JPWO2011013339A1 - 光ピックアップレンズ - Google Patents

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充 伊藤
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直史 上田
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由多可 牧野
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Abstract

開口数NAが0.84以上の光ピックアップレンズ1の光ディスク側のレンズ面(101)の輪帯構造に、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、 各輪帯領域を、第1輪帯、第2輪帯、・・・、第N輪帯(Nは正の整数)とし、第n輪帯(nは、1≦n≦Nを満たす整数)の非球面をレンズ中心に向かって仮想的に延長した仮想延長面と光軸との交点をCnとし、交点C1と交点Cnとの距離を軸上段差量Dnと した場合、(1)式且つ(2)式を満たす第m輪帯(103)(mは、1<m<Nを満たす整数)と、Dn−1>Dnを 満たすの第n−1輪帯と第n輪帯との間に設けられる接合領域(104)と、を備え、接合領域(104)の面上の実質的に全ての点の光軸方向における位置が第n−1 輪帯のレンズ外縁側の境界の光軸方向における位置よりも光ディスク側となるように構成した。

Description

本発明は、光ディスクに対する記録または再生を行う光学系において用いられる光ピックアップレンズに関する。
近年、光ディスクの記録容量は増大し続けており、光ディスク上の記録密度も増大し続けている。光ディスクに記録された情報の読出しは、光ディスク装置によって行われる。光ディスク装置のレーザ光源より出射されたレーザ光は、光路に配置された波長板やコリメータ等の透明部材を透過し、最終的に光ピックアップレンズに入射する。光ピックアップレンズは、入射したレーザ光を光ディスク上に集光し、光ディスク上に光スポットを形成する。これにより、光ディスクに記録された情報が読み取られる。通常、レーザ光源から出射されたレーザ光をコリメータレンズ等によって略平行光に変換し、当該略平行光が光ピックアップレンズに入射する。このような大容量の光ディスクに使用される光ピックアップレンズの開口数NAは、0.84以上となる場合が多い。また、当該大容量の光ディスクに使用されるレーザ光の波長は405nmである場合が多い。
開口数NAが0.85を超えるようなBlu−ray Disc(BD)用の光ピックアップレンズの硝材としては、諸般の問題に対応するため、ガラスが使用される場合が多い。例えば、ガラスは、プラスチック等の樹脂材料よりも耐光性に優れる。プラスチックが光を吸収し、この吸収エネルギーを放出するよりも先に、さらに光に曝され続けると、プラスチックが分解され、材料劣化につながる。また、一旦、材料劣化が生じると、壊れた樹脂が回りの樹脂を壊すため、材料劣化のスピードは加速度的に速くなってしまう。そして、通常、BD用の光ピックアップレンズには、エネルギーの強い短波長のレーザ光が入射する。そのため、BD用の光ピックアップレンズの硝材としては、プラスチックよりも耐光性に優れるガラスが用いられることが多い。
しかし、BD用のレーザ光の集光位置におけるパワーは、0.40mW弱である。そして、このレベルのレーザ光に対する耐光性を有する樹脂材料も存在する。現段階においても、記録用レーザのようなハイパワーのレーザ光に耐光性を有する樹脂も開発されつつあり、実現が想定される段階となっている。また、ガラス材料に比べて、プラスチックなどの樹脂材料の方が、成形性や生産性に優れる。そこで、プラスチックなどの樹脂材料を用いて、NAが0.85を超えるようなBD用の光ピックアップレンズの設計を試みると、以下の問題点が確認できた。
まず、ガラスの屈折率の変化量は少ないため、硝材としてガラスを用いた場合、波長変動や温度変化に基づく収差劣化の少ないレンズを製造することができる。例えば、ガラスを使用して、レーザ光源側とブィスク面側のレンズ面をそれぞれ単一の非球面となるようにレンズを形成しても、BD用レーザ光源の製造ばらつきや使用環境で想定される波長の変動、使用環境で想定される温度変化に基づく収差劣化が少なくて済む。
これに対して、プラスチック等の樹脂材料の屈折率の変化量はガラスに比べて大きいため、硝材として樹脂材料を用いた場合、波長変動や温度変化に基づく収差劣化が大きくなってしまう。すなわち、硝材として樹脂材料を用いて形成したレンズは、レーザ光源の製造ばらつきや使用環境で想定される波長変動、使用環境で想定される温度変化に十分に対応できるものとは言いがたい。したがって、波長変動や温度変化に十分対応できる樹脂材料からなる光ピックアップレンズを設計する必要があった。
波長変動や温度変化に基づく収差劣化の問題を解決するため、光ピックアップレンズのレンズ面(光学機能面)に回折構造が設計されることがある。レンズ面に回折構造が形成された光ピックアップレンズ(以下、回折レンズと称する。)を図53に示す。図53に示すように、当該回折レンズの少なくとも一方のレンズ面は、光軸AXと一致するレンズ中心から外縁部に向かって、同心円状に、段差により複数の輪帯領域に分割されている。なお、図53に示すTH1は、レンズの中心厚を示す。同図に示すSF1は、最外周の輪帯の非球面を仮想的に延長した面を示す。同図に示すDL1は、交点CP1(面SF1と光軸AXとの間の交点)と交点CP2(レーザ光源側のレンズ面LS1と光軸AXとの間の交点)との間の光軸AXに沿う距離(間隔)を示す。なお、交点CP2は、レーザ光源側のレンズ中心と呼ばれることもある。
レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、各輪帯領域を、第1輪帯、第2輪帯、・・・、第N輪帯(Nは正の整数)とする。当該回折レンズにおいて、各輪帯の非球面は、当該回折構造が形成されるレンズ面が凸となるような形状となっている。通常、回折レンズでは、隣り合う輪帯間に、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、レンズ中心厚が厚くなる方向に段差が形成される。具体的には、n−1輪帯とn輪帯(nは、1≦n≦Nを満たす整数)との間には、n−1輪帯におけるレンズ中心厚よりn輪帯におけるレンズ中心厚が厚くなるように、段差が形成されている。換言すると、回折レンズでは、隣り合う輪帯間には、突起部が形成されている。特許文献1には、このような回折レンズの成形性を向上するため、当該突起部分を平坦な形状とすることが記載されている。
波長変動や温度変化に基づく収差劣化の問題を解決するため、特許文献1に示すような回折構造とは異なる輪帯構造が光ピックアップレンズのレンズ面に設計されることもある。レンズ面に回折構造とは異なる輪帯構造が形成された光ピックアップレンズ(以下、非回折輪帯レンズと称する。)を図54に示す。図54に示すように、当該非回折輪帯レンズにおいても、隣り合う輪帯間に突起部が形成される。非回折輪帯レンズにおいても、当該突起部による成形上の問題が生じる場合がある。
特開2004−101954号公報
非回折輪帯レンズにおいて、当該突起部による成形上の問題を解決することは、特許文献1に記載の回折レンズに比べて非常に難しい。非回折輪帯レンズのレンズ中心(交点CP1)からレンズ外縁部に向かって、各輪帯領域を、第1輪帯、第2輪帯、・・・、第N輪帯(Nは正の整数)とする。図54に示すように、当該非回折輪帯レンズにおいて、各輪帯の非球面は、当該輪帯構造が形成されるレンズ面LS1が凸となるような形状となっている。当該非回折輪帯レンズでは、交点CP1(レンズ中心)から所定位置までの範囲では、隣り合う輪帯間に、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、レンズ中心厚が薄くなる方向に段差が形成されている。当該所定位置からレンズ外縁部までの範囲では、隣り合う輪帯間に、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、レンズ中心厚が厚くなる方向に段差が形成される。なお、図54に示すSF2は、第m+1輪帯の非球面を仮想的に延長した面を示す。同図に示すDL2は、面SF2と光軸AXとの交点と交点CP1間の光軸AXに沿う距離(間隔)を示す。同図に示すSF3は、第m輪帯の非球面を仮想的に延長した面を示す。同図に示すDL3は、面SF3と光軸AXとの交点と交点CP1間の光軸AXに沿う距離(間隔)を示す。同図に示すSF4は、第m−1輪帯の非球面を仮想的に延長した面を示す。同図に示すDL4は、面SF4と光軸AXとの交点と交点CP1間の光軸AXに沿う距離(間隔)を示す。交点CP1は、レーザ光源側のレンズ中心を示す。TH1は、レンズ中心厚を示す。
n輪帯(nは、1≦n≦Nを満たす整数)の非球面をレンズ中心に向かって仮想的に延長した場合、当該非球面の仮想延長面と光軸AXとの交点をC(nは、1≦n≦Nを満たす整数)とする。交点Cと交点Cとの距離を軸上段差量D(nは、1≦n≦Nを満たす整数)とする。光軸AXに平行で光ディスク側に向かう方向を正の方向とする。この場合、図54に示す非回折輪帯レンズでは、次の(8)式且つ(9)式を満たす第m輪帯を備えている。ただし、mは、1<m<Nを満たす整数である。
m−1<D ・・・・・(8)
>Dm+1 ・・・・・(9)
換言すれば、図54に示す非回折輪帯レンズでは、第1輪帯から第m輪帯までの範囲では、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、隣り合う輪帯間にて軸上段差量Dが増加するように複数の段差が形成されている。第m輪帯から第N輪帯までの範囲では、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、隣り合う輪帯間にて軸上段差量Dが減少するように複数の段差が形成されている。すなわち、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、第1輪帯から第m輪帯までの範囲では、レンズ中心厚が薄くなる方向に段差が隣り合う輪帯間に形成されている。第m輪帯から第N輪帯までの範囲では、隣り合う輪帯間にレンズ中心厚が厚くなる方向に段差が形成されている。つまり、第m輪帯におけるレンズ中心厚は最も薄くなるように輪帯構造が形成されている。そこで、以下、当該第m輪帯を谷輪帯と称する。
樹脂材料から金型を用いて当該非回折輪帯レンズを形成する場合、金型の当該谷輪帯に対応する部分への樹脂材料の充填が不十分になりやすい。また、金型の当該谷輪帯よりもレンズ中心側に対応する部分と、当該谷輪帯よりもレンズ外縁側に対応する部分とでは、樹脂の金型への食いつき度合いや、転写不良の向きが異なる。特に、この異なる転写性のつなぎ目となる谷輪帯での転写不良が問題となる。もし、谷輪帯の輪帯領域全体において転写不良が生じた場合、当該転写不良に基づいて球面収差が発生する。また、当該球面収差の次数は、転写不良が生じた谷輪帯の位置によって異なる。また、谷輪帯の輪帯領域の一部において転写不良が生じた場合、当該転写不良に基づいてコマ収差や非点収差が発生する。また、当該コマ収差や非点収差の次数は、転写不良が生じた谷輪帯の位置によって異なる。したがって、谷輪帯を有する非回折輪帯レンズの成形においては、谷輪帯における転写精度を向上することが重要である。
樹脂材料から金型を用いてレンズを形成する場合、融解された樹脂が金型に充填されて固められる。そして、樹脂は、金型に充填された時点から金型が冷えるとともに収縮する。この樹脂が収縮する程度は、金型の収縮の程度よりも大きい。そのため、樹脂が収縮した場合、谷輪帯よりレンズ中心側の部分における隣り合う輪帯間の段差部分の樹脂は、金型から外れやすい方向に収縮するが、谷輪帯よりレンズ外縁側の部分における隣り合う輪帯間の段差部分の樹脂は、金型に食いつく方向に収縮する。そのため、成形後の樹脂が金型から外れにくくなる。そして、谷輪帯よりレンズ中心側の部分と、谷輪帯レンズ外縁側の部分とで、樹脂の金型からの外れにくさに差があることにより、谷輪帯の形状が歪んでしまったり、壊れてしまったりする。つまり、谷輪帯よりレンズ中心側の部分と、谷輪帯レンズ外縁側の部分とで、樹脂の金型からの外れにくさに差があることにより、収差を悪化させてしまう。
また、谷輪帯よりレンズ中心側の部分における隣り合う輪帯間の段差部分の樹脂は、金型から外れやすい方向に収縮するため、成形過程の早い段階で金型から外れてしまう場合があり、谷輪帯よりレンズ中心側の部分における転写性が悪くなってしまう場合がある。そこで、金型から樹脂を外す時間を遅らせたり、樹脂に圧力をかけたりする手法がとられる。しかし、一方で、谷輪帯よりもレンズ外縁側の部分における隣り合う輪帯間の段差部分の樹脂は、金型に食いつく方向に収縮するため、金型から樹脂を外す時間を遅らせたり、樹脂に圧力をかけたりすると、谷輪帯よりもレンズ外縁側の部分の樹脂がさらに金型に食いつくこととなる。これにより、谷輪帯における転写性も悪くなってしまう。つまり、図54に示す非回折輪帯レンズでは、谷輪帯よりレンズ中心側の部分、谷輪帯、及び谷輪帯よりもレンズ外縁側の部分における転写性が悪くなってしまう。
さらに、谷輪帯の輪帯幅が狭い場合、谷輪帯における転写性が一層悪化し、収差が悪化してしまう。そして、転写が良好ではないレンズをレーザ光が透過した場合、当該レーザ光は設計どおりの光路を通らず、不要光又は迷光として散乱してしまう。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、より精度よく成形できる光ピックアップレンズを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様にかかる光ピックアップレンズは、レーザ光を光ディスクに集光する開口数NAが0.84以上の光ピックアップレンズである。また、前記光ピックアップレンズは、少なくとも一方のレンズ面に、前記レンズ面が段差により同心円状の複数の輪帯領域に分割されてなる輪帯構造を備える。
また、前記輪帯構造は、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、前記各輪帯領域を、第1輪帯、第2輪帯、・・・、第N輪帯(Nは正の整数)とし、第n輪帯(nは、1≦n≦Nを満たす整数)の非球面を前記レンズ中心に向かって仮想的に延長した場合に、前記非球面と前記レンズ中心を通る光軸との交点をC(nは、1≦n≦Nを満たす整数)とし、交点Cと交点Cとの距離を軸上段差量Dとし、前記光軸に平行で光ディスク側に向かう方向を正の方向とした場合、以下の(1)式且つ(2)式を満たす少なくとも1つの第m輪帯(mは、1<m<Nを満たす整数)を備える。
|Dm−1|<|D| ・・・・・(1)
|D|>|Dm+1| ・・・・・(2)
また、前記輪帯構造は、Dn−1>Dを満たす少なくとも1つの第n−1輪帯と第n輪帯との間に設けられる接合領域と、を備える。そして、前記接合領域の面形状は、前記接合領域の面上の実質的に全ての点の前記光軸方向における位置が前記第n−1輪帯の前記レンズ外縁側の境界の前記光軸方向における位置よりも前記光ディスク側となる形状である。
本発明の第1の態様においては、D>0の場合、Dm−1<D且つD>Dm+1を満たし、又は、D<0の場合、Dm−1>D且つD<Dm+1を満たす第m輪帯を少なくとも1つ備えている。換言すれば、D>0の場合、第m輪帯よりレンズ中心側の範囲では、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、軸上段差量Dが増加する方向に段差が形成され、第m輪帯よりレンズ外縁側の範囲では、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、軸上段差量Dが減少する方向に段差が形成されている。また、D<0の場合、第m輪帯よりレンズ中心側の範囲では、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、軸上段差量Dが減少する方向に段差が形成され、第m輪帯よりレンズ外縁側の範囲では、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、軸上段差量Dが増加する方向に段差が形成されている。すなわち、D>0の場合、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、第m輪帯よりレンズ中心側の範囲では、隣り合う輪帯間にレンズ中心厚が薄くなる方向に段差が形成され、第m輪帯よりレンズ外縁側の範囲では、隣り合う輪帯間にレンズ中心厚が厚くなる方向に段差が形成されている。また、D<0の場合、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、第m輪帯よりレンズ中心側の範囲では、隣り合う輪帯間にレンズ中心厚が厚くなる方向に段差が形成され、第m輪帯よりレンズ外縁側の範囲では、隣り合う輪帯間にレンズ中心厚が薄くなる方向に段差が形成されている。つまり、D>0の場合、第m輪帯におけるレンズ中心厚は最も薄くなるように輪帯構造が形成されており、D<0の場合、第m輪帯におけるレンズ中心厚は最も厚くなるように輪帯構造が形成されている。
また、従来、Dn−1>Dを満たす第n−1輪帯と第n輪帯との間では、レーザ光源側に凸となる突起部が形成され、当該突起部のため、レンズの成形性が悪くなる。本発明の第1の態様においては、当該輪帯構造において、Dn−1>Dを満たす少なくとも1つの第n−1輪帯と第n輪帯との間に接合領域を備えている。そして、当該接合領域の面形状は、当該接合領域の面上の実質的に全ての点の光軸方向における位置が、第n−1輪帯のレンズ外縁側の境界の光軸方向における位置よりも光ディスク側となる形状となっている。換言すれば、接合領域の面形状は、第n−1輪帯のレンズ外縁側の境界よりもレーザ光源側に突出しない形状となっている。そのため、隣り合う輪帯間に突起部が形成されることによる光ピックアップレンズの形成上の問題が生じにくくなっている。したがって、成型がより容易な光ピックアップレンズを提供できる。
また、本発明の第2の態様にかかる光ピックアップレンズは、レーザ光を光ディスクに集光する開口数NAが0.84以上の光ピックアップレンズである。また、前記光ピックアップレンズは、少なくとも一方のレンズ面に、前記レンズ面が段差により同心円状の複数の輪帯領域に分割されてなる輪帯構造を備える。 また、前記輪帯構造は、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、前記各輪帯領域を、第1輪帯、第2輪帯、・・・、第N輪帯(Nは正の整数)とし、第n輪帯(nは、1≦n≦Nを満たす整数)の非球面を前記レンズ中心に向かって仮想的に延長した場合に、前記非球面と前記レンズ中心を通る光軸との交点をC(nは、1≦n≦Nを満たす整数)とし、交点Cと交点Cとの距離を軸上段差量Dとし、前記光軸に平行で光ディスク側に向かう方向を正の方向とした場合、以下の(1)式且つ(2)式を満たす少なくとも1つの第m輪帯(mは、1<m<Nを満たす整数)を備える。
|Dm−1|<|D| ・・・・・(1)
|D|>|Dm+1| ・・・・・(2)
また、前記輪帯構造は、Dn−1>Dを満たす全ての第n−1輪帯と第n輪帯との間に設けられる接合領域を備える。
そして、前記接合領域の面形状は、前記接合領域の面上の実質的に全ての点の前記光軸方向における位置が前記第n−1輪帯の前記レンズ外縁側の境界の前記光軸方向における位置よりも前記光ディスク側となる形状である。
本発明の第2の態様においては、D>0の場合、Dm−1<D且つD>Dm+1を満たし、又は、D<0の場合、Dm−1>D且つD<Dm+1を満たす第m輪帯を少なくとも1つ備えている。換言すれば、D>0の場合、第m輪帯よりレンズ中心側の範囲では、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、軸上段差量Dが増加する方向に段差が形成され、第m輪帯よりレンズ外縁側の範囲では、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、軸上段差量Dが減少する方向に段差が形成されている。また、D<0の場合、第m輪帯よりレンズ中心側の範囲では、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、軸上段差量Dが減少する方向に段差が形成され、第m輪帯よりレンズ外縁側の範囲では、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、軸上段差量Dが増加する方向に段差が形成されている。すなわち、D>0の場合、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、第m輪帯よりレンズ中心側の範囲では、隣り合う輪帯間にレンズ中心厚が薄くなる方向に段差が形成され、第m輪帯よりレンズ外縁側の範囲では、隣り合う輪帯間にレンズ中心厚が厚くなる方向に段差が形成されている。また、D<0の場合、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、第m輪帯よりレンズ中心側の範囲では、隣り合う輪帯間にレンズ中心厚が厚くなる方向に段差が形成され、第m輪帯よりレンズ外縁側の範囲では、隣り合う輪帯間にレンズ中心厚が薄くなる方向に段差が形成されている。つまり、D>0の場合、第m輪帯におけるレンズ中心厚は最も薄くなるように輪帯構造が形成されており、D<0の場合、第m輪帯におけるレンズ中心厚は最も厚くなるように輪帯構造が形成されている。
また、従来、Dn−1>Dを満たす第n−1輪帯と第n輪帯との間では、レーザ光源側に凸となる突起部が形成され、当該突起部のため、レンズの成形性が悪くなる。本発明の第2の態様においては、当該輪帯構造において、Dn−1>Dを満たす全ての第n−1輪帯と第n輪帯との間に接合領域を備えている。そして、当該接合領域の面形状は、当該接合領域の面上の実質的に全ての点の光軸方向における位置が、第n−1輪帯のレンズ外縁側の境界の光軸方向における位置よりも光ディスク側となる形状となっている。換言すれば、接合領域の面形状は、第n−1輪帯のレンズ外縁側の境界よりもレーザ光源側に突出しない形状となっている。そのため、隣り合う輪帯間に突起部が形成されることによる光ピックアップレンズの形成上の問題が生じないようになっている。したがって、成型がさらに容易な光ピックアップレンズを提供できる。
本発明の第3の態様にかかる光ピックアップレンズは、レーザ光を光ディスクに集光する開口数NAが0.84以上の光ピックアップレンズである。また、前記光ピックアップレンズは、少なくとも一方のレンズ面に、前記レンズ面が段差により同心円状の複数の輪帯領域に分割されてなる輪帯構造を備える。
また、前記輪帯構造は、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、前記各輪帯領域を、第1輪帯、第2輪帯、・・・、第N輪帯(Nは正の整数)とし、第n輪帯(nは、1≦n≦Nを満たす整数)の非球面を前記レンズ中心に向かって仮想的に延長した場合に、前記非球面と前記レンズ中心を通る光軸との交点をC(nは、1≦n≦Nを満たす整数)とし、交点Cと交点Cとの距離を軸上段差量Dとし、前記光軸に平行で光ディスク側に向かう方向を正の方向とした場合、以下の(1)式且つ(2)式を満たす少なくとも1つの第m輪帯(mは、1<m<Nを満たす整数)を備える。
|Dm−1|<|D| ・・・・・(1)
|D|>|Dm+1| ・・・・・(2)
また、前記輪帯構造は、Dn−1>Dを満たす第n輪帯の前記レンズ中心側の境界のレンズ径方向における位置が、当該光ピックアップレンズの前記レンズ面の接線角が40°以上となる範囲内であるとき、前記第n輪帯と隣り合う第n−1輪帯と前記第n輪帯との間に設けられる接合領域を備える。
そして、前記接合領域の面形状は、前記接合領域の面上の実質的に全ての点の前記光軸方向における位置が前記第n−1輪帯の前記レンズ外縁側の境界の前記光軸方向における位置よりも前記光ディスク側となる形状である。
本発明の第3の態様においては、D>0の場合、Dm−1<D且つD>Dm+1を満たし、又は、D<0の場合、Dm−1>D且つD<Dm+1を満たす第m輪帯を少なくとも1つ備えている。換言すれば、D>0の場合、第m輪帯よりレンズ中心側の範囲では、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、軸上段差量Dが増加する方向に段差が形成され、第m輪帯よりレンズ外縁側の範囲では、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、軸上段差量Dが減少する方向に段差が形成されている。また、D<0の場合、第m輪帯よりレンズ中心側の範囲では、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、軸上段差量Dが減少する方向に段差が形成され、第m輪帯よりレンズ外縁側の範囲では、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、軸上段差量Dが増加する方向に段差が形成されている。すなわち、D>0の場合、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、第m輪帯よりレンズ中心側の範囲では、隣り合う輪帯間にレンズ中心厚が薄くなる方向に段差が形成され、第m輪帯よりレンズ外縁側の範囲では、隣り合う輪帯間にレンズ中心厚が厚くなる方向に段差が形成されている。また、D<0の場合、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、第m輪帯よりレンズ中心側の範囲では、隣り合う輪帯間にレンズ中心厚が厚くなる方向に段差が形成され、第m輪帯よりレンズ外縁側の範囲では、隣り合う輪帯間にレンズ中心厚が薄くなる方向に段差が形成されている。つまり、D>0の場合、第m輪帯におけるレンズ中心厚は最も薄くなるように輪帯構造が形成されており、D<0の場合、第m輪帯におけるレンズ中心厚は最も厚くなるように輪帯構造が形成されている。
また、従来、Dn−1>Dを満たす第n−1輪帯と第n輪帯との間では、レーザ光源側に凸となる突起部が形成され、当該突起部のため、レンズの成形性が悪くなる。しかし、当該突起部による成形性の悪化の程度は、レンズの中心部分よりも外縁部分の方が大きい。そして、特に、光ピックアップレンズのレンズ面の接線角度が40°以上となる範囲において、当該突起部による成形性の悪化が生じることが分かった。本発明の第3の態様においては、当該輪帯構造において、Dn−1>Dを満たす第n輪帯のレンズ中心側の境界のレンズ径方向における位置が、当該光ピックアップレンズのレンズ面の接線角度が40°以上となる範囲内であるとき、当該第n輪帯と隣り合う第n−1輪帯と当該第n輪帯との間に接合領域を備えている。そして、当該接合領域の面形状は、当該接合領域の面上の実質的に全ての点の光軸方向における位置が、第n−1輪帯のレンズ外縁側の境界の光軸方向における位置よりも光ディスク側となる形状となっている。換言すれば、接合領域の面形状は、第n−1輪帯のレンズ外縁側の境界よりもレーザ光源側に突出しない形状となっている。そのため、隣り合う輪帯間に突起部が形成されることによる光ピックアップレンズの形成上の問題が生じないようになっている。したがって、成型がさらに容易な光ピックアップレンズを提供できる。
以上のように軸上段差量Dについての記述をしたが、本発明と同じ、またはほとんど同じレンズ形状は、輪帯構造のレンズにおいては軸上段差量Dを全く別な値にしても本発明と同じ効果を得ることができる。それは光軸から離れた位置の半径の値でのサグ量として同じサグ量を得るのに違う軸上段差量であっても得ることができてしまうからである。それは後述する面形状を規定する非球面式からも明らかである。
本発明の第1の態様にかかる光ピックアップレンズは、レーザ光を光ディスクに集光する開口数NAが0.84以上の光ピックアップレンズである。また、前記光ピックアップレンズは、少なくとも一方のレンズ面に、前記レンズ面が段差により同心円状の複数の輪帯領域に分割されてなる輪帯構造を備える。
また、前記輪帯構造は、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、前記各輪帯領域を、第1輪帯、第2輪帯、・・・、第N輪帯(Nは正の整数)とし、第n輪帯(nは、1≦n≦Nを満たす整数)を通る光線と光軸上を通る光線の光路差をE(λ)とした場合、以下の(8)式且つ(9)式を満たす少なくとも1つの第m輪帯(mは、1<m<Nを満たす整数)を備える。
|Em−1|<|E| ・・・・・(8)
|E|>|Em+1| ・・・・・(9)
また、前記輪帯構造は、En−1>Eを満たす少なくとも1つの第n−1輪帯と第n輪帯との間に設けられる接合領域と、を備える。
そして、前記接合領域の面形状は、前記接合領域の面上の実質的に全ての点の前記光軸方向における位置が前記第n−1輪帯の前記レンズ外縁側の境界の前記光軸方向における位置よりも前記光ディスク側となる形状である。
本発明の第1の態様においては、E>0の場合、Em−1<E且つE>Em+1を満たし、又は、E<0の場合、Em−1>E且つE<Em+1を満たす第m輪帯を少なくとも1つ備えている。換言すれば、E>0の場合、第m輪帯よりレンズ中心側の範囲では、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、光路差Eが増加する方向に段差が形成され、第m輪帯よりレンズ外縁側の範囲では、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、光路差Eが減少する方向に段差が形成されている。また、E<0の場合、第m輪帯よりレンズ中心側の範囲では、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、光路差Eが減少する方向に段差が形成され、第m輪帯よりレンズ外縁側の範囲では、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、光路差Eが増加する方向に段差が形成されている。すなわち、E>0の場合、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、第m輪帯よりレンズ中心側の範囲では、隣り合う輪帯間にレンズ中心厚が薄くなる方向に段差が形成され、第m輪帯よりレンズ外縁側の範囲では、隣り合う輪帯間にレンズ中心厚が厚くなる方向に段差が形成されている。また、E<0の場合、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、第m輪帯よりレンズ中心側の範囲では、隣り合う輪帯間にレンズ中心厚が厚くなる方向に段差が形成され、第m輪帯よりレンズ外縁側の範囲では、隣り合う輪帯間にレンズ中心厚が薄くなる方向に段差が形成されている。つまり、E>0の場合、第m輪帯におけるレンズ中心厚は最も薄くなるように輪帯構造が形成されており、E<0の場合、第m輪帯におけるレンズ中心厚は最も厚くなるように輪帯構造が形成されている。
また、従来、En−1>Eを満たす第n−1輪帯と第n輪帯との間では、レーザ光源側に凸となる突起部が形成され、当該突起部のため、レンズの成形性が悪くなる。本発明の第1の態様においては、当該輪帯構造において、En−1>Eを満たす少なくとも1つの第n−1輪帯と第n輪帯との間に接合領域を備えている。そして、当該接合領域の面形状は、当該接合領域の面上の実質的に全ての点の光軸方向における位置が、第n−1輪帯のレンズ外縁側の境界の光軸方向における位置よりも光ディスク側となる形状となっている。換言すれば、接合領域の面形状は、第n−1輪帯のレンズ外縁側の境界よりもレーザ光源側に突出しない形状となっている。そのため、隣り合う輪帯間に突起部が形成されることによる光ピックアップレンズの形成上の問題が生じにくくなっている。したがって、成型がより容易な光ピックアップレンズを提供できる。
また、本発明の第2の態様にかかる光ピックアップレンズは、レーザ光を光ディスクに集光する開口数NAが0.84以上の光ピックアップレンズである。また、前記光ピックアップレンズは、少なくとも一方のレンズ面に、前記レンズ面が段差により同心円状の複数の輪帯領域に分割されてなる輪帯構造を備える。
また、前記輪帯構造は、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、前記各輪帯領域を、第1輪帯、第2輪帯、・・・、第N輪帯(Nは正の整数)とし、第n輪帯(nは、1≦n≦Nを満たす整数)を通る光線と光軸上を通る光線の光路差をE(λ)とした場合、以下の(14)式且つ(15)式を満たす少なくとも1つの第m輪帯(mは、1<m<Nを満たす整数)を備える。
|Em−1|<|E| ・・・・・(14)
|E|>|Em+1| ・・・・・(15)
また、前記輪帯構造は、En−1>Eを満たす全ての第n−1輪帯と第n輪帯との間に設けられる接合領域と、を備える。
そして、前記接合領域の面形状は、前記接合領域の面上の実質的に全ての点の前記光軸方向における位置が前記第n−1輪帯の前記レンズ外縁側の境界の前記光軸方向における位置よりも前記光ディスク側となる形状である。
本発明の第2の態様においては、E>0の場合、Em−1<E且つE>Em+1を満たし、又は、E<0の場合、Em−1>E且つE<Em+1を満たす第m輪帯を少なくとも1つ備えている。換言すれば、E>0の場合、第m輪帯よりレンズ中心側の範囲では、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、光路差Eが増加する方向に段差が形成され、第m輪帯よりレンズ外縁側の範囲では、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、光路差Eが減少する方向に段差が形成されている。また、E<0の場合、第m輪帯よりレンズ中心側の範囲では、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、光路差Eが減少する方向に段差が形成され、第m輪帯よりレンズ外縁側の範囲では、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、光路差Eが増加する方向に段差が形成されている。すなわち、E>0の場合、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、第m輪帯よりレンズ中心側の範囲では、隣り合う輪帯間にレンズ中心厚が薄くなる方向に段差が形成され、第m輪帯よりレンズ外縁側の範囲では、隣り合う輪帯間にレンズ中心厚が厚くなる方向に段差が形成されている。また、E<0の場合、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、第m輪帯よりレンズ中心側の範囲では、隣り合う輪帯間にレンズ中心厚が厚くなる方向に段差が形成され、第m輪帯よりレンズ外縁側の範囲では、隣り合う輪帯間にレンズ中心厚が薄くなる方向に段差が形成されている。つまり、E>0の場合、第m輪帯におけるレンズ中心厚は最も薄くなるように輪帯構造が形成されており、E<0の場合、第m輪帯におけるレンズ中心厚は最も厚くなるように輪帯構造が形成されている。
また、従来、En−1>Eを満たす第n−1輪帯と第n輪帯との間では、レーザ光源側に凸となる突起部が形成され、当該突起部のため、レンズの成形性が悪くなる。本発明の第2の態様においては、当該輪帯構造において、En−1>Eを満たす全ての第n−1輪帯と第n輪帯との間に接合領域を備えている。そして、当該接合領域の面形状は、当該接合領域の面上の実質的に全ての点の光軸方向における位置が、第n−1輪帯のレンズ外縁側の境界の光軸方向における位置よりも光ディスク側となる形状となっている。換言すれば、接合領域の面形状は、第n−1輪帯のレンズ外縁側の境界よりもレーザ光源側に突出しない形状となっている。そのため、隣り合う輪帯間に突起部が形成されることによる光ピックアップレンズの形成上の問題が生じないようになっている。したがって、成型がさらに容易な光ピックアップレンズを提供できる。
本発明の第3の態様にかかる光ピックアップレンズは、レーザ光を光ディスクに集光する開口数NAが0.84以上の光ピックアップレンズである。また、前記光ピックアップレンズは、少なくとも一方のレンズ面に、前記レンズ面が段差により同心円状の複数の輪帯領域に分割されてなる輪帯構造を備える。
また、前記輪帯構造は、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、前記各輪帯領域を、第1輪帯、第2輪帯、・・・、第N輪帯(Nは正の整数)とし、第n輪帯(nは、1≦n≦Nを満たす整数)を通る光線と光軸上を通る光線の光路差をE(λ)とした場合、以下の(14)式且つ(15)式を満たす少なくとも1つの第m輪帯(mは、1<m<Nを満たす整数)を備える。
|Em−1|<|E| ・・・・・(14)
|E|>|Em+1| ・・・・・(15)
また、前記輪帯構造は、En−1>Eを満たす第n輪帯の前記レンズ中心側の境界のレンズ径方向における位置が、当該光ピックアップレンズの前記レンズ面の接線角が40°以上となる範囲内であるとき、前記第n輪帯と隣り合う第n−1輪帯と前記第n輪帯との間に設けられる接合領域を備える。
そして、前記接合領域の面形状は、前記接合領域の面上の実質的に全ての点の前記光軸方向における位置が前記第n−1輪帯の前記レンズ外縁側の境界の前記光軸方向における位置よりも前記光ディスク側となる形状である。
本発明の第3の態様においては、E>0の場合、Em−1<E且つE>Em+1を満たし、又は、E<0の場合、Em−1>E且つE<Em+1を満たす第m輪帯を少なくとも1つ備えている。換言すれば、E>0の場合、第m輪帯よりレンズ中心側の範囲では、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、光路差Eが増加する方向に段差が形成され、第m輪帯よりレンズ外縁側の範囲では、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、光路差Eが減少する方向に段差が形成されている。また、E<0の場合、第m輪帯よりレンズ中心側の範囲では、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、光路差Eが減少する方向に段差が形成され、第m輪帯よりレンズ外縁側の範囲では、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、光路差Eが増加する方向に段差が形成されている。すなわち、E>0の場合、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、第m輪帯よりレンズ中心側の範囲では、隣り合う輪帯間にレンズ中心厚が薄くなる方向に段差が形成され、第m輪帯よりレンズ外縁側の範囲では、隣り合う輪帯間にレンズ中心厚が厚くなる方向に段差が形成されている。また、E<0の場合、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、第m輪帯よりレンズ中心側の範囲では、隣り合う輪帯間にレンズ中心厚が厚くなる方向に段差が形成され、第m輪帯よりレンズ外縁側の範囲では、隣り合う輪帯間にレンズ中心厚が薄くなる方向に段差が形成されている。つまり、E>0の場合、第m輪帯におけるレンズ中心厚は最も薄くなるように輪帯構造が形成されており、E<0の場合、第m輪帯におけるレンズ中心厚は最も厚くなるように輪帯構造が形成されている。
また、従来、En−1>Eを満たす第n−1輪帯と第n輪帯との間では、レーザ光源側に凸となる突起部が形成され、当該突起部のため、レンズの成形性が悪くなる。しかし、当該突起部による成形性の悪化の程度は、レンズの中心部分よりも外縁部分の方が大きい。そして、特に、光ピックアップレンズのレンズ面の接線角度が40°以上となる範囲において、当該突起部による成形性の悪化が生じることが分かった。本発明の第3の態様においては、当該輪帯構造において、Dn−1>Dを満たす第n輪帯のレンズ中心側の境界のレンズ径方向における位置が、当該光ピックアップレンズのレンズ面の接線角度が40°以上となる範囲内であるとき、当該第n輪帯と隣り合う第n−1輪帯と当該第n輪帯との間に接合領域を備えている。そして、当該接合領域の面形状は、当該接合領域の面上の実質的に全ての点の光軸方向における位置が、第n−1輪帯のレンズ外縁側の境界の光軸方向における位置よりも光ディスク側となる形状となっている。換言すれば、接合領域の面形状は、第n−1輪帯のレンズ外縁側の境界よりもレーザ光源側に突出しない形状となっている。そのため、隣り合う輪帯間に突起部が形成されることによる光ピックアップレンズの形成上の問題が生じないようになっている。したがって、成型がさらに容易な光ピックアップレンズを提供できる。
また、前記接合領域の面形状は、前記光軸に垂直な面から、レーザ光源側から光ディスク側に向かう方向に、角度θ(°)傾く平面形状であることが好ましい。
さらに、以下の(3)式を満たすことが好ましい。
0≦θ≦15 ・・・・・(3)
これにより、第n−1輪帯の傾斜角度と接合領域の傾斜角度とを近い角度とすることができる。そして、成形時における第n−1輪帯における収縮方向と接合領域における収縮方向とをできるだけ一致させることができる。そのため、光ピックアップレンズの寸法を精度良く出すための成形条件をより容易に見つけることができるようになる。
なお、1つの光ピックアップレンズに設けられる複数の接合領域の傾斜角度は、それぞれ、当該接合領域が設けられるレンズ径方向における位置に応じて異なっていてもよい。
また、前記第m輪帯の前記レンズ中心側の境界の半径をRbとし、前記第m輪帯の前記レンズ外縁側の境界の半径をReとし、前記開口数NAが0.85であるときの前記光ピックアップレンズの有効半径をRsとした場合、以下の(4)式を満たすことが好ましい。
(Re−Rb)/Rs×100≧10(%) ・・・・・(4)
第m輪帯の輪帯幅が狭すぎると、当該第m輪帯に対応する金型部分へ樹脂を十分に充填できなくなり、レンズの収差性能の悪化をもたらす。一方、第m輪帯の輪帯幅(Re−Rb)が、当該光ピックアップレンズの有効半径Rsの10%以上である場合、当該第m輪帯に対応する金型部分へ樹脂を十分に充填することができる。これにより、レンズの収差性能の悪化を防止することができる。
さらに、以下の(5)式を満たすことがより好ましい。
(Re−Rb)/Rs×100≧30(%) ・・・・・(5)
第m輪帯の輪帯幅(Re−Rb)を、当該光ピックアップレンズの有効半径Rsの30%以上とすることにより、当該第m輪帯に対応する金型部分に樹脂を充填する際における樹脂の乱れを防止することができる。これにより、レンズの収差性能の悪化をより確実に防止することができる。
また、Dn−1<Dを満たす全ての第n−1輪帯及び第n輪帯について、前記第n輪帯の軸上段差量Dと前記第n−1輪帯の軸上段差量Dn−1との差分の絶対値|D−Dn−1|を加算して得られる値をαとし、Dn−1>Dを満たす全ての第n−1輪帯及び第n輪帯について、前記第n輪帯の軸上段差量Dと前記第n−1輪帯の軸上段差量Dn−1との差分の絶対値|D−Dn−1|を加算して得られる値をβとした場合に、以下の(6)式を満たすことが好ましい。
α≧β ・・・・・(6)
接合領域は、光学機能面ではない。そのため、隣り合う輪帯間に上述した接合領域を設けると、その分、光スポットの光量が低下してしまう。ここで、レンズに入射するレーザ光はレンズにおいて吸収されず、レンズ表面における反射はないものとし、光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面に輪帯構造が形成され、光ディスク側のレンズ面は連続的な形状を有するとした場合、光スポットの光量比(%)を、以下の(10)式で表すことができる。
光量比(%)=(1−((有効半径内のレンズ面の面積)−(光学機能面以外の面積))/(有効変形内のレンズ面の面積))×100
・・・・・(10)
ここで、(10)式における(光学機能面以外の面積)は、全ての接合領域の面積の和に略等しい。したがって、光ピックアップレンズに設けられる接合領域の数をできるだけ少なくすることにより、光スポットの光量を向上することができる。
そして、接合領域が設けられる部分は、Dn−1>Dを満たす第n−1輪帯と第n輪帯との輪帯間である。そのため、接合領域を設けない輪帯間の段差量の累積値を、接合領域を設ける輪帯間の段差量の累積値よりも大きくすることにより、光スポットの光量の向上を図ることができると考えられる。そこで、本発明では、(6)式を満たすことにより、接合領域を設けない輪帯間の段差量の累積値であるαを、接合領域を設ける輪帯間の段差量の累積値であるβ以上とすることができ、光スポットの光量を向上させることができる。
さらに、以下の(7)式を満たすことがより好ましい。
α>β ・・・・・(7)
これにより、光スポットの光量をより確実に向上させることができる。
また、前記開口数NAが0.85であるときの有効半径Rsは、前記光ピックアップレンズが搭載されるアクチュエータの開口半径と実質的に等しいことが好ましい。
実際には、光ピックアップレンズが取り付けられるアクチュエータはプラスチック製であるため、アクチュエータの開口半径は製品毎で異なる。本発明では、光ピックアップレンズの開口数NAが0.85であるときの有効半径Rsは、当該アクチュエータの開口半径と実質的に等しいため、アクチュエータの開口半径を反映して、第m輪帯の輪帯幅を規定することができる。
また、前記光ピックアップレンズは、波長395nm以上415nm以下の範囲の波長のレーザ光を前記光ディスクに集光することが好ましい。
これにより、BDに対して良好に光スポットを形成する光ピックアップレンズを提供できる。BDの使用波長は405nmであるが、レーザ光源の製造バラツキを考慮して、本発明の光ピックアップレンズの使用波長の範囲を波長395nm以上415nm以下とした。
さらに、前記光ピックアップレンズは、樹脂材料、又は、樹脂材料に無機材料若しくは主に無機材料からなる材料を分散させた材料から成形されることが好ましい。
また、前記光ピックアップレンズは、ガラス材料から成形されることが好ましい。
これにより、一般的なレンズ材料から第1の態様乃至第3の態様の何れかと同様の効果を奏する光ピックアップレンズを製造することができる。
また、前記光ピックアップレンズは、BD用のピックアップに搭載されることが好ましい。
本発明により、より精度よく成形できる光ピックアップレンズを提供することができる。
本発明の実施の形態にかかる光ピックアップレンズの一例を示す側面図である。 本発明の実施の形態にかかる光ピックアップレンズの一例を示す側面図である。 図2の一部を拡大して示す拡大図である。 本発明の実施の形態にかかる光ピックアップレンズの一例を示す側面図である。 本発明の実施の形態にかかる光ピックアップレンズの一例を示す側面図である。 本発明の実施の形態にかかる光ピックアップレンズの一例を示す側面図である。 本発明の実施の形態にかかる光ピックアップレンズの一例を示す側面図である。 実施例1にかかる光ピックアップレンズのレンズデータを示す表である。 実施例1にかかる光ピックアップレンズのレンズデータを示す表である。 実施例1にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面の非球面係数、軸上段差量及び輪帯位置を示す表である。 実施例1にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面の非球面係数、軸上段差量及び輪帯位置を示す表である。 実施例1にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面の非球面係数、軸上段差量及び輪帯位置を示す表である。 実施例1にかかる光ピックアップレンズの光ディスク側のレンズ面の非球面係数を示す表である。 実施例2にかかる光ピックアップレンズのレンズデータを示す表である。 実施例2にかかる光ピックアップレンズのレンズデータを示す表である。 実施例2にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面の非球面係数、軸上段差量及び輪帯位置を示す表である。 実施例2にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面の非球面係数、軸上段差量及び輪帯位置を示す表である。 実施例2にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面の非球面係数、軸上段差量及び輪帯位置を示す表である。 実施例2にかかる光ピックアップレンズの光ディスク側のレンズ面の非球面係数を示す表である。 実施例3にかかる光ピックアップレンズのレンズデータを示す表である。 実施例3にかかる光ピックアップレンズのレンズデータを示す表である。 実施例3にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面の非球面係数、軸上段差量及び輪帯位置を示す表である。 実施例3にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面の非球面係数、軸上段差量及び輪帯位置を示す表である。 実施例3にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面の非球面係数、軸上段差量及び輪帯位置を示す表である。 実施例3にかかる光ピックアップレンズの光ディスク側のレンズ面の非球面係数を示す表である。 実施例4にかかる光ピックアップレンズのレンズデータを示す表である。 実施例4にかかる光ピックアップレンズのレンズデータを示す表である。 実施例4にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面の非球面係数、軸上段差量及び輪帯位置を示す表である。 実施例4にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面の非球面係数、軸上段差量及び輪帯位置を示す表である。 実施例4にかかる光ピックアップレンズの光ディスク側のレンズ面の非球面係数を示す表である。 実施例5にかかる光ピックアップレンズのレンズデータを示す表である。 実施例5にかかる光ピックアップレンズのレンズデータを示す表である。 実施例5にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面の非球面係数、軸上段差量及び輪帯位置を示す表である。 実施例5にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面の非球面係数、軸上段差量及び輪帯位置を示す表である。 実施例5にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面の非球面係数、軸上段差量及び輪帯位置を示す表である。 実施例5にかかる光ピックアップレンズの光ディスク側のレンズ面の非球面係数を示す表である。 実施例6にかかる光ピックアップレンズのレンズデータを示す表である。 実施例6にかかる光ピックアップレンズのレンズデータを示す表である。 実施例6にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面の非球面係数、軸上段差量及び輪帯位置を示す表である。 実施例6にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面の非球面係数、軸上段差量及び輪帯位置を示す表である。 実施例6にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面の非球面係数、軸上段差量及び輪帯位置を示す表である。 実施例6にかかる光ピックアップレンズの光ディスク側のレンズ面の非球面係数を示す表である。 実施例7にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面の非球面係数、軸上段差量及び輪帯位置を示す表である。 実施例8にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面の非球面係数、軸上段差量及び輪帯位置を示す表である。 比較例1にかかる光ピックアップレンズのレンズデータを示す表である。 比較例1にかかる光ピックアップレンズのレンズデータを示す表である。 比較例1にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面の非球面係数、軸上段差量及び輪帯位置を示す表である。 比較例1にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面の非球面係数、軸上段差量及び輪帯位置を示す表である。 比較例1にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面の非球面係数、軸上段差量及び輪帯位置を示す表である。 比較例1にかかる光ピックアップレンズの光ディスク側のレンズ面の非球面係数を示す表である。 実施例1乃至8及び比較例1の成形後の転写性、残留収差成分(mλrms)、(Re−Rs)/Rs×100(%)、光量比(%)を示す表である。 光量比の算出を説明する図である。 従来の回折レンズを示す側面図である。 従来の非回折輪帯レンズを示す側面図である。 実施例1〜8及び比較例1の光路差を計算したものを示す表である。 本発明の実施形態にかかる光ピックアップレンズの概略的な側面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
本実施の形態にかかる光ピックアップレンズは、BD(Blu−ray Disc)の情報記録面に対して、波長395nm〜415nmの範囲内の波長のレーザ光を集光させる。また、本実施の形態にかかる光ピックアップレンズの開口数NAは0.84以上である。
また、本実施の形態にかかる光ピックアップレンズは、少なくとも一方のレンズ面(光学機能面)に、当該レンズ面が段差により同心円状の複数の輪帯領域に分割されてなる輪帯構造を備えている。換言すれば、本発明にかかる光ピックアップレンズの少なくとも一方の面は、同心円状に、複数の輪帯領域に分割されており、隣り合う輪帯領域の間には段差が形成されている。
当該輪帯構造は、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、各輪帯領域を、第1輪帯、第2輪帯、・・・、第N輪帯(Nは正の整数)とする。第n輪帯(nは、1≦n≦Nを満たす整数)の非球面をレンズ中心に向かって仮想的に延長した場合に、非球面の仮想延長面と光軸AXとの交点をC(nは、1≦n≦Nを満たす整数)とする。交点Cと交点Cとの距離を軸上段差量Dとする。光軸に平行で光ディスク側に向かう方向(レーザ光源から光ディスクに向かう方向)を正の方向とする。この場合、光ピックアップレンズは、以下の(1)式且つ(2)式を満たす少なくとも1つの第m輪帯(mは、1<m<Nを満たす整数)を備えている。
|Dm−1|<|D| ・・・・・(1)
|D|>|Dm+1| ・・・・・(2)
つまり、輪帯構造は、D>0の場合、Dm−1<D且つD>Dm+1を満たし、又は、D<0の場合、Dm−1>D且つD<Dm+1を満たす第m輪帯を少なくとも1つ備えている。換言すれば、D>0の場合、第m輪帯よりレンズ中心側の範囲では、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、軸上段差量Dが増加する方向に段差が形成されている。第m輪帯よりレンズ外縁側の範囲では、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、軸上段差量Dが減少する方向に段差が形成されている。また、D<0の場合、第m輪帯よりレンズ中心側の範囲では、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、軸上段差量Dが減少する方向に段差が形成され、第m輪帯よりレンズ外縁側の範囲では、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、軸上段差量Dが増加する方向に段差が形成されている。
すなわち、D>0の場合、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、第m輪帯よりレンズ中心側の範囲では、隣り合う輪帯間にレンズ中心厚が薄くなる方向に段差が形成されている。第m輪帯よりレンズ外縁側の範囲では、隣り合う輪帯間にレンズ中心厚が厚くなる方向に段差が形成されている。また、D<0の場合、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、第m輪帯よりレンズ中心側の範囲では、隣り合う輪帯間にレンズ中心厚が厚くなる方向に段差が形成され、第m輪帯よりレンズ外縁側の範囲では、隣り合う輪帯間にレンズ中心厚が薄くなる方向に段差が形成されている。つまり、D>0の場合、第m輪帯におけるレンズ中心厚は最も薄くなるように輪帯構造が形成されており、D<0の場合、第m輪帯におけるレンズ中心厚は最も厚くなるように輪帯構造が形成されている。
また、輪帯構造は、Dn−1>Dを満たす少なくとも1つの第n−1輪帯と第n輪帯との間に設けられる接合領域を備えている。光軸方向におけるこの接合領域の位置は、光軸方向における第n−1輪帯の位置よりも光ディスク側に位置する。
従来、Dn−1>Dを満たす第n−1輪帯と第n輪帯との間では、レーザ光源側に凸となる突起部が形成され、当該突起部のため、レンズの成形性が悪くなる。本実施の形態にかかる光ピックアップレンズにおいては、当該輪帯構造において、Dn−1>Dを満たす少なくとも1つの第n−1輪帯と第n輪帯との間に接合領域を備えている。そして、当該接合領域の面形状は、当該接合領域の面上の実質的に全ての点の光軸方向における位置が、第n−1輪帯のレンズ外縁側の境界の光軸方向における位置よりも光ディスク側となる形状となっている。換言すれば、接合領域の面形状は、第n−1輪帯のレンズ外縁側の境界よりもレーザ光源側に突出しない形状となっている。そのため、隣り合う輪帯間に突起部が形成されることによる光ピックアップレンズの形成上の問題が生じにくくなっている。したがって、成型がより容易な光ピックアップレンズを提供できる。
本発明の実施の形態にかかる光ピックアップレンズの一例を図1に示す。光ピックアップレンズ1は、互いに対向配置された一組のレンズ面101、レンズ面102を有する。レンズ面101は、レーザ光源側のレンズ面である。レンズ面101には、輪帯構造が形成されている。レンズ面102は、光ディスク側のレンズ面である。レンズ面102には、輪帯構造は形成されていない。レンズ面102の面形状は、単一の非球面形状となっている。
光ピックアップレンズ1において、D>0となっている。レンズ面101に設けられた輪帯構造は、Dm−1<D且つD>Dm+1を満たす第m輪帯103を1つ備えている。換言すれば、第m輪帯103よりレンズ中心側の範囲では、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、軸上段差量Dが増加する方向に段差が形成されている。第m輪帯103よりレンズ外縁側の範囲では、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、軸上段差量Dが減少する方向に段差が形成されている。すなわち、レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、第m輪帯103よりレンズ中心側の範囲では、隣り合う輪帯間にレンズ中心厚が薄くなる方向に段差が形成されている。第m輪帯103よりレンズ外縁側の範囲では、隣り合う輪帯間にレンズ中心厚が厚くなる方向に段差が形成されている。つまり、第m輪帯103におけるレンズ中心厚は最も薄くなるように輪帯構造が形成されている。
光ピックアップレンズ1において、輪帯構造は、Dn−1>Dを満たす第n−1輪帯と第n輪帯との間に設けられる接合領域104を備えている。なお、接合領域104は、Dn−1>Dを満たす少なくとも1つの第n−1輪帯と第n輪帯との間に設けられればよい。
当該接合領域104の面形状は、接合領域104の面上の実質的に全ての点の光軸方向における位置が当該第n−1輪帯のレンズ外縁側の境界の光軸方向における位置よりも光ディスク側となる形状となっている。接合領域104の面形状は、第n−1輪帯のレンズ外縁側の境界よりもレーザ光源側に突出しない形状となっている。光ピックアップレンズ1において、接合領域104の面形状は、光軸に垂直な平面形状となっている。
以上のように軸上段差量Dについての記述をしたが、本発明と同じ、またはほとんど同じレンズ形状は、輪帯構造のレンズにおいては軸上段差量Dを全く別な値にしても本発明と同じ効果を得ることができる。それは光軸から離れた位置の半径の値でのサグ量として同じサグ量を得るのに違う軸上段差量であっても得ることができてしまうからである。それは後述する面形状を規定する非球面式からも明らかである。
本発明の実施の形態にかかる光ピックアップレンズの他の例を図2に示す。図2に示す光ピックアップレンズ2は、図1の光ピックアップレンズ1とほぼ同様の構造を有している。具体的には、レーザ光源側のレンズ面201に、輪帯構造が形成されている。光ディスク側のレンズ面202の面形状は、単一の非球面形状となっている。
光ピックアップレンズ2においては、D>0となっている。また、輪帯構造は、Dm−1<D且つD>Dm+1を満たす第m輪帯203を1つ備えている。つまり、第m輪帯203におけるレンズ中心厚は最も薄くなるように輪帯構造が形成されている。
光ピックアップレンズ2において、輪帯構造は、Dn−1>Dを満たす第n−1輪帯と第n輪帯との間に設けられる接合領域204を備えている。なお、接合領域204は、Dn−1>Dを満たす少なくとも1つの第n−1輪帯と第n輪帯との間に設けられればよい。当該接合領域204の面形状は、第n−1輪帯のレンズ外縁側の境界よりもレーザ光源側に突出しない形状となっている。
光ピックアップレンズ2において、Dn−1>Dを満たす部分(図2において一点鎖線で囲む部分)の拡大図を図3に示す。図3に示すように、光ピックアップレンズ2を側面視すると、接合領域204は、光軸AXに対して垂直な面PL1に対して、レーザ光源側から光ディスク側に向かう方向に角度θ(°)傾いている。
面PL1に対して接合領域204がなす角度θは、以下の(3)式を満たすようになっている。
0≦θ≦15 ・・・・・(3)
これにより、第n−1輪帯の傾斜角度と接合領域204の傾斜角度とを近い角度とすることができる。そして、成形時における第n−1輪帯における収縮方向と接合領域204における収縮方向とをできるだけ一致させることができる。そのため、光ピックアップレンズ2の寸法を精度良く出すための成形条件をより容易に見つけることができるようになる。
なお、図3に示すように、1つの光ピックアップレンズ2に設けられる複数の接合領域204の傾斜角度は、それぞれ、当該接合領域204が設けられるレンズ径方向における位置に応じて異なっていてもよい(例えば、図3に示すθ1、θ2、θ3)。
また、本実施形態においては、(1)式且つ(2)式を満たす第m輪帯を複数備えていてもよい。本発明の実施の形態にかかる光ピックアップレンズの他の例を図4に示す。
図4に示す光ピックアップレンズ3においては、D>0となっている。また、光ピックアップレンズ3において、輪帯構造は、Dm−1<D且つD>Dm+1を満たす第m輪帯303、304を備えている。
光ピックアップレンズ3は、Dn−1>Dを満たす領域を2つ備えている。第m輪帯303と第m輪帯304との間の領域は、Dn−1>Dを満たす。第m輪帯304よりレンズ外縁側の領域は、Dn−1>Dを満たす。
光ピックアップレンズ3では、輪帯構造は、Dn−1>Dを満たす第n輪帯のレンズ中心側の境界のレンズ径方向における位置が、当該光ピックアップレンズ3のレンズ面の接線角が40°以上となる範囲内であるとき、第n輪帯と隣り合う第n−1輪帯と第n輪帯との間に設けられる接合領域を備える。
従来、Dn−1>Dを満たす第n−1輪帯と第n輪帯との間に形成される突起部による成形性の悪化の程度は、レンズの中心部分よりもレンズ外縁部分の方が大きいためである。特に、光ピックアップレンズのレンズ面の接線角度が40°以上となる範囲において、当該突起部による成形性の悪化が生じることが分かった。つまり、Dn−1>Dを満たす第n輪帯のレンズ中心側の境界のレンズ径方向における位置が、光ピックアップレンズのレンズ面の接線角度が40°以上となる範囲内であるとき、当該第n輪帯と隣り合う第n−1輪帯と当該第n輪帯との間に接合領域を備えればよいことが分かった。具体的には、当該光ピックアップレンズ3のレンズ面の接線角が40°以上となる範囲内であって、Dn−1>Dを満たす領域である第m輪帯304よりレンズ外縁側の領域の第n−1輪帯と第n輪帯との間に接合領域305を備えている。
光ピックアップレンズ3を側面視すると、図3を参照して説明した場合と同様、各接合領域305は、光軸に垂直な面PL1に対して、レーザ光源側から光ディスク側に向かう方向に角度θ(°)だけ傾いている。面PL1に対する接合領域305の傾きθは、以下の(3)式を満たすようになっている。
0≦θ≦15 ・・・・・(3)
本発明の実施の形態にかかる光ピックアップレンズの他の例を図5に示す。図5に示す光ピックアップレンズ4に形成された輪帯構造は、Dm−1<D且つD>Dm+1を満たす第m輪帯403、404を備えている。光ピックアップレンズ4に形成された輪帯構造は、Dm−1>D且つD<Dm+1を満たす第m輪帯405を備えている。
光ピックアップレンズ4は、D>0且つDn−1>Dを満たす領域を2つ備えている。第m輪帯403と第m輪帯405との間の領域は、Dn−1>Dを満たす。第m輪帯404よりレンズ外縁側の領域は、Dn−1>Dを満たす。
光ピックアップレンズ4に形成された輪帯構造は、Dn−1>Dを満たす第n輪帯のレンズ中心側の境界のレンズ径方向における位置が、当該光ピックアップレンズ4のレンズ面の接線角が40°以上となる範囲内であるとき、第n輪帯と隣り合う第n−1輪帯と第n輪帯との間に設けられる接合領域を備える。
具体的には、当該光ピックアップレンズ4のレンズ面の接線角が40°以上となる範囲内であって、Dn−1>Dを満たす領域である第m輪帯404よりレンズ外縁側の領域の第n−1輪帯と第n輪帯との間に接合領域406を備えている。
光ピックアップレンズ4を側面視すると、各接合領域406は、図3を参照して説明した場合と同様、光軸に対して垂直な面PL1に対して、レーザ光源側から光ディスク側に向かう方向に角度θ(°)だけ傾いている。面PL1に対する接合領域406の傾きθは、以下の(3)式を満たすようになっている。
0≦θ≦15 ・・・・・(3)
また、本発明の実施の形態にかかる光ピックアップレンズの他の例を図6に示す。図6に示す光ピックアップレンズ5においては、D<0となっている。また、光ピックアップレンズ5に形成された輪帯構造は、Dm−1>D且つD<Dm+1を満たす第m輪帯503を備えている。
光ピックアップレンズ5は、Dn−1>Dを満たす領域を1つ備えている。レンズ中心から第m輪帯503までの領域は、Dn−1>Dを満たす。図6に示す光ピックアップレンズ5では、第m輪帯503のレンズ中心側の境界のレンズ径方向における位置は、光ピックアップレンズ5のレンズ面の接線角が40°未満となる範囲内にある。したがって、敢えて、Dn−1>Dを満たす第n−1輪帯と第n輪帯との間に接合領域を設けていない。
また、本発明の実施の形態にかかる光ピックアップレンズの他の例を図7に示す。図7に示す光ピックアップレンズ6においては、D<0となっている。また、輪帯構造は、Dm−1>D且つD<Dm+1を満たす第m輪帯603、604を備えている。光ピックアップレンズ6は、Dn−1>Dを満たす領域を2つ備えている。レンズ中心から第m輪帯603までの領域は、Dn−1>Dを満たす。第m輪帯603と第m輪帯604との間の領域は、Dn−1>Dを満たす。光ピックアップレンズ6では、第m輪帯603、604のレンズ中心側の境界のレンズ径方向における位置は、光ピックアップレンズ6のレンズ面の接線角が40°未満となる範囲内にあるため、敢えて、Dn−1>Dを満たす第n−1輪帯と第n輪帯との間に接合領域を設けていない。
また、光ピックアップレンズ1、2、3、4、5、6は、Dn−1<Dを満たす全ての第n−1輪帯及び第n輪帯について、第n輪帯の軸上段差量Dと第n−1輪帯の軸上段差量Dn−1との差分の絶対値|D−Dn−1|を加算して得られる値をαとし、Dn−1>Dを満たす全ての第n−1輪帯及び第n輪帯について、第n輪帯の軸上段差量Dと第n−1輪帯の軸上段差量Dn−1との差分の絶対値|D−Dn−1|を加算して得られる値をβとした場合に、以下の(6)式を満たすことが好ましい。
α≧β ・・・・・(6)
接合領域は、光学機能面ではない。そのため、隣り合う輪帯間に上述した接合領域を設けると、その分、光スポットの光量が低下してしまう。ここで、レンズに入射するレーザ光はレンズにおいて吸収されず、レンズ表面における反射はないものとし、光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面に輪帯構造が形成され、光ディスク側のレンズ面は連続的な形状を有するとした場合、光スポットの光量比(%)を、以下の(12)式で表すことができる。
光量比(%)=(1−((有効半径内のレンズ面の面積)−(光学機能面以外の面積))/(有効変形内のレンズ面の面積))×100
・・・・・(12)
ここで、(12)式における(光学機能面以外の面積)は、全ての接合領域の面積の和に略等しい。したがって、光ピックアップレンズ1、2、3、4、5、6に設けられる接合領域の数をできるだけ少なくすることにより、光スポットの光量を向上することができる。
接合領域が設けられる部分は、Dn−1>Dを満たす第n−1輪帯と第n輪帯との輪帯間である。そのため、接合領域を設けない輪帯間の段差量の累積値を、接合領域を設ける輪帯間の段差量の累積値よりも大きくすることにより、光スポットの光量の向上を図ることができると考えられる。そこで、本発明では、(6)式を満たすことにより、接合領域を設けない輪帯間の段差量の累積値であるαを、接合領域を設ける輪帯間の段差量の累積値であるβ以上とすることができ、光スポットの光量を向上させることができる。
さらに、光ピックアップレンズ1、2、3、4、5、6は、以下の(7)式を満たすことがより好ましい。
α>β ・・・・・(7)
これにより、光スポットの光量をより確実に向上させることができる。
また、開口数NAが0.85であるときの有効半径Rsは、光ピックアップレンズ1、2、3、4、5、6が搭載されるアクチュエータの開口半径と実質的に等しいことが好ましい。
実際には、光ピックアップレンズが取り付けられるアクチュエータはプラスチック製であるため、アクチュエータの開口半径は製品毎で異なる。本発明では、光ピックアップレンズ1、2、3、4、5、6の開口数NAが0.85であるときの有効半径Rsは、当該アクチュエータの開口半径と実質的に等しいため、アクチュエータの開口半径を反映して、第m輪帯の輪帯幅を規定することができる。
また、光ピックアップレンズ1、2、3、4、5、6は、波長395nm以上415nm以下の範囲の波長のレーザ光を光ディスクに集光することが好ましい。
これにより、BDに対して良好に光スポットを形成する光ピックアップレンズ1、2、3、4、5、6を提供できる。BDの使用波長は405nmであるが、レーザ光源の製造バラツキを考慮して、本発明の光ピックアップレンズ1、2、3、4、5、6の使用波長の範囲を波長395nm以上415nm以下とした。
また、本発明にかかる光ピックアップレンズ1、2、3、4、5、6は、BD用のピックアップに搭載されることが好ましい。
光ピックアップレンズ1、2、3、4、5、6の金型を切削又は研削により作製した。また、まず、光ピックアップレンズ1、2、3、4、5、6の形状に近い形状に金型を作製し、次いで、ニッケルメッキ等を施した後、切削又は研削により金型を完成させてもよい。さらに、耐性向上のため、金型に表面加工を施してもよい。
光ピックアップレンズ1、2、3、4、5、6の硝材としては、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ABS樹脂に代表される透明樹脂材料やガラス等を用いることができる。ただし、BDの記録再生には、通常、波長405nmのレーザ光を用いるため、波長395nmから415nmの範囲の波長のレーザ光の透過率が高い透明樹脂材料を用いることが好ましい。このような透明樹脂材料としては、シクロオレフィンポリマーや、環状オレフィンポリマーなどがある。また、これらの透明樹脂材料に、耐光性を向上させる添加剤を加えてもよい。光ピックアップレンズ1、2、3、4、5、6は、これら透明樹脂材料を射出成形して製造することができる。また、光ピックアップレンズ1、2、3、4、5、6は、2P(Photo−Polymer)法により成形されてもよい。また、光ピックアップレンズ1、2、3、4、5、6は、ある特定の波長で硬化する樹脂、例えば、紫外線硬化樹脂を金型に流しこんだ後に紫外線を照射して硬化させてもよい。また、エポキシなどの樹脂材料を金型に流しみ混合させて硬化させ、光ピックアップレンズ1、2、3、4、5、6を成形してもよい。また、特定の温度で硬化する樹脂を金型に流しみ混合させて硬化させ、光ピックアップレンズ1、2、3、4、5、6を成形してもよい。光ピックアップレンズ1、2、3、4、5、6の材料として、光学ガラスを用いてもよく研磨、または成形などを用いてもよい。
光ピックアップレンズ1、2、3、4、5、6のレーザ光源側のレンズ面101、201、301、401、501、601を次のように定義する。なお、本実施形態において、光ピックアップレンズ1、2、3、4、5、6を定義する場合、光軸に対して平行な方向であって、レーザ光源側のレンズ面101、201、301、401、501、601から光ディスク側のレンズ面102、202、302、402、502、602に向かう方向を正の方向とする。
まず、光ピックアップレンズ1、2、3、4、5、6のレーザ光源側のレンズ面101、201、301、401、501、601は、(11)式及び(12)式によって表される非球面形状となっている。
Figure 2011013339

Figure 2011013339
(11)式において、Z(h)は、光軸からhの高さにおける光ピックアップレンズ1、2、3、4、5、6のレーザ光源側のレンズ面101、201、301、401、501、601のサグ量を表す。(11)式に示すように、Z(h)は、GとZ1q(h)とによって表される。
は、第q輪帯の軸上段差量(mm)である。光ピックアップレンズ1、2、3、4、5、6のレーザ光源側のレンズ面101、201、301、401、501、601には、輪帯構造が形成されている。そして、各輪帯は独立している。また、各輪帯は、レンズ面101、201、301、401、501、601のレンズ中心を含む中心輪帯(第1輪帯)より光軸方向に軸上段差量G分シフトしている。この軸上段差量G(mm)とは、各輪帯の非球面を仮想的に光軸(レンズ中心)へと延長した場合に、当該非球面と光軸との交点と、レンズ中心を有する中心輪帯(第1輪帯)と光軸との交点との距離である。すなわち、軸上段差量Gは、上述の軸上段差量Dに該当する。また、光軸に平行な方向であって、レーザ光源側のレンズ面101、201、301、401、501、601から光ディスク側のレンズ面102、202、302、402、502、602に向かう方向を正の方向として、軸上段差量Gの符号を決定する。すなわち、各輪帯の非球面を仮想的に光軸(レンズ中心)へと延長した場合に、当該非球面と光軸との交点がレンズ中心を有する中心輪帯(第1輪帯)と光軸との交点より光ディスク側にあるとき、軸上段差量Gの符号は、正となる。
(12)式において、Z1q(h)は、第q輪帯がR1面のレンズ中心、すなわち、第1輪帯の開始位置から形成されていたと仮定した場合における、第q輪帯の面のサグ量を表す。また、(12)式において、h1qは、第q輪帯の光軸からの高さ(光線高さ)、k1qは、第q輪帯の面の円錐係数、A4、A6、A8、A10、A12、A14、A16、・・・は、第q輪帯の面の非球面係数、Rは、第q輪帯の面の曲率半径である。
したがって、(12)式で表されるZ1q(h)と、軸上段差量Gとの和であるZ(h)は、光軸からhの高さにおける光ピックアップレンズ1、2、3、4、5、6のレーザ光源側のレンズ面101、201、301、401、501、601のサグ量を表す。すなわち、光ピックアップレンズ1、2、3、4、5、6のレーザ光源側のレンズ面101、201、301、401、501、601の面形状は、(11)式及び(12)式によって表される面形状となっている。
また、光ピックアップレンズ1、2、3、4、5、6の光ディスク側のレンズ面102、202、302、402、502、602は、(13)式によって表される単一非球面形状となっている。
Figure 2011013339

(13)式において、Z(h)は、光軸からhの高さにおける光ピックアップレンズ1、2、3、4、5、6の光ディスク側のレンズ面102、202、302、402、502、602のサグ量、hは、光軸からの高さ(光線高さ)、kは、光ピックアップレンズ1、2、3、4、5、6の光ディスク側のレンズ面102、202、302、402、502、602の円錐係数、A4、A6、A8、A10、A12、A14、A16、・・・は、光ピックアップレンズ1、2、3、4、5、6の光ディスク側のレンズ面102、202、302、402、502、602の非球面係数、Rは、曲率半径である。
なお、光ピックアップレンズ1、2、3、4、5、6のレーザ光源側のレンズ面101、201、301、401、501、601又は光ディスク側のレンズ面102、202、302、402、502、602は上述の面形状に限られるものではない。例えば、レーザ光源側のレンズ面101、201、301、401、501、601又は光ディスク側のレンズ面102、202、302、402、502、602に構造体が形成されていてもよい。また、光ピックアップレンズ1、2、3、4、5、6のレーザ光源側のレンズ面101、201、301、401、501、601の面形状も上述の面形状に限られない。例えば、レーザ光源側のレンズ面101、201、301、401、501、601又は光ディスク側のレンズ面102、202、302、402、502、602に、ある一定の幅と深さをもった輪帯が同心円状にまたはスパイラル状に形成されていてもよい。
また、当該輪帯間に形成される段差は、光ピックアップレンズ1、2、3、4、5、6の光軸から外周側に向かうにつれて、サグ量が増加するように形成されていてもよいし、光ピックアップレンズ1、2、3、4、5、6の光軸から外周側に向かうにつれて、サグ量が低減するように形成されていてもよい。
また、光ピックアップレンズ1、2、3、4、5、6のレーザ光源側のレンズ面101、201、301、401、501、601又は光ディスク側のレンズ面102、202、302、402、502、602に、反射防止膜や反射膜のような入射光の透過率を制御する膜が成膜されていてもよい。これらの膜の膜厚や材料は、所望する光ピックアップレンズ1、2、3、4、5、6の透過率性能を達成できるように選定される。また、これらの膜は、1層の薄膜からなる単層の構成でもよいし、複数の薄膜が積層された複数層の構成であってもよい。これらの膜を複数層の薄膜から構成する場合は、異なる材料の薄膜を交互に積層させてもよい。
薄膜の材料としては、AlF、AlN、Al、BaF、BeO、Bi、BiF、CaF、CdSe、CdS、CdTe、CeF、CeO、CsI、Cr、DyF、Fe、GaAs、GdF、Gd、Ge、HfO、HoF、In、ITO、LaF、La、LiF、MgF、MgO、NaF、NaAlF、Na、Al14、Nb、NdF、Nd、PbCl、PbF、PbTe、PbO、PbS、Pr11、Sb、Sb、ScSi、Si、SiO、Si、SiO、SnO、SrO、SrF、Ta、Te、Ti、TiN、TiNxWv、TiO、TlCl、ThF、ThO、V、WO、YF、Y、YbF、Yb、ZnO、ZnS、ZnSe、ZrO等が挙げられる。
以下に、本発明にかかる実施例1乃至8を比較例1とともに説明する。なお、本発明の範囲は、実施例により限定されるものではない。また、実施例及び比較例では、波面収差を測定しているが、波面収差の測定はフィゾー法、マッハチェンダー法、シャック-ハルトマン方式など、どの方式を用いてもよい。
[実施例1]
実施例1にかかる光ピックアップレンズの光学データを図8、図9の表に示す。また、実施例1にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面(R1)の非球面係数を図10乃至図12の表に示す。また、実施例1にかかる光ピックアップレンズの光ディスク側のレンズ面(R2)の非球面係数を図13の表に示す。
図10乃至図12の表に示すように、実施例1にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面に形成される輪帯領域の数は7輪帯であり、第4輪帯と第5輪帯との間、第5輪帯と第6輪帯との間、及び第6輪帯と第7輪帯との間それぞれに接合領域が設けられている。
第4輪帯と第5輪帯との接合領域の面は、光軸に平行でレンズ中心を通る平面と第4輪帯のレンズ外縁側の境界との交点と、当該平面と第5輪帯のレンズ中心側の境界との交点とを最短距離で結ぶ直線を、レンズ中心を通る光軸を軸として回転させて得られる面となっている。
光軸に平行でレンズ中心を通る平面と第4輪帯のレンズ外縁側の境界との交点は、第4輪帯のレンズ外縁側の境界のサグ量を算出することにより求められる。また、光軸に平行でレンズ中心を通る平面と第5輪帯のレンズ中心側の境界との交点は、第5輪帯のレンズ中心側の境界のサグ量を算出することにより求められる。
同様に、第5輪帯と第6輪帯との接合領域の面は、光軸に平行でレンズ中心を通る平面と第5輪帯のレンズ外縁側の境界との交点と、当該平面と第6輪帯のレンズ中心側の境界との交点とを最短距離で結ぶ直線を、レンズ中心を通る光軸を軸として回転させて得られる面となっている。
また、第6輪帯と第7輪帯との接合領域の面は、光軸に平行でレンズ中心を通る平面と第6輪帯のレンズ外縁側の境界との交点と、当該平面と第7輪帯のレンズ中心側の境界との交点とを最短距離で結ぶ直線を、レンズ中心を通る光軸を軸として回転させて得られる面となっている。
[実施例2]
実施例2にかかる光ピックアップレンズの光学データを図14、図15の表に示す。また、実施例2にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面(R1)の非球面係数を図16乃至図18の表に示す。また、実施例2にかかる光ピックアップレンズの光ディスク側のレンズ面(R2)の非球面係数を図19の表に示す。
図16乃至図18の表に示すように、実施例2にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面に形成される輪帯領域の数は7輪帯であり、第4輪帯と第5輪帯との間、第5輪帯と第6輪帯との間、及び第6輪帯と第7輪帯との間に接合領域が設けられている。
そして、第4輪帯と第5輪帯との接合領域の面は、光軸に平行でレンズ中心を通る平面と第4輪帯のレンズ外縁側の境界との交点と、当該平面と第5輪帯のレンズ中心側の境界との交点とを最短距離で結ぶ直線を、レンズ中心を通る光軸を軸として回転させて得られる面となっている。
同様に、第5輪帯と第6輪帯との接合領域の面は、光軸に平行でレンズ中心を通る平面と第5輪帯のレンズ外縁側の境界との交点と、当該平面と第6輪帯のレンズ中心側の境界との交点とを最短距離で結ぶ直線を、レンズ中心を通る光軸を軸として回転させて得られる面となっている。
また、第6輪帯と第7輪帯との接合領域の面は、光軸に平行でレンズ中心を通る平面と第6輪帯のレンズ外縁側の境界との交点と、当該平面と第7輪帯のレンズ中心側の境界との交点とを最短距離で結ぶ直線を、レンズ中心を通る光軸を軸として回転させて得られる面となっている。
[実施例3]
実施例3にかかる光ピックアップレンズの光学データを図20、図21の表に示す。また、実施例3にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面(R1)の非球面係数を図22乃至図24の表に示す。また、実施例3にかかる光ピックアップレンズの光ディスク側のレンズ面(R2)の非球面係数を図25の表に示す。
図22乃至図24の表に示すように、実施例3にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面に形成される輪帯領域の数は9輪帯であり、第5輪帯と第6輪帯との間、第6輪帯と第7輪帯との間、第7輪帯と第8輪帯との間及び第8輪帯と第9輪帯との間に接合領域が設けられている。
そして、第5輪帯と第6輪帯との接合領域の面は、光軸に平行でレンズ中心を通る平面と第5輪帯のレンズ外縁側の境界との交点と、当該平面と第6輪帯のレンズ中心側の境界との交点とを最短距離で結ぶ直線を、レンズ中心を通る光軸を軸として回転させて得られる面となっている。
同様に、第6輪帯と第7輪帯との接合領域の面は、光軸に平行でレンズ中心を通る平面と第6輪帯のレンズ外縁側の境界との交点と、当該平面と第7輪帯のレンズ中心側の境界との交点とを最短距離で結ぶ直線を、レンズ中心を通る光軸を軸として回転させて得られる面となっている。
また、第7輪帯と第8輪帯との接合領域の面は、光軸に平行でレンズ中心を通る平面と第7輪帯のレンズ外縁側の境界との交点と、当該平面と第8輪帯のレンズ中心側の境界との交点とを最短距離で結ぶ直線を、レンズ中心を通る光軸を軸として回転させて得られる面となっている。
また、第8輪帯と第9輪帯との接合領域の面は、光軸に平行でレンズ中心を通る平面と第8輪帯のレンズ外縁側の境界との交点と、当該平面と第9輪帯のレンズ中心側の境界との交点とを最短距離で結ぶ直線を、レンズ中心を通る光軸を軸として回転させて得られる面となっている。
[実施例4]
実施例4にかかる光ピックアップレンズの光学データを図26、図27の表に示す。また、実施例4にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面(R1)の非球面係数を図28、図29の表に示す。また、実施例4にかかる光ピックアップレンズの光ディスク側のレンズ面(R2)の非球面係数を図30の表に示す。
図28、図29の表に示すように、実施例4にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面に形成される輪帯領域の数は5輪帯であり、第3輪帯と第4輪帯との間及び第4輪帯と第5輪帯との間に接合領域が設けられている。
そして、第3輪帯と第4輪帯との接合領域の面は、光軸に平行でレンズ中心を通る平面と第3輪帯のレンズ外縁側の境界との交点と、当該平面と第4輪帯のレンズ中心側の境界との交点とを最短距離で結ぶ直線を、レンズ中心を通る光軸を軸として回転させて得られる面となっている。
同様に、第4輪帯と第5輪帯との接合領域の面は、光軸に平行でレンズ中心を通る平面と第4輪帯のレンズ外縁側の境界との交点と、当該平面と第5輪帯のレンズ中心側の境界との交点とを最短距離で結ぶ直線を、レンズ中心を通る光軸を軸として回転させて得られる面となっている。
[実施例5]
実施例5にかかる光ピックアップレンズの光学データを図31、図32の表に示す。また、実施例5にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面(R1)の非球面係数を図33乃至図35の表に示す。また、実施例5にかかる光ピックアップレンズの光ディスク側のレンズ面(R2)の非球面係数を図36の表に示す。
図33乃至図35の表に示すように、実施例5にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面に形成される輪帯領域の数は7輪帯であり、第1輪帯と第2輪帯との間、第2輪帯と第3輪帯との間、第4輪帯と第5輪帯との間、第5輪帯と第6輪帯との間、及び第6輪帯と第7輪帯との間に接合領域が設けられている。
そして、第1輪帯と第2輪帯との接合領域の面は、光軸に平行でレンズ中心を通る平面と第1輪帯のレンズ外縁側の境界との交点と、当該平面と第2輪帯のレンズ中心側の境界との交点とを最短距離で結ぶ直線を、レンズ中心を通る光軸を軸として回転させて得られる面となっている。
同様に、第2輪帯と第3輪帯との接合領域の面は、光軸に平行でレンズ中心を通る平面と第2輪帯のレンズ外縁側の境界との交点と、当該平面と第3輪帯のレンズ中心側の境界との交点とを最短距離で結ぶ直線を、レンズ中心を通る光軸を軸として回転させて得られる面となっている。
また、第4輪帯と第5輪帯との接合領域の面は、光軸に平行でレンズ中心を通る平面と第4輪帯のレンズ外縁側の境界との交点と、当該平面と第5輪帯のレンズ中心側の境界との交点とを最短距離で結ぶ直線を、レンズ中心を通る光軸を軸として回転させて得られる面となっている。
また、第5輪帯と第6輪帯との接合領域の面は、光軸に平行でレンズ中心を通る平面と第5輪帯のレンズ外縁側の境界との交点と、当該平面と第6輪帯のレンズ中心側の境界との交点とを最短距離で結ぶ直線を、レンズ中心を通る光軸を軸として回転させて得られる面となっている。
また、第6輪帯と第7輪帯との接合領域の面は、光軸に平行でレンズ中心を通る平面と第6輪帯のレンズ外縁側の境界との交点と、当該平面と第7輪帯のレンズ中心側の境界との交点とを最短距離で結ぶ直線を、レンズ中心を通る光軸を軸として回転させて得られる面となっている。
[実施例6]
実施例6にかかる光ピックアップレンズの光学データを図37、図38の表に示す。また、実施例6にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面(R1)の非球面係数を図39乃至図41の表に示す。また、実施例6にかかる光ピックアップレンズの光ディスク側のレンズ面(R2)の非球面係数を図42の表に示す。
図39乃至図41の表に示すように、実施例6にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面に形成される輪帯領域の数は7輪帯であり、第4輪帯と第5輪帯との間、第5輪帯と第6輪帯との間、及び第6輪帯と第7輪帯との間に接合領域が設けられている。
そして、第4輪帯と第5輪帯との接合領域の面は、光軸に平行でレンズ中心を通る平面と第4輪帯のレンズ外縁側の境界との交点と、当該平面と第5輪帯のレンズ中心側の境界との交点とを最短距離で結ぶ直線を、レンズ中心を通る光軸を軸として回転させて得られる面となっている。
同様に、第5輪帯と第6輪帯との接合領域の面は、光軸に平行でレンズ中心を通る平面と第5輪帯のレンズ外縁側の境界との交点と、当該平面と第6輪帯のレンズ中心側の境界との交点とを最短距離で結ぶ直線を、レンズ中心を通る光軸を軸として回転させて得られる面となっている。
また、第6輪帯と第7輪帯との接合領域の面は、光軸に平行でレンズ中心を通る平面と第6輪帯のレンズ外縁側の境界との交点と、当該平面と第7輪帯のレンズ中心側の境界との交点とを最短距離で結ぶ直線を、レンズ中心を通る光軸を軸として回転させて得られる面となっている。
[実施例7]
実施例7にかかる光ピックアップレンズの光学データは、実施例2と同じであるため省略する。また、実施例7にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面(R1)の非球面係数は、第6輪帯のもののみ実施例2と異なるので、第6輪帯にかかる非球面係数のみを図43の表に示す。また、実施例7にかかる光ピックアップレンズの光ディスク側のレンズ面(R2)の非球面係数は、実施例2と同じであるため、省略する。
また、実施例7にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面に形成される輪帯領域の数、接合領域の位置及び面の定義は、実施例2と同じであるため、その説明を省略する。
[実施例8]
実施例8にかかる光ピックアップレンズの光学データは、実施例2と同じであるため省略する。また、実施例8にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面(R1)の非球面係数は、第5輪帯のもののみ実施例2と異なるので、第5輪帯にかかる非球面係数のみを図44の表に示す。また、実施例8にかかる光ピックアップレンズの光ディスク側のレンズ面(R2)の非球面係数は、実施例2と同じであるため、省略する。
また、実施例8にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面に形成される輪帯領域の数、接合領域の位置及び面の定義は、実施例2と同じであるため、その説明を省略する。
[比較例1]
比較例1にかかる光ピックアップレンズの光学データを図45、図46の表に示す。また、比較例1にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面(R1)の非球面係数を図47乃至図49の表に示す。また、比較例1にかかる光ピックアップレンズの光ディスク側のレンズ面(R2)の非球面係数を図50の表に示す。
図47乃至図49の表に示すように、比較例1にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面に形成される輪帯領域の数は7輪帯であり、各輪帯間に接合領域は設けられていない。
図55に、実施例1〜8及び比較例1の光路差を計算したものを示す。各輪帯の光路差の計算については、以下の式にて求めた。
En= (N-1)× Dn / λ・・・・・(16)
ここで、Enは第n輪帯の光路差、Nは光ピックアップレンズの屈折率、Dnは第n輪帯の軸上段差量、λは設計状態の波長である。
本実施例及び比較例においては、軸上段差量Dnと光路差Enが(16)式で表わされる関係にあるが、軸上段差量Dnを本実施例と異なる値としても、(11)式及び(12)式で表わされる他のR1、k1、A1、A1、A1、A101、A121、A141、A161、に関しても異なる値とする事で、本実施例と同じ光路差Enを得る事も可能である。
以下、上述の各実施例と比較例1とを比較する。
実施例1、実施例3、実施例4にかかる光ピックアップレンズは、図1に示す光ピックアップレンズ1と同じタイプの形態を有する。
また、実施例2にかかる光ピックアップレンズは、図2に示す光ピックアップレンズ2と同じタイプの形態を有する。
実施例6は、図5にかかる光ピックアップレンズ4と同じタイプの形態を有する。
実施例7及び実施例8にかかる光ピックアップレンズは、実施例2にかかる光ピックアップレンズを変形して、光スポットの光量を向上させたものである。
なお、実施例5にかかる光ピックアップレンズついては、後述する。
また、実施例1乃至8、及び比較例1にかかる光ピックアップレンズは、シクロオレフィンポリマーを主体とした透明樹脂材料を射出成形して製造した。
図51に示す表に、実施例1乃至8、及び比較例1にかかる光ピックアップレンズの成形後の転写性、残留収差成分、(Re−Rb)/Rs×100(%)、光量比(%)を示す。ここで、成形後の転写性とは、設計された形状が、成形型から正しく転写されている程度を意味する。
成形後の転写性は、実体顕微鏡、形状測定用のレーザ顕微鏡や三次元形状測定装置などを用いて観察した。成形レンズと設計との差をサグ量のずれ(μm)で表した。レーザ光源側のレンズ面の有効半径内におけるサグ量のずれの最大値をΔR1sagとし、このΔR1sagに基づいて成形後の転写性を表した。つまり、ΔR1sagの値が大きい程、転写後の成形性が良くないことを示している。図51に示す表において、成形後の転写性を二重丸印、黒丸印、白丸印、三角印、バツ印で表す。また、二重丸印は、ΔR1sagが0.2μm未満の場合を示す。黒丸印は、ΔR1sagが0.2μm以上0.3μm未満の場合を示す。白丸印は、ΔR1sagが0.3μm以上0.5μm未満の場合を示す。三角印は、ΔR1sagが0.5μm以上0.7μm未満の場合を示す。バツ印は、ΔR1sagが0.7μm以上の場合を示している。
成形型から正しく転写されて、光ピックアップレンズが設計された形状に成形されているか否かを、当該光ピックアップレンズの波面収差を測定することにより調べた。収差測定はフィゾー法により測定した。また、収差測定の測定条件は、レーザ光の波長が405nmであり、測定温度35℃である条件で行った。また、測定方法としては、測定温度と設計温度との差による屈折率変動によって発生する3次の球面収差をできるだけ低減するような測定方法を用いて収差測定をいった。具体的には、収差測定において光ピックアップレンズのレーザ光源とは反対側に設けられる透明基板として、板厚が当該3次の球面収差を低減する厚さである透明基板を用いて、収差測定を行った。
そして、収差測定結果を、Zernikeの多項式のA0〜A35までの36項に分解し、分解できない残りの成分を残留収差成分(mλrms)とした。この残留収差成分(mλrms)が大きいほど、転写不良が大きいと考えられる。図51に示す表において、残留収差成分(mλrms)の大きさを二重丸印、黒丸印、白丸印、三角印、バツ印で表す。また、二重丸印は、残留収差成分が20mλrms未満の場合を示し、黒丸印は、残留収差成分が20mλrms以上24mλrms未満の場合を示し、白丸印は、残留収差成分が24mλrms以上27mλrms未満の場合を示し、三角印は、残留収差成分が27mλrms以上30mλrms未満の場合を示し、バツ印は、残留収差成分が30mλrms以上の場合を示している。
実施例1にかかる光ピックアップレンズは、図1に示す光ピックアップレンズ1と同じタイプの形態を有する。具体的には、実施例1にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面に設けられた輪帯構造では、第1輪帯から第4輪帯まで軸上段差量Dが増加し、第4輪帯から第7輪帯まで軸上段差量Dが減少している。また、第4輪帯のレンズ中心側の境界のレンズ径方向における位置は、当該光ピックアップレンズのレンズ面の接線角が40°以上となる範囲内となっている。そして、第4輪帯から第7輪帯までの各輪帯間には接合領域が設けられている。また、当該接合領域の面形状は、光軸に垂直な平面形状となっている。
実施例2にかかる光ピックアップレンズは、図2に示す光ピックアップレンズ2と同じタイプの形態を有する。具体的には、実施例2にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面に設けられた輪帯構造では、第1輪帯から第4輪帯まで軸上段差量Dが増加し、第4輪帯から第7輪帯まで軸上段差量Dが減少している。また、第4輪帯のレンズ中心側の境界のレンズ径方向における位置は、当該光ピックアップレンズのレンズ面の接線角が40°以上となる範囲内となっている。そして、第4輪帯から第7輪帯までの各輪帯間には接合領域が設けられている。
また、当該接合領域の面形状は、光軸に垂直な面から、レーザ光源側から光ディスク側に向かう方向に、角度θ(°)傾く平面形状となっている。
さらに、当該接合領域の面形状は、以下の(3)式を満たすようになっている。
0≦θ≦15 ・・・・・(3)
比較例1にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面に設けられた輪帯構造では、第1輪帯から第4輪帯まで軸上段差量Dが増加し、第4輪帯から第7輪帯まで軸上段差量Dが減少している。しかし、第1輪帯から第7輪帯までの各輪帯間には接合領域が設けられていない。
また、実施例1にかかる光ピックアップレンズと実施例2にかかる光ピックアップレンズとでは、その接合領域の面形状が異なっている。また、比較例1にかかる光ピックアップレンズは、接合領域を有さない点が、実施例1又は実施例2にかかる光ピックアップレンズと異なっている。
そして、図51の表に示すように、実施例1、実施例2、及び比較例1を比較すると、実施例2、実施例1、比較例1の順で、成形後の転写性がよいことが分かる。また、実施例2、実施例1、比較例1の順で、残留収差成分(mλrms)が低減されていることが分かる。
また、図51の表に示すように、(Re−Rb)/Rs×100(%)が、実施例3では10%未満であり、実施例1、2、5〜8では10%以上30%未満であり、実施例4では30%以上となっている。そして、(Re−Rb)/Rs×100(%)が10%未満より10%以上である方が転写後の成形性がよく、残留収差成分(mλrms)も低減されることが分かる。また、(Re−Rb)/Rs×100(%)が30%未満より30%以上である方が転写後の成形性がさらによく、残留収差成分(mλrms)もさらに低減されることが分かる。
実施例5にかかる光ピックアップレンズは、レンズ中心からレンズ外縁側に向かって、隣り合う第n−1輪帯の軸上段差量Dn−1と第n輪帯の軸上段差量Dとの差が正となった後に負となる輪帯が少なくとも1つ存在するレンズである。すなわち、実施例5にかかる光ピックアップレンズは、D>Dn−1を満たす第n輪帯よりもレンズ外縁側にD>Dn−1を満たす第n輪帯を少なくとも1つ有するレンズである。具体的には、実施例5にかかる光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面に設けられた輪帯構造では、第1輪帯から第3輪帯まで軸上段差量Dが約7μmずつ減少し、第4輪帯の軸上段差量Dは第3輪帯の軸上段差量Dから約35μm増加し、第4輪帯から第7輪帯まで軸上段差量Dが約7μmずつ減少している。第1輪帯と第2輪帯との間、第2輪帯と第3輪帯との間、第4輪帯と第5輪帯との間、第5輪帯と第6輪帯との間、第6輪帯と第7輪帯との間に接合領域を備えている。すなわち、実施例5にかかる光ピックアップレンズでは、他の実施例及び比較例1に比べて、接合領域の数が多い。
しかし、図51の表に示すように、実施例5にかかる光ピックアップレンズでは、(Re−Rb)/Rs×100(%)が10%以上となるように接合領域が形成されている。そのため、図51の表に示すように、実施例5にかかる光ピックアップレンズでは、比較例1にかかる光ピックアップレンズに比べて、転写後の成形性がよく、残留収差成分(mλrms)も低減されることが分かる。
また、実施例6にかかる光ピックアップレンズは、当該光ピックアップレンズのレンズ面の接線角が40°未満となる範囲内に接合領域を設けていない点だけが、実施例5にかかる光ピックアップレンズと異なる。図51の表に示すように、実施例5と実施例6とでは、転写後の成形性及び残留収差成分(mλrms)において大きな差がない。したがって、光ピックアップレンズのレンズ面の接線角が40°以上となる範囲内にのみ接合領域を設けたとしても、転写後の成形性及び残留収差成分(mλrms)にほぼ影響しないことがわかる。
また、実施例7にかかる光ピックアップレンズは、実施例2にかかる光ピックアップレンズにおいて、第6輪帯から第7輪帯までを1つの輪帯とした点が異なっている。これにより、実施例7にかかる光ピックアップレンズでは、実施例2において第6輪帯と第7輪帯との間に設けられている接合領域がなくなっている。そして、実施例7にかかる光ピックアップレンズでは、実施例2よりも、当該接合領域の分だけ、接合領域の数が少なくなっている。これにより、実施例7にかかる光ピックアップレンズにおいては、接合領域を設けない輪帯間の段差量の累積値であるαの値が、接合領域を設ける輪帯間の段差量の累積値であるβの値より大きくなっている。一方、実施例2では、当該αの値とβの値とが等しくなっている。
また、実施例8にかかる光ピックアップレンズは、実施例2にかかる光ピックアップレンズにおいて、第5輪帯から第7輪帯までを1つの輪帯とした点が異なっている。これにより、実施例8にかかる光ピックアップレンズでは、実施例2において第5輪帯と第6輪帯、及び第6輪帯と第7輪帯との間に設けられている接合領域がなくなっている。そして、実施例8にかかる光ピックアップレンズでは、実施例2よりも、当該接合領域の分だけ、接合領域の数が少なくなっている。これにより、実施例8にかかる光ピックアップレンズにおいては、接合領域を設けない輪帯間の段差量の累積値であるαの値が、接合領域を設ける輪帯間の段差量の累積値であるβの値より大きくなっている。
そして、実施例2、実施例7及び実施例8の光量比(%)を算出し、図51に示す表に示した。光量比(%)は以下の(10)式から求めた。
光量比(%)=(1−((有効半径内のレンズ面の面積)−(光学機能面以外の面積))/(有効変形内のレンズ面の面積))×100
・・・・・(10)
ここで、(10)式における(光学機能面以外の面積)は、全ての接合領域の面積の和に略等しい。したがって、光ピックアップレンズに設けられる接合領域の数をできるだけ少なくすることにより、光スポットの光量を向上することができる。
光量比(%)について、図52を用いて説明する。図52は、有効半径がW(mm)であり、有効半径内のレンズ面に、光学機能面ではない輪帯状の領域(図52においてハッチングで示す)を有するレンズを示している。ここで、当該輪帯状の領域のレンズ中心側の半径をDs(mm)、レンズ外縁側の半径をDe(mm)とした場合、光量比(%)は以下のように算出される。
(有効半径内のレンズ面の面積)=W×π(mm
(光学機能面以外の面積)=(当該輪帯状の領域の面積)=(De−Ds)×π(mm
光量比(%)=(1−((有効半径内のレンズ面の面積)−(光学機能面以外の面積))/(有効変形内のレンズ面の面積))×100=(1−((W×π)−(De−Ds)×π)/(W×π))×100
図51の表に示すように、実施例7及び実施例8の方が、実施例2に比べて、光量比(%)が高いことが分かる。したがって、接合領域を設けない輪帯間の段差量の累積値であるαを、接合領域を設ける輪帯間の段差量の累積値であるβより大きくすることにより、光スポットの光量を向上させることができる。
以下、図56を参照して、本発明の実施形態について補足説明をする。なお、図56は、図1に示した光ピックアップレンズと同一の光ピックアップレンズ(以下、単にレンズと呼ぶ)を示す。
図56に示すように、レンズ1は、レンズとして機能するレンズ部50、およびレンズ部50の外周に設けられたフランジ部52を有する。レンズ部50は、一組の対向配置されたレンズ面LS1、LS2を有する。レンズ面LS1は、光軸AXを中心として同心円状に複数の輪帯部に区分されている。レンズ面LS2は、単一の非球面レンズとして構成される。フランジ部52のフランジ面fsは、軸線LX1に対して平行に延在する。なお、軸線LX1は、光軸AXに対して直交している。
レンズ面LS1は、光軸AXから外周方向へ離間するに応じて、輪帯部LR1〜LR7が設けられている。輪帯部LR1〜LR7それぞれは、非球面に構成されており、非球面レンズとして機能する。なお、輪帯部LR1の上面視形状は、円形状である。輪帯部LR2の上面視形状は、輪状である。輪帯部LR3〜LR7の上面視形状も、同様に、輪状である。
輪帯部LR1と輪帯部LR2間には、側面61a(61)が設けられている。輪帯部LR2と輪帯部LR3間には、側面61b(61)が設けられている。輪帯部LR3と輪帯部LR4間には、側面61c(61)が設けられている。側面61は、光軸AXに対して略平行に延在している。
輪帯部LR4と輪帯部LR5間には、接合領域に相当する傾斜面104a(104)が設けられている。輪帯部LR5と輪帯部LR6間には、接合領域に相当する傾斜面104b(104)が設けられている。輪帯部LR6と輪帯部LR7間には、接合領域に相当する傾斜面104c(104)が設けられている。
側面61及び傾斜面104は、図56を正面視して下方向(光入射側から光出射側)へ傾斜している。側面61は光軸AXに沿って延在しているのに対して、傾斜面104は軸線LX1に沿って延在する。側面61は、隣接する輪帯部間に設けられる段差の段差面として把握できる。これに対して、傾斜面104は、隣接する輪帯部間に設けられた中間面として把握できる。この場合、傾斜面104は、実質的に隣接する輪帯部間を接続する中間接続面としても把握できる。なお、傾斜面104は、図3にて説明した場合と同様、軸線LX1に対して、所定の角度θ(0≦θ≦15)をなす。つまり、傾斜面104は、光軸AXから外周方向へ延在するに応じて、フランジ部52側(光出射側)へ近接する。
このように輪帯部間に傾斜面104を設けることによって、レンズ1の成形を簡易にすることができると共に、製造時にレンズ形状に変形、欠けが生じることを効果的に抑制することができる。
上述の点を考慮すると、本実施形態には、次の発明が包含されている。樹脂成形によって製造される光ピックアップレンズであって、レーザ光が入射する側のレンズ面には、光軸を中心として同心円状に区分された第1乃至第3輪帯部が形成されており、互いに隣り合う第1及び第2輪帯部間には、光軸に沿って延在する第1面が形成されていると共に、互いに隣り合う第2輪帯部と第3輪帯部間には、光軸に対して直交する軸線に沿って延在し、かつ光軸から離間する方向に延在するに応じて光出射出側(フランジ部側、光ディスク側)へ近接する第2面が形成されている。このとき、光軸から離間する順に、第1乃至第3輪帯部が設けられていると良い。前記軸線に対して前記第2傾斜面がなす角度θは、0°〜15°の範囲内であると良い。
1、2、3、4、5、6 光ピックアップレンズ
101、201、301、401、501、601 レーザ光源側のレンズ面
102、202、302、402、502、602 光ディスク側のレンズ面
103、203、303、304、403、404、405、503、603、604 第m輪帯
104、204、305、406 接合領域

Claims (17)

  1. レーザ光を光ディスクに集光する開口数NAが0.84以上の光ピックアップレンズであって、
    少なくとも一方のレンズ面に、前記レンズ面が段差により同心円状の複数の輪帯領域に分割されてなる輪帯構造を備え、
    前記輪帯構造は、
    レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、前記各輪帯領域を、第1輪帯、第2輪帯、・・・、第N輪帯(Nは正の整数)とし、第n輪帯(nは、1≦n≦Nを満たす整数)の非球面を前記レンズ中心に向かって仮想的に延長した場合に、前記非球面の仮想延長面と前記レンズ中心を通る光軸との交点をC(nは、1≦n≦Nを満たす整数)とし、交点Cと交点Cとの距離を軸上段差量Dとし、前記光軸に平行で光ディスク側に向かう方向を正の方向とした場合、以下の(1)式且つ(2)式を満たす少なくとも1つの第m輪帯(mは、1<m<Nを満たす整数)と、
    |Dm−1|<|D| ・・・・・(1)
    |D|>|Dm+1| ・・・・・(2)
    n−1>Dを満たす少なくとも1つの第n−1輪帯と第n輪帯との間に設けられる接合領域と、を備え、
    前記接合領域の面形状は、前記接合領域の面上の実質的に全ての点の前記光軸方向における位置が前記第n−1輪帯の前記レンズ外縁側の境界の前記光軸方向における位置よりも前記光ディスク側となる形状である光ピックアップレンズ。
  2. レーザ光を光ディスクに集光する開口数NAが0.84以上の光ピックアップレンズであって、
    少なくとも一方のレンズ面に、前記レンズ面が段差により同心円状の複数の輪帯領域に分割されてなる輪帯構造を備え、
    前記輪帯構造は、
    レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、前記各輪帯領域を、第1輪帯、第2輪帯、・・・、第N輪帯(Nは正の整数)とし、第n輪帯(nは、1≦n≦Nを満たす整数)の非球面を前記レンズ中心に向かって仮想的に延長した場合に、前記非球面の仮想延長面と前記レンズ中心を通る光軸との交点をC(nは、1≦n≦Nを満たす整数)とし、交点Cと交点Cとの距離を軸上段差量Dとし、前記光軸に平行で光ディスク側に向かう方向を正の方向とした場合、以下の(1)式且つ(2)式を満たす少なくとも1つの第m輪帯(mは、1<m<Nを満たす整数)と、
    |Dm−1|<|D| ・・・・・(1)
    |D|>|Dm+1| ・・・・・(2)
    n−1>Dを満たす全ての第n−1輪帯と第n輪帯との間に設けられる接合領域と、を備え、
    前記接合領域の面形状は、前記接合領域の面上の実質的に全ての点の前記光軸方向における位置が前記第n−1輪帯の前記レンズ外縁側の境界の前記光軸方向における位置よりも前記光ディスク側となる形状である光ピックアップレンズ。
  3. レーザ光を光ディスクに集光する開口数NAが0.84以上の光ピックアップレンズであって、
    少なくとも一方のレンズ面に、前記レンズ面が段差により同心円状の複数の輪帯領域に分割されてなる輪帯構造を備え、
    前記輪帯構造は、
    レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、前記各輪帯領域を、第1輪帯、第2輪帯、・・・、第N輪帯(Nは正の整数)とし、第n輪帯(nは、1≦n≦Nを満たす整数)の非球面を前記レンズ中心に向かって仮想的に延長した場合に、前記非球面の仮想延長面と前記レンズ中心を通る光軸との交点をC(nは、1≦n≦Nを満たす整数)とし、交点Cと交点Cとの距離を軸上段差量Dとし、前記光軸に平行で光ディスク側に向かう方向を正の方向とした場合、以下の(1)式且つ(2)式を満たす少なくとも1つの第m輪帯(mは、1<m<Nを満たす整数)と、
    |Dm−1|<|D| ・・・・・(1)
    |D|>|Dm+1| ・・・・・(2)
    n−1>Dを満たす第n輪帯の前記レンズ中心側の境界のレンズ径方向における位置が、当該光ピックアップレンズの前記レンズ面の接線角が40°以上となる範囲内であるとき、前記第n輪帯と隣り合う第n−1輪帯と前記第n輪帯との間に設けられる接合領域と、を備え、
    前記接合領域の面形状は、前記接合領域の面上の実質的に全ての点の前記光軸方向における位置が前記第n−1輪帯の前記レンズ外縁側の境界の前記光軸方向における位置よりも前記光ディスク側となる形状である光ピックアップレンズ。
  4. レーザ光を光ディスクに集光する開口数NAが0.84以上の光ピックアップレンズであって、
    少なくとも一方のレンズ面に、前記レンズ面が段差により同心円状の複数の輪帯領域に分割されてなる輪帯構造を備え、
    前記輪帯構造は、
    レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、前記各輪帯領域を、第1輪帯、第2輪帯、・・・、第N輪帯(Nは正の整数)とし、第n輪帯(nは、1≦n≦Nを満たす整数)を通る光線と光軸上を通る光線の光路差をE(λ)としたとき、以下の(14)式且つ(15)式を満たす少なくとも1つの第m輪帯(mは、1<m<Nを満たす整数)と、
    |Em−1|<|E| ・・・・・(14)
    |E|>|Em+1| ・・・・・(15)
    n−1>Eを満たす少なくとも1つの第n−1輪帯と第n輪帯との間に設けられる接合領域と、を備え、
    前記接合領域の面形状は、前記接合領域の面上の実質的に全ての点の前記光軸方向における位置が前記第n−1輪帯の前記レンズ外縁側の境界の前記光軸方向における位置よりも前記光ディスク側となる形状である光ピックアップレンズ。
  5. レーザ光を光ディスクに集光する開口数NAが0.84以上の光ピックアップレンズであって、
    少なくとも一方のレンズ面に、前記レンズ面が段差により同心円状の複数の輪帯領域に分割されてなる輪帯構造を備え、
    前記輪帯構造は、
    レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、前記各輪帯領域を、第1輪帯、第2輪帯、・・・、第N輪帯(Nは正の整数)とし、第n輪帯(nは、1≦n≦Nを満たす整数)を通る光線と光軸上を通る光線の光路差をE(λ)としたとき、以下の(14)式且つ(15)式を満たす少なくとも1つの第m輪帯(mは、1<m<Nを満たす整数)と、
    |Em−1|<|E| ・・・・・(14)
    |E|>|Em+1| ・・・・・(15)
    n−1>Eを満たす全ての第n−1輪帯と第n輪帯との間に設けられる接合領域と、を備え、
    前記接合領域の面形状は、前記接合領域の面上の実質的に全ての点の前記光軸方向における位置が前記第n−1輪帯の前記レンズ外縁側の境界の前記光軸方向における位置よりも前記光ディスク側となる形状である光ピックアップレンズ。
  6. レーザ光を光ディスクに集光する開口数NAが0.84以上の光ピックアップレンズであって、
    少なくとも一方のレンズ面に、前記レンズ面が段差により同心円状の複数の輪帯領域に分割されてなる輪帯構造を備え、
    前記輪帯構造は、
    レンズ中心からレンズ外縁部に向かって、前記各輪帯領域を、第1輪帯、第2輪帯、・・・、第N輪帯(Nは正の整数)とし、第n輪帯(nは、1≦n≦Nを満たす整数)を通る光線と光軸上を通る光線の光路差をE(λ)としたとき、以下の(14)式且つ(15)式を満たす少なくとも1つの第m輪帯(mは、1<m<Nを満たす整数)と、
    |Em−1|<|E| ・・・・・(14)
    |E|>|Em+1| ・・・・・(15)
    n−1>Eを満たす第n輪帯の前記レンズ中心側の境界のレンズ径方向における位置が、当該光ピックアップレンズの前記レンズ面の接線角が40°以上となる範囲内であるとき、前記第n輪帯と隣り合う第n−1輪帯と第n輪帯との間に設けられる接合領域と、を備え、
    前記接合領域の面形状は、前記接合領域の面上の実質的に全ての点の前記光軸方向における位置が前記第n−1輪帯の前記レンズ外縁側の境界の前記光軸方向における位置よりも前記光ディスク側となる形状である光ピックアップレンズ。
  7. 前記接合領域の面形状は、前記光軸に垂直な面から、レーザ光源側から光ディスク側に向かう方向に、角度θ(°)傾く平面形状である請求項1乃至3の何れか一項に記載の光ピックアップレンズ。
  8. 以下の(3)式を満たす請求項4に記載の光ピックアップレンズ。
    0≦θ≦15 ・・・・・(3)
  9. 前記第m輪帯の前記レンズ中心側の境界の半径をRbとし、前記第m輪帯の前記レンズ外縁側の境界の半径をReとし、前記開口数NAが0.85であるときの前記光ピックアップレンズの有効半径をRsとした場合、以下の(4)式を満たす請求項1乃至5の何れか一項に記載の光ピックアップレンズ。
    (Re−Rb)/Rs×100≧10(%) ・・・(4)
  10. 前記第m輪帯の前記レンズ中心側の境界の半径をRbとし、前記第m輪帯の前記レンズ外縁側の境界の半径をReとし、前記開口数NAが0.85であるときの前記光ピックアップレンズの有効半径をRsとした場合、以下の(5)式を満たす請求項1乃至5の何れか一項に記載の光ピックアップレンズ。
    (Re−Rb)/Rs×100≧30(%) ・・・(5)
  11. n−1<Dを満たす全ての第n−1輪帯及び第n輪帯について、前記第n輪帯の軸上段差量Dと前記第n−1輪帯の軸上段差量Dn−1との差分の絶対値|D−Dn−1|を加算して得られる値をαとし、
    n−1>Dを満たす全ての第n−1輪帯及び第n輪帯について、前記第n輪帯の軸上段差量Dと前記第n−1輪帯の軸上段差量Dn−1との差分の絶対値|D−Dn−1|を加算して得られる値をβとした場合に、以下の(6)式を満たす請求項1乃至7の何れか一項に記載の光ピックアップレンズ。
    α≧β ・・・・・(6)
  12. n−1<Dを満たす全ての第n−1輪帯及び第n輪帯について、前記第n輪帯の軸上段差量Dと前記第n−1輪帯の軸上段差量Dn−1との差分の絶対値|D−Dn−1|を加算して得られる値をαとし、
    n−1>Dを満たす全ての第n−1輪帯及び第n輪帯について、前記第n輪帯の軸上段差量Dと前記第n−1輪帯の軸上段差量Dn−1との差分の絶対値|D−Dn−1|を加算して得られる値をβとした場合に、以下の(7)式を満たす請求項1乃至7の何れか一項に記載の光ピックアップレンズ。
    α>β ・・・・・(7)
  13. 前記開口数NAが0.85であるときの有効半径Rsは、前記光ピックアップレンズが搭載されるアクチュエータの開口半径と実質的に等しい請求項6乃至9の何れか一項に記載の光ピックアップレンズ。
  14. 前記光ピックアップレンズは、波長395nm以上415nm以下の範囲の波長のレーザ光を前記光ディスクに集光する請求項1乃至10の何れか一項に記載の光ピックアップレンズ。
  15. 樹脂材料、又は、樹脂材料に無機材料若しくは主に無機材料からなる材料を分散させた材料から成形される請求項1乃至11の何れか一項に記載の光ピックアップレンズ。
  16. ガラス材料から成形される請求項1乃至11の何れか一項に記載の光ピックアップレンズ。
  17. BD用のピックアップに搭載される請求項1乃至13の何れか一項に記載の光ピックアップレンズ。
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