JPWO2011070859A1 - 熱間プレス用鋼板の加熱方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、優れたスポット溶接性を有する熱間プレス成形品を、高い生産性で得ることができる等の利点を有する熱間プレス用鋼板の加熱方法等を提供することを課題とする。本発明は、バインダーと金属充填剤とを含有するコーティング材を用いて形成された皮膜を有する熱間プレス用鋼板を、室温〜350℃の範囲の温度T1[℃]から800〜1200℃の範囲の温度T2[℃]まで、1〜120秒の範囲の所要時間t[秒]で加熱する工程を含み、該方法の所要時間の総計が1〜120秒の範囲である熱間プレス用鋼板の加熱方法を提供する。
Description
本発明は、熱間プレス用鋼板の加熱方法等に関する。
近年、地球温暖化、大気汚染、化石燃料の枯渇等の環境問題に対する意識が高まり、自動車においても燃費向上およびCO2削減に大きく寄与する車体の軽量化が強く求められている。その中で、自動車に使用される薄鋼板を高強度化することで衝突安全性に考慮しながら車体重量を減少する技術が進んでいる。このような技術の代表的なものとして熱間プレスが挙げられる。
熱間プレスは、鋼板を約800〜約1200℃まで加熱してオーステナイト変態させ、次いで金型を用いて鋼板を成形し急冷してマルテンサイト相に変態させる方法である。熱間プレスにより高強度の成形品を得ることができる。
熱間プレスにおいて、鋼板を加熱するときおよび加熱した鋼板を成形し急冷するときに、鋼板の表面に鉄酸化物(スケール)が形成される。成形品の表面に形成したスケールを除去するために、該表面に対して高圧水を吹き付けたり、ショットブラストを行う等の工程が一般的に行われている。しかし、工程数の増加により時間的および金銭的コストが増加する。そこで、スケールの形成が抑制された熱間プレス用鋼板が検討されている。
スケールの形成が抑制された熱間プレス用鋼板として、特許文献1に合金化溶融亜鉛めっき鋼板が開示されている。しかし、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造するのに、溶融亜鉛めっき鋼板を550〜650℃で加熱する工程が必要となる。
特許文献2には、バインダーと金属充填剤とを含有するコーティング材を用いて形成された皮膜を有する熱間プレス用鋼板が開示されている。該熱間プレス用鋼板は、前記コーティング材を鋼板に塗布し、該鋼板を加熱することにより簡便に得ることができる。しかし、該熱間プレス用鋼板を950℃で4分間保持し、次いで、成形し急冷して熱間プレス成形品を得るとき、該成形品のスポット溶接性は十分に満足できるものではない。
本発明の課題は、バインダーと金属充填剤とを含有するコーティング材を用いて形成された皮膜を有する熱間プレス用鋼板から、優れたスポット溶接性を有する熱間プレス成形品を、高い生産性で得ることができる等の利点を有する熱間プレス用鋼板の加熱方法等を提供することにある。
本発明は、以下の(1)〜(20)を提供する。
(1)バインダーと金属充填剤とを含有するコーティング材を用いて形成された皮膜を有する熱間プレス用鋼板を、室温〜350℃の範囲の温度T1[℃]から800〜1200℃の範囲の温度T2[℃]まで、1〜120秒の範囲の所要時間t[秒]で加熱する工程を含み、
所要時間の総計が1〜120秒の範囲である熱間プレス用鋼板の加熱方法。
(2)前記熱間プレス用鋼板を、前記温度T1[℃]から前記温度T2[℃]まで、前記所要時間t[秒]で加熱する工程からなる上記(1)に記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
(3)前記熱間プレス用鋼板を、前記温度T1[℃]から前記温度T2[℃]まで、前記所要時間t[秒]で加熱する工程と、
次いで、800〜1200℃の温度で前記熱間プレス用鋼板を加熱する工程とからなり、
所要時間の総計が2〜120秒である上記(1)に記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
(4)(T2−T1)/tの式で計算される値が10〜330℃/秒の範囲である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
(5)前記温度T1が室温である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
(6)前記温度T2が840〜1000℃の範囲にある上記(1)〜(5)のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
(7)前記所要時間tが3秒以上である上記(1)〜(6)のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
(8)前記所要時間tが80秒以下である上記(1)〜(7)のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
(9)前記熱間プレス用鋼板を抵抗加熱方式によって加熱する上記(1)〜(8)のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
(10)前記熱間プレス用鋼板を抵抗加熱方式によって加熱し、
前記工程が、
当該熱間プレス用鋼板の温度を、1〜10秒の範囲の所要時間で温度T1[℃]から温度T1’[℃]にする工程aと、
次いで、当該熱間プレス用鋼板の温度を、1〜5秒の範囲の所要時間t’[秒]で該温度T1’[℃]から温度T2’[℃]にする工程bと、
次いで、当該熱間プレス用鋼板の温度を、1〜10秒の範囲の所要時間で該温度T2’[℃]から温度T2[℃]にする工程cとからなり、
当該温度T1’および当該温度T2’が300〜500℃の範囲にあり、かつ、(T2’−T1’)/t’の式で計算される値が−20〜20℃/秒の範囲である上記(5)に記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
(11)前記熱間プレス用鋼板が、その厚さ方向における電気抵抗が1Ω以下の鋼板である上記(9)または(10)に記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
(12)前記熱間プレス用鋼板を赤外線照射方式によって加熱する上記(1)〜(8)のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
(13)前記バインダーが有機高分子を含有する上記(1)〜(12)のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
(14)前記バインダーが、シラン加水分解生成物/縮合体またはシリコーン樹脂を含有する上記(1)〜(12)のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
(15)前記熱間プレス用鋼板が、バインダーと金属充填剤とを含有するコーティング材が塗布された鋼板を、室温から250〜350℃の範囲の温度まで3〜60秒の所要時間で加熱することにより得られるものである上記(14)に記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
(16)前記金属充填剤が、Al、Zn、Mg、Fe、Snまたはこれらの少なくとも1つを含む合金から選ばれる少なくとも1つを含有する上記(1)〜(15)のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
(17)前記熱間プレス用鋼板を非酸化性ガスの雰囲気下で加熱する上記(1)〜(16)のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
(18)バインダーと金属充填剤とを含有するコーティング材を用いて形成された皮膜を有する熱間プレス用鋼板を上記(1)〜(17)のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法で加熱して、加熱された熱間プレス用鋼板を得る工程、および
当該加熱された熱間プレス用鋼板を成形し、成形された熱間プレス用鋼板を急冷する工程を含む熱間プレス方法。
(19)上記(18)に記載の熱間プレス方法で得られる熱間プレス成形品。
(20)バインダーと金属充填剤とを含有するコーティング材を用いて形成された皮膜を有する熱間プレス用鋼板を上記(1)〜(17)のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法で加熱して、加熱された熱間プレス用鋼板を得る工程、および
当該加熱された熱間プレス用鋼板を成形し、成形された熱間プレス用鋼板を急冷する工程を含む熱間プレス成形品の製造方法。
(1)バインダーと金属充填剤とを含有するコーティング材を用いて形成された皮膜を有する熱間プレス用鋼板を、室温〜350℃の範囲の温度T1[℃]から800〜1200℃の範囲の温度T2[℃]まで、1〜120秒の範囲の所要時間t[秒]で加熱する工程を含み、
所要時間の総計が1〜120秒の範囲である熱間プレス用鋼板の加熱方法。
(2)前記熱間プレス用鋼板を、前記温度T1[℃]から前記温度T2[℃]まで、前記所要時間t[秒]で加熱する工程からなる上記(1)に記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
(3)前記熱間プレス用鋼板を、前記温度T1[℃]から前記温度T2[℃]まで、前記所要時間t[秒]で加熱する工程と、
次いで、800〜1200℃の温度で前記熱間プレス用鋼板を加熱する工程とからなり、
所要時間の総計が2〜120秒である上記(1)に記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
(4)(T2−T1)/tの式で計算される値が10〜330℃/秒の範囲である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
(5)前記温度T1が室温である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
(6)前記温度T2が840〜1000℃の範囲にある上記(1)〜(5)のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
(7)前記所要時間tが3秒以上である上記(1)〜(6)のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
(8)前記所要時間tが80秒以下である上記(1)〜(7)のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
(9)前記熱間プレス用鋼板を抵抗加熱方式によって加熱する上記(1)〜(8)のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
(10)前記熱間プレス用鋼板を抵抗加熱方式によって加熱し、
前記工程が、
当該熱間プレス用鋼板の温度を、1〜10秒の範囲の所要時間で温度T1[℃]から温度T1’[℃]にする工程aと、
次いで、当該熱間プレス用鋼板の温度を、1〜5秒の範囲の所要時間t’[秒]で該温度T1’[℃]から温度T2’[℃]にする工程bと、
次いで、当該熱間プレス用鋼板の温度を、1〜10秒の範囲の所要時間で該温度T2’[℃]から温度T2[℃]にする工程cとからなり、
当該温度T1’および当該温度T2’が300〜500℃の範囲にあり、かつ、(T2’−T1’)/t’の式で計算される値が−20〜20℃/秒の範囲である上記(5)に記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
(11)前記熱間プレス用鋼板が、その厚さ方向における電気抵抗が1Ω以下の鋼板である上記(9)または(10)に記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
(12)前記熱間プレス用鋼板を赤外線照射方式によって加熱する上記(1)〜(8)のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
(13)前記バインダーが有機高分子を含有する上記(1)〜(12)のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
(14)前記バインダーが、シラン加水分解生成物/縮合体またはシリコーン樹脂を含有する上記(1)〜(12)のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
(15)前記熱間プレス用鋼板が、バインダーと金属充填剤とを含有するコーティング材が塗布された鋼板を、室温から250〜350℃の範囲の温度まで3〜60秒の所要時間で加熱することにより得られるものである上記(14)に記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
(16)前記金属充填剤が、Al、Zn、Mg、Fe、Snまたはこれらの少なくとも1つを含む合金から選ばれる少なくとも1つを含有する上記(1)〜(15)のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
(17)前記熱間プレス用鋼板を非酸化性ガスの雰囲気下で加熱する上記(1)〜(16)のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
(18)バインダーと金属充填剤とを含有するコーティング材を用いて形成された皮膜を有する熱間プレス用鋼板を上記(1)〜(17)のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法で加熱して、加熱された熱間プレス用鋼板を得る工程、および
当該加熱された熱間プレス用鋼板を成形し、成形された熱間プレス用鋼板を急冷する工程を含む熱間プレス方法。
(19)上記(18)に記載の熱間プレス方法で得られる熱間プレス成形品。
(20)バインダーと金属充填剤とを含有するコーティング材を用いて形成された皮膜を有する熱間プレス用鋼板を上記(1)〜(17)のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法で加熱して、加熱された熱間プレス用鋼板を得る工程、および
当該加熱された熱間プレス用鋼板を成形し、成形された熱間プレス用鋼板を急冷する工程を含む熱間プレス成形品の製造方法。
本発明によれば、バインダーと金属充填剤とを含有するコーティング材を用いて形成された皮膜を有する熱間プレス用鋼板から、優れたスポット溶接性を有する熱間プレス成形品を、高い生産性で得ることができる等の利点を有する熱間プレス用鋼板の加熱方法等を提供することができる。
[熱間プレス用鋼板の加熱方法]
本発明の熱間プレス用鋼板の加熱方法は、バインダーと金属充填剤とを含有するコーティング材を用いて形成された皮膜を有する熱間プレス用鋼板を、室温〜350℃の温度T1[℃]から800〜1200℃の温度T2[℃]まで、1〜120秒の範囲の所要時間t[秒]で加熱する工程を含み、所要時間の総計が1〜120秒の範囲である。具体的には、例えば、該工程からなる方法、該熱間プレス用鋼板を該工程に付し、次いで、800〜1200℃の温度で該熱間プレス用鋼板を加熱する方法等が挙げられ、該工程からなる方法が好ましい。該熱間プレス用鋼板を該工程に付し、次いで、800〜1200℃の温度で該熱間プレス用鋼板を加熱する方法における所要時間の総計は2〜120秒の範囲にあるのが好ましい。
本発明の熱間プレス用鋼板の加熱方法は、バインダーと金属充填剤とを含有するコーティング材を用いて形成された皮膜を有する熱間プレス用鋼板を、室温〜350℃の温度T1[℃]から800〜1200℃の温度T2[℃]まで、1〜120秒の範囲の所要時間t[秒]で加熱する工程を含み、所要時間の総計が1〜120秒の範囲である。具体的には、例えば、該工程からなる方法、該熱間プレス用鋼板を該工程に付し、次いで、800〜1200℃の温度で該熱間プレス用鋼板を加熱する方法等が挙げられ、該工程からなる方法が好ましい。該熱間プレス用鋼板を該工程に付し、次いで、800〜1200℃の温度で該熱間プレス用鋼板を加熱する方法における所要時間の総計は2〜120秒の範囲にあるのが好ましい。
本発明の熱間プレス用鋼板の加熱方法を用いると、熱間プレスにおいて熱間プレス用鋼板を加熱する時間が短くできるので、該加熱方法を含む本発明の熱間プレス方法により高い生産性で熱間プレス成形品を得ることができる。
該熱間プレス用鋼板を加熱する該工程の具体例としては、例えば、室温(例えば、−10〜40℃の温度)の、または350℃以下に加熱された該熱間プレス用鋼板を、赤外線照射方式、抵抗加熱方式等の加熱方式により、1秒以上120秒未満の範囲の所要時間で、800〜1200℃の温度まで加熱する工程等が挙げられる。350℃以下に加熱された該熱間プレス用鋼板は、例えば、鋼板に皮膜を形成するために前記コーティング材が塗布された鋼板を350℃以下の温度で加熱したもの等も含む。
以後、バインダーと金属充填剤とを含有するコーティング材を用いて形成された皮膜を有する熱間プレス用鋼板を、ワークということがある。
本発明の加熱方法におけるワークを加熱する工程(以下、単に、ワークを加熱する工程ということもある)は、窒素、アルゴン等の非酸化性ガスの雰囲気下で、または大気下で行うことができる。
ワークを加熱する工程においてワークを温度T1[℃]から温度T2[℃]まで所要時間t[秒]で加熱するとき、(T2−T1)/tの式で計算される値が10〜330℃/秒の範囲であるのが好ましい。以後、(T2−T1)/tの式で計算される値を平均加熱速度ということがある。平均加熱速度が大きい工程ほど、ワークをより短い所要時間で加熱する工程であることを意味する。
ワークを加熱する工程において、所要時間tが3秒〜80秒の範囲にあるのが好ましく、3秒〜30秒の範囲にあるのがより好ましく、さらには3秒〜10秒の範囲にあるのが好ましい。
ワークを加熱する工程に用いられる加熱方式としては、例えば、赤外線照射方式、抵抗加熱方式(ERH)、誘導加熱方式等が挙げられる。
赤外線照射方式としては、例えば、短波長赤外線を用いる方式(NIR)、中波長赤外線を用いる方式、長波長赤外線を用いる方式(FIR)等が挙げられる。赤外線照射方式の具体例としては、例えば、長波長赤外線ヒーターユニットを備えた長波長赤外線炉の炉内温度を800〜1200℃の温度まで上げた後、ワークを該炉に入れてワークを加熱する方式、短波長赤外線ランプモジュールを備えた短波長赤外線炉にワークを入れて、ワークに短波長赤外線を照射して800〜1200℃の温度までワークを加熱する方式等が挙げられる。
抵抗加熱方式の具体例としては、例えば、ワークの両端を電極で挟みワークに通電して800〜1200℃の温度までワークを加熱する方式等が挙げられる。抵抗加熱方式によりワークを加熱するとき、電極とワークとが接触する部分の皮膜を予め除去しておくか、厚さ方向における電気抵抗が1Ω以下であるワークを用いるのが好ましい。厚さ方向における電気抵抗1Ω以下であるワークを用いること等により、ワークに通電したときに電極とワークとが接触する部分が極度に加熱されることを抑えることができる。厚さ方向における電気抵抗が0.5Ω以下であるのがより好ましい。
厚さ方向における電気抵抗が1Ω以下であるワークとしては、例えば、NANO-X社製VPCO4374をコーティング材として用いて形成された膜厚5μm以下の皮膜を有するワーク等が挙げられる。
また、抵抗加熱方式は、所望の温度まで非常に速くワークを加熱することができる。抵抗加熱方式により大気下で800〜1200℃の温度までワークを加熱するとき、加熱中に皮膜の分解燃焼が見られることがある。安全性の観点からは、この現象を回避することが望ましい。
より安全にワークを加熱する手段としては、例えば
(1)窒素、アルゴン等の非酸化性ガスの雰囲気下でワークを加熱する手段;
(2)ワークを加熱する装置に局所排気等の排気設備を設ける手段;
(3)平均加熱速度を330℃/秒以下、好ましくは200℃/以下にする手段;および/または
(4)ワークを段階的に加熱する手段
等が挙げられる。
(1)窒素、アルゴン等の非酸化性ガスの雰囲気下でワークを加熱する手段;
(2)ワークを加熱する装置に局所排気等の排気設備を設ける手段;
(3)平均加熱速度を330℃/秒以下、好ましくは200℃/以下にする手段;および/または
(4)ワークを段階的に加熱する手段
等が挙げられる。
ここで、ワークを段階的に加熱する手段としては、例えば、ワークを加熱する工程が、熱間プレス用鋼板の温度を1〜10秒の範囲の所要時間で室温から温度T1’[℃]にする工程aと、次いで、1〜5秒の範囲の所要時間t’[秒]で温度T1’[℃]から温度T2’[℃]にする工程bと、次いで、1〜10秒の範囲の所要時間で温度T2’[℃]から温度T2[℃]にする工程cとからなる手段等が挙げられる。ここで、温度T1’[℃]および温度T2’[℃]は300〜500℃の範囲にあり、(T2’−T1’)/t’の式で計算される値(工程bにおける平均加熱速度)は、−20〜20℃/秒の範囲であるのが好ましい。ワークを加熱する工程中に工程bを設けることにより、皮膜の分解に由来する可燃性ガス等が急激に発生することが抑制される。
誘導加熱方式の具体例としては、例えば、高周波電流の流れる加熱コイルを備えた誘導加熱装置にワークを入れ、加熱コイルにより発生した磁界によりワークに渦電流を発生させることにより800〜1200℃の温度までワークを加熱する方式等が挙げられる。
次に、バインダーと金属充填剤とを含有するコーティング材を用いて鋼板に皮膜を形成することにより、本発明に用いるワークを得る方法について説明する。
本発明の加熱方法に用いるワークは、公知の方法、例えば、特表2009−518471号公報、特表2008−516023号公報、国際公開第2007/076769号パンフレット、国際公開第2009/021489号パンフレット等に記載の方法等に準じて入手することができる。本発明の加熱方法に用いるワークを得る具体的な方法としては、例えば、バインダーと金属充填剤とを含有するコーティング材を鋼板の表面に塗布し、次いで、該鋼板を200〜350℃で1〜600秒加熱することにより皮膜を該鋼板に形成する方法等が挙げられる。
[コーティング材]
該コーティング材は、バインダーと金属充填剤とを含有する。バインダーと金属充填剤とのコーティング材中の含有量の和は、固形分含有量として50〜100質量%であるのが好ましい。ここで、固形分は、該コーティング材を用いて形成された皮膜として鋼板上に残存する成分を意味し、固形分含有量はコーティング材中の固形分の全量に対する質量百分率を意味する。
該コーティング材は、バインダーと金属充填剤とを含有する。バインダーと金属充填剤とのコーティング材中の含有量の和は、固形分含有量として50〜100質量%であるのが好ましい。ここで、固形分は、該コーティング材を用いて形成された皮膜として鋼板上に残存する成分を意味し、固形分含有量はコーティング材中の固形分の全量に対する質量百分率を意味する。
(バインダー)
バインダーとしては、有機高分子、シラン加水分解生成物/縮合体、シリコーン樹脂等が挙げられる。ここで、「シラン加水分解生成物/縮合体」とは、「シラン加水分解生成物およびシラン縮合体」あるいは「シラン加水分解生成物またはシラン縮合体」の意味である。
バインダーとしては、有機高分子、シラン加水分解生成物/縮合体、シリコーン樹脂等が挙げられる。ここで、「シラン加水分解生成物/縮合体」とは、「シラン加水分解生成物およびシラン縮合体」あるいは「シラン加水分解生成物またはシラン縮合体」の意味である。
コーティング材中のバインダーの含有量は、固形分含有量として10〜90質量%であるのが好ましい。
有機高分子としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテル樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
シラン加水分解生成物/縮合体は、例えば、シラン類を加水分解し、または該シラン類を縮合して得ることができる。シラン類としては、例えば、アルコキシシラン等が挙げられる。
アルコキシシランとしては、例えば、アルキルトリアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン、アリールトリアルコキシシラン、アラルキルトリアルコキシシラン等が挙げられる。アルキルトリアルコキシシランとしては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン等を挙げられる。テトラアルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン等が挙げられる。アリールトリアルコキシシランとしては、例えば、トリメトキシフェニルシラン、トリメトキシ(p-トリル)シラン等が挙げられる。アラルキルトリアルコキシシランとしては、例えば、ベンジルトリエトキシシラン等が挙げられる。アルコキシシランとして上記に例示したもの以外としては、例えば、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン等のグリシジル基を有するもの等が挙げられる。
シラン加水分解生成物/縮合体を得る具体的な方法としては、例えば、ギ酸等の弱い有機酸の存在下、少なくとも1種類のアルキルトリアルコキシシランおよび少なくとも1種類のテトラアルコキシシランを含む混合物を加水分解してシラン加水分解生成物を得る方法、該シラン加水分解生成物を縮合する方法等が挙げられる。
シリコーン樹脂は、−(SiO)n−で表される繰り返し構造単位を有するもの(オルガノポリシロキサン)であり、ポリエステル、アクリル、エポキシ等で変性されたシリコーン樹脂も含まれ、溶剤に溶解して好ましく用いることができる。溶剤としては、アルコール類、エステル類、エーテル類、炭化水素(例えばベンジン)等が挙げられ、中でも、23℃超の引火点を有する溶剤が好ましい。溶剤の具体例としては、例えば、ブチルジグリコール、1−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール等が挙げられる。
(金属充填剤)
金属充填剤としては、例えば、金属顔料等が挙げられる。金属顔料としては、例えば、Al、Zn、Mg、Fe、Snまたはこれらの少なくとも1つを含む合金(例えば、ZnとAlとMgとの合金など)を含有する金属顔料等が挙げられる。
金属充填剤としては、例えば、金属顔料等が挙げられる。金属顔料としては、例えば、Al、Zn、Mg、Fe、Snまたはこれらの少なくとも1つを含む合金(例えば、ZnとAlとMgとの合金など)を含有する金属顔料等が挙げられる。
コーティング材中の金属充填剤の含有量は、固形分含有量として10〜90質量%であるのが好ましい。
(その他の成分)
コーティング材は、金属酸化物および/または非金属酸化物粒子を含有するのが好ましい。該粒子としては、例えば、AlOOH(ダイアスポア)、コランダム、酸化ジルコニウム、SiO2、TiO2等の粒子が挙げられる。
コーティング材は、金属酸化物および/または非金属酸化物粒子を含有するのが好ましい。該粒子としては、例えば、AlOOH(ダイアスポア)、コランダム、酸化ジルコニウム、SiO2、TiO2等の粒子が挙げられる。
コーティング材は、固体潤滑剤を含有するのが好ましい。ワークの熱間加工性および冷間加工性がより良好になるからである。固体潤滑剤としては、例えば、ワックス、ステアレート、グラファイト、MoS2、窒化硼素、酸化アルミニウム、二酸化チタン、層状顔料(例えば雲母等)等が挙げられる。
コーティング材は、通常のレオロジー添加物、例えば、揺変性剤、レベリング剤等を含有してもよい。
(好ましいコーティング材の具体例)
コーティング材の具体例として、公知のコーティング材、例えば、特表2008−516023号公報、特表2009−518471号公報等に記載のコーティング材等が挙げられる。
より具体的には、例えば、NANO-X社製VPCO4374等が挙げられる。
コーティング材の具体例として、公知のコーティング材、例えば、特表2008−516023号公報、特表2009−518471号公報等に記載のコーティング材等が挙げられる。
より具体的には、例えば、NANO-X社製VPCO4374等が挙げられる。
[鋼板]
鋼板は、鉄鋼を材料とする薄板であれば特に限定されず、用途に応じて適当な特性を有するものを選択することができる(薄板鋼板)。
鋼板は、鉄鋼を材料とする薄板であれば特に限定されず、用途に応じて適当な特性を有するものを選択することができる(薄板鋼板)。
鋼板の形状は、板状のものであってもよく、ロール状のものであってもよい。
鋼板の厚さは0.5〜5mmであるのが好ましい。
薄板鋼板の製造方法の観点からは、例えば、熱延鋼板、冷延鋼板等が挙げられる。
成分の観点からは、例えば、炭素鋼(普通鋼)、合金鋼(特殊鋼)、ニッケルクロム鋼、ニッケルモリブデン鋼、クロム鋼、クロムモリブデン鋼、マンガン鋼等を挙げることができる。より具体的には、例えば、炭素が0.1〜0.5質量%であり、珪素が0.01〜2質量%であり、マンガンが0.1〜3質量%であり、リンが0.1質量%以下であり、硫黄が0.05質量%以下であり、窒素が0.01質量%以下であり、クロムが0.01〜5質量%であり、硼素が0.0002〜0.01質量%であり、チタンが0.01〜1質量%であり、アルミニウムが0.005〜1質量%であり、ニッケルが0.01〜3質量%であり、残部が鉄および不可避的不純物である組成の鋼板等が挙げられる。
表面処理の観点からは、例えば、無表面処理鋼板、溶融亜鉛めっき、電気亜鉛めっき、溶融アルミニウムめっき、溶融アルミニウム−亜鉛合金めっき、溶融亜鉛−アルミニウム−マグネシウム合金めっき等のめっきが施された鋼板等が挙げられる。前記めっきが施された鋼板に対して、さらにクロメート処理が施された鋼板を用いてもよい。
上記に挙げた鋼板にコーティング材を塗布する前に、該鋼板の表面を化学処理または物理処理に供してもよい。該鋼板の表面を化学処理または物理処理に供すると、熱間プレスにおけるスケールの形成を抑制する効果等がある。
化学処理とは、該鋼板と酸またはその塩を含む水溶液とを接触させることによって鋼板の表面を化学的に処理するものであり、具体的には、例えば、温度10〜80℃、pH4以下の酸性水溶液中に、1〜100分間、前記鋼板を浸漬する処理等が挙げられる。
さらに、当該処理後、鋼板の表面を純水ですすぎ、その後、当該表面に付着した前記純水をエアーガン等で乾燥させることが好ましい。
ここで酸性水溶液の温度は20℃以上であることが好ましく、50℃以上であることがより好ましい。
また、酸性水溶液における酸濃度は0.1〜40質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましく、5〜15質量%であることがさらに好ましい。
また、酸性水溶液のpHは4以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましい。
また、前記鋼板を酸性水溶液中に浸漬する時間は、30〜80分間であることが好ましく、50〜70分間であることがより好ましい。
酸またはその塩としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、スルファミン酸、フッ酸等の無機酸、ギ酸、蓚酸、クエン酸、リンゴ酸、ヒドロキシ酢酸、グルコン酸、メタンスルホン酸等の有機酸、リン酸亜鉛、硝酸亜鉛等が挙げられる。これらの中でもリン酸、メタンスルホン酸が好ましい。
物理処理とは、前記鋼板の表面を物理的に処理するものであり、具体的には、例えば、前記鋼板の表面を機械的に研磨する処理等が挙げられる。機械的に研磨する処理としては、例えば、グラインダー等による機械研磨、サンドペーパーによる研磨等が挙げられる。機械的に研磨する処理においては、前記鋼板の表面を0.5〜10μm程度研磨することが好ましい。研磨において使用する研磨材として、60番(JIS R 6010:2000)を超える粒度の細かい研磨材を使用することが好ましい。60番を超える砥石を使用すると、より適度に、鋼板の表面が研磨されて、皮膜形成後の皮膜外観がよりよくなる。
[ワーク]
本発明の加熱方法に用いるワークは、例えば、鋼板にコーティング材を塗布し、次いで、コーティング材を塗布した鋼板を加熱することにより得ることができる。
鋼板にコーティング材を塗布する方法としては、例えば、スプレーガン等を用いた噴霧塗装、ロール塗装、流動塗装、ドクターブレード塗装、プリント塗装、浸漬塗装(カソード浸漬塗装等)等の湿式塗装法等が挙げられる。
本発明の加熱方法に用いるワークは、例えば、鋼板にコーティング材を塗布し、次いで、コーティング材を塗布した鋼板を加熱することにより得ることができる。
鋼板にコーティング材を塗布する方法としては、例えば、スプレーガン等を用いた噴霧塗装、ロール塗装、流動塗装、ドクターブレード塗装、プリント塗装、浸漬塗装(カソード浸漬塗装等)等の湿式塗装法等が挙げられる。
コーティング材を塗布した鋼板を加熱する方法としては、例えば、赤外線照射方式、熱風循環方式、抵抗加熱方式、電子線硬化等が挙げられる。
本発明の加熱方法に用いるワークを得る具体的な方法としては、例えば、熱風循環方式等により、コーティング材を塗布した鋼板を200〜350℃、好ましくは250〜350℃の範囲の温度で、1〜600秒、好ましくは5〜60秒加熱する方法等が挙げられる。
短波長赤外線を用いた赤外線照射方式により該鋼板を加熱すると、該鋼板を加熱する時間がより短くて済むので、生産性の観点から好ましい。短波長赤外線を用いた赤外線照射方式により該鋼板を加熱するとき、コーティング材を塗布した鋼板を室温から250〜350℃の範囲の温度まで3〜60秒の所要時間で加熱するのが好ましく、室温から270〜350℃の範囲の温度まで、3〜15秒の所要時間で加熱するのがより好ましい。
[熱間プレス方法および熱間プレス成形品]
本発明の熱間プレス方法は、ワークを本発明の熱間プレス用鋼板の加熱方法で加熱して、加熱されたワークを得る工程、および該加熱されたワークを成形し、成形されたワークを急冷する工程を含む。具体的には、例えば、本発明の熱間プレス用鋼板の加熱方法によりワークをAc3変態点以上に加熱し、次いで、加熱されたワークを金型により成形し、成形されたワークを該金型により急冷して熱間プレス成形品を得る方法等が挙げられる。本発明の熱間プレス方法により、電気抵抗が低い(例えば、厚さ方向における電気抵抗が5mΩ以下である)熱間プレス成形品等を得ることができる。
本発明の熱間プレス方法は、ワークを本発明の熱間プレス用鋼板の加熱方法で加熱して、加熱されたワークを得る工程、および該加熱されたワークを成形し、成形されたワークを急冷する工程を含む。具体的には、例えば、本発明の熱間プレス用鋼板の加熱方法によりワークをAc3変態点以上に加熱し、次いで、加熱されたワークを金型により成形し、成形されたワークを該金型により急冷して熱間プレス成形品を得る方法等が挙げられる。本発明の熱間プレス方法により、電気抵抗が低い(例えば、厚さ方向における電気抵抗が5mΩ以下である)熱間プレス成形品等を得ることができる。
本発明の熱間プレス成形品は厚さ方向における電気抵抗が低いので、優れたスポット溶接性等の優れた特性を有する。そのため、溶接部の皮膜を除去することなく本発明の熱間プレス成形品に溶接することができる。
また、本発明の熱間プレス成形品は皮膜を除去することなく、該成形品にリン酸塩処理および/または電着塗装をすることができる。本発明の熱間プレス成形品にリン酸塩処理および/または電着塗装を電着塗装したものは、例えば、ピラー部材、ドアビーム等の自動車部品等に用いられる。
以下に、本発明の実施例および参考例について説明する。
熱風循環式(HAC)乾燥装置としては、アドバンテック社製DRLF23WAを用いた。
短波長赤外線炉としては、炉内の上部と下部とにランプモジュール(3.5kW)を計6個備えた、アドフォス社製の加熱炉を用いた。
長波長赤外線炉としては、デンコー社製の加熱炉を用いた。
電気抵抗加熱装置としては、中央製作所社製の加熱装置を用いた。
熱風循環式(HAC)乾燥装置としては、アドバンテック社製DRLF23WAを用いた。
短波長赤外線炉としては、炉内の上部と下部とにランプモジュール(3.5kW)を計6個備えた、アドフォス社製の加熱炉を用いた。
長波長赤外線炉としては、デンコー社製の加熱炉を用いた。
電気抵抗加熱装置としては、中央製作所社製の加熱装置を用いた。
《製造例1》実施例1〜4、6〜9および参考例1に用いたワーク
鋼板(100mm×200mm、厚さ1.4mm)を用意した。鋼板の表面を、石油ベンジンを含浸した布を用いて清拭し、次いで、アルカリ洗浄液および純水で鋼板を順次洗浄した。その後、エアーガンを用いて鋼板を乾燥した。
乾燥した鋼板の両面に、コーティング材[ナノエックス(NANO−X)社製VPCO4374(バインダー;シラン加水分解生成物/縮合体、金属充填剤;Al)]を、スプレーガンで塗布した。そのとき、ワークの皮膜の膜厚が所望の厚さになるように、スプレーガンにより塗布するコーティング剤の量を調節した。
コーティング材を塗布した鋼板を、熱風循環式乾燥装置を用いて加熱することにより実施例1〜4、6〜9および参考例1に用いたワークをそれぞれ得た。このときの加熱条件(温度および時間)を第1表に示す。ここで、HACによりワークを得たときの加熱条件における温度は、前記装置内の雰囲気の温度を表す。第2表も同様である。
以下、実施例1に用いたワークをワーク1ということがある。その他の実施例番号に用いたワークも同様である。
以下、参考例1に用いたワークをワーク1rということがある。
鋼板(100mm×200mm、厚さ1.4mm)を用意した。鋼板の表面を、石油ベンジンを含浸した布を用いて清拭し、次いで、アルカリ洗浄液および純水で鋼板を順次洗浄した。その後、エアーガンを用いて鋼板を乾燥した。
乾燥した鋼板の両面に、コーティング材[ナノエックス(NANO−X)社製VPCO4374(バインダー;シラン加水分解生成物/縮合体、金属充填剤;Al)]を、スプレーガンで塗布した。そのとき、ワークの皮膜の膜厚が所望の厚さになるように、スプレーガンにより塗布するコーティング剤の量を調節した。
コーティング材を塗布した鋼板を、熱風循環式乾燥装置を用いて加熱することにより実施例1〜4、6〜9および参考例1に用いたワークをそれぞれ得た。このときの加熱条件(温度および時間)を第1表に示す。ここで、HACによりワークを得たときの加熱条件における温度は、前記装置内の雰囲気の温度を表す。第2表も同様である。
以下、実施例1に用いたワークをワーク1ということがある。その他の実施例番号に用いたワークも同様である。
以下、参考例1に用いたワークをワーク1rということがある。
《製造例2》実施例5に用いたワーク(ワーク5)
製造例1のワーク1を得たときと同様な方法で、鋼板にコーティング剤を塗布した。
該短波長赤外線炉におけるランプモジュールとの距離が5cmであるところにコーティング剤を塗布した該鋼板を設置した。該鋼板の上下から短波長赤外線を照射することにより、該鋼板を室温から275℃まで5秒の所要時間で加熱にして、ワーク5を得た。
ワーク1〜9および1rの皮膜の膜厚を、電磁誘導式膜厚計(電磁膜厚計LE−370、ケツト科学研究所社製)を用いて測定した。結果を第1表に示す。
製造例1のワーク1を得たときと同様な方法で、鋼板にコーティング剤を塗布した。
該短波長赤外線炉におけるランプモジュールとの距離が5cmであるところにコーティング剤を塗布した該鋼板を設置した。該鋼板の上下から短波長赤外線を照射することにより、該鋼板を室温から275℃まで5秒の所要時間で加熱にして、ワーク5を得た。
ワーク1〜9および1rの皮膜の膜厚を、電磁誘導式膜厚計(電磁膜厚計LE−370、ケツト科学研究所社製)を用いて測定した。結果を第1表に示す。
〈実施例1〜9および参考例1〉
次に、ワーク1〜9および1rのそれぞれを第1表記載の加熱方式により室温から第1表記載の温度T2まで加熱し、ワークの温度が該温度T2になったとき直ちにワークを水中で急冷することにより製品をそれぞれ得た。室温から該温度T2までワークを加熱するとき、ワークの温度が室温から該温度T2になるまでの所要時間を測定し、同時に、加熱中に皮膜の分解燃焼が発生するか否かを観察した。実施例1〜9および参考例1における、加熱方式(FIR、ERHまたはNIR)、温度T2および所要時間を第1表に示す。温度T2は、ワークにおける鋼板部分の温度を表す。
次に、ワーク1〜9および1rのそれぞれを第1表記載の加熱方式により室温から第1表記載の温度T2まで加熱し、ワークの温度が該温度T2になったとき直ちにワークを水中で急冷することにより製品をそれぞれ得た。室温から該温度T2までワークを加熱するとき、ワークの温度が室温から該温度T2になるまでの所要時間を測定し、同時に、加熱中に皮膜の分解燃焼が発生するか否かを観察した。実施例1〜9および参考例1における、加熱方式(FIR、ERHまたはNIR)、温度T2および所要時間を第1表に示す。温度T2は、ワークにおける鋼板部分の温度を表す。
実施例1〜9および参考例において、室温から該温度T2まで加熱する操作について以下説明する。
〈実施例1、2および6〜9における加熱操作〉FIR
長波長赤外線炉の炉内温度を第一表記載の温度まで上げた後、製造例1で得た室温のワークを該炉に入れ、大気雰囲気中で、ワークの温度が第1表記載の温度T2になるまで加熱した。
長波長赤外線炉の炉内温度を第一表記載の温度まで上げた後、製造例1で得た室温のワークを該炉に入れ、大気雰囲気中で、ワークの温度が第1表記載の温度T2になるまで加熱した。
〈実施例3における加熱操作〉ERH
電気抵抗加熱装置に備えられた2つの電極でワーク3の両端のそれぞれを挟み、次いで、大気雰囲気中でワーク3に通電することにより、ワーク3を室温から900℃まで9秒の所要時間で加熱した。
電気抵抗加熱装置に備えられた2つの電極でワーク3の両端のそれぞれを挟み、次いで、大気雰囲気中でワーク3に通電することにより、ワーク3を室温から900℃まで9秒の所要時間で加熱した。
〈実施例4における加熱操作〉ERH
電気抵抗加熱装置に備えられた2つの電極でワーク4の両端のそれぞれを挟み、次いで、大気雰囲気中でワーク4に通電することによりワーク4を室温から950℃まで6秒の所要時間で段階的に加熱した。その際、ワーク4の温度を3秒の所要時間で室温から350℃にし、次いで、2秒の所要時間で350から380℃までにし[このとき、(T2’−T1’)/t’は15℃/秒と計算される)]、次いで、1秒の所要時間で380℃から950℃にした。
電気抵抗加熱装置に備えられた2つの電極でワーク4の両端のそれぞれを挟み、次いで、大気雰囲気中でワーク4に通電することによりワーク4を室温から950℃まで6秒の所要時間で段階的に加熱した。その際、ワーク4の温度を3秒の所要時間で室温から350℃にし、次いで、2秒の所要時間で350から380℃までにし[このとき、(T2’−T1’)/t’は15℃/秒と計算される)]、次いで、1秒の所要時間で380℃から950℃にした。
〈参考例1における加熱操作〉ERH
電気抵抗加熱装置に備えられた2つの電極でワーク1rの両端のそれぞれを挟み、大気雰囲気中で室温のワーク1rに2秒間通電してワーク1rを730℃まで加熱したとき、ワーク1rの鋼板の一部が溶融し、かつワーク1rの皮膜が分解燃焼した。
ワーク1rの鋼板の一部が溶融した原因としては、厚さ方向における電気抵抗が1Ωを越えたワークを用いたため、ワークに通電したときに電極とワークとが接触する部分が極度に加熱されたことが考えられる。
ワーク1rの皮膜が分解燃焼した原因としては、平均加熱速度が353℃/秒と高かったため、皮膜の分解に由来する可燃性ガス等が急激に発生したことが考えられる。
電気抵抗加熱装置に備えられた2つの電極でワーク1rの両端のそれぞれを挟み、大気雰囲気中で室温のワーク1rに2秒間通電してワーク1rを730℃まで加熱したとき、ワーク1rの鋼板の一部が溶融し、かつワーク1rの皮膜が分解燃焼した。
ワーク1rの鋼板の一部が溶融した原因としては、厚さ方向における電気抵抗が1Ωを越えたワークを用いたため、ワークに通電したときに電極とワークとが接触する部分が極度に加熱されたことが考えられる。
ワーク1rの皮膜が分解燃焼した原因としては、平均加熱速度が353℃/秒と高かったため、皮膜の分解に由来する可燃性ガス等が急激に発生したことが考えられる。
〈実施例5における加熱操作〉NIR
短波長赤外線炉におけるランプモジュールとの距離が5cmであるところにワーク5を設置した。ワーク5の上下から短波長赤外線を照射することにより、ワーク5を室温から950℃まで27秒の所要時間で加熱した。
短波長赤外線炉におけるランプモジュールとの距離が5cmであるところにワーク5を設置した。ワーク5の上下から短波長赤外線を照射することにより、ワーク5を室温から950℃まで27秒の所要時間で加熱した。
(皮膜の分解燃焼)
実施例1〜9において、室温から第1表記載の温度T2までワーク1〜9を加熱したとき、皮膜の分解燃焼は発生しなかった。
実施例1〜9において、室温から第1表記載の温度T2までワーク1〜9を加熱したとき、皮膜の分解燃焼は発生しなかった。
(電気抵抗)
実施例1〜9で得られた製品の厚さ方向における電気抵抗(以下、単に電気抵抗という)を測定した。
製品を2つの電極(Cu−Cr、M16×8A)で両面から挟み、両電極を加圧力3.5kNで加圧し、一定の直流電流(IC)を流したときの電圧(V1)を測定し、以下の式から算出した。
R1[mΩ]=V1[mV]/IC[A]
(ただし、本測定試験において、IC=1[A]である。)
製品の任意の5点において電気抵抗を測定し、それらの算術平均値を製品の電気抵抗とした。結果を第1表に示す。
実施例1〜9で得られた製品の厚さ方向における電気抵抗(以下、単に電気抵抗という)を測定した。
製品を2つの電極(Cu−Cr、M16×8A)で両面から挟み、両電極を加圧力3.5kNで加圧し、一定の直流電流(IC)を流したときの電圧(V1)を測定し、以下の式から算出した。
R1[mΩ]=V1[mV]/IC[A]
(ただし、本測定試験において、IC=1[A]である。)
製品の任意の5点において電気抵抗を測定し、それらの算術平均値を製品の電気抵抗とした。結果を第1表に示す。
《製品の電着塗装》
(試験サンプル1の製造)
前処理:実施例1で得られた製品を、サーフクリーナーDP400(日本ペイント社製)、サーフクリーナー53(日本ペイント社製)およびサーフファイン5N−10(日本ペイント社製)で順次処理した後、リン酸亜鉛処理液サーフダインDP4000(日本ペイント社製)に45℃で2分間浸漬することにより、該製品の前処理を行った。
下塗り塗装:サクセード#8V(デュポン神東塗料社製)を用い、28℃、210Vで通電して前処理した該製品に電着塗装を施し、電着塗装した該製品を190℃で20分間焼付け乾燥することにより試験サンプル1を得た。該製品上に形成された電着塗膜の膜厚は約20μmであった。
(試験サンプル1の製造)
前処理:実施例1で得られた製品を、サーフクリーナーDP400(日本ペイント社製)、サーフクリーナー53(日本ペイント社製)およびサーフファイン5N−10(日本ペイント社製)で順次処理した後、リン酸亜鉛処理液サーフダインDP4000(日本ペイント社製)に45℃で2分間浸漬することにより、該製品の前処理を行った。
下塗り塗装:サクセード#8V(デュポン神東塗料社製)を用い、28℃、210Vで通電して前処理した該製品に電着塗装を施し、電着塗装した該製品を190℃で20分間焼付け乾燥することにより試験サンプル1を得た。該製品上に形成された電着塗膜の膜厚は約20μmであった。
(試験サンプル6〜9の製造)
実施例6〜9で得られた製品のそれぞれに対して以下の前処理および下塗り塗装を行うことにより、試験サンプル6〜9をそれぞれ得た。
前処理:製品の表面を、FC−E2001(日本パーカライジング社製)、PL−ZTH(日本パーカライジング社製)で順次処理した後、リン酸亜鉛処理液WL−35(日本パーカライジング社製)に35℃で2分間浸漬することにより、該製品の前処理を行った。
下塗り塗装:GT−10HT(関西ペイント社製)を用い、25℃、210Vで通電して前処理した該製品に電着塗装を施し、電着塗装した該製品を170℃で20分間焼付け乾燥することにより、試験サンプルを得た。該製品上に形成された電着塗膜の膜厚は約20μmであった。
実施例6〜9で得られた製品のそれぞれに対して以下の前処理および下塗り塗装を行うことにより、試験サンプル6〜9をそれぞれ得た。
前処理:製品の表面を、FC−E2001(日本パーカライジング社製)、PL−ZTH(日本パーカライジング社製)で順次処理した後、リン酸亜鉛処理液WL−35(日本パーカライジング社製)に35℃で2分間浸漬することにより、該製品の前処理を行った。
下塗り塗装:GT−10HT(関西ペイント社製)を用い、25℃、210Vで通電して前処理した該製品に電着塗装を施し、電着塗装した該製品を170℃で20分間焼付け乾燥することにより、試験サンプルを得た。該製品上に形成された電着塗膜の膜厚は約20μmであった。
(付着性試験1)
試験サンプル1および6〜9を用いて、製品に対する電着塗膜の付着性を、碁盤目テープ法(JIS K 5400−8−5−2)に準拠して評価した。
試験サンプルの塗膜面に、カッターナイフを用いて、鋼板素地に到達する切込みを1mm間隔で11本入れた後、90°向きを変えてさらに11本引き、1mm角の碁盤目状(マス目の数=100)の切り傷を付けた。カットした塗膜面にセロハン粘着テープを貼り付け、消しゴムでこすって塗膜にテープを密着させ、テープを密着させてから1分後にテープの端を持って塗膜面に直角に保ち、瞬時にひきはがした。塗膜がはがれずに残ったマス目の数を計数した。
結果を第3表に示す。
試験サンプル1および6〜9を用いて、製品に対する電着塗膜の付着性を、碁盤目テープ法(JIS K 5400−8−5−2)に準拠して評価した。
試験サンプルの塗膜面に、カッターナイフを用いて、鋼板素地に到達する切込みを1mm間隔で11本入れた後、90°向きを変えてさらに11本引き、1mm角の碁盤目状(マス目の数=100)の切り傷を付けた。カットした塗膜面にセロハン粘着テープを貼り付け、消しゴムでこすって塗膜にテープを密着させ、テープを密着させてから1分後にテープの端を持って塗膜面に直角に保ち、瞬時にひきはがした。塗膜がはがれずに残ったマス目の数を計数した。
結果を第3表に示す。
(付着性試験2)
試験サンプル1および6〜9のそれぞれを40℃の蒸留水に500時間浸漬したものを用いて、付着性試験1に記載の方法により、製品に対する電着塗膜の付着性を評価した。結果を第3表に示す。
試験サンプル1および6〜9のそれぞれを40℃の蒸留水に500時間浸漬したものを用いて、付着性試験1に記載の方法により、製品に対する電着塗膜の付着性を評価した。結果を第3表に示す。
(耐食性試験)
試験サンプル1の耐食性を、自動車用材料腐食試験方法(JASO M 609−91)に準拠して評価した。
試験サンプル1に(1)〜(3)の操作を順次行うことを1サイクルとして計60サイクル行うことにより、試験サンプル1の耐食性を評価した[(1)塩水噴霧2時間(35℃、5%NaCl水溶液);(2)乾燥4時間(60℃、相対湿度20〜30%);(3)湿潤2時間(50℃、95%RH以上)]。
耐食性試験後の試験サンプル1におけるさびの発生をASTM D610−85に記載の方法により目視で評価したところ、0.01%未満であった。
耐食性試験後の試験サンプル1における塗膜の膨れの発生を、ASTM D714−87に記載の方法により目視で評価したところ、該試験サンプル1において膨れの発生は見られなかった。
耐食性試験の結果から、試験サンプル1の耐食性が良好であることがわかる。
試験サンプル1の耐食性を、自動車用材料腐食試験方法(JASO M 609−91)に準拠して評価した。
試験サンプル1に(1)〜(3)の操作を順次行うことを1サイクルとして計60サイクル行うことにより、試験サンプル1の耐食性を評価した[(1)塩水噴霧2時間(35℃、5%NaCl水溶液);(2)乾燥4時間(60℃、相対湿度20〜30%);(3)湿潤2時間(50℃、95%RH以上)]。
耐食性試験後の試験サンプル1におけるさびの発生をASTM D610−85に記載の方法により目視で評価したところ、0.01%未満であった。
耐食性試験後の試験サンプル1における塗膜の膨れの発生を、ASTM D714−87に記載の方法により目視で評価したところ、該試験サンプル1において膨れの発生は見られなかった。
耐食性試験の結果から、試験サンプル1の耐食性が良好であることがわかる。
《ワークの皮膜特性》
《製造例3》ワーク2r
コーティング剤を塗布した鋼板を室温から275℃まで5秒の所要時間で加熱する代わりに、室温から200℃まで3秒の所要時間で加熱する以外は製造例2と方法と同様にして、ワーク2rを得た。ワーク2rの皮膜の膜厚は、ワーク1のそれと同様な方法で測定した。
ワーク5、1rおよび2rについて、皮膜の付着性試験、耐薬品性試験および硬度試験を行った。
《製造例3》ワーク2r
コーティング剤を塗布した鋼板を室温から275℃まで5秒の所要時間で加熱する代わりに、室温から200℃まで3秒の所要時間で加熱する以外は製造例2と方法と同様にして、ワーク2rを得た。ワーク2rの皮膜の膜厚は、ワーク1のそれと同様な方法で測定した。
ワーク5、1rおよび2rについて、皮膜の付着性試験、耐薬品性試験および硬度試験を行った。
(皮膜の付着性試験)
ワーク5、1rおよび2rにおいて、鋼板に対する皮膜の付着性を、付着性試験1に記載の方法により評価した。結果を第2表に示す。
ワーク5、1rおよび2rにおいて、鋼板に対する皮膜の付着性を、付着性試験1に記載の方法により評価した。結果を第2表に示す。
(耐薬品性試験)
布にキシレンを含浸させ、該布に60g/cm2の加重をかけてワーク5、1rまたは2rの表面を最大100往復擦った。鋼板が露出したときの回数(1往復擦ったときに1回とする)により皮膜の耐薬品性を評価した。結果を第2表に示す。第2表中、100+は該布で100回擦った後、ワークの鋼板が露出しなかったことを意味する。
布にキシレンを含浸させ、該布に60g/cm2の加重をかけてワーク5、1rまたは2rの表面を最大100往復擦った。鋼板が露出したときの回数(1往復擦ったときに1回とする)により皮膜の耐薬品性を評価した。結果を第2表に示す。第2表中、100+は該布で100回擦った後、ワークの鋼板が露出しなかったことを意味する。
(硬度試験)
引っかき硬度(鉛筆法)(JIS K 5600−5−4:1999)に準拠して皮膜の硬度を評価した。
ワーク5、1rまたは2rの皮膜を、6B、5B、4B、3B、2B、B、HB、F、H、2H、3H、4H、5H、6H、7Hまたは8Hの硬さの鉛筆を用いて、5回引っかき、傷の有無を目視で観察した。
第2表の「皮膜特性」の「皮膜硬度」の欄に、引っかいて傷がついたときの鉛筆の硬度(ただし、8H+は8Hの鉛筆で引っかいても傷がつかなかったことを意味する。)を示す。
引っかき硬度(鉛筆法)(JIS K 5600−5−4:1999)に準拠して皮膜の硬度を評価した。
ワーク5、1rまたは2rの皮膜を、6B、5B、4B、3B、2B、B、HB、F、H、2H、3H、4H、5H、6H、7Hまたは8Hの硬さの鉛筆を用いて、5回引っかき、傷の有無を目視で観察した。
第2表の「皮膜特性」の「皮膜硬度」の欄に、引っかいて傷がついたときの鉛筆の硬度(ただし、8H+は8Hの鉛筆で引っかいても傷がつかなかったことを意味する。)を示す。
実施例1、2および6〜9において、FIRにより、膜厚が3、5、7または9μmである皮膜を有するワークを、室温から、850、900または950℃まで、46〜68秒の範囲の所要時間で加熱した。実施例1、2および6〜9において計算された平均加熱速度は13〜20℃/秒の範囲にある。次いで、該ワークのそれぞれを直ちに水中で急冷することにより、電気抵抗が1または2mΩである製品をそれぞれ得た。
実施例3において、ERHにより、膜厚が3μmである皮膜を有するワークを室温から950℃まで9秒の所要時間で加熱した。このときの平均加熱速度は103℃/秒と計算される。次いで、該ワークを直ちに水中で急冷することにより、電気抵抗が2mΩである製品を得た。
実施例4において、ERHにより、膜厚が3μmである皮膜を有するワークを室温から950℃まで6秒の所要時間で段階的に加熱した。このときの平均加熱速度は154℃/秒と計算される。次いで、該ワークを直ちにワークを水中で急冷することにより、電気抵抗が2mΩである製品を得た。
実施例5において、NIRにより、膜厚が7μmである皮膜を有するワークを室温から950℃まで27秒の所要時間で加熱した。このときの平均加熱速度は34℃/秒と計算される。次いで、該ワークを直ちに水中で急冷することにより、電気抵抗が2mΩである製品を得た。
実施例1〜9で得られた製品の電気抵抗は1または2mΩと低かった。このことは、実施例1〜9で得られた製品が優れたスポット溶接性を有することを表す。
HACによりコーティング材を塗布した鋼板を250℃の雰囲気下、600秒間加熱することにより得たワーク1rの皮膜は、優れた付着性、優れた耐薬品性および優れた硬度を示した。
NIRによりコーティング材を塗布した鋼板を室温から275℃まで5秒の所要時間で加熱することにより得たワーク5の皮膜は、優れた付着性、優れた耐薬品性および優れた硬度を示した。
NIRによりコーティング材を塗布した鋼板を室温から200℃まで3秒の所要時間で加熱することにより得たワーク2rの皮膜の耐薬品性および硬度は、十分でなかった。
バインダーと金属充填剤とを含有するコーティング材のうちバインダーがシラン加水分解生成物/縮合体またはシリコーン樹脂を含有するものを用いたとき、例えば、NIR等によりコーティング材を塗布した鋼板を室温から275℃まで5秒の所要時間で加熱する等により、優れた付着性、優れた耐薬品性および優れた硬度を有する皮膜を有するワークを短時間で得ることができる。
試験サンプル1および6〜9の付着性試験1および付着性試験2の結果は、全て100であった。このことは、実施例1および6〜9で得られた製品と電着塗膜との付着性が優れていることを表す。
本発明により、バインダーと金属充填剤とを含有するコーティング材を用いて形成された皮膜を有する熱間プレス用鋼板から、優れたスポット溶接性を有する熱間プレス成形品を、高い生産性で得ることができる等の利点を有する熱間プレス用鋼板の加熱方法等を提供できる。
Claims (20)
- バインダーと金属充填剤とを含有するコーティング材を用いて形成された皮膜を有する熱間プレス用鋼板を、室温〜350℃の範囲の温度T1[℃]から800〜1200℃の範囲の温度T2[℃]まで、1〜120秒の範囲の所要時間t[秒]で加熱する工程を含み、
所要時間の総計が1〜120秒の範囲である熱間プレス用鋼板の加熱方法。 - 前記熱間プレス用鋼板を、前記温度T1[℃]から前記温度T2[℃]まで、前記所要時間t[秒]で加熱する工程からなる請求項1に記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
- 前記熱間プレス用鋼板を、前記温度T1[℃]から前記温度T2[℃]まで、前記所要時間t[秒]で加熱する工程と、
次いで、800〜1200℃の温度で前記熱間プレス用鋼板を加熱する工程とからなり、
所要時間の総計が2〜120秒である請求項1に記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。 - (T2−T1)/tの式で計算される値が10〜330℃/秒の範囲である請求項1〜3のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
- 前記温度T1が室温である請求項1〜4のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
- 前記温度T2が840〜1000℃の範囲にある請求項1〜5のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
- 前記所要時間tが3秒以上である請求項1〜6のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
- 前記所要時間tが80秒以下である請求項1〜7のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
- 前記熱間プレス用鋼板を抵抗加熱方式によって加熱する請求項1〜8のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
- 前記熱間プレス用鋼板を抵抗加熱方式によって加熱し、
前記工程が、
該熱間プレス用鋼板の温度を、1〜10秒の範囲の所要時間で前記温度T1[℃]から温度T1’[℃]にする工程aと、
次いで、該熱間プレス用鋼板の温度を、1〜5秒の範囲の所要時間t’[秒]で該温度T1’[℃]から温度T2’[℃]にする工程bと、
次いで、該熱間プレス用鋼板の温度を、1〜10秒の範囲の所要時間で該温度T2’[℃]から前記温度T2[℃]にする工程cとからなり、
該温度T1’および該温度T2’が300〜500℃の範囲にあり、かつ、(T2’−T1’)/t’の式で計算される値が−20〜20℃/秒の範囲である請求項5に記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。 - 前記熱間プレス用鋼板が、その厚さ方向における電気抵抗が1Ω以下の鋼板である請求項9または10に記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
- 前記熱間プレス用鋼板を赤外線照射方式によって加熱する請求項1〜8のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
- 前記バインダーが有機高分子を含有する請求項1〜12のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
- 前記バインダーが、シラン加水分解生成物/縮合体またはシリコーン樹脂を含有する請求項1〜12のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
- 前記熱間プレス用鋼板が、バインダーと金属充填剤とを含有するコーティング材が塗布された鋼板を、室温から250〜350℃の範囲の温度まで3〜60秒の所要時間で加熱することにより得られるものである請求項14に記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
- 前記金属充填剤が、Al、Zn、Mg、Fe、Snまたはこれらの少なくとも1つを含む合金から選ばれる少なくとも1つを含有する請求項1〜15のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
- 前記熱間プレス用鋼板を非酸化性ガスの雰囲気下で加熱する請求項1〜16のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法。
- バインダーと金属充填剤とを含有するコーティング材を用いて形成された皮膜を有する熱間プレス用鋼板を請求項1〜17のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法で加熱して、加熱された熱間プレス用鋼板を得る工程、および
該加熱された熱間プレス用鋼板を成形し、成形された熱間プレス用鋼板を急冷する工程を含む熱間プレス方法。 - 請求項18に記載の熱間プレス方法で得られる熱間プレス成形品。
- バインダーと金属充填剤とを含有するコーティング材を用いて形成された皮膜を有する熱間プレス用鋼板を請求項1〜17のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板の加熱方法で加熱して、加熱された熱間プレス用鋼板を得る工程、および
該加熱された熱間プレス用鋼板を成形し、成形された熱間プレス用鋼板を急冷する工程を含む熱間プレス成形品の製造方法。
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