JPWO2011037004A1 - ネットワーク性能見積もり装置およびネットワーク性能見積もり方法、ネットワーク構成確認方法、並びに通信管理装置およびデータ通信方法 - Google Patents

ネットワーク性能見積もり装置およびネットワーク性能見積もり方法、ネットワーク構成確認方法、並びに通信管理装置およびデータ通信方法 Download PDF

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Abstract

設計されたネットワークから、通信機器間のポートの接続関係を示すネットワーク構成情報を生成し、設計されたネットワーク内の各通信機器について、入力された通信機器の通信機器名および機器種別毎の固有情報を含む機器識別情報を属性情報として記憶するネットワーク構成描写部14と、属性情報中の各通信機器について、機器識別情報で特定される通信機器の通信性能を、通信機器について機器型名と通信性能とを対応付けて格納する固有情報から取得する通信機器属性情報取得部15と、ネットワーク構成情報から設計されたネットワーク内でのトークン巡回順序を決定するトークン巡回順序決定部16と、トークン巡回順序と各通信機器の通信性能とを用いて、設計されたネットワークの通信性能を算出する性能見積もり部18と、を備える。

Description

この発明は、通信機器間でトークンフレームを用いて通信を行うネットワークでの性能の見積もりを行うネットワーク性能見積もり装置およびネットワーク性能見積もり方法に関するものである。また、性能の見積もりをして設計したネットワークと構築したネットワークの構成を比較するネットワーク構成確認方法にも関するものである。さらに、ネットワーク性能の見積もりが行われる対象となるネットワークで使用される通信管理装置とデータ通信方法にも関する。
FA(Factory Automation)システムは、制御対象機器と、制御対象機器の状態を入力データとして所定の演算処理を行い、制御対象機器の動作条件を出力データとして出力するプログラマブルコントローラなどの制御機器と、を備えるが、制御機器と制御対象機器に通信手段を設け、ネットワークで接続することによって、リアルタイムな制御を可能としている。つまり、制御対象機器に設けられる通信手段はスレーブ局として機能させ、制御機器に設けられる通信手段はスレーブ局のデータ送信を制御する通信管理局として機能させ、通信管理局は、スレーブ局からデータを受信し、受信したデータを用いて制御対象機器を制御するためのデータを演算してスレーブ局に送信する処理を周期的に行っている。このとき、通信管理局は、データ通信のリアルタイム性を保証するように、各スレーブ局によるデータ送信のタイミングを制御している。
このような通信管理局とスレーブ局とがネットワークを介して接続されたFAシステムにおいて、ネットワークの性能を見積もる方法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。この特許文献1には、実際のネットワークにおいて、スレーブ局からIDや入出力サイズなどのスレーブ局の固有情報を収集する収集手段と、収集した固有情報に基づいてマスタ局で使用されるネットワーク構成に関する情報であるパラメータテーブルを作成するテーブル作成手段と、作成したパラメータテーブルをマスタ局にタウンロードするダウンロード手段と、を備え、FAシステムに接続される構成のネットワーク構成管理ツールが開示されている。このネットワーク構成管理ツールによって、パラメータテーブルを自動的に生成し、生成した情報をマスタ局に登録するようにしている。
特開2002−84295号公報
しかしながら、特許文献1では、ネットワークに通信管理局やスレーブ局を実際に接続し、接続されたスレーブ局が持っている情報をネットワーク構成管理ツールが収集して性能を見積もる方式であり、実際に機器を購入して接続しなければ、性能を見積もることができないという問題点があった。つまり、ネットワーク性能の見積もりは、ネットワークを構築してから取得されるのでは、購入者にとっては意味がなく、購入前の段階で行われることが望ましい。
また、特許文献1では、性能式を求める情報として、1台ごとのスレーブ局のデータサイズの情報のみで算出しており、ハブが接続されている場合などネットワークの接続情報は加味されていない。そのため、複数のハブを介して接続されるようなネットワークにおいては、正確な性能を見積もることができないという問題点もあった。以上のように、リアルタイム性が要求されるFAネットワークにおいては、所定の時間内にデータの送受信が完了する必要があるので、購入前に正確にネットワーク性能を見積もることができることが望ましい。
さらに、設計したネットワーク構成と、実際に構築したネットワーク構成とが一致するか否かを判断する装置については、従来では提案されていなかった。また、構築されたネットワークでポートを含む接続関係を把握する方法についても従来では提案されていなかった。
この発明は、上記に鑑みてなされたもので、購入前の段階でネットワーク性能を正確に見積もることができるネットワーク性能見積もり装置およびネットワーク性能見積もり方法を得ることを目的とする。また、設計したネットワーク構成と、設計に基づいて実際に構築したネットワーク構成とが一致するか否かを判断することができるネットワーク性能見積もり装置およびネットワーク構成確認方法を得ることも目的とする。さらに、構築したネットワークを設計したネットワークと比較する際に、構築したネットワーク内での通信機器の接続状態を把握することができる通信管理装置とデータ通信方法を得ることも目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかるネットワーク性能見積もり装置は、複数の通信機器のポート間を配線で接続してユーザによって設計されたネットワークから、前記通信機器間の前記ポートの接続関係を示すネットワーク構成情報を生成し、前記設計されたネットワーク内の前記各通信機器について、ユーザによって入力された前記通信機器の通信機器名および機器型名を含む機器識別情報を属性情報として記憶するネットワーク構成描写手段と、前記属性情報中の前記各通信機器について、前記機器識別情報で特定される通信機器の通信性能を、通信機器について機器型名と通信性能とを対応付けて格納する通信機器固有情報から取得する通信機器属性情報取得手段と、前記ネットワーク構成情報から前記設計されたネットワーク内でトークンフレームを巡回させる前記通信機器の順番を示すトークン巡回順序を決定するトークン巡回順序決定手段と、前記トークン巡回順序と前記各通信機器の通信性能とを用いて、前記設計されたネットワークの通信性能を算出する性能見積もり手段と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、購入前の段階で、購入者が組み立てようとするネットワークについて、通信管理装置と、スレーブ局と、必要に応じてハブとを選択し、その機器属性に基づいてネットワーク性能を算出するようにしたので、ネットワーク性能を正確に見積もることができるという効果を有する。また、実際に構築されたネットワークの接続状態(ポート接続情報)を認識でき、ネットワークの異常箇所の対応が迅速となる効果も有する。
図1は、この発明の実施の形態1によるネットワーク性能見積もり装置の構成を模式的に示すブロック図である。 図2は、通信機器の固有情報の一例を示す図である。 図3は、ネットワーク構成の表示画面の一例を模式的に示す図である。 図4は、属性情報の一例を示す図である。 図5は、ネットワーク構成情報の一例を示す図である。 図6は、属性情報の一例を示す図である。 図7は、実施の形態1による通信機器の属性情報の取得処理の一例を示すフローチャートである。 図8は、実施の形態1によるトークン巡回順序の決定処理の一例を示すフローチャートである。 図9−1は、トークン巡回テーブルの作成過程の一例を模式的に示す図である(その1)。 図9−2は、トークン巡回テーブルの作成過程の一例を模式的に示す図である(その2)。 図9−3は、トークン巡回テーブルの作成過程の一例を模式的に示す図である(その3)。 図9−4は、トークン巡回テーブルの作成過程の一例を模式的に示す図である(その4)。 図9−5は、トークン巡回テーブルの作成過程の一例を模式的に示す図である(その5)。 図10は、実施の形態1によるトークン巡回時間算出処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図11は、実施の形態1によるトークン巡回時間の算出方法の一例を模式的に示す図である。 図12は、通信機器の固有情報の一例を模式的に示す図である。 図13は、属性情報の一例を示す図である。 図14は、実施の形態2によるマスタ局のホールド時間算出処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図15は、抽出されたスレーブ局の入力データ量と出力データ量の一例を示す図である。 図16は、属性情報の一例を示す図である。 図17は、実施の形態3によるトークン巡回時間算出処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図18は、各スレーブ局のトークンホールド時間、入力データ量および出力データ量の一例を示す図である。 図19は、各スレーブ局の設定入力データ量と設定出力データ量の一例を示す図である。 図20は、各通信機器間のトークンフレームの巡回の様子を模式的に示す図である。 図21は、実施の形態5によるネットワーク性能見積もり装置の構成を模式的に示すブロック図である。 図22は、ネットワーク性能見積もり装置とFAネットワークとが接続された状態の一例を模式的に示す図である。 図23−1は、マスタ局の機能構成を模式的に示すブロック図である。 図23−2は、スレーブ局の機能構成を模式的に示すブロック図である。 図24−1は、ネットワーク存在確認フレームのフォーマットの一例を示す図である。 図24−2は、ネットワーク存在確認応答フレームのフォーマットの一例を示す図である。 図25は、装置情報の一例を示す図である。 図26は、実施の形態5による起動時の通信方法の一例を示すシーケンス図である。 図27は、ネットワーク存在確認フレームの一例を示す図である。 図28は、ネットワーク存在確認応答フレームの一例を示す図である。 図29は、マスタ局が生成したネットワーク存在情報の一例を示す図である。 図30−1は、ネットワーク接続情報の生成方法の手順の一例を模式的に示す図である(その1)。 図30−2は、ネットワーク接続情報の生成方法の手順の一例を模式的に示す図である(その2)。 図30−3は、ネットワーク接続情報の生成方法の手順の一例を模式的に示す図である(その3)。 図31は、ネットワーク接続情報の一例を示す図である。 図32は、実施の形態5によるネットワーク構成確認処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図33は、設計データ接続関係情報の一例を示す図である。 図34は、設計データ接続関係情報の一例を示す図である。 図35は、実機接続関係情報の一例を示す図である。 図36は、ネットワーク性能見積もり装置とFAネットワークとが接続された状態の一例を模式的に示す図である。 図37は、ネットワーク存在確認フレームの一例を示す図である。 図38は、ネットワーク存在確認応答フレームの一例を示す図である。 図39は、マスタ局が生成したネットワーク存在情報の一例を示す図である。 図40は、ネットワークにおける通信機器間の接続関係の一例を模式的に示す図である。 図41は、ネットワーク接続情報の一例を示す図である。 図42は、装置情報の一例を示す図である。 図43は、ネットワーク構成情報の一例を示す図である。 図44は、設計データ接続関係情報の一例を示す図である。 図45は、設計データ接続関係情報の一例を示す図である。 図46は、実機接続関係情報の一例を示す図である。
以下に添付図面を参照して、この発明の実施の形態にかかるネットワーク性能見積もり装置およびネットワーク性能見積もり方法、ネットワーク構成確認方法、並びに通信管理装置およびデータ通信方法を詳細に説明する。なお、以下では、1台のマスタ局と1台以上のスレーブ局がネットワークに接続され、これらの通信機器の間でトークンフレームを所定の順番で巡回させ、トークンフレームを取得した通信機器がデータの送信を行う通信システムにおけるネットワーク性能の見積もりを行う場合について説明するが、これらの実施の形態によって、この発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1にかかるネットワーク性能見積もり装置の構成を模式的に示すブロック図である。ネットワーク性能見積もり装置10は、入力部11と、表示部12と、通信機器固有情報格納部13と、ネットワーク構成描写部14と、通信機器属性情報取得部15と、トークン巡回順序決定部16と、ネットワーク情報記憶部17と、性能見積もり部18と、これらの各処理部を制御する制御部19と、を備える。
入力部11は、ネットワーク性能見積もり装置10のユーザとの間のインタフェースであり、キーボードやマウスなどの入力装置によって構成される。この入力部11を介して、FAネットワークを構成する通信管理局としてのマスタ局、スレーブ局、スイッチングハブ(以下、ハブともいう)などの通信機器が配置されるとともに、それぞれの通信機器間を接続する配線が設定される。また、表示部12は、ユーザに必要な情報を表示する液晶表示装置などの表示装置からなる。
通信機器固有情報格納部13は、通信機器の機器型名などの機器種別情報と、通信機器の性能情報を含む固有情報を格納する。図2は、通信機器の固有情報の一例を示す図である。通信機器の固有情報は、通信機器の型名を示す「機器型名」と、製造会社を示す「機器メーカ」と、種類を示す「機器種別」と、機器種別がスレーブ局の場合にトークンフレームの保持時間を示す「トークンホールド時間」と、機器種別がハブの場合にフレームの遅延時間を示す「遅延時間」と、を含む。ここで、「機器種別」は、マスタ局、スレーブ局、ハブなどの通信機器の種類を示すものである。また、「トークンホールド時間」は、ハードウェア処理とファームウェア処理とを加味した性能を示す数値となっている。この通信機器の固有情報としては、オープンネットワークを普及するために設立されたオープンネットワーク接続機器製造パートナメーカで構成される組織団体から提供される通信機器の固有情報を用いることができる。
ネットワーク構成描写部14は、ユーザによるネットワーク構成の描写を支援する機能を有する。たとえば、通信機器および配線を表示部12の表示画面内で任意に配置できるように、ユーザに対してグラフィカルなインタフェースを提供する。また、ユーザによって設定されたネットワーク構成をネットワーク構成情報としてネットワーク情報記憶部17に記憶する機能も有する。
図3は、ネットワーク構成の表示画面の一例を模式的に示す図である。この図に示されるように、表示画面301内に、マスタ局やスレーブ局、ハブなどの通信機器を示す矩形状の図形からなる通信機器モデル311と、通信機器モデル311間を結ぶ配線312が用意されている。なお、以下の説明では、マスタ局とスレーブ局とは2ポートを有する通信機器であり、ハブは複数のポートを有する通信機器であるものとする。ユーザは、入力部11から、表示画面301上に通信機器モデル311を配置し、各通信機器モデル311上に設けられたポート間を配線312で接続する。また、各通信機器モデル311には、ネットワーク上で通信機器を一意に識別する「機器名」、「機器メーカ」、「機器種別」および「機器型名」を含む属性情報が入力可能な属性情報入力フォーム320が設けられている。
入力部11を介して属性情報入力フォーム320に入力された属性情報は、ネットワーク構成情報の各通信機器に対応付けられ属性情報としてネットワーク情報記憶部17に記憶される。図4は、属性情報の一例を示す図である。この属性情報は、「機器名」、「機器メーカ」、「機器種別」、「機器型名」、「トークンホールド時間」、「遅延時間」を含む。「機器名」の項目は、通信機器に対して一意に付される名称であり、「機器メーカ」、「機器種別」および「機器型名」の各項目は、ユーザによって入力された通信機器の属性情報であり、たとえば図3の画面で入力された項目がそのまま対応する項目に格納される。また、「トークンホールド時間」は、「機器種別」が「スレーブ局」である場合に、そのスレーブ局におけるトークンホールド時間が格納される項目であり、「遅延時間」は、「機器種別」が「ハブ」である場合に、そのハブにおける遅延時間が格納される項目である。これらの「トークンホールド時間」と「遅延時間」は、後述する通信機器属性情報取得部15によって通信機器固有情報格納部13の固有情報から取得される。なお、「機器名」、「機器メーカ」、「機器種別」および「機器型名」は、機器識別情報に対応し、「トークンホールド時間」および「遅延時間」は通信性能に対応する。また、この例では、機器識別情報のうち「機器メーカ」、「機器種別」および「機器型名」で通信機器を特定しているが、たとえば機器メーカ間を含めて機器型名に重複がなければ、「機器型名」と「機器名」のみで機器識別情報を構成することも可能である。
また、ネットワーク構成描写部14は、設定された図形(通信機器)間の接続関係を把握し、ネットワーク構成情報としてネットワーク情報記憶部17に記憶する。たとえば、ユーザによって描写された図形311と配線312の位置関係から通信機器のどのポートと他の通信機器のどのポートとが接続されているのかを把握することができるので、その接続関係をネットワーク構成情報とすることができる。ここでは、図3に示されるように、ハブHを介して1台のマスタ局Xと3台のスレーブ局A〜Cとがスター状に接続される場合が示されている。具体的には、マスタ局XのポートX1と、ハブHのポートH1とが配線312で接続され、ハブHのポートH2とスレーブ局AのポートA1とが配線312で接続され、ハブHのポートH3とスレーブ局BのポートB1とが配線312で接続され、ハブHのポートH4とスレーブ局CのポートC1とが配線312で接続されている。
図5は、ネットワーク構成情報の一例を示す図である。この図に示されるように、ネットワーク構成情報は、配線で接続される2つの通信機器のポート間の接続関係を示しており、一方の通信機器についての機器名とそのポートを表す「上位機器名」および「上位機器ポート」と、他方の通信機器についての機器名とそのポートを表す「下位機器名」および「下位機器ポート」とを対応付けしたものである。ここでは、図3のネットワークについての接続関係が示されている。
なお、「上位」、「下位」とは、2つの通信機器間の接続関係においてよりマスタ局に近い方を「上位」とし、マスタ局から遠い方を「下位」としている。しかし、これらの「上位」と「下位」は、説明の便宜上のものであり、必ず上記した「上位」と「下位」の関係にしたがってネットワーク構成情報にレコードが記憶されなければならない訳ではない。
通信機器属性情報取得部15は、各通信機器に対して、入力された属性情報に対応するトークンホールド時間または遅延時間を通信機器固有情報格納部13から取得する。具体的には、スレーブ局については、ネットワーク情報記憶部17に記憶された属性情報中の「機器メーカ」、「機器種別」および「機器型名」に一致するレコードを通信機器固有情報格納部13内の固有情報から検索し、そのレコード内の「トークンホールド時間」を取得し、ハブについては、属性情報中の「機器メーカ」、「機器種別」および「機器型名」に一致するレコードを通信機器固有情報格納部13内の固有情報から検索し、そのレコード内の「遅延時間」を取得する。そして、取得した「トークンホールド時間」または「遅延時間」を、属性情報中の各通信機器の対応する項目に記憶する。図6は、属性情報の一例を示す図である。この図6では、図4の各レコードに対して「トークンホールド時間」または「遅延時間」を取得した状態が示されている。
トークン巡回順序決定部16は、ネットワーク情報記憶部17に記憶されたネットワーク構成情報を用いて、ユーザによって設定されたネットワーク(通信システム)におけるトークン巡回順序を決定する。トークン巡回順序決定部16は、ネットワーク構成情報から特定される各通信機器の接続関係を用いて、トークンフレームが一巡する間に通過する通信機器の数が最小となるように(2つの通信機器(ハブを含む)間を結ぶ配線を伝送路と呼ぶものとすると、トークンフレームが一巡する間に通過する伝送路の数が最小となるように)、トークン巡回順序を決定する。このような条件を満たすトークンフレームの巡回順序を決定する方法として、同一セグメントに属するネットワークにおいて、マスタ局を基準にして下位に接続される通信機器をツリー状に展開した際に、ツリー状に接続される通信機器をマスタ局からツリーのまわりを周回する要領で順に選択するように、つまり一筆書きの方法で各通信機器を結ぶようにすればよい。なお、この一筆書きの方法を用いたトークン巡回順序の決定処理については後述する。また、決定されたトークン巡回順序は、トークン巡回順序情報としてネットワーク情報記憶部17に記憶される。
ネットワーク情報記憶部17は、ユーザによって設定されたネットワークにおける通信機器間の接続関係を示すたとえば図5に示されるネットワーク構成情報と、ネットワーク構成情報中の各通信機器についてのたとえば図6に示される属性情報と、設計されたネットワーク内におけるトークン巡回順序情報と、を記憶する。これらの、ネットワーク構成情報と、属性情報と、トークン巡回順序情報とは、互いに対応付けられて記憶される。また、ネットワーク構成情報として、図3に示されるユーザによって入力された通信機器間の配置図を記憶するようにしてもよい。
性能見積もり部18は、ネットワーク情報記憶部17に記憶されているトークン巡回順序情報と各通信機器におけるトークンホールド時間とを用いて、ユーザによって設定されたネットワークにおけるトークン巡回時間を計算する。具体的には、トークン巡回時間は、ネットワークに存在する各スレーブ局のトークンホールド時間と、トークン巡回順序から求められるトークンフレームがハブを通過する通過回数とハブの遅延時間の積と、の和として求めることができる。また、算出したトークン巡回時間を表示部12に表示する処理も行う。
つぎに、この実施の形態1によるネットワーク性能見積もり方法の処理手順について、順に説明を行う。なお、以下の説明では、図3に示されるネットワーク構成を有し、図5に示されるネットワーク構成情報と図4に示される属性情報とを有する場合を例に挙げて説明を行う。
<通信機器の属性情報取得処理>
図7は、実施の形態1による通信機器の属性情報の取得処理の一例を示すフローチャートである。まず、ユーザによるネットワークを構成するそれぞれの通信機器の属性情報入力フォームへの「機器名」、「機器メーカ」、「機器種別」および「機器型名」を含む属性情報の入力が完了し、ネットワーク情報記憶部17内の属性情報に記憶されると(ステップS1)、通信機器属性情報取得部15は、ネットワーク情報記憶部17内の属性情報から1つのレコードを選択し(ステップS2)、そのレコードの「機器メーカ」、「機器種別」および「機器型名」をキーとして通信機器固有情報格納部13内の固有情報から検索を行い(ステップS3)、「機器メーカ」、「機器種別」および「機器型名」の組み合わせと一致するレコードが存在するかを判定する(ステップS4)。
検索の結果、「機器メーカ」、「機器種別」および「機器型名」の組み合わせと一致するレコードが存在する場合(ステップS4でYesの場合)には、その機器種別を判定する(ステップS5)。機器種別がスレーブ局の場合(ステップS5でスレーブ局の場合)には、そのレコードからトークンホールド時間を取得する(ステップS6)。また、機器種別がハブの場合(ステップS5でハブの場合)には、そのレコードから遅延時間を取得する(ステップS7)。
その後、通信機器属性情報取得部15は、取得したトークンホールド時間または遅延時間を、ネットワーク情報記憶部17の属性情報中の対応する通信機器のレコードに格納する(ステップS8)。
また、ステップS4の検索の結果、「機器メーカ」、「機器種別」および「機器型名」の組み合わせと一致するレコードが存在しない場合(ステップS4でNoの場合)には、通信機器属性情報取得部15は、対応するレコードがないことを表示部12に表示する(ステップS9)。
その後、またはステップS8の後、属性情報中にトークンホールド時間または遅延時間の取得を行っていない他のレコードがあるかを確認し(ステップS10)、他のレコードがある場合(ステップS10でYesの場合)には、ステップS2へと戻る。また、他のレコードがない場合(ステップS10でNoの場合)には、通信機器の属性情報取得処理が終了する。
ここで、図6に示される通信機器の属性情報を取得する具体的な処理について、図3のネットワークを例に挙げて説明する。図4には、ユーザによって入力された直後の属性情報が示されている。この図に示されるように、マスタ局X、スレーブ局A〜CおよびハブHについて、ユーザによって入力された「機器名」、「機器メーカ」、「機器種別」および「機器型名」の属性情報にのみ内容が入力されている。
通信機器属性情報取得部15は、たとえばレコード601の「スレーブ局A」について、機器メーカが「B社」であり、機器種別が「スレーブ局」であり、機器型名が「XXX_1」であるレコードを、通信機器固有情報格納部13内の図2に示される固有情報から検索する。その結果、図2の固有情報中のレコード201が該当することになり、レコード201のトークンホールド時間「20μsec」を取得し、これを図4の属性情報中のスレーブ局Aのレコードの「トークンホールド時間」の項目に書込む。他の「機器名」で特定されるレコードについても同様の方法で「トークンホールド時間」または「遅延時間」が書込まれる。その結果、図6に示される属性情報が得られる。
<トークン巡回順序決定処理>
図8は、実施の形態1によるトークン巡回順序の決定処理の一例を示すフローチャートである。まず、トークン巡回順序決定部16は、機器名として自局、すなわちマスタ局を選択し(ステップS11)、さらにポートとして自局の有するポートのうち1つのポートを選択する(ステップS12)。また、トークン巡回順序決定部16は、トークン巡回順序情報としてのトークン巡回テーブルに選択した自局の機器名とポートの組み合わせを登録する(ステップS13)。
ついで、トークン巡回順序決定部16は、選択した自局の機器名とポートの組み合わせと同じ「上位機器名」と「上位機器ポート」の組み合わせのレコードが、ネットワーク情報記憶部17中のネットワーク構成情報中に存在するか順に検索を行う(ステップS14)。検索の結果、同じ組み合わせのレコードが存在する場合(ステップS14でYesの場合)には、対応するすべてのレコードに含まれる「下位機器名」をトークン巡回テーブルに、ステップS13で登録したマスタ局Xのポートと接続するように登録する(ステップS15)。
その後、トークン巡回テーブルに登録した通信機器(機器名)のうち1つの通信機器(機器名)を選択する(ステップS16)。ついで、選択した通信機器の機器名と同じ「上位機器名」を有するレコードが存在するか、すなわち選択した通信機器の下位の通信機器が存在するかについて、ネットワーク構成情報を順に検索する(ステップS17)。
そして、選択した通信機器の機器名に対応する通信機器の下位に通信機器が存在するかを判定し(ステップS18)、選択した通信機器の下位に通信機器が存在する場合(ステップS18でYesの場合)には、下位の通信機器に対応するレコードの通信機器の「機器名」をトークン巡回テーブルに、ステップS16で選択した通信機器(スレーブ局またはハブ)の「機器名」と接続するように登録する(ステップS19)。
ついで、ステップS19で登録した通信機器のうち1つの通信機器を選択し(ステップS20)、選択した通信機器と同じ「上位機器名」を有するレコードが存在するか、すなわち選択した通信機器の下位の通信機器が存在するかについて、ネットワーク構成情報を順に検索する(ステップS21)。その後、ステップS18に戻り、ツリー状のネットワーク構成において、マスタ局から順に枝分かれして選択された1つの枝において、最下位の通信機器に到達するまで、ステップS18〜S21の処理が繰り返し行われる。
ツリー状のネットワーク構成におけるある枝の最下位の通信機器に到達した場合には、ステップS21の選択した通信機器の下位の通信機器の検索処理において、下位の通信機器は存在しない。そこで、ステップS18において、選択した通信機器の下位に通信機器が存在しない場合(ステップS18でNoの場合)に、処理が遷移する。
この場合には、ステップS16またはS20で最後に選択した通信機器と同じレベルの他の未検索の通信機器が存在するか否かを判定する(ステップS22)。ここで、レベルとは、マスタ局からツリー状に通信機器を接続した場合において、マスタ局からある通信機器に到達する経路における通信機器の数のことをいう。
最後に選択した通信機器と同じレベルの他の未検索の通信機器が存在する場合(ステップS22でYesの場合)には、最後に選択した通信機器と同じレベルのトークン巡回テーブルに登録された他の通信機器を選択する(ステップS23)。ついで、ここで選択した通信機器と同じ「上位機器名」を有するレコードが存在するか、すなわち選択した通信機器の下位の通信機器が存在するかについて、ネットワーク構成情報を順に検索する(ステップS24)。その後、ステップS18に戻る。
一方、最後に選択した通信機器と同じレベルの他の未検索の通信機器が存在しない場合(ステップS22でNoの場合)には、最後に選択した通信機器の直近の上位のレベルの通信機器に戻る(ステップS25)。また、戻った上位の通信機器がハブであるか否かを判定する(ステップS26)。戻った通信機器がハブである場合(ステップS26でYesの場合)には、ステップS25へと戻る。また、戻った通信機器がハブではない場合(ステップS26でNoの場合)には、戻った通信機器は最上位のレベルの通信機器か否か、すなわちマスタ局か否かについて判定する(ステップS27)。戻った通信機器が最上位のレベルの通信機器ではない場合(ステップS27でNoの場合)には、戻った通信機器と同じレベルのトークン巡回テーブルに登録された未検索の通信機器が存在するか否かを判定する(ステップS28)。
戻った通信機器と同じレベルのトークン巡回テーブルに登録された未検索の通信機器が存在する場合(ステップS28でYesの場合)には、戻った通信機器と同じレベルのトークン巡回テーブルに登録された未検索の他の通信機器を選択する(ステップS29)。ついで、選択した通信機器と同じ「上位機器名」を有するレコードが存在するか、すなわち選択した通信機器の下位の通信機器が存在するかについて、ネットワーク構成情報を順に検索する(ステップS30)。その後、ステップS18に戻る。
また、ステップS28で、戻った通信機器と同じレベルのトークン巡回テーブルに登録された未検索の通信機器が存在しない場合(ステップS28でNoの場合)には、ステップS25に戻る。
以上の処理を実行することによって、ステップS11で選択されたマスタ局のステップS12で選択されたポートに接続されるすべての通信機器がツリー状に抽出される。
さらに、ステップS14で、選択したマスタ局とポートの組み合わせと同じ「上位機器名」と「上位機器ポート」の組み合わせのレコードが、ネットワーク構成情報中に存在しない場合(ステップS14でNoの場合)、またはステップS27で戻った通信機器が最上位のレベルである場合(ステップS27でYesの場合)には、マスタ局の未検索のポートがあるかを判定する(ステップS31)。未検索のポートがある場合(ステップS31でYesの場合)には、ステップS12へと戻り、マスタ局の未検索のポートについて、上述した処理が行われる。また、未検索のポートがない場合(ステップS31でNoの場合)には、すべての通信機器について、トークン巡回テーブルへの登録処理が行われたことになるので、トークンの巡回順序を決定する処理が終了する。
以上の処理によって、マスタ局から枝分かれしながらツリー状に通信機器が接続されるネットワーク構成において、マスタ局から1つの最下位の通信機器へと至る経路を確立すると、最下位の通信機器に最も近い位置で枝分かれする通信機器に戻って、その位置から他の最下位の通信機器に至る経路を確立する。このような処理を順に繰り返し、すべての最下位の通信機器に至る経路を確立する。これによって、ツリー状に接続された通信機器からなるネットワークにおいて、各通信機器間を一筆書きの方法で接続することができる。そして、このようにして確立されたマスタ局を出発してマスタ局に戻るまでの経路において、通過する通信機器の数は最小となる。
ここで、図8に示されるトークンの巡回順序を決定する具体的な処理ついて、図3のネットワークを例に挙げて説明する。図9−1〜図9−5は、トークン巡回テーブルの作成過程の一例を模式的に示す図である。まず、トークン巡回順序決定部16は、図5のネットワーク構成情報からマスタ局Xとマスタ局Xの1つのポートX1を選択し(ステップS11〜S12)、図9−1に示されるように、トークン巡回テーブルに選択したマスタ局とポートX1「マスタ局X(X1)」を登録する(ステップS13)。
その後、図5のネットワーク構成情報中に「上位機器名」が「マスタ局」であり、かつ「上位機器ポート」が「X1」であるレコードが存在するかを検索する。その結果、レコード501を抽出する。レコード501の「下位機器」は「ハブH」であるので、この「ハブH」をトークン巡回テーブルに登録する(ステップS15)。ここでは、図9−2に示されるように、「マスタ局X(X1)」の右側に「ハブH」が登録され、「マスタ局X(X1)」から「ハブH」に向かう矢印で接続された状態が示されている。ここで、矢印の方向が下位のレベルであることを示すものとする。
その後、この「ハブH」を選択し(ステップS16)、図5のネットワーク構成情報中に、「上位機器名」が「ハブ」であるレコードが存在するかを検索する(ステップS17)。その結果、レコード502〜504を抽出する。これらのレコード502〜504の「下位機器」は、それぞれ「スレーブ局A」、「スレーブ局B」、「スレーブ局C」であるので、図9−3に示されるように、トークン巡回テーブルの「ハブH」の下位に、「スレーブ局A」、「スレーブ局B」および「スレーブ局C」を並列して配置し、登録する(ステップS19)。
ついで、登録された通信機器のうち、スレーブ局Aを選択し(ステップS20)、図5のネットワーク構成情報中に、「上位機器名」が「スレーブ局A」であるレコードが存在するかを検索する(ステップS21)。しかし、該当するレコードは、図5のネットワーク構成情報中には存在しないので、抽出されない(ステップS18でNoの場合)。つまり、「スレーブ局A」の下位には通信機器が存在しないことになる。ここでは、図9−4に示されるように、トークン巡回テーブルの「スレーブ局A」の下位に「なし」と便宜上記載している。
ついで、「スレーブ局A」と同じレベルの他の未検索の通信機器として「スレーブ局B」を選択する(ステップS22〜S23)。そして、図5のネットワーク構成情報中に、「上位機器名」が「スレーブ局B」であるレコードが存在するかを検索する(ステップS24)。しかし、ここでも該当するレコードは、図5のネットワーク構成情報中には存在しないので、抽出されない(ステップS18でNoの場合)。つまり、「スレーブ局B」の下位には通信機器が存在しないことになる。
同様に、「スレーブ局B」と同じレベルの他の未検索の通信機器として「スレーブ局C」を選択し、図5のネットワーク構成情報中に、「上位機器名」が「スレーブ局C」であるレコードが存在するかを検索する。しかし、該当するレコードは、図5のネットワーク構成情報中には存在しないので、「スレーブ局C」の下位には通信機器が存在しないことになる。ここでは、図9−5に示されるように、トークン巡回テーブルの「スレーブ局B」と「スレーブ局C」の下位に「なし」と便宜上記載している。
また、「スレーブ局C」と同じレベルの他の未検索の通信機器はないので(ステップS22でNoの場合)、直近の上位のレベルの通信機器である「ハブH」に戻る(ステップS25)。そして、この通信機器はハブであるので(ステップS26でYesの場合)、さらに直近の上位のレベルの通信機器である「マスタ局X(X1)」に戻る。この「マスタ局X(X1)」は、ハブではなく(ステップS26でNoの場合)、また最上位のレベルの通信機器である(ステップS27でYesの場合)ので、マスタ局Xのうち未検索のポートが存在するかを確認する(ステップS31)。しかし、未検索のポートはないので(ステップS31でNoの場合)、以上でトークンの巡回順序を決定する処理が終了する。以上の処理によって、図9−5に示されるトークン巡回テーブルが得られる。この図9−5から、たとえばつぎの(A)に示されるトークン巡回順序が得られる。
マスタ局X→ハブH→スレーブ局A→ハブH→スレーブ局B→ハブH→スレーブ局C→ハブH→マスタ局 ・・・(A)
なお、ハブHにつながるツリー構造において、枝分かれする部分はどちらを先に持ってきてもよい。そのため、つぎの(B)〜(F)に示されるトークン巡回順序を採用してもよい。
マスタ局X→ハブH→スレーブ局A→ハブH→スレーブ局C→ハブH→スレーブ局B→ハブH→マスタ局 ・・・(B)
マスタ局X→ハブH→スレーブ局B→ハブH→スレーブ局A→ハブH→スレーブ局C→ハブH→マスタ局 ・・・(C)
マスタ局X→ハブH→スレーブ局B→ハブH→スレーブ局C→ハブH→スレーブ局A→ハブH→マスタ局 ・・・(D)
マスタ局X→ハブH→スレーブ局C→ハブH→スレーブ局B→ハブH→スレーブ局A→ハブH→マスタ局 ・・・(E)
マスタ局X→ハブH→スレーブ局C→ハブH→スレーブ局A→ハブH→スレーブ局B→ハブH→マスタ局 ・・・(F)
以上の(A)〜(F)のトークン巡回順序はどれも一筆書きで描ける順番であり、マスタ局Xを出発してマスタ局Xに戻るまでの経路において、通過する通信機器の数(各通信機器間の伝送路をトークンフレームが伝播する回数)は8回となり、最小となる。以上のようにして生成されたトークン巡回順序は、ネットワーク情報記憶部17に記憶される。
<トークン巡回時間算出処理>
図10は、実施の形態1によるトークン巡回時間算出処理の手順の一例を示すフローチャートである。まず、性能見積もり部18は、トークン巡回順序決定部16で決定されたトークン巡回順序からトークンフレームがハブを通過する通過回数を算出する(ステップS51)。ついで、性能見積もり部18は、トークン巡回順序中の各スレーブ局のトークンホールド時間と各ハブの遅延時間を属性情報から取得する(ステップS52)。
その後、トークン巡回時間として、ネットワークを構成する各スレーブ局についてのトークンホールド時間と、各ハブについて、遅延時間とステップS51で求めた通過回数との積算との和を求める(ステップS53)。そして、求めたトークン巡回時間を表示部12に表示し(ステップS54)、処理が終了する。
ここで、図10に示されるトークン巡回時間を算出する具体的な処理ついて、図3のネットワークを例に挙げて説明する。まず、性能見積もり部18は、トークン巡回順序からトークンフレームがハブHを通過する回数を求める(ステップS51)。たとえば上記(A)に示されるトークン巡回順序から、ハブHの通過回数は4回となる。また、図6の属性情報から、スレーブ局A,B,Cのトークンホールド時間は、それぞれ20,30,50μsecであり、ハブHの遅延時間は10μsecである(ステップS52)。
ついで、トークン巡回時間を次式のように算出し、その結果を表示部12に表示する(ステップS53〜S54)。
トークン巡回時間=スレーブ局Aのトークンホールド時間+スレーブ局Bのトークンホールド時間+スレーブ局Cのトークンホールド時間+ハブの遅延時間×通過回数
=20μsec+30μsec+50μsec+10μsec×4
=140μsec
図11は、実施の形態1によるトークン巡回時間の算出方法の一例を模式的に示す図である。ここでは、上記(A)の順序でトークンフレームが巡回する場合を示している。つまり、この図に示されるように、マスタ局Xからトークンフレームがスレーブ局Aに渡され、スレーブ局Aでデータフレームを送信してからトークンフレームをスレーブ局Bに渡す。スレーブ局Bではデータフレームを送信してからトークンフレームをスレーブ局Cに渡し、スレーブ局Cではデータフレームを送信してからトークンフレームをマスタ局Xに渡す。
この1周期でマスタ局Xからスレーブ局A、スレーブ局Aからスレーブ局B、スレーブ局Bからスレーブ局C、またはスレーブ局Cからマスタ局Xへとトークンフレームが渡されるが、このときにトークンフレームはハブHを通過するので、これらの間の時間をハブの遅延時間として計算している。また、各スレーブ局A〜Cでトークンフレームを渡され、データフレームを受信してからトークンフレームを送信するまでの間のハードウェアとファームウェアによる処理時間をトークンホールド時間としている。これによって、実施の形態1では、トークン巡回時間が、各通信機器で送受信されるデータ量ではなく、各通信機器のハードウェアとファームウェアを加味した通信性能と、接続関係から求めたトークン巡回順序とを用いて計算されるので、従来に比して正確に求められる。
なお、このような構成のネットワーク性能見積もり装置10は、中央演算処理装置(Central Processing Unit;以下、CPUという)と、プログラムやデータを格納するHDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置と、CPUからの指令によってプログラムが展開されるRAM(Random Access Memory)と、がバスで接続され、キーボードなどの入力手段と液晶ディスプレイなどの表示手段とを有するパーソナルコンピュータなどによって実現することができる。
この実施の形態1では、ユーザによって配置された通信機器からネットワークにおける各通信機器間の接続関係を示すネットワーク構成情報を取得し、このネットワーク構成情報からトークン巡回順序を決定し、このトークン巡回順序と、スレーブ局のトークンホールド時間と、ハブの遅延時間とを用いて、トークン巡回時間を算出した。その結果、ユーザが実際にネットワークを構成する前に、事前にネットワークの性能を知ることが可能となる。特に、イーサネット(登録商標)ベースで高速な性能が求められるネットワークに対して、トークンパッシング方式を採用する場合には、各通信機器の接続状態やハブの有無が大きく性能に影響する。そのため、ネットワーク性能見積もり装置10で実際のケーブルの接続情報であるネットワーク構成情報を入手し、マスタ局のトークン巡回順序の算出アルゴリズム機能を搭載して、トークン巡回順序を認識することによって、ハブの遅延時間を考慮することができるようになるとともに、実際のシステム上で動作させる際のトークン巡回順序での見積もりが可能となるので、従来に比して一層精度の高い見積もり値を得ることができるという効果を有する。
また、ネットワーク性能の見積もり時に、設計されたネットワークにおいて、トークンフレームがマスタ局を出発してマスタ局に戻るまでの経路において、通過する通信機器の数が最小となるようにトークン巡回順序を決定するようにしている。その結果、この見積もり結果にしたがって構築されるネットワークで、トークンフレームを効率よく巡回することができ、設備、生産工程自体の環境負荷を低減することができるという効果を有する。
実施の形態2.
実施の形態1では、ネットワーク性能の見積もりとしてネットワークに接続されるスレーブ局とハブの属性情報を用いたトークン巡回時間の算出処理についての説明を行ったが、この実施の形態2では、マスタ局のホールド時間の算出処理についての説明を行う。
実施の形態2のネットワーク性能見積もり装置は、実施の形態1の図1と同様の構成を有するが、下記の点で異なる。まず、通信機器固有情報格納部13の固有情報には、マスタ局でのホールド時間を算出するために必要な情報が格納される。図12は、通信機器の固有情報の一例を模式的に示す図である。この図に示されるように、固有情報は、実施の形態1の図2に比して、スレーブ局で処理可能な最大のデータ量を示す「入力データ量」および「出力データ量」と、マスタ局のデータ処理能力を示す「入力処理能力」および「出力処理能力」と、をさらに有する。なお、スレーブ局の「入力データ量」と「出力データ量」に入力される値は、ファームウェア処理を加味した性能が格納されている。また、マスタ局の「入力処理能力」と「出力処理能力」も、入出力する時間とファームウェア処理に要する時間を含めた処理速度が格納されている。
また、通信機器属性情報取得部15は、マスタ局のホールド時間を算出するために必要な各スレーブ局の入力データ量および出力データ量と、マスタ局の入力処理能力および出力処理能力と、を含む情報を通信機器固有情報格納部13の固有情報から取得し、ネットワーク情報記憶部17の属性情報に格納する機能を有する。
さらに、ネットワーク情報記憶部17の属性情報は、実施の形態1の図4(図6)に、スレーブ局で処理可能な最大のデータ量である「入力データ量」および「出力データ量」と、マスタ局でのデータ処理能力を示す「入力処理能力」および「出力処理能力」と、をさらに有する。図13は、実施の形態2による属性情報の一例を示す図である。これらの「入力データ量」、「出力データ量」、「入力処理能力」および「出力処理能力」は通信性能に対応する。
さらに、性能見積もり部18は、実施の形態1のトークン巡回時間算出処理に加えて、マスタ局のホールド時間として、ネットワークに存在するすべてのスレーブ局から受信したデータを処理する入力処理時間と、ネットワークに存在するすべてのスレーブ局へ送信するデータを処理する出力処理時間との和を算出する。具体的には、通信機器属性情報取得部15が取得した各スレーブ局の入力データ量の和と、出力データ量の和と、を算出した後、スレーブ局の入力データ量の和とマスタ局の出力処理能力との積と、スレーブ局の出力データ量とマスタ局の入力処理能力との積との和をマスタ局ホールド時間として算出する。
つぎに、マスタ局ホールド時間の算出処理の手順について説明する。図14は、実施の形態2によるマスタ局のホールド時間算出処理の手順の一例を示すフローチャートである。まず、性能見積もり部18は、ネットワーク情報記憶部17の属性情報から、各スレーブ局の入力データ量と出力データ量とを抽出し(ステップS71)、入力データ量の総和と出力データ量の総和をそれぞれ求める(ステップS72)。また、性能見積もり部18は、属性情報から、マスタ局の入力処理能力と出力処理能力とを抽出する(ステップS73)。
その後、性能見積もり部18は、スレーブ局の入力データ量の総和にマスタ局の出力処理能力を掛けたものと、スレーブ局の出力データ量の総和にマスタ局の入力処理能力を掛けたものとの和を、マスタ局ホールド時間として算出する(ステップS74)。そして、その結果を表示部12に表示して(ステップS75)、処理が終了する。
なお、ここで求められるマスタ局のホールド時間は、各スレーブ局が最大の入力データ量と出力データ量とを扱うことを前提とをしている。
ここで、図14に示されるマスタ局のホールド時間を算出する具体的な処理ついて説明する。ここでは、図3に示されるネットワーク構成におけるマスタ局ホールド時間の算出処理について説明する。まず、マスタ局Xの性能見積もり部18は、ネットワーク情報記憶部17に記憶されている図13の属性情報から、各スレーブ局A〜Cの入力データ量と出力データ量とを抽出し、それぞれの和を求める(ステップS71〜S72)。図15は、抽出されたスレーブ局の入力データ量と出力データ量の一例を示す図である。ここでは、スレーブ局A〜Cについての入力データ量と出力データ量とその和が示されている。これより、スレーブ局A〜Cの入力データ量の総和と出力データ量の総和はともに1,500bytesである。
また、図13の属性情報からマスタ局Xの入力処理能力と出力処理能力とを抽出する(ステップS73)。その後、マスタ局ホールド時間を次式のように算出し、その結果を表示部12に表示する(ステップS74〜S75)。
マスタ局ホールド時間=入力データ量の総和×出力処理能力+出力データ量の総和×入力処理能力
=1,500bytes×40nsec/byte+1,500bytes×50nsec/byte
=1.35×10-4sec
なお、実施の形態2では、ネットワーク性能としてマスタ局のホールド時間の算出処理のみを行っているが、実施の形態1と同様に、トークン巡回時間の算出を同時に行ってもよい。
この実施の形態2では、各スレーブ局の入力データ量および出力データ量と、マスタ局の入力処理能力および出力処理能力とを固有情報から求め、これらを用いてマスタ局でスレーブ局からの入力データを処理する時間と、スレーブ局へ送る出力データを処理する時間であるマスタ局ホールド時間を算出するようにした。その結果、マスタ局のトークンホールド時間を算出することができるという効果を有する。
また、スレーブ局の性能が異なる場合には、トークンフレームの保持時間は送受信データ量より算出することができないが、この実施の形態2では、各通信機器のファームウェア処理を考慮した属性情報を用いているので、マスタ局のトークンホールド時間を正確に推定することができるという効果も有する。
実施の形態3.
実施の形態1では、スレーブ局が機器に設定された最大能力の入力データ量と出力データ量を送受信するものとして、トークン巡回時間の算出を行っていたが、この実施の形態3では、各スレーブ局で処理する入力データ量と出力データ量とを予め指定し、指定した入出力データ量でシステムを運用した場合のトークン巡回時間の算出を行う場合について説明する。
実施の形態3のネットワーク性能見積もり装置は、実施の形態1の図1と同様の構成を有するが、下記の点で異なる。まず、通信機器固有情報格納部13の固有情報は、実施の形態1の図2に、スレーブ局で処理可能な最大のデータ量を示す「入力データ量」および「出力データ量」と、マスタ局のデータ処理能力を示す「入力処理能力」および「出力処理能力」と、をさらに有する。これらの「入力データ量」と「出力データ量」には、スレーブ局によるファームウェア処理を加味した性能が格納される。また、マスタ局の「入力処理能力」と「出力処理能力」も、入出力する時間とファームウェア処理に要する時間を含めた処理速度が格納されている。この実施の形態3で使用される固有情報は、たとえば図12に示されるものとなる。
また、ネットワーク構成描写部14で使用する属性情報入力フォームは、配置したスレーブ局の図形に、各スレーブ局で処理する入力データ量および出力データ量である設定入力データ量と設定出力データ量を入力可能な構成となっており、ネットワーク構成描写部14は、属性情報入力フォームに入力された値を、ネットワーク情報記憶部17の属性情報に格納する。
さらに、ネットワーク情報記憶部17の属性情報は、実施の形態1の図4に、スレーブ局で処理可能な最大の「入力データ量」および「出力データ量」と、ユーザによって設定された「設定入力データ量」および「設定出力データ量」と、マスタ局でのデータ処理能力を示す「入力処理能力」および「出力処理能力」とをさらに有する。図16は、実施の形態3による属性情報の一例を示す図である。「入力データ量」、「出力データ量」、「入力処理能力」および「出力処理能力」は通信性能に対応する。
また、通信機器属性情報取得部15は、性能見積もり部18で実際に使用するデータ量に基づいたトークン巡回時間を算出するために必要な各スレーブ局の入力データ量と出力データ量、およびマスタ局の入力処理能力と出力処理能力を含む情報を通信機器固有情報格納部13の固有情報から取得し、ネットワーク情報記憶部17に属性情報として記憶する機能を有する。
さらに、性能見積もり部18は、設定入力データ量と設定出力データ量で補正した各スレーブ局のトークンホールド時間と、ハブの遅延時間とトークンフレームの通過回数との積との和によって、トークン巡回時間を求める。具体的には、ネットワークにスレーブ局がn台接続され、ハブがm台接続されているものとし、i台目のスレーブ局の設定入力データをSIDiとし、設定出力データをSODiとし、入力データ量をIDiとし、出力データ量をODiとし、トークンホールド時間をTHSiとし、j台目のハブの遅延時間をTDHjとし、トークンフレームの通過回数をPjすると、トークン巡回時間Tは次式(1)によって求められる。
Figure 2011037004
なお、性能見積もり部18は、設定入力データ量または設定出力データ量がユーザによって設定されていないスレーブ局に対しては、属性情報中の対応するスレーブ局の入力データ量または出力データ量を設定入力データ量または設定出力データ量として使用するようにしてもよい。
つぎに、トークン巡回時間の算出処理の方法について説明する。図17は、実施の形態3によるトークン巡回時間算出処理の手順の一例を示すフローチャートである。まず、性能見積もり部18は、トークン巡回順序決定部16で決定されたトークン巡回順序からトークンフレームがハブを通過する通過回数を算出する(ステップS91)。ついで、性能見積もり部18は、トークン巡回順序中の各スレーブ局のトークンホールド時間、入力データ量および出力データ量と、各ハブの遅延時間とを、ネットワーク情報記憶部17の属性情報から取得する(ステップS92)。また、性能見積もり部18は、トークン巡回順序中の各スレーブ局に設定された設定入力データ量と設定出力データ量とを、ネットワーク情報記憶部17の属性情報から取得する(ステップS93)。
その後、トークン巡回時間として、(1)式にしたがって、すなわち、ネットワークを構成する各スレーブ局について、設定入力データ量と設定出力データ量で補正したトークンホールド時間と、各ハブについて、遅延時間とトークンフレームの通過回数との積との和を求める(ステップS94)。そして、求めたトークン巡回時間を表示部に表示し(ステップS95)、処理が終了する。
ここで、図16に示されるトークン巡回時間を算出する具体的な処理ついて、図3のネットワークを例に挙げて説明する。まず、性能見積もり部18は、トークン巡回順序からトークンフレームがハブHを通過する回数を求める(ステップS91)。(A)に示されるトークン巡回順序から、通過回数は4回となる。また、図16の属性情報から、スレーブ局A,B,Cのトークンホールド時間、入力データ量および出力データ量と、ハブHの遅延時間とを取得する(ステップS92)。図18は、各スレーブ局のトークンホールド時間、入力データ量および出力データ量の一例を示す図である。なお、ハブHの遅延時間は10μsecである。さらに、属性情報から、スレーブ局A,B,Cの設定入力データ量および設定出力データ量を取得する(ステップS93)。図19は、各スレーブ局の設定入力データ量と設定出力データ量の一例を示す図である。
ついで、トークン巡回時間を(1)式にしたがって算出し、その結果を表示部12に表示する(ステップS95,S96)。
トークン巡回時間T=(50+75)/(100+100)×20+(200+250)/(1,000+1,000)×30+(300+350)/(400+400)×50
=66.125μsec
なお、上述した説明では、設定入力データ量および設定出力データ量をユーザが入力部11から入力する場合を例に挙げているが、たとえば送信エリアや受信エリアを指定したサイクリックデータマップ情報などのデータ量の指標となる入力情報を用いてもよい。また、トークンホールド時間に入力データの処理が含まれない場合には、出力データのみで計算してもよい。さらに、上記した説明では、ネットワーク性能としてトークン巡回時間のみを求めているが、実施の形態2のように、マスタ局ホールド時間も合わせて求めるようにしてもよい。
この実施の形態3では、実際に通信システムの各スレーブ局で使用されると予想される設定入力データ量と設定出力データ量を用いて、トークンホールド時間を補正してトークン巡回時間を取得するようにした。これによって、構築後のネットワークの運用条件でのトークン巡回時間が得られる。その結果、実施の形態1の場合に比して、一層精度の高いネットワークの性能見積もりを行うことができるという効果を有する。
実施の形態4.
上記した実施の形態では、ハブの遅延時間については、通信機器固有情報格納部内に設定したハブの固有情報が存在することを前提としていた。しかし、通信機器固有情報格納部内に実際に使用するハブの固有情報が存在しない場合も考えられる。そこで、実施の形態4では、このような場合のハブの遅延時間の算出方法について説明する。
ハブ(スイッチングハブ)は、自局を通過するフレームについて、一旦バッファに格納した後に送信を開始するストアアンドフォワード方式を採用している。そのため、ハブの遅延時間は、送信データ量によって異なる。そこで、実施の形態4では、固有情報が存在しないハブの遅延時間として、送信権を有するマスタ局またはスレーブ局が送信した送信データ量(出力データ量)とトークンフレームのデータ量と、システム全体に設定された伝送速度とを用いてハブの遅延時間を算出する。
図20は、各通信機器間のトークンフレームの巡回の様子を模式的に示す図である。ここでは、図3に示されるシステム構成を例に挙げる。この図に示されるように、マスタ局Xから送出されたトークンフレームは、スレーブ局A、スレーブ局B、スレーブ局Cと順に巡回し、再びマスタ局Xへと戻る。この間において、マスタ局Xからスレーブ局Aにトークンフレームが送出されるときのハブHの遅延時間TDH1、スレーブ局Aからスレーブ局Bにトークンフレームが送出されるときのハブHの遅延時間TDH2、スレーブ局Bからスレーブ局Cにトークンフレームが送出されるときのハブHの遅延時間TDH3、スレーブ局Cからマスタ局Xにトークンフレームが送出されるときのハブHの遅延時間TDH4が存在する。
この実施の形態4では、ハブHの遅延時間TDH1は、トークンフレームのデータ量と通信システムの伝送速度によって決定され、ハブHの遅延時間TDH2は、スレーブ局Aが送出する出力データ量およびトークンフレームのデータ量と通信システムの伝送速度とによって決定され、ハブHの遅延時間TDH3は、スレーブ局Bが送出する出力データ量およびトークンフレームのデータ量と通信システムの伝送速度とによって決定され、ハブHの遅延時間TDH4は、スレーブ局Cが送出する出力データ量およびトークンフレームのデータ量と通信システムの伝送速度とによって決定される。
実施の形態4でのネットワーク性能見積もり装置は、実施の形態1の図1と同様の構成を有するが、下記の点で異なる。まず、ネットワーク情報記憶部17は、システム全体の伝送速度を示すシステム情報を、属性情報に関連付けて記憶することができる構成となっている。
また、ネットワーク構成描写部14は、通信システムについての属性情報入力フォームを表示部12に表示可能な構成を有する。このシステム属性入力フォームは、ネットワークに設定する通信システムの伝送速度を入力可能な構成となっている。ネットワーク構成描写部14は、通信システムについての属性情報入力フォームに入力された値をネットワーク情報記憶部17のシステム情報に格納する。
さらに、通信機器属性情報取得部15は、ネットワークのトークン巡回時間を算出するために必要な情報を通信機器固有情報格納部13の固有情報から取得する際に、ネットワーク情報記憶部17の属性情報中のハブについての属性情報(遅延時間)が固有情報内に存在しない場合には、ネットワーク情報記憶部17内の属性情報の対応するハブの遅延時間の欄には何も入力しない状態とする。
また、性能見積もり部18は、ネットワーク情報記憶部17の属性情報のハブに対する遅延時間に値が入力されている場合には、実施の形態1で説明した手順でトークン巡回時間を求めるが、属性情報のハブに対する遅延時間に値が入力されていない場合には、トークン巡回順序と、システムの伝送速度と、各スレーブ局の出力データ量と、トークンフレームのデータ量とを用いてハブの遅延時間を計算し、このハブの遅延時間と、各スレーブ局のトークンホールド時間との和とによって、トークン巡回時間を算出する。
具体的には、トークン巡回順序で遅延時間が不明のハブの直前のスレーブ局またはマスタ局の出力データ量を属性情報から取得し、出力データ量とトークンフレームのデータ量(たとえば64bytes)との和をシステムの伝送速度で割ったものを、そのハブの遅延時間とする。たとえば、トークン巡回順序でハブとしてj番目に出現するハブの直前の通信機器の出力データ量をDOi(bits)とし、トークンフレームのデータ量をDT(bits)とし、システムの伝送速度をV(bps)とすると、ハブの遅延時間TDHjは次式(2)によって求めることができる。なお、iはシステム中の通信機器を識別する符号であり、jはトークン巡回順序中に通過するハブを識別する符号である。
TDHj=(DOi+DT)/V ・・・(2)
ここで、1/Vは、システムの1bitの伝送時間であり、たとえばシステムの伝送速度が1Gbpsならば1nsecであり、システムの伝送速度が100Mbpsならば10nsecである。
つぎに、ハブの遅延時間の算出処理について、図3のネットワークを例に挙げて説明する。ここでは、図20のハブHの遅延時間TDH1,TDH2,TDH3,TDH4について説明する。ハブHの遅延時間TDH1は、マスタ局Xから送信されるトークンフレーム(データ量DT)を、ハブH内のバッファにストアし、フォワードする時間であると考え、次式(3)のように求められる。
TDH1=DT/V ・・・(3)
ハブHの遅延時間TDH2は、スレーブ局Aから送信される出力データ量DO2とトークンフレーム(データ量DT)をストアし、フォワードする時間であると考え、次式(4)のように求められる。
TDH2=(DO2+DT)/V ・・・(4)
ハブHの遅延時間TDH3,TDH4の、ハブHの遅延時間TDH2と同様に、スレーブ局B,Cから送信される出力データ量をそれぞれDO3,DO4とすると、次式(5)、(6)のように求められる。
TDH3=(DO3+DT)/V ・・・(5)
TDH4=(DO4+DT)/V ・・・(6)
以上の(3)式〜(6)式のハブHの遅延時間を用いて、トークン巡回時間を求めることが可能となる。
なお、上記した説明では、出力データ量として、通信機器固有情報格納部13から取得し、ネットワーク情報記憶部17の属性情報に格納されている各スレーブ局の出力データ量を用いて計算したが、実施の形態3のようにユーザによって入力部11から入力された設定出力データ量を用いて計算してもよい。また、ここでは、実施の形態1の場合でハブの遅延時間が不明の場合にトークン巡回時間を求める場合を説明したが、実施の形態3の場合でハブの遅延時間が不明の場合にも上記したハブの遅延時間の算出方法を適用することができる。さらに、実施の形態2のようにマスタ局のホールド時間を合わせて求めるようにしてもよい。
この実施の形態4では、ハブの遅延時間に関する固有情報がない場合に、トークン巡回順序上でハブの直前の通信機器が送信する出力データ量とトークンフレームのデータ量と、システムに設定された伝送速度とを用いて、ハブの遅延時間を求めるようにした。これによって、ハブの属性情報が入手できない場合にも、精度の高いネットワーク性能の見積もりを行うことが可能となるという効果を有する。
実施の形態5.
この実施の形態5では、ネットワーク性能見積もり装置で作成したネットワーク構成と、実際にユーザが組み立てたネットワーク構成とが一致しているのかを判断することができるネットワーク性能見積もり装置とネットワーク構成確認方法について説明する。また、ネットワーク構成の比較に必要な構築されたネットワークの接続情報を得るための通信管理装置とデータ通信方法について説明する。
図21は、実施の形態5によるネットワーク性能見積もり装置の構成を模式的に示すブロック図である。このネットワーク性能見積もり装置10Aは、実施の形態1の図1において、通信部20と、ネットワーク構成比較部21と、をさらに備える。通信部20は、通信回線を介して実際に構築したFAネットワークと接続し、FAネットワーク上の通信機器と通信を行う。
ネットワーク構成比較部21は、FAネットワーク内のマスタ局からネットワーク接続情報と装置情報とを取得し、ネットワーク情報記憶部17に記憶されているネットワーク構成情報と比較して、構築したネットワークが、設計したネットワークと同じ構成を有しているか否かを判定し、その結果を表示部12に表示する。なお、実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。
図22は、ネットワーク性能見積もり装置とFAネットワークとが接続された状態の一例を模式的に示す図である。この図に示されるように、ネットワーク性能見積もり装置10AとFAネットワーク30とが、ネットワーク40を介して接続される構成となっている。
FAネットワーク30は、図3と同様にマスタ局Xと複数のスレーブ局A〜CとハブHとが伝送路31で接続された同一セグメントのネットワークによって構成される。マスタ局Xは、同一セグメントのネットワーク内におけるデータ(フレーム)の送受信を管理する通信管理装置として機能し、スレーブ局A〜Cは、マスタ局Xによる設定に基づいてデータ(フレーム)の送信を行う。また、ハブHは、マスタ局Xやスレーブ局A〜Cからのデータ(フレーム)をストアアンドフォワード方式で中継する。
マスタ局Xとスレーブ局A〜Cは、たとえばそれぞれ2つのポートを有し、ハブHは複数のポートを有しており、各通信機器のポート間は、同軸ケーブルなどの半二重通信またはツイストペアケーブルや光ファイバなどの全二重通信が可能なケーブル31を介して接続される。ポートの数は、3つ以上であってもよい。ここでは、イーサネット(登録商標)によって各通信機器X,A〜C,H間が接続されるものとする。また、マスタ局Xは、ネットワーク性能見積もり装置10Aとネットワーク40を介して接続できるように、図示しない通信部を有している。
この図22に示されるように、マスタ局Xの第1のポートX1にはハブHの第1のポートH1が接続され、第2のポートX2には何も接続されていない。また、ハブHの第2のポートH2にはスレーブ局Aの第1のポートA1が接続され、ハブHの第3のポートH3にはスレーブ局Bの第1のポートB1が接続され、ハブHの第4のポートH4にはスレーブ局Cの第1のポートC1が接続される。さらに、スレーブ局A,B,Cの第2のポートA2,B2,C2には、何も接続されていない。
また、ここで、マスタ局Xと各スレーブ局A〜CのMAC(Media Access Control)アドレス(図中、MAC_ADと表記)は、以下のように設定されているものとする。
マスタ局X=100
スレーブ局A=1
スレーブ局B=2
スレーブ局C=3
図23−1は、マスタ局の機能構成を模式的に示すブロック図である。マスタ局は、隣接する通信機器との間でイーサネット(登録商標)ケーブルを接続するためのポート51−1,51−2と、ポート51−1,51−2を介したフレームの送受信処理や、ネットワークの接続構成を認識し、トークンフレームの送信順序を確立する処理などを行う通信処理部60と、を備える。
ポートは、たとえば第1のポート51−1と第2のポート51−2の2つのポートから構成される。これらの2つのポート51−1,51−2は、ともに隣接するスレーブ局のポートまたはハブのポートと接続される。
通信処理部60は、タイマ61と、ネットワーク存在確認処理部62と、ネットワーク接続情報記憶部63と、装置情報取得部64と、装置情報記憶部65と、トークン巡回順序決定部66と、トークン巡回順序情報記憶部67と、セットアップ処理部68と、トークンフレーム処理部69と、データフレーム通信処理部70と、を備える。
タイマ61は、通信処理部60内の処理部によって起動され、所定の時間を計測する機能を有する。この実施の形態5では、ネットワーク存在確認処理部62によってネットワーク存在確認フレームを送信してから、所定の時間が経過したかを計時する。
ネットワーク存在確認処理部62は、自装置の電源がオンされた後に、または予め定められた状態が発生した後に、同一セグメントのFAネットワーク(通信システム)を構成する通信機器(スレーブ局)の接続状態を検出するためのネットワーク存在確認処理を行い、ネットワーク内における通信機器の接続状態を認識する処理を行う。具体的には、ネットワーク存在確認フレームを作成してブロードキャストで送信し、通信システム(FAネットワーク)内に存在する通信機器からのネットワーク存在確認フレームに対する応答であるネットワーク存在確認応答フレームに含まれる情報から、ネットワークに存在する通信機器間の接続状態であるネットワーク接続情報を生成する。なお、ここでは、ネットワーク接続情報の生成は、ネットワーク存在確認応答フレームを受信するたびに行うものとする。
図24−1は、ネットワーク存在確認フレームのフォーマットの一例を示す図である。ネットワーク存在確認フレーム2410は、イーサネット(登録商標)フレームであり、宛先MACアドレス(以下、DAという)2411と、送信元MACアドレス(以下、SAという)2412と、イーサネット(登録商標)タイプ(type)2413と、上位層のデータを格納するデータ2414と、自フレームのDA2411からデータ2414までに格納されている情報にエラーが存在するか否かのチェック結果を格納するFCS(Frame Check Sequence)2418と、を有する。
この実施の形態5では、データ2414の一部に、フレーム種別情報2415と、マスタ局のMACアドレス情報2416と、自局のネットワーク存在確認フレームの送信ポート情報2417と、を格納している。
フレーム種別情報2415は、自イーサネット(登録商標)フレームがどのような種類のフレームであるかを識別するための情報である。ここでは、このフレーム種別情報2415には、ネットワーク存在確認フレーム2410であることを示す情報が格納される。この例では、ネットワーク存在確認フレームを「TestData」と表記するものとする。
マスタ局のMACアドレス情報2416には、マスタ局のMACアドレスが格納される。また、自局のネットワーク存在確認フレームの送信ポート情報2417には、通信機器がネットワーク存在確認フレーム2410をどのポートから送信するかを示すポート情報を格納する。
図24−2は、ネットワーク存在確認応答フレームのフォーマットの一例を示す図である。このネットワーク存在確認応答フレーム2420も、イーサネット(登録商標)フレームであり、データ2424に、この実施の形態5で使用される情報を定義している。すなわち、データ2424の一部に、フレーム種別情報2425と、受信したネットワーク存在確認フレーム内のSA情報2426と、ネットワーク存在確認フレームを送信した局のポート情報2427と、ネットワーク存在確認フレームを受信した自局のポート情報2428と、自装置情報2429と、を格納している。
ここで、フレーム種別情報2425には、ネットワーク存在確認応答フレーム2420であることを示す情報が格納される。この明細書では、ネットワーク存在確認応答フレームを「TestDataACK」と表記するものとする。また、「受信したネットワーク存在確認フレーム内のSA情報」2426には、スレーブ局が受信したネットワーク存在確認フレーム2410のSA2412エリアに格納されているMACアドレスが格納される。さらに、「ネットワーク存在確認フレームを送信した局のポート情報」2427には、スレーブ局が受信したネットワーク存在確認フレーム2410中のデータ2414エリアの「自局のネットワーク存在確認フレームの送信ポート情報」2417に格納されているポート情報が格納される。また、「ネットワーク存在確認フレームを受信した自局のポート情報」2428には、受信したネットワーク存在確認フレームが入力されてきたスレーブ局のポート情報が格納される。さらに、「自装置情報」2429には、自装置の型名やメーカ名などの自装置を特定する装置情報が格納される。また、このネットワーク存在確認応答フレーム2420のDA2421には、受信したネットワーク存在確認フレーム2410の「マスタ局のMACアドレス情報」2416の値が格納される。
ネットワーク存在確認処理部62は、ネットワーク存在確認応答フレーム2420を受信すると、データ2424内の「受信したネットワーク存在確認フレーム内のSA情報」2426と「ネットワーク存在確認フレームを送信した局のポート情報」2427と「ネットワーク存在確認フレームを受信した自局のポート情報」2428とを、受信したネットワーク存在確認応答フレーム2420の「SA」2422に対応付けたネットワーク存在情報を生成する。そして、ネットワーク存在情報を用いて、自局に接続される通信機器のポートを含めたつながり関係を、ネットワーク接続情報として作成する。
ネットワーク接続情報記憶部63は、ネットワーク存在確認処理部62によって生成されたネットワーク接続情報を記憶する。ネットワーク接続情報は、自装置の第1のポート51−1の先に接続される通信機器列と、第2のポート51−2の先に接続される通信機器列と、を含む。または、これらの通信機器列を1つにまとめたものである。これらの通信機器列には、ネットワーク内の通信機器のポート間の接続関係も含まれる。
装置情報取得部64は、各スレーブ局から受信したネットワーク存在確認応答フレーム2420から、「SA」2422と「自装置情報」2429とを取得し、各スレーブ局のMACアドレスと、通信機器の型名などとを対応付けた装置情報を、装置情報記憶部65に記憶する。「自装置情報」2429としては、たとえば機器型名と機器メーカを例示することができる。また、装置情報取得部64は、自装置(マスタ局)のMACアドレスと装置情報を取得し、装置情報記憶部65に記憶する機能も有する。
装置情報記憶部65は、通信システムを構成する通信機器のMACアドレスと、その通信機器の「自装置情報」2429とを対応付けて記憶する。図25は、装置情報の一例を示す図である。ここでは、装置情報は、通信機器の「MACアドレス」と、自装置情報としての「機器型名」および「機器メーカ」とを含む。
トークン巡回順序決定部66は、ネットワーク存在確認処理部62によるネットワーク存在確認処理の後、ネットワーク接続情報記憶部63に記憶されているネットワーク接続情報を用いて、論理リングを構成する処理、すなわちトークンフレームの巡回順序を決定する処理を行う。トークンフレームの巡回順序は、どのように決定してもよいが、たとえば送信権であるトークンフレームが一巡する間に通過する通信機器の数が最小となるように(2つの通信機器(スイッチングハブを含む)間を結ぶケーブルを伝送路と呼ぶものとすると、トークンが一巡する間に通過する伝送路の数が最小となるように)、論理リングを構築する。このような条件を満たすトークンフレームの巡回順序を決定する方法として、同一セグメントに属するネットワーク内において、一筆書きで各通信機器を結ぶようにすればよい。なお、この一筆書きの方法によるトークン巡回順序の決定処理は、実施の形態1で説明した方法と同様の方法を用いることができる。決定されたトークンフレームの巡回順序は、トークン巡回順序情報としてトークン巡回順序情報記憶部67に記憶される。
セットアップ処理部68は、トークン巡回順序決定部66によってトークン巡回順序情報が決定されると、そのトークン巡回順序情報を用いて、通信システム内の各通信機器(スレーブ局)に対して、その通信機器のつぎに送信権が与えられる通信機器の情報を含むセットアップフレームを生成し、各通信機器に送信する。また、セットアップ処理部68は、セットアップフレームに対する応答であるセットアップ応答フレームがすべての通信機器から受信されたかを判定し、すべての通信機器からセットアップ応答フレームを受信した場合には、その旨をトークンフレーム処理部69に通知する。
すべての通信機器からセットアップフレームを受信したか否かを確認するには、たとえばネットワーク接続情報記憶部63のネットワーク接続情報の対応するスレーブ局に、セットアップ応答フレームを受信したこと示すフラグを立てることによって行うことができる。
トークンフレーム処理部69は、セットアップ処理部68によって、通信システム内のすべての通信機器からセットアップ応答フレームを受信した旨の通知を受けると、トークン巡回順序情報記憶部67のトークン巡回順序情報にしたがって、トークンフレームを生成し、自局のポートから送信する。
また、トークンフレーム処理部69は、他の通信機器から送信されたトークンフレームを受信すると、自局に送信権を与えるものであるか否かを判定する。その結果、自局に送信権を与えるものである場合には、データフレーム通信処理部70によるデータフレームの送信処理が行われ、データフレームの送信処理後に、トークン巡回順序情報に基づいてつぎに送信権を得る通信機器にトークンフレームが取得されるように送信する。また、自局に送信権を与えるものでない場合には、まだ送信権を得ないものと判定し、受信したトークンフレームは、受信したポートでない他のポートから転送(リピート)する。
データフレーム通信処理部70は、データフレームの送受信処理を行う。たとえば、図22に示されるようなFAネットワークにおいては、マスタ局Xに接続されるプログラマブルコントローラなどのコントローラが、各スレーブ局A〜Cに設定するデータを所定の周期で演算しており、そのデータをデータフレーム化して各スレーブ局A〜Cに送信する。また、スレーブ局A〜Cから送信されたデータフレームを受信したり、スレーブ局A〜Cが他のスレーブ局に宛てたデータフレームを転送(リピート)したりする機能も有する。
なお、上述した図24−1〜図24−2に示される各フレームのフレーム種別情報2415,2425には、それぞれのフレームを識別するために「TestData」や「TestDataACK」などを格納する場合を示したが、それぞれのフレームに対して、そのフレームを一意に識別する数値を設定し、フレーム種別情報2415,2425にはその数値を格納するようにしてもよい。
図23−2は、スレーブ局の機能構成を模式的に示すブロック図である。スレーブ局は、隣接する通信機器(マスタ局、スレーブ局またはハブ)との間でイーサネット(登録商標)ケーブルを接続するためのポート81−1,81−2と、ポート81−1,81−2を介したフレームの送受信処理を行う通信処理部90と、を備える。
ポートは、マスタ局と同様に、たとえば第1のポート81−1と第2のポート81−2の2つのポートから構成される。これらの2つのポート81−1,81−2は、他の通信機器と接続される。
通信処理部90は、制御フレーム応答部91と、トークン巡回先情報記憶部92と、トークンフレーム処理部93と、データフレーム通信処理部94と、を備える。
制御フレーム応答部91は、マスタ局からのネットワーク存在確認フレーム2410やセットアップフレームなどの制御フレームに対する応答を行う。たとえば、ネットワーク存在確認フレーム2410を受信すると、図24−2に示されるネットワーク存在確認応答フレーム2420を生成して、マスタ局に返信する。また、自局宛てのセットアップフレームを受信すると、セットアップフレーム内からつぎにトークンフレームを送信する通信機器を示すトークン巡回先情報を取得し、トークン巡回先情報記憶部92に記憶するとともに、セットアップ応答フレームを生成して、マスタ局に返信する。なお、この実施の形態5では、ネットワーク存在確認処理や論理リング構成処理のときにマスタ局とスレーブ局との間でやり取りされるフレームのことを制御フレームといい、論理リングが構成された後に、トークンフレームを獲得することによって送信されるフレームのことをデータフレームというものとする。
さらに、制御フレーム応答部91は、マスタ局または他のスレーブ局から受信する制御フレームのフレーム種別に応じて、フレームを再構成して送信したり、単にリピートしたりする機能も有する。たとえば、マスタ局や他のスレーブ局からネットワーク存在確認フレーム2410を受信すると、受信したネットワーク存在確認フレームの図24−1に示されるSA2412と、データ2414内の自局のネットワーク存在確認フレームの送信ポート情報2417と、を書き換える処理を行って、ネットワーク存在確認フレームを再構成し、受信ポート以外のポートから出力する。
さらに、たとえば、マスタ局からのセットアップフレームや他のスレーブ局からのネットワーク存在確認応答フレーム2420やセットアップ応答フレームを含む制御フレームを受信した場合には、そのフレームに対する処理を何も行わず、単にリピートする機能を有する。
トークン巡回先情報記憶部92は、自通信機器(スレーブ局)のつぎに送信権を得る通信機器のMACアドレスを記憶する。これは、上述したように、マスタ局から受信したセットアップフレームから取得される。ここでは、つぎにトークンを送信すべき通信機器のMACアドレスのみを記憶するものとする。これによって、マスタ局が保持するトークン巡回順序情報に比してデータ量を少なく抑えることができる。
トークンフレーム処理部93は、他の通信機器から送信されたトークンフレームを受信すると、自局に送信権を与えるものであるか否かを判定する。その結果、自局に送信権を与えるものである場合には、データフレーム通信処理部94によるデータフレームの送信処理が行われ、データフレームの送信処理後に、トークン巡回順序情報に基づいてつぎに送信権を得る通信機器にトークンフレームが取得されるように送信する。また、自局に送信権を与えるものでない場合には、まだ送信権を得ないものと判定し、受信したトークンフレームは、受信したポートでない他のポートから転送(リピート)する。
データフレーム通信処理部94は、データフレームの送受信処理を行う。具体的には、マスタ局や他のスレーブ局との間のデータフレームの送受信処理を行う。
つぎに、このような通信システムにおけるネットワーク接続確認方法を含む通信方法について説明する。図26は、実施の形態5による起動時の通信方法の一例を示すシーケンス図である。なお、ここでは、図22に示されるように、ハブHにマスタ局Xと3台のスレーブ局A〜Cがスター状に接続される構成を示しているが、これは例示であって、マスタ局XにハブHを介して任意の台数のスレーブ局が接続されたり、マスタ局やスレーブ局の他のポートにさらにスレーブ局が接続されたりする場合でも、以下に説明する処理と同様の方法でデータ通信を行うことができる。
まず、マスタ局Xとスレーブ局A〜Cがイーサネット(登録商標)ケーブルで接続された後、スレーブ局A〜Cの電源がオンにされる。この状態で、スレーブ局A〜Cは、マスタ局Xからのネットワーク存在確認フレームの受信待ち状態となる。
その後、マスタ局Xの電源がオンにされると、マスタ局Xは、マスタ局Xを含む同一セグメントのネットワーク上に接続されているスレーブ局を認識するために、以下の処理を行う。はじめに、マスタ局Xの通信処理部60のネットワーク存在確認処理部62は、タイマ61を起動した後、ネットワーク存在確認フレームを生成し、すべてのポートX1,X2から生成したネットワーク存在確認フレーム(図中、TestDataFrame(X1→all)と表記)をブロードキャストで送信する(ステップS111)。なお、この例では、マスタ局Xの第2のポートX2には、伝送路が接続されていないので、第1のポートX1からネットワーク存在確認フレームが送信される。
図27は、ネットワーク存在確認フレームの一例を示す図である。マスタ局Xの第1のポートX1から送信されるネットワーク存在確認フレーム2701では、「DA」にブロードキャストアドレス(たとえば2バイト表記であれば「FFFF(オールF)」)が設定され、「SA」にマスタ局XのMACアドレス「100」が設定され、「フレーム種別情報」には「TestData」が格納され、「マスタ局のMACアドレス情報」には、自局のMACアドレス「100」が格納され、「自局のネットワーク存在確認フレームの送信ポート情報」には、第1のポートを示す「X1」が設定される。
ネットワーク存在確認フレームは、最初にハブHに到達する。ハブHでは、第1のポートH1からネットワーク存在確認フレームを受信すると、ストアアンドフォワード方式でネットワーク存在確認フレームを他の通信機器に接続されている第2〜第4のポートH2〜H4から送出する。その結果、ネットワーク存在確認フレームはそれぞれスレーブ局A〜Cに到達する。
スレーブ局Aは、第1のポートA1でネットワーク存在確認フレームを受信し、制御フレーム応答部91は、ネットワーク存在確認応答フレームを生成し、マスタ局Xに対して、ネットワーク存在確認フレームを受信した第1のポートA1から返信する(ステップS112)。
図28は、ネットワーク存在確認応答フレームの一例を示す図である。スレーブ局Aの第1のポートA1から送信されるネットワーク存在確認応答フレーム2801では、「DA」にマスタ局XのMACアドレス「100」が設定され、「SA」に自局のMACアドレス「1」が設定され、「フレーム種別情報」に「TestDataACK」が格納される。また、「受信したネットワーク存在確認フレーム内のSA情報」と、「ネットワーク存在確認フレームを送信した局のポート情報」には、受信した図27のネットワーク存在確認フレーム2701の「SA」と「自局のネットワーク存在確認フレームの送信ポート情報」を参照して、それぞれ「100」と「X1」が設定される。さらに、「ネットワーク存在確認フレームを受信した自局のポート情報」には、ネットワーク存在確認フレームを受信した第1のポート「A1」が格納され、「自装置情報」には自通信機器の機器名とメーカ名である「XXX_1,B社」が格納される。
その後、スレーブ局Aの制御フレーム応答部91は、第1のポートA1から受信したネットワーク存在確認フレーム2701を書き換えたネットワーク存在確認フレームを生成し、第1のポートA1以外の第2のポートA2にもネットワーク存在確認フレームの送信を試みる。しかし、ここでは、第2のポートA2には伝送路が確立されていないので、ネットワーク存在確認フレームは送信されない。その後、スレーブ局Aは、マスタ局Xからの設定待ちの状態となる。
同様に、スレーブ局Bでも、制御フレーム応答部91は、第1のポートB1でネットワーク存在確認フレームを受信すると、図28に示されるネットワーク存在確認応答フレーム2802を生成し、第1のポートB1からマスタ局Xに送信する(ステップS113)。また、ネットワーク存在確認フレームは伝送路が確立されていない第2のポートB2からは送信しない。その後、スレーブ局Bは、マスタ局Xからの設定待ちの状態となる。
同じく、スレーブ局Cでも、制御フレーム応答部91は、第1のポートC1でネットワーク存在確認フレームを受信すると、図28に示されるネットワーク存在確認応答フレーム2803を生成し、第1のポートC1からマスタ局Xに送信する(ステップS114)。また、ネットワーク存在確認フレームは伝送路が確立されていない第2のポートC2からは送信しない。その後、スレーブ局Cは、マスタ局Xからの設定待ちの状態となる。
その後、それぞれのスレーブ局A〜Cから送出されたネットワーク存在確認応答フレームは、ハブHでリピートされ、マスタ局Xへと送信される(ステップS112〜S114)。なお、ここで、マスタ局Xは、ステップS111で設定したネットワーク存在確認応答フレーム待ちのタイマ61の起動中に、同一セグメントのネットワーク内の通信機器であるスレーブ局A〜Cからのネットワーク存在確認応答フレームを受信するものとする。
マスタ局Xのネットワーク存在確認処理部62は、ネットワーク存在確認応答フレームをタイマ61の起動中に各スレーブ局A〜Cから受信するたびに、そのフレームからネットワーク存在情報を生成し、さらにネットワーク接続情報を生成、更新し、ネットワーク接続情報記憶部63に記憶する(ステップS115)。
図29は、マスタ局が生成したネットワーク存在情報の一例を示す図である。このネットワーク存在情報は、「SA」、「受信したネットワーク存在確認フレーム内のSA情報」、「ネットワーク存在確認フレームを送信した局のポート情報」、および「ネットワーク存在確認フレームを受信した自局のポート情報」を含む。マスタ局Xのネットワーク存在確認処理部62は、受信したネットワーク存在確認応答フレームから、上記の各項目が定義されたエリアからそれぞれの情報を取得する。
図30−1〜図30−3は、ネットワーク接続情報の生成方法の手順の一例を模式的に示す図であり、図31は、ネットワーク接続情報の一例を示す図である。なお、ここでは、マスタ局Xは、説明の便宜上、スレーブ局A、スレーブ局B、スレーブ局Cの順にネットワーク存在確認応答フレームを受信したものとする。
スレーブ局Aからネットワーク存在確認応答フレーム2801を受信した時点のネットワーク存在情報は、図29のレコード2901のみである。これより、マスタ局Xのネットワーク存在確認処理部62は、図30−1に示されるようなネットワーク接続情報を生成する。つまり、ネットワーク存在情報の「SA」に格納されているMACアドレス「1」と、「ネットワーク存在確認フレームを受信した自局のポート情報」に格納されているポート情報「A1」と、を取得する。また、「受信したネットワーク存在確認フレーム内のSA情報」に格納されているMACアドレス「100」と、「ネットワーク存在確認フレームを送信した局のポート情報」に格納されているポート情報「X1」を取得する。そして、取得した通信機器それぞれのポート「A1」と「X1」とが対向するように、取得した通信機器を配置し、2つのポート「A1」と「X1」とを線で接続する。この状態が、図30−1に示されている。そして、これらの関係を、たとえば図31のネットワーク接続情報のレコード3101に示されるように記録する。つまり、2つの接続される通信機器において、「第1の通信機器のMACアドレス」および「第1の通信機器のポート」と、「第2の通信機器のMACアドレス」および「第2の通信機器のポート」とを対応付けて保存する。ここで、「第1の通信機器のポート」と「第2の通信機器のポート」とが接続されることを示している。
また、スレーブ局Bからネットワーク存在確認応答フレーム2801を受信した時点においても、ネットワーク存在確認処理部62は、同様の処理を行って、図29のネットワーク存在情報に格納された2つの通信機器の接続関係を示すネットワーク接続情報を生成する。ここでは、図29のネットワーク存在情報のレコード2902中の「SA」に格納されているMACアドレス「2」の「ネットワーク存在確認フレームを受信した自局のポート情報」に格納されているポート情報「B1」と、「受信したネットワーク存在確認フレーム内のSA情報」に格納されているMACアドレス「100」の「ネットワーク存在確認フレームを送信した局のポート情報」に格納されているポート情報「X1」と、を接続するように、図30−2のような関係を構築する。そして、この関係からネットワーク接続情報を生成し、図31のレコード3102に示されるように保存する。
スレーブ局Cからネットワーク存在確認応答フレーム2801を受信した時点においても、ネットワーク存在確認処理部62は、同様の処理を行う。その結果、図30−3に得られる接続関係と、図31のレコード3103に示されるネットワーク接続情報が得られる。
そして、タイマ61がタイムアウトを検出したときには、図31のネットワーク接続情報が得られる。最終的なネットワーク接続情報を図示したものが、図30−3となる。
また、マスタ局Xの装置情報取得部64は、ネットワーク存在確認応答フレームを各スレーブ局A〜Cから受信するたびに、そのフレームから装置情報を生成し、装置情報記憶部65に記憶し、また自局のMACアドレスと機器型名および機器メーカも登録する(ステップS116)。マスタ局Xが生成した装置情報は、図25に示されるものとなる。ここでは、ネットワーク存在確認応答フレームの「SA」と「自装置情報」に入力された値が「MACアドレス」、「機器型名」および「機器メーカ」に入力される。
その後、マスタ局Xのトークン巡回順序決定部66によるトークン巡回順序の決定処理と、セットアップ処理部68による各スレーブ局の送信権の巡回情報(トークンフレームを受信し送信権を獲得したスレーブ局のつぎに送信権を与える通信機器を示す情報)を通知するためのセットアップ処理と、を行う(ステップS117〜S118)。以上のトークン巡回順序の決定処理において、トークン巡回順序は、たとえばマスタ局Xを出発してマスタ局Xに戻るまでの経路において、通過する通信機器の数が最小となるように、一筆書きの方法によって求めるなど、任意の方法によって決定することができる。そして、マスタ局Xのトークンフレーム処理部69とデータフレーム通信処理部70は、トークン巡回順序に基づいてトークンフレームを用いた通信を開始する(ステップS119)。
なお、以上のステップS111〜ステップS117までの処理が、ネットワークを構成する通信機器とその配列状態を確認するためのネットワーク存在確認処理である。
つぎに、構築されたFAネットワークの接続が設計した通りに行われているか否かを確認するネットワーク構成確認方法について説明する。図32は、実施の形態5によるネットワーク構成確認処理の手順の一例を示すフローチャートである。図26のステップS116の装置情報がマスタ局Xによって作成された後、ネットワーク性能見積もり装置10Aのネットワーク構成比較部21は、通信部20を介してマスタ局Xからネットワーク接続情報と装置情報を取得する(ステップS131)。
ついで、ネットワーク構成比較部21は、ネットワーク情報記憶部17中のネットワーク構成情報を用いて、設計されたネットワークの接続関係を示す設計データ接続関係情報を生成する(ステップS132)。具体的には、図5に示されるネットワーク構成情報は、ネットワーク内のマスタ局、ハブおよびスレーブ局の接続関係を示すものである。一方のネットワーク接続情報は、マスタ局とスレーブ局の接続関係を示すものである。そこで、ネットワーク構成比較部21は、ネットワーク構成情報から、ハブを除去した通信機器間の接続関係を示す設計データ接続関係情報を生成する処理を行う。
図33は、設計データ接続関係情報の一例を示す図である。この設計データ接続関係情報は、図5のネットワーク構成情報からハブHを介して接続されるマスタ局Xとスレーブ局A〜C間、またはスレーブ局A〜C間の接続状態を、ハブHを省略して表示したものである。この設計データ接続関係情報は、上位機器名、上位機器型名、上位機器メーカ、上位機器ポート、下位機器名、下位機器型名、下位機器メーカ、および下位機器ポートを有する。これは、上位機器と下位機器との間のポートを含めた接続関係を表すための情報である。
たとえば、レコード3301は、図5のネットワーク構成情報のレコード501,502から生成されるものである。つまり、マスタ局Xに接続されるハブHと同じハブHに接続されるスレーブ局Aがレコード502から抽出され、マスタ局XのポートX1とスレーブ局AのポートA1との対応付けが行われる。また、レコード3302は、図5のネットワーク構成情報のレコード502,503から生成されるものである。つまり、スレーブ局Aと同じハブHに接続されるスレーブ局Bがレコード503から抽出され、スレーブ局AのポートA1とスレーブ局BのポートB1とが対応づけられる。その他の設計データ接続関係情報中のレコードも、上記のレコード3301,3302と同様にして生成される。なお、いずれのレコードについても、上位機器型名、上位機器メーカ、下位機器型名および下位機器メーカについては入力されていない状態となっている。
その後、ネットワーク構成比較部21は、設計データ接続関係情報のレコード中の各機器名を、ネットワーク情報記憶部17中の属性情報を用いて、機器型名と機器メーカと対応付ける(ステップS133)。すなわち、設計データ接続関係情報中の「上位機器名」または「下位機器名」で特定される通信機器の「機器型名」と「機器メーカ」とを属性情報から取得し、設計データ接続関係情報の「上位機器型名」と「上位機器メーカ」、または「下位機器型名」と「下位機器メーカ」に格納する。
図34は、設計データ接続関係情報の一例を示す図である。この図34は、図33の状態から上位機器型名、上位機器メーカ、下位機器型名および下位機器メーカの各項目が入力された状態となっている。たとえば、図33のレコード3301について「上位機器名」である「マスタ局X」を機器名に有するレコードを図4の属性情報から検索する。その結果、図4の属性情報のレコード401が得られ、ここから「機器型名」として「AAA_1」を取得し、「機器メーカ」として「A社」を取得する。同様に「下位機器名」である「スレーブ局A」を機器名に有するレコードを図4の属性情報から検索すると、図4のレコード402が得られ、これより「機器型名」として「XXX_1」を取得し、「機器メーカ」として「B社」を取得する。そして、取得したこれらの情報を、設計データ接続関係情報の対応する項目に格納することによって、図34のレコード3401が得られる。このようにして、設計データ接続関係情報中のすべてのレコードについて同様の処理を行う。
ついで、ネットワーク構成比較部21は、マスタ局から取得したネットワーク接続情報と装置情報とから、実機接続関係情報を生成する(ステップS134)。具体的には、ネットワーク接続情報はMACアドレスとポート情報によって構成されているので、ネットワーク接続情報のMACアドレスを、装置情報を用いて機器型名と機器メーカに対応付けた実機接続関係情報を生成する。
図35は、実機接続関係情報の一例を示す図である。実機接続関係情報は、第1の通信機器のMACアドレス、第1の通信機器の機器型名、第1の通信機器のメーカ、第1の通信機器のポート、第2の通信機器のMACアドレス、第2の通信機器の機器型名、第2の通信機器のメーカ、第2の通信機器のポートを含む。これは、実際に構築したネットワークにおける第1の通信機器と第2の通信機器との間のポートを含めた接続関係を表すための情報である。
たとえば、図31のネットワーク接続情報のレコード3101の「第1の通信機器のMACアドレス」である「1」をMACアドレスに有するレコードを図25の装置情報から検索する。その結果、図25のレコード2502が得られ、ここから「機器型名」として「XXX_1」を取得し、「機器メーカ」として「B社」を取得する。同様に「第2の通信機器のMACアドレス」である「100」を機器名に有するレコードを図25の装置情報から検索すると、図25のレコード2501が得られ、これより「機器型名」として「AAA_1」を取得し、「機器メーカ」として「A社」を取得する。そして、取得したこれらの情報を、実機接続関係情報の対応する項目に格納することによって、図35のレコード3501が得られる。
その後、設計データ接続関係情報と実機接続関係情報とを比較し(ステップS135)、両者が一致するか否かを判定する(ステップS136)。たとえば、図35の実機接続関係情報の1つのレコードの「第1の通信機器の機器型名」、「第1の通信機器のメーカ」、「第1の通信機器のポート」、「第2の通信機器の機器型名」、「第2の通信機器のメーカ」の値の組み合わせと一致するレコードを設計データ接続関係情報から抽出し、そのレコードの「上位機器ポート」または「下位機器ポート」の値が、実機接続関係情報のレコードの「第2の通信機器のポート」と同じ値であるか否かを判定する処理を、すべてのレコードについて行う。
両者が一致する場合(ステップS136でYesの場合)には、ネットワーク構成比較部21は、ネットワークが設計通りに構築されていることを示す情報を表示部12に表示し(ステップS137)、処理が終了する。また、両者が一致しない場合(ステップS136でNoの場合)には、実機接続関係情報のうち、設計データ接続関係情報と異なる部分を表示部12に表示する(ステップS138)。このステップS138では、図35の実機接続関係情報と図34の設計データ接続関係情報とを正誤表のように並置して、異なる部分を表示部12に強調表示したり、図3のようなネットワーク構成図を作成し、その部分で設計データ接続関係情報と異なる部分を表示部12に強調表示したりすることができる。以上のようにして、ネットワーク構成確認方法が終了する。
この実施の形態5では、ネットワーク性能見積もり装置10Aを実際に構築したネットワークと接続し、ネットワーク内に接続される通信機器の接続状態を把握したマスタ局からネットワーク接続情報を取得し、ネットワーク情報記憶部17のネットワーク構成情報から生成した設計データ接続関係情報と、ネットワーク接続情報と装置情報から生成した実機接続関係情報と、を比較するようにした。その結果、構築したネットワークが設計したネットワークの構成と同一であるか否かを判定することが可能になるという効果を有する。また、構築したネットワークが設計したネットワークの構成と異なる場合には、異なる箇所を抽出し、表示するようにしたので、どの部分が設計と異なるのかをユーザに対して明示することができる。これによって、ユーザは、構築したネットワークの修正箇所を容易に把握することができ、設計されたネットワークと同じ構成のネットワークの構築が容易なるという効果を有する。
実施の形態6.
この実施の形態6でも、実施の形態5と同様に、ネットワーク性能見積もり装置で作成したネットワーク構成と、実際にユーザが組み立てたネットワーク構成とが一致しているのかを判断することができるネットワーク性能見積もり装置とネットワーク構成確認方法について説明する。また、ネットワーク構成の比較に必要な構築されたネットワークの接続情報を得るための通信管理装置とデータ通信方法について説明する。
図36は、ネットワーク性能見積もり装置とFAネットワークとが接続された状態の一例を模式的に示す図である。この図に示されるように、ネットワーク性能見積もり装置10AとFAネットワーク30Aとが、ネットワーク40を介して接続される構成となっている。ここでは、実施の形態5の図22のFAネットワーク30において、スレーブ局Cにさらに、MACアドレスが「4」であるスレーブ局Dがライン状に接続されている場合が示されている。ここでは、このスレーブ局Dの第1のポートD1とスレーブ局Cの第2のポートC2とが接続されている場合が示されている。なお、この実施の形態6で使用されるネットワーク性能見積もり装置10A、マスタ局X、スレーブ局A〜Dの構成は、実施の形態5と同一であるので、その説明を省略する。
つぎに、この通信システムにおけるネットワーク接続確認方法を含む通信方法の概略について説明する。なお、詳細については、実施の形態5で詳細に説明したので、必要な箇所のみ詳細な説明を行い、その他の部分では概略を説明する。
まず、マスタ局Xとスレーブ局A〜Dがイーサネット(登録商標)ケーブル31で接続された後、スレーブ局A〜Dの電源がオンにされ、マスタ局Xの電源がオンにされると、マスタ局Xの通信処理部60のネットワーク存在確認処理部62は、ネットワーク存在確認フレームを生成し、すべてのポートX1,X2から生成したネットワーク存在確認フレームをブロードキャストで送信する。
図37は、ネットワーク存在確認フレームの一例を示す図である。マスタ局Xの第1のポートX1から送信されるネットワーク存在確認フレーム3701では、「DA」にブロードキャストアドレスが設定され、「SA」にマスタ局XのMACアドレス「100」が設定され、「フレーム種別情報」には「TestData」が格納され、「マスタ局のMACアドレス情報」には、自局のMACアドレス「100」が格納され、「自局のネットワーク存在確認フレームの送信ポート情報」には、第1のポートを示す「X1」が設定される。
このネットワーク存在確認フレーム3701は、最初にハブHに到達する。ハブHでは、第1のポートH1からネットワーク存在確認フレームを受信すると、ストアアンドフォワード方式でネットワーク存在確認フレームを他の通信機器に接続されている第2〜第4のポートH2〜H4から送出する。その結果、ネットワーク存在確認フレーム3701はそれぞれスレーブ局A〜Cに到達する。
スレーブ局A〜Cは、それぞれ第1のポートA1〜C1でネットワーク存在確認フレーム3701を受信し、制御フレーム応答部91は、ネットワーク存在確認応答フレームを生成し、マスタ局Xに対して、ネットワーク存在確認フレーム3701を受信したそれぞれの第1のポートA1〜C1から返信する。
図38は、ネットワーク存在確認応答フレームの一例を示す図である。スレーブ局Aの第1のポートA1から送信されるネットワーク存在確認応答フレーム3801では、「DA」に受信したネットワーク存在確認フレーム3701の「マスタ局XのMACアドレス情報」から取得した「100」が設定され、「SA」に自局のMACアドレス「1」が設定され、「フレーム種別情報」に「TestDataACK」が格納される。また、「受信したネットワーク存在確認フレーム内のSA情報」と、「ネットワーク存在確認フレームを送信した局のポート情報」には、受信した図37のネットワーク存在確認フレーム3701の「SA」と「自局のネットワーク存在確認フレームの送信ポート情報」を参照して、それぞれ「100」と「X1」が設定される。さらに、「ネットワーク存在確認フレームを受信した自局のポート情報」には、ネットワーク存在確認フレームを受信した第1のポート「A1」が格納され、「自装置情報」には自通信機器の機器名とメーカ名である「XXX_1,B社」が格納される。スレーブ局B,Cも同様にして、ネットワーク存在確認応答フレーム3802,3803を生成し、送信する。その後、それぞれのスレーブ局A〜Cから送出されたネットワーク存在確認応答フレーム3801〜3803は、ハブHでリピートされ、マスタ局Xへと送信される。
その後、スレーブ局A,Bの制御フレーム応答部91は、第1のポートA1,B1以外の第2のポートA2,B2には伝送路が確立されていないので、ネットワーク存在確認フレームの送信を試みないが、スレーブ局Cの制御フレーム応答部91は、第2のポートC2に伝送路が確立されているので、第1のポートC1から受信したネットワーク存在確認フレーム3701を書き換えたネットワーク存在確認フレーム3702を生成し、第2のポートC2から送信する。
図37に示されるように、受信したネットワーク存在確認フレーム3701のうち、「SA」と「自局のネットワーク存在確認フレームの送信ポート情報」を書換えたネットワーク存在確認フレーム3702を生成する。具体的には、「DA」にブロードキャストアドレスが設定され、「SA」に自スレーブ局CのMACアドレス「3」が設定され、「フレーム種別情報」には「TestData」が格納され、「マスタ局のMACアドレス情報」には、マスタ局XのMACアドレス「100」が格納され、「自局のネットワーク存在確認フレームの送信ポート情報」には、第2のポートを示す「C2」が設定されたネットワーク存在確認フレーム3702を生成する。
スレーブ局Cから送出されたネットワーク存在確認フレーム3702は、スレーブ局Dに到達する。スレーブ局Dは、第1のポートD1でネットワーク存在確認フレーム3702を受信し、制御フレーム応答部91は、ネットワーク存在確認応答フレーム3804を生成し、マスタ局Xに対して、ネットワーク存在確認フレーム3702を受信した第1のポートD1から返信する。
図38に示されるように、スレーブ局Dの第1のポートD1から送信されるネットワーク存在確認応答フレーム3804では、「DA」に受信したネットワーク存在確認フレーム3702の「マスタ局XのMACアドレス情報」から取得した「100」が設定され、「SA」に自局のMACアドレス「4」が設定され、「フレーム種別情報」に「TestDataACK」が格納される。また、「受信したネットワーク存在確認フレーム内のSA情報」と、「ネットワーク存在確認フレームを送信した局のポート情報」には、受信した図37のネットワーク存在確認フレーム3702の「SA」と「自局のネットワーク存在確認フレームの送信ポート情報」を参照して、それぞれ「3」と「C2」が設定される。さらに、「ネットワーク存在確認フレームを受信した自局のポート情報」には、ネットワーク存在確認フレームを受信した第1のポート「D1」が格納され、「自装置情報」には自通信機器の機器名とメーカ名である「ABCD_X,A社」が格納される。
その後、それぞれのスレーブ局Dから送出されたネットワーク存在確認応答フレーム3804は、スレーブ局CとハブHでリピートされ、マスタ局Xへと送信される。
マスタ局Xのネットワーク存在確認処理部62は、ネットワーク存在確認応答フレーム3801〜3804をタイマ61の起動中に各スレーブ局A〜Dから受信するたびに、そのフレームからネットワーク存在情報を生成し、さらにネットワーク接続情報を生成、更新し、ネットワーク接続情報記憶部63に記憶する。
図39は、マスタ局が生成したネットワーク存在情報の一例を示す図である。ここでは、図29のネットワーク存在情報に比して、スレーブ局Dに関するレコード3901が追加されている。すなわち、スレーブ局Dに関するレコード3901は、「SA」が「4」であり、「受信したネットワーク存在確認フレーム内のSA情報」が「3」であり、「ネットワーク存在確認フレームを送信した局のポート情報」が「C2」であり、「ネットワーク存在確認フレームを受信した自局のポート情報」が「D1」である。
図40は、ネットワークにおける通信機器間の接続関係の一例を模式的に示す図であり、図41は、ネットワーク接続情報の一例を示す図である。マスタ局Xのネットワーク存在確認処理部62は、図39のネットワーク存在情報を用いて図40に示される通信機器間の接続関係を把握し、図41に示されるネットワーク接続情報を生成する。ここでは、実施の形態5の図31にスレーブ局Cとスレーブ局Dとの接続関係を示すレコード4104が追加されている。この例では、タイマ61がタイムアウトを検出したときには、図41のネットワーク接続情報が得られる。
また、マスタ局Xの装置情報取得部64は、ネットワーク存在確認応答フレームを各スレーブ局A〜Dから受信するたびに、そのフレームから装置情報を生成し、装置情報記憶部65に記憶し、また自局のMACアドレスと機器型名および機器メーカも登録する。図42は、装置情報の一例を示す図である。この装置情報は、実施の形態5の図25にスレーブ局Dに関するレコード4205が追加されたものである。
その後、マスタ局Xのトークン巡回順序決定部66によるトークン巡回順序の決定処理と、セットアップ処理部68による各スレーブ局の送信権の巡回情報(トークンフレームを受信し送信権を獲得したスレーブ局のつぎに送信権を与える通信機器を示す情報)を通知するためのセットアップ処理と、を行う。その後、マスタ局Xのトークンフレーム処理部69とデータフレーム通信処理部70は、トークン巡回順序に基づいてトークンフレームを用いた通信を開始する。
つぎに、構築されたFAネットワークの接続が設計した通りに行われているか否かを確認するネットワーク構成確認方法の概略について説明する。ネットワーク構成確認処理は、実施の形態5の図32のフローチャートに従って行われる。まず、ネットワーク性能見積もり装置10Aのネットワーク構成比較部21は、通信部20を介してマスタ局Xから図41のネットワーク接続情報と図42の装置情報を取得する。
ついで、ネットワーク構成比較部21は、ネットワーク情報記憶部17中のネットワーク構成情報を用いて、設計されたネットワークの接続関係を示す設計データ接続関係情報を生成する。図43は、ネットワーク構成情報の一例を示す図である。このネットワーク構成情報は、実施の形態1の図5にスレーブ局Cとスレーブ局Dとの間の接続関係を示すレコード4305が追加されたものである。
図44は、設計データ接続関係情報の一例を示す図である。この設計データ接続関係情報は、図5のネットワーク構成情報からハブHを介して接続されるマスタ局Xとスレーブ局A〜C間、スレーブ局A〜C間、スレーブ局C〜D間の接続状態を、ハブHを省略して表示したものである。この設計データ接続関係情報は、実施の形態5の図33に、スレーブ局Cとスレーブ局Dとの間の接続関係を示すレコード4407が追加されたものである。なお、この設計データ接続関係情報の生成方法は、既に説明したので、その説明を省略する。
その後、ネットワーク構成比較部21は、設計データ接続関係情報のレコード中の各機器名を、図4の属性情報を用いて、機器型名と機器メーカと対応付ける。図45は、設計データ接続関係情報の一例を示す図である。この図45は、図44の状態から上位機器型名、上位機器メーカ、下位機器型名および下位機器メーカの各項目が入力された状態となっている。
ついで、ネットワーク構成比較部21は、マスタ局から取得した図41のネットワーク接続情報と図42の装置情報とから、実機接続関係情報を生成する。図46は、実機接続関係情報の一例を示す図である。この実機接続関係情報は、実施の形態5の図35に、スレーブ局Cとスレーブ局Dとの接続関係を示すレコード4604が追加されたものである。なお、この実機接続関係情報の生成方法は、既に説明したので、その説明を省略する。
その後、図45の設計データ接続関係情報と図46実機接続関係情報とを、たとえば実施の形態5で説明したような方法で比較し、両者が一致するか否かを判定する処理を、すべてのレコードについて行う。
両者が一致する場合には、ネットワーク構成比較部21は、ネットワークが設計通りに構築されていることを示す情報を表示部12に表示し、処理が終了する。また、両者が一致しない場合には、実機接続関係情報のうち、設計データ接続関係情報と異なる部分を表示部12に表示して、ネットワーク構成確認方法が終了する。
この実施の形態6では、ネットワークがハブを介したスター状の接続関係だけではなく、ライン状の接続関係を含む場合を示したが、このような場合にも、実施の形態5と同様の効果を得ることができる。
なお、上述したネットワーク性能見積もり方法とネットワーク構成確認方法は、その処理手順を書込んだプログラムを、CPUを有するパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータ(情報処理装置)で実行することにより実現することができる。この場合、コンピュータのCPU(制御手段)が、プログラムにしたがって、上述したネットワーク性能見積もり方法またはネットワーク構成確認方法の各処理工程を実行することになる。これらのプログラムは、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、CD(Compact Disk)−ROM(Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile DiskまたはDigital Video Disk)などのコンピュータで読取可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、これらのプログラムは、インタネットなどのネットワーク(通信回線)を介して配布することもできる。
また、上述したマスタ局とスレーブ局におけるデータ通信方法は、それぞれの処理手順を書込んだプログラムを、CPUを有するプログラマブルコントローラやパーソナルコンピュータなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。この場合、コンピュータのCPU(制御手段)が、プログラムにしたがって、上述したデータ通信方法の各処理工程を実行することになる。これらのプログラムは、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM,MO,DVDなどのコンピュータで読取可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、これらのプログラムは、インタネットなどのネットワーク(通信回線)を介して配布することもできる。
さらに、マスタ局は、上述した実施の形態に記載される各処理部を上記の処理手順で処理を実行する回路によって実現した通信管理回路とすることもできる。同様に、スレーブ局も、上述した実施の形態に記載される各処理部を上記の処理手順で処理を実行する回路によって実現した通信回路とすることもできる。
さらにまた、マスタ局は、上述した実施の形態に記載される各処理部を上記の処理手順で処理を実行するように作製したLSI(Large-Scale Integration)とすることもできる。同様に、スレーブ局も、上述した実施の形態に記載される各処理部を上記の処理手順で処理を実行するように作製したLSIとすることもできる。
また、通信機器固有情報格納部13は、ネットワーク性能見積もり装置10,10A内の記憶手段に格納されるように描かれているが、通信機器の固有情報が格納されたUSB(Universal Serial Bus)メモリなどの持ち運び可能な記憶媒体であってもよいし、通信機器の固有情報が格納されたサーバ装置で構成され、ネットワーク性能見積もり装置10,10Aからはネットワークを介して接続されるものでもよい。
以上のように、本発明にかかるネットワーク性能見積もり装置は、リアルタイム性が保証されるFAネットワークの性能の見積もりに有用である。
10,10A ネットワーク性能見積もり装置
11 入力部
12 表示部
13 通信機器固有情報格納部
14 ネットワーク構成描写部
15 通信機器属性情報取得部
16 トークン巡回順序決定部
17 ネットワーク情報記憶部
18 性能見積もり部
19 制御部
20 通信部
21 ネットワーク構成比較部
30 FAネットワーク
31 伝送路
40 ネットワーク
51−1,51−2,81−1,81−2 ポート
60 通信処理部
61 タイマ
62 ネットワーク存在確認処理部
63 ネットワーク接続情報記憶部
64 装置情報取得部
65 装置情報記憶部
66 トークン巡回順序決定部
67 トークン巡回順序情報記憶部
68 セットアップ処理部
69 トークンフレーム処理部
70 データフレーム通信処理部
90 通信処理部
91 制御フレーム応答部
92 トークン巡回先情報記憶部
93 トークンフレーム処理部
94 データフレーム通信処理部

Claims (16)

  1. 複数の通信機器のポート間を配線で接続してユーザによって設計されたネットワークから、前記通信機器間の前記ポートの接続関係を示すネットワーク構成情報を生成し、前記設計されたネットワーク内の前記各通信機器について、ユーザによって入力された前記通信機器の通信機器名および機器種別毎の固有情報を含む機器識別情報を属性情報として記憶するネットワーク構成描写手段と、
    前記属性情報中の前記各通信機器について、前記機器識別情報で特定される通信機器の通信性能を、通信機器について機器種別毎の固有情報と通信性能とを対応付けて格納する通信機器固有情報から取得する通信機器属性情報取得手段と、
    前記ネットワーク構成情報から前記設計されたネットワーク内でトークンフレームを巡回させる前記通信機器の順番を示すトークン巡回順序を決定するトークン巡回順序決定手段と、
    前記トークン巡回順序と前記各通信機器の通信性能とを用いて、前記設計されたネットワークの通信性能を算出する性能見積もり手段と、
    を備えることを特徴とするネットワーク性能見積もり装置。
  2. 前記通信機器は、サイクリック通信でネットワークの通信を管理する通信管理装置と、前記通信管理装置からのデータを受信し、前記トークンフレームを受信して送信権を得るとデータの送信を行うスレーブ局と、前記通信管理装置と前記スレーブ局との間または複数の前記スレーブ局との間の接続を行い、必要に応じて設けられるスイッチングハブと、からなり、
    前記通信機器属性情報取得手段は、前記スレーブ局に関しては前記トークンフレームを保持する時間であるトークンホールド時間を前記通信機器固有情報から取得し、前記スイッチングハブに関しては遅延時間を前記通信機器固有情報から取得し、
    前記性能見積もり手段は、前記トークン巡回順序の順に前記各スレーブ局の前記トークンホールド時間と、前記各スイッチングハブの遅延時間とを加算して、前記ネットワークの通信性能としてのトークン巡回時間を算出することを特徴とする請求項1に記載のネットワーク性能見積もり装置。
  3. 前記トークン巡回順序決定手段は、前記通信管理装置を基準にして下位に接続される通信機器をツリー状に展開した際に、前記ツリー状に接続される通信機器を前記通信管理装置からツリーのまわりを周回する要領で順に選択して前記トークン巡回順序を決定し、
    前記性能見積もり手段は、前記トークン巡回順序から同じハブを前記トークンフレームが通過する通過回数を求め、前記トークン巡回時間として、前記各スレーブ局の前記トークンホールド時間と、前記各ハブについての前記遅延時間と前記通過回数との積と、の和を求めることを特徴とする請求項2に記載のネットワーク性能見積もり装置。
  4. 前記通信機器は、サイクリック通信でネットワークの通信を管理する通信管理装置と、前記通信管理装置からのデータを受信し、前記トークンフレームを受信して送信権を得るとデータの送信を行うスレーブ局と、前記通信管理装置と前記スレーブ局との間または複数の前記スレーブ局との間の接続を行い、必要に応じて設けられるスイッチングハブと、からなり、
    前記通信機器属性情報取得手段は、前記スレーブ局に関しては前記スレーブ局で処理可能な最大のデータ量である入力データ量と出力データ量を前記通信機器固有情報から取得し、前記通信管理装置に関しては、前記通信管理装置での最大の処理能力である入力処理能力と出力処理能力を前記通信機器固有情報から取得し、
    前記性能見積もり手段は、前記ネットワークの通信性能としての通信管理装置ホールド時間を、前記スレーブ局の前記入力データ量の総和と前記通信管理装置の出力処理能力との積と、前記出力データ量の総和と前記通信管理装置の入力処理能力との積と、の和として算出することを特徴とする請求項1に記載のネットワーク性能見積もり装置。
  5. 前記通信機器は、サイクリック通信でネットワークの通信を管理する通信管理装置と、前記通信管理装置からのデータを受信し、前記トークンフレームを受信して送信権を得るとデータの送信を行うスレーブ局と、前記通信管理装置と前記スレーブ局との間または複数の前記スレーブ局との間の接続を行い、必要に応じて設けられるスイッチングハブと、からなり、
    前記ネットワーク構成描写手段は、前記通信機器がスレーブ局である場合に、通信機器名および機器種別毎の固有情報に加えて、ユーザによって入力される前記通信機器で処理するデータ量である設定入力データ量と設定出力データ量を前記属性情報として記憶し、
    前記通信機器属性情報取得手段は、前記スレーブ局に関しては前記トークンフレームを保持する時間であるトークンホールド時間と、前記スレーブ局で処理可能な最大のデータ量である入力データ量および出力データ量と、を前記通信機器固有情報から取得し、前記スイッチングハブに関しては遅延時間を前記通信機器固有情報から取得し、
    前記性能見積もり手段は、前記ネットワークの通信性能としてのトークン巡回時間を、前記各スレーブ局について加算した前記設定入力データ量と前記設定出力データ量で補正したトークンホールド時間と、前記スイッチングハブの遅延時間と前記トークン巡回順序から求められる前記スイッチングハブの前記トークンフレームの通過回数との積との和によって算出することを特徴とする請求項1に記載のネットワーク性能見積もり装置。
  6. 前記ネットワーク構成描写手段は、前記設計されたネットワークについて、ユーザによって入力されたシステムの伝送速度をシステム情報としてさらに記憶し、
    前記通信機器属性情報取得手段は、前記スレーブ局に関しては前記スレーブ局で処理可能な最大のデータ量である出力データ量を前記通信機器固有情報からさらに取得し、
    前記性能見積もり手段は、前記通信機器固有情報に前記スイッチングハブに対応する属性情報が存在しない場合に、前記トークン巡回順序中での前記スイッチングハブの遅延時間を、前記トークン巡回順序で前記ハブの直前に配置される前記スレーブ局の前記出力データ量と前記トークンフレームの和を、前記システムの伝送速度で除した値として算出することを特徴とする請求項2に記載のネットワーク性能見積もり装置。
  7. 前記ネットワーク構成描写手段は、前記設計されたネットワークについて、ユーザによって入力されたシステムの伝送速度をシステム情報としてさらに記憶し、
    前記性能見積もり手段は、前記通信機器固有情報に前記スイッチングハブに対応する属性情報が存在しない場合に、前記トークン巡回順序中での前記スイッチングハブの遅延時間を、前記トークン巡回順序で前記ハブの直前に配置される前記スレーブ局の前記設定出力データ量と前記トークンフレームの和を、前記システムの伝送速度で除した値として算出することを特徴とする請求項5に記載のネットワーク性能見積もり装置。
  8. 実際に構築されたネットワークとの間で通信を行う通信手段と、
    前記ネットワーク構成情報と、前記構築されたネットワーク内の通信管理装置から前記通信手段を介して取得した前記ネットワーク内での通信機器のポート間の接続状態を示すネットワーク接続情報とを用いて、前記設計されたネットワークと前記構築されたネットワークの構成を比較し、両者に異なる部分が存在する場合に、前記構築されたネットワークの前記設計されたネットワークと異なる部分を抽出するネットワーク構成比較手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のネットワーク性能見積もり装置。
  9. 前記ネットワーク接続情報は、前記通信管理装置から前記構築されたネットワークを構成する2つの通信機器間の接続状態をMACアドレスとポート情報で規定し、
    前記ネットワーク構成比較手段は、前記構築されたネットワークを構成する前記通信機器の機器種別毎の固有情報とMACアドレスとを対応付けた装置情報をさらに前記通信管理装置から取得し、前記ネットワーク接続情報と前記装置情報とを用いて、前記構築されたネットワークにおける通信機器の接続状態を前記機器種別毎の固有情報と前記ポート情報で規定した実機接続関係情報を生成し、前記ネットワーク構成情報と前記属性情報とを用いて、前記設計されたネットワークにおける通信機器の接続状態を前記機器種別毎の固有情報と前記ポート情報で規定した設計データ接続関係情報を生成し、前記実機接続関係情報と前記設計データ接続関係情報とを比較して、前記構築されたネットワークと前記設計されたネットワークの構成の比較を行うことを特徴とする請求項8に記載のネットワーク性能見積もり装置。
  10. ユーザによって設計されたネットワーク構成から、前記設計されたネットワーク全体の通信性能を見積もるネットワーク性能見積もり方法であって、
    複数の通信機器のポート間を配線で接続してユーザによって設計されたネットワークから、前記通信機器間の前記ポートの接続関係を示すネットワーク構成情報を生成するネットワーク構成情報生成工程と、
    前記設計されたネットワーク内の前記各通信機器について、ユーザによって入力された通信機器名および機器種別毎の固有情報を含む機器識別情報を属性情報として記憶する属性情報記憶工程と、
    前記属性情報中の前記各通信機器について、前記機器識別情報で特定される通信機器の通信性能を、通信機器についての機器種別毎の固有情報と通信性能を対応付けて格納する通信機器固有情報から取得する通信性能取得工程と、
    前記ネットワーク構成情報から前記設計されたネットワーク内でトークンフレームを巡回させる前記通信機器の順番を示すトークン巡回順序を決定するトークン巡回順序決定工程と、
    前記トークン巡回順序と前記各通信機器の通信性能とを用いて、前記設計されたネットワークの通信性能を算出するネットワーク性能算出工程と、
    を含むことを特徴とするネットワーク性能見積もり方法。
  11. ユーザによって設計されたネットワークと、ユーザによって実際に構築されたネットワークとの構成の違いを確認するネットワーク構成確認方法であって、
    複数の通信機器モデルのポート間を配線で接続してユーザによって設計されたネットワークから、前記通信機器モデル間の前記ポートの接続関係を示すネットワーク構成情報を生成するネットワーク構成情報生成工程と、
    前記設計されたネットワーク内の前記各通信機器モデルについて、ユーザによって入力された前記通信機器モデルの通信機器名および機器種別毎の固有情報を含む機器識別情報を属性情報として記憶する属性情報記憶工程と、
    前記属性情報中の前記各通信機器モデルについて、前記機器識別情報で特定される通信機器の通信性能を、通信機器について機器種別毎の固有情報と通信性能を対応付けて格納する通信機器固有情報から取得する通信性能取得工程と、
    前記ネットワーク構成情報から前記設計されたネットワーク内でトークンフレームを巡回させる前記通信機器モデルの順番を示すトークン巡回順序を決定するトークン巡回順序決定工程と、
    前記トークン巡回順序と前記各通信機器の通信性能とを用いて、前記設計されたネットワークの通信性能を算出するネットワーク性能算出工程と、
    ユーザによって実際に構築されたネットワーク内の通信管理装置から、前記構築されたネットワーク内での通信機器のポート間の接続状態を示すネットワーク接続情報を取得するネットワーク接続情報取得工程と、
    前記ネットワーク接続情報と前記ネットワーク構成情報とを用いて、前記設計されたネットワークと前記構築されたネットワークの構成を比較し、両者に異なる部分が存在する場合に、前記構築されたネットワークの前記設計されたネットワークと異なる部分を抽出するネットワーク構成比較工程と、
    を有することを特徴とするネットワーク構成確認方法。
  12. 複数の通信機器が伝送路を介して接続されたネットワーク内で、トークンパッシング方式を用いたデータの送信を管理する通信管理装置であって、
    隣接する前記通信機器と伝送路を介して接続する複数のポートと、
    前記ネットワーク内に存在する前記通信機器を認識するネットワーク存在確認フレームをブロードキャストで送信し、前記ネットワーク存在確認フレームをやり取りした隣接する2つの通信機器、および該隣接する通信機器間のポートの接続関係を含むネットワーク存在確認応答フレームを前記通信機器から受信して、前記通信機器間のポートを介した接続状態を示すネットワーク接続情報を生成するネットワーク存在確認処理を行うネットワーク存在確認手段と、
    前記ネットワーク接続情報を用いてトークン巡回順序を決定するトークン巡回順序決定手段と、
    前記トークン巡回順序に基づいて、前記ネットワーク内の前記各通信機器に対して、該通信機器のつぎに前記送信権を与える通信機器を通知するセットアップ処理を行うセットアップ処理手段と、
    トークンフレームを用いたデータフレームの送受信を行うデータフレーム通信処理手段と、
    を備ることを特徴とする通信管理装置。
  13. 前記ネットワーク存在確認応答フレームから該ネットワーク存在確認応答フレームを送信した通信機器の機器種別毎の固有情報を取得し、該機器種別毎の固有情報と自装置の機器種別毎の固有情報とを含む装置情報を生成する装置情報取得手段をさらに備えることを特徴とする請求項12に記載の通信管理装置。
  14. 前記ネットワーク存在確認応答フレームには、受信したネットワーク存在確認フレーム内の送信元アドレスを示す上位側機器アドレス情報と、前記ネットワーク存在確認フレームを送信した通信機器のポート情報を示す上位側機器ポート情報と、前記ネットワーク存在確認フレームを受信した自通信機器のポート情報を示す下位側機器ポート情報と、が含まれ、
    前記ネットワーク存在確認手段は、前記通信機器からの前記ネットワーク存在確認応答フレームの送信元アドレスである下位側機器アドレス情報と、前記下位側機器ポート情報と、前記上位側機器アドレス情報と、前記上位側機器ポート情報と、を用いて、前記ネットワーク存在確認応答フレームを送信した通信機器とその上位に存在する通信機器とのポートの接続状態を含む接続関係を生成し、受信したすべての前記ネットワーク存在確認応答フレームから生成される前記接続関係を用いて前記ネットワーク接続情報を生成することを特徴とする請求項12に記載の通信管理装置。
  15. 複数のポートを有する複数の通信機器が伝送路を介して接続されたネットワーク内におけるトークンパッシング方式でのデータの送信を管理し、前記通信機器の1つである通信管理装置と、前記ネットワーク内におけるその他の通信機器であるスレーブ局と、を備える通信システムでの前記通信機器のデータ通信方法であって、
    前記通信管理装置は、前記ネットワーク内に存在する前記通信機器を認識するネットワーク存在確認フレームに該フレームを送信するポート情報を含めてブロードキャストで送信するネットワーク存在確認フレーム送信工程と、
    前記スレーブ局は、前記ネットワーク存在確認フレームを受信すると、前記ネットワーク存在確認フレームをやり取りした隣接する2つの通信機器、および該隣接する通信機器間のポートの接続関係を含むネットワーク存在確認応答フレームを、前記通信管理装置に送信するとともに、受信した前記ネットワーク存在確認フレームをリピートする応答工程と、
    前記通信管理装置は、受信した前記ネットワーク存在確認応答フレームの前記隣接する2つの通信機器と、該隣接する通信機器間のポートの接続関係から、前記ネットワーク内の前記通信機器間の接続状態を示すネットワーク接続情報を生成するネットワーク接続情報生成工程と、
    前記通信管理装置は、前記ネットワーク接続情報に基づいてトークン巡回順序を決定し、つぎに送信権を与える通信機器を含むトークン巡回先情報を前記スレーブ局に通知するセットアップ工程と、
    トークンフレームを用いてデータフレームの送信を行うデータフレーム送信工程と、
    を含むことを特徴とするデータ通信方法。
  16. 前記ネットワーク存在確認応答フレームには、受信したネットワーク存在確認フレーム内の送信元アドレスを示す上位側機器アドレス情報と、前記ネットワーク存在確認フレームを送信した通信機器のポート情報を示す上位側機器ポート情報と、前記ネットワーク存在確認フレームを受信した自通信機器のポート情報を示す下位側機器ポート情報と、が含まれ、
    前記ネットワーク接続情報生成工程では、前記通信機器からの前記ネットワーク存在確認応答フレームの送信元アドレスである下位側機器アドレス情報と、前記下位側機器ポート情報と、前記上位側機器アドレス情報と、前記上位側機器ポート情報と、を用いて、前記ネットワーク存在確認応答フレームを送信した通信機器とその上位に存在する通信機器とのポートの接続状態を含む接続関係を生成し、受信したすべての前記ネットワーク存在確認応答フレームから生成される前記接続関係を用いて前記ネットワーク接続情報を生成することを特徴とする請求項15に記載のデータ通信方法。
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