JPWO2011081185A1 - コク味付与剤 - Google Patents

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Abstract

CaSRアゴニスト活性を有する多くのバリエーション化合物を探索してより優れたコク味付与作用、特に先味型のコク味付与作用を有し、かつ安定性に優れ簡便かつ低コストで生産することが可能なコク味を付与するこのできる物質を見出し、該物質からなるコク味付与剤、及び該物質と他のCaSRアゴニスト活性を有する物質からなる複合コク味付与剤を提供すること。γ−Glu−Nva(L−γ−グルタミル−L−ノルバリン)からなるコク味付与剤、及び該物質に他のCaSRアゴニスト活性を有する物質を併用してなる複合コク味付与剤。

Description

本発明は、CaSRアゴニスト活性を示すペプチドからなるコク味付与剤及び複合コク味付与剤に関する。又、本発明はCaSRアゴニスト活性を示すペプチドを一定濃度以上含有する調味料に関する。
近年、食生活の多様化等により味覚に対する消費者の要求が高まってきており、これに伴い、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味で表される5基本味だけでは表すことのできない、厚み・ひろがり・持続性・まとまりなど上記基本味の周辺の味をも増強した味覚である「コク味」を付与することのできる優れたコク味付与剤へのニーズが高まっている。
一方、カルシウムセンシング受容体(Calcium Sensing Receptor:CaSR)は、カルシウム受容体とも呼ばれるが、当該受容体シグナルは種々の生体内機能を調節し、CaSRアゴニスト活性を有する物質はコク味付与剤として用いることができる(特許文献1および2、非特許文献4)。
上記の「コク味」には種々の呈味パターンが存在するが、特に呈味パターンが先味型であるコク味を付与することのできるコク味付与剤へのニーズは高い。またコク味を付与する物質は通常、食品等に用いられるため、安定性に優れることが求められる。さらに、コク味を付与する物質は、より簡便かつ低コストで生産することができることが産業上望まれる。
従って、CaSRアゴニスト活性を有する多くのバリエーション化合物を探索し、より優れたコク味付与作用、特に先味型のコク味付与作用を有し、かつ安定性に優れ簡便かつ低コストで生産することが可能なコク味を付与するこのできる物質を見出し、該物質からなるコク味付与剤、及び該物質を他のCaSRアゴニスト活性を有する物質と併用してなる複合コク味付与剤を提供することが求められている。
一方、γ−グルタミンをN末端に有するいくつかのγ−グルタミルペプチドについては、酵素活性の研究等において基質として合成された例は知られているが(特許文献3、非特許文献1〜3)、γ-Glu−Nvaが食品用途に用いられた例や天然に存在した例は知られていない。尚、特許文献1及び2の内容は、本明細書の記載に含まれるものとする。
国際公開第2007/055393号パンフレット 国際公開第2008/139945号パンフレット 国際公開第2007/066430号パンフレット
Molecular Pharmacology (1982), 21(3), 629-36 Agricultural and Biological Chemistry (1981), 45(12), 2839-45 Journal of Biological Chemistry (1979), 254(12), 5184-90 The Journal of Biologial Chemistry, (2010), 285 (2), 1016-22
本発明は、CaSRアゴニスト活性を有する多くのバリエーション化合物を探索してより優れたコク味付与作用、特に先味型のコク味付与作用を有し、かつ安定性に優れ簡便かつ低コストで生産することが可能なコク味を付与するこのできる物質を見出し、該物質からなるコク味付与剤、及び該物質を他のCaSRアゴニスト活性を有する物質と併用してなる複合コク味付与剤を提供することを課題とする。更に、一定濃度の該物質を含有する食品組成物を提供することを課題とする。
本発明者は、種々の化合物を探索した結果、驚くべきことに、γ−Glu−Nva(L−γ−グルタミル−L−ノルバリン)が、高いCaSRアゴニスト活性と極めて優れたコク味付与効果を有し、特にその呈味パターンが先味型であるコク味を付与することができることを見出した。さらに、見出されたγ−Glu−Nvaが、同様のジペプチドであるγ−Glu−Cysと比較してきわめて高力価であり、また安定性に優れ、かつより先味が強いという好ましい呈味パターンを示すことを見出した。さらに、見出されたγ−Glu−Nvaが、単独で有用なコク味付与剤となりえることを見出した。また、γ−Glu−Nvaを添加することにより、コク味の増強した、好ましい食品組成物が得られることを見出した。さらに、該物質を他のCaSRアゴニスト活性を有する物質と併用してなる複合コク味付与剤となりうることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、γ−Glu−Nvaからなるコク味付与剤を提供する。
また、本発明はγ−Glu−Nvaを含有する食品組成物をも提供する(以下、「本発明の食品組成物」ともいう。)。また、本発明は、(a)γ−Glu−Nvaに、(b)γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)、γ−Glu−Val−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)、γ−Glu−Abu、γ−Glu−Ala、γ−Glu−Gly、γ−Glu−Cys、γ−Glu−Met、γ−Glu−Thr、γ−Glu−Val、γ−Glu−Orn、Asp−Gly、Cys−Gly、Cys−Met、Glu−Cys、Gly−Cys、Leu−Asp、D−Cys、γ−Glu−Met(O)、γ−Glu−γ−Glu−Val、γ−Glu−Val−NH2、γ−Glu−Val−ol、γ−Glu−Ser、γ−Glu−Tau、γ−Glu−Cys(S−Me)(O)、γ−Glu−Leu、γ−Glu−Ile、γ−Glu−t−Leuおよびγ−Glu−Cys(S−Me)からなる群より選択される1種又は2種以上のアミノ酸又はペプチド、を併用してなる複合コク味付与剤を提供する。
本発明によれば、極めて優れたコク味付与作用、特に呈味パターンが、図1に示されるようなプロフィールを有するユニークな先味型の優れたコク味付与作用を有し、かつ安定性に優れ簡便かつ低コストで生産することが可能なコク味付与剤、及び複合コク味付与剤を提供することができる。又、本発明によれば、優れたコク味付与作用を有する物質を一定濃度以上含有する、優れた食品組成物を提供することができる。
本発明のコク味付与剤を用いると、その呈味パターンが食塩の呈味パターンに類するため、減塩食品の呈味に塩味様濃厚感及び先味・パンチを付与できるので、食品中の食塩の含有量を低下させても、元の食品と同様の塩味感を保持でき、健康志向の高い食品にすることができる。このような食品としては、各種スープや各種ソースなどがあげられる。特に、本発明のコク味付与剤を含有する食品を喫食すると、食べたとたんに、塩味様濃厚感及び先味・パンチを感じることができるという利点がある。
図1は、先味型のコク味付与剤の味覚プロフィールを示す。
本発明で対象とするγ−Glu−Nvaには、2つのアミノ酸がペプチド結合してなるL−γ−グルタミル−L−ノルバリン及び/又はその塩、特に可食性の塩が含まれる。
γ−Glu−Nvaは優れたコク味付与効果を有するため、コク味付与剤として用いることができる。γ−Glu−Nvaは、コク味を付与する食品組成物の重量に対して、(濃度幅)0.1ppb〜99.9質量%、好ましくは1ppb〜10質量%、より好ましくは0.01ppm〜1質量%、含有するように添加して用いることができる。すなわち、本発明の別の態様は、γ−Glu−Nvaを含有する食品組成物、好ましくは、γ−Glu−Nvaを0.1ppb〜99.9質量%、好ましくは1ppb〜10質量%、より好ましくは0.01ppm〜1質量%含有する食品組成物に関する。更に詳細には、例えば、γ−Glu−Nvaを、質量換算で、0.1ppb、0.005ppm、0.02ppm又は0.01%以上から、99.9%、90.0%、50%、600,000ppm、100,000ppm、80ppm、30ppm、又は10ppm以下、含有する食品組成物に関する。
また、本発明のコク味付与剤、すなわち、γ−Glu−Nvaは、グルタミン酸ナトリウム(MSG)などのアミノ酸類、イノシン一リン酸(IMP)などの核酸類、塩化ナトリウムなどの無機塩類、クエン酸などの有機酸類、種々の酵母エキスなどから選択される少なくとも1種の他の調味原料と組み合わせて用いることにより、他の調味原料を単独で用いる場合に比べて、よりコク味の増した、好ましい調味料を提供することができる。γ−Glu−Nvaを上記の他の調味原料と組み合わせて用いる場合の濃度は、当業者であれば官能評価等の検討を経て適宜設定することができる。
本発明において「コク味」とは、甘味(sweet taste)、塩味(salty taste)、酸味(sour taste)、苦味(bitter taste)、うま味(umami)で表される5基本味(five basic tastes)では表すことのできない味を意味し、基本味だけでなく、厚み(thickness)・ひろがり(growth(mounthfulness))・持続性(continuity)・まとまり(harmony)など基本味の周辺の味(marginal tastes)をも増強した味をいう。ここで、「コク味付与」とは、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味で表される5基本味の増強と、それに伴う厚み・ひろがり・まとまりなど基本味の周辺の味を付与することをいう。また、これを呈味増強作用と表現することもできる。したがって、本発明のコク味付与剤であるγ−Glu−Nvaは、呈味増強剤(Flavor Enhancer)と表現することもできる。本発明のコク味付与剤であるγ−Glu−Nvaは、甘味増強剤、塩味増強剤、酸味増強剤、苦味増強剤またはうま味増強剤として使用することができる。
また、味覚は喫食後の時間経過とともに変化するが、喫食直後から順に、先味(initial taste)、中味(middle taste)及び後味(after taste)と呼ぶ。これらは相対的な概念であるが、概して、先味、中味及び後味は、それぞれ喫食後0から2秒まで、2秒から5秒まで、及び5秒以降に感じる呈味である。また、0から5秒までを「先中味」といい、2秒以降約30秒前後までを「中後味」とする(図1参照)。3区分に分けた評価について、喫食者の評価への集中が困難なため、ふつう2区分に分けた評価を常用する。
また、先味と中味を合わせて「先中味」といい、中味と後味を合わせて「中後味」という。
コク味及び呈味パターンに対するCaSR活性を有する物質の効果は、ヒトによる味覚試験などの方法によって確認することができる。このようなヒトによる味覚官能試験としては、例えば本願明細書の実施例で示される試験が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において、「CaSR」とは、カルシウムセンシング受容体(Calcium Sensing Receptor)を意味し、7回膜貫通型受容体のクラスCに属するものであり、カルシウム受容体とも呼ばれる。本明細書において「CaSRアゴニスト」とは、上記CaSRに結合し、CaSRを活性化する物質を意味する。また、本明細書において、「CaSRを活性化する」とは、CaSRにリガンドが結合し、グアニンヌクレオチド結合タンパク質を活性化して、シグナルを伝達することを意味する。また、CaSRに結合し、CaSRを活性化する性質を「CaSRアゴニスト活性」という。
CaSRアゴニスト活性を有する化合物をスクリーニングする方法を具体的に示すが、これらのステップに限定されるものではない。
1)CaSR活性を測定するためのCaSR活性測定系に被検物質を添加して、CaSR活性を測定する。
2)被検物質を添加したときのCaSR活性と、被検物質を添加しなかったときのCaSR活性を比較する。
3)被検物質を添加したときにCaSRアゴニスト活性を示す被検物質を選択する。
CaSR活性の測定は、例えば、CaSRを発現する細胞を用いた測定系を用いて行うことができる。上記細胞は、CaSRを内在的に発現する細胞であっても、外来的にCaSR遺伝子を導入した組み換え細胞であってもよい。上記CaSR活性測定系は、上記CaSRを発現する細胞に、CaSRに特異的な細胞外リガンド(活性化物質)を加えたときに、活性化物質とCaSRとの結合(反応)を検出することができるか、又は、活性化物質とCaSRとの結合(反応)に応答して細胞内に検出可能なシグナルを伝達するものであれば、特に制限なく用いることができる。被検物質との反応によりCaSR活性が検出された場合、当該被検物質はCaSR刺激活性を有すると判定される。
上記CaSRとしては、GenBank Accession No. NM_000388で登録されているヒトCaSR遺伝子によってコードされるヒトCaSRが好ましく例示できる。尚、CaSRは、上記配列の遺伝子によってコードされるタンパク質に制限されず、CaSR機能を有するタンパク質をコードする限りにおいて、上記配列と60%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上の相同性を有する遺伝子によってコードされるタンパク質であってもよい。なお、CaSR機能はこれらの遺伝子を細胞に発現させ、カルシウム添加時の電流の変化や細胞内カルシウムイオン濃度の変化を測定することによって調べることができる。
上記CaSRは、その由来は特に制限されず、上記ヒトのCaSRのみならず、マウス、ラット、イヌなどを含むあらゆる動物由来のCaSRが挙げられる。
上述の如く、CaSR活性は、CaSR又はその断片を発現した生きた細胞、CaSR又はその断片を発現した細胞膜、CaSR又はその断片のタンパク質を含むインビトロの系などを利用して確認することができる。
以下に生きた細胞を用いた一例を示すが、これに限定されるものではない。
CaSRは、アフリカツメガエル卵母細胞やハムスター卵巣細胞やヒト胎児腎臓細胞等の培養細胞に発現させる。これは外来遺伝子を保持するプラスミドにCaSR遺伝子をクリーニングしたものを、プラスミドの状態もしくはそれを鋳型にしたcRNAを導入することで可能となる。反応の検出には電気生理学的手法や細胞内カルシウム上昇の蛍光指示試薬を用いることができる。
CaSRの発現は、初めにカルシウムもしくは特異的活性化剤による応答で確認する。5mM程度の濃度のカルシウムに対して、細胞内電流が観察された卵母細胞もしくは蛍光指示試薬の蛍光が観察された培養細胞を使用する。カルシウムの濃度を変えて濃度依存性を測定する。次に、被検物質を1μM〜1mM程度に調製し、卵母細胞もしくは培養細胞に添加し、上記被検物質存在下でのCaSR活性を測定することで、上記被検物質のCaSRアゴニスト活性を測定する。
又、より具体的には、CaSRアゴニスト活性試験としては例えば本願明細書の試験例で示される試験が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の複合コク味付与剤においてγ−Glu−Nvaと併用されるアミノ酸又はペプチドは、γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)、γ−Glu−Val−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)、γ−Glu−Abu、γ−Glu−Ala、γ−Glu−Gly、γ−Glu−Cys、γ−Glu−Met、γ−Glu−Thr、γ−Glu−Val、γ−Glu−Orn、Asp−Gly、Cys−Gly、Cys−Met、Glu−Cys、Gly−Cys、Leu−Asp、D−Cys、γ−Glu−Met(O)、γ−Glu−γ−Glu−Val、γ−Glu−Val−NH2、γ−Glu−Val−ol、γ−Glu−Ser、γ−Glu−Tau、γ−Glu−Cys(S−Me)(O)、γ−Glu−Leu、γ−Glu−Ile、γ−Glu−t−Leuおよびγ−Glu−Cys(S−Me)からなる群より選択される1種又は2種以上のアミノ酸又はペプチドであるが、ここで、アミノ酸とは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Pro、Hyp、t−Leu等の中性アミノ酸、Asp、Glu等の酸性アミノ酸、Lys、Arg、His等の塩基性アミノ酸、Phe、Tyr、Trp等の芳香族アミノ酸や、ホモセリン、シトルリン、オルニチン、α−アミノ酪酸、ノルバリン、ノルロイシン、タウリン等も含まれる。また、tert−ロイシン、シクロロインシン、α−アミノイソブチル酸、L−ペニシラミン、アロスレオニン、アロイソロイシン等の非天然(非タンパク質構成)アミノ酸であってもよい。尚、ペプチドγ−Glu−X−Glyにおいては、Xは上記のようなアミノ酸又はその誘導体のいずれでもよいが、Cys以外のアミノ酸又はその誘導体が好ましい。中でも、併用されるペプチドとしては、γ−Glu−Val−Gly、γ−Glu−Abu−Gly、γ−Glu−tLeu−Gly、γ−Glu−Nva−Glyおよびγ−Glu−Abu等が好ましい。
特に、本発明のコク味付与剤はγ−Glu−Nvaからなり、図1に示されるようなプロフィールを有するユニークな先味型の優れたコク味付与作用を有するので、このようなプロフィールとは異なるプロフィールを有するペプチト、例えば、γ―Glu−Val−Glyと組み合わせて用いるのが好ましい。
本明細書において、アミノ酸残基の略号は以下のアミノ酸を意味する。
(1)Gly:グリシン
(2)Ala:アラニン
(3)Val:バリン
(4)Leu:ロイシン
(5)Ile:イソロイシン
(6)Met:メチオニン
(7)Phe:フェニルアラニン
(8)Tyr:チロシン
(9)Trp:トリプトファン
(10)His:ヒスチジン
(11)Lys:リジン
(12)Arg:アルギニン
(13)Ser:セリン
(14)Thr:トレオニン
(15)Asp:アスパラギン酸
(16)Glu:グルタミン酸
(17)Asn:アルパラギン
(18)Gln:グルタミン
(19)Cys:システイン
(20)Pro:プロリン
(21)Orn:オルニチン
(22)Sar:サルコシン
(23)Cit:シトルリン
(24)N−Val(又は、Nva):ノルバリン (2−アミノ吉草酸)
(25)N−Leu(又は、Nle):ノルロイシン
(26)Abu:α−アミノ酪酸
(27)Tau:タウリン
(28)Hyp:ヒドロキシプロリン
(29)t−Leu:tert−ロイシン
(30)Cle:シクロロイシン
(31)Aib:α−アミノイソブチル酸(α−aminoisobutyric acid、2−メチルアラニン)
(32)Pen:L−ペニシラミン(penicillamine)
(33)allo−Thr:アロスレオニン
(34)allo−Ile:アロイソロイシン
また、アミノ酸誘導体とは、上記アミノ酸の各種誘導体であって、例えば、特殊アミノ酸や非天然アミノ酸、アミノアルコール、或いは末端カルボニル基やアミノ基、システインのチオール基等のアミノ酸側鎖が各種置換基により置換したものが挙げられる。置換基としては、アルキル基、アシル基、水酸基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ基、スルホニル基や各種保護基等が挙げられ、例えば、Arg(NO2):N−γ−ニトロアルギニン、Cys(SNO):S−ニトロシステイン、Cys(S−Me):S−メチルシステイン、Cys(S−allyl):S−アリルシステイン、Val−NH2:バリンアミド、Val−ol:バリノール(2−アミノ−3−メチル−1−ブタノール)等が含まれる。尚、本明細書において、γ−Glu−Cys(SNO)−Glyは下記の構造式を有するものであり、上記γ−Glu−Met(O)およびγ−Glu−Cys(S−Me)(O)式中の(O)はスルホキシド構造であることを意味する。γ−Gluの(γ)とは、グルタミン酸のγ位のカルボキシル基を介して他のアミノ酸が結合していることを意味する。
Figure 2011081185
本発明のγ−Glu−Nva及びこれと併用されるアミノ酸又はペプチドは、市販されている場合には市販品を用いることもでき、その他、(1)化学的に合成する方法、又は(2)酵素的な反応により合成する方法等の公知手法を適宜用いることによって取得することができるが、化学的な合成がより簡便である。本発明において用いられるγ−Glu−Nvaは含まれるアミノ酸の残基数が2残基と短いので、化学的に合成する方法が簡便であり、含まれるアミノ酸の残基数が3残基であるトリペプチドと比較してより簡便かつ低コストで生産することが可能であり、産業上非常に有利である。また、本発明のγ−Glu−Nva及びこれと併用されるアミノ酸又はペプチドを化学的に合成する場合には、該オリゴペプチドをペプチド合成機を用いて合成あるいは半合成することにより行うことができる。化学的に合成する方法としては、例えばペプチド固相合成法等が挙げられる。そのようにして合成したペプチドは通常の手段、例えばイオン交換クロマトグラフィー、逆相高速液体クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等によって精製することができる。このようなペプチド固相合成法、およびそれに続きペプチド精製はこの技術分野においてよく知られたものである。
また、本発明において用いられるγ−Glu−Nva及びこれと併用されるアミノ酸又はペプチドを酵素的な反応により生産する場合には、例えば、国際公開パンフレットWO2004/011653号に記載の方法を用いてもよい。すなわち、一方のアミノ酸又はジペプチドのカルボキシル末端をエステル化又はアミド化したアミノ酸又はジペプチドと、アミノ酸がフリーの状態であるアミノ酸(例えば、カルボキシル基が保護されたアミノ酸)とを、ペプチド生成酵素の存在下において反応させ、生成したジペプチド又はトリペプチドを生成することによっても生産することが可能である。ペプチド生成酵素としては、ペプチドを生成する能力を有する微生物の培養物、該培養物より分離した微生物菌体、又は該微生物の菌体処理物、又は該微生物に由来するペプチド生成酵素が挙げられる。尚、WO2004/011653号に記載されている事項は、本明細書の記載に含まれるものとする。
さらに、上述したような酵素的な方法や化学的合成方法以外にも本発明において用いられるペプチドが、野菜や果物等の植物、酵母等の微生物、その他の天然物中に存在する場合がある。天然に存在する場合には、これらから抽出して用いることも可能である。
本発明のコク味付与剤あるいは複合コク味付与剤は、そのままで、又は飲食品的に許容しうる担体や他の調味原料と混合して、調味料とすることができる。他の調味原料としては、例えば、香料、糖類、甘味料、食物繊維類、ビタミン類、グルタミン酸ナトリウム(MSG)などのアミノ酸類、イノシン一リン酸(IMP)などの核酸類、塩化ナトリウムなどの無機塩類、クエン酸などの有機酸類が挙げられ、更には種々の酵母エキスも挙げられる。
尚、本発明のコク味付与剤あるいは複合コク味付与剤を含有する食品組成物として好ましい低塩食品は、元来食塩を含む食品であり、特に、その食塩含量が低減された食品である。
このような低塩食品としては、バター、チーズ等の乳製品、マーガリン、 ソース、ルーなどの動物油脂及び/又は植物油脂含有食品、ドレッシング、マヨネーズなどの乳化食品等、各種カレーやシチュー、肉エキス・クリームを含む各種スープなどがあげられる。又、味噌、醤油など醸造食品、漬物、ピクルスなど野菜加工食品、ハム・ソーセージなど畜肉加工食品、蒲鉾、干物、佃煮など水産加工食品、調理済みのミートボール、ハンバーグ、揚げもの、焼き鳥などもあげられる。これらのうち、低塩食品としては、喫食時の食塩含有量が0.01〜0.5質量%であるものが好ましい。
本発明のコク味付与剤を上記低塩食品に含有させることにより、これらの食品を喫食した時、最初に、塩味様濃厚感及び先味・パンチを感じることができる。
また、別の観点から、本発明のコク味付与剤あるいは複合コク味付与剤を含有する食品組成物として、シソ科のハーブ・スパイス類、もしくは、シソ科のハーブ・スパイス類が添加された食品も好ましい。シソ科のハーブとしては、シソ、バジルのほかに、アニス、オレガノ、セージ、タイム、ハッカ、ペパーミント、ベルガモット、マジョラム、ミント、ラベンダー、ローズマリーなどが挙げられるが、特にこれらに限定されない。シソ科のハーブ・スパイス類と本発明のコク味付与あるいは複合コク味付与剤を含有する食品の場合、上記食品としては、喫食時のシソ科のハーブ・スパイス類が固形分として、0.01〜10質量%であるものが好ましい。
このような、γ−Glu−Nvaとシソ科ハーブ・スパイスを含有する食品としては、例えば、ソース・ドレッシング、スープ、スナックまたは畜肉加工食品(ハム、ソーセージ等)が好ましい。
また、別の観点から、本発明のコク味付与剤あるいは複合コク味付与剤を含有する食品組成物として、味噌を含有する食品であることも好ましい。味噌としては、米味噌、麦味噌、大豆味噌、これらのうち2種以上を混和した調合味噌等が挙げられるが特に制限はない。このような、味噌を含有する食品としては、味噌を含有する限りにおいて特に制限はないが、例えば、味噌汁、味噌が調味料として含有される各種加工食品、調味味噌、味噌ラーメンスープ、味噌使用ソース等が挙げられる。味噌と本発明のコク味付与あるいは複合コク味付与剤を含有する食品の場合、上記食品としては、喫食時の味噌類が固形分として、0.01〜99.9重量%であるものが好ましい。
さらに、別の観点から、本発明のコク味付与剤あるいは複合コク味付与剤を含有する食品組成物として、トマトを含有する食品であることも好ましい。このような、トマトを含有する食品としては、トマトを含有する限りにおいて得に制限はないが、例えば、トマトソース、トマトケチャップ、トマトペースト、トマトを含有する各種スープ類などが挙げられる。トマト類と本発明のコク味付与あるいは複合コク味付与剤を含有する食品の場合、上記食品としては、喫食時のトマト類が固形分として、0.01〜99.9重量%であるものが好ましい。
本発明において用いられるγ−Glu−Nva及び併用されるアミノ酸又はペプチドは塩の形態をも包含する。本発明のγ−Glu−Nva及び併用されるアミノ酸又はペプチドが塩の形態を形成し得る場合、その塩は薬理学的に許容される、可食性の塩であればよく、例えば、カルボキシル基等の酸性基に対しては、アンモニウム塩、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属との塩、アルミニウム塩、亜鉛塩、トリエチルアミン、エタノールアミン、モルホリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ジシクロヘキシルアミン等の有機アミンとの塩、アルギニン、リジン等の塩基性アミン酸との塩を挙げることができる。また、塩基性基に対しては、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、臭化水素酸等の無機酸との塩、酢酸、クエン酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸、タンニン酸、酪酸、ヒベンズ酸、パモ酸、エナント酸、デカン酸、テオクル酸、サリチル酸、乳酸、シュウ酸、マンデル酸、リンゴ酸等の有機カルボン酸との塩、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸との塩を挙げることができる。
本発明のコク味付与剤、食品組成物、あるいは複合コク味付与剤は、乾燥粉末、ペースト、溶液などの物性に制限なしにあらゆる形態で用いることができる。
本発明のコク味付与剤、食品組成物、あるいは複合コク味付与剤は、食品、飲料、調味料等の各種飲食品に配合して用いることができる。
本発明のコク味付与剤、食品組成物、あるいは複合コク味付与剤を食品、飲料、調味料等の各種飲食品に配合して用いる場合の最終的なγ−Glu−Nvaの量及び併用されるアミノ酸又はペプチドの量は所望の効果が得られる量であれば特に制限されないが、γ−Glu−Nvaの量及び/又はアミノ酸若しくはペプチドの量として、食品、飲料あるいは調味料等の全質量を基準として、それぞれについて0.1ppb〜99.9質量%、好ましくは1ppb〜10質量%、より好ましくは0.01ppm〜1質量%程度である。
本発明のコク味付与剤、食品組成物、あるいは複合コク味付与剤が配合された食品、飲料、調味料等の各種飲食品には、飲食品的に許容しうるあらゆる固体又は液体の担体、適当な調味原料等をさらに配合させてもよい。
上記担体としては、例えば、グルコース、乳糖、ショ糖、澱粉、マンニトール、デキストリン、脂肪酸グリセリド、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルデンプン、エチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ゼラチン、アルブミン、アミノ酸、水、生理食塩水等が挙げられる。
上記の調味原料は、当業界で用いられるいずれの調味原料であってもよく特に制限されないが、より具体的には既に上述のものが挙げられる。
上記の担体、他の調味原料等はいずれもその含有量は特に制限されない。
上記調味原料のうち、酵母エキスは、由来となる菌体・その培養条件・抽出処理方法のいずれも特に限定されず任意の酵母エキスを用いることができ、更に加熱処理、酵素処理、濃縮、粉末化処理等が施されたものでも良い。
本発明のコク味付与剤、食品組成物、あるいは複合コク味付与剤は、乾燥粉末、ペースト、溶液などの物性に制限なしにあらゆる形態で用いることができる。
本発明のコク味付与剤、食品組成物、あるいは複合コク味付与剤は、食品、飲料等の各種飲食品に配合して用いることができる。
本発明は又、各種飲食品の製造中間品に、1質量ppb〜99.9質量%含有させるようにγ−Glu−Nvaを添加することを特徴とする、各種飲食品の製造方法を提供する。ここで各種飲食品としては、低塩食品が好ましい。
本発明は又、各種飲食品の製造中間品に、本発明の食品組成物を添加することを特徴とする、各種飲食品の製造方法を提供する。ここで各種飲食品としては、低塩食品が好ましい。
本発明のコク味付与剤を用いる製造中間品の製造方法については、γ−Glu−Nvaからなる呈味増強剤を飲食品原料(例えば、うま味原料、たん白加水分解物、またはハーブ・スパイス類)に添加混合する工程、および、必要に応じて、得られる飲食品原料混合物をさらに調理する工程を含む、飲食品又は飲食品の製造中間品の製造方法が好ましい。
ここで、γ−Glu−Nvaからなる呈味増強剤を飲食品原料に添加混合する工程が、飲食品の製造中間品のγ−Glu−Nva濃度を0.005〜600,000重量ppm、好ましくは、0.1〜100,000重量ppmとする工程を含むのが好ましい。
又、飲食品の製造中間品を別の飲食品原料(例えば、農産物、水産物、畜肉、乳製品、または、それらの加工品等)に添加して、得られる飲食品のγ−Glu−Nva濃度を0.005〜30重量ppm、好ましくは、0.05〜10重量ppmとする工程をさらに含むのが好ましい。
又、γ−Glu−Nvaからなる呈味増強剤を飲食品原料に添加混合する工程が、飲食品のγ−Glu−Nva濃度を0.005〜30重量ppm、好ましくは、0.05〜10ppm とする工程を含むのが好ましい。
上記の製造方法において、飲食品がシソ科ハーブ・スパイスを含有する食品(例えば、ソース・ドレッシング、スープ、スナックまたは畜肉加工食品)であるのが好ましい。この場合、0.005〜30重量ppmのγ−Glu−Nvaと、0.01〜10重量%のシソ科のハーブ・スパイス類と、他の食品原料とを含有するのが好ましい。
又、上記の製造方法において、飲食品が味噌を含有する食品であるのが好ましい。この場合、0.02〜80重量ppmのγ−Glu−Nvaと、0.01〜99.9重量%の味噌(さらに好ましくは、0.1〜90.0重量%)と、他の食品原料とを含有するのが好ましい。
又、上記の製造方法において、飲食品がトマトを含有する食品であるのが好ましい。この場合、0.02〜80重量ppmのγ−Glu−Nvaと、0.01〜99.9重量%のトマト(さらに好ましくは、0.1〜90.0重量%)と、他の食品原料とを含有するのが好ましい。
さらに、γ−Glu−Nvaを含有する組成物を飲食品に、好ましくは、0.01重量〜50重量%添加する工程を有する、飲食品の呈味増強方法も挙げられ、ここで、呈味増強がコク味付与であるのが好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
(合成例1)γ-Glu-Nva(γ-L-グルタミル-L-ノルバリン)の合成
Boc-Nva・DCHA(t-Butoxycarbonyl-L-norvaline dicyclohexylammonium salt、3.39 g、8.49 mmol)とベンジルアルコール(1.01 g、9.34 mmol)を塩化メチレン(CH2Cl2、60 ml)に溶解した。反応液を0 ℃に保ち、DMAP(4-Dimethyaminopyridine、0.21 g、0.2当量、1.70 mmol)及びWSC・HCl(1-Ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl)-carbodiimide hydrochloride、1.81 g、1.1当量、9.34 mmol)を加えた。反応液の温度を徐々に昇温し、室温で一夜(16時間)攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に酢酸エチル(500 ml)を加え、有機層を50 ℃にした後に、水(100 ml)、5 %クエン酸水溶液(100 ml)で2回、飽和食塩水(100 ml)、5 %炭酸水素ナトリウム水溶液(100 ml)で2回及び飽和食塩水(100 ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過して除き、ろ液を減圧濃縮した。減圧濃縮の途中で結晶が析出して来たので、結晶をろ過して集め、減圧乾燥してBoc-Nva-OBzl (2.41 g、7.83 mmol)を結晶として得た。
別途合成したBoc-Nva-OBzlをあわせたBoc-Nva-OBzl (2.68 g、8.72 mmol)に4N HCl / ジオキサン溶液(43.6 ml)を加え、室温で1時間攪拌した。減圧濃縮してジオキサンを除き、残渣にn-ヘキサン(30 ml)を加えて減圧濃縮する操作を3回繰り返して、定量的な収率でH-Nva-OBzl・HClを得た。
H-Nva-OBzl・HClを塩化メチレン(60 ml)に溶解し、反応液を0 ℃に保った。反応液にZ-Glu-OBzl (N-α-Carbobenzoxy-L-glutamic acid α-benzyl ester、3.24 g、 8.72 mmol)、トリエチルアミン(1.34 ml、1.1当量、9.59 mmol)、HOBt・H2O(1-Hydroxybenzotriazole hydrate、1.47 g、1.1当量、9.59 mmol)及びWSC・HCl(1.84 g、1.1当量、9.59 mmol)を加えた。反応液の温度を徐々に昇温し、室温で一夜(16時間)攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣に酢酸エチル(200 ml)を加え、有機層を、水(80 ml)、5 %クエン酸水溶液(80 ml)で2回、飽和食塩水(80 ml)、5 %炭酸水素ナトリウム水溶液(80 ml)で2回及び飽和食塩水(80 ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過して除き、ろ液を減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルとn-ヘキサンから再結晶し、結晶をろ過して集め、減圧乾燥してZ-Glu(Nva-OBzl)-OBzl (4.05 g)を結晶として得た。
エタノール(150 ml)と水(30 ml)の混合液にZ-Glu(Nva-OBzl)-OBzl (4.05 g)と5 %パラジウム炭素(5 % palladium/carbon、0.70 g)を加え、50 ℃で一夜(14時間)、水素雰囲気下で接触還元を行った。反応中、水(50 ml)を少しずつ加えた。パラジウム炭素をろ過して除き、ろ液を減圧濃縮した。残渣を少量の水とエタノールから再結晶してγ-Glu-Nva (1.50 g)を白色結晶として得た。更にこの結晶を水(100 ml)に溶かして凍結乾燥してγ-Glu-Nva (1.27 g、5.16 mmol)を白色粉末として得た。その特性値を次に示す。
ESI-MS:(M+H)+ = 247.1、(M-H) = 245.2.
1H-NMR (400 MHz, D2O) δ (ppm): 0.77 (3H, t, J=7.3 Hz), 1.18-1.33 (2H, m), 1.50-1.73 (2H, m), 1.97-2.08 (2H, m), 2.36 (2H, dd, J=6.6 and 8.4Hz), 3.68 (1H, t, J=8.4Hz), 4.15 (1H, dd, J=5.2 and 8.8Hz).
(合成例2)γ-Glu-Nle(γ-L-グルタミル-L-ノルロイシン)の合成(比較例)
Boc-Nle・0.2AcOEt(t-Butoxycarbonyl-L-norvleucine ・0.2 mol ethylacetate、0.51 g、2.00 mmol)とベンジルアルコール(0.24 g、 mmol)を塩化メチレン(CH2Cl2、30 ml)に溶解した。反応液を0 ℃に保ち、DMAP(4-Dimethyaminopyridine、0.05 g、0.2当量、0.40 mmol)及びWSC・HCl(1-Ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl)-carbodiimide hydrochloride、0.43 g、1.1当量、2.20 mmol)を加えた。反応液の温度を徐々に昇温し、室温で一夜(16時間)攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に酢酸エチル(100 ml)を加え、水(30 ml)、5 %クエン酸水溶液(30 ml)で2回、飽和食塩水(30 ml)、5 %炭酸水素ナトリウム水溶液(30 ml)で2回及び飽和食塩水(30 ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過して除き、ろ液を減圧濃縮してBoc-Nle-OBzl (0.61 g、1.90 mmol)を油状物として得た。
Boc-Nle-OBzl (0.61 g、1.90 mmol)に4N HCl / ジオキサン溶液(9.40 ml)を加え、室温で1時間攪拌した。減圧濃縮してジオキサンを除き、残渣にn-ヘキサン(5.0 ml)を加えて減圧濃縮する操作を3回繰り返して、定量的な収率でH-Nle-OBzl・HClを得た。
H-Nle-OBzl・HClを塩化メチレン(30 ml)に溶解し、反応液を0 ℃に保った。反応液にZ-Glu-OBzl (N-α-Carbobenzoxy-L-glutamic acid α-benzyl ester、0.70 g、 1.90 mmol)、トリエチルアミン(0.29 ml、1.1当量、2.10 mmol)、HOBt・H2O(1-Hydroxybenzotriazole hydrate、0.32 g、1.1当量、2.10 mmol)及びWSC・HCl(0.41 g、1.1当量、2.10 mmol)を加えた。反応液の温度を徐々に昇温し、室温で一夜(16時間)攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣に酢酸エチル(100 ml)を加え、有機層を、水(30 ml)、5 %クエン酸水溶液(30 ml)で2回、飽和食塩水(30 ml)、5 %炭酸水素ナトリウム水溶液(30 ml)で2回及び飽和食塩水(30 ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過して除き、ろ液を減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルとn-ヘキサンから再結晶し、結晶をろ過して集め、減圧乾燥してZ-Glu(Nle-OBzl)-OBzl (0.91 g)を結晶として得た。
エタノール(50 ml)と水(10 ml)の混合液にZ-Glu(Nle-OBzl)-OBzl (4.05 g)と5 %パラジウム炭素(5 % palladium/carbon、0.40 g)を加え、50 ℃で一夜(14時間)、水素雰囲気下で接触還元を行った。反応中、水(10 ml)を少しずつ加えた。パラジウム炭素をろ過して除き、ろ液を減圧濃縮した。残渣を少量の水とエタノールから再結晶してγ-Glu-Nle (0.29 g)を吸湿性の結晶として得た。更にこの結晶を水(30 ml)に溶かして凍結乾燥してγ-Glu-Nle (0.13 g、0.50 mmol)を白色粉末として得た。その特性値を次に示す。
ESI-MS:(M+H)+ = 261.1、(M-H)- = 259.0.
1H-NMR (400 MHz, D2O) δ (ppm): 0.79 (3H, t, J=7.1 Hz), 1.18-1.30 (4H, m), 1.60-1.70 (1H, m), 1.70-1.80 (1H, m), 2.04-2.10 (2H, m), 2.38-2.44 (2H, m), 3.73 (1H, t, J=6.3Hz), 4.19 (1H, dd, J=5.0 and 8.8Hz).
(試験例1)CaSR発現プラスミドの調製
CaSR発現プラスミドの調製を以下のように行った。
NCBIに登録されたDNA配列(CaSR(カルシウム受容体):NM_000388、配列番号1、2)を元に、PCRに使う合成オリゴDNA(フォワードプライマー(配列番号3:ACTAATACGACTCACTATAGGGACCATGGCATTTTATAGCTGCTGCTGG)、及びリバースプライマー(配列番号4:TTATGAATTCACTACGTTTTCTGTAACAG)を合成した。
ヒト腎臓由来のcDNA(Clontech社製)を材料として、前記プライマー、及びPfu Ultra DNA Polymerase(Stratagene社製)を用い、以下の条件でPCRを実施した。94℃で3分の後、94℃で30秒、55℃で30秒、72℃で2分を35回繰り返した後、72℃で7分反応させた。アガロース電気泳動を行い、DNA染色試薬で染色した後、紫外線照射によってPCRによって増幅がなされたか否かを検出した。又、同時に電気泳動したサイズ既知のDNAマーカーと比較することで、PCR産物の鎖長を確認した。
プラスミドベクターpBR322を制限酵素EcoRV(Takara社製)によって切断し、その切断部位にPCRによって増幅された遺伝子断片をLigation kit(Promega社製)を用いて連結した。この反応溶液でエシェリヒア・コリDH5α株を形質転換し、PCR増幅産物がクローニングされたプラスミドを保持する形質転換体を選抜し、更にPCR増幅産物をDNA塩基配列解析によって確認した。
この組換えプラスミドを用いてヒトCaSR発現プラスミドhCaSR/pcDNA3.1を作製した。
(試験例2)CaSRアゴニスト活性の評価
293E細胞(EBNA1発現HEK293細胞、ATCC No.CRL-10852)を、200μg/mlのG418(ジェネティシン)存在下、10%のウシ胎児血清を含むDMEM/Ham's-F12(3.15/ml Glucose含有Dulbecco's modified Eagle medium、ナカライテスク)にて培養した。3×106ceells/10mlでF25フラスコに撒き、CO2インキュベータ(5%CO2、37℃)に24時間静置した後、トランスフェクション試薬Fugene6(Roche)にてヒトCaSR発現プラスミドhCaSR/pcDNA3.1をトランスフェクションした。CO2インキュベータに6〜7時間置いた後、細胞を10%ウシ胎児血清含有DMEM/Ham's-F12にて回収し、70,000cells/wellでpoly-D-lysine coat 96well plate(BD-Biocoat)に播種した。
CO2インキュベータにて24時間静置した後、この細胞を播種した96 well plateから培地を除去し、Assay Buffer (146mM NaCl、5mM KCl、1mM MgSO4、1mg/ml Glucose、20mM HEPES(pH 7.2)、0.75〜1.25 mM CaCl2)に溶解したCa2+蛍光指示薬Calcium 4 Assay Kit(Molecular Devices)を200μl/well添加し、37℃で1時間、次いで室温で10分静置し指示薬を取り込ませた。
この96well plateに、0.1%BSA含有Assay Bufferに溶解した被験化合物(γ-Glu-Nva又はγ-Glu-Nle)を50μl/well添加し、FLEX Station(Molecular Devices)で3分間蛍光強度変化を測定した。
(EC50算出法)
化合物添加前後の蛍光強度の最大値と最小値の差(RFU(Max-Min))をFLEX Stationの自動計算にて求めた。化合物最大濃度添加時のRFU(Max-Min)を100%、被験化合物を含まない0.1%BSA含有Assay Bufferを使用時のRFU(Max-Min)を0%と定義した活性率を計算し、表計算ソフトXfitもしくはグラフパッドプリズムにてカーブフィッティングし、活性率50%時の化合物濃度であるEC50値を求めた。結果を表1に示した。
また、比較例として、他のジペプチドについて同様に測定した値を表2に示した。
表1
Figure 2011081185
表2
Figure 2011081185
他のジペプチドと比較してγ−Glu−Nvaはγ−Glu−Cys並みの強いCaSR作用活性を示した。CaSR作用活性を有する低分子ペプチドがコク味付与剤として有用であることが知られており(特許文献1)、γ−Glu−Nvaは特に優れたコク味付与剤であることが示唆された。
実施例1 コク味付与活性の評価
γ−Glu−Nvaについて、
定量的な官能評価試験によりコク味付与活性の強度を調べた。
定量的官能評価試験は以下のように実施した。グルタミン酸ナトリウム(0.05g/dl)、イノシン酸一リン酸(0.05g/dl)、塩化ナトリウム(0.5g/dl)を含有する蒸留水に、被験化合物を0.00001〜0.5g/dlにて混合した場合の、コク味付与活性の強度を測定した。試料溶解後に無添加コントロールに対し酸性を呈したサンプルについては、NaOHで無添加コントロールに対しpH±0.2の幅に合わせて使用した。官能評点について、コントロール:0点、強い:3点、非常に強い:5点とするとともに、尺度をより明確にするため、γ-Glu-Val-Glyの先味、中後味を各々3.0点とした。採点ついては、直線尺度法を用い、−5〜0〜5点の位置を示した直線に対し、該当する採点を位置として記入する方法を用いた。また、食品の調味開発を累積で1年以上経験し、うま味塩味溶液に添加したγ-Glu-Cys-Glyとγ-Glu-Val-Glyの力価の差が10倍前後と判定できる者(定期的に確認)をパネラーとした。評価は、n=4で実施した。尚、「先味」とは、口含み後、0〜2秒の呈味、中後味はそれ以降の呈味である。被検化合物は上記添加濃度で幅広くコク味付与活性を示したが、代表的な濃度の結果を表3に示した。
又、γ-Glu-Val−Gly、γ-Glu-Cys、γ-Glu-Val、γ−Glu−Alaとγ−Glu−Serについて同様に評価した結果も表3に示した。
表3
Figure 2011081185
γ−Glu−Nvaが優れたコク味付与活性を有し、更にその呈味パターンについて先味の立ち上がりが優れていることが分かった。この先味の立ち上がりはγ-Glu-Cysに比べて極めて優位な点の一つである。また、γ-Glu-Nvaは安定性に優れており、この点もγ-Glu-Cysに比べて優位な点である。コク味付与活性に関してもγ-Glu-Nvaは、これまでのジペプチドを陵駕する高力価である。また、γ-Glu-Nvaは含まれるアミノ酸の残基数が2残基と短いので、アミノ酸の残基数が3残基であるトリペプチドと比較してより簡便かつ低コストで生産することが可能であり、産業上も非常に有利である。
実施例2 γ−Glu−Nvaのバジルに与える効果
γ−Glu−Nvaは先味型ジペプチドであるが、喫食時のコク味付与効果活性が、γ−Glu−Abu、γ−Glu−Valなど、これまでの高力価な先味型ジペプチドより、わずかに遅く発現することがわかった。一方、γ−Glu−Cys−Gly(グルタチオン)、γ−Glu−Val−Glyなど高力価な中後味型トリペプチドと比較すると、非常に早いコク味付与効果の発現であることもわかった。この点に着目し、他の高コク味付与効果活性を有するγGluペプチドでは認められない、γ−Glu−Nvaのコク味付与効果活性が発現する時間に同調し、風味が強化されるハーブ・スパイス類を見出し、詳細に調べた。
官能評価試験を次のように実施した。市販の代表的なハーブ・スパイス粉末を0.5重量%となるように水に分散し、ハーブ・スパイス溶液を調製した。この溶液に対し、試料としてγ−Glu−Nva、γ−Glu−Cys−Gly、又はγ−Glu−Abuを混合した。測定は2点識別試験法を用い、(1)γ−Glu−Nva0.00015重量%と同等のコク味付与活性であるγ−Glu−Cys−Gly0.02重量%、(2)γ−Glu−Nva0.00015重量%と同等量であるγ−Glu−Abu0.00015重量%、(3)γ−Glu−Nva0.00015重量%と同等のコク味付与活性であるγ−Glu−Abu0.003重量%を比較評価し、“ハーブ・スパイス溶液を呈味・風味のバランスを変えずに強め好ましい”方をパネルに判断させた。食品の調味開発を累積で1年以上経験し、うま味塩味溶液に添加したγ-Glu-Cys-Glyとγ-Glu-Val-Glyの力価の差が10倍前後と判定できる者(定期的に確認)をパネルとした。評価はN=9で実施した。
γ−Glu−Nva0.00015重量%の方が“ハーブ・スパイス溶液を呈味・風味のバランスを変えずに強め好ましい”と評価したパネル数を表4に示した。シソ科のハーブ・スパイスに効果を認めたが、代表としてバジルの結果を示す。
この結果から、(1)と(3)のように、同等のコク味力価でも、γ−Glu−Nvaに、シソ科ハーブ・スパイスの呈味・風味を極めて著しく強化する特異な効果を認めた。
表4
N=9
Figure 2011081185
*)有意水準1%で、γ-Glu-Nvaの方が、シソ科のバジル溶液を呈味・風味のバランスを変えずに強め好ましいと言える。
**)有意水準5%で、γ-Glu-Nvaの方が、シソ科のバジル溶液を呈味・風味のバランスを変えずに強め好ましいと言える。
上記の結果から、γ−Glu−Nvaについて、同等のコク味付与活性である濃度のγ−Glu−Cys−Gly、γ−Glu−Abuなど高いコク味付与活性を有するγGluペプチドよりも“シソ科ハーブ・スパイスの呈味・風味のバランスを変えずに強め好ましくする”という極めて特異的な効果を有することが分った。シソ科のハーブ・スパイスは、シソ、バジルのほかに、アニス、オレガノ、セージ、タイム、ハッカ、ペパーミント、ベルガモット、マジョラム、ミント、ラベンダー、ローズマリーなど多岐におよび、イタリア料理を含め、世界的に広く、調味料・スープ・ソース・畜肉加工品・調理加工品・菓子などに用いられている。従って、γ−Glu−Nvaはより低コストおよび微量で、シソ科のハーブ・スパイスを使用する食品の呈味・風味を改善することを可能とし、産業上も非常に有利である。
実施例3 γ−Glu−Nvaの味噌に与える効果
γ−Glu−Nvaは先味型ジペプチドであるが、喫食時のコク味付与効果活性が、γ−Glu−Abu、γ−Glu−Valなど、他の高力価な先味型ジペプチドより、わずかに遅く発現することがわかった。一方、γ−Glu−Cys−Gly(グルタチオン)、γ−Glu−Val−Glyなど高力価な中後味型トリペプチドと比較すると、非常に早いコク味付与効果の発現であることもわかった。この点に着目し、他の高コク味付与効果活性を有するγGluペプチドでは認められない、γ−Glu−Nvaのコク味付与効果活性が発現する時間に同調し、風味が強化される調味料類を見出し、詳細に調べた。
官能評価試験を次のように実施した。市販の一般的な味噌(大豆・麦原料)を10.0重量%となるように熱水に溶解し、味噌溶液を調製した。この溶液に対し、試料としてγ−Glu−Nva、γ−Glu−Cys−Gly、又はγ−Glu−Abuを混合した。測定は2点識別試験法を用い、(1)γ−Glu−Nva0.0004重量%と同等のコク味付与活性であるγ−Glu−Cys−Gly0.02重量%、(2)γ−Glu−Nva0.0004重量%と同等量であるγ−Glu−Abu0.0004重量%、(3)γ−Glu−Nva0.0004重量%と同等のコク味付与活性であるγ−Glu−Abu0.003重量%を比較評価し、“味噌溶液を呈味・風味のバランスを変えずに強め好ましい”方をパネルに判断させた。食品の調味開発を累積で1年以上経験し、うま味塩味溶液に添加したγ-Glu-Cys-Glyとγ-Glu-Val-Glyの力価の差が10倍前後と判定できる者(定期的に確認)をパネルとした。評価はN=9で実施した。
γ−Glu−Nva0.0004重量%の方が“味噌溶液を呈味・風味のバランスを変えずに強め好ましい”と評価したパネル数を表5に示した。
この結果から、(1)と(3)のように、同等のコク味力価でも、γ−Glu−Nvaに、味噌の呈味・風味を極めて著しく強化する特異な効果を認めた。
表5
N=9
Figure 2011081185
*)有意水準5%で、γ-Glu-Nvaの方が、味噌溶液を呈味・風味のバランスを変えずに強め好ましいと言える。
**)有意水準1%で、γ-Glu-Nvaの方が、味噌溶液を呈味・風味のバランスを変えずに強め好ましいと言える。
上記の結果から、γ−Glu−Nvaについて、同等のコク味付与活性である濃度のγ−Glu−Cys−Gly、γ−Glu−Abuなど高いコク味付与活性を有するγGluペプチドよりも“味噌の呈味・風味のバランスを変えずに強め好ましくする”という極めて特異的な効果を有することが分った。味噌は広く、調味料・味噌汁・つゆ・たれ・調理加工品などに用いられている。従って、γ−Glu−Nvaはより低コストおよび微量で、味噌を使用する食品の呈味・風味を改善することを可能とし、産業上も非常に有利である。
実施例4 γ−Glu−Nvaのトマトケチャップに与える効果
γ−Glu−Nvaは先味型ジペプチドであるが、喫食時のコク味付与効果活性が、γ−Glu−Abu、γ−Glu−Valなど、他の高力価な先味型ジペプチドより、わずかに遅く発現することがわかった。一方、γ−Glu−Cys−Gly(グルタチオン)、γ−Glu−Val−Glyなど高力価な中後味型トリペプチドと比較すると、非常に早いコク味付与効果の発現であることもわかった。この点に着目し、他の高コク味付与効果活性を有するγGluペプチドでは認められない、γ−Glu−Nvaのコク味付与効果活性が発現する時間に同調し、風味が強化される調味料類を見出し、詳細に調べた。
官能評価試験を次のように実施した。市販の一般的なトマトケチャップを33.3重量%となるように熱水に溶解し、トマトケチャップ溶液を調製した。この溶液に対し、試料としてγ−Glu−Nva、γ−Glu−Cys−Gly、又はγ−Glu−Abuを混合した。測定は2点識別試験法を用い、(1)γ−Glu−Nva0.0004重量%と同等のコク味付与活性であるγ−Glu−Cys−Gly0.02重量%、(2)γ−Glu−Nva0.0004重量%と同等量であるγ−Glu−Abu0.0004重量%、(3)γ−Glu−Nva0.0004重量%と同等のコク味付与活性であるγ−Glu−Abu0.003重量%を比較評価し、“トマトケチャップ溶液を呈味・風味のバランスを変えずに強め好ましい”方をパネルに判断させた。食品の調味開発を累積で1年以上経験し、うま味塩味溶液に添加したγ-Glu-Cys-Glyとγ-Glu-Val-Glyの力価の差が10倍前後と判定できる者(定期的に確認)をパネルとした。評価はN=9で実施した。
γ−Glu−Nva0.0004重量%の方が“トマトケチャップ溶液を呈味・風味のバランスを変えずに強め好ましい”と評価したパネル数を表6に示した。トマトを使用したその他のソース類などでも効果が認められたが、代表としてトマトケチャップの例を示す。
この結果から、(1)と(3)のように、同等のコク味力価でも、γ−Glu−Nvaに、トマトの呈味・風味を極めて著しく強化する特異な効果を認めた。
表6
N=9
Figure 2011081185
*)有意水準1%で、γ-Glu-Nvaの方が、トマトケチャップ溶液を呈味・風味のバランスを変えずに強め好ましいと言える。
上記の結果から、γ−Glu−Nvaについて、同等のコク味付与活性である濃度のγ−Glu−Cys−Gly、γ−Glu−Abuなど高いコク味付与活性を有するγGluペプチドよりも“トマトを使用した調味料・ソースなどのトマトの呈味・風味のバランスを変えずに強め好ましくする”という極めて特異的な効果を有することが分った。トマトは広く、調味料・スープ・ソース・調理加工品などに用いられている。従って、γ−Glu−Nvaはより低コストおよび微量で、トマトを使用する食品の呈味・風味を改善することを可能とし、産業上も非常に有利である。

Claims (16)

  1. γ−Glu−Nvaからなるコク味付与剤。
  2. (a)γ−Glu−Nvaに、
    (b)γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)、γ−Glu−Val−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)、γ−Glu−Abu、γ−Glu−Ala、γ−Glu−Gly、γ−Glu−Cys、γ−Glu−Met、γ−Glu−Thr、γ−Glu−Val、γ−Glu−Orn、Asp−Gly、Cys−Gly、Cys−Met、Glu−Cys、Gly−Cys、Leu−Asp、D−Cys、γ−Glu−Met(O)、γ−Glu−γ−Glu−Val、γ−Glu−Val−NH2、γ−Glu−Val−ol、γ−Glu−Ser、γ−Glu−Tau、γ−Glu−Cys(S−Me)(O)、γ−Glu−Leu、γ−Glu−Ile、γ−Glu−t−Leuおよびγ−Glu−Cys(S−Me)からなる群より選択される1種又は2種以上のアミノ酸又はペプチド、を併用してなる複合コク味付与剤。
  3. γ−Glu−Nvaを0.1ppb〜99.9質量%含有する食品組成物。
  4. 0.005〜30重量ppmのγ−Glu−Nvaと、0.01〜10重量%のシソ科のハーブ・スパイス類と、他の食品原料とを含有する、請求項3記載の食品組成物。
  5. 0.02〜80重量ppmのγ−Glu−Nvaと、0.01〜99.9重量%の味噌と、他の食品原料とを含有する、請求項3記載の食品組成物。
  6. 0.02〜80重量ppmのγ−Glu−Nvaと、0.01〜99.9重量%のトマトと、他の食品原料とを含有する、請求項3記載の食品組成物。
  7. γ−Glu−Nvaからなる呈味増強剤を飲食品原料に添加混合する工程、および、必要に応じて、得られる飲食品原料混合物をさらに調理する工程を含む、飲食品又は飲食品の製造中間品の製造方法。
  8. γ−Glu−Nvaからなる呈味増強剤を飲食品原料に添加混合する工程が、飲食品の製造中間品のγ−Glu−Nva濃度を0.005〜600,000重量ppmとする工程を含む、請求項7記載の飲食品又は飲食品原料の製造中間品の製造方法。
  9. 飲食品の製造中間品を別の飲食品原料に添加して、得られる飲食品のγ−Glu−Nva濃度を0.005〜30重量ppmとする工程をさらに含む、請求項8記載の飲食品の製造方法。
  10. γ−Glu−Nvaからなる呈味増強剤を飲食品原料に添加混合する工程が、飲食品のγ−Glu−Nva濃度を0.005〜30重量ppmとする工程を含む、請求項8記載の飲食品の製造方法。
  11. 飲食品がシソ科ハーブ・スパイスを含有する食品である、請求項7〜10のいずれか1項に記載の飲食品の製造方法。
  12. 飲食品が味噌を含有する食品である、請求項7〜10のいずれか1項に記載の飲食品の製造方法。
  13. 飲食品がトマトを含有する食品である、請求項7〜10のいずれか1項に記載の飲食品の製造方法。
  14. 請求項7〜13のいずれかに記載の方法により得られる飲食品又は飲食品の製造中間品。
  15. γ−Glu−Nvaを含有する組成物を飲食品に添加する工程を有する、飲食品の呈味増強方法。
  16. 呈味増強がコク味付与である、請求項15記載の方法。
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