の目標閉極位相までの時間および前記閉極第二相の目標閉極位相までの時間をそれぞれ当該閉極第一相の目標閉極時刻および当該閉極第二相の目標閉極時刻として設定すると共に、当該基準点から前記閉極第三相の目標閉極位相までの時間と所定の遅延時間とを合計した時間を当該閉極第三相の目標閉極時刻として設定する目標閉極時刻設定部と、
    前記三相遮断器に対する閉極指令に応答し、前記目標閉極時刻設定部が設定した各相の目標閉極時刻にて各相を閉極させるよう前記三相遮断器に対し閉極制御信号を生成して出力する閉極制御部と、
    を備え、
    前記所定の遅延時間は、前記閉極第一相および前記閉極第二相の投入磁束誤差に起因して当該閉極第一相と当該閉極第二相との間の磁束が飽和する可能性のある期間を避けて設定されることを特徴とする突入電流抑制装置。
  3. 前記所定の遅延時間は、前記三相交流電源の半周期もしくは半周期の奇数倍に相当する時間に設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の突入電流抑制装置。
  4. 一次巻線がY結線された三相変圧器に対する三相交流電源の供給および遮断を三相遮断器を介して行う構成に適用され、前記三相遮断器の投入時に前記三相変圧器に発生し得る励磁突入電流を抑制する突入電流抑制方法であって、
    前記三相変圧器に生ずる各相電圧または各相間電圧を測定する第1の測定ステップと、
    前記三相遮断器の開極時前後における前記第1の測定ステップの測定結果に基づき、この三相変圧器の内部に生ずる各相の残留磁束を求める第1の算出ステップと、
    前記各相の残留磁束に基づき、前記三相遮断器のプレアーク特性および閉極時間ばらつき特性を考慮して、閉極位相の投入磁束誤差を各相毎に求める第2の算出ステップと、
    前記各相の残留磁束に基づき、前記三相遮断器における各相の閉極順序を決定する第1の決定ステップと、
    所定の基準相の電圧を測定する第2の測定ステップと、
    前記閉極順序決定部が決定した閉極第一相における投入磁束誤差が最小となる位相を算出して当該閉極第一相の目標閉極位相として設定する第1の設定ステップと、
    前記第2の測定ステップにて測定した前記基準相における所定位相を基準点として、残りの二相における投入磁束誤差が最小となる位相を算出して閉極第二相の目標閉極位相として設定する第2の設定ステップと、
    前記基準点から前記閉極第一相の目標閉極位相までの時間を当該閉極第一相の目標閉極時刻として設定する第3の設定ステップと、
    前記閉極第一相の投入磁束誤差に起因して当該閉極第一相の磁束が飽和する可能性のない期間における任意の時刻と前記基準点の時刻との時刻差を遅延時間として設定する第4の設定ステップと、
    前記基準点から前記閉極第二相の目標閉極位相までの時間と前記遅延時間とを合計した時間を当該閉極第二相の目標閉極時刻として設定する第5の設定ステップと、
    前記三相遮断器に対する閉極指令に応答し、前記目標閉極時刻設定部が設定した各相の目標閉極時刻にて各相を閉極させるよう前記三相遮断器に対し閉極制御信号を生成して出力する閉極制御ステップと、
    を含むことを特徴とする突入電流抑制方法。
  5. 一次巻線がΔ結線された三相変圧器に対する三相交流電源の供給および遮断を三相遮断器を介して行う構成に適用され、前記三相遮断器の投入時に前記三相変圧器に発生し得る励磁突入電流を抑制する突入電流抑制方法であって、
    前記三相変圧器に生ずる各相電圧または各相間電圧を測定する第1の測定ステップと、
    前記三相遮断器の開極時前後における前記第1の測定ステップの測定結果に基づき、この三相変圧器の内部に生ずる各相の残留磁束を求める第1の算出ステップと、
    前記各相の残留磁束に基づき、前記三相遮断器のプレアーク特性および閉極時間ばらつき特性を考慮して、閉極位相の投入磁束誤差を各相毎に求める第2の算出ステップと、
    前記各相の残留磁束に基づき、前記三相遮断器における各相の閉極順序を決定する第1の決定ステップと、
    所定の基準相の電圧を測定する第2の測定ステップと、
    前記閉極順序決定部が決定した閉極第一相および閉極第二相における投入磁束誤差が最小となる位相をそれぞれ算出して当該閉極第一相の目標閉極位相および当該閉極第二相の目標閉極位相として設定する第1の設定ステップと、
    前記第2の測定ステップにて測定した前記基準相における所定位相を基準点として、残りの一相における投入磁束誤差が最小となる位相を算出して閉極第三相の目標閉極位相として設定する第2の設定ステップと、
    前記基準点から前記閉極第一相の目標閉極位相までの時間および前記閉極第二相の目標閉極位相までの時間をそれぞれ当該閉極第一相の目標閉極時刻および当該閉極第二相の目標閉極時刻として設定する第3の設定ステップと、
    前記閉極第一相および前記閉極第二相の投入磁束誤差に起因して当該閉極第一相の磁束と当該閉極第二相との間の磁束が飽和する可能性のない期間における任意の時刻と前記基準点の時刻との時刻差を遅延時間として設定する第4の設定ステップと、
    前記基準点から前記閉極第三相の目標閉極位相までの時間と前記遅延時間とを合計した時間を当該閉極第三相の目標閉極時刻として設定する第5の設定ステップと、
    前記三相遮断器に対する閉極指令に応答し、前記目標閉極時刻設定部が設定した各相の目標閉極時刻にて各相を閉極させるよう前記三相遮断器に対し閉極制御信号を生成して出力する閉極制御ステップと、
    を含むことを特徴とする突入電流抑制方法。
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