JPWO2011052754A1 - Egfr遺伝子多型検出用プローブおよびその用途 - Google Patents

Egfr遺伝子多型検出用プローブおよびその用途 Download PDF

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Abstract

本発明は、EGFR遺伝子の多型を、簡便且つ優れた信頼性で判別可能な、多型検出用プローブならびにそれを用いた多型検出方法を提供する。本発明の多型検出用プローブは、下記(P1)のオリゴヌクレオチドおよび(P2)のオリゴヌクレオチドの少なくとも一方を含むことを特徴とする、EGFR遺伝子の多型検出用プローブである。(P1)塩基長が、22〜50塩基長であり、配列番号1における塩基番号334〜355を含む塩基配列に相補的な塩基配列からなり、前記塩基番号334の塩基に相補的な塩基を、3’末端領域に有するオリゴヌクレオチド(P2)前記(P1)のオリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチド

Description

本発明は、EGFR遺伝子の多型を検出するためのプローブおよびその用途に関する。
上皮成長因子受容体(Epidermal Growth Factor Receptor:EGFR)は、上皮成長因子(EGF)のチロシンキナーゼ型受容体である。EGFRは、多くの固形癌で高頻度に発現し、その過剰発現は癌の悪性度および予後と関連することが知られている。そこで、例えば、EGFRのチロシンキナーゼ阻害剤であるゲフィチニブ等が、癌治療薬として使用されている。しかしながら、患者の中には、ゲフィチニブに耐性を示し、治療効果が得られない場合がある。そして、近年、この薬剤耐性が、EGFRの変異と関連することが明らかになっている(非特許文献1および2)。前記変異は、EGFRの790番目のアミノ酸であるトレオニン(T)がメチオニン(M)に置換された変異であり、EGFR遺伝子のCDSにおいては、exon20の塩基番号2369の塩基シトシン(c)がチミン(t)に変異している。したがって、EGFR遺伝子のexon20における、この変異の有無、すなわち、多型を検出すれば、治療前に、ゲフィチニブ耐性か否かを判断できる。これにより、さらに効率的なテーラーメイド癌治療が可能となる。
他方、遺伝子の多型を検出する方法としては、様々な方法が報告されており、例えば、PCR(Polymerase Chain Reaction)−RFLP(Restriction Fragment Length Polymorphism)法等があげられる。
前記PCR−RFLP法は、試料の標的DNAについて、検出目的の領域をPCRで増幅させ、その増幅物を制限酵素処理し、多型による制限断片長の変化を、サザンハイブリダイゼーションによりタイピングする方法である。遺伝子に目的の変異が存在すると、制限酵素の認識部位が消失するため、切断の有無、すなわち、制限断片長の変化によって、変異の有無を検出できる。
しかしながら、前記PCR−RFLP法は、例えば、PCRの後、得られた増幅物を種々の制限酵素で処理し、解析する必要があり、手間がかかる。また、得られた増幅物の制限酵素処理は、一旦、反応器から増幅物を取り出して行う必要がある。このため、1回目の反応で得られた増幅物が飛散し、2回目の別の反応に混入するおそれがある。このような問題から、多型の検出を自動化し難い。
このような問題から、近年、多型の検出方法として、Tm(Melting Temperature)解析が注目されている。これは、まず、検出目的の多型を含む領域に相補的なプローブを用いて、被検核酸と前記プローブとのハイブリッド(二本鎖核酸)を形成させる。そして、得られたハイブリッドに加熱処理を施して、温度上昇に伴う前記ハイブリッドの一本鎖核酸への解離(融解)を、吸光度等のシグナルの測定により検出する。この検出結果に基づいてTm値を決定することによって、多型を判断する方法である。Tm値は、前記ハイブリッドにおける両一本鎖核酸の相補性が高い程高く、相補性が低い程低くなる。そこで、検出対象部位の多型がXまたはYの場合、目的の多型(例えば、Y)を含む核酸とそれに100%相補的なプローブとのハイブリッドについて、予めTm値(評価基準値)を求めておく。続いて、前記被検核酸と前記プローブとのTm値(測定値)を測定する。そして、この測定値が、前記評価基準値と同じであれば、前記被検核酸と前記プローブとはパーフェクトマッチである、すなわち、前記被検核酸の検出対象部位が目的の多型(Y)であると判断できる。他方、前記測定値が前記評価基準値よりも低い場合、前記被検核酸と前記プローブとはミスマッチである、すなわち、前記被検核酸の検出対象部位が他方の多型(X)であると判断できる。このような方法であれば、例えば、前記プローブを添加したPCR反応液に温度処理を施し、シグナル測定を行うのみで、多型を検出できる。このため、検出装置の自動化も可能である。
しかしながら、このようなTm解析を利用した検出方法は、例えば、一塩基の違いをTm値によって判断しなければならない。このため、特に、正常型の多型と変異型の多型とが混在している場合等であっても、変異の有無を正確に検出することが求められている。
パオ(Pao)ら、PLoS Medicine、2005年、Vol.2、No.3、p.225−235 リンチ(Lynch)ら、New England Journal of Medicine、2004年、Vol.350、No.21、p.2129−2139
そこで、本発明は、EGFR遺伝子について、多型を、簡便且つ優れた信頼性で判別可能な、多型検出用プローブおよびその用途の提供を目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の多型検出用プローブは、下記(P1)のオリゴヌクレオチドおよび(P2)のオリゴヌクレオチド少なくとも一方を含むことを特徴とする、EGFR遺伝子の多型検出用プローブである。
(P1)塩基長が、22〜50塩基長であり、配列番号1における塩基番号334〜355を含む塩基配列に相補的な塩基配列からなり、前記塩基番号334の塩基に相補的な塩基を、3’末端領域に有するオリゴヌクレオチド
(P2)前記(P1)のオリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
本発明の多型検出用試薬は、本発明の多型検出用プローブを含むことを特徴とする、EGFR遺伝子の多型検出用試薬である。
本発明の多型検出方法は、本発明の多型検出用プローブを用いて、EGFR遺伝子の多型を検出する工程を含むことを特徴とする、EGFR遺伝子の多型検出方法である。
本発明の多型検出用プローブによれば、例えば、EGFR遺伝子の多型を、Tm解析によって、簡便且つ優れた信頼性で判別できる。具体的には、例えば、試料中に、目的の多型が正常型であるEGFR遺伝子と、変異型であるEGFR遺伝子とが共存している場合であっても、本発明の多型検出用プローブを用いたTm解析を行うことで、多型の種類または変異の有無を、簡便且つ優れた信頼性で検出できる。このため、本発明は、野生型(正常型ともいう)のEGFR遺伝子と変異型のEGFR遺伝子とを両方含む試料に対して、特に有用である。このように、本発明によれば、EGFR遺伝子の多型を、簡便且つ優れた信頼性で判別できることから、例えば、検出結果を前述のような抗癌剤の投与による治療に反映できる。したがって、本発明は、医療分野等において極めて有用といえる。
図1は、本発明の実施例1におけるTm解析の結果を示すグラフである。 図2は、本発明の実施例2におけるTm解析の結果を示すグラフである。
本発明において、EGFR遺伝子における検出目的の多型は、前述したexon20における多型である。前記多型は、例えば、配列番号1に示すEGFR遺伝子の部分配列における塩基番号347の塩基における多型である。野生型の前記多型は、配列番号1に示すEGFR遺伝子の部分配列において、塩基番号347の塩基(y)がシトシン(c)であり、EGFRタンパク質の790番目のアミノ酸は、トレオニンとなる。変異型の前記多型は、配列番号1に示すEGFR遺伝子の部分配列において、塩基番号347の塩基(y)がチミン(t)であり、EGFRタンパク質の790番目のアミノ酸は、メチオニンとなる。EGFR遺伝子において、前記塩基の多型が野生型であれば、ゲフィチニブ等のチロシンキナーゼ阻害剤に感受性であり、前記塩基の多型が変異型であれば、前記チロシンキナーゼ阻害剤に耐性であると判断できる。
前記EGFR遺伝子の塩基配列は、例えば、GenBankアクセッションNo.NG_007726として登録されており、前記アクセッション番号の塩基配列において、塩基番号5001〜193307の領域が、EGFR遺伝子の全長塩基配列である。配列番号1に示す塩基配列は、前記EGFR遺伝子の部分配列であり、例えば、前記アクセッション番号の塩基配列における塩基番号167001〜168020の領域である。配列番号1の塩基配列において、塩基番号262〜447が、exon20である。
本発明において、以下、前記塩基が変異型である前記EGFR遺伝子を「変異型EGFR遺伝子」、前記塩基が野生型である前記EGFR遺伝子を「野生型EGFR遺伝子または正常型EGFR遺伝子」という。
本発明において、前記多型が発生する部位、すなわち、配列番号1の塩基配列(センス鎖)において塩基番号347の塩基、または、相補配列(アンチセンス鎖)において前記センス鎖の塩基番号347に対応する塩基を「検出対象部位」という。配列番号1の配列(センス鎖)またはその相補配列(アンチセンス鎖)において、前記検出対象部位を含み、前記多型検出用プローブがハイブリダイズ可能な領域を、「ハイブリダイズ領域または検出対象配列」という。前記検出対象配列の中でも、検出対象部位ではない任意の部位を除き、前記多型検出用プローブとパーフェクトマッチする検出対象配列を「パーフェクトマッチ配列」、検出対象部位および任意の部位が、前記多型検出用プローブとミスマッチする検出対象配列を「ミスマッチ配列」という。本発明において、パーフェクトマッチは、前記検出対象部位の塩基が前記多型検出用プローブにおける対応塩基と相補的であることを意味し、好ましくは、前記検出対象配列において前記検出対象部位ではない任意の部位を除き、前記検出対象配列と前記多型検出用プローブとが、完全に相補的であることを意味する。本発明において、ミスマッチは、前記検出対象部位の塩基が前記多型検出用プローブにおける対応塩基と非相補的であることを意味し、好ましくは、前記検出対象配列において前記検出対象部位および任意の部位を除き、前記検出対象配列と前記多型検出用プローブとが、完全に相補的であることを意味する。
本発明において、前記EGFR遺伝子を増幅させ、さらに、得られた増幅物と本発明の多型検出用プローブとをハイブリダイズさせる場合、前記EGFR遺伝子における増幅領域を、以下、「増幅対象領域」という。前記増幅対象領域は、例えば、前記EGFR遺伝子のセンス鎖における領域でもよいし、それに対応するアンチセンス鎖における領域でもよいし、両方でもよい。本発明において、センス鎖およびアンチセンス鎖は、例えば、センス鎖の増幅物、アンチセンス鎖の増幅物の意味も含む。
本発明において、塩基配列の末端は、塩基配列における5’側および3’側の最も端の塩基を意味する。また、5’末端領域は、塩基配列における5’末端から数塩基の領域であり、3’末端領域は、塩基配列の3’末端から数塩基の領域である。前記数塩基は、例えば、前記末端塩基を含む1〜10塩基、1〜4塩基、1〜3塩基、1〜2塩基である。本発明において、塩基配列の末端からZ番目の塩基(Zは正の整数)は、末端の塩基を1番目とした順番であり、例えば、末端から1番目の塩基は、末端の塩基、末端から2番目の塩基は、末端の隣の塩基を意味する。
<多型検出用プローブ>
本発明の多型検出用プローブは、前述のように、下記(P1)のオリゴヌクレオチドおよび(P2)のオリゴヌクレオチドの少なくとも一方を含むことを特徴とする、EGFR遺伝子の多型検出用プローブである。
(P1)塩基長が、22〜50塩基長であり、配列番号1における塩基番号334〜355を含む塩基配列に相補的な塩基配列からなり、前記塩基番号334の塩基に相補的な塩基を、3’末端領域に有するオリゴヌクレオチド
(P2)前記(P1)のオリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
本発明の多型検出用プローブは、配列番号1に示すEGFR遺伝子の部分配列において、塩基番号347の塩基(y)の多型(c/t)を検出するためのプローブである。前記(P1)のオリゴヌクレオチドは、前記EGFR遺伝子のセンス鎖に相補的であり、前記センス鎖とのハイブリダイゼーションにより、多型を確認できる。前記(P2)のオリゴヌクレオチドは、前記EGFR遺伝子のセンス鎖に相同的であり、アンチセンス鎖とのハイブリダイゼーションにより、多型を確認できる。
前記(P1)および(P2)のオリゴヌクレオチドにおいて、相補的とは、完全に相補的でもよいし、任意の塩基を除いて、完全に相補的でもよい。前記任意の塩基は、例えば、前記検出対象部位にハイブリダイズする部位以外の塩基であり、その数は、特に制限されず、例えば、1個である。
前記(P1)および(P2)のオリゴヌクレオチドは、その塩基長が、前述のように、22〜50塩基長である。上限は、例えば、40塩基長が好ましく、より好ましくは、30塩基長である。
前記(P1)のオリゴヌクレオチドにおいて、配列番号1における塩基番号347の塩基に相補的な塩基は、rで表わされ、アデニン(a)またはグアニン(g)である。
前記(P1)のオリゴヌクレオチドは、前記塩基番号334の塩基に相補的な塩基を、前記3’末端領域に有し、好ましくは、3’末端から数えて1〜4番目の位置、より好ましくは、1〜3番目、特に好ましくは1番目(3’末端)または2番目に有する。前記(P1)のオリゴヌクレオチドは、例えば、配列番号2、配列番号15、配列番号16および配列番号17のいずれかに示す塩基配列からなるオリゴヌクレオチドが例示できる。
tgagctgcrtgatgaggtgcac(配列番号2)
tgagctgcrtgatgaggtgcacg(配列番号15)
tgagctgcrtgatgaggtgcacgg(配列番号16)
tgagctgcrtgatgaggtgcacggt(配列番号17)
配列番号2、15〜17に示す前記(P1)のオリゴヌクレオチドは、配列番号1で示す塩基配列における塩基番号334〜355を含む領域と対応させた場合、5’末端から17番目の塩基(g)を除き、前記領域に完全に相補的な塩基配列である。前記(P1)のオリゴヌクレオチドにおいて、5’末端から9番目の塩基rは、前記センス鎖の検出対象部位、すなわち配列番号1の塩基配列における塩基番号347の塩基(y)に相補的な塩基である。前記rは、アデニン(a)またはグアニン(g)である。
配列番号2、15〜17に示す前記(P1)のオリゴヌクレオチドは、5’末端から9番目の塩基rがグアニン(g)の場合、5’末端から17番目の塩基(g)を除き、配列番号1の塩基配列において塩基番号347の塩基(y)がシトシン(c)である検出対象配列とパーフェクトマッチする。また、前記(P1)のオリゴヌクレオチドは、前記9番目の塩基rがグアニン(g)の場合、配列番号1の塩基配列において塩基番号347の塩基(y)がチミン(t)である検出対象配列とミスマッチとなる。この場合、前記(P1)のオリゴヌクレオチドは、前記9番目の塩基(g)および前記17番目の塩基(g)が、前記検出対象配列の対応部位の塩基とミスマッチとなる。一方、前記(P1)のオリゴヌクレオチドは、前記9番目のrがアデニン(a)の場合、前記17番目の塩基(g)を除き、配列番号1において塩基番号347の塩基(y)がチミン(t)である検出対象配列とパーフェクトマッチする。また、前記(P1)のオリゴヌクレオチドは、前記9番目のrがアデニン(a)の場合、前記17番目の塩基(g)を除き、配列番号1において塩基番号347の塩基(y)がシトシン(c)である検出対象配列とミスマッチとなる。この場合、前記(P1)のオリゴヌクレオチドは、前記9番目の塩基(a)および前記17番目の塩基(g)が、前記検出対象配列の対応部位の塩基とミスマッチとなる。したがって、前記EGFR遺伝子の検出対象配列とパーフェクトマッチか否かによって、EGFR遺伝子の多型を検出できる。
配列番号2、15〜17に示す前記(P1)のオリゴヌクレオチドは、例えば、配列番号3、4、18〜23に示す塩基配列からなるオリゴヌクレオチドがあげられ、好ましくは、配列番号3、18、20、23に示す塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである。
tgagctgcatgatgaggtgcac(配列番号3)
tgagctgcgtgatgaggtgcac(配列番号4)
tgagctgcatgatgaggtgcacg(配列番号18)
tgagctgcgtgatgaggtgcacg(配列番号19)
tgagctgcatgatgaggtgcacgg(配列番号20)
tgagctgcgtgatgaggtgcacgg(配列番号21)
tgagctgcatgatgaggtgcacggt(配列番号22)
tgagctgcgtgatgaggtgcacggt(配列番号23)
前記(P2)のオリゴヌクレオチドは、前述のように前記(P1)のオリゴヌクレオチドに相補的である。前記(P2)のオリゴヌクレオチドは、塩基長が、22〜50塩基長であり、配列番号1における塩基番号334〜355を含む塩基配列に相同的な塩基配列からなり、前記塩基番号334の塩基を、5’末端領域に有するオリゴヌクレオチドということもできる。前記相同的とは、完全に相同的でもよいし、任意の塩基を除いて、完全に相同的でもよい。前記任意の塩基は、例えば、前記検出対象部位にハイブリダイズする部位以外の塩基であり、その数は、特に制限されず、例えば、1個である。具体例としては、前記(P2)のオリゴヌクレオチドは、例えば、配列番号1における塩基番号339番目の塩基(g)を除く塩基番号334〜355を含む領域に、相同的な塩基配列からなる。前記(P2)のオリゴヌクレオチドにおいて、配列番号1における塩基番号347の塩基は、yで表わされる。前記yは、チミン(t)またはシトシン(c)である。
本発明の多型検出用プローブは、例えば、前記オリゴヌクレオチドを含むプローブでもよいし、前記オリゴヌクレオチドからなるプローブでもよい。
本発明の多型検出用プローブは、標識物質を有する標識プローブであることが好ましく、例えば、前記オリゴヌクレオチドが、前記標識物質で標識化(修飾)されていることが好ましい。前記オリゴヌクレオチドにおいて、前記標識物質により標識化される部位は、特に制限されず、例えば、5’末端領域または3’末端領域であることが好ましく、より好ましくは5’末端または3’末端である。後述するように、前記オリゴヌクレオチドにおいて、前記標識物質により標識化される塩基は、例えば、シトシン(c)またはグアニン(g)が好ましい。前記標識物質は、例えば、塩基を直接標識化してもよいし、前記塩基を間接的に標識化してもよい。後者の場合、例えば、前記塩基を含むヌクレオチド残基のいずれかの部位を標識することによって、前記塩基を間接的に標識化できる。
前記(P1)のオリゴヌクレオチドは、3’末端領域に、前記標識物質を有することが好ましく、具体的には、例えば、3’末端から数えて1〜4番目の塩基の位置に、前記標識物質を有することが好ましく、より好ましくは、3’末端から数えて1〜4番目の塩基であり、さらに好ましくは、3’末端から数えて1〜3番目の塩基、特に好ましくは、3’末端から数えて2番目または3’末端の塩基である。前記(P1)のオリゴヌクレオチドは、例えば、前記塩基番号334〜337の塩基に相補的ないずれかの塩基が、前記標識物質を有することが好ましく、より好ましくは、前記塩基番号334の塩基に相補的な塩基(c)が、前記標識物質を有する。
前記(P2)のオリゴヌクレオチドは、5’末端領域に、前記標識物質を有することが好ましく、具体的には、例えば、5’末端から数えて1〜4番目の塩基の位置に、前記標識物質を有することが好ましく、より好ましくは、5’末端から数えて1〜4番目の塩基であり、さらに好ましくは、5’末端から数えて1〜3番目の塩基、特に好ましくは、5’末端から数えて2番目または5’末端の塩基である。前記(P2)のオリゴヌクレオチドは、例えば、前記塩基番号334〜337のいずれかの塩基に、前記標識物質を有することが好ましく、より好ましくは、前記塩基番号334の塩基(g)に、前記標識物質を有する。
前記標識物質は、特に制限されず、例えば、前記標識プローブが単独であるか、ハイブリッドを形成しているかによって、シグナルを発するものが好ましい。前記シグナルの種類は、特に制限されず、例えば、蛍光、呈色等があげられる。前記呈色は、例えば、発色でもよいし、変色でもよい。前記シグナルが蛍光の場合、シグナル値は、例えば、蛍光強度があげられる。前記シグナルが呈色の場合、前記シグナル値は、例えば、反射率、吸光度、透過率等があげられる。前記シグナルは、例えば、前記標識物質から直接発せられてもよいし、間接的に発せられてもよい。
前記標識物質は、特に制限されず、例えば、蛍光団等の蛍光標識物質等があげられる。前記蛍光物質は、例えば、フルオレセイン、リン光体、ローダミン、ポリメチン色素誘導体等があげられる。市販の蛍光物質は、例えば、Pacific Blue(登録商標、モレキュラープローブ社製)、BODIPY FL(登録商標、モレキュラープローブ社製)、FluorePrime(商品名、アマシャムファルマシア社製)、Fluoredite(商品名、ミリポア社製)、FAM(登録商標、ABI社製)、Cy3およびCy5(商品名、アマシャムファルマシア社製)、TAMRA(登録商標、モレキュラープローブ社製)等があげられる。前記蛍光物質の検出条件は、特に制限されず、例えば、使用する蛍光物質の種類により適宜決定できる。具体例として、Pacific Blueは、例えば、検出波長450〜480nm、TAMRAは、例えば、検出波長585〜700nm、BODIPY FLは、例えば、検出波長515〜555nmで検出できる。このような標識プローブを使用すれば、例えば、シグナルとして蛍光を検出し、シグナル値として蛍光強度を測定することにより、蛍光強度の変動から、ハイブリダイズと解離とを容易に確認できる。
前記標識プローブは、例えば、単独でシグナルを示し、且つハイブリッド形成によりシグナルを示さない標識プローブ、または、単独でシグナルを示さず、且つハイブリッド形成によりシグナルを示す標識プローブが好ましい。前記標識物質が蛍光物質の場合、前記標識プローブは、例えば、前記蛍光物質で標識化され、単独で蛍光を示し、且つハイブリッド形成により蛍光が減少(例えば、消光)するプローブが好ましい。このような現象は、一般に、蛍光消光現象(Quenching phenomenon)と呼ばれる。この現象を利用したプローブは、一般に、蛍光消光プローブと呼ばれる。中でも、前記蛍光消光プローブは、例えば、オリゴヌクレオチドの3’末端もしくは5’末端が前記蛍光物質で標識化されていることが好ましく、標識化される前記末端の塩基は、シトシン(c)またはグアニン(g)が好ましい。前記末端の塩基がシトシン(c)の場合、前記蛍光消光プローブは、例えば、被検核酸とハイブリッドを形成した際、前記被検核酸における、標識化された末端のシトシン(c)と対をなす塩基または前記対をなす塩基から1〜3塩基離れた塩基がグアニン(g)となるように、前記蛍光消光プローブの塩基配列を設計することが好ましい。前記対をなす塩基から一塩基離れた塩基は、前記対をなす塩基の隣の塩基を意味する。このようなプローブは、一般的にグアニン消光プローブと呼ばれ、いわゆるQProbe(登録商標)として知られている。前記グアニン消光プローブが前記被検核酸にハイブリダイズすると、例えば、前記蛍光物質で標識化された末端のシトシン(c)が、前記被検核酸におけるグアニン(g)に近づくことによって、前記蛍光物質の蛍光が弱くなる、すなわち蛍光強度が減少するという現象を示す。前記プローブを使用すれば、例えば、蛍光強度の変動により、ハイブリダイズと解離とを容易に確認できる。同様に、前記末端の塩基がグアニン(g)の場合、前記蛍光消光プローブは、例えば、前記被検核酸とハイブリッドを形成した際、前記被検核酸における、標識化された末端のグアニン(g)と対をなす塩基または前記対をなす塩基から1〜3塩基離れた塩基がシトシン(c)となるように、前記蛍光消光プローブの塩基配列を設計することが好ましい。
本発明の多型検出用プローブは、例えば、3’末端にリン酸基が付加されてもよい。後述するように、被検核酸は、例えば、PCR等の核酸増幅法によって調製できる。この際、本発明の多型検出用プローブを、核酸増幅反応の反応系に共存させてもよい。このような場合、前記多型検出用プローブの3’末端にリン酸基を付加させておけば、前記核酸増幅反応によって前記多型検出用プローブ自体が伸長することを十分に防止できる。また、前記多型検出用プローブの3’末端に、前述のような標識物質を付加することによっても、同様の効果が得られる。
本発明の多型検出用プローブを用いた多型の検出において、検出方法は何ら制限されず、前記検出対象配列とプローブとのハイブリダイズを利用する方法であればよい。前記多型の検出方法として、以下に、本発明の多型検出方法を説明する。
<多型検出方法>
本発明の多型検出方法は、前述のように、本発明の多型検出用プローブを用いて、EGFR遺伝子の多型を検出する工程を含むことを特徴とする、EGFR遺伝子の多型検出方法である。
本発明の多型検出方法は、例えば、下記(A)工程および(B)工程を含むことが好ましい。
(A)被検核酸と本発明の多型検出用プローブとを含む反応系の温度を変化させ、前記被検核酸と前記多型検出用プローブとのハイブリッドの融解状態を示すシグナル値を測定する工程
(B)前記温度変化に伴う前記シグナル値の変動から、前記被検核酸における前記多型を検出する工程
本発明の多型検出方法は、本発明の多型検出用プローブを使用することが特徴であって、その他の構成や条件等は、以下の記載に制限されない。本発明の多型検出用プローブは、前述のように標識プローブが好ましい。本発明において、前記反応系は、例えば、反応液である。
本発明において、前記被検核酸は、一本鎖核酸でもよいし、二本鎖核酸でもよい。前記被検核酸が前記二本鎖核酸の場合、例えば、後述するように、前記(A)工程において、前記反応系を加熱して、二本鎖の被検核酸を解離させる工程を含むことが好ましい。前記二本鎖核酸を一本鎖核酸に解離することによって、本発明の多型検出用プローブと前記一本鎖核酸とがハイブリダイズする。
本発明において、前記被検核酸は、例えば、試料中に元来含まれる核酸でもよいし、前記核酸の増幅物でもよい。後者は、例えば、検出精度を向上できることから好ましく、前記増幅物は、例えば、前記試料中の前記核酸を鋳型核酸として、核酸増幅法により増幅させることで調製できる。前記増幅物は、例えば、前記試料中のDNAを鋳型とした増幅物でもよいし、前記試料中のRNAから合成したcDNAを鋳型とした増幅物でもよい。前記試料中のRNAは、例えば、トータルRNA、mRNA等のRNAがあげられ、前記cDNAは、例えば、前記RNAから、RT−PCR(Reverse Transcription PCR)により合成できる。
本発明の多型検出方法は、前記被検核酸が前記増幅物の場合、例えば、さらに、下記(X)工程を含んでもよい。前記(X)工程は、例えば、前記(A)工程に先立って行うことが好ましい。また、前記(X)工程は、例えば、前記多型検出用プローブの存在下、反応系において、前記鋳型核酸から前記増幅物を生成する工程でもよい。
(X) 鋳型核酸から前記増幅物を生成する工程
前記(A)工程において、前記多型検出用プローブは、例えば、前記反応系に含まれていればよく、その添加のタイミングは、特に制限されない。前記被検核酸が前記増幅物の場合、前記(A)工程における前記反応系は、例えば、前記(X)工程で得られた前記増幅物と前記多型検出用プローブとを用いて、新たに調製してもよいし、前記(X)工程における前記増幅反応の反応系でもよい。後者の場合、前記多型検出用プローブは、例えば、前記(X)工程の前または途中に、前記増幅反応の反応系に添加されてもよく、前記(X)工程の後、前記増幅反応の反応系に添加されてもよい。
前記核酸増幅法は、特に制限されず、例えば、PCR(Polymerase Chain Reaction)法、NASBA(Nucleic Acid Sequence Based Amplification)法、TMA(Transcription−Mediated Amplification)法、SDA(Strand Displacement Amplification)法等があげられ、中でも、PCR法が好ましい。前記核酸増幅法の条件は、特に制限されず、従来公知の方法により行える。
前記鋳型核酸からの前記核酸増幅物の生成には、前記EGFR遺伝子における検出目的の多型を含む領域を増幅するためのプライマーを使用することが好ましい。前記プライマーの配列は、特に制限されず、例えば、前記検出対象部位を含む検出対象配列を増幅できればよく、前記検出対象配列およびその周辺配列等に応じて、従来公知の方法により適宜設定できる。前記プライマーの長さは、特に制限されず、一般的な長さに設定でき、例えば、10〜30塩基長があげられる。
前記プライマーは、例えば、遺伝子のセンス鎖を増幅するフォワードプライマー(以下、「Fプライマー」ともいう)およびアンチセンス鎖を増幅するリバースプライマー(以下、「Rプライマー」ともいう)のいずれか一方を使用できるが、両者を一対とするプライマーセットを使用することが好ましい。以下に、FプライマーおよびRプライマーを例示するが、これらは一例であって、本発明を制限するものではない。
Fプライマー
5'-tccaggaagcctacgtgatggccag-3'(配列番号5)
Rプライマー
5'-ccaatattgtctttgtgttcccggacatagtc-3'(配列番号6)
5'-cgaagggcatgagctgcg-3'(配列番号7)
5'-ccgaagggcatgagctgca-3'(配列番号8)
前記配列番号7に示すRプライマーは、例えば、野生型EGFR遺伝子を特異的に増幅するプライマーであり、前記配列番号8に示すRプライマーは、例えば、変異型EGFR遺伝子を特異的に増幅するプライマーである。前記配列番号7に示すプライマーおよび前記配列番号8に示すプライマーは、例えば、併用してもよい。前記配列番号に示すプライマーを、本発明のプライマーともいう。
前記プライマーの組み合せは、特に制限されない。具体例としては、配列番号5に示すプライマーと配列番号6に示すプライマーとの組み合わせ、配列番号7に示すプライマーと配列番号8に示すプライマーとの組み合わせ等があげられる。
前記反応系において、前記プライマーの添加割合は、特に制限されず、例えば、一種類のプライマーについて、例えば、0.1〜2μmol/Lであり、好ましくは、0.25〜1.5μmol/Lであり、特に好ましくは、0.5〜1μmol/Lである。また、FプライマーとRプライマーとを使用する場合、前記Fプライマー(F)とRプライマー(R)との添加割合(モル比F:R)は、特に制限されず、例えば、1:0.25〜1:4が好ましく、より好ましくは、1:0.5〜1:2である。
前記(A)工程において、前記被検核酸に対する前記多型検出用プローブの添加割合(モル比)は、特に制限されず、検出シグナルを十分に確保できることから、1倍以下が好ましく、より好ましくは、0.1倍以下である。この際、前記被検核酸は、例えば、パーフェクトマッチ配列を有するパーフェクトマッチ核酸とミスマッチ配列を有するミスマッチ核酸との合計でもよいし、パーフェクトマッチ配列を含む増幅物とミスマッチ配列を含む増幅物との合計でもよい。被検核酸におけるパーフェクトマッチ核酸の割合は、通常、不明であるが、結果的に、前記多型検出用プローブの添加割合(モル比)は、パーフェクトマッチ核酸(パーフェクトマッチ配列を含む増幅物)に対して10倍以下となることが好ましく、より好ましくは5倍以下、さらに好ましくは3倍以下である。また、その下限は特に制限されず、例えば、0.001倍以上であり、好ましくは0.01倍以上であり、より好ましくは0.1倍以上である。前記被検核酸に対する本発明の多型検出用プローブの添加割合は、例えば、二本鎖核酸に対するモル比でもよいし、一本鎖核酸に対するモル比でもよい。
前記反応系における本発明の多型検出用プローブの添加割合は、特に制限されず、例えば、前記多型検出用プローブを10〜1000nmol/Lの範囲となるように添加することが好ましく、より好ましくは20〜500nmol/Lである。また、例えば、十分なシグナル値を確保できることから、前記反応系において、前記被検核酸に対する前記多型検出用プローブのモル比は、例えば、1倍以下が好ましく、より好ましくは、0.1倍以下である。前記被検核酸に対する前記多型検出用プローブの添加割合は、例えば、二本鎖核酸に対するモル比でもよいし、一本鎖核酸に対するモル比でもよい。
本発明の多型検出方法を適用する試料は、特に制限されず、生体試料があげられる。前記生体試料の具体例は、例えば、全血、白血球細胞等の血球、口腔粘膜等の口腔内細胞、爪や毛髪等の体細胞、生殖細胞、喀痰、羊水、パラフィン包埋組織、尿、胃液、胃洗浄液等があげられる。本発明において、前記試料の採取方法、前記試料からの被検核酸の調製方法等は、制限されず、従来公知の方法が採用できる。
本発明の多型検出方法は、前述のような、いわゆるTm解析に利用できる。Tm解析におけるTm値について説明する。例えば、二本鎖DNAを含む溶液を加熱していくと、260nmにおける吸光度が上昇する。これは、二本鎖DNAにおける両鎖間の水素結合が加熱によってほどけ、一本鎖DNAに解離(DNAの融解)することが原因である。そして、全ての二本鎖DNAが解離して一本鎖DNAになると、その吸光度は、加熱開始時の吸光度(二本鎖DNAのみの吸光度)の約1.5倍程度を示す。これによって、融解が完了したと判断できる。この現象に基づき、融解温度Tmは、一般に、吸光度が、吸光度全上昇分の50%に達した時の温度と定義される。
前記(A)工程において、前記被検核酸と前記多型検出用プローブとのハイブリッドの融解状態を示すシグナルの測定は、例えば、前述した、260nmにおける吸光度測定でもよいし、前記標識物質のシグナル測定でもよい。具体的には、前記多型検出用プローブとして、前述したように、前記標識物質で標識化された標識プローブを使用し、前記標識物質のシグナル測定を行うことが好ましい。前記標識プローブは、例えば、単独でシグナルを示し、且つハイブリッド形成によりシグナルを示さない標識プローブ、または、単独でシグナルを示さず、且つハイブリッド形成によりシグナルを示す標識プローブがあげられる。前者のようなプローブであれば、前記増幅物とハイブリッド(二本鎖DNA)を形成している際にはシグナルを示さず、加熱により前記増幅物から前記プローブが解離するとシグナルを示す。また、後者のプローブであれば、前記増幅物とハイブリッド(二本鎖DNA)を形成することによってシグナルを示し、加熱により前記増幅物から前記プローブが解離するとシグナルが減少(消失)する。したがって、前記標識物質のシグナルの検出によって、前記260nmにおける吸光度測定と同様に、ハイブリッドの融解の進行の検出、Tm値の決定等を行える。前記標識物質のシグナル検出は、例えば、前記標識物質のシグナルに特有の条件で検出すればよい。前記条件は、例えば、励起波長、検出波長等があげられる。前記標識プローブならびに前記標識物質は、前述のとおりである。
つぎに、本発明の多型検出方法について、一例をあげて説明する。本例は、本発明の多型検出用プローブとして、蛍光物質で標識された標識プローブを使用し、前記多型検出用プローブの存在下、鋳型核酸の増幅を行い、得られた増幅物を、前記被検核酸とする例である。本発明の多型検出方法は、本発明の多型検出用プローブを使用すること自体が特徴であり、その他の工程および条件については何ら制限されない。
まず、前記生体試料からゲノムDNAを単離する。前記生体試料からのゲノムDNAの単離は、従来公知の方法によって行える。具体例としては、例えば、市販のゲノムDNA単離キット(商品名GFX Genomic Blood DNA Purification kit;GEヘルスケアバイオサイエンス社製)等が使用できる。
つぎに、単離したゲノムDNAを含む試料に標識プローブを添加して、反応液を調製する。前記標識プローブは、例えば、前述のように、QProbe(登録商標)が好ましい。
前記標識プローブは、例えば、単離したゲノムDNAを含む試料に添加してもよいし、溶媒中でゲノムDNAと混合してもよい。前記溶媒は、特に制限されず、例えば、Tris−HCl等の緩衝液、KCl、MgCl、MgSO、グリセロール等を含む溶媒、PCR用の反応液等の核酸増幅用反応液等、従来公知のものがあげられる。
前記標識プローブの添加のタイミングは、特に制限されず、例えば、核酸増幅反応の前、途中または後に添加できる。中でも、例えば、前記標識プローブの添加のために前記反応液を外部環境に露出する必要がなく、また、前記核酸増幅反応とシグナル値の測定とを、連続的に行うことが可能であるため、前記核酸増幅反応前に前記反応液に添加することが好ましい。この場合、前記標識プローブは、前述のように、その3’末端が標識物質またはリン酸基で修飾されていることが好ましい。
続いて、単離したゲノムDNAを鋳型として、前記標識プローブの存在下、PCR等の核酸増幅法によって、検出目的の多型を含む検出対象配列を増幅させる。以下、核酸増幅法としてPCRを例にあげて説明するが、本発明は、これには制限されない。また、PCRの条件は、特に制限されず、従来公知の方法により行える。
具体的には、前記ゲノムDNA、前記標識プローブおよび前記プライマーを含む前記反応液について、PCRを行う。前記反応液の組成は、特に制限されず、当業者であれば適宜設定できる。前記反応液は、例えば、前記ゲノムDNA、前記標識プローブおよび前記プライマーの他に、DNAポリメラーゼ等のポリメラーゼ、ヌクレオシド三リン酸、緩衝液、各種触媒等を含んでもよい。前記反応液における前記標識プローブおよび前記プライマーの添加割合は、特に制限されず、例えば、それぞれ、前述の範囲があげられる。
前記DNAポリメラーゼは、特に制限されず、例えば、従来公知の耐熱性細菌由来のポリメラーゼが使用できる。具体例として、例えば、テルムス・アクアティカス(Thermus aquaticus)由来DNAポリメラーゼ(米国特許第4,889,818号および同第5,079,352号)(商品名Taqポリメラーゼ)、テルムス・テルモフィラス(Thermus thermophilus)由来DNAポリメラーゼ(WO 91/09950)(rTth DNA polymerase)、ピロコッカス・フリオサス(Pyrococcus furiosus)由来DNAポリメラーゼ(WO 92/9689)(Pfu DNA polymerase:Stratagenes社製)、テルモコッカス・リトラリス(Thermococcus litoralis)由来ポリメラーゼ(EP−A 455 430(商標Vent):New England Biolabs社製)等が商業的に入手可能であり、中でも、テルムス・アクアティカス(Thermus aquaticus)由来の耐熱性ポリメラーゼが好ましい。
前記反応液におけるDNAポリメラーゼの添加割合は、特に制限されずが、例えば、1〜100U/mLであり、好ましくは、5〜50U/mLであり、より好ましくは、20〜40U/mLである。DNAポリメラーゼの活性単位(U)は、一般に、活性化サケ精子DNAを鋳型プライマーとして、活性測定用反応液中、74℃で、30分間に10nmolの全ヌクレオチドを酸不溶性沈殿物に取り込む活性が1Uである。前記活性測定用反応液の組成は、例えば、25mmol/L TAPS buffer(pH9.3、25℃)、50mmol/L KCl、2mmol/L MgCl、1mmol/Lメルカプトエタノール、200μmol/L dATP、200μmol/L dGTP、200μmol/L dTTP、100μmol/L「α−32P」dCTP、0.25mg/mL活性化サケ精子DNAである。
前記ヌクレオシド三リン酸は、通常、dNTP(dATP、dCTP、dGTPおよびdTTPまたはdUTP)があげられる。前記反応液中のdNTPの添加割合は、特に制限されず、例えば、0.01〜1mmol/Lであり、好ましくは、0.05〜0.5mmol/Lであり、より好ましくは、0.1〜0.3mmol/Lである。
前記緩衝液は、例えば、Tris−HCl、Tricine、MES、MOPS、HEPES、CAPS等があげられ、市販のPCR用緩衝液および市販のPCRキットの緩衝液等が使用できる。
前記反応液は、さらに、ヘパリン、ベタイン、KCl、MgCl、MgSO、グリセロール等を含んでもよく、これらの添加割合は、例えば、PCR反応を阻害しない範囲で設定すればよい。
前記反応液の全体積は、特に制限されず、例えば、サーマルサイクラー等の使用する機器等に応じて適宜設定できるが、通常、1〜500μLであり、好ましくは10〜100μLである。
つぎに、PCRを行う。前記PCRのサイクル条件は、特に制限されない。具体例として、例えば、(1)被検核酸である二本鎖DNAの一本鎖DNAへの解離、(2)前記一本鎖DNAへのプライマーのアニーリング、(3)ポリメラーゼ反応による前記プライマーの伸長は、それぞれ、下記表1の条件が例示できる。PCRのサイクル数は、特に制限されず、下記(1)〜(3)の3ステップを1サイクルとして、例えば、30サイクル以上が好ましい。前記サイクル数の合計の上限は、特に制限されず、例えば、100サイクル以下、好ましくは70サイクル以下、さらに好ましくは、50サイクル以下である。各ステップの温度変化は、例えば、サーマルサイクラー等を用いて自動的に制御できる。
Figure 2011052754
前記反応液における前記標識プローブの添加割合は、特に制限されず、例えば、前記標識プローブを10〜1000nmol/Lの範囲となるように添加することが好ましく、より好ましくは20〜500nmol/Lである。例えば、十分なシグナル値を確保できることから、前記反応液において、前記被検核酸に対する前記標識プローブのモル比は、例えば、1倍以下が好ましく、より好ましくは、0.1倍以下である。前記被検核酸に対する前記標識プローブの添加割合は、例えば、二本鎖核酸に対するモル比でもよいし、一本鎖核酸に対するモル比でもよい。
つぎに、得られた増幅物(二本鎖DNA)の解離、および、解離により得られた一本鎖DNAと前記標識プローブとのハイブリダイズを行う。これは、例えば、前記標識プローブの存在下、前記反応液の温度を変化させることで行える。この場合、前述のように、予め前記標識プローブを添加した前記反応液について、増幅反応を行った後、前記反応液を温度変化させることが好ましい。
前記解離工程における加熱温度は、例えば、二本鎖の前記増幅物を一本鎖に解離できる温度があげられる。前記加熱温度は、特に制限されず、例えば、85〜95℃である。加熱時間は、特に制限されず、通常、1秒〜10分であり、好ましくは1秒〜5分である。
解離した一本鎖DNAと前記標識プローブとのハイブリダイズは、例えば、前記解離工程の後、前記解離工程における加熱温度を降下させることによって行える。温度条件は、例えば、40〜50℃である。前記温度での処理時間は、特に制限されず、例えば、1〜600秒である。
そして、前記反応液の温度を変化させ、前記増幅物と前記標識プローブとのハイブリッドの融解状態を示すシグナル値を測定する。具体的には、例えば、前記反応液を加熱し、すなわち、前記一本鎖DNAと前記標識プローブとのハイブリッドを加熱し、温度上昇に伴うシグナル値の変動を測定する。前述のように、グアニン消光プローブ、すなわち、末端のシトシン(c)が標識化されたプローブを使用した場合、一本鎖DNAとハイブリダイズした状態では、蛍光が減少(または消光)し、解離した状態では、蛍光を発する。したがって、例えば、蛍光が減少(または消光)しているハイブリッドを徐々に加熱し、温度上昇に伴う蛍光強度の増加を測定すればよい。
前記蛍光強度の変動を測定する際、その温度範囲は、特に制限されない。前記開始温度は、例えば、室温〜85℃であり、好ましくは、25〜70℃であり、終了温度は、例えば、40〜105℃である。温度の上昇速度は、特に制限されず、例えば、0.1〜20℃/秒であり、好ましくは、0.3〜5℃/秒である。
つぎに、前記シグナル値の変動を解析してTm値を決定する。具体的には、得られた蛍光強度から、各温度における単位時間当たりの蛍光強度変化量(−d蛍光強度変化量/dtまたはd蛍光強度変化量/dt)を算出し、最も変化した値を示す温度をTm値として決定できる。前記標識プローブが前記蛍光消光プローブの場合、例えば、蛍光強度の増加量を測定し、単位時間当たりの蛍光強度増加量(−d蛍光強度増加量/dt)が最も低い値を示す温度、または、単位時間当たりの蛍光強度増加量(d蛍光強度増加量/t)が最も高い値を示す温度を、Tm値として決定することもできる。一方、前記標識プローブとして、前記蛍光消光プローブではなく、単独でシグナルを示さず且つハイブリッド形成によりシグナルを示すプローブを使用した場合は、反対に、蛍光強度の減少量を測定すればよい。
前記Tm値は、例えば、従来公知のMELTCALCソフトウエア(http://www.meltcalc.com/)等により算出でき、また、最近接塩基対法(Nearest Neighbor Method)によって決定することもできる。
そして、前記Tm値から、前記検出対象配列において、配列番号1に示すEGFR遺伝子の部分配列における塩基番号347の塩基が、前記野生型であるか、前記変異型であるかを決定する。前記Tm解析では、例えば、完全に相補であるハイブリッド(マッチ)は、一塩基以上が異なるハイブリッド(ミスマッチ)よりも、解離を示すTm値が高くなるという結果が得られる。したがって、予め、前記標識プローブについて、パーフェクトマッチのハイブリッドのTm値と、ミスマッチのハイブリッドのTm値とを決定しておく。前者は、前記標識プローブが、配列番号2における17番目の塩基(g)を除き、前記検出対象配列と完全に相補であるパーフェクトマッチのハイブリッドのTm値である。後者は、前記標識プローブが、配列番号2における9番目の塩基(r)および17番目の塩基(g)を除き、前記検出対象配列と完全に相補であるミスマッチのハイブリッドのTm値、つまり、前記標識プローブの前記9番目の塩基(r)および前記17番目の塩基(g)において前記ミスマッチとなるミスマッチハイブリッドのTm値である。これによって、前記検出対象配列の塩基が、前記野生型であるか、前記変異型を含むかを決定できる。
本発明は、前述のように、前記多型検出用プローブを含む反応系の温度を上昇させて、すなわち、ハイブリッドを加熱して、温度上昇に伴うシグナル変動を測定する方法に代えて、例えば、ハイブリッド形成時におけるシグナル変動の測定を行ってもよい。すなわち、前記多型検出用プローブを含む反応系の温度を降下させてハイブリッドを形成する際に、前記温度降下に伴うシグナル変動を測定してもよい。
具体例として、単独でシグナルを示し、且つハイブリッド形成によりシグナルを示さない標識プローブ(例えば、グアニン消光プローブ)を使用した場合を例にあげる。この場合、前記標識プローブは、一本鎖DNAと前記標識プローブとが解離している状態では蛍光を発しているが、温度の降下によりハイブリッドを形成すると、前記蛍光が減少(または消光)する。したがって、例えば、前記反応液の温度を徐々に降下させて、温度下降に伴う蛍光強度の減少を測定すればよい。他方、単独でシグナルを示さず、且つハイブリッド形成によりシグナルを示す標識プローブを使用した場合、前記一本鎖DNAと前記標識プローブとが解離している状態では蛍光を発していないが、温度の降下によりハイブリッドを形成すると、蛍光を発するようになる。したがって、例えば、前記反応液の温度を徐々に降下させて、温度下降に伴う蛍光強度の増加を測定すればよい。
<多型検出用試薬>
本発明の多型検出用試薬は、本発明の多型検出用プローブを含むことを特徴とする、EGFR遺伝子の多型検出用試薬である。本発明においては、前述の本発明の多型検出用プローブを含むことが特徴であり、その他の構成および条件は何ら制限されない。
本発明の多型検出用試薬は、さらに、EGFR遺伝子における前記検出目的部位を含む領域を増幅するためのプライマーまたはプライマーセットを含んでもよい。前記プライマーは、例えば、前述のものがあげられる。
本発明の多型検出用試薬は、この他にも、例えば、核酸増幅反応に必要な成分を含んでもよい。具体例としては、例えば、DNAポリメラーゼ等のポリメラーゼ、ヌクレオシド三リン酸、緩衝液、各種触媒等があげられる。本発明の多型検出用試薬において、各成分は、例えば、同じ容器に収容されてもよいし、別の容器に収容されてもよい。
本発明の多型検出用試薬は、例えば、EGFR遺伝子の多型の検出に使用するプローブキットともいえる。本発明の多型検出用キットにおいて、各成分は、例えば、同じ容器に収容されてもよいし、別の容器に収容されてもよい。本発明の多型検出キットは、さらに、使用説明書を含んでもよい。
本発明のEGFR遺伝子増幅用プライマーは、前述の通りであって、配列番号5〜8に示すオリゴヌクレオチドからなるプライマーの少なくとも一つである。本発明の増幅方法は、反応系において、試料中の核酸を鋳型として、本発明のEGFR遺伝子増幅用プライマーを用いて、前記EGFR遺伝子の増幅を行う増幅工程を含むことを特徴とする、EGFR遺伝子の増幅方法である。本発明の増幅物の検出方法は、本発明のプライマーを使用することを特徴し、本発明のEGFR遺伝子の増幅方法により、EGFR遺伝子を増幅させる増幅工程を含むことを特徴とする、EGFR遺伝子の増幅物を検出する増幅物検出方法である。本発明の検出方法は、例えば、さらに、本発明のプローブを用いて、前記EGFR遺伝子の増幅物を検出する工程を含むことが好ましい。本発明のプライマーおよびこれを用いた各種方法は、前述の記載を参照できる。
つぎに、本発明の実施例について説明する。本発明は、下記実施例により制限されない。下記実施例において、特に示さない限り、%は、w/v%を示す。
[実施例1]
本例では、野生型プラスミドと、変異型プラスミドとの共存下で、Tm解析を行い、EGFR遺伝子多型を検出した。
野生型プラスミド(wt)および変異型プラスミド(mt)を作製した。前記wtは、配列番号1の塩基番号347の塩基yがシトシン(c)である野生型EGFR遺伝子の部分配列(配列番号1の塩基番号197〜496)を挿入したプラスミドとした。前記mtは、前記塩基番号347の塩基yがチミン(t)に変異した変異型EGFR遺伝子の部分配列(配列番号1の塩基番号197〜496)を挿入したプラスミドとした。両者を所定の割合で混合し、複数の核酸試料を調製した。前記核酸試料における前記mt含有割合は、それぞれ、5%、3%および0%とした。
チューブ内に、前記核酸試料1μL(1×10〜1×10コピー/μL)および下記表2の反応試薬49μLを添加し、PCR反応液とした。前記PCR反応液について、全自動SNPs検査装置(商品名i−densy(登録商標)、アークレイ社製)を用いて、PCRおよびTm解析を行った。前記PCRは、95℃で60秒処理した後、95℃1秒および62℃15秒を1サイクルとして50サイクル繰り返し、さらに、95℃で1秒、40℃で60秒処理した。そして、続けて、温度の上昇速度を1℃/3秒として、前記PCR反応液を40℃から75℃に加熱していき、経時的な蛍光強度の変化(検出波長565〜605nm)を測定し、Tm解析を行った。
Figure 2011052754
前記FプライマーおよびRプライマーは、下記配列のプライマーを使用した。
Fプライマー1(配列番号5)
5'-tccaggaagcctacgtgatggccag-3'
Rプライマー1(配列番号6)
5'-ccaatattgtctttgtgttcccggacatagtc-3'
前記多型検出用プローブは、下記配列のプローブを使用した。前記多型検出用プローブは、配列番号1の塩基番号347の塩基yがチミン(t)に変異した変異型EGFR遺伝子のセンス鎖に、17番目の塩基(g)を除いて、パーフェクトマッチする配列である。下記配列において、大文字で示した塩基Aは、前記塩基番号347の塩基チミン(t)に対応する。また、3’末端のTAMRAは、蛍光物質である。
多型検出用プローブ1(配列番号3)
5'-tgagctgcAtgatgaggtgcac-(TAMRA)-3'
これらの結果を図1に示す。図1は、温度上昇に伴う蛍光強度の変化を示すTm解析のグラフである。図1において、(A)はwt 100%(mt0%)、(B)はmt 3%、(C)はmt 5%の結果である。横軸は、測定時の温度(℃)を示し、縦軸は蛍光強度の変化(以下、「蛍光変化量」ともいう)を示し、単位は「d蛍光強度増加量/dt」とした。形成されるハイブリッドが、前記多型検出用プローブにおける17番目の塩基(g)を除き、パーフェクトマッチの場合、評価基準となるTmは、以下の通りである。wtのTm値は、59℃、mtのTm値は、66℃である。
図1(A)に示すように、wt 100%の試料については、wtのTm値でのみピークが確認された。そして、図1(B)および(C)に示すように、変異型プラスミドを含む反応液は、wtのTm値およびmtのTm値の両方で、ピークが確認された。このように、本実施例の多型検出用プローブを用いれば、wtおよびmtが共存する試料においても、両方の多型を検出可能であることがわかった。さらに、前記試料において、mtの含有量が少ない場合でも、mtのTm値において、ピークが確認できた。このため、本実施例の多型検出用プローブによれば、mtの含有量が少ない場合であっても、変異型の多型を感度よく検出可能であることがわかった。
[実施例2]
本例では、野生型プラスミド(wt)と、さらに低濃度の変異型プラスミド(mt)との共存下で、Tm解析を行い、EGFR遺伝子多型を検出した。
本例では、前記核酸試料におけるmtの含有割合を、それぞれ、0.5%、0.3%および0%とし、前記Rプライマーとして、100μmol/Lの下記Rプライマー2およびRプライマー3を、それぞれ0.125μL添加し、PCRの条件を、95℃で60秒した後、95℃1秒および64℃15秒を1サイクルとして50サイクル繰り返し、さらに、95℃で1秒、40℃で60秒処理した以外は、前記実施例1と同様にして、PCRおよびTm解析を行った。
Rプライマー2(配列番号7)
5'-cgaagggcatgagctgcG-3'
Rプライマー3(配列番号8)
5'-ccgaagggcatgagctgcA-3'
前記Rプライマー2は、野生型EGFR遺伝子を増幅するプライマーであり、前記Rプライマー3は、変異型EGFR遺伝子を増幅するプライマーである。両者とも、3’末端の塩基が、それぞれ、配列番号1に示す配列の塩基番号347の塩基(y=c、t)に対応する。
これらの結果を図2に示す。図2は、温度上昇に伴う蛍光強度の変化を示すTm解析のグラフである。図2において、(A)はwt 100%(mt0%)、(B)はmt 0.3%、(C)mt 0.5%の結果である。横軸は、測定時の温度(℃)を示し、縦軸は蛍光強度の変化(蛍光変化量)を示し、単位は「d蛍光強度増加量/dt」とした。評価基準となるTmは、前述と同様であり、wtのTm値は、59℃、mtのTm値は、66℃である。
図2(A)に示すように、wt 100%の試料については、wtのTm値でのみピークが確認された。そして、図2(B)および(C)に示すように、変異型プラスミドを含む反応液は、wtのTm値およびmtのTm値の両方で、ピークが確認された。このように、本実施例の多型検出用プローブを用いれば、wtおよびmtが共存する試料においても、両方の多型を検出可能であった。さらに、前記試料において、mt含有量がさらに少ない場合でも、mtのTm値において、ピークが確認できた。すなわち、本実施例では、変異型プラスミドが、前記実施例1よりさらに低濃度であっても、高感度に解析可能であった。
[比較例]
本例では、前記多型検出用プローブとして、下記多型検出用プローブ2〜7をそれぞれ使用した以外は、前記実施例1と同様にして、Tm解析により、EGFR遺伝子の多型を検出した。
多型検出用プローブ2(配列番号9)
5'-(TAMRA)-catgagctgcAtgatgag-P-3'
多型検出用プローブ3(配列番号10)
5'-(TAMRA)-catgagctgcAtgatgaggtgca-P-3'
多型検出用プローブ4(配列番号11)
5'-ctgcAtgatgaggtgcac-(TAMRA)-3'
多型検出用プローブ5(配列番号12)
5'-(TAMRA)-catcaTgcagctcat-P-3'
多型検出用プローブ6(配列番号13)
5'-(TAMRA)-catcaTgcagctca-P-3'
多型検出用プローブ7(配列番号14)
5'-(TAMRA)-ctcatcaTgcagct-P-3'
前記多型検出用プローブとして、前記多型検出用プローブ2〜7を用いた場合、wt 100%、mt 3%およびmt 5%の核酸試料を含む、全てのPCR反応液について、蛍光が消光せず、蛍光変化量のピークを確認できなかった。すなわち、本例のプローブを使用した場合、Tm解析により、EGFR遺伝子の多型を検出できなかった。
以上のように、本発明によれば、EGFR遺伝子の多型を、例えば、Tm解析によって、簡便且つ優れた信頼性で判別できる。本発明は、正常型EGFR遺伝子と変異型EGFR遺伝子とを両方含む試料に対して、特に有用である。このように、本発明によれば、EGFR遺伝子の多型を、簡便且つ優れた信頼性で判別できることから、例えば、検出結果を前述のような抗癌剤の投与による治療に反映することもできる。したがって、本発明は、医療分野等において極めて有用といえる。
以上、実施形態および実施例を参照して、本発明を説明したが、本発明は、上記発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2009年10月30日に出願された日本出願特願2009−251184を基礎とする優先権を主張し、その開示のすべてをここに取り込む。

Claims (13)

  1. 下記(P1)のオリゴヌクレオチドおよび(P2)のオリゴヌクレオチドの少なくとも一方を含むことを特徴とする、EGFR遺伝子の多型検出用プローブ。
    (P1)塩基長が、22〜50塩基長であり、配列番号1における塩基番号334〜355を含む塩基配列に相補的な塩基配列からなり、前記塩基番号334の塩基に相補的な塩基を、3’末端領域に有するオリゴヌクレオチド
    (P2)前記(P1)のオリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
  2. 前記(P1)のオリゴヌクレオチドが、前記塩基番号334の塩基に相補的な塩基を、3’末端から数えて1〜4番目の位置に有する、請求項1に記載の多型検出用プローブ。
  3. 前記(P1)のオリゴヌクレオチドが、配列番号2、配列番号15、配列番号16および配列番号17のいずれかに示す塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである、請求項1に記載の多型検出用プローブ。
    tgagctgcrtgatgaggtgcac(配列番号2)
    tgagctgcrtgatgaggtgcacg(配列番号15)
    tgagctgcrtgatgaggtgcacgg(配列番号16)
    tgagctgcrtgatgaggtgcacggt(配列番号17)
  4. 前記プローブが、蛍光標識物質を有する標識プローブである、請求項1に記載の多型検出用プローブ。
  5. 前記(P1)のオリゴヌクレオチドが、3’末端領域に、前記蛍光標識物質を有し、前記(P2)のオリゴヌクレオチドが、5’末端領域に、前記蛍光標識物質を有する、請求項4に記載の多型検出用プローブ。
  6. 前記(P1)のオリゴヌクレオチドが、3’末端から数えて1〜4番目の塩基の位置に、前記蛍光標識物質を有し、
    前記(P2)のオリゴヌクレオチドが、5’末端から数えて1〜4番目の塩基の位置に、前記蛍光標識物質を有する、請求項4に記載の多型検出用プローブ。
  7. 前記(P1)のオリゴヌクレオチドが、前記塩基番号334の塩基に相補的な塩基に、前記蛍光標識物質を有し、
    前記(P2)のオリゴヌクレオチドが、配列番号1における塩基番号334の塩基に、前記蛍光標識物質を有する、請求項4に記載の多型検出用プローブ。
  8. 前記多型検出用プローブが、Tm解析用のプローブである、請求項1に記載の多型検出用プローブ。
  9. 請求項1に記載の多型検出用プローブを用いて、EGFR遺伝子の多型を検出する工程を含むことを特徴とする、EGFR遺伝子の多型検出方法。
  10. 下記(A)工程および(B)工程を含む、請求項9に記載の多型検出方法。
    (A)被検核酸と請求項1に記載の多型検出用プローブとを含む反応系の温度を変化させ、前記被検核酸と前記多型検出用プローブとのハイブリッドの融解状態を示すシグナル値を測定する工程
    (B)前記温度変化に伴う前記シグナル値の変動から、前記被検核酸における前記多型を決定する工程
  11. 前記(A)工程において、前記被検核酸が、鋳型核酸からの増幅物である、請求項10に記載の多型検出方法。
  12. さらに、前記鋳型核酸から核酸増幅物を生成する工程を含む、請求項11に記載の多型検出方法。
  13. 前記(A)工程が、さらに、前記多型検出用プローブの存在下、反応系において、前記鋳型核酸から前記核酸増幅物を生成する工程を有し、前記生成工程における前記反応系の温度を変化させ、前記シグナル値の測定を行う、請求項12に記載の多型検出方法。
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