JPWO2011105447A1 - マルチパス検出方法、マルチパス検出プログラム、gnss受信装置、および移動端末 - Google Patents
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Abstract
【課題】C/Noのみによることなく、マルチパスの有無を正確に検出する。【解決手段】受信信号のC/No(iv)とともに、擬似距離PR(iv)およびデルタレンジDR(iv)を取得する(S101)。まず、個別の計測値による判定処理として、擬似距離PR(iv)およびデルタレンジDR(iv)から差分値DV(iv)を算出し、それぞれに閾値を設けて、マルチパスの有無を判定する(S102〜S104)。次に、連続値による判定処理として、C/Noの平均値C/No(Av)および標準偏差σC/No、差分値の平均値DV(Av)および標準偏差σDVを算出し、同様にそれぞれに閾値を設けて、マルチパスの有無を判定する(S105〜S109)。そして、個別の計測値、連続値による判定でマルチパス無しならば、最終的にマルチパス無しと判定する(S110)。【選択図】 図2
Description
本発明は、GNSS衛星からの測位信号を受信する際に生じるマルチパスを検出するマルチパス検出方法に関するものである。
従来、GNSS衛星からの測位信号を受信して測位を行う測位装置が、多く実用化されれいる。このような測位装置では、GNSS衛星から送信された測位信号を直接受信することで正確な測位が可能である。しかしながら、例えば市街地のように測位装置周辺に高層な建築物等が存在する場合、測位装置は、GNSS衛星からの直接的な測位信号とともに、高層な建築物等で反射した間接的な測位信号も受信してしまい、測位誤差が生じる。このような誤差を、マルチパス誤差を称し、従来から当該マルチパスを検出および除去する方法が各種考案されている。
例えば、特許文献1の発明では、測位信号のコード相関処理を行う際に、コード相関のピークを検出すると、位相軸上で過去の方向に再度ピークを探し、より高いピークが存在すれば、最初に検出したピークをマルチパスによるピークと判定している。
また、特許文献2の発明では、最も仰角の高いGNSS衛星の受信信号のC/Noを基準に、C/Noの閾値を決定し、当該閾値のC/Noよりも低いC/Noの受信信号をマルチパスによる受信信号と判定している。
また、特許文献3の発明では、前回の推定擬似距離から今回の近似擬似距離を算出し、当該近似擬似距離と今回の推定擬似距離との差分値が閾値以上であればマルチパス有りと判定している。
しかしながら、特許文献1の発明では、マルチパスでない場合でも、相関ピークを検出した後に、位相軸の過去方向へピークのサーチを行わなければならない。また、特許文献2の発明では、例えば、最も仰角の高いGNSS衛星のC/Noが低かったり、マルチパスのC/Noが高くなる等の場合が生じることも考えられ、マルチパスを正確に検出できるとは限らない。また、特許文献3では、通常の擬似距離推定処理とは別に、マルチパスの判別のためだけに、前回の推定擬似距離と前回の推定相対速度とから近似擬似距離の算出処理を行わなければならず、処理負荷が増大化してしまう。
本発明の目的は、通常の相関処理結果を用い、且つC/Noの不安定性による影響を抑圧し、より正確にマルチパスを検出できるマルチパス検出装置およびマルチパス検出方法を実現することにある。
この発明は、GNSS測位信号の受信信号にマルチパス信号が含まれていることを示す検出信号を出力するマルチパス検出方法に関する。このマルチパス検出方法は、受信信号のコード位相差に基づいて擬似距離を算出する擬似距離算出工程と、受信信号のドップラシフトを測定するドップラシフト測定工程と、所定時間の擬似距離の変化率およびドップラシフトに基づいて、検出信号を出力するマルチパス検出工程と、を有する。
また、この発明は、GNSS測位信号の受信信号にマルチパス信号が含まれていることを示す検出信号を出力するマルチパス検出方法に関する。このマルチパス検出方法は、受信信号のコード位相差に基づいて擬似距離を算出する擬似距離算出工程と、受信信号のドップラシフトを測定するドップラシフト測定工程と、受信信号のC/Noを測定するC/No測定工程と、所定時間の擬似距離の変化率、ドップラシフト、およびC/Noに基づいて、検出信号を出力するマルチパス検出工程と、を有する。
これらの方法では、具体的には実施形態で示すが、次の各特徴に着目したことにより得られる。
(1)C/Noの時間遷移および擬似距離の時間遷移は、マルチパスの発生している期間とマルチパスの発生していない期間とで大きく異なる。
(2)ドップラ周波数の時間遷移がマルチパスの発生している期間とマルチパスの発生していない期間とに依存することなく殆ど変化しない。
(3)擬似距離の時間遷移から得られる擬似距離の時間変化量と、デルタレンジとが同じ次元(速度単位)で扱うことができる。
これらの特徴を利用し、マルチパスに影響され易い擬似距離の時間変化量と、マルチパスに影響されにくいデルタレンジとの差分値を算出すれば、当該差分値は、マルチパスのみに依存するデータとなる。
したがって、当該差分値を用いることで、マルチパスの有無を正確に判定することができる。さらに、C/Noのレベルを用いることで、より正確なマルチパスの有無の判定を行うこともできる。
また、この発明のマルチパス検出方法では、マルチパス検出工程は、所定時間の擬似距離の変化率とドップラシフトとの差分値、該差分値の平均値、または該差分値の標準偏差の少なくとも一つが、C/Noに基づく閾値以上の時に、検出信号を出力する。
また、この発明のマルチパス検出方法では、C/Noに基づく閾値は、予め測定した該C/Noに対応する差分値の標準偏差に基づく値である。
また、この発明のマルチパス検出方法では、マルチパス検出工程は、C/No、該C/Noの差分値、または該C/Noの標準偏差の少なくとも一つが所定値以上の時に、検出信号を出力する。
これらの方法では、より具体的なマルチパスの検出方法について示している。例えば、差分値によるマルチパスの検出に、C/Noに基づく閾値を利用している。これは、C/Noが高いほど擬似距離が安定して算出される傾向があり、差分値が低くなる傾向にあることを利用している。このように、C/Noに応じて差分値の閾値を設定することで、さらに正確にマルチパスを検出することができる。
この発明によれば、到来するGNSS測位信号の受信信号の内のマルチパス受信信号を、正確に検出することができる。
本発明の第1の実施形態に係るマルチパス検出方法およびマルチパス検出機能部について、図を参照して説明する。なお、本実施形態では、GNSSのGPSを例に説明するが、同様の他の測位システムに対しても本実施形態の方法および構成を適用することができる。
まず、本発明のマルチパス検出の概念について、図1を参照して説明する。図1は本発明のマルチパス検出概念を説明する為の図であり、図1(A)は特定の1個のGPS衛星からのGPS信号を経時的に受信した際のC/Noと擬似距離誤差との時間遷移を示す図であり、図1(B)は図1(A)と同じ条件での擬似距離変化とデルタレンジとの時間遷移を示す図である。本実験は、自装置位置すなわち真擬似距離が既知の状態である前提で行われている。なお、デルタレンジとはドップラシフトに相当する量のことである。
ここで、図1(A)における擬似距離誤差Error(PR(iv))は、それぞれのカウント(cnt)タイミングでの擬似距離PR(iv)と真の擬似距離との差分値である。擬似距離PR(iv)は、各カウントタイミングに準じて受信信号のコード相関結果を過去側の所定時間長(例えば1秒間)積算した結果から算出される。
図1(A)におけるC/No(iv)は、各カウントタイミングに準じて受信信号の二次元の相関スペクトルによる相関結果を過去側の所定時間長(例えば1秒間)積算した結果から算出される。なお、本実施形態では、コード軸上の相関値と、周波数軸上での相関値とからなる二次元の相関スペクトルによる相関結果を用いる例を示しているが、他の相関結果であってもよい。
図1(B)における擬似距離変化Rr(iv)は、各カウントタイミングでの擬似距離PR(iv)nと、各カウントタイミングの直前のカウントタイミングでの擬似距離PR(iv)n+1との差分から算出される。
図1(B)におけるデルタレンジDR(iv)は、それぞれのカウントタイミングに準じて受信信号のドップラ周波数を所定時間長(例えば1秒間)積分して算出される。
そして、図1(A)のハッチング部に示すように、カウント(cnt)が80〜120程度の時間領域、および250〜360程度の時間領域は、擬似距離誤差Error(PR(iv))は、略「0」となっており、当該時間領域ではマルチパスが発生しておらず、他の時間領域では少なからずマルチパスが発生している可能性が高いと考えられる。この点から考えて、C/No(iv)は、マルチパスが発生していない時間領域では安定し、マルチパスが発生している時間領域では変動が激しいことが分かる。
また、図1(B)に示すように、擬似距離変化Rr(iv)も、マルチパスが発生していない時間領域では安定し、マルチパスが発生している時間領域では変動が激しいことが分かる。
一方、図1(B)に示すように、デルタレンジDR(iv)は、マルチパスの発生の有無に無関係で一定である。これは、デルタレンジが、ドップラ周波数に依存するので、マルチパスの発生の有無には影響されないからだと考えられる。
ここで、擬似距離変化Rr(iv)は、距離の時間変化量すなわち速度単位で表され、デルタレンジDR(iv)は、ドップラ周波数の積分値を速度単位で表した値なので、これらを単純に四則演算することができる。これを利用し、擬似距離変化Rr(iv)をデルタレンジDR(iv)で減算することで、差分値DV(iv)を算出する。この差分値DV(iv)は、擬似距離変化Rr(iv)とデルタレンジDR(iv)との差分値であるので、擬似距離変化Rr(iv)が安定なマルチパスが発生していない時間領域では略一致値になり、擬似距離変化Rr(iv)が不安定なマルチパスが発生する時間領域では変動が大きくなる。
さらに、図1(B)に示すように、擬似距離変化Rr(iv)とデルタレンジDR(iv)とは、時間遷移による値の遷移傾向が同じである。このため、差分値DV(iv)は、擬似距離変化Rr(iv)をデルタレンジDR(iv)で規格化したような値となる。これにより、マルチパス以外の外的要因による影響を抑圧して擬似距離変化Rr(iv)の時間遷移を観測することができる。
これらの特徴を見いだした上で、本実施形態では、次の項目に基づいてマルチパスを検出する。
(1)C/No(iv)、当該C/No(iv)を複数用いて算出された平均値C/No(Av)、および標準偏差σC/No。
(2)擬似距離変化とデルタレンジとの差分値DV(iv)、当該差分値DV(iv)を複数用いて算出された平均値DV(Av)、および標準偏差σDV。
これらの値に対して、実験的に得られた閾値を設定し、当該閾値によるマルチパス検出条件を満たした場合にマルチパスが有ると判定し、当該マルチパス検出条件を満たさない場合にマルチパスが無いと判定する。
次に、本実施形態の具体的なマルチパス検出方法について、図2を参照して説明する。図2は本実施形態のマルチパス検出方法のフローチャートである。
まず、本実施形態のマルチパス検出方法では、C/No(iv)、擬似距離PR(iv)、およびデルタレンジDR(iv)を、カウントタイミング毎(例えば1秒毎)に取得して記憶する(S101)。この際、C/No(iv)は、上述のようにカウントタイミング間の期間(例えば1秒間)に得られた二次元の相関スペクトルによる相関結果、すなわちコード位相軸の相関データ分布および周波数軸の相関データ分布から算出される。擬似距離PR(iv)は、上述のようにカウントタイミング間の期間(例えば1秒間)に得られたコード位相差の積算値から既知の方法を用いて算出される。デルタレンジDR(iv)は、上述のようにカウントタイミング間の期間(例えば1秒間)に得られたキャリア位相差から得られるドップラ周波数を積分することにより算出される。
次に、擬似距離変化Rr(iv)を、擬似距離PR(iv)と直前の擬似距離PR(iv)とを差分することで得る。そして、この算出された擬似距離変化Rr(iv)とデルタレンジDR(iv)とを差分演算して、差分値DV(iv)を算出し、記憶する(S102)。
次に、C/No(iv)に対するマルチパスの判定用閾値C/Noth(iv)を設定する。この判定用閾値C/Noth(iv)は、装置仕様、過去の観測結果や実験結果からにより適宜設定される値である。さらに、観測したC/No(iv)に基づいて、差分値DV(iv)に対するマルチパスの判定用閾値DVth(iv)を、次式を用いて設定する(S103)。
ここで、各係数a0,a1,a2は図3に示す実験結果から決定される。
図3(A)は、差分値DV(iv)に対するマルチパスの判定用閾値DVth(iv)を決定する係数を得るための実験結果の一例を示すグラフであり、差分値DVとC/Noとの関係を示す。図3(B)は、差分値DVの標準偏差とC/Noとの関係を示しており、図中の菱形印が図3(A)に示した各C/Noでの標準偏差を示し、実線がその近似曲線を示す。この近似曲線から各係数a0,a1,a2を設定する。
図3に示すように、差分値DVは、C/Noが低いほどバラツキが大きく、最大値の絶対値が大きくなる。一方で、差分値DVは、C/Noが高いほど小さく、最大値の絶対値は小さくなり、「0」に近づく。そして、差分値DVは、C/Noが大きくなるにつれて、指数関数的に低下していく。
この実験結果に基づいて、判定用閾値DVth(iv)を決定することで、C/Noに応じた閾値を設定することができ、例えば、C/Noが高くてもマルチパスが有るような状況や、C/Noが低くてもマルチパスが無いような状況であっても、確実にマルチパスの有無を判定することができる。なお、この係数は、マルチパス検出の仕様等により適宜微調整することもできる。
次に、C/No(iv)と判定用閾値C/Noth(iv)とを比較し、差分値DV(iv)と判定用閾値DVth(iv)とを比較する。そして、C/No(iv)が判定用閾値C/Noth(iv)以上で、且つ、差分値DV(iv)が判定用閾値DVth(iv)以下であれば、個別の計測値による判定においてはマルチパスが無いと判定する(S104:Yes)。
一方で、C/No(iv)が判定用閾値C/Noth(iv)未満であるか、または、差分値DV(iv)が判定用閾値DVth(iv)より大きくなるか、のいずれか一方を少なくとも満たせば、マルチパス有りと判定する(S104:No→S111)。
次に、個別の計測値によるマルチパス判定が終了すると、連続値によるマルチパス判定を行う。まず、C/No(iv)と差分値DV(iv)とが、所定データ数取得できているかを判定する。すなわち、C/Noの平均値C/No(Av)および標準偏差σC/No、差分値の平均値DV(Av)および標準偏差σDVを算出するサンプリング数のデータ数が存在するか、どうかを判定する。ここで、所定データ数を取得できなければ、判定不能とする(S105:No→S112)。
一方、所定データ数を取得できれば(S105:Yes)、C/Noの平均値C/No(Av)および標準偏差σC/No、差分値の平均値DV(Av)および標準偏差σDVを算出する(S106)。
次に、C/Noの平均値C/No(Av)に対するマルチパスの判定用閾値C/Noth(Av)、および標準偏差σC/Noに対するマルチパスの判定用閾値σthC/Noを設定する(S107)。これら、判定用閾値C/Noth(Av)、σthC/Noは上述の判定用閾値C/No(iv)と同様に、装置仕様、過去の観測結果や実験結果からにより適宜設定される。また、差分値の平均値の判定用閾値DVth(Av)および標準偏差の判定用閾値σthDVを、上述の判定用閾値DVth(iv)と同様に設定する。これらの値は、同じであってもよく、互いに定数倍の関係に設定されていてもよい。
次に、差分値の平均値DV(Av)と判定用閾値DVth(Av)とを比較するとともに、差分値の標準偏差σDV(AV)と判定用閾値σthDV(Av)とを比較する。そして、差分値の平均値DV(Av)が判定用閾値DVth(Av)以下であり、且つ、差分値の標準偏差σDV(AV)も判定用閾値σthDV(Av)以下であると、差分値の平均値および標準偏差による判定でマルチパス無しと判定する(S108:Yes)。一方、差分値の平均値DV(Av)が判定用閾値DVth(Av)より大きいか、または、差分値の標準偏差σDV(AV)が判定用閾値σthDV(Av)より大きいと、マルチパス有りと判定する(S108:No→S111)。
次に、C/Noの平均値C/No(Av)と判定用閾値C/Noth(Av)とを比較するとともに、C/Noの標準偏差σC/Noと判定用閾値σthC/Noとを比較する。そして、C/Noの平均値C/No(Av)が判定用閾値C/Noth(Av)以下であるか、または、C/Noの標準偏差σC/No(AV)も判定用閾値σthC/No(Av)以下であると、C/Noの平均値および標準偏差による判定でマルチパス無しと判定し(S109:Yes)、最終的にマルチパス無しと判定する(S110)。一方、この条件を満たさなければ、マルチパス有りと判定する(S109:No→S111)。
以上のような処理を行うことで、マルチパスの有無を正確に検出することができる。
例えば、図4は、本実施形態の方法を用いた場合の個別の計測値によるマルチパスの検出結果の一例を示すグラフである。図4は、上述の図1のカウントタイミング121〜128すなわちマルチパス無しからマルチパス有りへ移行する時間的境界を示しており、縦軸は速度単位を表し、菱形マークが擬似距離変化Rr(iv)、四角マークがデルタレンジDr(iv)、三角マークがデルタレンジDr(iv)に差分値DV(iv)の判定用閾値DVth(iv)を加算した値を示す。
図4に示すように、本実施形態のマルチパス検出方法を用いれば、カウントタイミング128では、マルチパス有りと判定される。この際、C/Noはマルチパス無しの条件を満たしているが、このように差分値DV(iv)によりマルチパス有りと判定されるため、検出結果としては、マルチパス有りとなる。このように、本実施形態のマルチパス検出方法を用いることで、より厳密にマルチパスを検出することができる。
次に、このようなマルチパス検出を実現する装置構成を、図を参照して説明する。図5は本実施形態のマルチパス検出機能部の主要構成を示すブロック図である。
図5に示すように、本実施形態のマルチパス検出機能部1は、キャリア相関部13、コード相関部14、デルタレンジ測定部15、C/No測定部16、擬似距離算出部17、およびマルチパス検出部18を備える。キャリア相関部13およびコード相関部14は、本実施形態では個別のループで構成する例を示しているが、所謂コード相関結果をキャリア相関処理に利用し、キャリア相関結果をコード相関処理に利用する、所謂コード−キャリア統合追尾ループを用いてもよい。
これらキャリア相関部13およびコード相関部14には、ベースバンド変換部12に接続している。ベースバンド変換部12は、アンテナ10で受信したGPS信号がRF処理部11によって中間周波数にダウンコンバートされたIF信号が入力される。ベースバンド変換部12は、キャリア相関部13のキャリヤNCO33からのキャリア周波数信号を用いてIF信号をベースバンドのコード信号に変換してコード相関部14へ出力する。
キャリア相関部13は、キャリア相関器31、ループフィルタ32、キャリアNCO33を備える。キャリア相関器31は、キャリアNCO33からキャリア周波数信号と、RF処理部11のIF信号とを乗算して、キャリア位相差を出力する。出力されたキャリア位相差は、ループフィルタ32を介してキャリアNCO33へフィードバックされる。また、キャリア位相差は、デルタレンジ測定部15へも出力される。
コード相関部14は、P相関器41P、E相関器41E、L相関器41L、加算器42、ループフィルタ43、コードNCO44、シフトレジスタ45を備える。
このコード相関部14は、所謂Early−Late相関を行うことで、コード追尾を行う相関部である。
P相関器41Pは、Punctualレプリカコードとベースバンド変換部12からのコード信号とを乗算してPunctualの位相差データを出力する。E相関器41Eは、Punctualレプリカコードに対してコード位相が1/2chip分進むEarlyレプリカコードとベースバンド変換部12からのコード信号とを乗算してEarlyの位相差データを出力する。L相関器41Lは、Punctualレプリカコードに対してコード位相が1/2chip分遅れるLateレプリカコードとベースバンド変換部12からのコード信号とを乗算してLateの位相差データを出力する。なお、この説明では、Early,Punctual,Lateの各位相差を1/2chipに設定しているが、当該位相差は状況に応じて適宜設定すればよい。
加算器42は、Earlyの位相差データとLateの位相差データとを差分して、E−L相関データを生成する。E−L相関データは、ループフィルタ43を介してコードNCO44へフィードバックされるとともに擬似距離算出部17へも出力される。
コードNCO44は、E−L相関データに基づいてレプリカコードを生成し、シフトレジスタ45へ出力する。シフトレジスタ45は、コードNCO44からのレプリカコードに基づいて、互いにコード位相が1/2chip分ずつ異なるEarlyレプリカコード、Punctualレプリカコード、およびLateレプリカコードを生成する。PunctualレプリカコードはP相関器41Pへ、EarlyレプリカコードはE相関器41Eへ、LateレプリカコードはL相関器41Lへ同期して出力される。
デルタレンジ測定部15は、キャリア位相差からドップラ周波数を算出し、当該ドップラ周波数の所定時間長(例えば1秒)分を積分することで、デルタレンジDR(iv)を算出する。
C/No測定部16は、コード相関部14からのPunctualの位相差データを所定時間長(例えば1秒間)記憶し、これら記憶した時間軸上に列ぶ複数のPunctualの位相差データをFFT処理等の周波数変換処理し、時間軸上のスペクトルと周波数軸上のスペクトルとからなる二次元の相関スペクトルからC/No(iv)を測定する。
擬似距離算出部17は、コード相関部14からのE−L相関データに基づいて、既知の方法から擬似距離PR(iv)を算出する。
マルチパス検出部18は、デルタレンジ測定部15からのデルタレンジDR(iv)、擬似距離算出部17からの擬似距離PR(iv)に基づいて、上述のように、差分値DV(iv)を算出する。マルチパス検出部18は、差分値DV(iv)と、C/No測定部16からのC/No(iv)とを用いて、個別の計測値によるマルチパス判定を行うともに、差分値DV(iv)およびC/No(iv)から得られる差分値の平均値DV(Av)、差分値の標準偏差σDV(AV)、C/Noの平均値C/No(Av)、差分値の標準偏差σC/No(AV)に基づいて連続値によるマルチパス判定を行う。
このような構成とすることで、上述のマルチパス検出方法を実行するマルチパス検出機能部1を実現することができる。
なお、上述の実施形態では、個別の計測値によるマルチパス判定の後に、連続値によるマルチパス判定を行う例を示したが、図6に示すように、差分値DVによるマルチパス判定の後に、C/Noによるマルチパス判定を行うようにしてもよい。図6は、第2の実施形態の他のマルチパス検出方法のフローチャートである。
この検出方法でも、まず、第1の実施形態と同様に、C/No(iv)、擬似距離PR(iv)、およびデルタレンジDR(iv)を、カウントタイミング毎(例えば1秒毎)に取得して記憶する(S201)。
次に、擬似距離変化Rr(iv)を、擬似距離PR(iv)と直前の擬似距離PR(iv)とを差分することで得る。そして、この算出された擬似距離変化Rr(iv)とデルタレンジDR(iv)とを差分演算して、差分値DV(iv)を算出し、記憶する(S202)。
次に、まず差分値DVによるマルチパス判定を行う。まず、観測したC/No(iv)に基づいて、差分値DV(iv)に対するマルチパスの判定用閾値DVth(iv)を、第1の実施形態と同様に設定する(S203)。
次に、差分値DV(iv)と判定用閾値DVth(iv)とを比較し、差分値DV(iv)が判定用閾値DVth(iv)以下であれば、マルチパスが無いと判定する(S204:Yes)。一方で、差分値DV(iv)が判定用閾値DVth(iv)より大きくなれば、マルチパス有りと判定する(S204:No→S215)。
次に、差分値DV(iv)によるマルチパス判定が終了すると、連続値によるマルチパス判定を行う。まず、差分値DV(iv)が、所定データ数取得できているかを判定する。すなわち、差分値の平均値DV(Av)および標準偏差σDVを算出するサンプリング数のデータ数が存在するか、どうかを判定する。ここで、所定データ数を取得できなければ、判定不能とする(S205:No→S216)。
一方、所定データ数を取得できれば(S205:Yes)、差分値の平均値DV(Av)および標準偏差σDVを算出する(S206)。
また、差分値の平均値の判定用閾値DVth(Av)および標準偏差の判定用閾値σthDVを、上述の判定用閾値DVth(iv)と同様に設定する(S207)。
次に、差分値の平均値DV(Av)と判定用閾値DVth(Av)とを比較するとともに、差分値の標準偏差σDV(AV)と判定用閾値σthDV(Av)とを比較する。そして、差分値の平均値DV(Av)が判定用閾値DVth(Av)以下であり、且つ、差分値の標準偏差σDV(AV)も判定用閾値σthDV(Av)以下であると、差分値による判定でマルチパス無しと判定し、C/Noによる判定へ移行する(S208:Yes)。一方、差分値の平均値DV(Av)が判定用閾値DVth(Av)より大きいか、または、差分値の標準偏差σDV(AV)が判定用閾値σthDV(Av)より大きいと、マルチパス有りと判定する(S208:No→S215)。
次に、C/No(iv)に対するマルチパスの判定用閾値C/Noth(iv)を、第1の実施形態と同様の方法で設定する(S209)。
次に、C/No(iv)と判定用閾値C/Noth(iv)とを比較し、C/No(iv)が判定用閾値C/Noth(iv)以上であれば、マルチパスが無いと判定する(S210:Yes)。
一方で、C/No(iv)が判定用閾値C/Noth(iv)未満であれば、マルチパス有りと判定する(S210:No→S215)。
次に、個別の計測値によるマルチパス判定が終了すると、連続値によるマルチパス判定を行う。まず、C/Noの平均値C/No(Av)および標準偏差σC/Noを算出する(S211)。
次に、C/Noの平均値C/No(Av)に対するマルチパスの判定用閾値C/Noth(Av)、および標準偏差σC/Noに対するマルチパスの判定用閾値σthC/Noを算出する(S212)。
次に、C/Noの平均値C/No(Av)と判定用閾値C/Noth(Av)とを比較するとともに、C/Noの標準偏差σC/Noと判定用閾値σthC/Noとを比較する。そして、C/Noの平均値C/No(Av)が判定用閾値C/Noth(Av)以下であるか、または、C/Noの標準偏差σC/No(AV)も判定用閾値σthC/No(Av)以下であると、C/Noの平均値および標準偏差による判定でマルチパス無しと判定し(S213:Yes)、最終的にマルチパス無しと判定する(S214)。一方、この条件を満たさなければ、マルチパス有りと判定する(S213:Yes→S215)。
このような方法であっても、マルチパスの有無を正確に検出することができる。
次に、第3の実施形態に係るマルチパス検出方法について図を参照して説明する。図7は本実施形態のマルチパス検出方法のフローチャートである。
本実施形態のマルチパス検出方法のステップS301〜S303は、第1実施形態のステップS101〜S103と同じであり説明は省略する。
そして、本実施形態のマルチパス検出方法では、まず個別の計測値のみでマルチパスの有無の判定を行う。具体的には、C/No(iv)と判定用閾値C/Noth(iv)とを比較し、差分値DV(iv)と判定用閾値DVth(iv)とを比較する。そして、C/No(iv)が判定用閾値C/Noth(iv)以上で、且つ、差分値DV(iv)が判定用閾値DVth(iv)以下であれば、はマルチパスが無いと判定する(S104:Yes→S310)。
一方で、C/No(iv)が判定用閾値C/Noth(iv)未満であるか、または、差分値DV(iv)が判定用閾値DVth(iv)より大きくなるか、のいずれか一方を少なくとも満たせば、個別の計測値での判定ではマルチパス有りと判定し連続値によるマルチパスの有無の判定へ移行する(S304:No→S305)。
そして、C/No(iv)と差分値DV(iv)とが、所定データ数取得できているかを判定する。すなわち、C/Noの平均値C/No(Av)および標準偏差σC/No、差分値の平均値DV(Av)および標準偏差σDVを算出するサンプリング数のデータ数が存在するか、どうかを判定する。ここで、所定データ数を取得できなければ、判定不能とする(S305:No→S312)。
一方、所定データ数を取得できれば(S305:Yes)、C/Noの平均値C/No(Av)および標準偏差σC/No、差分値の平均値DV(Av)および標準偏差σDVを算出する(S306)。
次に、C/Noの平均値C/No(Av)に対するマルチパスの判定用閾値C/Noth(Av)、および標準偏差σC/Noに対するマルチパスの判定用閾値σthC/Noを、第1の実施形態と同様の方法で設定する。また、差分値の平均値の判定用閾値DVth(Av)および標準偏差の判定用閾値σthDVを、上述の判定用閾値DVth(iv)と同様に設定する(S307)。
次に、差分値の平均値DV(Av)と判定用閾値DVth(Av)とを比較するとともに、差分値の標準偏差σDV(AV)と判定用閾値σthDV(Av)とを比較する。そして、差分値の平均値DV(Av)が判定用閾値DVth(Av)以下であり、且つ、差分値の標準偏差σDV(AV)も判定用閾値σthDV(Av)以下であると、差分値の平均値および標準偏差による判定でマルチパス無しと判定する(S308:Yes)。一方、差分値の平均値DV(Av)が判定用閾値DVth(Av)より大きいか、または、差分値の標準偏差σDV(AV)が判定用閾値σthDV(Av)より大きいと、マルチパス有りと判定する(S108:No→S311)。
次に、C/Noの平均値C/No(Av)と判定用閾値C/Noth(Av)とを比較するとともに、C/Noの標準偏差σC/Noと判定用閾値σthC/Noとを比較する。そして、C/Noの平均値C/No(Av)が判定用閾値C/Noth(Av)以下であるか、または、C/Noの標準偏差σC/No(AV)も判定用閾値σthC/No(Av)以下であると、C/Noの平均値および標準偏差による判定でマルチパス無しと判定し(S309:Yes)、最終的にマルチパス無しと判定する(S310)。一方、この条件を満たさなければ、マルチパス有りと判定する(S309:No→S111)。
このような方法であっても、マルチパスの有無を検出することができる。そして、本実施形態のマルチパス検出方法を用いれば、マルチパス以外の要因で個別の計測値が変動してマルチパス有りと判定されても、連続値(平均値や標準偏差)により、マルチパス無しと判定することができる。
次に、第4の実施形態に係るマルチパス検出方法について図を参照して説明する。図8は本実施形態のマルチパス検出方法のフローチャートである。
本実施形態のマルチパス検出方法のステップS401〜S403は、第2実施形態のステップS201〜S203と同じであり説明は省略する。
そして、本実施形態のマルチパス検出方法では、まず差分値DV(iv)のみでマルチパスの有無の判定を行う。具体的には、差分値DV(iv)と判定用閾値DVth(iv)とを比較し、差分値DV(iv)が判定用閾値DVth(iv)以下であれば、マルチパスが無いと判定し、C/Noによるマルチパスの有無の判定へ移行する(S404:Yes)。一方で、差分値DV(iv)が判定用閾値DVth(iv)より大きくなれば、個別の計測値ではマルチパス有りと判定する(S404:No→S405)。
次に、差分値DV(iv)によってマルチパス有りと判定されると、連続値によるマルチパス判定を行う。まず、差分値DV(iv)が、所定データ数取得できているかを判定する。すなわち、差分値の平均値DV(Av)および標準偏差σDVを算出するサンプリング数のデータ数が存在するか、どうかを判定する。ここで、所定データ数を取得できなければ、判定不能とする(S405:No→S417)。
一方、所定データ数を取得できれば(S405:Yes)、差分値の平均値DV(Av)および標準偏差σDVを算出する(S406)。
また、差分値の平均値の判定用閾値DVth(Av)および標準偏差の判定用閾値σthDVを、上述の判定用閾値DVth(iv)と同様に設定する(S407)。
次に、差分値の平均値DV(Av)と判定用閾値DVth(Av)とを比較するとともに、差分値の標準偏差σDV(AV)と判定用閾値σthDV(Av)とを比較する。そして、差分値の平均値DV(Av)が判定用閾値DVth(Av)以下であり、且つ、差分値の標準偏差σDV(AV)も判定用閾値σthDV(Av)以下であると、差分値の連続値による判定でマルチパス無しと判定し、C/Noによる判定へ移行する(S408:Yes)。一方、差分値の平均値DV(Av)が判定用閾値DVth(Av)より大きいか、または、差分値の標準偏差σDV(AV)が判定用閾値σthDV(Av)より大きいと、マルチパス有りと判定する(S408:No→S416)。
次に、C/No(iv)に対するマルチパスの判定用閾値C/Noth(iv)を、第1の実施形態と同様の方法で設定する(S409)。
次に、C/No(iv)と判定用閾値C/Noth(iv)とを比較し、C/No(iv)が判定用閾値C/Noth(iv)以上であれば、マルチパスが無いと判定し(S410:Yes)、全体の検出処理としてマルチパス無しと判定する(S415)。
一方で、C/No(iv)が判定用閾値C/Noth(iv)未満であれば、個別の計測値ではマルチパス有りと判定し、連続値による判定へ移行する(S410:No→S411)。
まず、差分値DV(iv)が、所定データ数取得できているかを判定する。すなわち、C/Noの平均値C/No(Av)および標準偏差σC/Noを算出するサンプリング数のデータ数が存在するか、どうかを判定する。ここで、所定データ数を取得できなければ、判定不能とする(S411:No→S418)。
次に、C/Noの平均値C/No(Av)および標準偏差σC/Noを算出する(S412)。
次に、C/Noの平均値C/No(Av)に対するマルチパスの判定用閾値C/Noth(Av)、および標準偏差σC/Noに対するマルチパスの判定用閾値σthC/Noを算出する(S413)。
次に、C/Noの平均値C/No(Av)と判定用閾値C/Noth(Av)とを比較するとともに、C/Noの標準偏差σC/Noと判定用閾値σthC/Noとを比較する。そして、C/Noの平均値C/No(Av)が判定用閾値C/Noth(Av)以下であるか、または、C/Noの標準偏差σC/No(AV)も判定用閾値σthC/No(Av)以下であると、C/Noの平均値および標準偏差による判定でマルチパス無しと判定し(S414:Yes)、最終的にマルチパス無しと判定する(S415)。一方、この条件を満たさなければ、マルチパス有りと判定する(S414:Yes→S416)。
このような方法であっても、マルチパスの有無を正確に検出することができる。そして、第3の実施形態と同様に、マルチパス以外の要因で個別の計測値が変動してマルチパス有りと判定されても、連続値(平均値や標準偏差)により、マルチパス無しと判定することができる。
なお、上述のようなマルチパス検出機能部1は、図9に示すような測位装置120を備えた移動端末100等に用いられている。図9は、発明のマルチパス検出機能部を含む移動端末100の主要構成を示すブロック図である。
図9に示すような移動端末100は、例えば携帯電話機、カーナビゲーション装置、PND、カメラ、時計等であり、アンテナ10、受信部110、測位装置120、アプリケーション処理部130を備える。この受信部110、測位装置120がGNSS受信装置121となる。
アンテナ10は図5に示したアンテナと同じであり、受信部110は、図5のRF処理部11およびベースバンド変換部12に相当する機能部である。
マルチパス検出機能部101が上述のマルチパス検出機能部1に相当し、測位演算部102は、マルチパス検出機能部101からのマルチパス検出情報や擬似距離等や航法メッセージを用いて、自装置位置を測位し、測位結果をアプリケーション処理部130へ出力する。なお、このマルチパス検出機能部101と測位演算部102とは、測位装置120として機能し、当該測位装置120を単独の装置として使用することもできる。
アプリケーション処理部130は、得られた測位結果に基づいて、自装置位置を表示したり、ナビゲーション等に利用するための処理を実行する。
このような構成において、上述の高精度なマルチパスの検出が可能であるので、擬似距離が高精度で得られる。そして、高精度な測位結果が得られることで、高精度な位置表示やナビゲーション等を実現することができる。
1,101−マルチパス検出機能部、10−アンテナ、11−RF処理部、12−ベースバンド変換部、13−キャリア相関部、31−キャリア相関器、32−ループフィルタ、33−キャリアNCO、14−コード相関部、41P−P相関器、41E−E相関器、41L−L相関器、42−加算器、43−ループフィルタ、44−コードNCO、45−シフトレジスタ、15−デルタレンジ測定部、16−C/No測定部、17−擬似距離算出部、18−マルチパス検出部、100−移動端末、110−受信部、120−測位装置、121−GNSS受信装置、102−測位演算部、130−アプリケーション処理部
Claims (10)
- GNSS測位信号の受信信号にマルチパス信号が含まれていることを示す検出信号を出力するマルチパス検出方法であって、
前記受信信号のコード位相差に基づいて擬似距離を算出する擬似距離算出工程と、
前記受信信号のドップラシフトを測定するドップラシフト測定工程と、
所定時間の前記擬似距離の変化率および前記ドップラシフトに基づいて、前記検出信号を出力するマルチパス検出工程と、を有するマルチパス検出方法。 - GNSS測位信号の受信信号にマルチパス信号が含まれていることを示す検出信号を出力するマルチパス検出方法であって、
前記受信信号のコード位相差に基づいて擬似距離を算出する擬似距離算出工程と、
前記受信信号のドップラシフトを測定するドップラシフト測定工程と、
前記受信信号のC/Noを測定するC/No測定部と、
所定時間の前記擬似距離の変化率、前記ドップラシフト、および前記C/Noに基づいて、前記検出信号を出力するマルチパス検出工程と、を有するマルチパス検出方法。 - 請求項2に記載のマルチパス検出方法であって、
前記マルチパス検出工程は、前記所定時間の擬似距離の変化率と前記ドップラシフトとの差分値、該差分値の平均値、または該差分値の標準偏差の少なくとも一つが、前記C/Noに基づく閾値以上の時に、前記検出信号を出力する、マルチパス検出方法。 - 請求項3に記載のマルチパス検出方法であって、
前記C/Noに基づく閾値は、予め測定した該C/Noに対応する前記差分値の標準偏差に基づく値である、マルチパス検出方法。 - 請求項2乃至請求項4のいずれかに記載のマルチパス検出方法であって、
前記マルチパス検出工程は、前記C/No、該C/Noの差分値、または該C/Noの標準偏差の少なくとも一つが所定値以上の時に、前記検出信号を出力する、マルチパス検出方法。 - GNSS測位信号の受信信号にマルチパス信号が含まれていることを示す検出信号を出力する処理を実行するためのマルチパス検出プログラムであって、
前記受信信号のコード位相差に基づいて擬似距離を算出する擬似距離算出処理と、
前記受信信号のドップラシフトを測定するドップラシフト測定処理と、
所定時間の前記擬似距離の変化率および前記ドップラシフトに基づいて、前記検出信号を出力するマルチパス検出処理と、を有するマルチパス検出プログラム。 - GNSS測位信号の受信信号にマルチパス信号が含まれていることを示す検出信号を出力する処理を実行するためのマルチパス検出プログラムであって、
前記受信信号のコード位相差に基づいて擬似距離を算出する擬似距離算出処理と、
前記受信信号のドップラシフトを測定するドップラシフト測定処理と、
前記受信信号のC/Noを測定するC/No測定処理と、
所定時間の前記擬似距離の変化率、前記ドップラシフト、および前記C/Noに基づいて、前記検出信号を出力するマルチパス検出処理と、を有するマルチパス検出プログラム。 - GNSS測位信号の受信信号に基づいて測位を行うGNSS受信装置であって、
前記GNSS測位信号を受信する受信部と、
前記受信信号のコード位相差に基づいて算出される擬似距離の変化率および前記受信信号のドップラシフトに基づいて、マルチパス検出信号を出力するマルチパス検出機能部と、
前記マルチパスの検出信号を利用して、前記擬似距離を用いて測位演算を行う測位演算部と、を備えるGNSS受信装置。 - GNSS測位信号の受信信号に基づいて測位を行うGNSS受信装置であって、
前記GNSS測位信号を受信する受信部と、
前記受信信号のコード位相差に基づいて算出される擬似距離の変化率、前記受信信号のドップラシフト、前記受信信号のC/Noに基づいて、マルチパス検出信号を出力するマルチパス検出機能部と、
前記マルチパスの検出信号を利用して、前記擬似距離を用いて測位演算を行う測位演算部と、を備えるGNSS受信装置。 - 請求項8または請求項9に記載のGNSS受信装置を備えるととに、
前記測位演算部の測位演算結果を用いて所定のアプリケーションを実行するアプリケーション処理部を、備える移動端末。
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130716 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20131203 |