JPWO2010137556A1 - 雰囲気置換装置 - Google Patents

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Abstract

FOUP型容器をパージガスでパージする改良された雰囲気置換装置を提供する。雰囲気置換装置は、流出面から層流のパージガスを流出するように設計された非ノズル型パージプレートを備える。パージプレート駆動機構によって、パージプレートは待機位置と作動位置との間で移動可能である。パージ期間中、パージプレートはこの作動位置におかれ、FOUP型容器の開放面に対面する姿勢で、開放面の内部に層流のパージガスを流出して容器をパージする。

Description

本発明は、半導体ウエハ、液晶ディスプレイパネル、有機ELディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル、太陽電池用パネル等の薄板状基板を処理する際の、各処理工程間の搬送において、外部から隔絶された雰囲気内で薄板状基板を所定の間隔で収納する密閉容器に対して、容器内部の雰囲気を不活性ガス等の雰囲気に置換する雰囲気置換装置及び雰囲気置換方法に関するものである。
従来から、半導体ウエハ等の薄板状基板に成膜、エッチングといった様々な処理を行う処理装置や、移載を行うEFEM(Equipment Front End Module)、ロット番号を読み取り仕分けするソーターと呼ばれる装置では、空気中に浮遊するパーティクルが薄板状基板に付着するのを防止するため、薄板状基板の曝される装置内部雰囲気を高清浄に保つミニエンバイロメント方式と呼ばれる高度に清浄化された微小空間とすることで、比較的安価に高い清浄度を保つ工夫がなされてきた。
しかし近年、半導体回路線幅のデザインルールの微細化、ウエハ直径の大口径化が進行し、従来のミニエンバイロメント方式による高清浄化だけでは対応出来ない問題が現れてきている。処理装置により処理され、密閉容器内部に運び込まれた薄板状基板の表面が空気中の酸素や水分に反応して自然酸化膜等の各種処理工程上好ましくない膜が生成してしまったり、空気中の酸素や水分以外にも、処理装置内で使用された汚染物質が薄板状基板上に付着したままの状態で密閉容器内に運び込まれ、この汚染物質が密閉容器内の他の薄板状基板までも汚染してしまったりして、次の処理工程に悪影響を及ぼすこととなり歩留まりの悪化を招いてしまう。
そういった問題を解決するための方法として、密閉容器内に入り込んだ空気や汚染物質を不活性ガスで除去し、密閉容器内を不活性ガスで満たすことにより内部に収納された薄板状基板表面の酸化を防止する様々な方法が考えられてきた。
[特許文献1]では、密閉容器の1つであるFOUP(FrontOpeningUnifiedPod)に載置されたウエハと所定の距離だけ隔てた位置に設けられ、不活性のパージガスを吹出するガス供給ノズルを鉛直方向に上下動させることにより、ウエハ表面に付着した汚染物質を除去する方法が開示されている。しかし、この方法では、薄板状基板の1種であるウエハの表面に付着した汚染物質をウエハ上から吹き飛ばすことは可能であるが、吹き飛ばされた汚染物質がミニエンバイロメント空間内に排出されてしまったり、FOUP内部やウエハ表面に付着していた塵埃をFOUP内に撒き散らせてウエハ処理面を傷つけてしまったりという不都合が起きる可能性がある。
また、[特許文献2]では、不活性ガスを供給するノズルに加えて、FOUP内周縁に沿って流れた不活性ガスを吸入する補助ノズルを設け、FOUP内を不活性ガスが周回軌跡を描くことが出来るような流路を作り出している。また、FOUP開放面とノズルを覆う様にカバーを設けることで、パージガスの外部への流出を抑え、効率の良いパージを行う方法が開示されている。
しかし、この方法でもノズルから流出されたパージガスが乱流となってしまい、ウエハ表面に付着している塵埃をFOUP内に撒き散らせて、ウエハ処理面を傷つけてしまう不都合は十分に解消されていない。その上、容器開放部の一方の縦側端からガスを吹き込み他方の縦側に排出する際、容器内で不活性ガスが空気と旋回混合することで置換が遅くなり、結果として必要とされる不活性ガス量が多くなってしまい、効率の良いパージを行うには不十分なものであった。また、密閉空間形成部を付加したり、パージガスを流出するノズルに加えて、パージガスを流入するノズルを設けたりといった、付加する部品が増えることによるコストアップとなってしまうという問題がある。
特開2005−33118号公報 国際公開WO2005/124853号公報
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、ノズルを使用することなく、効率よく、有効にFOUP型容器の内部雰囲気をパージガスで置換することが可能な雰囲気置換装置を提供することを主たる目的とする。
本発明の一形態によれば、FOUP型容器をパージガスでパージする雰囲気置換装置が提供される。ここに、FOUP型容器とは、前面に開放面を有し、開放面をカバーで密閉可能な収納容器であり、たとえば、半導体プロセス間で使用されるFOUP(FrontOpeningUnifiedPod)を含むがこれには限定されない。この雰囲気置換装置は、従来のノズル型のパージガス噴出機構とは対照的に、流出面から層流のパージガスを流出するように設計された非ノズル型パージプレートを使用する。この新規なパージガス噴出機構(非ノズル型パージプレート)は、待機位置と作動位置を有する。パージプレート駆動機構(たとえば、昇降機構)によって、パージプレートは待機位置と作動位置との間で移動可能である。パージ期間中、パージプレートはこの作動位置におかれ、FOUP型容器の開放面に対面する姿勢で、開放面の内部(好適には、開放面の中央)に向けて、層流のパージガスを流出して前記容器をパージするように作動する。
パージプレートは本発明のキーコンポーネントである。この新規なパージガス噴出機構は、従来のノズル型に比べて、(a)ガス流がプレーン流出方式による比較的大きなガス断面積(総気孔面積換算)を有する一様な層流である、(b)ガス流が比較的低速である(好ましくは、パージプレートから前方、20mmの位置において、0.05メートル/秒から0.5メートル/秒までの範囲)ため、従来のノズル型パージガス噴出機構において遭遇していた「攪拌現象(FOUP型容器内で、残留空気と供給ガスとが混じり合う現象を伴う)」を十分に抑制することができ、結果として、有効で効率のよいガス置換が可能となる。
パージプレートから出るガス流はスローであるにもかかわらず、従来のノズル型から得られる高速のガス流よりも短い時間でパージングを実施する可能性を有する。これは予想外の効果であるといえる。また、パージプレートから出るガス流はスローな層流である。したがって、従来のノズル型パージガス噴出機構において遭遇していた「発塵現象(FOUP型容器内で塵埃が舞い上がる現象)」をこのスローなガス層流で十分に抑制することができる。半導体製造工場(FAB)において、塵埃(パーティクル)は半導体ウエハなどを汚染し、重大な歩留まりの低下をもたらすことから、パージプレートに基づく、この発塵抑制機能は非常に重要である。
パージプレートの作動位置に関して説明する。好適な形態において、パージプレートの作動位置は、FOUP型容器の移動経路上に位置する。したがって、パージプレートが待機位置にあるとき、FOUP型容器は、パージプレートの作動位置を占有することができる。この占有状態において、FOUP型容器の前面はドアに当接してよい。なお、ドアは、従来のロードポートのドアと同様に、開いているときに、搬送ロボットのマニュプレータが通過可能になっている。この当接状態において、ドアは、従来のロードポートのドアと同様のメカニズムで、FOUP型容器からカバーを取り外し(容器を開放し)ドア自身に装着し、あるいは、この逆に、カバーをドアから取り外しFOUP型容器の開放面に装着する(容器を密閉する)こととなる。パージプレートが作動位置にあるとき、FOUP型容器は、その開放面がパージプレートに対面し、パージプレートからのパージガス流をダイレクトに受ける位置(パージガス受け入れ体勢)にある。このために、FOUP型容器は、パージに先立って、「占有位置」から「パージガス受け入れ位置」に移動する。これにより、パージプレートの作業スペースが確保される。
作業スペース確保機構はFOUP型容器を移動経路に沿って移動させるFOUP型容器移動機構であり得る。これは、たとえば、従来のロードポートのようにFOUP型容器を載せたステージを移動させるステージ移動機構で実現できる。代替として、あるいはこれと組み合わせて、ドアをFOUP型容器から離れる方向に移動させるドア移動機構を設けることができる。このような作業スペース確保機構により、パージプレートの作動位置は、FOUP型容器(の開放面)とドアとの中間に存在することになる。
好適な形態において、パージプレートは、パージガスの噴出力を抑制または阻害する噴出抑制素子を備える。好ましくは、噴出抑制素子はエアフィルタ材などの多孔質材で構成される。
好適な形態において、雰囲気置換装置はロードポートとコンパチブルに設計される。
雰囲気置換装置のドア自体は、通常のロードポートのドアで実現してよい。好適な形態において、雰囲気置換装置に、ドアをX方向(たとえば水平方向)とY方向(たとえばX方向と直交する方向、たとえば垂直方向)に移動するドア移動機構が設けられる。
所定の応用において、雰囲気置換装置は、通常のロードポートがそうであるように、ミニエンバイロメント空間ユニットに隣接して配置される。すなわち、ドアの向こうにミニエンバイロメント空間があり、このドアの開放時にミニエンバイロメント空間側から搬送ロボットがマニピュレータ(ロボットアーム)を使ってFOUP型容器にアクセスする(ウエハ移載作業を行うため)。この種の応用では、雰囲気置換装置は、開口部内にFOUP型容器をセットした状態(開放面を含むFOUP型容器の頭部分のみが開口部内に入り込んだ状態)で、パージング(雰囲気置換)を実施する。開口部は雰囲気置換装置の内壁により画定される。したがって、一般に、雰囲気置換装置の内壁とドアとの間には、隙間があり、開口部内は、この隙間を通して、ミニエンバイロメント空間ユニットからの高清浄度空気と限定的に連通している。
したがって、開口部にFOUP型容器をセットした状態において、雰囲気置換装置は、開口部内が、この隙間を通じて常時、高清浄度空気に曝されている。一般に、ミニエンバイロメント空間ユニットは外部からの低清浄度空気の浸入を回避するため、外部より高い気圧(「陽圧」)下に置かれる。
この発明の別の諸特徴は、本発明のパージプレート付雰囲気置換装置を上記のような隙間連通型雰囲気置換装置(パージポート)に適用した場合の改良に関している。したがって、これらの特徴は、「原理的に」、ノズル型雰囲気置換装置にも適用できる。しかしながら、ノズル型パージガス噴出機構に固有の「攪拌現象」、「発塵現象」を許容可能なレベルに抑制できないノズル型雰囲気置換装置に、これらの特徴を組み入れたとしても、基本的性能には改善が期待できないため、相乗効果は得られないと考えられる。換言すると、「攪拌現象」、「発塵現象」を許容可能なレベルに抑制する基本性能を備えた雰囲気置換装置に適用した場合に有効である。
好適な形態において、上記隙間を実効的に無しとする機構が、雰囲気置換装置に設けられる。具体的には、雰囲気置換装置の内壁にラビリンス構造の内壁シールドカバーを設ける。さらに、前記ドアにも、同様なラビリンス構造のドアシールドカバーを設ける。そして、前記内壁シールドカバーと前記ドアシールドカバーとにより、前記隙間が非接触シールされるように配置、構成する。これにより、実効的に、隙間が無くなるため、高清浄度空気の浸入が可及的に低減される。この結果、所要のパージングに必要な時間(パージタイム)を短縮することができる。さらに、ラビリンスシール構造の特性から、内壁とドアとの接触、または衝突(ここでは、内壁シールドカバーとドアシールドカバーとの接触または衝突)は、起きないため、接触、衝突に起因する「発塵」は有効に防止される。
別の好適な形態において、上記隙間を可変とする隙間調整機構が、雰囲気置換装置に設けられる。具体的には、雰囲気置換装置の内壁にラビリンス構造の内壁シールドカバーを設ける。同様に、前記ドアにもラビリンス構造のドアシールドカバーを設ける。さらに、前記ドアを水平方向に移動するドア駆動機構を設ける。そして、前記ドアの水平方向の位置により、前記内壁シールドカバーと前記ドアシールドカバーとの間のシールの程度が調整可能(したがって、前記隙間が調整可能)となるように設計する。これにより、実効的に、隙間を所望の大きさ(シールドの「深さ」に対応した実効的な大きさ)に調整できるので、パージングタイムを短縮できる。また、高清浄度空気の開口部内への浸入を適度に調整できる。
ミニエンバイロメント空間の隣にパージプレート付雰囲気置換装置を配置した形態の場合、隙間を介して連通する高清浄度空気の流れ(図9の高清浄度空気通路121参照)は、パージプレートがパージガス流れをFOUP型容器FOUP型容器に供給する期間(パージ期間)では、適度に存在する方が、結果的にパージングタイムを短縮することを本願発明者は見いだした(図9の流れ模式図を参照)。パージプレートの動作が停止すると(パージプレートのパージ動作完了)、パージガスのストリームが消滅することから、パージガスカーテン効果がなくなり、このモード(パージプレート動作完了モード)下での高清浄度空気の浸入(一部は、FOUP型容器の奥へと浸入するであろう)は、結果的にパージタイムを長引かせる要因になる。
この遅延要因を排除するため、パージプレートの動作完了後、瞬時に(たとえば、ミリ秒のオーダー、たとえば、100ミリ秒程度で)FOUP型容器にカバーを被せて容器を密閉することが考えられる。しかし、カバーをドア以外の場所に待機させておいて装着する必要があり、実用的ではない。現実的には、パージプレートがFOUP型容器の移動の障害にならなくなったタイミング(たとえば、待機位置に後退したタイミング)で、ドアにまでFOUP型容器を移動させ、ドアからカバーを外し、FOUP型容器に取り付けることになる。この方式による、パージプレート動作完了からFOUP型容器密閉までの時間は、ある程度短時間(例えば、一秒程度)で実現可能である。
代替として、または組み合わせて、パージプレート動作完了モード下で、ミニエンバイロメントユニットからの高清浄度空気の浸入を実効的に低減する機構を設けることができる。これにより、所要のパージングタイムをさらに短縮することができる。
一構成例において、この機構は、FOUP型容器内に向けてパージガスを補給する補助ノズル内壁に設けることで実現される。好ましくは、この補助ノズルはパージプレート動作完了モード中に動作するように制御される。これは簡単な構成であるが、結果的に十分有効であること(特に、所要パージングタイムを短縮する点に関して有効であること)が判明した。
上記深さ調整可能なラビリンス機構(隙間可変調整機構)をこの目的に利用することもできる。具体的には、パージプレート動作完了時に(あるいは完了時点に先行する適当なタイミングから開始して)、水平ドア駆動機構により、ドアを水平方向に最も深いシール位置に向けて動かし、パージプレートの動作停止中に、ドアが最も深いシール位置に維持されるように制御する。
また、上記深さ調整可能なラビリンス機構(隙間可変調整機構)は、使用するミニエンバイロメント空間ユニットの内外差圧(陽圧)の大きさに応じて、隙間の大きさを制御することが可能である。これによって、使用するミニエンバイロメント空間ユニットの内外差圧(陽圧)の大きさ(またはミニエンバイロメント空間ユニットの使用環境)を補償する。
本発明の上記およびその他の目的、特徴、利点は、図面を参照してなされる以下の詳細な説明から明らかとなる。参照する図面は下記の通りである。
一般的な処理装置の概要を示す斜視図である。 処理装置の断面図である。 ウエハ収納容器の一つであるFOUPの構造を示す斜視図である。 ロードポートの概要を示す斜視図である。 本発明の一実施例に係るパージポート(雰囲気置換装置)を示す断面図である。 図5のFIMSドア周辺を示す斜視図である。 パージプレートの実施例を示す斜視図である。 パージプレートの別の実施例を示す斜視図である。 本発明の実施例に基づいて、パージポートによりFOUPがパージングされる様子を説明するため、FOUP内の気流を模擬的に示した断面図である。 本発明の実施例に基づいて、FIMSドアを水平方向に駆動するドア駆動機構の斜視図である。 パージポートの動作シーケンスを示す断面図である。 パージプレート内の配管及び信号入出力の系統を示す図である。 FIMSドア駆動機構周辺を示す斜視図である 本発明の実施例に基づいて、FIMSドアに取り付けられたシールドカバー67a、67bを示した斜視図である。 試験環境を示した説明図である。 試験用ミニエンバイロメント空間ユニットの内外差圧を3.5Paと2.5Paとした場合の窒素ガス(パージガス)流量と供給時間の違いによる酸素濃度の推移を示したグラフである。 窒素ガスの流量及び供給時間を一定にした場合の内外差圧と酸素濃度の推移の関係を示したグラフである。 内外差圧を一定にした場合の窒素ガス流量と供給時間の違いによる酸素濃度の推移を示したグラフである。
以下に、本発明を図面に示した特定の実施例について詳しく説明する。図1は処理装置1の斜視図であり、図2はその断面図である。処理装置1はクリーンルームと呼ばれる、0.5μmダストでクラス100程度の比較的清浄な雰囲気に管理された工場内に設置されている。処理装置1は主として、ロードポート2、ミニエンバイロメント空間ユニット3、搬送ロボット4、ファンフィルタユニット5、真空チャンバ6、プロセスチャンバ7で構成されている。ミニエンバイロメント空間ユニット3はフレームと、そのフレームに固定され外部雰囲気と分離するための壁面と、外部からの空気を高清浄な空気に清浄化したうえでダウンフローとしてミニエンバイロメント空間ユニット3に導入する高清浄空気導入手段であるファンフィルタユニット5が設けられている。ファンフィルタユニット5にはミニエンバイロメント空間ユニット3の天井に設置され、ミニエンバイロメント空間ユニット3内部に向かって下向きに空気を送るファン8と、送られてきた空気の中に存在する塵埃や有機物などの汚染物質を除去するフィルタ9が具えられている。
また、ミニエンバイロメント空間ユニット3の床面10(図2)はパンチングプレート等所定の開効率を有する空気流通可能な部材が用いられている。これらの構成により、ファンフィルタユニット5により内部に供給された清浄空気は常にミニエンバイロメント空間ユニット3内を下向きに流れ、床面10から装置外部へと排出されることとなり、ミニエンバイロメント空間ユニット3内は高清浄雰囲気に保たれている。搬送ロボット4は薄板状物の1種であるウエハ15(図3(a))をFOUPと呼ばれる容器13内とプロセスチャンバ7との間を搬送するもので、ロボット4のアーム可動部分は磁性流体シールなどの発塵防止のシール構造とすることで、発塵によるウエハ15への悪影響を極力抑える工夫がなされている。この構成により、ウエハ15は高清浄な雰囲気内で搬送ロボット4により搬送される。また、ミニエンバイロメント空間ユニット3内部気圧は外部よりも高い圧力「陽圧」となっており、典型的には1.5Pa程度の差圧をもつように維持されている。このようにして、外部からの汚染物質や塵埃の侵入を防止することで、ミニエンバイロメント空間ユニット3内部の清浄度は0.5μmダストでクラス1以上の高清浄度を維持することが可能となっている。
次にロードポート2について図1及び図4にて以下に説明する。ロードポート2はミニエンバイロメント空間ユニット3を形成するフレーム3aの所定の位置に固定されており、密閉可能な容器の一種であるFOUP13を所定の位置に載置するステージ14と、ステージ14を支持し、ステージ14を前進・後退動作させるステージ駆動機構29と、搬送ロボット4がFOUP13内のウエハ15の搬出・搬入を行うためのポート開口部11と、ポート開口部11を一定の隙間を開けて塞ぐ位置にあり、FOUP13の内部を密閉するためのカバー17と一体化するFIMSドア12と、FIMSドア12を昇降動作させるFIMSドア昇汞機構19を具えている。
FIMSドア12の開扉動作及び閉扉動作については、カバー17と一体化したFIMSドア12をFOUP13に対して離間した位置まで往復動作させるカバー開閉手段を設けるか、若しくは、ステージ駆動機構29がFOUP13を載置したステージ14を、カバー17と一体化したFIMSドア12に対して離間した位置まで往復動作させることで可能となる。この場合、ステージ駆動機構29がカバー開閉手段の役割も担うこととなる。なお、これらの機構は半導体製造に係る規格であるSEMI規格によって規定されたFIMS(Front−opening Interface Mechanical Standard)システムに対応したものとなっている。
ステージ駆動機構29は駆動源であるモータ29aと送りネジ29bを具えており、モータ29aの回転が送りネジ29bに伝達され、送りネジ29bに固定されたステージ14を任意の位置まで移動させることが可能となっている。なお、モータ29aと送りネジ29bに代えて、空気圧や油圧といった流体圧を利用したシリンダを使用することとしても良い。FOUP13はステージ14に配置された位置決め手段30としてのキネマティックピン30によりステージ14の所定の場所に正確に載置され、不図示の係合手段によってステージ14と係合される構造となっている。
FIMSドア12は、FOUP13のカバー17に対して、位置決めと吸着力による一体化を行うためのレジストレーションピン23aと、カバー17に具えられたラッチキー穴24に嵌合し、回転することでラッチキー穴24と連動するロック機構25と、ラッチキー穴24と係合し、ロック状態とロック解除状態を切り換えるラッチキー23bを具えている。これらの構成によって、FOUP13を構成するカバー17とキャリア16のロック状態は解除され、カバー17とFIMSドア12は一体化される。
FIMSドア12はブラケット31を介して、FIMSドア昇汞機構19に昇降自在に取り付けられている。これらの構成によって、FOUP13のカバー17と一体化出来る位置まで上昇させられたFIMSドア12は、上記のようにしてカバー17と一体化する。下降のために、FIMSドア12はカバー17に備えられたロック機構25を解除した後、任意の位置までの下降動作が可能となる。なお、図4において、FIMSドア昇汞機構19は、駆動源であるモータ19aが送りネジ19bを正転もしくは逆転の回転動作させることにより、FIMSドア12を任意の位置まで昇降移動させることが可能となる構成としているが、これに代えて、空気圧や油圧といった流体圧を利用したシリンダを使用することとしても良い。
また、上記の構成に加えて、ロードポート2にはFOUP13内部のどの棚18にウエハ15が載置されているか否か、或いはその数を検知するマッピングセンサ32が具えられている。
図4において、マッピングセンサ32は、ウエハ15の載置される面と平行な光軸を有する一対の透過型センサが用いられており、ウエハ15の水平面上の周縁を囲む様に間隔を開けた略コの字形状のセンサ取付部33上に取付けられている。センサ取付部33の両端はセンサ駆動機構34に回転自在に取り付けられている。センサ駆動機構34の駆動源としてはモータやロータリーアクチュエータであり、これらの駆動源が回転動作することにより、駆動源の軸を中心にセンサ取付部33が回動し、上部に取り付けられたマッピングセンサ32がキャリア16内部に進入することとなる。
センサ駆動機構34はブラケット31に固定されており、FIMSドア昇汞機構19の動作に連動して昇降動作を行うことが可能で、これによりキャリア16内の全棚18についてのウエハ15の有無を検知することが可能となる。また、各駆動機構への出力信号やセンサ等の入力信号は制御部37によって制御されている。
上記の構成に加えて、ロードポート2の内部に具えられた各駆動源や可動部から発生する塵埃や外部からの塵埃がミニエンバイロメント空間ユニット3に侵入することを防ぐために、壁面35を設けることや、外部からの低清浄空気の進入を防ぐために外部に面した部分をカバー36で覆うことも出来る。また、ロードポート2内で発生した塵埃を外部に排出するための排気ファン37を具えることも可能である。これによって、ミニエンバイロメント空間ユニット3内に塵埃が流出するのを防止出来るだけでなく、ミニエンバイロメント空間ユニット3内を流れている高清浄空気のダウンフローが壁面35の上部開口部分から浸入し、ロードポート2の底面に設けられた開口部を通り、装置外部へ排出されることとなり、FIMSドア12と一体化された状態で下降位置にあるカバー17に塵埃等の汚染物質が付着することも防止できる。
次に密閉可能な容器の一種であるFOUP13について説明する。FOUP13は内部を高清浄な雰囲気に維持することで、被収納物であるウエハ15を低清浄な外部雰囲気から隔絶し、各工程間の搬送を行うための密閉可能な容器である。図3は半導体のウエハ収納容器の1種であるであるFOUP13の構造を示す斜視図である。FOUP13は内部にウエハ15を収容するキャリア16と、キャリア16からウエハ15を出し入れするために前面に設けられた開放面161を有するフランジ部26と、開放面161を密閉して、キャリア16内部を密閉するためのカバー17を備えている。図3(a)に示すように、キャリア16の内部壁面にはウエハを複数枚載置するための棚18が垂直方向に所定の間隔をおいて設けられている。
また、FOUP13の上部にはOHT(Overhead Hoist Transport)に代表されるFOUP搬送ロボットにより自動搬送される際のFOUP搬送ロボットとの係合部であるトップフランジ20が具えられている。また、キャリア16の側部にはFOUP13を手動で搬送する際に取っ手となるハンドル21(図1)が具えられている。これによりFOUP13は、内部にウエハ15を収納した状態で密閉され、自動または手動にて処理装置間を搬送されることが可能となる。なお、図3(b)はカバー17のFIMSドア12に対向する面を示した図であり、図3(c)はカバー17のキャリア16と当接する面を示した図であって、カバー17はキャリア16の開放面161においてキャリア16と嵌合し、FOUP13内部を密閉空間とするものである。
FOUPカバー17の外側の面、すなわちFIMSドア12と対向する面には、FIMSドア12に対するカバー17の位置決めのための位置決め穴22と、ロードポート2に具えられたラッチキー23によってカバー17をキャリア16に係合/分離するためのラッチキー穴24が具えられている。また、カバー17の上下の縁にはロック機構25が具えられているが、これはカバー17をキャリア16の開放面161周縁に設けられたフランジ部分26に係合するためのものである。このロック機構25はラッチキー穴24と連動しており、ラッチキー穴24をFIMSドア12に具えられたラッチキー23で左右に回転させることにより、ロック機構25をロック状態と開放状態に操作可能となっている。
FOUPカバー17の内側の面、すなわち、キャリア16の開放面と接触する面には、FOUP13内の密閉性を保つためのシール材27と、FOUP13内部に収納されたウエハ15の縁を水平方向に押さえ付け、固定するための保持部材28が具えられている。この保持部材28により、キャリア16内部のウエハ15は棚18上に載置された状態でキャリア16内壁と保持部材28により固定され、手動もしくはFOUP搬送ロボットによる搬送の際、FOUP内部でのガタつきが抑制される。これら詳細な寸法等の情報は半導体製造に係る規格であるSEMI規格によって規定されている。
本発明の実施例によれば、FOUPの雰囲気(内部ガス)を置換する雰囲気置換装置(「パージポート」)は、ロードポート(例えば、図4に例示したロードポート2)に組み込み可能に設計されている。このようなパージポートを図面に40で示している。図5は、FOUP13内をパージガス(不活性ガス)でパージするパージポート40を側面から見た断面図であり、図6はパージポート40のキーコンポーネントであるパージプレート41が往復運動可能(出没可能)に配置されるFIMSドア12周辺についての斜視図である。
本発明の実施例の特徴によれば、パージポート40は、FOUP13にパージガス(不活性ガス)を供給するためのパージプレート41を備える。パージプレート41は、非動作時には、下方の後退位置(図5に示す状態)に収納される。パージ動作のために、パージプレート41は、挿通孔66(図6)を通って後退位置の上方である雰囲気置換位置に進出する。本発明の実施例の特徴によれば、この進出位置において、パージプレート41は、図9に例示するように、FIMSドア12(これには、あらかじめFOUP13のカバー17が装着され、一体化されている)とFOUP13の開放面161との間に位置する。好ましくは、この進出位置において、パージプレート41の面(パージガスが噴出する面)は、パージプレート41の面開放面161と平行または略平行(傾き角度プラスマイナス20度以下でありえる)になり(図9)、パージプレート41は開放面161の内部(非周縁部、好ましくは、開放面161の中央部)と面する姿勢(オリエンテーション)に置かれる。この対面姿勢において、パージプレート41はパージ動作を行う。すなわち、パージプレート41の面から、ほぼ一様で、低速のパージガスが噴出し、層流(図9の黒塗りの矢印参照)を形成して容器13内部に流入し、容器13の雰囲気がパージされる。パージプレート41の流出面は、キャリア16の開放面161の内部(好ましくは中央部)に対応する形状を有してよい。たとえば、図示の実施例において、パージプレート41は略長方形である。このパージプレート41の縦横の寸法は、流体(パージガス)拡散を考慮して、キャリア16の開放面161の縦横それぞれより小さいことが好ましく、且つ、パージプレート41からの不活性ガスがキャリア開放面161の中央部に層流として流入することが好ましい(図9参照)。
このような構造、配置を有するパージプレート14によって、効率の良い雰囲気ガス置換が実現される。すなわち、パージプレート41の流出面から出てキャリア16の中央部を流れる層流の不活性ガス(図9のキャリア16内に示す黒塗り矢印参照)は、キャリア内の空気(図9のキャリア16内に示す白抜き矢印参照)をパージプレート41の周縁とキャリア16の開放面161の周縁との間を通して層流状態で押し出し、キャリア16内におけるパージガス(不活性ガス)と空気との混合、攪拌をできるだけ少なくすることができるのである。尚、ここでいうパージガス(不活性ガス)とは、窒素、アルゴン、ネオン、クリプトンのほか、乾燥空気をも含み得る。
さらに、パージポート40は、パージプレート41を作動位置(雰囲気置換位置)と待機位置(収納位置)との間で上下に往復移動(昇降移動)させるパージプレート昇汞機構42と、FIMSドア12を前進・後退させるFIMSドア駆動機構43と、パージポート40の各コンポーネントを制御する制御部46を具えている。
好適な実施例のパージポート40において、パージポート開口部44は、パージプレート41によってFOUP13のパージング(雰囲気置換動作)が行われる場所を提供する。また、パージポート開口部44は、搬送ロボット4がFOUP13内のウエハ15を搬出・搬入する場所としても使用される。このパージポート開口部44は、通常のロードポート(たとえば、図4に示すロードポート2)のポート開口部と同様に、ステージ14に載置されたFOUP13のフランジ部分26が通過可能な開口面積を有している。ローディングシーケンスの1動作ステップにおいて、ステージ14に載置されたFOUP13はパージポート開口部44の入口を通り、開口部44の所定の位置に待機しているFIMSドア12に出会い、その位置、カバー16がFOUP13から取り外され、FIMSドア12に装着される(すなわちFIMSドア12に一体化される)。また、隣接したミニエンバイロメント空間ユニット3とパージポート開口部44との間のダイレクトな流体連通を防止または抑制するために、ミニエンバイロメント空間は、パージポート開口部44の上下左右の内壁45(図6に示す45a、45b、45c、45d)が構成する隔壁によってパージポート40の内部空間とは隔離されている(すなわち、流体連痛は隙間を介して抑制されている)。
パージポート開口部44の下側内壁45dにはパージプレート41が通過するに十分な面積を有する挿通孔66が形成されており、この挿通孔66を通って、パージプレート41は作動位置(雰囲気置換位置)と待機位置(収納位置)との間を昇降移動可能となっている。なお、図示の実施例(図5、図6参照)において、挿通孔66の上方はミニエンバイロメント空間ユニット3内部の高清浄空気がFIMSドア12の周縁(FIMSドア12と内壁45a、45b、45c、45dとの隙間)を通って外部へ流出している。この高清浄空気の流れが、「エアカーテン」ないし「エアドア」となって、プロセス装置外部の低清浄な空気が挿通孔66を通って待機位置(収納位置)にいるパージプレート41にまで達することを防いでいるので、挿通孔66を覆う蓋部材を設ける必要はないが、所望であれば、挿通孔66を開閉自在に覆う蓋部材を設けることで挿通孔66から内部への低清浄空気の浸入を確実に防止することができる。
また、内壁45a、45b、45cとFIMSドア12周縁部分との間の隙間が大きすぎると、ミニエンバイロメント空間ユニット3内の高清浄空気が大量にその隙間を通って外部へ流れ出してしまい、ミニエンバイロメント空間ユニット3内部の内圧が上がらず、清浄度が維持出来ない場合もあるので、高清浄空気のミニエンバイロメント空間ユニット3外部への流出を制限するために、内壁にはフランジパネル65が設けられている。このフランジパネル65は、FOUP13に対向するFIMSドア12の面と略同一面上に設けられ(図9参照)、内壁45a、45b、45cと対応する各フランジパネル辺は密接されている。なお、図6、図9の具体例において、FIMSドア12とフランジパネル65とは、数mm程度の隙間をもって配置されており、この隙間により高清浄空気流出調整機能が実現される。すなわち、この隙間から、ミニエンバイロメント空間ユニット3内部の適度な量の高清浄空気が外部へと流出されることとなり、ミニエンバイロメント空間ユニット3内部の内圧を維持した上で、外部からの低清浄な空気の浸入も有効に防止される。
次にパージプレートの具体例について、図7及び図8を参照し、詳しく説明していく。パージプレート41は、上記パージプレート昇汞機構42の移動子に取り付けられたブラケット52(図5)に固定された支柱47に支持されていて、パージプレート昇汞機構42の昇降動作に連動して昇降可能となっている。支柱47は中空のパイプ状になっていて、内部には不活性ガスを流通させる配管経路39が挿通している。この配管経路39(図7)がパージプレート41の内部配管48と繋がっており、パージプレート41に不活性ガスの供給が可能となっている。
パージプレート41の形状、サイズは、好適には、パージプレート41と対面するFOUP13の開放面161の形状、サイズに基づいて設計される。具体例として、図7及び図8に示すように、パージプレート41は薄い直方体形状を有しており、内部には一端から導入されてきた不活性ガスを、2次元配置された(たとえば、2次元マトリクス配置された)多数の噴出端に分散させるための枝分かれ形状を有する配管48と、配管48の各噴出端(配管出口)に設けられ、送られてきた不活性ガスの流速を低減し、且つ不活性ガスを広範囲に放散させる噴出抑制素子49の2次元アレイを有している。配管48を多数の枝分かれ形状とすることで、配管48の一端から導入された不活性ガスの噴出力は枝分かれした各噴出端に分散されることによって、各噴出端から噴出される不活性ガスの勢いを低下させる働きがある。
配管48を枝分かれ形状とすることは種々の方法で実現できる。たとえば、ポリウレタンやPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)樹脂等からなるチューブ材に継手を介して分岐させることとしても良いし、ステンレススチール材等からなるパイプを接合することで枝分かれ形状を形成しても良い。
配管48の各噴出端に装着される噴出抑制素子49は、使用するパージガスに対して所要の噴出抑制機能を有する種々の素材で実現でき、好適には、多孔質の材料で構成できる。たとえば、PTFE微粒子結合複合部材や焼結金属、焼結ガラス、連続気泡ガラス、積層濾材、または中空糸膜を濾材として具えるエアフィルタ部材で実現できる。多孔質の噴出抑制素子49の場合、噴出抑制素子49内の狭い間隙、ないし細かい孔を不活性ガスが通り抜けることで不活性ガスの流速が低減され、不活性ガスの噴出方向が広範囲に広がり、不活性ガスがパージプレート41内に均一に供給されることとなる。さらに、配管を流通する際に不活性ガスに混入した塵埃の除去も多孔質の噴出抑制素子49により可能となる。多孔性噴出抑制素子49の場合、噴出抑制に多孔質という、微細構造を利用するので、所要の噴出抑制能力をもつ噴出抑制素子をコンパクトに実現できる。
好適には、パージプレート41のキャリア開放部に対向する面には、パージガス(不活性ガス)の流出面を有する整流板50が取り付けられる。整流板50はパージプレート41の保護カバーを構成し、その流出面には、パージプレート41の外部にパージガスを放出するために、縦横に多数の開口又は孔を配置した2次元孔アレイないし孔メッシュが形成されている。孔メッシュの各孔は、パージガスの流れの方向を規制する整流機能を有する。具体例として、整流板50は打ち抜き孔が2次元的に一様に配置されたパンチングプレートで構成できる。パージプレート41や支柱47及び保護カバー50の材質は、物性やコストの面からステンレス材とすることが望ましいが、PTFE材等の樹脂材を使用することとしても良い。この構成により、パージプレート41に送られてきた不活性ガスは、噴出抑制素子49によってパージプレート41内部に充満し、整流板50の孔メッシュを通して広範囲にかつ均等にキャリア16内部に層流として流入させることとなる。
また、噴出抑制素子49としては、上記のエアフィルタ部材以外にも連続気泡発泡樹脂やステンレスワイヤメッシュ、焼結金属やセラミック多孔体といった多孔質材料であって、素材自体に汚染物質が無く、塵を発生しない素材が使用可能である。図7では、噴出抑制素子49は、配管48の各噴出端に個別に装着される多孔質素子で構成した。代替形態として、図8にあるように、パージプレート41と整流板50(保護カバー)の間に装着される平板状の多孔質噴出抑制素子49(すなわち多孔質シート)で構成してもよい(この場合、配管48の各噴出端には個別の噴出抑制素子49を設ける必要はない)。平板状の多孔質噴出抑制素子49に加えて、パージプレート41内から噴出される不活性ガスの噴出方向をメッシュ状の細孔で規制(整流)し、層流としてキャリア16内部に流入させるための補強整流板79を噴出抑制素子49(多孔質シート)とパージプレート41の間に配置しておけば、整流のみならず多孔質噴出抑制素子49の補強としての効果もある。
次に、パージプレート41を昇降移動させるパージプレート昇汞機構42について図5を参照して説明する。パージプレート昇汞機構42は駆動源であるモータ51と、モータ51の回転に連動して回転し、支柱47が取り付けられているブラケット52を上下方向に移動させる送りネジ53、及びブラケット52の昇降動作を案内するガイドレール54を具えている。モータ51の回転に連動して送りネジ53が回転し、その回転により送りネジ53の移動子に取り付けられたブラケット52が、モータ51の回転角度に応じて所定量昇降動作する。
これにより、上記作動位置(雰囲気置換位置)と上記待機位置(収納位置)との間で、パージプレート41を往復移動(昇降)させることが可能となる。なお、本実施例では昇降機構としてモータ51と送りネジ53を用いているが、これに代えて、任意の適当な機械的往復移動機構たとえば、エアシリンダや油圧シリンダ、或いはカムリンク機構を用いることが可能である。さらに、本実施例では、パージプレート41を非動作時はパージポート開口部44の下部に収納し、パージ動作に際して雰囲気置換位置まで上昇させるようにして、パージプレート41を上下に往復移動させるように設計している。これは、省スペースで実現でき、既存のロードポートとの互換性を確保しやすい点で好ましい形態であるが、所望であれば、これに代えて、パージポート開口部44の上部または側部に収納することとし、駆動機構によってパージプレート41を進出位置と後退位置との間で往復移動させる形態を採ることとしても良い。
パージ動作に必要な制御(各駆動機構の往復移動動作や不活性ガスの流量や供給時間、供給タイミングの制御を含む)を行う制御部46は、パージポート40の本体内部の制御BOX70(図12)内に具えられている。不活性ガスは図12に示すようにパージポート40外部から制御部内に供給経路を介して供給され、パージプレート41へと導入される。
パージプレート41に導入される不活性ガスは、雰囲気置換装置であるパージポート40が設置されている工場設備から供給されることとしても良いし、パージポート40内に不活性ガスを貯留した容器を具えることとしても良い。工場設備もしくは貯留した容器を供給源69とするパージガス(不活性ガス)は、供給経路を経て制御BOX70内に導入され、制御BOX70内に具えられた圧力調節器71、圧力サンサ72、電磁弁73を介した後、パージプレート41へと導入される構成となっている。圧力調節器71は供給源の変動する圧力に対し、出口側の圧力を一定に調節するものであり、圧力センサ72は圧力調節器71の出口側から送られてくる不活性ガスの圧力を測定しており、予め設定された上限と下限の閾値に対して高圧若しくは低圧状態になった場合、アラーム信号を制御部46に送信する働きをしている。
電磁弁73は制御部46より送られてくる入力信号によって不活性ガスの流通する弁の開閉を行うもので、制御部46内に具えられた記憶装置に予め記憶させた手順に従って、所定のタイミングで所定の時間だけ不活性ガスの供給を行うことが可能となっている。また、電磁弁73からパージプレート41への各々の供給経路にはニードル弁74が具えられており、不活性ガスの流量の正確な調整が可能である。この構成により、供給経路を経て制御BOX70内に導入された不活性ガスは所定の圧力と流量に制御された後、所定のタイミングで所定の時間だけ不活性ガスのパージプレート41へ供給される。
なお、不活性ガスの供給時間は、試験によって予め好適な時間を割り出しておき、制御部46に具えられたタイマーにより供給開始と供給停止の制御を行うこと(タイマー方式)としても良いし、代替として、パージポート40の好適な場所に不活性ガス濃度を検知するセンサを設置しておき、FOUP13内の不活性ガス濃度が規定の数値に達したら供給を停止すること(センサ方式)としても良い。さらに、センサはパージガスとして使用する不活性ガスの濃度を測定するものとしても良いが、代替として、比較的安価な酸素濃度を測定するセンサを使用することでも同様の効果を得ることが可能である。なお、酸素濃度センサを使用する場合は、FOUP13内の酸素濃度が規定の数値以下になったら、パージガスの供給を停止するように制御する。
キャリア16内部に不活性ガスを流入させるために、配管48から直にキャリア16内に不活性ガスを供給する雰囲気置換装置の場合、不活性ガスの流速を上げれば、キャリア16内部に流入する不活性ガスの量も増加し、短時間での雰囲気置換が可能と期待されていた。しかし、実際には、キャリア16内に収納したウエハ15の裏面に付着している塵埃、キャリア16内に堆積している塵埃が不活性ガスの噴射力により吹き飛ばされてしまい、その吹き飛ばされた塵埃の粒子がウエハ15の処理面に衝突して、処理面を傷つけてしまう現象(攪拌現象)が本願発明者により確認された。
また、流速の大きい不活性ガス流がキャリア16内の壁面に衝突した後外部に流出してしまったり、外部からの空気を巻き込んでしまったりして、キャリア16内の不活性ガス濃度が上がらないという不具合を起こす可能性もある。逆に、不活性ガスの流速を下げると、塵埃の飛散や不活性ガスの流出といった不具合は低減されるが、流量も減少してしまうこととなり、その結果雰囲気置換に多大な時間を要してしまうこととなり、雰囲気置換が終了するまでにウエハ16表面の酸化が進行し歩留まりの低下を招いてしまうこと(酸化現象)も本願発明者により確認された。さらに、上記の攪拌現象、酸化現象は、不活性ガスの流速を高速化して吹き出す流体素子であるノズルを用いて、不活性ガスをキャリア16内に吹きいれる従来の雰囲気置換装置で顕著であることが確認された。本願発明によれば、パージポート(雰囲気置換装置)に非ノズル型のパージプレートを設け、このパージプレートにより、層流でスローなパージガスフローを実現している。このような新規なパージプレート付きの雰囲気置換装置によれば、上記攪拌現象、酸化現象は十分に抑制できることが本願発明者により見いだされた。
たとえば、好適な実施例に係るパージプレート41において、パージガス配管48は多数の枝分かれ配管で構成して、一つの導入端(配管入口)から導入された不活性ガスが、複数の噴出端(配管出口)に分散させる。そして、各噴出端の先端にディスクリートな多孔質噴出抑制素子49を設けるか(図7)、あるいは、複数の噴出端をすべてカバーするシート状の多孔質噴出抑制素子49を配置する(図8)。さらに、孔メッシュが形成された整流板50に通して、不活性ガスをキャリア16の開放面161に向けて流し込んでいる。このようにして、パージプレート41により、攪拌現象を抑止してキャリア16内に滞留する塵埃の飛散を防止する。また、所定時間内で雰囲気置換に必要な量の不活性ガスを一様なプラナー層流ガス発生プレートであるパージプレート41からキャリア内に供給することで短時間のパージング(雰囲気置換)を実現し、基板表面(ウエハ表面)の酸化現象を抑制している。
好適な実施例のパージング動作において、パージプレート41内部に放散させられた不活性ガスはメッシュ孔ないし2次元アレイ孔を有する整流板50により整流され、キャリア16の開口面161に対して略均等な流速を有する層流となってキャリア16内部へと供給されることとなる。キャリア16内部へ供給された不活性ガスは、内部に収納されたウエハ15の隙間を通って徐々にキャリア16内部へ流入し、それによってウエハ15の表面に滞留していた汚染物質や内部に充満していた清浄空気は、不活性ガスに押し出されるようにキャリア16のフランジ部分26周縁から外部へと排出されることとなり、キャリア16内部の雰囲気置換が進行していく(図9参照)。
なお、雰囲気置換位置において、パージプレート41は、パージポート開口部44に対して中央に配置されること(したがって、キャリア16の開放面161の縦中心線がパージプレート41の縦中心線と一致する配置関係)が、不活性ガスに押し出されたキャリア16内部の清浄空気が均等にパージポート開口部44周縁から外部へと排出されることとなり望ましい。しかし、パージプレート41をパージポート開口部44の非中央部に配置したとしても、流量、流速を調整することで、同様に攪拌が抑制されて、不活性ガス押出し効果が得られる。
前述のように、パージプレート41からキャリア16の開放面161に向けて不活性ガスが層流で流れるようにするためには、パージガス出力プレートである整流板50は、開放面161に対して一定の割合の不活性ガス流出面を有することが好ましい。図7は多数の円形穴を有する板材(丸穴形パンチングプレート)による流出面、図8は網板材(角穴型パンチングプレート)による流出面である。パージプレートに占める流出面の面積比率は、適度な大きさを有することが好ましい。整流板50の横方向の寸法をA,縦方向の寸法をBとし、パージプレートの流出面の横方向の寸法をa、縦方向の寸法をbとすると、ab/AB比(整流板面積に対する流出面面積の比)は50%以上、100%以下の範囲とすることが好ましく。また、整流板50の面積は、キャリア16の開放面161の面積に対して10%以上60%以下が好ましく、更に、整流板50の流出面面積はキャリア16開口面の面積に対して5%以上、50%以下が好ましい。
なお、FIMSドア12は、雰囲気置換の際に、ミニエンバイロメント空間ユニット3のファンフィルタユニット5から供給される高清浄空気がキャリア16内部に流入するのを有効に、調整、抑止する位置に配置されることが好ましく、高清浄空気流入調整/抑止機能により、パージングによるキャリア16内の不活性ガス濃度を効率よく上昇させることができる。
パージポート40は、フランジパネル65を用いて調整された流量の高清浄空気がFIMSドア12と内壁45との隙間を介してパージポート40を経由して、外部に流出するように構成できる。図9は、このような実施形態において、雰囲気置換を行った場合の不活性ガス、高清浄空気、及びキャリア16内の空気の流れを示したもので、(a)は側面から見た断面図であり(b)は上面から見た断面図である。図9に示すように、パージポート40には高清浄空気通路121が存在する。すなわち、図9において、右隣にあるミニエンバイロメント空間ユニット3(図示せず)から適量の高清浄空気が、FIMSドア12とフランジパネル65との間に設けられた隙間を通って、装置外部に流出する。このため、不活性ガスの流入により押し出されたキャリア16内部の空気が、この高清浄空気通路121の高清浄空気流に誘引または吸引されて装置外部に排気される。したがって、雰囲気置換中にキャリア16内部に残留している空気を吸引(排気)するための専用の装置を付加する必要はない。このように、隙間によって形成される高清浄空気通路121は、キャリア内部の雰囲気置換を促進する機能を有している。
この雰囲気置換の際、わずかな量の不活性ガスが高清浄空気とともに装置外部に流出することもあるが、装置外部に排出された不活性ガスを含む高清浄空気は工場内に設けられたダウンフローによって即座に床のパンチング孔を通して工場外部へと流出されることとなり人体や他の設備に悪影響を及ぼすことはない。
また、上記パージポート40の高清浄空気通路121により果たされる空気流量調整機能は、ウエハ15の搬入出時にキャリア16のフランジ部分26とパージポート開口部44周縁とをほぼ隙間なく近接させている既存のロードポートに対しても適用できる。すなわち、ステージ14に載置されているキャリア16を微小に後退させる(ミニエンバイロメント空間ユニット3から離れる方向に所定距離、移動させる)ことでフランジ部分26とパージポート開口部44周縁に隙間を形成させる(これにより、高清浄空気通路121が形成される)機構を設け、形成した隙間からキャリア16内部の空気を高清浄空気とともに装置外部に流出させることとすれば良い(図9参照)。
所望であれば、不活性ガスを供給するパージプレート41に加えて、キャリア16内部の雰囲気を吸引する吸引機構を設けても良い。吸引機構は、例えばキャリア16の開放面161に面する位置で中央部のパージプレート41の周囲に、またはパージプレート41をキャリア16開放面161に面し、且つ中央部からずれた位置に配置し、その隣にパージプレート41と同様の形状を有するものであっても良いし、キャリア16底部にSEMI規格の規定により具えられている吸入口から吸引する形態であっても良い。
次にパージポート40の動作について図11を参照しながら詳しく説明していく。
処理装置1内で処理が終了したウエハ15は、処理終了後、ミニエンバイロメント空間ユニット3内に具えられた搬送ロボット4によってロードポートの機能を兼ね備えたパージポート40に移される。すなわち、搬送ロボット4によって、パージポート40(ロードポート)に配置したキャリア16内の所定の棚18に搬入される。図11(a)参照。このウエハ移載モードでは、パージプレート41は後退位置(収納位置)にあり、進出位置に移動するためにパージプレート41が通る挿通孔66の上方は、ウエハ移載のため、キャリア16に占有されている(したがって、パージプレート41は上昇動作できない)。また、常に、「陽圧」(周辺より高い気圧)のミニエンバイロメント空間ユニット3からパージポート40の隙間(フランジ部分26とフランジパネル65の間)を通って、装置1外部へ適量の高清浄空気が流出しているので、装置1内部及びキャリア16内部が装置1外部の低清浄空気に汚染されることは無い。なお、図11(a)に示すFOUPへのウエハ移載モードにおいて、FIMSドア17はFOUPカバー17を装着した一体化形態となっており、パージポート開口部44の下方位置(後退位置)に退避している。
搬送ロボット4によるウエハ搬送が終了すると、ステージ駆動機構29がキャリア16を載置したステージ14をパージポート開口部44から遠ざかる方向(すなわち、ミニエンバイロメント空間ユニット3から遠ざかる方向)に、微小後退させる。このステージ14の後退動作に連動して、FIMSドア12(このとき、FOUPカバー17を装着した一体化状態にある)が、FIMSドア昇汞機構55により、キャリア16の開放面161に対応した高さ(進出位置)まで上昇する。このようにしてキャリア16の開放面161と(FIMSドア12に装着された)FOUPカバー17との間にスペース(パージプレート41の作動エリア)が確保される。図11(b)参照。尚、このパージポート40のステージ14が行う微小な後退動作による移動は、パージポート40による雰囲気置換が効率良く行われる位置までキャリア16を移動させるという目的を兼ねている。
また、ステージ14は微小移動で後退することになるが、キャリア16周縁に設けられたフランジ部分26とパージポート開口部44の周縁に設けられた内壁45との間には5mm程度の隙間があり、ミニエンバイロメント空間ユニット3内部の高清浄空気がその隙間を通って処理装置外部に流出することで、装置外部からのミニエンバイロメント空間ユニット3内部への低清浄空気の流入を防いでいる。
その後、パージプレート41がパージプレート昇汞機構42によりキャリア16の開放面に対する所定の位置(作動位置)まで上昇し、キャリア16内部への不活性ガスの供給が可能となる。図11(c)参照。作動位置において、パージプレート41はFOUPキャリア16とFIMSドア12との間に位置し、上述したように(図9参照)、FOUPキャリア16に向けてスローで層流のパージガスを発生して送り込み、FOUPパージング(雰囲気置換操作)を実施する。
作動位置でのFOUPパージングが完了すると(たとえば、キャリア16内部への不活性ガスの供給が所定の時間行われたら)、パージプレート41はパージプレート昇汞機構42により元の待機位置まで移動させられる。図11(d)参照。なお、パージプレート41が所定の待機位置(後退位置)まで下降させられる間も不活性ガスを供給し続けることとしておけば、FOUP13のパージングに必要な全時間を短縮でき、また、キャリア16内の不活性ガスの濃度低下を抑えることができ、好ましい。この目的のため、代替または組み合わせとして、後述する補助ノズル68(図5)を用いて、そこからこのパージプレート下降モードの間、不活性ガスを補給するようにしてもよい。
パージプレート41が下降を終了したら、ステージ14上のキャリア16がFOUPカバー17とドッキングする位置までステージ14を前進させる。図11(e)参照。このドッキング位置で、FIMSドア12は装着していたFOUPカバー17を離脱させ、内部に具えられたラッチキー23bによりキャリア16をカバー17でロックしてFOUP13を密閉状態にする。その後、ステージ14はFOUP搬送ロボット、またはOHTとの受け渡し位置まで後退動作を行うことで、パージポート40の全ての動作(ローディングおよびパージングのシーケンス)が完了する。図11(f)参照。
さらに、処理装置1の種類やプロセスの種類によってはファンフィルタユニット5に具えられたファン8の回転数を上げることで、ミニエンバイロメント空間ユニット3内部の内圧を高くし、清浄度を上げようとするものもある。そういった処理装置の環境下でパージポート40を使用する場合、雰囲気置換の際にFIMSドア12キャリア16端部のフランジ部分26の隙間から強風(高速)の高清浄空気がパージプレート41周辺に流れ込んでしまい、その高清浄空気の流れに影響されて不活性ガスの層流が乱され、雰囲気置換が十分に行われない可能性がある。これは、雰囲気置換装置の上記隙間を小さく調整してそこから流入する高清浄空気の量を適量に調整する機構を設けることで防止できる。あるいは、上記の隙間調整型の高清浄空気量調整機構に代えて、ミニエンバイロメント空間ユニット3との流体遮蔽性を高めた以下のシール機構を使用することができる。
具体的には、FIMSドア12周縁のミニエンバイロメント空間ユニット3に面する側に、FIMSドア12とフランジパネル65との間の隙間を非接触で遮蔽するように形成された、ラビリンスシール構造を有するシールドカバー67aもしくはシールドカバー67bを取り付けることで可能となる。図14(a)は、FIMSドア12にシールドカバー67aを取り付けた具体例を示した斜視図で、FIMSドア12のキャリア16側からみて左上方部分を欠いた一部切り欠図である。
シールドカバー67aのキャリア16に面した端部はU字型のラビリンス構造を形成しており、フランジパネル65の開放面側周縁部と非接触で嵌合することで、雰囲気置換の際のキャリア16内へのミニエンバイロメント空間ユニット3内からの高清浄空気の浸入を遮断している。また、FIMSドア12の周縁にマッピングセンサ32が取り付けられる構成形態では、通常、キャリア16内部に向かって前進後退動作をさせるためのセンサ取付部33が配置されているので、シールドカバー67aを設ける場合はセンサ取付部33の動作を干渉しない形状とするため67aにセンサ出没穴を設けるが、これはなるべく小さな穴とするか、センシングしない場合は蓋をするなどの設計が望ましい。
さらに、シールドカバー67aを取り付けるFIMSドア12はFIMSドア昇汞機構55によって鉛直方向に昇降可能となっているので、FIMSドア12に取り付けられているシールドカバー67aと内壁のフランジカバー65とが相対する端部については、一方の端部を凹部にし、対応するもう一方の端部を凸部とする互いに非接触のラビリンス構造とすることが好ましい。これにより、FIMSドア12とシールドカバー67aは動作可能となっている。また、凹部と凸部を互いに非接触としたラビリンスシール構造とすることで塵埃の発生する可能性が全くなく、キャリア16内部の清浄度も維持できることとなる。
さらに、FIMSドア駆動機構43により、FIMSドア12をガイドレール62に沿ってガイドし、キャリア16に対し、ガイドレール62の規定範囲内で離間する方向と接近する方向に、移動自在な構成(図10参照)とする場合には、図13及び図14(b)に示すようなシールドカバー67bを設けることで図14(a)に示した具体例と同様の効果が得られる。
ここで、FIMSドア駆動機構43について図10を参照し説明する。FIMSドア駆動機構43はFIMSドア昇汞機構55に具えられた送りネジ機構56の移動子57に固定され、FIMSドア昇汞機構55によって昇降移動させられるベース部材58と、ベース部材58に取り付けられ、FIMSドア12を前進後退させる駆動源であるモータ60、モータ60の回転に連動して回転し、移動子63に固定されたFIMSドア12を前進後退させる送りネジ61、FIMSドア12の移動を案内するガイドレール62から成っている。
また、ガイドレール62は、ベース部材58の左右両端に固定されたブラケット64に取り付けられている。他にも、ブラケット64にはセンサ取付部33が回動可能に取り付けられており、センサ駆動機構34の動作により、マッピングセンサ32のキャリア16内への移動を可能にしている。なお、図10の具体例ではFIMSドアの駆動機構43としてモータ60送りネジ61を用いているが、これに代えて他の種類の駆動機構、たとえばエアシリンダや油圧シリンダ、或いはカムリンク機構を用いることとしても良い。
図13はシールド構造を有するFIMSドア12周辺をミニエンバイロメント空間ユニット3側から見た斜視図であり、図14(b)はそのシールド構造を示した斜視図で、FIMSドア12のキャリア16側から見た正面視左上方部分を欠いた一部切り欠き図である。シールドカバー67bはFIMSドア12の両端に具えられているブラケット64に固定されており、フランジパネル65の開放面に対応した門型の開口形状を有しており、その開放面内はFIMSドア12及びウエハ搬送ロボット4により搬送されるウエハ15が十分通行可能な面積を有している。また、ブラケット64には、センサ取付部33が回転自在に配置されており、このセンサ取付部33に取り付けられたマッピングセンサ32がキャリア16内部に向かって前進後退してウエハマッピングを遂行できるようになっている。このため、シールドカバー67bは、センサ取付部33の回転動作に干渉しない取付け位置及び形状を持つように配慮する。
また、シールドカバー67bを取り付けるブラケット64はFIMSドア昇汞機構55によって鉛直方向に昇降可能となっているので、シールドカバー67bとフランジカバー65との相対する端部については、シールドカバー67aを設けた場合と同様に、一方の端部を凹部(コの字型)にし対応するもう一方の端部を凸部とする互いに非接触のラビリンス構造とすることで、ブラケット64とシールドカバー67bは動作可能となり、また凹部と凸部を互いに非接触とすることで塵埃の発生は全くなく、キャリア16内部の清浄度も維持できることとなる。
さらに、図13に示すように、FIMSドア12はFIMSドア駆動機構43によりガイドレール62が案内する範囲内を移動可能となっているので、FIMSドア12がキャリア16に対して最も離間した位置に到達した際、FIMSドア12の周縁とシールドカバー67bの端部が非接触嵌合することで、FIMSドア12とシールドカバー67bとの間の隙間が遮蔽されることとなり(最も深いラビリンスシール状態の確保)、陽圧のミニエンバイロメント空間ユニット3内の高清浄空気が装置外部に少量流出することで外部の空気の侵入を防止している。
加えて、FIMSドア12がガイドレール62によって案内される動作範囲内を移動することによって、FIMSドア12とシールドカバー67bとの隙間の開口量を変化させる(ラビリンスシール状態の深さを変える)こととなり、FIMSドア12の位置に依存してミニエンバイロメント空間ユニット3内からの高清浄空気の流入量を調節することができる。
図14(b)はカバー17と一体化されたFIMSドア12がガイドレール62上の中間位置にある時点を表した図で、この図を元に説明する。外気に比べ高圧に維持されたミニエンバイロメント空間ユニット3内の高清浄空気はFIMSドア12とシールドカバー67bの間から、キャリア16縁部とフランジパネル65の間に設けられた隙間を通って装置外部に流出する際に、キャリア16内にある高清浄な空気も誘引して流出することとなり、雰囲気置換の効率を上げる効果がある。この構造により、処理装置1の都合によりファンフィルタユニット5の回転数を変更しミニエンバイロメント空間ユニット3内の内圧を変更することになったとしても、最適な高清浄空気の流出量を容易に求めることが出来ることとなり、従来行っていた、内圧の変更に伴う改造を行う必要がなくなる。
さらに、FIMSドア12を前後に移動可能とすることで、キャリア16とFIMSドア12の間に位置するパージプレート41のキャリア16開放面に対する位置設定に自由度が増し、最適の不活性ガス供給量とパージプレート位置、最適のパージプレート面積とパージプレート位置など条件探索できる効果がある。
なお、半導体製造装置全般に対する標準規格であるSEMI規格には、ミニエンバイロメント空間ユニット3を形成する壁面からの突出部分は100mm以内とするという規定があるが、本実施例において、シールドカバー67a及び67bのミニエンバイロメント空間ユニット3側への突出量は100mm以内であり、SEMI規格に準拠したものとなっている。
ところで、パージプレート41による不活性ガスの供給が完了した後、キャリア16の開放面161がカバー17により密閉されることで全ての雰囲気置換動作は終了となるが、パージプレート41による不活性ガスの供給終了からカバー17によるキャリア16の開放面の密閉が完了した後、キャリア16内の酸素濃度が増加する現象(キャリア16内の不活性ガスの濃度が低下することを意味する)が発生する。これは、パージプレート41からのパージガス流消滅に伴う過渡的なパージガス濃度低下現象である。これは、雰囲気置換終了後、装置外部に流出されず残留していた空気がキャリア16全体に拡散したことで結果的に内部全体の不活性ガス濃度を下げてしまっていることと、雰囲気置換終了後、キャリア16の開放面が密閉されるまでの僅かな時間に、キャリア16周辺の空気がキャリア16内に入りこんでしまう為と考えられる。パージプレート41によるパージングの時間が短すぎる場合に、この過渡的なパージガス濃度低下現象は、密閉操作後に、(キャリア16内の不活性ガス濃度の平均値は実質、変動しないが)、キャリア16内の中央部にある不活性ガスの濃度は、安定する前に規定値以下にまで減少する。
このようなパージガス濃度低下を抑制するため、上記実施例の雰囲気置換構成に、図5に示すような補助ノズル68を追加することができる。補助ノズル68は、パージポート開口部44周縁に具えられた内壁45に設けられる。そして、パージプレート41が所定の待機位置(収納位置)への移動を始めた時点(下降開始時)からキャリア16がカバー17によって密閉されるまでの間、補助ノズル68からキャリア16とカバー17との間に向かって不活性ガスを供給する。補助ノズル68からのパージガス流供給は上記パージプレート41からのパージガス流消滅を補償するように機能する。また、補助ノズル68からのパージガス流供給は、パージポート40が所要の雰囲気置換を達成するのに必要なトータルのパージングタイムを短縮する働きがある。
このようにして、不活性ガスがキャリア16とカバー17と内壁45a、45b、45cに囲まれた空間内に充満することで空気がキャリア16内部に入り込むのを防止できる。また、補助ノズル68からの不活性ガス補給により、キャリア16周辺の不活性ガス濃度が確保され、カバー17の閉扉後、キャリア16内部の不活性ガス濃度が基準値以下に低下する現象を抑制することができる。
この補助ノズル68はパージポート開口部44周縁のどの内壁45a−dに設けても良い。補助ノズル68から放出される不活性ガスの流速を速くし過ぎると、キャリア16が周辺の空気を巻き込んでしまい十分な不活性ガス濃度が達成困難になる。したがって、補助ノズル68から補給する不活性ガスの流速は、パージプレート41から供給される不活性ガスの流速とほぼ同等であるのが好ましい。ここで、補助ノズル68不活性ガス流出口の形状は、パージポート開口部44の内壁45の一辺とほぼ同じ長さのスリット状であることが好ましい。
また上記に加えて、補助ノズル68はカバー17の開扉動作の際に不活性ガス若しくは高清浄空気といった無塵ガスを供給することで、FOUP13内部を高清浄雰囲気に維持することも可能である。すなわち、FOUP13が開扉された後ステージ駆動機構29による前進動作が完了するまでの間、FIMSドア12はFIMSドア駆動機構43によりキャリア16に対して離間する方向に移動するが、この際、FIMSドア12が離間する方向に移動するに従って、FIMSドア12とシールドカバー67bとの隙間が徐々に小さくなり、それに従って装置外部に流出する高清浄空気の流量も少なくなっていく。
その結果、装置外部の低清浄な空気がキャリア16のフランジ部分26と内壁45との隙間を通ってキャリア16内部に浸入してしまい、キャリア16内部を塵埃で汚染してしまう可能性がある。そこで、FOUP13が開扉された後、ステージ駆動機構29による前進動作が完了するまでの間、補助ノズル68からキャリア16開放面とカバー17の間に無塵ガスを流出させることで、低清浄な空気がキャリア16内部に浸入することが防止される。
次に、上記の実施例を具えたパージポート40による雰囲気置換試験の結果を開示する。図15に示すように、試験は実際の処理装置1と同じミニエンバイロメント空間ユニット3を形成する試験用のクリーンブース(試験用ミニエンバイロメント空間ユニット3)にパージポート40を設置し、そのパージポート40に載置された試験用FOUP13内部の酸素濃度を測定した。酸素濃度計78としては、東レエンジニアリング株式会社製ジルコニア式酸素濃度計LC−450Aを使用した。雰囲気置換に使用する不活性ガスは、一般的に最も雰囲気置換に使用されている純度99.99パーセント以上の窒素ガスを供給源69であるボンベから供給経路を介してパージポート40に導入した。
窒素濃度ではなく酸素濃度を測定した理由は、窒素濃度測定器に比べ酸素濃度測定器が安価で容易に入手できるという点と、雰囲気置換に使用される不活性ガスは窒素に限らないからであり、酸素濃度を測定することで試験用FOUP13内部の雰囲気置換の進捗度合いを推し量ることが可能だからである。また、本酸素濃度測定器LC−450Aは露点で表示される湿度も測定でき、不活性ガスとして乾燥空気を用いる場合でも使用できる。試験用FOUP13は通常用いられるFOUPと同じくキャリア16とカバー17から構成されていて、キャリア16にはウエハ15を載置する棚が25段具えられているが、内部雰囲気を採取するためのチューブ79を挿通させるための挿通穴が開けられているのが通常のFOUPとは異なる部分である。
試験では25段の全ての棚にウエハを載置して、試験用FOUP13内部の酸素濃度測定位置は雰囲気置換時のパージプレート41から見て奥側の、14段目の棚付近とした。酸素濃度測定器78は、図15にあるように内部に具えられた吸引ポンプがチューブ79を介して試験用FOUP13内部の雰囲気を吸引し、内部に具えられた検出手段によりその吸引した雰囲気の酸素濃度を測定した。
まず第1の試験として、雰囲気置換を行う上で試験用ミニエンバイロメント空間ユニット3内部と外部環境との差圧はどの程度が好ましいかを試験してみた。試験用ミニエンバイロメント空間ユニット3の内部圧力は、高清浄空気を送り込むファンフィルタユニット5に具えられたファン8の回転数を増減させることで調節している。なお、ミニエンバイロメント空間ユニット3内部を高清浄に保つという理由から、一般に、外部環境に対してミニエンバイロメント空間ユニット3内部は陽圧に保たれるため、外部環境に対する差圧が負圧である場合の試験は行っていない。また、窒素ガスの供給はパージプレート41からのみで行い、補助ノズル68による供給は行っていない。試験用FOUP13内部の酸素濃度は、内部に載置されたウエハ表面の酸化を防止するという観点から、100ppm(0.01%)以下を目標値とした。
試験は、試験用ミニエンバイロメント空間ユニット3の内外差圧を3.5Paと2.5Paとに設定し、それぞれの環境に窒素ガスの流量を毎分120リットルで110秒供給した時と、毎分150リットルで80秒供給した時の、酸素濃度の変化を調べた。
図16がその試験結果を表したグラフである。縦軸を酸素濃度(ppm)、横軸を経過時間(秒)とし、パージプレート41からキャリア16内部に窒素ガスの供給を開始した時点を0としている。窒素ガスの供給が停止されてキャリア16の内部雰囲気がカバー17によって完全に密閉されるまでの時間は約1秒必要であるから、供給開始から81秒、若しくは111秒以降は密閉された試験用FOUP13内部の酸素濃度の推移を表していることとなる。
内外差圧3.5Paの環境で毎分120リットルの流量の窒素ガスを110秒供給した場合、窒素ガスの供給開始から111秒後の試験用FOUP13が密閉された時点での酸素濃度は10ppmまで低下し、供給開始から180秒後(密閉後69秒)の時点で47.2ppmに上昇しているが、目標値の100ppm以下を維持しておりほぼ安定している。また、内外差圧3.5Paで流量が毎分150リットルの窒素ガスを80秒供給した場合は、供給開始から81秒後で酸素濃度は8.9ppmまで下がるが、供給開始から180秒経過した時点で262ppmまで上昇している。この結果から見ると、不活性ガスの流量と供給時間を調節すれば、内外差圧4Paの陽圧までは上げることが可能である。
窒素ガスの供給が終了し、試験用FOUP13の密閉完了後、どの条件でも酸素濃度の上昇が見られるが、差圧が高いほど酸素濃度の上昇率も大きいことがわかる。これは窒素ガスの供給終了後、パージプレート41が待機位置に下降する際、試験用ミニエンバイロメント空間ユニット3から外部に流出する高清浄空気の一部がキャリア16上部からキャリア16内部に流れ込み、密閉完了後も試験用FOUP13内の全体に拡散していることが原因と考えられる。
また、窒素ガスの供給停止直後の酸素濃度には大きな差は見られず、どの差圧環境でも10ppm程度で目標値を十分満たしているが、差圧3.5Paの環境で毎分150リットルの窒素ガスを80秒供給した試験では、密閉後の酸素濃度の上昇が大きく、窒素ガスの供給開始から150秒(密閉後69秒)の時点で200ppm、供給開始から180秒(密閉後99秒)の時点で259ppmであった。また、内外差圧2.5Paの環境であれば、180秒経過時点での酸素濃度は62.7ppmと30.8ppmであり、目標値を十分満たす結果が得られている。
次に、窒素ガスの流量と供給時間を一定にした状態で、試験用ミニエンバイロメント空間ユニット3の内外差圧が試験用FOUP13密閉後の酸素濃度にどの程度影響するかの試験を行った。試験は試験用ミニエンバイロメント空間ユニット3の内外差圧を0Pa、1.0Pa、2.5Pa、および3.5Paに設定し、それぞれの内外差圧について、流量毎分150リットルの窒素ガスを110秒間供給した後、密閉された試験用FOUP13内部の酸素濃度の推移を測定することとした。その結果が図17である。
試験の結果、試験用ミニエンバイロメント空間ユニット3の内外差圧が低ければ低いほど、密閉後の試験用FOUP13内部の酸素濃度上昇は抑えられることがわかる。供給開始から180秒経過時点での酸素濃度値は、3.5Paで152ppmとなっており、前述の流量120リットルでの試験と比べても酸素濃度の上昇は抑えられていることがわかる。さらに低い差圧1.0Paでの酸素濃度は、供給開始から180秒経過時点での酸素濃度値は28.9ppmまで抑えられている。酸素濃度の上昇量は前述した3.5Paでの試験の数値と比較して、差圧2.5Paで4分の1以下、差圧1.0Paだと10分の1以下にまで抑えられる結果となった。
図17での差圧0Paのグラフは、ファンフィルタユニット5を停止して試験用ミニエンバイロメント空間ユニット3の内外差圧をゼロにした場合のものである。窒素ガス供給開始から110秒後には酸素濃度4.6ppmまで下がり、180秒後でも9.1ppmを維持していて、徐々には上昇しているがほぼ安定している。従って、最低のミニエンバイロメント内外差圧はゼロPaで良いことが解った。
ただし、半導体工場などで稼働される実際の処理装置1の場合、ミニエンバイロメント空間ユニット3内部では搬送ロボット4がウエハ15を搬送しており清浄度を維持する必要があるので、ファンフィルタユニット5からの高清浄空気の供給はこの種の処理装置1にとって必要である。上記のように、図面に示した特定実施例のパージポート40(雰囲気置換装置)は、隙間を介して外部と流体(気体)連通している。そこで、このような環境に実施例のパージポート40(雰囲気置換装置)を適用する場合には、ミニエンバイロメント空間ユニット3の内外差圧は下限を0.1Paとし、望ましくは差圧1.0Pa付近から、上限4Pa程度となる。すなわち、隙間流体(気体)連通型のパージポート40を実際の処理装置1に適用する場合、処理装置1における実用上安定した清浄度を維持しつつ、パージポート40による効率の良い雰囲気置換の可能となる差圧(ミニエンバイロメント空間ユニット3の内外差圧)はこの範囲となる。望ましくは差圧を0.5Pa以上、2.5pa以下とした環境での運用とすることで、図示の特定実施例に係るパージポート40は、最長でも180秒または180秒程度の雰囲気置換操作時間により、FOUP13内の酸素濃度100ppm以下(ウエハの酸化を十分に抑制できる雰囲気置換がなされたことを意味する濃度目標値)を確実に達成できる。
以上のように、図示の特定実施例に係るパージポート40(雰囲気置換装置)は、外部環境との間で、隙間を通じて気体(高清浄度空気、低清浄度空気)が、制限された量ではあるが、連通した構造である。特に、図示の特定実施例に係るパージポート40(雰囲気置換装置)は、高清浄度空気ユニット3の状態(たとえば、その陽圧)に性能が依存する。しかしながら、高清浄度空気ユニット3が特定の図示実施例に係るパージポート40(雰囲気置換装置)のコンポーネントを構成していないことは明らかである。したがって、高清浄度空気ユニット3自体は、本発明の一部を構成しないと解されるべきである。
次に、試験用ミニエンバイロメント空間ユニット3内部の差圧を2.5Paの陽圧に維持した環境にパージポート40を適用し、パージングガスとしての窒素ガスについて、流量と供給時間の条件を変えた場合において、パージング操作に対するFOUP13内の酸素濃度の時間推移をみる試験を行った。この試験では、窒素ガスの流量を毎分120リットルと毎分150リットルに設定し、それぞれの流量に対し、供給時間を80秒とした場合と、110秒とした場合の酸素濃度の推移から、流量と供給時間の関係を見ることとした。図18がその結果のグラフである。
なお、流量毎分120リットルの窒素ガスを80秒供給した場合の窒素ガス総供給量は160リットルであり、110秒供給した場合の総供給量は220リットルとなる。また、流量毎分150リットルの窒素ガスを80秒供給した場合の窒素ガス総供給量は200リットルであり、110秒供給した場合の総供給量は275リットルとなる。窒素ガスの総供給量が毎分160リットルと、最も少ない条件である流量が毎分120リットルの窒素ガスを80秒供給した場合では酸素濃度100ppm以下に一旦到達するが、100ppm以下の目標を維持できなかった。
また、総供給量275リットルと最も多い条件である流量が毎分150リットルの窒素ガスを110秒供給した場合の酸素濃度は一時4.57ppmまで低下しているが、密閉後の酸素濃度の上昇が大きく、毎分120リットルの流量で110秒供給した試験結果よりも酸素濃度が上昇してしまう結果となった。
以上の結果から、流量毎分150リットルの窒素ガスを80秒供給すれば、FOUP密閉後も内部を酸素濃度100ppm以下に維持出来ることが証明されたことになる。なお、流量毎分120リットルの窒素ガスを110秒供給した場合でも目標値は達成出来ていて、酸素濃度も最も低い数値となっているが、窒素ガスの総供給量が220リットル必要であることと、供給時間に110秒も要しており、次の工程の遅れに影響を及ぼす可能性もあるので、最適の供給条件を決定する際には注意が必要である。
なお、上記の試験(図16−図18に示す一連の試験)で窒素ガスを供給するパージプレート41として、FOUP開放面に向かう面が保護カバー50となっていて、そのサイズは縦260mm横80mmで、上方部に縦194mm、横68mmの窒素流出面に直径2mmの穴を1240個開けたパンチングプレート(開口率29.6%)を具えるものを用いた。
前述の図17に表された試験で、内外差圧を0Paとして窒素ガス供給開始後180秒までの酸素濃度の測定を行ったものでは、上記パージプレート41の流出面から窒素を毎分150リットル供給したところ、試験用FOUP13の密閉から60秒後の酸素濃度を100ppm以下に維持するために必要な窒素ガスの供給時間は55秒であり、10ppm以下にするための時間は110秒であった。このことから、試験用ミニエンバイロメント空間ユニット3内外の差圧は試験用FOUP13を開扉してキャリア16内にパージプレート41から窒素を供給開始するまでキャリア16内部への塵埃の侵入を防ぐことができれば、以後は試験用ミニエンバイロメント空間ユニット3の内外差圧はゼロであってもよいことが分かった。なお、試験用FOUP13の容積は通常使用されるFOUP13と同じく約30リットルであるので、この時のFOUP13内窒素換気回数(換算値)は5回/分となり、窒素の流出速度は窒素流出面中央部からキャリア16内部に向けて20mmの位置で0.19m/分であった。
次に、窒素ガスの供給を開始した後、ファンフィルタユニット5を止めることでクリーンブース(試験用ミニエンバイロメント空間ユニット3)内外の差圧をゼロとして、この保護カバー50の流出面からの最低窒素供給速度を求める試験を実施した。その結果、FOUP内の密閉1分後の酸素濃度を100ppm以下とするためには、毎分48リットルの流量で窒素ガスを供給する場合では、密閉まで6分必要であることが解った(図省略)。これ未満の窒素ガス流量は窒素ガス供給時間が掛かり過ぎ、窒素ガス消費量も多く実用的でない。この時、窒素ガスによるFOUP内の換気回数は1.6回/分と計算される。この時の流速の測定結果は、窒素流出面中央部からFOUP内に向けて20mmの位置で0.06m/秒であった。
本発明では、FOUP開放面161の中央部付近に移動させたパージプレート41の保護カバー50から、窒素など不活性ガスを層流で供給し、FOUP奥壁で左右、上下に流れが振り分けられ、パージプレート周縁とFOUP開放面161の周縁との間から排出される。本発明では不活性ガスの流れが層流であることが要求されるので、レイノルズ数を計算し検証した。一般に、円管の流体ではレイノルズ数が2000〜4000を超えると層流から乱流になるといわれる。
レイノルズ数は、Re=UL/μρの式から求めることが出来る。
ここで、U:速度[m/s]、
L:距離[m]、 パージプレート41の窒素流出口の穴φ2mm、ウエハ間隔10mm
μ:粘度[Pa・sec]、20℃窒素1.8×10-5Pa・sec
ρ:密度[kg/m3]、20℃窒素1.165 である。
まず、パージプレート41の各穴から流出する窒素について計算する。
保護カバー50に開けられた前記φ2mm穴1240個のうち1個の穴から流出する窒素ガスのレイノルズ数は、パージプレート41からキャリア16内部に毎分150リットル供給する場合でRe=61、毎分400リットル供給する場合でRe=163と計算された。この結果から、どちらの流量であっても充分層流を保っていると言える。なお、この時保護カバー50の窒素ガス流出面から20mm位置での流速は0.50m/秒であった。
次に、FOUP内に流れ込んだ窒素ガスのレイノルズ数について計算する。FOUP内に収納されているウエハ同士の間隔L=10mmであり、ここに毎分400リットルの窒素ガスを供給した場合のレイノルズ数はRe=24と小さく、層流であると言うことができる。また、この時の換気回数は13.3回/分となるが、窒素ガス供給量が毎分400リットルを超えると、流量に比べて置換速度が下がらず、窒素ガスの総流出量が多くなり効率が悪く、好ましいものではない。
以上述べた理由から、整流板50(パージプレートのガス流出プレート)から20mmの位置での不活性ガス(窒素)の風速は、0.05m/秒から0.5m/秒の間が適当であり、好ましくは、0.1m/秒から0.3m/秒である。換気回数に換算すると、1.4回/分から13.3回/分が適当であり、好ましくは2.6回/分から7回/分である。ここで述べた物理的数字は、収納容器FOUP13が容積30リットルの300mmウエハ25枚収納用FOUPであるとして適用したが、容器の容量や形状が変っても充分適用できる。
ここまでの試験で上記実施例により、所定の時間内にFOUP内を所定の不活性ガス濃度に雰囲気置換できることが立証された。しかし、折角FOUP内の雰囲気置換が出来たとしてもFOUP内部に塵埃を浮遊させ、ウエハ表面に沈着させる結果となっては意味がない。そこで、次の試験として、試験用ミニエンバイロメント空間ユニット3内外の差圧が2.5Paで流量毎分120リットル、150リットル、200リットルの窒素ガスを110秒間供給した場合の試験用FOUP13内ウエハ表面の塵埃数を測定した。
塵埃測定試験は、PWP(Particles on Wafer per Pass)法によって行うこととした。具体的には、予め表面に付着した塵埃の数を測定しておいた測定用のウエハ5枚を試験用FOUP13内の1、7、13、19、25段目の棚にそれぞれ載置し、その後パージポート40による試験用FOUP13の開扉、雰囲気置換、密閉という動作を1工程とし、これを5回繰り返す。その後測定用ウエハ表面に付着した塵埃の数を測定することで、雰囲気置換動作の1工程に於ける測定用ウエハ一枚あたりに付着した直径0.12マイクロメートル以上の塵埃の増加個数を求めるという試験方法である。
その結果、ウエハ1枚当たりの平均塵埃数は、初期18.8個であった所、窒素ガスを毎分120リットル(換気回数4回/分、流速0.15m/秒)で18.3個、毎分150リットル(換気回数5回/分、流速0.19m/秒)で19.1個、毎分200リットル(換気回数6.7回/分、流速0.25m/秒)で22.6個であった。本試験から、毎分150リットルまでは塵埃数の増減は測定誤差範囲内であるが、流量が毎分200リットルを超えると塵埃数の増加が始まっており、換気回数は7回程度以下、流速は0.3m/秒程度以下が好ましいことが解った。塵埃増加の原因は、一般にウエハ裏面に付着している塵埃が多いため、裏面の塵埃が強い窒素気流で吹き飛ばされウエハ表面に沈着したと考えられる。
<パージング性能>
以上の試験結果にサポートされた特定実施例のパージング性能を概括する。この特定実施例によれば、FOUPに代表される30リットル容器内の空気を通常80秒、長くても180秒以下という短時間で置換でき、且つ、使用する不活性ガス量も少なくて済み、密閉後の酸素濃度を10ppm以下、少なくとも100ppm以下に保持することができた。パージプレート内に不活性ガス噴出抑制手段を設ける場合は、パージプレートの流出面を出たガスを層流に保つことができ、少量の不活性ガスで雰囲気置換させることができた。また、FOUP開放面より小さいパージプレートを、FOUP開放面の中央部に位置させて不活性ガスを流出させるため、パージプレート周縁の外を通ってFOUPの空気を排出でき、これも少量の不活性ガスでの雰囲気置換に貢献している。さらに、フランジパネル65やシールドカバー67にラビリンス構造を設けることにより、FOUP内部への空気侵入を最小限にすることができたのである。しかも、塵埃の被収容物への付着も皆無であった。本実施例の原理は、容器の容積が変っても適用できる。
以上、上記実施例の説明を通じて、カバー17とキャリア16とを分離させる際に、カバー17は静止したままでキャリア16をカバー17に対して後退動作をさせることにより分離させる移動機構を用いたロードポートにおいて不活性ガスによる雰囲気置換機能を付加する装置(パージポート40)、方法を開示した。また、既存のこの種ロードポートとコンパチブルな雰囲気置換装置(パージポート40)、方法について開示した。しかしながら、本発明は上記の実施例には限定されない。例えば、当業者にとって、パージポートにおいて使用する移動機構の変形は自明である。例えば、カバー17と一体化されたFIMSドア12一方のみをキャリア16から遠ざかるように水平方向に移動させることによりキャリア16とカバー17を分離させる機構や、キャリア16とカバー17の両方を水平反対方向に移動させる機構を用いたロードポートに対しても本発明の雰囲気置換装置、方法を適用でき、本実施例と同様の効果を奏することは十分可能である。あるいは、簡単な構成において、キャリア16とカバー17を水平方向に分離させる機構と、キャリア16とカバー17の間の中央部に不活性ガスをこのキャリア16内に流出させる面を有するパージプレート41を挿入させる機構とを備え、前述の範囲の換気回数を備えたものであれば、本発明の雰囲気置換装置を構成でき、そのような装置を用いて本発明の方法を実施できる。当業者には明らかなように、詳細に説明した特定実施例のパージポートをロードポートとは独立した構造で構成し、独立して使用されるように変形することは本発明の範囲内で行える自明な変形にすぎない。
また、本実施例の説明を通じて、SEMI規格にて規定されたシリコンウエハ用FOUPと、FOUPに適応するロードポートを対象として開示しているが、本発明はこれに限定されることはなく、液晶ディスプレイ基板や太陽電池パネル基板など、微細な処理を必要とする基板にも本発明を適用できる。また、処理すべき基板を収納し外部雰囲気から密閉する容器と、その容器を載置若しくは搬送する搬送装置、及び、その容器内から被処理物を搬送し、所定の処理を施す構成を有する処理装置であるかぎり、任意のこの種の処理装置のこの種の容器に対して、本発明の雰囲気置換装置、方法を有用に、適用することができる。
40:パージポート(雰囲気置換装置)
41:パージプレート
49:噴出抑制素子
50:整流板(流出面)
51−53:パージプレート昇降機構(パージプレート駆動機構)
13:FOUP(FOUP型容器)
161:開放面
15:ウエハ(基板)
2:ロードポート
3:ミニエンバイロメント空間ユニット
4:搬送ロボット
12:FIMSドア(ドア)
43&56:ドア駆動機構
43:水平方向ドア駆動機構
56:垂直方向ドア駆動機構
45:内壁
44:開口部
121:高清浄度空気通路
67a,67b:ラビリンスシールドカバー
68:補助ノズル

Claims (20)

  1. FOUP型容器(13)をパージガスでパージする雰囲気置換装置(40)において、
    流出面(50)から層流のパージガスを流出するように設計された非ノズル型パージプレート(41)と、
    待機位置と作動位置との間で前記パージプレート(41)を移動させるパージプレート駆動機構(51,52,53)と、
    パージ期間中、前記パージプレート(41)は前記作動位置におかれ、前記容器(13)の開放面(161)に対面する姿勢で、前記開放面(161)の内部に向けて、層流のパージガスを流出して前記容器(13)をパージすることと、
    を備える雰囲気置換装置。
  2. 前記作動位置において、前記パージプレート(41)は前記開放面(161)の中央に向けて、層流のパージガスが流出するように配置される、請求項1に記載の雰囲気
    置換装置。
  3. 前記FOUP型容器(13)は、基板(15)を収納する容器である、請求項1に記載の雰囲気置換装置。
  4. 前記基板(15)はウエハ(15)である、請求項2に記載の雰囲気置換装置。
  5. ロードポート(2)とコンパチブルである、請求項1に記載の雰囲気置換装置。
  6. 前記パージガスは窒素ガスである、請求項1に記載の雰囲気置換装置。
  7. 前記パージプレート(41)は、前記容器(13)の前記開放面(161)より小さい面積を有する雰囲気置換装置。
  8. 前記パージプレート(41)は、前記パージガスの噴出力を抑制する噴出抑制素子(49)を備える、請求項1に記載の雰囲気置換装置。
  9. 前記噴出抑制素子(49)は多孔質材で構成される、請求項8に記載の雰囲気置換装置。
  10. 開放時に搬送ロボット(4)による前記FOUP型容器(13)へのアクセスが可能となるようにした、開閉自在なドア(12)と、
    前記ドア(12)をX方向およびY方向に移動させるドア駆動機構(60−63、56)を
    備える請求項1に記載の雰囲気置換装置。
  11. 前記X方向は水平方向であり、前記Y方向は垂直方向である、請求項10に記載の雰囲気置換装置。
  12. 開放時に搬送ロボット(4)による前記FOUP型容器(13)へのアクセスが可能となるようにした、開閉自在なドア(12)と、
    前記ドア(12)の周縁に配置される内壁(45)と
    前記ドア(12)と前記内壁(45)との間に形成される隙間を通る高清浄度空気通路(121)を
    備える、請求項1に記載の雰囲気置換装置。
  13. 前記内壁(45)に設けられたラビリンス構造の内壁シールドカバー(67a,67b)と、
    前記ドアに設けられたラビリンス構造のドアシールドカバー(67a,67b)と、
    前記内壁シールドカバー(67a,67b)と前記ドアシールドカバー(67a,67b)とにより、前記隙間が非接触シールされることを
    備える、請求項12に記載の雰囲気置換装置。
  14. 前記内壁(45)に設けられたラビリンス構造の内壁シールドカバー(67a,67b)と、
    前記ドアに設けられたラビリンス構造のドアシールドカバー(67a,67b)と、
    前記ドアを水平方向に移動するドア駆動機構(60−63)と、
    前記ドアの水平方向の位置により、前記内壁シールドカバー(67a,67b)と前記ドアシール間のシールの程度が、したがって、前記隙間が調整可能であることを、
    備える、請求項12に記載の雰囲気置換装置。
  15. ミニエンバイロメント空間ユニット(3)に隣接して配置される請求項1に記載の雰囲気置換装置。
  16. 前記ミニエンバイロメント空間ユニット(3)からの高清浄度空気が隙間を介して連通するように構成される請求項15に記載の雰囲気置換装置。
  17. 前記FOUP型容器(13)がドッキングされる開口部(44)と、
    前記開口部(44)を画定する内壁(45)と、
    前記隙間が前記内壁(45)と前記ドア(12)の周縁との間に形成されることと、
    前記開口部(44)の上部に設けられ、前記パージガスを前記容器(13)に向けて放出する補助ノズル(68)を、
    備える請求項16に記載の雰囲気置換装置。
  18. パージ期間中、前記パージプレート(41)から流出される1分間あたりのパージガス量は、前記容器(13)の容積の1.4倍から13.3倍までの範囲である、請求項1に記載の雰囲気置換装置。
  19. 前記パージプレート(41)から流出する前記パージガスの速度は、前記パージプレートから20mm前方の位置において、0.05メートル/秒から0.5メートル/秒までの範囲である、請求項1に記載の雰囲気置換装置。
  20. 前記パージプレート(41)の面積は前記容器(13)の前記開放面(161)の面積の10%から60%までの範囲である、雰囲気置換装置。
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