JPWO2011108228A1 - 無線通信装置及び無線通信方法 - Google Patents

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Abstract

通常送受信モード及び歪補正モードを有する無線通信装置において、通常送受信モードでは回路特性に影響を与えることなく良好に通信し、歪補正モード時において送信信号を受信系に折り返して回路の狭帯域性或いは非線形性に起因した歪成分を抽出し、歪を補正する無線通信装置及び無線通信方法を開示する。無線通信装置(100)において、歪検出部(111)は、送信ベースバンド信号及び受信ベースバンド信号を用いて、歪成分を検出し、結合量調整回路(180)は、送信アンテナ(130)と受信アンテナ(140)との間の結合量を調整し、結合量制御部(170)は、通常送受信モード時と歪補正モード時とで、結合量を切り替える。

Description

本発明は、主に情報端末を含む無線通信装置において自身の回路が持つ周波数特性、又は、非線形特性に起因する歪成分を補正する技術に関し、特に、ミリ波帯における無線通信装置及び無線通信方法に関する。
近年、ミリ波帯を用いた無線通信分野におけるRF(Radio Frequency)回路のMMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit)化が進められている。しかし、ミリ波帯のような超高周波数帯では、デバイス能力が劣るため、周波数特性、線形性の少なくとも1つ以上を含む回路特性を良好とするために電流を多く流す必要があり、消費電力の増大に繋がる傾向にある。
一方、ミリ波帯のRF回路を小型の携帯型情報端末に搭載する動きもある。そのため、ミリ波RF回路の低消費電力化が求められているが、低消費電力化すると、上述したような回路の周波数特性、線形性の少なくとも1つ以上が劣化する。そのため、良好な通信を確保するためには、周波数特性或いは非線形性に起因する歪成分を補正するための歪補正技術が必要となる。
歪補正技術の方法としては、例えば、自身の送信回路の最終段に方向性結合器(Coupler)を設けて、送信信号を取り出し、取り出した送信信号と、実際に受信した受信信号とを切り替えられるよう、受信系の初段にスイッチを設けた構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図1は、特許文献1に記載された従来の無線装置の概略構成図である。この無線装置は、変調方式Aと変調方式Bとが実装された複数の周波数帯域及び複数の変調方式に対応したマルチバンド、マルチモードの送受信機である。変調方式Aの送信系の一つと、変調方式Bの受信系の一つを用いて説明している。
無線装置10において、送信系は、入力信号とフィードバックされた信号とを比較して歪みを補償するプリディストーション部11、デジタル信号をアナログ信号に変換するデジタル/アナログ(D/A:Digital to Analog)変換器12、D/A変換器12により生成した周波数成分の低い信号を高周波信号に変換する変調部13、高周波信号を所望の電力レベルまで増幅する電力増幅器(PA:Power Amplifier)14、及び、増幅した信号の一部を取り出す方向性結合器(CUP:Coupler)15を含む構成である。
また、無線装置10において、受信系は、通過する信号を切り替える切替器(SW:Switch)16、雑音指数の小さい増幅器(LNA:Low Noise Amplifier)17、伝送された信号から元の信号を復調する復調部18、及び、アナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ/デジタル(A/D:Analog to Digital)変換器19を含む構成である。
以上のように構成された無線装置10の動作について、以下説明する。送信系において、変調部13により変調された信号はPA14を通った後、入力された信号の歪みを補償するために、CUP15により、受信系にフィードバックさせる信号とそのまま送信する信号とに分配される。
CUP15から歪補償用に分配された信号は、受信系のSW16を介して、LNA17に出力された後、復調部18により復調される。復調された受信信号には歪成分が含まれるため、プリディストーション部11は、この受信信号と元の送信信号とを比較し、発生した歪成分を抽出して、抽出した歪成分を入力された送信信号に加算して歪を補償する。これにより、歪成分を除去した高精度な通信が可能となる。
このように、特許文献1のような無線装置構成を用いることによって、送信系の歪成分を、受信系を通したフィードバックにより抽出し、抽出した歪成分を元信号に加算することによって歪が補償できる。
特開2009−055378号公報
しかしながら、ミリ波帯では、PA14出力後にCUP15を用いることによって損失が発生するため、アンテナ端での出力電力レベルが低下するという課題がある。また、受信系ではLNA17の前段にSW16を設けることによって、ここでも損失が発生するため、受信系のトータルNF(Noise Figure)を劣化させるという課題がある。
更に、ミリ波を用いて近距離通信(例えば1cm〜1mを想定)を行うには、受信電力のダイナミックレンジが約40dBと大きいため、各回路での利得切替を含む対応が必要となる場合がある。しかし、特許文献1の方法では、送信信号を受信系に折り返す場合に、ある一定のレベルにおいて折り返す必要があるため、各々の受信電力に合わせた歪補償が困難になるという課題がある。
本発明の目的は、通常送受信モードと歪補正モードとを有する無線通信装置において、通常送受信モードでは回路特性に影響を与えることなく良好に通信し、歪補正モードにおいて送信信号を受信系に折り返して、回路の狭帯域性或いは非線形性に起因した歪成分を抽出し、歪を補正できる無線通信装置及び無線通信方法を提供することである。
本発明の無線通信装置は、通常送受信モードと歪補正モードとを有する無線通信装置であって、送信ベースバンド信号から無線送信処理によって高周波信号を生成する送信処理回路、及び、前記高周波信号を増幅する電力増幅器を含む送信回路と、前記電力増幅器により増幅された前記高周波信号を送信する送信アンテナと、前記送信アンテナにより送信された前記高周波信号を受信する受信アンテナと、前記受信アンテナにより受信された前記高周波信号を増幅する低雑音増幅器、及び、前記低雑音増幅器により増幅された前記高周波信号を復調して受信ベースバンド信号を生成する受信処理回路を含む受信回路と、前記送信ベースバンド信号及び前記受信ベースバンド信号を用いて、歪成分を検出する歪検出手段と、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間の結合量を調整する調整手段と、前記通常送受信モードと前記歪補正モードとによって、前記結合量を切り替える制御手段と、を具備する。
この構成によれば、通常送受信モードでは回路特性に影響を与えることなく良好に通信し、歪補正モードにおいて送信信号を受信系に折り返して、回路の狭帯域性或いは非線形性に起因した歪成分を抽出し、歪を補正できる。
本発明の無線通信装置は、前記電力増幅器及び前記低雑音増幅器のうち、少なくとも一方の利得を制御する利得制御手段、を更に具備し、前記制御手段は、前記利得制御手段により設定された前記利得に基づいて、前記送信アンテナから前記受信アンテナへの折り返し信号の強度が、前記受信回路を歪ませないレベルとなるように、前記結合量を制御する。
この構成によれば、送信アンテナから受信アンテナへの折り返し信号の強度を調整できるので、電力増幅器或いは低雑音増幅器の特性が変化した状態でも、受信回路に対して所望の受信電力が入力されるように調整できる。
本発明の無線通信装置は、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間にはGNDが配置され、前記調整手段は、無給電素子と、前記GNDと前記無給電素子との間に配置されたスイッチと、を具備する。
この構成によれば、送受信アンテナ間に無給電素子及びスイッチを配置する簡単な構成により、歪補正モードでは送信信号を受信系に折り返すことができ、通常送受信モードでは回路特性へ影響を与えることなく良好に通信できる。
本発明の無線通信装置は、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間にはGNDが配置され、前記結合量調整手段は、無給電素子と、前記GNDと前記無給電素子との間に配置された可変容量と、を具備する。
この構成によれば、送受信アンテナ間に無給電素子及び可変容量を配置する簡単な構成により、歪補正モードでは送信信号を受信系に受信電力に合わせて折り返すことができ、通常送受信モードでは回路特性へ影響を与えることなく、良好に通信できる。
本発明の無線通信装置は、前記送信アンテナの電界面と前記受信アンテナの電界面とを対向して配置する。
この構成によれば、送受信アンテナの電界面を対向することにより、無給電素子を介して送受信アンテナを電磁界結合できるため、送信信号を受信系に折り返すことができる。
本発明の無線通信装置は、前記送信回路、前記受信回路、及び、前記スイッチが、MMICによって構成される。
この構成によれば、MMICをアンテナ基板に実装することによって結合量調整回路を形成できるため、安価に無線通信装置を提供できる。
本発明の無線通信装置は、前記送信アンテナは、複数のアンテナ素子を用いて構成され、前記調整手段は、複数の移相器を用いて構成され、前記複数の移相器のそれぞれは、前記複数のアンテナ素子と前記電力増幅器との間にそれぞれ設けられ、前記制御手段は、前記複数の移相器の位相を調整することにより、前記結合量を制御する。
この構成によれば、送信アンテナの指向性を、移相器を用いて可変とすることによって送信アンテナから受信アンテナへの折り返し信号の強度を切り替えることができるため、歪補正モードによって送信アンテナから受信アンテナへと信号を折り返すことができ、通常送受信モードによって回路特性へ与える影響がなく、良好に通信できる。
本発明の無線通信方法は、通常送受信モードと歪補正モードとを有する無線通信装置に適用される無線通信方法であって、送信ベースバンド信号から無線送信処理によって高周波信号を生成し、前記高周波信号を増幅して送信信号を生成し、前記送信信号を送信し、前記送信信号を受信して受信信号を出力し、前記受信信号を増幅し、増幅された前記受信信号を復調して受信ベースバンド信号を生成し、前記送信ベースバンド信号及び前記受信ベースバンド信号を用いて、歪成分を検出し、送信アンテナと受信アンテナとの間の結合量を調整し、前記通常送受信モードと前記歪補正モードとによって、前記結合量を切り替える。
この方法によれば、通常送受信モードによって回路特性に影響を与えることなく良好に通信し、歪補正モードによって送信信号を受信系に折り返して、回路の狭帯域性或いは非線形性に起因した歪成分を抽出し、歪を補正できる。
本発明によれば、通常送受信モード及び歪補正モードを有する無線通信装置において、通常送受信モードによって回路特性に影響を与えることなく良好に通信し、歪補正モードによって送信信号を受信系に折り返して回路の狭帯域性或いは非線形性に起因した歪成分を抽出し、歪を補正できる。
従来の無線通信装置の概略構成図 本発明の実施の形態1に係る無線通信装置の要部構成を示すブロック図 実施の形態1に係る無線通信装置において、送受信アンテナ間の相互結合量の調整に関わる概略構成図 実施の形態1に係る無線通信装置の結合量調整の制御方法の一例を示す図 実施の形態1に係る無線通信装置において、送受信アンテナ間の相互結合量の調整に関わる別の概略構成図 実施の形態1に係る無線通信装置の要部構成を示すブロック図 実施の形態1に係る無線通信装置において、送受信アンテナ間の相互結合量の調整に関わる別の概略構成図 本発明の実施の形態2に係る無線通信装置の要部構成を示すブロック図 本発明の実施の形態3に係る無線通信装置の要部構成を示すブロック図 実施の形態3に係るインピーダンス調整回路の内部構成の一例を示す図 実施の形態3に係る無線通信装置の一例を示す図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図2は、本実施の形態に係る無線通信装置の要部構成を示すブロック図である。なお、本実施の形態に係る無線通信装置100は、通常送受信モードと歪補正モードとを有する。
ベースバンド(BB:Baseband)処理部110は、送信ベースバンド信号を生成し、生成した送信ベースバンド信号を送信回路120に出力する。また、ベースバンド処理部110は、後述のデジタル領域の受信ベースバンド信号の受信電力を算出し、算出した受信電力を利得制御部160に出力する。
送信回路120は、無線送信処理部121及び電力増幅器(PA:Power Amplifier)122を有する。
無線送信処理部121は、送信ベースバンド信号に、D/A(Digital to Analog Converter)変換、変調、アップコンバートのうち、少なくとも1つ以上を含む無線送信処理を施し、高周波信号に変換する。
PA122は、高周波信号を増幅する。
送信アンテナ(Tx_ANT)130は、PA122により増幅された高周波信号を送信する。
受信アンテナ(Rx_ANT)140は、送信アンテナ130から送信され、無線伝搬路を経由して到着した高周波信号を受信する。
受信回路150は、低雑音増幅器(LNA)151及び無線受信処理部152を有する。
LNA151は、受信アンテナ130により受信した高周波信号を増幅する。
無線受信処理部152は、LNA151により増幅された高周波信号に、復調、ダウンコンバート、A/D(Analog to Digital)変換のうち、少なくとも1つ以上を含む無線受信処理を施し、受信ベースバンド信号に変換する。
歪検出部111は、受信ベースバンド信号の歪み成分を検出する。歪み成分の検出方法としては、例えば、送信ベースバンド信号と受信ベースバンド信号とを比較し、差分を歪み成分として検出する。なお、受信ベースバンド信号の歪み成分の検出方法は、これに限定されず、例えば、ACLR(Adjacent Channel Leakage Power:隣接チャネル漏洩電力比)を含む歪み成分として検出するようにしてもよい。また、図2では、歪検出部111が、ベースバンド処理部110の内部にある構成例を示しているが、歪検出部111がベースバンド処理部110の外部に設けられていてもよい。
更に、歪検出部111は、検出した歪み成分に応じた補正量を送信ベースバンド信号に加算して、歪みを補償する。
利得制御部160は、受信ベースバンド信号の受信電力に基づいて、PA122及びLNA151の利得モードを制御する。具体的には、利得制御部160は、LNA151又は無線受信処理部152の線形性が保たれるように、PA122及びLNA151の利得モードを、高利得モード又は低利得モードのいずれか一方に制御する。なお、利得制御部160は、制御後のPA122及びLNA151の利得モードの情報を結合量制御部170に出力する。
結合量制御部170は、通常送受信モードと歪補正モードとのいずれかによって、結合量調整回路180の結合量を切り替える。例えば、結合量制御部170は、通常送受信モード又は歪補正モードのどちらであるかを指示する動作モード信号(図示せぬ)を入力とし、入力した動作モード信号に応じて、結合量調整回路180の結合量を切り替える。
更に、歪補正モードでは、結合量制御部170は、PA122及びLNA151の利得モードに基づいて、結合量調整回路180の結合量を制御する。具体的には、結合量制御部170は、PA122及びLNA151の利得モードに基づいて、結合量調整回路180の結合量を決定する。そして、結合量制御部170は、決定した結合量(ターゲット結合量)を示す制御信号を生成し、生成した制御信号を結合量調整回路180に出力する。ターゲット結合量の決定方法については、後述する。
結合量調整回路180は、結合量制御部170から出力される制御信号に基づいて、送信アンテナ130と受信アンテナ140との間の結合量を調整する。結合量調整回路180における結合量の調整方法については、後述する。
GND190は、結合量調整回路180に接続されているグランド(Ground:GND)であり、GND190は、送信アンテナ130と受信アンテナ140との間に配置されている。
以上のように構成された無線通信装置100において、送信回路120(無線送信処理部121及びPA122)及び送信アンテナ130により送信系が構成され、受信アンテナ140及び受信回路150(LNA151及び無線受信処理部152)により受信系が構成される。
次に、本実施の形態に係る無線通信装置100の動作について説明する。
送信系では、ベースバンド処理部110により生成された送信ベースバンド信号は、無線送信処理部121により、デジタル領域からアナログ領域の信号に変換された後、高周波信号に変換される。そして、変換された高周波信号は、PA122により増幅された後、送信アンテナ130から放射される。
一方、受信系では、受信アンテナ140により受信された高周波信号は、LNA151により増幅され、増幅後の高周波信号は、無線受信処理部152において、ダウンコンバータされ、その後、アナログ領域からデジタル領域の受信ベースバンド信号に変換される。そして、変換された受信ベースバンド信号は、ベースバンド処理部110において信号処理される。
ここで、一般的には、各回路は周波数特性及び非線形特性を有する。そのため、信号を通過させると信号歪が発生する。受信ベースバンド信号には、送信系及び受信系の各回路により発生する歪成分が含まれてしまい、そのままでは無線通信装置100としての性能が劣化してしまう。
そこで、無線通信装置100に、これらの性能劣化を補正するために、受信ベースバンド信号と元の送信ベースバンド信号とを比較して、歪成分を検出する歪検出部111を設け、歪検出部111は、抽出した歪成分を送信ベースバンド信号に加算して歪を補償する。
このように、無線通信装置100は、送信系から受信系に高周波信号を折り返し、折り返された高周波信号に対する受信ベースバンド信号と送信ベースバンド信号とを比較することにより、歪成分を検出している。
なお、ミリ波帯を用いた近距離通信において、通信距離が1cmから1mまで変化すると、そのままでは受信電力のダイナミックレンジが40dBあるため、LNA151、或いは、無線受信処理部152に含まれる復調回路の線形性が足りず、信号が歪んでしまうことが予想される。受信電力が十分大きいと判断された場合には、利得制御部160は、PA122又はLNA151の利得を下げるように制御する。このようにして、LNA151又は無線受信処理部152の線形性が保たれるよう制御される。
次に、自身の回路が有する歪成分を抽出するための、送信系から受信系への信号の折り返し方法について説明する。本方法は、時分割複信(TDD:Time Division Duplex)方式において有効である。
通常送受信モードにおいて、例えば、送信時は受信系の電源を落とし、受信時は送信系の電源を落とすことによって、送受信間干渉を含む影響をなくすことができる。逆に、歪補正モードにおける、データを送受信していない期間(例えば送信データのプリアンブル期間)において、送受信系を同時にONする。これにより、通常送受信モードにおいて必要となる送信系及び受信系に対し、信号折り返し用の付加回路を設けることなく、送信アンテナ130から放射された信号を受信アンテナ140により受信し復調し、歪検出部111は、得られた受信ベースバンド信号を用いて歪成分を検出できる。
本実施の形態では、結合量制御部170によって、送信アンテナ130と受信アンテナ140との間の結合量は、受信した高周波変調信号がLNA151又は無線受信処理部152において歪まないレベルとなるように調整される。
ここで、例えばミリ波帯を用いた近距離通信では、空間での伝播損失が大きいため、無線通信装置100が、通信距離1cm〜1mまでをカバーしようとすると、受信系として40dBのダイナミックレンジが必要となる。よって、PA122又はLNA151が、高利得の状態において通信距離が近づくと、受信電力が大きくなり、LNA151又は無線受信処理部152において信号の歪みが発生する。そのため、通信距離が十分に近い場合には、LNA151を低利得モード(Low)によって動作させてLNA151の利得を小さくする制御、または、PA122の送信電力を小さくする制御が必要となる場合がある。
なお、PA122又はLNA151を低利得モード(Low)によって動作させたり、PA122の送信電力を小さくしたりすると、回路の特性自体が変わり、回路により発生する歪成分も変化する。そのため、回路の歪補正を行うには、PA122又はLNA151が高利得モード(High)、低利得モード(Low)のそれぞれにおいて評価する必要がある。
一方、送信アンテナ130から放射した信号を受信アンテナ140によって受信する場合、受信電力は送信アンテナ130と受信アンテナ140との間の相互結合によって決まる。ここで、相互結合量は、一般には、アンテナ形状が固定であれば一定となる。また、低利得モードにおいて送信アンテナ130から受信アンテナ140に折り返される信号強度がLNA151の歪まないレベルであったとしても、高利得モードにおいてLNA151への入力電力が大きい。そのため、例えばLNA151が高利得モード及び低利得モードのそれぞれにおいて、歪成分を抽出しようとした場合に、LNA151又はその後段の無線受信処理部152において信号が歪んでしまうという問題が発生する。
そこで、本実施の形態では、図2に示すように送信アンテナ130と受信アンテナ140との間に結合量調整回路180を設け、この結合量調整回路180により送受信アンテナ間の相互結合量を調整する。これにより、無線通信装置100は、LNA151が高利得モード又は低利得モードのいずれにおいても、受信した高周波信号を歪ませることなく復調して本来の歪成分の抽出ができる。この点について詳細に説明する。
図3は、送受信アンテナ間の相互結合量の調整に関わる概略構成図である。
結合量調整回路180は、無給電素子181と、GND190と無給電素子181との間に配置されたスイッチ182,183とを有する。なお、図3において、送信アンテナ130及び受信アンテナ140内の矢印は、電界面を表しており、図3に示すように、送信アンテナ130及び受信アンテナ140は、お互いの電界面(E面)を対向して配置されている。これにより、後述するように、無給電素子181を介して送受信アンテナが電磁界結合できるため、高周波信号を送信系から受信系に折り返すことができる。
GND190は、送信アンテナ130及び受信アンテナ140の周りを囲むように配置されている。なお、GND190の少なくともその一部が、送信アンテナ130と受信アンテナ140の間に配置されていればよい。
無給電素子181は、送信アンテナ130と受信アンテナ140との中間に、GND190を切り離すようにして配置される。
スイッチ182,183は、無給電素子181の両端とGND190との間に配置される。
以下、通常送受信モード、歪補正モードのそれぞれにおける結合量調整回路180の動作について説明する。なお、以下では、パッチアンテナ1素子を用いて構成した送信アンテナ130及び受信アンテナ140について説明する。
例えば、通常送受信モードにおいて、結合量制御部170は、スイッチ182,183をON状態、すなわち無給電素子181とGND190とを電気的に短絡する。無給電素子181もGND190の一部となるため、送信アンテナ130及び受信アンテナ140それぞれの周囲にGND190が配置された状態となる。PA122及びLNA151の動作モードがHigh、Lowのどちらであっても、結合量制御部170は、スイッチ182,183をON状態とする。
一方、歪補正モードにおける、PA122及びLNA151がHighモードにおいて送受信の電源を立ち上げた場合に、スイッチ182,183がONの状態において送信アンテナ130と受信アンテナ140との間の結合量がLNA151を歪ませないように調整されている。
更に、PA122及びLNA151の少なくともどちらか一方がLowモードでは、通信距離が近い。そのため、Lowモードに合わせて、送信系から受信系への折り返し信号の強度を上げる必要がある。そこで、結合量制御部170は、送信アンテナ130と受信アンテナ140との結合量が強くなるようにスイッチ182,183をOFF状態にする。結合量制御部170が、スイッチ182,183をOFF状態、すなわち無給電素子181及びGND190を電気的に開放した場合、無給電素子181は、送信アンテナ130及び受信アンテナ140のそれぞれと電磁界結合する。そのため、無給電素子181が導波器の役割を果たして、送信アンテナ130と受信アンテナ140との相互結合を強めるように働く。これにより、送信系から受信系への折り返し信号の強度を上げることができる。
図4は、通常送受信モード、歪補正モードのそれぞれにおけるスイッチの動作条件を示す図である。
なお、上述したように、送信アンテナ130と受信アンテナ140とは、E面を対向して配置する。これはE面を対向することによって、無給電素子181を導波器として動作させた場合に、送受信アンテナと無給電素子181との間の結合を強めるためである。ただし、E面ほどの結合度が不要の場合には、H面(磁界面)が対向する配置としても良い。
以上のように、本実施の形態によれば、歪検出部111は、送信ベースバンド信号及び受信ベースバンド信号を用いて、歪成分を検出し、結合量調整回路180は、送信アンテナ130と受信アンテナ140との間の結合量を調整し、結合量制御部170は、通常送受信モードと歪補正モードとによって、結合量を切り替える。これにより、無線通信装置100は、通常送受信モードによって、損失を含む回路特性に影響を与えることなく良好に通信できる。そして、無線通信装置100は、歪補正モードによって送信信号を受信系に折り返して、回路の狭帯域性或いは非線形性に起因した歪成分を抽出し、歪補正が可能となる。また、本実施の形態では、通常送受信モードにおいて必要となる送信系及び受信系に対し、信号折り返し用の付加回路を設ける必要がないので、付加回路により発生する通過損失を回避できる。
また、結合量制御部170は、利得制御部160により設定されたPA122及びLNA151の利得モードのうち、少なくとも一方の利得モードの情報に基づいて、送信系から受信系への折り返し信号の強度が、受信回路150を歪ませないレベルとなるように、結合量調整回路180の結合量を制御する。このようにして、送信アンテナ130から受信アンテナ140に折り返す信号の強度を調整できるので、PA122又はLNA151の特性が変化した状態でも、受信回路150に対して所望の受信電力が入力されるように、折り返し信号の強度を調整できる。この結果、各回路の実動作状態における歪成分を抽出し、補正することにより、受信品質特性が良好な無線通信装置が提供できる。
なお、以上の説明では、アンテナ素子としてパッチアンテナを例に挙げて説明したが、これに限られず、単体によりアンテナとして動作する形状であればよい。
図5に、その他のアンテナ素子の例として、ダイポールアンテナを用いた送受信アンテナ間の相互結合量の調整に関わる概略構造図を示す。図5では、送信アンテナ131と受信アンテナ141を、それぞれダイポールアンテナを用いて構成している点が、図3と異なる。その他の構成要素については、図3に示した、パッチアンテナ1素子を用いて構成した送信アンテナ130及び受信アンテナ140と同様であるため、説明を割愛する。
一般に、八木アンテナのような放射器に対して、導波器、反射器を含む無給電素子を配列して指向性を持たせるような構成では、放射器に対する導波器、反射器の距離をおよそ1/4波長程度に保つのが好ましい。しかし、本実施の形態では、指向性を持たせることが主眼ではなく、送信アンテナ131と受信アンテナ141との結合度を高める、または結合度を可変とすることが主眼である。そのため、放射器である送信アンテナ131、受信アンテナ141と、導波器の役割となる結合量調整素子180との間隔に特に規定はなく、必要な結合量に応じて、間隔は設定すれば良い。
また、ダイポールアンテナ以外でも、例えば、モノポールアンテナ又はスロットアンテナを用いても同様の効果があることは言うまでもない。
また、以上の説明では、結合量調整回路180の構成要素としてスイッチ182,183を用いる構成について説明したが、スイッチ182,183の構成についても特に限定されず、スイッチ182,183はディスクリート部品を用いて構成してもよい。例えば、図6に示すように、結合量調整回路180のうち、スイッチ182,183を他の回路と同様のMMIC上に構成するようにしてもよい。これにより、例えばアンテナ基板にMMICを実装することによって、結合量調整回路180を構成できるため、別途スイッチ182,183をアンテナ基板上に実装する必要がなくなり、部品点数を減らすことができ、安価に無線通信装置が提供できる。
また、以上の説明では、結合量調整回路180がスイッチ182,183を用いて、結合量を可変とする構成について説明したが、スイッチ182,183に代えて、例えば可変容量を用いて結合量を可変とするようにしてもよい。可変容量を用いる構成では、容量値を連続的に変化できるため、結合量が連続的に変化できる。
また、以上の説明では、送信アンテナ130及び受信アンテナ140のそれぞれが1素子の構成について説明したが、送受信アンテナはそれぞれアレー化されていてもよいことは言うまでもない。図7に例として、送受信アンテナ間の相互結合量の調整に関わる別の概略構成図を示す。図7の例は、送受信アンテナがそれぞれ4素子アレーを用いて構成された例である。図7に示すように、送受信アンテナが4素子アレーを用いて構成されるには、向かい合う送信アンテナ130及び受信アンテナ140の2素子の間にそれぞれ結合量調整回路180を設けて送受信アンテナ間の結合量を調整することによって、上記同様の効果を得ることができる。更に、向かい合う送信アンテナ130及び受信アンテナ140の2素子のうちのどちらか一方の間に結合量調整回路180を設けた構成においても、送受信アンテナ間の結合量を調整できる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、結合量調整回路としてスイッチ又は可変容量を用いて、送受信アンテナ間の相互結合量を調整した。本実施の形態では、結合量調整回路として移相器を用いて、送受信アンテナ間の相互結合量を調整する構成について説明する。
図8は、本実施の形態に係る無線通信装置の要部構成を示すブロック図である。なお、図8の無線通信装置200において、図2の無線通信装置100と共通する構成部分には、図2と同一の符号を付して説明を省略する。図8の無線通信装置200は、図2の無線通信装置100に対して、送信アンテナ130、結合量制御部170及び結合量調整回路180に代えて、送信アンテナ210、結合量制御部230及び結合量調整回路220を有する。
送信アンテナ210は、N(Nは2以上の整数)個のアンテナ素子211−1〜211−Nを含む構成である。なお、以下では、N=4として、送信アンテナ210が、4個のアンテナ素子211−1〜211−4を含む構成について説明する。
結合量調整回路220は、N(Nは2以上の整数)個の移相器221−1〜220−Nを含む構成である。移相器221−k(k=1,2,…,N)のそれぞれは、複数のアンテナ素子211−kとPA122との間にそれぞれ設けられている。
結合量制御部230は、通常送受信モードと歪補正モードとによって、結合量調整回路220の移相器221−k(k=1,2,…,N)の位相量を切り替える。例えば、結合量制御部230は、通常送受信モード又は歪補正モードのどちらであるかを指示する動作モード信号(図示せぬ)を入力とし、入力した動作モード信号に応じて、結合量調整回路220の移相器221−k(k=1,2,…,N)の位相を調整する。このようにして、結合量調整回路220の移相器221−k(k=1,2,…,N)の位相を調整することにより、指向性が制御されて、この結果、送受信アンテナ間の結合量が調整される。
更に、歪補正モードにおいて、結合量制御部230は、PA122及びLNA151の利得モードに基づいて、結合量調整回路220の移相器221−k(k=1,2,…,N)の位相を制御する。具体的には、結合量制御部230は、PA122及びLNA151の利得モードに基づいて、結合量調整回路220の移相器221(k=1,2,…,N)の位相を決定する。そして、結合量制御部230は、決定した位相(ターゲット位相)を示す制御信号を生成し、生成した制御信号を結合量調整回路220に出力する。ターゲット位相の決定方法については、後述する。
このようにして、本実施の形態では、結合量制御部230が、移相器221−k(k=1,2,…,N)の位相を調整することにより、指向性を制御して、送受信アンテナ間の結合量を調整する。すなわち、指向性によって、送信アンテナ130から受信アンテナ140方向への放射電波の強度が変わるため、結合量制御部230は、送信アンテナ130から受信アンテナ140への折り返し信号の強度が、受信回路150を歪ませないレベルとなるように、移相器221−k(k=1,2,…,N)の位相を制御する。このようにして、無線通信装置200は、送信アンテナ130から受信アンテナ140に折り返す信号の強度が調整できるので、PA122又はLNA151の特性が変化した状態でも、受信回路150に対して所望の受信電力が入力されるように調整できる。
例えば、4個のアンテナ素子211−1〜211−4を同相によって給電すると、4素子の配列方向に対して対称な指向性が得られる。一方、4つの移相器221−1〜21−4に位相差を付けていくと、4素子から成る送信アンテナ130の最大放射方向が素子配列方向に対して、チルト(tilt)するため、送信アンテナ130からみた受信アンテナ140方向への放射電波の強度も変えることができる。なお、アンテナ素子数Nが多くなるほど指向性を、より制御できるため、送信アンテナ130から受信アンテナ140方向への放射電波の強度を、より調整できる。また、アンテナ素子間隔が近いほど、アンテナ素子間の相互結合量が大きくなるため、指向性に与える影響が大きくなる。
以上のように、本実施の形態によれば、送信アンテナ130は、N(N=4)個のアンテナ素子211−1〜221−Nを用いて構成され、結合量調整回路220は、N個の移相器221−1〜221−Nを用いて構成され、移相器221−k(k=1,2,…,N)のそれぞれは、N個のアンテナ素子211−kとPA122との間にそれぞれ設けられ、結合量制御部230は、N個の移相器221−1〜221−Nの位相を調整することにより、指向性を制御して、送信アンテナ130と受信アンテナ140との間の結合量を調整する。これにより、通常送受信モード及び歪補正モードを有する無線通信装置200に対し、通常送受信モードによって、歪みを含む回路特性に影響を与えることなく良好に通信できる。そして、歪補正モードによって送信信号を受信系に折り返して、回路の狭帯域性或いは非線形性に起因した歪成分を抽出し、歪補正が可能となる。
また、結合量制御部230が、移相器221−1〜221−Nの位相を調整して送信アンテナ130の指向性を制御することにより、送信アンテナ130と受信アンテナ140との間の相互結合量を所望の値に設定できる。これにより、無線通信装置200は、PA122或いはLNA151の特性が変化した状態においても、受信系に対して所望の受信電力が入力されるように調整できる。このため、各回路の実動作状態における歪成分を抽出し、補正することができるので、受信品質が良好な無線通信装置が提供できる。
なお、以上の説明では、送信アンテナ130の構成が4素子アレーを用いた例について説明したが、素子数は2素子以上であれば何素子でもよい。また、受信アンテナ140についても、同様に、N(Nは2以上の整数)素子アレーとして構成するには、送信および受信の両方において指向性を制御できるため、より相互結合量の調整幅を増やすことができる。
(実施の形態3)
実施の形態1及び実施の形態2では、送受信アンテナ間の相互結合量の調整により、送信信号を送信系から受信系に折り返すようにした。本実施の形態では、送信系と受信系との間のインピーダンスを調整することにより、送信信号を送信系から受信系に折り返す。
図9は、本実施の形態に係る無線通信装置の要部構成を示すブロック図である。なお、図9の無線通信装置300において、図2の無線通信装置100と共通する構成部分には、図2と同一の符号を付して説明を省略する。図9の無線通信装置300は、図2の無線通信装置100に対して、結合量制御部170及び結合量調整回路180を削除し、分岐回路310−1,310−2、インピーダンス制御部330及びインピーダンス調整回路320を追加した構成を採る。
分岐回路310−1は、入力端子、第1の出力端子及び第2の出力端子を有し、PA122と送信アンテナ130との間に挿入されている。そして、入力端子には、PA122により増幅される高周波信号が入力され、第1の出力端子は、送信アンテナ130に接続され、第2の出力端子は、インピーダンス調整回路320に接続されている。
分岐回路310−2は、第1の入力端子、第2の入力端子及び出力端子を有し、受信アンテナ140とLNA151との間に挿入されている。第1の入力端子には、受信アンテナ140により受信された高周波信号が入力され、第2の入力端子は、インピーダンス調整回路320に接続され、出力端子は、LNA151に接続されている。
インピーダンス調整回路320は、分岐回路310−1と分岐回路310−2との間に挿入されていて、後述のインピーダンス制御部330から出力される制御信号に応じて、インピーダンスを調整する。
インピーダンス制御部330は、通常送受信モードと歪補正モードとに応じて、インピーダンス調整回路320のインピーダンスを制御する。例えば、インピーダンス制御部330は、通常送受信モード又は歪補正モードのどちらであるかを指示する動作モード信号(図示せぬ)を入力とし、入力した動作モード信号に応じて、インピーダンス調整回路320のインピーダンスを切り替える。
具体的には、インピーダンス制御部330は、通常送受信モードにおいて、送信系の分岐回路310−1及び受信系の分岐回路310−2から見て、インピーダンス調整回路320に接続される分岐回路310−1の出力端子及び分岐回路310−2の第2の入力端子が、オープンに見えるように、インピーダンス調整回路320のインピーダンスを調整する。これにより、分岐回路310−1,310−2における通過損失の発生が回避され、良好な通信が実現できる。
一方、歪補正モードにおいて、PA122から出力された信号が分岐回路310−1、インピーダンス調整回路320、分岐回路310−2を経由してLNA151に入力されるように、インピーダンス制御部330は、インピーダンス調整回路320のインピーダンスを調整する。これにより、高周波信号を送信系から受信系に折り返すことが可能となる。この点について詳細に説明する。
図10Aは、インピーダンス調整回路320の内部構成の一例を示す図である。インピーダンス調整回路320は、増幅器(PA)321、入力伝送線路322及び出力伝送線路323を有する。本実施の形態では、PA321が、例えば、トランジスタを用いた構成を例に説明する。図10Bは、PA321を構成するトランジスタ324の構成例である。図10Bにおいて、トランジスタ324は、ドレイン端子325、ゲート端子326を有する。
インピーダンス制御部330が、トランジスタ324のドレイン端子325及びゲート端子326に所定のバイアスを与え、トランジスタ324を飽和領域にて動作させることによって、トランジスタ324は増幅動作する(ON状態)。逆に、インピーダンス制御部330が、ドレイン端子325、ゲート端子326のどちらか一方又は両方にバイアスを与えなければ、トランジスタ324は増幅器として動作しない(OFF状態)。
トランジスタ324のON状態とOFF状態とでは、それぞれ入出力のインピーダンスが異なる。そこで、分岐回路310−1に入力伝送線路322を接続し、上記入力伝送線路322の長さを調整することにより、ゲートバイアス又はドレインバイアスのどちらか一方又は両方を与えずにトランジスタ324をOFF状態とした場合の入力インピーダンスに対して、特性インピーダンスが調整できる。これにより、分岐回路310−1と入力伝送線路322との接続点からインピーダンス調整回路320を見た場合に、インピーダンスを無限大に見せることができる。
同様にして、分岐回路310−2に出力伝送線路323を接続し、上記出力伝送線路323の長さを調整することにより、トランジスタ324をOFF状態とした場合の出力インピーダンスに対して、特性インピーダンスが調整できる。これにより、分岐回路310−2と出力伝送線路323との接続点からインピーダンス調整回路320を見た場合に、インピーダンスを無限大に見せることができる。
そこで、本実施の形態では、通常送受信モードにおいて、インピーダンス制御部330は、トランジスタ324をOFF状態とする。これにより、分岐回路310−1,310−2のどちらからもインピーダンス調整回路320に対して信号が伝わらず、送信系においてはPA122から出力される高周波信号はすべて送信アンテナ130に入力され、受信系においては受信アンテナ140により受信された高周波信号はすべてLNA151に入力される。この結果、通常送受信モードにおいて、通過損失が発生せず、良好に通信可能となる。
一方、歪補正モードにおいて、インピーダンス制御部330は、トランジスタ324をON状態とする。これにより、トランジスタ324の入出力インピーダンスがOFF状態から変化するため、分岐回路310−1,310−2の各々からインピーダンス調整回路320を見た場合に、インピーダンスが無限大とならず、送信系においてはPA122から出力される高周波信号の一部がインピーダンス調整回路320に伝わることになる。
更に、PA122から出力される高周波信号の一部は、インピーダンス調整回路320及び分岐回路310−2を通ってLNA151へと入力されることになるため、歪検出部111は、歪の補正が可能となる。
また、インピーダンス制御部330は、トランジスタ324のドレイン端子325、ゲート端子326のどちらか一方又は両方のバイアス条件を調整するようにしてもよい。バイアス条件を調整することにより、PA321としての利得が可変できる。このようにして、インピーダンス制御部330が、トランジスタ324をON/OFFし、バイアス条件を調整することにより、送信系から受信系への折り返し信号の強度を変えることができ、PA122又はLNA151を高利得モード又は低利得モードを用いて動作させた各々の状態において歪の補正が可能となる。
以上のように、本実施の形態によれば、送信系のPA122の出力段及び受信系のLNA151の入力段にそれぞれ分岐回路310−1,310−2を設け、分岐回路310−1,310−2の間にインピーダンス調整回路320を設け、インピーダンス制御部330は、通常送受信モードと歪補正モードとによって、インピーダンス調整回路320のインピーダンス条件を変える。具体的には、インピーダンス制御部330は、通常送受信モードにおいて、インピーダンス調整回路320が付加されない状態と等価になるようインピーダンスを調整して、送受信における損失を回避する。また、インピーダンス制御部330は、歪補正モードにおいて、インピーダンス調整回路320を介して、送信信号が送信系から受信系に折り返されるようインピーダンスを調整する。これにより、通常送受信モードと歪補正モードとを有する無線通信装置300において、通常送受信モードによって、損失を含む回路特性に影響を与えることなく良好に通信できる。そして、歪補正モードによって送信信号を送信系から受信系に折り返して、回路の狭帯域性或いは非線形性に起因した歪成分を抽出し、歪補正が可能となる。
例えば、インピーダンス調整回路320がトランジスタを用いた構成では、インピーダンス調整回路320は、通常送受信モードと歪補正モードとによって、トランジスタをON/OFF制御することにより、インピーダンスを切り替える。
また、インピーダンス調整回路320は、PA321、入力伝送線路322、出力伝送線路323を有し、入力伝送線路322及び/又は出力伝送線路323が、分岐回路310−1及び/又は分岐回路310−2とPA321との間において対接地に配列される。そして、入力伝送線路322の長さを調整することにより、ゲートバイアス又はドレインバイアスのどちらか一方又は両方を与えずにトランジスタ324をOFF状態とした場合の入力インピーダンスに対して、特性インピーダンスが調整できる。
更に、インピーダンス制御部330は、トランジスタをON/OFFし、トランジスタ324のドレイン端子325、ゲート端子326のどちらか一方または両方のバイアス条件を調整することによって、PA321としての利得が可変できる。バイアス条件を調整することにより、送信系から受信系への折り返し信号の強度を変えることができるので、PA122又はLNA151を高利得モード又は低利得モードを用いて動作させた各々の状態において歪の補正が可能となる。
なお、以上の説明では、インピーダンス調整回路320が、構成要素としてPA321を有する構成を例に説明したが、これに限られず、インピーダンス調整回路320が、例えばスイッチを用いて構成されるようにしてもよい。インピーダンス制御部330は、スイッチをON/OFFすることにより、インピーダンス条件を変化できるため、通常送受信モード及び歪補正モードの両方に対応できる。
また、以上の説明では、入力伝送線路322及び出力伝送線路323を、分岐回路310−1,310−2とPA321との間に直列に挿入する構成について説明したが、例えば、入力伝送線路322(出力伝送線路323)を分岐回路310−1(310−2)とPA321の間において対接地に配置し、オープンスタブ又はショートスタブとして構成してもよい。この構成でも、同様の効果が得られる。
また、以上の説明では、分岐回路310−1,310−2をそれぞれPA122の後段、LNA151の前段に配置する構成について説明したが、これに限らない。例えば、PA122又はLNA151がシステム上十分な広帯域性或いは線形性を有しており、一方で、無線送信処理部121又は無線受信処理部152の歪補正が必要な場合には、分岐回路310−1を無線送信処理部121とPA122との間に配置し、分岐回路310−2をLNA151と無線受信処理部152との間にそれぞれ配置するようにしてもよい。
更に、図11に示すように、分岐回路310−1,310−2に加えて、新たに分岐回路420−1を無線送信処理部121とPA122との間に配置し、分岐回路420−2をLNA151と無線受信処理部152との間にそれぞれ配置し、分岐回路420−1,420−2の間に新たにインピーダンス調整回路430を追加する構成としてもよい。これにより、送信系から受信系への折り返し経路を2系統作ることができるので、例えば、無線送信処理部121とPA122の歪成分の切り分け或いはLNA151と無線受信処理部152の歪成分の切り分けが可能となるという利点を有する。
2010年3月2日出願の特願2010−045479に含まれる明細書、図面及び要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
本発明に係る無線通信装置及び無線通信方法は、ミリ波帯を用いた近距離無線通信等の送受信間距離の変化に応じて受信電力が変化するような無線通信システムにおける無線通信装置等として有用である。
100,200,300,400 無線通信装置
110 ベースバンド処理部
111 歪検出部
120 送信回路
121 無線送信処理部
122 電力増幅器(PA:Power Amplifier)
130,210 送信アンテナ(Tx_ANT)
140 受信アンテナ(Rx_ANT)
150 受信回路
151 低雑音増幅器(LNA)
152 無線受信処理部
160 利得制御部
170,230 結合量制御部
180,220 結合量調整回路
181 無給電素子
182,183 スイッチ
190 GND
211−1〜211−N アンテナ素子
221−1〜220−N 移相器
310−1,310−2,420−1,420−2 分岐回路
320,430 インピーダンス調整回路
321 増幅器
322 入力伝送線路
323 出力伝送線路
324 トランジスタ
325 ドレイン端子
326 ゲート端子
330 インピーダンス制御部
本発明は、主に情報端末を含む無線通信装置において自身の回路が持つ周波数特性、又は、非線形特性に起因する歪成分を補正する技術に関し、特に、ミリ波帯における無線通信装置及び無線通信方法に関する。
近年、ミリ波帯を用いた無線通信分野におけるRF(Radio Frequency)回路のMMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit)化が進められている。しかし、ミリ波帯のような超高周波数帯では、デバイス能力が劣るため、周波数特性、線形性の少なくとも1つ以上を含む回路特性を良好とするために電流を多く流す必要があり、消費電力の増大に繋がる傾向にある。
一方、ミリ波帯のRF回路を小型の携帯型情報端末に搭載する動きもある。そのため、ミリ波RF回路の低消費電力化が求められているが、低消費電力化すると、上述したような回路の周波数特性、線形性の少なくとも1つ以上が劣化する。そのため、良好な通信を確保するためには、周波数特性或いは非線形性に起因する歪成分を補正するための歪補正技術が必要となる。
歪補正技術の方法としては、例えば、自身の送信回路の最終段に方向性結合器(Coupler)を設けて、送信信号を取り出し、取り出した送信信号と、実際に受信した受信信号とを切り替えられるよう、受信系の初段にスイッチを設けた構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図1は、特許文献1に記載された従来の無線装置の概略構成図である。この無線装置は、変調方式Aと変調方式Bとが実装された複数の周波数帯域及び複数の変調方式に対応したマルチバンド、マルチモードの送受信機である。変調方式Aの送信系の一つと、変調方式Bの受信系の一つを用いて説明している。
無線装置10において、送信系は、入力信号とフィードバックされた信号とを比較して歪みを補償するプリディストーション部11、デジタル信号をアナログ信号に変換するデジタル/アナログ(D/A:Digital to Analog)変換器12、D/A変換器12により生成した周波数成分の低い信号を高周波信号に変換する変調部13、高周波信号を所望の電力レベルまで増幅する電力増幅器(PA:Power Amplifier)14、及び、増幅した信号の一部を取り出す方向性結合器(CUP:Coupler)15を含む構成である。
また、無線装置10において、受信系は、通過する信号を切り替える切替器(SW:Switch)16、雑音指数の小さい増幅器(LNA:Low Noise Amplifier)17、伝送された信号から元の信号を復調する復調部18、及び、アナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ/デジタル(A/D:Analog to Digital)変換器19を含む構成である。
以上のように構成された無線装置10の動作について、以下説明する。送信系において、変調部13により変調された信号はPA14を通った後、入力された信号の歪みを補償するために、CUP15により、受信系にフィードバックさせる信号とそのまま送信する信号とに分配される。
CUP15から歪補償用に分配された信号は、受信系のSW16を介して、LNA17に出力された後、復調部18により復調される。復調された受信信号には歪成分が含まれ
るため、プリディストーション部11は、この受信信号と元の送信信号とを比較し、発生した歪成分を抽出して、抽出した歪成分を入力された送信信号に加算して歪を補償する。これにより、歪成分を除去した高精度な通信が可能となる。
このように、特許文献1のような無線装置構成を用いることによって、送信系の歪成分を、受信系を通したフィードバックにより抽出し、抽出した歪成分を元信号に加算することによって歪が補償できる。
特開2009−055378号公報
しかしながら、ミリ波帯では、PA14出力後にCUP15を用いることによって損失が発生するため、アンテナ端での出力電力レベルが低下するという課題がある。また、受信系ではLNA17の前段にSW16を設けることによって、ここでも損失が発生するため、受信系のトータルNF(Noise Figure)を劣化させるという課題がある。
更に、ミリ波を用いて近距離通信(例えば1cm〜1mを想定)を行うには、受信電力のダイナミックレンジが約40dBと大きいため、各回路での利得切替を含む対応が必要となる場合がある。しかし、特許文献1の方法では、送信信号を受信系に折り返す場合に、ある一定のレベルにおいて折り返す必要があるため、各々の受信電力に合わせた歪補償が困難になるという課題がある。
本発明の目的は、通常送受信モードと歪補正モードとを有する無線通信装置において、通常送受信モードでは回路特性に影響を与えることなく良好に通信し、歪補正モードにおいて送信信号を受信系に折り返して、回路の狭帯域性或いは非線形性に起因した歪成分を抽出し、歪を補正できる無線通信装置及び無線通信方法を提供することである。
本発明の無線通信装置は、通常送受信モードと歪補正モードとを有する無線通信装置であって、送信ベースバンド信号から無線送信処理によって高周波信号を生成する送信処理回路、及び、前記高周波信号を増幅する電力増幅器を含む送信回路と、前記電力増幅器により増幅された前記高周波信号を送信する送信アンテナと、前記送信アンテナにより送信された前記高周波信号を受信する受信アンテナと、前記受信アンテナにより受信された前記高周波信号を増幅する低雑音増幅器、及び、前記低雑音増幅器により増幅された前記高周波信号を復調して受信ベースバンド信号を生成する受信処理回路を含む受信回路と、前記送信ベースバンド信号及び前記受信ベースバンド信号を用いて、歪成分を検出する歪検出手段と、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間の結合量を調整する調整手段と、前記通常送受信モードと前記歪補正モードとによって、前記結合量を切り替える制御手段と、を具備する。
この構成によれば、通常送受信モードでは回路特性に影響を与えることなく良好に通信し、歪補正モードにおいて送信信号を受信系に折り返して、回路の狭帯域性或いは非線形性に起因した歪成分を抽出し、歪を補正できる。
本発明の無線通信装置は、前記電力増幅器及び前記低雑音増幅器のうち、少なくとも一方の利得を制御する利得制御手段、を更に具備し、前記制御手段は、前記利得制御手段により設定された前記利得に基づいて、前記送信アンテナから前記受信アンテナへの折り返
し信号の強度が、前記受信回路を歪ませないレベルとなるように、前記結合量を制御する。
この構成によれば、送信アンテナから受信アンテナへの折り返し信号の強度を調整できるので、電力増幅器或いは低雑音増幅器の特性が変化した状態でも、受信回路に対して所望の受信電力が入力されるように調整できる。
本発明の無線通信装置は、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間にはGNDが配置され、前記調整手段は、無給電素子と、前記GNDと前記無給電素子との間に配置されたスイッチと、を具備する。
この構成によれば、送受信アンテナ間に無給電素子及びスイッチを配置する簡単な構成により、歪補正モードでは送信信号を受信系に折り返すことができ、通常送受信モードでは回路特性へ影響を与えることなく良好に通信できる。
本発明の無線通信装置は、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間にはGNDが配置され、前記結合量調整手段は、無給電素子と、前記GNDと前記無給電素子との間に配置された可変容量と、を具備する。
この構成によれば、送受信アンテナ間に無給電素子及び可変容量を配置する簡単な構成により、歪補正モードでは送信信号を受信系に受信電力に合わせて折り返すことができ、通常送受信モードでは回路特性へ影響を与えることなく、良好に通信できる。
本発明の無線通信装置は、前記送信アンテナの電界面と前記受信アンテナの電界面とを対向して配置する。
この構成によれば、送受信アンテナの電界面を対向することにより、無給電素子を介して送受信アンテナを電磁界結合できるため、送信信号を受信系に折り返すことができる。
本発明の無線通信装置は、前記送信回路、前記受信回路、及び、前記スイッチが、MMICによって構成される。
この構成によれば、MMICをアンテナ基板に実装することによって結合量調整回路を形成できるため、安価に無線通信装置を提供できる。
本発明の無線通信装置は、前記送信アンテナは、複数のアンテナ素子を用いて構成され、前記調整手段は、複数の移相器を用いて構成され、前記複数の移相器のそれぞれは、前記複数のアンテナ素子と前記電力増幅器との間にそれぞれ設けられ、前記制御手段は、前記複数の移相器の位相を調整することにより、前記結合量を制御する。
この構成によれば、送信アンテナの指向性を、移相器を用いて可変とすることによって送信アンテナから受信アンテナへの折り返し信号の強度を切り替えることができるため、歪補正モードによって送信アンテナから受信アンテナへと信号を折り返すことができ、通常送受信モードによって回路特性へ与える影響がなく、良好に通信できる。
本発明の無線通信方法は、通常送受信モードと歪補正モードとを有する無線通信装置に適用される無線通信方法であって、送信ベースバンド信号から無線送信処理によって高周波信号を生成し、前記高周波信号を増幅して送信信号を生成し、前記送信信号を送信し、前記送信信号を受信して受信信号を出力し、前記受信信号を増幅し、増幅された前記受信信号を復調して受信ベースバンド信号を生成し、前記送信ベースバンド信号及び前記受信
ベースバンド信号を用いて、歪成分を検出し、送信アンテナと受信アンテナとの間の結合量を調整し、前記通常送受信モードと前記歪補正モードとによって、前記結合量を切り替える。
この方法によれば、通常送受信モードによって回路特性に影響を与えることなく良好に通信し、歪補正モードによって送信信号を受信系に折り返して、回路の狭帯域性或いは非線形性に起因した歪成分を抽出し、歪を補正できる。
本発明によれば、通常送受信モード及び歪補正モードを有する無線通信装置において、通常送受信モードによって回路特性に影響を与えることなく良好に通信し、歪補正モードによって送信信号を受信系に折り返して回路の狭帯域性或いは非線形性に起因した歪成分を抽出し、歪を補正できる。
従来の無線通信装置の概略構成図 本発明の実施の形態1に係る無線通信装置の要部構成を示すブロック図 実施の形態1に係る無線通信装置において、送受信アンテナ間の相互結合量の調整に関わる概略構成図 実施の形態1に係る無線通信装置の結合量調整の制御方法の一例を示す図 実施の形態1に係る無線通信装置において、送受信アンテナ間の相互結合量の調整に関わる別の概略構成図 実施の形態1に係る無線通信装置の要部構成を示すブロック図 実施の形態1に係る無線通信装置において、送受信アンテナ間の相互結合量の調整に関わる別の概略構成図 本発明の実施の形態2に係る無線通信装置の要部構成を示すブロック図 本発明の実施の形態3に係る無線通信装置の要部構成を示すブロック図 実施の形態3に係るインピーダンス調整回路の内部構成の一例を示す図 実施の形態3に係る無線通信装置の一例を示す図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図2は、本実施の形態に係る無線通信装置の要部構成を示すブロック図である。なお、本実施の形態に係る無線通信装置100は、通常送受信モードと歪補正モードとを有する。
ベースバンド(BB:Baseband)処理部110は、送信ベースバンド信号を生成し、生成した送信ベースバンド信号を送信回路120に出力する。また、ベースバンド処理部110は、後述のデジタル領域の受信ベースバンド信号の受信電力を算出し、算出した受信電力を利得制御部160に出力する。
送信回路120は、無線送信処理部121及び電力増幅器(PA:Power Amplifier)122を有する。
無線送信処理部121は、送信ベースバンド信号に、D/A(Digital to Analog Converter)変換、変調、アップコンバートのうち、少なくとも1つ以上を含む無線送信処理を施し、高周波信号に変換する。
PA122は、高周波信号を増幅する。
送信アンテナ(Tx_ANT)130は、PA122により増幅された高周波信号を送信する。
受信アンテナ(Rx_ANT)140は、送信アンテナ130から送信され、無線伝搬路を経由して到着した高周波信号を受信する。
受信回路150は、低雑音増幅器(LNA)151及び無線受信処理部152を有する。
LNA151は、受信アンテナ130により受信した高周波信号を増幅する。
無線受信処理部152は、LNA151により増幅された高周波信号に、復調、ダウンコンバート、A/D(Analog to Digital)変換のうち、少なくとも1つ以上を含む無線受信処理を施し、受信ベースバンド信号に変換する。
歪検出部111は、受信ベースバンド信号の歪み成分を検出する。歪み成分の検出方法としては、例えば、送信ベースバンド信号と受信ベースバンド信号とを比較し、差分を歪み成分として検出する。なお、受信ベースバンド信号の歪み成分の検出方法は、これに限定されず、例えば、ACLR(Adjacent Channel Leakage Power:隣接チャネル漏洩電力比)を含む歪み成分として検出するようにしてもよい。また、図2では、歪検出部111が、ベースバンド処理部110の内部にある構成例を示しているが、歪検出部111がベースバンド処理部110の外部に設けられていてもよい。
更に、歪検出部111は、検出した歪み成分に応じた補正量を送信ベースバンド信号に加算して、歪みを補償する。
利得制御部160は、受信ベースバンド信号の受信電力に基づいて、PA122及びLNA151の利得モードを制御する。具体的には、利得制御部160は、LNA151又は無線受信処理部152の線形性が保たれるように、PA122及びLNA151の利得モードを、高利得モード又は低利得モードのいずれか一方に制御する。なお、利得制御部160は、制御後のPA122及びLNA151の利得モードの情報を結合量制御部170に出力する。
結合量制御部170は、通常送受信モードと歪補正モードとのいずれかによって、結合量調整回路180の結合量を切り替える。例えば、結合量制御部170は、通常送受信モード又は歪補正モードのどちらであるかを指示する動作モード信号(図示せぬ)を入力とし、入力した動作モード信号に応じて、結合量調整回路180の結合量を切り替える。
更に、歪補正モードでは、結合量制御部170は、PA122及びLNA151の利得モードに基づいて、結合量調整回路180の結合量を制御する。具体的には、結合量制御部170は、PA122及びLNA151の利得モードに基づいて、結合量調整回路180の結合量を決定する。そして、結合量制御部170は、決定した結合量(ターゲット結合量)を示す制御信号を生成し、生成した制御信号を結合量調整回路180に出力する。ターゲット結合量の決定方法については、後述する。
結合量調整回路180は、結合量制御部170から出力される制御信号に基づいて、送信アンテナ130と受信アンテナ140との間の結合量を調整する。結合量調整回路180における結合量の調整方法については、後述する。
GND190は、結合量調整回路180に接続されているグランド(Ground:GND)であり、GND190は、送信アンテナ130と受信アンテナ140との間に配置されている。
以上のように構成された無線通信装置100において、送信回路120(無線送信処理部121及びPA122)及び送信アンテナ130により送信系が構成され、受信アンテナ140及び受信回路150(LNA151及び無線受信処理部152)により受信系が構成される。
次に、本実施の形態に係る無線通信装置100の動作について説明する。
送信系では、ベースバンド処理部110により生成された送信ベースバンド信号は、無線送信処理部121により、デジタル領域からアナログ領域の信号に変換された後、高周波信号に変換される。そして、変換された高周波信号は、PA122により増幅された後、送信アンテナ130から放射される。
一方、受信系では、受信アンテナ140により受信された高周波信号は、LNA151により増幅され、増幅後の高周波信号は、無線受信処理部152において、ダウンコンバータされ、その後、アナログ領域からデジタル領域の受信ベースバンド信号に変換される。そして、変換された受信ベースバンド信号は、ベースバンド処理部110において信号処理される。
ここで、一般的には、各回路は周波数特性及び非線形特性を有する。そのため、信号を通過させると信号歪が発生する。受信ベースバンド信号には、送信系及び受信系の各回路により発生する歪成分が含まれてしまい、そのままでは無線通信装置100としての性能が劣化してしまう。
そこで、無線通信装置100に、これらの性能劣化を補正するために、受信ベースバンド信号と元の送信ベースバンド信号とを比較して、歪成分を検出する歪検出部111を設け、歪検出部111は、抽出した歪成分を送信ベースバンド信号に加算して歪を補償する。
このように、無線通信装置100は、送信系から受信系に高周波信号を折り返し、折り返された高周波信号に対する受信ベースバンド信号と送信ベースバンド信号とを比較することにより、歪成分を検出している。
なお、ミリ波帯を用いた近距離通信において、通信距離が1cmから1mまで変化すると、そのままでは受信電力のダイナミックレンジが40dBあるため、LNA151、或いは、無線受信処理部152に含まれる復調回路の線形性が足りず、信号が歪んでしまうことが予想される。受信電力が十分大きいと判断された場合には、利得制御部160は、PA122又はLNA151の利得を下げるように制御する。このようにして、LNA151又は無線受信処理部152の線形性が保たれるよう制御される。
次に、自身の回路が有する歪成分を抽出するための、送信系から受信系への信号の折り返し方法について説明する。本方法は、時分割複信(TDD:Time Division Duplex)方式において有効である。
通常送受信モードにおいて、例えば、送信時は受信系の電源を落とし、受信時は送信系の電源を落とすことによって、送受信間干渉を含む影響をなくすことができる。逆に、歪
補正モードにおける、データを送受信していない期間(例えば送信データのプリアンブル期間)において、送受信系を同時にONする。これにより、通常送受信モードにおいて必要となる送信系及び受信系に対し、信号折り返し用の付加回路を設けることなく、送信アンテナ130から放射された信号を受信アンテナ140により受信し復調し、歪検出部111は、得られた受信ベースバンド信号を用いて歪成分を検出できる。
本実施の形態では、結合量制御部170によって、送信アンテナ130と受信アンテナ140との間の結合量は、受信した高周波変調信号がLNA151又は無線受信処理部152において歪まないレベルとなるように調整される。
ここで、例えばミリ波帯を用いた近距離通信では、空間での伝播損失が大きいため、無線通信装置100が、通信距離1cm〜1mまでをカバーしようとすると、受信系として40dBのダイナミックレンジが必要となる。よって、PA122又はLNA151が、高利得の状態において通信距離が近づくと、受信電力が大きくなり、LNA151又は無線受信処理部152において信号の歪みが発生する。そのため、通信距離が十分に近い場合には、LNA151を低利得モード(Low)によって動作させてLNA151の利得を小さくする制御、または、PA122の送信電力を小さくする制御が必要となる場合がある。
なお、PA122又はLNA151を低利得モード(Low)によって動作させたり、PA122の送信電力を小さくしたりすると、回路の特性自体が変わり、回路により発生する歪成分も変化する。そのため、回路の歪補正を行うには、PA122又はLNA151が高利得モード(High)、低利得モード(Low)のそれぞれにおいて評価する必要がある。
一方、送信アンテナ130から放射した信号を受信アンテナ140によって受信する場合、受信電力は送信アンテナ130と受信アンテナ140との間の相互結合によって決まる。ここで、相互結合量は、一般には、アンテナ形状が固定であれば一定となる。また、低利得モードにおいて送信アンテナ130から受信アンテナ140に折り返される信号強度がLNA151の歪まないレベルであったとしても、高利得モードにおいてLNA151への入力電力が大きい。そのため、例えばLNA151が高利得モード及び低利得モードのそれぞれにおいて、歪成分を抽出しようとした場合に、LNA151又はその後段の無線受信処理部152において信号が歪んでしまうという問題が発生する。
そこで、本実施の形態では、図2に示すように送信アンテナ130と受信アンテナ140との間に結合量調整回路180を設け、この結合量調整回路180により送受信アンテナ間の相互結合量を調整する。これにより、無線通信装置100は、LNA151が高利得モード又は低利得モードのいずれにおいても、受信した高周波信号を歪ませることなく復調して本来の歪成分の抽出ができる。この点について詳細に説明する。
図3は、送受信アンテナ間の相互結合量の調整に関わる概略構成図である。
結合量調整回路180は、無給電素子181と、GND190と無給電素子181との間に配置されたスイッチ182,183とを有する。なお、図3において、送信アンテナ130及び受信アンテナ140内の矢印は、電界面を表しており、図3に示すように、送信アンテナ130及び受信アンテナ140は、お互いの電界面(E面)を対向して配置されている。これにより、後述するように、無給電素子181を介して送受信アンテナが電磁界結合できるため、高周波信号を送信系から受信系に折り返すことができる。
GND190は、送信アンテナ130及び受信アンテナ140の周りを囲むように配置
されている。なお、GND190の少なくともその一部が、送信アンテナ130と受信アンテナ140の間に配置されていればよい。
無給電素子181は、送信アンテナ130と受信アンテナ140との中間に、GND190を切り離すようにして配置される。
スイッチ182,183は、無給電素子181の両端とGND190との間に配置される。
以下、通常送受信モード、歪補正モードのそれぞれにおける結合量調整回路180の動作について説明する。なお、以下では、パッチアンテナ1素子を用いて構成した送信アンテナ130及び受信アンテナ140について説明する。
例えば、通常送受信モードにおいて、結合量制御部170は、スイッチ182,183をON状態、すなわち無給電素子181とGND190とを電気的に短絡する。無給電素子181もGND190の一部となるため、送信アンテナ130及び受信アンテナ140それぞれの周囲にGND190が配置された状態となる。PA122及びLNA151の動作モードがHigh、Lowのどちらであっても、結合量制御部170は、スイッチ182,183をON状態とする。
一方、歪補正モードにおける、PA122及びLNA151がHighモードにおいて送受信の電源を立ち上げた場合に、スイッチ182,183がONの状態において送信アンテナ130と受信アンテナ140との間の結合量がLNA151を歪ませないように調整されている。
更に、PA122及びLNA151の少なくともどちらか一方がLowモードでは、通信距離が近い。そのため、Lowモードに合わせて、送信系から受信系への折り返し信号の強度を上げる必要がある。そこで、結合量制御部170は、送信アンテナ130と受信アンテナ140との結合量が強くなるようにスイッチ182,183をOFF状態にする。結合量制御部170が、スイッチ182,183をOFF状態、すなわち無給電素子181及びGND190を電気的に開放した場合、無給電素子181は、送信アンテナ130及び受信アンテナ140のそれぞれと電磁界結合する。そのため、無給電素子181が導波器の役割を果たして、送信アンテナ130と受信アンテナ140との相互結合を強めるように働く。これにより、送信系から受信系への折り返し信号の強度を上げることができる。
図4は、通常送受信モード、歪補正モードのそれぞれにおけるスイッチの動作条件を示す図である。
なお、上述したように、送信アンテナ130と受信アンテナ140とは、E面を対向して配置する。これはE面を対向することによって、無給電素子181を導波器として動作させた場合に、送受信アンテナと無給電素子181との間の結合を強めるためである。ただし、E面ほどの結合度が不要の場合には、H面(磁界面)が対向する配置としても良い。
以上のように、本実施の形態によれば、歪検出部111は、送信ベースバンド信号及び受信ベースバンド信号を用いて、歪成分を検出し、結合量調整回路180は、送信アンテナ130と受信アンテナ140との間の結合量を調整し、結合量制御部170は、通常送受信モードと歪補正モードとによって、結合量を切り替える。これにより、無線通信装置100は、通常送受信モードによって、損失を含む回路特性に影響を与えることなく良好
に通信できる。そして、無線通信装置100は、歪補正モードによって送信信号を受信系に折り返して、回路の狭帯域性或いは非線形性に起因した歪成分を抽出し、歪補正が可能となる。また、本実施の形態では、通常送受信モードにおいて必要となる送信系及び受信系に対し、信号折り返し用の付加回路を設ける必要がないので、付加回路により発生する通過損失を回避できる。
また、結合量制御部170は、利得制御部160により設定されたPA122及びLNA151の利得モードのうち、少なくとも一方の利得モードの情報に基づいて、送信系から受信系への折り返し信号の強度が、受信回路150を歪ませないレベルとなるように、結合量調整回路180の結合量を制御する。このようにして、送信アンテナ130から受信アンテナ140に折り返す信号の強度を調整できるので、PA122又はLNA151の特性が変化した状態でも、受信回路150に対して所望の受信電力が入力されるように、折り返し信号の強度を調整できる。この結果、各回路の実動作状態における歪成分を抽出し、補正することにより、受信品質特性が良好な無線通信装置が提供できる。
なお、以上の説明では、アンテナ素子としてパッチアンテナを例に挙げて説明したが、これに限られず、単体によりアンテナとして動作する形状であればよい。
図5に、その他のアンテナ素子の例として、ダイポールアンテナを用いた送受信アンテナ間の相互結合量の調整に関わる概略構造図を示す。図5では、送信アンテナ131と受信アンテナ141を、それぞれダイポールアンテナを用いて構成している点が、図3と異なる。その他の構成要素については、図3に示した、パッチアンテナ1素子を用いて構成した送信アンテナ130及び受信アンテナ140と同様であるため、説明を割愛する。
一般に、八木アンテナのような放射器に対して、導波器、反射器を含む無給電素子を配列して指向性を持たせるような構成では、放射器に対する導波器、反射器の距離をおよそ1/4波長程度に保つのが好ましい。しかし、本実施の形態では、指向性を持たせることが主眼ではなく、送信アンテナ131と受信アンテナ141との結合度を高める、または結合度を可変とすることが主眼である。そのため、放射器である送信アンテナ131、受信アンテナ141と、導波器の役割となる結合量調整素子180との間隔に特に規定はなく、必要な結合量に応じて、間隔は設定すれば良い。
また、ダイポールアンテナ以外でも、例えば、モノポールアンテナ又はスロットアンテナを用いても同様の効果があることは言うまでもない。
また、以上の説明では、結合量調整回路180の構成要素としてスイッチ182,183を用いる構成について説明したが、スイッチ182,183の構成についても特に限定されず、スイッチ182,183はディスクリート部品を用いて構成してもよい。例えば、図6に示すように、結合量調整回路180のうち、スイッチ182,183を他の回路と同様のMMIC上に構成するようにしてもよい。これにより、例えばアンテナ基板にMMICを実装することによって、結合量調整回路180を構成できるため、別途スイッチ182,183をアンテナ基板上に実装する必要がなくなり、部品点数を減らすことができ、安価に無線通信装置が提供できる。
また、以上の説明では、結合量調整回路180がスイッチ182,183を用いて、結合量を可変とする構成について説明したが、スイッチ182,183に代えて、例えば可変容量を用いて結合量を可変とするようにしてもよい。可変容量を用いる構成では、容量値を連続的に変化できるため、結合量が連続的に変化できる。
また、以上の説明では、送信アンテナ130及び受信アンテナ140のそれぞれが1素
子の構成について説明したが、送受信アンテナはそれぞれアレー化されていてもよいことは言うまでもない。図7に例として、送受信アンテナ間の相互結合量の調整に関わる別の概略構成図を示す。図7の例は、送受信アンテナがそれぞれ4素子アレーを用いて構成された例である。図7に示すように、送受信アンテナが4素子アレーを用いて構成されるには、向かい合う送信アンテナ130及び受信アンテナ140の2素子の間にそれぞれ結合量調整回路180を設けて送受信アンテナ間の結合量を調整することによって、上記同様の効果を得ることができる。更に、向かい合う送信アンテナ130及び受信アンテナ140の2素子のうちのどちらか一方の間に結合量調整回路180を設けた構成においても、送受信アンテナ間の結合量を調整できる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、結合量調整回路としてスイッチ又は可変容量を用いて、送受信アンテナ間の相互結合量を調整した。本実施の形態では、結合量調整回路として移相器を用いて、送受信アンテナ間の相互結合量を調整する構成について説明する。
図8は、本実施の形態に係る無線通信装置の要部構成を示すブロック図である。なお、図8の無線通信装置200において、図2の無線通信装置100と共通する構成部分には、図2と同一の符号を付して説明を省略する。図8の無線通信装置200は、図2の無線通信装置100に対して、送信アンテナ130、結合量制御部170及び結合量調整回路180に代えて、送信アンテナ210、結合量制御部230及び結合量調整回路220を有する。
送信アンテナ210は、N(Nは2以上の整数)個のアンテナ素子211−1〜211−Nを含む構成である。なお、以下では、N=4として、送信アンテナ210が、4個のアンテナ素子211−1〜211−4を含む構成について説明する。
結合量調整回路220は、N(Nは2以上の整数)個の移相器221−1〜220−Nを含む構成である。移相器221−k(k=1,2,…,N)のそれぞれは、複数のアンテナ素子211−kとPA122との間にそれぞれ設けられている。
結合量制御部230は、通常送受信モードと歪補正モードとによって、結合量調整回路220の移相器221−k(k=1,2,…,N)の位相量を切り替える。例えば、結合量制御部230は、通常送受信モード又は歪補正モードのどちらであるかを指示する動作モード信号(図示せぬ)を入力とし、入力した動作モード信号に応じて、結合量調整回路220の移相器221−k(k=1,2,…,N)の位相を調整する。このようにして、結合量調整回路220の移相器221−k(k=1,2,…,N)の位相を調整することにより、指向性が制御されて、この結果、送受信アンテナ間の結合量が調整される。
更に、歪補正モードにおいて、結合量制御部230は、PA122及びLNA151の利得モードに基づいて、結合量調整回路220の移相器221−k(k=1,2,…,N)の位相を制御する。具体的には、結合量制御部230は、PA122及びLNA151の利得モードに基づいて、結合量調整回路220の移相器221(k=1,2,…,N)の位相を決定する。そして、結合量制御部230は、決定した位相(ターゲット位相)を示す制御信号を生成し、生成した制御信号を結合量調整回路220に出力する。ターゲット位相の決定方法については、後述する。
このようにして、本実施の形態では、結合量制御部230が、移相器221−k(k=1,2,…,N)の位相を調整することにより、指向性を制御して、送受信アンテナ間の結合量を調整する。すなわち、指向性によって、送信アンテナ130から受信アンテナ140方向への放射電波の強度が変わるため、結合量制御部230は、送信アンテナ130
から受信アンテナ140への折り返し信号の強度が、受信回路150を歪ませないレベルとなるように、移相器221−k(k=1,2,…,N)の位相を制御する。このようにして、無線通信装置200は、送信アンテナ130から受信アンテナ140に折り返す信号の強度が調整できるので、PA122又はLNA151の特性が変化した状態でも、受信回路150に対して所望の受信電力が入力されるように調整できる。
例えば、4個のアンテナ素子211−1〜211−4を同相によって給電すると、4素子の配列方向に対して対称な指向性が得られる。一方、4つの移相器221−1〜21−4に位相差を付けていくと、4素子から成る送信アンテナ130の最大放射方向が素子配列方向に対して、チルト(tilt)するため、送信アンテナ130からみた受信アンテナ140方向への放射電波の強度も変えることができる。なお、アンテナ素子数Nが多くなるほど指向性を、より制御できるため、送信アンテナ130から受信アンテナ140方向への放射電波の強度を、より調整できる。また、アンテナ素子間隔が近いほど、アンテナ素子間の相互結合量が大きくなるため、指向性に与える影響が大きくなる。
以上のように、本実施の形態によれば、送信アンテナ130は、N(N=4)個のアンテナ素子211−1〜221−Nを用いて構成され、結合量調整回路220は、N個の移相器221−1〜221−Nを用いて構成され、移相器221−k(k=1,2,…,N)のそれぞれは、N個のアンテナ素子211−kとPA122との間にそれぞれ設けられ、結合量制御部230は、N個の移相器221−1〜221−Nの位相を調整することにより、指向性を制御して、送信アンテナ130と受信アンテナ140との間の結合量を調整する。これにより、通常送受信モード及び歪補正モードを有する無線通信装置200に対し、通常送受信モードによって、歪みを含む回路特性に影響を与えることなく良好に通信できる。そして、歪補正モードによって送信信号を受信系に折り返して、回路の狭帯域性或いは非線形性に起因した歪成分を抽出し、歪補正が可能となる。
また、結合量制御部230が、移相器221−1〜221−Nの位相を調整して送信アンテナ130の指向性を制御することにより、送信アンテナ130と受信アンテナ140との間の相互結合量を所望の値に設定できる。これにより、無線通信装置200は、PA122或いはLNA151の特性が変化した状態においても、受信系に対して所望の受信電力が入力されるように調整できる。このため、各回路の実動作状態における歪成分を抽出し、補正することができるので、受信品質が良好な無線通信装置が提供できる。
なお、以上の説明では、送信アンテナ130の構成が4素子アレーを用いた例について説明したが、素子数は2素子以上であれば何素子でもよい。また、受信アンテナ140についても、同様に、N(Nは2以上の整数)素子アレーとして構成するには、送信および受信の両方において指向性を制御できるため、より相互結合量の調整幅を増やすことができる。
(実施の形態3)
実施の形態1及び実施の形態2では、送受信アンテナ間の相互結合量の調整により、送信信号を送信系から受信系に折り返すようにした。本実施の形態では、送信系と受信系との間のインピーダンスを調整することにより、送信信号を送信系から受信系に折り返す。
図9は、本実施の形態に係る無線通信装置の要部構成を示すブロック図である。なお、図9の無線通信装置300において、図2の無線通信装置100と共通する構成部分には、図2と同一の符号を付して説明を省略する。図9の無線通信装置300は、図2の無線通信装置100に対して、結合量制御部170及び結合量調整回路180を削除し、分岐回路310−1,310−2、インピーダンス制御部330及びインピーダンス調整回路320を追加した構成を採る。
分岐回路310−1は、入力端子、第1の出力端子及び第2の出力端子を有し、PA122と送信アンテナ130との間に挿入されている。そして、入力端子には、PA122により増幅される高周波信号が入力され、第1の出力端子は、送信アンテナ130に接続され、第2の出力端子は、インピーダンス調整回路320に接続されている。
分岐回路310−2は、第1の入力端子、第2の入力端子及び出力端子を有し、受信アンテナ140とLNA151との間に挿入されている。第1の入力端子には、受信アンテナ140により受信された高周波信号が入力され、第2の入力端子は、インピーダンス調整回路320に接続され、出力端子は、LNA151に接続されている。
インピーダンス調整回路320は、分岐回路310−1と分岐回路310−2との間に挿入されていて、後述のインピーダンス制御部330から出力される制御信号に応じて、インピーダンスを調整する。
インピーダンス制御部330は、通常送受信モードと歪補正モードとに応じて、インピーダンス調整回路320のインピーダンスを制御する。例えば、インピーダンス制御部330は、通常送受信モード又は歪補正モードのどちらであるかを指示する動作モード信号(図示せぬ)を入力とし、入力した動作モード信号に応じて、インピーダンス調整回路320のインピーダンスを切り替える。
具体的には、インピーダンス制御部330は、通常送受信モードにおいて、送信系の分岐回路310−1及び受信系の分岐回路310−2から見て、インピーダンス調整回路320に接続される分岐回路310−1の出力端子及び分岐回路310−2の第2の入力端子が、オープンに見えるように、インピーダンス調整回路320のインピーダンスを調整する。これにより、分岐回路310−1,310−2における通過損失の発生が回避され、良好な通信が実現できる。
一方、歪補正モードにおいて、PA122から出力された信号が分岐回路310−1、インピーダンス調整回路320、分岐回路310−2を経由してLNA151に入力されるように、インピーダンス制御部330は、インピーダンス調整回路320のインピーダンスを調整する。これにより、高周波信号を送信系から受信系に折り返すことが可能となる。この点について詳細に説明する。
図10Aは、インピーダンス調整回路320の内部構成の一例を示す図である。インピーダンス調整回路320は、増幅器(PA)321、入力伝送線路322及び出力伝送線路323を有する。本実施の形態では、PA321が、例えば、トランジスタを用いた構成を例に説明する。図10Bは、PA321を構成するトランジスタ324の構成例である。図10Bにおいて、トランジスタ324は、ドレイン端子325、ゲート端子326を有する。
インピーダンス制御部330が、トランジスタ324のドレイン端子325及びゲート端子326に所定のバイアスを与え、トランジスタ324を飽和領域にて動作させることによって、トランジスタ324は増幅動作する(ON状態)。逆に、インピーダンス制御部330が、ドレイン端子325、ゲート端子326のどちらか一方又は両方にバイアスを与えなければ、トランジスタ324は増幅器として動作しない(OFF状態)。
トランジスタ324のON状態とOFF状態とでは、それぞれ入出力のインピーダンスが異なる。そこで、分岐回路310−1に入力伝送線路322を接続し、上記入力伝送線路322の長さを調整することにより、ゲートバイアス又はドレインバイアスのどちらか
一方又は両方を与えずにトランジスタ324をOFF状態とした場合の入力インピーダンスに対して、特性インピーダンスが調整できる。これにより、分岐回路310−1と入力伝送線路322との接続点からインピーダンス調整回路320を見た場合に、インピーダンスを無限大に見せることができる。
同様にして、分岐回路310−2に出力伝送線路323を接続し、上記出力伝送線路323の長さを調整することにより、トランジスタ324をOFF状態とした場合の出力インピーダンスに対して、特性インピーダンスが調整できる。これにより、分岐回路310−2と出力伝送線路323との接続点からインピーダンス調整回路320を見た場合に、インピーダンスを無限大に見せることができる。
そこで、本実施の形態では、通常送受信モードにおいて、インピーダンス制御部330は、トランジスタ324をOFF状態とする。これにより、分岐回路310−1,310−2のどちらからもインピーダンス調整回路320に対して信号が伝わらず、送信系においてはPA122から出力される高周波信号はすべて送信アンテナ130に入力され、受信系においては受信アンテナ140により受信された高周波信号はすべてLNA151に入力される。この結果、通常送受信モードにおいて、通過損失が発生せず、良好に通信可能となる。
一方、歪補正モードにおいて、インピーダンス制御部330は、トランジスタ324をON状態とする。これにより、トランジスタ324の入出力インピーダンスがOFF状態から変化するため、分岐回路310−1,310−2の各々からインピーダンス調整回路320を見た場合に、インピーダンスが無限大とならず、送信系においてはPA122から出力される高周波信号の一部がインピーダンス調整回路320に伝わることになる。
更に、PA122から出力される高周波信号の一部は、インピーダンス調整回路320及び分岐回路310−2を通ってLNA151へと入力されることになるため、歪検出部111は、歪の補正が可能となる。
また、インピーダンス制御部330は、トランジスタ324のドレイン端子325、ゲート端子326のどちらか一方又は両方のバイアス条件を調整するようにしてもよい。バイアス条件を調整することにより、PA321としての利得が可変できる。このようにして、インピーダンス制御部330が、トランジスタ324をON/OFFし、バイアス条件を調整することにより、送信系から受信系への折り返し信号の強度を変えることができ、PA122又はLNA151を高利得モード又は低利得モードを用いて動作させた各々の状態において歪の補正が可能となる。
以上のように、本実施の形態によれば、送信系のPA122の出力段及び受信系のLNA151の入力段にそれぞれ分岐回路310−1,310−2を設け、分岐回路310−1,310−2の間にインピーダンス調整回路320を設け、インピーダンス制御部330は、通常送受信モードと歪補正モードとによって、インピーダンス調整回路320のインピーダンス条件を変える。具体的には、インピーダンス制御部330は、通常送受信モードにおいて、インピーダンス調整回路320が付加されない状態と等価になるようインピーダンスを調整して、送受信における損失を回避する。また、インピーダンス制御部330は、歪補正モードにおいて、インピーダンス調整回路320を介して、送信信号が送信系から受信系に折り返されるようインピーダンスを調整する。これにより、通常送受信モードと歪補正モードとを有する無線通信装置300において、通常送受信モードによって、損失を含む回路特性に影響を与えることなく良好に通信できる。そして、歪補正モードによって送信信号を送信系から受信系に折り返して、回路の狭帯域性或いは非線形性に起因した歪成分を抽出し、歪補正が可能となる。
例えば、インピーダンス調整回路320がトランジスタを用いた構成では、インピーダンス調整回路320は、通常送受信モードと歪補正モードとによって、トランジスタをON/OFF制御することにより、インピーダンスを切り替える。
また、インピーダンス調整回路320は、PA321、入力伝送線路322、出力伝送線路323を有し、入力伝送線路322及び/又は出力伝送線路323が、分岐回路310−1及び/又は分岐回路310−2とPA321との間において対接地に配列される。そして、入力伝送線路322の長さを調整することにより、ゲートバイアス又はドレインバイアスのどちらか一方又は両方を与えずにトランジスタ324をOFF状態とした場合の入力インピーダンスに対して、特性インピーダンスが調整できる。
更に、インピーダンス制御部330は、トランジスタをON/OFFし、トランジスタ324のドレイン端子325、ゲート端子326のどちらか一方または両方のバイアス条件を調整することによって、PA321としての利得が可変できる。バイアス条件を調整することにより、送信系から受信系への折り返し信号の強度を変えることができるので、PA122又はLNA151を高利得モード又は低利得モードを用いて動作させた各々の状態において歪の補正が可能となる。
なお、以上の説明では、インピーダンス調整回路320が、構成要素としてPA321を有する構成を例に説明したが、これに限られず、インピーダンス調整回路320が、例えばスイッチを用いて構成されるようにしてもよい。インピーダンス制御部330は、スイッチをON/OFFすることにより、インピーダンス条件を変化できるため、通常送受信モード及び歪補正モードの両方に対応できる。
また、以上の説明では、入力伝送線路322及び出力伝送線路323を、分岐回路310−1,310−2とPA321との間に直列に挿入する構成について説明したが、例えば、入力伝送線路322(出力伝送線路323)を分岐回路310−1(310−2)とPA321の間において対接地に配置し、オープンスタブ又はショートスタブとして構成してもよい。この構成でも、同様の効果が得られる。
また、以上の説明では、分岐回路310−1,310−2をそれぞれPA122の後段、LNA151の前段に配置する構成について説明したが、これに限らない。例えば、PA122又はLNA151がシステム上十分な広帯域性或いは線形性を有しており、一方で、無線送信処理部121又は無線受信処理部152の歪補正が必要な場合には、分岐回路310−1を無線送信処理部121とPA122との間に配置し、分岐回路310−2をLNA151と無線受信処理部152との間にそれぞれ配置するようにしてもよい。
更に、図11に示すように、分岐回路310−1,310−2に加えて、新たに分岐回路420−1を無線送信処理部121とPA122との間に配置し、分岐回路420−2をLNA151と無線受信処理部152との間にそれぞれ配置し、分岐回路420−1,420−2の間に新たにインピーダンス調整回路430を追加する構成としてもよい。これにより、送信系から受信系への折り返し経路を2系統作ることができるので、例えば、無線送信処理部121とPA122の歪成分の切り分け或いはLNA151と無線受信処理部152の歪成分の切り分けが可能となるという利点を有する。
2010年3月2日出願の特願2010−045479に含まれる明細書、図面及び要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
本発明に係る無線通信装置及び無線通信方法は、ミリ波帯を用いた近距離無線通信等の送受信間距離の変化に応じて受信電力が変化するような無線通信システムにおける無線通信装置等として有用である。
100,200,300,400 無線通信装置
110 ベースバンド処理部
111 歪検出部
120 送信回路
121 無線送信処理部
122 電力増幅器(PA:Power Amplifier)
130,210 送信アンテナ(Tx_ANT)
140 受信アンテナ(Rx_ANT)
150 受信回路
151 低雑音増幅器(LNA)
152 無線受信処理部
160 利得制御部
170,230 結合量制御部
180,220 結合量調整回路
181 無給電素子
182,183 スイッチ
190 GND
211−1〜211−N アンテナ素子
221−1〜220−N 移相器
310−1,310−2,420−1,420−2 分岐回路
320,430 インピーダンス調整回路
321 増幅器
322 入力伝送線路
323 出力伝送線路
324 トランジスタ
325 ドレイン端子
326 ゲート端子
330 インピーダンス制御部

Claims (8)

  1. 通常送受信モードと歪補正モードとを有する無線通信装置であって、
    送信ベースバンド信号から無線送信処理によって高周波信号を生成する送信処理回路、及び、前記高周波信号を増幅する電力増幅器を含む送信回路と、
    前記電力増幅器により増幅された前記高周波信号を送信する送信アンテナと、
    前記送信アンテナにより送信された前記高周波信号を受信する受信アンテナと、
    前記受信アンテナにより受信された前記高周波信号を増幅する低雑音増幅器、及び、前記低雑音増幅器により増幅された前記高周波信号を復調して受信ベースバンド信号を生成する受信処理回路を含む受信回路と、
    前記送信ベースバンド信号及び前記受信ベースバンド信号を用いて、歪成分を検出する歪検出手段と、
    前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間の結合量を調整する調整手段と、
    前記通常送受信モードと前記歪補正モードとで、前記結合量を切り替える制御手段と、
    を具備する無線通信装置。
  2. 前記電力増幅器及び前記低雑音増幅器のうち、少なくとも一方の利得を制御する利得制御手段、を更に具備し、
    前記制御手段は、
    前記利得制御手段により設定された前記利得に基づいて、前記送信アンテナから前記受信アンテナへの折り返し信号の強度が、前記受信回路を歪ませないレベルとなるように、前記結合量を制御する、
    請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間にはGNDが配置され、
    前記調整手段は、
    無給電素子と、
    前記GNDと前記無給電素子との間に配置されたスイッチと、を具備する、
    請求項1に記載の無線通信装置。
  4. 前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間にはGNDが配置され、
    前記調整手段は、
    無給電素子と、
    前記GNDと前記無給電素子との間に配置された可変容量と、を具備する、
    請求項1に記載の無線通信装置。
  5. 前記送信アンテナの電界面と前記受信アンテナの電界面とを対向して配置する、
    請求項1に記載の無線通信装置。
  6. 前記送信回路、前記受信回路、及び、前記スイッチが、MMICによって構成される、
    請求項3に記載の無線通信装置。
  7. 前記送信アンテナは、
    複数のアンテナ素子で構成され、
    前記調整手段は、
    複数の移相器で構成され、前記複数の移相器のそれぞれは、前記複数のアンテナ素子と前記電力増幅器との間にそれぞれ設けられ、
    前記制御手段は、前記複数の移相器の位相を調整することによって、前記結合量を制御する、
    請求項1に記載の無線通信装置。
  8. 通常送受信モードと歪補正モードとを有する無線通信装置に適用される無線通信方法であって、
    送信ベースバンド信号から無線送信処理によって高周波信号を生成し、
    前記高周波信号を増幅して送信信号を生成し、
    前記送信信号を送信し、
    前記送信信号を受信して受信信号を出力し、
    前記受信信号を増幅し、
    増幅された前記受信信号を復調して受信ベースバンド信号を生成し、
    前記送信ベースバンド信号及び前記受信ベースバンド信号を用いて、歪成分を検出し、
    送信アンテナと受信アンテナとの間の結合量を調整し、
    前記通常送受信モードと前記歪補正モードとで、前記結合量を切り替える、
    無線通信方法。
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