JPWO2010150356A1 - 光アクセスシステム、局側終端装置および加入者側終端装置 - Google Patents

光アクセスシステム、局側終端装置および加入者側終端装置 Download PDF

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Abstract

OLT1と、ONU2(2−1〜2−m)と、で構成される光アクセスシステムであって、OLT1は、下り信号にCPを挿入するCP挿入部10と、ONU2から受信した上り信号からCPを除去するCP除去部11と、上りCP除去信号に対してONU2までの伝送路特性の逆特性に基づいて周波数領域等化方式による等化処理を行うFFT部13、EQ部14および逆FFT部15と、を備え、ONU2は、上り信号に対してCPを挿入するCP挿入部10と、受信した下り信号からCPを除去するCP除去部11と、下りCP除去信号に対して保持しているOLT1までの伝送路特性の逆特性に基づいて周波数領域等化方式による等化処理を行うFFT部13、EQ部14および逆FFT部15と、を備える。

Description

本発明は、光ファイバを用いて通信を行う光アクセスシステム、局側終端装置および加入者側終端装置に関する。
近年のインターネット普及に伴い、アクセスネットワークには高速化が求められるが、光信号の伝送速度の上昇により、伝達後の信号が光ファイバの分散(波長分散など)により劣化するという課題が生じている。その課題を解決する手法として、分散補償ファイバや分散シフトファイバの使用や、たとえば、下記特許文献1に記載されているように、終端装置に時間領域での電気分散補償回路を適用する技術が研究されている。
特開2008−312072号公報
しかしながら、上記従来の分散補償ファイバや分散シフトファイバを使用する技術では、光ファイバ自体のコストや設置コストが増加する、という問題がある。さらに、全ての加入者側終端装置に対して分散が0になるようにファイバを配しなければならず、ネットワークの設計が煩雑になる、という問題がある。
また、上記従来の終端装置に電気分散補償回路を適用する技術では、時間領域での電気分散補償としては、たとえば、FFE(Feed Forward Equalization)やDFE(Decision Feedback Equalization)が良く知られており、それらはタップ係数を変化させることで補償する分散量を変化させることができる。そのため、経路の違いによるタップ数の変化やタップ数の増加に対応する処理能力が必要となり、回路規模が増大、メモリの増加が生じ、コストが増加する、という問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、光ファイバの分散を補償し、かつ、コストを抑えることができる光アクセスシステム、局側終端装置および加入者側終端装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、局側終端装置と、加入者側終端装置と、で構成される光アクセスシステムであって、前記局側終端装置は、前記加入者側終端装置へ送信する下り信号に対してCyclic Prefixを挿入し、Cyclic Prefix挿入後の信号を加入者側終端装置へ送信する局側CP挿入手段と、前記加入者側終端装置から受信した上り信号からCyclic Prefixを除去した上りCP除去信号を生成する局側CP除去手段と、前記上りCP除去信号に対して、あらかじめ保持している加入者側終端装置までの伝送路特性の逆特性に基づいて周波数領域等化方式による等化処理を行う局側等化処理手段と、を備え、前記加入者側終端装置は、前記局側終端装置へ送信する上り信号に対してCyclic Prefixを挿入し、Cyclic Prefix挿入後の信号を局側終端装置へ送信する加入者側CP挿入手段と、前記局側終端装置から受信した下り信号からCyclic Prefixを除去した下りCP除去信号を生成する加入者側CP除去手段と、前記下りCP除去信号に対して、あらかじめ保持している局側終端装置までの伝送路特性の逆特性に基づいて周波数領域等化方式による等化処理を行う加入者側等化処理手段と、を備えることを特徴とする。
本発明にかかる等化回路は、OLTとONUの通信で、送信側がCP挿入処理を行い、受信側がSC−FDE方式による等化処理を実施するようにしたので、光ファイバの分散を補償し、かつ、コストを抑えることができる、という効果を奏する。
図1は、実施の形態1の光アクセスシステムの構成例を示す図である。 図2は、実施の形態1のSC−FDE方式による等化処理の流れの一例を示す図である。 図3は、Er(n)を示す図である。 図4は、実施の形態2の光アクセスシステムの構成例を示す図である。 図5は、実施の形態2のSC−FDE方式による等化処理の流れの一例を示す図である。
以下に、本発明にかかる光アクセスシステム、局側終端装置および加入者側終端装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる光アクセスシステムの実施の形態1の構成例を示す図である。図1に示すように、本実施の形態の光アクセスシステムは、局側終端装置(OLT:Optical Line Terminal)1と、加入者宅終端装置(ONU:Optical Network Unit)2−1,2−2と、光合分波器4と、で構成されるPON(Passive Optical Network)システムである。OLT1は、ONU2−1〜2−m(mは2以上の整数)と光ファイバ3と光合分波器4を介して接続されている。本実施の形態の光アクセスシステムは、たとえば、高分散耐力化、大容量化および長距離化した、伝送速度100Gbps、伝送距離〜20km等の超高速通信や長距離通信への適用が考えられる。
OLT1は、送受信される光信号を合分波するWDM(Wavelength Division Multiplexing)フィルタ5と、光送信器(Tx(Transmitter))6と、バースト光受信器(バーストRx(Receiver))7と、OLT送信側SC−FDE(Single−Carrier modulation with Frequency Domain Equalization)デジタル処理部8と、OLT受信側SC−FDEデジタル処理部9と、で構成される。
また、ONU2−1は、WDMフィルタ5と、バースト光送信器(バーストTx)21と、光受信器(Rx)22と、ONU送信側SC−FDEデジタル処理部23と、ONU受信側SC−FDEデジタル処理部24と、で構成される。ONU2−2〜2−mもONU2−1と同様の構成とする。
本実施の形態では、SC−FDE方式による等化処理を実施する。SC−FDE方式とは、単一搬送波を利用しながら、これまで一般的だった時間領域ではなく、周波数領域での等化を行うことを特徴とする方式である。同じく周波数領域等化を用いるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式では多数の搬送波を用いることで、ピーク電力と平均電力の比(PAPR(Peak to Average Power Ratio))が大きくなり増幅器の消費電力が大きくなるのに対し、SC−FDE方式では、単一周波数を用いることで消費電力の増加を押さえつつ帯域幅を拡大することができる。
具体的には、SC−FDE方式では、送信部が、Cyclic Prefixというフレーム終端部にある複数のデータ・シンボルをブロックの先端部にコピーして加えるデジタル処理を行う。そして、受信部が、Cyclic Prefixを除去した受信信号ブロックに対して離散フーリエ変換を行い直交周波数に分解し、分解後の各周波数成分の信号に対して、チャネルの逆特性を乗算して等化、離散フーリエ逆変換のデジタル処理を行うことで、時間領域の元の信号を得ることができる。
つぎに、本実施の形態のデジタル処理部の構成を説明する。OLT1のOLT送信側SC−FDEデジタル処理部8とONU2−1のONU送信側SC−FDEデジタル処理部23と、は、送信側のSC−FDEの処理を実施するため、同様の構成である。また、OLT受信側SC−FDEデジタル処理部9と、ONU受信側SC−FDEデジタル処理部24と、は、受信側のSC−FDEの処理を実施するため、同様の構成である。
OLT1のOLT送信側SC−FDEデジタル処理部8およびONU2−1のONU送信側SC−FDEデジタル処理部23は、信号にCyclic Prefix(CP)を付加(CP挿入)する回路であるCP挿入部10を備える。
OLT受信側SC−FDEデジタル処理部9およびONU2−i(i=1,2,…,m)のONU受信側SC−FDEデジタル処理部24は、受信した信号に付加されているCyclic Prefixを除去(CP除去)する回路であるCP除去部11と、CP除去後の信号をシリアルからパラレルに変換する回路であるS/P(Serial/Parallel)部12と、パラレル信号を離散フーリエ変換により直交周波数分解する回路であるFFT(Fast Fourier Transform)部13と、を備える。さらに、OLT受信側SC−FDEデジタル処理部9およびONU2−iのONU受信側SC−FDEデジタル処理部24は、分解された周波数成分を受信した信号の伝送路(ONU2−iからOLT1までの伝送路、または、OLT1からONU2−iまでの伝送路)の逆特性を用いて等化する等化器であるEQ部14と、離散フーリエ逆変換により等化後の信号を時間領域の信号へと変換する回路である逆FFT部15と、パラレルな信号をシリアルへと変換する回路であるP/S(Parallel/Serial)部16と、を備える。
つぎに、本実施の形態の動作について説明する。まず、OLT1からONU2−iへの通信について説明する。OLT1では、まず、送信信号が、OLT送信側SC−FDEデジタル処理部8に入力される。OLT送信側SC−FDEデジタル処理部8のCP挿入部10は、送信信号にCPを挿入する。なお、CPの挿入とは、信号ブロックの終りの部分をコピーし、信号の始めに挿入することを示す。このCP挿入により、受信時に遅延波が存在する場合でも、その遅延が最大でCPの長さまで、受信される信号は周期性が確保されると同時に、符号間干渉(ISI(Inter−Symbol Interference)を防ぐことができる。
OLT送信側SC−FDEデジタル処理部8は、CP挿入後の送信信号を光送信器6へ出力する。光送信器6は、入力された送信信号を電気信号から光信号へ変換して、WDMフィルタ5へ出力し、WDMフィルタ5経由でONU2−1〜nへ向けて送信する。そして、カプラ4が、WDMフィルタ5から出力された光信号を分岐し、分岐した信号が各ONU2−1〜2−mに光ファイバ3を経由して入力される。
ONU−iでは、光受信器22が、光ファイバ3およびWDMフィルタ5を経由してOLT1から受信した光信号を電気信号へ変換する。ONU受信側SC−FDEデジタル処理部24は、変換された電気信号に対して、まず、CP除去部11が、送信側で挿入されたCPを除去し、S/P部12が、CP除去後のシリアル信号をパラレル信号に変換する。FFT部3は、パラレル信号を直交周波数成分へ分解し、EQ部14が、分解された信号の各周波数成分に対してOLT1からONU2−iの間の伝送路の逆特性を用いて等化処理を行う。
なお、PONシステムの固定網では、システムが一度敷設されると、OLT1から各ONU2−1〜2−mまでの伝送路はそれぞれ一意に決定され、伝送路特性が変化することは無い。したがって、ONU2−1〜2−mは、自身を収容するOLT1から自身までの受信波長の経路情報をあらかじめ保持しておくことで、OLT1からの受信信号に対して常に同じ等化処理を行うことができる。
そして、逆FFT部15が、等化処理後の信号を時間領域の信号へ変換し、P/S部16が、時間領域に変換されたパラレル信号をシリアル信号へ変換し、OLT1から送信された元の信号を取り出すことができる。
つぎに、ONU2−iからOLT1への通信について説明する。まず、送信信号が、ONU送信側SC−FDEデジタル処理部23に入力される。ONU送信側SC−FDEデジタル処理部23のCP挿入部10は、送信信号にCPを挿入し、CP挿入後の送信信号を光送信器6へ出力する。バースト光送信器6は、入力された送信信号を電気信号からバースト光信号へ変換して、WDMフィルタ5へ出力し、WDMフィルタ5経由でOLT1へ向けて送信する。そして、OLT1は、WDMフィルタ5から出力されたバースト光信号を、光ファイバ3およびカプラ4を経由して受信する。
OLT1のバースト光受信器7は、WDMフィルタ5経由でONU2−iから受信した信号を光信号から電気信号へ変換する。OLT1のOLT受信側SC−FDEデジタル処理部9は、ONU2−iのONU受信側SC−FDEデジタル処理部24と同様の処理を行うが、この際、EQ部14は、ONU2−iからOLT1の間の伝送路逆特性を用いて等化処理を行う。前述のように、PONシステムでは、システムが一度敷設されると、伝送路が一意に決定する固定網であるため、OLT1は、自身が収容する全てのONU2−1〜2−mまでのそれぞれの伝送路特性をあらかじめ保持し、受信した信号の送信元のONUに対応する伝送路特性に基づいて適切な伝送路逆特性を乗算して等化することができる。
つぎに、本実施の形態の等化処理の実現方法の一例を述べる。図2は、本実施の形態のSC−FDE方式による等化処理の流れの一例を示す図である。ブロック伝送方式のn番目のブロック信号を送信信号s(n)とすると、送信信号s(n)は、下記式(1)で示すように、M個の要素を持つ行列で表すことができる。
Figure 2010150356
この信号にK個のCyclic Prefixを付加する処理Tcpを施す(行列Tcpを乗算する)ことで、下記式(2)で示すように、s(n)の要素のうち[sM-K(n)〜sM-1(n)]を信号の先頭に付加し、Q(=M+K)個の要素を持つ送信ブロックs(上付きバー)(n)を生成することができる。
Figure 2010150356
伝送路通過後の受信ブロックをr(上付きバー)(n)と表す(要素は[r(上付きバー)0〜r(上付きバー)Q])とする。ここで、伝送路の特性として、任意の受信シンボルrxはL(≦K)個前までの送信シンボルsxからの影響を受けるとすると、受信シンボルr(上付きバー)xは、以下の式(3)で表すことができる。
Figure 2010150356
したがって、受信ブロックr(上付きバー)(n)は、(n−1)番目のブロック信号から与えられるブロック間干渉、および同じブロック内の信号からの影響を用いて、以下の式(4)で表すことができる。
Figure 2010150356
そして、以下の式(5)に示すように、r(上付きバー)(n)にCP除去を行うための処理Rcpを施す(行列Rcpを乗算する)ことにより、M個の要素を持つ受信信号r(n)を求めることができる。
Figure 2010150356
このように、Rcpの処理により、n−1番目以前からのブロック信号の影響を取り除くことができる。このように、Rcpの処理を経て、以下の式(6)に示すように、r(n)に対してFDE等化処理E(行列Eの乗算)が行われ、FDE等化処理結果Er(n)を得る。
Er(n)=E Rcp0cp s(n)=s(n) …(6)
なお、図2に示すように、CP挿入からCP除去までの行列表現は、巡回行列で表すことができる。巡回行列にはいくつかの特徴があるが、ここでは、巡回行列が離散フーリエ変換によって対角化される特徴を用いる。この特徴を用いると、CP挿入からCP除去までの処理は、図2の(2)の左側に示したように、FFT演算を表す行列FFTと、対角行列Aと、行列FFTのユニタリ行列FFTH(=FFT-1)行列と、の積で表すことができる。
さらに、逆行列の巡回行列の逆行列が巡回行列であることを利用し、本実施の形態のFDE処理(等化処理E)を、CP挿入からCP除去までの逆行列処理とすると、FDE処理は、行列FFTと、対角行列Aの逆行列A-1と、FFTの逆行列FFT-1と、の積で表すことができる。
図3は、Er(n)を示す図である。図3は、上記式(6)の変形過程を、上記の巡回行列を用いて図示している。したがって、送信信号s(n)に対して施された、CP挿入から等化処理までの全ての処理が打ち消しあい、元の信号s(n)を得ることができる。なお、等化処理を行うEQ部14は、伝送経路の情報として、図2の(2)に示す行列A-1が既知であれば、送られた信号の再現が可能となる。
なお、本実施の形態では、上記のように、SC−FDE方式による等化処理(FDE処理)を、FFT部13、EQ部14および逆FFT部15で実施しており、FFT部13、EQ部14および逆FFT部15をSC−FDE等化処理手段と考えることができる。
PONシステムでは、通信路が一意に決まっているため、SC−FDE方式を適用する場合、一度等化処理を行うと、後は同一の処理を繰り返せばよいという利点がある。さらに、時間領域での等化処理を行う場合に比べて必要なメモリ数を抑えることができる。
このように、本実施の形態では、OLT1とONU2−1〜2−mの通信で、送信側がCP挿入処理を行い、受信側がSC−FDE方式による等化処理を実施するようにした。そのため、光ファイバの分散を補償し、かつ、時間領域での等化処理を行う場合に比べて、処理を簡素化し、必要なメモリ数を抑えることができ、コストを抑えることができる。
実施の形態2.
図4は、本発明にかかる光アクセスシステムの実施の形態2の構成例を示す図である。図4に示すように、本実施の形態の光アクセスシステムは、実施の形態1の光アクセスシステムのOLT1をOLT1aに替え、ONU2−1〜2−mをONU2a−1〜2a−mに替える以外は、実施の形態1の光アクセスシステムと同様である。実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は、実施の形態1と同一の符号を付して説明を省略する。
OLT1aは、実施の形態1のOLT1のOLT送信側SC−FDEデジタル処理部8をそれぞれOLT送信側SC−FDEデジタル処理部8aに替える以外は、実施の形態1のOLT1と同様である。また、ONU2−i(i=1,2,…,m)は、実施の形態1のONU2−iのONU受信側SC−FDEデジタル処理部24をONU受信側SC−FDEデジタル処理部24aに替える以外は、実施の形態1のONU2−iと同様である。
OLT送信側SC−FDEデジタル処理部8aは、実施の形態1のOLT受信側SC−FDEデジタル処理部9およびONU受信側SC−FDEデジタル処理部24と同様のS/P部12,FFT部13,EQ部14,逆FFT部15,P/S部16を備え、さらに、実施の形態1のOLT送信側SC−FDEデジタル処理部8およびONU送信側SC−FDEデジタル処理部23と同様のCP挿入部10を備える。また、ONU受信側SC−FDEデジタル処理部24aは、実施の形態1のONU受信側SC−FDEデジタル処理部24と同様のCP除去部11を備える。
本実施の形態では、OLT受信側SC−FDEデジタル処理部9およびONU送信側SC−FDEデジタル処理部23は、実施の形態1と同様である。すなわち、ONU2a−iからOLT1aへ送信する方向の通信の動作は実施の形態1のONU2−iからOLT1への送信の動作と同様である。一方、OLT1aからONU2a−1〜2a−mの方向の通信では、実施の形態1とは異なり、実施の形態1では受信側の行っていたS/P部12〜P/S部16までの処理を送信側で実施し、受信側では、CP除去の処理のみを行う。
ONU2a−iからOLT1aへ送信する方向の通信の動作は実施の形態1と同様であるため説明を省略する。OLT1aからONU2a−iの通信では、まず、送信信号が、OLT送信側SC−FDEデジタル処理部8aに入力される。OLT送信側SC−FDEデジタル処理部8aでは、S/P部12が、入力された送信信号をパラレル信号に変換し、FFT部13がパラレル信号を直交周波数成分へと分解する。そして、EQ部14は、分解された送信信号の各周波数成分に対して、OLT1からONU2−iまでの間の伝送路逆特性を用いて予等化処理を実施する。
そして、逆FFT部15が、EQ部14によって予等化処理された信号を時間領域の信号へと変換し、P/S部16が、パラレルなその信号をシリアル信号へ変換する。CP挿入部11は、そのシリアル信号にCPを挿入し、光送信器6に出力する。光送信器6の処理からONU2a−iが、OLT1aが送信した信号を受信するまでの処理は、実施の形態1と同様である。ONU2a−iは、ONU受信側SC−FDEデジタル処理部24aが、受信した信号からCPを除去する。
つぎに、本実施の形態の等化処理の実現方法の一例を述べる。図5は、本実施の形態のSC−FDE方式による等化処理の流れの一例を示す図である。図5の(1)に示したように、本実施の形態では、CP追加の前に等化処理Eを実施する。そして、CP追加後に、伝送経路の通過およびRcpによるCPの除去が実施される。CP追加からCP除去までは、実施の形態1と同様の巡回行列となる。したがって、巡回行列の離散フーリエ変換行列による対角化という特徴を用いると、CPの追加からCPの除去の処理は実施の形態1と同様に、FFT行列と対角行列AとFFT行列のユニタリ行列FFTHとの積で表すことができる。
また、巡回行列の逆関数が巡回行列であることを利用して、FDE等化処理(等化処理E)をCPの追加からCPの除去までの処理の逆行列処理とすることができる。したがって、この逆行列処理を、送信信号に予め適用しておくことで、図5の(3)に示すように、受信信号から元の信号を取り出すことができる。
このように、本実施の形態では、OLT1とONU2a−1〜2a−mの通信で、OLT1からONU2a−1〜2a−mへの通信では、OLT1がSC−FDE方式による予等化処理を行った後に、CP挿入処理を行い、受信側がCP除去処理を実施するようにした。そのため、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、ONU2a−1〜2a−m側にSC−FDE方式による等化処理のための回路を搭載する必要がなく、ONU2a−1〜2a−mについて、部品点数を削減し、また、消費電力を低減することができる。
以上のように、本発明にかかる光アクセスシステム、局側終端装置および加入者側終端装置は、PONシステムに有用であり、特に、光ファイバによる分散を補償するPONシステムに適している。
1 OLT
2−1〜2−m,2a−1〜2a−m ONU
3 光ファイバ
4 光合分波器
5 WDMフィルタ
6 Tx
7 バーストRx
8,8a OLT送信側SC−FDEデジタル処理部
9 OLT受信側SC−FDEデジタル処理部
10 CP挿入部
11 CP除去部
12 S/P部
13 FFT部
14 EQ部
15 逆FFT部
16 P/S部
21 バーストTx
22 Rx
23 ONU送信側SC−FDEデジタル処理部
24,24a ONU受信側SC−FDEデジタル処理部

Claims (8)

  1. 局側終端装置と、加入者側終端装置と、で構成される光アクセスシステムであって、
    前記局側終端装置は、
    前記加入者側終端装置へ送信する下り信号に対してCyclic Prefixを挿入し、Cyclic Prefix挿入後の信号を加入者側終端装置へ送信する局側CP挿入手段と、
    前記加入者側終端装置から受信した上り信号からCyclic Prefixを除去した上りCP除去信号を生成する局側CP除去手段と、
    前記上りCP除去信号に対して、あらかじめ保持している加入者側終端装置までの伝送路特性の逆特性に基づいて周波数領域等化方式による等化処理を行う局側等化処理手段と、
    を備え、
    前記加入者側終端装置は、
    前記局側終端装置へ送信する上り信号に対してCyclic Prefixを挿入し、Cyclic Prefix挿入後の信号を局側終端装置へ送信する加入者側CP挿入手段と、
    前記局側終端装置から受信した下り信号からCyclic Prefixを除去した下りCP除去信号を生成する加入者側CP除去手段と、
    前記下りCP除去信号に対して、あらかじめ保持している局側終端装置までの伝送路特性の逆特性に基づいて周波数領域等化方式による等化処理を行う加入者側等化処理手段と、
    を備える、
    ことを特徴とする光アクセスシステム。
  2. 局側終端装置と、加入者側終端装置と、で構成される光アクセスシステムであって、
    前記局側終端装置は、
    前記加入者側終端装置へ送信する下り信号に対して、あらかじめ保持している加入者側終端装置までの伝送路特性の逆特性に基づいて周波数領域等化方式による予等化処理を行う局側予等化処理手段と、
    予等化処理後の信号に対してCyclic Prefixを挿入した下りCP挿入信号を生成し、前記下りCP挿入信号を前記加入者側終端装置へ送信する局側CP挿入手段と、
    前記加入者側終端装置から受信した上り信号からCyclic Prefixを除去した上りCP除去信号を生成する局側CP除去手段と、
    前記上りCP除去信号に対して、あらかじめ保持している加入者側終端装置までの伝送路特性の逆特性に基づいて周波数領域等化方式による等化処理を行う局側等化処理手段と、
    を備え、
    前記加入者側終端装置は、
    前記局側終端装置へ送信する上り信号に対してCyclic Prefixを挿入し、Cyclic Prefix挿入後の信号を局側終端装置へ送信する加入者側CP挿入手段と、
    前記局側終端装置から受信した下り信号からCyclic Prefixを除去した下りCP除去信号を生成する加入者側CP除去手段と、
    を備える、
    ことを特徴とする光アクセスシステム。
  3. 前記局側等化処理手段は、
    前記上りCP除去信号を周波数領域の信号に変換するFFT手段と、
    周波数領域に変換後の受信信号に対して、前記あらかじめ保持している加入者側終端装置までの伝送路特性の逆特性に基づいて等化処理を行う等化手段と、
    前記等化処理後の受信信号を時間領域の信号に変換する逆FFT手段と、
    を備え、
    前記加入者側等化処理手段は、
    前記下りCP除去信号を周波数領域の信号に変換する加入者側FFT手段と、
    周波数領域に変換後の受信信号に対して、前記あらかじめ保持している局側終端装置までの伝送路特性の逆特性に基づいて等化処理を行う加入者側等化手段と、
    前記等化処理後の受信信号を時間領域の信号に変換する加入者側逆FFT手段と、
    を備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の光アクセスシステム。
  4. 前記局側等化処理手段は、
    前記上りCP除去信号を周波数領域の信号に変換するFFT手段と、
    周波数領域に変換後の受信信号に対して、前記あらかじめ保持している加入者側終端装置までの伝送路特性の逆特性に基づいて等化処理を行う等化手段と、
    前記等化処理後の受信信号を時間領域の信号に変換する逆FFT手段と、
    を備え、
    前記局側予等化処理手段は、
    前記加入者側終端装置へ送信する下り信号を周波数領域の信号に変換する予等化FFT手段と、
    周波数領域に変換後の下り信号に対して、前記あらかじめ保持している加入者終端装置までの伝送路特性の逆特性に基づいて等化処理を行う予等化手段と、
    前記等化処理後の下り信号を時間領域の信号に変換し、変換後の信号を前記予等化処理後の信号とする予等化逆FFT手段と、
    を備える、
    ことを特徴とする請求項2に記載の光アクセスシステム。
  5. 局側終端装置と、加入者側終端装置と、で構成される光アクセスシステムにおける前記局側終端装置であって、
    前記加入者側終端装置へ送信する下り信号に対してCyclic Prefixを挿入し、Cyclic Prefix挿入後の信号を加入者側終端装置へ送信するCP挿入手段と、
    前記加入者側終端装置から受信した上り信号からCyclic Prefixを除去した上りCP除去信号を生成するCP除去手段と、
    前記上りCP除去信号に対して、あらかじめ保持している加入者側終端装置までの伝送路特性の逆特性に基づいて周波数領域等化方式による等化処理を行う等化処理手段と、
    を備える、
    ことを特徴とする局側終端装置。
  6. 局側終端装置と、加入者側終端装置と、で構成される光アクセスシステムにおける前記局側終端装置であって、
    前記加入者側終端装置へ送信する下り信号に対して、あらかじめ保持している加入者側終端装置までの伝送路特性の逆特性に基づいて周波数領域等化方式による予等化処理を行う予等化処理手段と、
    予等化処理後の信号に対してCyclic Prefixを挿入した下りCP挿入信号を生成し、前記CP挿入信号を前記加入者側終端装置へ送信するCP挿入手段と、
    前記加入者側終端装置から受信した上り信号からCyclic Prefixを除去した上りCP除去信号を生成するCP除去手段と、
    前記上りCP除去信号に対して、あらかじめ保持している加入者側終端装置までの伝送路特性の逆特性に基づいて周波数領域等化方式による等化処理を行う等化処理手段と、
    を備える、
    ことを特徴とする局側終端装置。
  7. 局側終端装置と、加入者側終端装置と、で構成される光アクセスシステムにおける前記加入者側終端装置であって、
    前記局側終端装置へ送信する上り信号に対してCyclic Prefixを挿入し、Cyclic Prefix挿入後の信号を局側終端装置へ送信するCP挿入手段と、
    前記局側終端装置から受信した下り信号からCyclic Prefixを除去した下りCP除去信号を生成するCP除去手段と、
    前記下りCP除去信号に対して、あらかじめ保持している局側終端装置までの伝送路特性の逆特性に基づいて周波数領域等化方式による等化処理を行う等化処理手段と、
    を備える、
    ことを特徴とする加入者側終端装置。
  8. 局側終端装置と、加入者側終端装置と、で構成される光アクセスシステムにおける前記加入者側終端装置であって、
    前記局側終端装置へ送信する上り信号に対してCyclic Prefixを挿入し、Cyclic Prefix挿入後の信号を局側終端装置へ送信するCP挿入手段と、
    前記局側終端装置から受信した下り信号からCyclic Prefixを除去した下りCP除去信号を生成するCP除去手段と、
    を備える、
    ことを特徴とする加入者側終端装置。
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