JPWO2011118568A1 - リニアモータ - Google Patents

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Abstract

モノポーラ駆動方式のように異極の磁極間を短絡する磁束が発生しにくい構造であるとともに、バイポーラ駆動することによって最大推力の低下を防止でき、推力起磁力比が高いリニアモータを提供する。可動方向の一方向に磁化された永久磁石、軟質磁性体のヨーク、可動方向の他方向に磁化された永久磁石、軟質磁性体のヨーク、…の順に交互に配列させた可動子1を、可動子1に対向する一方の面、他方の面に複数の磁極歯、磁極歯をそれぞれ列状に有し、複数の磁極歯からなる磁極歯群、複数の磁極歯からなる磁極歯群にそれぞれ駆動コイル25a、駆動コイル25bを一括して巻回してなる電機子2の中空部に貫通させて、リニアモータ3は構成される。

Description

本発明は、複数の板状の永久磁石を有する可動子と駆動コイルを有する電機子(固定子)とを組み合わせてなるリニアモータに関する。
電子回路基板の検査装置におけるプローブ(検査用接触素子)の垂直移動機構、または、ピックアンドプレース(部品を掴んで所定の位置に置く)型ロボットにおける垂直移動機構などにあっては、高速な移動かつ高精度の位置決めが要求される。したがって、回転型モータの出力をボールねじにて平行運動(垂直運動)に変換するような従来の方法では、移動速度が遅いため、そのような要求を満たせない。
そこで、このような垂直移動には、平行運動出力を直接に取り出し可能なリニアモータの利用が進められている。多数の板状の永久磁石を配設した角形状の永久磁石構造体を可動子とし、通電コイルを有する電機子を固定子として、固定子に可動子を貫通させた構成を有するリニアモータとして、種々のタイプのものが提案されている(例えば、特許文献1,2,3など)。
特開2002−27729号公報 特開2002−142437号公報 特開2005−295708号公報
従来のリニアモータは、ボールねじに比べれば応答は速いが、可動子の質量が大きいために十分な推力は確保できるものの要求される水準の応答速度を実現できない。高速化に適したリニアモータの構造は可動磁石型であり、小型で大きな推力を有するリニアモータを実現するためには、電機子の磁極ピッチを小さくする必要がある。
電機子の磁極は、可動子の永久磁石の配列周期に対応して特定の比率で周期的に設けられており、各磁極毎に駆動用のコイルが巻回されている。リニアモータの推力密度を高めるためには磁極ピッチを小さくする必要があるが、このような個別捲き線構造では巻回されるコイルのスペースが狭くなり、コイルの電気抵抗の上昇にともなって駆動時の発熱が増加するという問題がある。
この問題を解決するために、相一括捲きをなすクローポール型(クローティース型)の電機子を用いたリニアモータが提案されている。この相一括捲き方式では、電機子の磁極で同極になる部分に一括してコイルを巻回させており、コイルの数を減らし、捲き線領域を広く確保して、コイルの電気抵抗を下降させる効果がある。しかしながら、この相一括捲き方式では、一般に対極となる磁極歯をN極,S極交互に配置するため、特に磁極ピッチを小さくした場合に、隣り合う磁極間を短絡する磁束が多くなって、電機子から発生させた磁束を可動子の永久磁石側に有効に印加できない。そして、電機子の磁極間を短絡する磁束の割合が大きくなると、最大推力が低下して推力体格比が低下するという課題がある。
上記のような異極間の磁束の短絡を防止することを目的としてモノポーラ型(単極型)のリニアモータが提案されている。このモノポーラ型では、電機子の磁極歯を上述のようにN極,S極交互に配置する構造とはせず、同時に励磁される極性がN極,S極の何れか一方のみとなるようにしている。この場合、対極となる磁極歯が電機子に存在しないので、短絡磁界は発生せず、比例限界となる推力の値を高めることができる。この方式は、構造が簡単なために小型化できる利点がある。しかしながら、バイポーラ型(双極型)と比較して永久磁石の利用率が半分となるため、同一の永久磁石の配列として同一の駆動起磁力を印加した場合に推力は1/2に低下する。また、駆動に寄与する永久磁石の面積がバイポーラ型の半分となるため、同程度の推力を発生させた場合に永久磁石の負荷が高くなって、駆動時の永久磁石のパーミアンス係数が大きく低下する部分が発生し、永久減磁を発生させる危険性があるという課題がある。
従来より、永久磁石と軟質磁性体のヨークとを有する可動子では、軟質磁性体の比透磁率が高いことに起因するディテント力(移動方向に発生する応力脈動)が大きくなるという問題がある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、モノポーラ駆動方式のように異極の磁極間を短絡する磁束が発生しにくい構造であるとともに、バイポーラ駆動することによって最大推力の低下を防止でき、推力起磁力比が高いリニアモータを提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、駆動起磁力を印加した際に永久磁石のパーミアンス係数の低下が少なくて減磁耐力が高く、連続駆動時の耐久性が向上して耐熱性にも優れたリニアモータを提供することにある。
本発明の更に他の目的は、可動子のヨークから磁極歯への磁束の流れを確保するとともに、電機子での磁気飽和が起こりにくい構造をなすリニアモータを提供することにある。
本発明の更に他の目的は、電機子における磁束の経路としての効果が少ない磁極歯に対向する部分を軽量な非磁性材料にて構成することにより、電機子の軽量化を図れるリニアモータを提供することにある。
本発明の更に他の目的は、ディテント力の高調波成分を打ち消すことができるリニアモータを提供することにある。
本発明に係るリニアモータは、平板状の可動子を中空状の電機子に貫通させてなるリニアモータにおいて、移動方向に磁化した平板状の永久磁石と、該永久磁石と磁化方向が逆の方向である平板状の永久磁石とが交互に配され、隣り合う永久磁石の間に平板状の軟質磁性体のヨークが挿入されている可動子と、前記可動子に対向する一方の面及び他方の面それぞれに、軟質磁性体の磁極歯が、一方の面の磁極歯と他方の面の磁極歯とは電気角で180°異なるように前記ヨークの一つおきに対向して設けられており、一方の面における磁極歯からなる磁極歯群及び他方の面における磁極歯からなる磁極歯群の外側を包むように磁束の帰路となる軟質磁性体のコアを有しており、前記磁極歯群それぞれに一括して、駆動起磁力を印加する駆動コイルが巻回されている電機子とを備えることを特徴とする。
本発明に係るリニアモータの可動子は、可動子の移動方向(長手方向)に磁化された平板状の永久磁石と平板状の軟質磁性体のヨークとを組み合わせた構成をなしており、移動方向の一方向に磁化された永久磁石と、移動方向の一方向とは逆の他方向に磁化された永久磁石とを交互に配置し、隣り合う一方向に磁化された永久磁石及び他方向に磁化された永久磁石の間に軟質磁性体のヨークを配置した構成を有している。一方、電機子は、可動子のヨークの配列に対応させて、可動子に対向する一方の面と他方の面とにおいて磁極歯がヨークの一つおきに対向して設けられ、一方の面の磁極歯と他方の面の磁極歯とは電気角で180°の異なる位置に配置している。また、一方の面における磁極歯及び他方の面における磁極歯からなる一対の磁極歯群の外側を包むように磁束の帰路となる軟質磁性体のコアを有している。更に、一対の磁極歯群それぞれに一括して、駆動起磁力を印加する駆動コイルが巻回されている。
上記のような構成をなす可動子を上記のような構成をなす電機子に貫通させ、上記一対の駆動コイルに同方向の電流を流すことにより、推力が発生して可動子は移動する。この際、電機子の一方の面側のすべての磁極歯は同じ極性(例えばN極)になり、電機子の他方の面側のすべての磁極歯は一方の面側の磁極歯とは逆である同じ極性(例えばS極)になる。よって、それぞれの面側において隣り合う磁極間を短絡する磁束はほとんど発生しない。また、駆動コイルから印加される駆動起磁力は可動子の移動方向に垂直であるが、可動子の永久磁石の磁化方向が移動方向に平行であるため、永久磁石が減磁する方向の磁化が印加されにくいので、永久磁石のパーミアンス係数の低下は小さい。この結果、耐熱温度も高くなる。
本発明のリニアモータは、磁極間の短絡磁束が発生しにくい構造であるというモノポーラ型の利点と、永久磁石のN極,S極両方を同時に利用できるというバイポーラ型の利点とを併せもったリニアモータである。
本発明に係るリニアモータは、前記磁極歯は、前記可動子の近傍側である先端部の前記移動方向の寸法が前記可動子の遠位側である基端部の前記移動方向の寸法より小さいことを特徴とする。
本発明に係るリニアモータの磁極歯にあっては、可動子に近位する先端部の移動方向の寸法が可動子に遠位する基端部の移動方向の寸法より小さくなっている。よって、磁極歯の先端部を狭くしているため、可動子のヨークから磁極歯へ磁束が確実に流れる。一方、磁極歯の基端部を広くしているため、電機子において磁気飽和が起こりにくい。
本発明に係るリニアモータは、前記電機子の磁極歯に対向する部分の軟質磁性体のコア、すなわち、磁極歯と磁極歯との間に位置する電機子部材を、前記軟質磁性体より軽量である非磁性の材料にて置き換えてあることを特徴とする。
本発明に係るリニアモータの電機子にあっては、磁極歯に対向する部分を磁極歯の磁性材より軽量である非磁性材料にて構成している。よって、全体を磁性材にて構成する場合に比べて、電機子は軽量化して、より軽いリニアモータとなる。この磁極歯に対向する部分は、元来磁束密度が小さくて、磁束の経路としての効果が少ない部分であるため、この部分を非磁性材料にて構成しても発生推力はあまり低下しない。
本発明に係るリニアモータは、前記磁極歯群それぞれを2群に分け、2群の間隔を、他の磁極歯の間隔に主たるディテント力高調波成分の1/2波長を加算または減算した間隔とすることを特徴とする。
本発明に係るリニアモータの電機子にあっては、同一極の磁極歯群を2群に分けて、これらの磁極歯群の間隔を、主たる高調波成分の半波長分を磁極ピッチに加えるまたは磁極ピッチから減じた間隔とする。よって、高調波成分が打ち消されて、ディテント力は低減する。
本発明に係るリニアモータは、前記主たるディテント力高調波成分は6次であり、界磁周期の1/12を加算または減算するように構成したことを特徴とする。
本発明に係るリニアモータの電機子にあっては、界磁周期2τ(2τ=λ)の1/12(τ/6)を磁極ピッチに加えるまたは磁極ピッチから減じて、同一極の分けられた磁極歯群の間隔とする。よって、6次のディテント力高調波成分を打ち消せる。
本発明に係るリニアモータは、前記永久磁石、前記ヨーク、前記磁極歯の前記移動方向の寸法をそれぞれM,Y,Tとした場合に、Y<M<Tの条件を満たすことを特徴とする。
本発明に係るリニアモータにあっては、上記のような寸法条件を満たすことにより、過大な起磁力が電機子のコアに印加された場合に磁極歯から印加された磁束はヨークを介して対極の磁極歯へ流れるため、永久磁石の磁化と逆向きの磁界が印加され難くなるため、減磁耐力は大きくなる。
本発明では、電機子の一方の面及び他方の面それぞれにおいて、モノポーラ型のように同時に励磁される極性が常にN極,S極の何れかになるので、隣り合う磁極歯の極性が同じになるため、異極間における磁束の短絡を防止することができる。また、可動子の永久磁石の磁束を有効に利用できるバイポーラ駆動が可能であるため、高い推力起磁力比を実現することができる。また、駆動起磁力の印加時に永久磁石の減磁の影響度は少なく、パーミアンス係数の低下は小さいため、高い耐熱性を発揮することができる。
本発明では、磁極歯の先端側の寸法を基端側の寸法より短くするようにしたので、磁極歯への磁束の流れを確保するとともに、磁気飽和が起こりにくい構造を提供することができる。
本発明では、電機子の磁極歯に対向する部分を磁極歯の磁性材より軽量である非磁性材料にて構成するようにしたので、軽量であっても大きな推力を発生することができる。
本発明では、同一極性の磁極歯群を2群に分けて、これらの磁極歯群の間隔を、主たる高調波成分の半波長分を磁極ピッチに加えるまたは磁極ピッチから減じた間隔とするようにしたので、主たる高調波成分を打ち消せて、ディテント力を低減することができる。
本発明に係るリニアモータに使用する可動子の構成を示す斜視図である。 本発明に係るリニアモータに使用する可動子の構成を示す断面図である。 本発明に係るリニアモータに使用する電機子の構成を示す斜視図である。 本発明に係るリニアモータに使用する電機子の構成を示す斜視図である。 本発明に係るリニアモータに使用する電機子の構成を示す斜視図である。 本発明に係るリニアモータの構成を示す部分破断斜視図である。 本発明に係るリニアモータの推力発生の原理を説明するための図である。 可動子のヨークの機能を説明するための図である。 可動子のヨークの機能を説明するための図である。 可動子のヨークの機能を説明するための図である。 比較例における磁束の流れを説明するための図である。 比較例における磁束の流れを説明するための図である。 比較例における磁束の流れを説明するための図である。 本発明例における磁束の流れを説明するための図である。 駆動起磁力と最小パーミアンス係数との関係を示すグラフである。 温度と減磁限界パーミアンス係数との関係の一例を示すグラフである。 主たるディテント力高調波成分の打ち消し手法を説明するための図である。 永久磁石、ヨーク、磁極歯の寸法例を示す図である。 本発明のリニアモータの他の実施の形態の構成を示す斜視図である。 本発明のリニアモータの他の実施の形態の構成を示す斜視図である。 電機子に発生する磁束密度の分布を示す図である。 電機子に発生する磁束密度の分布を示す図である。 駆動時の電機子における磁束の流れを示す図である。 駆動時の電機子における磁束の流れを示す図である。 本発明の単相分のリニアモータの実施例の上面図である。 本発明の単相分のリニアモータの実施例の側面図である。 電機子を構成するコア素材を示す平面図である。 電機子を構成するコア素材を示す平面図である。 電機子を構成するコア素材を示す平面図である。 電機子を構成するコア素材を示す平面図である。 電機子を構成するコア素材を示す平面図である。 電機子を構成するコア素材を示す平面図である。 電機子を構成するコア素材を示す平面図である。 電機子を構成するコア素材を示す平面図である。 電機子を構成するコア素材を示す平面図である。 電機子を構成するコア素材を示す平面図である。 電機子を構成するコア素材を示す平面図である。 電機子を構成するコア素材を示す斜視図である。 電機子を構成するコア素材を示す斜視図である。 電機子を構成するコア素材を示す斜視図である。 電機子を構成するコア素材を示す斜視図である。 電機子を構成するコア素材を示す斜視図である。 電機子を構成するコア素材を示す斜視図である。 電機子を構成するコア素材を示す斜視図である。 電機子を構成するコア素材を示す斜視図である。 電機子を構成するコア素材を示す斜視図である。 電機子を構成するコア素材を示す斜視図である。 電機子を構成するコア素材を示す斜視図である。 電機子の磁極歯の平面形状を示す図である。 本発明のリニアモータの実施例の外観形状を示す図である。 本発明のリニアモータの実施例における推力特性の測定結果を示すグラフである。 本発明の単相分のリニアモータの他の実施例の上面図である。 本発明の単相分のリニアモータの他の実施例の側面図である。 本発明の単相分のリニアモータの他の実施例の断面図である。 単相分及び3相合成による各高調波次数でのディテント力の振幅を示すグラフである。 単相分及び3相合成による各高調波次数でのディテント力の振幅を示すグラフである。 単相分及び3相合成による各高調波次数でのディテント力の振幅を示すグラフである。 本発明の単相分のリニアモータの更に他の実施例の上面図である。 本発明の単相分のリニアモータの更に他の実施例の側面図である。 本発明の単相分のリニアモータの更に他の実施例の断面図である。 本発明の更に他の実施例による電機子の構成素材を示す斜視図である。 本発明のリニアモータの更に他の実施例における推力特性の測定結果を示すグラフである。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1A,Bは、本発明に係るリニアモータに使用する可動子の構成を示しており、図1Aはその斜視図、図1Bはその断面図である。
可動子1は、2種類の平板状の永久磁石11a,11bと、平板状の軟質磁性体のヨーク12とを組み合わせた構成であり、永久磁石11a、ヨーク12、永久磁石11b、ヨーク12、…の順に交互に接着させた構成をなしている。
図1A及びBにおいて、各永久磁石11a,11bに示された白抜矢符は各永久磁石11a,11bの磁化方向を示している。永久磁石11a,11bは何れも、可動子1の移動方向(可動子1の長手方向)、言い換えればそれらの連なり方向に磁化されているが、それらの磁化の向きは互いに180度異なる逆向きである。そして、これらの隣り合う永久磁石11aと永久磁石11bとの間には、平板状の軟質磁性体のヨーク12が挿入されている。
図1Bにおいて、ヨーク12に示された白抜矢符は磁束の流れを示しており、各ヨーク12は、永久磁石11a,11bからの磁束の向きを可動子1の厚さ方向に変更する役目を担っている。そして、この可動子1では、ヨーク12,12,…には、N極,S極,…が交互に形成される(図1B参照)。即ち、N極となるヨーク12NとS極となるヨーク12Sとが交互に存在する。また、各ヨーク12(ヨーク12N、ヨーク12S)の表面及び裏面は同一極になる。
図2A−Cは、本発明に係るリニアモータに使用する電機子の構成を示しており、図2Aはその一部の斜視図、図2Bはその部分破断斜視図、図2Cはその全体の破断斜視図である。
電機子2は、全体として中空直方体状をなす軟質磁性体から構成されており、その中空部21に上記のような構成をなす可動子1が貫通される。電機子2は、中空部21を除いて周面を構成する枠体としてのコア部22と、コア部22から中空部21の下方に向けて配置された上側の複数の磁極歯23a,23a,23aと、コア部22から中空部21の上方に向けて配置された下側の複数の磁極歯23b,23b,23bとを有している。上側の複数の磁極歯23a,23a,23aにて一方の磁極歯群(磁極歯集合体)24aが構成され、下側の複数の磁極歯23b,23b,23bにて他方の磁極歯群(磁極歯集合体)24bが構成される。
可動子1に対向する一方の面における上側の磁極歯23a,23a,23a及び可動子1に対向する他方の面における下側の磁極歯23b,23b,23bはそれぞれ、電機子2の長手方向(可動子1の移動方向)に列状に、可動子1のヨーク12の配列に対応させてヨーク12の一つおきに対向して設けられている。つまり、界磁周期に一つずつの磁極歯23a、磁極歯23bが設けられている。また、上側の磁極歯23aと下側の磁極歯23bとは、電気角で180°の異なる位置(界磁周期の半分だけずれた位置)に設けられている。よって、例えば、上側の磁極歯23aが可動子1の一方の永久磁石11aに対向している場合、下側の磁極歯23bは可動子1の他方の永久磁石11bに対向するような位置関係となる。
なお、各磁極歯23a,23bは、可動子1に対向する先端部から遠位の基端部に向けて階段状に幅が広くなっている。各磁極歯23a,23bの先端部の幅は、可動子1のヨーク12からの磁束が確実に流れるように、ヨーク12の幅より長くすることが好ましい。
コア部22は、一対の磁極歯群24a,24bの外側を包むように配置されており、各磁極歯23a,23bからの磁束の帰路となる。一方の磁極歯群24a(磁極歯23a,23a,23a)に一括して捲き線としての駆動コイル25aを巻回するとともに、他方の磁極歯群24b(磁極歯23b,23b,23b)に一括して捲き線としての駆動コイル25bを巻回する(図2C参照)。そして、駆動コイル25aと駆動コイル25bとの通電方向が同一になるように、両駆動コイル25a,25bを接続する。図2Cにおける黒線矢符は、駆動コイル25a、駆動コイル25bでの通電方向を示している。
一方の磁極歯群24aを構成する各磁極歯23a,23a,23aは全て同一の極性(例えばN極)となり、他方の磁極歯群24bを構成する各磁極歯23b,23b,23bは全て同一の極性(例えばS極)となる。
そして、上述した図1A,Bに示す可動子1を、図2A−Cに示す電機子2の中空部21に貫通させることにより、本発明に係る単相駆動のリニアモータ(単相分のユニット)3が構成される。図3は、本発明に係るリニアモータ3の構成を示す部分破断斜視図である。
このリニアモータ3の場合には、電機子2が固定子として機能する。そして、駆動コイル25a,25bに同一方向に電流を流すことにより、電機子2の中空部21に貫通された可動子1が電機子2(固定子)に対して往復直線運動を行う。
なお、図1Aに示す例では、各6個ずつの永久磁石11a,11bと12個のヨーク12とを順次配置する構成としているが、これは一例であって、それらの個数は任意の数であって良い。また、図2A−Cに示す例では、3組の上側の磁極歯23aと下側の磁極歯23bとを設ける構成としているが、これは一例であって、その組数は任意の数であって良い。
また、永久磁石11a,11b及びヨーク12を接着させた構成体を枠(図示せず)に収納して可動体1を構成するようにしても良い。但し、隣り合うヨークが異極同士であるので、異極間の磁束の漏れを抑制するために、この枠は非磁性体であることが必要である。また、このような枠にリニアガイドレール(図示せず)を設け、電機子2の中空部21にこのリニアガイドレールを通すための切欠きを設けるようにしても良い。
なお、単相のリニアモータ(単相分のユニット)について説明したが、例えば3相駆動のリニアモータを構成する場合には、上記の電機子3個を、磁極ピッチ×(n+1/3)または磁極ピッチ×(n+2/3)(但し、nは整数)だけ間隔をあけて直線状に配置して、それらに可動子を貫通させるようにすれば良い。なお、この場合、駆動コイルが収まるスペースを考慮して整数nを設定すれば良い。
以下、以上のような構成をなす本発明のリニアモータ3の作動機構について、図4を参照して説明する。
電機子2の駆動コイル25aと駆動コイル25bとに図4に示すような方向に通電した場合(●は紙面の裏から表への通流、×は紙面の表から裏への通流)、上側の磁極歯23a,23a,23aにはN極が発生し、下側の磁極歯23b,23b,23bにはS極が発生する。一方、可動子1では、ヨーク12Nは表裏ともにN極となり、ヨーク12Sは表裏ともにS極となる。
したがって、図4に示すような位置に可動子1が存在する場合、白抜矢符方向に吸引力が発生し、可動子1の長手方向(移動方向)の応力成分が合成されて推力となり、可動子1が移動する。この際、ヨーク12のN極及びS極が何れも推力の発生に寄与するため、バイポーラ駆動となる。
以下、可動子1の永久磁石11a,11b間に挿入された軟質磁性体のヨーク12における効果(バイポーラ駆動機能)について、図5A−Cを参照して説明する。
図5Aに示すように可動子1が単体で存在する場合には、各ヨーク12(ヨーク12N,ヨーク12S)の表面及び裏面が同じ極性の磁極となり、表面と裏面とで均等に磁束が発生する。これに対して、可動子1を電機子2に貫通させた場合、即ち各ヨーク12(ヨーク12N,ヨーク12S)が磁極歯23a,23bに対向する場合には、図5Bに示すように、各ヨーク12(ヨーク12N,ヨーク12S)から発生した磁束は磁極歯23a,23b側へ集中する。例えば、図5Bに示す位置関係では、N極であるヨーク12Nからの磁束は上側の磁極歯23a側へ集中し、S極であるヨーク12Sからの磁束は下側の磁極歯23b側へ集中する。また、電気角が180°進んで図5Cに示す位置関係になった場合には、N極であるヨーク12Nからの磁束は下側の磁極歯23b側へ集中し、S極であるヨーク12Sからの磁束は上側の磁極歯23a側へ集中する。
したがって、永久磁石11a,11b間に軟質磁性体のヨーク12を挿入することにより、固定された永久磁石11a,11bから発生した磁束を上下方向に切り替えることができて、すべての永久磁石11a,11bから発生した磁束を推力発生に寄与させることができ、バイポーラ駆動を実現できる。ヨーク12は、永久磁石11a,11bからの磁束を上下方向に切り替えるスイッチング機能を果たす。このため、永久磁石11a,11bから発生した磁束をともに推力発生に寄与させることができる。また、このような磁極歯の構成にすることにより、隣り合う磁極歯が同一の極性であるため、一般的な相一括捲き型の電機子に比べて、磁極ピッチを小さくした場合の磁束の隣接異極間の短絡損失を極めて少なくすることができる。
以下、本発明のリニアモータの特徴について更に説明する。
(1)可動子の永久磁石の磁束の利用率の向上:
図6Aは本発明の比較例として、ヨークを設けない場合の磁束の流れを示す図である。ヨークを設けない場合には、永久磁石41a,41bから上下に均等に磁束が流れるので、使われない磁束(図6Aの破線で囲んだ磁束)が生じて、高い推力が得られない。また、図6Bは本発明の比較例として、厚さ方向に磁化した永久磁石51a,51bを使用した場合の磁束の流れを示す図である。この場合にも、永久磁石51a,51bから上下に均等に磁束が流れるので、使われない磁束(図6Bの破線で囲んだ磁束)が生じて、高い推力が得られない。
以上のように、ヨークを設けない可動子、または、厚さ方向に磁化した永久磁石を使用する可動子を、本発明の電機子2の磁極歯23a,23bの構成に適用した場合には、永久磁石から発生した磁束を磁極歯23a,23bの方向に切り替えることができないため、推力に寄与しない磁束が生じて推力密度は低くなる。本発明では、可動子1にヨーク12を挿入することにより、永久磁石11a,11bからの磁束の利用率を高めることができる。
(2)隣り合う磁極歯間での短絡磁束の発生を防止:
本発明の電機子2の構成では、磁極歯の配置において、同一極性の磁極歯23a,…及び磁極歯23b,…をそれぞれ片側に集合させ、異極性の磁極歯23aと磁極歯23bとを可動子1を挟んで対向配置させている。よって、隣り合う磁極歯が同一極性であるため異極間での短絡磁束の発生を防ぐとともに、可動子1のバイポーラ駆動を可能としている。よって、電機子2の駆動コイル25a,25bに印加した起磁力によって発生させた磁束を有効に可動子1に印加することができ、最大推力を高めることができる。
(3)駆動時における永久磁石のパーミアンス係数の低下を抑制:
図7Aは本発明の比較例として、例えば特許文献1に開示された厚さ方向に磁化した永久磁石61a,61bを使用する場合の磁束の流れを示す図である。磁極歯62から印加される駆動磁束(図中の点線矢符)が可動子61の厚さ方向であって、永久磁石61a,61bの磁化方向(図中の白抜矢符)も可動子61の厚さ方向であるため、つまり、磁極歯62からの駆動磁束(図中点線の矢符)と永久磁石61a,61bの磁化方向(図中の白抜矢符)とが全く逆方向になるため、減磁領域(図7Aの破線で囲んだ領域)が発生して、パーミアンス係数の低下を引き起こす。
本発明では、図7Bに示すように、駆動時に最も大きな起磁力が印加される電気角90°の位置において磁極歯23aから可動子1の永久磁石11a,11bに印加される駆動磁束(図中の点線矢符)が可動子1の移動方向(長手方向)に直角であるのに対して、永久磁石11a,11bの磁化方向(図中の白抜矢符)は可動子1の移動方向に平行であるため、永久磁石11a,11bが減磁する方向の磁束が印加されにくい。また、重負荷時には磁極歯23aからの駆動磁束(図中の点線矢符)はヨーク12を通って磁極歯23bに入る経路をとるので、永久磁石11a,11bの磁化方向と逆向きの磁束が印加されにくい。よって、減磁耐性に優れていてパーミアンス係数の低下を抑制でき、その結果、動作温度領域を広くすることができる。
図8は、図7Aに示した比較例と図7Bに示した本発明例とにおける駆動起磁力(=駆動電流×駆動コイルの捲き数)と最小パーミアンス係数との関係を示すグラフである。比較例と本発明例とは、磁石厚さ:5mm、電機子ギャップ:6.6mm、界磁周期:18mmの同一体格のモデルである。図8において、実線Aは比較例の特性、実線Bは本発明例の特性を表している。図8の結果から、比較的大きな駆動起磁力を印加した場合に、本発明例の方が比較例と比べてパーミアンス係数の低下が少なくなっている。
図9は、希土類磁石(Nd−Fe−B磁石)を可動子に用いた場合の温度と減磁限界パーミアンス係数(磁石の減磁が始まるパーミアンス係数)との関係の一例を示すグラフである。この図9の特性に則して、駆動起磁力を2400Aとした場合の比較例と本発明例とで耐熱温度を求めると以下のようになる。比較例では、駆動起磁力が2400Aである場合に図8の特性から最小パーミアンス係数が0.5であるため、その耐熱温度は図9の特性から55℃となる(図中A参照)。一方、本発明例では、駆動起磁力が2400Aである場合に図8の特性から最小パーミアンス係数が1であるため、その耐熱温度は図9の特性から75℃となる(図中B参照)。このように、本発明では耐熱温度の向上を図ることができる。
(4)可動子の組立性の向上:
従来、厚さ方向に磁化した永久磁石を可動子の長手方向(移動方向)に配列する構造(図7A)では、隣リ合う永久磁石の露出面が互いに異極となって吸引力が働くため、可動子の組立て時に永久磁石が枠から飛び出し、隣り合う永久磁石に吸着しようとする。そのため、永久磁石の装入後で接着が完了するまで、永久磁石を固定しておく必要があった。しかし、本発明では、永久磁石がヨークに吸引される構造となるため、組み立てた形状のままで安定しており、押さえを必要としない。したがって、可動子の組立性が良好となる。
なお、可動子の幅方向の両縁部に長手方向に延在する長尺の非磁性体のヨークを更に設けて、軟質磁性体のヨークとこの非磁性体のヨークとで可動子ヨークを構成するようにしても良い。軟質磁性体のヨークと非磁性体のヨークとは、ねじ、接着剤、かしめなどにて固定できる。このような可動子では、軟質磁性体のヨークと非磁性体のヨークとで可動子ヨ−クを構成するとともに、永久磁石を軟質磁性体のヨークに吸着固定することにより、組立作業性が大幅に向上するだけでなく、外部応力が永久磁石へ直接的にかからない構成とすることができる。よって、組立作業性と構造信頼性との両立を図ることができる。永久磁石とコアとを接着層により固定する手法では、接着層を安定的に確保することが困難であり、接着力のばらつきが生じ易いが、本発明の可動子ではそのような不都合は生じない。
(5)ディテント力の低減:
可動子に永久磁石と軟質磁性体のヨークとが共存する場合、移動方向(界磁周期方向)で比透磁率が周期的に変化するため、高次のディテント力高調波成分が顕著になる。一般に相独立型の駆動では、3相合成時に基本波(ディテント力の周期が界磁周期に同じ)及び2次、4次の高調波は打ち消されるが、3次、6次、9次などの3の倍数の高調波は強め合うこととなる。
図10は、主たるディテント力高調波成分の打ち消し手法を説明するための図である。上記のような構成の可動子にあっては、3次よりも6次の高調波成分が多くなる傾向にあるため、同一の極性をなす磁極歯群を2群に分け、これらの配列をτ/6(τ:磁極ピッチ、τ=λ/2)だけ他の磁極歯の間隔より広くする(T1=τ、T2=τ+τ/6)。これにより、2群の磁極歯群に発生するディテント力の位相が6次の高調波成分において180°異なるので、6次の高調波成分は打ち消されて出力されなくなる。なお、τ/6だけ他の磁極歯の間隔より広くするようにしたが、τ/6だけ他の磁極歯の間隔より狭くするようにしても同様の効果を奏する。
次に、12次以上の高調波成分については、永久磁石をスキュー配置(移動方向に垂直な方向から角度をつけて永久磁石の長辺を配置)することにより低減可能である。この場合のスキュー角度は0〜4°である。
上述したような磁極歯群の変位量と永久磁石のスキュー角度とはそれぞれ独立で変更できるため、主たる高調波成分に対してディテント力を有効に低減することが可能である。
(6)減磁耐力の向上:
図11は、永久磁石、ヨーク、磁極歯の寸法例を示す図である。図11に示すように、可動子の移動方向における永久磁石、ヨーク、磁極歯の寸法をそれぞれM,Y,Tとした場合に、Y<M<Tの関係を満たすように構成する。このような構成では、特に印加される起磁力が最大となる電気角が90°付近において、磁極歯から印加された磁束はヨークを介して対極の磁極歯へ流れるため、永久磁石への影響が少なくなり減磁耐力が向上する。
以下、本発明のリニアモータの他の実施の形態について説明する。本発明のリニアモータは、前述したように、垂直移動機構における高速な移動かつ高精度な位置決めを実現することができる。垂直移動機構では、X−Y(水平方向)テーブルの可動部にリニアモータを設置することが一般的であり、このような場合には、リニアモータ自身の重力がX−Y軸駆動側の負荷となるため、リニアモータは軽量化が要求されている。
以下の実施の形態は、この要求を満たすものである。この実施の形態では、リニアモータの電機子に着目して、駆動時に磁束密度が高くならない部分を、軟質磁性体から軽量な非磁性材料に置き換えることにより、発生する推力をあまり低下させずに、軽量化を図っている。
図12A,Bは、この本発明のリニアモータの他の実施の形態の構成を示しており、図12Aはリニアモータの全体の斜視図、図12Bは電機子の一部の構成を示す斜視図である。
この単相駆動のリニアモータ(単相分のユニット)3aは、前述したリニアモータ3と同様に(図3参照)、可動子1を電機子2aの中空部に貫通させて構成される。リニアモータ3aの可動子1の構成は、前述したリニアモータ3における可動子1の構成と全く同じであるため、説明を省略する。
前述したリニアモータ3とこのリニアモータ3aとでは、電機子の構成に差異がある。前述したリニアモータ3の電機子2は全体が軟質磁性体から構成されているが、リニアモータ3aの電機子2aではその一部が、軟質磁性体より軽量である非磁性材料にて構成されている。具体的には、リニアモータ3における電機子2のコア部22において、磁極歯23a,23bに対向する部分(ハッチングを付した部分)を、例えばマグネシウム合金などの軽量な非磁性材料に置き換えている。よって、電機子2aでは、コア部22は磁極歯23a,23b側のみとなり、磁極歯23a,23bに対向する部分は軽量な支持部材22aとなる(図12B参照)。
なお、一部に軽量な非磁性材料を使用している点を除けば、上側の磁極歯23aと下側の磁極歯23bとは電気角で180°の異なる位置に設けられて、上側の磁極歯23aが可動子1の一方の永久磁石11aに対向している場合、下側の磁極歯23bは可動子1の他方の永久磁石11bに対向するような位置関係となっていること、複数の磁極歯23aに駆動コイル25a、複数の磁極歯23bに駆動コイル25bをそれぞれ一括して巻回し、駆動コイル25aと駆動コイル25bとに同一方向の電流を流すことなど、リニアモータ3aの電機子2aの他の構成はリニアモータ3の電機子2と同様である。
上側の複数の磁極歯23aにて構成される一方の磁極歯群(磁極歯集合体)と、下側の複数の磁極歯23bにて構成される他方の磁極歯群(磁極歯集合体)とでは、可動子1の移動方向に対して1/2界磁周期分だけ位置が変位しているため、各磁極歯23a,23bに対向する位置のコア部分では駆動時に発生する磁束密度が小さい。よって、この部分に磁性材が存在しなくて非磁性材を設けていても、駆動時に磁束の流れの妨げにはなりにくい。そこで、この部分を軽量な非磁性の支持部材22aに置き換えている。
電機子2aは、一対の磁極歯群(磁極歯集合体)の磁極歯23a,23bの厚さに相当する部分のみ外側を包むように配置された磁性体のコア部22によって磁束の帰路を形成する構成である。この磁束の帰路部分は一対の磁極歯群間で電気角で180°だけ異なっているため、それぞれの磁極歯群間では位置が重ならない。そこで、可動子1の側面に位置するこの磁束の帰路部分に重なり合う部分を設けて、磁束が可動子1の移動方向に流れる部分を確保することにより、電機子2a内で閉磁路を形成している。そして、磁性体が存在しない部分に、推力によって発生する反力を支えるために、支持部材22aを充填させている。
図13A,Bは、駆動コイル25a,25bに電流を流した場合(駆動起磁力1200A、電気角90°で最大電流が流れている場合)の電機子に発生する磁束密度の分布を示す図、また、図14A,Bは、駆動時の電機子における磁束の流れを示す図である。図13A及び図14Aは、すべてが磁性体で構成された電機子での磁束密度の分布及び磁束の流れを示し、図13B及び図14Bは、磁極歯に対向する部分を非磁性体に置き換えた電機子での磁束密度の分布及び磁束の流れを示している。
すべてが磁性体で構成された電機子では、図14Aの点線矢印で示すように磁束が流れるので、磁極歯直下の部分では磁束密度が高いが、同一極の磁極歯間(点線で囲まれた領域)では磁束密度が小さくなっており、その磁極歯に対向する部分は磁束の通り道としてほとんど寄与していない。そこで、本実施の形態では、この磁束密度が低い部分(磁極歯に対向する部分)の磁性体を削除して軽量な非磁性体に置き換えている。
本実施の形態では、図14Bの点線矢印で示すように磁束が流れるので、磁極歯に対向する部分を非磁性体としても、磁束の流れが妨げられることはない。そして、図13Bに示される磁極歯に発生した磁束密度分布は、図13Aに示される磁極歯に発生した磁束密度分布とほぼ同様の分布を呈する。また、非磁性体に隣接するコア部分(点線で囲まれた領域)でも、磁束密度の増加は僅かである。よって、一部を軽量の非磁性体に置き換えた場合でも、全てが磁性体からなる場合と比べて、同程度の推力を得ることができる。
本実施の形態において軽量な非磁性体(支持部材22a) への置き換え可能な体積比率は30〜50%程度であり、使用する非磁性体の材料にも依存するが、電機子の重量は20〜40%程度の軽量化が可能である。
なお、本実施の形態のリニアモータ3aにおける作動機構は、前述したリニアモータ3における作動機構と同様である。また、前述した(1)〜(6)で述べたようなリニアモータ3の特徴をリニアモータ3aも有していることは勿論である。
上述した実施の形態では、一部(磁束密度が低い部分)を軽量な非磁性体に置き換える構成にして、推力の低減を生じることなく、より軽いリニアモータを実現している。このようなリニアモータの軽量化を図れる他の実施の形態について説明する。この実施の形態では、電機子の磁気飽和が起こりにくい部分に長手方向(可動子の移動方向)に貫通する1または複数の貫通孔を設けている。電機子全体を磁性体にて構成する場合に比べて、磁性体がない貫通孔の分だけ、電機子の質量を軽くすることができる。このような貫通孔を設けた構成であっても、推力の低下はほとんど見られない。
(実施例)
以下、本発明者が作製したリニアモータの具体的な構成と、作製したリニアモータの特性とについて説明する。
図15A,Bは本発明の実施例による単相分のリニアモータ3の上面図,側面図である。永久磁石11a、ヨーク12、永久磁石11b、ヨーク12、…の順に交互に配列させた可動子1を、複数の磁極歯23a、磁極歯23bをそれぞれ列状に有し、複数の磁極歯23aからなる磁極歯群、複数の磁極歯23bからなる磁極歯群にそれぞれ駆動コイル25a、駆動コイル25bを一括して巻回してなる電機子2の中空部21に貫通させて、リニアモータ3は構成される。
まず、リニアモータ3に用いる平板状の可動子1として、図1A,Bに示すような形状の永久磁石11a,11bを含んだ可動子1を作製した。使用する永久磁石11a,11bは、Nd−Fe−B系焼結磁石であって、長さ38mm,幅3mm,厚さ5mmの平板形状に切り出した。また、軟質磁性体のヨーク12として、軟鉄で長さ38mm,幅6mm,厚さ5mmの平板形状にワイアーカットで切り出したものを作製した。
そして、これらの永久磁石54個とヨーク55個とを準備し、永久磁石11a、ヨーク12、永久磁石11b、ヨーク12、…の順に交互にエポキシ系接着剤にて接着して、長さ492mm,幅38mm,厚さ5mmの板状体を作製し、この作製した板状体をアルミニウム製の枠に挿入して可動子1とした。永久磁石11a、永久磁石11bの磁化方向は可動子1の移動方向(長手方向)に向いているが、その方向は互いに逆方向である(図1A,Bの白抜矢符参照)。
次に、図16A〜F及び図17G〜K(図18A〜K)に示す珪素鋼板からなるコア素材A〜Kを所定の順序で積層させて、電機子2を作製した。各コア素材A〜Kは、何れも長辺90mm、短辺62mmであるが、厚さはコア素材C,D,E,G,H,J,Kが2mm、コア素材A,Bが3mm、コア素材F,Iが5mmである。また、各コア素材A〜Kは中空形状が異なっている。
これらのコア素材A〜Kは何れも、厚さ0.5mmの珪素鋼板から所定形状に切り出したものをエポキシ系接着剤にて接着して構成されており、厚さ2mmのコア素材は厚さ0.5mmの珪素鋼板を4枚重ねて一体化され、同様に厚さ3mm、5mmのコア素材はそれぞれ6枚、10枚重ねて一体化されて構成される。
各コア素材A〜Kの積層順序及び積層枚数は、下記の通りである。
H+G+F+{E+D+C+B+C+D+E+A}×3+E+D+C+I+J+K
この積層順序にて、コア素材A〜Kを重ね合わせて、外形が高さ62mm、幅90mm、長さ78mmの単相分のユニットを構成した (図15A,B参照)。この構成により、一方面の磁極歯と他方面の磁極歯とが電気角で180°異なる配置となる。磁極歯間(ギャップ)は6.6mmとなる。
このユニットにおける隣り合う磁極歯23a,23a(23b,23b)の平面形状を図19に示す。各磁極歯23a(23b)では、可動子1に対向する先端部から遠位の基端部に向けて3段階に順次幅が広くなっている。可動子1のヨーク12からの磁束を考慮して最先端部の幅はヨーク12の幅(6mm)よりも少し長い7mmであり、磁気飽和の発生を防止すべく最基端部の幅は磁極ピッチ(18mm)に近い15mmである。なお、階段状に幅を変化させる構成としたが、これとは異なり、可動子1に対向する先端側から基端側に向けて連続的に幅が広くなるようにテーパ状に構成しても良い。
この単相分のユニットに対して、ユニットの上側の磁極歯群24aを一括して包括するように駆動コイル25aを巻回するとともに、ユニットの下側の磁極歯群24bを一括して包括するように駆動コイル25bを巻回した。この際、2分割して挿入できるようにした捲き枠(ボビン:図示せず)をユニット内に挿入して磁極歯群に接着させた後、直径1mmのエナメル被覆銅線をそれぞれ100回ずつ捲いて駆動コイル25a、駆動コイル25bとした。
以上のように、複数枚の珪素鋼板を積層して単相分の電機子のユニットを作製する場合に、各珪素鋼板の厚さのばらつきの影響により、単相分のユニットの積層方向(可動子の移動方向)の長さが所望の長さにならない可能性がある。各ユニットが所望の長さでない場合には、コギングが悪化する。このような事態を避けるために、必要に応じて、磁極歯が設けられずにコア部のみからなる厚さ0.05〜0.1mm程度の珪素鋼板をスペーサとして、電機子の長手方向(可動子の移動方向)の一端または両端に挟んで、電機子の長さを補正することが望ましい。
このようにして作製した電機子2を3個準備し、隣り合う電機子2間の相対的な電気角が120°分進むように(具体的には27mm)その3個の電機子2を直線状に配置した。隣り合う電機子2の間隔を27mmとしたので、この3相分の全長は288mm(=78mm×3+27mm×2)となった。そして、3個の電機子2の中央の中空部に可動子1を挿入し(図20参照)、可動子1が電機子2に接触することなく長手方向に移動できるように、テストベンチに固定した。
各電機子の上側のコア部及び下側のコア部に長手方向(可動子の移動方向)に貫通する複数の貫通孔を設けておき、U相、V相、W相の各ユニット(電機子)を長尺のシャフトにて一括固定する。この際、所望の剛性力と真直度とを確保するためには、このシャフトの直径を5mm以上とすることが好ましい。
各相のユニット毎に駆動コイルを直列に接続し、その一対の駆動コイルの捲き線方向が同じになるように結線した。そして、これらのU相、V相、W相の各ユニットの捲き線をスター結線にして、モータコントローラに接続した。また、可動子1側にはフォースゲージを接続し、駆動起磁力に対する推力を測定できるようにした。
このように接続した後、駆動コイルに印加する駆動電流を変えて可動子1の推力を測定した。この際、フォースゲージを可動子1に押し付ける方法で推力を測定した。その推力の測定結果と推力起磁力比の算出結果とを図21に示す。また、例えば特許文献1に開示された図7Aに示すような構成をなす比較例として、本発明の実施例と同一体格のリニアモータを作製し、本発明の実施例と同一の条件にて推力を測定した。その推力の測定結果及び推力起磁力比の算出結果も図21に示す。
図21の横軸は、電機子単相当たりの駆動起磁力(=駆動電流×駆動コイルの捲き数)[A]であり、縦軸は、推力[N]及び推力起磁力比[N/A]である。また、図中Aは本発明例の推力、図中Bは比較例の推力、図中Cは本発明例の推力起磁力比、図中Dは比較例の推力起磁力比の特性をそれぞれ表している。
図21に示すように、同一の駆動起磁力に対して、推力の比例領域において本発明例では比較例と比べて65%程度も高い推力を実現できている。また、本発明例では耐熱温度も向上できている。したがって、本発明では、高速な移動かつ高精度の位置決めが要求される産業上の移動機構に適したリニアモータを提供することができる。
次に、ディテント力の低減を図った他の実施例について説明する。図22A,Bは本発明の他の実施例による単相分のリニアモータ3の上面図,側面図であり、図23は他の実施例による単相分のリニアモータ3の断面図である。
使用する永久磁石11a,11bは、長さ38mm,幅4mm,厚さ5mmであり、軟質磁性体のヨーク12は、長さ38mm,幅3.5mm,厚さ5mmとした。また、磁極ピッチτは7.5mm(界磁周期が15mm)、磁極歯23a,23bの幅は6mm、不等ピッチシフト量はτ/6=1.25mmとした。また、永久磁石11a,11bのスキュー角度を2°とした。
磁極歯の間隔を均一とし永久磁石のスキュー配置を行わない構成のリニアモータ(構成例1)と、磁極歯の間隔は調整するが永久磁石のスキュー配置を行わない構成のリニアモータ(構成例2)と磁極歯の間隔を調整するとともに永久磁石のスキュー配置を行った構成のリニアモータ(構成例3)とについて、単相分及び3相合成による各高調波次数におけるディテント力の振幅を求めた。その結果を図24A,B,Cに示す。
図24Aに示された構成例1では、第6次高調波成分のディテント力が非常に大きくなっている。図24Bに示された構成例2では、第6次高調波成分のディテント力は低減されているが、第12次高調波成分のディテント力は大きい。これらに対して、図24Cに示された構成例3では、第6次高調波成分及び第12次高調波成分のディテント力が何れも低減されている。
次に、電機子のコア部の一部(磁極歯に対向する部分)を軽量な非磁性体 (支持部材)に置き換えて軽量化を図った更に他の実施例について説明する。図25A,Bは本発明の更に他の実施例による単相分のリニアモータ3aの上面図,側面図であり、図26は更に他の実施例による単相分のリニアモータ3aの断面図である。また、図27は更に他の実施例による電機子2aの構成素材を示す斜視図である。
電機子2aの全体サイズは、図22A,Bに示す実施例と同じであるが、磁極歯に対向する部分(可動子1の移動方向に6mm分の長さ:ハッチングを付した部分)は、磁性体ではなくマグネシウム合金からなる支持部材22aにて構成されている。なお、可動子1に使用する永久磁石11a,11b及びヨーク12のサイズは、図22Aに示す実施例と同じであり、隣り合う磁極歯23a,23a、23b,23bのピッチも、図23に示す実施例と同じである。
リニアモータ3aに用いる平板状の可動子1(長さ:410mm、幅:38mm、厚さ:5mm)を作製した。なお、使用する永久磁石11a,11b及びヨーク12の材料、及びその作製工程は、前述した図15A,Bに示す実施例の場合と同様であるので、それらの説明は省略する。
磁極歯を構成する厚さ0.5mmの珪素鋼板(材質50A800、比重7.8g/cm3 )からワイアーカットにて所定形状に切り出した12枚をエポキシ系接着剤にて接着して構成したコア部材31と、マグネシウム合金(材質LA141、Mg−14質量%Li−1質量%Al、比重1.36g/cm3 )から厚さ6mmで所定形状に切り出した軽量部材(支持部材)32とを接合させて第1電機子素材33を作製した。また、厚さ0.5mmの珪素鋼板からワイアーカットにて所定形状に切り出した複数枚をエポキシ系接着剤にて接着して、磁極歯の側面部分となる第2電機子素材34を作製した。
そして、図27に示すように、第1電機子素材33、第2電機子素材34を交互に配置して、それらを接合させて,外形が高さ62mm、幅90mm、長さ59.75mmの単相分のユニットを作製した。2分割して挿入できるようにした捲き枠(ボビン:図示せず)をユニット内に挿入して磁極歯群に接着させた後、直径1mmのエナメル被覆銅線をそれぞれ100回ずつ捲いて駆動コイルとした。
作製した電機子2aに使用した珪素鋼板の質量、マグネシウム合金の質量は、それぞれ単相あたり1111.2g、95.57gであり、単相の電機子2a全体の質量は1206.77gであった。
このようにして作製した電機子2aを3個準備し、隣り合う電機子2a間の相対的な電気角が120°分進むように(具体的には27.75mm)その3個の電機子2aを直線状に配置した。この3相分の全長は234.75mm(=59.75mm×3+27.75mm×2)となった。そして、3個の電機子2aの中央の中空部に可動子1を挿入し(図26参照)、可動子1が電機子2aに接触することなく長手方向に移動できるように、テストベンチに固定した。
各相のユニット毎に駆動コイルを直列に接続し、その一対の駆動コイルの捲き線方向が同じになるように結線した。そして、これらの各ユニットの捲き線をスター結線にして、モータコントローラに接続した。また、可動子1側にはフォースゲージを接続し、駆動起磁力に対する推力を測定できるようにした。
このように接続した後、駆動コイルに印加する駆動電流を変えてリニアモータ3aの可動子1の推力を測定した。この際、フォースゲージを可動子1に押し付ける方法で推力を測定した。その推力の測定結果と推力起磁力比の算出結果とを図28に示す。また、電機子全体を磁性体(珪素鋼板)にて構成した以外は、この実施例のリニアモータ3aと同一体格のリニアモータを比較例として作製し、リニアモータ3aと同一条件にて推力を測定した。その推力の測定結果及び推力起磁力比の算出結果も図28に示す。なお、この比較例のリニアモータにおける電機子の質量は単相当たり1659.32gであった。
図28の横軸は、電機子単相当たりの駆動起磁力(=駆動電流×駆動コイルの捲き数)[A]であり、縦軸は、推力[N]及び推力起磁力比[N/A]である。また、図中Eは本実施例の推力、図中Fは比較例の推力、図中Gは本実施例の推力起磁力比、図中Hは比較例の推力起磁力比の特性をそれぞれ表している。
図28に示すように、本実施例では、駆動起磁力が1600Aになるまでは、比較例と同等の推力特性が得られている。また、本実施例では、比較例と比べて最大推力が15%程度小さいが、比較例と比較して27%の軽量化を図れているので、推力質量比は本実施例が比較例を上回っている。よって、本実施例のリニアモータ3aは垂直移動機構に最適な構造である。
電機子全体を磁性体で構成したリニアモータ3は、重量は大きいが優れた推力特性を得ることができる。一方、磁極歯に対向する部分を軽量な非磁性体で構成したリニアモータ3aは、推力特性が少し劣るものの重量を小さくすることができる。したがって、使用する環境、用途等に応じて、これらの本発明のリニアモータ3、リニアモータ3aを使い分けるようにすれば良い。
なお、磁極歯に対向する部分を構成する軽量な非磁性材料としてマグネシウム合金を使用する場合について説明したが、他の材料を用いても良い。この材料に要求される条件は、軽量であること、推力によって発生する反力を支えるための支持部材22aとして機能できることである。これらの条件を満足する材料として、アルミニウム合金、リチウム合金、強化プラスチック、炭素繊維、ガラスエポキシ樹脂などの利用が可能である。
軽量な非磁性体に置き換える部分としては、図27などに示したものは一例である。全体を磁性体で構成した電機子について、図13Aに示されるような磁束密度の分布を取得し、その取得した磁束密度の分布に基づいて、発生した磁束密度が小さい部分を軽量な非磁性体に置き換えるようにしても良い。例えば、最大駆動時にコア材の飽和磁束密度の1/3程度以下しか磁束密度が発生しないような部分を軽量な非磁性体に置き換えるようにすることできる。
なお、上述した作製例とは異なり、電機子を上下に分割させて作製することも可能である。この場合には、所定の複数枚の珪素鋼板を積層接着させて上側の磁極歯を含めた電機子の上側部分を作製し、また、所定の複数枚の珪素鋼板を積層接着させて下側の磁極歯を含めた電機子の下側部分を作製し、これらの上側部分及び下側部分を一体結合させて、電機子を構成する。この場合に、電機子のコア部の分割部を磁気飽和が起こりにくい箇所とすることにより、推力の低下を回避できる。また、この作製手法では、上側部分及び下側部分を一体結合させる前に、捲き枠(ボビン)にコイルを捲いたものを上側部分の磁極歯群と下側部分の磁極歯群とにそれぞれ接着させることとができる。よって、80%以上に占積率を高めることが容易である。また、組み立て作業性も向上することができる。
1 可動子
2,2a 電機子
3,3a リニアモータ
11a,11b 永久磁石
12(12N,12S) ヨーク
21 中空部
22 コア部
22a 支持部材(非磁性体)
23a,23b 磁極歯
24a,24b 磁極歯群
25a,25b 駆動コイル

Claims (6)

  1. 平板状の可動子を中空状の電機子に貫通させてなるリニアモータにおいて、
    移動方向に磁化した平板状の永久磁石と、該永久磁石と磁化方向が逆の方向である平板状の永久磁石とが交互に配され、隣り合う永久磁石の間に平板状の軟質磁性体のヨークが挿入されている可動子と、
    前記可動子に対向する一方の面及び他方の面それぞれに、軟質磁性体の磁極歯が、一方の面の磁極歯と他方の面の磁極歯とは電気角で180°異なるように前記ヨークの一つおきに対向して設けられており、一方の面における磁極歯からなる磁極歯群及び他方の面における磁極歯からなる磁極歯群の外側を包むように磁束の帰路となる軟質磁性体のコアを有しており、前記磁極歯群それぞれに一括して、駆動起磁力を印加する駆動コイルが巻回されている電機子と
    を備えることを特徴とするリニアモータ。
  2. 前記磁極歯は、前記可動子の近傍側である先端部の前記移動方向の寸法が前記可動子の遠位側である基端部の前記移動方向の寸法より小さいことを特徴とする請求項1記載のリニアモータ。
  3. 前記電機子の磁極歯に対向する部分の軟質磁性体のコアを、前記軟質磁性体より軽量である非磁性の材料にて置き換えてあることを特徴とする請求項1記載のリニアモータ。
  4. 前記磁極歯群それぞれを2群に分け、2群の間隔を、他の磁極歯の間隔に主たるディテント力高調波成分の1/2波長を加算または減算した間隔とすることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のリニアモータ。
  5. 前記主たるディテント力高調波成分は6次であり、界磁周期の1/12を加算または減算するように構成したことを特徴とする請求項4記載のリニアモータ。
  6. 前記永久磁石、前記ヨーク、前記磁極歯の前記移動方向の寸法をそれぞれM,Y,Tとした場合に、Y<M<Tの条件を満たすことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のリニアモータ。
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