JPWO2011004557A1 - ポーラ変調送信回路及びポーラ変調送信方法 - Google Patents

ポーラ変調送信回路及びポーラ変調送信方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2011004557A1
JPWO2011004557A1 JP2011521802A JP2011521802A JPWO2011004557A1 JP WO2011004557 A1 JPWO2011004557 A1 JP WO2011004557A1 JP 2011521802 A JP2011521802 A JP 2011521802A JP 2011521802 A JP2011521802 A JP 2011521802A JP WO2011004557 A1 JPWO2011004557 A1 JP WO2011004557A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase
signal
compensation
unit
characteristic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2011521802A
Other languages
English (en)
Inventor
真木 中村
真木 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Publication of JPWO2011004557A1 publication Critical patent/JPWO2011004557A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F1/00Details of amplifiers with only discharge tubes, only semiconductor devices or only unspecified devices as amplifying elements
    • H03F1/32Modifications of amplifiers to reduce non-linear distortion
    • H03F1/3241Modifications of amplifiers to reduce non-linear distortion using predistortion circuits
    • H03F1/3247Modifications of amplifiers to reduce non-linear distortion using predistortion circuits using feedback acting on predistortion circuits
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F1/00Details of amplifiers with only discharge tubes, only semiconductor devices or only unspecified devices as amplifying elements
    • H03F1/02Modifications of amplifiers to raise the efficiency, e.g. gliding Class A stages, use of an auxiliary oscillation
    • H03F1/0205Modifications of amplifiers to raise the efficiency, e.g. gliding Class A stages, use of an auxiliary oscillation in transistor amplifiers
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F1/00Details of amplifiers with only discharge tubes, only semiconductor devices or only unspecified devices as amplifying elements
    • H03F1/32Modifications of amplifiers to reduce non-linear distortion
    • H03F1/3241Modifications of amplifiers to reduce non-linear distortion using predistortion circuits
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F1/00Details of amplifiers with only discharge tubes, only semiconductor devices or only unspecified devices as amplifying elements
    • H03F1/32Modifications of amplifiers to reduce non-linear distortion
    • H03F1/3241Modifications of amplifiers to reduce non-linear distortion using predistortion circuits
    • H03F1/3282Acting on the phase and the amplitude of the input signal
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F3/00Amplifiers with only discharge tubes or only semiconductor devices as amplifying elements
    • H03F3/20Power amplifiers, e.g. Class B amplifiers, Class C amplifiers
    • H03F3/24Power amplifiers, e.g. Class B amplifiers, Class C amplifiers of transmitter output stages
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B1/00Details of transmission systems, not covered by a single one of groups H04B3/00 - H04B13/00; Details of transmission systems not characterised by the medium used for transmission
    • H04B1/02Transmitters
    • H04B1/04Circuits
    • H04B1/0475Circuits with means for limiting noise, interference or distortion
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F2201/00Indexing scheme relating to details of amplifiers with only discharge tubes, only semiconductor devices or only unspecified devices as amplifying elements covered by H03F1/00
    • H03F2201/32Indexing scheme relating to modifications of amplifiers to reduce non-linear distortion
    • H03F2201/3233Adaptive predistortion using lookup table, e.g. memory, RAM, ROM, LUT, to generate the predistortion
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B1/00Details of transmission systems, not covered by a single one of groups H04B3/00 - H04B13/00; Details of transmission systems not characterised by the medium used for transmission
    • H04B1/02Transmitters
    • H04B1/04Circuits
    • H04B2001/0408Circuits with power amplifiers
    • H04B2001/0425Circuits with power amplifiers with linearisation using predistortion

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Nonlinear Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Amplifiers (AREA)
  • Transmitters (AREA)

Abstract

増幅器の個体ばらつきに起因する歪成分を少ない工数で補償し、信号の品質の劣化を効果的に抑制するポーラ変調送信回路を開示する。周波数変換器(180)は、高周波電力増幅器(170)の出力信号を周波数変換して周波数領域の信号を出力し、位相補償部(150)は、周波数領域の信号から離調周波数が同一の低周波数帯及び高周波数帯の電力レベルを遅延量ごとに測定し、低周波数帯の電力レベルと高周波数帯の電力レベルとのアンレベル量(相対レベル差)を遅延量ごとに算出し、アンレベル量(相対レベル差)と遅延量との関係に基づいて、補償特性を決定する。そして、位相補償部(150)は、決定した補償特性における、振幅信号に応じた位相補償量を、位相信号に加算することにより、位相信号を補償する。

Description

本発明は、携帯電話や無線LAN等の通信機器に用いられる送信回路及び送信方法に関し、特に、位相に対して補償を行うポーラ変調送信回路、及びポーラ変調送信方法に関する。
従来の送信装置の設計には、一般に効率と線形性との間にトレードオフの関係がある。しかし、最近では、ポーラ変調を用いることで送信装置において高効率と線形性とを両立可能とした技術が提案されている。
従来のポーラ変調送信回路としては、例えば、特許文献1に開示されている送信回路があった。図1は、特許文献1に開示されている従来の送信回路10の構成の一例を示すブロック図である。図1において、従来の送信回路10は、振幅位相抽出部11、位相変調部12、増幅器13、出力端子14、及び振幅制御部15を備える。
振幅位相抽出部11は、入力データから、振幅成分(例えば√(I2+Q2))を示す振幅信号と、位相成分(例えば、変調シンボルとI軸のなす角度)を示す位相信号とを抽出する。振幅信号は、振幅制御部15に入力される。振幅制御部15は、振幅信号に応じた電圧を電源電圧として増幅器13に供給する。また、位相信号は、位相変調部12に入力される。位相変調部12は、入力された位相信号に基づいて高周波信号を位相変調し、位相変調により得られる位相変調信号を出力する。位相変調信号は、増幅器13に入力される。増幅器13は、位相変調信号を振幅制御部15から供給された電圧に応じて増幅する。増幅器13で増幅された信号は、出力端子14から送信信号として出力される。送信信号の出力レベルは、振幅制御部15の出力電圧を変化させ、増幅器13に供給することで制御することができる。このように、入力データから振幅信号と位相信号とを分離し、これらを用いて変調をかける方式をポーラ変調方式(Polar Modulation)あるいは極座標変調方式という。そして、この方式を実施する送信回路10をポーラ変調送信回路(極座標変調送信回路ともいう)という。
上記のポーラ変調送信回路では、増幅器13で歪みが発生することが知られている。増幅器13では、振幅信号に応じた電源電圧に対する出力電力の関係(AM−AM特性)が線形ではない。更に、増幅器13の電源電圧に対する入出力の位相偏移の関係(AM−PM特性)が一定ではない。特にAM−PM特性が変化すると出力信号のスペクトラムの形状が非対称となってしまい、結果として隣接チャネル漏洩電力(ACLR:Adjacent Channel Lockage power Ratio)といった送信機の無線性能が劣化する。
以下、AM−PM特性がACLRに与える影響について、図2及び図3を用いて説明する。AM−PM特性とは、増幅器13の電源電圧Vccに応じて変化する位相特性である。図2は、増幅器13の電源電圧Vccと通過位相Phとの関係、すなわち、増幅器13のAM−PM特性を示す例である。図2において、特性21は、理想的なAM−PM特性を示し、特性22は、実際のAM−PM特性を示している。理想的なAM−PM特性は、フラットであるのに対し、実際のAM−PM特性は、増幅器13の電源電圧Vccに応じて、通過位相Phが変動する。
図3は、増幅器13が図2に示すようなAM−PM特性を有する場合のスペクトラムの例を示している。図2において、破線31は、AM−PM特性が図2の特性21で示すように理想的な場合のスペクトラムを示し、実線32は、AM−PM特性が図2の特性22で示すように、電源電圧Vccに応じて通過位相Phが変動する場合のスペクトラムを示している。AM−PM特性がフラットでない場合には、図3に示すように、ACLRが劣化してしまう。
以上説明したように、ポーラ変調送信回路では、送信信号の品質を維持するために、増幅器の電源電圧と出力電力の関係(AM−AM特性)、および電源電圧と入出力の位相偏移の関係(AM−PM特性)の補償を行う。
これらにより発生する歪み成分を補償する方法として、プリディストーション歪み補償方法が知られている(特許文献2参照)。特許文献2に記載のポーラ変調送信回路は、歪補償処理回路に、AM−AM特性と、AM−PM特性とをあらかじめ取得して記憶しておき、その逆特性を振幅信号と位相信号に対して加える。これにより、増幅器で発生する歪みに起因する特性劣化を補償することができる。
特開2004−266351号公報 特開2007−180782号公報
しかしながら、実際のポーラ変調送信回路に用いられる高周波増幅器では、個体ばらつきによってAM−AM特性又は/及びAM−PM特性が個々に変化する。そのため、個体ばらつきによる影響を抑制するために個別に歪補償を行う必要があるが、工数が多くなってしまうという課題がある。特に、AM−PM特性を測定するためには、出力信号を復調する復調器が必要となり、回路規模が大きくなってしまうという課題もある。
更に、増幅器周辺の温度又は増幅器の電源電圧が変動してしまった場合でも、これらの特性は変動する。しかしながら、これらの特性変動をリアルタイムで補償を行うためには、AM−PM特性の変化を測定するためにパイロット信号を挿入する必要があり、信号を連続的に送信するシステムでは実現が難しい。
本発明の目的は、増幅器の個体ばらつきに起因する歪成分を少ない工数で補償し、信号の品質の劣化を効果的に抑制することができるポーラ変調送信回路及びポーラ変調送信方法を提供することである。
本発明のポーラ変調送信回路は、変調信号から振幅信号及び位相信号を抽出し出力する抽出部と、前記振幅信号に応じた電圧を出力する振幅制御部と、前記振幅信号に応じた位相補償量を、前記位相信号に演算することにより位相補償を行う位相補償部と、前記位相補償が行われた位相信号を用いて高周波信号を位相変調し、位相変調信号を生成する位相変調部と、前記振幅制御部から出力される前記電圧を電源電圧として、前記位相変調部から出力される前記位相変調信号を増幅して出力する増幅部と、前記増幅部の出力信号を高速フーリエ変換して周波数スペクトラム信号を出力し、前記位相補償部に対して出力する変換部と、を具備し、前記位相補償部は、前記周波数スペクトラム信号を用いて、前記増幅部の振幅対位相特性を補償するための補償特性を決定し、決定された前記補償特性における、前記振幅信号に応じた位相補償量を決定する。
本発明のポーラ変調送信方法は、変調信号から振幅信号及び位相信号を抽出し、前記振幅信号に応じた電圧を電源電圧として増幅部に出力し、前記振幅信号に応じた位相補償量を、前記位相信号に演算することにより位相補償を行い、前記位相補償が行われた位相信号を用いて高周波信号を位相変調し、位相変調信号を生成し、前記増幅部を用いて前記位相変調信号を増幅して出力し、前記増幅部の出力信号を高速フーリエ変換して周波数スペクトラム信号を出力し、前記周波数スペクトラム信号を用いて、前記増幅部の振幅対位相特性を補償するための補償特性を決定し、決定された前記補償特性における、前記振幅信号に応じた位相補償量を決定する。
本発明によれば、増幅器の個体ばらつきに起因する歪成分を少ない工数で補償でき、信号の品質の劣化を効果的に防ぐことができる。
従来のポーラ変調送信回路の要部構成を示す図 AM−PM特性の一例を示す図 AM−PM特性とACLRとの関係を説明するための図 本発明の実施の形態1に係るポーラ変調送信回路の要部構成を示す図 周波数変換器から入力されるスペクトラムの一例を示す図 ACLRと遅延量との関係を示す図 遅延量τ1,τ2におけるアンバランス量を示す図 補償特性のAM−PM特性の形状の決定方法を説明するための図 補償特性のAM−PM特性の形状の変化量の決定方法を説明するための図 実施の形態1に係る可変位相補償部の内部構成の一例を示す図 LUTが保持する振幅レベルと補償位相量とが示す補償特性の例を示す図 実施の形態1に係る可変位相補償部の内部構成の別の例を示す図 実施の形態1に係る可変位相補償部の内部構成の更に別の例を示す図 本発明の実施の形態2に係るポーラ変調送信回路の要部構成を示す図 遅延量設定部における遅延量の設定方法を説明するための図 本発明の実施の形態3に係るポーラ変調送信回路の要部構成を示す図 本発明の実施の形態4に係るポーラ変調送信回路の要部構成を示す図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図4に、本発明の実施の形態に係るポーラ変調送信回路(以下、単に「送信回路」という)100の要部構成を示す。
振幅位相抽出部110は、送信すべきデータとして変調データ(以下、入力データと記す)を入力とし、入力データから振幅信号r(t)及び位相信号φ(t)を抽出する。振幅位相抽出部110は、振幅信号r(t)を振幅制御部130及び位相補償部150の可変位相補償部152に出力する。また、振幅位相抽出部110は、位相信号φ(t)を遅延調整器140に出力する。
電源(電池)120は、振幅制御部130に電源電圧を供給する。
振幅制御部130は、入力された振幅信号r(t)に応じて、電源(電池)120から供給される電源電圧をバイアスして、入力された振幅信号に応じた電圧を電源電圧Vccとして高周波電力増幅器170に出力する。
遅延調整器140は、後述の位相補償部150の位相補償制御部151から出力される遅延調整信号に基づいて、入力された位相信号φ(t)を遅延し、遅延後の位相信号φ(t)を位相補償部150の可変位相補償部152に出力する。
位相補償部150は、位相補償制御部151及び可変位相補償部152を含む。
位相補償制御部151は、遅延調整器140における遅延量を制御するための遅延調整信号を遅延調整器140に出力する。遅延調整信号については、後述する。
また、位相補償制御部151は、後述の周波数変換器180から入力される、高周波電力増幅器170の出力信号の周波数領域の信号(周波数スペクトラム信号)を用いて、高周波電力増幅器170のAM−PM特性を補償する補償特性を特定するための補償特性信号を生成する。位相補償制御部151における、当該補償特性信号の生成方法については、後述する。位相補償制御部151は、補償特性信号を可変位相補償部152に出力する。
可変位相補償部152は、位相補償制御部151からの補償特性信号に基づいて、高周波電力増幅器170のAM−PM特性を補償する補償特性を決定する。可変位相補償部152における補償特性の決定方法については、後述する。
可変位相補償部152は、内部に加算器を有し、振幅信号r(t)を入力とし、決定した補償特性における、振幅信号に応じた位相補償量φrを、位相信号φ(t)に加算することにより位相補償を行い、位相補償後の位相信号φ’(t)(=φ(t)+φr)を位相変調部160に出力する。
位相変調部160は、補償後の位相信号φ’(t)に基づいて高周波信号を位相変調し、位相変調信号を生成する。具体的には、位相変調部160は、周波数fcの高周波信号を位相変調することにより、搬送波周波数fcの位相変調信号(cos(2πfct+φ’(t)))を生成する。位相変調部160は、位相変調信号を高周波電力増幅器170に出力する。
高周波電力増幅器170は、位相変調信号を、振幅制御部130から供給された電圧Vccに応じて増幅する。
周波数変換器180は、高周波電力増幅器170の出力信号を入力とし、出力信号に対し高速フーリエ変換を行うことにより、出力信号を周波数領域の信号(周波数スペクトラム信号)に変換し、スペクトラムを位相補償制御部151に出力する。
次に、上述のように構成された送信回路100の動作のうち、位相補償制御部151及び可変位相補償部152の動作を中心に説明する。
上述したように、高周波電力増幅器170のAM−PM特性がフラットでない場合、ACLRが劣化する。AM−PM特性は、高周波電力増幅器170の電源電圧Vccに応じて変化する位相特性である。ここで、電源電圧Vccは、振幅信号r(t)に応じた電圧である。したがって、AM−PM特性は、振幅信号r(t)に応じた利得特性と換言することができる。
そこで、本実施の形態では、振幅信号r(t)に応じて、AM−PM特性を事前に補償する。更に、本実施の形態では、高周波電力増幅器170の個体ばらつきに起因する歪成分を補償するため、位相補償制御部151は、高周波電力増幅器170のAM−PM特性を補償する補償特性を特定するための補償特性信号を生成する。そして、可変位相補償部152は、補償特性信号に基づいて、高周波電力増幅器170のAM−PM特性を補償する補償特性を決定する。そして、可変位相補償部152は、補償特性における、振幅信号に応じた位相補償量を、位相信号に加算することにより位相信号を補償する。
先ず、位相補償制御部151における、補償特性信号の生成方法について説明する。
位相補償制御部151は、遅延調整器140の遅延量を少なくとも2つの異なる遅延量に設定するための遅延調整信号を生成し、生成した遅延調整信号を遅延調整器140に出力する。これにより、遅延調整器140の遅延量が少なくとも2つの異なる遅延量に設定される。
なお、位相補償制御部151が、遅延調整器140の遅延量を2つの遅延量に設定する場合、遅延量τ0(基準遅延量)よりも小さい第1の遅延量τ1と、遅延量τ0よりも大きい第2の遅延量τ2(τ1<τ0<τ2)に設定する。ここで、遅延量は、振幅位相抽出部110から高周波電力増幅器170までに振幅信号が経由するAMパスと、振幅位相抽出部110から高周波電力増幅器170までに位相信号が経由するPMパスとの経路差に相当する時間である。また、遅延量τ0は、サンプル検査により事前に決定された送信回路100のAMパスとPMパスとの遅延量である。
以下では、位相補償制御部151が、遅延調整器140の遅延量を第1の遅延量τ1及び第2の遅延量τ2(τ1<τ0<τ2)に設定し、高周波電力増幅器170のAM−PM特性を補償する補償特性を特定するための補償特性信号を生成する場合について説明する。
位相補償制御部151は、周波数変換器180から入力されるスペクトラムを用いて、搬送波周波数fcから低周波数側及び高周波数側に同じ離調周波数だけ離れた低周波数帯及び高周波数帯の電力レベル及びアンバランス量(相対レベル差)を計算する。以下、位相補償制御部151における電力レベル及びアンバランス量の計算方法について、図5を用いて説明する。
図5は、AM−PM特性に変動を含む場合のスペクトラムの一例を示す図である。図5において、図5Aは、遅延量τ=τ1(<τ0)の場合のスペクトラム例であり、図5Bは、遅延量τ=τ0の場合のスペクトラム例であり、図5Cは、遅延量τ=τ2(>τ0)の場合のスペクトラム例である。また、図5の破線は、AM−PM特性に変動がなく、かつ、遅延量τ=τ0の場合のスペクトラムの例である。
位相補償制御部151は、図5A(遅延量τ1)に示すように、搬送波周波数から−5MHz離調点における電力レベルとしてACLR1110と、搬送波周波数から+5M離調点における電力レベルとしてACLR1120を取得する。
また、位相補償制御部151は、図5C(遅延量τ2)に示すように、搬送波周波数から−5MHz離調点における電力レベルとしてACLR1210と、搬送波周波数から+5M離調点における電力レベルとしてACLR1220を取得する。なお、位相補償制御部151が電力レベルとしてACLR[dBc]を用いることにより、歪みの影響を把握しやすくなる。
図6は、ACLR1110,1120,1210,1220と遅延量との関係を示している。なお、図6において、ACLR特性1310は、搬送波周波数から−5MHz離調点における低周波数帯(ACLR−5)のACLR1110,1120と遅延量との関係を示す。また、図6において、ACLR特性1320は、搬送波周波数から+5MHz離調点における高周波数帯(ACLR+5)のACLR1210,1220と遅延量との関係を示している。
位相補償制御部151は、低周波数帯及び高周波数帯のACLR特性から、各遅延量におけるアンバランス量をそれぞれ算出する。ここで、アンバランス量とは、離調周波数が同一値の低周波数帯の電力レベル(dBm表記)と高周波数帯の電力レベル(dBm表記)との相対レベル差である。
例えば、位相補償制御部151は、遅延量τ1,τ2における、低周波数帯(ACLR−5)における電力レベルから高周波数帯(ACLR+5)における電力レベルの減算結果を、アンバランス量として算出する。
図7は、遅延量τ1,τ2におけるアンバランス量1410,1420を示している。なお、図7において、特性1430は、位相補償制御部151が、遅延調整器140の遅延量を連続的に調整した場合に得られるアンバランス特性を示している。
このようにして、位相補償制御部151は、遅延調整器140の遅延量を少なくとも第1の遅延量τ1と第2の遅延量τ2の2つに変化させて、アンバランス量を2点以上測定する。
位相補償制御部151は、これら少なくとも2つの遅延量τ1,τ2に対するアンバランス量1410,1420を用いて、高周波電力増幅器170のAM−PM特性を補償する補償特性を特定するための補償特性信号を生成する。具体的には、位相補償制御部151は、補償特性を特定するための情報として、[1]補償特性におけるAM−PMの形状、及び、[2]補償特性におけるAM−PMの形状の変化量を決定し、これら情報を補償特性信号に含める。
以下、補償特性のAM−PMの形状及びAM−PMの形状の変化量の決定方法について説明する。
[1]AM−PMの形状について
位相補償制御部151は、遅延量τ1,τ2と、遅延量τ1,τ2におけるアンバランス量との関係から、可変位相補償部152において用いる補償特性のAM−PMの形状を決定する。補償特性のAM−PM特性の形状の決定方法について、図8を用いて説明する。
例えば、遅延調整器140における遅延量τが基準遅延量τ0より大きい時に、アンバランス量が正の値を示す場合には、位相補償制御部151は、補償特性のAM−PMの形状として正に変化する形状を用いると決定する。ここで、正に変化する形状とは、AMが大きくなると、PMも大きくなる形状をいう。
反対に、遅延調整器140における遅延量τが基準遅延量τ0より大きい時に、アンバランス量が負の値を示す場合には、位相補償制御部151は、補償特性のAM−PMの形状として負に変化する形状を用いると決定する。負に変化する形状とは、AMが大きくなると、PMが小さくなる形状をいう。
[2]AM−PMの形状の変化量について
位相補償制御部151は、遅延量τ1,τ2におけるアンバランス量を異なるタイミングで測定し、アンバランス量の絶対値の合計値に基づいて、可変位相補償部152において用いる補償特性のAM−PMの形状の変化量を決定する。補償特性のAM−PM特性の形状の変化量の決定方法について、図9を用いて説明する。
例えば、アンバランス量の合計値が大きいほど、位相補償制御部151は、可変位相補償部152において用いる補償特性のAM−PMの形状の変化量(AM−PM形状の最大PM値から最小PM値を引いた値)を大きい値に設定する。
反対に、アンバランス量の合計値が小さいほど、位相補償制御部151は、可変位相補償部152において用いる補償特性のAM−PMの形状の変化量を小さい値に設定する。
このようにして、位相補償制御部151は、少なくとも2つの遅延量τ1,τ2に対するアンバランス量1410,1420を用いて、高周波電力増幅器170のAM−PM特性を補償する補償特性を特定するための情報を決定する。ここで、補償特性を特定するための情報とは、[1]補償特性におけるAM−PMの形状、及び、[2]補償特性におけるAM−PMの形状の変化量、である。そして、位相補償制御部151は、これら情報を生成し、これら情報を補償特性信号として、可変位相補償部152に出力する。
次に、可変位相補償部152の内部構成及び動作について説明する。
[構成例#1]
図10に、可変位相補償部152の内部構成の一例を示す。図10に示す可変位相補償部152は、選択部1521と、LUT(Look Up Table:ルックアップテーブル)群1522と、加算器1523とを含んでいる。
LUT群1522は、LUT1522−1〜1522−3を含む。LUT1522−1〜1522−3は、高周波電力増幅器170のAM−PM特性を補償する補償特性を与えるテーブルであり、それぞれ異なる補償特性を与えるテーブルである。LUT1522−1〜1522−3は、それぞれ、振幅レベルと、補償位相量とを対応付けて保持する。図11は、LUT1522−1〜1522−3が保持する振幅レベルと補償位相量とが示す補償特性の例を示している。
なお、図10には、LUT群1522が3つのLUTを保持する例を示したが、保持するLUT数は3に限られない。
選択部1521は、位相補償制御部151から出力される補償特性信号に基づいて、これらLUT1522−1〜1522−3のうち、高周波電力増幅器170のAM−PM特性を補償する補償特性を示すLUTを選択する。そして、可変位相補償部152は、LUT1522−1〜1522−3のうち、選択部1521が選択したLUTから、振幅信号に応じた位相補償量φrを、加算器1523に出力する。
加算器1523は、振幅信号に応じた位相補償量φrを、位相信号φ(t)に加算することにより位相補償を行い、位相補償後の位相信号φ’(t)(=φ(t)+φr)を位相変調部160に出力する。
このようにして、予めLUT群1522に、高周波電力増幅器170のAM−PM特性を補償する補償特性を与えるLUTを複数用意する。この結果、個体ばらつきによってAM−PM特性が個々に変化することにより補償特性が個々に変化する場合においても、個別に歪補償することができる。
なお、可変位相補償部152は、複数のLUTに代えて、位相補償量を算出する計算式を複数用意し、選択部1521は、補償特性信号に応じて、これら計算式を切り替えるようにしてもよい。
[構成例#2]
図12に、可変位相補償部152の内部構成の別の例を示す。図12に示す可変位相補償部152は、選択部1524と、乗算器1525と、加算器1523とを含んでいる。
選択部1524は、位相補償制御部151から出力される補償特性信号に基づいて、乗算器1525において振幅信号と乗算する補正係数k0を設定する。上述したように、位相補償制御部151からは、[1]補償特性におけるAM−PMの形状、及び、[2]補償特性におけるAM−PMの形状の変化量の情報が補償特性信号として、可変位相補償部152に出力される。そして、選択部1524は、これら情報に基づいて、高周波電力増幅器170のAM−PM特性を補償する補正係数k0を設定する。この場合には、可変位相補償部152は、[構成例#1]と異なり、LUT群1522を備える必要がないので、その分回路規模を削減できる。
乗算器1525は、振幅信号r(t)と補正係数k0とを乗算することにより、位相補償量φr(=k0・r(t))を生成し、生成した位相補償量φrを、加算器1523に出力する。
[構成例#3]
図13に、可変位相補償部152の内部構成の更に別の例を示す。図13に示す可変位相補償部152は、選択部1526と、LUT(Look Up Table:ルックアップテーブル)群1522と、乗算器1527と、加算器1523とを含んでいる。
選択部1526は、位相補償制御部151から出力される補償特性信号に基づいて、LUT1522−1〜1522−3のうち、高周波電力増幅器170のAM−PM特性を補償する補償特性に最も近いLUTを選択する。そして、可変位相補償部152は、LUT1522−1〜1522−3のうち、選択されたLUTから、振幅信号に応じた位相補償量φrを、乗算器1527に出力する。
更に、選択部1526は、位相補償制御部151から出力される補償特性信号に基づいて、選択したLUTが示す補償特性との誤差を補正する補正係数k1を設定する。
乗算器1527は、位相補償量φrと補正係数k1とを乗算することにより、位相補償量φ’r(=k1・φr)を生成し、生成した位相補償量φ’rを、加算器1523に出力する。
これにより、予め保持するLUT1522−1〜1522−3が与える補償特性を、実際の補償特性に合うように微調整することができる。そのため、LUT群1522が高周波電力増幅器170のAM−PM特性を補償する補償特性を与える代表的なLUTのみ用意する場合においても、高周波電力増幅器170の個体ばらつきによる補償特性の違いを、個別に歪補償することができる。
以上のように、本実施の形態では、周波数変換器180は、高周波電力増幅器170の出力信号を周波数変換して周波数領域の信号を出力する。位相補償部150は、遅延調整器140における遅延量を制御して、異なる遅延量における周波数領域の信号を用いて、高周波電力増幅器170の振幅対位相特性を補償する補償特性を決定する。より具体的には、位相補償部150は、異なる遅延量における周波数領域の信号から離調周波数が同一の低周波数帯及び高周波数帯の電力レベルを遅延量ごとに取得する。そして、位相補償部150は、低周波数帯の電力レベルと高周波数帯の電力レベルとのアンレベル量(相対レベル差)を遅延量ごとに算出し、アンレベル量(相対レベル差)と遅延量との関係に基づいて、補償特性を決定する。そして、位相補償部150は、決定した補償特性における、振幅信号に応じた位相補償量を、位相信号に加算することにより、位相信号を補償する。
これにより、高周波電力増幅器170の個体ばらつき、電圧の変動によって電源電圧Vccと通過位相Phとの関係(AM−PM特性)が変化するような場合においても、回路規模の増大に繋がる復調器を必要とせずに、高周波電力増幅器170のAM−PM特性を補償することができる。そして、この結果、高周波電力増幅器170の個体ばらつきに起因する歪成分を少ない工数で効果的に補償し、信号の品質の劣化を抑制できる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、[1]補償特性におけるAM−PMの形状、及び、[2]補償特性におけるAM−PMの形状の変化量に基づいて、遅延調整器140の遅延量を最適な値に設定するポーラ変調送信回路について説明する。
図14に、本発明の実施の形態に係るポーラ変調送信回路(以下、単に「送信回路」という)の要部構成を示す。なお、図14の本実施の形態に係る送信回路において、図4と共通する構成部分には、図4と同一の符号を付して説明を省略する。図14の送信回路200は、図4の送信回路100に対して、位相補償部150に代えて位相補償部210を備える。
位相補償部210は、位相補償制御部151、可変位相補償部152、及び、遅延量設定部211を含む。
遅延量設定部211は、周波数変換器180から入力される、高周波電力増幅器170の出力信号の周波数領域の信号(スペクトラム)を用いて、遅延調整器140の遅延量として最適な値を設定する。遅延量設定部211は、設定した最適な遅延量を示す遅延調整信号を生成し、生成した遅延調整信号を遅延調整器140に出力する。
以下、遅延量設定部211における遅延量の設定方法について、図15を用いて説明する。
図15は、図6において示したACLR特性1310である。ACLR特性1310は、搬送波周波数から−5MHz離調点における低周波数帯(ACLR−5)のACLRと遅延量との関係を示している。ACLR特性1310において、ACLR1110は、遅延量τ1におけるACLRを示し、ACLR1120は、遅延量τ2におけるACLRを示している。図15に示すように、ACLR1110の電力レベルがP1であり、ACLR1120の電力レベルがP2とする。
このとき、遅延量設定部211は、第1の遅延量τ1に対する電力レベルP1と、第2の遅延量τ2に対する電力レベルP2との比の逆数に基づいて、第1の遅延量τ1と第2の遅延量τ2の間に、低周波数帯(ACLR−5)における遅延量τplowを算出する。
具体的には、遅延量設定部211は、式(1)により遅延量τplowを設定する。
τplow=C(τ2−τ1)/P1+τ1 …(1)
ここで、C=P1・P2/(P1+P2)である。このようにして遅延量τplowを算出することにより、図15に示すように、遅延量τplowでの低周波数帯(ACLR−5)において電力レベルは最小値に近い値を示す。
同様にして、遅延量設定部211は、搬送波周波数から+5MHz離調点における高周波数帯(ACLR+5)のACLRと遅延量との関係から、高周波数帯(ACLR+5)における遅延量τphighを算出する。具体的には、遅延量設定部211は、第1の遅延量τ1に対する電力レベルP1と、第2の遅延量τ2に対する電力レベルP2との比の逆数に基づいて、式(2)により、第1の遅延量τ1と第2の遅延量τ2の間に、高周波数帯(ACLR+5)における遅延量τphighを算出する。
τphigh=C(τ2−τ1)/P1+τ1 …(2)
そして、遅延量設定部211は、遅延量τplowと遅延量τphighとの中央値を、遅延調整器140における最適な遅延量τpとして設定する。
遅延量設定部211は、設定した遅延量τpに応じた遅延調整信号を遅延調整器140に出力する。これにより、遅延調整器140の遅延量が最適な遅延量に設定される。
以上のように、本実施の形態では、位相補償部210の遅延量設定部211は、低周波数帯及び高周波数帯における第1の遅延量τ1の電力レベルP1と第2の遅延量τ2の電力レベルP2とに基づいて、遅延調整器140の遅延量として最適な値を設定する。
これにより、AMパスとPMパスとの経路差(相対遅延差)を補正することができる。この結果、AMパスとPMパスとの経路差(相対遅延差)が変化するような場合においても、少ない工数で効果的にAMパスとPMパスとの経路差(相対遅延差)の補償し、相対遅延差により生じるACLR特性の劣化を抑圧することができる。
(実施の形態3)
一般に、送信回路の動作環境を考えた場合、周囲温度が変化すると、高周波電力増幅器の特性が変動する。例えば、HBT(Heterojunction Bipolar Transistor)によって構成された高周波電力増幅器では、温度の変化により、高周波電力増幅器の電源電圧に供給される電源電圧と通過位相との関係(AM−PM特性)が変動してしまう。つまり、高周波電力増幅器に、同じ電源電圧を供給した場合においても、温度によって、通過位相が変動してしまう。これに起因して、高周波電力増幅器のAM−PM特性が劣化するため、例えば、隣接する周波数帯への妨害信号が発生してACLRが劣化するという問題が生じる。そのため、このような温度の変化に対し適応的に温度補償を行う必要がある。そこで、本実施の形態では、温度の変化に対し適応的に温度補償を行うポーラ変調送信回路について説明する。
図16に、本発明の実施の形態に係るポーラ変調送信回路(以下、単に「送信回路」という)の要部構成を示す。なお、図16の本実施の形態に係る送信回路において、図4と共通する構成部分には、図4と同一の符号を付して説明を省略する。図16の送信回路300は、図4の送信回路100に対して、位相補償部150に代えて位相補償部320を備え、温度測定器310を追加した構成を採る。
温度測定器310は、高周波電力増幅器170の周辺の温度を測定し、測定結果を位相補償部320に出力する。
位相補償部320は、位相補償制御部321及び可変位相補償部322を含む。
位相補償制御部321は、温度測定器310から入力される、高周波電力増幅器170の周辺の温度の測定結果を補償特性信号として、可変位相補償部322に出力する。
可変位相補償部322は、位相補償制御部321からの補償特性信号が示す温度測定結果に基づいて、高周波電力増幅器170のAM−PM特性を補償する補償特性を決定する。なお、可変位相補償部322の内部構成は、可変位相補償部152と同様に、図10、図12及び図13に示した[構成例#1]〜[構成例#3]と同様の構成を採る。そのため、可変位相補償部322の構成図の記載を省略し、以下では、可変位相補償部322の動作についてのみ説明する。
[構成例#1]
LUT群1522は、LUT1522−1〜1522−3を含む。LUT1522−1〜1522−3は、高周波電力増幅器170のAM−PM特性を補償する補償特性を与えるテーブルであり、それぞれ異なる温度に対応するテーブルである。
選択部1521は、位相補償制御部321からの補償特性信号が示す温度測定結果に基づいて、これらLUT1522−1〜1522−3のうち、高周波電力増幅器170のAM−PM特性を補償する補償特性を示すLUTを選択する。
[構成例#2]
選択部1524は、位相補償制御部321から出力される補償特性信号が示す温度測定結果に基づいて、乗算器1525において振幅信号と乗算する補正係数k0を設定する。上述したように、位相補償制御部321から、高周波電力増幅器170の周辺の温度測定結果が補償特性信号として、可変位相補償部322に出力されるので、選択部1524は、温度測定結果に対応する補正係数k0を設定する。この場合には、可変位相補償部152は、[構成例#1]と異なり、LUT群1522を備える必要がないので、その分回路規模を削減できる。
[構成例#3]
選択部1526は、位相補償制御部321から出力される補償特性信号が示す温度測定結果に基づいて、LUT1522−1〜1522−3のうち、高周波電力増幅器170のAM−PM特性を補償する補償特性に最も近いLUTを選択する。
そして、可変位相補償部322は、LUT1522−1〜1522−3のうち、選択されたLUTから、振幅信号に応じた位相補償量φrを、乗算器1527に出力する。
更に、選択部1526は、位相補償制御部321から出力される補償特性信号が示す温度測定結果に基づいて、選択したLUTが示す補償特性との誤差を補正する補正係数k1を設定する。
これにより、予め保持するLUT1522−1〜1522−3が与える補償特性を、実際の補償特性に合うように微調整することができる。この結果、LUT群1522が高周波電力増幅器170のAM−PM特性を補償する補償特性を与える代表的なLUTのみ用意する場合においても、高周波電力増幅器170の個体ばらつきによる補償特性の違いを、個別に歪補償することができる。
以上のように、本実施の形態では、温度測定器310は、高周波電力増幅器170の周辺の温度を測定し、位相補償部320は、温度の測定結果に基づいて、位相補償量を補正するようにした。
これにより、高周波電力増幅器170の温度変化によって電源電圧Vccと通過位相Phとの関係(AM−PM特性)が変化するような場合においても、回路規模の増大に繋がる復調器を必要とせずに、高周波電力増幅器170のAM−PM特性を補償することができる。そして、この結果、高周波電力増幅器170の温度変化に起因する歪成分を少ない工数で効果的に補償し、信号の品質の劣化を抑制できる。
(実施の形態4)
本実施の形態は、高周波電力増幅器の出力信号を周波数変換して得られた周波数領域の信号と、高周波電力増幅器170の周辺の温度に応じて、位相補償量を制御するポーラ変調送信回路について説明する。
図17に、本発明の実施の形態に係るポーラ変調送信回路(以下、単に「送信回路」という)の要部構成を示す。なお、図17の本実施の形態に係る送信回路において、図14及び図16と共通する構成部分には、図14と同一の符号を付して説明を省略する。図17の送信回路400は、図14の送信回路200に対して、位相補償部210に代えて、位相補償部410を備え、温度測定器310を更に追加した構成を採る。
位相補償部410は、位相補償制御部411、可変位相補償部412、及び、遅延量設定部413を含む。
位相補償制御部411は、位相補償制御部151と同様に、遅延調整器140における遅延量を制御して、異なる遅延量における周波数領域の信号を用いて、高周波電力増幅器170の振幅対位相特性を補償する補償特性を特定する情報を生成する。
そして、位相補償制御部411は、位相補償制御部321と同様に、温度測定器310から入力される、高周波電力増幅器170の周辺の温度の測定結果と、高周波電力増幅器170の振幅対位相特性を補償する補償特性を特定する情報と補償特性信号に含める。そして、位相補償制御部411は、補償特性信号を可変位相補償部412に出力する。
可変位相補償部412は、位相補償制御部411からの補償特性信号に基づいて、高周波電力増幅器170のAM−PM特性を補償する補償特性を決定する。なお、可変位相補償部412の内部構成は、可変位相補償部152と同様に、図10、図12及び図13に示した[構成例#1]〜[構成例#3]と同様の構成を採る。そのため、可変位相補償部412の構成図の記載を省略し、以下では、可変位相補償部412の動作についてのみ説明する。
[構成例#1]
LUT群1522は、LUT1522−1〜1522−3を含む。LUT1522−1〜1522−3は、異なる温度ごとの高周波電力増幅器170のAM−PM特性を補償する補償特性を与えるテーブルであり、それぞれ異なる補償特性を与え、異なる温度に対応するテーブルである。
選択部1521は、位相補償制御部411からの補償特性信号に基づいて、これらLUT1522−1〜1522−3のうち、高周波電力増幅器170のAM−PM特性を補償する補償特性を示すLUTを選択する。
[構成例#2]
選択部1524は、位相補償制御部411から出力される補償特性信号に基づいて、乗算器1525において振幅信号と乗算する補正係数k0を設定する。上述したように、位相補償制御部411からは、[1]補償特性におけるAM−PMの形状、及び、[2]補償特性におけるAM−PMの形状の変化量の情報と、高周波電力増幅器170の周辺の温度測定結果とが補償特性信号として、可変位相補償部412に出力される。そして、選択部1524は、これら情報を用いて、補償特性が線形性を有すると仮定して、補償特性を形成することができる。このようにして、選択部1524は、補償特性を形成し、形成した補償特性における変化量に対応する補正係数k0を設定する。この場合には、可変位相補償部412は、[構成例#1]と異なり、LUT群1522を備える必要がないので、その分回路規模を削減できる。
[構成例#3]
選択部1526は、位相補償制御部411から出力される補償特性信号に基づいて、LUT1522−1〜1522−3のうち、高周波電力増幅器170のAM−PM特性を補償する補償特性に最も近いLUTを選択する。
そして、可変位相補償部412は、LUT1522−1〜1522−3のうち、選択されたLUTから、振幅信号に応じた位相補償量φrを、乗算器1527に出力する。
更に、選択部1526は、位相補償制御部411から出力される補償特性信号に基づいて、選択したLUTが示す補償特性との誤差を補正する補正係数k1を設定する。
これにより、予め保持するLUT1522−1〜1522−3が与える補償特性を、実際の補償特性に合うように微調整することができる。この結果、LUT群1522が高周波電力増幅器170のAM−PM特性を補償する補償特性を与える代表的なLUTのみ用意する場合においても、高周波電力増幅器170の個体ばらつきによる補償特性の違いを、個別に歪補償することができる。
遅延量設定部413は、遅延量設定部211と同様に、周波数変換器180から入力される、高周波電力増幅器170の出力信号の周波数領域の信号(スペクトラム)を用いて、遅延調整器140の遅延量として遅延量τpを設定する。更に、遅延量設定部413は、温度測定器310から入力される、高周波電力増幅器170の周辺の温度の測定結果に基づいて、遅延量τpを補正する。これにより、高周波電力増幅器170の温度変化によって変動するAMパスとPMパスとの経路差による影響を抑圧することができる。遅延量設定部413は、補正後の遅延量τ’pを示す遅延調整信号を生成し、生成した遅延調整信号を遅延調整器140に出力する。
以上のように、本実施の形態では、位相補償部410は、アンレベル量(相対レベル差)と遅延量との関係と、高周波電力増幅器170の周辺の温度測定結果とに基づいて、振幅信号に応じた位相補償量及び遅延量を設定する。これにより、実施の形態2に比べ、より高い精度で歪補償を行うことができる。
以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されることはない。その要旨を逸脱しない範囲において、他の種々の形態によっても実施することが可能である。
2009年7月7日出願の特願2009−161149に含まれる明細書、図面及び要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
本発明に係るポーラ変調送信回路、及び、ポーラ変調送信方法は、増幅器の個体ばらつきに起因する歪成分を少ない工数で補償し、信号の品質の劣化を効果的に抑制することができ、例えば、携帯電話や無線LAN等の通信機器に有用である。
100,200,300,400 送信回路
110 振幅位相抽出部
120 電源(電池)
130 振幅制御部
140 遅延調整器
150,210,320,410 位相補償部
151,321,411 位相補償制御部
152,322,412 可変位相補償部
160 位相変調部
170 高周波電力増幅器
180 周波数変換器
1521,1524,1526 選択部
1522 LUT群
1522−1〜1522−3 LUT
1523 加算器
1525,1527 乗算器
211,413 遅延量設定部
310 温度測定器

Claims (12)

  1. 変調信号から振幅信号及び位相信号を抽出し出力する抽出部と、
    前記振幅信号に応じた電圧を出力する振幅制御部と、
    前記振幅信号に応じた位相補償量を、前記位相信号に演算することにより位相補償を行う位相補償部と、
    前記位相補償が行われた位相信号を用いて高周波信号を位相変調し、位相変調信号を生成する位相変調部と、
    前記振幅制御部から出力される前記電圧を電源電圧として、前記位相変調部から出力される前記位相変調信号を増幅して出力する増幅部と、
    前記増幅部の出力信号を高速フーリエ変換して周波数スペクトラム信号を出力し、前記位相補償部に対して出力する変換部と、
    を具備し、
    前記位相補償部は、前記周波数スペクトラム信号を用いて、前記増幅部の振幅対位相特性を補償するための補償特性を決定し、決定された前記補償特性における、前記振幅信号に応じた位相補償量を決定する、
    ポーラ変調送信回路。
  2. 前記抽出部の後段かつ前記位相補償部の前段に、前記位相信号を遅延させる遅延部をさらに具備し、
    前記位相補償部は、前記周波数スペクトラム信号に基づいて、前記遅延部における遅延量を制御する、
    請求項1に記載のポーラ変調送信回路。
  3. 前記位相補償部は、
    異なる遅延量における前記周波数スペクトラム信号の値から、離調周波数が同一の低周波数帯及び高周波数帯の電力レベルを遅延量ごとに取得し、前記低周波数帯の電力レベルと前記高周波数帯の電力レベルとの相対レベル差を遅延量ごとに算出し、前記相対レベル差と遅延量との関係に基づいて、前記補償特性を決定する、
    請求項1に記載のポーラ変調送信回路。
  4. 前記位相補償部は、
    遅延量が大きいほど前記相対レベル差が大きい場合、前記補償特性は、振幅が大きいほど位相補償量が大きい特性であると判定する、
    請求項3に記載のポーラ変調送信回路。
  5. 前記位相補償部は、
    各遅延量における前記相対レベル差の絶対量の合計値が大きいほど、前記補償特性は、前記振幅信号の変化に対する位相保証量の変化が大きい特性であると判定する、
    請求項3に記載のポーラ変調送信回路。
  6. 前記位相補償部は、
    前記低周波数帯及び前記高周波数帯における第1の遅延量の電力レベルと第2の遅延量の電力レベルとに基づいて、前記遅延量として最適な値を設定する、
    請求項3に記載のポーラ変調送信回路。
  7. 前記増幅部の付近の温度を測定する測定部、を更に具備し、
    前記位相補償部は、温度の測定結果に基づいて、前記振幅信号に応じた位相補償量を補正する、
    請求項1に記載のポーラ変調送信回路。
  8. 前記増幅部の付近の温度を測定する測定部、を更に具備し、
    前記位相補償部は、温度の測定結果に基づいて、前記遅延量を補正する、
    請求項2に記載のポーラ変調送信回路。
  9. 前記位相補償部は、
    振幅信号と位相補償量とを対応付けて格納するテーブルであって、補償特性ごとの複数のテーブルと、
    前記複数のテーブルのうち、決定した前記補償特性を示す前記テーブルを選択する選択部と、
    選択された前記テーブルにおける前記振幅信号に応じた位相補償量を、前記位相信号に加算する加算部と、を有する、
    請求項3に記載のポーラ変調送信回路。
  10. 前記位相補償部は、
    決定した前記補正特性に基づいて、前記振幅信号に乗算する補正係数を出力する選択部と、
    前記補正係数を前記振幅信号に乗算し、乗算結果を前記振幅信号に応じた位相補償量として出力する乗算部と、
    前記位相補償量を、前記位相信号に加算する加算部と、を有する、
    請求項3に記載のポーラ変調送信回路。
  11. 前記位相補償部は、
    振幅信号と位相補償量とを対応付けて格納するテーブルであって、補償特性ごとの複数のテーブルと、
    前記複数のテーブルのうち、決定した前記補償特性に近い特性を示す前記テーブルを選択するとともに、前記相対レベル差と遅延量との関係に基づいて、前記補償特性における、前記振幅信号に応じた位相補償量を補正する補正係数を出力する選択部と、
    選択された前記テーブルにおける前記振幅信号に応じた位相補償量に、前記補正係数を乗算し、乗算結果を前記振幅信号に応じた位相補償量として出力する乗算部と、
    前記位相補償量を、前記位相信号に加算する加算部と、を有する、
    請求項3に記載のポーラ変調送信回路。
  12. 変調信号から振幅信号及び位相信号を抽出し、
    前記振幅信号に応じた電圧を電源電圧として増幅部に出力し、
    前記振幅信号に応じた位相補償量を、前記位相信号に演算することにより位相補償を行い、
    前記位相補償が行われた位相信号を用いて高周波信号を位相変調し、位相変調信号を生成し、
    前記増幅部を用いて前記位相変調信号を増幅して出力し、
    前記増幅部の出力信号を高速フーリエ変換して周波数スペクトラム信号を出力し、
    前記周波数スペクトラム信号を用いて、前記増幅部の振幅対位相特性を補償するための補償特性を決定し、決定された前記補償特性における、前記振幅信号に応じた位相補償量を決定する、
    ポーラ変調送信方法。
JP2011521802A 2009-07-07 2010-06-22 ポーラ変調送信回路及びポーラ変調送信方法 Pending JPWO2011004557A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009161149 2009-07-07
JP2009161149 2009-07-07
PCT/JP2010/004143 WO2011004557A1 (ja) 2009-07-07 2010-06-22 ポーラ変調送信回路及びポーラ変調送信方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2011004557A1 true JPWO2011004557A1 (ja) 2012-12-13

Family

ID=43428989

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011521802A Pending JPWO2011004557A1 (ja) 2009-07-07 2010-06-22 ポーラ変調送信回路及びポーラ変調送信方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8742865B2 (ja)
JP (1) JPWO2011004557A1 (ja)
WO (1) WO2011004557A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9680422B2 (en) * 2013-03-27 2017-06-13 Qualcomm Incorporated Power amplifier signal compensation
JP5971284B2 (ja) * 2014-06-26 2016-08-17 住友電気工業株式会社 増幅装置及び無線通信装置
US10411744B1 (en) * 2018-10-11 2019-09-10 Ratheon Company Waveform transformation and reconstruction

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4230238B2 (ja) 2003-02-06 2009-02-25 パナソニック株式会社 送信装置及びその調整方法
JP2005150932A (ja) * 2003-11-12 2005-06-09 Hitachi Kokusai Electric Inc プリディスト−ション装置
CN100571247C (zh) * 2004-11-17 2009-12-16 松下电器产业株式会社 发送电路、发送方法及使用该发送电路的通信设备
CN1977459B (zh) * 2005-03-22 2010-06-09 松下电器产业株式会社 发送装置、通信设备及移动无线机
US7715808B2 (en) * 2005-04-28 2010-05-11 Panasonic Corporation Polar modulating circuit, polar coordinate modulating method, integrated circuit and radio transmission device
JP4951238B2 (ja) 2005-12-27 2012-06-13 パナソニック株式会社 極座標変調送信装置及び適応歪補償処理システム並びに極座標変調送信方法及び適応歪補償処理方法
JP4755518B2 (ja) * 2006-03-30 2011-08-24 日本無線株式会社 増幅器のデジタル前置歪補償回路
JP2008294518A (ja) * 2007-05-22 2008-12-04 Hitachi Kokusai Electric Inc 送信装置

Also Published As

Publication number Publication date
US8742865B2 (en) 2014-06-03
US20120112847A1 (en) 2012-05-10
WO2011004557A1 (ja) 2011-01-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8558616B2 (en) Amplifying apparatus
JP6166457B2 (ja) 内部電力増幅器特徴付けを伴う包絡線追跡システム
JP4951238B2 (ja) 極座標変調送信装置及び適応歪補償処理システム並びに極座標変調送信方法及び適応歪補償処理方法
US8369802B2 (en) Polar modulation transmission apparatus and polar modulation transmission method
KR101067099B1 (ko) 왜곡 보상 장치 및 방법
US9190959B2 (en) Circuit, transceiver and mobile communication device
US8022763B2 (en) Amplifier failure detection apparatus
US8587375B2 (en) Power amplifier linearization method and apparatus
US20040246048A1 (en) Calibration of an adaptive signal conditioning system
JP5049562B2 (ja) 電力増幅器
JP2013214826A (ja) 無線装置、歪補償方法、及び歪補償プログラム
WO2009145283A1 (ja) 歪補償回路及び歪補償方法
JP4641715B2 (ja) 歪補償装置及び無線基地局
JP2008177899A (ja) 増幅回路及び無線通信装置
WO2011004557A1 (ja) ポーラ変調送信回路及びポーラ変調送信方法
JP2008206142A (ja) 多段増幅器を備えた送信回路、及び通信機器
JP2005269440A (ja) ポーラ変調送信装置及びポーラ変調方法
JP5441817B2 (ja) 送信回路及び送信方法
JP5126364B2 (ja) 送信装置および調整値測定方法
KR101768905B1 (ko) 룩업 테이블을 이용한 전력 증폭기의 선형화 장치 및 그 방법
WO2010076845A1 (ja) ポーラ変調装置及び通信機器
JP2007288492A (ja) 歪補償装置及び歪補償方法
JP2010011370A (ja) 歪補償増幅器
WO2020110298A1 (ja) 送信機
JP2015126245A (ja) 送信装置及び歪み補償方法