JPWO2010137487A1 - 製品選別装置、製品選別方法及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
本発明は、測定治具の取り外し等の煩雑な作業を行うことなく、短時間の作業で、製品の特性値バラツキの標準偏差及び測定値バラツキの標準偏差を算出することができる製品選別装置、製品選別方法及びコンピュータプログラムを提供する。本発明に係る製品選別装置は、測定部1と、選別部3と、みなし標準偏差算出部4と、再選別部5と、ランク別推定個数算出部6と、標準偏差算出部7とを備える。標準偏差算出部7は、少なくとも一度再選別した所定の複数のランクのうち、少なくとも一つのランクに属する製品10の個数と、ランク別推定個数算出部6で推定した該ランクに属する製品10の推定個数とが略一致するようにみなし標準偏差の確率分布の変数を変更し、変更した変数を製品10の特性値バラツキの標準偏差及び測定値バラツキの標準偏差として算出する。
Description
本発明は、製品を選別する製品選別装置、製品選別方法及びコンピュータプログラムに関する。
製品は、出荷する前に所定の特性を示す特性値が測定され、所定の規格を満たすか否かにより良品又は不良品に選別される。製品の選別は、製品選別装置を用いて測定した製品の特性値と、製品規格(製品として要求される特性値)よりも条件が厳しい検査規格とを比較することにより行われる。測定した製品の特性値のバラツキが、製品自体の特性値のバラツキのみであれば、検査規格を製品規格と同一の条件に規定した場合であっても、製品選別装置により製品を良品又は不良品に正しく選別することができる。
しかし、測定した製品の特性値のバラツキには、製品自体の特性値のバラツキのみではなく、測定システムの測定値のバラツキが含まれている。そのため、製品選別装置において良品と選別された製品に不良品が含まれている、又は不良品と選別された製品に良品が含まれているおそれがある。ここで、不良品である製品が誤って良品に選別される確率を消費者リスク、良品である製品が誤って不良品に選別される確率を生産者リスクという。
消費者リスク及び生産者リスクを算出する方法が、非特許文献1及び2に開示されている。非特許文献1には、モンテカルロ法を用いて、製品選別装置における消費者リスク及び生産者リスクを算出する方法が開示されている。非特許文献2には、二重積分式を用いて、特性値のバラツキ及び測定値のバラツキの分布が正規分布であるとして、消費者リスク及び生産者リスクを算出する方法が開示されている。
エム.ドバート(M.Dobbert)「測定リスクの理解(Understanding Measurement Risk)」、エヌシーエスエル インターナショナル ワークショップ アンド シンポジウム(NCSL International Workshop and Symposium)、2007年8月
デーヴィッド ディーヴァー(David Deaver)、「実用上の校正管理(Managing Calibration Confidence in the Real World)」、エヌシーエスエル インターナショナル ワークショップ アンド シンポジウム(NCSL International Workshop and Symposium)、1995年
非特許文献1又は2に開示されている方法を用いて、消費者リスク及び生産者リスクを算出することはできる。しかし、製品自体の特性値のバラツキ、測定システムの測定値のバラツキ等については、非特許文献1又は2に開示されている方法を用いても算出することはできない。
測定システムの測定値のバラツキを算出するには、不確かさを評価する手法、品質マネジメントシステム規格(ISO9001:2000)の自動車生産及び関連サービス部品組織に関する固有要求事項(ISO/TS16949)で規定している測定システム解析MSA(Measurement Systems Analysis)の手法等が従来用いられている。
しかし、不確かさを評価する手法は、測定システムを測定治具、センサ等の不確かさが生じる要素に分け、要素ごとの不確かさを評価して、測定システム全体の不確かさである測定値のバラツキの標準偏差を算出している。そのため、不確かさを評価する手法は、それぞれの要素ごとに専門的な技術が必要であり、長時間の作業が必要となるので製造ラインに設ける製品選別装置に適用することが困難であった。
また、測定システム解析MSAの手法では、GR&R(Gage Repeatability and Reproducibility)の手法を用いて測定値のバラツキの標準偏差を算出するため、測定治具の取り外し等の作業を伴う繰返し測定、全ての製品の特性値の再測定等を行う必要があり、労務コストが高くなるという問題があった。例えば、コンデンサ容量を特性値とするコンデンサを1分間に1万個選別する製品選別装置では、特に測定治具の取り外し等の作業が煩雑であり、測定値のバラツキの標準偏差を算出するために約2時間の作業が必要となり、労務コストが高くなる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、測定治具の取り外し等の煩雑な作業を行うことなく、短時間の作業で製品の特性値バラツキの標準偏差及び測定値バラツキの標準偏差を算出することができる製品選別装置、製品選別方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために第1発明に係る製品選別装置は、製品の所定の特性を示す特性値を測定する測定部と、測定した特性値に基づき、前記製品を所定の複数のランクに選別する選別部と、測定した特性値のバラツキの標準偏差をみなし標準偏差として算出するみなし標準偏差算出部と、選別した所定の複数のランクのうち、少なくとも一つのランクに属する前記製品の特性値を再測定し、再測定した特性値に基づき、前記製品を前記所定の複数のランクに再選別する再選別部と、前記製品の特性値バラツキの標準偏差及び測定値バラツキの標準偏差を変数とする前記みなし標準偏差の確率分布に基づいて、少なくとも一度再選別した場合に各ランクに属する前記製品の個数を推定し、各ランクに属する前記製品の推定個数として算出するランク別推定個数算出部と、少なくとも一度再選別した複数のランクのうち、少なくとも一つのランクに属する前記製品の個数と、該ランクに属する前記製品の推定個数とが略一致するように前記みなし標準偏差の確率分布の前記変数を変更し、変更した変数を前記製品の特性値バラツキの標準偏差及び測定値バラツキの標準偏差として算出する標準偏差算出部とを備える。
また、第2発明に係る製品選別装置は、第1発明において、前記所定の複数のランクは、良品であるか否かを判定する特性値の上限値と下限値とを規定する所定の検査規格を基準に設けられており、前記再選別部は、特性値が前記所定の検査規格の上限値以下、下限値以上であるランクに属する前記製品を再選別するようにしてあり、前記標準偏差算出部は、再選別した前記所定の検査規格の上限値より大きいランク及び前記所定の検査規格の下限値より小さいランクに属する前記製品の個数と、該ランクに属する前記製品の推定個数とが略一致する前記確率分布の変数を前記製品の特性値バラツキの標準偏差及び測定値バラツキの標準偏差として算出する。
また、第3発明に係る製品選別装置は、第1発明において、前記所定の複数のランクは、良品であるか否かを判定する特性値の上限値と下限値とを規定する所定の検査規格を基準に設けられており、前記再選別部は、特性値が前記所定の検査規格の上限値より大きいランク及び前記所定の検査規格の下限値より小さいランクに属する前記製品を再選別するようにしてあり、前記標準偏差算出部は、再選別した前記所定の検査規格の上限値より大きいランク及び前記所定の検査規格の下限値より小さいランクに属する前記製品の個数と、該ランクに属する前記製品の推定個数とが略一致する前記確率分布の変数を前記製品の特性値バラツキの標準偏差及び測定値バラツキの標準偏差として算出する。
また、第4発明に係る製品選別装置は、第1乃至第3発明のいずれか一つにおいて、前記ランク別推定個数算出部は、前記製品の特性値バラツキの標準偏差の確率分布を複数の区間に分け、各区間の確率分布が前記測定値バラツキの標準偏差の確率分布に従うと仮定して、各ランクに属する前記製品の個数を推定し、各ランクに属する前記製品の推定個数として算出する。
上記目的を達成するために第5発明に係る製品選別方法は、製品の所定の特性を示す特性値を測定するステップと、測定した特性値に基づき、前記製品を所定の複数のランクに選別するステップと、測定した特性値のバラツキの標準偏差をみなし標準偏差として算出するステップと、選別した所定の複数のランクのうち、少なくとも一つのランクに属する前記製品の特性値を再測定し、再測定した特性値に基づき、前記製品を前記所定の複数のランクに再選別するステップと、前記製品の特性値バラツキの標準偏差及び測定値バラツキの標準偏差を変数とする前記みなし標準偏差の確率分布に基づいて、少なくとも一度再選別した場合に各ランクに属する前記製品の個数を推定し、各ランクに属する前記製品の推定個数として算出するステップと、少なくとも一度再選別した複数のランクのうち、少なくとも一つのランクに属する前記製品の個数と、該ランクに属する前記製品の推定個数とが略一致するように前記みなし標準偏差の確率分布の前記変数を変更し、変更した変数を前記製品の特性値バラツキの標準偏差及び測定値バラツキの標準偏差として算出するステップとを含む。
また、第6発明に係る製品選別方法は、第5発明において、前記所定の複数のランクは、良品であるか否かを判定する特性値の上限値と下限値とを規定する所定の検査規格を基準に設けられており、特性値が前記所定の検査規格の上限値以下、下限値以上であるランクに属する前記製品を再選別し、再選別した前記所定の検査規格の上限値より大きいランク及び前記所定の検査規格の下限値より小さいランクに属する前記製品の個数と、該ランクに属する前記製品の推定個数とが略一致する前記確率分布の変数を前記製品の特性値バラツキの標準偏差及び測定値バラツキの標準偏差として算出する。
また、第7発明に係る製品選別方法は、第5発明において、前記所定の複数のランクは、良品であるか否かを判定する特性値の上限値と下限値とを規定する所定の検査規格を基準に設けられており、特性値が前記所定の検査規格の上限値より大きいランク及び前記所定の検査規格の下限値より小さいランクに属する前記製品を再選別し、再選別した前記所定の検査規格の上限値より大きいランク及び前記所定の検査規格の下限値より小さいランクに属する前記製品の個数と、該ランクに属する前記製品の推定個数とが略一致する前記確率分布の変数を前記製品の特性値バラツキの標準偏差及び測定値バラツキの標準偏差として算出する。
また、第8発明に係る製品選別方法は、第5乃至第7発明のいずれか一つにおいて、前記製品の特性値バラツキの標準偏差の確率分布を複数の区間に分け、各区間の確率分布が前記測定値バラツキの標準偏差の確率分布に従うと仮定して、各ランクに属する前記製品の個数を推定し、各ランクに属する前記製品の推定個数として算出する。
次に、上記目的を達成するために第9発明に係るコンピュータプログラムは、製品を選別する製品選別装置で実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、前記製品選別装置を、製品の所定の特性を示す特性値を測定する測定手段、測定した特性値に基づき、前記製品を所定の複数のランクに選別する選別手段、測定した特性値のバラツキの標準偏差をみなし標準偏差として算出するみなし標準偏差算出手段、選別した所定の複数のランクのうち、少なくとも一つのランクに属する前記製品の特性値を再測定し、再測定した特性値に基づき、前記製品を前記所定の複数のランクに再選別する再選別手段、前記製品の特性値バラツキの標準偏差及び測定値バラツキの標準偏差を変数とする前記みなし標準偏差の確率分布に基づいて、少なくとも一度再選別した場合に各ランクに属する前記製品の個数を推定し、各ランクに属する前記製品の推定個数として算出するランク別推定個数算出手段、及び少なくとも一度再選別した複数のランクのうち、少なくとも一つのランクに属する前記製品の個数と、該ランクに属する前記製品の推定個数とが略一致するように前記みなし標準偏差の確率分布の前記変数を変更し、変更した変数を前記製品の特性値バラツキの標準偏差及び測定値バラツキの標準偏差として算出する標準偏差算出手段として機能させる。
また、第10発明に係るコンピュータプログラムは、第9発明において、前記所定の複数のランクは、良品であるか否かを判定する特性値の上限値と下限値とを規定する所定の検査規格を基準に設けられており、前記再選別手段を、特性値が前記所定の検査規格の上限値以下、下限値以上であるランクに属する前記製品を再選別する手段として機能させ、前記標準偏差算出手段を、再選別した前記所定の検査規格の上限値より大きいランク及び前記所定の検査規格の下限値より小さいランクに属する前記製品の個数と、該ランクに属する前記製品の推定個数とが略一致する前記確率分布の変数を前記製品の特性値バラツキの標準偏差及び測定値バラツキの標準偏差として算出する手段として機能させる。
また、第11発明に係るコンピュータプログラムは、第9発明において、前記所定の複数のランクは、良品であるか否かを判定する特性値の上限値と下限値とを規定する所定の検査規格を基準に設けられており、前記再選別手段を、特性値が前記所定の検査規格の上限値より大きいランク及び前記所定の検査規格の下限値より小さいランクに属する前記製品を再選別する手段として機能させ、前記標準偏差算出手段を、再選別した前記所定の検査規格の上限値より大きいランク及び前記所定の検査規格の下限値より小さいランクに属する前記製品の個数と、該ランクに属する前記製品の推定個数とが略一致する前記確率分布の変数を前記製品の特性値バラツキの標準偏差及び測定値バラツキの標準偏差として算出する手段として機能させる。
また、第12発明に係るコンピュータプログラムは、第9乃至第11発明のいずれか一つにおいて、前記ランク別推定個数算出手段を、前記製品の特性値バラツキの標準偏差の確率分布を複数の区間に分け、各区間の確率分布が前記測定値バラツキの標準偏差の確率分布に従うと仮定して、各ランクに属する前記製品の個数を推定し、各ランクに属する前記製品の推定個数として算出する手段として機能させる。
第1、第5、第9発明では、選別した所定の複数のランクのうち、少なくとも一つのランクに属する製品の特性値を再測定し、再測定した特性値に基づき、製品を所定の複数のランクに再選別することにより、全ての製品の特性値を再測定する必要がなく、測定システム解析MSAの手法のような測定治具の取り外し等の作業を伴う繰返し測定を行う必要がないため、測定値バラツキの標準偏差を算出する時間を大幅に短縮することができる。また、製品の特性値バラツキの標準偏差及び測定値バラツキの標準偏差を変数とするみなし標準偏差の確率分布に基づいて、各ランクに属する製品の個数を推定し、各ランクに属する製品の推定個数として算出し、少なくとも一つのランクに属する製品の個数と、該ランクに属する製品の推定個数とが略一致するようにみなし標準偏差の確率分布の変数を変更し、変更した変数を製品の特性値バラツキの標準偏差及び測定値バラツキの標準偏差として算出することにより、数学的に解くことが困難な連立方程式を解くことなく、製品の特性値バラツキの標準偏差及び測定値バラツキの標準偏差を算出することができる。
第2、第6、第10発明では、特性値が所定の検査規格の上限値以下、下限値以上であるランクに属する製品を再選別するので、良品であると選別された当該ランクに属する製品を再度検査することになり、不良品を誤って良品と選別して出荷する確率を低減することができる。
第3、第7、第11発明では、特性値が所定の検査規格の上限値より大きいランク及び所定の検査規格の下限値より小さいランクに属する製品を再選別するので、不良品と選別された当該ランクに属する製品を再度検査することになり、良品を誤って不良品と選別する確率を低減でき良品率を改善することができる。
第4、第8、第12発明では、製品の特性値バラツキの標準偏差の確率分布を複数の区間に分け、各区間が測定値バラツキの標準偏差の確率分布に従うと仮定して、各ランクに属する製品の個数を推定し、各ランクに属する製品の推定個数として算出するので、数学的に解くことが困難な連立方程式を解くことなく、各ランクに属する製品の個数を推定することができる。
本発明に係る製品選別装置、製品選別方法及びコンピュータプログラムでは、上記の構成により、測定治具の取り外し等の煩雑な作業を行うことなく、短時間で製品の特性値バラツキの標準偏差及び測定値バラツキの標準偏差を算出することができる。
以下、本発明の実施の形態における製品自体の特性値のバラツキの標準偏差及び測定システムの測定値のバラツキの標準偏差を算出することが可能な製品選別装置について、図面を用いて具体的に説明する。以下の実施の形態は、特許請求の範囲に記載された発明を限定するものではなく、実施の形態の中で説明されている特徴的事項の組み合わせの全てが解決手段の必須事項であるとは限らないことは言うまでもない。
以下の実施の形態では、コンピュータシステムにコンピュータプログラムを導入した、製品選別装置について説明するが、当業者であれば明らかな通り、本発明はその一部をコンピュータで実行することが可能なコンピュータプログラムとして実施することができる。したがって、本発明は、製品選別装置というハードウェアとしての実施の形態、ソフトウェアとしての実施の形態、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせの実施の形態をとることができる。コンピュータプログラムは、ハードディスク、DVD、CD、光記憶装置、磁気記憶装置等の任意のコンピュータで読み取ることが可能な記録媒体に記録することができる。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る製品選別装置の構成例を示すブロック図である。本実施の形態1に係る製品選別装置は、製品の所定の特性を示す特性値を測定する測定部1と、測定した特性値を演算する演算処理部2とを備えている。
図1は、本発明の実施の形態1に係る製品選別装置の構成例を示すブロック図である。本実施の形態1に係る製品選別装置は、製品の所定の特性を示す特性値を測定する測定部1と、測定した特性値を演算する演算処理部2とを備えている。
測定部1は、製品の所定の特性を示す特性値を測定する。例えば、製品がセラミックコンデンサである場合、製品の特性値であるコンデンサ容量を測定部1で測定する。コンデンサ容量を測定する測定部1のハードウェア構成としては、LCRメータがある。
演算処理部2は、少なくともCPU(中央演算装置)21、メモリ22、記憶装置23、I/Oインタフェース24、ビデオインタフェース25、可搬型ディスクドライブ26、測定インタフェース27及び上述したハードウェアを接続する内部バス28で構成されている。
CPU21は、内部バス28を介して演算処理部2の上述したようなハードウェア各部と接続されており、上述したハードウェア各部の動作を制御するとともに、記憶装置23に記憶しているコンピュータプログラム230に従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。メモリ22は、SRAM、SDRAM等の揮発性メモリで構成され、コンピュータプログラム230の実行時にロードモジュールが展開され、コンピュータプログラム230の実行時に発生する一時的なデータ等を記憶する。
記憶装置23は、内蔵される固定型記憶装置(ハードディスク)、ROM等で構成されている。記憶装置23に記憶しているコンピュータプログラム230は、プログラム及びデータ等の情報を記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体90から、可搬型ディスクドライブ26によりダウンロードされ、実行時には記憶装置23からメモリ22へ展開して実行される。もちろん、ネットワークに接続されている外部のコンピュータからダウンロードされたコンピュータプログラムであっても良い。
測定インタフェース27は内部バス28に接続されており、測定部1と接続されることにより、測定部1と演算処理部2との間で測定した特性値や制御信号等を送受信することが可能となっている。
I/Oインタフェース24は、キーボード241、マウス242等のデータ入力媒体と接続され、データの入力を受け付ける。また、ビデオインタフェース25は、CRTモニタ、LCD等の表示装置251と接続され、所定の画像を表示する。
以下、上述した構成の製品選別装置の動作について説明する。図2は、本発明の実施の形態1に係る製品選別装置の機能ブロック図である。測定部1は、製品10の所定の特性を示す特性値を測定する。
選別部3は、測定部1において測定した特性値に基づいて、製品10を複数のランクに選別する。製品10を選別するランクは、例えば製品10が良品であるか否かを判定する特性値の上限値と下限値とを規定する所定の検査規格を基準に設けられる。なお、本実施の形態1では、検査規格を製品規格と同一の条件に規定している場合について説明する。図3は、本発明の実施の形態1に係る製品選別装置の選別部3が製品10を複数のランクに選別した場合の確率分布の模式図である。図3は、横軸を製品10の特性値、縦軸を製品10の個数として、測定した製品10の特性値の確率分布を表している。測定した製品10の特性値の確率分布は、正規分布となっている。
さらに、図3には、所定の検査規格で規定した特性値の上限値及び下限値が図示されている。選別部3は、特性値の下限値より小さい範囲をランクA、特性値の下限値以上、上限値以下の範囲をランクB、特性値の上限値より大きい範囲をランクCとして製品10を選別する。なお、ランクBに属する製品10は検査規格に基づき良品と判断され、ランクA、Cに属する製品10は検査規格に基づき不良品と判断される。
図2に戻って、みなし標準偏差算出部4は、測定した特性値のバラツキの標準偏差をみなし標準偏差として算出する。なお、みなし標準偏差算出部4は、みなし標準偏差を算出するとともに、測定した製品10の特性値の平均値も算出することができる。なお、測定した特性値に基づいて、みなし標準偏差及び平均値を算出することができる。しかし、本実施の形態1に係るみなし標準偏差算出部4では、測定した特性値からみなし標準偏差や平均値を算出するのではなく、選別部3で選別した複数のランクのうち、少なくとも1つのランク(例えば、ランクB)に属する製品10の個数を利用して、正規分布の累積分布関数の逆関数からみなし標準偏差及び平均値を算出する。つまり、測定した製品10の特性値の確率分布が正規分布であるとして、ランクAに属する製品10の個数を得ることで、当該確率分布を特定することができ、みなし標準偏差及び平均値等を求めることができる。
再選別部5は、選別部3で選別したランクBに属する製品10の特性値を、測定部1で再測定し、再測定した特性値に基づき、製品10を選別部3と同じ検査規格を基準に設けられた複数のランクに再選別する。ここで、測定部1に測定値のバラツキ(測定値バラツキ)がない場合であって、再選別部5がランクBに属する製品10の特性値を再測定して、再測定した特性値に基づいて複数のランクに再選別した場合、常に再選別した製品10は全てランクBに属することになる。一方、測定値バラツキがある場合であって、再選別部5がランクBに属する製品10の特性値を再測定して、再測定した特性値に基づいて複数のランクに再選別した場合、再選別した製品10はランクB以外にランクA、Cにも属することになる。再選別することによりランクA、Cに製品10が属することになるのは、測定値バラツキにより、再選別において本来はランクA、Cに属する製品10が、ランクBに属する製品10と誤って再選別されている場合、あるいは測定値バラツキにより、再選別により本来はランクBに属する製品10が、ランクA、Cに属する製品10と誤って再選別されている場合があるためである。なお、実際の測定部1は、測定値バラツキが必ず存在するために、再選別した製品10はランクB以外にランクA、Cにも属することになる。
再選別部5が、ランクBに属する製品10を複数のランクに再選別する具体例を、図面を用いて説明する。図4は、本発明の実施の形態1に係る製品選別装置の再選別部5がランクBに属する製品10を複数のランクに再選別した場合の確率分布の模式図である。図4も、図3と同様に、検査規格で規定した特性値の上限値及び下限値が図示されている。図4では、選別においてランクBに属していた製品10が、測定部1の測定値バラツキにより、ランクA、Cに再選別されている様子が示されている。具体的に、図4においてランクAに属する製品10は、ランクBからランクAに再選別された製品である。図4においてランクCに属する製品10は、ランクBからランクCに再選別された製品である。なお、図4においてランクBに属する製品10は、ランクBからランクBに再選別された製品である。
例えば、再選別した製品10をコンデンサ容量1pFのコンデンサとして、3525個の製品10を測定部1で測定した場合、測定結果より特性値の平均値が1.0067pFと算出され、みなし標準偏差算出部4ではみなし標準偏差が0.02125pFと算出された。また、検査規格の下限値を0.985pF、上限値を1.015pFとした場合、選別部3は、3525個の製品10を、ランクAには543個、ランクBには1758個、ランクCには1224個と選別した。
再選別部5は、ランクBに属する1758個の製品10について、測定部1にて特性値を再測定させ、再測定した特性値に基づいて複数のランクに再選別する。再選別部5で再選別した結果、製品10は、ランクAに77個、ランクBに1559個、ランクCに122個と再選別される。このとき、再選別したランクA、Cに属する199個(77個+122個)の製品10の条件は、次の第1及び第2条件の2種類の条件となる。第1条件は、製品10が真にランクB(真の特性値が検査規格の上限値以下、下限値以上の範囲内)であって、選別部3でランクBと選別され、再選別部5でランクA、Cと再選別された製品10である。第2条件は、製品10が真にランクA、C(真の特性値が検査規格の上限値より大きい範囲、又は下限値より小さい範囲)であって、選別部3でランクBと選別され、再選別部5でランクA、Cと再選別された製品10である。
再選別部5でランクA、Cと再選別された製品10が存在するのは、上述したように、製品自体の特性値のバラツキ(特性値バラツキ)だけでなく、測定値バラツキが存在するからである。測定部1で測定した特性値のバラツキの標準偏差をみなし標準偏差として算出するみなし標準偏差算出部4で算出されるみなし標準偏差TVは、特性値バラツキの標準偏差PVと、測定値バラツキの標準偏差GRRとにより(数1)として表わすことができる。
(数1)から分かるように、測定値バラツキの標準偏差GRRが0(ゼロ)であれば、みなし標準偏差算出部4で算出されるみなし標準偏差TVは、特性値バラツキの標準偏差PVと等しくなる。
測定値バラツキの標準偏差GRRが0(ゼロ)でない場合は、みなし標準偏差TVをみなし標準偏差算出部4で算出しただけでは、特性値バラツキの標準偏差PVと、測定値バラツキの標準偏差GRRとを算出することができない。そこで、特性値バラツキの標準偏差PV及び測定値バラツキの標準偏差GRRを算出するためには、(数1)と、上述の第1及び第2条件を満たす製品10の個数とを共に満足させる必要がある。
第1及び第2条件を満たす製品10の個数は、非特許文献2で開示されている真の不良品を測定により良品と選別する確率の消費者リスクCR(数2)と、真の良品を測定により不良品と選別する確率の生産者リスクPR(数3)とを解くことにより求めることができる。
(数2)及び(数3)は、製品10の特性値バラツキの確率分布と測定部1の測定値バラツキの確率分布を正規分布とした場合、製品10の特性値バラツキの標準偏差PVにより基準正規分布を求めた製品10の特性値バラツキの確率密度関数と、測定部1の測定値バラツキの標準偏差GRRにより基準正規分布を求めた測定値バラツキの確率密度関数との二重積分の形式で表現されている。ここで、tは製品10の特性値バラツキの確率分布の中心からの位置、sは測定部1の測定値バラツキの確率分布の中心からの位置、Lは製品規格の半値幅(製品10の製品規格の中心を零点とした場合、零点から製品10の製品規格の上限値又は下限値までの距離)、k・Lは検査規格の半値幅(製品10の検査規格の中心を零点とした場合、零点から製品10の検査規格の上限値又は下限値までの距離)、uは製品10の特性値バラツキの確率分布の偏り、vは測定部1の測定値バラツキの確率分布の偏り、Rは精度比(製品10の特性値バラツキの標準偏差PVを測定部1の測定値バラツキの標準偏差GRRで割った値)を示している。なお、本実施の形態1に係る製品選別装置では、製品規格と検査規格とが同一の条件であるためk=1となる。
(数2)及び(数3)を利用して特性値バラツキの標準偏差PV及び測定値バラツキの標準偏差GRRを算出するには、第1条件及び第2条件を満たす(数2)及び(数3)の二重積分式と、(数1)との連立方程式を解く必要がある。しかし、該連立方程式を数学的に解くことは困難である。
そこで、本実施の形態1に係る製品選別装置では、図2に示すランク別推定個数算出部6及び標準偏差算出部7を利用して、(数1)と、第1条件及び第2条件を満たす製品10の個数とを共に満足させる製品10の特性値バラツキの標準偏差PV及び測定値バラツキの標準偏差GRRを算出する。ここで、ランク別推定個数算出部6は、特性値バラツキの標準偏差PV及び測定値バラツキの標準偏差GRRを変数とするみなし標準偏差TVの確率分布に基づいて、再選別した後のランクA、B、Cそれぞれに属する製品10の個数を推定し、各ランクに属する製品10の推定個数として算出する。標準偏差算出部7は、再選別部5で再選別したランクA、Cに属する製品10の個数と、ランクA、Cに属する製品10の推定個数とが略一致するようにみなし標準偏差TVの確率分布の変数を変更し、変更した変数を製品10の特性値バラツキの標準偏差PV及び測定値バラツキの標準偏差GRRとして算出する。
具体的に、本実施の形態1に係る製品選別装置において、特性値バラツキの標準偏差PV及び測定値バラツキの標準偏差GRRを算出する処理手順について、フローチャートを用いて説明する。図5及び図6は、本発明の実施の形態1に係る製品選別装置が、特性値バラツキの標準偏差PV及び測定値バラツキの標準偏差GRRを算出する処理手順を示すフローチャートである。
演算処理部2のCPU21は、測定インタフェース27で受信した、測定部1で測定した製品10の特性値を取得し(ステップS501)、取得した製品10の特性値に基づいて、製品10を図3で示したランクA、ランクB、ランクCに選別する(ステップS502)。CPU21は、ランクBに選別された製品10の特性値を再測定するよう測定部1へ指示信号を送信する(ステップS503)。指示信号を受信した測定部1は、ランクBに選別された製品10の特性値を再測定する。CPU21は、再測定した製品10の特性値を再度取得し(ステップS504)、再度取得した特性値に基づいて製品10を複数のランクに再選別し(ステップS505)、再選別した各ランクに属する製品10の個数を計数する(ステップS506)。
CPU21は、選別されたランクA、ランクB、ランクCのうち少なくとも1つのランクに属する製品10の個数に基づき、測定部1で測定した製品10の特性値の確率分布を特定し、みなし標準偏差TVや特性値の平均値を算出する(ステップS507)。
CPU21は、測定値バラツキの標準偏差GRRをGRR1=0.1TV(初期値)と設定し、測定値バラツキの標準偏差GRRの変更幅GRR2を、GRR2=(TV−GRR1)/10=(TV−0.1TV)/10=0.09TVと設定する(ステップS508)。
CPU21は、算出したみなし標準偏差TVと、設定した測定値バラツキの標準偏差GRR1とに基づき、特性値バラツキの標準偏差PVを設定し(ステップS509)、設定した特性値バラツキの標準偏差PVの確率分布から、再選別した場合にランクBに属する製品10の個数を推定する(ステップS610)。
ステップS610の処理手順について、さらに詳しいフローチャート用いて説明する。図7は、本発明の実施の形態1に係る製品選別装置が、各ランクに再選別した場合に製品10の個数を推定する処理手順を示すフローチャートである。CPU21は、算出したみなし標準偏差TVと、設定した測定値バラツキの標準偏差GRR1とを(数1)に代入して、特性値バラツキの標準偏差PVを設定する(ステップS701)。具体的に、特性値バラツキの標準偏差PVは、(数1)よりPV2 =TV2 −GRR2 となり、初期設定値のGRR1=0.1TVを代入することで、PV2 =TV2 −(0.1TV)2 として算出することができる。
CPU21は、設定した特性値バラツキの標準偏差PVの確率分布を、所定の特性値ごとに複数の区間に分け、各区間の確率分布を特定する(ステップS702)。CPU21は、特定した各区間の確率分布が測定値バラツキの標準偏差GRR1の確率分布に従うと仮定して測定した結果として(以下、測定後)、特性値バラツキの標準偏差PVの確率分布を算出する(ステップS703)。なお、各区間の確率分布が測定値バラツキの標準偏差GRR1の確率分布に従うと仮定することについて、図を用いて説明する。図8は、特性値バラツキの標準偏差PVの各区間の確率分布が測定値バラツキの標準偏差GRR1の確率分布に従う様子を示す模式図である。図8に示すように、特性値バラツキの標準偏差PVの確率分布は複数の区間61(図8では9つの区間)に分けられる。例えば、特性値αから特性値βまでの区間61Aには、特性値αから特性値βまでの特性値の製品10は存在するが、特性値αより小さい特性値、又は特性値βより大きい特性値の製品10は存在しない。区間61Aの測定後の確率分布62Aが測定値バラツキの標準偏差GRR1の確率分布に従うと仮定すると、区間61Aに属する製品10のそれぞれの特性値は測定値バラツキを有することになり、区間61Aの確率分布62Aを測定後の確率分布62Bとみなすことができる。測定後の確率分布62Bでは、特性値αより小さい特性値、又は特性値βより大きい特性値の製品10も存在する。CPU21は、各区間61の確率分布を、測定後の確率分布とみなすことで、測定後の特性値バラツキの標準偏差PVの確率分布を算出する。
CPU21は、測定後の特性値バラツキの標準偏差PVの確率分布に基づいて、ランクBに属する製品10の個数を推定する(ステップS704)。図8に示すように、ランクBに属する区間61Aの確率分布62Aは測定後の確率分布62Bとみなされるため、区間61Aに属する製品であっても測定後にランクAに属する製品10が存在する。また、ランクAに属する区間61Cの確率分布も測定後の確率分布62Cとみなされるため、区間61Cに属する製品であってもランクBに属する製品10が存在する。CPU21は、区間61Aの確率分布62Aを測定後の確率分布62Bと、区間61Cの確率分布を測定後の確率分布62Cとそれぞれみなして、測定後の確率分布62BからランクBに属さない製品10を減算し、測定後の確率分布62CからランクBに属する製品10を加算する処理を、各区間61に行うことでランクBに属する製品10の個数を推定する。なお、実際使用するプログラムの中では、精度を高めるために、ランクA、B、Cをそれぞれ200程度の区間に分けて計算を行っている。
図6に戻って、演算処理部2のCPU21は、例えば、ランクA、B、Cをそれぞれ200の区間に分けて、各区間に属する製品10の特性値を測定した後にランクBに入る確率分布ごとに、個数を推定したランクBの確率分布をさらに複数の区間に分け、各区間の確率分布が測定値バラツキの標準偏差GRR1の確率分布に従うと仮定して、ランクBを再選別した後のランクA、Cに属する製品10の個数を推定し、ランクA、Cの推定個数として算出する(ステップS611)。なお、個数を推定したランクBの各区間の確率分布が測定値バラツキの標準偏差GRR1の確率分布に従うと仮定すること、及びランクBの測定後の確率分布からランクA、Cに属する製品10の個数を推定することは、ステップS610を詳細に説明した図7に示す処理手順と同じであるため詳細な説明は省略する。
CPU21は、ランクA、Cに属する製品10の推定個数が、ステップS505で再選別したランクA、Cに属する製品10の個数より多いか否かを判断する(ステップS612)。CPU21が、推定個数が、ステップS505で再選別したランクA、Cに属する製品10の個数以下であると判断した場合(ステップS612:NO)、CPU21は、測定値バラツキの標準偏差GRR1を変更幅GRR2だけインクリメントし(ステップS613)、処理をステップS610へ戻す。具体的に、ステップS613では、推定個数が、ステップS505で再選別したランクA、Cに属する製品10の個数より多くなるまで、測定値バラツキの標準偏差GRR1を0.1TV+0.09TV、0.1TV+0.09TV+0.09TV、・・・と変更幅GRR2(0.09TV)ずつインクリメントする。
CPU21が、推定個数が、ステップS505で再選別したランクA、Cに属する製品10の個数より多いと判断した場合(ステップS612:YES)、CPU21は、測定値バラツキの標準偏差GRR1が初期値(0.1TV)であるか否か判断する(ステップS614)。
CPU21が、測定値バラツキの標準偏差GRR1が初期値(0.1TV)であると判断した場合(ステップS614:YES)、測定値バラツキの標準偏差GRRがGRR1より小さくなるので、CPU21は、測定値バラツキの標準偏差GRR1を2分の1(GRR1=0.05TV)に設定し、変更幅GRR2も2分の1(0.045TV)に設定して(ステップS615)、処理をステップS610へ戻す。
CPU21が、測定値バラツキの標準偏差GRR1が初期値(0.1TV)でないと判断した場合(ステップS614:NO)、測定値バラツキの標準偏差GRR1の精度を上げるために、CPU21は、測定値バラツキの標準偏差GRR1を変更幅GRR2だけデクリメントする(ステップS616)。
CPU21は、ステップS616の処理を行った回数を計数し(ステップS617)、計数した処理回数が5回以下であるか否かを判断する(ステップS618)。CPU21が、計数した処理回数が5回以下であると判断した場合(ステップS618:YES)、測定値バラツキの標準偏差GRR1の精度がまだ不十分であると判断して、CPU21は、変更幅GRR2を4分の1に設定して(ステップS619)、処理をステップS610へ戻す。CPU21が、計数した処理回数が5回より多いと判断した場合(ステップS618:NO)、測定値バラツキの標準偏差GRR1の精度が十分であると判断して、CPU21は、ステップS616の処理後の測定値バラツキの標準偏差GRR1を変更幅GRR2の2分の1だけ大きくした値を測定値バラツキの標準偏差GRRとして算出し(ステップS620)、算出した測定値バラツキの標準偏差GRRと、算出したみなし標準偏差TVとを(数1)に代入することで特性値バラツキの標準偏差PVを算出する(ステップS621)。
図5及び図6に示す処理手順を行うことで、上述の製品10をコンデンサ容量1pFのコンデンサとした場合(選別部3は、検査規格の下限値0.985pF、上限値1.015pFで3525個の製品を、ランクAには543個、ランクBには1758個、ランクCには1224個と選別した。また、再選別部5は、ランクBに属する1758個の製品10について、再選別した結果、製品10は、ランクAに77個、ランクBに1559個、ランクCに122個と再選別した場合)、特性値の平均値が1.0067pF、みなし標準偏差TVが0.02125pF、特性値バラツキの標準偏差PVが0.02096pF、測定値バラツキの標準偏差GRRが0.00350pFと算出することができる。また、本実施の形態1では製品10をランクA、B、Cの3つのランクに選別又は再選別する場合を説明したが、図8に示すランクBに属する区間61Aや区間61Dなどを1つのランク(サブランク)とみなして、再選別した後のサブランクの上限値以下、下限値以上の範囲に属する製品10の個数、サブランクの下限値より小さい範囲に属する製品10の個数、サブランクの上限値より大きい範囲に属する製品10の個数から、上述の特性値の平均値、みなし標準偏差TV、特性値バラツキの標準偏差PV、測定値バラツキの標準偏差GRRを同様に算出することもできる。
なお、ステップS501乃至ステップS506で示したように、測定インタフェース27で受信した、測定部1で測定した製品10の特性値に基づいて、製品10を選別、再選別することに限定されるものではなく、製品10を選別、再選別することなく、キーボード241からの入力等により製品10を選別、再選別した結果を受け付けても良い。
以上のように、本実施の形態1に係る製品選別装置では、ランクBに属する製品10を再選別部5で再選別したランクA、Cに属する製品10の個数と、特性値バラツキの標準偏差PV及び測定値バラツキの標準偏差GRRを変数とするみなし標準偏差TVの確率分布に基づいて推定した再選別した後のランクA、Cに属する製品10の推定個数とが略一致するようにみなし標準偏差TVの確率分布の変数を変更し、変更した変数を特性値バラツキの標準偏差PV及び測定値バラツキの標準偏差GRRとして算出するので、測定システム解析MSAの手法では必要不可欠な繰返し測定を行うことなく測定値バラツキの標準偏差GRRを算出することができる。
また、本実施の形態1に係る製品選別装置では、測定システム解析MSAの手法のように、測定値バラツキの標準偏差GRRを算出するために繰返し測定を行う必要がないので、繰返し測定にかかる時間が不要になり、短時間で測定値バラツキの標準偏差GRRを算出することができる。特に、製造ラインの検査工程に組み込まれた本実施の形態1に係る製品選別装置では、測定システム解析MSAの手法を用いた場合、測定治具の取り外し等の煩雑な作業に時間がかかり、測定値バラツキの標準偏差GRRを算出するために約2時間必要であったが、本実施の形態1に係る製品選別方法を用いた場合には約5分で算出することが可能になる。
さらに、本実施の形態1に係る製品選別装置では、測定システム解析MSAの手法に比べて、数多くの製品10を測定して特性値バラツキの標準偏差PV及び測定値バラツキの標準偏差GRRを算出するので精度が格段に良い。例えば、測定システム解析MSAの手法では、10個程度の製品10を測定するが、本実施の形態1に係る製品選別装置では、1万個の製品10を測定するため、算出される特性値バラツキの標準偏差PV及び測定値バラツキの標準偏差GRRの精度は、測定システム解析MSAの手法で算出したものに比べて3倍程度良くなる。
さらに、また本実施の形態1に係る製品選別装置では、良品であると選別されたランクBに属する製品10の特性値を再測定し、再測定した特性値に基づいて複数のランクに再選別するため、不良品を誤って良品と選別して出荷する確率を低減することができる。
なお、本実施の形態1に係る製品選別装置は、ランク別推定個数算出部6が、特性値バラツキの標準偏差PVの確率分布を複数の区間に分け、各区間の確率分布が測定値バラツキの標準偏差GRRの確率分布に従うと仮定して、各ランクに属する製品10の個数を推定して各ランクに属する製品10の推定個数として算出する場合に限定されるものではなく、特性値バラツキの標準偏差PV及び測定値バラツキの標準偏差GRRを変数とするみなし標準偏差TVの確率分布に基づく製品10の特性値をモンテカルロ法により生成して、各ランクに属する製品10の個数を推定して推定個数を算出しても良い。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態1に係る製品選別装置では、ランクBに属する製品10の特性値を再測定し、再測定した特性値に基づき複数のランクに再選別して、特性値バラツキの標準偏差PV及び測定値バラツキの標準偏差GRRを算出する場合について説明した。本発明の実施の形態2に係る製品選別装置では、ランクA、Cに属する製品10の特性値を再測定し、再測定した特性値に基づき複数のランクに再選別して、特性値バラツキの標準偏差PV及び測定値バラツキの標準偏差GRRを算出する場合について説明する。そのため、本実施の形態2に係る製品選別装置の構成例を示すブロック図及び機能ブロック図は、実施の形態1の図1及び図2と同じであるため詳細な説明は省略し、同じ構成要素の符号を用いて以下説明する。
本発明の実施の形態1に係る製品選別装置では、ランクBに属する製品10の特性値を再測定し、再測定した特性値に基づき複数のランクに再選別して、特性値バラツキの標準偏差PV及び測定値バラツキの標準偏差GRRを算出する場合について説明した。本発明の実施の形態2に係る製品選別装置では、ランクA、Cに属する製品10の特性値を再測定し、再測定した特性値に基づき複数のランクに再選別して、特性値バラツキの標準偏差PV及び測定値バラツキの標準偏差GRRを算出する場合について説明する。そのため、本実施の形態2に係る製品選別装置の構成例を示すブロック図及び機能ブロック図は、実施の形態1の図1及び図2と同じであるため詳細な説明は省略し、同じ構成要素の符号を用いて以下説明する。
図2に示す選別部3は、測定部1において測定した特性値に基づいて、製品10を図3に示すように複数のランクA、B、Cのそれぞれに選別する。再選別部5は、選別部3で選別したランクA、Cに属する製品10の特性値を、測定部1で再測定し、再測定した特性値に基づき、製品10を選別部3と同じ検査規格を基準に設けられたランクに再選別する。
再選別部5が、ランクA、Cに属する製品10を複数のランクに再選別する具体例を、図を用いて説明する。図9は、本発明の実施の形態2に係る製品選別装置の再選別部5がランクA、Cに属する製品10を複数のランクに再選別した場合の確率分布の模式図である。図9も、図3と同様に、検査規格で規定した特性値の上限値及び下限値が図示されている。図9では、選別においてランクA、Cに属していた製品10が、測定部1の測定値バラツキにより、ランクBに再選別されている様子が示されている。具体的に、図9においてランクAに属する製品10は、ランクAからランクAに再選別された製品である。図9においてランクCに属する製品10は、ランクCからランクCに再選別された製品である。なお、図9においてランクBに属する製品10は、ランクA、CからランクBに再選別された製品である。
例えば、再選別した製品10をコンデンサ容量1pFのコンデンサとして、3525個の製品10を測定部1で測定した場合、検査規格の下限値を0.985pF、上限値を1.015pFとした選別部3は、3525個の製品10を、ランクAには543個、ランクBには1758個、ランクCには1224個と選別する。再選別部5は、ランクA、Cに属する1767個(543個+1224個)の製品10を、測定部1にて特性値を再測定させ、再測定した特性値に基づいて複数のランクに再選別する。再選別部5で再選別した結果、製品10はランクAに465個、ランクBに199個、ランクCに1103個と再選別される。このとき、再選別したランクA、Cに属する1568個(465個+1103個)の製品10の条件は、次の第3条件及び第4条件の2種類の条件となる。第3条件は、製品10が真にランクB(真の特性値が検査規格の上限値以下、下限値以上の範囲内)であって、選別部3でランクA、Cと選別され、再選別部5でランクA、Cと再選別された製品10である。第4条件は、製品10が真にランクA、C(真の特性値が検査規格の上限値より大きい範囲、又は下限値より小さい範囲)であって、選別部3でランクA、Cと選別され、再選別部5でランクA、Cと再選別された製品10である。
本実施の形態2に係る製品選別装置でも、図2に示すランク別推定個数算出部6及び標準偏差算出部7を利用して、(数1)と、第3条件及び第4条件を満たす製品10の個数とを共に満足させる製品10の特性値バラツキの標準偏差PV及び測定値バラツキの標準偏差GRRを算出する。ここで、ランク別推定個数算出部6は、特性値バラツキの標準偏差PV及び測定値バラツキの標準偏差GRRを変数とするみなし標準偏差TVの確率分布に基づいて、再選別した後のランクA、B、Cそれぞれに属する製品10の個数を推定し、各ランクに属する製品10の推定個数として算出する。標準偏差算出部7は、再選別部5で再選別したランクA、Cに属する製品10の個数と、ランクA、Cに属する製品10の推定個数とが略一致するようにみなし標準偏差TVの確率分布の変数を変更し、変更した変数を製品10の特性値バラツキの標準偏差PV及び測定値バラツキの標準偏差GRRとして算出する。
具体的に、ランク別推定個数算出部6及び標準偏差算出部7で行う処理は、本実施の形態2においても実施の形態1と同様の処理で、特性値バラツキの標準偏差PV及び測定値バラツキの標準偏差GRRを算出している。図10は、本発明の実施の形態2に係る製品選別装置が、特性値バラツキの標準偏差PV及び測定値バラツキの標準偏差GRRを算出する処理手順を示すフローチャートである。なお、本実施の形態2に係る製品選別装置が、特性値バラツキの標準偏差PV及び測定値バラツキの標準偏差GRRを算出する処理手順のうち、図5に示す実施の形態1のステップS501からステップS509までの処理手順と同じである。また、図10に示すフローチャートは、ステップS1010及びステップS1011以外は図6に示す実施の形態1のフローチャートと同じであるため、詳細な説明は省略する。
ステップS610に代えて、CPU21は、設定した特性値バラツキの標準偏差PVの確率分布から、再選別した場合にランクA、Cに属する製品10の個数を推定する(ステップS1010)。また、ステップS611に代えて、CPU21は、個数を推定したランクA、Cの確率分布をさらに複数の区間に分け、各区間の確率分布が測定値バラツキの標準偏差GRR1の確率分布に従うと仮定して、ランクA、Cを再選別した後のランクA、Cに属する製品10の個数を推定し、ランクA、Cの推定個数として算出する(ステップS1011)。
以上のように、本実施の形態2に係る製品選別装置では、ランクA、Cに属する製品10を再選別部5で再選別したランクA、Cに属する製品10の個数と、特性値バラツキの標準偏差PV及び測定値バラツキの標準偏差GRRを変数とするみなし標準偏差TVの確率分布に基づいて推定した再選別した後のランクA、Cに属する製品10の推定個数とが略一致するようにみなし標準偏差TVの確率分布の変数を変更し、変更した変数を特性値バラツキの標準偏差PV及び測定値バラツキの標準偏差GRRとして算出するので、測定システム解析MSAの手法で必要不可欠な繰返し測定を行うことなく測定値バラツキの標準偏差GRRを算出することができる。
また、本実施の形態2に係る製品選別装置では、不良品であると選別されたランクA、Cに属する製品10の特性値を再測定し、再測定した特性値に基づき複数のランクに再選別するため、良品を誤って不良品と選別する確率を低減でき良品率を改善することができる。
また、本実施の形態2では製品10をランクA、B、Cの3つのランクに選別又は再選別する場合を説明したが、図8に示すようにランクAに属する区間61CやランクCに属する区間61Eなどを1つのランク(サブランク)とみなして、再選別した後のサブランクの上限値以下、下限値以上の範囲に属する製品10の個数、サブランクの下限値より小さい範囲に属する製品10の個数、サブランクの上限値より大きい範囲に属する製品10の個数から、上述の特性値の平均値、みなし標準偏差TV、特性値バラツキの標準偏差PV、測定値バラツキの標準偏差GRRを同様に算出することもできる。
なお、本実施の形態2に係る製品選別装置でも、ランク別推定個数算出部6が、特性値バラツキの標準偏差PVの確率分布を複数の区間に分け、各区間の確率分布が測定値バラツキの標準偏差GRRに従うと仮定して、各ランクに属する製品10の個数を推定して各ランクに属する製品10の推定個数として算出する場合に限定されるものではなく、特性値バラツキの標準偏差PV及び測定値バラツキの標準偏差GRRを変数とするみなし標準偏差TVの確率分布に基づく製品10の特性値をモンテカルロ法により生成して、各ランクに属する製品10の個数を推定して推定個数を算出しても良い。
1 測定部
2 演算処理部
3 選別部
4 みなし標準偏差算出部
5 再選別部
6 ランク別推定個数算出部
7 標準偏差算出部
10 製品
21 CPU
22 メモリ
23 記憶装置
24 I/Oインタフェース
25 ビデオインタフェース
26 可搬型ディスクドライブ
27 測定インタフェース
28 内部バス
90 可搬型記録媒体
230 コンピュータプログラム
241 キーボード
242 マウス
251 表示装置
2 演算処理部
3 選別部
4 みなし標準偏差算出部
5 再選別部
6 ランク別推定個数算出部
7 標準偏差算出部
10 製品
21 CPU
22 メモリ
23 記憶装置
24 I/Oインタフェース
25 ビデオインタフェース
26 可搬型ディスクドライブ
27 測定インタフェース
28 内部バス
90 可搬型記録媒体
230 コンピュータプログラム
241 キーボード
242 マウス
251 表示装置
Claims (12)
- 製品の所定の特性を示す特性値を測定する測定部と、
測定した特性値に基づき、前記製品を所定の複数のランクに選別する選別部と、
測定した特性値のバラツキの標準偏差をみなし標準偏差として算出するみなし標準偏差算出部と、
選別した所定の複数のランクのうち、少なくとも一つのランクに属する前記製品の特性値を再測定し、再測定した特性値に基づき、前記製品を前記所定の複数のランクに再選別する再選別部と、
前記製品の特性値バラツキの標準偏差及び測定値バラツキの標準偏差を変数とする前記みなし標準偏差の確率分布に基づいて、少なくとも一度再選別した場合に各ランクに属する前記製品の個数を推定し、各ランクに属する前記製品の推定個数として算出するランク別推定個数算出部と、
少なくとも一度再選別した複数のランクのうち、少なくとも一つのランクに属する前記製品の個数と、該ランクに属する前記製品の推定個数とが略一致するように前記みなし標準偏差の確率分布の前記変数を変更し、変更した変数を前記製品の特性値バラツキの標準偏差及び測定値バラツキの標準偏差として算出する標準偏差算出部と
を備えることを特徴とする製品選別装置。 - 前記所定の複数のランクは、良品であるか否かを判定する特性値の上限値と下限値とを規定する所定の検査規格を基準に設けられており、
前記再選別部は、特性値が前記所定の検査規格の上限値以下、下限値以上であるランクに属する前記製品を再選別するようにしてあり、
前記標準偏差算出部は、再選別した前記所定の検査規格の上限値より大きいランク及び前記所定の検査規格の下限値より小さいランクに属する前記製品の個数と、該ランクに属する前記製品の推定個数とが略一致する前記確率分布の変数を前記製品の特性値バラツキの標準偏差及び測定値バラツキの標準偏差として算出することを特徴とする請求項1に記載の製品選別装置。 - 前記所定の複数のランクは、良品であるか否かを判定する特性値の上限値と下限値とを規定する所定の検査規格を基準に設けられており、
前記再選別部は、特性値が前記所定の検査規格の上限値より大きいランク及び前記所定の検査規格の下限値より小さいランクに属する前記製品を再選別するようにしてあり、
前記標準偏差算出部は、再選別した前記所定の検査規格の上限値より大きいランク及び前記所定の検査規格の下限値より小さいランクに属する前記製品の個数と、該ランクに属する前記製品の推定個数とが略一致する前記確率分布の変数を前記製品の特性値バラツキの標準偏差及び測定値バラツキの標準偏差として算出することを特徴とする請求項1に記載の製品選別装置。 - 前記ランク別推定個数算出部は、
前記製品の特性値バラツキの標準偏差の確率分布を複数の区間に分け、各区間の確率分布が前記測定値バラツキの標準偏差の確率分布に従うと仮定して、各ランクに属する前記製品の個数を推定し、各ランクに属する前記製品の推定個数として算出することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の製品選別装置。 - 製品の所定の特性を示す特性値を測定するステップと、
測定した特性値に基づき、前記製品を所定の複数のランクに選別するステップと、
測定した特性値のバラツキの標準偏差をみなし標準偏差として算出するステップと、
選別した所定の複数のランクのうち、少なくとも一つのランクに属する前記製品の特性値を再測定し、再測定した特性値に基づき、前記製品を前記所定の複数のランクに再選別するステップと、
前記製品の特性値バラツキの標準偏差及び測定値バラツキの標準偏差を変数とする前記みなし標準偏差の確率分布に基づいて、少なくとも一度再選別した場合に各ランクに属する前記製品の個数を推定し、各ランクに属する前記製品の推定個数として算出するステップと、
少なくとも一度再選別した複数のランクのうち、少なくとも一つのランクに属する前記製品の個数と、該ランクに属する前記製品の推定個数とが略一致するように前記みなし標準偏差の確率分布の前記変数を変更し、変更した変数を前記製品の特性値バラツキの標準偏差及び測定値バラツキの標準偏差として算出するステップと
を含むことを特徴とする製品選別方法。 - 前記所定の複数のランクは、良品であるか否かを判定する特性値の上限値と下限値とを規定する所定の検査規格を基準に設けられており、
特性値が前記所定の検査規格の上限値以下、下限値以上であるランクに属する前記製品を再選別し、
再選別した前記所定の検査規格の上限値より大きいランク及び前記所定の検査規格の下限値より小さいランクに属する前記製品の個数と、該ランクに属する前記製品の推定個数とが略一致する前記確率分布の変数を前記製品の特性値バラツキの標準偏差及び測定値バラツキの標準偏差として算出することを特徴とする請求項5に記載の製品選別方法。 - 前記所定の複数のランクは、良品であるか否かを判定する特性値の上限値と下限値とを規定する所定の検査規格を基準に設けられており、
特性値が前記所定の検査規格の上限値より大きいランク及び前記所定の検査規格の下限値より小さいランクに属する前記製品を再選別し、
再選別した前記所定の検査規格の上限値より大きいランク及び前記所定の検査規格の下限値より小さいランクに属する前記製品の個数と、該ランクに属する前記製品の推定個数とが略一致する前記確率分布の変数を前記製品の特性値バラツキの標準偏差及び測定値バラツキの標準偏差として算出することを特徴とする請求項5に記載の製品選別方法。 - 前記製品の特性値バラツキの標準偏差の確率分布を複数の区間に分け、各区間の確率分布が前記測定値バラツキの標準偏差の確率分布に従うと仮定して、各ランクに属する前記製品の個数を推定し、各ランクに属する前記製品の推定個数として算出することを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載の製品選別方法。
- 製品を選別する製品選別装置で実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、
前記製品選別装置を、
製品の所定の特性を示す特性値を測定する測定手段、
測定した特性値に基づき、前記製品を所定の複数のランクに選別する選別手段、
測定した特性値のバラツキの標準偏差をみなし標準偏差として算出するみなし標準偏差算出手段、
選別した所定の複数のランクのうち、少なくとも一つのランクに属する前記製品の特性値を再測定し、再測定した特性値に基づき、前記製品を前記所定の複数のランクに再選別する再選別手段、
前記製品の特性値バラツキの標準偏差及び測定値バラツキの標準偏差を変数とする前記みなし標準偏差の確率分布に基づいて、少なくとも一度再選別した場合に各ランクに属する前記製品の個数を推定し、各ランクに属する前記製品の推定個数として算出するランク別推定個数算出手段、及び
少なくとも一度再選別した複数のランクのうち、少なくとも一つのランクに属する前記製品の個数と、該ランクに属する前記製品の推定個数とが略一致するように前記みなし標準偏差の確率分布の前記変数を変更し、変更した変数を前記製品の特性値バラツキの標準偏差及び測定値バラツキの標準偏差として算出する標準偏差算出手段
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。 - 前記所定の複数のランクは、良品であるか否かを判定する特性値の上限値と下限値とを規定する所定の検査規格を基準に設けられており、
前記再選別手段を、特性値が前記所定の検査規格の上限値以下、下限値以上であるランクに属する前記製品を再選別する手段として機能させ、
前記標準偏差算出手段を、再選別した前記所定の検査規格の上限値より大きいランク及び前記所定の検査規格の下限値より小さいランクに属する前記製品の個数と、該ランクに属する前記製品の推定個数とが略一致する前記確率分布の変数を前記製品の特性値バラツキの標準偏差及び測定値バラツキの標準偏差として算出する手段として機能させることを特徴とする請求項9に記載のコンピュータプログラム。 - 前記所定の複数のランクは、良品であるか否かを判定する特性値の上限値と下限値とを規定する所定の検査規格を基準に設けられており、
前記再選別手段を、特性値が前記所定の検査規格の上限値より大きいランク及び前記所定の検査規格の下限値より小さいランクに属する前記製品を再選別する手段として機能させ、
前記標準偏差算出手段を、再選別した前記所定の検査規格の上限値より大きいランク及び前記所定の検査規格の下限値より小さいランクに属する前記製品の個数と、該ランクに属する前記製品の推定個数とが略一致する前記確率分布の変数を前記製品の特性値バラツキの標準偏差及び測定値バラツキの標準偏差として算出する手段として機能させることを特徴とする請求項9に記載のコンピュータプログラム。 - 前記ランク別推定個数算出手段を、
前記製品の特性値バラツキの標準偏差の確率分布を複数の区間に分け、各区間の確率分布が前記測定値バラツキの標準偏差の確率分布に従うと仮定して、各ランクに属する前記製品の個数を推定し、各ランクに属する前記製品の推定個数として算出する手段として機能させることを特徴とする請求項9乃至請求項11のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
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