JPWO2011064889A1 - 爪の矯正具 - Google Patents
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Abstract
Description
ところが、外科的手術による方法では、肉部に食い込んだ爪を部分的に切断して除去するため、細菌感染の恐れがあるときには手術することが困難であった。外科的手術により爪を部分的に切除して巻き爪を一時的に直したとしても、爪全体の巻き方向への屈曲性が矯正されていないため、手術後、巻き爪現象が再発する恐れが多分にあった。
この従来の矯正具100は、図26に示すように、爪体Aに取着される第1の矯正体120Aおよび第2の矯正体120Bを含む。第1の矯正体120Aは、爪体Aの幅方向の一方側端縁に係止される第1の係止部122Aと、爪体A表面に当接される第1の当接部124Aと、第1の当接部124Aに連接される第1の連結フック部126Aとを有する。第2の矯正体120Bは、爪体Aの幅方向の他方側端縁に係止される第2の係止部122Bと、爪体A表面に当接される第2の当接部124Bと、第2の当接部124Bに連接される第2の連結フック部126Bとを有する。第1の連結フック部126Aと第2の連結フック部126Bとの間には、爪体Aの両側端縁部を変形方向と反対方向に引っ張り上げる矯正作動部128が配設される。
さらに、この従来の矯正具100では、たとえば図26に示すように、環状の矯正作動部128を中心に、矯正作動部128の周辺の第1の連結フック部126A,第2の連結フック部126Bおよび巻き上げ部132に亘って、被覆部134が被覆される。被覆部134は、紫外線硬化型樹脂材料を上記した所定の部位に塗布した後、当該部位に紫外線を所定時間照射することによって形成される。
矯正体用母材102は、長さ方向を有する母線材106を含む。母線材106の長さ方向の中間部には、略U字形の凸部108が形成される。凸部108は、母線材106の軸線方向と直交する方向に突出している。母線材106の長さ方向の一端および凸部108間には、S字状屈曲部110Aが形成される。S字状屈曲部110Aは、凸部108と同じ平面上に配置され、その一端が凸部108の突出方向と反対方向に延び設けられる。同様にして、母線材106の長さ方向の他端および凸部108間には、S字状屈曲部110Bが形成される。
母線材106、凸部108、S字状屈曲部110A,110Bおよび逆U字状屈曲部112A,112Bは、ばね鋼等の弾性を有する金属材料で一体的に形成されている。
先ず、矯正体用母材102の凸部108を上に向けて手で持ち、S字状屈曲部110Aを持針器(図示せず)で挟んで固定する。
次に、母線材106の長さ方向の一方側をプライヤー等で爪体Aの大きさおよび爪体Aの湾曲具合に合わせ、緩やかに湾曲させることにより、図26および図27に示すようなカーブ136Aを形成する。それから、カーブ136Aの端部を爪体Aの幅に合せてカッター(図示せず)で切断した後、爪体Aの巻き具合によって当該カーブ136Aの湾曲度を調整する。さらに、カーブ136Aの先端からたとえば5mm程度の箇所を、図29に示すように、プライヤー等の折り曲げ手段Bで挟んで内側に屈曲させることによって、U字状の屈曲部138Aを形成する。
その後、屈曲部138Aの先端からたとえば1mm程度の箇所をカッター(図示せず)で切断することによって、母線材106の長さ方向の一方側にカーブ136Aおよび屈曲部138Aを有する第1の係止部122Aが形成される。
それから、S字状屈曲部110Aを図29に示す一点鎖線x−x部分で切断した後、さらに、切断端部から0.5mm程度の箇所を、図30に示すように、カッター等の切断手段Cで切断することによって、第1の連結フック部126Aが形成されると同時に、逆U字状屈曲部112Aは、第1の当接部124Aとなる。このようにして、第1の係止部122A、第1の当接部124Aおよび第1の連結フック部126Aで構成される第1の矯正体120Aが形成される。
同様にして、母線材106の長さ方向の他方側には、図26に示すように、カーブ136Bおよび屈曲部138Bを有する第2の係止部122Bが形成されると共に、第2の連結フック部126Bおよび第2の当接部124Bが形成され、第2の係止部122B、第2の当接部124Bおよび第2の連結フック部126Bで構成される第2の矯正体120Bが形成される。
そのため、この従来の矯正具100では、仮に、たとえば第1の矯正体120Aが爪体Aに適合し、第2の矯正体120Bが爪体Aとの適合性が取れなかった場合、別の矯正体用母材102を用いて、再度、第2の矯正体120Bを製作する必要があった。すなわち、第1の矯正体120Aおよび第2の矯正体120Bのどちらか一方だけでも爪体Aとの適合性が取れなかった場合には、別途、矯正体用母材102が必要となるため、この従来の矯正具100では、製作コストが高くつき、延いては、矯正具100の取付け時間もより一層長いものとなる。
請求項1にかかる本願発明では、第1の矯正部材および第2の矯正部材において、第1の矯正体の第1の係止片および第2の矯正体の第2の係止片が、それぞれ、巻き爪等の爪体の幅方向の一方端縁部および他方端縁部に係止される。第1の矯正体は、第1の支持体を介して第1の矯正作動体に接続され、第2の矯正体は、第2の支持体を介して第2の矯正作動体に接続される。第1の支持体および第2の支持体は、それぞれ、爪体の表面に当接されて支持される。
第1の矯正作動体と第2の矯正作動体とは、爪体の幅方向の中間部で交差されて撚回される。このとき、第1の矯正作動体および第2の矯正作動体は、それぞれ、第1の矯正体および第2の矯正体を爪体の幅方向の中間部側に所定の引張力で引っ張り寄せて、爪体の一方端縁部および他方端縁部を、それぞれ、第1の係止片および第2の係止片で引っ張り上げる。すなわち、爪体の幅方向の一方端縁部および他方端縁部は、第1の矯正作動体および第2の矯正作動体により、巻き爪の巻き方向と反対方向(上方向)に引っ張られて引き上げられる。
この引張力は、第1の矯正作動体および第2の矯正作動体の撚回長さを長くすればするほど、つまり、撚回量(撚回数)を増加させるほど、大きくすることが可能となり、反対に、その撚回長さを短くすればするほど、つまり、撚回量(撚回数)を減少させるほど、この引張力を小さくすることが可能となる。したがって、爪体の大きさ,形状、巻き爪の湾曲度合等に応じて、この引張力は、適宜、調整される。
また、第1の支持体および第2の支持体の押圧面は、それぞれ、爪体の表面に当接されて爪体を下に押圧する。そのため、第1の支持体および第2の支持体によって、第1の矯正体,第1の矯正作動体および第2の矯正体,第2の矯正作動体は、それぞれ、ずれ動くことなく爪体の表面に安定して支持される。
第1の矯正作動体および第2の矯正作動体の撚回は、当該引張力を調整しながら行われ、所定の引張力を保持した状態で、固定部によって爪体の表面近傍に連結・固定される。そのため、巻き爪の幅方向の両端縁には、継続的に、巻き爪の巻き方向と反対方向(上方向)の引張力が継続的に作用し、当該引張力が低下するのを防止している。したがって、請求項1にかかる本願発明の爪の矯正具によれば、巻き爪等の爪の変形を矯正することが可能となっている。
請求項1にかかる本願発明では、第1の矯正作動体および第2の矯正作動体が、直接に、爪体の幅方向の中間部で交差されて撚回されることにより連結・固定される構造を有するため、たとえば特許文献1(従来技術)に示すように、上記した引張力が、環状の矯正作動部を中継して作用するものと比べて、当該引張力を増大させることが可能となり、延いては、第1の矯正作動体および第2の矯正作動体間の連結力を安定して継続的に保持することができる。
また、請求項1にかかる本願発明では、たとえば特許文献1(従来技術)に示すように、爪体の表面に対して起立状態に配設される第1の連結フック部および第2の連結フック部に引張力調整部材を引っ掛ける構造となっていないので、特許文献1(従来技術)に比べて、第1の矯正作動体および第2の矯正作動体の連結端部となる固定部の爪体の表面からの高さを低くする低背化が可能となり、日常生活に支障を来たすこともない。
さらに、請求項1にかかる本願発明では、第1の矯正部材および第2の矯正部材の2つの部材で1対の矯正部材を形成することが可能であり、特許文献1(従来技術)に示すように、少なくとも、第1の矯正体と、第2の矯正体と、環状の矯正作動部を形成するための引張力調整部材との3つの部材が必要となるものに比べて、部品点数が少ない。その上、請求項1にかかる本願発明では、特許文献1(従来技術)に比べて、第1の矯正部材および第2の矯正部材を形成するための母線材を湾曲させる工程、切断する工程、屈曲させる工程、折り曲げる工程等の加工工程が極めて少なく、しかも、当該加工工程は煩雑で且つ高度な技術を要するものでもない。そのため、請求項1にかかる本願発明の第1の矯正部材および第2の矯正部材を爪体へ取り付ける取付け方法は、簡便で、且つ、取付け時間の短縮化も図れるものとなっている。
また、特許文献1(従来技術)に示す矯正具では、図28に示すように、第1の矯正体および第2の矯正体を構成する部材が、それぞれ、矯正体用母材において、予め、その配置および方向性が決定されているため、第1の矯正体および第2の矯正体のどちらか一方だけでも爪体との適合性が取れなかった場合には、別途、矯正体用母材が必要となっているのに対して、請求項1にかかる本願発明では、第1の矯正部材および第2の矯正部材が、それぞれ、単品で構成されていて、且つ、爪体に取付ける際の方向性および配置が予め決定されているものでもなく、第1の矯正部材および第2の矯正部材は、相互に兼用することができるため、特許文献1(従来技術)に示す矯正具に比べて、第1の矯正部材および第2の矯正部材の製作コストが安くつき、延いては、第1の矯正部材および第2の矯正部材を爪体に取付ける取付け時間もより一層短いものとなる。
請求項2にかかる本願発明は、請求項1にかかる発明に従属する発明であって、第1の支持体は、第1のプレート状本体と第1のプレート状本体に配設される第1の溝条部とを含み、第1の溝条部には、第1の矯正体の他端側および第1の矯正作動体の一端側が嵌入され、第1の溝条部と溶接されるか、あるいは、第1の矯正体の他端側と第1の矯正作動体の一端側と第1の溝条部とが一緒に溶接されるかによって、第1の矯正体と第1の矯正作動体とが第1の支持体を介して接続され、第2の支持体は、第2のプレート状本体と第2のプレート状本体に配設される第2の溝条部とを含み、第2の溝条部には、第2の矯正体の他端側および第2の矯正作動体の一端側が嵌入され、第2の溝条部と溶接されるか、あるいは、第2の矯正体の他端側と第2の矯正作動体の一端側と第2の溝条部とが一緒に溶接されるかによって、第2の矯正体と第2の矯正作動体とが第2の支持体を介して接続される、爪の矯正具である。
請求項2にかかる本願発明では、上記した構成を有しているので、例えば、単に、第1の矯正体の他端側と第1の矯正作動体の一端側とを溶接して接続する場合に比べて、第1のプレート状本体に配設された第1の溝条部と、第1の溝条部に嵌入された第1の矯正体の他端側および第1の矯正作動体の一端側との接続面積を広く確保することができ、溶接強度を高めることが可能となる。そのため、第1の矯正体と第1の矯正作動体とが第1の支持体を介して強固に接続される。同様にして、第2の矯正体と第2の矯正作動体とが第2の支持体を介して強固に接続される。
請求項3にかかる本願発明は、請求項2にかかる発明に従属する発明であって、第1の支持体は、第1の溝条部と連通する第1の凹部をさらに含み、第1の矯正体の他端および第1の矯正作動体の一端には、それぞれ、第1の拡径扁平部が配設され、第1の矯正体の他端側および第1の矯正作動体の一端側は、両方の第1の拡径扁平部が第1の凹部に嵌入されように第1の溝条部に嵌入され、少なくとも第1の溝条部に溶接されて接続され、第2の支持体は、第2の溝条部と連通する第2の凹部をさらに含み、第2の矯正体の他端および第2の矯正作動体の一端には、それぞれ、第2の拡径扁平部が配設され、第2の矯正体の他端側および第2の矯正作動体の一端側は、両方の第2の拡径扁平部が第2の凹部に嵌入されように第2の溝条部に嵌入され、少なくとも第2の溝条部に溶接されて接続される、請求項2に記載の爪の矯正具である。
請求項3にかかる本願発明では、上記した構成を有しているので、第1の拡径扁平部を第1の溝条部に嵌入する場合、当該第1の拡径扁平部を第1の凹部に係止させることが可能となるので、例えば、請求項2にかかる発明に比べて、特に、第1の矯正体の他端および第1の矯正作動体の一端を第1の溝条部に容易に嵌入して位置決めして溶接することができる。同様にして、第2の矯正体の他端および第2の矯正作動体の一端を第2の溝条部に容易に嵌入して位置決めして溶接することができる。
請求項4にかかる本願発明は、請求項1にかかる発明に従属する発明であって、第1の支持体は、第1の支持体の一端および他端に貫通する第1のトンネル孔と、第1のトンネル孔と平面視略直角に交差する第1の段差部とをさらに含み、第1の矯正体の他端および第1の矯正作動体の一端には、それぞれ、第1の抜け止め部が配設され、第1の矯正体および第1の矯正作動体は、それぞれ、第1の抜け止めの反対側が、一方の第1のトンネル孔および他方の第1のトンネル孔の第1の段差部側から、第1の支持体の一端および他端に抜け出るように挿通され、第1の抜け止め部が第1の段差部側の第1のトンネル孔の周縁に掛止させた状態で第1の段差部に溶接され、第2の支持体は、第2の支持体の一端および他端に貫通する第2のトンネル孔と、第2のトンネル孔と平面視略直角に交差する第2の段差部とをさらに含み、第2の矯正体の他端および第2の矯正作動体の一端には、それぞれ、第2の抜け止め部が配設され、第2の矯正体および第2の矯正作動体は、それぞれ、第2の抜け止めの反対側が、一方の第2のトンネル孔および他方の第2のトンネル孔の第2の段差部側から、第2の支持体の一端および他端に抜け出るように挿通され、第2の抜け止め部が第2の段差部側の第2のトンネル孔の周縁に掛止させた状態で第2の段差部に溶接される、爪の矯正具である。
請求項4にかかる本願発明では、上記した構成を有しているので、第1の矯正体が一方の第1のトンネル孔に挿通され、第1の矯正作動体が他方の第1のトンネル孔に挿通された場合、一方の第1の抜け止め部は、第1の段差部側の一方のトンネル孔の周縁に掛止され、他方の第1の抜け止めは、第1の段差部側の他方のトンネル孔の周縁に掛止されるため、例えば、請求項2または請求項3にかかる発明に比べて、第1の矯正体の他端および第1の矯正作動体の一端を第1の支持体に容易に挿通して位置決めし、溶接することができる。溶接後は、第1の矯正体および第1の矯正作動体は、第1の支持体に対して抜け止め可能に強固に接続される。同様にして、第2の矯正体の他端および第2の矯正作動体の一端を第2の支持体に容易に挿通して位置決めし、溶接することができる。溶接後は、第2の矯正体および第2の矯正作動体は、第2の支持体に対して抜け止め可能に強固に接続される。
請求項5にかかる本願発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項にかかる発明に従属する発明であって、固定部を被覆する被覆部をさらに包含する、爪の矯正具である。
請求項5にかかる本願発明では、固定部を覆うようにして、被覆部が形成されているため、第1の矯正作動体および第2の矯正作動体を爪体の表面近傍で連結する固定部およびその周辺連結端部が保護されると共に、第1の矯正部材および第2の矯正部材間の連結力がより強固なものとなり、その連結力が安定して継続・維持される。
また、請求項5にかかる本願発明では、固定部を覆うようにして、被覆部が形成されているため、たとえば特許文献1(従来技術)に示すように、環状の矯正作動部、第1の連結フック部および第2の連結フック部の広範囲に亘って被覆部を形成するものと比べて、被覆部に使用される被覆材(例えば、紫外線硬化型樹脂材料)の量も少なくなり、材料コストが安くつく。しかも、この場合、第1の矯正作動体および第2の矯正作動体の連結端部となる固定部の爪体の表面からの高さの低背化が可能となるため、高さが低くなる分、被覆部に使用される被覆材の使用量がより一層少ないものとなり、被覆部の材料コストもさらに安くつく。
請求項6にかかる本願発明は、請求項5にかかる発明に従属する発明であって、被覆部は、装飾技術が施されてなる装飾部を包含する、爪の矯正具である。
請求項6にかかる本願発明では、被覆部に各種の装飾技術が施されて装飾部が形成されるため、美観的に優れたものとなり、特に、女性などには、一種、ファッション感覚で気軽に爪の矯正が行えるものとなる。
12 第1の矯正部材
12A 第1の矯正部材の母材
14 第2の矯正部材
16 第1の係止片
18 第1の矯正体
18A 硬質線材
20 第1の矯正作動体
20A 軟質線材
22,23a,23b 押圧面
24 第1の支持体
26 第2の係止片
28 第2の矯正体
30 第2の矯正作動体
32 押圧面
34 第2の支持体
36 固定部
37 塗布部
38 被覆部
40 第1の捩じり部
41 第2の捩じり部
42 第1の挿通環
43 第2の挿通環
42A ループ状部
44 第1のプレート状本体
46,50,54,56,62 第1の溝条部
48,52,58,60,67,69 溶接部
49 装飾部
49a スワロフスキー
49b 光装飾片
49c 人工爪(ジェルネイル)
64 第1の凹部
66,68 第1の拡径扁平部
70 第1のトンネル孔
72 第1の段差部
74 第1の抜け止め部
100 従来の矯正具
120 挟持手段
140 捩じり手段
140a フック
160,180 挟み具
200 切断手段
220 塗布具
A 爪体
第1の矯正部材12は、弾性を有した硬質の線材で形成され、その一端側に、爪体Aの幅方向の一方側端縁に係止される第1の係止片16を備えた第1の矯正体18と、弾性を有した軟質の線材で形成され、第1の矯正体18を爪体Aの幅方向の中間部側に所定の引張力で引っ張り寄せて爪体Aの一方の側端縁を第1の係止片16で引っ張り上げる第1の矯正作動体20と、第1の矯正体18の他端側と第1の矯正作動体20の一端側とを接続し、爪体Aの表面に当接して爪体Aを下に押圧する押圧面22を有する第1の支持体24とを含む。
さらに、この固定部36の上には、固定部36およびその周辺を覆うようにして、被覆部38が形成されている。
図1は、本願発明にかかる爪の矯正具10の第1の矯正部材12の一例を示す斜視図である。
第1の矯正部材12は、長さ方向を有する直線状の第1の矯正体18を含む。第1の矯正体18は、その長さ方向の一端側に、たとえばフック状の第1の係止片16を有する。第1の係止片16および第1の矯正体18は、弾性を有した硬質の線材として、ばね用ステンレス鋼線等で一体的に形成されている。
さらに、第1の矯正部材12は、第1の矯正体18および第1の矯正作動体20を支持する第1の支持体24を含む。第1の支持体24は、第1の矯正体18の長さ方向の他端側と第1の矯正作動体20の長さ方向の一端側とに、強固に接続され、第1の矯正体18および第1の矯正作動体20を支持・連結するものである。
図2は、図1に示す第1の矯正部材の母材の一例を示す図であり、(A)はその正面図であり、(B)はその平面図であり、(C)はその右側面図である。
この第1の矯正部材の母材12Aは、上記した第1の係止片16を有する第1の矯正体18を構成するための直線状の硬質線材18Aと、第1の矯正作動体20を構成するための直線状の軟質線材20Aと、第1の支持体24とを含む。硬質線材18Aの線径は、たとえば0.4mmに形成され、硬質線材18Aの長さは、たとえば12mmに形成されている。また、軟質線材20Aの線径は、たとえば0.3mmに形成され、軟質線材20Aの長さは、たとえば52mmに形成されている。
第1の支持体24は、図2の(A),(B),(C)に示すように、たとえば平面視円形の第1のプレート状本体44を含む。第1のプレート状本体44には、その直径方向の一端から他端に亘って、たとえば断面矩形状の第1の溝条部46が配設されている。第1のプレート状本体44は、その一方主面側に1つの押圧面22を、その他方主面側に、2つの押圧面23a,23bを有するものである。第1のプレート状本体の直径は、たとえば2mmに形成され、第1の溝条部46の溝幅は、たとえば0.7mm程度に形成され、溝深さはたとえば0.4mm程度に形成されている。
第1の矯正部材12および第2の矯正部材14が準備される。また、爪体Aは、予め、略その全体が適宜消毒される。
先ず、たとえば第1の矯正部材12の第1の支持体24をたとえば持針器(図示せず)で挟み持ち、図6に示すように、爪体Aの幅方向の一方端縁側の爪溝の爪母(爪の根元側)から略3分の1の箇所に、第1の係止片16が係止される。なぜならば、第1の係止片16の係止位置が爪母(爪の根元側)に近寄り過ぎると、爪の形成に影響が生じる虞があるためである。
同様にして、爪体Aの幅方向の他方端縁側にも、第2の矯正部材14の第2の係止片26が、図7に示すように、爪体Aの幅方向の他方端縁側の爪溝の爪母(爪の根元側)から略3分の1の箇所に係止される。
それから、第1の矯正作動体20および第2の矯正作動体30を介して、第1の係止片16および第2の係止片26に、テンションが掛かってピンと張ってきたら、撚回部分(捩じ上げ部分)を指で持って、当該撚回部分(捩じ上げ部分)を、図12の二点鎖線の直線矢印に示すように、爪体Aの前後方向に揺すって、第1の矯正作動体20および第2の矯正作動体30がしっかりと締め付けられているかチェックする。
これによって、爪体Aの幅方向の略中央部には、図14に示すように、爪体Aの幅方向の一端側および他端側を引っ張り上げる引張力を調整し、所定の引張力を保持した状態で、第1の矯正作動体20および第2の矯正作動体30を爪体Aの表面近傍で連結・固定する固定部36が形成される。
さらに、この塗布部37には、図16に示すように、その全体に、たとえば紫外線LED(紫外線発光ダイオード)により、紫外線が所定時間、たとえば20秒程照射される。それによって、塗布部37は硬化し、図17に示すように、被覆部38が形成される。
この被覆部38は、第1の矯正作動体20および第2の矯正作動体30を爪体Aの表面近傍で連結する固定部36(連結端部)とその周辺を保護すると同時に、第1の矯正部材12と第2の矯正部材14との間の連結力をより強固なものとし、しかも、その連結力を安定して保持することができる。
そのため、本実施形態例では、第1の矯正部材12および第2の矯正部材14を爪体Aへ取り付ける取付け方法が、至極簡便で、且つ、取付け時間の短縮化も極めて容易なものとなっている。
この場合、単に、第1,第2の矯正体の他端側と第1,第2の矯正作動体の一端側とを溶接して接続する場合に比べて、第1,第2の溝条部と、第1,第2の溝条部に嵌入された第1,第2の矯正体の他端側および第1,第2の矯正作動体の一端側との接続面積を広く確保することができ、溶接強度を高めることができるので、第1,第2の矯正体と第1,第2の矯正作動体とを第1,第2の支持体を介して強固に接続することができる。
さらに、本実施形態例では、固定部36が、たとえば図26(従来技術)に示すものと比べて、非常にコンパクトに小さく構成することができるため、一趾以外にも二趾等他の趾の爪にも第1の矯正作動体20および第2の矯正作動体30を取付けることができる。
なお、本実施形態例では、プレート状本体44の他方主面(裏面)側の2つの押圧面23a,23bが爪体Aの表面に当接されて、第1の支持体24および第2の支持体34が爪体Aの表面に支持されるように、第1の矯正部材12および第2の矯正部材14を爪体Aに取付けるようにしてもよい。この場合、第1の矯正部材12およびで第2の矯正部材14で爪体Aとの当接面が所定の間隔を隔てて4箇所となるため、さらに安定して第1の支持体24および第2の支持体34が爪体Aの表面に支持されるものとなる。
図19〜図21示す実施形態例では、被覆部38に各種の装飾技術が施されて装飾部49が形成されるため、美観的に優れたものとなり、特に、女性などには、一種、ファッション感覚で気軽に爪の矯正が行えるものとなる。
そのため、この実施形態例では、第1の拡径扁平部を第1の溝条部62に嵌入する場合、第1の拡径扁平部66および68を第1の凹部64に係止させることができるので、たとえば図1に示すものと比べて、特に、第1の矯正体18の他端および第1の矯正作動体20の一端を第1の溝条部62に容易に嵌入して位置決めし、溶接することができる。この実施形態例では、図22の実施形態例と同様に、第1,第2の矯正体18,28と第1,第2の矯正作動体20,30とは、それらの軸線方向(長さ方向)に略一直線状に、第1,第2の支持体24,34を介して強固に接続されることとなる。
そのため、この実施形態例では、たとえば、図1に示す実施形態例に比べて、第1の矯正体18の他端および第1の矯正作動体20の一端を第1の支持体24に容易に取り付けて位置決めし、溶接することができる。溶接後は、第1の矯正18体および第1の矯正作動体20は、第1の支持体24に対して抜け止め可能に強固に接続することができる。
Claims (6)
- 弾性を有した硬質の線材で形成され、その一端側に、爪体の幅方向の一方側端縁に係止される第1の係止片を備えた第1の矯正体と、弾性を有した軟質の線材で形成され、前記第1の矯正体を前記爪体の幅方向の中間部側に所定の引張力で引っ張り寄せて前記爪体の一方の側端縁を前記第1の係止片で引っ張り上げる第1の矯正作動体と、前記第1の矯正体の他端側と前記第1の矯正作動体の一端側とを接続し、前記爪体の表面に当接して前記爪体を下に押圧する押圧面を有する第1の支持体とを含む、第1の矯正部材、
弾性を有した硬質の線材で形成され、その一端側に、爪体の幅方向の他方側端縁に係止される第2の係止片を備えた第2の矯正体と、弾性を有した軟質の線材で形成され、前記第2の矯正体を前記爪体の幅方向の中間部側に所定の引張力で引っ張り寄せて前記爪体の他方の側端縁を前記第2の係止片で引っ張り上げる第2の矯正作動体と、前記第2の矯正体の他端側と前記第2の矯正作動体の一端側とを接続し、前記爪体の表面に当接して前記爪体を下に押圧する押圧面を有する第2の支持体とを含む、第2の矯正部材、および
前記第1の矯正作動体の他端側および前記第2の矯正作動体の他端側を前記爪体の幅方向の中間部で交差させて撚回することにより、前記爪体の幅方向の一端側および他端側を引っ張り上げる引張力を調整し、所定の引張力を保持した状態で前記第1の矯正作動体および前記第2の矯正作動体を前記爪体の表面近傍で連結した固定部を包含することを特徴とする、爪の矯正具。 - 前記第1の支持体は、第1のプレート状本体および前記第1のプレート状本体に配設される第1の溝条部を含み、前記第1の溝条部には、前記第1の矯正体の他端側および前記第1の矯正作動体の一端側が嵌入され、前記第1の溝条部と溶接されるか、あるいは、前記第1の矯正体の他端側と前記第1の矯正作動体の一端側と前記第1の溝条部とが一緒に溶接されるかによって、前記第1の矯正体と前記第1の矯正作動体とが前記第1の支持体を介して接続され、
前記第2の支持体は、第2のプレート状本体および前記第2のプレート状本体に配設される第2の溝条部を含み、前記第2の溝条部には、前記第2の矯正体の他端側および前記第2の矯正作動体の一端側が嵌入され、前記第2の溝条部と溶接されるか、あるいは、前記第2の矯正体の他端側と前記第2の矯正作動体の一端側と前記第2の溝条部とが一緒に溶接されるかによって、前記第2の矯正体と前記第2の矯正作動体とが前記第2の支持体を介して接続される、請求項1に記載の爪の矯正具。 - 前記第1の支持体は、前記第1の溝条部と連通する第1の凹部をさらに含み、前記第1の矯正体の他端および前記第1の矯正作動体の一端には、それぞれ、第1の拡径扁平部が配設され、前記第1の矯正体の他端側および前記第1の矯正作動体の一端側は、両方の前記第1の拡径扁平部が第1の凹部に嵌入されように前記第1の溝条部に嵌入され、少なくとも前記第1の溝条部に溶接されて接続され、
前記第2の支持体は、前記第2の溝条部と連通する第2の凹部をさらに含み、前記第2の矯正体の他端および前記第2の矯正作動体の一端には、それぞれ、第2の拡径扁平部が配設され、前記第2の矯正体の他端側および前記第2の矯正作動体の一端側は、両方の前記第2の拡径扁平部が第2の凹部に嵌入されように前記第2の溝条部に嵌入され、少なくとも前記第2の溝条部に溶接されて接続される、請求項2に記載の爪の矯正具。 - 前記第1の支持体は、前記第1の支持体の一端および他端に貫通する第1のトンネル孔、および前記第1のトンネル孔と平面視略直角に交差する第1の段差部をさらに含み、前記第1の矯正体の他端および前記第1の矯正作動体の一端には、それぞれ、第1の抜け止め部が配設され、前記第1の矯正体および前記第1の矯正作動体は、それぞれ、前記第1の抜け止めの反対側が、一方の前記第1のトンネル孔および他方の前記第1のトンネル孔の第1の段差部側から、前記第1の支持体の一端および他端に抜け出るように挿通され、前記第1の抜け止め部が前記段差部側の前記第1のトンネル孔の周縁に掛止させた状態で前記第1の段差部に溶接され、
前記第2の支持体は、前記第2の支持体の一端および他端に貫通する第2のトンネル孔、および前記第2のトンネル孔と平面視略直角に交差する第2の段差部をさらに含み、前記第2の矯正体の他端および前記第2の矯正作動体の一端には、それぞれ、第2の抜け止め部が配設され、前記第2の矯正体および前記第2の矯正作動体は、それぞれ、前記第2の抜け止めの反対側が、一方の前記第2のトンネル孔および他方の前記第2のトンネル孔の第2の段差部側から、前記第2の支持体の一端および他端に抜け出るように挿通され、前記第2の抜け止め部が前記段差部側の前記第2のトンネル孔の周縁に掛止させた状態で前記第2の段差部に溶接される、請求項1に記載の爪の矯正具。 - 前記固定部を被覆する被覆部をさらに包含する、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の爪の矯正具。
- 前記被覆部は、装飾技術が施されてなる装飾部を包含する、請求項5に記載の爪の矯正具。
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