JPWO2011122204A1 - 凸版印刷装置並びにそれを用いた印刷物及び有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 - Google Patents

凸版印刷装置並びにそれを用いた印刷物及び有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】印刷装置に起因する異物の印刷パターンへの混入を低減させ、さらに微細なパターンを被印刷体に面内均一かつ高位置精度で形成することが可能な凸版印刷装置及び印刷物の製造方法を提供すること。【解決手段】回転式の版胴と、版胴上に配置した凸版と、表面に凹凸加工が施され、凸版にインクを供給するアニロックスロールと、アニロックスロール表面にインクを塗布してインク塗膜を形成する塗工装置と、を備えることを特徴とする凸版印刷装置とする。さらにこのような凸版印刷装置を用いて印刷物を製造する。【選択図】図1

Description

本発明は、凸版印刷法や樹脂凸版を用いて微細なパターンを被印刷体に面内均一かつ高位置精度で形成でき、さらに連続的に安定して形成する凸版印刷装置に関する。また、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)用カラーフィルターにおけるパターン、有機エレクトロルミネセンス(EL)素子の発光層や電荷輸送層、有機薄膜トランジスタ(TFT)基板における電極パターン、電磁波シールドにおけるシールドパターン等の高精細パターンの形成に適した印刷物の製造方法に関する。
従来、ウェットプロセスで微細なパターンを被印刷体に面内均一かつ高位置精度で形成し、さらに連続的に安定して形成する方法としては、フォトリソグラフィー法が主に使用されている。しかし、このフォトリソグラフィー法はプロセスが複雑で、パターン形成に必要な製造設備等が高価であり、また材料の無駄が多いため、製造コストが高くなるという問題がある。
また、フォトリソグラフィー法以外のパターニング方法として、オフセット印刷や凸版印刷等の印刷法や、インクジェット法が実際に有機EL素子の発光層形成等の薄膜パターン形成が試みられている(先行文献1、2)。特に、凸版印刷法は薄膜でのパターニング精度の点で有利だと考えられる。
従来の凸版印刷装置の一例を、図13を参照して説明する。
図2の凸版印刷装置では、印刷パターンに対応した凸形状のパターンを有する凸版704と、版下クッション703を介して凸版704が装着される回転式の版胴705と、凸版704の版面にインクを供給するためのアニロックスロール701と、アニロックスロール701にインクを供給するインクチャンバー708と、アニロックスロール上の余分なインクを掻き落とすドクターブレード702と、被印刷基板707が載置される基板定盤706と、を有して構成されている。版胴を回転させて、凸版上のインクを被印刷基板に転写することで、印刷が完了する。
上述したような従来の凸版印刷装置では、図14に示すように、アニロックスロール701にインクチャンバー708からインクが供給された後、ドクターブレードがアニロックスロールから版へ供給されるインクをある程度均一にするために、アニロックスロール表面701Aの余分なインクを掻き落としている。このように、アニロックスロールが保持するインク量が調整される。
しかしアニロックスロールやドクターブレードは精度や耐久性の面から材質が金属であることが多く、両者が印刷工程において常に接触しているため、徐々にブレードもしくはアニロックスロール表面が削れて異物が発生する。紙への印刷物ならば、それほど問題とならないが半導体やカラーフィルターなどのエレクトロニクス部品では、削れた異物が原因で製品不良となったり、異物が金属の場合、導電することによりショートを起こすなどの不具合が発生してしまう。
また、凸版表面へのインクの供給量は、版面の濡れ性、凸版のパターン形状、インク粘度の他、アニロックスロールのメッシュ線数、及びメッシュのセル容積(溝の容積)により大きく左右される。また、凸版表面へのインク供給量の増減により、最終製品となる被印刷基板への印刷転写膜厚が増減する。
一方で、アニロックスロール及びドクターブレードを用いない凸版印刷法として、ベタロール上にインク塗膜を形成して、これを凸版に供給する印刷装置も試みられている(特許文献3)。しかしながら、ベタロールの場合、上述のようにアニロックスのような膜厚制御ができないことから、被印刷基板に転写するインクの膜厚の制御が難しく、高い膜厚精度及び均一性が求められるようなエレクトロニクス部品の製造は困難であった。特に図15に示すように、ベタロール710から凸版704にインクを転移させる際に、インク塗膜711が凸版の凹部に侵入し、印刷パターンがつぶれてしまうために、高精細な印刷は困難であった。
さらに、アニロックスロール上のインクが乾燥してしまわないように、インクチャンバーにインクを溜め、アニロックスロールの一部を浸漬させるように回転することで、インク塗布と乾燥防止の役割を持たせたりもするが、この方式ではインクが大気に触れる面積が広く、インクの酸化が起こりやすく、乾燥もしてしまうため乾燥異物が発生するといった問題もある。
チャンバー内に溜められたインクは、塗工時はもちろん装置が停止しているときにも徐々に大気劣化を起こし、製品の品質を維持するためには、このインクを定期的に入替る必要があり、その度に大量に消費することになる。エレクトロニクス材料のインクは印刷のインクと違い高価であるため、ランニングコストがかかることになる。
また、従来の方式ではアニロックスロールが回転することで、チャンバーを通過しインクを塗工、それをドクターブレードで掻き取り、版へ転写するといった一連の連続動作となっているため、インクは塗工と転写が同時に可能な特性を持たなければならずインク選定が困難であるといった問題がある。
特開2001−93668号公報 特開2001−155858号公報 特開2008−296547号公報
上述のような従来の凸版印刷装置の問題を鑑みて、本発明の目的は、印刷装置に起因する異物の印刷パターンへの混入を低減させ、さらに微細なパターンを被印刷体に面内均一かつ高位置精度で形成することが可能な凸版印刷装置及び印刷物の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために為された請求項1記載の発明は、回転式の版胴と、版胴上に配置した凸版と、表面に凹凸加工が施され、凸版にインクを供給するアニロックスロールと、アニロックスロール表面にインクを塗布してインク塗膜を形成する塗工装置と、を備えることを特徴とする凸版印刷装置である。
また、請求項2記載の発明は、アニロックスロール上の前記インク塗膜に含まれる溶媒の揮発を促進させてインクの乾燥状態を制御する乾燥制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の凸版印刷装置である。
また、請求項3記載の発明は、前記凸版印刷装置は制御手段を備え、制御手段は、少なくとも塗工装置のインク塗布量と、インクの乾燥状態を制御することを特徴とする請求項2に記載の凸版印刷装置である。
また、請求項4記載の発明は、凸版とアニロックスロールを離間させる移動機構を備え、前記乾燥制御手段は、凸版とアニロックスロールを離間させた状態で動作する乾燥機構であることを特徴とする請求項2又は3に記載の凸版印刷装置である。
また、請求項5記載の発明は、前記乾燥手段は、前記インク塗膜の領域に気流を生じさせて揮発を促進させる機構であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の凸版印刷装置である。
また、請求項6記載の発明は、前記乾燥手段は、前記インク塗膜の領域を低圧にして揮発を促進させる機構であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の凸版印刷装置である。
また、請求項7記載の発明は、前記乾燥手段は、遠赤外線照射装置によりインク塗膜を加熱することを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の凸版印刷装置である。
また、請求項8記載の発明は、アニロックスロールを洗浄するアニロックス洗浄機構を備えたこと特徴する請求項1乃至4のいずれかに記載の凸版印刷装置である。
また、請求項9記載の発明は、前記アニロックス洗浄機構は、アニロックスにロールに洗浄液を吐出する洗浄液供給手段と、洗浄液を除去する洗浄液除去手段と、洗浄液に溶解したインク及び洗浄液を回収するインク回収ユニットとを備えることを特徴とする請求項8に記載の凸版印刷装置である。
また、請求項10記載の発明は、凸版を洗浄する版洗浄機構を備えたこと特徴する請求項1乃至4のいずれかに記載の凸版印刷装置である。
また、請求項11記載の発明は、請求項1乃至10のいずれかに記載の凸版印刷装置を用いて製造したことを特徴とする印刷物の製造方法である。
また、請求項12記載の発明は、表面に凹凸加工が施されたアニロックスロールから凸版上にインクを供給し、凸版からインクを被印刷基板上に転写する印刷物の製造方法であって、アニロックスロール表面の凹部にインクを充填し、凸部を覆うようにインクを塗布する工程と、アニロックスロール上でインク濃度を上げる揮発工程と、次にアニロックスロールから凸版上にインクを転移させる工程と、インクを凸版から被印刷基板に転写する工程と、を有する印刷物の製造方法である。
また、請求項13記載の発明は、前記アニロックスロール表面にインクを塗布する工程におけるインクの粘度が1mPa・s以上15mPa・s以下であり、被印刷基板に転写する工程でのインクの粘度が30mPa・s以上100mPa・s以下であることを特徴とする請求項1に記載の印刷物の製造方法である。
また、請求項14記載の発明は、基板上に、陰極及び陽極と、陰極と陽極との間に少なくとも有機発光層を含む有機発光媒体層が挟持された有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、前記インクが有機発光材料を溶解した有機発光インクであり、前記有機発光層を請求項11乃至13のいずれかに記載の印刷物の製造方法を用いて形成したことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
本発明に係る凸版印刷装置によれば、従来のようにインクチャンバーに浸すのではなく、塗工装置により直接アニロックスロール上に塗布することで、インクの量を調整してインク塗膜が形成されるので、膜厚を容易にコントロールすることが可能となり、さらにアニロックスロールを使用することにより版への膜厚安定性、転写性を一定に保つことが可能となる。
また、アニロックス上のインク塗膜の乾燥状態を制御する乾燥制御手段を備えることで、塗布量及び乾燥時間で膜厚および転写状態をコントロールすることが可能であるため、高精度な印刷膜厚の制御が可能である。
また、アニロックス洗浄機構を備えることで、長期停止時や徐々にアニロックスロール上に残っていくインクを洗浄し除去することにより、常にアニロックスロールを塗工および転写可能な状態に保つことができ、さらにインクの乾燥異物の発生を防ぐことが可能となる。
また、版洗浄機構を備えることにより、印刷毎に版上に溜まるインクやパターンの底に付着してしまったインクを洗浄し除去することが可能であり、異物の付着を防ぐこともできるため、高品質な印刷物の製造が可能である。
さらに、本発明に係る印刷物の製造方法によれば、ドクターブレードを用いずに、アニロックスロール上のインク塗膜の乾燥状態を制御して、アニロックスへのインクの供給及び凸版へのインクの転移を行なうことで、異物の混入が少なく、かつ膜厚精度に優れた印刷物の製造が可能である。
本発明の凸版印刷装置の一構成例の模式図である。 (A)は塗工装置からアニロックスロールへインクが塗工された直後のアニロックスロール表面上のインク塗膜を表す模式図である。(B)はアニロックスロールから凸版へインクを転移させる際のアニロックスロール表面上のインク塗膜を表す模式図である。 本発明の凸版印刷装置の一構成例のアニロックスロール周辺部の模式図である。 本発明の凸版印刷装置の一構成例のアニロックスロール周辺部の模式図である。 本発明を説明するためのアニロックス表面の模式図である。 本発明の凸版印刷装置の一構成例のアニロックスロール周辺部の模式図である。 本発明の凸版印刷装置の一構成例のアニロックスロール周辺部の模式図である。 本発明の凸版印刷装置の一構成例のアニロックスロール周辺部の模式図である。 本発明に係る印刷物の製造方法の工程模式図である。 本発明に係る印刷物の製造方法の工程模式図である。 本発明に係る印刷物の製造方法の工程模式図である。 本発明に係る有機EL素子の一構成例の模式図である。 従来の凸版印刷装置の模式図である。 従来の凸版印刷装置のアニロックスロール表面−ドクターブレード接触部分を拡大した模式図である。 従来の凸版印刷法の模式図である。
<凸版印刷装置>
図1は、本発明の凸版印刷装置の一構成例の模式図である。
本実施の形態による凸版印刷装置は、被印刷基板を配置する基板定盤106と、被印刷基板107にインクを転写する凸版104と、凸版104が直接もしくはクッション103を挟んで装着されている回転式の版胴105と、被印刷基板107を搬送するための定盤106と、インクを凸版104へ転写するアニロックスロール101と、アニロックスロールへインクを塗布する塗工装置102を備えている。また、図示されていないがこれらを制御する制御コントローラを有する。なお本発明の凸版印刷装置の構成は、図1に示す構成に限られない。例えば基板定盤が版胴の下を移動する方式を採ってもよく、あるいは版胴が基板定盤上を移動する方式でも良い。
本発明の凸版印刷装置に係る塗工装置102としては、アニロックスロール上に均一に塗膜を形成できことが好ましく、膜厚が制御される点で従来のインクチャンバーと異なる。非接触で定量的にアニロックスロール101上にインクを塗工することが可能であれば、いずれの方式でもかまわない。図1に示す形態では、インクを吐出する塗工ノズルがアニロックスロール101の回転軸に平行で、アニロックスロール表面に対向するように配置されており、アニロックスロール101上にインク塗膜を形成することができる。このような塗工装置としては、具体的にはスリットコーターが挙げられる。スリットコーター102は、アニロックスロール101上に塗工ノズルから一定の膜厚でインク塗膜を形成する塗工装置である。スリットコーターのインクを吐出する塗工ノズルのスリット方向が、アニロックスロール101の回転軸に平行で、アニロックスロール表面に対向するように配置されており、アニロックスロール表面101Aにインク塗膜を形成することができる。
塗工装置102へのインクの供給のため、インクタンク109と塗工装置の間に定量ポンプ108が接続される。この定量ポンプ108が指定膜厚分のインクをアニロックスロール101の回転速度にあった塗布レートで送液するように、定量ポンプ108に接続された制御コントローラ(図示せず)が、アニロックスロール101の回転速度にポンプを同期させ、塗工ヘッドからのインク吐出量を制御して塗工する。このような構成により印刷毎に指定膜厚分だけ正確に送液することができる。
インクが塗工装置102、定量ポンプ108、インクタンク109からなるインク吐出機構においては、塗工装置の塗工ノズル先端以外ではインクが空気に触れないように閉鎖系とし、インクをポンプへ加圧供給する際にも窒素を使用することが好ましい。印刷物が電子デバイスの場合、空気との接触による有機機能性材料を含むインクの劣化が問題となるが、このように空気を遮断することにより、インクの特性を劣化させずに安定した塗工が可能となる。
アニロックスロール101としては、公知一般のアニロックスロールを用いることができる。従来、アニロックスロールのメッシュ線数、及びメッシュのセル容積(溝の容積)を選択することにより、凸版へのインクの供給量を制御し、被印刷基板へのインクの転写量を制御していた。しかし本願発明に係る印刷装置によれば、インクの特性に合わせアニロックスロールの塗布量、乾燥状態を制御コントローラがコントロールすることによって、膜厚を任意に変更することができるため、アニロックスロールの線数、セル容積などの変更による膜厚調整の必要が無くなる。そしてドクターブレードを不要としたことで、ドクターブレードによる異物の混入がなくなり、高品質な印刷物の製造が可能となる。
本願出願人の発見したところによれば、塗工装置102からアニロックスロール101上にインクを塗工する際のインクの粘度(第一の粘度)よりも、アニロックスロールから凸版104上に転移させる際のインクの粘度(第二の粘度)を大きくすることにより、アニロックス上のインク塗膜の形成及び凸版へのインクの転移が好適に行える。
このため、指定膜厚分の塗工をされたインクはアニロックスロール101上で乾燥を行い(揮発工程)、凸版4へ転写可能な状態になってから、凸版104へ転写が行われることが望ましい。ここで揮発工程とは、インクから溶媒の一部を揮発させて膜厚および粘度を変える工程であり、完全に乾燥させることを意味するものではない。図2(A)は、塗工装置102からアニロックスロールへインクが塗工された直後のアニロックスロール表面上のインク塗膜220Aを表す模式図である。塗工装置102の塗工ノズルからアニロックスロール101上に吐出されるインクは、アニロックスロール表面のセルに完全に充填させることが可能な粘度となるインク濃度(媒質の割合)で塗工される。塗工の際のインクの第一の粘度としては1mPa・s以上15mPa・s以下であることが、アニロックスロール表面101Aに均一なインク膜厚を形成するために好ましい。1mPa・s未満であると、アニロックスロールの回転に伴ってアニロックスロール表面101Aでインクが移動し、インク膜厚が不均一になってしまうおそれがある。また15mPa・sを超える粘度の場合、塗工装置からアニロックスロールへの塗工時にアニロックスロール表面101Aでインクが均一にレベリングされないおそれがある。
図2(B)は、アニロックスロール101から凸版104へインクを転移させる際のアニロックスロール表面上のインク塗膜220Bを表す模式図である。本発明に係る印刷装置及び印刷物の製造方法によれば、インク塗膜220Bの乾燥状態を制御することによって、インクの膜厚及び粘度を任意に変更することが可能である。図2(B)の段階では、インクの溶媒の揮発により、インク濃度が上昇し、これに伴って粘度が上昇する。凸版への転移の際のインクの第二の粘度としては、特に30mPa・s以上100mPa・s以下であることが好ましい。30mPa・s未満であると、凸版の凹部へインクが流入してしまうおそれがあるため、凸版から被印刷基板への転写特性を考慮すると、30mPa・s以上の粘度が好ましい。また、100mPa・sを超えると、転移の際にアニロックスロール101にインクが残留し、転移量が不安定となってしまうおそれがある。
上述のように乾燥状態を制御するための乾燥手段としては、アニロックスロールの回転を停止し、自然に揮発する時間を設けることができる。また、インク塗膜表面に気流を発生させることでアニロックスロール表面101A周囲の溶媒の分圧を下げて溶媒の揮発を促進させてもよい。具体的には、アニロックスロールを回転させたり、空気や不活性ガス等の気体を流す送風機構を乾燥機構113として設けたりすれば良い。本発明に係る別の乾燥機構113の構成例としては、赤外線照射装置や、遠赤外線照射装置等の加熱機構を備えたものがある。インク塗膜を均一に加熱し、かつインク材料にダメージを与えないためには遠赤外線が好ましい。また、後述するようにインク塗膜周辺を囲い、周囲の空気を吸引することにより低圧(真空も含む)にして乾燥を促進させる吸引機構等を採用することができる。
上述のようにアニロックスロールを回転させ、あるいは乾燥機構を設けてインク塗膜の乾燥状態を制御する際には、アニロックスロール101と凸版104とを非同期の状態とする。非同期の状態は、版胴105(凸版)とアニロックスロールを接触状態から離間させれば良い。
本発明の凸版印刷装置において、上述のように版胴105(凸版)とアニロックスロールを接触状態から離間させる構成としては、図3に示すように、版胴の一部に版胴105(凸版)とアニロックスロールが接触しない領域を設けるようにしてもよい。図3の本発明の形態では、版胴に切り欠き領域が設けられている。あるいは図4のように、版胴105とアニロックスロール101の距離を機械的に移動させるアニロックスロール移動機構130を備え、当該移動機構が制御コントローラに接続されている形態としても良い。制御コントローラからの指令により乾燥工程時には自動的に凸版とアニロックスロールを離間させ、凸版へのインク転移工程時には自動的に当接させることが可能な構成とすることができる。
アニロックスロール移動機構130を設けておけば、少なくとも所定のアニロックスロール移動位置でアニロックスロール101と対向するような配置であれば、アニロックスロールを回転させることで、インク塗膜320を乾燥機構113と対向する領域に一致させることができる。従って、アニロックスロールと乾燥機構が対向する位置も任意である。例えば、図3の形態では塗工装置101を基準として凸版104当接位置と反対側で対向するように配置されている。この配置は後述するアニロックスロール洗浄機構の一部として併用することが可能であるという利点がある。なおアニロックスロール移動機構112は、塗工装置102や乾燥機構114と一体で移動させる機構でもよく、アニロックスロール101のみを移動させるようにしてもよい。ただし塗工装置102とアニロックスロール101を一体として移動させる機構であることがインクの塗工安定性のためには好ましい。
一方、アニロックスロール上でインク濃度を調整した場合、先の印刷後に凸版104側に転移せずに残留したインクと、新たに塗工装置102から供給されるインクの濃度の違いにより、インク濃度にバラツキを生じ、凸版へ転移されるインクの状態が一定に保たれないおそれがある。
そこで本発明の凸版印刷装置においては、アニロックスロール104を一回の印刷工程ごとに洗浄するためのアニロックス洗浄機構114を設けても良い。凸版104へインクを転移させる工程から、再度アニロックスロール上にインクを供給する工程までの間に、アニロックスロールを洗浄する工程を設けることにより、インク濃度のバラツキをなくすことができる。すなわち、アニロックスロール上にインク供給(図5A)、凸版へインク転写(図5B)、アニロックスロール表面101A上のインク除去(図5C)、アニロックスロール上にインク供給(図5A)、というサイクルとなって、インクの状態が適正に保つことができる。
本発明に係るアニロックスロール洗浄機構114としては、少なくとも洗浄液をアニロックス表面に向けて吐出し、インクを洗い流すための洗浄液吐出手段及び洗浄液を除去する洗浄液除去手段とを備えたアニロックスロール洗浄ユニット112と、洗い流されたインク及び洗浄液を回収するインク回収ユニット110とを備えている。アニロックスロール洗浄ユニット113は、アニロックスロールの損傷や、異物の混入を防ぐために、洗浄液以外はアニロックスロールに接触しない構成であることが好ましい。
アニロックス101を洗浄する洗浄液としては、インクの媒質(インク材料)に対して溶解性を持つ揮発性のある有機溶媒が好ましい。水や洗剤を混合させてしまうと、アニロックス表面に残留した場合にインクの特性に悪影響を及ぼすおそれがあるためである。また、揮発性のある有機溶媒を用いることで、加圧気体の吹き付けによって洗浄液を残留させることなくアニロックス101上から除去することが可能である。特にインクの特性に悪影響を及ぼさないように、インク溶媒と同一の有機溶媒か、インク溶媒に含まれる有機溶媒のうち、揮発しやすい一あるいは幾つかを混合した有機溶媒を洗浄液として用いるのが好ましい。
以下、図6及び図7を参照してさらに詳細なアニロックスロール洗浄機構114の構成例を示すが、本発明の実施の形態としてはこれらの構成に限られるわけではない。
図6は、本発明に係る凸版印刷装置のアニロックスロール洗浄機構114部分の模式図である。図6に示す洗浄機構114では、少なくとも洗浄液をアニロックスロール表面に供給する洗浄液供給ユニット116と、アニロックスロール表面に供給した洗浄液を飛散させずに回収する洗浄液回収ユニット117と、アニロックスロール表面から洗浄液を乾燥除去する送風ユニット115を有する。図6の実施形態における洗浄機構114は、アニロックスロールの回転方向(図の矢印)に対して、アニロックスロール101と凸版とが当接する位置よりも後で、アニロックスロールと塗工装置102が対向する位置よりも前の領域に設置されている。
洗浄液噴射ノズル116の形態としては、アニロックスロール101の幅方向(回転軸に平行な方向)に等間隔で並列した形態や、洗浄液噴射ノズルがアニロックスロールの幅方向に移動する形態、アニロックスロールの幅方向に均一に洗浄液を供給できるスリットノズル形態等が考えられる。また、アニロックスロールの凹部(セル)に溜まったインク残渣を掻き出すため、加圧気体と一緒に洗浄液を噴射する二流体ノズルとしても良い。また洗浄液噴射ノズル116の噴射方向は、同様にアニロックスロールの凹部に溜まったインク残渣を掻き出すため、アニロックスロール表面に直行する角度、あるいは下方に傾けた角度での配置が効率的である。
次に送風ユニット115は、洗浄液供給ユニット116によってアニロックスロール101上の洗浄液を吹き飛ばすあるいは揮発させることで除去するものである。図6に示す形態によれば、洗浄液が供給されたアニロックスロールの表面に加圧気体を噴射する気体噴射ノズル115aを有し、この気体噴射ノズルは加圧気体供給ホース115bに接続され、加圧気体供給ホースより加圧された気体が供給される。用いる加圧気体としては、空気あるいは、窒素や希ガス等の不活性気体が好ましい。図6の形態では、アニロックスロール上に洗浄液が供給された後に洗浄液を除去するため、洗浄液噴射ノズルに対して、気体噴射ノズルは、アニロックスロールの回転方向において、塗工装置102によるアニロックスロール101への塗布位置により近い位置に配置されている。
本発明の別の形態としては、図7に示すアニロックスロール洗浄機構のように、洗浄液をアニロックスロール101の表面に噴射するノズルと、加圧気体を洗浄液が供給された後のアニロックスロールに噴射するノズルを単一の共通ノズル121とし、洗浄液供給ホース116b及び加圧気体供給ホース115bがそれぞれ共通ノズルに接続されている構成しとしても良い。当該共通ノズルから洗浄液と加圧された気体を切り替えてアニロックスロールに噴射するように構成しても良い。この場合、共通ノズルから洗浄液を噴射させた後、乾燥のため加圧気体を噴射する際、共通ノズル先端に残った洗浄液の滴を同時に吹き飛ばすため、共通ノズル先端からアニロックスロールへの洗浄液の滴垂れによる洗浄ムラ不良の発生を防げる。
次に、洗浄液回収ユニット117は、図6に示すように、洗浄液回収用受け皿119と、受け皿119の底部に連通する吸引口118とを有し、この吸引口は吸引ホースに接続され、さらに吸引ホースに接続されたインク回収タンク112に洗浄液が回収されるように構成されている。回収された洗浄液にはインクが溶解しているため、インクを再生して再利用することが可能である。このため高価なインク材料が無駄にならず、コストを削減することができる。
さらに本発明に係るアニロックスロール洗浄機構114は、洗浄液噴射ノズル及び気体噴射ノズル又は共通ノズル並びに受け皿120を収容する洗浄機構カバー120を有し、このカバー120のアニロックスロール101の外周曲面と対応する箇所はアニロックスロールの外周曲面と対応した曲面形状に形成され、当該洗浄機構カバー120の曲面形状部分120Aは開口されている。この洗浄機構カバー120によって、送風ユニット及び洗浄液供給ユニットの各ノズル及び洗浄液回収ユニット117を覆っているので、洗浄液を飛散させずに洗浄処理するとともに、異物の混入を防ぐことが可能である。アニロックスロールの外周曲面と曲面形状部分120Aとの間の隙間は5mm以下であることが好ましい。また、洗浄液供給ノズルと気体噴射ノズルは、図4に示すように、曲面形状部分の開口に臨ませてアニロックスロールの回転方向に前後して配置されている。
また、上記のように洗浄カバー120がアニロックス表面の一領域を覆うことで、洗浄液回収ユニット117の吸引口118、又は別途設けられた吸引ノズルにより周辺の空気を吸引し、当該領域を低気圧状態にすることができる。この構成によれば、洗浄工程における洗浄液の揮発除去を促進させることができる。また、アニロックス表面に塗工されたインク膜の乾燥状態を制御するための乾燥手段として用いてもよい。すなわち、乾燥機構113を兼ねた機構とすることができる。あるいは、アニロックス表面の一領域を覆うカバーと、吸引ノズルを設けた乾燥機構113とし、これを洗浄液を除去する洗浄液除去手段としても用いるようにしても良い。洗浄液除去手段としては乾燥機構113を単独で用いてもよく、あるいは送風ユニット115も備える構成とし、併用で用いても良い。
アニロックス移動機構130との関係では、図8(A)に示すように乾燥装置113および洗浄機構114を離間させて配置し、移動機構112を用いて版胴側から動作位置に移動させるようにすれば(図8(B))、乾燥装置113と洗浄機構114との機能の併用も容易である。
さらに、インクの特性を一定に保つため、一定の間隔で凸版104を洗浄するための版洗浄ユニット125を備えていても良い。版洗浄ユニット125は、アニロックスロール洗浄機構114と同様の構成を用いることができる。また版胴及びアニロックスとアニロックス洗浄機構114が相対的に移動する機構を備え、洗浄ユニット及び洗浄液回収ユニットを併用するようにしても良い。
また本発明の凸版印刷装置全体を密閉させる構成として、その内部を窒素等の不活性ガスで満たすようにしても良い。エレクトロニクス製品で使用されるインク材料は、大気下では酸素と反応し酸化するものも多く、インク材料の劣化によって製品の特性が低下するなどの問題が起きることが考えられる。そこで装置全体をカバーで覆うことで密閉した構成として窒素等の不活性ガスで満たし、装置周辺の酸素濃度を下げることで、インクの酸化を抑制し、印刷された製品の特性劣化を防ぐことができる。また、インクが酸化しないので、回収した洗浄液からのインクの再生及び再利用が容易になる。また、装置全体を密閉して真空ポンプにつなぎ、真空中又は不活性ガスで空気を置換した低圧状態で印刷を行なう構成にしても良い。
<印刷物の製造方法>
次に本発明に係る印刷物の製造方法について、図9〜11を参照しながら説明する。
まずアニロックスロール101へのインク供給工程として、アニロックスロール表面の凹部(セル)に充填し、凸部を覆うようにインク塗膜を形成する(図9(a))。前述のように、アニロックスロール101の回転速度と、塗工装置からのインク吐出量を同期させることで、アニロックスロール表面に膜厚を制御してインク塗膜を形成することが可能である。
次にアニロックス上のインク塗膜220Aを凸版に転移させるのに適した乾燥状態とするため、アニロックス上でインク溶媒の一部を揮発させて第一の粘度から第二の粘度に変化させる(図9(b))。揮発工程としては、前述のように、自然乾燥、加熱乾燥、真空(低圧)乾燥等の公知の乾燥方法を用いることができる。凸版104にインクを転移させる際のアニロックス表面101A上のインク塗膜220Bの膜厚は、凸版のレリーフの深さやパターンにもよるが、アニロックス表面の凸部からの膜厚hが、セル深さの1/10以下であることが好ましい。セル深さの1/10よりも大きくなると、インク凸部に供給されるインク量が安定しないおそれがあり、あるいはベタロールのようにインクが凸版の凹部に侵入してしまうおそれがある。また、セル内のインク塗膜の液面は、凸版の凸部に接触させるためにアニロックスロール表面の凸部の高さと同じかそれ以上、すなわちh≧0であることが好ましい。
上記のようにアニロックスロール101から凸版104へインクを転移させる転写工程に適したインク塗膜220B状態とした後、凸版を備え付けた版胴105と回転速度を同期させて、凸版に形成されたレリーフパターン領域に応じた範囲で回転し、アニロックスロールから凸版へのインク転移(一次転写)がなされる(図9(c))。
次に、版胴と被印刷基板107を設置した定盤106が同期し、被印刷基板107に凸版を接触させて回転移動させることにより、被印刷基板へレリーフパターンに応じたインクパターンが転写(二次転写)されて被印刷基板にインクパターンが形成される(図10(d)、図10(e))。
上記二次転写工程と前後して、図11に示すようにアニロックス洗浄工程を設けることができる。前述のように、アニロックスロール101に移動機構130を設け、凸版と離間させた状態で洗浄を行なうようにすれば、並行して作業することができる。まずアニロックスロール101をさらに回転させて、アニロックスロール表面のインク220Cが残留した領域を洗浄機構に114に移動させる。このときアニロックスロールと版胴を同期させた状態で連続的に印刷を行なっても良く、あるいは非同期としてアニロックスロールのみを回転させて洗浄を行なっても良い。
次にアニロックスロール101をさらに回転させて、新たに塗工装置からアニロックスロール表面にインク塗膜を形成する地点までにアニロックスロールの洗浄は完了し、アニロックスロール表面から完全にインク及び洗浄液が取り除かれた状態で新たなインクを塗布することができる。
以上で一回の印刷工程が完了する。1回ごとにアニロックスロールからインクが取り除かれ、またドクターブレードなしで膜厚が保たれることから、繰り返しの印刷でも印刷特性が保持された、高品質な印刷物の製造が可能となる。
<有機EL素子の製造方法>
本発明の印刷物の製造方法としての実施の形態を、有機EL素子に適用した例について、有機EL素子の構成例を示した図12を参照しながら説明する。有機EL素子の駆動方法としては、パッシブマトリックスタイプとアクティブマトリックスタイプがあるが、本発明の有機EL素子はパッシブマトリックス方式の有機EL素子、アクティブマトリックス方式の有機EL素子のどちらにも適用可能である。
パッシブマトリックス方式とはストライプ状の電極を直交させるように対向させ、その交点を発光させる方式であるのに対し、アクティブマトリックス方式は画素毎にトランジスタを形成した、いわゆる薄膜トランジスタ(TFT)基板を用いることにより、画素毎に独立して発光する方式である。
有機EL素子が基板側から光を取り出すボトムエミッション方式の有機EL素子とする場合には、基板として透明なものを使用する必要があるが、基板と反対側から光を取り出すトップエミッション方式の場合は、基板は透光性を有する必要はない。
基板501としては、ガラス基板やプラスチック製のフィルムまたはシートを用いることができる。プラスチック製のフィルムを用いれば、巻取りにより高分子EL素子の製造が可能となり、安価にディスプレイパネルを提供できる。また、その場合のプラスチックとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート等を用いることができる。また、これらのフィルムは水蒸気バリア性、酸素バリア性を示す酸化ケイ素といった金属酸化物、窒化ケイ素といった酸化窒化物やポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物からなるバリア層が必要に応じて設けられる。
また、基板501の上には陽極としてパターニングされた画素電極2が設けられる。画素電極502の材料としては、ITO(インジウム錫複合酸化物)、IZO(インジウム亜鉛複合酸化物)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化アルミニウム複合酸化物等の透明電極材料が使用できる。なお、低抵抗であること、耐溶剤性があること、透明性があることなどからITOが好ましい。ITOはスパッタ法により基板上に形成されフォトリソグラフィー法によりパターニングされライン状の画素電極502となる。
そして、このライン状の画素電極2を形成後、隣接する画素電極の間に感光性材料を用いて、フォトリソグラフィー法により絶縁層503が形成される。
本実施の形態における絶縁層503は、厚みが0.5μmから5.0μmの範囲にあることが望ましい。また、絶縁層を隣接する画素電極間に設けることによって、各画素電極上に印刷された正孔輸送インクの広がりを抑え、ディスプレイ化した際に正孔輸送層が絶縁層上にあることによるリーク電流の発生を防ぐことができる。なお、絶縁層が低すぎるとインクの広がりを防止できずに絶縁層上に正孔輸送層が形成されることとなる。
また、例えばパッシブマトリックスタイプの有機EL素子において、画素電極の間に絶縁層を設けた場合、絶縁層を直行して陰極層を形成することになる。このように絶縁層をまたぐ形で陰極層を形成する場合、絶縁層が高すぎると陰極層の断線が起こってしまい表示不良となる。絶縁層の高さが5.0μmを超えると陰極の断線が起きやすくなってしまう。
また、絶縁層503を形成する感光性材料としてはポジ型レジスト、ネガ型レジストのどちらであってもよく、市販のもので構わないが、絶縁性を有する必要がある。なお、隔壁が十分な絶縁性を有さない場合には隔壁を通じて隣り合う画素電極に電流が流れてしまい表示不良が発生してしまう。具体的にはポリイミド系、アクリル樹脂系、ノボラック樹脂系、フルオレン系といったものが挙げられるが、これに限定するものではない。また、有機EL素子の表示品位を上げる目的で、光遮光性の材料を感光性材料に含有させても良い。
また、絶縁層503を形成する感光性樹脂はスピンコーター、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、グラビアコーター等の塗布方法を用いて塗布され、フォトリソ法によりパターニングされる。また、感光性樹脂を用いずにグラビアオフセット印刷法、反転印刷法、凸版印刷法等を用いて絶縁層を形成してもよい。
以上のようにして絶縁層503を形成した後、次に正孔輸送層504を形成する。正孔輸送層4を形成する正孔輸送材料としては、ポリアニリン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリビニルカルバゾール(PVK)誘導体、ポリ(3,4―エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)等が挙げられる。これらの材料は溶媒に溶解または分散させ、正孔輸送材料インクとなり、本実施の形態による凸版印刷方法を用いて形成することができる。
また、正孔輸送材料を溶解または分散させる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチルセロソルブ、酢酸エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、乳酸エチル、エチレングリコールジエチルエーテル、1−プロパノール、メトキシプロパノール、エトキシプロパノール、水等の単独またはこれらの混合溶媒などが挙げられる。また、必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等が添加されていても良い。
また、正孔輸送層インクの固形分濃度としては0.5〜4.0%であることが好ましい。これは、本実施の形態で用いる正孔輸送インクでは、4.0%以上の濃度ではインクの安定性が悪くなり、インク凝集や正孔輸送層のムラの原因になる。
なお正孔輸送層504には無機材料を用いてもよく、無機材料としては、CuO,Cr,Mn,FeOx(x〜0.1),NiO,CoO,Pr,AgO,MoO,Bi、ZnO,TiO,SnO,ThO,V,Nb,Ta,MoO,WO,MnO等の遷移金属酸化物およびこれらの窒化物、硫化物を一種以上含んだ無機化合物を用いることができる。無機材料正孔輸送層の形成法としては、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などのドライ成膜法や、スピンコート法、ゾルゲル法、などのウェット成膜法など既存の成膜法を用いることができる。
次に、以上のような正孔輸送層504の形成後、有機発光層5を形成する。有機発光層は電流を通すことにより発光する層であり、有機発光層を形成する有機発光材料は、例えば、クマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクリドン系、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系、イリジウム錯体系等の発光性色素をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に分散させたものや、ポリアリーレン系、ポリアリーレンビニレン系やポリフルオレン系の高分子材料が挙げられる。
これらの有機発光材料は溶媒に溶解または安定に分散させ有機発光インクとなる。有機発光材料を溶解または分散する溶媒としては、トルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の単独またはこれらの混合溶媒が挙げられる。中でも、トルエン、キシレン、アニソールといった芳香族有機溶剤が有機発光材料の溶解性の面から好適である。また、有機発光インクには、必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等が添加されても良い。
有機発光層505の形成方法としては、凸版印刷法を用いる場合は、有機発光インクに適した樹脂凸版を使用することができ、中でも水現像タイプの感光性樹脂凸版が好適である。図12に示すように、例えばRGBの発光色に対応するように有機発光層(505R,505G,505B)を多色に塗り分ける場合、高精細なパターン形成が可能な本発明の製造方法が好適である。
次に、以上のような有機発光層505の形成後、陰極層506を画素電極のラインパターンと直交するラインパターンで形成する。この陰極層506の材料としては、有機発光層の発光特性に応じたものを使用でき、例えば、リチウム、マグネシウム、カルシウム、イッテルビウム、アルミニウムなどの金属単体やこれらと金、銀などの安定な金属との合金などが挙げられる。また、インジウム、亜鉛、錫などの導電性酸化物を用いることもできる。陰極層の形成方法としてはマスクを用いた真空蒸着法による形成方法が挙げられる。
なお、本実施の形態の有機EL素子は、陽極である画素電極と陰極層の間に陽極層側から正孔輸送層と有機発光層を積層した構成であるが、少なくとも陰極層と陽極層との間に発光に寄与する有機発光層を備えていればよい。陽極層と陰極層の間において正孔輸送層、有機発光層以外に正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層といった発光媒体層を必要に応じ選択した積層構造をとることができる。また、これらの層を形成する際にも本発明の形成方法を使用できる。
最後に、これらの有機EL構成体を、外部の酸素や水分から保護するために、ガラスキャップ507と接着剤508を用いて密閉封止し、有機EL素子を得ることができる。また、基板が可撓性を有する場合には、封止剤と可撓性フィルムを用いて封止を行っても良い。
以上のように印刷体の例として、有機EL素子中の有機発光層及び発光媒体層の形成に本発明の印刷物の製造方法を適用した例を示したが、有機EL素子以外にも、液晶ディスプレイ(LCD)用カラーフィルターにおけるパターン、有機エレクトロルミネセンス(EL)素子の発光層や電荷輸送層、有機薄膜トランジスタ(TFT)基板における電極パターンや半導体層パターン、電磁波シールドにおけるシールドパターン等の高精細で非常に薄膜なパターンを形成する際に、本発明の印刷物の製造方法は好適である。
次に本発明の凸版印刷装置を用いて有機EL素子を作製した具体的な実施例を示す。
<実施例1>
(凸版印刷装置)
この実施例で用いる装置構成(本発明実施例)は、図1に示す構成と同様であり、版下クッション103を介してパターン形成用の凸版が装着される回転式の版胴105と、被印刷基板107が載置される基板定盤106と、凸版104にインクを供給するためのアニロックスロール101と、このアニロックスロールへインクを塗布するためのスリットコーター102と、このスリットコーターへインクを送液する定量ポンプ108と、定量ポンプへインクを供給するインクタンク109と、アニロックスロール上のインク及び洗浄液を回収するためのインク回収ユニット110と回収タンク111、アニロックスロールを洗浄するためのアニロックスロール洗浄ユニット112と、凸版を洗浄する版洗浄ユニット125と、図示されていないがこれらを制御する制御コントローラとを有する。
なお凸版104は、厚さ250μmの42ニッケル材を基材とし、この基材上に水溶性ポリアミドを主成分とする感光性樹脂を、フォトリソグラフィー法を用いてパターニングすることで、幅90μmで450μmピッチのストライプ状に形成したものである。
(被印刷基板の作製)
被印刷基板107として、支持体上に設けられたスイッチング素子として機能する薄膜トランジスタと、その情報に形成された平坦化層と、平坦化層状にコンタクトホールによって前期薄膜トランジスタと導通が図られている画素電極502とを備えたアクティブマトリクス基板を用いた。画素サイズは、130μm×450μmである。
このアクティブマトリクス基板の上に設けられている画素電極の端部を被覆し画素を区画するような形状で隔壁503を形成した。この隔壁の形成は、日本ゼオン社製ポジレジストZWD6216−6をスピンコーターにてアクティブマトリクス基板の全面に乾燥厚みが1μmであるように塗布した後、フォトリソグラフィーによって各画素部分の4辺に線幅20μmの隔壁を形成した。
画素電極の上にスピンコート法により正孔輸送層として、ポリ−(3,4)−エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)1.5wt%水溶液が100nmの膜厚で成膜した。さらに、この成膜されたPEDOT/PSS薄膜は、減圧下100℃で1時間乾燥することで、被印刷基板107を作製した。
(有機発光層形成用のインクの作製)
赤色、緑色、青色(R、G、B)の3色からなる以下の有機発光インクは、キシレンに溶解し調整した。赤色発光インク(R)は、ポリフルオレン系誘導体のトルエン溶液(住友化学社製赤色発光材料、商品名Red1100)である。緑色発光インク(G)は、ポリフルオレン系誘導体のトルエン溶液(住友化学社製緑色発光材料、商品名Green1300)である。青色発光インク(B)は、ポリフルオレン系誘導体のトルエン溶液(住友化学社製青色発光材料、商品名Blue1100)である。それぞれのインク溶液の粘度(第一の粘度)は、1.5mPa・sである。
(印刷工程)
上記の第一の粘度の有機発光インクを凸版印刷装置のインクタンク109に供給し、塗工装置102から600ライン/インチのハニカムアニロックスロール101上に塗工した。版胴とアニロックスロールを非同期とした状態でアニロックスロールを回転させることで、インク溶媒の一部を揮発させた。一定時間回転させた後、インクの粘度(第二の粘度)が33mPa・sとなったところでアニロックスロールと凸版を当接させて、両者を同期させ、アニロックスロールから凸版の凸部にインクを転移させた。さらに凸版を被印刷基板106に押し当てながらインクパターンを転写し、被印刷基板107の上に有機発光層505のストライプパターンを形成した。その後、アニロックスロールをさらに回転させて、アニロックスロール洗浄ユニット112にアニロックスロールのインクが塗工された領域を一致させて、アニロックスロールの洗浄を行なった。インク及び洗浄液はインク回収ユニット110により回収タンク111に回収した。さらに何回か別の被印刷基板に発光層パターンの印刷を行ない、最後にアニロックスロール洗浄ユニット112によるアニロックスロール洗浄と、版洗浄ユニット125による版洗浄を行なった。
この工程を赤色有機発光層、緑色有機発光層、青色有機発光層それぞれに繰り返すことで有機発光層パターンを得た。各色について印刷をおこなった後、オーブン内にて130℃で1時間乾燥を行った。
乾燥の後、印刷により形成した有機発光層の上にカルシウムを10nm成膜し、さらにその上に銀を300nm真空蒸着し、最後にガラスキャップ507を用い封止をおこない有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
<実施例2〜4>
続いて実施例2〜4として、有機発光インクの第一の粘度を1mPa・s以上15mPa・s以下の範囲で変化させ、かつ、第二の粘度を30mPa・s以上かつ100mPa・s以下の範囲で変化させた以外は実施例1と同様にして有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
<比較例1〜4>
続いて比較例1〜4として、有機発光インクの第一の粘度が1mPa・s未満若しくは15mPa・sより大きい、又は、第二の粘度が30mPa・s未満若しくは100mPa・sより大きいこと以外は実施例1と同様にして有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
上記実施例1〜4及び比較例1〜4をまとめた表を以下に示す。
Figure 2011122204
上記の表より、有機発光インクの第一の粘度が1mPa・s以上15mPa・s以下の範囲で変化させ、かつ、第二の粘度が30mPa・s以上かつ100mPa・s以下の範囲とすることで、良好に有機発光層を印刷により形成できた。
一方、比較例1では第一の粘度が低すぎるため、アニロックスロール上でインクが移動して不均一なインク膜厚となり、印刷工程後の有機発光層には膜厚ムラが生じていた。
また、比較例2では、第一の粘度が高すぎるため、アニロックスロール上で均一にレベリングされず、印刷工程後の有機発光層には膜厚ムラが生じていた。
また、比較例3では、第二の粘度が低すぎるため、凸版の凹部にインクが流れ込み、凸版から転写されない転写不良が生じた。
また、比較例4では、第二の粘度が高すぎるため、転移の際にアニロックスロール上にインクが残留し、凸版から転写されない転写不良が生じた。
<比較例5>
さらに比較例5として、図13に示す構成に凸版を洗浄する版洗浄ユニット125を加えた凸版印刷装置を用いた。すなわち、凸版4と、版下クッション3を介して凸版4が装着される回転式の版胴5と、凸版4の版面にインクを供給するためのアニロックスロール1と、アニロックスロール1にインクを供給するインクチャンバー8と、アニロックスロール上の余分なインクを掻き落とすドクターブレード2と、被印刷基板7が載置される基板定盤6と、を有して構成された凸版印刷装置である。
凸版104及び被印刷基板は、実施例1と同一の手順で作製した。赤色、緑色、青色(R、G、B)の3色からなる以下の有機発光インクは、キシレンに溶解し調整した。赤色発光インク(R)は、ポリフルオレン系誘導体のトルエン溶液(住友化学社製赤色発光材料、商品名Red1100)である。緑色発光インク(G)は、ポリフルオレン系誘導体のトルエン溶液(住友化学社製緑色発光材料、商品名Green1300)である。青色発光インク(B)は、ポリフルオレン系誘導体のトルエン溶液(住友化学社製青色発光材料、商品名Blue1100)である。それぞれのインク溶液の粘度は、60mPa・sである。
上記の有機発光インクを突版印刷機のインクタンクに供給し、インクチャンバー708から600ライン/インチのハニカムアニロックスロール701に塗工し、ドクター702でかき取られた後、凸版704の凸部にインクングした。さらにインクングされた凸版104を被印刷基板106に押し当てて転写し、被印刷基板106の上にストライプパターンを形成した。実施例同様に印刷機を洗浄した後、この工程を赤色有機発光層、緑色有機発光層、青色有機発光層それぞれに繰り返すことで有機発光層パターンを得た。各色について印刷をおこなった後、オーブン内にて130℃で1時間乾燥を行った。
乾燥の後、印刷により形成した有機発光層の上にカルシウムを10nm成膜し、さらにその上に銀を300nm真空蒸着し、最後にガラスキャップを用い封止をおこない有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
(素子評価)
作製したそれぞれの有機エレクトロルミネッセンス素子に電流を印加して発光させたところ、実施例1では全ての基板で均一に発光したが、比較例では複数の基板でダークスポットが生じていた。さらに有機発光層を形成した後、封止する前の段階で、発光層に混入した異物の量を検査した。検査は、CCDカメラを用いて異物サイズが2μmまで検出可能な検査装置を用いて行なった。検査は、ワンフレーム12画素×9画素でスキャンを行い実施例1及び比較例における異物量を算出した。
実施例1では最大6345個、平均663個の異物量だったのに対し、比較例では最大84706個、平均22409個の異物が混入していた、このことから、本願発明の凸版印刷装置によれば、ドクターブレードを用いることなく、高精度なパターン形成が可能であり、また安定的に異物量を低減することができることが分かった。
101:アニロックスロール
102:塗工装置
103:版下クッション
104:凸版
105:版胴
106:基板定盤
107:被印刷基板
108:定量ポンプ
109:インクタンク
110:インク回収ユニット
111:回収タンク
112:アニロックスロール洗浄ユニット
113:乾燥機構
114:アニロックス洗浄機構
115:送風ユニット
115a:気体噴射ノズル
115b:加圧気体供給ホース
116:洗浄液供給ユニット
116a:洗浄液供給ノズル
116b:洗浄液供給ホース
117:洗浄液回収ユニット
118:吸引ユニット
118a:吸引口
118b:吸引ホース
119:受け皿
120:洗浄機構カバー
121:共通ノズル
125:版洗浄ユニット
130:アニロックスロール移動機構
220A:インク塗膜(塗工装置による塗工の直後)
220B:インク塗膜(凸版へのインク転移直前)
501:基板
502:画素電極
503:絶縁層
504:正孔輸送層
505(505R,505G,505B):有機発光層(赤、緑、青)
506:対向電極
507:ガラスキャップ
508:接着材
701:アニロックスロール
701A:アニロックスロール表面
702:ドクターブレード
703:版下クッション
704:凸版
705:版胴
706:基板定盤
707:被印刷基板
708:インクチャンバー
710:ベタロール
711:インク塗膜

Claims (14)

  1. 回転式の版胴と、
    版胴上に配置した凸版と、
    表面に凹凸加工が施され、凸版にインクを供給するアニロックスロールと、
    アニロックスロール表面にインクを塗布してインク塗膜を形成する塗工装置と、
    を備えることを特徴とする凸版印刷装置。
  2. アニロックスロール上の前記インク塗膜に含まれる溶媒の揮発を促進させてインクの乾燥状態を制御する乾燥制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の凸版印刷装置。
  3. 前記凸版印刷装置は制御手段を備え、
    制御手段は、少なくとも塗工装置のインク塗布量と、インクの乾燥状態を制御することを特徴とする請求項2に記載の凸版印刷装置。
  4. 凸版とアニロックスロールを離間させる移動機構を備え、
    前記乾燥制御手段は、凸版とアニロックスロールを離間させた状態で動作する乾燥機構であることを特徴とする請求項2又は3に記載の凸版印刷装置。
  5. 前記乾燥手段は、前記インク塗膜の領域に気流を生じさせて揮発を促進させる機構であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の凸版印刷装置。
  6. 前記乾燥手段は、前記インク塗膜の領域を低圧にして揮発を促進させる機構であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の凸版印刷装置。
  7. 前記乾燥手段は、遠赤外線照射装置によりインク塗膜を加熱することを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の凸版印刷装置。
  8. アニロックスロールを洗浄するアニロックス洗浄機構を備えたこと特徴する請求項1乃至4のいずれかに記載の凸版印刷装置。
  9. 前記アニロックス洗浄機構は、アニロックスにロールに洗浄液を吐出する洗浄液供給手段と、洗浄液を除去する洗浄液除去手段と、洗浄液に溶解したインク及び洗浄液を回収するインク回収ユニットとを備えることを特徴とする請求項8に記載の凸版印刷装置。
  10. 凸版を洗浄する版洗浄機構を備えたこと特徴する請求項1乃至4のいずれかに記載の凸版印刷装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の凸版印刷装置を用いて製造したことを特徴とする印刷物の製造方法。
  12. 表面に凹凸加工が施されたアニロックスロールから凸版上にインクを供給し、凸版からインクを被印刷基板上に転写する印刷物の製造方法であって、
    アニロックスロール表面の凹部にインクを充填し、凸部を覆うようにインクを塗布する工程と、
    アニロックスロール上でインク濃度を上げる揮発工程と、
    次にアニロックスロールから凸版上にインクを転移させる工程と、
    インクを凸版から被印刷基板に転写する工程と、
    を有する印刷物の製造方法。
  13. 前記アニロックスロール表面にインクを塗布する工程におけるインクの粘度が1mPa・s以上15mPa・s以下であり、被印刷基板に転写する工程でのインクの粘度が30mPa・s以上100mPa・s以下であることを特徴とする請求項1に記載の印刷物の製造方法。
  14. 基板上に、陰極及び陽極と、陰極と陽極との間に少なくとも有機発光層を含む有機発光媒体層が挟持された有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
    前記インクが有機発光材料を溶解した有機発光インクであり、
    前記有機発光層を請求項11乃至13のいずれかに記載の印刷物の製造方法を用いて形成したことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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