JPWO2011118242A1 - 基地局装置、端末装置、受信側基地局装置、及び、無線通信方法 - Google Patents
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Abstract
フェムト基地局装置1bを設置する場合に、無線通信で生じることのある障害を抑制する。フェムト基地局装置1bは、自己と通信するフェムト端末装置2bに報知情報又はページング情報を送信するRF部4と、自己の位置に関する情報であって他の無線通信装置が干渉を抑制する処理に用いる位置情報を、前記報知情報又は前記ページング情報に追加して格納する情報格納部31とを備えている。
Description
本発明は、端末装置との間で無線通信を行う基地局装置、端末装置、前記基地局装置の信号を受信する受信側基地局装置、及び、無線通信方法に関する。
複数の基地局装置を備えた無線通信システムにおいて、当該複数の基地局装置それぞれが設定する通信エリア(セル)が重複している場合、ある基地局装置から送信された信号が、近傍の他の基地局装置のセル内にある端末装置に届いてしまい、その端末装置にとって干渉信号となることがある。
このような干渉は、ビームフォーミングにより抑制できることがよく知られている。つまり、自セル内の端末装置(自己の端末装置ともいう)にはビームを向けつつも、他の基地局装置のセル内にある端末装置(他の端末装置ともいう)には、ヌルビームを向けるようにビームフォーミングを行うことで、自基地局装置からの信号(干渉信号)が他の端末装置に届きにくくなり、干渉が抑制される(なお、ビームフォーミングについては、非特許文献1参照)。
このような干渉は、ビームフォーミングにより抑制できることがよく知られている。つまり、自セル内の端末装置(自己の端末装置ともいう)にはビームを向けつつも、他の基地局装置のセル内にある端末装置(他の端末装置ともいう)には、ヌルビームを向けるようにビームフォーミングを行うことで、自基地局装置からの信号(干渉信号)が他の端末装置に届きにくくなり、干渉が抑制される(なお、ビームフォーミングについては、非特許文献1参照)。
菊間信良著、「アレーアンテナによる適応信号処理」、科学技術出版、1998年11月25日
ところで、上記無線通信システムでは、基地局装置として、例えば、数キロメートルの大きさのセル(マクロセル)を形成するマクロ基地局装置と、前記マクロセル内に設置され数十メートル程度の比較的小さなセル(フェムトセル)を形成するフェムト基地局装置とを備えたものがある。
上記無線通信システムでは、フェムト基地局装置が形成するフェムトセルは、マクロセル内に形成されることがあり、そのほぼ全域がマクロセルと重複することがある。さらに、フェムト基地局装置は、ユーザによってマクロセル内で任意の場所に設置されることがあるため、例えば、マクロ基地局装置が送信する下り信号が、当該フェムト基地局装置に接続する端末装置に干渉を与えたり、マクロ基地局装置に接続する端末装置が送信する上り信号が、当該フェムト基地局装置に干渉を与えたりする場合がある。
そこで、例えばマクロ基地局装置が上記ビームフォーミングを利用することが考えられるが、どの方向にヌルビームを向ければよいか、当該マクロ基地局装置にとっては不明であり、好適に干渉を抑制することが困難である。
そこで、例えばマクロ基地局装置が上記ビームフォーミングを利用することが考えられるが、どの方向にヌルビームを向ければよいか、当該マクロ基地局装置にとっては不明であり、好適に干渉を抑制することが困難である。
このように、複数の基地局装置のセル同士が重複することにより、前記のような干渉等の無線通信における障害が発生することがあるため、基地局装置(フェムト基地局装置)を新たに設置する場合に、前記のような障害を抑制するための何らかの処理が必要となる。
そこで、本発明は、基地局装置を設置する場合に無線通信で生じる干渉を抑制することを目的とする。
そこで、本発明は、基地局装置を設置する場合に無線通信で生じる干渉を抑制することを目的とする。
(1)本発明の基地局装置は、フェムトセルを形成するフェムト基地局装置であって、他の装置に報知情報又はページング情報を送信する送信部と、自己に関する基地局情報を、前記報知情報又は前記ページング情報に追加して格納する情報格納部と、を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、フェムト基地局装置が備えている送信部が他の装置に送信した報知情報又はページング情報を、受信すれば、当該報知情報又は当該ページング情報に格納されている基地局情報を取得することができ、当該基地局情報を取得した装置は、当該基地局情報を用いて処理を行うことができる。
特に、フェムト基地局装置は、ユーザによってマクロセル内で任意の場所に設置されることがある。このため、例えば、マクロ基地局装置の下り信号が、フェムト基地局装置に接続する端末装置に干渉を与えたり、マクロ基地局装置に接続する端末装置が送信する上り信号が、当該フェムト基地局装置に干渉を与えたりする場合があり、フェムト基地局装置を設置する場合に、自己又は周囲における無線通信に影響を与えることが考えられる。
本発明によれば、フェムト基地局装置が備えている送信部が他の装置に送信した報知情報又はページング情報を、受信すれば、当該報知情報又は当該ページング情報に格納されている基地局情報を取得することができ、当該基地局情報を取得した装置は、当該基地局情報を用いて処理を行うことができる。
特に、フェムト基地局装置は、ユーザによってマクロセル内で任意の場所に設置されることがある。このため、例えば、マクロ基地局装置の下り信号が、フェムト基地局装置に接続する端末装置に干渉を与えたり、マクロ基地局装置に接続する端末装置が送信する上り信号が、当該フェムト基地局装置に干渉を与えたりする場合があり、フェムト基地局装置を設置する場合に、自己又は周囲における無線通信に影響を与えることが考えられる。
そこで、本発明のフェムト基地局装置によれば、フェムト基地局装置を設置する場合に、他の装置は、当該基地局装置に関する基地局情報を用いて処理を実行することができることから、例えば、無線通信で生じる干渉を抑えることが可能となる。
(2)また、前記基地局情報は、自己の位置に関する位置情報を含むのが好ましい。この場合、フェムト基地局装置は、位置情報を格納した報知情報又はページング情報を送信する。そして、基地局情報を取得した装置は、フェムト基地局装置の位置が判り、この位置情報を用いてフェムト基地局装置の位置に応じた処理を実行することができる。
(3)また、本発明の基地局装置は、他の装置に報知情報又はページング情報を送信する送信部と、自己に関する基地局情報を、前記報知情報又は前記ページング情報に追加して格納する情報格納部とを備え、前記基地局情報は、自己と通信する端末装置への無線リソースの割り当てのためのスケジューリングアルゴリズム情報、自己と通信する端末装置への無線リソースの割り当て方式に関するLocalized/Distributed情報、前記送信部による送信電力を示す情報、及び自己のアンテナ数についての情報の内の少なくとも一つの情報を含むことを特徴とする。
本発明によれば、基地局装置が備えている送信部が他の装置に送信した報知情報又はページング情報を、受信すれば、当該報知情報又は当該ページング情報に格納されている前記基地局情報を取得することができ、当該基地局情報を取得した装置は、当該基地局情報を用いて処理を行うことができる。
(4)また、前記情報格納部が前記基地局情報を格納する領域は、自己の名前に関する情報が格納される領域とすることができ、この場合、自己の名前に関する情報に基地局情報が追加されて格納される。
(5)または、前記情報格納部が前記基地局情報を格納する領域は、前記端末装置に与える情報を格納するために設定されている領域が拡張されて得られた領域とすることができる。
(5)または、前記情報格納部が前記基地局情報を格納する領域は、前記端末装置に与える情報を格納するために設定されている領域が拡張されて得られた領域とすることができる。
(6)以上の(1)から(5)の基地局装置は、基地局情報を格納した報知情報又はページング情報を送信する送信側の装置であるのに対し、本発明の受信側基地局装置は、前記(1)から(5)のいずれか一つに記載の基地局装置の前記送信部が送信した、前記基地局情報が格納されている前記報知情報又は前記ページング情報を受信する受信部と、前記受信部が受信した前記報知情報又は前記ページング情報に格納されている前記基地局情報を用いて、干渉抑制処理を実行する信号処理部とを備えていることを特徴とする。
本発明の受信側基地局装置によれば、受信部によって、基地局情報が格納されている報知情報又はページング情報を取得することができ、当該基地局情報を用いて干渉抑制処理を実行することができる。
本発明の受信側基地局装置によれば、受信部によって、基地局情報が格納されている報知情報又はページング情報を取得することができ、当該基地局情報を用いて干渉抑制処理を実行することができる。
(7)また、この受信側基地局装置において、前記基地局情報は、前記送信側の基地局装置の位置に関する位置情報であり、前記信号処理部は、前記干渉抑制処理として、指向性制御、送信電力制御、又は、自己の設置位置の良否を判定する置局判定制御を実行することができる。
この場合、受信側基地局装置は、送信側の基地局装置の位置情報を用いて、干渉抑制処理を実行する。
そして、受信側基地局装置が、干渉抑制処理として前記指向性制御を実行する場合、例えば、送信側の基地局装置のセルに強い電波が送信されないような指向性を形成する制御を実行する。
この場合、受信側基地局装置は、送信側の基地局装置の位置情報を用いて、干渉抑制処理を実行する。
そして、受信側基地局装置が、干渉抑制処理として前記指向性制御を実行する場合、例えば、送信側の基地局装置のセルに強い電波が送信されないような指向性を形成する制御を実行する。
また、受信側基地局装置が、干渉抑制処理として前記送信電力制御を実行する場合、例えば、送信側の基地局装置の通信エリアに強い電波が送信されないように、送信電力を抑える制御を実行する。
また、受信側基地局装置が、干渉抑制処理として前記置局判定制御を実行する場合、例えば、自己(受信側)の位置と送信側の基地局装置の位置とが近すぎると、自己の位置は好ましくないと判定し、ユーザにその旨の情報を報知する。つまり、自己の位置が、送信側の基地局装置に近すぎると、両者間で干渉が発生しやすくなるが、前記置局判定制御を実行することによりこれを防止することが可能となる。
また、受信側基地局装置が、干渉抑制処理として前記置局判定制御を実行する場合、例えば、自己(受信側)の位置と送信側の基地局装置の位置とが近すぎると、自己の位置は好ましくないと判定し、ユーザにその旨の情報を報知する。つまり、自己の位置が、送信側の基地局装置に近すぎると、両者間で干渉が発生しやすくなるが、前記置局判定制御を実行することによりこれを防止することが可能となる。
(8)また、前記基地局情報が格納されている前記報知情報又は前記ページング情報から、当該基地局情報を分離する分離処理部を更に備えているのが好ましい。
この場合、報知情報又はページング情報に基地局情報が追加されて格納されているため、基地局情報を分けて取り出すことができ、基地局情報を処理に用いることが可能となる。
この場合、報知情報又はページング情報に基地局情報が追加されて格納されているため、基地局情報を分けて取り出すことができ、基地局情報を処理に用いることが可能となる。
(9)また、前記(6)から(8)のような受信側の基地局装置以外に、基地局情報が格納された報知情報又はページング情報を受信する他のセルの無線通信装置として、端末装置があり、本発明は、前記(1)から(5)のいずれか一項に記載の基地局装置のセルと異なるセルを形成する他の基地局装置と通信する端末装置であって、前記(1)から(5)のいずれか一項に記載の前記基地局装置の前記送信部が送信した、前記基地局情報が格納されている前記報知情報又は前記ページング情報を受信する受信部と、前記受信部が受信した前記報知情報又は前記ページング情報に格納されている前記基地局情報を用いて、干渉抑制処理を実行する信号処理部とを備えていることを特徴とする。
本発明の端末装置によれば、受信部によって、基地局情報が格納されている報知情報又はページング情報を取得することができ、当該基地局情報を用いて端末装置は、干渉抑制処理を行うことができる。
本発明の端末装置によれば、受信部によって、基地局情報が格納されている報知情報又はページング情報を取得することができ、当該基地局情報を用いて端末装置は、干渉抑制処理を行うことができる。
(10)また、この場合の端末装置において、前記受信部が受信する前記報知情報又は前記ページング情報に格納される基地局情報は、当該報知情報又は当該ページング情報を送信する送信側の基地局装置の位置に関する基地局位置情報であり、前記端末装置は、自己の位置に関する端末位置情報を取得する端末位置情報取得部を更に備え、前記端末装置の前記信号処理部は、前記通信を適切に行うための処理として、前記基地局位置情報及び前記端末位置情報に基づいて、前記送信側の基地局装置と自己との位置関係を判定し、当該判定の結果に関する情報をユーザに報知する処理を実行する構成とすることができる。
前記送信側の基地局装置が、自己(端末装置)と通信しない基地局装置(他局という)である場合、信号処理部が、例えば自己と他局との位置関係に関して双方が近づきすぎていると判定すると、判定の結果に関する情報として、例えば他局から離れることを促す旨の情報を報知する。これにより、自己と他局との間の干渉を抑制することが可能となる。
また、前記送信側の基地局装置が、自己(端末装置)と通信する基地局装置(自局という)である場合、信号処理部が、例えば自己と自局との位置関係に関して双方が離れすぎていると判定すると、判定の結果に関する情報として、例えば自局に近づくことを促す旨の情報を報知する。これにより、適切な通信を維持することが可能となる。
前記送信側の基地局装置が、自己(端末装置)と通信しない基地局装置(他局という)である場合、信号処理部が、例えば自己と他局との位置関係に関して双方が近づきすぎていると判定すると、判定の結果に関する情報として、例えば他局から離れることを促す旨の情報を報知する。これにより、自己と他局との間の干渉を抑制することが可能となる。
また、前記送信側の基地局装置が、自己(端末装置)と通信する基地局装置(自局という)である場合、信号処理部が、例えば自己と自局との位置関係に関して双方が離れすぎていると判定すると、判定の結果に関する情報として、例えば自局に近づくことを促す旨の情報を報知する。これにより、適切な通信を維持することが可能となる。
(11)また、前記基地局情報が格納されている前記報知情報又は前記ページング情報から、当該基地局情報を分離する分離処理部を更に備えているのが好ましい。
この場合、報知情報又はページング情報に基地局情報が追加されて格納されているため、基地局情報を分けて取り出すことができ、基地局情報を処理に用いることが可能となる。
この場合、報知情報又はページング情報に基地局情報が追加されて格納されているため、基地局情報を分けて取り出すことができ、基地局情報を処理に用いることが可能となる。
(12)また、本発明の無線通信方法は、基地局装置が、自己に関する基地局情報を報知情報又はページング情報に追加して格納するステップと、前記基地局装置が、前記基地局情報が格納されている前記報知情報又は前記ページング情報を、他の装置に送信するステップと、他のセルの無線通信装置が、前記基地局情報が格納されている前記報知情報又は前記ページング情報を受信して、干渉抑制処理を実行するステップとを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、基地局装置が、他の装置に送信した報知情報又はページング情報を、他のセルの無線通信装置が受信すれば、当該報知情報又は当該ページング情報に格納されている基地局情報を取得することができ、当該他のセルの無線通信装置は、当該基地局情報を用いて干渉抑制処理を行うことができる。
本発明によれば、基地局装置が、他の装置に送信した報知情報又はページング情報を、他のセルの無線通信装置が受信すれば、当該報知情報又は当該ページング情報に格納されている基地局情報を取得することができ、当該他のセルの無線通信装置は、当該基地局情報を用いて干渉抑制処理を行うことができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について説明する。
〔1.通信システムの構成〕
図1は、本発明の基地局装置を備えた無線通信システムの構成を示す概略図である。
この無線通信システムは、複数の基地局装置1と、この基地局装置1との間で無線通信を行うことができる複数の端末装置2(移動端末)とを備えている。
複数の基地局装置1には、例えば数キロメートルの大きさの通信エリア(マクロセル)MCを形成する複数のマクロ基地局装置1aと、マクロセルMC内に設置され数十メートル程度の比較的小さなフェムトセルFCを形成する複数のフェムト基地局装置1bとが含まれている。
〔1.通信システムの構成〕
図1は、本発明の基地局装置を備えた無線通信システムの構成を示す概略図である。
この無線通信システムは、複数の基地局装置1と、この基地局装置1との間で無線通信を行うことができる複数の端末装置2(移動端末)とを備えている。
複数の基地局装置1には、例えば数キロメートルの大きさの通信エリア(マクロセル)MCを形成する複数のマクロ基地局装置1aと、マクロセルMC内に設置され数十メートル程度の比較的小さなフェムトセルFCを形成する複数のフェムト基地局装置1bとが含まれている。
マクロ基地局装置1aは、自己のマクロセルMC内にある端末装置との間で無線通信を行うことができる。
また、フェムト基地局装置1bは、例えば、屋内等、マクロ基地局装置1aの無線波を受信し難い場所等に配置され、上記フェムトセルFCを形成する。フェムト基地局装置1bは、自己が形成するフェムトセルFC内にある端末装置との間で無線通信が可能であり、本システムでは、マクロ基地局装置1aの無線波が受信し難い場所等においても、その場所に比較的小さいフェムトセルFCを形成するフェムト基地局装置1bを設置することで、端末装置に対して十分なスループットでのサービスの提供を可能にする。
なお、以下の説明では、フェムト基地局装置1bに接続する端末装置2をフェムト端末装置2bともいい、マクロ基地局装置1aに接続する端末装置2をマクロ端末装置2aともいう。
また、フェムト基地局装置1bは、例えば、屋内等、マクロ基地局装置1aの無線波を受信し難い場所等に配置され、上記フェムトセルFCを形成する。フェムト基地局装置1bは、自己が形成するフェムトセルFC内にある端末装置との間で無線通信が可能であり、本システムでは、マクロ基地局装置1aの無線波が受信し難い場所等においても、その場所に比較的小さいフェムトセルFCを形成するフェムト基地局装置1bを設置することで、端末装置に対して十分なスループットでのサービスの提供を可能にする。
なお、以下の説明では、フェムト基地局装置1bに接続する端末装置2をフェムト端末装置2bともいい、マクロ基地局装置1aに接続する端末装置2をマクロ端末装置2aともいう。
本実施形態の無線通信システムは、例えば、LTE(Long Term Evolution)が適用される携帯電話用のシステムであり、基地局装置と端末装置との間において、LTEに準拠した通信が行われる。LTEでは、周波数分割複信(FDD)方式を採用することができ、本実施形態では、FDD方式を採用しているものとして説明する。なお、通信システムとしては、LTEに限られるものではなく、また、FDD方式に限られるものでもなく、例えば、TDD(時分割複信)方式であってもよい。
〔2.LTEのフレーム構造〕
本実施形態の通信システムが準拠するLTEにおいて採用可能なFDD方式においては、上り信号(端末装置から基地局装置への送信信号)と、下り信号(基地局装置から端末装置への送信信号)との間で、互いに異なる使用周波数を割り当てることで、上り通信と下り通信とを同時に行う。
また、本実施形態においては、下りリンク側の無線通信にOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)、上りリンク側の無線通信にSC−FDMA(Single Carrier−Frequency Division Multiple Access)を採用している。
本実施形態の通信システムが準拠するLTEにおいて採用可能なFDD方式においては、上り信号(端末装置から基地局装置への送信信号)と、下り信号(基地局装置から端末装置への送信信号)との間で、互いに異なる使用周波数を割り当てることで、上り通信と下り通信とを同時に行う。
また、本実施形態においては、下りリンク側の無線通信にOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)、上りリンク側の無線通信にSC−FDMA(Single Carrier−Frequency Division Multiple Access)を採用している。
図2は、LTEにおける上り及び下りリンクそれぞれの無線フレームの構造を示す図である。LTEにおける下り側の基本フレームである無線フレーム(DLフレーム)及び上り側の無線フレーム(ULフレーム)は、その1無線フレーム分の時間長さがそれぞれ10ミリ秒であり、#0〜#9まで10個のサブフレームによって構成されている。これらDLフレームとULフレームは、そのタイミングが揃えられた状態で、時間軸方向に配列される。
なお、DLフレーム及びULフレームのタイミングは、各基地局装置間でも揃えられており、いわゆる基地局間同期がとれた状態で、各セルでの通信が行われる。
なお、DLフレーム及びULフレームのタイミングは、各基地局装置間でも揃えられており、いわゆる基地局間同期がとれた状態で、各セルでの通信が行われる。
図3は、DLフレームの詳細な構造を示す図である。図中、縦軸方向は周波数を示しており、横軸方向は時間を示している。
DLフレームを構成するサブフレームは、それぞれ2つのスロット(例えば、スロット#0,#1)により構成されている。また、1つのスロットは、7個(#0〜#6)のOFDMシンボルにより構成されている(Normal Cyclic Prefixの場合)。
また、図中、データ伝送の上での無線リソース割り当ての最小単位であるリソースブロック(Resource Block)は、周波数軸方向に12サブキャリア、時間軸方向に7OFDMシンボル(1スロット)で定められる。従って、例えば、DLフレームの周波数帯域幅が5MHzに設定されている場合、300個のサブキャリアが配列されるので、リソースブロックは、周波数軸方向に25個配置される。
DLフレームを構成するサブフレームは、それぞれ2つのスロット(例えば、スロット#0,#1)により構成されている。また、1つのスロットは、7個(#0〜#6)のOFDMシンボルにより構成されている(Normal Cyclic Prefixの場合)。
また、図中、データ伝送の上での無線リソース割り当ての最小単位であるリソースブロック(Resource Block)は、周波数軸方向に12サブキャリア、時間軸方向に7OFDMシンボル(1スロット)で定められる。従って、例えば、DLフレームの周波数帯域幅が5MHzに設定されている場合、300個のサブキャリアが配列されるので、リソースブロックは、周波数軸方向に25個配置される。
図3に示すように、各サブフレームの先頭には、基地局装置が端末装置に対し、下り通信に必要な制御チャネルを割り当てるための伝送領域が確保されている。この伝送領域は、各サブフレームにおいて先頭側に位置するスロットのシンボル#0〜#2(最大で3シンボル)で割り当てられており、ユーザデータ等が格納されるPDSCH(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)及びPUSCH(PDSCH:Physical Uplink Shared Channel)の割当情報等を含む下りリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)や、PDCCHに関する情報を通知するための制御チャネル構成指示チャネル(PCFICH:Physical Control Format Indicator Channel)、PUSCHに対するハイブリッド自動再送要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat Request)の受信成功通知(ACK:Acknowledgement)、受信失敗通知(NACK:Negative Acknowledgement)を送信するためのハイブリッドARQ指示チャネル(Physical Hybrid−ARQ Indicator Channel)が割り当てられている。
上記PDCCHは、上記割当情報の他、上り送信電力制御情報や、下りのCQI(Channel Quality Indicator)についての報告の指示等に関する情報を含んでいる。
また、DLフレームにおいて、1番目のサブフレーム#0には、ブロードキャスト送信によってシステムの帯域幅等を端末装置に通知するための同報チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)が割り当てられる。PBCHは、時間軸方向において、1番目のサブフレーム#0における後方側のスロットのシンボル#0〜#3の位置に4つのシンボル幅で配置され、周波数軸方向において、DLフレームの帯域幅の中央の位置に6リソースブロック幅分(72サブキャリア)で割り当てられる。このPBCHは、4フレームにわたって同一の情報を送信することで、40ミリ秒ごとに更新されるように構成されている。
PBCHには、通信帯域幅や、制御情報の構造等の主要なシステム情報が格納される。
また、PBCHには、マスタ情報ブロック(MIB:Master Information Block)が格納されている。このマスタ情報ブロックには、PDSCHに格納され自己に接続する端末装置に対して送信されるシステム情報ブロック1(SIB1:System Information Block1)の割当位置に関する情報や、対応するPDSCHの復調に必要な無線フレーム番号が含まれている。
PBCHには、通信帯域幅や、制御情報の構造等の主要なシステム情報が格納される。
また、PBCHには、マスタ情報ブロック(MIB:Master Information Block)が格納されている。このマスタ情報ブロックには、PDSCHに格納され自己に接続する端末装置に対して送信されるシステム情報ブロック1(SIB1:System Information Block1)の割当位置に関する情報や、対応するPDSCHの復調に必要な無線フレーム番号が含まれている。
また、DLフレームを構成する10個のサブフレームの内、1番目(#0)及び6番目(#5)のサブフレームそれぞれには、基地局装置やセルを識別するための信号である、第一同期信号及び第二同期信号(P−SCH:Primary Synchronizaiton Channel,S−SCH:Secondary Synchronizaiton Channel)が割り当てられている。
P−SCHは、時間軸方向において、サブフレーム#0及びサブフレーム#5それぞれにおける先頭側のスロットの最後のOFDMシンボルであるシンボル#6の位置に1つのシンボル幅で配置され、周波数軸方向において、DLフレームの帯域幅の中央の位置に6リソースブロック幅分(72サブキャリア)で配置されている。このP−SCHは、端末装置が、基地局装置のセルを分割した複数(3個)のセクタそれぞれを識別するための情報であり、3パターン定義されている。
S−SCHは、時間軸方向において、サブフレーム#0及びサブフレーム#5それぞれにおける先頭側のスロットの最後から2番目のOFDMシンボルであるシンボル#5の位置に1つのシンボル幅で配置され、周波数軸方向において、DLフレームの帯域幅の中央の位置に6リソースブロック幅分(72サブキャリア)で配置されている。このS−SCHは、端末装置が、複数の基地局装置の通信エリア(セル)それぞれを識別するための情報であり、168パターン定義されている。
S−SCHは、時間軸方向において、サブフレーム#0及びサブフレーム#5それぞれにおける先頭側のスロットの最後から2番目のOFDMシンボルであるシンボル#5の位置に1つのシンボル幅で配置され、周波数軸方向において、DLフレームの帯域幅の中央の位置に6リソースブロック幅分(72サブキャリア)で配置されている。このS−SCHは、端末装置が、複数の基地局装置の通信エリア(セル)それぞれを識別するための情報であり、168パターン定義されている。
P−SCH及びS−SCHは、相互に組み合わせることによって504種類(168×3)のパターンが定義されている。端末装置は、基地局装置から送信されたP−SCH及びS−SCHを取得することで、自端末が、どの基地局装置のどのセクタに存在するかを認識することができる。
P−SCH及びS−SCHがとり得る複数のパターンは、通信規格において予め定められており、各基地局装置及び各端末装置において既知である。つまり、P−SCH及びS−SCHは、それぞれ、複数のパターンをとり得る既知信号である。
P−SCH及びS−SCHがとり得る複数のパターンは、通信規格において予め定められており、各基地局装置及び各端末装置において既知である。つまり、P−SCH及びS−SCHは、それぞれ、複数のパターンをとり得る既知信号である。
上述の各チャネルが割り当てられていない他の領域のリソースブロックは、ユーザデータ等を格納するための上述の下りリンク共有チャネル(PDSCH)として用いられる。 このPDSCHは、複数の端末装置で共有して用いられるエリアであり、ユーザデータの他、後に説明する基地局情報や、各端末装置個別の制御情報等も格納される。
格納される制御情報としては、上述のSIB1が挙げられる。つまり、PDSCHには、SIB1用に割り当てられているチャネルがある。SIB1には、システム情報ブロック(例えばSIB2〜SIB12)の割当位置に関する情報が含まれている。システム情報ブロックとしては、例えば、現在接続している基地局装置がマクロであるかフェムトであるかを示すフラグであるSIB2や、基地局装置の名前に関する情報を格納するSIB9等がある。
PDSCHに格納されるユーザデータの割り当てについては、各サブフレームの先頭に割り当てられているPDCCHに格納される、下りの無線リソース割当に関する下り割当情報により、端末装置に通知される。この下り割当情報は、PDSCHごとの無線リソース割当を示す情報であり、端末装置は、この下り割当情報によって、そのサブフレーム内に自己に対するデータが格納されているか否かを判断できる。
格納される制御情報としては、上述のSIB1が挙げられる。つまり、PDSCHには、SIB1用に割り当てられているチャネルがある。SIB1には、システム情報ブロック(例えばSIB2〜SIB12)の割当位置に関する情報が含まれている。システム情報ブロックとしては、例えば、現在接続している基地局装置がマクロであるかフェムトであるかを示すフラグであるSIB2や、基地局装置の名前に関する情報を格納するSIB9等がある。
PDSCHに格納されるユーザデータの割り当てについては、各サブフレームの先頭に割り当てられているPDCCHに格納される、下りの無線リソース割当に関する下り割当情報により、端末装置に通知される。この下り割当情報は、PDSCHごとの無線リソース割当を示す情報であり、端末装置は、この下り割当情報によって、そのサブフレーム内に自己に対するデータが格納されているか否かを判断できる。
〔3.基地局装置(フェムト基地局装置)の構成〕
図4は、フェムト基地局装置1bの構成を示すブロック図である。ここでは、フェムト基地局装置1bの構成について説明するが、マクロ基地局装置1aの構成も、フェムト基地局装置1bと同様である。
フェムト基地局装置1bは、アンテナ3と、アンテナ3が接続された送受信部(RF部)4と、RF部4との間で授受が行われる送受信信号の信号処理を行う信号処理部5を備えている。そして、この信号処理部5は、後に説明するが、自己(フェムト基地局装置1b)に関する基地局情報を、前記下り信号に含まれる報知情報に追加して格納する情報格納部31を有している。また、この情報格納部31は、後に説明するが、自己(フェムト基地局装置1b)に関する基地局情報を、ページング情報の信号(下り信号)に追加して格納することもできる。
図4は、フェムト基地局装置1bの構成を示すブロック図である。ここでは、フェムト基地局装置1bの構成について説明するが、マクロ基地局装置1aの構成も、フェムト基地局装置1bと同様である。
フェムト基地局装置1bは、アンテナ3と、アンテナ3が接続された送受信部(RF部)4と、RF部4との間で授受が行われる送受信信号の信号処理を行う信号処理部5を備えている。そして、この信号処理部5は、後に説明するが、自己(フェムト基地局装置1b)に関する基地局情報を、前記下り信号に含まれる報知情報に追加して格納する情報格納部31を有している。また、この情報格納部31は、後に説明するが、自己(フェムト基地局装置1b)に関する基地局情報を、ページング情報の信号(下り信号)に追加して格納することもできる。
〔3.1 RF部〕
RF部4は、上り信号受信部11、下り信号受信部12、及び送信部13を備えている。上り信号受信部11は、端末装置2からの上り信号を受信するためのものであり、下り信号受信部12は、マクロ基地局装置1a又は他のフェムト基地局装置1bからの下り信号を受信(傍受)するためのものである。送信部13は、自己のフェムトセルFCへ下り信号を送信するためのものである。
RF部4は、上り信号受信部11、下り信号受信部12、及び送信部13を備えている。上り信号受信部11は、端末装置2からの上り信号を受信するためのものであり、下り信号受信部12は、マクロ基地局装置1a又は他のフェムト基地局装置1bからの下り信号を受信(傍受)するためのものである。送信部13は、自己のフェムトセルFCへ下り信号を送信するためのものである。
また、RF部4は、サーキュレータ14を備えている。このサーキュレータ14は、アンテナ3からの受信信号を、上り信号受信部11及び下り信号受信部12側へ与え、送信部13から出力された送信信号を、アンテナ3側へ与えるためのものである。
上り信号受信部11は、端末装置2からの上り信号の周波数帯域のみを通過させるフィルタや、増幅器、A/D変換器等を備えており、アンテナ3が受信する受信信号より端末装置2からの上り信号を取得し、これを増幅するとともにデジタル信号に変換し信号処理部5に出力する。このように、上り信号受信部11は、端末装置2からの上り信号の受信に適合して構成された受信部であって、基地局装置として本来的に必要な受信部である。
上り信号受信部11は、端末装置2からの上り信号の周波数帯域のみを通過させるフィルタや、増幅器、A/D変換器等を備えており、アンテナ3が受信する受信信号より端末装置2からの上り信号を取得し、これを増幅するとともにデジタル信号に変換し信号処理部5に出力する。このように、上り信号受信部11は、端末装置2からの上り信号の受信に適合して構成された受信部であって、基地局装置として本来的に必要な受信部である。
送信部13は、D/A変換器や、フィルタ、増幅器等を備えており、信号処理部5からデジタル信号として出力される送信信号を受け取り、これをアナログ信号に変換するとともに増幅しアンテナ3から下り信号として送信させる機能を有している。
本実施形態のフェムト基地局装置1bは、更に下り信号受信部12を備えている。この下り信号受信部12は、自己以外の他の基地局装置1が送信した下り信号を受信(傍受)するためのものである。
この下り信号受信部12は、他の基地局装置1からの下り信号の周波数帯域だけを通過させるフィルタや、増幅器、A/D変換部等を備えており、アンテナ3が受信する受信信号より他の基地局装置1からの下り信号を取得し、これを増幅するとともにデジタル信号に変換し出力する。
下り信号受信部12から出力された下り受信信号は、信号処理部5に与えられ、変復調部21等によって処理される。
この下り信号受信部12は、他の基地局装置1からの下り信号の周波数帯域だけを通過させるフィルタや、増幅器、A/D変換部等を備えており、アンテナ3が受信する受信信号より他の基地局装置1からの下り信号を取得し、これを増幅するとともにデジタル信号に変換し出力する。
下り信号受信部12から出力された下り受信信号は、信号処理部5に与えられ、変復調部21等によって処理される。
〔3.2 信号処理部〕
信号処理部5は、当該信号処理部5の上位レイヤと、RF部4との間で授受が行われる送受信信号の信号処理を行うための変復調部21を備えている。変復調部21は、上り信号受信部11から与えられる上り信号を上りの受信情報として復調し前記上位レイヤに出力するとともに、前記上位レイヤから与えられる各種送信情報(報知情報、ページング情報)を変調する機能を有している。
そして、前記RF部2の送信部13によって、自己と通信する端末装置2bに、当該端末装置2bにとって有用な前記送信情報(報知情報、ページング情報)が、下り信号として送信される。
信号処理部5は、当該信号処理部5の上位レイヤと、RF部4との間で授受が行われる送受信信号の信号処理を行うための変復調部21を備えている。変復調部21は、上り信号受信部11から与えられる上り信号を上りの受信情報として復調し前記上位レイヤに出力するとともに、前記上位レイヤから与えられる各種送信情報(報知情報、ページング情報)を変調する機能を有している。
そして、前記RF部2の送信部13によって、自己と通信する端末装置2bに、当該端末装置2bにとって有用な前記送信情報(報知情報、ページング情報)が、下り信号として送信される。
変復調部21は、前記上位レイヤから与えられる報知情報について、スケジューリング部26の指令に基づいて、所定のデータ単位ごとに所定の方式で変調を行うとともに、変調されたデータについてリソースブロック単位ごとでDLフレームに対する割り当てを行い、自己の下り信号を生成する機能を有している。
また、変復調部21は、下り信号受信部12にて受信された他セルの下り信号を復調したり、上り信号受信部11にて受信された他セルの上り信号を復調したりすることもできる。
また、変復調部21は、下り信号受信部12にて受信された他セルの下り信号を復調したり、上り信号受信部11にて受信された他セルの上り信号を復調したりすることもできる。
信号処理部5は、自己(フェムト基地局装置1b)に関する基地局情報を、前記報知情報及び/又は前記ページング情報に追加して格納する情報格納部31を備えている。前記基地局情報は、他のセルの無線通信装置が干渉抑制処理に用いる情報であり、本実施形態では、自己(フェムト基地局装置1b)の位置に関する位置情報である。このため、情報格納部31は、フェムト基地局装置1bの位置情報を前記報知情報及び/又は前記ページング情報に格納する機能を有していることとなる。また、前記他のセルの無線通信装置とは、前記報知情報を受信する側の装置であり、<1>送信側のフェムト基地局装置1bが形成するフェムトセルFCとは異なるセルを形成するマクロ基地局装置1aと、<2>送信側のフェムト基地局装置1bの近くに設置されるが別であるフェムト基地局装置1bと、がある。
信号処理部5は、位置情報を取得する位置情報取得部32を更に備えている。本実施形態では、位置情報取得部32は、自己(フェムト基地局装置1b)に搭載されているGPS受信機である。自己(フェムト基地局装置1b)の位置は、このGPS受信機が受信したGPS信号に基づいて求められる。
〔3.2.1 位置情報の格納について〕
図5は、フェムト基地局装置1bによる送信信号(報知情報)の送信処理のフローチャートである。なお、基地局情報が格納される情報が、ページング情報である場合についての処理は、後に説明する。
フェムト基地局装置1bが起動すると(ステップS1)、位置情報取得部(GPS受信機)32は、自己の位置を計測する(ステップS2)。そして、情報格納部31は、この位置に関する位置情報を報知情報に格納する処理を行い(ステップS3)、変復調部21はこの報知情報を変調し、前記RF部2の送信部13によって、当該報知情報を下り信号として送信する(ステップS4)。
そして、自己(フェムト基地局装置1b)のセル(フェムトセルFC)とは異なる他のセルの無線通信装置(例えばマクロ基地局装置1a)が、前記位置情報が格納されている前記報知情報を受信して、干渉抑制処理を実行することができる。
図5は、フェムト基地局装置1bによる送信信号(報知情報)の送信処理のフローチャートである。なお、基地局情報が格納される情報が、ページング情報である場合についての処理は、後に説明する。
フェムト基地局装置1bが起動すると(ステップS1)、位置情報取得部(GPS受信機)32は、自己の位置を計測する(ステップS2)。そして、情報格納部31は、この位置に関する位置情報を報知情報に格納する処理を行い(ステップS3)、変復調部21はこの報知情報を変調し、前記RF部2の送信部13によって、当該報知情報を下り信号として送信する(ステップS4)。
そして、自己(フェムト基地局装置1b)のセル(フェムトセルFC)とは異なる他のセルの無線通信装置(例えばマクロ基地局装置1a)が、前記位置情報が格納されている前記報知情報を受信して、干渉抑制処理を実行することができる。
また、ステップS4の後も、位置情報取得部32は、所定の周期で自己の位置を計測し、位置(位置情報)の変化を判定する(ステップS5)。閾値よりも大きく変化している場合(ステップS5のYes)、情報格納部31は、変化した位置情報を報知情報に格納し直す処理を行う(ステップS3)。位置(位置情報)が変化しない場合(ステップS5のNo)、位置の変化の判定を繰り返し実行する(ステップS5)。
GPS受信機によって取得されたフェムト基地局装置1bの位置情報は、当該フェムト基地局装置1bが送信する報知情報の内の一部と共に、いずれかのリソースブロックに格納される。
この位置情報が格納される格納領域は、例えば、前記〔2.LTEのフレーム構造〕で説明した、基地局装置(フェムト基地局装置1b)の名前に関する情報が格納される領域であるSIB9とすることができる。
LTEでは、自己の名前を報知する領域としてSIB9が確保されている(48バイト)。このSIB9は、自己の名前を自由に設定して格納することができる領域であるため、このSIB9に「自己の名前の情報+自己の位置情報」が格納される。位置情報としては、緯度及び経度である。
この位置情報が格納される格納領域は、例えば、前記〔2.LTEのフレーム構造〕で説明した、基地局装置(フェムト基地局装置1b)の名前に関する情報が格納される領域であるSIB9とすることができる。
LTEでは、自己の名前を報知する領域としてSIB9が確保されている(48バイト)。このSIB9は、自己の名前を自由に設定して格納することができる領域であるため、このSIB9に「自己の名前の情報+自己の位置情報」が格納される。位置情報としては、緯度及び経度である。
具体的に説明すると、GPS受信機によって自己の位置情報として例えば、経度=+135度41分35.600秒、緯度=+35度00分35.600秒が取得されたとする。この場合、情報格納部31は、この位置情報を所定の変換アルゴリズムにしたがって、次のように所定の様式に変換する。
経度に関して、ミリ秒の単位で表した数値に変換する。つまり、以下の演算を行う。
(経度)=+135度41分35.600秒
=600(ミリ秒)+1000×35(秒)+1000×60×41(分)+1000×60×60×135(度)
=488495600(ミリ秒)
さらに、情報格納部31は、この値(488495600)をUTF−8に変換する。
488495600=0x1d1dd9f0
さらに、情報格納部31は、これを[0−9,A−Z,a−z、+2記号]の6ビットで符号化する処理を行う。
0x1d1dd9f0=0T7Tdm
(経度)=+135度41分35.600秒
=600(ミリ秒)+1000×35(秒)+1000×60×41(分)+1000×60×60×135(度)
=488495600(ミリ秒)
さらに、情報格納部31は、この値(488495600)をUTF−8に変換する。
488495600=0x1d1dd9f0
さらに、情報格納部31は、これを[0−9,A−Z,a−z、+2記号]の6ビットで符号化する処理を行う。
0x1d1dd9f0=0T7Tdm
情報格納部31は、緯度についても同様の変換アルゴリズムにより変換する。
(緯度)=+35度00分35.600秒
=126035600(ミリ秒)
126035600=0x1d1dd9f0
0x1d1dd9f0=07WoQG
(緯度)=+35度00分35.600秒
=126035600(ミリ秒)
126035600=0x1d1dd9f0
0x1d1dd9f0=07WoQG
フェムト基地局装置1bの自己の名前を「MyFemto」とすると、SIB9には本来「MyFemto」が格納されるはずであるが、情報格納部31は、前記符号化した位置情報を追加的に格納して「MyFemto_07WoQG_0T7Tdm」と書き換える。
なお、前記GPS受信部による測地系(geo)及び測位レベル(x−acc)についての情報も追加的に格納してもよい。この場合、SIB9は「(名前)_(緯度)_(経度)_(geo)_(x−acc)」が格納される。測地系については、世界測地系の場合、geo=wgs84となる。測位レベルについては、誤差範囲が「水平誤差<50m」である場合は「3」であり、誤差範囲が「50m≦水平誤差<300m」である場合は「2」であり、誤差範囲が「300m≦水平誤差」である場合は「1」である。
なお、前記GPS受信部による測地系(geo)及び測位レベル(x−acc)についての情報も追加的に格納してもよい。この場合、SIB9は「(名前)_(緯度)_(経度)_(geo)_(x−acc)」が格納される。測地系については、世界測地系の場合、geo=wgs84となる。測位レベルについては、誤差範囲が「水平誤差<50m」である場合は「3」であり、誤差範囲が「50m≦水平誤差<300m」である場合は「2」であり、誤差範囲が「300m≦水平誤差」である場合は「1」である。
上記の説明では、位置情報の格納場所として、SIB9の「自己の名前の情報」をそのまま使用し、「自己の名前の情報」の後ろに「自己の位置情報」を付加する場合、つまり、情報格納部31が、符号化した位置情報を追加的に格納して「MyFemto_07WoQG_0T7Tdm」と書き換える場合を説明した。つまり、これは、既に定義されている情報要素(Information Element)の使用方法を変更する場合である。
基地局情報(位置情報)の追加は、これ以外の方法であってもよく、例えば、既に定義されている情報要素を変更しないで、新規に情報要素を作成して増やしてもよい。この場合、基地局情報(位置情報)が新規に増える情報であり、前記の経度及び緯度の場合、図10に示しているように、情報格納部31は、符号化した位置情報「07WoQG_0T7Tdm」を追加的に格納する。
基地局情報(位置情報)の追加は、これ以外の方法であってもよく、例えば、既に定義されている情報要素を変更しないで、新規に情報要素を作成して増やしてもよい。この場合、基地局情報(位置情報)が新規に増える情報であり、前記の経度及び緯度の場合、図10に示しているように、情報格納部31は、符号化した位置情報「07WoQG_0T7Tdm」を追加的に格納する。
また、情報格納部31が、フェムト基地局装置1bの位置情報を格納する領域としては、前記SIB9以外であってもよく、位置情報を自由に格納することが許容されている格納領域とすることができる。接続する端末装置2に与える情報を格納するために、通常はSIB2〜SIB11が設定されている場合、SIB12まで領域を拡張し、このSIB12に位置情報を格納してもよい。図11は、新規に、システム情報ブロック(システム情報ブロックの種別)を追加し(SIB14)、そのシステム情報ブロックに位置情報を格納した例を示している。
〔3.2.2 位置情報の格納について〕
基地局情報が格納される情報が、ページング情報である場合についての処理を説明する。図12は、基地局情報を格納してページング情報を送信するフェムト基地局装置1b(送信側BS1bと呼ぶ)と、このフェムト基地局装置1bとは別であって近くに設置されている受信側の他の基地局装置(受信側BS1と呼ぶ)との処理を説明する説明図である。
基地局情報が格納される情報が、ページング情報である場合についての処理を説明する。図12は、基地局情報を格納してページング情報を送信するフェムト基地局装置1b(送信側BS1bと呼ぶ)と、このフェムト基地局装置1bとは別であって近くに設置されている受信側の他の基地局装置(受信側BS1と呼ぶ)との処理を説明する説明図である。
送信側BS1bが起動すると(ステップS41)、位置情報取得部(GPS受信機)32は、自己の位置を計測する(ステップS42)。そして、変復調部21は報知情報を変調し、前記RF部2の送信部13によって、当該報知情報を下り信号として送信する(ステップS43)。
受信側BS1では、前記報知情報を受信可能であり、送信側BS1bを検出することができる(ステップ51)。そして、受信側BS1は、ページング情報の待ち受けを開始する(ステップS52)。
受信側BS1では、前記報知情報を受信可能であり、送信側BS1bを検出することができる(ステップ51)。そして、受信側BS1は、ページング情報の待ち受けを開始する(ステップS52)。
送信側BS1bにおいて、ステップS43の後、情報格納部31は、ステップS42で計測して得た位置に関する位置情報を、ページング情報に格納する処理を行い、変復調部21はこのページング情報を変調し、前記RF部2の送信部13によって、当該ページング情報を下り信号として送信する(ステップS44)。
なお、位置情報は、ページング情報を格納するために設定されている領域が拡張されて得られた領域に、格納される。図13は、ページング情報の拡張例を示す説明図であり、拡張された情報要素に位置情報が格納される。例えば、上記の場合と同様に、符号化した位置情報「07WoQG_0T7Tdm」が格納される。
なお、位置情報は、ページング情報を格納するために設定されている領域が拡張されて得られた領域に、格納される。図13は、ページング情報の拡張例を示す説明図であり、拡張された情報要素に位置情報が格納される。例えば、上記の場合と同様に、符号化した位置情報「07WoQG_0T7Tdm」が格納される。
送信側BS1bが、位置情報を格納したページング情報を送信すると(前記ステップS44)、受信側BS1では、このページング情報を受信し(ステップS53)、このページング情報に格納されている位置情報を取得することができ(ステップS54)、干渉抑制処理を実行することができる(ステップS55)。
また、送信側BS1bにおいて、ステップS44の後も、位置情報取得部32は、前記の場合と同様に、所定の周期で自己の位置を計測し、位置の変化の判定を繰り返し実行してもよい。
なお、前記〔3.2.1 位置情報の格納について〕〔3.2.2 位置情報の格納について〕では、報知情報に位置情報を格納する場合と、ページング情報に位置情報を格納する場合との、それぞれの場合を説明したが、報知情報とページング情報との双方に位置情報を格納し、それぞれを送信してもよい。なお、本実施形態では、図12に示しているように、受信側BS1において、ページング情報を受信するためには、ページングチャネルによる待ち受けが必要であることから、待ち受け可能なタイミングは、報知情報の受信後となる。このため、報知情報とページング情報との双方に位置情報が格納されている場合であっても、実際には、報知情報に格納されている位置情報が、干渉抑制処理のために、優先される可能性が高い。
以上のとおり、フェムト基地局装置1bを、位置情報が格納された報知情報及び/又はページング情報を送信する送信側の基地局装置として説明した。この報知情報及び/又はページング情報を受信することができる他のセルの基地局装置として、<1>マクロ基地局装置1aと、<2>前記送信側のフェムト基地局装置1bとは別であって近くに設置されるフェムト基地局装置1bとがある。ここでは、前記送信側の基地局装置を送信側BS1bと呼び、受信側の他のセルの基地局装置を受信側BS1と呼んで説明する。
〔4.受信側基地局装置(受信側BS1)の構成〕
図6は、受信側BS1の構成を示すブロック図である。
受信側BS1は、アンテナ103と、アンテナ103が接続された送受信部(RF部)104と、RF部104との間で授受が行われる送受信信号の信号処理を行う信号処理部105とを備えている。
図6は、受信側BS1の構成を示すブロック図である。
受信側BS1は、アンテナ103と、アンテナ103が接続された送受信部(RF部)104と、RF部104との間で授受が行われる送受信信号の信号処理を行う信号処理部105とを備えている。
アンテナ103及び送受信部(RF部)104は、フェムト基地局装置1bと同じであり、特に、RF部104の下り信号受信部112は、位置情報が格納された前記報知情報を送信する前記フェムト基地局装置1bが送信した、下り信号を受信する。
信号処理部105も、前記送信側BS1bと同じであるが、前記RF部104が受信した前記報知情報に格納されている位置情報を用いて、通信を適切に行うための処理として、干渉を抑制する処理を実行する機能を備えている。
信号処理部105も、前記送信側BS1bと同じであるが、前記RF部104が受信した前記報知情報に格納されている位置情報を用いて、通信を適切に行うための処理として、干渉を抑制する処理を実行する機能を備えている。
信号処理部105が実行する干渉抑制の処理は、送信側BS1bのフェムトセルFCでの干渉又は自己(受信側BS1)のセルでの干渉を抑制する処理となる。ここでは、主に、送信側BS1b及び当該送信側BS1bと通信する端末装置2bの内の一方又は双方における干渉を抑制する処理を実行する場合を説明する。
このために、信号処理部105は、前記干渉を抑制する処理として、指向性制御、送信電力制御、又は、自己の設置位置の良否を判定する置局判定制御を実行する。これら制御については、後に説明する。
このために、信号処理部105は、前記干渉を抑制する処理として、指向性制御、送信電力制御、又は、自己の設置位置の良否を判定する置局判定制御を実行する。これら制御については、後に説明する。
信号処理部105は、前記位置情報を用いて干渉抑制処理を実行するために、送信側BS1の位置情報が格納されている報知情報から、当該位置情報を分離する分離処理部135を更に備えている。
送信側BS1bは報知情報を送信しており、受信側BS1のRF部104の下り信号受信部112が、この報知情報を傍受する。受信側BS1の変復調部121は、この下り信号を復調することで、位置情報が格納されている前記SIB9の情報を取得することができる。
つまり、受信した下り信号の前記PBCH(図3)に格納されている前記マスタ情報ブロックには、SIB1の割当位置に関する情報が含まれており、このSIB1には、SIB2〜SIB12のリソースブロック割り当て位置に関する情報が含まれている。このため、分離処理部35は、SIB9に格納されている、フェムト基地局装置1bについての「名前の情報+位置情報」から、位置情報のみを分離して取り出すことができる。
つまり、SIB9に格納されている「MyFemto_07WoQG_0T7Tdm」から「07WoQG_0T7Tdm」を取り出すことができる。
送信側BS1bは報知情報を送信しており、受信側BS1のRF部104の下り信号受信部112が、この報知情報を傍受する。受信側BS1の変復調部121は、この下り信号を復調することで、位置情報が格納されている前記SIB9の情報を取得することができる。
つまり、受信した下り信号の前記PBCH(図3)に格納されている前記マスタ情報ブロックには、SIB1の割当位置に関する情報が含まれており、このSIB1には、SIB2〜SIB12のリソースブロック割り当て位置に関する情報が含まれている。このため、分離処理部35は、SIB9に格納されている、フェムト基地局装置1bについての「名前の情報+位置情報」から、位置情報のみを分離して取り出すことができる。
つまり、SIB9に格納されている「MyFemto_07WoQG_0T7Tdm」から「07WoQG_0T7Tdm」を取り出すことができる。
そして、分離処理部135は、前記情報格納部31(図4)による前記変換アルゴリズムと反対の手順による変換アルゴリズムを用いて、送信側BS1bの位置情報を、緯度及び経度の情報として復元する。つまり、分離処理部135によって、経度=+135度41分35.600秒、緯度+35.00.35.600が復元される。
このようにして、受信側BS1は、傍受した下り信号から、フェムト基地局装置1bの位置情報を分けて取り出すことができるので、信号処理部105は、この位置情報を干渉抑制処理に用いることが可能となる。
また、報知情報に位置情報が格納されている場合を説明したが、ページング情報に位置情報が格納されている場合も、受信側基地局装置(受信側BS1)の構成は、図6と同じである。
すなわち、RF部104の下り信号受信部112は、位置情報が格納されたページング情報を送信するフェムト基地局装置1bが送信した、下り信号を受信する。
信号処理部105は、前記RF部104が受信した前記ページング情報に格納されている位置情報を用いて、通信を適切に行うための処理として、干渉を抑制する処理を実行する機能を備えている。また、信号処理部105は、前記位置情報を用いて干渉抑制処理を実行するために、送信側BS1の位置情報が格納されているページング情報から、当該位置情報を分離する分離処理部135を更に備えている。
すなわち、RF部104の下り信号受信部112は、位置情報が格納されたページング情報を送信するフェムト基地局装置1bが送信した、下り信号を受信する。
信号処理部105は、前記RF部104が受信した前記ページング情報に格納されている位置情報を用いて、通信を適切に行うための処理として、干渉を抑制する処理を実行する機能を備えている。また、信号処理部105は、前記位置情報を用いて干渉抑制処理を実行するために、送信側BS1の位置情報が格納されているページング情報から、当該位置情報を分離する分離処理部135を更に備えている。
送信側BS1bはページング情報を送信しており、受信側BS1のRF部104の下り信号受信部112が、このページング情報を傍受する。受信側BS1の変復調部121は、この下り信号を復調することで、位置情報が格納されている前記ページング情報を取得することができる。分離処理部35は、このページング情報から、位置情報のみを分離して取り出すことができる。
そして、分離処理部135は、前記情報格納部31(図4)による前記変換アルゴリズムと反対の手順による変換アルゴリズムを用いて、送信側BS1bの位置情報を、緯度及び経度の情報として復元する。
そして、分離処理部135は、前記情報格納部31(図4)による前記変換アルゴリズムと反対の手順による変換アルゴリズムを用いて、送信側BS1bの位置情報を、緯度及び経度の情報として復元する。
〔4.1 指向性制御について〕
干渉抑制処理として指向性制御を行う場合について説明する。
受信側BS1の信号処理部105は、自己(受信側BS1)の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得部132を備えている。位置情報取得部132は、GPS受信機であり、このGPS受信機によって受信したGPS信号に基づいて、自己の位置が算出される。
また、受信側BS1のアンテナ103は、複数のアンテナがアレイ状に並べられてアダプティブアレイアンテナとして構成されている。そして、信号処理部105は、指向性制御機能を有する干渉抑制処理部136を備えており、この干渉抑制処理部136は、前記各アンテナの重み付けをアダプティブ制御して、アンテナ103の指向性を電気的に変えることができる。
干渉抑制処理として指向性制御を行う場合について説明する。
受信側BS1の信号処理部105は、自己(受信側BS1)の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得部132を備えている。位置情報取得部132は、GPS受信機であり、このGPS受信機によって受信したGPS信号に基づいて、自己の位置が算出される。
また、受信側BS1のアンテナ103は、複数のアンテナがアレイ状に並べられてアダプティブアレイアンテナとして構成されている。そして、信号処理部105は、指向性制御機能を有する干渉抑制処理部136を備えており、この干渉抑制処理部136は、前記各アンテナの重み付けをアダプティブ制御して、アンテナ103の指向性を電気的に変えることができる。
信号処理部105は、自己(受信側BS1)の位置情報の他に、前記分離処理部135によって送信側BS1bの位置情報を取得していることから、干渉抑制処理部136は、当該フェムト基地局装置1bの方向、つまり、フェムトセルFCの方向にヌルビームを向けるようにビームフォーミングを行う。
これにより、受信側BS1の通信エリア内の端末装置2aにはビームを向けつつも、送信側BS1bのフェムトセルFC内にある端末装置2bには、受信側BS1からの信号(干渉信号)が届きにくくなり、当該端末装置2bにおける干渉が抑制される。
これにより、受信側BS1の通信エリア内の端末装置2aにはビームを向けつつも、送信側BS1bのフェムトセルFC内にある端末装置2bには、受信側BS1からの信号(干渉信号)が届きにくくなり、当該端末装置2bにおける干渉が抑制される。
また、これと同様に、干渉抑制処理部136は、送信側BS1bと接続している端末装置2bからの信号を、受信側BS1は受信し難くすることもできる。つまり、受信側BS1及び当該受信側BS1と通信する端末装置の内の一方又は双方における干渉を抑制する処理が実行される。
〔4.3 送信電力制御について〕
干渉抑制処理として送信電力制御を行う場合について説明する。
この場合も、受信側BS1の信号処理部105は、自己(受信側BS1)の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得部(GPS受信機)132を備えている。また、信号処理部105は、前記分離処理部135によって送信側BS1bの位置情報を取得している。
自己とフェムト基地局装置1bとの位置関係(距離)が遠ければ、それぞれにおいて干渉の可能性は低いが、自己とフェムト基地局装置1bとの位置関係(距離)が近ければ、それぞれにおいて干渉の可能性が高まる。
干渉抑制処理として送信電力制御を行う場合について説明する。
この場合も、受信側BS1の信号処理部105は、自己(受信側BS1)の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得部(GPS受信機)132を備えている。また、信号処理部105は、前記分離処理部135によって送信側BS1bの位置情報を取得している。
自己とフェムト基地局装置1bとの位置関係(距離)が遠ければ、それぞれにおいて干渉の可能性は低いが、自己とフェムト基地局装置1bとの位置関係(距離)が近ければ、それぞれにおいて干渉の可能性が高まる。
そこで、信号処理部105は、電力制御機能を有する干渉抑制処理部136を備えている。この干渉抑制処理部136は、自己と送信側BS1bとの位置関係(距離)を求める機能と、送信する下り信号の送信電力を設定する電力制御機能とを有している。
前記のとおり、干渉抑制処理部136では、自己とフェムト基地局装置1bとの間の距離が求められることから、その距離と閾値とが比較され、当該距離が閾値未満である場合、下り信号の送信電力(の上限値)を抑えるように制御する。この制御によれば、自己の下り信号が、フェムト基地局装置1bに接続している端末装置2bにおいて干渉信号となることを回避させる。
前記のとおり、干渉抑制処理部136では、自己とフェムト基地局装置1bとの間の距離が求められることから、その距離と閾値とが比較され、当該距離が閾値未満である場合、下り信号の送信電力(の上限値)を抑えるように制御する。この制御によれば、自己の下り信号が、フェムト基地局装置1bに接続している端末装置2bにおいて干渉信号となることを回避させる。
また、干渉抑制処理部136は、信号制御部105が下り信号を生成する際、上り送信電力制御情報を生成する機能を有している。上り送信電力制御情報は、自己に接続する端末装置が送信する上り信号の送信電力を当該端末装置によって調整させるための指令信号である。この情報を、下り信号(PDCCH)に格納し自己に接続する端末装置2aに送信することで、当該端末装置2は送信電力を調整する(上限値を抑える)ことが可能となる。
つまり、干渉抑制処理部136は、自己の位置と送信側BS1bの位置とに基づいて、両者間の距離を求め、当該距離と閾値とを比較し、その距離が閾値未満であると判定した場合、上り信号の送信電力(の上限値)を抑えるための上り送信電力制御情報を生成する。この上り送信電力制御情報は、受信側BS1からの下り信号格納されることで、当該受信側BS1と接続する端末装置2は、この上り送信電力制御情報を取得する。
すると、この端末装置2は、送信する上り信号の送信電力を抑える制御を行う。この結果、端末装置2の上り信号が、送信側BS1bにおいて干渉信号となることを回避させる。
このように、受信側BS1が、干渉を抑制する処理として、自己及び/又は自己と接続する端末装置の電力制御を実行することにより、送信側BS1bのフェムトセルFCに強い電波が送信されず、干渉を抑制することが可能となる。
つまり、干渉抑制処理部136は、自己の位置と送信側BS1bの位置とに基づいて、両者間の距離を求め、当該距離と閾値とを比較し、その距離が閾値未満であると判定した場合、上り信号の送信電力(の上限値)を抑えるための上り送信電力制御情報を生成する。この上り送信電力制御情報は、受信側BS1からの下り信号格納されることで、当該受信側BS1と接続する端末装置2は、この上り送信電力制御情報を取得する。
すると、この端末装置2は、送信する上り信号の送信電力を抑える制御を行う。この結果、端末装置2の上り信号が、送信側BS1bにおいて干渉信号となることを回避させる。
このように、受信側BS1が、干渉を抑制する処理として、自己及び/又は自己と接続する端末装置の電力制御を実行することにより、送信側BS1bのフェムトセルFCに強い電波が送信されず、干渉を抑制することが可能となる。
〔4.3 置局判定制御について〕
干渉抑制処理として置局判定制御を行う場合について説明する。
ここでは、受信側BS1を、送信側BS1b(第一のフェムト基地局装置)とは別である第二のフェムト基地局装置1bとして説明する。この第二のフェムト基地局装置1bが置局判定制御を行う。第二のフェムト基地局装置1bは、図4に説明した構成と同じである。
干渉抑制処理として置局判定制御を行う場合について説明する。
ここでは、受信側BS1を、送信側BS1b(第一のフェムト基地局装置)とは別である第二のフェムト基地局装置1bとして説明する。この第二のフェムト基地局装置1bが置局判定制御を行う。第二のフェムト基地局装置1bは、図4に説明した構成と同じである。
第二のフェムト基地局装置1bは、自己の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得部(GPS受信機)32を備えている。そして、第二のフェムト基地局装置1bの信号処理部5は、報知情報及び/又はページング情報を送信している第一のフェムト基地局装置1bの位置情報を取得している。
信号処理部105は、置局判定制御機能を有する干渉抑制処理部36を備えている。この干渉抑制処理部36は、干渉を抑制する処理として自己の設置位置の良否を判定する。つまり、自己と他の基地局装置との位置関係(距離)が遠ければ、それぞれにおいて干渉の可能性は低いが、自己と他の基地局装置との位置関係(距離)が近ければ、それぞれにおいて干渉の可能性が高まる。
信号処理部105は、置局判定制御機能を有する干渉抑制処理部36を備えている。この干渉抑制処理部36は、干渉を抑制する処理として自己の設置位置の良否を判定する。つまり、自己と他の基地局装置との位置関係(距離)が遠ければ、それぞれにおいて干渉の可能性は低いが、自己と他の基地局装置との位置関係(距離)が近ければ、それぞれにおいて干渉の可能性が高まる。
そこで、干渉抑制処理部36は、自己の位置と、送信側である第一のフェムト基地局装置1bの位置とに基づいて、両者間の距離を求め、当該距離と閾値とを比較し、その距離が閾値未満である場合、自己の位置と第一のフェムト基地局装置1bの位置とが近すぎることを意味しているため、自己の位置は好ましくないと判定し、ユーザにその旨の情報を報知する。例えば、警告としてLEDを発光させる。これにより、ユーザは、第二のフェムト基地局装置1bの設置位置を変更することができる。
そして、設置位置が変更された後に、再び、干渉抑制処理部36は、自己とフェムト基地局装置1bとの距離を前記閾値と比較し、その距離が閾値以上であれば、自己の位置とフェムト基地局装置1bの位置とが離れていることを意味しているため、自己の位置は好ましいと判定し、ユーザにその旨の情報を報知する。これにより、ユーザは、第二のフェムト基地局装置1bの設置位置を確定することができる。
このようにして、置局判定制御を実行することにより、新たなフェムト基地局装置1bを設置することによってそれぞれのセルにおいて発生することがある干渉を抑制することが可能となる。
そして、設置位置が変更された後に、再び、干渉抑制処理部36は、自己とフェムト基地局装置1bとの距離を前記閾値と比較し、その距離が閾値以上であれば、自己の位置とフェムト基地局装置1bの位置とが離れていることを意味しているため、自己の位置は好ましいと判定し、ユーザにその旨の情報を報知する。これにより、ユーザは、第二のフェムト基地局装置1bの設置位置を確定することができる。
このようにして、置局判定制御を実行することにより、新たなフェムト基地局装置1bを設置することによってそれぞれのセルにおいて発生することがある干渉を抑制することが可能となる。
〔5.端末装置における干渉抑制処理〕
前記実施形態では、位置情報を送信するフェムト基地局装置1bの当該位置情報を用いて、通信を適切に行うための処理として干渉の抑制処理を実行する無線通信装置は、基地局装置(受信側BS1)である場合を説明した。しかし、端末装置2が自律的に干渉を抑制する処理を実行してもよい。
前記実施形態では、位置情報を送信するフェムト基地局装置1bの当該位置情報を用いて、通信を適切に行うための処理として干渉の抑制処理を実行する無線通信装置は、基地局装置(受信側BS1)である場合を説明した。しかし、端末装置2が自律的に干渉を抑制する処理を実行してもよい。
図7は、端末装置2の構成を示すブロック図である。なお、マクロ端末装置2a及びフェムト端末装置2bは、接続先がマクロ基地局装置1aであるかフェムト基地局装置1bであるかの違いであり、その構成は同一である。
端末装置2は、アンテナ41と、アンテナ41が接続され基地局装置からの下り信号や、送信しようとする上り信号の送受信を行う送受信部42と、キーボードやモニタ等からなり送受信データの入出力を行うための入出力部43と、送受信部42及び入出力部43を制御するとともに、変復調等の基地局装置との間で通信を行うために必要な処理を行う信号処理部44とを備えている。
送受信部42は、フェムト基地局装置1bが送信した前記位置情報が格納されている報知情報及び/又はページング情報を受信する受信部としての機能を備えている。
端末装置2は、アンテナ41と、アンテナ41が接続され基地局装置からの下り信号や、送信しようとする上り信号の送受信を行う送受信部42と、キーボードやモニタ等からなり送受信データの入出力を行うための入出力部43と、送受信部42及び入出力部43を制御するとともに、変復調等の基地局装置との間で通信を行うために必要な処理を行う信号処理部44とを備えている。
送受信部42は、フェムト基地局装置1bが送信した前記位置情報が格納されている報知情報及び/又はページング情報を受信する受信部としての機能を備えている。
信号処理部44は、自己が接続する基地局装置1からの下り信号に含まれる各種の制御情報を受け取り、この制御情報にしたがって基地局装置1との間で通信を行う機能を有している。前記制御情報としては、当該端末装置2の上り信号に割り当てられた周波数帯域を示す上り割当情報や、送信電力に関する情報、変調方式に関する情報がある。
つまり、基地局装置1は、自己に接続する端末装置2に各種制御情報を送信することで、当該端末装置2の上り信号に関する制御を行う。
また、信号処理部44は、送受信部42が受信した下り信号に含まれている報知情報及び/又はページング情報に格納された位置情報を用いて、通信を適切に行うための処理として干渉抑制処理を実行する。
つまり、基地局装置1は、自己に接続する端末装置2に各種制御情報を送信することで、当該端末装置2の上り信号に関する制御を行う。
また、信号処理部44は、送受信部42が受信した下り信号に含まれている報知情報及び/又はページング情報に格納された位置情報を用いて、通信を適切に行うための処理として干渉抑制処理を実行する。
信号処理部44は、前記位置情報を用いて干渉を抑制する処理を実行するために、送信側のフェムト基地局装置1bの位置情報が格納されている前記報知情報及び/又は前記ページング情報から、当該位置情報を分離する分離処理部45を更に備えている。
この分離処理部45は、受信側BS1(図6)の分離処理部135と同じ構成であり、下り信号のSIB9に格納されている「MyFemto_07WoQG_0T7Tdm」から(又はページング情報から)位置情報として「07WoQG_0T7Tdm」を抜き出し、前記フェムト基地局装置1bの位置情報を、緯度及び経度の情報として復元する。
この分離処理部45は、受信側BS1(図6)の分離処理部135と同じ構成であり、下り信号のSIB9に格納されている「MyFemto_07WoQG_0T7Tdm」から(又はページング情報から)位置情報として「07WoQG_0T7Tdm」を抜き出し、前記フェムト基地局装置1bの位置情報を、緯度及び経度の情報として復元する。
ここで説明する端末装置は、マクロ基地局装置1aと接続するマクロ端末装置2aとして説明する。この場合に発生する干渉は、次のとおりである。上記無線通信システムにおいて、マクロ基地局装置1aの設置後、フェムト基地局装置1bは、当該マクロ基地局装置1aが形成するマクロセルMC内に設置され、フェムトセルFCをマクロセルMC内に形成する。このため、設置されたフェムト基地局装置1bは、自己のフェムトセル内にあるフェムト端末装置2bへ送信する下り信号によって、マクロ端末装置2aに干渉を与えるおそれがある。
そこで、マクロ端末装置2aの信号処理部44は、このような干渉を抑える干渉抑制処理部47を備えている。また、このマクロ端末装置2aは、自己の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得部46を備えている。位置情報取得部46は、GPS受信機であり、このGPS受信機によって受信したGPS信号に基づいて、自己の位置が算出される。
そして、信号処理部44は、前記分離処理部45によって報知情報及び/又は前記ページング情報を送信しているフェムト基地局装置1bの位置情報を取得している。このため、干渉抑制処理部47は、自己とフェムト基地局装置1bとの位置関係(距離)を求めることができる。
自己とフェムト基地局装置1bとの位置関係(距離)が遠ければ、干渉の可能性は低いが、自己とフェムト基地局装置1bとの位置関係(距離)が近ければ、干渉の可能性が高まる。
そして、信号処理部44は、前記分離処理部45によって報知情報及び/又は前記ページング情報を送信しているフェムト基地局装置1bの位置情報を取得している。このため、干渉抑制処理部47は、自己とフェムト基地局装置1bとの位置関係(距離)を求めることができる。
自己とフェムト基地局装置1bとの位置関係(距離)が遠ければ、干渉の可能性は低いが、自己とフェムト基地局装置1bとの位置関係(距離)が近ければ、干渉の可能性が高まる。
そこで、干渉抑制処理部47は、干渉抑制処理として、送信側のフェムト基地局装置1bの位置情報及び自己(マクロ端末装置2a)の位置情報に基づいて、送信側のフェムト基地局装置1bと自己(マクロ端末装置2a)との位置関係を判定し、当該判定の結果に関する情報を、入出力部43(例えばモニタ)によって、ユーザに報知する処理を実行する。
例えば、送信側のフェムト基地局装置1bは、自己(マクロ端末装置2a)と通信しない基地局装置(他局と呼ぶ)であるため、干渉抑制処理部47が、自己と他局との位置関係(距離)を求め、これを閾値と比較し、閾値以下であると判定すると、この場合、双方が近づきすぎていることを意味するため、判定の結果に関する情報として、例えば他局から離れることを促す旨の文字等による情報を、入出力部43(例えばモニタ)によって、ユーザに報知する。これにより、マクロ端末装置2aを所有しているユーザは、他局から離れることができ、自己と他局との間の干渉を抑制することが可能となる。
例えば、送信側のフェムト基地局装置1bは、自己(マクロ端末装置2a)と通信しない基地局装置(他局と呼ぶ)であるため、干渉抑制処理部47が、自己と他局との位置関係(距離)を求め、これを閾値と比較し、閾値以下であると判定すると、この場合、双方が近づきすぎていることを意味するため、判定の結果に関する情報として、例えば他局から離れることを促す旨の文字等による情報を、入出力部43(例えばモニタ)によって、ユーザに報知する。これにより、マクロ端末装置2aを所有しているユーザは、他局から離れることができ、自己と他局との間の干渉を抑制することが可能となる。
〔6. その他の基地局情報について〕
前記各実施形態では、報知情報及びページング情報に格納する基地局情報を、位置情報として説明した。しかし、本発明では、基地局情報は位置情報以外であってもよく、自己でしか知り得ない情報であって、しかも、リアルタイムで変化しない情報とすることができる。
例えば、基地局情報は、位置情報、自己と通信する端末装置への無線リソースの割り当てのためのスケジューリングアルゴリズム情報、Localized/Distributed情報、自己の送信部による送信電力を示す情報、及び自己のアンテナ数についての情報の内の少なくとも一つの情報を含むことができる。
前記各実施形態では、報知情報及びページング情報に格納する基地局情報を、位置情報として説明した。しかし、本発明では、基地局情報は位置情報以外であってもよく、自己でしか知り得ない情報であって、しかも、リアルタイムで変化しない情報とすることができる。
例えば、基地局情報は、位置情報、自己と通信する端末装置への無線リソースの割り当てのためのスケジューリングアルゴリズム情報、Localized/Distributed情報、自己の送信部による送信電力を示す情報、及び自己のアンテナ数についての情報の内の少なくとも一つの情報を含むことができる。
基地局情報が、前記スケジューリングアルゴリズム情報である場合について説明する。
スケジューリングアルゴリズムとしては、Round Robin(RR)法、Proportional Fairness(PF)法、Maximum CIR法等がある。RR法は、伝送路の状況などを考慮せずに各ユーザに対して順次リソースを割り当てる方式であり、リソース割り当ての時間的変動が大きくなりやすい方式である。PF法は、各ユーザの通信速度が揃うようにスケジューリングを行う方式であり、前記PR法に比べると、リソース割り当ての時間的変動が小さくなる。Maximum CIR法は、CIR(Carrier to Interference Ratio)が最も良いユーザに優先的に割り当てる方式であり、前記PR法や前記PF法よりも、リソース割り当ての時間的変動が少なく、固定的割り当てに近くなる。
スケジューリングアルゴリズムとしては、Round Robin(RR)法、Proportional Fairness(PF)法、Maximum CIR法等がある。RR法は、伝送路の状況などを考慮せずに各ユーザに対して順次リソースを割り当てる方式であり、リソース割り当ての時間的変動が大きくなりやすい方式である。PF法は、各ユーザの通信速度が揃うようにスケジューリングを行う方式であり、前記PR法に比べると、リソース割り当ての時間的変動が小さくなる。Maximum CIR法は、CIR(Carrier to Interference Ratio)が最も良いユーザに優先的に割り当てる方式であり、前記PR法や前記PF法よりも、リソース割り当ての時間的変動が少なく、固定的割り当てに近くなる。
図8は、このようなスケジューリングアルゴリズムの種別についてのスケジューリングアルゴリズム情報を用いた、干渉抑制制御を示している。
ここでは、スケジューリングアルゴリズム情報を基地局情報として報知情報及び/又はページング情報に格納して、当該報知情報及び/又はページング情報を送信する基地局装置を、マクロ基地局装置1aとする。そして、この基地局情報が格納された報知情報及び/又はページング情報を受信(傍受)して干渉抑制の制御を行う基地局装置を、フェムト基地局装置1bとする。
ここでは、スケジューリングアルゴリズム情報を基地局情報として報知情報及び/又はページング情報に格納して、当該報知情報及び/又はページング情報を送信する基地局装置を、マクロ基地局装置1aとする。そして、この基地局情報が格納された報知情報及び/又はページング情報を受信(傍受)して干渉抑制の制御を行う基地局装置を、フェムト基地局装置1bとする。
フェムト基地局装置1bは、マクロ基地局装置1aが送信した報知情報及び/又はページング情報に格納されている基地局情報として、スケジューリングアルゴリズム情報を取得する(ステップS21)。
続いて、フェムト基地局装置1bは、マクロセルにおけるリソース割り当ての時間的変動の判定のため、スケジューリングアルゴリズム情報に基づいて、マクロ基地局装置1aにおけるスケジューリングアルゴリズムの種別を判定する(ステップS22)。そして、前記RR法のように、リソース割り当ての予測性が非常に低く変動的割り当てであると判定された場合、使用通信周波数帯域全体の送信電力の上限値を抑制する制御を行う(ステップS23)。これは、変動的割り当ての場合、リソース割り当ての変動が大きいため、マクロ基地局装置1aのリソース割り当てに応じて、リソースブロック単位で干渉抑制の制御を行うことは困難であるが、送信電力を抑制することにより、マクロセルへの与干渉を抑制することができる。
続いて、フェムト基地局装置1bは、マクロセルにおけるリソース割り当ての時間的変動の判定のため、スケジューリングアルゴリズム情報に基づいて、マクロ基地局装置1aにおけるスケジューリングアルゴリズムの種別を判定する(ステップS22)。そして、前記RR法のように、リソース割り当ての予測性が非常に低く変動的割り当てであると判定された場合、使用通信周波数帯域全体の送信電力の上限値を抑制する制御を行う(ステップS23)。これは、変動的割り当ての場合、リソース割り当ての変動が大きいため、マクロ基地局装置1aのリソース割り当てに応じて、リソースブロック単位で干渉抑制の制御を行うことは困難であるが、送信電力を抑制することにより、マクロセルへの与干渉を抑制することができる。
一方、多少なりとも固定的割り当ての側面が認められるMaximum CIR法、SPSの場合には、マクロ基地局装置1aが使用するリソースブロックを検出した上で(ステップS24)、フェムト基地局装置1bでは、スケジューリング部26によって、マクロ基地局装置1aのアルゴリズムに応じたアルゴリズムでフェムト基地局装置1bにおけるスケジューリングを行う(ステップS25)。なお、リソースブロックの検出は、マクロ基地局装置1aにおけるリソース割り当て情報を、当該マクロ基地局装置1aの下り信号の中から読み取ることで行える。
このステップS25では、例えば、マクロ基地局装置1aのアルゴリズムがSPSの場合には、マクロセルにおいて使用されるリソースブロックが、所定の期間において固定されるため、フェムト基地局装置1bでは、それ以外のリソースブロックをSPSで固定的に割り当てを行う。つまり、マクロセルにおける未使用リソースブロックを、フェムトセルにおける通信に使用しても、マクロセルに対して干渉を与えることはない。
このように、フェムト基地局装置1bは、マクロ基地局装置1aのスケジューリングアルゴリズムの種別が把握できれば、送信電力(の上限値)や使用するリソースブロックを適宜調整することで、マクロ基地局装置1aへの与干渉を抑制することができる。
このように、フェムト基地局装置1bは、マクロ基地局装置1aのスケジューリングアルゴリズムの種別が把握できれば、送信電力(の上限値)や使用するリソースブロックを適宜調整することで、マクロ基地局装置1aへの与干渉を抑制することができる。
基地局情報が、Localized/Distributed情報である場合について説明する。
Localized/Distributed情報は、無線リソース割り当て方式が固定的割り当てであるLocalized FDMA(Localized配置)であるか変動的割り当てであるDisitributed FDMA(Disitributed配置)であるかを示す情報である。
Localized/Distributed情報は、無線リソース割り当て方式が固定的割り当てであるLocalized FDMA(Localized配置)であるか変動的割り当てであるDisitributed FDMA(Disitributed配置)であるかを示す情報である。
図9は、Localized/Distributed情報を用いた、干渉抑制制御を示している。
まず、フェムト基地局装置1bは、マクロ基地局装置1aが送信した報知情報及び/又はページング情報に格納されている基地局情報として、Localized/Distributed情報を取得する(ステップS31)。
まず、フェムト基地局装置1bは、マクロ基地局装置1aが送信した報知情報及び/又はページング情報に格納されている基地局情報として、Localized/Distributed情報を取得する(ステップS31)。
続いて、Localized/Distributed情報に基づいて、マクロセルにおける割り当て方式が、固定的なLocalized FDMAであるか、変動的なDistributed FDMAであるかを判定する(ステップS32)。ステップS12において、Distributed FDMAであると判定された場合、リソース割り当ての変動が大きいため、マクロ基地局装置1aのリソース割り当てに応じて、リソースブロック単位で干渉抑制の制御を行うことは困難である。そこで、干渉抑制処理部36が有する電力制御機能によって、使用通信帯域全体に亘って、送信電力の上限値を制限することよって他セルへの与干渉を抑制する(ステップS33)。
一方、ステップS32において、マクロ基地局装置1aのリソース割り当て方式が、Localized FDMAであると判定された場合、マクロセルにおいて使用されていない未使用リソースブロックを検出する(ステップS34)。
続いて、フェムト基地局装置1bは、フェムトセルにおけるリソース割り当ても、Localized FDMAで行うように、スケジューリング部26を制御する(ステップS35)。この場合、マクロセルにおける未使用リソースブロックがフェムトセルにおいて固定的に使用される。マクロセルにおけるリソース割り当てが固定的であるのに対応して、フェムトセルも別のリソースブロックを固定的に使用することで、干渉を効率的に回避することができる。
続いて、フェムト基地局装置1bは、フェムトセルにおけるリソース割り当ても、Localized FDMAで行うように、スケジューリング部26を制御する(ステップS35)。この場合、マクロセルにおける未使用リソースブロックがフェムトセルにおいて固定的に使用される。マクロセルにおけるリソース割り当てが固定的であるのに対応して、フェムトセルも別のリソースブロックを固定的に使用することで、干渉を効率的に回避することができる。
基地局情報が、前記送信電力を示す情報である場合について説明する。
フェムト基地局装置1bは、マクロ基地局装置1aが送信した報知情報及び/又はページング情報に格納されている基地局情報として、送信電力を示す情報を取得する。この情報によれば、マクロ基地局装置1aによる送信電力の大きさを、フェムト基地局装置1bは検出することができる。このため、フェムト基地局装置1bでは、検出した送信電力と閾値とを比較し、検出した送信電力の大きさが閾値を超えている場合、干渉が起こりやすいため、フェムト基地局装置1bは、前記置局判定制御と同じ処理を行い、干渉の発生を抑制しようとする。
フェムト基地局装置1bは、マクロ基地局装置1aが送信した報知情報及び/又はページング情報に格納されている基地局情報として、送信電力を示す情報を取得する。この情報によれば、マクロ基地局装置1aによる送信電力の大きさを、フェムト基地局装置1bは検出することができる。このため、フェムト基地局装置1bでは、検出した送信電力と閾値とを比較し、検出した送信電力の大きさが閾値を超えている場合、干渉が起こりやすいため、フェムト基地局装置1bは、前記置局判定制御と同じ処理を行い、干渉の発生を抑制しようとする。
また、基地局情報が、前記アンテナ数についての情報である場合について説明する。
フェムト基地局装置1bは、マクロ基地局装置1aが送信した報知情報及び/又はページング情報に格納されている基地局情報として、アンテナ数についての情報を取得する。この情報によれば、マクロ基地局装置1aのアンテナ性能を、フェムト基地局装置1bは検出することができる。このため、フェムト基地局装置1bでは、検出したアンテナ数(アンテナ性能)が少ない(低い)場合、マクロ基地局装置1aでは高度な無線通信が困難となるため、干渉を抑制する機能も低いと考えられる。このため、フェムト基地局装置1bは送信電力の上限値を制限する制御を行い、干渉を抑制する。
フェムト基地局装置1bは、マクロ基地局装置1aが送信した報知情報及び/又はページング情報に格納されている基地局情報として、アンテナ数についての情報を取得する。この情報によれば、マクロ基地局装置1aのアンテナ性能を、フェムト基地局装置1bは検出することができる。このため、フェムト基地局装置1bでは、検出したアンテナ数(アンテナ性能)が少ない(低い)場合、マクロ基地局装置1aでは高度な無線通信が困難となるため、干渉を抑制する機能も低いと考えられる。このため、フェムト基地局装置1bは送信電力の上限値を制限する制御を行い、干渉を抑制する。
以上のように、本発明によれば、基地局装置が端末装置に送信する報知情報及び/又はページング情報を、他の無線通信装置が受信すれば、当該報知情報及び/又はページング情報に格納されている基地局情報(位置情報等)を取得することができ、当該他の無線通信装置は、当該基地局情報を用いて干渉を抑制する処理を実行することができる。このため、基地局装置(例えばフェムト基地局装置)を新たに設置する場合であっても、当該基地局装置が自己の基地局情報(位置情報等)を報知情報及び/又はページング情報に格納して送信することで、自己のセル及び他のセルにおける無線通信で生じる干渉を抑えることが可能となる。
なお、前記実施形態では、位置情報を送信する側の基地局装置が有している位置情報取得部をGPS受信機として説明したが、位置情報を送信する基地局装置は、その他の手段によって自己の位置情報を取得してもよい。例えば、基地局装置と通信する端末装置がGPS受信機を備えている場合、当該端末装置を当該基地局装置の近傍に位置させ、端末装置が自己の位置を計測する。端末装置は、取得した位置情報を基地局装置へ無線通信によって送信する。基地局装置がこの位置情報を取得すると、基地局装置の位置情報取得部は、この端末装置の位置情報(位置)を、自己の位置情報(位置)とみなす処理を実行する。この手段によれば、基地局装置は、GPS受信機を有していなくても、自己の位置情報を取得することが可能となる。
前記実施形態では、基地局情報(位置情報)を送信する基地局装置を、フェムト基地局装置1bとして説明した。
しかし、基地局情報(位置情報)を送信する基地局装置は、マクロ基地局装置1aであってもよく、この場合、マクロ基地局装置1aが自己の位置に関する位置情報等を報知情報及び/又はページング情報に格納する。
また、基地局情報としての、スケジューリングアルゴリズム情報や、Localized/Distributed情報については、マクロ基地局装置1aが報知情報及び/又はページング情報に格納して送信してもよく、フェムト基地局装置1bが報知情報及び/又はページング情報に格納して送信してもよい。
しかし、基地局情報(位置情報)を送信する基地局装置は、マクロ基地局装置1aであってもよく、この場合、マクロ基地局装置1aが自己の位置に関する位置情報等を報知情報及び/又はページング情報に格納する。
また、基地局情報としての、スケジューリングアルゴリズム情報や、Localized/Distributed情報については、マクロ基地局装置1aが報知情報及び/又はページング情報に格納して送信してもよく、フェムト基地局装置1bが報知情報及び/又はページング情報に格納して送信してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1:基地局装置、 1a:マクロ基地局装置、 1b:フェムト基地局装置、 2:端末装置、 2a:マクロ端末装置、 2b:フェムト端末装置、 4:送受信部(送信部)、 5:信号処理部、 31:情報格納部、 32:位置情報取得部、 35:分離処理部、 36:干渉抑制処理部、 104:受信側基地局装置の送受信部(送信部)、 105:受信側基地局装置の信号処理部、 131:受信側基地局装置の情報格納部、 132:受信側基地局装置の位置情報取得部、 135:受信側基地局装置の分離処理部、 136:受信側基地局装置の干渉抑制処理部、 42:端末装置の送受信部(受信部)、 44:端末装置の信号処理部、 45:端末装置の分離処理部、 46:端末位置情報取得部
Claims (12)
- フェムトセルを形成するフェムト基地局装置であって、
他の装置に報知情報又はページング情報を送信する送信部と、
自己に関する基地局情報を、前記報知情報又は前記ページング情報に追加して格納する情報格納部と、を備えていることを特徴とする基地局装置。 - 前記基地局情報は、自己の位置に関する位置情報を含む請求項1に記載の基地局装置。
- 他の装置に報知情報又はページング情報を送信する送信部と、
自己に関する基地局情報を、前記報知情報又は前記ページング情報に追加して格納する情報格納部と、を備え、
前記基地局情報は、自己と通信する端末装置への無線リソースの割り当てのためのスケジューリングアルゴリズム情報、自己と通信する端末装置への無線リソースの割り当て方式に関するLocalized/Distributed情報、前記送信部による送信電力を示す情報、及び自己のアンテナ数についての情報の内の少なくとも一つの情報を含むことを特徴とする基地局装置。 - 前記情報格納部が前記基地局情報を格納する領域は、自己の名前に関する情報が格納される領域である請求項1から3のいずれか一項に記載の基地局装置。
- 前記情報格納部が前記基地局情報を格納する領域は、前記端末装置に与える情報を格納するために設定されている領域が拡張されて得られた領域である1から3のいずれか一項に記載の基地局装置。
- 請求項1から5のいずれか一項に記載の基地局装置の前記送信部が送信した、前記基地局情報が格納されている前記報知情報又は前記ページング情報を受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記報知情報又は前記ページング情報に格納されている前記基地局情報を用いて、干渉抑制処理を実行する信号処理部と、を備えていることを特徴とする受信側基地局装置。 - 前記基地局情報は、前記送信側の基地局装置の位置に関する位置情報であり、
前記信号処理部は、前記干渉抑制処理として、指向性制御、送信電力制御、又は、自己の設置位置の良否を判定する置局判定制御を実行する請求項6に記載の受信側基地局装置。 - 前記基地局情報が格納されている前記報知情報又は前記ページング情報から、当該基地局情報を分離する分離処理部を更に備えている請求項6又は7に記載の受信側基地局装置。
- 請求項1から5のいずれか一項に記載の基地局装置のセルと異なるセルを形成する他の基地局装置と通信する端末装置であって、
請求項1から5のいずれか一項に記載の前記基地局装置の前記送信部が送信した、前記基地局情報が格納されている前記報知情報又は前記ページング情報を受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記報知情報又は前記ページング情報に格納されている前記基地局情報を用いて、干渉抑制処理を実行する信号処理部と、を備えていることを特徴とする端末装置。 - 前記受信部が受信する前記報知情報又は前記ページング情報に格納される基地局情報は、当該報知情報又は前記ページング情報を送信する送信側の基地局装置の位置に関する基地局位置情報であり、
自己の位置に関する端末位置情報を取得する端末位置情報取得部を更に備え、
前記信号処理部は、前記干渉抑制処理として、前記基地局位置情報及び前記端末位置情報に基づいて、前記送信側の基地局装置と自己との位置関係を判定し、当該判定の結果に関する情報をユーザに報知する処理を実行する請求項9に記載の端末装置。 - 前記基地局情報が格納されている前記報知情報又は前記ページング情報から、当該基地局情報を分離する分離処理部を更に備えている請求項9又は10に記載の端末装置。
- 基地局装置が、自己に関する基地局情報を報知情報又はページング情報に追加して格納するステップと、
前記基地局装置が、前記基地局情報が格納されている前記報知情報又は前記ページング情報を、他の装置に送信するステップと、
他のセルの無線通信装置が、前記基地局情報が格納されている前記報知情報又は前記ページング情報を受信して、干渉抑制処理を実行するステップと、を備えていることを特徴とする無線通信方法。
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