JPWO2011016418A1 - シリカ層で被覆されたシリカ−ジルコニア複合粒子の製造方法 - Google Patents

シリカ層で被覆されたシリカ−ジルコニア複合粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明により、シリコンのアルコキシド及び/又は該アルコキシドから誘導される可縮合性化合物と、ジルコニウムのアルコキシド及び/又は該アルコキシドから誘導される可縮合性化合物とを、アセトニトリルが反応液中に10質量%以上含有される含水溶媒中で反応させることによりシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子分散液を得、次いで、前記シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子分散液中で該分散液中に分散しているシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子とシリコンのアルコキシド及び/又は該アルコキシドから誘導される可縮合性化合物とを反応させることにより、該シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の表面をシリカ層で被覆させることを特徴とする、シリカ層で被覆されたシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の製造方法が開示される。

Description

本発明は、表面がシリカ層で被覆された、シリカ−ジルコニア複合粒子(以下、複層粒子と略記する場合がある)の製造方法に関する。本製造方法によれば、単分散性の良い複層粒子を、安定した製造条件で製造できる。
シリコン等のアルコキシド等を加水分解すると共に重縮合させることによって、単分散性の高い球状のシリカ粒子を製造する方法が知られている。金属アルコキシドなどの有機金属化合物を原料として用いて、この原料を含水溶媒中で重縮合反応させることにより、金属酸化物粒子を製造する方法は、一般にゾル−ゲル法と呼ばれている。原料として、シリコンのアルコキシドとシリカ以外の金属のアルコキシドとを用いることによって、シリカ系複合酸化物粒子がゾル−ゲル法により製造される。シリカ系複合酸化物粒子としては、シリカ−チタニア、シリカ−アルミナ、シリカ−ジルコニア等の粒子が例示される。
ゾル−ゲル法により製造されるシリカ系複合酸化物粒子は、シリカと複合される金属酸化物の種類に応じて、特徴ある性能が付与される。これらの特徴はシリカ単独で製造される粒子では得られない特徴である。
これらの特徴を有する粒子は様々な用途に応用されている。例えば、シリカとシリカ以外の金属酸化物との配合比率を変えることにより、光学的透明性を保ちながら、粒子の屈折率を任意に調節できる。この技術の応用として、透明な複合樹脂や、歯科用のコンポジットレジンがある。
これらの複合樹脂やコンポジットレジンは、樹脂の屈折率と一致する屈折率の粒子を充填材として用いることで、視覚的透明性を維持しながら、樹脂の機械的強度、低熱膨張性などの性能の向上が達成される。
予後の診断の容易性の観点から、歯科用コンポジットレジンに配合する充填材には、上記透明性の他に、X線造影性が付与されていることが有益である。したがって、歯科用コンポジットレジンに配合する充填材としては、シリカと他の金属酸化物とが複合されたシリカ系複合酸化物粒子が通常使用される。前記シリカ系複合酸化物粒子に複合させる金属酸化物としては、X線造影性を有するチタニア、ジルコニア、バリウム酸化物等が好ましい。これら金属酸化物の配合比率を調節して充填材の屈折率を樹脂の屈折率と一致させることで、透明性と該X線造影性とを兼ね備えた歯科用の充填材が得られる。
一方、シリカ系複合酸化物粒子を前記ゾル−ゲル法により製造する場合、従来法においては、通常生成して来るシリカ系複合酸化物粒子が凝集し易い問題がある。更に、時間の経過と共に、次々と新たなシリカ系複合酸化物粒子の微粒子が生成するので、得られる粒子の粒径が不均一になる問題がある。これらの現象は、複合酸化物粒子中のシリカ以外の金属酸化物の含有率が高くなるにつれて顕著になる。その結果、単分散性が良好で、粒径の均一なシリカ系複合酸化物粒子を得ることは困難である。
単分散性の良いシリカ系複合酸化物粒子を製造する方法として、ゾル−ゲル法の反応液に含水アセトニトリルを用いる方法が提案されている(特許文献1参照)。反応液中のアセトニトリルの濃度は、20質量%以上である。この提案は、上記課題の解決に関して大変効果的である。実際、単分散性に優れるシリカ系複合酸化物粒子を効率的に製造することができる。
特開2007−269594号公報
上記方法等により製造されるシリカ系複合酸化物粒子は、その表面をシリカ層で被覆して複層粒子にすることが好ましい。該複層粒子は、歯科用コンポジットレジンの充填材として使用する場合等において、特に有益である。
一般に、前記シリカ系複合酸化物粒子は、該粒子を構成するシリカと複合している金属酸化物に起因して、シリカ単体で構成される粒子と異なり、その表面に強い酸点が形成されている。この酸点が形成されている粒子を歯科用コンポジットレジンに配合する場合、コンポジットレジンを構成する樹脂マトリックス部分の変質や、充填材同士の凝集を引き起す。更に、酸点は、含有されている微量成分(顔料、重合開始剤、重合禁止剤等)の吸着を促進し、その結果、これらの果すべき機能が十分に発揮され無くなる。したがって、シリカ系複合酸化物粒子の表面は、不活性なシリカ層で被覆されていることが、酸点の活性の低減に極めて効果的である。
ところが、本発明者らは、アセトニトリルを含む反応液を用いるゾルーゲル法で得られるシリカ系複合酸化物粒子の場合であっても、このシリカ系複合酸化物粒子の表面をシリカ層で被覆することは困難であることを知得した。
本発明者らは、シリカ系複合酸化物粒子の表面をシリカ層で被覆するために、引き続いて同じ反応液中でシリコンのアルコキシドを反応させた。この場合、反応液中の該粒子の単分散性は急激に悪化し、凝集粒子の発生は顕著であった。特に、被覆されるシリカ系複合酸化物粒子のシリカ以外の金属酸化物の含有率が10モル%以上の場合、この凝集は著しかった。
上述のように、該複層粒子を、単分散性良く、且つ安定的に製造できない状況は、工業的に大きな問題を有する。
従って、透明性とX線造影性とを兼ね備え、歯科用コンポジットレジンに配合する充填材として有益なシリカ系複合酸化物粒子であって、その表面がシリカ層で被覆されている複層粒子を、反応中に凝集粒子を生じさせることなく、安定的に製造する方法を開発することが、本発明の課題である。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意研究を続けた。即ち、前記シリコンのアルコキシドとシリコン以外の金属のアルコキシドを用いてシリカ系複合酸化物粒子を製造し、更にこのシリカ系複合酸化物粒子の表面にシリカ層を被覆する反応を研究した。その結果、アセトニトリルを含有する含水溶媒中で製造したシリカ系複合酸化物粒子を原料として、その表面にシリカ層を被覆する反応においては、その反応中及び反応後を通して、生成する複層粒子は極め凝集し易くなっていることが確認された。
本発明者らは、上記シリカ層を表面に被覆する反応を更に研究した。その結果、該シリコン以外の金属がジルコニウムであるシリカ系複合酸化物粒子の場合に限って、得られる複層粒子の分散性を格別高く維持した状態で、該酸化物粒子の表面にシリカ層を被覆できることを見出した。
即ち、本発明者らは、上記アセトニトリルを含有する含水溶媒中で製造されるシリカ系複合酸化物粒子分散液を用いて、該分散液中の複合酸化物粒子の表面にシリカ層を被覆する反応においては、種々のシリカ系複合酸化物粒子の内、シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子を被覆する場合のみに、複合酸化物粒子の凝集が顕著に抑制されることを見出した。その結果、シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子を被覆する場合には、目的とするシリカ層で被覆されたシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子が極めて効率的に製造できることを確認した。本発明は、上記研究に基づいて完成するに至った。
すなわち、本発明は、シリコンのアルコキシド及び/又は該アルコキシドから誘導される可縮合性化合物、並びにジルコニウムのアルコキシド及び/又は該アルコキシドから誘導される可縮合性化合物を、アセトニトリルが、反応液中に10質量%以上含有される含水溶媒中で反応させることによりシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子分散液を得、次いで前記シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子分散液中で該分散液中に分散しているシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子とシリコンのアルコキシド及び/又は該アルコキシドから誘導される可縮合性化合物とを反応させることにより、該シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の表面をシリカ層で被覆させることを特徴とする、シリカ層で被覆されたシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の製造方法である。
本発明は、シリカ層で被覆されたシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の製造方法である。ジルコニア以外の金属酸化物を含有する、シリカ層で被覆された複合酸化物粒子は、本製造方法によっては製造できない。
本発明の製造方法により製造するシリカ層で被覆されたシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子は、優れたX線造影性を備えている。更に、シリカとジルコニアとの配合比率を調整することにより、シリカ層で被覆されたシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子と樹脂との屈折率を一致させることができる。従って、本発明の製造方法により製造される、シリカ層で被覆されたシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子は、人間の視覚的透明性とX線造影性とを兼ね備えた充填材として利用できる。この充填材は、歯科用コンポジットレジンへ配合する充填材等として有用である。
シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子は、表面に酸点を有する。従って、シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の表面は活性が高い。これに対し、本発明により製造される表面がシリカ層で被覆されたシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子は、表面を覆うシリカ層により、前記酸性の表面性状が被覆され、不活性になっている。本発明の製造方法によれば、表面性状が不活性のシリカ層で被覆されたシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子を、凝集を生じること無く、安定して製造することができる。
本発明の製造方法は、シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子を製造する第1段の反応工程と、第1段の反応工程で得られるシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の表面をシリカ層で被覆する第2段の反応工程とからなる。
(第1段の反応工程)
第1段の反応工程は、基本的には、従来のゾル−ゲル法によるシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の製造方法と同様である。即ち、含水溶媒中にシリカ原料物質、及びジルコニア原料物質を添加して、これら原料物質を反応させる。
本発明においては、このシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子を製造する第1段の反応工程を、常に所定濃度のアセトニトリルの存在下で行う点に特徴を有する。
本発明の製造方法においては、反応液中にアセトニトリルを10質量%以上含有している含水溶媒中で第1段の反応工程を行なう。なお、反応液とは、反応開始時における反応溶媒(水を含む有機溶媒。複合酸化物粒子が生成している場合は、同時に分散媒である。)、触媒、反応により生成する固体成分(シリカ系複合酸化物粒子)、反応により生成するアルコールなどの副生物、反応系に残存する未反応の反応原料、及び必要に応じて反応中に添加される水や有機溶媒などの全ての成分を含む混合物を意味する。上記アセトニトリルの濃度は、前記混合物の総質量を基準とする。
反応液にアセトニトリルが上記濃度で含有されている状態で、シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子を製造する第1段の反応工程を行う場合、生成するシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の凝集は高度に抑制される。その結果、単分散性に優れるシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子分散液が得られる。
上述のように、シリカと複合する他の金属としてジルコニウムを選択する場合にのみ、第2段の反応工程において、粒子の凝集が高度に抑制される原因は必ずしも明確に解明されていない。一般に、他の金属酸化物の関与する反応と比較して、ジルコニウムが関与する重縮合反応は穏やかに進行する。この反応の穏やかさと、アセトニトリルを配合することによる凝集抑制効果とが相乗的に作用し合い、その結果、第2段の反応が極めて穏やかに進行することが、凝集の抑制に寄与していると、本発明者らは考えている。
前記のように、ゾル−ゲル法によりシリカ系複合酸化物粒子を製造する場合は、シリカ以外の金属酸化物の含有率が高くなると、粒子の表面電位が低下する。その結果、各粒子間の反発力が不十分になり、各粒子は凝集し易くなる。以上の理由で、シリカ系複合酸化物粒子中のシリカ以外の金属酸化物の含有率が高くなると、単分散性の高い粒子が得られなくなる。
更に、この凝集現象は、生成するシリカ系複合酸化物粒子の分散量に比例して激しくなる。粒子間の反発エネルギーが減少し、個々の粒子の表面電位が更に低下するためである。
非プロトン性の極性溶媒を高濃度で含む溶媒(或いは分散媒)中で反応を行うことにより、表面電位の低下を抑制する効果を期待することができる。非プロトン性の極性溶媒は、電解質の役割をしない。非プロトン性の極性溶媒は、プロトンを相手に供与しないので、粒子に配位して粒子間の電気的斥力を強めることが期待できるからである。しかし、ジメチルスルホキシドや、ジメチルフォルムアミド等の上記アセトニトリル以外の非プロトン性極性溶媒を用いる場合は、上記理由によって期待される程大きな凝集抑制効果は得らない。この優れた凝集抑制効果は、アセトニトリルが有する特異的な効果である。
アセトニトリルの有する凝集抑制効果は、反応液に含まれるアセトニトリルの濃度を10質量%以上に保つことにより発揮される。前記したように、シリカと複合する他の金属酸化物がジルコニウムの場合、第1段目の反応工程の反応液に配合するアセトニトリルに基因する粒子の凝集防止効果は特に優れる。したがって、アセトニトリルの含有量が、前記10質量%を僅かに超える程度の比較的少量の場合であっても、粒子の凝集抑制効果は良好である。
しかし、10モル%以上のジルコニアを含有率するシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子を製造する際の分散性は特に悪くなる。この様な凝集し易い粒子を製造する場合や、単分散性が良く且つ粒子の円形性も特に良好な粒子を製造する場合は、該アセトニトリルの濃度は15〜85質量%が好ましく、15〜60質量%がより好ましい。
本発明の製造方法においては、第1段目の反応工程の反応液中のアセトニトリルの濃度を10質量%以上に保つ条件下で、ジルコニアの含有率が10モル%以上の粒子を製造する場合は、得られる表面がシリカ層で被覆されたシリカージルコニア複合粒子(複層粒子)の粒子径の変動係数は通常8%以下である。複層粒子の円形度は通常0.7以上である。更に、上記アセトニトリルの濃度を15〜90質量%に保つ場合、得られる複層粒子の粒子径の変動係数は通常7%以下であり、複層粒子の円形度は通常0.8以上である。
なお、シリカ系複合酸化物粒子や、表面がシリカ層で被覆されたシリカージルコニア複合粒子の形状は、走査型や透過型の電子顕微鏡等を用いて観察できる。画像解析装置を用いて、走査型電子顕微鏡の撮影像を解析し、撮影像中の200個以上の粒子の粒径を測長し、測長値の平均値を算出することにより、これら粒子の平均粒子径を求めることができる。
粒子の単分散性(粒子径の変動係数)は、前記方法で測定した200個の粒子の平均粒子径と、その標準偏差との比の値で示される。
粒子の円形度は、粒子がどれだけ球に近いかを表すパラメーターである。円形度は、走査型や透過型の電子顕微鏡で観察される粒子の投影面積をS、周囲長をLとしたときの、(4πxS)/Lで表される値である。
第1段の反応工程において、反応液中のアセトニトリルの濃度は、反応初期において高いことが好ましい。反応開始時におけるアセトニトリルの濃度は20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40〜80質量%が特に好ましい。
反応中には、原料物質(シリカ原料物質及びジルコニア原料物質)や必要に応じてアンモニア水などが供給される。その結果、反応液中のアセトニトリルの濃度は、反応開始時における濃度から徐々に低下していく。反応液中のアセトニトリルの濃度を10質量%以上に保つ方法としては、例えば、予めこれら原料物質等の供給量を考慮して、反応開始時に十分な量のアセトニトリルを含む反応液を使用する方法がある。或いは、反応液中のアセトニトリルの濃度が所定の範囲を維持するように、反応中にアセトニトリルを断続的又は連続的に供給する方法がある。
シリカ原料物質およびジルコニウム原料物質の反応は、アセトニトリルを含む溶媒中で、反応が行われる間中、常にアセトニトリル濃度が10質量%以上となるように保つ以外は、従来のゾル−ゲル法でシリカ系複合酸化物粒子を製造する場合同様である。反応試薬も従来使用されているものが特に制限無く使用できる。
第1段目の反応工程終了時に、生成するシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の平均粒子径は、特に制限されるものではないが、通常0.05〜1.0μmであり、0.08〜0.5μmがより好ましい。平均粒子径が1.0μmを越える粒子を製造する場合は、粒子を成長させるために多大な時間を要し、且つ製造の途中に新しく粒子の核が発生し易くなる。その結果、単分散性の高い複合酸化物粒子が得難くなる傾向にある。平均粒子径が0.05μmよりも小さい粒子を製造する場合は、得られる粒子の単分散性は高くなる。しかし、この複合酸化物粒子を用いて製造される、シリカ層で被覆されたシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子は取扱い性に劣り、その後所望により行われる乾燥工程や焼成工程で凝集し易いものである。
第1段の反応工程において、使用するシリカ原料物質は、
(1)一般式Si(OR)またはSiR’n(OR)4−nで示されるシリコンのアルコキシド(前記式中、RおよびR’はエーテル結合、エステル結合を含んでも良い有機基であり、nは1〜3の整数である。)、
(2)上記シリコンのアルコキシドを部分的に加水分解して得られる低縮合物(該低縮合物は、分子内にアルコキシ基又は水酸基を有している縮合可能な化合物、即ち可縮合性化合物である)、又は
(3)これら(1)、(2)の混合物
である。
なお、上記一般式で示されるシリコンのアルコキシドにおいて、1分子中に含まれる複数のRは、同一でも、互いに異なっていても良い。原料の入手が容易であるため、通常は1分子に含まれる複数のRは同一有機基である化合物が好ましい。RおよびR’は上記有機基であるが、これら有機基としては、アルキル基が好ましい。原料物質の入手が容易であるからである。RおよびR’ が特にメチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基などの低級アルキル基である場合、これらのシリカ原料物質と有機溶媒とは相溶性が良好で、また加水分解の結果生成するアルコールの沸点が低いので、容易に粒子から除去できるため好ましい。
ジルコニア原料物質としては、ジルコニアのアルコキシドが特に制限無く使用される。
具体的には、シリコンのアルコキシドを示す前記一般式において、SiをZrに置き換えたアルコキシド、及びこれらジルコニアのアルコキシドを部分的に加水分解して得られる低縮合物(該低縮合物も、可縮合性化合物である)、又はこれらの混合物が好適に使用できる。
第1段の反応工程において生成するシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子のジルコニア含有率は、該粒子の使用目的に応じて適宜に決定すれば良い。該粒子が歯科用コンポジットレジンに配合する充填材の場合は、透明性やX線造影性が考慮されて、ジルコニア含有率が決定される。ジルコニアの含有率は、一般には、5〜30モル%の範囲が好ましい。前記のように、粒子の凝集を抑制する本発明の効果がより顕著に発揮されるジルコニアの含有率の観点からは、10モル%以上が好ましく、11〜20モル%がより好ましい。
なお、本発明の第1段の反応工程で製造されるシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子は、必ずしも上記シリカとジルコニアとのみにより構成されていなくても良い。シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の優れた性状が維持されている範囲内であれば、該粒子に他の金属酸化物を少量含有していても良い。シリカおよびジルコニア以外の金属酸化物としては周期律表第1族、第2族、第3族、第4族(但し、ジルコニアは除く)、および第13族の金属の酸化物が挙げられる。具体的には、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、スカンジウム、イットリウム、チタン、ハフニウム、アルミニウム、ランタノイド、アクチノイド等が例示できる。このうちシリカおよびジルコニア以外の金属酸化物の中でも、少量の添加で表面酸点を中和し易い理由から、アルカリ金属の酸化物が好ましく、酸化ナトリウムが特に好ましい。
これらの他の金属酸化物を複合させる方法としては、第1段の反応工程において、上記シリカ原料物質およびジルコニア原料物質の他に、これらシリカおよびジルコニア以外の金属のアルコキシド、該金属のアルコキシドを部分的に加水分解して得られる低縮合物(該低縮合物も、可縮合性化合物である)、又はこれらの混合物を、複合酸化物粒子の原料物質として使用すれば良い。上記シリカおよびジルコニア以外の金属酸化物の含有量は、一般には、複合酸化物粒子を構成する全金属酸化物に対して5モル%以下が好ましく、3モル%以下がより好ましい。
本発明の第1段目の反応工程においては、上記シリカ原料物質、ジルコニア原料物質等を、水、アセトニトリル、有機溶媒等を含んでなる反応溶媒中に添加して反応させる。反応液中には、加水分解反応及び重縮合反応を促進するために、触媒を添加することが好ましい。
触媒としては、金属アルコキシドの加水分解及び重縮合反応を促進する機能を有するものであれば特に限定されない。通常、酸や塩基が使用できる。球状で単分散性の高い粒子が得られるという理由から、塩基触媒を使用することが好ましい。
本発明で好適に使用できる塩基触媒を例示すれば、アンモニア、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基;メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、トリプロピルアミン、ピリジン、イミダゾール、ピペリジン、キノリン、ピロール、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ−7−セン、水酸化テトラメチルアンモニウムなどの有機塩基;を挙げることができる。これらの中でも、アンモニアやアミンのような、金属を含まない塩基を使用することが好ましい。製造されるシリカ系酸化物粒子は、後処理として乾燥したり、焼成したりする場合がある。これらの後処理をする場合、上記触媒は、粒子中に塩基成分や金属成分を残留させないため、特に好ましい。
触媒の添加量は、用いる触媒の種類、反応液中の水、有機溶媒等の種類や配合比率によって相違する。一般には、反応液のpHが10以上、好ましくは11以上になるように触媒を添加することが好ましい。なお、反応中に原料を添加していくと、反応液の量が増大し、触媒の濃度が変化する。この場合は、反応中に反応液のpHが上記範囲を維持しているように、連続的又は断続的に触媒を追加することが好ましい。
触媒として最も好適なアンモニアを触媒として使用する場合は、第1段の反応の開始から第2段の反応の終了まで、反応液の質量を基準として2〜20質量%、好ましくは3〜15質量%の範囲で、アンモニアを共存させることが好ましい。ここ反応液の質量とは、具体的には、初期に仕込んだ水を含む有機溶媒、供給された原料、供給された触媒などを含む反応液全体の質量である。
第1段の反応工程において、反応溶媒は、水及び前記濃度のアセトニトリルを含む溶媒であれば、特に制限がない。水の濃度は特に限定されないが、アセトニトリル及び触媒を除く全ての成分は水であっても良い。良好に加水分解・重縮合反応を遂行できるように、反応液中の水の含有量は、供給されるシリカ原料物質およびジルコニウム原料物質の全量が加水分解・重縮合反応をするのに必要な理論量以上である。すなわち、これら原料物質の有する全アルコキシド基の1/2モル量以上の水を反応溶媒に配合する。
反応溶媒には、水溶性有機溶媒を添加しても良い。水溶性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。反応溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノールのような炭素数1〜4の低級アルコール類が好ましい。これらの水溶性有機溶媒は、金属アルコキシドや水との相溶性が高く、粘度が低く、更に得られる複合酸化物粒子の平均粒子径を小さく保持し易くなる作用を有するため、好ましい。
反応中においては、供給される原料物質(シリカ原料物質及びジルコニア原料物質)や、必要に応じて供給されるアンモニア水などにより、反応溶媒中のアセトニトリルは希釈される。従って、放置しておけば、アセトニトリルの濃度は反応開始時における濃度から、より低い濃度に低下して行く。反応液に含まれるアセトニトリルの濃度を10質量%以上に保つためには、予めこれら原料物質等の質量増加を考慮して、アセトニトリルの配合量を調節しておくことが好ましい。具体的には、反応開始時に使用する反応溶媒として、十分な量のアセトニトリルを含む反応溶媒を使用することが考えられる。或いは、反応液中のアセトニトリルの濃度が10質量%以上の状態を維持できるに、反応中に反応液にアセトニトリルを断続的又は連続的に供給すればよい。
第1段の反応工程において、有機溶媒に前記原料物質を添加して反応させる方法は、従来のゾル−ゲル法と同様である。良好な性状のシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子を製造するためには、シリカ原料物質とジルコニア原料物質とを予め混合して混合物を得、次いでこの混合物を反応溶媒に添加する方法を採用することが好ましい。
シリカ原料物質としてシリコンのアルコキシドを使用する際には、前記混合に先立ち、シリコンのアルコキシドの一部又は全部を部分的に加水分解させておく(以下では、部分加水分解ともいう)ことが好ましい。この方法により、より均質な複合酸化物粒子が得られる。部分加水分解を行う際には、該アルコキシドと水の両方に対して相溶性のある、アルコール等の有機溶媒を水と併用することが好ましい。部分加水分解を行う際に、触媒を添加すると、部分加水分解反応が迅速に進行する。触媒としては、酸が好ましい。具体的には、塩酸、硫酸、硝酸、シュウ酸などが挙げられるが、特に制限はない。酸の濃度としては、pHが1〜4の範囲の酸を使用することが好ましい。
シリカ原料物質とジルコニア原料物質との混合方法としては、製造するシリカ系複合酸化物粒子の組成に応じて、各原料物質を計量し、これらを撹拌、混合する方法が好ましい。この混合方法を採用することにより、両原料物質が複合化された複合アルコキシドが形成される。その結果、粒子径の変動係数の小さいシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子を効率良く製造できる。なお、予めシリコンのアルコキシドを部分加水分解している場合は、そのときの反応液とジルコニア原料物質を混合すればよい。
第1段の反応工程は、上記手順に従って実行される以外に、本発明の要旨を変更しない限り種々変更しても差支えない。例えば、各原料物質を別々に反応溶媒に添加して反応を行っても良い。
第1段の反応工程において、供給する原料物質量は、シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の生成反応が終了する時に、反応液中に該粒子の濃度が5〜30質量%の高濃度、好ましくは7〜20質量%、より好ましくは7〜15質量%、特に好ましくは10〜15質量%の高濃度になるように供給することが好ましい。
原料物質としては、前述のように、シリカ原料物質及びジルコニア原料物質がある。さらには本発明の効果を損わない範囲で必要に応じて上記原料物質と共に使用する、シリカ原料物質及びジルコニア原料物質以外の他の金属酸化物原料物質がある。
前記のように、シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子は、該粒子の分散濃度が高くなるほど凝集が激しくなる。さらには、該粒子の凝集しやすさに基因し、次工程である第2段の反応工程におけるシリカ層の被覆反応の際にも、粒子は更に凝集し易くなる。したがって、上記高濃度の粒子分散液の場合、凝集を抑える本発明の効果が特に顕著に発揮される。
第1段の反応工程において、シリカ系複合酸化物粒子の生成反応が終了する際に、反応液中の該粒子の分散濃度が5質量%より小さい場合、第2段の反応工程の終了時まで含めて、凝集粒子の発生は相当に少ない。なお、シリカと複合する他の金属酸化物がジルコニア以外であっても、粒子の単分散性の大きな悪化は見られない。
シリカ系複合酸化物粒子の生成反応が終了する際に、反応液中の該粒子の濃度が30質量%を越える場合、他の金属酸化物がジルコニアであっても粒子の凝集が激しくなる。その結果、アセトニトリルの濃度を前記範囲に制御しても、凝集を抑制することは難しい。
反応液中にシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子を高濃度に生成させるためには、反応液に供給する各原料物質量を多くすること、反応時間を長くすること等の方法を適宜採用すれば良い。特に好ましい方法は、反応液中の原料物質の濃度を高くし、反応液を少なくする方法である。
斯様な条件で反応させることによって、上記粒子濃度範囲で、かつ平均粒子径が0.1〜1.0μmのシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子が反応液中に生成する。
反応溶媒に原料物質を添加する場合、これら原料物質はアルコールやアセトニトリル等の有機溶媒で希釈して反応溶媒に添加しても良い。しかし、反応液中の複合酸化物粒子の濃度を高めるために、全く希釈せずに添加するか、または、希釈する場合にも希釈率は30質量%以下、特に好適には10質量%以下にすることが望ましい。
これら原料物質を反応溶媒に添加する場合、凝集粒子が形成されにくいという観点から、原料物質を反応溶媒中に液中滴下することが好ましい。液中滴下とは、原料物質の供給管の先端(原料物質の吐出口)が反応溶媒中に浸された状態で、原料物質が反応溶媒に供給される供給方法を言う。吐出口先端の位置は、液中にあれば特に限定されない。吐出口先端の位置は、撹拌羽根の近傍などの充分に撹拌が行われる位置が望ましい。
触媒としては、アンモニアなどの塩基性触媒が好ましい。該塩基性触媒を含むアルカリ性水溶液としては、10〜30質量%のアンモニア水が好適である。
触媒の添加方法は、原料物質と共に、別途調製されたアルカリ性水溶液を、反応液中に同時に滴下することが好ましい。アルカリ性水溶液の滴下方法としては、特に液中滴下方法による必要はない。しかし、撹拌羽根近傍でアルカリ性水溶液を液中滴下すると、反応液中において撹拌が充分に行われるので好ましい。上記のようにアルカリ性水溶液を原料物質と同時滴下することによって、反応期間中に継続して反応槽内のアルカリ量を一定に保つことができる。その結果、反応期間を通して反応速度が高い状態に保たれる。即ち、アルカリによって発生する反応基質の濃度は高く保たれる。結果として、固形分濃度が高い状態で粒子を合成できるので、収量(生産性)の高い合成が可能となる。
なお、アルカリ性水溶液の同時滴下に際しては、同時に供給される原料物質に含まれるシリコンとジルコニアの金属の総モル数に対して、供給されるアルカリ性水溶液中の水のモル数が1〜6倍、好ましくは2〜5倍となるようにアルカリ性水溶液を滴下することが好ましい。
複合酸化物粒子の単分散性を高めるためには、原料物質の滴下速度は小さいことが好ましい。しかしながら、滴下速度を小さくしすぎると、第1の反応工程が終了するまでに長時間を要する。従って、該工程の初期には滴下速度を小さくし、後半になってから滴下速度を高めることが好ましい。
原料物質およびアルカリ性水溶液は、それぞれ滴下を開始してから終了するまで連続的に滴下することが好ましい。なお、ここで言う連続的とは、好ましくは10分以上、さらに好ましくは3分以上の間隔を空けないことを言う。滴下速度は、必ずしも一定である必要はないが、滴下速度を変える場合には連続的に変えた方が望ましい。間隔を空けて断続的に供給する場合は、急激に水が添加されることによって反応液中の雰囲気が乱され、粒子同士の凝集や、新たな核粒子の発生などが起こることがある。
反応温度は、用いる原料物質の種類に応じて適宜設定する。通常は、0〜50℃である。反応は、原料物質の供給後速やかに進行する。加水分解に引き続き起こる縮重合反応(通常、脱アルコール縮合)により、Si−O−Si結合や、Si−O−Zr結合が形成され、結果的にシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子が生成する。
上記シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子を生成させる第1段の反応工程においては、全ての原料を反応液に投入した後、0.5〜2時間撹拌し、更に必要に応じて1〜60分程度の攪拌をして反応を終了させる。次いで、得られるシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子分散液は、下記第2段の反応工程に送られる。
(第2段の反応工程)
第2段の反応工程においては、第1段の反応工程で得られる分散液をそのまま用いて、反応液中で該複合酸化物粒子の表面をシリカ層で被覆することが好ましい。
具体的には、上記シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子分散液中で、シリコンのアルコキシド及び/又は該アルコキシドから誘導される可縮合性化合物の加水分解・重縮合を行う。
前記のように、第1段の反応工程で、シリカ系複合酸化物粒子として、シリカとジルコニア以外の他の金属酸化物(例えば、チタン、アルミニウム、ボラン等)を複合させてシリカとジルコニアと以外の複合酸化物粒子を製造する場合がある。この場合、前記アセトリトリルを配合する効果により、単分散性の高い粒子分散液が得られる場合がある。この場合においても、この単分散性の高い粒子分散液を用いて第2段の反応工程を行うと、シリカ-ジルコニア複合粒子以外の場合は単分散性が大きく低下し、凝集粒子が顕著に発生するのが普通である。
凝集粒子の発生機構は、現在、必ずしも明確になっていないが、本発明者らは以下のように考えている。
即ち、第1段の反応工程の終期においては、反応液に原料を供給することを停止して、反応を一旦終了させる。その後、第2段の反応工程を開始する。しかし、第2段の反応工程は、前工程とは異なる反応条件で反応が再開される。この場合は、反応液が安定化するまで、粒子の凝集し易い状態になっていると考えられる。この状態において、少量の粒子の凝集が起き、この凝集粒子が核となって、第2段の反応工程全体にわたって凝集が成長する。更には、部分的に凝集粒子の解砕等も生じる。これらの結果、前記顕著な単分散性の低下を引き起こす。
一方、本製造方法のように、シリカ系複合酸化物粒子としてシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子を製造する場合は、第2段の反応工程においても、凝集粒子の発生は高度に抑制される。
その理由は定かではない。しかし、本発明者らは以下のように考えている。即ち、第1段の反応工程における穏やかなシリカ−ジルコニア系の反応性により、得られる複合酸化物粒子の表面性状が、他の金属酸化物の複合酸化物の場合よりも、より凝集し難い性状を帯びる様になっているのではないかと、発明者らは考えている。
第2段の反応工程の開始当初において、シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子分散液中には、アセトニトリルが10質量%以上含有されている。したがって、このシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子分散液中で、第1段の反応工程に続けて、上記シリカ層を被覆する第2段の反応工程を行う。この場合は、この被覆反応は第1段の反応工程に比べれば短時間で完了する。その結果、アセトニトリルによる良好な凝集抑制効果が良好に維持された状態で、目的とする被覆反応を進めることができる。
例えば、この第2段の反応工程をアセトニトリルの補充なく実行した結果、反応の途中で該アセトニトリルの濃度が前記10質量%を多少下回るようなこと(好適には7質量%を下回らない範囲)がある場合でも、粒子の凝集は許容できる程度の僅かな発生に留めることができる。もちろん、この第2段の反応工程においても、シリカ原料物質の供給と併行して、必要に応じてアセトニトリルを補充し、その濃度を前記規定値内(10質量%以上、より好適には15〜85質量%)に保持する場合は、第2段の反応工程で得られる粒子の単分散性は一層高くなる。
シリカ層の被覆に使用するシリカ原料物質は、前記第1段の反応工程において、シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の製造原料として使用するシリカ原料物質が使用できる。使用する触媒も、前記第1段の反応工程で使用する触媒と同様である。シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子分散液に残留している触媒量に応じて、適宜触媒の不足量を補充しつつ、反応工程を実施する。また、水も必要により不足量を補充しつつ、第2段の反応工程を実行する。
その他、原料の供給方法や、反応温度等の反応の諸条件も、前記第1段の反応工程で説明したものと同様である。
シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の表面に形成するシリカ層の厚みは、強酸点の十分な被覆と、シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子が有するX線造影性や透明性とのバランスを勘案すると、5〜30nmが好ましく、5〜25nmがより好ましい。
シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子表面にシリカ層を被覆する方法は、反応液に分散しているシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子と、シリコンのアルコキシドなどのシリカ原料物質とを直接もしくは溶媒に希釈、または部分加水分解させて反応させる方法が例示される。シリカ原料物質としては、第1段目の反応工程と同様に、一般式Si(OR)またはSiR’n(OR)4−nで示されるのが好ましい。
上記第2段の反応工程も第1段の反応同様である。即ち、反応分散液に原料を全て供給した後、必要に応じて1〜30分程度攪拌をして反応を終了させる。反応終了後は、反応液から、シリカ層で被覆されたシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子(複層粒子)を単離することが好ましい。単離操作は、遠心分離、ろ過、減圧留去、スプレードライなどを用いて、固液分離することにより行う。また、反応溶媒を、水もしくはアルコールなどの有機溶媒に置換し、複層粒子の分散液の形態で保存しておいても良い。溶媒の置換方法に特に制限は無い。例えば、粉末の形で取り出した後に所望の溶媒を添加して複層粒子を溶媒に再分散してもよい。あるいは、限外ろ過法などにより濃縮し、その後所望の溶媒を添加する操作を繰り返して、溶媒を置換しても良い。
複層粒子を製造した後、溶媒と分離した複層粒子の粉末は、更に乾燥させても良い。乾燥させる場合の乾燥温度は、50〜300℃が好ましい。乾燥時間は数時間から数日が好ましい。乾燥した粉末はさらに高い温度で焼成しても良い。焼成温度は300〜1300℃の範囲が好ましく、焼成時間は1〜24時間の範囲が好ましい。乾燥または焼成後の複層粒子は、ボールミルやジェットミルなどの粉砕機を使用して解砕することができる。高シェアの分散機を使用して複層粒子を樹脂等に分散する場合は、樹脂への分散と同時に粒子の解砕を行うことができる。
上記第2段の反応工程を経て製造される、シリカ層で被覆されたシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の粒子径の変動係数や、粒子の円形度は、前記第1段の反応工程で製造されるシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の対応する値が、通常好適に維持されている。
本発明により製造される、シリカ層で被覆されたシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子は、歯科用コンポジットレジン用の充填材として特に有用である。更に、反射防止層、透明な高屈折率樹脂、フィルム等の添加剤としても有用である。
以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。
複層シリカ系複合酸化物粒子の各種物性は、次のようにして測定した。
(1)「平均粒子径」、「粒子径の変動係数」、及び「円形度」
これら物性は、走査型電子顕微鏡の撮影像から無作為に選んだ200個の粒子像を、画像解析装置を用いて解析することにより求めた。ここで、「平均粒子径」とは画像解析によって得られた200個の粒子径の平均値をいい、「粒子径の変動係数」は以下の式によって算出した。
変動係数(%)=(粒子径の標準偏差/平均粒子径)x100
円形度-=(4πxS)/L
ここで、Sは粒子の投影面積、Lは粒子の投影周囲長である。
「円形度」は、粒子がどれだけ球に近いかを表すパラメーターである。
(2)屈折率
粒子の屈折率は液浸法により測定した。即ち、異なる屈折率の溶媒(例えば、トルエン、1−ブロモナフタレン、1−クロロナフタレン、ジヨードメタン、イオウ入りジヨードメタンなど)を適当に混合することにより、任意の屈折率の混合溶媒を作った。前記屈折率の異なる混合溶媒中に粒子を分散させて粒子の分散液を作製した。25℃において最も透明な粒子の分散液の屈折率を粒子の屈折率とした。混合溶媒の屈折率はアッベ屈折率計を用いて25℃で測定した。
(3)結晶形態
粒子の結晶形態は、X線回折装置を用いて同定した。
(4)シリカ被覆層の厚み
シリカ被覆層の厚みは、粒子を透過型電子顕微鏡を用いて観察し、その撮影像から無作為に選んだ10個の粒子像を画像解析することにより求めた。
(5)粒子濃度
シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子分散液の10g計り取り、オーブンを用いて100℃で12時間乾燥した後の質量を測定した。粒子濃度は以下の式を用いて算出した。
(乾燥後の粒子濃度/シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子分散液の重さ)x100(%)
(6)アセトニトリルの濃度
反応前のアセトニトリルの濃度は、仕込み量を用いて算出した。反応後のアセトニトリルの濃度は、得られたシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子分散液を遠心分離して濾液を得、このろ液を高速液体クロマトグラフを用いて分析した。分析値を基礎とし、比重を用いて質量に変換することによって、反応溶媒中のアセトニトリル濃度を求めた。また(5)で算出された粒子濃度を用いて、シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子分散液全体に占めるアセトニトリルの濃度を求めた。
(7)粒子の分散性
反応によって得られたシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子分散液3gを分取し、10mlサンプル管に入れて30秒間静置した。この際に、分散液が液と沈降物とに分離する状態を、目視で評価した。僅かでも沈降粒子の分離が確認できた場合を「沈降」と評価した。次いで、「沈降」と評価されなかった分散液を一滴、走査型電子顕微鏡の試料台に滴下して乾燥させた。その後、該走査型電子顕微鏡の視野内に一次粒子が200個以上観察される倍率で、乾燥した粒子を観察した。2個以上の凝集粒子が全く無く、全てが単分散していた場合を「E」、2個以上の凝集粒子が僅かに観察された場合を「G」、2個以上の凝集粒子が多量に観察された場合を「B」とした。
実施例1
(複合酸化物粒子用アルコキシド溶液の調製)
2リットルのエルレンマイヤーフラスコに、テトラエトキシシラン(コルコート(株))356g、イソブチルアルコール427gを仕込み撹拌した。この中に0.06質量%の希硫酸8.9gを加え、17時間撹拌してテトラエトキシシランの部分加水分解を行った。続いて、得られた反応液にテトラブチルジルコネート(北興化学工業(株)、商品名:HZ−NB)114g、28%ナトリウムメトキサイド(和光純薬)17.3gを加え、無色透明の複合酸化物粒子製造用アルコキシド溶液を得た。
(シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の製造)
撹拌翼をセットした内容積3リットルのジャケット付ガラス製反応器に、アセトニトリル370g、イソブチルアルコール107gおよびアンモニア水(25質量%)260gを仕込んだ。ジャケットの循環水の温度を40℃に設定し、180rpmで撹拌翼を回転させて反応器内を撹拌した。次に、このようにして調製した反応溶媒に、予め調製した上記複合酸化物粒子製造用アルコキシド溶液の全量923.2gを7時間かけて供給した。その後20分間攪拌し、シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子分散液を得た。
シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子分散液の粒子濃度を求めたところ、12質量%であった。生成したシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の組成は、原料物質の仕込みから算出すると、SiO83.3モル%、ZrO14.5モル%、NaO2.2モル%であった。
粒子の一部を取り出し、この粒子を用いて画像解析を行なった。平均粒子径は0.15μm、粒子径の変動係数は6.0%、粒子の円形度は0.9の結果が得られた。また、粒子の分散性を評価したところ「E」であった。このシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の製造反応において、反応開始時の反応液中のアセトニトリル濃度は、50質量%であり、反応終了時の同アセトニトリル濃度は22質量%であった。
(シリカ層の被覆)
1Lのエルレンマイヤーフラスコにテトラエトキシシラン(コルコート(株))89.3g、メチルアルコール300gを仕込み撹拌し、シリカ被覆用アルコキシド溶液を調整した。得られたシリカ被覆用アルコキシド溶液の全量を上記シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子分散液に撹拌しながら2時間かけて液中滴下した。供給後20分間攪拌した。反応終了時のアセトニトリルの濃度は17質量%であった。
上記反応により、シリカ層で被覆されたシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の高分散液が得られた。分散するシリカ層で被覆されたシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子を走査型電子顕微鏡で観察した。粒子形状は球形であり、付着粒子や凝集粒子は観察できなかった。画像解析を行った。平均粒子径は0.15μm、粒子径の変動係数は6.0%、粒子の円形度は0.90であった。シリカ被覆層の厚みは10nmであった。
粒子の分散性を評価したところ「E」であった。その後、シリカ層で被覆されたシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子を凝集沈降させ、ろ別し、乾燥させた。乾燥した粒子の一部を880℃で5時間焼成した。焼成した粒子を走査型電子顕微鏡で観察した結果、平均粒子径は8%ほど小さくなっていることが分った。その他の数値は上記とほぼ同様で、変化は認められなかった。粒子の屈折率は1.54であった。X線回折の結果、乾燥した粒子、焼成した粒子は、何れもほぼ非晶質であった。
実施例2
(複合酸化物粒子製造用アルコキシド溶液の調製)
3リットルのエルレンマイヤーフラスコに、テトラエトキシシラン(コルコート(株))786g、イソブチルアルコール444gを仕込み撹拌した。更に、0.06質量%希硫酸22.2gを加え、テトラエトキシシランの部分加水分解を17時間行った。続いて、得られた反応液にテトラブチルジルコネート(北興化学工業(株)、商品名:HZ−NB)228g、28%ナトリウムメトキサイド(和光純薬)34.6gを加え、無色透明な複合酸化物粒子製造用アルコキシド溶液を得た。
(シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の製造)
撹拌翼をセットした内容積3リットルのジャケット付ガラス製反応器に、アセトニトリル300g、アンモニア水(25質量%)280gをそれぞれ仕込み、ジャケットの循環水の温度を40℃に設定した。撹拌翼を180rpmで撹拌した。次に、このようにして調製した反応溶媒に予め調製した上記複合酸化物粒子製造用アルコキシド溶液1514.8gを7時間かけて全量を供給した。更に、供給後20分間反応液を攪拌した。
上記反応により、シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子分散液を得た。分散液中の粒子濃度を求めたところ、粒子濃度は19%であった。生成したシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の組成は、原料物質の仕込み量から、SiO83.3モル%、ZrO14.5モル%、NaO2.2モル%と算出された。
粒子の一部を取り出し、画像解析を実施した。平均粒子径は0.15μm、粒子径の変動係数は7.2%、粒子の円形度は0.7であった。また、粒子の分散性を評価したところ「G」であった。このシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の製造反応において、反応開始時の反応液中のアセトニトリル濃度は、52質量%であり、反応終了時の同アセトニトリル濃度は14質量%であった。
(シリカ層の被覆)
1Lのエルレンマイヤーフラスコにテトラエトキシシラン(コルコート(株))268g、メチルアルコール500gを仕込み、撹拌してシリカ被覆用アルコキシド溶液を調製した。得られたシリカ被覆用アルコキシド溶液を、上記調製したシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子分散液に5時間かけて滴下し、供給後20分間攪拌した。反応終了時のアセトニトリルの濃度は8質量%であった。
上記反応により、シリカ層で被覆されたシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の高分散液が得られた。分散するシリカ層で被覆されたシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子を走査型電子顕微鏡を用いて観察した。粒子形状は球形であり、わずかに付着粒子が見られた。画像解析の結果によれば、平均粒子径は0.15μm、粒子径の変動係数は7.2%、粒子の円形度は0.7であった。また、粒子の分散性を評価したところ「E」であった。
シリカ層の被覆厚みは9nmであった。その後、シリカ層で被覆されたシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子を凝集沈降させ、ろ別した。乾燥した粒子の一部を860℃で6時間焼成した。焼成した粒子を走査型電子顕微鏡で観察した結果、平均粒子径は7%ほど小さくなっていることが分った。その他の数値は上記とほぼ同様であった。また、粒子の屈折率は1.54であった。X線回折の結果、乾燥した粒子、焼成した粒子は、何れもほぼ非晶質であった。
実施例3
(複合酸化物粒子用アルコキシド溶液の調製)
実施例1で用いた複合酸化物粒子製造用アルコキシド溶液と同じものを用いた。
(シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の製造)
撹拌翼をセットした内容積3リットルのジャケット付ガラス製反応器に、アセトニトリル477gおよびアンモニア水260g(25質量%)を仕込み、ジャケットの循環水の温度を40℃に設定した。撹拌翼を180rpmで回転させ、反応器内を撹拌した。この反応溶媒に、予め調製した上記複合酸化物粒子製造用アルコキシド溶液923.2g(全量)を7時間かけて供給し、供給後20分間攪拌した。
上記反応により、シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子分散液を得た。粒子濃度は11質量%であった。粒子の分散性を評価したところ、「E」であった。生成したシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の組成は、原料物質の仕込み量から算出すると、SiO83.3モル%、ZrO14.5モル%、NaO2.2モル%であった。
粒子の一部を取り出し、この粒子を用いて画像解析を行った。平均粒子径は0.15μm、粒子径の変動係数は6.2%、粒子の円形度は0.8であった。このシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の製造反応において、反応開始時の反応液中のアセトニトリル濃度は、65質量%であり、反応終了時の同アセトニトリル濃度は29質量%であった。
(シリカ層の被覆)
1Lのエルレンマイヤーフラスコに、テトラエトキシシラン(コルコート(株))89.3g、アセトニトリル300gを仕込み撹拌し、シリカ被覆用アルコキシド溶液を調製した。得られたシリカ被覆用アルコキシド溶液の全量を上記シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子分散液に撹拌しながら2時間かけて液中滴下した。
反応終了時のアセトニトリルの濃度は38質量%であった。
上記反応により、シリカ層で被覆されたシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の高分散液が得られた。分散するシリカ層で被覆されたシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子を走査型電子顕微鏡で観察した。粒子形状は球形であり、付着や凝集粒子は観察されなかった。画像解析を行った。平均粒子径は0.15μm、粒子径の変動係数は6.2%、粒子の円形度は0.8であった。シリカ層の被覆厚みは10nmであった。また、粒子の分散性を評価したところ「E」であった。その後、シリカ層で被覆されたシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子を凝集沈降させ、ろ別し、乾燥させた。乾燥させた粒子の一部を880℃で5時間焼成した。焼成した粒子を走査型電子顕微鏡で観察した結果、平均粒子径は8%ほど小さくなっていることが分った。その他の数値は上記とほぼ同様で、変化は認められなかった。粒子の屈折率は1.54であった。X線回折の結果、乾燥した粒子、焼成した粒子は何れもほぼ非晶質であった。
実施例4〜10
表1および表2に示す反応条件に変更する以外は、実施例1に記載の操作に準じて操作し、シリカ層で被覆されたシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子を製造した。結果を、表1および表2に併せて示した。
比較例1
(複合酸化物粒子用アルコキシド溶液の調製)
2リットルのエルレンマイヤーフラスコに、テトラメトキシシラン(多摩化学(株))518g、メタノール160gを仕込み撹拌した。この中に0.06質量%希硫酸8.9gを加え、テトラエトキシシランの部分加水分解を撹拌下に17時間行った。続いて、チタンテトライソプロポキシド(日本曹達(株)、商品名:A−1)170.5gを加え、無色透明な複合酸化物粒子製造用アルコキシド溶液を得た。
(シリカ−チタニア複合酸化物粒子の製造)
撹拌翼をセットした内容積3リットルのジャケット付ガラス製反応器に、アセトニトリル667gおよびアンモニア水(25質量%)133gを仕込み、ジャケットの循環水の温度を40℃に設定した。180rpmで撹拌翼を回転させて反応器内を撹拌した。次に、このようにして調製した反応溶媒に、予め調製した上記複合酸化物粒子用アルコキシド溶液の全量857.4gを7時間かけて供給した。その後20分間攪拌し、シリカ−チタニア複合酸化物粒子分散液を得た。
シリカ−チタニア複合酸化物粒子分散液の粒子濃度を求めたところ、15質量%であった。生成したシリカ−チタニア複合酸化物粒子の組成は、原料物質の仕込みから算出すると、SiO85.0モル%、TiO15.0モル%であった。
粒子の一部を取り出し、この粒子を用いて画像解析を行なった。平均粒子径は0.20μm、粒子径の変動係数は5.2%、粒子の円形度は0.9であった。粒子の分散性を評価したところ「E」であった。このシリカ−チタニア複合酸化物粒子の製造反応において、反応開始時の反応液中のアセトニトリル濃度は、83質量%であり、反応終了時の同アセトニトリル濃度は48質量%であった。
(シリカ層の被覆)
1Lのエルレンマイヤーフラスコにテトラエトキシシラン(コルコート(株))89.3g、MeOH300gを仕込んで撹拌し、シリカ被覆用アルコキシド溶液を調製した。得られたシリカ被覆用アルコキシド溶液を上記シリカ−チタニア複合酸化物粒子分散液に滴下した。滴下を開始してから、約1時間後に粒子の激しい凝集が見られた。その結果、単分散した粒子は得られなかった。
比較例2
実施例1において、(複合酸化物粒子製造用アルコキシド溶液の調製)工程で、テトラブチルジルコネート114gに代えて、アルミニウムエトキシド(和光純薬、試薬)を等モル量の41g使用した以外は、該実施例1と同様に操作して、シリカ層被覆シリカ−アルミナ複合酸化物粒子の製造を試みた。
しかし、(シリカ−アルミナ複合酸化物粒子の製造)工程では、複合酸化物粒子製造用アルコキシド溶液の滴下を開始してから、約1時間後に、反応液中に生成したシリカ−アルミナ複合酸化物粒子の激しい凝集が見られ、単分散した粒子は得られなかった。
比較例3
(複合アルコキシド溶液の調製)
実施例1と同様に、2リットルのエルレンマイヤーフラスコに、テトラエトキシシラン(コルコート(株))356g、イソブチルアルコール427gを仕込み撹拌した。この中に0.06質量%希硫酸8.9gを加え17時間テトラエトキシシランの部分加水分解を行った。続いて、得られた反応液にテトライソブチルジルコニウム(北興化学工業(株)、商品名:HZ−NB)114g、28%ナトリウムメトキサイド(和光純薬)17.3gを加え、無色透明な複合アルコキシド溶液を得た。
(シリカ系複合酸化物粒子の製造)
撹拌翼をセットした内容積3リットルのジャケット付ガラス製反応器に、アセトニトリル130g、イソブチルアルコール(IBA)200gおよびアンモニア水(25質量%)360gを仕込み、ジャケットの循環水の温度を40℃に設定し、180rpmで撹拌した。次に、このようにして調製した反応溶媒に予め調製した上記複合アルコキシド溶液の全量923.2gを7時間かけて供給した。
上記反応により、シリカ−ジルコニア複合粒子分散液を得、粒子濃度を求めたところ11質量%であった。生成したシリカ−ジルコニア複合粒子の組成は、原料物質の仕込みから算出すると、SiO83.3モル%、ZrO14.5モル%、NaO2.2モル%であった。
粒子の一部を取り出し、画像解析を行なった。平均粒子径は0.14μm、粒子径の変動係数は6.5%、粒子の円形度は0.8であった。粒子の分散性を評価したところ「G」であった。このシリカ−ジルコニア複合粒子の製造反応において、反応開始時の反応液中のアセトニトリル濃度は、19質量%であり、反応終了時の同アセトニトリル濃度は8質量%であった。
(シリカ層の被覆)
1Lのエルレンマイヤーフラスコにテトラエトキシシラン(コルコート(株))89.3g、メチルアルコール300gを仕込み撹拌した。調整した反応液を上記シリカ系複合酸化物粒子の分散液に2時間かけて滴下したところ、滴下を開始してから約1時間後に、粒子の激しい凝集が見られた。その結果、単分散した粒子は得られなかった。
Figure 2011016418
Figure 2011016418
Figure 2011016418
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Claims (5)

  1. シリコンのアルコキシド及び/又は該アルコキシドから誘導される可縮合性化合物と、ジルコニウムのアルコキシド及び/又は該アルコキシドから誘導される可縮合性化合物とを、アセトニトリルが反応液中に10質量%以上含有される含水溶媒中で反応させることによりシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子分散液を得、
    次いで、前記シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子分散液中で該分散液中に分散しているシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子とシリコンのアルコキシド及び/又は該アルコキシドから誘導される可縮合性化合物とを反応させることにより、該シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の表面をシリカ層で被覆させることを特徴とする、シリカ層で被覆されたシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の製造方法。
  2. シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子分散液に分散するシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の平均粒子径が0.05〜1.0μmである請求項1に記載のシリカ層で被覆されたシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の製造方法。
  3. シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の表面を被覆するシリカ層の厚みが5〜30nmである請求項2に記載のシリカ層で被覆されたシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の製造方法。
  4. シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子分散液中で、該シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の表面をシリカ層で被覆させる反応を、アセトニトリルが10質量%以上含有される反応液中で実施する請求項1に記載のシリカ層で被覆されたシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の製造方法。
  5. シリコンのアルコキシド及び/又は該アルコキシドから誘導される可縮合性化合物と、ジルコニウムのアルコキシド及び/又は該アルコキシドから誘導される可縮合性化合物とを、アセトニトリルが反応液中に10質量%以上含有される含水溶媒中で反応させることによりシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子分散液を得、
    次いで、前記シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子分散液中で該分散液中に分散しているシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子とシリコンのアルコキシド及び/又は該アルコキシドから誘導される可縮合性化合物とを反応させることにより、該シリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の表面をシリカ層で被覆させることを特徴とする、歯科用コンポジットレジン用の充填剤であるシリカ層で被覆されたシリカ−ジルコニア複合酸化物粒子の製造方法。
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