JPWO2011099085A1 - Fmラジオ受信装置 - Google Patents
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Abstract
受信したFMステレオ放送波のステレオ信号をチャンネル毎の音声信号に分離するステレオデコード部301と、このステレオデコード部301で分離したチャンネルの各音声信号をそれぞれ2値化する2値化処理部302と、この2値化処理部302で2値化したチャンネル毎の音声信号を所定時間分蓄積し、この蓄積したチャンネル毎の音声信号に基づき相関の程度を判定する相関判定部303とを備え、相関判定部303で判定した相関の程度に応じて、ステレオ信号のチャンネル毎の分離度を制御する。
Description
この発明は、受信したFM(Frequency Modulation)ステレオ放送波におけるチャンネル間の相関を検出し、ステレオ信号の分離度を制御するFMラジオ受信装置に関する。
車載用FMラジオ受信装置では、FM放送を受信する際にマルチパス歪みが発生すると、ステレオパイロット信号がその歪みの影響を受け、ステレオ分離が正しく行われない「ステレオ歪み」と呼ばれる弊害が発生する。このステレオ歪みに対し、従来、ステレオ信号をモノラル信号化することが有効であることが知られている。具体的には、左右信号の分離をノイズの発生状況に合わせて制御し、左右の音場に広がり感が大きいステレオ臨場感が高い場合にはモノラル化を抑えて音質を保ち、逆に、左右の音場に広がり感が小さいステレオ臨場感が低い場合には積極的にモノラル化を行うことによって効果的なステレオ歪の抑圧を行っていた。
ところで、上記した車載用FMラジオ受信装置では、移動に伴い時々刻々変化する受信電波環境が悪化した場合、ステレオ歪みを抑制するために、上記したステレオ分離度の制限のための制御を行う。このステレオ分離度の制限のための制御は、ステレオ歪みの抑制には効果的であるが、左右の臨場感が損なわれるといった音質上の問題がある。このように、ステレオ歪みの抑制と臨場感の有無とはトレードオフの関係にあり、このため、車載用FMラジオ受信装置では、受信電波環境に応じてステレオ歪みの抑制とステレオ臨場感とのバランスをとった適切な制御を行う必要がある。
従来、FMステレオ放送波のチャンネル間の相関を検出し、検出した相関値に応じてステレオ分離度や音質を制御する技術が知られている。この技術によれば、例えば、音楽のようにステレオ臨場感が高い音質が要求されるコンテンツではステレオ分離度の制限を弱め、例えば、ニュースのように、音楽に比較してステレオ臨場感が要求されないコンテンツでは分離度の制限を強めながらノイズ抑制を行うことができる(例えば、特許文献1参照)。
上記した特許文献1に開示された技術によれば、FMステレオ放送波を受信してステレオ分離後の各音声信号から和信号と差信号を生成し、これらのレベルを検出することによってチャンネル間の相関値の検出を行なう。また、チャンネル間の相関値検出処理は、ステレオ分離度の頻繁な変化による違和感を回避するために比較的長期に渡って行う必要がある。しかしながら、特許文献1に開示された技術によれば、信号レベル値を使用して相関値検出を行っていたために多くのメモリを必要とするという問題があった。
この発明は上記した課題を解決するためになされたものであり、ステレオ分離度の制御を行う際の相関値検出処理に必要なメモリ容量の削減を図りながら、ステレオノイズの抑制とステレオ臨場感とのバランスをとった適切な制御が可能なFMラジオ受信装置を提供することを目的とする。
この発明は、受信したFMステレオ放送波におけるチャンネル間の相関を検出し、ステレオ信号の分離度を制限する制御を行うFMラジオ受信装置であって、前記ステレオ信号をチャンネル毎の音声信号に分離するステレオデコード部と、このステレオデコード部で分離した前記チャンネルの各音声信号をそれぞれ2値化する2値化処理部と、この2値化処理部で2値化した前記チャンネル毎の音声信号を所定時間分蓄積し、この蓄積したチャンネル毎の音声信号に基づき相関の程度を判定する相関判定部と、を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、相関判定部は、2値化されたチャンネル毎の音声信号を所定時間分蓄積し、この蓄積したチャンネル毎の音声信号に基づき相関の程度を判定する。このため、例えば、チャンネル間の相関の程度が高くなるにつれステレオ分離度の制限を強めることによりステレオ臨場感が喪失するといった弊害を抑えることが出来る。また、相関判定部は、ステレオ分離後の各チャンネルの音声信号を2値化したものを所定時間分蓄積してから相関判定を行うことにより、所定期間分蓄積されたチャンネル毎の音声信号のレベル値同士を比較して相関判定を行っていた従来例に比較して、ステレオ信号の蓄積に要するメモリの容量削減が図れ、かつ、相関検出の精度を高めることができるといった効果が得られる。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るFMラジオ受信装置の構成を示すブロック図である。図1に示されるように、実施の形態1に係るFMラジオ受信装置1aは、アンテナ11と、RF(Radio Frequency)増幅器12と、周波数変換器(MIX)13と、局部発振器(LO)14と、中間周波フィルタ(BPF)15と、リミッタ中間周波増幅機(IF−AGC AMP)16と、前置フィルタ(LPF)17と、アナログ・デジタル変換器(A/D)18と、FM復調器19と、ステレオ復調器20と、ステレオデコーダ21と、低域通過フィルタ処理部(HCC;ハイカットコントロール)22と、デジタル・アナログ変換器(D/A)23と、音声増幅器24と、スピーカ(SP)25と、ステレオ分離度制御部30と、により構成される。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るFMラジオ受信装置の構成を示すブロック図である。図1に示されるように、実施の形態1に係るFMラジオ受信装置1aは、アンテナ11と、RF(Radio Frequency)増幅器12と、周波数変換器(MIX)13と、局部発振器(LO)14と、中間周波フィルタ(BPF)15と、リミッタ中間周波増幅機(IF−AGC AMP)16と、前置フィルタ(LPF)17と、アナログ・デジタル変換器(A/D)18と、FM復調器19と、ステレオ復調器20と、ステレオデコーダ21と、低域通過フィルタ処理部(HCC;ハイカットコントロール)22と、デジタル・アナログ変換器(D/A)23と、音声増幅器24と、スピーカ(SP)25と、ステレオ分離度制御部30と、により構成される。
図1に示す構成において、アンテナ11で受信されたFM放送波は、RF増幅器12で増幅された後、周波数変換器13で周波数変換され、中間周波フィルタ15で隣接チャンネル波などの不要成分が除去される。そして、中間周波フィルタ15を通過したFM放送波は、リミッタ中間周波増幅器16で振幅制限された後、前置フィルタ17で中間周波数の高周波成分が除去され、アナログ・デジタル変換器18でデジタル信号に変換される。アナログ・デジタル変換器18でデジタル信号に変換されたFM放送波(以下、デジタル形式のFM波という)は、FM復調器19でFM復調された後、ステレオ復調器20でステレオ復調され、ステレオデコーダ21で、左(L)右(R)のステレオ音声信号に分離される。その後、低域通過フィルタ処理部22で高周波領域の信号成分が濾波され、デジタル・アナログ変換器23でアナログ音声信号に変換され、更に音声増幅器24を介してスピーカ25へ出力される。
ステレオ復調器20でFM復調されたデジタル形式のFM波は、上記したステレオデコーダ21の他に、ステレオ分離度制御部30にも供給される。ステレオ分離度制御部30は、ステレオ復調器20から出力されるステレオ復調信号をチャンネル毎の音声信号に分離し、分離したチャンネルの各音声信号をそれぞれ2値化し、2値化したチャンネル毎の音声信号を所定時間分蓄積し、蓄積したチャンネル毎の音声信号に基づき相関の程度を判定する機能を有する。ステレオ分離度制御部30は、例えば、マイクロコンピュータにより実現され、CPUが内蔵のメモリに記録されたプログラムを逐次読取り実行することで上記した機能を実現するものである。このため、そのプログラム構造は、ステレオデコード部301と、2値化処理部302と、相関判定部303と、に機能展開して示すことができる。
ステレオデコード部301は、ステレオ復調器20から入力される復調されたデジタル形式のFM波を、例えばマトリクス処理によってチャンネル毎のLR音声信号に分離して2値化処理部302へ出力する機能を有する。又、2値化処理部302は、ステレオデコード部301で分離したLR音声信号を閾値との比較判定によりそれぞれ2値化して相関判定部303へ出力する機能を有する。又、相関判定部303は、2値化処理部302で2値化したLR音声信号を不図示のメモリに所定時間分蓄積し、この蓄積したチャンネル毎の音声信号に基づいて、LR音声信号間の相関の程度を判定する。相関判定部303は更に、判定した相関の程度に応じてステレオデコーダ21によりデジタル形式のFM波をステレオ信号に分離する際のステレオ分離度を制御する機能を有する。
図2は、この発明の実施の形態1に係るFMラジオ受信装置1aのステレオ分離度の制御動作を示すフローチャートである。
以下、図2を参照しながら、図1に示す実施の形態1に係るFMラジオ受信装置1aの動作について詳細に説明する。
以下、図2を参照しながら、図1に示す実施の形態1に係るFMラジオ受信装置1aの動作について詳細に説明する。
図2によれば、ステレオ分離度制御部30は、まず、ステレオ復調器20によって復調されたデジタル形式のFM波(ステレオ復調信号)を取込んでステレオデコード部301を起動する(ステップST201)。ステレオデコード部301は、取込まれたステレオ復調信号をマトリクス処理によってLR音声信号に分離して2値化処理部302へ出力する(ステップST202)。2値化処理部302では、入力されたLR音声信号のそれぞれを、予め定義された閾値との比較判定により2値化して内蔵メモリへ蓄積する(ステップST203)。なお、2値化されたLR信号は、後述する受信電波環境に伴う分離度の頻繁な変動による違和感を回避するために所定期間分蓄積しておくこととする。
上記した内蔵メモリに、所定期間分の2値化されたLR信号が蓄積されると(ステップST204“YES”)、相関判定部303は、L信号とR信号との一致数を計数する(ステップST205)。続いて相関判定部303は、計数した一致数αと、予め定義された相関判定閾値(一致数β)とを比較することによってLR信号間の相関の程度を判定する(ステップST206)。すなわち、相関判定部303によってLR分離後のL信号とR信号の一致数が相関判定閾値以上(α≧β)であると判定されると(ステップST206“YES”)、ステレオデコーダ21は、入力したステレオ復調信号をLR分離する際にモノラル化を行う方向にステレオ分離度を制御する(ステップST207)。また、相関判定部303によってLR分離後のL信号とR信号の一致数αが相関判定閾値β未満(α<β)と判定されると(ステップST206“NO”)、ステレオデコーダ21は、入力したステレオ復調信号をLR分離する際に、モノラル化を抑制する方向にステレオ分離度を制御する(ステップST208)。
上記した実施の形態1に係るFMラジオ受信装置1aでは、ステレオ復調器20でステレオ復調を行った後、ステレオ分離度制御部30が、ステレオデコード部301でLR音声信号の分離を行い、相関判定部303で2値化され所定期間分蓄積されたLR信号の一致数を計数することにより、LR信号間の相関の程度を判定する構成とした。このため、従来のように信号レベルを使用する場合と比較して突発的に発生するノイズの影響を受けにくく、実際の聴感に照らした精度の高い相関検出が可能となる。また、チャンネル間の相関の程度が高くなるにつれステレオ分離度の制限を強めることにより、ステレオ臨場感が喪失するといった弊害を抑えることが出来、ステレオノイズの抑制とステレオ臨場感とのバランスをとった適切な制御が可能である。さらに、LR音声信号を2値化して相関判定を行うことにより、信号レベルにより相関判定していた従来例に比べ、必要なメモリの容量や回路規模の大幅な削減が可能である。
実施の形態2.
図3は、この発明の実施の形態2に係るFMラジオ受信装置1bの構成を示すブロック図である。図3において、図1に示す実施の形態1との構成上の差異は、ステレオ分離度制御部30に、更に、コンテンツ種別判定部304が付加されたことにあり、コンテンツ種別判定部304の出力がステレオデコーダ21による左右チャンネルの分離度を制御する構成とした。他の構成は、図1に示す実施の形態1のFMラジオ受信装置1aと同様である。
図3は、この発明の実施の形態2に係るFMラジオ受信装置1bの構成を示すブロック図である。図3において、図1に示す実施の形態1との構成上の差異は、ステレオ分離度制御部30に、更に、コンテンツ種別判定部304が付加されたことにあり、コンテンツ種別判定部304の出力がステレオデコーダ21による左右チャンネルの分離度を制御する構成とした。他の構成は、図1に示す実施の形態1のFMラジオ受信装置1aと同様である。
コンテンツ種別判定部304は、相関判定部303で判定した相関の程度に応じて受信コンテンツの種別を判定する機能を有する。コンテンツの種別判定は、上記した実施の形態1同様、相関判定部303がLR分離後の一致数αを計数して相関判定閾値βと比較することにより相関の程度を出力し、コンテンツ種別判定部304が、所定の期間に亘り相関の程度(一致数)が大きい場合は、コンテンツが「ニュース」のような比較的ステレオ臨場感を要求されない内容であると判定でき、一方、所定の期間に亘り相関の程度が小さい場合は、コンテンツが「音楽」のようなステレオ臨場感が要求される内容であると判定する。この判定結果に基づいて、ステレオデコータ21がLR分離を制御する。
上記した実施の形態2に係るFMラジオ受信装置1bによれば、コンテンツ種別判定部304が、相関判定部303で判定した相関の程度に応じて受信コンテンツの種別を判定し、ステレオデコータ21が、判定されたコンテンツの種別に基づきステレオ信号の分離度を制御する。コンテンツ種別判定部304が、例えばニュースのように音楽等に比較してステレオ臨場感を必要としないコンテンツであると判定した場合は積極的にモノラル化を図り、例えば音楽のようなステレオ臨場感を必要とするコンテンツであると判定した場合にはモノラル化を抑制することで、コンテンツ内容に応じてステレオノイズの抑制とステレオ臨場感とのバランスをとった適切な制御が可能なFMラジオ受信装置1bを提供することができる。
実施の形態3.
図4は、この発明の実施の形態3に係るFMラジオ受信装置1cの構成を示すブロック図である。図4において、図1に示す実施の形態1との構成上の差異は、ステレオ分離度制御部30に、更に、コンテンツ種別判定部305が付加されたことにあり、このコンテンツ種別判定部305の出力が低域通過フィルタ処理部(HCC;ハイカットコントロール)22によるカットオフ周波数fcを制御する構成とした。他の構成は、実施の形態1のFMラジオ受信装置1aと同様である。
図4は、この発明の実施の形態3に係るFMラジオ受信装置1cの構成を示すブロック図である。図4において、図1に示す実施の形態1との構成上の差異は、ステレオ分離度制御部30に、更に、コンテンツ種別判定部305が付加されたことにあり、このコンテンツ種別判定部305の出力が低域通過フィルタ処理部(HCC;ハイカットコントロール)22によるカットオフ周波数fcを制御する構成とした。他の構成は、実施の形態1のFMラジオ受信装置1aと同様である。
コンテンツ種別判定部305は、相関判定部303で判定した相関の程度に応じて受信コンテンツの種別を判定する機能を有する。また、コンテンツ種別判定部305は、所定の期間に亘り相関の程度が小さい場合は、音楽のような音質が要求されるコンテンツであると判定でき、逆に、相関の程度が大きい場合は、ニュースのような音質も比較的要求されないコンテンツであると判定できる。低域通過フィルタ処理部22は、コンテンツ種別判定部305で判定されたコンテンツの種別に基づいて、低域通過フィルタのカットオフ周波数fcを制御する。すなわち、コンテンツ種別判定部305でコンテンツの内容が音楽であると判定されると、音楽は高域成分が多いと考えられるためカットオフ周波数fcの低下を抑制して一定の音質を保ち、ニュースであると判定された場合、ニュースは比較的高域成分が少ないと考えられるため、カットオフ周波数fcを積極的に低下させる制御を行う。
図5は、この発明の実施の形態3に係るFMラジオ受信装置1cのステレオ分離度の制御動作を示すフローチャートである。以下、図5を参照しながら、図4に示す実施の形態3に係るFMラジオ受信装置1cの動作について詳細に説明する。
図5において、ステレオ分離度制御部30が、ステレオ復調器20によって復調されたデジタル形式のFM波(ステレオ復調信号)を取込み、ステレオデコード部301を起動してから(ステップST501)、相関判定部303が、LRの一致数αを計数する(ステップST505)までの動作は、実施の形態1のステップST201〜ST205のそれぞれの動作と同様であるため、重複を回避する意味で説明を省略する。
実施の形態3では、更に、コンテンツ種別判定部305が、相関判定部303から引き渡される相関の程度に基づいてコンテンツの種別判定を行う(ステップST506)。コンテンツ種別判定部305が、所定の期間に亘って相関の程度が小さい場合は音楽のような音質が要求されるコンテンツであると判定すると(ステップST507“YES”)、音楽は、ニュース等に比較して高域周波数成分が多く含まれるため、低域通過フィルタ処理部22は、カットオフ周波数fcの低下を抑制して音質を保つ制御を行う(ステップST508)。一方、所定の期間に亘って相関の程度が大きい場合、コンテンツ種別判定部305は、ニュースのような比較的音質を要求されないコンテンツであると判定する(ステップST507“NO”)。ニュースは比較的高域周波数成分が少ないことから、低域通過フィルタ処理部22は、この判定結果に応じてカットオフ周波数fcを積極的に下げる制御を行う(ステップST509)。
上記した実施の形態3に係るFMラジオ受信装置1cによれば、コンテンツ種別判定部305が、相関判定部303で判定した相関の程度に応じて受信コンテンツの種別を判定し、低域通過フィルタ処理部22が、判定されたコンテンツの種別に基づいてカットオフ周波数fcを制御することにより、ニュースのように、比較的音質が要求されないコンテンツであると判定された場合にはカットオフ周波数fcを下げて高域成分を減衰させてノイズ抑制を図り、又、音楽のように、音質が要求されるコンテンツであると判定された場合にはカットオフ周波数fcの低下を抑制して音質を維持する。このことにより、コンテンツ内容に応じてステレオノイズの抑制と音質とのバランスをとった適切な制御が可能なFMラジオ受信装置1cを提供することができる。
実施の形態4.
図6は、この発明の実施の形態4に係るFMラジオ受信装置1dの構成を示すブロック図である。図6において、図1に示す実施の形態1との構成上の差異は、ステレオ分離度制御部30に、更に、コンテンツ種別判定部306が付加されたことにあり、このコンテンツ種別判定部306の出力に応じて、ステレオデコーダ21によるステレオ分離度、及び低域通過フィルタ処理部22によるカットオフ周波数fcが制御される構成とした。他の構成は、実施の形態1のFMラジオ受信装置1aと同様である。
図6は、この発明の実施の形態4に係るFMラジオ受信装置1dの構成を示すブロック図である。図6において、図1に示す実施の形態1との構成上の差異は、ステレオ分離度制御部30に、更に、コンテンツ種別判定部306が付加されたことにあり、このコンテンツ種別判定部306の出力に応じて、ステレオデコーダ21によるステレオ分離度、及び低域通過フィルタ処理部22によるカットオフ周波数fcが制御される構成とした。他の構成は、実施の形態1のFMラジオ受信装置1aと同様である。
コンテンツ種別判定部306は、相関判定部303で判定した相関の程度に応じて受信コンテンツの種別を判定する機能を有する。低域通過フィルタ処理部22は、コンテンツ種別判定部306により判定されたコンテンツの種別に基づいて、低域通過フィルタのカットオフ周波数fcを制御する機能を持つ。
コンテンツ種別判定部306は、例えば、所定の期間に亘り相関の程度が大きい場合、例えば、ニュースのように比較的ステレオ臨場感が要求されないコンテンツであると判定し、また、所定の期間に亘り相関の程度が小さい場合、例えば、音楽のようなステレオ臨場感が要求されるコンテンツであると判定する。ステレオデコーダ21は、コンテンツの種別判定の結果に応じて、ステレオ信号の分離度を制御する。さらに、低域通過フィルタ処理部22は、コンテンツ種別判定部306によってコンテンツ種別が音楽であると判定されると、音楽は比較的高域成分が多いと考えられるため、低域通過フィルタのカットオフ周波数fcの低下を抑制して音質を保ち、ニュースであると判定した場合、ニュースは音楽等に比べて高域成分が少ないと考えられるため、カットオフ周波数fcを積極的に下げる制御を行う。
上記した実施の形態4に係るFMラジオ受信装置1dによれば、コンテンツ種別判定部306が、相関判定部303で判定した相関の程度に応じて受信コンテンツの種別を判定し、ステレオデコーダ21が、判定されたコンテンツの種別に基づいて、ステレオ信号の分離度を制御すると共に、低域通過フィルタ処理部22が、判定されたコンテンツの種別に基づいて、低域通過フィルタのカットオフ周波数を制御する。このようにすることで、コンテンツ内容に応じてステレオノイズの抑制と臨場感及び音質とのバランスをとった適切な制御が可能なFMラジオ受信装置1dを提供することができる。例えば、コンテンツの内容がニュースのように音楽等に比較して左右の臨場感を必要とせず、比較的音質が要求されないコンテンツであると判定された場合には、積極的にモノラル化を図ると共に、カットオフ周波数fcを下げる制御を行い、音楽のようなコンテンツであると判定された場合には、モノラル化及びカットオフ周波数fcの低下を抑制する制御を行うことで、ステレオノイズの抑制とステレオ臨場感及び音質とのバランスをとった適切な制御が可能になる。
なお、上記した実施の形態1、2、3、4において、ステレオ分離度制御部30が有する機能は、全てをソフトウェアによって実現しても、あるいは少なくともその一部をハードウエアで実現してもよい。例えば、ステレオ分離度制御部30が、ステレオ信号をチャンネル毎の音声信号に分離し、分離したチャンネルの各音声信号をそれぞれ2値化し、2値化したチャンネル毎の音声信号を所定時間分蓄積し、蓄積したチャンネル毎の音声信号に基づき相関の程度を判定してステレオ信号の分離度を制御するデータ処理は、1または複数のプログラムによりコンピュータ上で実現しても良く、また、少なくとも一部をハードウエアで実現してもよい。
この発明のFMラジオ受信装置(1a、1b、1c、1d)は、受信したFMステレオ放送波のステレオ信号をチャンネル毎の音声信号に分離して、分離したチャンネルの各音声信号をそれぞれ2値化し、2値化したチャンネル毎の音声信号を所定時間分蓄積し、この蓄積したチャンネル毎の音声信号に基づいて、チャンネル間の音声信号の相関の程度を判定し、判定した相関の程度に応じて、ステレオ信号のチャンネル毎の分離度を制御するので、例えば、チャンネル間の相関の程度が高くなるにつれステレオ分離度の制限を強めることにより、ステレオ臨場感が喪失するといった弊害が抑制される。また、ステレオ分離後の各チャンネルの音声信号を2値化したものを所定時間分蓄積してから相関判定を行うので、ステレオ信号の蓄積に要するメモリの容量削減を図り、相関検出の精度を高めたものである。このため、受信電波環境が時々刻々変化する車載装置を含む移動体に用いて特に顕著な効果が得られる。
Claims (4)
- FMステレオ放送波を受信するFMラジオ受信装置において、
受信したFMステレオ放送波のステレオ信号をチャンネル毎の音声信号に分離するステレオデコード部と、
このステレオデコード部で分離した前記チャンネルの各音声信号をそれぞれ2値化する2値化処理部と、
この2値化処理部で2値化した前記チャンネル毎の音声信号を所定時間分蓄積し、この蓄積したチャンネル毎の音声信号に基づいて、前記チャンネル間の音声信号の相関の程度を判定する相関判定部とを備え、
前記相関判定部で判定した相関の程度に応じて、前記ステレオ信号の前記チャンネル毎の分離度を制御することを特徴とするFMラジオ受信装置。 - FMステレオ放送波を受信するFMラジオ受信装置において、
受信したFMステレオ放送波のステレオ信号をチャンネル毎の音声信号に分離するステレオデコード部と、
このステレオデコード部で分離した前記チャンネルの各音声信号をそれぞれ2値化する2値化処理部と、
この2値化処理部で2値化した前記チャンネル毎の音声信号を所定時間分蓄積し、この蓄積したチャンネル毎の音声信号に基づいて、前記チャンネル間の音声信号の相関の程度を判定する相関判定部と、
前記相関判定部で判定した相関の程度に応じて受信コンテンツの種別を判定するコンテンツ種別判定部とを備え、
前記コンテンツ種別判定部で判定した前記受信コンテンツの種別に応じて、前記ステレオ信号の前記チャンネル毎の分離度を制御することを特徴とするFMラジオ受信装置。 - FMステレオ放送波を受信するFMラジオ受信装置において、
受信したFMステレオ放送波のステレオ信号をチャンネル毎の音声信号に分離するステレオデコード部と、
このステレオデコード部で分離した前記チャンネルの各音声信号をそれぞれ2値化する2値化処理部と、
この2値化処理部で2値化した前記チャンネル毎の音声信号を所定時間分蓄積し、この蓄積したチャンネル毎の音声信号に基づいて、前記チャンネル間の音声信号の相関の程度を判定する相関判定部と、
前記相関判定部で判定した相関の程度に応じて受信コンテンツの種別を判定するコンテンツ種別判定部とを備え、
チャンネル毎に分離した前記ステレオ信号の高域周波数成分を濾波する低域通過フィルタ部のカットオフ周波数を、前記コンテンツ種別判定部で判定した前記受信コンテンツの種別に応じて制御することを特徴とするFMラジオ受信装置。 - チャンネル毎に分離した前記ステレオ信号の高域周波数成分を濾波する低域通過フィルタ部のカットオフ周波数を、前記コンテンツ種別判定部で判定した前記受信コンテンツの種別に応じて制御することを特徴とする請求項2記載のFMラジオ受信装置。
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