JPWO2011027548A1 - プローブおよびプローブを用いた画像再構成方法 - Google Patents

プローブおよびプローブを用いた画像再構成方法 Download PDF

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Abstract

入力チャネルおよび検出チャネルを最適に配置し、効率良く近赤外撮像することのできるプローブおよび当該プローブを用いた画像再構成方法を提供する。本発明に係るプローブ(10)は、複数の入力チャネルおよび複数の検出チャネルが配置されたプローブ本体(11)を備え、撮像対象である関心領域(16)に対して近赤外撮像を行うためのプローブであって、上側領域(19)に配置された第1入力チャネル(131)と、下側領域(20)に配置された第1検出チャネル(141)と、左側領域(17)に配置された第2入力チャネル(132)と、右側領域(18)に配置された第2検出チャネル(142)と、を備える。

Description

本発明は、プローブおよびプローブを用いた画像再構成方法に関し、特に、近赤外撮像を利用したプローブおよびプローブを用いた画像再構成方法に関する。さらに、本発明は、近赤外撮像と超音波撮像とを併用したプローブ等に関する。
従来、医療用の画像診断方法として、超音波撮像または近赤外撮像を用いた画像診断法がある。
超音波撮像は、医療用の画像診断法として広く用いられており、例えば乳がん検診のような医療目的で幅広く利用されている。超音波撮像は、わずか数ミリの大きさの腫瘍等の病変を検出することが可能であるが、良性腫瘍と悪性腫瘍とを区別することができない。このため、超音波撮像による測定だけでは病変を特定することができず、さらに多くの生体組織検査を行わなければならない場合がある。
近赤外撮像は、生体組織内における光の吸収と拡散を利用したものである。近赤外撮像の特色は機能的画像化であり、良性腫瘍と悪性腫瘍とを区別することができる。近赤外撮像の基本的な考えは、撮像対象の境界に位置する複数の点において、透過および/または反射される光の測定値に基づいて、吸収係数および拡散係数といった光学パラメータの内部分布が再構成できることである。つまり、前記測定値が生体組織内の光学パラメータの情報を伝達し、前記再構成により生体組織内の情報を取得する。しかしながら、前記測定値に基づく光学パラメータの再構成は不良設定度合いが高く、解を一意に決定することが難しい。その結果、近赤外撮像では、比較的、解像度が低くなる。
そこで、超音波撮像と近赤外撮像とを組み合わせる方法が提案されている(特許文献1および特許文献2)。この方法は、超音波撮像によって生体組織内の光学分布に関する情報を事前に取得し、この超音波撮像の結果を基に関心領域(ROI:Region Of Interest)を制限してから近赤外撮像を行うものである。これにより、前記不良設定度合いが低減され、より精細な解像度を得ることができる。
米国特許第6264610号明細書 米国特許出願公開第2004/0215072号明細書
近赤外撮像または超音波撮像による測定値は、光が吸収、拡散、および/または反射される生体組織内の吸収パラメータおよび拡散パラメータの情報を伝達するため、光が伝播する領域(光路)が重要である。
近赤外撮像では、光入力チャネル(光源)より照射された光が前記生体組織に反応し、検出チャネル(検出器)により検出される。光入力チャネルおよび検出チャネルは、それぞれプローブ上に複数個配置されており、各光入力チャネルおよび各検出チャネルは、光ファイバによりプローブ外に設けられた光源および光検出装置に接続される。プローブには、人体の表面で走査する走査型、または胸部のように撮像対象全体を覆うドーム型がある。
近赤外撮像において、生体組織内を伝播する光の光路は、光入力チャネルおよび検出チャネルの配置によって決定される。したがって、光入力チャネルおよび検出チャネルの配置は近赤外撮像の性能の観点から重要である。さらに、コスト効率、プローブ本体内の空間上の制約、特に走査型プローブにおいては操作性を考慮すると、光入力チャネルおよび検出チャネルを効率よく配置し、ROIに対してより多くの光路を配置することが有益であり、これにより、前記不良設定問題が低減される。そのためには、測定値の冗長性を低減させる必要がある。
しかしながら、従来の特許文献1、2による測定方法は、再構成結果を確認しながらヒューリスティックに調整するものであるので、無用な光入力チャネルおよび検出チャネルも存在し、近赤外撮像における測定時間および画像の再構成処理時間が増加するとともに、プローブ本体のサイズが大型化するという問題がある。つまり、上記の従来技術の測定方法は、近赤外撮像における光路のうち、超音波撮像におけるROIのいずれの部分もほとんど覆わないものも存在するため、従来技術における光入力チャネルおよび検出チャネルの配置は、効率的でなく、かつ多くの測定値は有用ではない。さらに、大きなサイズのプローブ本体は、アジア女性の比較的小さな胸部には適さない。
また、腫瘍撮像を実用化するためには、腫瘍部位によって異なる深さに焦点を合わせるように近赤外撮像のROIを変更することは有益である。しかしながら、上記の従来技術の測定方法では、近赤外撮像におけるROIを適応的に変更することができないという問題もある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、光入力チャネルおよび検出チャネルが最適に配置され、効率良く近赤外撮像することのできるプローブおよび当該プローブを用いた画像再構成方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るプローブの一態様は、複数の入力チャネルおよび複数の検出チャネルが配置されたプローブ本体を備え、撮像対象である関心領域に対して近赤外撮像を行うプローブであって、前記関心領域に対応する前記プローブ本体の領域を特定領域とするとともに、前記プローブ本体を平面視したときに、前記特定領域を基準として当該特定領域の左側、右側、上側、下側、右斜め上側、右斜め下側、左斜め下側および左斜め上側の各領域をそれぞれ、左側領域、右側領域、上側領域、下側領域、右斜め上側領域、右斜め下側領域、左斜め下側領域および左斜め上側領域とすると、前記上側領域および前記下側領域の一方の領域のみに配置された、1つ以上の第1入力チャネルと、前記上側領域および前記下側領域の他方の領域のみに配置された、1つ以上の第1検出チャネルと、前記左側領域、前記右側領域、前記右斜め上側領域、前記右斜め下側領域、前記左斜め下側領域および前記左斜め上側領域の少なくとも1つの領域に配置された、1つ以上の第2入力チャネルと、前記左側領域、前記右側領域、前記右斜め上側領域、前記右斜め下側領域、前記左斜め下側領域および前記左斜め上側領域のうち、前記特定領域を介して前記第2入力チャネルが配置された領域と対向する領域に配置された、1つ以上の第2検出チャネルと、を備える。
さらに、本発明に係るプローブの一態様において、前記第1入力チャネルから対応する前記第1検出チャネルまでの光路、および、前記第2入力チャネルから対応する前記第2検出チャネルまでの光路と、前記関心領域との重複が一定度合いを超えることが好ましい。
さらに、本発明に係るプローブの一態様において、前記第1入力チャネルおよび前記第1検出チャネルが、それぞれ複数個からなることが好ましい。
さらに、本発明に係るプローブの一態様において、前記第1入力チャネルおよび前記第1検出チャネルが、それぞれ複数列で構成されており、前記第1入力チャネルおよび前記第1検出チャネルの各列において、前記第1入力チャネルおよび前記第1検出チャネルは、それぞれ複数個からなることが好ましい。
さらに、本発明に係るプローブの一態様において、第1の列に配列された前記第1入力チャネルと前記第1列方向の前記第1検出チャネルとによって構成される光路と、第1の列と隣り合う第2の列に配列された前記第1入力チャネルと前記第2列方向の前記第1検出チャネルとによって構成される光路とが、重なっていることが好ましい。
さらに、本発明に係るプローブの一態様において、前記第1入力チャネルから前記第1検出チャネルまでの第1光路と、前記第2入力チャネルから前記第2検出チャネルまでの第2光路とが、重なって交差することが好ましい。
さらに、本発明に係るプローブの一態様において、前記第1光路と前記第2光路とが略直交していることが好ましい。
さらに、本発明に係るプローブの一態様において、超音波を入射するとともにエコーを受信する超音波振動子が前記特定領域に配置されており、前記関心領域は前記超音波振動子の撮像領域に基づき決定されることが好ましい。
さらに、本発明に係るプローブの一態様において、前記第1入力チャネル、前記第1検出チャネル、前記第2入力チャネル、および、前記第2検出チャネルの少なくとも1つの位置を変化させることができる可動部を備えることが好ましい。
さらに、本発明に係るプローブの一態様において、前記第1入力チャネルあるいは前記第2入力チャネルから出射する光が前記関心領域に入射するときの光入射角、または、前記第1検出チャネルあるいは前記第2検出チャネルが受光するときの光入射角を変更することができる入射角変更機構を備えることが好ましい。
また、本発明に係るプローブの画像再構成方法の一態様は、上記のプローブを組織表面にあてて組織内を近赤外撮像することにより当該組織内の光学データを取得して画像を再構成するための画像再構成方法であって、前記近赤外撮像の撮像対象である関心領域を決定するステップと、前記プローブ上の少なくとも1つの入力チャネルから前記関心領域に対して光を入射するステップと、前記入力チャネルにより入射され、前記組織内を伝播する光を少なくとも1つの検出チャネルによって検出するステップと、前記検出された光を使用して前記関心領域における光学的な特徴量を再構成するステップとを含むものである。
本発明に係るプローブおよび画像再構成方法によれば、近赤外撮像に最低限必要な光入力チャネルおよび検出チャネルの配置を実現することができるので、近赤外撮像における測定時間および画像再構成処理時間を低減することができる。また、ROIに対して無駄な光入力チャネルまたは検出チャネルがないので、プローブ本体が大型化することもない。
さらに、本発明に係るプローブによれば、光入力チャネルおよび検出チャネルの位置を可動させることにより、光入力チャネルおよび検出チャネル間の距離を変更することができる。これにより、近赤外撮像における光路の深さ方向の位置を調整することができ、異なる深さに焦点を合わせることができるので、数多くの入力チャネルおよび検出チャネルを用いることなく、ROIの特定領域に対して所望の近赤外撮像を行うことができる。
図1Aは、本発明の第1の実施形態に係るプローブの外観斜視図である。 図1Bは、本発明の第1の実施形態に係るプローブに対応する関心領域を示す図である。 図2Aは、本発明の第1の実施形態に係るプローブにおいて、1つの光入力チャネルと1つの検出チャネルとによって構成される光路の基本概念を説明するための図(平面図)である。 図2Bは、本発明の第1の実施形態に係るプローブにおいて、1つの光入力チャネルと1つの検出チャネルとによって構成される光路の基本概念を説明するための図(断面図)である。 図2Cは、本発明の第1の実施形態に係るプローブにおいて、光入力チャネルおよび検出チャネル間の距離を変更したときの光路を説明するための図(断面図)である。 図3は、光入力チャネルおよび検出チャネル間の光路を算出するためのフローチャートである。 図4Aは、図2Aの配置において光が伝播する確率が最も高い光路とROIとの関係を示す図である。 図4Bは、図2Aおよび図4Aに示す光入力チャネルおよび検出チャネルの配置における光路とROIとの関係を示す断面図である。 図5Aは、図1Aに示すプローブにおける第2入力チャネルおよび第2検出チャネルの配置を説明するための図である。 図5Bは、図5Aに示す第2入力チャネルおよび第2検出チャネルの配置における光路とROIとの関係を示す断面図である。 図6は、第2入力チャネルおよび第2検出チャネルが複数列に配置された図である。 図7は、図1Aに示すプローブにおける第1入力チャネルと第1検出チャネルの配置を説明するための図である。 図8Aは、上側領域には第1入力チャネルのみを配置し、下側領域には第1検出チャネルのみを配置した場合における全ての光路を示す図である。 図8Bは、上側領域には1つの光入力チャネルと2つの検出チャネルを配置し、下側領域には2つの光入力チャネルと1つの検出チャネルを配置した場合における全ての光路を示す図である。 図9は、本発明の第1の実施形態に係るプローブにおいて、プローブを設計するための主な設計手順を示すフローチャートである。 図10Aは、本発明の第2の実施形態に係るプローブの外観斜視図である。 図10Bは、本発明の第2の実施形態に係るプローブにおいて、2つの光路が交差する様子を説明するための図である。 図10Cは、本発明の第2の実施形態に係るプローブにおいて、2つの光路が交差する様子を説明するための図(図10AのA−A’線に沿って切断した断面図)である。 図11Aは、本発明の第3の実施形態に係るプローブの外観斜視図である。 図11Bは、本発明の第3の実施形態に係るプローブにおいて、2つの光路が交差する様子を説明するための図である。 図11Cは、本発明の第3の実施形態に係るプローブにおいて、2つの光路が交差する様子を説明するための図(図11AのA−A’線に沿って切断した断面図)である。 図12は、本発明の第4の実施形態に係るプローブの外観斜視図である。 図13Aは、本発明の第4の実施形態に係るプローブにおける固定部の外観斜視図である。 図13Bは、本発明の第4の実施形態に係るプローブにおける上可動部または下可動部の外観斜視図である。 図13Cは、本発明の第4の実施形態に係るプローブにおける保持部の外観斜視図である。 図14は、本発明の第5の実施形態に係るプローブの外観斜視図である。 図15Aは、本発明の第6の実施形態に係るプローブを説明するための図である(ROIが浅部の場合)。 図15Bは、本発明の第6の実施形態に係るプローブを説明するための図である(ROIが深部の場合)。 図16は、本発明の第7の実施形態に係る近赤外撮像システムの構成を示すブロック図である。
以下、本発明に係るプローブ、当該プローブを用いた光学測定方法、当該プローブを用いた画像再構成方法、および、当該プローブを用いた近赤外撮像システムについて、実施形態に基づいて図面を参照しながら説明する。
なお、以下説明する本発明の実施形態に係るプローブは、生体組織の内部を伝播して組織表面に伝達される光を測定するための近赤外撮像用のプローブである。なお、以下の実施形態においては、まず、プローブにおける光入力チャネルおよび検出チャネルの配置を中心に説明し、光入力チャネルおよび検出チャネルの配置に関する設計方法および近赤外撮像システムについては後述する。
また、各図において、X軸、Y軸およびZ軸は互いに直交しており、X軸およびY軸によって構成されるX−Y平面は、プローブ本体の測定面と略平行である。また、Z軸は、撮像対象である生体組織の深さ方向を表している。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態に係るプローブについて、図1Aおよび図1Bを用いて説明する。図1Aは、本発明の第1の実施形態に係るプローブの外観斜視図である。また、図1Bは、本発明の第1の実施形態に係るプローブに対応する関心領域を示す図である。
図1Aに示すように、本発明の第1の実施形態に係るプローブ10は、撮像対象である組織の関心領域(観察領域)に対して近赤外撮像を行うためのプローブであって、プローブ本体11と、複数の光入力チャネル13a〜13hと、複数の検出チャネル14a〜14hとを備える。さらに、本実施形態に係るプローブ10は、超音波振動子12を備える。
プローブ本体11は、矩形状の測定面を有し、複数の光入力チャネル13a〜13h、複数の検出チャネル14a〜14hおよび超音波振動子12が配置されるものである。なお、本実施形態において、プローブ本体11の測定面は、X−Y平面に略平行な平面状である。
各光入力チャネル13a〜13hは、プローブ本体11の下部(測定面)に位置する測定対象である生体組織(下部組織)に対して光を入射するものであり、プローブ上の光源である。各光入力チャネル13a〜13hから生体組織内に入射された光は、当該生体組織によって吸収されたり生体組織に拡散されたり等により生体組織に反応する。
なお、各光入力チャネル13a〜13hから下部組織に出射する光は全方位に進行する。すなわち、各光入力チャネル13a〜13hからの光は、測定面から下部組織に対して同心半球状に進行する。また、本実施形態において、光入力チャネル13a〜13hは、光源ファイバであり、光ファイバによってプローブ10の外部に設けられた光源に接続されている。プローブ外部の光源としては、例えば、半導体レーザを用いることができる。
各検出チャネル14a〜14hは、各光入力チャネル13a〜13hから入射されて生体組織内のある領域に伝播された光を受光するものであり、プローブ上における光検出器である。各検出チャネル14a〜14hは、各光入力チャネル13a〜13hからの光を受光する位置に配置されている。
本実施形態において、各検出チャネル14a〜14hは、検出器ファイバであり、光ファイバによってプローブ10の外部に設けられた光電変換装置に接続されている。なお、各検出チャネル14a〜14hそのものが光電変換機能を有していても構わない。この場合、各検出チャネルは、変換した電気信号を外部に出力するために、光ファイバではなく電気信号線に接続される。
また、各検出チャネル14a〜14hは、各光入力チャネル13a〜13hからの光を選択的に検出することができる。すなわち、1つの検出チャネルは、全ての光入力チャネルからの光を検出することが可能であるとともに、各光入力チャネルからの光を時間を異ならせて連続的に検出することができる。
超音波振動子12は、生体組織に対して超音波を入射するとともに、生体組織で反射するエコーを受信するものであり、プローブ本体11の中央部に設けられる。超音波振動子12は、複数の圧電素子などによって構成することができる。
また、本実施形態では、超音波振動子12の超音波撮像による撮像領域を関心領域(ROI)として決定することができる。但し、ROIは、超音波撮像による撮像領域に限るものではなく、近赤外撮像時における撮像領域のことをROIとする場合もあり、撮像時における観察対象である。
すなわち、本実施形態に係る関心領域(ROI)16は、近赤外撮像または超音波撮像における撮像対象の領域であり、図1Bに示すように、プローブ本体11の下部側(組織側)に位置する三次元領域である。そして、ROI16をプローブ本体11に対してX−Y平面の2次元領域に投影した場合における2次元領域をプローブ本体11の特定領域16aとすると、本実施形態では、このプローブ本体11の特定領域16aと超音波振動子12が配置される領域とが一致する。なお、図1Bにおいて、特定領域16aは、太破線で囲まれる領域として図示している。
また、本実施形態に係るプローブ10において、超音波振動子12が配置される領域、すなわち、特定領域16aを基準領域として、当該基準領域に隣接する隣接領域を次のように定義する。すなわち、図1Aに示すように、本実施形態では矩形状の超音波振動子12または特定領域16aの基準領域に対し、超音波振動子12の左側に位置する領域であって超音波振動子12の左辺に隣接する領域を左側領域17とし、超音波振動子12の右側に位置する領域であって超音波振動子12の右辺に隣接する領域を右側領域18とし、超音波振動子12の上側に位置する領域であって超音波振動子12の上辺に隣接する領域を上側領域19とし、超音波振動子12の下側に位置する領域であって超音波振動子12の下辺に隣接する領域を下側領域20する。
また、超音波振動子12の右斜め上方に位置する領域であって、上側領域19の右側に位置するとともに右側領域18の上側に位置する領域を右斜め上側領域45とし、超音波振動子12の右斜め下方に位置する領域であって、下側領域20の右側に位置するとともに右側領域18の下側に位置する領域を右斜め下側領域46とし、超音波振動子12の左斜め下方に位置する領域であって、下側領域20の左側に位置するとともに左側領域17の下側に位置する領域を左斜め下側領域47とし、超音波振動子12の左斜め上方に位置する領域であって、上側領域19の左側に位置するとともに左側領域17の上側に位置する領域を左斜め上側領域48とする。
本実施形態において、これらの左側領域17、右側領域18、上側領域19、下側領域20、右斜め上側領域45、右斜め下側領域46、左斜め下側領域47および左斜め上側領域48は、光入力チャネル13および検出チャネル14を配置する領域として利用できる。
なお、本実施形態において、左側領域17、右側領域18、上側領域19、下側領域20、右斜め上側領域45、右斜め下側領域46、左斜め下側領域47および左斜め上側領域48の各領域は、超音波振動子12が配置される矩形状の領域に基づいて定義したが、これに限らない。
例えば、超音波振動子12がない場合であっても、ROI16に対応する特定領域16aに基づいて、各領域を上記と同様にして定義することができる。また、超音波振動子12の配置領域または特定領域16aの基準領域の形状は矩形状でなくてもよく、この場合、超音波振動子12の配置領域または特定領域16aにおける不特定形状の2次元領域において、X軸方向の最大長さとY軸方向の最大長さに基づいて基準領域を決定した上で、上記の各領域を定義すればよい。すなわち、当該2次元領域におけるX軸方向の最大長さとY軸方向における最大長さによって決定される矩形領域を基準領域とする。そして、当該矩形領域に変換した基準領域の左側、右側、上側、下側、右斜め上側、右斜め下側、左斜め下側および左斜め上側の8領域を、それぞれ、左側領域、右側領域、上側領域、下側領域、右斜め上側領域、右斜め下側領域、左斜め下側領域および左斜め上側領域と定義すればよい。つまり、2次元領域を矩形状の基準領域とみなすことにより、当該基準領域に対して上記の8領域を定義することができる。
ここで、測定対象の体内組織の境界に位置する複数の適切な点から、より多くの情報を伝達する測定値を取得することにより、画像再構成における不良設定問題は軽減される。したがって、光入力チャネルおよび検出チャネルの配置は重要である。以下、光入力チャネルおよび検出チャネルの配置について、詳細に説明する。
なお、以下の説明は、超音波振動子12が備えられていることを前提に記載するが、上述のとおり、超音波振動子12がなくとも本実施形態における方法は適用可能である。すなわち、超音波振動子12を設けずにプローブ10を構成しても構わない。この場合、本実施形態において、超音波振動子12は主にROIを決定するのに使用されているが、超音波振動子12がない場合、ROIは光入力チャネル13または検出チャネル14とは別の手段(センサ等)により決定されるか、またはROIは予め設定しておくことが可能である。また、超音波振動子12が配置された領域には、超音波振動子12だけでなく、X線プローブ、磁気プローブ、または他の光プローブを配置することもできる。あるいは、超音波振動子12が配置された領域には何も配置しなくてもよい。
図1Aに示すように、本実施形態に係るプローブ10は、下側領域20に配置された第1入力チャネル131と、上側領域19に配置された第1検出チャネル141とを備える。
本実施形態において、第1入力チャネル131は、6つの光入力チャネル13a〜13fによって構成されており、2行3列のマトリクス状に配置されている。また、第1検出チャネル141は、6つの検出チャネル14a〜14fによって構成されており、2行3列のマトリクス状に配置されている。光入力チャネル13a〜13fと検出チャネル14a〜14fとは、上下に分けて配置されている。
なお、本実施形態において、第1入力チャネル131は下側領域20に配置し、第1検出チャネル141は上側領域19に配置したが、第1入力チャネル131を上側領域19に配置し、第1検出チャネル141を下側領域20に配置しても構わない。但し、第1入力チャネル131および第1検出チャネル141は、上側領域19および下側領域20の一方の領域のみに集めて配置する。すなわち、第1入力チャネル131が配置される領域には第1検出チャネル141は配置されておらず、逆に、第1検出チャネル141が配置される領域には第1入力チャネル131は配置されていない。
また、本実施形態に係るプローブ10は、左側領域17に配置された第2入力チャネル132と、右側領域18に配置された第2検出チャネル142とを備える。
本実施形態において、第2入力チャネル132は、2つの光入力チャネル13gおよび13hによって構成されており、横一列に並んで配置されている。また、第2検出チャネル142は、2つの検出チャネル14gおよび14hによって構成されており、横一列に並んで配置されている。これらの光入力チャネル13gおよび13hと検出チャネル14gおよび14hとは、左右に分けて配置されている。
なお、各検出チャネル14a〜14hは、光入力チャネル13a〜13hが配置される領域にかかわらず、全ての光入力チャネル13a〜13hからの光を受光することができる。
ここで、画像再構成に関する不良設定問題の影響を低減するためには、より多くの測定値が得られるように、より多くの光入力チャネルおよび検出チャネルを配置することが好ましい。
しかしながら、空間上の制約、コスト効率などの実用的な理由から、プローブ本体11には、限られた数の入力チャネルおよび検出チャネルしか設けることができない。光入力チャネルおよび検出チャネルの総数をそれぞれNおよびMとすると、使用可能な測定値の最大数はN×Mで表される。そして、画像再構成に有用なすべてのN×Mの測定値を算出するには、N個の各光入力チャネルからM個の各検出チャネルへと入力される全ての光路が、撮像対象のROIの少なくとも一部分を通過するように、N個全ての光入力チャネルおよびM個全て検出チャネルを配置することが好ましい。
なお、近赤外撮像と超音波撮像とを組み合わせて用いる場合、近赤外撮像のROIは、通常、超音波撮像におけるROIと同じに設定されている。近赤外撮像と超音波撮像とを併用する場合、まず、超音波撮像の結果が先に取得される。そして、ROIを同じに設定するために、近赤外撮像における画像再構成のための事前情報として前記超音波撮像における撮像画像を利用することができる。例えば、超音波撮像によって、仮に腫瘍が検出される場合、腫瘍および腫瘍の周囲により注意が向けられる。そして、より精細な解像度を得るために、近赤外撮像の焦点を腫瘍とその腫瘍の隣接部分に合わせることになる。いずれの場合も、近赤外撮像により再構成される組織におけるROIが完全に光路で覆われる必要がある。すなわち、適切な光入力チャネルおよび検出チャネルの配置が重要かつ必要である。
以下、光入力チャネルと検出チャネルとの間における光路について、図2A〜図2Cを用いて説明する。図2A〜図2Cは、本実施形態に係るプローブにおいて、1つの光入力チャネルと1つの検出チャネルとによって構成される光路の基本概念を説明するための図であり、図2Aはその平面図であり、図2Bおよび図2Cはその断面図である。なお、図2Aに示す超音波振動子12に隣接する8領域については、図1Aと同様の方法によって8分割し、同じ符号を用いて表した。
図2Aに示すように、左側領域17に1つの光入力チャネル13を配置し、右側領域18に1つの検出チャネル14を配置し、光入力チャネル13と検出チャネル14とを所定の離隔距離L1で配置した場合について説明する。この場合、図2Bに示すように、光入力チャネル13から生体組織内に入射して検出チャネル14によって検出される光の伝播領域である光路は、バナナ型の形状をなぞらっており、バナナ型の伝播領域の境界である断面における境界線24および境界線26に囲まれている。このとき、光が伝播する領域とは、吸収係数の変化に対してある閾値以上の感度を有する領域であり、光が伝播する確率で表すことができる。バナナ型の光が伝播する領域において、太線で示される中央線25は光が伝播する確率が最も高い光路を示しており、境界線24および26によって囲まれる伝播領域の内部において、光が伝播する確率は、中央の中央線25から上外側の境界線24にかけて、また、中央線25から下外側の境界線26にかけて、それぞれ減少する。なお、バナナ型の光の伝播領域の外部において、光が伝播する確率はごくわずかである。このように、光入力チャネルおよび検出チャネル間において、光はバナナ状の弧を描いて体内組織内の所定の領域を伝播する。このとき、光が伝播する領域とは、吸収係数の変化に対してある閾値以上の感度を有する領域である。
また、図2Cに示すように、検出チャネル14が検出チャネル14’に置き換えられた場合、すなわち、光入力チャネル13と検出チャネル14’との間の離隔距離を距離L2として図2Bに示す離隔距離L1よりも長くなった場合、光路は、体内組織内におけるより深い領域を覆うことになる。なお、この場合の光路も、光が伝播する確率が最も高い光路として太線で示される中央線27を含むとともに境界線28および境界線29によって囲まれるバナナ型の伝播領域である。
このように、光路は、光入力チャネルおよび検出チャネル間の距離とその位置によって異なる。すなわち、光が伝播する領域は光入力チャネルと検出チャネルとの配置に依存して変化し、光入力チャネルと検出チャネルとの離隔距離が長ければ長いほど、光は、体内組織内のより深い方の領域を伝播することになる。したがって、光路がROIを覆うように光入力チャネルおよび検出チャネル間の離隔距離を適切に設定する必要がある。
また、腫瘍の検出感度は腫瘍領域を通過する光量に依存するため、光入力チャネルおよび検出チャネルの配置は解像度の性能を左右する重要な要素となる。
このような光路および光路境界は、ヤコビ行列で表される感度に基づいて決定される。すなわち、光入力チャネル(光源S)および検出チャネル(検出器D)について、光入力チャネル(光源S)および検出チャネル(検出器D)間の光路は、図3のステップにより算出される。図3は、光入力チャネルおよび検出チャネル間の光路を算出するためのフローチャートである。
図3に示すように、まず、ステップS400において、撮像対象のROI(撮像ROI)を複数のボクセルに分割する。
次に、ステップS401において、撮像ROIのすべてのボクセルに対応するヤコビ行列を算出する。これにより、式(1)に示すように、光学パラメータの変動と測定値の変化との関係を定義する。
ここで、mSDは、Sが光入力チャネル(光源)の場合の検出チャネル(検出器D)からの測定値を表し、μx,y,zは(x,y,z)の位置におけるボクセルに対応する光学パラメータを表し、行列の各要素は各ボクセルにおける光学パラメータの変動が測定値の変化にどの程度寄与するかを示す感度に相当する。
次に、ステップS402において、式(2)に示すように、ROIのすべてのボクセルに対する光路行列を算出する。
ここで、TSDは、光入力チャネル(光源S)および検出チャネル(検出器D)の組で構成されるシステムのノイズレベルによって決定される閾値を示す。各ボクセルの光学パラメータを算出するためには、mSDの変動値が測定ノイズよりも大きな値をとる必要がある。また、システムのノイズレベルは事前に推定することが可能である。よって、光路における全てのボクセルがB(x,y,z)=1の条件を満たすように、光路境界が決定される。
このようにして、近赤外撮像における光路がROIを覆うように光入力チャネルおよび検出チャネルの配置を適切に設定することができる。
さらに、光入力チャネルおよび検出チャネル間の測定値からより多くの情報を取得するためには、近赤外撮像における光路が超音波撮像によって設定されたROIの外部を伝播することを最小限にする一方、近赤外撮像における光路と超音波撮像によって設定されたROIとの重複部分を最大にして、超音波撮像によって設定されたROI内における測定対象の体内組織と、近赤外撮像における入力光との相互作用を大きくすることが望ましい。
そこで、本実施形態に係るプローブ10では、近赤外撮像のROIに対して、全ての光入力チャネルと全ての検出チャネルとにおける全ての組み合わせの光路がROIを通過するように設計されている。また、近赤外撮像における2つの光路が3次元的に立体交差するように、および/または、2つの光路の少なくとも一部同士が重なって交差するように設計されている。以下、このプローブの設計方法について説明する。
第1のステップにおいて、2次元上の超音波撮像平面と、光入力チャネルとおよび検出チャネルを結ぶ直線とが平行となるように、光入力チャネルおよび検出チャネルを配置する(ここでは、超音波撮像とは2次元撮像を想定しており、3次元撮像については後述する)。
例えば、上述の図2Aに示されるように、1次元配列された複数の圧電素子81を有する超音波振動子12がプローブの中心に配置される場合、1つの配置案として、超音波振動子12の長軸(X軸)方向に沿って光入力チャネル13および検出チャネル14をそれぞれ左側領域17および右側領域18に配置する。図4Aは、図2Aの配置において光が伝播する確率が最も高い光路15とROI16との関係を示す図である。
図2Aおよび図4Aに示すように、光入力チャネル13と検出チャネル14とが配置された場合、光入力チャネル13と検出チャネル14とを結ぶ直線が超音波撮像平面(X−Z平面)に対して平行であることが分かる。また、この場合、光が伝播する確率が最も高い光路15の大部分は、超音波撮像によって設定されたROI16に覆われていることが分かる。
一方、光入力チャネル13および検出チャネル14が、それぞれ上側領域19および下側領域20に、図2Aおよび図4Aに示す場合と同じ離隔距離を保った状態で配置された場合、光入力チャネル13と検出チャネル14とを結ぶ直線は、超音波撮像平面(X−Z平面)を横断することになり、光路15はROI16にあまり覆われなくなる。
実際に、光入力チャネル13と検出チャネル14とを結ぶ直線と、超音波撮像平面とのなす角度は、各実施形態に応じて小さくなるよう設定される。例えば、図2Aにおいては、光入力チャネル13と検出チャネル14との中心部が、それぞれ左側領域17および右側領域18の内部に位置するように配置した。
しかしながら、図2Aおよび図4Aの配置における光路は、超音波撮像におけるROIのわずかな部分しか覆わない。実際のところ、光入力チャネル13および検出チャネル14間の最短離隔距離は超音波振動子12のX軸方向の長さよりも短くすることができないため、前記光路が超音波撮像におけるROIに覆われる範囲が狭まる。
これは、図4Bに示されたバナナ型の光路の断面図より、バナナ型の光路における境界線37および境界線38に囲まれた領域42のみが前記超音波撮像におけるROIに覆われることがわかる。なお、図4Bは、図2Aおよび図4Aに示す光入力チャネル13および検出チャネル14の配置における光路とROIとの関係を示す断面図である。
したがって、ROIにおいて、より多くの領域を近赤外撮像時の光路によって覆うためには、より多くの光入力チャネルと検出チャネルとを配置することが好ましい。
そこで、図5Aに示すように、より長い離隔距離を有する追加の光入力チャネル33および検出チャネル34を、それぞれ超音波振動子12の左側領域17および右側領域18に配置する。図5Aは、図1Aに示すプローブにおける第2入力チャネルおよび第2検出チャネルの配置を説明するための図である。なお、図5Aでは、図1Aに示したような上側領域19および下側領域20に配置される第1入力チャネルおよび第1検出チャネルは省略している。また、図5Bは、図5Aに示す第2入力チャネルおよび第2検出チャネルの配置における光路とROIとの関係を示す断面図である。
図5Aに示されるように、これらの光入力チャネル13および33と検出チャネル14および34とは1列に配置されている。また、図5Bに示すように、2つの光路によってROI16の中心線35が切れ間なく覆われるように、さらに、ROI16においていずれかの光路によりカバーされる領域が最大となるように、2つの光入力チャネル13および33間の間隔が、2つの検出チャネル14および34間の間隔と等しくなるよう設定される。
なお、図5Bにおいて、外側に追加配置される光入力チャネル33および検出チャネル34間の離隔距離は、プローブ本体11が実用面で大き過ぎない程度に設定されることが好ましい。
また、図5Aに示された配置以外に、図6に示されるように、Y軸方向におけるROIの幅広い領域を覆うように、Y軸方向の複数列に第2入力チャネル132および第2検出チャネル142を配置することも可能である。
なお、左側領域17および右側領域18に光入力チャネルおよび検出チャネルを配置した場合、図5Bに示すように、表面に近い領域43は光路の範囲外となる場合がある。また、左側領域17および右側領域18のスペースには限りがある。したがって、画像再構成における不良設定度を低減するには、より多くの測定値が必要である。
そこで、第2のステップでは、光入力チャネルと検出チャネルとを結ぶ直線が2次元の超音波撮像平面を横断するように、光入力チャネルおよび検出チャネルを配置する。
これは、第1入力チャネル131および第1検出チャネル141を超音波振動子12の上側領域19および下側領域20に配置することにより構成することができる。
例えば、光入力チャネルおよび検出チャネルを超音波振動子12の左側領域および右側領域に配置するのと同様に、図7に示されるように、2つの光入力チャネル13aおよび13bと、2つの検出チャネル14aおよび14bが縦1列に並ぶように配置する。これら2つの光入力チャネル13aおよび13bと2つの検出チャネル14aおよび14bとによって、図7の点線で示すようにバナナ型の光路71が形成される。
また、本実施形態では、超音波振動子12の長さL12がバナナ型の光路71の幅L71(X軸方向の距離)よりもかなり長いため、2つの光入力チャネルおよび2つの検出チャネルは、Y軸方向に一列のみ配置するだけでは、組織表面に近い領域全体を覆うには十分ではない。
したがって、Y軸方向に直線状に配置する光入力チャネルおよび検出チャネルの列を追加して、複数の列とすることが好ましい。本実施形態では、図7に示されるように、2つの光入力チャネル13aおよび13bと2つの検出チャネル14aおよび14bとで構成される左側の列に加えて、2つの光入力チャネル13cおよび13dと2つの検出チャネル14cおよび14dとで構成される中央の列と、2つの光入力チャネル13eおよび13fと2つの検出チャネル14eおよび14fとで構成される右側の列とを加えて、X軸方向と平行に3列の光入力チャネルと検出チャネルとを配列した。なお、光入力チャネル13cおよび13dと検出チャネル14cおよび14dとによって図7の点線で示すようなバナナ型の光路72が形成され、光入力チャネル13eおよび13fと検出チャネル14eおよび14fとによって図7の点線で示すようなバナナ型の光路73が形成される。
また、平行に並べる上記列の最小数Kは以下の式(3)で算出される。
ここで、ceil(x)は、X以上の最小整数値に値を切り上げる関数であり、l41およびl71はそれぞれ超音波振動子12の長さL41および一列あたりのバナナ型の光路のX軸方向の長さ(幅)L71を表す。
上述のとおり、図7においては、各列に2つの光入力チャネルおよび2つの検出チャネルを備えた合計3つの列が用いられている。また、各列は等間隔で均一に並べられており、また、隣接する列同士は、各バナナ型の光路(71と72、72と73)がわずかに重複するようにして配置されている。
このように、より有用な測定値を得るために新たな列を設けて複数列とする場合、新たに設ける光入力チャネルは、既に配置した光入力チャネルと同じ側に、また、新たに設ける検出チャネルは、既に配置した検出チャネルと同じ側に配置する。すなわち、複数の光入力チャネルまたは複数の検出チャネルを設ける場合、左側領域17、右側領域18、上側領域19、下側領域20、右斜め上側領域45、右斜め下側領域46、左斜め下側領域47または左斜め上側領域48の各領域において、同一領域には光入力チャネルと検出チャネルとを混ぜて配置せずに、同一領域には光入力チャネルのみまたは検出チャネルのみを設けることが好ましい。この点について、図8Aおよび図8Bを用いて説明する。図8Aは、下側領域には第1入力チャネル131のみを配置し、上側領域には第1検出チャネル141のみを配置した場合における全ての光路を示す図である。また、図8Bは、上側領域には1つの光入力チャネル130と2つの検出チャネル140を配置し、下側領域には2つの光入力チャネル130と1つの検出チャネル140を配置した場合における全ての光路を示す図である。
図8Aに示すように、同一領域に光入力チャネルのみまたは検出チャネルのみを集めて配置した方が、図8Bに示すように、同一領域に光入力チャネルと検出チャネルとを分散させて配置するよりも、ROI16を通過する光路の数が多いことが分かる。すなわち、図8Aに示す配置では、第1入力チャネル131と第1検出チャネル141との組み合わせ(ペア)において全てのペアの光路がROI16を通過している。これに対し、図8Bに示す配置では、ROI16を通過する光路が減少し、ROI16を通過しない無駄な光路が生じていることが分かる。
このように、複数列に亘って光入力チャネルと検出チャネルとを配置する場合は、同一領域においては光入力チャネルのみまたは検出チャネルのみを集めて設けることが好ましい。これにより、無駄な光路を削減することができるとともに、広い範囲のROIを覆うことができる。
なお、図8Aおよび図8Bにおいては、上側領域および下側領域における配置について説明したが、このような光入力チャネルおよび検出チャネルの配置方法は、その他の領域において適用することも可能である。
このように、新たな光入力チャネルおよび検出チャネルをプローブに加える場合は、新たに加える光入力チャネルおよび/または検出チャネルから、既に配置された光入力チャネルおよび/または検出チャネルまでの光路が、ROIを最大に覆うように考慮することが好ましい。また、第2のステップにおいて説明した、光入力チャネルおよび検出チャネルの複数列を配置する場合については、第1のステップにおいても適用することが可能である。
次に、本実施形態に係るプローブを設計するための設計手順、すなわち、光入力チャネルおよび検出チャネルのレイアウト設計について、図1Aを参照しながら、図9を用いて説明する。図9は、本発明の第1の実施形態に係るプローブにおいて、プローブを設計するための主な設計手順を示すフローチャートである。
まず、図9に示すように、プローブ本体の所定の位置に超音波振動子を配置する(S300)。
次に、1つ以上の第2入力チャネル132および1つ以上の第2検出チャネル142を、超音波振動子12の左側領域17および右側領域18に配置する(S301)。
次に、左側領域17または右側領域18に配置された第2入力チャネル132から、当該第2入力チャネル132に対応する右側領域18または左側領域17に配置された第2検出チャネル142までの各光路を確認し、少なくともいずれか1つの光路とROIとの重複度合いが、所定の第1閾値以上であるか否かを確認する(S302)。
確認の結果、前記重複度合いが所定の第1閾値未満である場合は、ステップS301に戻り、前記重複度合いが所定の第1閾値以上である場合は、次のステップに進む。
次に、1つ以上の第1入力チャネル131および1つ以上の第1検出チャネル141を、超音波振動子12の上側領域19および下側領域20に配置する(S303)。
次に、上側領域19または下側領域20に配置された第1入力チャネル131から、当該第1入力チャネル131に対応する下側領域20または上側領域19に配置された第1検出チャネル141までの各光路を確認し、少なくともいずれか1つの光路とROIとの重複度合いが、所定の第2閾値以上であるか否かを確認する(S304)。
確認の結果、前記重複度合いが所定の第2閾値未満である場合は、ステップS303に戻り、前記重複度合いが所定の第2閾値以上である場合は、次のステップに進む。
次に、上側領域19に配置された第1入力チャネル131または第1検出チャネル141から、下側領域20に配置された第1検出チャネル141または第1入力チャネル131までの上下方向における光路が、左側領域17に配置された第2入力チャネル132または第2検出チャネル142から、右側領域18に配置された第2検出チャネル142または第2入力チャネル132までの左右方向における光路とが、所定の第3閾値以上で重複するか否かを判定する(S305)。
判定の結果、上下方向の光路と左右方向の光路とが所定の第3閾値以上で重複しない場合(第3閾値未満の場合)、ステップS304に戻る。また、上下方向の光路と左右方向の光路とが所定の第3閾値以上で重複する場合は、設計は終了する。
次に、このプローブの設計方法について、図1A及び図9を参照しながら、より具体的に説明する。
ステップS300において、1次元または2次元に配列された複数の圧電素子を有する超音波振動子12がプローブ本体11の中心に配置される。この場合、超音波撮像の撮像領域が2次元であるか3次元であるかに加えて、超音波振動子の種類およびサイズを考慮することが好ましい。複数の圧電素子がX軸方向に1次元配列されたものである場合、超音波撮像平面はX−Z平面として設定される。ここで、Z軸は深さを表し、X軸は前記圧電素子が配置される方向の軸を表す。3次元超音波撮像として使用する場合は、複数の圧電素子は2次元配列される。この場合、超音波振動子の長い方の辺がX軸として定義されるか、またはX軸およびY軸方向の超音波振動子の両辺が同じ長さであれば、いずれかの辺がX軸として定義される。3次元超音波撮像として複数の圧電素子を2次元配列する場合、超音波撮像平面がX−Z平面となるようX軸が定義される。なお、Z軸は深さを表している。また、超音波振動子12の周囲の領域は、図1Aに示すような領域として定義することができる。
ステップS301において、1つ以上の第2入力チャネル132および1つ以上の第2検出チャネル142が超音波振動子12の左側領域17および右側領域18に配置される。なお、第2入力チャネル132および第2検出チャネル142を複数個で構成する場合は、それぞれ同数の光入力チャネルおよび検出チャネルが配置された列を、1つ以上配置することが好ましい。
さらに、各列において、複数の光入力チャネルおよび/または複数の検出チャネルが配置された場合、隣接する列において、一方の列の光入力チャネルおよび/または検出チャネルから他方の列の光入力チャネルおよび/または検出チャネルへの複数の光路の重複度合いが、ある閾値よりも低くなるように、光入力チャネルおよび検出チャネル間の間隔が設定される。このように設定しない場合、隣接する列において、一方の列の光入力チャネルおよび/または検出チャネルから他方の列の光入力チャネルおよび/または検出チャネルとの間の測定値の冗長性が過度に高くなる。
さらに、X−Z平面上の中心線35に沿った光路の不連続度合い(ここで、不連続とは、いずれの光路においても包含されないことを示す)が、ある閾値よりも小さくなるよう前記間隔が決定される。
また、列が複数ある場合、2つの隣接する列をわずかに重複させるように設定する。これにより、ROIが切れ目なく含まれるように複数の光路で覆うことができる。なお、超音波撮像におけるROIのY軸方向における横幅を覆うのに必要な最小数の列は、X軸方向に対する列数の算出と同様に、式(3)により算出することが可能である。3次元超音波撮像に使用される2次元配列された超音波振動子においては、多くの場合、複数列が必要となる。
第2入力チャネル132および第2検出チャネル142を超音波振動子12の左側領域17および右側領域18に配置した後、ステップS302において、第2入力チャネル132から対応する第2検出チャネル142までの各光路を確認し、超音波撮像によって予め定められた優先度の高いROIと前記光路との重複度合いが、所定の第1閾値以上であるか否かを確認する。
所定のROIと光路とが重複するかどうかは、式(2)により決定される。この条件が満たされない場合、ステップS301に戻って当該条件が満たされるまで第2入力チャネル132および第2検出チャネル142の再配置を行う。
ステップS303において、1つ以上の第1入力チャネル131および1つ以上の第1検出チャネル141が、超音波振動子12の上側領域19および下側領域20に配置される。配置の方法は、ステップS301と同様の方法で行うことができる。また、第1入力チャネル131および第1検出チャネル141を複数個で構成する場合、ROIを覆うのに必要な列の数は、式(3)で算出することができる。
ステップS304はステップS302と同様であり、ステップS303によって配置された第1入力チャネル131から対応する第1検出チャネル141までの各光路を確認し、超音波撮像におけるROIと前記光路との重複度合いが、所定の第2閾値以上であるか否かを確認する。
また、さらなる条件を加えることも可能である。例えば、ROIと重複しない光路の数を所定の割合より低くするような条件を加えてもよい。
なお、超音波振動子12のY軸方向における長さがX軸方向における長さより短い場合、特に1次元配列された超音波振動子によくあてはまるが、光入力チャネルおよび検出チャネルを超音波振動子12の左側領域17および右側領域18に配置するよりも、上側領域19および下側領域20に配置する方が、表面に近い領域を撮像する場合にはより適している。これは、光入力チャネルおよび検出チャネル間の距離が長くなればなるほど、光路の深さがより深くなるからである。
そのような場合に、超音波振動子12の上側領域19および下側領域20に配置された第1入力チャネル131および第1検出チャネル141の撮像領域が少なくともROIの表面に近い領域と重複し、超音波振動子12の左側領域17および右側領域18に配置された第2入力チャネル132および第2検出チャネル142の撮像領域が少なくともROIのより深い領域と重複するように領域を決定することが可能である。ここで、表面に近い領域およびより深い領域は、あらかじめ定義されており、両領域は互いに重複してもよい。
ステップS305は、上側領域19および下側領域20に配置された第1入力チャネル131および第1検出チャネル141によって構成される上下方向における光路が、左側領域17および右側領域18に配置された第2入力チャネル132および第2検出チャネル142によって構成される左右方向における光路とが重複するかどうかを判定するステップである。
ここで、両光路は重複して交差する方が好ましい。光路が重複して交差することにより、1つのボクセルに対して2つの方向からの情報を得ることができ、各ボクセルの光学パラメータの再構成結果における位置精度等を向上させることができる。これは、両光路の重複する部分が増加すればするほど、ヤコビ行列で伝達される互いに独立な情報の数が増加することを意味する。この意味では、例えばヤコビ行列の特異ベクトルの数等が所定の閾値を超えるような一定の条件で配置を決定してもよい。さらに、この両光路の重複部分は、略直交して重複することが好ましい。これにより、画像再構成において吸収係数などの光学パラメータの分布を決定する際の精度をさらに向上させることができる。
なお、上記配置ステップの順序は重要ではなく、上記の実施形態に限定されるものではない。少なくとも、複数の光入力チャネルおよび複数の検出チャネルを、超音波振動子12の上下領域と、左右領域または斜め領域とに配置するように構成することが好ましい。また、図9におけるステップの一部のみを利用してもよい。
以上、本発明の第1の実施形態に係るプローブ10は、複数の光入力チャネルと複数の検出チャネルとによって構成される複数の光路(チャネルペア)がROIの大部分をカバーするとともに、当該光路の数(チャネルペア数)が最小となるようにして、複数の光入力チャネルと複数の検出チャネルとが配置されたものである。
本実施形態では、上側領域19に複数の第1入力チャネル131を配置するとともに下側領域20に複数の第1検出チャネル141を配置し、左側領域17に1つ以上の第2入力チャネル132を配置するとともに右側領域18に1つ以上の第2検出チャネル142を配置した。また、この配置によって構成される複数の光路は、プローブ本体11を平面視したときにおけるROIの全領域をカバーする。また、当該複数の光路は、複数の光入力チャネルと複数の検出チャネルとの離隔距離が互いに異なる複数のチャネルペアで構成されるので深さ方向にも異なる複数の光路が構成される。したがって、異なる深さ方向の複数の光路によって、深さ方向においてもROIの大部分を覆うことができる。しかも、本実施形態における複数の光入力チャネルと複数の検出チャネルとの配置によれば、ROIに対して無関係な光路がほとんど存在しない。
このように、本実施形態に係るプローブ10によれば、ROIに対して無駄な光入力チャネルまたは検出チャネルがないので、体内組織の光学パラメータ情報を取得するために要する測定時間、および、取得した光学パラメータ情報に基づいて画像を再構成するために要する再構成処理時間を低減することができる。また、プローブ本体が大型化することもない。
さらに、本実施形態に係るプローブ10によれば、互いに横切る複数の光路が重複交差するようにして、複数の光入力チャネルと複数の検出チャネルとが配置されている。これにより、1つのボクセルに対して2つの方向からの情報を得ることができるので、画像再構成の精度を向上させることができる。また、本実施形態では、左右方向の光路と上下方向の光路とが略直交するようにして構成されているので、画像再構成の精度をさらに向上させることができる。
なお、本実施形態において、左側領域17、右側領域18、上側領域19および下側領域20に加えて、右斜め上側領域45と、右斜め下側領域46と、左斜め下側領域47と、左斜め上側領域48とにも、追加の光入力チャネルおよび検出チャネルを配置することも可能である。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係るプローブ10Aについて、図10A〜図10Cを用いて説明する。図10Aは、本発明の第2の実施形態に係るプローブの外観斜視図である。また、図10Bおよび図10Cは、本発明の第2の実施形態に係るプローブにおいて、2つの光路が交差する様子を説明する図である。なお、図10Cは、図10AのA−A’線に沿って切断した断面図である。
本発明の第2の実施形態に係るプローブ10Aは、本発明の第1の実施形態に係るプローブ10と基本的な構成は同じである。したがって、図10A〜図10Cにおいて図1Aに示す構成要素と同じ構成要素については、同じ符号を付しており、その詳しい説明は省略する。
図10A〜図10Cに示す本発明の第2の実施形態に係るプローブ10Aが、図1Aに示す本発明の第1の実施形態に係るプローブ10と異なる点は、光入力チャネルおよび検出チャネルの配置である。
超音波撮像におけるROIでは、通常、より深い領域に対してX軸方向およびY軸方向に幅広い領域を確保することが好ましい。したがって、光入力チャネルおよび検出チャネルによって構成する光路がX−Y平面のより幅広い領域を覆うようにして、光入力チャネルおよび検出チャネルを配置することが有益である。
そこで、本実施形態に係るプローブ10Aでは、図10Aに示すように、第2入力チャネルとして、右斜め下側領域46および左斜め下側領域47にそれぞれ1つの光入力チャネル13iおよび13jを配置し、また、第2検出チャネルとして、左斜め上側領域48および右斜め上側領域45にそれぞれ1つの検出チャネル14iおよび14jを配置している。
なお、図10Aでは、左側領域17および右側領域18には、光入力チャネルおよび検出チャネルは配置していない。また、上側領域19および下側領域20には、第1の実施形態と同様の配置によって、第1入力チャネル131および第1検出チャネル141を配置している。
図10Aに示すような構成により複数の光入力チャネルと複数の検出チャネルとを配置することにより、矩形の超音波振動子12の対角方向においても光路を構成することができる。また、図10Bおよび図10Cに示すように、第1入力チャネルの一例である光入力チャネル13cおよび第1検出チャネルの一例である検出チャネル14cによって構成される上下方向の光路74と、第2入力チャネルの一例である光入力チャネル13jおよび第2検出チャネルの一例である検出チャネル14jによって構成される斜め方向の光路75とが、一部重なるように交差している。
以上、本発明の第2の実施形態に係るプローブによれば、右斜め上側領域45、右斜め下側領域46、左斜め下側領域47、左斜め上側領域48に配置された第2入力チャネルおよび第2検出チャネルによって構成される斜め方向の光路が、より深い領域において超音波振動子12の外側領域を覆うことになる。したがって、当該斜め方向の光路が、より深い領域に対してX軸方向およびY軸方向の幅広い領域を覆うことができる。
なお、本実施形態において、右斜め上側領域45、右斜め下側領域46、左斜め下側領域47および左斜め上側領域48には、それぞれ1つの光入力チャネルおよび1つの検出チャネルを配置したが、これに限らない。例えば、各領域に、複数の光入力チャネルまたは複数の検出チャネルを配置するように構成しても構わない。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係るプローブ10Bについて、図11A〜図11Cを用いて説明する。図11Aは、本発明の第3の実施形態に係るプローブの外観斜視図である。また、図11Bおよび図11Cは、本発明の第3の実施形態に係るプローブにおいて、2つの光路が交差する様子を説明する図である。なお、図11Cは、図11AのA−A’線に沿って切断した断面図である。
本発明の第3の実施形態に係るプローブ10Bは、本発明の第1の実施形態に係るプローブ10と基本的な構成は同じである。したがって、図11A〜図11Cにおいて図1Aに示す構成要素と同じ構成要素については、同じ符号を付しており、その詳しい説明は省略する。
図11A〜図11Cに示す本発明の第3の実施形態に係るプローブ10Bが、図1Aに示す本発明の第1の実施形態に係るプローブ10と異なる点は、光入力チャネルおよび検出チャネルの配置である。
本実施形態に係るプローブ10Bは、図11Aに示すように、第2入力チャネルとして、右斜め上側領域45および左斜め上側領域48にそれぞれ1つの光入力チャネル13kおよび13lを配置し、第2検出チャネルとして、左斜め下側領域47および右斜め下側領域46にそれぞれ1つの検出チャネル14kおよび14lを配置している。
なお、図11Aでも、左側領域17および右側領域18には、光入力チャネルおよび検出チャネルは配置していない。また、上側領域19および下側領域20には、第1の実施形態と同様の配置によって、第1入力チャネル131および第1検出チャネル141を配置している。
図11Aに示すように構成により複数の光入力チャネルと複数の検出チャネルとを配置することにより、第2の実施形態と同様に、矩形の超音波振動子12の対角方向においても光路を構成することができる。また、図11Bおよび図11Cに示すように、第2の実施形態と同様に、第1入力チャネルの一例である光入力チャネル13cおよび第2検出チャネルの一例である検出チャネル14cによって構成される上下方向の光路76と、第2入力チャネルの一例である光入力チャネル13kおよび第2検出チャネルの一例である検出チャネル14kによって構成される斜め方向の光路とが、一部重なるように交差している。
さらに、本実施形態に係るプローブ10Bでは、右斜め上側領域45および左斜め上側領域48の領域から上側領域19にかけての上周辺領域における光路と、右斜め下側領域46および左斜め下側領域47から下側領域20にかけての下周辺領域における光路とが含まれるという利点がある。
したがって、第2の実施形態に対して、近赤外撮像によるROIをY軸方向にも広くすることができる。これにより、超音波撮像におけるROIと比べて近赤外撮像におけるROIを広くすることができる。これは、超音波撮像によって腫瘍を発見した場合に、超音波撮像のROIを超えて腫瘍の周囲を近赤外撮像したい場合に有用である。
なお、本実施形態においても、右斜め上側領域45、右斜め下側領域46、左斜め下側領域47および左斜め上側領域48には、それぞれ1つの光入力チャネルおよび1つの検出チャネルを配置したが、これに限らない。例えば、各領域に、複数の光入力チャネルまたは複数の検出チャネルを配置するように構成しても構わない。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態に係るプローブ10Cについて説明する。
前述の本発明の第1〜第3の実施形態に係るプローブでは、光入力チャネルおよび検出チャネルは固定化されている。これに対し、本発明の第4の実施形態に係るプローブ10Cでは、光入力チャネルおよび検出チャネルの位置を調整することができる。
より深い領域に腫瘍が存在する場合、より深い領域における測定値を取得して、前記腫瘍の領域をより精細な解像度で撮像することが望まれる。より深い領域の測定値を得るためには、光路の特性を鑑みると、光入力チャネルおよび検出チャネル間の離隔距離を大きくとることが必要である。この場合、図1Aにおいて、左側領域17および右側領域18に、より多くの光入力チャネルおよび検出チャネルを配置すれば、より深い領域の測定値を得ることができる。あるいは、上側領域19および下側領域20に、より多くの光入力チャネルおよび検出チャネルを配置することによっても、より深い領域の測定値を得ることができる。
しかしながら、単に光入力チャネルおよび検出チャネルの数を増やしただけでは、コストが増大するばかりか、測定時間や再構成処理時間も長くなり、さらには、プローブサイズも大きくなって操作性が低下することにもなりかねない。
そこで、本実施形態に係るプローブ10Cでは、超音波振動子12の上部領域に配置された光入力チャネルまたは検出チャネルと、超音波振動子12の下部領域に配置された検出チャネルまたは光入力チャネルとが、上下方向(Y軸方向)に可動するように構成されている。図12に、一部を可動式にした本発明の第4の実施形態に係るプローブ10Cを示す。図12は、本発明の第4の実施形態に係るプローブの外観斜視図である。
図12に示すように、本発明の第4の実施形態に係るプローブ10Cは、固定部114と、上可動部113と、下可動部115とを備える。固定部114には、超音波振動子12が設けられている。上可動部113および下可動部115は可動式である。上可動部113および下可動部115は、それぞれ固定部114の上部側および下部側に設けられており、上可動部113および下可動部115をスライドさせることにより、上可動部113と下可動部115との間の距離を変化させることができる。
なお、図12に示す本実施形態に係るプローブ10Cにおいて、光入力チャネルおよび検出チャネルの配置は、図10Aに示す本発明の第2の実施形態に係るプローブ10Aの配置と同様である。すなわち、本実施形態に係るプローブ10Cは、図10Aにおける下側領域20、右斜め下側領域46および左斜め下側領域47に対応する下部領域に光入力チャネルが配置されており、また、上側領域19、右斜め上側領域45および左斜め上側領域48に対応する上部領域に検出チャネルが配置されている。したがって、本実施形態に係るプローブ10Cでは、上部領域に対応する上可動部113に複数の検出チャネルが配置されており、下部領域に対応する下可動部115に複数の光入力チャネルが配置されている。
上可動部113および下可動部115の2つの可動部分は個々に動かすことができる。上可動部113および下可動部115の少なくとも一方を可動させることにより、これと連動して下可動部115に配置された光入力チャネルと上可動部113に配置された検出チャネルとの間の離隔距離を変化させることができる。
また、上可動部113および下可動部115の2つの可動部分は、上方向または下方向の異なる方向に同時に動かすことが好ましい。この場合、より深い部分の腫瘍等を撮像する場合は、上可動部113および下可動部115の2つの可動部分を遠ざけるように動かせばよく、また、浅い部分の腫瘍等を撮像する場合は、上可動部113と下可動部115の2つの可動部分を近づけるように動かせばよい。なお、上可動部113と下可動部115の移動量は腫瘍等の撮像対象組織の深さによって決定すればよい。また、上可動部113および下可動部115の可動範囲は、光入力チャネルおよび検出チャネル間の離隔距離が長くなり過ぎて測定が困難にならないような範囲で決定される。
また、本実施形態に係るプローブ10Cは、さらに、位置センサ127を備える。位置センサ127は、上可動部113および下可動部115のそれぞれに設けられている。位置センサ127は、固定部114の任意の部分に取り付けられたセンサ128を基準として、上可動部113および下可動部115の動きを監視する。また、位置センサ127およびセンサ128は、固定部114を基準として上可動部113および下可動部115の動きを記録する。
なお、固定部114の上端部と下端部には、保持部120が設けられている。また、保持部120を介して、上可動部113および下可動部115の位置を調整するための調整部材121が設けられている。上可動部113および下可動部115は、モータコントローラ(図示せず)により自動で、または手動で、調整部材121を調整することによって、可動させることができる。このとき、撮像したい領域の深さに応じて、光入力チャネルおよび検出チャネル間の距離を設定して、上可動部113および下可動部115を可動させればよい。この場合、後述するような光入力チャネルおよび/または検出チャネルの入射角を変更することにより、光路の深さを変更することもできる。
また、上可動部113または下可動部115の移動距離は、ROIの領域に応じて、都度計算して決定しても構わないし、情報処理装置等のメモリに記憶されたテーブルに基づいて、既知の情報をテーブル読み取りによって決定しても構わない。
次に、このように構成される本発明の第4の実施形態に係るプローブ10Cにおいて、固定部114、上可動部113、下可動部115および保持部120の各構成について、図13A〜図13Cを用いて詳述する。図13Aは、本発明の第4の実施形態に係るプローブにおける固定部の外観斜視図である。図13Bは、本発明の第4の実施形態に係るプローブにおける上可動部または下可動部の外観斜視図である。図13Cは、本発明の第4の実施形態に係るプローブにおける保持部の外観斜視図である。
図13Aに示すように、固定部114は、超音波振動子が配置される中央部114aと、中央部114aの両端に接続する2つのアーム114bおよび114cを有する。アーム114bおよび114cは、上可動部113および下可動部115を保持するための構造を含む。本実施形態では、上可動部113および下可動部115を保持するために、アーム114bおよび114cには、上可動部113および下可動部115の両端の凸部を挿入するための凹溝(ガイド)が形成されている。なお、凹溝には、保持部120の凸部も挿入される。
図13Bに示すように、上可動部113は、光入力チャネルまたは検出チャネルが配置される板状部材であり、その両端部には固定部114のアーム114bおよび114cの凹溝に挿入される凸部113aおよび113bが形成されている。なお、下可動部115の構成は、図13Bに示す上可動部113と同様の構成であるので、説明は省略する。
図13Cに示すように、保持部120は、棒状部材であり、その両端には固定部114のアーム114bおよび114cの凹溝に挿入される凸部120aおよび120bが形成されている。また、保持部120は、調整部材121を貫通するための貫通孔124が形成されている。保持部120は、固定部114のアーム114bとアーム114cの間で固定される。
以上、本発明の第4の実施形態に係るプローブ10Cによれば、光入力チャネルおよび/または検出チャネルの位置を変えることができるので、近赤外撮像における光路が超音波撮像におけるROIを覆うようにして、光入力チャネルおよび検出チャネル間の離隔距離を調整することができる。このとき、光入力チャネルおよび検出チャネル間の離隔距離が長くなればなるほど、もっとも光が伝播する確率の高い光路の深さも増す。これにより、より深い部位までの撮像が可能となる。さらに、光入力チャネルおよび検出チャネル間の離隔距離を調整可能とすることができるので、数多くの入力チャネルおよび検出チャネルを用いることなく、異なる深さの部位に焦点を合わせることができる。したがって、撮像したい領域(観察領域)に対して所望の近赤外撮像を行うことができる。
このように、本実施形態では、観察領域に応じて光路を調整することができるので、プローブ面積の増加を抑えつつ、観察領域を拡大することができる。例えば、観察領域が組織の深部の場合は、光入力チャネルおよび検出チャネル間の距離が大きくなるように可動部を調整すればよく、また、観察領域が組織の浅部の場合は、光入力チャネルおよび検出チャネル間の距離が小さくなるように可動部を調整すればよい。
また、このように光入力チャネルおよび/または検出チャネルの位置が可動であるので、撮像時において、光入力チャネルおよび検出チャネル間の離隔距離を適切に保つように、光入力チャネルおよび/または検出チャネルの位置を微調整することもできる。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態に係るプローブ10Dについて、図14を用いて説明する。図14は、本発明の第5の実施形態に係るプローブの外観斜視図である。
本発明の第5の実施形態に係るプローブ10Dは、本発明の第4の実施形態に係るプローブ10Cと基本的な構成は同じである。したがって、図14において図12および図13A〜図13Cに示す構成要素と同じ構成要素については、同じ符号を付しており、その詳しい説明は省略する。
図14に示す本発明の第5の実施形態に係るプローブ10Dが、図12等に示す本発明の第4の実施形態に係るプローブ10Cと異なる点は、光入力チャネルおよび検出チャネルの配置である。
図14に示す本実施形態に係るプローブ10Dにおいて、光入力チャネルおよび検出チャネルの配置は、図1に示す本発明の第1の実施形態に係るプローブ10の配置と同様である。すなわち、本実施形態に係るプローブ10Dでは、図1における左側領域17および下側領域20に対応する領域に光入力チャネルが配置されており、また、上側領域19と右側領域に対応する領域に検出チャネルが配置されている。
そして、本実施形態に係るプローブ10Dでは、上側領域19に対応する上可動部113に複数の検出チャネルが配置されており、下側領域20に対応する下可動部115に複数の光入力チャネルが配置されている。
さらに、本実施形態に係るプローブ10Dでは、超音波振動子12の左側領域17および右側領域18に配置された光入力チャネルおよび検出チャネルの位置が左右方向(X軸方向)に移動するように構成されている。
具体的には、超音波振動子12の左側領域17は左可動部122で構成されており、右側領域18は右可動部123で構成されている。そして、左可動部122には、2つの光入力チャネルが設けられ、右可動部123には、2つの検出チャネルが設けられている。左可動部122および右可動部123の可動手段は、上可動部113および下可動部115の可動手段と同様である。つまり、固定部114に凹溝が形成されるとともに、左可動部122および右可動部123に当該凹溝に挿入される凸部が形成される。
なお、本実施形態に係るプローブ10Dは、第4の実施形態と同様に、上部領域に対応する上可動部113には複数の検出チャネルが配置されており、下部領域に対応する下可動部115には複数の光入力チャネルが配置されている。
本発明の第5の実施形態に係るプローブ10Dによれば、上記第4の実施形態に係るプローブ10Cと同様の効果を奏する。さらに、本発明の第5の実施形態に係るプローブ10Dでは、光入力チャネルおよび/または検出チャネルが、上下方向(Y軸方向)にだけではなく、左右方向(X軸方向)にも可動するように構成されている。これにより、複数の光入力チャネルおよび複数の検出チャネルの組み合わせによる複数の光路について、位置および深さの調整の自由度を一層高めることができる。
このとき、撮像したい領域の深さに応じて、光入力チャネルおよび検出チャネル間の距離を設定して、上可動部113、下可動部115、左可動部122および右可動部123を可動させればよい。この場合、光入力チャネルおよび検出チャネル間の距離が等しくなるように設定することが好ましい。但し、可動距離の物理的制約や観察対象の形状等の都合により上記距離が等しくなるように設定できないときは、可動可能な距離の範囲内で後述するような光入力チャネルおよび/または検出チャネルの入射角を変更することにより、光路の深さを変更することもできる。
なお、本実施形態において、左可動部122および右可動部123における位置を調整するための構成及び方法については、第4の実施形態において説明した上可動部113および下可動部115における位置を調整するための構成及び方法を適用することができる。
また、本実施形態では、上可動部113、下可動部115、左可動部122および右可動部123の4つの可動部で構成したが、これに限らない。このうちのいずれか1つのみ、2つのみ、3つのみの可動部で構成しても構わないし、4つ以上の複数の可動部を設けても構わない。この場合、可動単位毎に凹溝と凸部等のレールを設けることにより、各可動部を任意の方向に可動させることができる。
なお、第4の実施形態及び第5の実施形態では、複数の検出チャネルが1つの上可動部113上に配置された構成について説明したが、本実施形態は、この構成に限られるものではない。例えば、上可動部113が、2つ以上の可動部に分離されていてもよい。
以下、上可動部113を複数の可動部に分離し、上可動部113が第1の上可動部と第2の上可動部とを有している構成について説明する。第1の可動部上には、3つの検出チャネル14a、14c、14eが配置され、第2の可動部上には、3つの検出チャネル14b、14d、14fが配置される。また、第1の上可動部と第2の上可動部とは独立に移動可能であることが好ましい。このように、第1の上可動部と第2の上可動部とが独立に移動できることで、検出チャネル14a、14c、14eと、検出チャネル14b、14d、14fとの間隔も適宜変更することが可能になる。その結果、検出チャネル14a、14c、14eが形成するROIと、検出チャネル14b、14d、14fが形成するROIとが重複する領域の広さを、適宜調整することが可能になる。すなわち、最低限の検出チャネル数で最大限のROI領域を形成したり、逆に、ROIの重複領域を多くして、データ精度を上げたりといった使い分けを行うことができる。
また、以上の例は、上可動部113について述べたが、下可動部115、左可動部122および右可動部123についても同様であり、各可動部は、複数の可動部に分離された構成であってもよい。
なお、後述する第6の実施形態で説明するように、検出チャネルの光軸を切り替える場合には、各チャネルが形成するROI領域の形状が異なる。よって、初期設定では各検出チャネルが形成するROI同士の重複面積が最適に調整されていたとしても、検出チャネルの光軸を変更した後においては、ROIの重複面積が理想条件とは異なる可能性がある。従って、検出チャネルの光軸を切り替えた後に、第1の上可動部と第2の上可動部との間隔を変更する処理を行うことで、光軸の方向変化によるROIの重複面積を適宜好ましい状態に再設定することが出来る。
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態に係るプローブについて、図15Aおよび図15Bを用いて説明する。図15Aおよび図15Bは、本発明の第6の実施形態に係るプローブを説明するための図である。
本発明の第6の実施形態に係るプローブは、本発明の第1〜第5の実施形態に係るプローブと基本的な構成は同じである。すなわち、本発明の第6の実施形態に係るプローブにおける光入力チャネルおよび検出チャネルの配置等は、本発明の第1〜第5の実施形態に係るプローブにおける光入力チャネルおよび検出チャネルの配置と同様である。
本発明の第6の実施形態に係るプローブが本発明の第1〜第5の実施形態に係るプローブと異なる点は、本発明の第6の実施形態に係るプローブでは、光入力チャネルの光入射方向および検出チャネルの光検出方向を切り替えられるように構成されており、光入力チャネルおよび検出チャネルの光軸が測定面に対して傾斜するように調整することができる点である。なお、第1〜第5の実施形態では、光入力チャネルおよび検出チャネルの光軸は測定面に対して垂直であり、光入力チャネルの光入射方向および/または検出チャネルの光検出方向は固定されている。
すなわち、本発明の第6の実施形態に係るプローブは、光入力チャネル13から出射する光が関心領域に入射するときの光入射角、または、検出チャネル14が光入力チャネルからの光を受光するときの光入射角を変更することができる入射角変更機構を備える。本実施形態において、光入力チャネル13は光源ファイバで構成されており、また、検出チャネル14は検出ファイバで構成されているので、入射角変更機構は、これらのファイバの光軸が変更するようにファイバを可動させるような構成とすればよい。
そして、本実施形態では、図15Aに示すように、下部組織の浅い領域を撮像する場合、すなわち、ROIが浅部の場合は、入射角変更機構によって、光が組織の浅部を伝播するように光入力チャネル13の光入射方向および検出チャネル14の光検出方向を切り替える。
一方、図15Bに示すように、下部組織の深い領域を撮像する場合、すなわち、ROIが深部の場合は、入射角変更機構によって、光が組織の深部を伝播するように光入力チャネル13の光入射方向および検出チャネル14の光検出方向を切り替える。
また、光入力チャネル13の光入射角(光軸)と連動するようにして、検出チャネル14の光入射角(光軸)を切り替えることが好ましい。これにより、光入力チャネル13からの光を効率よく検出チャネル14に入力させることができる。
このように本実施形態に係るプローブによれば、光入力チャネルおよび検出チャネルの入射角を調整することができるので、光入力チャネルおよび検出チャネル間の離隔距離を変更することなく、ROIの深さに応じて光路の深さを調整することができる。
なお、本実施形態では、光入力チャネル13および検出チャネル14間の離隔L3を変更することなく、光入力チャネル13および検出チャネル14の入射角のみ変更したが、これに限らない。第4および第5の実施形態のように、可動部によって光入力チャネルおよび検出チャネル間の離隔距離を変更するとともに、光入力チャネルおよび検出チャネルの入射角も変更するように構成しても構わない。
また、本実施形態では、一組の光入力チャネル13と検出チャネル14とについて例示したが、本実施形態は、プローブ本体に配置された任意の光入力チャネルおよび/または検出チャネルに対して適用することができる。
(第7の実施形態)
次に、本発明の第7の実施形態に係る近赤外撮像システムについて、図16を用いて説明する。図16は、本発明の第7の実施形態に係る近赤外撮像システムの構成を示すブロック図である。
図16に示すように、近赤外撮像システム200は、主に、超音波撮像部210、近赤外撮像部220と、表示部230とを含む。
当該近赤外撮像システム200において、超音波撮像部210は、下部組織に超音波を入射し、超音波撮像画像を形成するための超音波エコーを受信する。超音波撮像の結果は、近赤外撮像部220に利用される。
近赤外撮像部220は、光源システム221と、光検出システム222と、データ取得部223と、画像再構成部224と、セグメンテーション部225と、プローブ調整部226と、センサ227とを含む。
光源システム221および光検出システムでは、上述した第1〜第6の実施形態に係るプローブを用いることができる。但し、本実施形態では、光入力チャネルおよび検出チャネルの位置や入射角を調整するために、第4〜第6の実施形態に係るプローブを用いた。
光源システム221は、所定の光源によって生成した光を、プローブに配置された複数の光入力チャネルに伝送する。なお、光をプローブに伝送する伝送路としては、光ファイバを用いることができる。
光検出システム222は、プローブに配置された複数の検出チャネルによって光を検出し、検出した光の信号(検出信号)に応じた測定値を算出するために、光の検出信号を電気信号に変換する。
データ取得部223は、光検出システム222から電気信号を取得し、当該電気信号を処理および増幅し、画像再構成部224に送信する。
画像再構成部224は、データ取得部223から送信された電気信号に基づいて、組織内部の光学パラメータ分布を再構成し、画像化する。
セグメンテーション部225は、超音波撮像部210による超音波撮像によって腫瘍等の病変が検出された場合に、病変部位をセグメント化して、病変の深さ等を算出する。セグメンテーション部225によって得られた病変の深さ等の情報は、プローブ調整部226に送信される。
プローブ調整部226は、セグメンテーション部225からの情報を基にプローブの可動部等を動かして、光入力チャネルおよび検出チャネル間の離隔距離を調整する。
センサ227は、プローブの全ての可動部等が正確に調整されるように可動部等の動きを監視する。
表示部230は、近赤外撮像と超音波撮像の撮像結果を表示するものであり、例えば、ディスプレイである。
次に、本発明の第7の実施形態に係る近赤外撮像システムの動作について説明する。
まず、超音波撮像部210によって、下部組織に超音波を入射し、超音波撮像画像を形成するための超音波エコーを受信する。超音波エコーによって、下部組織における腫瘍等の病変を検出する。
次に、超音波撮像の結果に基づき、セグメンテーション部225によって、病変部位をセグメント化して病変の深さ等の情報を算出する。
次に、セグメンテーション部225からの情報に基づき、プローブ調整部226によって、プローブの可動部等を動かして光入力チャネルおよび検出チャネル間の離隔距離を調整する。
プローブ調整部226におけるプローブの調整が終了すると、光源システム221は光を生成し、前記光をプローブ上の複数の光入力チャネルに入射する。これにより、光入力チャネルから下部組織へと光が入射され、当該光は下部組織内において吸収、拡散、および/または反射される。
その後、光検出システム222によって、下部組織内を伝播した光はプローブの検出チャネルによって検出され、検出信号の測定値を算出するために、光信号が電気信号に変換される。
次に、光検出システム222からの電気信号はデータ取得部223において、処理、増幅、および/または測定される。
最後に、プローブによる測定結果に基づき、画像再構成部224によって組織内部の光学パラメータ分布を再構成し、画像化する。画像の再構成において、超音波撮像の結果は、光学パラメータの初期分布の算出(反復演算により再構成を実施する際には、初期分布を与える必要がある)、腫瘍およびその周囲への近赤外撮像のROIの設定、あるいは、前記腫瘍およびその周囲を他の領域よりも高解像度に再構成するために用いることができる。
なお、近赤外撮像によって再構成された画像は、超音波撮像の結果とともに表示されるために表示部230に出力される。その後、表示部230によって、近赤外撮像の結果と超音波撮像の結果が表示される。
以上により、下部組織の画像を再構成することができる。
以上、本発明に係るプローブおよびプローブを用いた画像再構成方法について、実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。
例えば、本実施形態では、プローブの形状は矩形としたが、これに限らない。プローブの形状は、矩形に限らずその他の形でもよく、平面および曲面の表面を有するプローブでもよい。その一例として、人間の胸部全体を覆うドーム型プローブまたは胸部の曲線に適合する走査型がある。
さらに、本実施形態におけるプローブは光が検出できさえすれば、胸部以外の部分にも適用できる。たとえば、脳、皮膚、および前立腺等の組織も撮像することができる。
また、本実施形態では、検出チャネルとして光検出チャネル(光検出器)を用いたが、これに限らない。すなわち、本実施形態では、検出チャネルとしても光検出チャネルを用いたが、例えば、検出チャネルとして超音波検出チャネルを用いた、いわゆる光音響法を適用しても構わない。具体的には、入力チャネルとしては光入力チャネルを用いて測定対象の組織にレーザ光を入射し、組織の光吸収によって生じる応力歪みに起因する超音波信号を超音波プローブにより測定する。この場合、組織に応じて光吸収の度合いが異なるため、測定される超音波信号(光音響信号)の振幅や位相の変化に基づいて組織の判別を行うことができる。なお、超音波プローブとしては圧電素子を用いることができるので、プローブ上に既に配置された超音波撮像用の超音波振動子によって光音響信号を測定することもできる。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で当業者が思いつく各種変形を施したものも本発明の範囲内に含まれる。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、複数の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
本発明は、近赤外撮像におけるプローブ、特に、超音波撮像と近赤外撮像とを併用して組織の画像を再構成する際に使用するプローブ等として広く利用することができる。
10、10A、10B、10C、10D プローブ
11 プローブ本体
12 超音波振動子
13、13a、13b、13c、13d、13e、13f、13g、13h、13i、13j、13k、13l、33、130 光入力チャネル
14、14a、14b、14c、14d、14e、14f、14g、14h、14i、14j、14k、14l、34、140 検出チャネル
15 光路
16 ROI
16a 特定領域
17 左側領域
18 右側領域
19 上側領域
20 下側領域
24、26、28、29、37、38 境界線
25、27 中央線
35 中心線
42、43 領域
45 右斜め上側領域
46 右斜め下側領域
47 左斜め下側領域
48 左斜め上側領域
71、72、73、74、75、76 光路
81 圧電素子
113 上可動部
113a、113b 凸部
114 固定部
114a 中央部
114b、114c アーム
115 下可動部
120 保持部
120a、120b 凸部
121 調整部材
122 左可動部
123 右可動部
124 貫通孔
127 位置センサ
128、227 センサ
131 第1入力チャネル
132 第2入力チャネル
141 第1検出チャネル
142 第2検出チャネル
200 近赤外撮像システム
210 超音波撮像部
220 近赤外撮像部
221 光源システム
222 光検出システム
223 データ取得部
224 画像再構成部
225 セグメンテーション部
226 プローブ調整部
230 表示部
本発明は、プローブおよびプローブを用いた画像再構成方法に関し、特に、近赤外撮像を利用したプローブおよびプローブを用いた画像再構成方法に関する。さらに、本発明は、近赤外撮像と超音波撮像とを併用したプローブ等に関する。
従来、医療用の画像診断方法として、超音波撮像または近赤外撮像を用いた画像診断法がある。
超音波撮像は、医療用の画像診断法として広く用いられており、例えば乳がん検診のような医療目的で幅広く利用されている。超音波撮像は、わずか数ミリの大きさの腫瘍等の病変を検出することが可能であるが、良性腫瘍と悪性腫瘍とを区別することができない。このため、超音波撮像による測定だけでは病変を特定することができず、さらに多くの生体組織検査を行わなければならない場合がある。
近赤外撮像は、生体組織内における光の吸収と拡散を利用したものである。近赤外撮像の特色は機能的画像化であり、良性腫瘍と悪性腫瘍とを区別することができる。近赤外撮像の基本的な考えは、撮像対象の境界に位置する複数の点において、透過および/または反射される光の測定値に基づいて、吸収係数および拡散係数といった光学パラメータの内部分布が再構成できることである。つまり、前記測定値が生体組織内の光学パラメータの情報を伝達し、前記再構成により生体組織内の情報を取得する。しかしながら、前記測定値に基づく光学パラメータの再構成は不良設定度合いが高く、解を一意に決定することが難しい。その結果、近赤外撮像では、比較的、解像度が低くなる。
そこで、超音波撮像と近赤外撮像とを組み合わせる方法が提案されている(特許文献1および特許文献2)。この方法は、超音波撮像によって生体組織内の光学分布に関する情報を事前に取得し、この超音波撮像の結果を基に関心領域(ROI:Region Of Interest)を制限してから近赤外撮像を行うものである。これにより、前記不良設定度合いが低減され、より精細な解像度を得ることができる。
米国特許第6264610号明細書 米国特許出願公開第2004/0215072号明細書
近赤外撮像または超音波撮像による測定値は、光が吸収、拡散、および/または反射される生体組織内の吸収パラメータおよび拡散パラメータの情報を伝達するため、光が伝播する領域(光路)が重要である。
近赤外撮像では、光入力チャネル(光源)より照射された光が前記生体組織に反応し、検出チャネル(検出器)により検出される。光入力チャネルおよび検出チャネルは、それぞれプローブ上に複数個配置されており、各光入力チャネルおよび各検出チャネルは、光ファイバによりプローブ外に設けられた光源および光検出装置に接続される。プローブには、人体の表面で走査する走査型、または胸部のように撮像対象全体を覆うドーム型がある。
近赤外撮像において、生体組織内を伝播する光の光路は、光入力チャネルおよび検出チャネルの配置によって決定される。したがって、光入力チャネルおよび検出チャネルの配置は近赤外撮像の性能の観点から重要である。さらに、コスト効率、プローブ本体内の空間上の制約、特に走査型プローブにおいては操作性を考慮すると、光入力チャネルおよび検出チャネルを効率よく配置し、ROIに対してより多くの光路を配置することが有益であり、これにより、前記不良設定問題が低減される。そのためには、測定値の冗長性を低減させる必要がある。
しかしながら、従来の特許文献1、2による測定方法は、再構成結果を確認しながらヒューリスティックに調整するものであるので、無用な光入力チャネルおよび検出チャネルも存在し、近赤外撮像における測定時間および画像の再構成処理時間が増加するとともに、プローブ本体のサイズが大型化するという問題がある。つまり、上記の従来技術の測定方法は、近赤外撮像における光路のうち、超音波撮像におけるROIのいずれの部分もほとんど覆わないものも存在するため、従来技術における光入力チャネルおよび検出チャネルの配置は、効率的でなく、かつ多くの測定値は有用ではない。さらに、大きなサイズのプローブ本体は、アジア女性の比較的小さな胸部には適さない。
また、腫瘍撮像を実用化するためには、腫瘍部位によって異なる深さに焦点を合わせるように近赤外撮像のROIを変更することは有益である。しかしながら、上記の従来技術の測定方法では、近赤外撮像におけるROIを適応的に変更することができないという問題もある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、光入力チャネルおよび検出チャネルが最適に配置され、効率良く近赤外撮像することのできるプローブおよび当該プローブを用いた画像再構成方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るプローブの一態様は、複数の入力チャネルおよび複数の検出チャネルが配置されたプローブ本体を備え、撮像対象である関心領域に対して近赤外撮像を行うプローブであって、前記関心領域に対応する前記プローブ本体の領域を特定領域とするとともに、前記プローブ本体を平面視したときに、前記特定領域を基準として当該特定領域の左側、右側、上側、下側、右斜め上側、右斜め下側、左斜め下側および左斜め上側の各領域をそれぞれ、左側領域、右側領域、上側領域、下側領域、右斜め上側領域、右斜め下側領域、左斜め下側領域および左斜め上側領域とすると、前記上側領域および前記下側領域の一方の領域のみに配置された、1つ以上の第1入力チャネルと、前記上側領域および前記下側領域の他方の領域のみに配置された、1つ以上の第1検出チャネルと、前記左側領域、前記右側領域、前記右斜め上側領域、前記右斜め下側領域、前記左斜め下側領域および前記左斜め上側領域の少なくとも1つの領域に配置された、1つ以上の第2入力チャネルと、前記左側領域、前記右側領域、前記右斜め上側領域、前記右斜め下側領域、前記左斜め下側領域および前記左斜め上側領域のうち、前記特定領域を介して前記第2入力チャネルが配置された領域と対向する領域に配置された、1つ以上の第2検出チャネルと、を備える。
さらに、本発明に係るプローブの一態様において、前記第1入力チャネルから対応する前記第1検出チャネルまでの光路、および、前記第2入力チャネルから対応する前記第2検出チャネルまでの光路と、前記関心領域との重複が一定度合いを超えることが好ましい。
さらに、本発明に係るプローブの一態様において、前記第1入力チャネルおよび前記第1検出チャネルが、それぞれ複数個からなることが好ましい。
さらに、本発明に係るプローブの一態様において、前記第1入力チャネルおよび前記第1検出チャネルが、それぞれ複数列で構成されており、前記第1入力チャネルおよび前記第1検出チャネルの各列において、前記第1入力チャネルおよび前記第1検出チャネルは、それぞれ複数個からなることが好ましい。
さらに、本発明に係るプローブの一態様において、第1の列に配列された前記第1入力チャネルと前記第1列方向の前記第1検出チャネルとによって構成される光路と、第1の列と隣り合う第2の列に配列された前記第1入力チャネルと前記第2列方向の前記第1検出チャネルとによって構成される光路とが、重なっていることが好ましい。
さらに、本発明に係るプローブの一態様において、前記第1入力チャネルから前記第1検出チャネルまでの第1光路と、前記第2入力チャネルから前記第2検出チャネルまでの第2光路とが、重なって交差することが好ましい。
さらに、本発明に係るプローブの一態様において、前記第1光路と前記第2光路とが略直交していることが好ましい。
さらに、本発明に係るプローブの一態様において、超音波を入射するとともにエコーを受信する超音波振動子が前記特定領域に配置されており、前記関心領域は前記超音波振動子の撮像領域に基づき決定されることが好ましい。
さらに、本発明に係るプローブの一態様において、前記第1入力チャネル、前記第1検出チャネル、前記第2入力チャネル、および、前記第2検出チャネルの少なくとも1つの位置を変化させることができる可動部を備えることが好ましい。
さらに、本発明に係るプローブの一態様において、前記第1入力チャネルあるいは前記第2入力チャネルから出射する光が前記関心領域に入射するときの光入射角、または、前記第1検出チャネルあるいは前記第2検出チャネルが受光するときの光入射角を変更することができる入射角変更機構を備えることが好ましい。
また、本発明に係るプローブの画像再構成方法の一態様は、上記のプローブを組織表面にあてて組織内を近赤外撮像することにより当該組織内の光学データを取得して画像を再構成するための画像再構成方法であって、前記近赤外撮像の撮像対象である関心領域を決定するステップと、前記プローブ上の少なくとも1つの入力チャネルから前記関心領域に対して光を入射するステップと、前記入力チャネルにより入射され、前記組織内を伝播する光を少なくとも1つの検出チャネルによって検出するステップと、前記検出された光を使用して前記関心領域における光学的な特徴量を再構成するステップとを含むものである。
本発明に係るプローブおよび画像再構成方法によれば、近赤外撮像に最低限必要な光入力チャネルおよび検出チャネルの配置を実現することができるので、近赤外撮像における測定時間および画像再構成処理時間を低減することができる。また、ROIに対して無駄な光入力チャネルまたは検出チャネルがないので、プローブ本体が大型化することもない。
さらに、本発明に係るプローブによれば、光入力チャネルおよび検出チャネルの位置を可動させることにより、光入力チャネルおよび検出チャネル間の距離を変更することができる。これにより、近赤外撮像における光路の深さ方向の位置を調整することができ、異なる深さに焦点を合わせることができるので、数多くの入力チャネルおよび検出チャネルを用いることなく、ROIの特定領域に対して所望の近赤外撮像を行うことができる。
図1Aは、本発明の第1の実施形態に係るプローブの外観斜視図である。 図1Bは、本発明の第1の実施形態に係るプローブに対応する関心領域を示す図である。 図2Aは、本発明の第1の実施形態に係るプローブにおいて、1つの光入力チャネルと1つの検出チャネルとによって構成される光路の基本概念を説明するための図(平面図)である。 図2Bは、本発明の第1の実施形態に係るプローブにおいて、1つの光入力チャネルと1つの検出チャネルとによって構成される光路の基本概念を説明するための図(断面図)である。 図2Cは、本発明の第1の実施形態に係るプローブにおいて、光入力チャネルおよび検出チャネル間の距離を変更したときの光路を説明するための図(断面図)である。 図3は、光入力チャネルおよび検出チャネル間の光路を算出するためのフローチャートである。 図4Aは、図2Aの配置において光が伝播する確率が最も高い光路とROIとの関係を示す図である。 図4Bは、図2Aおよび図4Aに示す光入力チャネルおよび検出チャネルの配置における光路とROIとの関係を示す断面図である。 図5Aは、図1Aに示すプローブにおける第2入力チャネルおよび第2検出チャネルの配置を説明するための図である。 図5Bは、図5Aに示す第2入力チャネルおよび第2検出チャネルの配置における光路とROIとの関係を示す断面図である。 図6は、第2入力チャネルおよび第2検出チャネルが複数列に配置された図である。 図7は、図1Aに示すプローブにおける第1入力チャネルと第1検出チャネルの配置を説明するための図である。 図8Aは、上側領域には第1入力チャネルのみを配置し、下側領域には第1検出チャネルのみを配置した場合における全ての光路を示す図である。 図8Bは、上側領域には1つの光入力チャネルと2つの検出チャネルを配置し、下側領域には2つの光入力チャネルと1つの検出チャネルを配置した場合における全ての光路を示す図である。 図9は、本発明の第1の実施形態に係るプローブにおいて、プローブを設計するための主な設計手順を示すフローチャートである。 図10Aは、本発明の第2の実施形態に係るプローブの外観斜視図である。 図10Bは、本発明の第2の実施形態に係るプローブにおいて、2つの光路が交差する様子を説明するための図である。 図10Cは、本発明の第2の実施形態に係るプローブにおいて、2つの光路が交差する様子を説明するための図(図10AのA−A’線に沿って切断した断面図)である。 図11Aは、本発明の第3の実施形態に係るプローブの外観斜視図である。 図11Bは、本発明の第3の実施形態に係るプローブにおいて、2つの光路が交差する様子を説明するための図である。 図11Cは、本発明の第3の実施形態に係るプローブにおいて、2つの光路が交差する様子を説明するための図(図11AのA−A’線に沿って切断した断面図)である。 図12は、本発明の第4の実施形態に係るプローブの外観斜視図である。 図13Aは、本発明の第4の実施形態に係るプローブにおける固定部の外観斜視図である。 図13Bは、本発明の第4の実施形態に係るプローブにおける上可動部または下可動部の外観斜視図である。 図13Cは、本発明の第4の実施形態に係るプローブにおける保持部の外観斜視図である。 図14は、本発明の第5の実施形態に係るプローブの外観斜視図である。 図15Aは、本発明の第6の実施形態に係るプローブを説明するための図である(ROIが浅部の場合)。 図15Bは、本発明の第6の実施形態に係るプローブを説明するための図である(ROIが深部の場合)。 図16は、本発明の第7の実施形態に係る近赤外撮像システムの構成を示すブロック図である。
以下、本発明に係るプローブ、当該プローブを用いた光学測定方法、当該プローブを用いた画像再構成方法、および、当該プローブを用いた近赤外撮像システムについて、実施形態に基づいて図面を参照しながら説明する。
なお、以下説明する本発明の実施形態に係るプローブは、生体組織の内部を伝播して組織表面に伝達される光を測定するための近赤外撮像用のプローブである。なお、以下の実施形態においては、まず、プローブにおける光入力チャネルおよび検出チャネルの配置を中心に説明し、光入力チャネルおよび検出チャネルの配置に関する設計方法および近赤外撮像システムについては後述する。
また、各図において、X軸、Y軸およびZ軸は互いに直交しており、X軸およびY軸によって構成されるX−Y平面は、プローブ本体の測定面と略平行である。また、Z軸は、撮像対象である生体組織の深さ方向を表している。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態に係るプローブについて、図1Aおよび図1Bを用いて説明する。図1Aは、本発明の第1の実施形態に係るプローブの外観斜視図である。また、図1Bは、本発明の第1の実施形態に係るプローブに対応する関心領域を示す図である。
図1Aに示すように、本発明の第1の実施形態に係るプローブ10は、撮像対象である組織の関心領域(観察領域)に対して近赤外撮像を行うためのプローブであって、プローブ本体11と、複数の光入力チャネル13a〜13hと、複数の検出チャネル14a〜14hとを備える。さらに、本実施形態に係るプローブ10は、超音波振動子12を備える。
プローブ本体11は、矩形状の測定面を有し、複数の光入力チャネル13a〜13h、複数の検出チャネル14a〜14hおよび超音波振動子12が配置されるものである。なお、本実施形態において、プローブ本体11の測定面は、X−Y平面に略平行な平面状である。
各光入力チャネル13a〜13hは、プローブ本体11の下部(測定面)に位置する測定対象である生体組織(下部組織)に対して光を入射するものであり、プローブ上の光源である。各光入力チャネル13a〜13hから生体組織内に入射された光は、当該生体組織によって吸収されたり生体組織に拡散されたり等により生体組織に反応する。
なお、各光入力チャネル13a〜13hから下部組織に出射する光は全方位に進行する。すなわち、各光入力チャネル13a〜13hからの光は、測定面から下部組織に対して同心半球状に進行する。また、本実施形態において、光入力チャネル13a〜13hは、光源ファイバであり、光ファイバによってプローブ10の外部に設けられた光源に接続されている。プローブ外部の光源としては、例えば、半導体レーザを用いることができる。
各検出チャネル14a〜14hは、各光入力チャネル13a〜13hから入射されて生体組織内のある領域に伝播された光を受光するものであり、プローブ上における光検出器である。各検出チャネル14a〜14hは、各光入力チャネル13a〜13hからの光を受光する位置に配置されている。
本実施形態において、各検出チャネル14a〜14hは、検出器ファイバであり、光ファイバによってプローブ10の外部に設けられた光電変換装置に接続されている。なお、各検出チャネル14a〜14hそのものが光電変換機能を有していても構わない。この場合、各検出チャネルは、変換した電気信号を外部に出力するために、光ファイバではなく電気信号線に接続される。
また、各検出チャネル14a〜14hは、各光入力チャネル13a〜13hからの光を選択的に検出することができる。すなわち、1つの検出チャネルは、全ての光入力チャネルからの光を検出することが可能であるとともに、各光入力チャネルからの光を時間を異ならせて連続的に検出することができる。
超音波振動子12は、生体組織に対して超音波を入射するとともに、生体組織で反射するエコーを受信するものであり、プローブ本体11の中央部に設けられる。超音波振動子12は、複数の圧電素子などによって構成することができる。
また、本実施形態では、超音波振動子12の超音波撮像による撮像領域を関心領域(ROI)として決定することができる。但し、ROIは、超音波撮像による撮像領域に限るものではなく、近赤外撮像時における撮像領域のことをROIとする場合もあり、撮像時における観察対象である。
すなわち、本実施形態に係る関心領域(ROI)16は、近赤外撮像または超音波撮像における撮像対象の領域であり、図1Bに示すように、プローブ本体11の下部側(組織側)に位置する三次元領域である。そして、ROI16をプローブ本体11に対してX−Y平面の2次元領域に投影した場合における2次元領域をプローブ本体11の特定領域16aとすると、本実施形態では、このプローブ本体11の特定領域16aと超音波振動子12が配置される領域とが一致する。なお、図1Bにおいて、特定領域16aは、太破線で囲まれる領域として図示している。
また、本実施形態に係るプローブ10において、超音波振動子12が配置される領域、すなわち、特定領域16aを基準領域として、当該基準領域に隣接する隣接領域を次のように定義する。すなわち、図1Aに示すように、本実施形態では矩形状の超音波振動子12または特定領域16aの基準領域に対し、超音波振動子12の左側に位置する領域であって超音波振動子12の左辺に隣接する領域を左側領域17とし、超音波振動子12の右側に位置する領域であって超音波振動子12の右辺に隣接する領域を右側領域18とし、超音波振動子12の上側に位置する領域であって超音波振動子12の上辺に隣接する領域を上側領域19とし、超音波振動子12の下側に位置する領域であって超音波振動子12の下辺に隣接する領域を下側領域20する。
また、超音波振動子12の右斜め上方に位置する領域であって、上側領域19の右側に位置するとともに右側領域18の上側に位置する領域を右斜め上側領域45とし、超音波振動子12の右斜め下方に位置する領域であって、下側領域20の右側に位置するとともに右側領域18の下側に位置する領域を右斜め下側領域46とし、超音波振動子12の左斜め下方に位置する領域であって、下側領域20の左側に位置するとともに左側領域17の下側に位置する領域を左斜め下側領域47とし、超音波振動子12の左斜め上方に位置する領域であって、上側領域19の左側に位置するとともに左側領域17の上側に位置する領域を左斜め上側領域48とする。
本実施形態において、これらの左側領域17、右側領域18、上側領域19、下側領域20、右斜め上側領域45、右斜め下側領域46、左斜め下側領域47および左斜め上側領域48は、光入力チャネル13および検出チャネル14を配置する領域として利用できる。
なお、本実施形態において、左側領域17、右側領域18、上側領域19、下側領域20、右斜め上側領域45、右斜め下側領域46、左斜め下側領域47および左斜め上側領域48の各領域は、超音波振動子12が配置される矩形状の領域に基づいて定義したが、これに限らない。
例えば、超音波振動子12がない場合であっても、ROI16に対応する特定領域16aに基づいて、各領域を上記と同様にして定義することができる。また、超音波振動子12の配置領域または特定領域16aの基準領域の形状は矩形状でなくてもよく、この場合、超音波振動子12の配置領域または特定領域16aにおける不特定形状の2次元領域において、X軸方向の最大長さとY軸方向の最大長さに基づいて基準領域を決定した上で、上記の各領域を定義すればよい。すなわち、当該2次元領域におけるX軸方向の最大長さとY軸方向における最大長さによって決定される矩形領域を基準領域とする。そして、当該矩形領域に変換した基準領域の左側、右側、上側、下側、右斜め上側、右斜め下側、左斜め下側および左斜め上側の8領域を、それぞれ、左側領域、右側領域、上側領域、下側領域、右斜め上側領域、右斜め下側領域、左斜め下側領域および左斜め上側領域と定義すればよい。つまり、2次元領域を矩形状の基準領域とみなすことにより、当該基準領域に対して上記の8領域を定義することができる。
ここで、測定対象の体内組織の境界に位置する複数の適切な点から、より多くの情報を伝達する測定値を取得することにより、画像再構成における不良設定問題は軽減される。したがって、光入力チャネルおよび検出チャネルの配置は重要である。以下、光入力チャネルおよび検出チャネルの配置について、詳細に説明する。
なお、以下の説明は、超音波振動子12が備えられていることを前提に記載するが、上述のとおり、超音波振動子12がなくとも本実施形態における方法は適用可能である。すなわち、超音波振動子12を設けずにプローブ10を構成しても構わない。この場合、本実施形態において、超音波振動子12は主にROIを決定するのに使用されているが、超音波振動子12がない場合、ROIは光入力チャネル13または検出チャネル14とは別の手段(センサ等)により決定されるか、またはROIは予め設定しておくことが可能である。また、超音波振動子12が配置された領域には、超音波振動子12だけでなく、X線プローブ、磁気プローブ、または他の光プローブを配置することもできる。あるいは、超音波振動子12が配置された領域には何も配置しなくてもよい。
図1Aに示すように、本実施形態に係るプローブ10は、下側領域20に配置された第1入力チャネル131と、上側領域19に配置された第1検出チャネル141とを備える。
本実施形態において、第1入力チャネル131は、6つの光入力チャネル13a〜13fによって構成されており、2行3列のマトリクス状に配置されている。また、第1検出チャネル141は、6つの検出チャネル14a〜14fによって構成されており、2行3列のマトリクス状に配置されている。光入力チャネル13a〜13fと検出チャネル14a〜14fとは、上下に分けて配置されている。
なお、本実施形態において、第1入力チャネル131は下側領域20に配置し、第1検出チャネル141は上側領域19に配置したが、第1入力チャネル131を上側領域19に配置し、第1検出チャネル141を下側領域20に配置しても構わない。但し、第1入力チャネル131および第1検出チャネル141は、上側領域19および下側領域20の一方の領域のみに集めて配置する。すなわち、第1入力チャネル131が配置される領域には第1検出チャネル141は配置されておらず、逆に、第1検出チャネル141が配置される領域には第1入力チャネル131は配置されていない。
また、本実施形態に係るプローブ10は、左側領域17に配置された第2入力チャネル132と、右側領域18に配置された第2検出チャネル142とを備える。
本実施形態において、第2入力チャネル132は、2つの光入力チャネル13gおよび13hによって構成されており、横一列に並んで配置されている。また、第2検出チャネル142は、2つの検出チャネル14gおよび14hによって構成されており、横一列に並んで配置されている。これらの光入力チャネル13gおよび13hと検出チャネル14gおよび14hとは、左右に分けて配置されている。
なお、各検出チャネル14a〜14hは、光入力チャネル13a〜13hが配置される領域にかかわらず、全ての光入力チャネル13a〜13hからの光を受光することができる。
ここで、画像再構成に関する不良設定問題の影響を低減するためには、より多くの測定値が得られるように、より多くの光入力チャネルおよび検出チャネルを配置することが好ましい。
しかしながら、空間上の制約、コスト効率などの実用的な理由から、プローブ本体11には、限られた数の入力チャネルおよび検出チャネルしか設けることができない。光入力チャネルおよび検出チャネルの総数をそれぞれNおよびMとすると、使用可能な測定値の最大数はN×Mで表される。そして、画像再構成に有用なすべてのN×Mの測定値を算出するには、N個の各光入力チャネルからM個の各検出チャネルへと入力される全ての光路が、撮像対象のROIの少なくとも一部分を通過するように、N個全ての光入力チャネルおよびM個全て検出チャネルを配置することが好ましい。
なお、近赤外撮像と超音波撮像とを組み合わせて用いる場合、近赤外撮像のROIは、通常、超音波撮像におけるROIと同じに設定されている。近赤外撮像と超音波撮像とを併用する場合、まず、超音波撮像の結果が先に取得される。そして、ROIを同じに設定するために、近赤外撮像における画像再構成のための事前情報として前記超音波撮像における撮像画像を利用することができる。例えば、超音波撮像によって、仮に腫瘍が検出される場合、腫瘍および腫瘍の周囲により注意が向けられる。そして、より精細な解像度を得るために、近赤外撮像の焦点を腫瘍とその腫瘍の隣接部分に合わせることになる。いずれの場合も、近赤外撮像により再構成される組織におけるROIが完全に光路で覆われる必要がある。すなわち、適切な光入力チャネルおよび検出チャネルの配置が重要かつ必要である。
以下、光入力チャネルと検出チャネルとの間における光路について、図2A〜図2Cを用いて説明する。図2A〜図2Cは、本実施形態に係るプローブにおいて、1つの光入力チャネルと1つの検出チャネルとによって構成される光路の基本概念を説明するための図であり、図2Aはその平面図であり、図2Bおよび図2Cはその断面図である。なお、図2Aに示す超音波振動子12に隣接する8領域については、図1Aと同様の方法によって8分割し、同じ符号を用いて表した。
図2Aに示すように、左側領域17に1つの光入力チャネル13を配置し、右側領域18に1つの検出チャネル14を配置し、光入力チャネル13と検出チャネル14とを所定の離隔距離L1で配置した場合について説明する。この場合、図2Bに示すように、光入力チャネル13から生体組織内に入射して検出チャネル14によって検出される光の伝播領域である光路は、バナナ型の形状をなぞらっており、バナナ型の伝播領域の境界である断面における境界線24および境界線26に囲まれている。このとき、光が伝播する領域とは、吸収係数の変化に対してある閾値以上の感度を有する領域であり、光が伝播する確率で表すことができる。バナナ型の光が伝播する領域において、太線で示される中央線25は光が伝播する確率が最も高い光路を示しており、境界線24および26によって囲まれる伝播領域の内部において、光が伝播する確率は、中央の中央線25から上外側の境界線24にかけて、また、中央線25から下外側の境界線26にかけて、それぞれ減少する。なお、バナナ型の光の伝播領域の外部において、光が伝播する確率はごくわずかである。このように、光入力チャネルおよび検出チャネル間において、光はバナナ状の弧を描いて体内組織内の所定の領域を伝播する。このとき、光が伝播する領域とは、吸収係数の変化に対してある閾値以上の感度を有する領域である。
また、図2Cに示すように、検出チャネル14が検出チャネル14’に置き換えられた場合、すなわち、光入力チャネル13と検出チャネル14’との間の離隔距離を距離L2として図2Bに示す離隔距離L1よりも長くなった場合、光路は、体内組織内におけるより深い領域を覆うことになる。なお、この場合の光路も、光が伝播する確率が最も高い光路として太線で示される中央線27を含むとともに境界線28および境界線29によって囲まれるバナナ型の伝播領域である。
このように、光路は、光入力チャネルおよび検出チャネル間の距離とその位置によって異なる。すなわち、光が伝播する領域は光入力チャネルと検出チャネルとの配置に依存して変化し、光入力チャネルと検出チャネルとの離隔距離が長ければ長いほど、光は、体内組織内のより深い方の領域を伝播することになる。したがって、光路がROIを覆うように光入力チャネルおよび検出チャネル間の離隔距離を適切に設定する必要がある。
また、腫瘍の検出感度は腫瘍領域を通過する光量に依存するため、光入力チャネルおよび検出チャネルの配置は解像度の性能を左右する重要な要素となる。
このような光路および光路境界は、ヤコビ行列で表される感度に基づいて決定される。すなわち、光入力チャネル(光源S)および検出チャネル(検出器D)について、光入力チャネル(光源S)および検出チャネル(検出器D)間の光路は、図3のステップにより算出される。図3は、光入力チャネルおよび検出チャネル間の光路を算出するためのフローチャートである。
図3に示すように、まず、ステップS400において、撮像対象のROI(撮像ROI)を複数のボクセルに分割する。
次に、ステップS401において、撮像ROIのすべてのボクセルに対応するヤコビ行列を算出する。これにより、式(1)に示すように、光学パラメータの変動と測定値の変化との関係を定義する。
ここで、mSDは、Sが光入力チャネル(光源)の場合の検出チャネル(検出器D)からの測定値を表し、μx,y,zは(x,y,z)の位置におけるボクセルに対応する光学パラメータを表し、行列の各要素は各ボクセルにおける光学パラメータの変動が測定値の変化にどの程度寄与するかを示す感度に相当する。
次に、ステップS402において、式(2)に示すように、ROIのすべてのボクセルに対する光路行列を算出する。
ここで、TSDは、光入力チャネル(光源S)および検出チャネル(検出器D)の組で構成されるシステムのノイズレベルによって決定される閾値を示す。各ボクセルの光学パラメータを算出するためには、mSDの変動値が測定ノイズよりも大きな値をとる必要がある。また、システムのノイズレベルは事前に推定することが可能である。よって、光路における全てのボクセルがB(x,y,z)=1の条件を満たすように、光路境界が決定される。
このようにして、近赤外撮像における光路がROIを覆うように光入力チャネルおよび検出チャネルの配置を適切に設定することができる。
さらに、光入力チャネルおよび検出チャネル間の測定値からより多くの情報を取得するためには、近赤外撮像における光路が超音波撮像によって設定されたROIの外部を伝播することを最小限にする一方、近赤外撮像における光路と超音波撮像によって設定されたROIとの重複部分を最大にして、超音波撮像によって設定されたROI内における測定対象の体内組織と、近赤外撮像における入力光との相互作用を大きくすることが望ましい。
そこで、本実施形態に係るプローブ10では、近赤外撮像のROIに対して、全ての光入力チャネルと全ての検出チャネルとにおける全ての組み合わせの光路がROIを通過するように設計されている。また、近赤外撮像における2つの光路が3次元的に立体交差するように、および/または、2つの光路の少なくとも一部同士が重なって交差するように設計されている。以下、このプローブの設計方法について説明する。
第1のステップにおいて、2次元上の超音波撮像平面と、光入力チャネルとおよび検出チャネルを結ぶ直線とが平行となるように、光入力チャネルおよび検出チャネルを配置する(ここでは、超音波撮像とは2次元撮像を想定しており、3次元撮像については後述する)。
例えば、上述の図2Aに示されるように、1次元配列された複数の圧電素子81を有する超音波振動子12がプローブの中心に配置される場合、1つの配置案として、超音波振動子12の長軸(X軸)方向に沿って光入力チャネル13および検出チャネル14をそれぞれ左側領域17および右側領域18に配置する。図4Aは、図2Aの配置において光が伝播する確率が最も高い光路15とROI16との関係を示す図である。
図2Aおよび図4Aに示すように、光入力チャネル13と検出チャネル14とが配置された場合、光入力チャネル13と検出チャネル14とを結ぶ直線が超音波撮像平面(X−Z平面)に対して平行であることが分かる。また、この場合、光が伝播する確率が最も高い光路15の大部分は、超音波撮像によって設定されたROI16に覆われていることが分かる。
一方、光入力チャネル13および検出チャネル14が、それぞれ上側領域19および下側領域20に、図2Aおよび図4Aに示す場合と同じ離隔距離を保った状態で配置された場合、光入力チャネル13と検出チャネル14とを結ぶ直線は、超音波撮像平面(X−Z平面)を横断することになり、光路15はROI16にあまり覆われなくなる。
実際に、光入力チャネル13と検出チャネル14とを結ぶ直線と、超音波撮像平面とのなす角度は、各実施形態に応じて小さくなるよう設定される。例えば、図2Aにおいては、光入力チャネル13と検出チャネル14との中心部が、それぞれ左側領域17および右側領域18の内部に位置するように配置した。
しかしながら、図2Aおよび図4Aの配置における光路は、超音波撮像におけるROIのわずかな部分しか覆わない。実際のところ、光入力チャネル13および検出チャネル14間の最短離隔距離は超音波振動子12のX軸方向の長さよりも短くすることができないため、前記光路が超音波撮像におけるROIに覆われる範囲が狭まる。
これは、図4Bに示されたバナナ型の光路の断面図より、バナナ型の光路における境界線37および境界線38に囲まれた領域42のみが前記超音波撮像におけるROIに覆われることがわかる。なお、図4Bは、図2Aおよび図4Aに示す光入力チャネル13および検出チャネル14の配置における光路とROIとの関係を示す断面図である。
したがって、ROIにおいて、より多くの領域を近赤外撮像時の光路によって覆うためには、より多くの光入力チャネルと検出チャネルとを配置することが好ましい。
そこで、図5Aに示すように、より長い離隔距離を有する追加の光入力チャネル33および検出チャネル34を、それぞれ超音波振動子12の左側領域17および右側領域18に配置する。図5Aは、図1Aに示すプローブにおける第2入力チャネルおよび第2検出チャネルの配置を説明するための図である。なお、図5Aでは、図1Aに示したような上側領域19および下側領域20に配置される第1入力チャネルおよび第1検出チャネルは省略している。また、図5Bは、図5Aに示す第2入力チャネルおよび第2検出チャネルの配置における光路とROIとの関係を示す断面図である。
図5Aに示されるように、これらの光入力チャネル13および33と検出チャネル14および34とは1列に配置されている。また、図5Bに示すように、2つの光路によってROI16の中心線35が切れ間なく覆われるように、さらに、ROI16においていずれかの光路によりカバーされる領域が最大となるように、2つの光入力チャネル13および33間の間隔が、2つの検出チャネル14および34間の間隔と等しくなるよう設定される。
なお、図5Bにおいて、外側に追加配置される光入力チャネル33および検出チャネル34間の離隔距離は、プローブ本体11が実用面で大き過ぎない程度に設定されることが好ましい。
また、図5Aに示された配置以外に、図6に示されるように、Y軸方向におけるROIの幅広い領域を覆うように、Y軸方向の複数列に第2入力チャネル132および第2検出チャネル142を配置することも可能である。
なお、左側領域17および右側領域18に光入力チャネルおよび検出チャネルを配置した場合、図5Bに示すように、表面に近い領域43は光路の範囲外となる場合がある。また、左側領域17および右側領域18のスペースには限りがある。したがって、画像再構成における不良設定度を低減するには、より多くの測定値が必要である。
そこで、第2のステップでは、光入力チャネルと検出チャネルとを結ぶ直線が2次元の超音波撮像平面を横断するように、光入力チャネルおよび検出チャネルを配置する。
これは、第1入力チャネル131および第1検出チャネル141を超音波振動子12の上側領域19および下側領域20に配置することにより構成することができる。
例えば、光入力チャネルおよび検出チャネルを超音波振動子12の左側領域および右側領域に配置するのと同様に、図7に示されるように、2つの光入力チャネル13aおよび13bと、2つの検出チャネル14aおよび14bが縦1列に並ぶように配置する。これら2つの光入力チャネル13aおよび13bと2つの検出チャネル14aおよび14bとによって、図7の点線で示すようにバナナ型の光路71が形成される。
また、本実施形態では、超音波振動子12の長さL12がバナナ型の光路71の幅L71(X軸方向の距離)よりもかなり長いため、2つの光入力チャネルおよび2つの検出チャネルは、Y軸方向に一列のみ配置するだけでは、組織表面に近い領域全体を覆うには十分ではない。
したがって、Y軸方向に直線状に配置する光入力チャネルおよび検出チャネルの列を追加して、複数の列とすることが好ましい。本実施形態では、図7に示されるように、2つの光入力チャネル13aおよび13bと2つの検出チャネル14aおよび14bとで構成される左側の列に加えて、2つの光入力チャネル13cおよび13dと2つの検出チャネル14cおよび14dとで構成される中央の列と、2つの光入力チャネル13eおよび13fと2つの検出チャネル14eおよび14fとで構成される右側の列とを加えて、X軸方向と平行に3列の光入力チャネルと検出チャネルとを配列した。なお、光入力チャネル13cおよび13dと検出チャネル14cおよび14dとによって図7の点線で示すようなバナナ型の光路72が形成され、光入力チャネル13eおよび13fと検出チャネル14eおよび14fとによって図7の点線で示すようなバナナ型の光路73が形成される。
また、平行に並べる上記列の最小数Kは以下の式(3)で算出される。
ここで、ceil(x)は、X以上の最小整数値に値を切り上げる関数であり、l41およびl71はそれぞれ超音波振動子12の長さL41および一列あたりのバナナ型の光路のX軸方向の長さ(幅)L71を表す。
上述のとおり、図7においては、各列に2つの光入力チャネルおよび2つの検出チャネルを備えた合計3つの列が用いられている。また、各列は等間隔で均一に並べられており、また、隣接する列同士は、各バナナ型の光路(71と72、72と73)がわずかに重複するようにして配置されている。
このように、より有用な測定値を得るために新たな列を設けて複数列とする場合、新たに設ける光入力チャネルは、既に配置した光入力チャネルと同じ側に、また、新たに設ける検出チャネルは、既に配置した検出チャネルと同じ側に配置する。すなわち、複数の光入力チャネルまたは複数の検出チャネルを設ける場合、左側領域17、右側領域18、上側領域19、下側領域20、右斜め上側領域45、右斜め下側領域46、左斜め下側領域47または左斜め上側領域48の各領域において、同一領域には光入力チャネルと検出チャネルとを混ぜて配置せずに、同一領域には光入力チャネルのみまたは検出チャネルのみを設けることが好ましい。この点について、図8Aおよび図8Bを用いて説明する。図8Aは、下側領域には第1入力チャネル131のみを配置し、上側領域には第1検出チャネル141のみを配置した場合における全ての光路を示す図である。また、図8Bは、上側領域には1つの光入力チャネル130と2つの検出チャネル140を配置し、下側領域には2つの光入力チャネル130と1つの検出チャネル140を配置した場合における全ての光路を示す図である。
図8Aに示すように、同一領域に光入力チャネルのみまたは検出チャネルのみを集めて配置した方が、図8Bに示すように、同一領域に光入力チャネルと検出チャネルとを分散させて配置するよりも、ROI16を通過する光路の数が多いことが分かる。すなわち、図8Aに示す配置では、第1入力チャネル131と第1検出チャネル141との組み合わせ(ペア)において全てのペアの光路がROI16を通過している。これに対し、図8Bに示す配置では、ROI16を通過する光路が減少し、ROI16を通過しない無駄な光路が生じていることが分かる。
このように、複数列に亘って光入力チャネルと検出チャネルとを配置する場合は、同一領域においては光入力チャネルのみまたは検出チャネルのみを集めて設けることが好ましい。これにより、無駄な光路を削減することができるとともに、広い範囲のROIを覆うことができる。
なお、図8Aおよび図8Bにおいては、上側領域および下側領域における配置について説明したが、このような光入力チャネルおよび検出チャネルの配置方法は、その他の領域において適用することも可能である。
このように、新たな光入力チャネルおよび検出チャネルをプローブに加える場合は、新たに加える光入力チャネルおよび/または検出チャネルから、既に配置された光入力チャネルおよび/または検出チャネルまでの光路が、ROIを最大に覆うように考慮することが好ましい。また、第2のステップにおいて説明した、光入力チャネルおよび検出チャネルの複数列を配置する場合については、第1のステップにおいても適用することが可能である。
次に、本実施形態に係るプローブを設計するための設計手順、すなわち、光入力チャネルおよび検出チャネルのレイアウト設計について、図1Aを参照しながら、図9を用いて説明する。図9は、本発明の第1の実施形態に係るプローブにおいて、プローブを設計するための主な設計手順を示すフローチャートである。
まず、図9に示すように、プローブ本体の所定の位置に超音波振動子を配置する(S300)。
次に、1つ以上の第2入力チャネル132および1つ以上の第2検出チャネル142を、超音波振動子12の左側領域17および右側領域18に配置する(S301)。
次に、左側領域17または右側領域18に配置された第2入力チャネル132から、当該第2入力チャネル132に対応する右側領域18または左側領域17に配置された第2検出チャネル142までの各光路を確認し、少なくともいずれか1つの光路とROIとの重複度合いが、所定の第1閾値以上であるか否かを確認する(S302)。
確認の結果、前記重複度合いが所定の第1閾値未満である場合は、ステップS301に戻り、前記重複度合いが所定の第1閾値以上である場合は、次のステップに進む。
次に、1つ以上の第1入力チャネル131および1つ以上の第1検出チャネル141を、超音波振動子12の上側領域19および下側領域20に配置する(S303)。
次に、上側領域19または下側領域20に配置された第1入力チャネル131から、当該第1入力チャネル131に対応する下側領域20または上側領域19に配置された第1検出チャネル141までの各光路を確認し、少なくともいずれか1つの光路とROIとの重複度合いが、所定の第2閾値以上であるか否かを確認する(S304)。
確認の結果、前記重複度合いが所定の第2閾値未満である場合は、ステップS303に戻り、前記重複度合いが所定の第2閾値以上である場合は、次のステップに進む。
次に、上側領域19に配置された第1入力チャネル131または第1検出チャネル141から、下側領域20に配置された第1検出チャネル141または第1入力チャネル131までの上下方向における光路が、左側領域17に配置された第2入力チャネル132または第2検出チャネル142から、右側領域18に配置された第2検出チャネル142または第2入力チャネル132までの左右方向における光路とが、所定の第3閾値以上で重複するか否かを判定する(S305)。
判定の結果、上下方向の光路と左右方向の光路とが所定の第3閾値以上で重複しない場合(第3閾値未満の場合)、ステップS304に戻る。また、上下方向の光路と左右方向の光路とが所定の第3閾値以上で重複する場合は、設計は終了する。
次に、このプローブの設計方法について、図1A及び図9を参照しながら、より具体的に説明する。
ステップS300において、1次元または2次元に配列された複数の圧電素子を有する超音波振動子12がプローブ本体11の中心に配置される。この場合、超音波撮像の撮像領域が2次元であるか3次元であるかに加えて、超音波振動子の種類およびサイズを考慮することが好ましい。複数の圧電素子がX軸方向に1次元配列されたものである場合、超音波撮像平面はX−Z平面として設定される。ここで、Z軸は深さを表し、X軸は前記圧電素子が配置される方向の軸を表す。3次元超音波撮像として使用する場合は、複数の圧電素子は2次元配列される。この場合、超音波振動子の長い方の辺がX軸として定義されるか、またはX軸およびY軸方向の超音波振動子の両辺が同じ長さであれば、いずれかの辺がX軸として定義される。3次元超音波撮像として複数の圧電素子を2次元配列する場合、超音波撮像平面がX−Z平面となるようX軸が定義される。なお、Z軸は深さを表している。また、超音波振動子12の周囲の領域は、図1Aに示すような領域として定義することができる。
ステップS301において、1つ以上の第2入力チャネル132および1つ以上の第2検出チャネル142が超音波振動子12の左側領域17および右側領域18に配置される。なお、第2入力チャネル132および第2検出チャネル142を複数個で構成する場合は、それぞれ同数の光入力チャネルおよび検出チャネルが配置された列を、1つ以上配置することが好ましい。
さらに、各列において、複数の光入力チャネルおよび/または複数の検出チャネルが配置された場合、隣接する列において、一方の列の光入力チャネルおよび/または検出チャネルから他方の列の光入力チャネルおよび/または検出チャネルへの複数の光路の重複度合いが、ある閾値よりも低くなるように、光入力チャネルおよび検出チャネル間の間隔が設定される。このように設定しない場合、隣接する列において、一方の列の光入力チャネルおよび/または検出チャネルから他方の列の光入力チャネルおよび/または検出チャネルとの間の測定値の冗長性が過度に高くなる。
さらに、X−Z平面上の中心線35に沿った光路の不連続度合い(ここで、不連続とは、いずれの光路においても包含されないことを示す)が、ある閾値よりも小さくなるよう前記間隔が決定される。
また、列が複数ある場合、2つの隣接する列をわずかに重複させるように設定する。これにより、ROIが切れ目なく含まれるように複数の光路で覆うことができる。なお、超音波撮像におけるROIのY軸方向における横幅を覆うのに必要な最小数の列は、X軸方向に対する列数の算出と同様に、式(3)により算出することが可能である。3次元超音波撮像に使用される2次元配列された超音波振動子においては、多くの場合、複数列が必要となる。
第2入力チャネル132および第2検出チャネル142を超音波振動子12の左側領域17および右側領域18に配置した後、ステップS302において、第2入力チャネル132から対応する第2検出チャネル142までの各光路を確認し、超音波撮像によって予め定められた優先度の高いROIと前記光路との重複度合いが、所定の第1閾値以上であるか否かを確認する。
所定のROIと光路とが重複するかどうかは、式(2)により決定される。この条件が満たされない場合、ステップS301に戻って当該条件が満たされるまで第2入力チャネル132および第2検出チャネル142の再配置を行う。
ステップS303において、1つ以上の第1入力チャネル131および1つ以上の第1検出チャネル141が、超音波振動子12の上側領域19および下側領域20に配置される。配置の方法は、ステップS301と同様の方法で行うことができる。また、第1入力チャネル131および第1検出チャネル141を複数個で構成する場合、ROIを覆うのに必要な列の数は、式(3)で算出することができる。
ステップS304はステップS302と同様であり、ステップS303によって配置された第1入力チャネル131から対応する第1検出チャネル141までの各光路を確認し、超音波撮像におけるROIと前記光路との重複度合いが、所定の第2閾値以上であるか否かを確認する。
また、さらなる条件を加えることも可能である。例えば、ROIと重複しない光路の数を所定の割合より低くするような条件を加えてもよい。
なお、超音波振動子12のY軸方向における長さがX軸方向における長さより短い場合、特に1次元配列された超音波振動子によくあてはまるが、光入力チャネルおよび検出チャネルを超音波振動子12の左側領域17および右側領域18に配置するよりも、上側領域19および下側領域20に配置する方が、表面に近い領域を撮像する場合にはより適している。これは、光入力チャネルおよび検出チャネル間の距離が長くなればなるほど、光路の深さがより深くなるからである。
そのような場合に、超音波振動子12の上側領域19および下側領域20に配置された第1入力チャネル131および第1検出チャネル141の撮像領域が少なくともROIの表面に近い領域と重複し、超音波振動子12の左側領域17および右側領域18に配置された第2入力チャネル132および第2検出チャネル142の撮像領域が少なくともROIのより深い領域と重複するように領域を決定することが可能である。ここで、表面に近い領域およびより深い領域は、あらかじめ定義されており、両領域は互いに重複してもよい。
ステップS305は、上側領域19および下側領域20に配置された第1入力チャネル131および第1検出チャネル141によって構成される上下方向における光路が、左側領域17および右側領域18に配置された第2入力チャネル132および第2検出チャネル142によって構成される左右方向における光路とが重複するかどうかを判定するステップである。
ここで、両光路は重複して交差する方が好ましい。光路が重複して交差することにより、1つのボクセルに対して2つの方向からの情報を得ることができ、各ボクセルの光学パラメータの再構成結果における位置精度等を向上させることができる。これは、両光路の重複する部分が増加すればするほど、ヤコビ行列で伝達される互いに独立な情報の数が増加することを意味する。この意味では、例えばヤコビ行列の特異ベクトルの数等が所定の閾値を超えるような一定の条件で配置を決定してもよい。さらに、この両光路の重複部分は、略直交して重複することが好ましい。これにより、画像再構成において吸収係数などの光学パラメータの分布を決定する際の精度をさらに向上させることができる。
なお、上記配置ステップの順序は重要ではなく、上記の実施形態に限定されるものではない。少なくとも、複数の光入力チャネルおよび複数の検出チャネルを、超音波振動子12の上下領域と、左右領域または斜め領域とに配置するように構成することが好ましい。また、図9におけるステップの一部のみを利用してもよい。
以上、本発明の第1の実施形態に係るプローブ10は、複数の光入力チャネルと複数の検出チャネルとによって構成される複数の光路(チャネルペア)がROIの大部分をカバーするとともに、当該光路の数(チャネルペア数)が最小となるようにして、複数の光入力チャネルと複数の検出チャネルとが配置されたものである。
本実施形態では、上側領域19に複数の第1入力チャネル131を配置するとともに下側領域20に複数の第1検出チャネル141を配置し、左側領域17に1つ以上の第2入力チャネル132を配置するとともに右側領域18に1つ以上の第2検出チャネル142を配置した。また、この配置によって構成される複数の光路は、プローブ本体11を平面視したときにおけるROIの全領域をカバーする。また、当該複数の光路は、複数の光入力チャネルと複数の検出チャネルとの離隔距離が互いに異なる複数のチャネルペアで構成されるので深さ方向にも異なる複数の光路が構成される。したがって、異なる深さ方向の複数の光路によって、深さ方向においてもROIの大部分を覆うことができる。しかも、本実施形態における複数の光入力チャネルと複数の検出チャネルとの配置によれば、ROIに対して無関係な光路がほとんど存在しない。
このように、本実施形態に係るプローブ10によれば、ROIに対して無駄な光入力チャネルまたは検出チャネルがないので、体内組織の光学パラメータ情報を取得するために要する測定時間、および、取得した光学パラメータ情報に基づいて画像を再構成するために要する再構成処理時間を低減することができる。また、プローブ本体が大型化することもない。
さらに、本実施形態に係るプローブ10によれば、互いに横切る複数の光路が重複交差するようにして、複数の光入力チャネルと複数の検出チャネルとが配置されている。これにより、1つのボクセルに対して2つの方向からの情報を得ることができるので、画像再構成の精度を向上させることができる。また、本実施形態では、左右方向の光路と上下方向の光路とが略直交するようにして構成されているので、画像再構成の精度をさらに向上させることができる。
なお、本実施形態において、左側領域17、右側領域18、上側領域19および下側領域20に加えて、右斜め上側領域45と、右斜め下側領域46と、左斜め下側領域47と、左斜め上側領域48とにも、追加の光入力チャネルおよび検出チャネルを配置することも可能である。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係るプローブ10Aについて、図10A〜図10Cを用いて説明する。図10Aは、本発明の第2の実施形態に係るプローブの外観斜視図である。また、図10Bおよび図10Cは、本発明の第2の実施形態に係るプローブにおいて、2つの光路が交差する様子を説明する図である。なお、図10Cは、図10AのA−A’線に沿って切断した断面図である。
本発明の第2の実施形態に係るプローブ10Aは、本発明の第1の実施形態に係るプローブ10と基本的な構成は同じである。したがって、図10A〜図10Cにおいて図1Aに示す構成要素と同じ構成要素については、同じ符号を付しており、その詳しい説明は省略する。
図10A〜図10Cに示す本発明の第2の実施形態に係るプローブ10Aが、図1Aに示す本発明の第1の実施形態に係るプローブ10と異なる点は、光入力チャネルおよび検出チャネルの配置である。
超音波撮像におけるROIでは、通常、より深い領域に対してX軸方向およびY軸方向に幅広い領域を確保することが好ましい。したがって、光入力チャネルおよび検出チャネルによって構成する光路がX−Y平面のより幅広い領域を覆うようにして、光入力チャネルおよび検出チャネルを配置することが有益である。
そこで、本実施形態に係るプローブ10Aでは、図10Aに示すように、第2入力チャネルとして、右斜め下側領域46および左斜め下側領域47にそれぞれ1つの光入力チャネル13iおよび13jを配置し、また、第2検出チャネルとして、左斜め上側領域48および右斜め上側領域45にそれぞれ1つの検出チャネル14iおよび14jを配置している。
なお、図10Aでは、左側領域17および右側領域18には、光入力チャネルおよび検出チャネルは配置していない。また、上側領域19および下側領域20には、第1の実施形態と同様の配置によって、第1入力チャネル131および第1検出チャネル141を配置している。
図10Aに示すような構成により複数の光入力チャネルと複数の検出チャネルとを配置することにより、矩形の超音波振動子12の対角方向においても光路を構成することができる。また、図10Bおよび図10Cに示すように、第1入力チャネルの一例である光入力チャネル13cおよび第1検出チャネルの一例である検出チャネル14cによって構成される上下方向の光路74と、第2入力チャネルの一例である光入力チャネル13jおよび第2検出チャネルの一例である検出チャネル14jによって構成される斜め方向の光路75とが、一部重なるように交差している。
以上、本発明の第2の実施形態に係るプローブによれば、右斜め上側領域45、右斜め下側領域46、左斜め下側領域47、左斜め上側領域48に配置された第2入力チャネルおよび第2検出チャネルによって構成される斜め方向の光路が、より深い領域において超音波振動子12の外側領域を覆うことになる。したがって、当該斜め方向の光路が、より深い領域に対してX軸方向およびY軸方向の幅広い領域を覆うことができる。
なお、本実施形態において、右斜め上側領域45、右斜め下側領域46、左斜め下側領域47および左斜め上側領域48には、それぞれ1つの光入力チャネルおよび1つの検出チャネルを配置したが、これに限らない。例えば、各領域に、複数の光入力チャネルまたは複数の検出チャネルを配置するように構成しても構わない。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係るプローブ10Bについて、図11A〜図11Cを用いて説明する。図11Aは、本発明の第3の実施形態に係るプローブの外観斜視図である。また、図11Bおよび図11Cは、本発明の第3の実施形態に係るプローブにおいて、2つの光路が交差する様子を説明する図である。なお、図11Cは、図11AのA−A’線に沿って切断した断面図である。
本発明の第3の実施形態に係るプローブ10Bは、本発明の第1の実施形態に係るプローブ10と基本的な構成は同じである。したがって、図11A〜図11Cにおいて図1Aに示す構成要素と同じ構成要素については、同じ符号を付しており、その詳しい説明は省略する。
図11A〜図11Cに示す本発明の第3の実施形態に係るプローブ10Bが、図1Aに示す本発明の第1の実施形態に係るプローブ10と異なる点は、光入力チャネルおよび検出チャネルの配置である。
本実施形態に係るプローブ10Bは、図11Aに示すように、第2入力チャネルとして、右斜め上側領域45および左斜め上側領域48にそれぞれ1つの光入力チャネル13kおよび13lを配置し、第2検出チャネルとして、左斜め下側領域47および右斜め下側領域46にそれぞれ1つの検出チャネル14kおよび14lを配置している。
なお、図11Aでも、左側領域17および右側領域18には、光入力チャネルおよび検出チャネルは配置していない。また、上側領域19および下側領域20には、第1の実施形態と同様の配置によって、第1入力チャネル131および第1検出チャネル141を配置している。
図11Aに示すように構成により複数の光入力チャネルと複数の検出チャネルとを配置することにより、第2の実施形態と同様に、矩形の超音波振動子12の対角方向においても光路を構成することができる。また、図11Bおよび図11Cに示すように、第2の実施形態と同様に、第1入力チャネルの一例である光入力チャネル13cおよび第2検出チャネルの一例である検出チャネル14cによって構成される上下方向の光路76と、第2入力チャネルの一例である光入力チャネル13kおよび第2検出チャネルの一例である検出チャネル14kによって構成される斜め方向の光路とが、一部重なるように交差している。
さらに、本実施形態に係るプローブ10Bでは、右斜め上側領域45および左斜め上側領域48の領域から上側領域19にかけての上周辺領域における光路と、右斜め下側領域46および左斜め下側領域47から下側領域20にかけての下周辺領域における光路とが含まれるという利点がある。
したがって、第2の実施形態に対して、近赤外撮像によるROIをY軸方向にも広くすることができる。これにより、超音波撮像におけるROIと比べて近赤外撮像におけるROIを広くすることができる。これは、超音波撮像によって腫瘍を発見した場合に、超音波撮像のROIを超えて腫瘍の周囲を近赤外撮像したい場合に有用である。
なお、本実施形態においても、右斜め上側領域45、右斜め下側領域46、左斜め下側領域47および左斜め上側領域48には、それぞれ1つの光入力チャネルおよび1つの検出チャネルを配置したが、これに限らない。例えば、各領域に、複数の光入力チャネルまたは複数の検出チャネルを配置するように構成しても構わない。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態に係るプローブ10Cについて説明する。
前述の本発明の第1〜第3の実施形態に係るプローブでは、光入力チャネルおよび検出チャネルは固定化されている。これに対し、本発明の第4の実施形態に係るプローブ10Cでは、光入力チャネルおよび検出チャネルの位置を調整することができる。
より深い領域に腫瘍が存在する場合、より深い領域における測定値を取得して、前記腫瘍の領域をより精細な解像度で撮像することが望まれる。より深い領域の測定値を得るためには、光路の特性を鑑みると、光入力チャネルおよび検出チャネル間の離隔距離を大きくとることが必要である。この場合、図1Aにおいて、左側領域17および右側領域18に、より多くの光入力チャネルおよび検出チャネルを配置すれば、より深い領域の測定値を得ることができる。あるいは、上側領域19および下側領域20に、より多くの光入力チャネルおよび検出チャネルを配置することによっても、より深い領域の測定値を得ることができる。
しかしながら、単に光入力チャネルおよび検出チャネルの数を増やしただけでは、コストが増大するばかりか、測定時間や再構成処理時間も長くなり、さらには、プローブサイズも大きくなって操作性が低下することにもなりかねない。
そこで、本実施形態に係るプローブ10Cでは、超音波振動子12の上部領域に配置された光入力チャネルまたは検出チャネルと、超音波振動子12の下部領域に配置された検出チャネルまたは光入力チャネルとが、上下方向(Y軸方向)に可動するように構成されている。図12に、一部を可動式にした本発明の第4の実施形態に係るプローブ10Cを示す。図12は、本発明の第4の実施形態に係るプローブの外観斜視図である。
図12に示すように、本発明の第4の実施形態に係るプローブ10Cは、固定部114と、上可動部113と、下可動部115とを備える。固定部114には、超音波振動子12が設けられている。上可動部113および下可動部115は可動式である。上可動部113および下可動部115は、それぞれ固定部114の上部側および下部側に設けられており、上可動部113および下可動部115をスライドさせることにより、上可動部113と下可動部115との間の距離を変化させることができる。
なお、図12に示す本実施形態に係るプローブ10Cにおいて、光入力チャネルおよび検出チャネルの配置は、図10Aに示す本発明の第2の実施形態に係るプローブ10Aの配置と同様である。すなわち、本実施形態に係るプローブ10Cは、図10Aにおける下側領域20、右斜め下側領域46および左斜め下側領域47に対応する下部領域に光入力チャネルが配置されており、また、上側領域19、右斜め上側領域45および左斜め上側領域48に対応する上部領域に検出チャネルが配置されている。したがって、本実施形態に係るプローブ10Cでは、上部領域に対応する上可動部113に複数の検出チャネルが配置されており、下部領域に対応する下可動部115に複数の光入力チャネルが配置されている。
上可動部113および下可動部115の2つの可動部分は個々に動かすことができる。上可動部113および下可動部115の少なくとも一方を可動させることにより、これと連動して下可動部115に配置された光入力チャネルと上可動部113に配置された検出チャネルとの間の離隔距離を変化させることができる。
また、上可動部113および下可動部115の2つの可動部分は、上方向または下方向の異なる方向に同時に動かすことが好ましい。この場合、より深い部分の腫瘍等を撮像する場合は、上可動部113および下可動部115の2つの可動部分を遠ざけるように動かせばよく、また、浅い部分の腫瘍等を撮像する場合は、上可動部113と下可動部115の2つの可動部分を近づけるように動かせばよい。なお、上可動部113と下可動部115の移動量は腫瘍等の撮像対象組織の深さによって決定すればよい。また、上可動部113および下可動部115の可動範囲は、光入力チャネルおよび検出チャネル間の離隔距離が長くなり過ぎて測定が困難にならないような範囲で決定される。
また、本実施形態に係るプローブ10Cは、さらに、位置センサ127を備える。位置センサ127は、上可動部113および下可動部115のそれぞれに設けられている。位置センサ127は、固定部114の任意の部分に取り付けられたセンサ128を基準として、上可動部113および下可動部115の動きを監視する。また、位置センサ127およびセンサ128は、固定部114を基準として上可動部113および下可動部115の動きを記録する。
なお、固定部114の上端部と下端部には、保持部120が設けられている。また、保持部120を介して、上可動部113および下可動部115の位置を調整するための調整部材121が設けられている。上可動部113および下可動部115は、モータコントローラ(図示せず)により自動で、または手動で、調整部材121を調整することによって、可動させることができる。このとき、撮像したい領域の深さに応じて、光入力チャネルおよび検出チャネル間の距離を設定して、上可動部113および下可動部115を可動させればよい。この場合、後述するような光入力チャネルおよび/または検出チャネルの入射角を変更することにより、光路の深さを変更することもできる。
また、上可動部113または下可動部115の移動距離は、ROIの領域に応じて、都度計算して決定しても構わないし、情報処理装置等のメモリに記憶されたテーブルに基づいて、既知の情報をテーブル読み取りによって決定しても構わない。
次に、このように構成される本発明の第4の実施形態に係るプローブ10Cにおいて、固定部114、上可動部113、下可動部115および保持部120の各構成について、図13A〜図13Cを用いて詳述する。図13Aは、本発明の第4の実施形態に係るプローブにおける固定部の外観斜視図である。図13Bは、本発明の第4の実施形態に係るプローブにおける上可動部または下可動部の外観斜視図である。図13Cは、本発明の第4の実施形態に係るプローブにおける保持部の外観斜視図である。
図13Aに示すように、固定部114は、超音波振動子が配置される中央部114aと、中央部114aの両端に接続する2つのアーム114bおよび114cを有する。アーム114bおよび114cは、上可動部113および下可動部115を保持するための構造を含む。本実施形態では、上可動部113および下可動部115を保持するために、アーム114bおよび114cには、上可動部113および下可動部115の両端の凸部を挿入するための凹溝(ガイド)が形成されている。なお、凹溝には、保持部120の凸部も挿入される。
図13Bに示すように、上可動部113は、光入力チャネルまたは検出チャネルが配置される板状部材であり、その両端部には固定部114のアーム114bおよび114cの凹溝に挿入される凸部113aおよび113bが形成されている。なお、下可動部115の構成は、図13Bに示す上可動部113と同様の構成であるので、説明は省略する。
図13Cに示すように、保持部120は、棒状部材であり、その両端には固定部114のアーム114bおよび114cの凹溝に挿入される凸部120aおよび120bが形成されている。また、保持部120は、調整部材121を貫通するための貫通孔124が形成されている。保持部120は、固定部114のアーム114bとアーム114cの間で固定される。
以上、本発明の第4の実施形態に係るプローブ10Cによれば、光入力チャネルおよび/または検出チャネルの位置を変えることができるので、近赤外撮像における光路が超音波撮像におけるROIを覆うようにして、光入力チャネルおよび検出チャネル間の離隔距離を調整することができる。このとき、光入力チャネルおよび検出チャネル間の離隔距離が長くなればなるほど、もっとも光が伝播する確率の高い光路の深さも増す。これにより、より深い部位までの撮像が可能となる。さらに、光入力チャネルおよび検出チャネル間の離隔距離を調整可能とすることができるので、数多くの入力チャネルおよび検出チャネルを用いることなく、異なる深さの部位に焦点を合わせることができる。したがって、撮像したい領域(観察領域)に対して所望の近赤外撮像を行うことができる。
このように、本実施形態では、観察領域に応じて光路を調整することができるので、プローブ面積の増加を抑えつつ、観察領域を拡大することができる。例えば、観察領域が組織の深部の場合は、光入力チャネルおよび検出チャネル間の距離が大きくなるように可動部を調整すればよく、また、観察領域が組織の浅部の場合は、光入力チャネルおよび検出チャネル間の距離が小さくなるように可動部を調整すればよい。
また、このように光入力チャネルおよび/または検出チャネルの位置が可動であるので、撮像時において、光入力チャネルおよび検出チャネル間の離隔距離を適切に保つように、光入力チャネルおよび/または検出チャネルの位置を微調整することもできる。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態に係るプローブ10Dについて、図14を用いて説明する。図14は、本発明の第5の実施形態に係るプローブの外観斜視図である。
本発明の第5の実施形態に係るプローブ10Dは、本発明の第4の実施形態に係るプローブ10Cと基本的な構成は同じである。したがって、図14において図12および図13A〜図13Cに示す構成要素と同じ構成要素については、同じ符号を付しており、その詳しい説明は省略する。
図14に示す本発明の第5の実施形態に係るプローブ10Dが、図12等に示す本発明の第4の実施形態に係るプローブ10Cと異なる点は、光入力チャネルおよび検出チャネルの配置である。
図14に示す本実施形態に係るプローブ10Dにおいて、光入力チャネルおよび検出チャネルの配置は、図1に示す本発明の第1の実施形態に係るプローブ10の配置と同様である。すなわち、本実施形態に係るプローブ10Dでは、図1における左側領域17および下側領域20に対応する領域に光入力チャネルが配置されており、また、上側領域19と右側領域に対応する領域に検出チャネルが配置されている。
そして、本実施形態に係るプローブ10Dでは、上側領域19に対応する上可動部113に複数の検出チャネルが配置されており、下側領域20に対応する下可動部115に複数の光入力チャネルが配置されている。
さらに、本実施形態に係るプローブ10Dでは、超音波振動子12の左側領域17および右側領域18に配置された光入力チャネルおよび検出チャネルの位置が左右方向(X軸方向)に移動するように構成されている。
具体的には、超音波振動子12の左側領域17は左可動部122で構成されており、右側領域18は右可動部123で構成されている。そして、左可動部122には、2つの光入力チャネルが設けられ、右可動部123には、2つの検出チャネルが設けられている。左可動部122および右可動部123の可動手段は、上可動部113および下可動部115の可動手段と同様である。つまり、固定部114に凹溝が形成されるとともに、左可動部122および右可動部123に当該凹溝に挿入される凸部が形成される。
なお、本実施形態に係るプローブ10Dは、第4の実施形態と同様に、上部領域に対応する上可動部113には複数の検出チャネルが配置されており、下部領域に対応する下可動部115には複数の光入力チャネルが配置されている。
本発明の第5の実施形態に係るプローブ10Dによれば、上記第4の実施形態に係るプローブ10Cと同様の効果を奏する。さらに、本発明の第5の実施形態に係るプローブ10Dでは、光入力チャネルおよび/または検出チャネルが、上下方向(Y軸方向)にだけではなく、左右方向(X軸方向)にも可動するように構成されている。これにより、複数の光入力チャネルおよび複数の検出チャネルの組み合わせによる複数の光路について、位置および深さの調整の自由度を一層高めることができる。
このとき、撮像したい領域の深さに応じて、光入力チャネルおよび検出チャネル間の距離を設定して、上可動部113、下可動部115、左可動部122および右可動部123を可動させればよい。この場合、光入力チャネルおよび検出チャネル間の距離が等しくなるように設定することが好ましい。但し、可動距離の物理的制約や観察対象の形状等の都合により上記距離が等しくなるように設定できないときは、可動可能な距離の範囲内で後述するような光入力チャネルおよび/または検出チャネルの入射角を変更することにより、光路の深さを変更することもできる。
なお、本実施形態において、左可動部122および右可動部123における位置を調整するための構成及び方法については、第4の実施形態において説明した上可動部113および下可動部115における位置を調整するための構成及び方法を適用することができる。
また、本実施形態では、上可動部113、下可動部115、左可動部122および右可動部123の4つの可動部で構成したが、これに限らない。このうちのいずれか1つのみ、2つのみ、3つのみの可動部で構成しても構わないし、4つ以上の複数の可動部を設けても構わない。この場合、可動単位毎に凹溝と凸部等のレールを設けることにより、各可動部を任意の方向に可動させることができる。
なお、第4の実施形態及び第5の実施形態では、複数の検出チャネルが1つの上可動部113上に配置された構成について説明したが、本実施形態は、この構成に限られるものではない。例えば、上可動部113が、2つ以上の可動部に分離されていてもよい。
以下、上可動部113を複数の可動部に分離し、上可動部113が第1の上可動部と第2の上可動部とを有している構成について説明する。第1の可動部上には、3つの検出チャネル14a、14c、14eが配置され、第2の可動部上には、3つの検出チャネル14b、14d、14fが配置される。また、第1の上可動部と第2の上可動部とは独立に移動可能であることが好ましい。このように、第1の上可動部と第2の上可動部とが独立に移動できることで、検出チャネル14a、14c、14eと、検出チャネル14b、14d、14fとの間隔も適宜変更することが可能になる。その結果、検出チャネル14a、14c、14eが形成するROIと、検出チャネル14b、14d、14fが形成するROIとが重複する領域の広さを、適宜調整することが可能になる。すなわち、最低限の検出チャネル数で最大限のROI領域を形成したり、逆に、ROIの重複領域を多くして、データ精度を上げたりといった使い分けを行うことができる。
また、以上の例は、上可動部113について述べたが、下可動部115、左可動部122および右可動部123についても同様であり、各可動部は、複数の可動部に分離された構成であってもよい。
なお、後述する第6の実施形態で説明するように、検出チャネルの光軸を切り替える場合には、各チャネルが形成するROI領域の形状が異なる。よって、初期設定では各検出チャネルが形成するROI同士の重複面積が最適に調整されていたとしても、検出チャネルの光軸を変更した後においては、ROIの重複面積が理想条件とは異なる可能性がある。従って、検出チャネルの光軸を切り替えた後に、第1の上可動部と第2の上可動部との間隔を変更する処理を行うことで、光軸の方向変化によるROIの重複面積を適宜好ましい状態に再設定することが出来る。
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態に係るプローブについて、図15Aおよび図15Bを用いて説明する。図15Aおよび図15Bは、本発明の第6の実施形態に係るプローブを説明するための図である。
本発明の第6の実施形態に係るプローブは、本発明の第1〜第5の実施形態に係るプローブと基本的な構成は同じである。すなわち、本発明の第6の実施形態に係るプローブにおける光入力チャネルおよび検出チャネルの配置等は、本発明の第1〜第5の実施形態に係るプローブにおける光入力チャネルおよび検出チャネルの配置と同様である。
本発明の第6の実施形態に係るプローブが本発明の第1〜第5の実施形態に係るプローブと異なる点は、本発明の第6の実施形態に係るプローブでは、光入力チャネルの光入射方向および検出チャネルの光検出方向を切り替えられるように構成されており、光入力チャネルおよび検出チャネルの光軸が測定面に対して傾斜するように調整することができる点である。なお、第1〜第5の実施形態では、光入力チャネルおよび検出チャネルの光軸は測定面に対して垂直であり、光入力チャネルの光入射方向および/または検出チャネルの光検出方向は固定されている。
すなわち、本発明の第6の実施形態に係るプローブは、光入力チャネル13から出射する光が関心領域に入射するときの光入射角、または、検出チャネル14が光入力チャネルからの光を受光するときの光入射角を変更することができる入射角変更機構を備える。本実施形態において、光入力チャネル13は光源ファイバで構成されており、また、検出チャネル14は検出ファイバで構成されているので、入射角変更機構は、これらのファイバの光軸が変更するようにファイバを可動させるような構成とすればよい。
そして、本実施形態では、図15Aに示すように、下部組織の浅い領域を撮像する場合、すなわち、ROIが浅部の場合は、入射角変更機構によって、光が組織の浅部を伝播するように光入力チャネル13の光入射方向および検出チャネル14の光検出方向を切り替える。
一方、図15Bに示すように、下部組織の深い領域を撮像する場合、すなわち、ROIが深部の場合は、入射角変更機構によって、光が組織の深部を伝播するように光入力チャネル13の光入射方向および検出チャネル14の光検出方向を切り替える。
また、光入力チャネル13の光入射角(光軸)と連動するようにして、検出チャネル14の光入射角(光軸)を切り替えることが好ましい。これにより、光入力チャネル13からの光を効率よく検出チャネル14に入力させることができる。
このように本実施形態に係るプローブによれば、光入力チャネルおよび検出チャネルの入射角を調整することができるので、光入力チャネルおよび検出チャネル間の離隔距離を変更することなく、ROIの深さに応じて光路の深さを調整することができる。
なお、本実施形態では、光入力チャネル13および検出チャネル14間の離隔L3を変更することなく、光入力チャネル13および検出チャネル14の入射角のみ変更したが、これに限らない。第4および第5の実施形態のように、可動部によって光入力チャネルおよび検出チャネル間の離隔距離を変更するとともに、光入力チャネルおよび検出チャネルの入射角も変更するように構成しても構わない。
また、本実施形態では、一組の光入力チャネル13と検出チャネル14とについて例示したが、本実施形態は、プローブ本体に配置された任意の光入力チャネルおよび/または検出チャネルに対して適用することができる。
(第7の実施形態)
次に、本発明の第7の実施形態に係る近赤外撮像システムについて、図16を用いて説明する。図16は、本発明の第7の実施形態に係る近赤外撮像システムの構成を示すブロック図である。
図16に示すように、近赤外撮像システム200は、主に、超音波撮像部210、近赤外撮像部220と、表示部230とを含む。
当該近赤外撮像システム200において、超音波撮像部210は、下部組織に超音波を入射し、超音波撮像画像を形成するための超音波エコーを受信する。超音波撮像の結果は、近赤外撮像部220に利用される。
近赤外撮像部220は、光源システム221と、光検出システム222と、データ取得部223と、画像再構成部224と、セグメンテーション部225と、プローブ調整部226と、センサ227とを含む。
光源システム221および光検出システムでは、上述した第1〜第6の実施形態に係るプローブを用いることができる。但し、本実施形態では、光入力チャネルおよび検出チャネルの位置や入射角を調整するために、第4〜第6の実施形態に係るプローブを用いた。
光源システム221は、所定の光源によって生成した光を、プローブに配置された複数の光入力チャネルに伝送する。なお、光をプローブに伝送する伝送路としては、光ファイバを用いることができる。
光検出システム222は、プローブに配置された複数の検出チャネルによって光を検出し、検出した光の信号(検出信号)に応じた測定値を算出するために、光の検出信号を電気信号に変換する。
データ取得部223は、光検出システム222から電気信号を取得し、当該電気信号を処理および増幅し、画像再構成部224に送信する。
画像再構成部224は、データ取得部223から送信された電気信号に基づいて、組織内部の光学パラメータ分布を再構成し、画像化する。
セグメンテーション部225は、超音波撮像部210による超音波撮像によって腫瘍等の病変が検出された場合に、病変部位をセグメント化して、病変の深さ等を算出する。セグメンテーション部225によって得られた病変の深さ等の情報は、プローブ調整部226に送信される。
プローブ調整部226は、セグメンテーション部225からの情報を基にプローブの可動部等を動かして、光入力チャネルおよび検出チャネル間の離隔距離を調整する。
センサ227は、プローブの全ての可動部等が正確に調整されるように可動部等の動きを監視する。
表示部230は、近赤外撮像と超音波撮像の撮像結果を表示するものであり、例えば、ディスプレイである。
次に、本発明の第7の実施形態に係る近赤外撮像システムの動作について説明する。
まず、超音波撮像部210によって、下部組織に超音波を入射し、超音波撮像画像を形成するための超音波エコーを受信する。超音波エコーによって、下部組織における腫瘍等の病変を検出する。
次に、超音波撮像の結果に基づき、セグメンテーション部225によって、病変部位をセグメント化して病変の深さ等の情報を算出する。
次に、セグメンテーション部225からの情報に基づき、プローブ調整部226によって、プローブの可動部等を動かして光入力チャネルおよび検出チャネル間の離隔距離を調整する。
プローブ調整部226におけるプローブの調整が終了すると、光源システム221は光を生成し、前記光をプローブ上の複数の光入力チャネルに入射する。これにより、光入力チャネルから下部組織へと光が入射され、当該光は下部組織内において吸収、拡散、および/または反射される。
その後、光検出システム222によって、下部組織内を伝播した光はプローブの検出チャネルによって検出され、検出信号の測定値を算出するために、光信号が電気信号に変換される。
次に、光検出システム222からの電気信号はデータ取得部223において、処理、増幅、および/または測定される。
最後に、プローブによる測定結果に基づき、画像再構成部224によって組織内部の光学パラメータ分布を再構成し、画像化する。画像の再構成において、超音波撮像の結果は、光学パラメータの初期分布の算出(反復演算により再構成を実施する際には、初期分布を与える必要がある)、腫瘍およびその周囲への近赤外撮像のROIの設定、あるいは、前記腫瘍およびその周囲を他の領域よりも高解像度に再構成するために用いることができる。
なお、近赤外撮像によって再構成された画像は、超音波撮像の結果とともに表示されるために表示部230に出力される。その後、表示部230によって、近赤外撮像の結果と超音波撮像の結果が表示される。
以上により、下部組織の画像を再構成することができる。
以上、本発明に係るプローブおよびプローブを用いた画像再構成方法について、実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。
例えば、本実施形態では、プローブの形状は矩形としたが、これに限らない。プローブの形状は、矩形に限らずその他の形でもよく、平面および曲面の表面を有するプローブでもよい。その一例として、人間の胸部全体を覆うドーム型プローブまたは胸部の曲線に適合する走査型がある。
さらに、本実施形態におけるプローブは光が検出できさえすれば、胸部以外の部分にも適用できる。たとえば、脳、皮膚、および前立腺等の組織も撮像することができる。
また、本実施形態では、検出チャネルとして光検出チャネル(光検出器)を用いたが、これに限らない。すなわち、本実施形態では、検出チャネルとしても光検出チャネルを用いたが、例えば、検出チャネルとして超音波検出チャネルを用いた、いわゆる光音響法を適用しても構わない。具体的には、入力チャネルとしては光入力チャネルを用いて測定対象の組織にレーザ光を入射し、組織の光吸収によって生じる応力歪みに起因する超音波信号を超音波プローブにより測定する。この場合、組織に応じて光吸収の度合いが異なるため、測定される超音波信号(光音響信号)の振幅や位相の変化に基づいて組織の判別を行うことができる。なお、超音波プローブとしては圧電素子を用いることができるので、プローブ上に既に配置された超音波撮像用の超音波振動子によって光音響信号を測定することもできる。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で当業者が思いつく各種変形を施したものも本発明の範囲内に含まれる。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、複数の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
本発明は、近赤外撮像におけるプローブ、特に、超音波撮像と近赤外撮像とを併用して組織の画像を再構成する際に使用するプローブ等として広く利用することができる。
10、10A、10B、10C、10D プローブ
11 プローブ本体
12 超音波振動子
13、13a、13b、13c、13d、13e、13f、13g、13h、13i、13j、13k、13l、33、130 光入力チャネル
14、14a、14b、14c、14d、14e、14f、14g、14h、14i、14j、14k、14l、34、140 検出チャネル
15 光路
16 ROI
16a 特定領域
17 左側領域
18 右側領域
19 上側領域
20 下側領域
24、26、28、29、37、38 境界線
25、27 中央線
35 中心線
42、43 領域
45 右斜め上側領域
46 右斜め下側領域
47 左斜め下側領域
48 左斜め上側領域
71、72、73、74、75、76 光路
81 圧電素子
113 上可動部
113a、113b 凸部
114 固定部
114a 中央部
114b、114c アーム
115 下可動部
120 保持部
120a、120b 凸部
121 調整部材
122 左可動部
123 右可動部
124 貫通孔
127 位置センサ
128、227 センサ
131 第1入力チャネル
132 第2入力チャネル
141 第1検出チャネル
142 第2検出チャネル
200 近赤外撮像システム
210 超音波撮像部
220 近赤外撮像部
221 光源システム
222 光検出システム
223 データ取得部
224 画像再構成部
225 セグメンテーション部
226 プローブ調整部
230 表示部

Claims (11)

  1. 複数の入力チャネルおよび複数の検出チャネルが配置されたプローブ本体を備え、撮像対象である関心領域に対して近赤外撮像を行うプローブであって、
    前記関心領域に対応する前記プローブ本体の領域を特定領域とするとともに、前記プローブ本体を平面視したときに、前記特定領域を基準として当該特定領域の左側、右側、上側、下側、右斜め上側、右斜め下側、左斜め下側および左斜め上側の各領域をそれぞれ、左側領域、右側領域、上側領域、下側領域、右斜め上側領域、右斜め下側領域、左斜め下側領域および左斜め上側領域とすると、
    前記上側領域および前記下側領域の一方の領域のみに配置された、1つ以上の第1入力チャネルと、
    前記上側領域および前記下側領域の他方の領域のみに配置された、1つ以上の第1検出チャネルと、
    前記左側領域、前記右側領域、前記右斜め上側領域、前記右斜め下側領域、前記左斜め下側領域および前記左斜め上側領域の少なくとも1つの領域に配置された、1つ以上の第2入力チャネルと、
    前記左側領域、前記右側領域、前記右斜め上側領域、前記右斜め下側領域、前記左斜め下側領域および前記左斜め上側領域のうち、前記特定領域を介して前記第2入力チャネルが配置された領域と対向する領域に配置された、1つ以上の第2検出チャネルと、を備える
    プローブ。
  2. 前記第1入力チャネルから対応する前記第1検出チャネルまでの光路、および、前記第2入力チャネルから対応する前記第2検出チャネルまでの光路と、前記関心領域との重複が一定度合いを超える
    請求項1に記載のプローブ。
  3. 前記第1入力チャネルおよび前記第1検出チャネルが、それぞれ複数個からなる
    請求項1に記載のプローブ。
  4. 前記第1入力チャネルおよび前記第1検出チャネルが、それぞれ複数列で構成されており、
    前記第1入力チャネルおよび前記第1検出チャネルの各列において、前記第1入力チャネルおよび前記第1検出チャネルは、それぞれ複数個からなる
    請求項3に記載のプローブ。
  5. 第1の列に配列された前記第1入力チャネルと前記第1列方向の前記第1検出チャネルとによって構成される光路と、第1の列と隣り合う第2の列に配列された前記第1入力チャネルと前記第2列方向の前記第1検出チャネルとによって構成される光路とが、重なっている
    請求項4に記載のプローブ。
  6. 前記第1入力チャネルから前記第1検出チャネルまでの第1光路と、前記第2入力チャネルから前記第2検出チャネルまでの第2光路とが、重なって交差する
    請求項1に記載のプローブ。
  7. 前記第1光路と前記第2光路とが略直交している
    請求項6に記載のプローブ。
  8. さらに、超音波を入射するとともにエコーを受信する超音波振動子が前記特定領域に配置されており、
    前記関心領域は前記超音波振動子の撮像領域に基づき決定される
    請求項1〜7のいずれか1項に記載のプローブ。
  9. さらに、前記第1入力チャネル、前記第1検出チャネル、前記第2入力チャネル、および、前記第2検出チャネルの少なくとも1つの位置を変化させることができる可動部を備える
    請求項1〜8のいずれか1項に記載のプローブ。
  10. さらに、前記第1入力チャネルあるいは前記第2入力チャネルから出射する光が前記関心領域に入射するときの光入射角、または、前記第1検出チャネルあるいは前記第2検出チャネルが受光するときの光入射角を変更することができる入射角変更機構を備える
    請求項1〜9のいずれか1項に記載のプローブ。
  11. 請求項1〜10に記載のプローブを組織表面にあてて組織内を近赤外撮像することにより当該組織内の光学データを取得して画像を再構成するための画像再構成方法であって、
    前記近赤外撮像の撮像対象である関心領域を決定するステップと、
    前記プローブ上の少なくとも1つの入力チャネルから前記関心領域に対して光を入射するステップと、
    前記入力チャネルにより入射され、前記組織内を伝播する光を少なくとも1つの検出チャネルによって検出するステップと、
    前記検出された光を使用して前記関心領域における光学的な特徴量を再構成するステップとを含む
    画像再構成方法。
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