(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るデータ中継装置20でデータを中継するネットワーク1の概略構成を示すブロック図である。第1の通信ノード10a〜10b、及びデータ中継装置20は、それぞれ第1の通信線Aに接続されている。また、第2の通信ノード30a〜30b、及びデータ中継装置20は、それぞれ第2の通信線Bに接続されている。データ中継装置20は、第1の通信線A、及び第2の通信線Bのそれぞれに接続され、一例として、第1の通信線Aから第2の通信線Bにデータを中継するものとする。また、本実施形態の説明では、ネットワーク1で用いられる通信プロトコルが、CAN(Controller Area Network)である場合を一例として説明する。また、以下の説明では、一例として、データを全て16進数で表現して説明するが、本発明において処理できるデータは、例えば、2進数で表現されるデジタルデータなど、他の表現方法で表現されるデータであってもよい。
第1の通信ノード10a〜10bのそれぞれは、第1の通信線Aに接続されており、1以上の種類のデータを送受信する。また、第1の通信ノード10a〜10bは、それぞれ互いに異なる種類のデータを送信する。ここで、データの種類とは、当該データに含まれる識別子(本実施形態では、CAN−ID)で分けられる種類のことである。本実施形態に係る第1の通信ノード10a〜10bのそれぞれは、互いに異なる1以上のCAN−IDが識別子として予め定められている。そして、本実施形態に係る第1の通信ノード10a〜10bのそれぞれは、CAN−IDと、当該CAN−IDに対応する情報を少なくとも含むデータを任意のタイミングで互いに送受信する。第1の通信ノード10a〜10bのそれぞれは、ネットワーク1で用いられる通信プロトコル(本実施形態ではCANプロトコル)で規定された形式のフレームをデータとして送受信する。
データ中継装置20は、第1の通信ノード10a〜10bがそれぞれ送信するデータの中で第2の通信線Bに接続された第2の通信ノードのいずれかに中継するように予め定められた種類のデータを第2の通信線Bに送信して中継する。本実施形態に係るデータ中継装置20のより詳細な説明は後述する。
第2の通信ノード30a〜30bのそれぞれは、第2の通信線Bに接続されており、上述した第1の通信ノード10a〜10bのそれぞれと同様に、CANプロトコルで規定される形式のフレームをデータとして送受信する。また、第2の通信ノード30a〜30bのそれぞれは、データ中継装置20によって中継されるデータの中で自ノード宛のデータの受信もする。
尚、図1に示すネットワーク1の概略構成では、第1の通信ノード10a〜10bの2つの第1の通信ノードが第1の通信線Aに接続されている場合を一例として示しているが、第1の通信線Aに接続される第1の通信ノードは2未満であってもよいし、3以上であってもよい。また、図1に示すネットワーク1の概略構成では、第2の通信ノード30a〜30bの2つの第2の通信ノードが第2の通信線Bに接続されている場合を一例として示しているが、第2の通信線Bに接続される第2の通信ノードは2未満であってもよいし、3以上であってもよい。
以上が、本実施形態に係るネットワーク1の概略構成の説明である。次に、本実施形態に係るデータ中継装置20について、より詳細に説明する。
図2は、本実施形態に係るデータ中継装置20の概略構成を示すブロック図である。本実施形態に係るデータ中継装置20は、受信部201と、処理部202と、送信部203と、記憶部204とを備える。
受信部201は、典型的には、接続されている通信線からデータを受信する通信回路、及び記憶素子(例えば、レジスタ)などからなるインターフェース回路で実現され、第1の通信線Aに接続された第1の通信ノード(本実施形態では、第1の通信ノード10a〜10b)のそれぞれから第1の通信線Aにデータが送信されたとき、送信されたデータを受信する。データを受信したとき、受信部201は、受信したデータを処理部202に取得させる。
処理部202は、典型的には、LSI(Large Scale Integration)、マイクロコンピュータ、及びCPU(Central Processing Unit)などの集積回路で主に構成される電子部品で実現され、受信部201から取得したデータの中で、当該データに含まれる情報に変化があったデータを送信部203に送信させる。本実施形態に係る処理部202のより詳細な説明については、後述する。
送信部203は、典型的には、接続されている通信線にデータを送信する通信回路、及び記憶素子(例えば、レジスタ)などからなるインターフェース回路で実現され、処理部202から後述する変化データを取得したとき、取得した変化データを第2の通信線Bに送信して中継する。
記憶部204は、典型的には、RAM(Random Access Memory)で実現され、それぞれ後述するフィルタデータ、中継情報、及び処理部202から記憶させられる様々な情報を記憶する。
以上が、本実施形態に係るデータ中継装置20の概略構成の説明である。次に、本実施形態に係る処理部202についてより詳細に説明する。
図3は、本実施形態に係る処理部202のより詳細な機能構成を示す機能ブロック図である。本実施形態に係る処理部202は、中継データ特定部2021と、変化データ判断部2022とを備える。
中継データ特定部2021は、受信部201が第1の通信線Aから受信したデータの中から、第2の通信線Bに接続されている第2の通信ノード(本実施形態では、第2の通信ノード30a〜30b)に中継するように予め定められた種類の中継データを特定する。中継データ特定部2021の具体的な一例を説明すると、中継データ特定部2021は、受信部201からデータを取得したとき、まず、記憶部204に予め記憶されている中継情報を参照して、取得したデータが第2の通信線Bに中継する中継データか否かを判断する。
ここで、記憶部204に記憶されている中継情報について説明する。図4は、本実施形態に係る記憶部204に予め記憶されている中継情報の一例を示す図である。図4に一例として示す中継情報には、受信部201から取得したデータの中で、第2の通信線Bに送信して中継するように予め定められた種類のデータに含まれる識別子(本実施形態では、CAN−ID)と同じ識別子が示されている。本実施形態に係る中継データ特定部2021は、受信部201からデータを取得したとき、記憶部204に記憶されている中継情報を参照して、取得したデータに含まれる識別子と同じ識別子が中継情報に示されているか否かを判断する。
中継データ特定部2021は、取得したデータに含まれる識別子が中継情報に示されているとき、取得したデータを第2の通信線Bに送信して中継するように予め定められた中継データとして特定して変化データ判断部2022に取得させる。一方、中継データ特定部2021は、取得したデータに含まれる識別子が中継情報に示されていないとき、取得したデータを破棄する。
変化データ判断部2022は、中継データ特定部2021によって特定された中継データから抜き出すように予め定められた部分データが、受信部201が前回受信した同一の種類の中継データから抜き出された部分データから変化しているか否かを判断する。
本実施形態に係る変化データ判断部2022の具体的な一例についてさらに詳細に説明する。本実施形態に係る変化データ判断部2022は、図3に示すように、抽出部20221と、部分変化判断部20222とを含む。中継データ特定部2021によって特定された中継データは、変化データ判断部2022に含まれる抽出部20221によって取得される。
中継データを取得したとき、抽出部20221は、予め記憶部204に記憶されているフィルタデータの中から、取得した中継データの種類に対応づけられたフィルタデータを用いて当該中継データから部分データを抜き出す。抽出部20221の具体的な一例について説明する。図5Aは、本実施形態に係るフィルタデータの一例を示す図である。フィルタデータは、図5Aに示すように、中継データに含まれる情報の中から部分データとして抜き出す情報が示されている予め定められた領域を、中継データの種類毎に対応づけて示すデータである。尚、図5Aにおいて、「フィルタデータ」と記載されている欄の前の行に示される数字は、1つのフィルタデータにおいてそれぞれの情報が記載されている領域を説明するために便宜的に示す数字であって、フィルタデータに含まれる情報ではなく、フィルタデータに含まれる情報が、それぞれの数字の列に示されるフィルタデータの1バイト目〜8バイト目の領域に記載されていることを示す。
例えば、抽出部20221によって取得された中継データに含まれる識別子がCAN−ID100であるとき、抽出部20221は、記憶部204に記憶されているフィルタデータの中からCAN−ID100に対応するフィルタデータを読み出す。取得した中継データの種類に対応するフィルタデータを読み出すと抽出部20221は、読み出したフィルタデータに含まれる情報と、取得した中継データに含まれる情報(以下、中継データ情報と称する)との中で同一の領域に含まれる情報の論理積を演算する。ここで、仮に、抽出部20221が取得したCAN−ID100の中継データに含まれる中継データ情報が[2FFFFFFF1E21A9F1]である場合を想定して説明を続ける。この場合、抽出部20221は、記憶部204から読み出したフィルタデータ[FFFFFFFF00000000]と、取得した中継データの中継データ情報[2FFFFFFF1E21A9F1]との中で同一の領域に含まれる情報の論理積を演算する。この場合、抽出部20221によって演算される論理積は、[2FFFFFFF00000000]となり、中継データの中継データ情報の中で、1バイト目〜4バイト目の中継データ値[2FFFFFFF]だけがそのまま残り、当該中継データ情報の中で、5バイト目〜8バイト目の中継データ値は[00000000]となる。
つまり、本実施形態では、中継データ情報の中で抜き出すように予め定められた領域(図5のCAN−ID100の例では1バイト目〜4バイト目)を基数(本実施形態では、16進数の基数であるF)で示し、当該中継データ情報の中で抜き出す必要のない領域をゼロで示すデータをフィルタデータとして中継データの種類毎に予め定めて記憶部204に記憶させておく。本実施形態では、第1の通信線Aに接続されているそれぞれの第1の通信ノードが送信するデータの種類毎に予め定めたフィルタデータを対応づけて記憶部204に記憶させておく。そして、このように予め記憶させたフィルタデータと、中継データ特定部2021から取得した中継データに含まれる中継データ情報との論理積を抽出部20221が演算することによって、当該中継データ情報の中で抜き出したい領域に記載されている中継データ情報がそのまま記載され、当該領域に対応しない領域に記載されている情報がゼロとなるデータを部分データとして中継データから抜き出すことができる。上述したように、抽出部20221によって取得された中継データの中継データ情報が[2FFFFFFF1E21A9F1]であって、当該中継データの種類に対応するフィルタデータが図5に例として示す[FFFFFFFF00000000]である場合、抽出部20221は、[2FFFFFFF00000000]という情報を含む部分データを当該中継データから抜き出す。
抽出部20221は、中継データ特定部2021から取得した中継データから部分データを抜き出したとき、取得した中継データの種類を抜き出した部分データに付加して部分変化判断部20222に取得させる。
部分変化判断部20222は、抽出部20221から取得した部分データが、受信部201によって前回受信された同一の種類の中継データから抜き出された部分データから変化している変化データか否かを判断する。部分変化判断部20222の動作の具体的な一例を説明する。抽出部20221から部分データを取得したとき、部分変化判断部20222は、取得した部分データに付加された種類(当該部分データを含む中継データと同一の種類。以下、部分データの種類と称する)と同一の種類であって、後述する最新中継データとして記憶部204に前回記憶させた部分データに含まれる情報を参照する。部分変化判断部20222は、取得した部分データについて、当該部分データに含まれる情報が、参照した最新中継データに含まれる情報から変化しているか否かを判断する。
ここで、本実施形態に係る最新中継データについて説明する。図5Bに本実施形態に係る最新中継データの一例を示す。本実施形態に係る最新中継データは、後述するように部分変化判断部20222が変化データであると前回判断した部分データであって、部分変化判断部20222が変化データであると判断する度に、図5Bに一例として示すように、部分データの種類毎に対応づけて記憶部204に最新中継データとして記憶される。
例えば、上述したように、抽出部20221によって抜き出された部分データに含まれる情報が[2FFFFFFF00000000]であって、仮に、当該部分データの種類に対応する最新中継データに含まれる情報が図5Bに例として示す[1FFFFFFF00000000]である場合、部分変化判断部20222は、当該部分データを変化データとして判断する。
部分変化判断部20222は、抽出部20221から取得した部分データが変化データであると判断したとき、当該部分データの種類に対応する記憶部204に記憶されている最新中継データに含まれる情報を、当該部分データに含まれる情報で更新して記憶させると共に、送信部203に変化データとして取得させる。一方、部分変化判断部20222は、抽出部20221から取得した部分データが変化データでないと判断すると、取得した部分データに含まれる情報を最新中継データとして記憶部204に記憶させることなく、当該部分データを破棄する。
送信部203は、部分変化判断部20222から変化データを取得したとき、上述したように、取得した変化データを第2の通信線Bに送信して中継する。
以上が、本実施形態に係るデータ中継装置20の詳細な説明である。尚、上述した処理部202に含まれる機能構成は、処理部202が記憶部204に予め記憶させられているプログラムを解釈実行することにより、それぞれの機能構成として機能することによって実現されてもよい。
そして、この場合、中継データ特定部2021によって特定された中継データを取得する抽出部20221は、実際には、中継データ特定部2021として機能する処理部202が特定した中継データを記憶部204に記憶させ、抽出部20221として機能する処理部202が、当該中継データを記憶部204から読み出すことによって取得するものとする。同様に、抽出部20221によって抜き出された部分データを取得する部分変化判断部20222は、実際には、抽出部20221として機能する処理部202が抜き出した部分データを記憶部204に記憶させ、部分変化判断部20222として機能する処理部202が、当該部分データを記憶部204から読み出すことによって取得するものとする。
次に、上述した処理部202の処理を図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。尚、図6のフローチャートに示す処理は、一例として、データ中継装置20に給電が開始されたときに開始され、給電が停止されたときに終了されるものとする。
ステップS101において、処理部202は、中継データ特定部2021として機能し、受信部201からデータを取得したか否かを判断する。処理部202は、ステップS101において、データを受信したと判断すると、ステップS102へ処理を進める。一方、処理部202は、ステップS101において、データを受信していないと判断すると、ステップS101の処理を繰り返す。
ステップS102において、処理部202は、中継データ特定部2021として機能し、上述したように、記憶部204に記憶されている中継情報を参照して、ステップS101で取得したデータが中継データであるか否かを判断する。処理部202は、ステップS102において、取得したデータが中継データであると判断すると、抽出部20221に当該中継データを取得させて、ステップS103へ処理を進める。一方、処理部202は、ステップS102において、取得したデータが中継データでないと判断すると、ステップS107へ処理を進める。
ステップS103において、処理部202は、抽出部20221として機能し、中継データ特定部2021から取得した中継データの種類に対応するフィルタデータを記憶部204から読み出し、上述したように当該中継データから部分データを抜き出して、部分変化判断部20222に取得させる。処理部202は、ステップS103の処理を完了すると、ステップS104へ処理を進める。
ステップS104において、処理部202は、部分変化判断部20222として機能し、抽出部20221から取得した部分データと同一の種類である記憶部204に記憶されている最新中継データに含まれる情報を参照して、上述したように、抽出部20221から取得した部分データが変化データであるか否かを判断する。処理部202は、ステップS104において、抽出部20221から取得した部分データが変化データであると判断すると、ステップS105へ処理を進める。一方、処理部202は、ステップS104において、抽出部20221から取得した部分データが変化データでないと判断すると、ステップS107へ処理を進める。
ステップS105において、処理部202は、部分変化判断部20222として機能し、上述したように、抽出部20221から取得して判断した変化データの種類に対応する最新中継データに含まれる情報を、当該変化データに含まれる情報で更新する。処理部202は、ステップS105の処理を完了すると、ステップS106へ処理を進める。
ステップS106において、処理部202は、部分変化判断部20222として機能し、ステップS104で判断した変化データを送信部203に取得させる。処理部202は、ステップS106の処理を完了すると、ステップS101へ処理を戻す。
処理部202は、ステップS102からステップS107へ処理を進めたとき、中継データ特定部2021として機能し、受信部201から取得したデータを破棄する。一方、処理部202は、ステップS104からステップS107へ処理を進めたとき、部分変化判断部20222として機能し、抽出部20221から取得した部分データを破棄する。
以上が、本実施形態に係る処理部202の処理の説明である。一般的に、中継データに含まれる情報には、当該中継データで送信先の通信ノードに伝える情報の他にもヘッダ、及びCRC(Cyclic Redundancy Check)などが含まれ、同一の中継データで送信先の通信ノードに伝える情報に変化がない場合でも、他の情報が変化する場合がある。したがって、仮に、同一の種類の中継データに含まれる情報のいずれかが変化したときに当該中継データを変化データとして中継したとしても、当該中継データに含まれるいずれかの情報が変化する頻度は相対的に高いため、中継先の通信線における中継データの削減量は低くなる。
これに対して、本実施形態に係るデータ中継装置20は、中継データに含まれる情報のいずれかが変化したときに当該中継データを変化データとして中継するのではなく、当該中継データに含まれる情報の中で予め定められた領域に記載される情報が変化した変化データのみを中継する。つまり、本実施形態に係るデータ中継装置20によれば、中継データで送信先の通信ノードに伝える情報のみに変化があった場合に当該中継データから抜き出した部分データを変化データとして中継するので、中継先の通信線(本実施形態では、第2の通信線B)における中継データ量を大幅に削減できる。
車両などの移動体内に構成されるネットワークにおいて送受信されるデータは、上述したように種類で分けられるが、1つの種類のデータに含まれる情報(パラメータ)も種類で分けられる。そして、車両などの移動体内に構成されるネットワークにおいて送受信されるデータには、複数種類の情報(車速、及びエンジン回転数などの情報)が含まれており、中継先の通信ノード(以下、中継先ノードと称する)にとって不要な情報も含まれている場合がある。したがって、車両などの移動体内に構成されるネットワークに対して本実施形態に係るデータ中継装置20を適用することにより、中継データに含まれる複数種類の情報の中で中継先ノードにとって必要な情報にのみ変化があった場合(例えば、車速、及びエンジン回転数の内、必要な情報である車速のみに変化があった場合)に、変化のあった情報を示す情報を抜き出した部分データを変化データとして中継して、中継先の通信線(本実施形態では、第2の通信線B)における中継データ量を大幅に削減できる。
本実施形態に係るデータ中継装置20による効果が最も大きく得られるネットワークの構成の一例としては、例えば、ある通信ノードから送信された中継データが送信先の通信ノード(以下、送信先ノードと称する)、及び中継先ノードに伝える複数種類の情報を含んでおり、当該通信ノードと同一の通信線に接続されている送信先ノードには全ての種類の情報が必要であって、中継先ノードには全ての種類の中の数種類の情報が必要である場合などが一例として挙げられる。
また、本実施形態に係るデータ中継装置20によれば、適用するネットワークの構成に応じて、最適なフィルタデータを中継データの種類毎に予め定めておくことができ、例えば、本実施形態に係るデータ中継装置20を車両内で構成されるネットワークを適用する場合に、ネットワークの構成が車両の車種毎に異なっていたとしても、異なる構成に拘わらずに、中継先の通信線における中継データ量を大幅に削減できる。
尚、第1の実施形態では、データ中継装置20が第1の通信線Aから第2の通信線Bにデータを中継するものとして説明をした。しかしながら、本実施形態に係るデータ中継装置20は、第1の実施形態で説明した処理と同様にして、第2の通信ノード30a〜30bのそれぞれから送信されるデータの中で第1の通信線Aに中継するように予め定められた種類のデータを第2の通信線Bから第1の通信線Aに中継してもよい。また、本実施形態に係るデータ中継装置20は、第1の実施形態で説明したような第1の通信線Aから第2の通信線Bにデータを中継する構成と同一の構成を第2の通信線Bから第1の通信線Aにデータを中継できるように構成して本実施形態に係るデータ中継装置20に追加し、第1の通信線Aから第2の通信線Bへのデータの中継と第2の通信線Bから第1の通信線Aの中継とを並行してもよい。
また、第1の実施形態では、ステップS104、及びステップS105の説明から明らかなように、部分変化判断部20222が変化データであると判断した後、当該変化データに含まれる情報で、当該変化データの種類に対応する最新中継データに含まれる情報を更新するものとした。しかしながら、他の一実施形態では、変化データか否かに拘わらず中継データに含まれる情報で最新中継データを更新するようにしてもよい。より詳細には、中継データ特定部2021が中継データを変化データ判断部2022に取得させると共に、当該中継データと同一の種類の最新中継データに含まれる情報を当該中継データに含まれる情報で更新してもよい。この場合、部分変化判断部20222は、抽出部20221から部分データを取得したとき、当該部分データの種類と同一の種類のフィルタデータを用いて、同一の種類の最新中継データから当該部分データと比較するためのデータを抜き出す。部分変化判断部20222は、最新中継データから抜き出したデータと、抽出部20221から取得した部分データとを比較して、当該部分データが変化データであるか否かを判断するようにしてもよい。
また、第1の実施形態では、抽出部20221によって抜き出された部分データに含まれる情報に変化があった場合に、当該部分データを変化データとして送信部203に取得させて中継するものとした。しかしながら、他の一実施形態では、抽出部20221によって抜き出された部分データに含まれる情報に変化があった場合に、当該部分データを抜き出した中継データをそのまま送信部203に取得させて中継させてもよい。この場合、一例としては、抽出部20221は中継データから部分データを抜き出すと、取得した中継データの種類を抜き出した部分データに付加して部分変化判断部20222に取得させると共に、当該中継データも部分変化判断部20222に取得させる。そして、部分変化判断部20222は、第1の実施形態で説明したように抽出部20221から取得した部分データが変化しているか否かを判断し、変化していると判断した場合に、当該部分データと共に取得した中継データを変化データとして送信部203に取得させて送信させてもよい。
(第1の実施形態の第1の変形例)
第1の実施形態の第1の変形例に係るデータ中継装置20は車両などの移動体(以下、自車両と称する)に搭載される場合を一例として説明する。図7は、本変形例に係る処理部202のより詳細な機能構成を示す機能ブロック図である。本変形例に係る処理部202は、第1の実施形態に係る処理部202と比較して、中継タイミング判断部2023をさらに含む点が相違する。本変形例に係る中継タイミング判断部2023は、第1の実施形態で説明した中継データの中で、予め定められた計時開始タイミングから計時した時間が予め定められた長さ以内であるときに第2の通信線Bに送信して中継するように予め定められた種類の直接中継データを、第1の実施形態で説明したように変化データ判断部2022で判断させることなく、送信部203に直接送信させる。つまり、第1の実施形態の変形例に係る処理部202は、第1の実施形態に係る処理部202と比較して、受信部201から取得したデータの中で、当該データに含まれる情報に変化があったデータだけでなく、前述の直接中継データも送信部203に送信させる点が相違する。
本変形例に係る中継タイミング判断部2023の具体的な一例について説明する。本変形例に係る中継タイミング判断部2023は、図示しないタイマによって計時される時間を逐次取得する。本変形例に係る図示しないタイマは、予め定められた計時開始タイミングが到来したときに時間の計時を開始し、計時した時間を計時時間として中継タイミング判断部2023に逐次取得させる。本変形例に係る計時開始タイミングの一例としては、自車両のイグニッションスイッチがOFFからONになったとき、又は自車両のイグニッションスイッチがONからOFFになったときなどが挙げられる。
本変形例に係る中継データ特定部2021は、第1の実施形態で説明したように中継データを特定したとき、特定した中継データを中継タイミング判断部2023に取得させる。中継タイミング判断部2023は、中継データ特定部2021から中継データを取得したとき、さらに、図示しないタイマから計時時間を取得する。中継データを取得し、さらに当該中継データを取得したときの計時時間を取得すると、中継タイミング判断部2023は、記憶部204に予め記憶されている直接中継情報を参照する。
ここで、本変形例に係る直接中継情報について図8を参照しながら説明する。図8に例として示すように、本変形例に係る直接中継情報は、中継データ特定部2021によって特定される中継データの種類と、図示しないタイマから取得する計時時間の計時開始タイミングとにそれぞれ対応づけて予め設定されている直接中継期間を示す情報である。図8に例として示す直接中継情報は、自車両のイグニッションスイッチがオフからオンに変化したときと、オンからオフに変化したときとの2つの計時開始タイミングのそれぞれについて、それぞれの計時開始タイミングを基準とする直接中継期間を中継データの種類毎に対応づけて示している。
例えば、CAN−ID100の中継データには、自車両のイグニッションスイッチがオフからオンに変化したときと、オンからオフに変化したときとのそれぞれの計時開始タイミングを基準とする500msの長さの直接中継期間がそれぞれ設定されている。また、CAN−ID300の中継データには、自車両のイグニッションスイッチがオンからオフに変化したときと、オフからオンに変化したときとの2つの計時開始タイミングの内、オフからオンに変化したときの計時開始タイミングを基準とする500msの長さの直接中継期間のみが設定されている。
中継タイミング判断部2023は、記憶部204に記憶されている直接中継情報を参照して、取得した中継データの種類と、中継データを取得したときの計時時間との両方に対応する直接中継期間が設定されているか否かを判断する。中継タイミング判断部2023は、直接中継情報を参照して、取得した中継データの種類と、当該中継データを取得したときの計時時間との両方に対応する直接中継期間が設定されており、且つ当該計時時間が当該直接中継期間以内であると判断したとき、取得した中継データを直接中継データであると判断して、送信部203に直接取得させる。一方、中継タイミング判断部2023は、直接中継情報を参照して、取得した中継データの種類と、当該中継データを取得したときの計時時間との両方に対応する直接中継期間が設定されていないと判断したとき、中継データ特定部2021から取得した中継データを第1の実施形態で説明した変化データ判断部2022に取得させる。また、中継タイミング判断部2023は、直接中継情報を参照して、取得した中継データの種類と、当該中継データを取得したときの計時時間との両方に対応する直接中継期間が設定されており、且つ当該計時時間が当該直接中継期間を超えると判断したとき、中継データ特定部2021から取得した中継データを第1の実施形態で説明した変化データ判断部2022に取得させる。
尚、本変形例に係る図示しないタイマは、上述した自車両のイグニッションスイッチがオフからオンに変化したとき、又はオンからオフにしたときなど計時時間の基準となる計時開始タイミングを示す情報を中継タイミング判断部2023に取得させる計時時間に付加してもよい。これにより、中継タイミング判断部2023は、図示しないタイマから取得した計時時間が、いずれの計時開始タイミングを基準として計時されたものであるかを判断することができる。
仮に、中継タイミング判断部2023が、中継データ特定部2021からCAN−ID300の中継データを取得し、当該中継データを取得したときに、図示しないタイマから自車両のイグニッションスイッチがオフからオンに変化したときを計時開始タイミングとする230msの計時時間をさらに取得した場合を想定する。この場合、中継タイミング判断部2023は、図8に例として示す直接中継情報を参照して、取得した中継データのCAN−ID300と、当該中継データを取得したときの計時時間との両方に対応づけられている直接中継期間が設定されており、設定されている直接中継期間が自車両のイグニッションスイッチがオフからオンに変化したときを基準とする500msであることを認識する。この場合、中継タイミング判断部2023は、取得した中継データのCAN−ID300と、当該中継データを取得したときの計時時間との両方に対応づけられている直接中継期間が設定されており、当該計時時間が当該直接中継期間以内であると判断して、記憶部204に記憶されている当該中継データと同一の種類の最新中継データに含まれる情報を当該中継データに含まれる情報で更新し、当該中継データを直接中継データと判断して送信部203に直接取得させる。
一方、仮に、中継タイミング判断部2023が、中継データ特定部2021からCAN−ID300の中継データを取得し、当該中継データを取得したときに、図示しないタイマから自車両のイグニッションスイッチがオフからオンに変化したときを計時開始タイミングとする600msの計時時間をさらに取得した場合を想定する。この場合、中継タイミング判断部2023は、図8に例として示す直接中継情報を参照して、取得した中継データのCAN−ID300と、当該中継データを取得したときの計時時間との両方に対応づけられている直接中継期間が設定されており、設定されている直接中継期間が自車両のイグニッションスイッチがオフからオンに変化したときを基準とする500msであることを認識する。この場合、中継タイミング判断部2023は、取得した中継データのCAN−ID300と、当該中継データを取得したときの計時時間との両方に対応づけられている直接中継期間が設定されており、当該計時時間が当該直接中継期間を超えると判断して、当該中継データを第1の実施形態で説明した変化データ判断部2022(抽出部20221)に取得させる。
また、仮に、中継タイミング判断部2023が、中継データ特定部2021からCAN−ID300の中継データを取得し、当該中継データを取得したときに、図示しないタイマから自車両のイグニッションスイッチがオンからオフに変化したときを計時開始タイミングとする300msの計時時間をさらに取得した場合を想定する。この場合、中継タイミング判断部2023は、図8に例として示す直接中継情報を参照して、取得した中継データのCAN−ID300と、当該中継データを取得したときの計時時間との両方に対応づけられている直接中継期間が設定されていないことを認識する。この場合、中継タイミング判断部2023は、取得した中継データの種類と、当該中継データを取得したときの計時時間との両方に対応する直接中継期間が設定されていないと判断して、中継データ特定部2021から取得した中継データを第1の実施形態で説明した変化データ判断部2022(抽出部20221)に取得させる。
本変形例に係る変化データ判断部2022は、中継タイミング判断部2023によって直接中継期間が設定されていないと判断された中継データを取得する。また、本変形例に係る送信部203は、直接中継期間が設定されている中継タイミング判断部2023によって判断された直接中継データ、及び第1の実施形態で説明したように部分変化判断部20222で変化データであると判断された変化データをそれぞれ取得したときに、それぞれのデータを第2の通信線Bに送信して中継する。
以上が、本変形例に係るデータ中継装置20の詳細な説明である。尚、本変形例において、それぞれ上述で説明していない他の処理、処理部202の機能構成、及びデータ中継装置20の構成の説明については、第1の実施形態で述べた説明を援用するものとして省略する。また、上述した処理部202に含まれる機能構成は、第1の実施形態に係る処理部202と同様に、処理部202が記憶部204に予め記憶させられているプログラムを解釈実行することにより、それぞれの機能構成として機能することによって実現されてもよい。
そして、この場合、中継データ特定部2021によって特定された中継データを取得する中継タイミング判断部2023は、実際には、中継データ特定部2021として機能する処理部202が特定した中継データを記憶部204に記憶させ、中継タイミング判断部2023として機能する処理部202が、当該中継データを記憶部204から読み出すことによって取得するものとする。同様に、抽出部20221は、実際には、中継タイミング判断部2023として機能する処理部202が上述したように直接中継期間でないと判断した中継データを記憶部204に記憶させ、抽出部20221として機能する処理部202が、当該中継データを記憶部204から読み出すことによって取得するものとする。同様に、抽出部20221によって抜き出された部分データを取得する部分変化判断部20222は、実際には、抽出部20221として機能する処理部202が抜き出した部分データを記憶部204に記憶させ、部分変化判断部20222として機能する処理部202が、当該部分データを記憶部204から読み出すことによって取得するものとする。
次に上述した処理部202の処理を図9に示すフローチャートを参照しながら説明する。尚、図9のフローチャートに示す処理は、一例として、データ中継装置20に給電が開始されたときに開始され、給電が停止されたときに終了されるものとする。また、図9のフローチャートに示す処理の内、第1の実施形態に係る処理部202の処理を示す図6のフローチャートに示す処理の説明を援用できる部分については、当該説明を援用するものとして説明を省略する。
本変形例に係るステップS102で中継データ特定部2021として機能する処理部202は、ステップS101で取得したデータが中継データであると判断すると、中継タイミング判断部2023に当該中継データを取得させて、ステップS201へ処理を進める。
ステップS201において、処理部202は、中継タイミング判断部2023として機能し、上述したように、中継データ特定部2021から中継データを取得すると共に図示しないタイマから計時時間を取得する。そして、処理部202は、直接中継情報を参照する。処理部202は、上述したように、中継データ特定部2021から取得した中継データに直接中継期間が設定されており、且つ当該中継データを取得したときに取得した計時時間が当該直接中継期間以内であるか否かを判断する。処理部202は、ステップS201において、中継データ特定部2021から取得した中継データに直接中継期間が設定されており、且つ当該中継データを取得すると共に取得した計時時間が当該直接中継期間以内であると判断したとき、ステップS105へ処理を進める。一方、処理部202は、ステップS201において、中継データ特定部2021から取得した中継データに直接中継期間が設定されていない、又は当該中継データに直接中継期間が設定されており、且つ当該中継データを取得すると共に取得した計時時間が当該直接中継期間を超えていると判断したとき、抽出部20221に当該中継データを取得させて、ステップS103へ処理を進める。
本変形例のステップS103において抽出部20221として機能する処理部202は、ステップS201で直接中継期間が設定されていないと判断した中継データの種類に対応するフィルタデータを記憶部204から読み出し、上述したように当該中継データから部分データを抜き出す。
一方、本変形例に係る処理部202は、ステップS201の処理からステップS105へ直接処理を進めたときは、中継タイミング判断部2023として機能し、ステップS201で直接中継期間以内に取得したと判断した中継データと同一の種類の最新中継データに含まれる情報を当該中継データに含まれる情報で更新する。本変形例に係る処理部202は、ステップS105の処理を完了すると、ステップS106へ処理を進める。
本変形例に係る処理部202は、ステップS201の処理からステップS105へ直接処理を進めた後にステップS106へ処理を進めたときは、ステップS106において中継タイミング判断部2023として機能し、ステップS201で直接中継期間以内に取得したと判断した中継データを送信部203に取得させる。本変形例に係る処理部202は、ステップS106の処理を完了すると、ステップS101へ処理を戻す。
以上が、本変形例に係るデータ中継装置20の説明である。本変形例に係るデータ中継装置20によれば、任意の計時開始タイミングを基準とする任意の直接中継期間以内に、予め定められた種類の中継データを取得したときには、当該中継データから部分データを抜き出すことなく、当該中継データを直接中継できる。特に、自車両のイグニッションスイッチがオフからオンに変化したときを計時開始タイミングとして予め定めることによって、自車両のイグニッションスイッチがオフからオンに変化したときに給電が開始され、処理を開始する通信ノードが初期化処理などをするときにのみ必要であって、初期化処理を完了した後には不要な情報も含む中継データを、直接当該通信ノードに中継することができる。一方、自車両のイグニッションスイッチがオンからオフに変化したときを計時開始タイミングとして予め定めることによって、自車両のイグニッションスイッチがオンからオフに変化したときに給電が停止され、バッテリーなどの図示しない蓄電部からの給電が開始される通信ノードが、消費電力を低下させるためにスリープ状態に入るときに他の通信ノードと通信するためにのみ必要であって、スリープ状態に入るとき以外には不要な情報を含む中継データを、直接当該通信ノードに中継することができる。
(第1の実施形態の第2の変形例)
図10は、本変形例に係る処理部202のより詳細な機能構成を示す機能ブロック図である。本変形例に係る処理部202は、第1の実施形態に係る処理部202と比較して、変化データ判断部2022に特定変化データ判断部20223と、特定変化判断部20224とをさらに含ませている点が相違する。
特定変化データ判断部20223は、部分変化判断部20222によって判断された変化データを部分データとして含む中継データが、当該変化データが予め定められた特定変化をしたか否かを判断する対象の種類の特定変化中継データであるか否かを判断する。特定変化データ判断部20223の具体的な一例について説明する。
本変形例に係る部分変化判断部20222は、第1の実施形態で説明したように抽出部20221から取得した部分データが変化データであると判断したとき、最新中継データを更新せずに、当該変化データを特定変化データ判断部20223に取得させる。
特定変化データ判断部20223は、部分変化判断部20222から変化データを取得したとき、記憶部204に予め記憶されている特定変化データ情報を参照する。
ここで、本変形例に係る特定変化データ情報について図11を参照しながら説明する。図11に一例として示す特定変化データ情報は、予め定められた特定変化の内容と、当該特定変化をしたか否かを判断する対象となる情報が、取得した変化データに記載されている領域と、当該情報の内容とを、取得した変化データの種類毎に対応づけて示す情報である。
尚、図11に一例として示す特定変化データ情報に示される特定変化の内容(図11に示す例では、変化内容1、及び変化内容2)の欄に示される不等号[>]は、当該不等号[>]が記載されている欄にコンマで区切られて記載されている数値を上回る変化の内容を示し、当該欄に示される不等号[<]は、当該不等号[<]が記載されている欄にコンマで区切られて記載されている数値を下回る変化の内容を示している。
また、図11に一例として示す特定変化データ情報における情報の位置とは、特定変化をしたか否かを判断する対象となる情報が記載されている変化データにおける領域の基準位置であり、情報量とは、当該領域の広さである。特定変化データ情報における情報の位置、及び情報量について図12を参照しながらより詳細に説明する。図12は、本発明においてフレームとして送受信されるデータの一例である。図12に示すように、特定変化データ情報によって示される情報の位置とは、1つのフレームにおいて、特定変化をしたか否かを判断する対象となる情報が記載されている領域の基準位置をバイト数で示す情報であり、情報量とは、当該領域の広さをビット数で示す情報である。図12には、一例として、0バイト目の領域に8ビットの[2F]と、3バイト目の領域に4ビットの[F]とがそれぞれ記載されているデータを示している。尚、特定変化データ情報によって示される情報の位置の単位はバイトに限られなくてもよい。また、特定変化データ情報によって示される情報量の単位はビットに限られなくてもよい。
例えば、図11に一例として示す特定変化データ情報では、CAN−ID100の変化データに特定変化をしたか否かを判断する対象となる情報として車速が含まれており、当該変化データにおいて車速は0バイト目の領域に8ビットの情報量で記載されており、特定変化の内容として当該領域に記載されている情報が[20]を上回ったとき、及び[1D]を下回ったときの2つの内容がそれぞれCAN−ID100に対応づけて示されている。さらに、図11に一例として示す特定変化データ情報では、CAN−ID100の変化データに特定変化をしたか否かを判断する対象となる情報としてエンジン回転数も含まれており、当該変化データにおいてエンジン回転数は3バイト目の領域に8ビットの情報量で記載されており、特定変化の内容として当該領域に記載されている情報が[A0]を上回ったときの内容もそれぞれCAN−ID100に対応づけて示されている。
ただし、図11に示す特定変化データ情報によって示される、情報の位置、情報量、及び特定変化の内容の記載の仕方は一例であって、後述するように特定変化データ判断部20223、及び特定変化判断部20224が、情報の位置、情報量、及び特定変化の内容に相当する情報を変化データの種類毎に解釈できるのであれば、どのような記載の仕方をしてもよい。
特定変化データ判断部20223は、部分変化判断部20222から変化データを取得したとき、記憶部204に予め記憶されている特定変化データ情報を参照して、取得した変化データの種類と同一の種類が、参照した特定変化データ情報に示されているか否かを判断する。特定変化データ判断部20223は、取得した変化データの種類と同一の種類が、参照した特定変化データ情報に示されていると判断したとき、当該変化データを含む中継データが、予め定められた特定変化をしたか否かを判断する対象となる情報を含む特定変化中継データであると判断する。部分変化判断部20222から取得した変化データを含む中継データが特定変化中継データであると判断したとき、特定変化データ判断部20223は、当該変化データを特定変化判断部20224に取得させる。このとき、特定変化データ判断部20223によって特定変化判断部20224に取得させられる変化データは、特定変化中継データである中継データから抜き出された変化データということになる。一方、特定変化データ判断部20223は、取得した変化データの種類と同一の種類が、参照した特定変化データ情報に示されていないと判断したとき、記憶部204に記憶されている当該変化データと同一の種類の最新中継データに含まれる情報を当該変化データに含まれる情報で更新し、当該変化データを送信部203に取得させる。
特定変化判断部20224は、特定変化データ判断部20223から特定変化中継データに含まれる変化データを取得したとき、記憶部204に記憶されている前述の特定変化データ情報を参照する。特定変化判断部20224は、特定変化データ情報を参照して、特定変化データ判断部20223から取得した変化データの種類に対応づけて示される情報の位置と、情報量と、特定変化の内容とをそれぞれ認識する。さらに、特定変化判断部20224は、取得した変化データの種類と同一の種類の最新中継データを記憶部204から読み出す。そして、特定変化判断部20224は、認識した情報の位置に認識した情報量で、取得した変化データと、記憶部204から読み出した最新中継データとのそれぞれに記載されている情報を参照する。特定変化判断部20224は、取得した変化データと、読み出した最新中継データとのそれぞれに記載されている情報を比較して、認識した特定変化の内容で示される変化をしているか否かを判断する。
特定変化判断部20224は、認識した情報の位置に認識した情報量で、取得した変化データと、読み出した最新中継データとのそれぞれに記載されている情報が、認識した特定変化の内容で示される変化をしていると判断したとき、当該変化データを特定変化をした変化データとして判断する。特定変化判断部20224は、取得した変化データが特定変化をした変化データであると判断したとき、記憶部204に記憶されている当該変化データと同一の種類の最新中継データに含まれる情報を当該変化データに含まれる情報で更新し、当該変化データを送信部203に取得させる。一方、特定変化判断部20224は、取得した変化データが特定変化をした変化データでないと判断したとき、当該変化データを破棄する。
例えば、仮に、記憶部204に図11に一例として示す特定変化データ情報が予め記憶されており、特定変化判断部20224が、CAN−ID100の種類であって[2FFFFFFF00000000]の変化データを取得し、当該部分データの種類と同一の種類であって[1FFFFFFF2110F1BF]の最新中継データを記憶部204から読み出した場合を想定する。この場合、特定変化判断部20224は、まず、特定変化データ情報によってCAN−ID100に対応づけられている情報の位置(0バイト目)、情報量(8ビット)、特定変化の内容(変化内容1:20,>)、及び特定変化の内容(変化内容2:1D,<)をそれぞれ参照して認識する。そして、特定変化判断部20224は、取得した変化データの0バイト目に8ビットの情報量で記載されている[2F]と、読み出した最新中継データの0バイト目に8ビットの情報量で記載されている[1F]とを比較する。[1F]から[2F]への変化は、認識した特定変化の内容(変化内容1)、すなわち、「20を上回る」変化に相当するため、特定変化判断部20224は、取得した変化データが特定変化をした変化データであると判断する。
本変形例に係る送信部203は、特定変化データ情報に示されていないと特定変化データ判断部20223によって判断された種類の変化データ、及び特定変化判断部20224によって特定変化をしたと判断された変化データをそれぞれ取得したとき、取得した変化データを第2の通信線Bに送信して中継する。
以上が、本変形例に係るデータ中継装置20の詳細な説明である。尚、上述した処理部202に含まれる機能構成は、第1の実施形態で説明したように、処理部202が記憶部204に予め記憶させられているプログラムを解釈実行することにより、それぞれの機能構成として機能することによって実現されてもよい。
そして、この場合、中継データ特定部2021によって特定された中継データを取得する抽出部20221は、実際には、中継データ特定部2021として機能する処理部202が特定した中継データを記憶部204に記憶させ、抽出部20221として機能する処理部202が、当該中継データを記憶部204から読み出すことによって取得するものとする。同様に、抽出部20221によって抜き出された部分データを取得する部分変化判断部20222は、実際には、抽出部20221として機能する処理部202が抜き出した部分データを記憶部204に記憶させ、部分変化判断部20222として機能する処理部202が、当該部分データを記憶部204から読み出すことによって取得するものとする。同様に、部分変化判断部20222によって判断された変化データを取得する特定変化データ判断部20223は、実際には、部分変化判断部20222として機能する処理部202が判断した変化データを記憶部204に記憶させ、特定変化データ判断部20223として機能する処理部202が、当該変化データを記憶部204から読み出すことによって取得するものとする。同様に、特定変化データ判断部20223から変化データを取得する特定変化判断部20224は、実際には、特定変化データ判断部20223として機能する処理部202が変化データを記憶部204に記憶させ、特定変化判断部20224として機能する処理部202が、当該変化データを記憶部204から読み出すことによって取得するものとする。
次に、上述した本変形例に係る処理部202の処理を図13に示すフローチャートを参照しながら説明する。尚、図13のフローチャートに示す処理は、一例として、データ中継装置20に給電が開始されたときに開始され、給電が停止されたときに終了されるものとする。また、図13のフローチャートに示す処理の内、第1の実施形態に係る処理部202の処理を示す図6のフローチャートに示す処理の説明を援用できる部分については、当該説明を援用するものとして説明を省略する。
本変形例に係る処理部202は、ステップS104において、第1の実施形態で説明したように部分変化判断部20222として機能し、抽出部20221から取得した部分データが変化データであると判断すると、ステップS301へ処理を進める。一方、処理部202は、ステップS104において、抽出部20221から取得した部分データが変化データでないと判断すると、ステップS107へ処理を進める。
ステップS301において、処理部202は,特定変化データ判断部20223として機能し、上述したように部分変化判断部20222から取得した変化データを含む中継データが特定変化中継データであるか否かを判断する。処理部202は、ステップS301において、取得した変化データを含む中継データが特定変化中継データであると判断したとき、ステップS302へ処理を進める。一方、処理部202は、ステップS301において、取得した変化データを含む中継データが特定変化中継データでないと判断したとき,ステップS105へ処理を進める。
ステップS302において、処理部202は、特定変化判断部20224として機能し、上述したように特定変化データ判断部20223から取得した変化データが特定変化をした変化データであるか否かを判断する。処理部202は、ステップS302において、取得した変化データが特定変化をした変化データであると判断したとき、ステップS105へ処理を進める。一方、処理部202は、ステップS302において、取得した変化データが特定変化をした変化データでないと判断したとき、ステップS107へ処理を進める。
本変形例に係る処理部202は、ステップS301からステップS105へ処理を進めた場合には、ステップS105において、特定変化データ判断部20223として機能し、ステップS301において取得した変化データに含まれる情報で、記憶部204に記憶されている当該変化データと同一の種類の最新中継データに含まれる情報を更新する。処理部202は、ステップS105の処理を完了すると、ステップS106へ処理を進める。
本変形例に係る処理部202は、ステップS301からステップS105へ処理を進めた後、ステップS106の処理をする場合には、ステップS106において、特定変化データ判断部20223として機能し、ステップS301において取得した変化データを送信部203に取得させて中継させる。
一方,本変形例に係る処理部202は、ステップS302からステップS105へ処理を進めた場合、ステップS106において、特定変化判断部20224として機能し、ステップS302において特定変化をしたと判断した変化データに含まれる情報で、記憶部204に記憶されている当該変化データと同一の種類の最新中継データに含まれる情報を更新する。処理部202は、ステップS105の処理を完了すると、ステップS106へ処理を進める。
本変形例に係る処理部202は、ステップS302からステップS105へ処理を進めた後、ステップS106の処理をする場合には、ステップS106において、特定変化判断部20224として機能し、ステップS302において特定変化をしたと判断した変化データを送信部203に取得させて中継させる。
本変形例に係る処理部202は、ステップS302からステップS107へ処理を進めた場合、ステップS107において、特定変化判断部20224として機能し、ステップS302において取得した変化データを破棄する。
以上が、本変形例に係るデータ中継装置20の説明である。本変形例に係るデータ中継装置20で中継するのに適している中継データの例としては、自車両の車速が予め定められた車速を超えたときに自動的に自車両のドアを施錠するシステムの通信ノード、或いは自車両の車速が予め定められた車速未満となったときに自車両に搭載されたレーダで周辺の物体との距離の検出を自動的に開始するシステムの通信ノードなどを中継先とする中継データが挙げられる。このような通信ノードに対しては、自車両の車速が予め定められた車速を超えたときのみに当該車速を含む中継データを中継することで、中継先の通信線におけるデータ量をより削減することができる。そこで、このような通信ノードを中継先とする中継データを本変形例に係るデータ中継装置20で中継するときに、上述で説明したように予め定められた情報(例えば、車速、及びエンジン回転数など)を示す情報を含む変化データについては、前述の特定変化をしたときにだけ中継先の通信線に中継させることによって、中継先の通信線におけるデータ量をより削減できる。
(第2の実施形態)
図14は、本発明の第1の実施形態に係るデータ中継装置50でデータを中継するネットワーク2の概略構成を示すブロック図である。第1の通信ノード40a〜40b、及びデータ中継装置50は、それぞれ第1の通信線Aに接続されている。また、第2の通信ノード60a〜60b、及びデータ中継装置50は、それぞれ第2の通信線Bに接続されている。データ中継装置50は、第1の通信線A、及び第2の通信線Bのそれぞれに接続され、一方の通信線に流れるデータの中で予め定められた種類のデータを他方の通信線へ中継する。また、本実施形態の説明では、第1の実施形態と同様に、ネットワーク2で用いられる通信プロトコルが、CANである場合を一例として説明する。また、本実施形態では、ネットワーク2が、自車両内に構成されるネットワークである場合を一例として説明する。また、以下の説明におけるデータは、一例として、全て16進数で表現されるものとする。
第1の通信線Aに接続されている通信ノード(本実施形態では、第1の通信ノード40a〜40b)のそれぞれは、第1の実施形態で説明した第1の通信線Aに接続されている第1の通信ノードのそれぞれと同一の通信ノードであって、第1の実施形態で説明した第1の通信ノードと同様に、予め定められている互いに異なる種類のデータを任意のタイミングで互いに送受信する。ここで、データの種類とは、第1の実施形態で説明したように、当該データに含まれる識別子(本実施形態では、CAN−ID)で分けられる種類のことである。また、第1の通信ノード40a〜40bのそれぞれは、データ中継装置50によって中継されるデータの中で自ノード宛のデータの受信もする。また、第1の通信ノード40a〜40bのそれぞれは、自車両のイグニッションスイッチがオンとなっている期間を通じて動作をする。
データ中継装置50は、第1の通信ノード40a〜40bがそれぞれ送信するデータの中で第2の通信線Bに接続された第2の通信ノードのいずれかに中継するように予め定められた種類の第1の中継データを第2の通信線Bに送信して中継する。また、データ中継装置50は、第2の通信ノード60a〜60bがそれぞれ送信するデータの中で第1の通信線Aに接続された第1の通信ノード40a〜40bのいずれかに中継するように予め定められた種類の第2の中継データを第1の通信線Aに送信して中継する。また、本実施形態に係るデータ中継装置50は、自車両のイグニッションスイッチの状態、及び第2の通信線Bに接続されている第2の通信ノードの状態などに基づく処理もする。また、本実施形態に係るデータ中継装置50は、自車両のイグニッションスイッチがオフになっている期間を通じてバッテリーなどの蓄電手段から給電されるものとする。本実施形態に係るデータ中継装置50の詳細については後述する。
第2の通信ノード60a〜60bのそれぞれは、第2の通信線Bに接続されており、上述した第1の通信ノード40a〜40bのそれぞれと同様に、CANプロトコルで規定される形式のフレームをデータとして送受信する。また、第2の通信ノード60a〜60bのそれぞれは、データ中継装置50によって中継されるデータの中で自ノード宛のデータの受信もする。本実施形態に係る第2の通信ノード60a〜60bのそれぞれは、自車両のイグニッションスイッチがオフとなっている期間でもバッテリーなどの図示しない蓄電部から給電されて動作をする。
また、本実施形態に係る第2の通信ノード60a〜60bのそれぞれは、例えば、予め定められた期間内にデータを送信しない場合に、少なくともデータの受信だけを継続させて、他の処理などを一時停止させるなどの消費電力を抑制する処理をしている状態(以下、消費電力抑制状態と称する)をする。さらに、第2の通信線Bに接続されている第2の通信ノード(本実施形態では、第2の通信ノード60a〜60b)のそれぞれは、消費電力抑制状態である他の第2の通信ノードにデータを送信するときに、消費電力を抑制する処理を停止して当該データに基づく処理をできる通常動作状態に復帰する指示を示すデータを先に送信する処理(以下、復帰指示処理と称する)もする。そして、本実施形態では、第2の通信線Bに接続されている互いの第2の通信ノードの状態(消費電力抑制状態、及び通常動作状態など)を把握して、把握した状態に応じた処理(例えば、復帰指示処理など)をする機能を、第2の通信線Bに接続されている全て、或いは一部の第2の通信ノードに持たせることによって、第2の通信線Bに接続されている全て、或いは一部の第2の通信ノードの状態を管理する所謂ネットワーク管理機能を実現しているものとする。そして、本実施形態に係るデータ中継装置50も、前述のネットワーク管理機能を実現するための機能を有しているものとする。尚、前述のネットワーク管理機能は、任意の周知の技術を用いて実現されるものであってもよい。
尚、図14に示すネットワーク1の概略構成では、第1の通信ノード40a〜40bの2つの第1の通信ノードが第1の通信線Aに接続されている場合を一例として示しているが、第1の通信線Aに接続される第1の通信ノードは2未満であってもよいし、3以上であってもよい。また、図14に示すネットワーク1の概略構成では、第2の通信ノード60a〜60bの2つの第2の通信ノードが第2の通信線Bに接続されている場合を一例として示しているが、第2の通信線Bに接続される第2の通信ノードは2未満であってもよいし、3以上であってもよい。
図15は、本実施形態に係るデータ中継装置50の概略構成を示すブロック図である。本実施形態に係るデータ中継装置50は、第1の受信部401と、処理部402と、第2の送信部403と、記憶部404と、第2の受信部405と、第1の送信部406とを含む。
第1の受信部401、及び第2の送信部403のそれぞれは、第1の実施形態で説明した受信部201、及び送信部203のそれぞれと同一の構成要素であって、同一の動作をする。
処理部402は、典型的には、LSI、マイクロコンピュータ、及びCPUなどの集積回路で主に構成される電子部品で実現され、第1の受信部401から取得したデータの中で、当該データに含まれる情報に変化があったデータを第2の送信部403に送信させる。また、本実施形態に係る処理部402は、後述する第2の受信部405から取得したデータの中で、当該データに含まれる情報に変化があったデータを後述する第1の送信部406に送信させる。また、本実施形態に係る処理部402は、自車両のイグニッションスイッチの状態、及び第2の通信線Bに接続されている第2の通信ノードの状態に基づく動作もする。本実施形態に係る処理部402の詳細な説明は後述する。
記憶部404は、第1の実施形態に係る記憶部204と同様に、それぞれ第1の実施形態で説明したフィルタデータ、及び中継データ情報を記憶している。ただし、本実施形態に係る記憶部404は、第1の受信部401から取得したデータの中で第2の通信線Bに送信して中継するように予め定められた第1の中継データに含まれる識別子と同じ識別子を示す第1の中継情報と、後述する第2の受信部405から取得したデータの中で第1の通信線Aに送信して中継するように予め定められた第2の中継データに含まれる識別子と同じ識別子を示す第2の中継情報との2つの中継データ情報を記憶している。また、本実施形態に係る記憶部404は、第1の通信線Aに接続されているそれぞれの第1の通信ノードが送信するデータの種類毎に予め定めた第1のフィルタデータを対応づけて予め記憶すると共に、第2の通信線Bに接続されているそれぞれの第2の通信ノードが送信するデータの種類毎に予め定めた第2のフィルタデータも対応づけて予め記憶している。また、本実施形態に係る記憶部404は、処理部402によって記憶させられる様々な情報も記憶する。
第2の受信部405は、典型的には、接続されている通信線からデータを受信する通信回路、及び記憶素子(例えば、レジスタ)などからなるインターフェース回路で実現され、第2の通信線Bに接続された第2の通信ノード(本実施形態では、第2の通信ノード60a〜60b)のそれぞれから第2の通信線Bにデータが送信されたとき、送信されたデータを受信する。データを受信したとき、第2の受信部405は、受信したデータを処理部402に取得させる。
第1の送信部406は、典型的には、接続されている通信線にデータを送信する通信回路、及び記憶素子(例えば、レジスタ)などからなるインターフェース回路で実現され、処理部402から変化データを取得したとき、取得した変化データを第1の通信線Aに送信して中継する。
以上が、本実施形態に係るデータ中継装置50の概略構成の説明である。次に本実施形態に係る処理部402についてより詳細に説明する。
図16は、本実施形態に係る処理部402のより詳細な機能構成を示す機能ブロック図である。本実施形態に係る処理部402は、中継データ特定部4021と、変化データ判断部4022とを備える。
中継データ特定部4021は、第1の受信部401が第1の通信線Aから受信したデータの中から、第2の通信線Bに中継するように予め定められた種類の第1の中継データを特定する。また、中継データ特定部4021は、第2の受信部405が第2の通信線Bから受信したデータの中から、第1の通信線Aに中継するように予め定められた種類の第2の中継データを特定する。中継データ特定部4021の動作の具体的な一例を説明すると、中継データ特定部4021は、第1の受信部401からデータを取得したとき、まず、記憶部404に予め記憶されている第1の中継情報を参照して、取得したデータが第2の通信線Bに中継するように予め定められた種類の第1の中継データか否かを判断する。一方、中継データ特定部4021は、第2の受信部405からデータを取得したとき、まず、記憶部404に予め記憶されている第2の中継情報を参照して、取得したデータが第1の通信線Aに中継するように予め定められた種類の第2の中継データか否かを判断する。
ここで、記憶部404に記憶されている第1の中継情報、及び第2の中継情報について説明する。図17は、本実施形態に係る記憶部404に予め記憶されている第1の中継情報、及び第2の中継情報の一例を示す図である。図17に示す第1の中継情報には、第1の受信部401から取得するデータの中で、第2の通信線Bに送信して中継するように予め定められた第1の中継データに含まれる識別子(本実施形態では、CAN−ID)と同じ識別子が示されている。また、図17に示す第2の中継情報には、第2の受信部405から取得するデータの中で、第1の通信線Aに送信して中継するように予め定められた第2の中継データに含まれる識別子と同じ識別子が示されている。
中継データ特定部4021は、第1の受信部401からデータを取得したとき、記憶部404に記憶されている第1の中継情報を参照して、取得したデータに含まれる識別子と同じ識別子が第1の中継情報に示されているか否かを判断する。一方、中継データ特定部4021は、第2の受信部405からデータを取得したとき、記憶部404に記憶されている第2の中継情報を参照して、取得したデータに含まれる識別子と同じ識別子が第2の中継情報に示されているか否かを判断する。
中継データ特定部4021は、第1の受信部401から取得したデータに含まれる識別子が第1の中継情報に示されているとき、当該データを第1の中継データとして特定して変化データ判断部4022に取得させる。また、中継データ特定部4021は、第2の受信部405から取得したデータに含まれる識別子が第2の中継情報に示されているとき、当該データを第2の中継データとして特定して変化データ判断部4022に取得させる。
一方、中継データ特定部4021は、第1の受信部401から取得したデータに含まれる識別子が第1の中継情報に示されていないとき、取得したデータを破棄する。また、中継データ特定部4021は、第2の受信部405から取得したデータに含まれる識別子が第2の中継情報に示されていないとき、取得したデータを破棄する。
変化データ判断部4022は、中継データ特定部4021から取得した第1の中継データから抜き出すように予め定められた部分データ(以下、第1の部分データと称する)が、第1の受信部401が前回受信した同一の種類の第1の中継データから抜き出された第1の部分データから変化しているか否かを判断する。また、変化データ判断部4022は、中継データ特定部4021から取得した第2の中継データから抜き出すように予め定められた部分データ(以下、第2の部分データと称する)が、第2の受信部405が前回受信した同一の種類の第2の中継データから抜き出された第2の部分データから変化しているか否かを判断する。
本実施形態に係る変化データ判断部4022の具体的な一例についてさらに詳細に説明する。本実施形態に係る変化データ判断部4022は、図16に示すように、抽出部40221と、部分変化判断部40222と、送信先状態判断部40223とを含む。中継データ特定部4021によってそれぞれ特定された第1の中継データ、及び第2の中継データは、変化データ判断部4022に含まれる抽出部40221によって取得される。
第1の中継データ、又は第2の中継データを取得したとき、抽出部40221は、予め記憶部404に記憶されているフィルタデータの中から取得した第1の中継データ、又は第2の中継データの種類に対応づけられたフィルタデータを用いてそれぞれの中継データから部分データを抜き出す。抽出部40221の具体的な一例について説明する。図18Aは、本実施形態に係る第1のフィルタデータと第2のフィルタデータとの一例を示す図である。第1のフィルタデータは、図18Aに示すように、第1の中継データに含まれる情報の中から第1の部分データとして抜き出す情報が示されている予め定められた領域を、第1の中継データの種類毎に対応づけて示すデータである。また、第2のフィルタデータは、図18Aに示すように、第2の中継データに含まれる情報の中から第2の部分データとして抜き出す情報が示されている予め定められた領域を、第2の中継データの種類毎に対応づけて示すデータである。尚、図18Aにおいて、「第1のフィルタデータ」と記載されている欄の前の行示される数字は、第1の実施形態で説明した数字と同様の数字である。
抽出部40221が、第1のフィルタデータを用いて第1の中継データから第1の部分データを抜き出すときの手法は、第1の実施形態に係る抽出部20221と同様の手法を用いるものとして、説明を省略する。また、抽出部40221が、第2のフィルタデータを用いて第2の中継データから第2の部分データを抜き出すときの手法は、第1の実施形態に係る抽出部40221と同様の手法を用いるものとして、説明を省略する。
抽出部40221は、中継データ特定部2021から取得した第1の中継データから第1の部分データを抜き出したとき、取得した第1の中継データの種類を抜き出した第1の部分データに付加して部分変化判断部40222に取得させる。一方、中継データ特定部4021から取得した第2の中継データから第2の部分データを抜き出したとき、取得した第2の中継データの種類を抜き出した第2の部分データに付加して部分変化判断部40222に取得させる。
部分変化判断部40222は、抽出部40221から取得した第1の部分データが、第1の受信部401によって前回受信された同一の種類の第1の中継データから抜き出された第1の部分データから変化している第1の変化データか否かを判断する。また、部分変化判断部40222は、抽出部40221から取得した第2の部分データが、第2の受信部405によって前回受信された同一の種類の第2の中継データから抜き出された第2の部分データから変化している第2の変化データか否かを判断する。
部分変化判断部40222の動作の具体的な一例を説明する。部分変化判断部40222は、抽出部40221から第1の部分データを取得したとき、取得した第1の部分データに付加された種類(当該第1の部分データを含む第1の中継データと同一の種類。以下、第1の部分データの種類と称する)と同一の種類であって、後述する第1の最新中継データとして記憶部404に前回記憶させた第1の部分データに含まれる情報を参照する。部分変化判断部40222は、取得した第1の部分データについて、当該第1の部分データに含まれる情報が、参照した第1の最新中継データに含まれる情報から変化しているか否かを判断する。一方、部分変化判断部40222は、抽出部40221から第2の部分データを取得したとき、取得した第2の部分データに付加された種類(当該第2の部分データを含む第2の中継データと同一の種類。以下、第2の部分データの種類と称する)と同一の種類であって、後述する第2の最新中継データとして記憶部404に前回記憶させた第2の部分データに含まれる情報を参照する。部分変化判断部40222は、取得した第2の部分データについて、当該第2の部分データに含まれる情報が、参照した第2の最新中継データに含まれる情報から変化しているか否かを判断する。
ここで、本実施形態に係る第1の最新中継データ、及び第2の最新中継データについて説明する。図18Bは、本実施形態に係る第1の最新中継データと、第2の最新中継データとの一例を示す図である。本実施形態に係る第1の最新中継データは、後述するように部分変化判断部40222が第1の変化データであると前回判断した第1の部分データである。第1の最新中継データは、部分変換判断部40222が第1の変化データであると判断する度に、記憶部404に記憶されている当該第1の変化データの種類に対応する第1の最新中継データに含まれる情報が、当該第1の変化データに含まれる情報で更新されて記憶される。また、本実施形態に係る第2の最新中継データは、後述するように部分変化判断部40222が第2の変化データであると前回判断した第2の部分データである。第2の最新中継データは、部分変化判断部40222が第2の変化データであると判断する度に、記憶部404に記憶されている当該第2の変化データの種類に対応する第2の最新中継データに含まれる情報が、当該第2の変化データに含まれる情報で更新されて記憶される。
本実施形態に係る部分変化判断部40222が、抽出部40221から取得した第1の部分データと、当該第1の部分データの種類と同一の第1の最新中継データとを比較して、当該第1の部分データが第1の変化データであるか否かを判断する手法は、第1の実施形態で説明した手法を用いるものとして、説明を省略する。また、本実施形態に係る部分変化判断部40222が、抽出部40221から取得した第2の部分データと、当該第2の部分データの種類と同一の第2の最新中継データとを比較して、当該第2の部分データが第2の変化データであるか否かを判断する手法は、第2の実施形態で説明した手法を用いるものとして、説明を省略する。
部分変化判断部40222は、抽出部40221から取得した第1の部分データが第1の変化データであると判断したとき、送信先状態判断部40223に当該第1の変化データを取得させる。一方、部分変化判断部40222は、抽出部40221から取得した第1の部分データが第1の変化データでないと判断すると、当該第1の部分データを破棄する。
また、部分変化判断部40222は、抽出部40221から取得した第2の部分データが第2の変化データであると判断したとき、送信先状態判断部40223に当該第2の変化データを取得させる。一方、部分変化判断部40222は、抽出部40221から取得した第2の部分データが第2の変化データでないと判断すると、当該第2の部分データを破棄する。
送信先状態判断部40223は、図示しない通信ノード状態判断部と、図示しない車両状態判断部とを含む。送信先状態判断部40223の具体的な一例について説明する。送信先状態判断部40223は、部分変化判断部40222によって第1の変化データを取得させられたとき、当該第1の変化データの中継先は第2の通信線Bであると判断して、当該第1の変化データを通信ノード状態判断部に取得させる。一方、送信先状態判断部40223は、部分変化判断部40222によって第2の変化データを取得させられたとき、当該第2の変化データの中継先は第1の通信線Aであると判断して、当該第2の変化データを車両状態判断部に取得させる。
通信ノード状態判断部は、部分変化判断部40222から第1の変化データを取得したとき、当該第1の変化データの送信先の第2の通信ノードが前述の通常動作状態であるか否かを判断する。第1の変化データの送信先の第2の通信ノードが通常動作状態であるか否かの判断をするとき、通信ノード状態判断部は、第2の送信部403、及び第2の受信部405とを用いて第2の通信線Bに接続されている当該第2の通信ノードと通信をした結果に基づく任意の周知の手法で当該第2の通信ノードが通常動作状態か否かを判断する。通信ノード状態判断部は、部分変化判断部40222から取得した第1の変化データの送信先の第2の通信ノードが通常動作状態であるとき、当該第1の変化データの種類に対応する記憶部404に記憶されている種類の第1の最新中継データに含まれる情報を当該第1の変化データに含まれる情報で更新させると共に、第2の送信部403に当該第1の変化データを取得させる。一方、通信ノード状態判断部は、部分変化判断部40222から取得した第1の変化データの送信先の第2の通信ノードが通常動作状態でないとき、通常動作状態に復帰する指示を示す復帰指示データを第2の送信部403に先に取得させて当該第2の通信ノードに送信させた後、当該第1の変化データの種類に対応する記憶部404に記憶されている種類の第1の最新中継データに含まれる情報を当該第1の変化データに含まれる情報で更新させると共に、当該第1の変化データを第2の送信部403に取得させる。
車両状態判断部は、部分変化判断部40222から取得した変化データの送信先が第1の通信ノードであるとき、すなわち、取得した変化データが第2の変化データであるとき、自車両のイグニッションスイッチがオンであるか否かを判断する。車両状態判断部は、自車両のイグニッションスイッチがオンであると判断したとき、部分変化判断部40222から取得した第2の変化データの送信先の第1の通信ノードが動作していると判断して、当該第2の変化データの種類に対応する記憶部404に記憶されている種類の第2の最新中継データに含まれる情報を当該第2の変化データに含まれる情報で更新させると共に、当該第2の変化データを第1の送信部406へ取得させて当該第1の通信ノードへ送信させる。一方、車両状態判断部は、自車両のイグニッションスイッチがオフであると判断したとき、部分変化判断部40222から取得した第2の変化データの送信先の第1の通信ノードが動作していないと判断して、当該第2の変化データを破棄する。
第2の送信部403は、通信ノード状態判断部から第1の変化データを取得したとき、取得した第1の変化データを、当該第1の変化データの送信先の第2の通信ノードに送信する。
第1の送信部406は、車両状態判断部から第2の変化データを取得したとき、取得した第2の変化データを、当該第2の変化データの送信先の第1の通信ノードに送信する。
以上が、本実施形態に係るデータ中継装置50の詳細な説明である。尚、上述した処理部402に含まれる機能構成は、第1の実施形態で説明したように、処理部402が記憶部404に予め記憶させられているプログラムを解釈実行することにより、それぞれの機能構成として機能することによって実現されてもよい。
そして、この場合、中継データ特定部4021によって特定された第1の中継データ、及び第2の中継データをそれぞれ取得する抽出部40221は、実際には、中継データ特定部4021として機能する処理部402がそれぞれ特定した第1の中継データ、及び第2の中継データを記憶部404に記憶させ、抽出部40221として機能する処理部402が、当該第1の中継データ、又は当該第2の中継データを記憶部404から読み出すことによって取得するものとする。同様に、抽出部40221によって抜き出された第1の部分データ、及び第2の部分データをそれぞれ取得する部分変化判断部40222は、実際には、抽出部40221として機能する処理部402が抜き出した第1の部分データ、及び第2の部分データをそれぞれ記憶部404に記憶させ、部分変化判断部40222として機能する処理部402が、当該第1の部分データ、又は当該第2の部分データを記憶部404から読み出すことによって取得するものとする。同様に、部分変化判断部40222によってそれぞれ判断された第1の変化データ、及び第2の変化データをそれぞれ取得する送信状態判断部40223(車両状態判断部、及び通信ノード状態判断部)は、実際には、部分変化判断部40222として機能する処理部402がそれぞれ判断した第1の変化データ、及び第2の変化データを記憶部404に記憶させ、送信状態判断部40223(車両状態判断部、及び通信ノード状態判断部)として機能する処理部402が、当該第1の変化データ、又は当該第2の変化データを記憶部404から読み出すことによって取得するものとする。
次に、上述した本実施形態に係る処理部402の処理を図19に示すフローチャートを参照しながら説明する。尚、図19のフローチャートに示す処理は、一例として、データ中継装置50に給電が開始されたときに開始され、給電が停止されたときに終了されるものとする。
ステップS401において、処理部402は、中継データ特定部4021として機能し、第1の受信部401からデータを取得したか否か、及び第2の受信部405からデータを取得したか否かをそれぞれ判断する。処理部402は、ステップS401において、第1の受信部401、及び第2の受信部405のいずれか一方からデータを取得したと判断すると、ステップS402へ処理を進める。一方、処理部402は、ステップS401において、第1の受信部401、及び第2の受信部406のいずれからもデータを取得していないと判断すると、ステップS401の処理の処理を繰り返す。
ステップS402において、処理部402は、中継データ特定部4021として機能し、上述したように、ステップS401で第1の受信部401からデータを取得したとき、記憶部404に記憶されている第1の中継情報を参照して、ステップS401で第1の受信部401から取得したデータが第1の中継データであるか否かを判断する。処理部402は、ステップS402において、取得したデータが第1の中継データであると判断すると、抽出部40221に当該第1の中継データを取得させる。一方、処理部402は、ステップS402において、ステップS401で第1の受信部401から取得したデータが第1の中継データでないと判断すると、ステップS411へ処理を進める。一方、ステップS402において、処理部402は、ステップS401で第2の受信部405からデータを取得したとき、記憶部404に記憶されている第2の中継情報を参照して、ステップS401で第2の受信部405から取得したデータが第2の中継データであるか否かを判断する。処理部402は、ステップS402において、取得したデータが第2の中継データであると判断すると、抽出部40221に当該第2の中継データを取得させる。一方、処理部402は、ステップS402において、ステップS401で第2の受信部405から取得したデータが第2の中継データでないと判断すると、ステップS411へ処理を進める。
ステップS403において、処理部402は、抽出部40221として機能し、中継データ特定部4021から第1の中継データを取得したとき、第1の中継データの種類に対応する第1のフィルタデータを記憶部404から読み出し、上述したように当該第1の中継データから第1の部分データを抜き出して、部分変化判断部40222に取得させる。一方、処理部402は、ステップS403において、中継データ特定部4021から第2の中継データを取得したとき、第2の中継データの種類に対応する第2のフィルタデータを記憶部404から読み出し、上述したように当該第2の中継データから第2の部分データを抜き出して、部分変化判断部40222に取得させる。処理部402は、ステップS403の処理を完了すると、ステップS404へ処理を進める。
ステップS404において、処理部402は、部分変化判断部40222として機能し、抽出部40221から第1の部分データを取得したとき、当該第1の部分データと同一の種類であって、記憶部404に第1の最新中継データとして前回記憶させた第1の部分データに含まれる情報を参照して、上述したように、抽出部40221から取得した第1の部分データが第1の変化データであるか否かを判断する。処理部402は、ステップS404において、抽出部40221から取得した第1の部分データが第1の変化データであると判断すると、ステップS405へ処理を進める。一方、処理部402は、ステップS404において、抽出部40221から取得した第1の部分データが第1の変化データでないと判断すると、ステップS411へ処理を進める。また、処理部402は、ステップS404において、抽出部40221から第2の部分データを取得したとき、当該第2の部分データと同一の種類であって、記憶部404に第2の最新中継データとして前回記憶させた第2の部分データに含まれる情報を参照して、上述したように、抽出部40221から取得した第2の部分データが第2の変化データであるか否かを判断する。処理部402は、ステップS402において、抽出部40221から取得した第2の部分データが第2の変化データであると判断すると、ステップS405へ処理を進める。一方、処理部402は、ステップS404において、抽出部40221から取得した第2の部分データが第2の変化データでないと判断すると、ステップS411へ処理を進める。
ステップS405において、処理部402は、送信先状態判断部40223として機能し、部分変化判断部40222から取得させられたデータが第1の変化データであるか第2の変化データであるかを判断することによって、それぞれの変化データの中継先が第1の通信線Aであるか否かを判断する。ステップS405において、処理部402は、部分変化判断部40222によって第1の変化データを取得させられたとき、当該第1の変化データの中継先は第1の通信線Aでないと判断して、当該第1の変化データを通信ノード状態判断部に取得させて、ステップS407へ処理を進める。一方、ステップS405において、処理部402は、部分変化判断部40222によって第2の変化データを取得させられたとき、当該第2の変化データの中継先は第1の通信線Aであると判断して、当該第2の変化データを車両状態判断部に取得させて、ステップS406へ処理を進める。
ステップS406において、処理部402は、車両状態判断部として機能し、送信先状態判断部40223から第2の変化データを取得して、自車両のイグニッションスイッチがオンであるか否かを判断する。処理部402は、ステップS406において、自車両のイグニッションスイッチがオンであると判断したとき、第1の通信線Aに接続されている第1の通信ノードが動作していると判断して、ステップS409へ処理を進める。一方、処理部402は、ステップS406において、自車両のイグニッションスイッチがオンでないと判断したとき、第1の通信線Aに接続されている第1の通信ノードが動作していないと判断して、ステップS411へ処理を進める。
ステップS407において、処理部402は、通信ノード状態判断部として機能し、送信先状態判断部40223から第1の変化データを取得して、当該第1の変化データの送信先の第2の通信ノードが通常動作状態であるか否かを判断する。処理部402は、ステップS407において、取得した第1の変化データの送信先の第2の通信ノードが通常動作状態であると判断したとき、ステップS409へ処理を進める。一方、処理部402は、ステップS407において、取得した第1の変化データの送信先の第2の通信ノードが通常動作状態でないと判断したとき、ステップS408へ処理を進める。
ステップS408において、処理部402は、通信ノード状態判断部として機能し、ステップS407で取得した第1の変化データを第2の送信部403に先に取得させて、当該第1の変化データの送信先の第2の通信ノードに対して上述したように復帰指示データを先に送信させる。処理部402は、ステップS408の処理を完了すると、ステップS409へ処理を進める。
ステップS406からステップS409へ直接処理を進めた処理部402は、ステップS409において、車両状態判断部として機能し、ステップS406で取得した第2の変化データの種類に対応する記憶部404に記憶されている種類の第2の最新中継データに含まれる情報を当該第2の変化データに含まれる情報で更新する。処理部402は、ステップS409の処理を完了すると、ステップS410へ処理を進める。
ステップS406からステップS409へ直接処理を進めた後、ステップS410の処理をする処理部402は、車両状態判断部として機能し、ステップS406で取得した第2の変化データを第2の送信部403に取得させて送信させる。
ステップS407からステップS409へ直接処理を進めた処理部402、又はステップS408からステップS409へ処理を進めた処理部402は、ステップS409において、通信ノード状態判断部として機能し、ステップS407で取得した第1の変化データの種類に対応する記憶部404に記憶されている種類の第1の最新中継データに含まれる情報を当該第1の変化データに含まれる情報で更新する。処理部402は、ステップS409の処理を完了すると、ステップS410へ処理を進める。
ステップS407からステップS409へ直接処理を進めた処理部402、ステップS408からステップS409へ処理を進めた後、ステップS410の処理をする処理部402は、ステップS407で取得した第1の変化データを第2の送信部403に取得させて送信させる。
ステップS404からステップS411へ処理を進めた処理部402は、ステップS411において、部分変化判断部40222として機能し、ステップS404で取得した第1の変化データ、或いは第2の変化データを破棄する。
ステップS406からステップS411へ処理を進めた処理部402は、ステップS411において、車両状態判断部として機能し、ステップS406で取得した第2の変化データを破棄する。
以上が、本実施形態に係る処理部402の処理の説明である。本実施形態では、上述したように、第1の通信線Aには自車両のイグニッションスイッチがオンとなっている期間を通じて動作をする第1の通信ノードを接続し、第2の通信線Bには自車両のイグニッションスイッチがオフとなっている期間でも図示しない蓄電部から給電されて動作をする第2の通信ノードを接続している。そして、本実施形態に係るデータ中継装置50によれば、第2の通信線Bに接続されている第2の通信ノードが通常動作状態でないときには、復帰指示を示す復帰指示データを送信して通常動作状態に復帰させることができるので、第2の通信ノードは、例えば、予め定められた期間以内にデータを送信しないときに上述した消費電力を抑制する処理をして消費電力を抑制することができる。
以上、本発明を詳細に説明してきたが、上述の説明はあらゆる点において本発明の一例にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
また、上述した、第1の実施形態、その変形例、及び第2の実施形態は、例えば、中継タイミングを判断しながら、特定変化をした変化データのみを中継するなど、どのように組み合わせてもよい。