JPWO2010150683A1 - 鋼板の熱間プレス成形方法、鋼板の熱間プレス成形装置、及び鋼成形部材 - Google Patents

鋼板の熱間プレス成形方法、鋼板の熱間プレス成形装置、及び鋼成形部材 Download PDF

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Abstract

A1変態点以上の温度に均一に加熱された平板状のめっき鋼板Kの熱間プレス成形を行う前に、部分急冷ステージ(11)によりめっき鋼板Kの所定の部位をマルテンサイト変態の開始温度(Ms点)以下に急冷し、めっき鋼板(K)の急冷された部位をマルテンサイト変態の開始温度(Ms点)より高い温度に復熱させ、めっき鋼板(K)の復熱を行った後に、成形急冷ステージ(13)においてめっき鋼板(K)の成形とマルテンサイト変態の終了温度(Mf点)以下までの急冷とを同時に行う。

Description

本発明は、熱間プレス成形において、鋼板の任意の部位に焼き戻しマルテンサイトを含む組織を形成することで、後工程において当該部位の加工を容易とする成形方法、成形装置、及び成形部材に関するものである。
近年、高張力鋼板を用いた自動車部品材等の鋼板成形手段として採用が拡大している熱間プレス成形では、冷間プレス成形よりも高い温度で鋼板を成形する。熱間プレス成形を行えば、プレス成形時の鋼板の変形抵抗が低下し、この変形抵抗の低下によって、プレス割れ、しわ等の成形不具合を発生させることなく所望の形状に、かつ、金型の形状により則った形状にプレス成形することができる。
熱間プレス成形方法では、予め加熱炉によって所定の温度に加熱された鋼板を成形用金型のダイ上に載置した状態でポンチを下死点まで降下し、その状態を保持したまま成形用金型の内部に冷媒を供給することで鋼板を一定時間急冷する。この急冷による焼き入れによって鋼板の組織がマルテンサイトに変化することで鋼板の硬度が上昇し、成形品の強度を大幅に向上させることができる。
しかしながら、鋼板の全体に亘って急冷すると、部位によっては成形品の硬度の向上により、好ましくない場合が生ずる。例えば、溶接接合局部の周辺の屈曲性が低下して継手強度が低下したり、穴あけ加工やせん断加工等の後工程において当該成形品の加工が困難となったり、加工用工具の寿命が低下したりする。このため、特許文献1では、熱間プレス成形の後工程において機械加工が必要となる部位が成形用金型に接触しないように金型に空隙を設けることで鋼板に焼き入れを行わないようにすることが提案されている。また、特許文献1では、後工程での機械加工が必要な部位に発熱体を押圧させるようにすることも提案されている。特許文献1では、これらの方法を採用することで、冷却速度を低下、即ち当該部位の硬度を低下させ、後工程において鋼板の機械加工を容易にすることができるとしている。
また、特許文献2においては、鋼板の一部分に断熱材を装着した状態で加熱して鋼板の温度上昇を抑えることで、断熱材を装着した部分への焼き入れを抑制し、当該部位に加工性のよい軟質部を形成する方法が提案されている。
特開2003−328031号公報 特開2009−61473号公報
しかしながら、特許文献1に開示される、金型に空隙を設ける方法では、例えば硬度を低下させたい部位が金型に接触しない。このため、硬度を低下させたい部位とプレス成形により曲げ加工が施される部位とが重複している場合、鋼板を高精度で成形することができないという問題がある。また、硬度を低下させたい部位とプレス成形により曲げ加工が施される部位とが重複しないようにすると、硬度を低下させたい部位に制限が課せられるため、設計の自由度が低下するという問題がある。また、特許文献1に開示される、金型に空隙を設ける方法では、後工程で機械加工が必要な部位の大きさや場所に応じて、熱間プレスを行う金型(成形と焼き入れを同時に行うための金型)を用意しなければならない。この金型製作に多大な費用を要するという問題がある。また、特許文献1に開示される、発熱体を押圧させる方法では、発熱体を鋼板に対して鉛直方向に接触させるので、例えば成形品の側面に硬度を低下させたい部位を形成することができず、設計の自由度という点で問題があった。
また、一般に、熱間プレス成形のために鋼板を加熱炉で加熱する際に、鋼板の表面にはスケールが発生する。このスケールは、成形後の後工程、例えば塗装処理工程などに悪影響を与えるため、極力スケールを発生させないようにすることが好ましい。したがって、スケールの発生を抑制するため、表面にめっきを施した鋼板が用いられるのが通常である。めっきを施した鋼板では、加熱により鋼板とめっき層との合金化が進行する。このようなめっきと鋼板との合金化の度合いは、成形品の耐食性、塗装性、溶接性等に影響を与える。このため、加熱時に鋼板の熱履歴を均等にして、鋼板とめっき層との合金化の度合いを鋼板の全面に亘って均一化することは、製品の品質上極めて重要である。
しかしながら、特許文献2に開示される方法では、鋼板の断熱材が装着された箇所と装着されていない箇所とにおける加熱時の鋼板の温度履歴が異なる。このため、鋼板とめっき層との合金化の度合を鋼板の全体に亘って均一化することができず、製品の品質に影響を与えるという問題があった。このように場所によって加熱時の温度履歴が異なることを防止することは、安定した品質を確保するという観点から、めっきを施した鋼板に限らず、裸鋼板においても重要である。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、鋼板に対して熱間プレス成形を行うに際し、加熱時の最高到達温度を部位によって変えずに、所定の部位の硬度をその他の部位よりも低下させることを目的としている。
前記の目的を達成するための本発明の鋼板の熱間プレス成形方法は、A変態点以上の温度に加熱された鋼板の成形及び焼き入れを同時に行う鋼板の熱間プレス成形において、A変態点以上の温度に均一に加熱された平板状の鋼板を成形する前に、当該鋼板の所定の部位をマルテンサイト変態の開始温度(Ms点)以下に急冷する部分急冷工程と、前記鋼板の急冷された所定の部位をマルテンサイト変態の開始温度(Ms点)より高い温度に戻す復熱工程と、前記鋼板の復熱を行った後に、当該鋼板の成形とマルテンサイト変態の終了温度(Mf点)以下までの急冷とを同時に行う成形急冷工程と、を有することを特徴としている。
本発明によれば、A変態点以上の温度に加熱された鋼板を成形する前に、当該鋼板の所定の部位に急冷及び復熱を施し、その後、当該鋼板の成形と急冷とを同時に行う。したがって、復熱を行った部位を焼き戻しマルテンサイトを含む組織に、その他の部位をマルテンサイト組織とすることができる。このため、後工程において機械加工が必要となる部位や溶接を行う部位を焼き戻しマルテンサイトを含む組織とすることができる。よって、成形品全体としては必要な強度を維持しつつ、後工程における加工性や溶接継手の強度などを確保した成形品を形成することができる。また、鋼板の部分急冷工程及び復熱工程は、鋼板が平板状の状態で行われるので、例えば、プレス成形により曲げ加工が施される部位や、成形後に垂直面となる部位など、任意の位置に焼き戻しマルテンサイトを含む組織を生成することができる。したがって、設計の自由度も大きい。さらに、鋼板は予め所定の温度に均一に加熱されているため、鋼板としてめっき鋼板を用いた場合でも、めっきの合金化の度合いを鋼板の全面に亘って均一にすることができる。
ここで、前記部分急冷工程は、上部冷却体を、前記鋼板の前記所定の部位に対して上から接触させると共に、下部冷却体を、前記鋼板の前記所定の部位に対して下から接触させ、前記上部冷却体の前記鋼板との接触面と、前記下部冷却体の前記鋼板との接触面とのいずれかまたは両方に形成された凹凸によって前記鋼板と前記上部冷却体または前記下部冷却体との間に形成された隙間に冷媒を噴出するようにしてもよい。また、前記鋼板との接触面に凹凸が形成されている冷却体に形成された冷媒吸引口から前記噴出した冷媒を吸引し、排出するようにしてもよい。
前記成形急冷工程は、ポンチとダイとを用いて、前記鋼板を上下からプレスすると共に、前記ポンチの成形面と前記ダイの成形面とのいずれかまたは両方に形成された凹凸によって前記鋼板と前記ポンチまたは前記ダイとの間に形成された隙間に冷媒を噴出するようにしてもよい。また、前記鋼板との接触面に凹凸が形成されている金型に形成された冷媒吸引口から前記噴出した冷媒を吸引し、排出するようにしてもよい。
また、前記部分急冷工程、前記復熱工程、及び前記成形急冷工程における所要時間を同一にしてもよい。
また、前記復熱工程は、前記鋼板を所定の処理位置に所定時間載置することにより行ってもよい。この際、少なくとも、前記鋼板に対する前記冷媒の噴出量に基づいて、前記部分急冷工程、前記復熱工程、及び前記成形急冷工程における所要時間を同一にすることができる。また、前記所定の処理位置に載置された鋼板を、非接触の加熱装置により加熱してもよい。なお、非接触の加熱装置とは、例えば、近赤外線ランプによる加熱、レーザーによる加熱や、誘導加熱といった、加熱対象物と接触することなく当該加熱対象物を加熱することができるものを指す。このように非接触の加熱装置を用いる場合には、少なくとも、前記非接触の加熱装置による加熱量に基づいて、前記部分急冷工程、前記復熱工程、及び前記成形急冷工程における所要時間を同一にすることができる。
さらに、前記鋼板の急冷される所定の部位を、その内側の急冷されない領域を巡る一続きの領域としてもよい。
また、本発明の鋼板の熱間プレス成形装置は、A変態点以上の温度に均一に加熱された平板状の鋼板の所定の部位に対して、上部冷却体を上から接触させると共に下部冷却体を下から接触させて、当該鋼板の所定の部位をマルテンサイト変態の開始温度(Ms点)以下に急冷する部分急冷ステージと、前記所定の部位が急冷された前記鋼板を所定の処理位置に載置し、前記鋼板の急冷された所定の部位をマルテンサイト変態の開始温度(Ms点)より高い温度に復熱させる復熱ステージと、ダイとポンチとを備えた急冷金型により、前記所定の部位が復熱した後の前記鋼板の成形とマルテンサイト変態の終了温度(Mf点)以下までの急冷とを同時に行う成形急冷ステージと、前記鋼板を、前記部分急冷ステージから前記復熱ステージ、前記復熱ステージから前記成形急冷ステージに順次搬送する搬送機構と、を有することを特徴としている。
ここで、前記鋼板に冷媒を供給する冷媒供給源と、前記供給された冷媒を吸引し、排出する吸引機構と、をさらに有し、前記上部冷却体の前記鋼板との接触面と、前記下部冷却体の前記鋼板との接触面とのいずれかまたは両方に、凹凸と、前記鋼板に対する冷媒の噴出口となる冷媒供給口と、噴出された冷媒の吸引および排出口となる冷媒吸引口と、が形成され、前記ポンチの成形面と前記ダイの成形面のいずれかまたは両方に、凹凸と、前記鋼板に対する冷媒の噴出口となる冷媒供給口と、噴出された冷媒の吸引口となる冷媒吸引および排出口と、が形成され、前記冷媒供給源は、前記凹凸により形成された隙間に前記冷媒を噴出するようにしてもよい。また、前記復熱ステージに、前記部分急冷ステージで急冷された所定の部位を加熱する非接触の加熱装置を設けるようにしてもよい。
本発明の鋼成形部材は、前記鋼板の熱間プレス成形方法で成形された鋼成形部材であって、前記成形された後の前記所定の部位の硬度は、その他の部位の硬度よりも、Hvで20以上小さいことを特徴としている。
本発明によれば、鋼板に対して熱間プレス成形を行うに際し、加熱時の最高到達温度を部位によって変えずに、所定の部位の硬度をその他の部位よりも低下させることができる。
図1は、本実施の形態にかかる熱間プレス成形装置の構成の概略を示す側面図である。 図2は、本実施の形態にかかる熱間プレス成形装置の構成の概略を示す平面図である。 図3は、部分急冷ステージの構成の概略を示す説明図である。 図4は、部分急冷ステージの構成の概略を示す説明図である。 図5は、本発明の適用対象となる急冷金型のダイ表面の拡大図である。 図6は、本発明の適用対象となる急冷金型のダイの説明図である。 図7は、めっき鋼板に同心円状の部分急冷部を形成した状態を示す説明図である。 図8は、本実施の形態にかかる熱間プレス成形装置をトランスファープレスに適用した場合の説明図である。 図9は、実施例に用いるめっき鋼板の説明図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は実施の形態にかかる熱間プレス成形装置1の構成の概略を示す側面図である。図2は実施の形態にかかる熱間プレス成形装置1の構成の概略を示す平面図である。
熱間プレス成形装置1は、投入ステージ(段)10と、部分急冷ステージ(段)11と、復熱ステージ(段)12と、成形急冷ステージ(段)13と、搬送機構14と、を有している。
投入ステージ(段)10は、加熱装置(図示せず)により所定の温度に加熱された平板状の鋼板(ここでは、めっき鋼板K)が投入されるステージ(段)である。部分急冷ステージ(段)11は、投入ステージ(段)10から搬送されためっき鋼板Kの所定の部位を急冷するステージ(段)である。復熱ステージ(段)12は、部分急冷ステージ(段)11で急冷されためっき鋼板Kの所定の部位を所定の温度よりも高い温度に戻す、いわゆる復熱を行うステージ(段)である。成形急冷ステージ(段)13は、復熱ステージ(段)12で復熱されためっき鋼板Kの成形と急冷とを同時に行うステージ(段)である。搬送機構14は、熱間プレス成形装置1内でめっき鋼板Kの搬送を行うものである。投入ステージ10、部分急冷ステージ11、復熱ステージ12、及び成形急冷ステージ13は、基台15の上面に、めっき鋼板Kの流れ方向H(図1のX軸の正方向(矢印の方向))に沿って順に等間隔で配置されている。基台15の上方には、上部支持体16が設けられている。上部支持体16は、後述する上スタンプ37及びポンチ62を支持している。
なお、本実施の形態におけるめっき鋼板Kは、例えば質量%でC:0.05〜0.7%、Si:0.1〜1%、Mn:0.7〜2%、P:0.003〜0.1%、S:0.003〜0.1%を含有する鋼にめっき層の厚みが30μm以下のAlを主体とするめっきを施した鋼板である。熱間プレス前の鋼板を加熱するにあたっての目標温度は850℃以上1000℃以下である。このような範囲の温度に全面が均一に加熱されためっき鋼板Kが投入ステージ10に搬送される。
投入ステージ10は、一対の支持台20を有しており、夫々の支持台20の上面には、めっき鋼板Kに予め施されたプレピアス孔Pとの間で位置決めを行うための位置決めピン21と、その上端でめっき鋼板Kを支持する支持ピン22とが設けられている。支持台20は、例えば平面視において矩形状に形成されており、その長手方向がめっき鋼板Kの流れ方向Hと一致するように基台15上に配置されている。
位置決めピン21は、例えば支持台20の中心位置に設けられている。支持ピン22は、支持台20の長手方向に沿って位置決めピン21の両側に設けられている。図2においては、一の支持台20に対して二つの支持ピン22を描図しているが、位置決めピン21及び支持ピン22の数及び配置は本実施の形態に限定されるものではない。支持ピン22の上端は、当該支持ピン22とめっき鋼板Kとの間での接触面積を減らして熱の伝達が最小限となるように、めっき鋼板Kの裏面と点接触する。そのため、支持ピン22の上端は、例えば球状に形成されている。
部分急冷ステージ11は、投入ステージ10と同様に一対の支持台30と、めっき鋼板Kの所定の部位に接触させることでめっき鋼板Kの所定の部位を急冷する冷却体としての急冷スタンプ31と、を有している。支持台30の上面には支持台20と同様の形状の位置決めピン32と支持ピン33とが夫々設けられている。一対の支持台30の下面には、平面視において例えば略U字状に一部が窪んだ略矩形状の板である台座34が設けられている。台座34と基台15との間には、荷重により鉛直方向に伸縮自在なばね体35が設けられている。支持台30の長手方向の両側であって台座34の上面には、鉛直上方に延伸する丸棒状のプッシュロッド36が設けられている。プッシュロッド36は、その上端が支持ピン33の上端よりも低くなるように形成されている。
急冷スタンプ31は、上スタンプ37と下スタンプ38とを有している。下スタンプ38の上面38aは、例えば略円盤状に形成されている。下スタンプ38の上面38aは、支持ピン33に載置されるめっき鋼板Kの下面と平行となっており、且つ、支持ピン33の上端よりも低い位置に位置している。これにより、めっき鋼板Kが支持ピン33に載置された際に、図3に示すようにめっき鋼板Kと下スタンプ38の上面38aとが接触しないようになっている。このため、めっき鋼板Kが支持ピン33上に載置されている状態では、めっき鋼板Kは急冷スタンプ31により冷却されることがない。下スタンプ38は、例えば台座34のU字状の窪みの内側であって基台15の上面に直接配置されている。
上スタンプ37は下スタンプ38の鉛直方向上方に設けられ、その下面37aは下スタンプ38と同一の形状を有している。上スタンプ37の下面37aは、支持ピン33に載置されるめっき鋼板Kの上面と平行となっている。上スタンプ37の上部は上部支持体16により支持されている。上部支持体16を昇降機構(図示せず)により鉛直方向(図1のY軸の正負の方向)に上下動させることで上スタンプ37を上下動できる。
上部支持体16の下面の位置であってプッシュロッド36に対応する位置には、上部プッシュロッド36aが鉛直方向下方に延伸して設けられている。上部支持体16を降下させて上部プッシュロッド36aによりプッシュロッド36を鉛直下方に押圧することで、ばね体35を撓ませ、台座34を下方に押し下げることができる。上部プッシュロッド36aの延伸方向の長さは、上部支持体16を降下させた際、上スタンプ37が支持ピン33上のめっき鋼板Kの上面に接触する前にプッシュロッド36の上端と接触する長さになっている。このため、上部支持体16を降下させると、先ず、上部プッシュロッド36aがプッシュロッド36を押圧して台座34を押し下げ、支持ピン33に載置されるめっき鋼板Kが台座34と共に押し下げられることで、めっき鋼板Kが下スタンプ38に対して相対的に降下する。そして、上部支持体16の降下を続けると、支持ピン33上のめっき鋼板Kが下スタンプ38の上面38aに受け渡され、次いで、図4に示すように上スタンプ37の下面37aとめっき鋼板Kの上面とが接触する。なお、本実施の形態においては、台座34は略U字状に窪んだ略矩形状の板であるが、台座34は下スタンプ38と干渉することなく上下動できるものであればどのような形状でもよく、本実施の形態に限定されるものではない。
下スタンプ38の上面38aには、例えば図5及び図6に示すように、めっき鋼板Kに対して冷媒を供給する冷媒供給口40と、供給された冷媒を吸引して排出する冷媒吸引口41と、が設けられている。冷媒吸引口41は吸引機構47に接続されている。冷媒供給口40は、下スタンプ38の内部に設けられた冷媒の流路42に連通している。流路42には冷媒供給管43が接続され、冷媒供給管43に設けられた供給弁44を開けることにより、冷媒供給源46からめっき鋼板Kに冷媒が供給される。また、下スタンプ38の上面38aには、一定の高さの独立した複数の凸部38bが形成されている。これにより、上スタンプ37の下面37aがめっき鋼板Kに接触する位置まで降下した際に、複数の凸部38bの間の凹部、即ち複数の凸部38bにより、下スタンプ38の上面38aとめっき鋼板Kとの間に形成される隙間に、冷媒供給口40から供給される冷媒を流すことができる。したがって、めっき鋼板Kの所定の部位の冷却を短時間で行える、即ち急冷することができる。冷媒供給口40から供給された冷媒は、冷媒吸引口41から吸引され下スタンプ38の外部に排出される。なお、本実施の形態の冷媒としては、例えば水などを用いることができる。
上スタンプ37の内部には、例えば図3及び図4に示すように、上スタンプ37の下面37aを冷却するための冷却管45が設けられている。上スタンプ37の下面37aをめっき鋼板Kに接触させる際に冷却管45に冷媒を供給することで、めっき鋼板Kの冷却を行える。
復熱ステージ12は、投入ステージ10と同一の構成を有しており、一対の支持台50と、支持台50の上面に設けられた位置決めピン51及び支持ピン52を有している。
成形急冷ステージ13は、めっき鋼板Kの成形及び急冷を同時に行う急冷金型60を有している。急冷金型60は下側の金型であるダイ61と、上側の金型であるポンチ62とを有している。ダイ61は、図5及び図6に示す下スタンプ38と同様の構成を有している。即ち、ダイ61は、冷媒供給口63と、冷媒供給口63から供給された冷媒を吸引して排出する冷媒吸引口64と、冷媒供給口63と連通する流路65と、流路65に接続された冷媒供給管66と、冷媒供給管66に設けられた供給弁67とを有する。
冷媒供給口63は、ポンチ62を下死点まで降下してめっき鋼板Kを熱間プレス成形する際に、めっき鋼板Kに対して冷媒を供給する。冷媒吸引口64は、下スタンプ38の冷媒吸引口41と同様に、吸引機構81に接続されている。ダイ61の成形面61aには、下スタンプ38の上面38aと同様に、一定の高さの独立した複数の凸部61bが形成されている。複数の凸部61bにより、ダイ61の成形面61aとめっき鋼板Kとの間に形成される隙間に、冷媒供給源82から冷媒供給口63を介して供給される冷媒を流し、めっき鋼板Kを急冷する。なお、図5では、表記の都合上、下スタンプ38とダイ61とを全く同じものとして示しているが、実際には、これらの形状及び大きさは異なる。
ポンチ62の内部には、上スタンプ37と同様に、ポンチ62の成形面62aを冷却するための冷却管(図示せず)が設けられている。ポンチ62の成形面62aをめっき鋼板Kに接触させる際に図示しない冷却管に冷媒を供給することで、めっき鋼板Kの冷却を行える。ポンチ62の上部は、上スタンプ37と同様に、その上部が上部支持体16により支持されている。上部支持体16を図示しない昇降機構により鉛直方向に上下動させることでポンチ62も上下動する。このため、上スタンプ37とポンチ62とは、上部支持体16が上下動することで、同期して上下動を行う構造となっている。
ダイ61には、ダイ61の内部を貫通して鉛直上方に突出し、ダイ61に対して摺動自在な位置決めピン68が設けられている。位置決めピン68は、図示しないばねを介して基台15の上面に支持されている。ポンチ62が降下して位置決めピン68を押圧することで、位置決めピン68と共にめっき鋼板Kが下方に押し下げられ、急冷金型60によりめっき鋼板Kの成形が行われる。
搬送機構14は、図2に示すように、めっき鋼板Kを把持する把持部70と、一対の搬送支持体71とを有している。一対の搬送支持体71は、把持部70を支持し駆動機構(図示せず)によりめっき鋼板Kの流れ方向H及び流れ方向Hに直交する水平方向(図2に向かって上下の方向)に沿って往復動自在に構成されている。搬送支持体71は、投入ステージ10や成形急冷ステージ13などを挟み込むように、対向して配置されている。把持部70は、例えば3つの把持部70a、70b、70cを有している。3つの把持部70a、70b、70cは、一対の搬送支持体71の各々に、めっき鋼板Kの流れ方向Hに沿って順に等間隔で設けられている。このため、搬送支持体71を図示しない駆動機構によりめっき鋼板Kの流れ方向Hと平行に往復動させることで、把持部70aは投入ステージ10から部分急冷ステージ11へ、把持部70bは部分急冷ステージ11から復熱ステージ12へ、把持部710cは復熱ステージ12から成形急冷ステージ13へと、複数のめっき鋼板Kを夫々同時に搬送可能となっている。
本実施の形態にかかる熱間プレス成形装置1は以上のように構成されており、次に本発明の熱間プレス成形の原理を簡単に説明する。
鋼材はA変態点(A transformation point;本発明における実施形態の場合、690〜720[℃])以上に加熱することでオーステナイト相の生成が始まり、A変態点(本発明における実施形態の場合、730〜890[℃])以上に加熱することでオーステナイト単相組織となる。このオーステナイトをマルテンサイトへの変態の開始温度Ms点(Martensite-transformation Starting Point)以下まで急冷する、いわゆる焼き入れ(quenching)を行うことで、硬度の高いマルテンサイト組織が鋼材に生成される。一方、例えば鋼材の温度をA変態点以上、或いはA変態点以上から、Ms点以下まで低下させた後に、鋼材を加熱して鋼材の温度をMs点以上に上昇させる、いわゆる復熱を行い、その後再び急冷して鋼材の温度をマルテンサイト変態の終了温度Mf点(Martensite-transformation finishing Point)以下とする、いわゆる焼き戻し(tempering)を行うことにより、鋼材はマルテンサイト組織より硬度が低い焼き戻しマルテンサイトを含む組織となる。
したがって、本実施の形態では、熱間プレス成形の過程において、鋼板の一部、例えば、後工程において機械加工が必要となる部位や溶接を行う部位を選択的に焼き戻して、焼き戻しマルテンサイトを含む組織を形成する。このようにすれば、例えば、後工程において機械加工の必要がある部位の加工性や溶接継手の強度を確保しつつ、それ以外の部分は要求される硬度を持つ製品(鋼成形部材)を作ることができる。次に、本実施の形態にかかる熱間プレス成形装置1によるめっき鋼板Kの熱間プレス成形の方法の一例について説明する。
先ず、加熱装置により予めA変態点以上に、全面に亘って均一に加熱されためっき鋼板Kが、図示しない受け渡し装置により投入ステージ10の支持ピン22上に載置される。支持台20に設けられているセンサが、支持ピン22上にめっき鋼板Kが載置されたことを検出すると、搬送機構14が動作を開始する。投入ステージ10に載置されためっき鋼板Kは、搬送機構14の把持部70aにより把持されて部分急冷ステージ11へ搬送され、支持ピン33上に載置される。この際、支持ピン33上に載置されためっき鋼板Kのプレピアス孔Pには、図3に示すように位置決めピン32が挿通し、めっき鋼板Kと急冷スタンプ31との相対的な位置関係がプレピアス孔Pと位置決めピン32とにより設定される。
部分急冷ステージ11へめっき鋼板Kが搬送されると、めっき鋼板Kの、例えば中心部を急冷する部分急冷工程が行われる。部分急冷工程においては、先ず、上部支持体16と共に上スタンプ37及び上部プッシュロッド36aが降下し、図3に示すように、上部プッシュロッド36aとプッシュロッド36とが接触する。この際、上スタンプ37の下面37aとめっき鋼板Kの上面とは、所定の距離離間した状態となっている。上部支持体16はこの状態からさらに降下を続け、プッシュロッド36及び台座34を介して、支持ピン33に載置されるめっき鋼板Kを下方に移動させ、支持ピン33上のめっき鋼板Kを下スタンプ38の上面38aに受け渡す。
その後、さらに上部支持体16の降下を続け、図4に示すように、上スタンプ37の下面37aによりめっき鋼板Kの上面を押圧した状態が所定時間保持される。即ち上スタンプ37の下死点の位置で上スタンプ37が所定の時間保持される。めっき鋼板Kが上スタンプ37により押圧されると同時に供給弁44が開かれ、下スタンプ38の冷媒供給口40からめっき鋼板Kに冷媒が供給される。なお、上スタンプ37内部の冷却管45には、冷媒が常時供給されている。これにより、めっき鋼板Kの上スタンプ37及び下スタンプ38と接触する部位が急冷され、部分急冷部Kcとなる。一方、上スタンプ37及び下スタンプ38と接触していない部位は、そのまま高温を保つ高温部Kaとして維持される。
部分急冷ステージ11において、めっき鋼板Kの所定の部位(上スタンプ37及び下スタンプ38と接触する部位)に所定の時間急冷を施すと、上部支持体16と共に上スタンプ37が上死点まで上昇し、部分急冷工程が終了する。部分急冷工程が終了すると、めっき鋼板Kは搬送機構14の把持部70bにより把持され、部分急冷ステージ11から復熱ステージ12へ搬送される。これと同時に、投入ステージ10にある2番目のめっき鋼板Kが部分急冷ステージ11へ搬送されると共に、3番目のめっき鋼板Kが投入ステージ10に載置される。
復熱ステージ12の支持ピン52上にめっき鋼板Kが搬送されると、めっき鋼板Kの部分急冷部Kcの温度を、Ms点以上の温度まで復熱させる復熱工程が行われる。復熱工程では、めっき鋼板Kが支持ピン52上に載置された状態で、所定時間、即ち上部支持体16が上死点と下死点との間を一往復する時間だけ、復熱ステージ12に留め置かれる。この際、めっき鋼板Kの部分急冷部Kcは、部分急冷工程において急冷されず高温を維持している部位からの熱伝達により温度が上昇し、Ms点以上の温度に復熱する。
復熱ステージ12において復熱工程が終了すると、めっき鋼板Kは搬送機構14の把持部70cにより把持され、復熱ステージ12から成形急冷ステージ13へ搬送される。
めっき鋼板Kが成形急冷ステージ13へ搬送されると、先ず、めっき鋼板Kのプレピアス孔Pとダイ61の位置決めピン68とにより、めっき鋼板Kの位置決めが行われ、ダイ61上にめっき鋼板Kが載置される。次いで、ポンチ62が下死点まで降下し、めっき鋼板Kの成形が行われる。めっき鋼板Kの成形と同時に、冷媒供給管66の供給弁67を開き、冷媒供給口63から冷媒がめっき鋼板Kに供給される。ポンチ62内部の図示しない冷却管には、冷媒が常時供給されている。これにより、めっき鋼板Kが全面に亘って急冷される。めっき鋼板Kが所定の時間急冷され、めっき鋼板Kの温度がMf点以下になると、上部支持体16と共にポンチ62が上死点まで上昇し、成形急冷工程が終了する。
成形急冷工程が終了すると、成形後のめっき鋼板Kは、例えば図示しない搬出装置によりがダイ61から取り除かれ、熱間プレス成形装置1から搬出される。この一連の熱間プレス成形が繰り返し行われる。
以上の実施の形態によれば、予めA変態点以上の温度に加熱しためっき鋼板Kの所定の部位を、マルテンサイトへの変態の開始温度(Ms点)以下の温度に急冷して部分急冷部Kcを形成する。その後、復熱ステージ12において、部分急冷部Kcを、マルテンサイトへの変態の開始温度(Ms点)よりも高い温度に復熱させる。このようにしてから、めっき鋼板Kの成形と成形面全体の急冷(マルテンサイトへの変態の終了温度(Mf点)以下の温度への急冷)とを同時に行う。したがって、復熱を行った部位を焼き戻しマルテンサイトを含む組織にすることができると共に、成形面のその他の部位をマルテンサイト組織とすることができる。このため、成形後の後工程において機械加工の必要がない部位をマルテンサイト組織とし、例えば、後工程において機械加工が必要となる部位や、後工程において溶接が必要となる部位を焼き戻しマルテンサイトを含む組織とすることができる。したがって、製品としての必要な強度を維持しつつ、後工程における加工性を確保した成形品を形成することができる。また、めっき鋼板Kは、予め全面に亘って均一に加熱されているため、めっき鋼板Kの加熱時の最高到達温度を、めっき鋼板Kの全面に亘って均一にすることができる。よって、めっきの合金化の度合いも鋼板の全面に亘って均一にすることができる。さらに、めっき鋼板Kの部分急冷工程及び復熱工程は、めっき鋼板Kが平板状の状態で行われる。よって、例えば、成形急冷工程において曲げ加工が施される部位や成形後に垂直面となる部位など、任意の位置に焼き戻しマルテンサイトを含む組織を生成することができる。したがって、設計の自由度も大きい。
また、部分急冷ステージ11において、プレピアス孔Pと位置決めピン32とによりめっき鋼板Kの位置決めを行うようにした。また、成形急冷ステージ13においても、当該プレピアス孔Pとダイ61の位置決めピン68とによりめっき鋼板Kの位置決めを行うようにした。よって、部分急冷ステージ11及び成形急冷ステージ13において、めっき鋼板Kと位置決めピン32、68との相対的な位置関係、即ち、急冷スタンプ31及び急冷金型60と、めっき鋼板Kとの相対的な位置関係がずれることがない。したがって、焼き戻しマルテンサイトを含む組織を成形品の所定の位置にきわめて正確に生成することができる。これにより、例えば、めっき鋼板Kのダイ61上での配置が何らかの理由によりずれてしまい、そのずれた状態でプレス成形されることを確実に防止できる。したがって、後工程において機械加工や溶接を行う部位に焼き戻しマルテンサイトを含む組織が生成されなくなることを確実に防止できる。よって、後工程における機械加工に支障が出たり溶接の継手強度が不足したりするといったトラブルを避けることができる。
また、以上の実施の形態によれば、下スタンプ38及びダイ61のめっき鋼板Kとの接触面である上面38aと成形面61aに凸部38b、61bが形成されている。このため、部分急冷工程及び成形急冷工程において、冷媒供給口40、63からめっき鋼板Kに対して冷媒を噴出することで、めっき鋼板Kの急冷を短時間で行うことができる。したがって、熱間プレス成形の生産性を向上させることができる。
なお、以上実施の形態では、凸部38b、61bや冷媒供給口40、63や冷媒吸引口41、64といっためっき鋼板Kの急冷を行う手段は、下部冷却体の一例である下スタンプ38やダイ61側に設けられていたが、当該手段は、上部冷却体の一例である上スタンプ37やポンチ62側に設けられていてもよい。また、当該手段は、下部冷却体の一例である下スタンプ38やダイ61側と、当該手段は、上部冷却体の一例である上スタンプ37やポンチ62側との双方に設けられていてもよい。
以上の実施の形態では、部分急冷部Kcの形状は略盤状であったが、例えば後工程での機械加工の内容に応じて急冷スタンプ31の形状を変更することで、他の任意の形状としてもよい。この場合、部分急冷部Kcを形成する急冷スタンプ31と、急冷金型60とが独立して設けられている。このため、例えば、形状は同じで、後工程における機械加工の部位のみが異なるような成形品を形成する場合には、例えば、急冷スタンプ31の形状や配置を変更するだけで対応が可能である。よって、質量が大きい急冷金型60を交換する必要がない。
また、後工程において、めっき鋼板Kの所定の部位に、例えば同心円状の孔加工を行うような場合、部分急冷部Kcの領域内に、急冷せずに高温のまま維持される高温部Ka部位を設定するようにしてもよい。具体的には、例えば図7に示すように、めっき鋼板K上に部分急冷部Kcを円環状に形成し、当該円環状の部分急冷部Kcに囲まれる領域内に、高温のまま維持される高温部Kaを残すようにしてもよい。このように、部分急冷部Kcの領域内に高温部Kaを残すことで、部分急冷部Kcと高温部Kaとの境界面、即ち部分急冷部Kcと高温部Kaとの間で熱伝達が行われる領域が大きくなる。また、加工が行われる部位、即ち図7における円環状の部分急冷部Kcのみを選択的に急冷し、部分急冷部Kcの範囲を小さくすることで、復熱に必要となる熱容量が小さくなる。したがって、効率的に部分急冷部Kcの復熱を行うことが可能となる。
以上の実施の形態では、熱間プレス形成装置1において、一枚のめっき鋼板Kを処理していたが、例えば、複数のめっき鋼板Kを同時に処理するようにしてもよい。その場合、例えば部分急冷ステージ11における、上スタンプ37の上下動を含めた部分急冷工程の所要時間と、成形急冷ステージ13における、ポンチ62の上下動を含めた成形急冷工程の所要時間、いわゆるタクトタイムが同一であれば効率がよい。このタクトタイムは、成形品の品質を満足するために必要なポンチ62の下死点での保持時間を、予め試験等により最適な条件を求めた上で決定される。しかしながら、上スタンプ37をポンチ62と上部支持体16により同期させて往復動させる場合、部分急冷工程においてめっき鋼板Kの急冷が不十分となってしまう場合が考えられる。その場合は、例えば冷媒供給口40から供給する冷媒の量を調整することで、必要な冷却を行うことが可能となる。このように、部分急冷ステージ11と成形急冷ステージ13のタクトタイムを合わせることにより、複数のめっき鋼板Kを同時に処理することができる。
複数の、例えばめっき鋼板K1〜K5を同時に処理する場合は、投入ステージ10から部分急冷ステージ11にめっき鋼板K1が搬送されるのと同時に、投入ステージ10に新たなめっき鋼板K2が投入される。次いで、めっき鋼板K1の部分急冷を終え、部分急冷ステージ11から復熱ステージ12へ搬送されるのと同時に、新たなめっき鋼板K3の投入と、めっき鋼板K2の投入ステージ10から部分急冷ステージ11への搬送が行われる。次いで、めっき鋼板K1の復熱が終了し、成形急冷ステージ13への搬送が行われるのと同時に、部分急冷ステージ11で急冷されためっき鋼板K2は、把持部70bにより、部分急冷ステージ11から復熱ステージ12へ搬送され、投入ステージ10のめっき鋼板K3は部分急冷ステージ11に搬送され、投入ステージ10には新たなめっき鋼板K4が投入される。図8に示すように、めっき鋼板K1の成形急冷工程が終了すると、成形後のめっき鋼板K1は、ダイ61から取り除かれ熱間プレス成形装置1から搬出される。それと同時に、めっき鋼板K2、K3、K4の搬送及び新たなめっき鋼板K5の投入が行われ、この一連の熱間プレス成形が繰り返し行われる。このように、各工程におけるタクトタイムを合わせることにより、本実施の形態の熱間プレス成形装置1のような、いわゆるトランスファープレス(複数の工程を経てプレス成形部品を形成するプレス方法であって、プレス機が1ストロークする毎に鋼板を次の工程に搬送するプレス方法)に適用することが可能となり、製品の生産性を向上させることができる。そして、前述したように、部分急冷工程及び成形急冷工程において、めっき鋼板Kの急冷を短時間で行うことができるので、タクトタイムを短くすることができる。よって、復熱工程で、めっき鋼板Kの高温部Kaの温度が(A変態点よりも低い温度まで)低下することを確実に実現することができる。
また、以上の実施の形態では、めっき鋼板Kの部分急冷後の復熱は、めっき鋼板Kを復熱ステージ12の支持ピン52上に載置した状態で、所定時間、例えば熱間プレス成形装置1のタクトタイムだけ、復熱ステージ12に留め置くことにより行う。しかしながら、例えば予め行う試験により、めっき鋼板Kの復熱に要する時間がタクトタイムに比べて長いことが確認された場合は、部分急冷ステージ11と復熱ステージ12との間、あるいは復熱ステージ12と成形急冷ステージ13との間に新たな復熱ステージ12を更に設けてもよい。またその反対に、めっき鋼板Kが搬送機構14により部分急冷ステージ11から復熱ステージ12へ搬送される時間のみで十分に復熱することが確認された場合は、復熱ステージ12を設けず、部分急冷ステージ11の隣に成形急冷ステージ13を配置してもよい。
なお、復熱ステージ12を更に設けた場合、熱間プレス成形装置1全体が大型化し、より大きな設置面積が必要となってしまう。この場合、例えば図1に破線で示すように復熱ステージ12にめっき鋼板Kの部分急冷部Kcを加熱するための非接触の加熱装置80を設け、復熱ステージ12においてめっき鋼板Kに対して加熱を行うようにしてもよい。このようにすれば、新たな復熱ステージ12を更に設置する必要がなくなり、熱間プレス成形装置1が大型化することを防止できる。この場合、復熱ステージ12においても、めっき鋼板Kのプレピアス孔Pと、復熱ステージ12の位置決めピン51により、めっき鋼板Kと加熱装置80との相対的な位置関係が保たれるので、加熱装置80により正確に部分急冷部Kcの復熱を行うことができる。また、加熱装置80を設けることで、めっき鋼板Kの保有熱量が十分でなく、復熱ステージ12を追加するだけではめっき鋼板Kの復熱が十分に行えない場合、具体的にはめっき鋼板Kの厚みが薄い場合などにも対応することが可能となる。なお、加熱装置80としては、短時間で加熱が可能な近赤外線ランプを用いることが好ましいが、非接触による加熱方式であれば、何でもよく、例えばレーザー加熱や誘導加熱なども用いることができる。そして、少なくとも、加熱装置80によるめっき鋼板Kの加熱量、または、下スタンプ38及びダイ61の少なくともいずれか一方における冷媒の供給量を変えることにより、各工程におけるタクトタイムを合わせることができる。
また、部分急冷部Kcの復熱に要する時間や熱容量、即ち復熱を行うために必要な復熱ステージ12の設置数(段数)であったり、加熱装置80の要否及び熱容量を決定したりする方法としては、予め行われる試験の他に、計算により求めることも可能である。
計算により求める方法について簡単に説明する。例えば、図9に示ように長さA、幅B、厚みtの平板状のめっき鋼板Kの中央部に幅δで矩形の領域を部分急冷部Kcを形成するとする。また、この場合において、めっき鋼板Kの初期の温度をTi、部分急冷工程における部分急冷部Kcの温度をTc1、部分急冷部Kcの復熱時の最高到達温度をTc2、とする。そうすると、部分急冷部Kcの温度を一旦Tc1まで急冷した後にTc2まで復熱させるのに必要な熱容量Qr[J]は、以下の(1)式より求めることができる。
Qr=(Tc2−Tc1)・ρ・Cm・δ・t・A・B ・・・(1)
但し、ρはめっき鋼板Kの比重[kg/m]、Cmはめっき鋼板Kの比熱[J/kg・K]、TiはA1変態点以上の温度[K]、Tc1はMs点以下の温度[K]、Tc2はMs点より高い温度[K]である。A、B、t、δは、前述したように、それぞれ、めっき鋼板Kの長さ[m]、幅[m]、厚み[m]、部分急冷部Kcの幅[m]である。
一方、部分急冷部Kcが一旦Tc1まで冷却された後に、部分急冷部Kc以外の高温の部分からの熱伝達により部分急冷部Kcの復熱に用いられる熱量Qλ[J]は、以下の(2)式の通り表される。
Qλ=f(λ,Ti1,Tc1,δ,Sr) ・・・(2)
但し、λはめっき鋼板Kの熱伝導率[W/m・K]、Ti1は部分急冷部Kcの温度がTiからTc1になった時点での部分急冷部Kcの周囲の温度[K]、Srはめっき鋼板Kの温度が一旦Tc1まで冷却された後に、Tc2まで復熱するために必要な時間[sec]である。
このとき、Srは以下の(3)式の通り表される。
Sr=(St−Sh)+N・St ・・・(3)
但し、Stは熱間プレス成形装置1のタクトタイム[sec]、Shは部分急冷ステージ11及び成形急冷ステージ13における下死点保持時間[sec]、Nは復熱ステージ12のステージ数[−]である。
ここで、部分急冷部Kcの温度をTc2以上に復熱させるためには、以下の(4)式の関係を満足するようなTi1、δ、Srを選択すればよい。
Qr≦Qλ ・・・(4)
また、復熱ステージ12に加熱装置80を設け、めっき鋼板Kの復熱を部分急冷部Kc以外の部分からの熱伝達と併用して行う場合には、加熱装置80による部分冷却部Kcへの入熱量QLは以下の(5)式より求めることができる。また、部分急冷部Kcの温度をTc2以上に復熱させるためには、以下の(6)式を満足するようにQLを設定すればよい。
QL=f(qL,C,N,SL) ・・・(5)
Qr≦Qλ+QL ・・・(6)
但し、qLは加熱装置80の入熱密度[W/m]、Cは加熱装置80の加熱幅[m]、SLは加熱装置80による加熱時間[sec]である。
上記の計算方法は、部分急冷部Kcが矩形状の場合を参考にして説明したが、部分急冷部Kcが円状や同心円状といった他の任意の形状であっても同様の計算方法を適用することができる。その場合には、部分急冷部Kcの大きさや形状に応じてQr、Qλ、QLを求めればよい。
実施例として、熱間プレス成形装置1を用いてめっき鋼板Kに対して熱間プレス成形を行い、復熱温度と硬度の確認試験を行った。確認試験の結果を表1に示す。ここでは、部分急冷部Kcの幅δ、めっき鋼板Kの板厚t、復熱ステージ12のステージ数N、及び復熱ステージ12での加熱装置80による加熱の有無を変化させて確認試験を行った。相対的に硬度の低いめっき鋼板Kとして、0.2質量%のCと、微量のMn、B、Siとを含有する鋼に、80g/mのAlを主体とするめっきを施したもの(実施例1〜6)を用いた。また、相対的に硬度の高いめっき鋼板Kとして、0.3質量%のCと、微量のMn、B、Siとを含有する鋼に、80g/mのAlを主体とするめっきを施したもの(実施例7〜11)を用いた。めっき鋼板Kの初期の温度Tiを950℃、部分冷却部Kcの急冷時の温度Tc1を400℃未満、部分急冷部Kcの温度がTiからTc1になった時点での部分急冷部Kcの周囲の温度Ti1を800℃とした。加熱装置80としては、近赤外線の加熱ランプを用いた。
Figure 2010150683
表1に示すように、ここでは、下死点保持時間を2秒、タクトタイムを5秒とした。部分冷却部Kcの復熱が適切に行われた場合、即ち部分急冷部Kcの温度がマルテンサイト変態の開始温度Ms点より高い温度に戻った場合、復熱温度の欄に○を記入し、そうでない場合、復熱温度の欄に×を記入した。また、部分急冷部Kc以外、即ち高温部Kaの硬度が450Hvで、且つ部分急冷部Kcの硬度が高温部Kaの硬度より20Hv以上軟らかく(小さく)なる場合を良好とし、硬度の評価の欄に○を記入し、そうでない場合を不良とし、硬度の評価の欄に×を記入した。
また、比較用の従来技術として、部分急冷工程後に、復熱を行わずに成形急冷工程を行った場合についても、復熱温度と硬度の確認試験を行った。具体的には、従来技術Aは、復熱ステージ12の段数を零、即ち復熱ステージを有しない熱間プレス成形装置を用いた場合の確認試験の結果を示す。一方、従来技術Bは、熱間プレス成形装置1を用いて板厚tが薄いめっき鋼板Kを熱間プレス成形した場合の確認試験の結果を示す。従来技術A、Bでは、実施例1〜6と同様に、めっき鋼板Kとして、0.2質量%のCと、微量のMn、B、Siとを含有する鋼に、80g/mのAlを主体とするめっきを施したものを用いた。
従来技術においては、めっき鋼板Kの復熱が十分に行われていないため、部分急冷部Kcの硬度が所望の値まで低下していない。従来技術Aにおいては、復熱ステージ12を設けていないため部分急冷部Kcの復熱が不十分となる。その結果、部分急冷部Kcの温度がMs点より高い温度に戻りきらない、即ち部分急冷部Kcの焼き戻しが行われないまま、成形急冷ステージ13において部分急冷部Kcを含むめっき鋼板K全体の急冷が行われる。このため、めっき鋼板Kの全体に亘って焼き入れが行われてしまう。このことが原因で、部分急冷部Kcの硬度と高温部Kaの硬度との差がHvで20未満となる。従来技術Bにおいては、めっき鋼板Kの板厚tが薄いため、めっき鋼板Kの保有熱量が十分でなく、復熱ステージ12にめっき鋼板Kを載置するだけではめっき鋼板Kの復熱が十分に行えない。このことが原因で、部分急冷部Kcの硬度と高温部Kaの硬度との差がHvで20未満となる。
これに対して、実施例1〜3においては、復熱ステージ12において部分急冷部Kcの焼き戻しが確実に行われ、これにより、いずれも良好な結果が得られた(部分急冷部Kcの硬度を高温部Kaの硬度よりもHvで20以上小さい値にすることができた)。他方、実施例4においては、従来技術Bと同様に板厚tを薄くしているが、復熱ステージ12に加熱装置80を設けることで、部分急冷部Kcの復熱が十分に行われるようになる。このため、部分急冷部Kcの硬度を所望の値(高温部Kaの硬度よりもHvで20以上小さい値)とすることができることが確認できた。
また、実施例5は、従来技術Aと同様に復熱ステージ12を有していない熱間プレス成形装置によるものであるが、実施例5は従来技術Aと比較して部分急冷部Kcの幅δが小さいため、復熱に要する時間が短くてすむ。したがって、実施例5においては、搬送機構14によりめっき鋼板Kが部分急冷ステージ11から成形急冷ステージ13に搬送される間に部分急冷部Kcの復熱が行われ、部分急冷部Kcの硬度を所望の値とすることができた。また、実施例6においては、板厚tを厚くしても良好な結果が得られた(部分急冷部Kcの硬度を高温部Kaの硬度よりもHvで20以上小さい値にすることができた)。
実施例7〜11は、それぞれ実施例1〜5に対応するものである。鋼におけるCの含有量を増やしてめっき鋼板Kの硬度を高く(大きく)しても、良好な結果が得られた(部分急冷部Kcの硬度を高温部Kaの硬度よりもHvで20以上小さい値にすることができた)。
本発明は、鋼板を連続的に熱間プレス成形する際に有用である。
前記の目的を達成するため本発明の鋼板の熱間プレス成形方法は、A1変態点以上の温度に加熱された鋼板の成形及び焼き入れを同時に行う鋼板の熱間プレス成形において、A1変態点以上の温度に均一に加熱された平板状の鋼板を成形し、当該鋼板の成形面の全体を冷却する前に、当該鋼板の成形面の一部である所定の部位をマルテンサイト変態の開始温度(Ms点)以下に急冷する部分急冷工程と、前記鋼板の急冷された所定の部位をマルテンサイト変態の開始温度(Ms点)より高い温度に戻す復熱工程と、前記鋼板の復熱を行った後に、当該鋼板の成形と、当該鋼板の成形面の全体に対するマルテンサイト変態の終了温度(Mf点)以下までの急冷とを同時に行う成形急冷工程と、を有することを特徴としている。
本発明によれば、A1変態点以上の温度に加熱された鋼板を成形する前に、当該鋼板の成形面の一部である所定の部位に急冷及び復熱を施し、その後、当該鋼板の成形と急冷とを同時に行う。したがって、復熱を行った部位を焼き戻しマルテンサイトを含む組織に、その他の部位をマルテンサイト組織とすることができる。このため、後工程において機械加工が必要となる部位や溶接を行う部位を焼き戻しマルテンサイトを含む組織とすることができる。よって、成形品全体としては必要な強度を維持しつつ、後工程における加工性や溶接継手の強度などを確保した成形品を形成することができる。また、鋼板の部分急冷工程及び復熱工程は、鋼板が平板状の状態で行われるので、例えば、プレス成形により曲げ加工が施される部位や、成形後に垂直面となる部位など、任意の位置に焼き戻しマルテンサイトを含む組織を生成することができる。したがって、設計の自由度も大きい。さらに、鋼板は予め所定の温度に均一に加熱されているため、鋼板としてめっき鋼板を用いた場合でも、めっきの合金化の度合いを鋼板の全面に亘って均一にすることができる。
ここで、前記部分急冷工程と復熱工程と成形急冷工程においては、それらの工程における前記鋼板の相対的な位置関係が同じになるように、当該鋼板を位置決めしてもよい。
また、前記部分急冷工程は、上部冷却体を、前記鋼板の前記所定の部位に対して上から接触させると共に、下部冷却体を、前記鋼板の前記所定の部位に対して下から接触させ、前記上部冷却体の前記鋼板との接触面と、前記下部冷却体の前記鋼板との接触面とのいずれかまたは両方に形成された凹凸によって前記鋼板と前記上部冷却体または前記下部冷却体との間に形成された隙間に冷媒を噴出するようにしてもよい。また、前記鋼板との接触面に凹凸が形成されている冷却体に形成された冷媒吸引口から前記噴出した冷媒を吸引し、排出するようにしてもよい。
ここで、前記部分急冷ステージと復熱ステージと成形急冷ステージにおいては、それらのステージにおける前記鋼板の相対的な位置関係が同じになるように、当該鋼板の位置決めを行うようにしてもよい。
また、前記鋼板に冷媒を供給する冷媒供給源と、前記供給された冷媒を吸引し、排出する吸引機構と、をさらに有し、前記上部冷却体の前記鋼板との接触面と、前記下部冷却体の前記鋼板との接触面とのいずれかまたは両方に、凹凸と、前記鋼板に対する冷媒の噴出口となる冷媒供給口と、噴出された冷媒の吸引および排出口となる冷媒吸引口と、が形成され、前記ポンチの成形面と前記ダイの成形面のいずれかまたは両方に、凹凸と、前記鋼板に対する冷媒の噴出口となる冷媒供給口と、噴出された冷媒の吸引口となる冷媒吸引および排出口と、が形成され、前記冷媒供給源は、前記凹凸により形成された隙間に前記冷媒を噴出するようにしてもよい。また、前記復熱ステージに、前記部分急冷ステージで急冷された所定の部位を加熱する非接触の加熱装置を設けるようにしてもよい。

Claims (15)

  1. 変態点以上の温度に加熱された鋼板の成形及び焼き入れを同時に行う鋼板の熱間プレス成形において、
    変態点以上の温度に均一に加熱された平板状の鋼板を成形する前に、当該鋼板の所定の部位をマルテンサイト変態の開始温度以下に急冷する部分急冷工程と、
    前記鋼板の急冷された所定の部位をマルテンサイト変態の開始温度より高い温度に戻す復熱工程と、
    前記鋼板の復熱を行った後に、当該鋼板の成形とマルテンサイト変態の終了温度以下までの急冷とを同時に行う成形急冷工程と、を有することを特徴とする、鋼板の熱間プレス成形方法。
  2. 前記部分急冷工程は、上部冷却体を、前記鋼板の前記所定の部位に対して上から接触させると共に、下部冷却体を、前記鋼板の前記所定の部位に対して下から接触させ、前記上部冷却体の前記鋼板との接触面と、前記下部冷却体の前記鋼板との接触面とのいずれかまたは両方に形成された凹凸によって前記鋼板と前記上部冷却体または前記下部冷却体との間に形成された隙間に冷媒を噴出することを特徴とする、請求項1に記載の鋼板の熱間プレス成形方法。
  3. 前記部分急冷工程は、前記上部冷却体と前記下部冷却体とのうち、前記鋼板との接触面に凹凸が形成されている冷却体に形成された冷媒吸引口から前記噴出した冷媒を吸引し、排出することを特徴とする、請求項2に記載の鋼板の熱間プレス成形方法。
  4. 前記成形急冷工程は、ポンチとダイとを用いて、前記鋼板を上下からプレスすると共に、前記ポンチの成形面と前記ダイの成形面とのいずれかまたは両方に形成された凹凸によって前記鋼板と前記ポンチまたは前記ダイとの間に形成された隙間に冷媒を噴出することを特徴とする、請求項3に記載の鋼板の熱間プレス成形方法。
  5. 前記成形急冷工程は、前記ポンチと前記ダイとのうち、前記鋼板との接触面に凹凸が形成されている金型に形成された冷媒吸引口から前記噴出した冷媒を吸引し、排出することを特徴とする、請求項4に記載の鋼板の熱間プレス成形方法。
  6. 前記部分急冷工程、前記復熱工程、及び前記成形急冷工程における所要時間を同一にすることを特徴とする、請求項5に記載の鋼板の熱間プレス成形方法。
  7. 前記復熱工程は、前記鋼板を所定の処理位置に所定時間載置することにより、前記鋼板の急冷された所定の部位をマルテンサイト変態の開始温度より高い温度に戻すことを特徴とする、請求項6に記載の鋼板の熱間プレス成形方法。
  8. 少なくとも、前記鋼板に対する前記冷媒の噴出量に基づいて、前記部分急冷工程、前記復熱工程、及び前記成形急冷工程における所要時間を同一にすることを特徴とする、請求項7に記載の鋼板の熱間プレス成形方法。
  9. 前記復熱工程は、前記所定の処理位置に所定時間載置された鋼板を、非接触の加熱装置により加熱することを特徴とする、請求項7に記載の鋼板の熱間プレス成形方法。
  10. 少なくとも、前記非接触の加熱装置による加熱量に基づいて、前記部分急冷工程、前記復熱工程、及び前記成形急冷工程における所要時間を同一にすることを特徴とする、請求項9に記載の鋼板の熱間プレス成形方法。
  11. 前記鋼板の急冷される所定の部位は、その内側の急冷されない領域を巡る一続きの領域であることを特徴とする、請求項1に記載の鋼板の熱間プレス成形方法。
  12. 変態点以上の温度に均一に加熱された平板状の鋼板の所定の部位に対して、上部冷却体を上から接触させると共に下部冷却体を下から接触させて、当該鋼板の所定の部位をマルテンサイト変態の開始温度以下に急冷する部分急冷ステージと、
    前記所定の部位が急冷された前記鋼板を所定の処理位置に載置し、前記鋼板の急冷された所定の部位をマルテンサイト変態の開始温度より高い温度に復熱させる復熱ステージと、
    ダイとポンチとを備えた急冷金型により、前記所定の部位が復熱した後の前記鋼板の成形とマルテンサイト変態の終了温度以下までの急冷とを同時に行う成形急冷ステージと、
    前記鋼板を、前記部分急冷ステージから前記復熱ステージ、前記復熱ステージから前記成形急冷ステージに順次搬送する搬送機構と、を有することを特徴とする鋼板の熱間プレス成形装置。
  13. 前記鋼板に冷媒を供給する冷媒供給源と、
    前記供給された冷媒を吸引し、排出する吸引機構と、をさらに有し、
    前記上部冷却体の前記鋼板との接触面と、前記下部冷却体の前記鋼板との接触面とのいずれかまたは両方に、凹凸と、前記鋼板に対する冷媒の噴出口となる冷媒供給口と、噴出された冷媒の吸引および排出口となる冷媒吸引口と、が形成され、
    前記ポンチの成形面と前記ダイの成形面のいずれかまたは両方に、凹凸と、前記鋼板に対する冷媒の噴出口となる冷媒供給口と、噴出された冷媒の吸引および排出口となる冷媒吸引口と、が形成され、
    前記冷媒供給源は、前記凹凸により形成された隙間に前記冷媒を噴出することを特徴とする、請求項12に記載の鋼板の熱間プレス成形装置。
  14. 前記復熱ステージには、前記部分急冷ステージで急冷された所定の部位を加熱する非接触の加熱装置が設けられていることを特徴とする、請求項13に記載の鋼板の熱間プレス成形装置。
  15. 請求項1に記載の鋼板の熱間プレス成形方法で成形された鋼成形部材であって、
    前記成形された後の前記所定の部位の硬度は、その他の部位の硬度よりも、Hvで20以上小さいことを特徴とする、鋼成形部材。
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