JPWO2010123115A1 - ビシクロカーバメート化合物からの2−アザアダマンタン化合物の製造方法 - Google Patents

ビシクロカーバメート化合物からの2−アザアダマンタン化合物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2010123115A1
JPWO2010123115A1 JP2011510382A JP2011510382A JPWO2010123115A1 JP WO2010123115 A1 JPWO2010123115 A1 JP WO2010123115A1 JP 2011510382 A JP2011510382 A JP 2011510382A JP 2011510382 A JP2011510382 A JP 2011510382A JP WO2010123115 A1 JPWO2010123115 A1 JP WO2010123115A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
alkyl
optionally substituted
branched
linear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011510382A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5751167B2 (ja
Inventor
征巳 小沢
征巳 小沢
勇樹 遠藤
勇樹 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Chemical Corp
Original Assignee
Nissan Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Chemical Corp filed Critical Nissan Chemical Corp
Priority to JP2011510382A priority Critical patent/JP5751167B2/ja
Publication of JPWO2010123115A1 publication Critical patent/JPWO2010123115A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5751167B2 publication Critical patent/JP5751167B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D471/00Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, at least one ring being a six-membered ring with one nitrogen atom, not provided for by groups C07D451/00 - C07D463/00
    • C07D471/02Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, at least one ring being a six-membered ring with one nitrogen atom, not provided for by groups C07D451/00 - C07D463/00 in which the condensed system contains two hetero rings
    • C07D471/08Bridged systems

Abstract

ビシクロカーバメート化合物からの2−アザアダマンタン化合物の新規な製造方法を提供する。下記スキーム:(化1)で表される、式(1)で表されるビシクロカーバメート化合物をハロゲン化剤と反応させて、式(2)で表される2−アザアダマンタンカーバメート化合物を製造し、次いで該2−アザアダマンタンカーバメート化合物を水素化分解して式(3)で表される2−アザアダマンタン化合物を製造する。(式中、R1は、水素原等を表し、R2およびR3はそれぞれ独立して、水素原子またはC1-6アルキル基を表し、ArはRaで置換されていてもよいアリール基を表し、Raはハロゲン等を表し、Xはハロゲン原子を表し、YはXまたは水素原子を表す。)。

Description

本発明は、ビシクロカーバメート化合物からの2−アザアダマンタン化合物の製造方法に関する。
2−アザアダマンタン化合物は、アルコールの酸化触媒などとして広範に使用されている。2−アザアダマンタン化合物の製造方法としては、N-アセチルビシクロアミン化合物をハロゲン化剤と反応させることにより、N-アセチル−2−アザアダマンタンを製造する方法が知られている(非特許文献1参照)。
また、2−アザアダマンタン化合物を得ることを目的とし、N−トリクロロエトキシカルボニル−2−アザアダマンタンおよびN−ジクロロエトキシカルボニル−2−アザアダマンタンからのアルコキシカルボニル基除去については、亜鉛を用いる方法が検討されている(非特許文献2)。
J.Org.Chem.1974, 39(26), 3822-3827 J.Org.Chem.1981, 46(24), 4953-4959
ビシクロカーバメート化合物を基質(原料)とする2−アザアダマンタン化合物を製造する方法について、上記非特許文献1には、ビシクロカーバメート化合物を同様に環化しようとすると、2−アザアダマンタンではなくラクトンが生成したとの記載がある。
また、上記非特許文献2には、ビシクロカーバメート化合物を基質とする場合、目的の2−アザアダマンタンは得られなかったとの記載があり、あわせてN−ベンゾイル−2−アザアダマンタンのアルカリ加水分解によるベンゾイル基除去も検討されているが、目的の2−アザアダマンタン化合物は得られなかったとの記載がある。
本発明は、ビシクロカーバメート化合物を基質(原料)として、2−アザアダマンタン化合物を高効率にて製造する新規な方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、アリール基を有するビシクロカーバメート化合物をハロゲン化剤と反応させることにより、2−アザアダマンタンカーバメート化合物を製造し、次いで、かかる2−アザアダマンタンカーバメート化合物を水素化分解することで2−アザアダマンタン化合物を効率的に製造しうることを見いだし、本発明を完成させた。
なお、2−アザアダマンタン化合物の中間体である2−アザアダマンタンカーバメート化合物は、文献に未載な新規な化合物である。
すなわち、本発明は、下記を要旨とするものである。
〔1〕下式(1):
Figure 2010123115

(式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、スルホ基、直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル基、C3-12シクロアルキル基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)オキシ基、(C3-12シクロアルキル)オキシ基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)チオ基、(C3-12シクロアルキル)チオ基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)アミノ基、(C3-12シクロアルキル)アミノ基、ジ(直鎖または分岐鎖であるC1-6アルキル)アミノ基、ジ(C3-6シクロアルキル)アミノ基、直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキルカルボニル基、C3-12シクロアルキルカルボニル基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)オキシカルボニル基、(C3-12シクロアルキル)オキシカルボニル基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)チオカルボニル基、(C3-12シクロアルキル)チオカルボニル基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)アミノカルボニル基、(C3-12シクロアルキル)アミノカルボニル基、ジ(直鎖または分岐鎖であるC1-6アルキル)アミノカルボニル基、ジ(C3-6シクロアルキル)アミノカルボニル基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)カルボニルオキシ基、(C3-12シクロアルキル)カルボニルオキシ基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)カルボニルチオ基、(C3-12シクロアルキル)カルボニルチオ基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)カルボニルアミノ基、(C3-12シクロアルキル)カルボニルアミノ基、ジ(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキルカルボニル)アミノ基、ジ(C3-12シクロアルキルカルボニル)アミノ基、直鎖または分岐鎖であるC1-6ハロアルキル基、C3-6ハロシクロアルキル基、直鎖または分岐鎖であるC2-6アルケニル基、C3-6シクロアルケニル基、直鎖または分岐鎖であるC2-6ハロアルケニル基、C3-6ハロシクロアルケニル基、直鎖または分岐鎖であるC2-6アルキニル基、直鎖または分岐鎖であるC2-6ハロアルキニル基、Raで置換されていてもよいベンジル基、Raで置換されていてもよいベンジルオキシ基、Raで置換されていてもよいベンジルチオ基、Raで置換されていてもよいベンジルアミノ基、Raで置換されていてもよいジベンジルアミノ基、Raで置換されていてもよいベンジルカルボニル基、Raで置換されていてもよいベンジルオキシカルボニル基、Raで置換されていてもよいベンジルチオカルボニル基、Raで置換されていてもよいベンジルアミノカルボニル基、Raで置換されていてもよいジベンジルアミノカルボニル基、Raで置換されていてもよいベンジルカルボニルオキシ基、Raで置換されていてもよいベンジルカルボニルチオ基、Raで置換されていてもよいベンジルカルボニルアミノ基、Raで置換されていてもよいジ(ベンジルカルボニル)アミノ基、Raで置換されていてもよいアリール基、Raで置換されていてもよいアリールオキシ基、Raで置換されていてもよいアリールチオ基、Raで置換されていてもよいアリールアミノ基、Raで置換されていてもよいジアリールアミノ基、Raで置換されていてもよいアリールカルボニル基、Raで置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基、Raで置換されていてもよいアリールチオカルボニル基、Raで置換されていてもよいアリールアミノカルボニル基、Raで置換されていてもよいジアリールアミノカルボニル基、Raで置換されていてもよいアリールカルボニルオキシ基、Raで置換されていてもよいアリールカルボニルチオ基、Raで置換されていてもよいアリールカルボニルアミノ基、Raで置換されていてもよいジ(アリールカルボニル)アミノ基から選ばれる1以上の置換基を表し、置換基の数が2以上である場合は、それぞれの置換基は同じでも異なっていてもよく、
Raは、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C3-6シクロアルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、C1-6アルキルスルフェニルC1-6アルキル基、C1-6ハロアルコキシ基、C1-6アルキルスルフェニル基、C1-6アルキルスルフィニル基、C1-6アルキルスルホニル基、C1-6ハロアルキルスルフェニル基、C1-6ハロアルキルスルフィニル基、C1-6ハロアルキルスルホニル基、C2-6アルケニル基、C2-6ハロアルケニル基、C2-6アルケニルオキシ基、C2-6ハロアルケニルオキシ基、C2-6アルケニルスルフェニル基、C2-6アルケニルスルフィニル基、C2-6アルケニルスルホニル基、C2-6ハロアルケニルスルフェニル基、C2-6ハロアルケニルスルフィニル基、C2-6ハロアルケニルスルホニル基、C2-6アルキニル基、C2-6ハロアルキニル基、C2-6アルキニルオキシ基、C2-6ハロアルキニルオキシ基、C2-6アルキニルスルフェニル基、C2-6アルキニルスルフィニル基、C2-6アルキニルスルホニル基、C2-6ハロアルキニルスルフェニル基、C2-6ハロアルキニルスルフィニル基、C2-6ハロアルキニルスルホニル基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、SCN、C1-6アルコキシカルボニル基、C1-6アルキルカルボニル基、C1-6ハロアルキルカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルオキシ基、フェニル基、C1-6アルキルアミノ基またはジC1-6アルキルアミノ基であって、置換するRaの数は1〜5個であり、Raが2個以上の場合は、それぞれの置換基は同じでも異なっていてもよく、
R2およびR3はそれぞれ独立して、水素原子またはC1-6アルキル基を表し、ArはRaで置換されていてもよいアリール基を表す。)で表されるカーバメート化合物をハロゲン化剤と反応させて、下式(2)
Figure 2010123115

(式中、Ar、R1、R2およびR3は前記と同じ意味を表し、Xはハロゲン原子を表す。)で表される2−アザアダマンタンカーバメート化合物を製造し、次いで、該2−アザアダマンタンカーバメート化合物を水素化分解することにより、下式(3)
Figure 2010123115

(式中、R1は前記と同じ意味を表し、Yは水素原子またはハロゲン原子を表す。)で表される2−アザアダマンタン化合物またはその塩の製造方法。
〔2〕下式(1):
Figure 2010123115

(式中、R1、R2およびR3は、上記〔1〕に記載と同じ意味を表す。)で表されるカーバメート化合物をハロゲン化剤と反応させることによる、下式(2)
Figure 2010123115

(式中、Ar、R1、R2、R3およびXは、上記〔1〕に記載と同じ意味を表す。)で表される2−アザアダマンタンカーバメート化合物の製造方法。
〔3〕下式(2)で表される2−アザアダマンタンカーバメート化合物を水素化分解することによる下式(3)
Figure 2010123115

(式中、R1及びYは、上記〔1〕に記載と同じ意味を表す。)で表される2−アザアダマンタン化合物またはその塩の製造方法。
〔4〕R1が、水素原子、ヒドロキシ基、アミノ基、直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル基、C3-12シクロアルキル基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)オキシ基、(C3-12シクロアルキル)オキシ基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)チオ基、(C3-12シクロアルキル)チオ基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)アミノ基、(C3-12シクロアルキル)アミノ基、ジ(直鎖または分岐鎖であるC1-6アルキル)アミノ基、ジ(C3-6シクロアルキル)アミノ基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)オキシカルボニル基、(C3-12シクロアルキル)オキシカルボニル基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)チオカルボニル基、(C3-12シクロアルキル)チオカルボニル基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)アミノカルボニル基、(C3-12シクロアルキル)アミノカルボニル基、ジ(直鎖または分岐鎖であるC1-6アルキル)アミノカルボニル基、ジ(C3-6シクロアルキル)アミノカルボニル基、Raで置換されていてもよいベンジル基、Raで置換されていてもよいアリール基、Raで置換されていてもよいアリールオキシ基、Raで置換されていてもよいアリールチオ基、Raで置換されていてもよいアリールアミノ基及びRaで置換されていてもよいジアリールアミノ基から選ばれる1以上の置換基を表し、置換基の数が2以上である場合は、それぞれの置換基は同じでも異なっていてもよく、
Raがハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C3-6シクロアルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、C1-6アルキルスルフェニルC1-6アルキル基、C1-6ハロアルコキシ基、C1-6アルキルスルフェニル基、C1-6アルキルスルフィニル基、C1-6アルキルスルホニル基、C1-6ハロアルキルスルフェニル基、C1-6ハロアルキルスルフィニル基、C1-6ハロアルキルスルホニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、フェニル基、C1-6アルキルアミノ基またはジC1-6アルキルアミノ基であって、置換するRaの数は1〜5個であり、Raが2個以上の場合は、それぞれの置換基は同じでも異なっていてもよい、上記〔1〕、〔2〕、又は〔3〕記載の製造方法。
〔5〕R1が、水素原子を表す上記〔1〕、〔2〕、又は〔3〕記載の製造方法。
〔6〕下式(2)
Figure 2010123115

(式中、Ar、R1、R2およびR3は、〔1〕に記載と同じ意味を表し、Xはハロゲン原子を表す。)で表される2−アザアダマンタンカーバメート化合物。
〔7〕Rが水素原子を表す上記〔6〕記載の2−アザアダマンタンカーバメート化合物。
本発明に従えば、アルコールの酸化触媒として使用される2-アザアダマンタン-N-オキシル(AZADO)の前駆体などとして有用な2−アザアダマンタン化合物を高収率で効率的に製造することができる。
本明細書におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。尚、本明細書中「ハロ」の表記もこれらのハロゲン原子を表す。
本明細書におけるCa-bアルキルの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる直鎖または分岐鎖の炭化水素基を表し、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、1-エチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、n-ヘキシル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、1,1-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
本明細書におけるCa-bハロアルキルの表記は、炭素原子に結合した水素原子が、ハロゲン原子によって任意に置換された、炭素原子数がa〜b個よりなる直鎖または分岐鎖の炭化水素基を表し、このとき、2個以上のハロゲン原子によって置換されている場合、それらのハロゲン原子は互いに同一でも、または互いに相異なっていてもよい。例えばフルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、ジフルオロメチル基、クロロフルオロメチル基、ジクロロメチル基、ブロモフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロジフルオロメチル基、ジクロロフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモジフルオロメチル基、ブロモクロロフルオロメチル基、ジブロモフルオロメチル基、2-フルオロエチル基、2-クロロエチル基、2-ブロモエチル基、2,2-ジフルオロエチル基、2-クロロ-2-フルオロエチル基、2,2-ジクロロエチル基、2-ブロモ-2-フルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、2-クロロ-2,2-ジフルオロエチル基、2,2-ジクロロ-2-フルオロエチル基、2,2,2-トリクロロエチル基、2-ブロモ-2,2-ジフルオロエチル基、2-ブロモ-2-クロロ-2-フルオロエチル基、2-ブロモ-2,2-ジクロロエチル基、1,1,2,2-テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、1-クロロ-1,2,2,2-テトラフルオロエチル基、2-クロロ-1,1,2,2-テトラフルオロエチル基、1,2-ジクロロ-1,2,2-トリフルオロエチル基、2-ブロモ-1,1,2,2-テトラフルオロエチル基、2-フルオロプロピル基、2-クロロプロピル基、2-ブロモプロピル基、2-クロロ-2-フルオロプロピル基、2,3-ジクロロプロピル基、2-ブロモ-3-フルオロプロピル基、3-ブロモ-2-クロロプロピル基、2,3-ジブロモプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、3-ブロモ-3,3-ジフルオロプロピル基、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル基、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基、1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロピル基、ヘプタフルオロプロピル基、2,3-ジクロロ-1,1,2,3,3-ペンタフルオロプロピル基、2-フルオロ-1-メチルエチル基、2-クロロ-1-メチルエチル基、2-ブロモ-1-メチルエチル基、2,2,2-トリフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル基、1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル基、2,2,3,3,4,4-ヘキサフルオロブチル基、2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロブチル基、2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4-オクタフルオロブチル基、ノナフルオロブチル基、4-クロロ-1,1,2,2,3,3,4,4-オクタフルオロブチル基、2-フルオロ-2-メチルプロピル基、2-クロロ-1,1-ジメチルエチル基、2-ブロモ-1,1-ジメチルエチル基、5-クロロ-2,2,3,4,4,5,5-ヘプタフルオロペンチル基、トリデカフルオロヘキシル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
本明細書におけるCa-bシクロアルキルの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる環状の炭化水素基を表し、3員環から6員環までの単環または複合環構造を形成することが出来る。また、各々の環は指定の炭素原子数の範囲でアルキル基によって任意に置換されていてもよい。例えばシクロプロピル基、1-メチルシクロプロピル基、2-メチルシクロプロピル基、2,2-ジメチルシクロプロピル基、2,2,3,3-テトラメチルシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、2-メチルシクロペンチル基、3-メチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、2-メチルシクロヘキシル基、3-メチルシクロヘキシル基、4-メチルシクロヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
本明細書におけるCa-bハロシクロアルキルの表記は、炭素原子に結合した水素原子が、ハロゲン原子によって任意に置換された、炭素原子数がa〜b個よりなる環状の炭化水素基を表し、3員環から6員環までの単環または複合環構造を形成することが出来る。また、各々の環は指定の炭素原子数の範囲でアルキル基によって任意に置換されていてもよく、ハロゲン原子による置換は環構造部分であっても、側鎖部分であっても、或いはそれらの両方であってもよく、さらに、2個以上のハロゲン原子によって置換されている場合、それらのハロゲン原子は互いに同一でも、または互いに相異なっていてもよい。例えば2,2-ジフルオロシクロプロピル基、2,2-ジクロロシクロプロピル基、2,2-ジブロモシクロプロピル基、2,2-ジフルオロ-1-メチルシクロプロピル基、2,2-ジクロロ-1-メチルシクロプロピル基、2,2-ジブロモ-1-メチルシクロプロピル基、2,2,3,3-テトラフルオロシクロブチル基、2-(トリフルオロメチル)シクロヘキシル基、3-(トリフルオロメチル)シクロヘキシル基、4-(トリフルオロメチル)シクロヘキシル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
本明細書におけるCa-bアルケニルの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる直鎖または分岐鎖で、且つ分子内に1個または2個以上の二重結合を有する不飽和炭化水素基を表し、例えばビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-メチルエテニル基、2-ブテニル基、1-メチル-2-プロペニル基、2-メチル-2-プロペニル基、2-ペンテニル基、2-メチル-2-ブテニル基、3-メチル-2-ブテニル基、2-エチル-2-プロペニル基、1,1-ジメチル-2-プロペニル基、2-ヘキセニル基、2-メチル-2-ペンテニル基、2,4-ジメチル-2,6-ヘプタジエニル基、3,7-ジメチル-2,6-オクタジエニル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
本明細書におけるCa-bハロアルケニルの表記は、炭素原子に結合した水素原子が、ハロゲン原子によって任意に置換された、炭素原子数がa〜b個よりなる直鎖または分岐鎖で、且つ分子内に1個または2個以上の二重結合を有する不飽和炭化水素基を表す。このとき、2個以上のハロゲン原子によって置換されている場合、それらのハロゲン原子は互いに同一でも、または互いに相異なっていてもよい。例えば2,2-ジクロロビニル基、2-フルオロ-2-プロペニル基、2-クロロ-2-プロペニル基、3-クロロ-2-プロペニル基、2-ブロモ-2-プロペニル基、3-ブロモ-2-プロペニル基、3,3-ジフルオロ-2-プロペニル基、2,3-ジクロロ-2-プロペニル基、3,3-ジクロロ-2-プロペニル基、2,3-ジブロモ-2-プロペニル基、2,3,3-トリフルオロ-2-プロペニル基、2,3,3-トリクロロ-2-プロペニル基、1-(トリフルオロメチル)エテニル基、3-クロロ-2-ブテニル基、3-ブロモ-2-ブテニル基、4,4-ジフルオロ-3-ブテニル基、3,4,4-トリフルオロ-3-ブテニル基、3-クロロ-4,4,4-トリフルオロ-2-ブテニル基、3-ブロモ-2-メチル-2-プロペニル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
本明細書におけるCa-bシクロアルケニルの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる環状の、且つ1個または2個以上の二重結合を有する不飽和炭化水素基を表し、3員環から6員環までの単環または複合環構造を形成することが出来る。また、各々の環は指定の炭素原子数の範囲でアルキル基によって任意に置換されていてもよく、さらに、二重結合はendo-またはexo-のどちらの形式であってもよい。例えば2-シクロペンテン-1-イル基、3-シクロペンテン-1-イル基、2-シクロヘキセン-1-イル基、3-シクロヘキセン-1-イル基、ビシクロ[2.2.1]-5-ヘプテン-2-イル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
本明細書におけるCa-bハロシクロアルケニルの表記は、炭素原子に結合した水素原子が、ハロゲン原子によって任意に置換された、炭素原子数がa〜b個よりなる環状の、且つ1個または2個以上の二重結合を有する不飽和炭化水素基を表し、3員環から6員環までの単環または複合環構造を形成することが出来る。また、各々の環は指定の炭素原子数の範囲でアルキル基によって任意に置換されていてもよく、さらに、二重結合はendo-またはexo-のどちらの形式であってもよい。また、ハロゲン原子による置換は環構造部分であっても、側鎖部分であっても、或いはそれらの両方であってもよく、2個以上のハロゲン原子によって置換されている場合、それらのハロゲン原子は互いに同一でも、または互いに相異なっていても良い。例えば2-クロロビシクロ[2.2.1]-5-ヘプテン-2-イル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
本明細書におけるCa-bアルキニルの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる直鎖または分岐鎖で、且つ分子内に1個または2個以上の三重結合を有する不飽和炭化水素基を表し、例えばエチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、2-ブチニル基、1-メチル-2-プロピニル基、2-ペンチニル基、1-メチル-2-ブチニル基、1,1-ジメチル-2-プロピニル基、2-ヘキシニル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
本明細書におけるCa-bハロアルキニルの表記は、炭素原子に結合した水素原子が、ハロゲン原子によって任意に置換された、炭素原子数がa〜b個よりなる直鎖または分岐鎖で、且つ分子内に1個または2個以上の三重結合を有する不飽和炭化水素基を表す。このとき、2個以上のハロゲン原子によって置換されている場合、それらのハロゲン原子は互いに同一でも、または互いに相異なっていても良い。例えば2-クロロエチニル基、2-ブロモエチニル基、2-ヨードエチニル基、3-クロロ-2-プロピニル基、3-ブロモ-2-プロピニル基、3-ヨード-2-プロピニル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
Raで置換されていてもよいアリール基として、フェニル基、o-メチルフェニル基、m-メチルフェニル基、p-メチルフェニル基、o-クロルフェニル基、m-クロルフェニル基、p-クロルフェニル基、o-フルオロフェニル基、p-フルオロフェニル基、o-メトキシフェニル基、p-メトキシフェニル基、p-ニトロフェニル基、p-シアノフェニル基、α-ナフチル基、β-ナフチル基、o-ビフェニリル基、m-ビフェニリル基、p-ビフェニリル基、1-アントリル基、2-アントリル基、9-アントリル基、1-フェナントリル基、2-フェナントリル基、3-フェナントリル基、4-フェナントリル基、9-フェナントリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ピラニル基、3−ピラニル基、4−ピラニル基、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、1−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、2−ベンゾチエニル基、3−ベンゾチエニル基、4−ベンゾチエニル基、5−ベンゾチエニル基、6−ベンゾチエニル基、7−ベンゾチエニル基、1−イソベンゾチエニル基、4−イソベンゾチエニル基、5−イソベンゾチエニル基、2−クロメニル基、3−クロメニル基、4−クロメニル基、5−クロメニル基、6−クロメニル基、7−クロメニル基、8−クロメニル基、1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、1−イミダゾリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、3−ピラゾリル基、4−ピラゾリル基、2−チアゾリル基、4−チアゾリル基、5−チアゾリル基、3−イソチアゾリル基、4−イソチアゾリル基、5−イソチアゾリル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、3−イソオキサゾリル基、4−イソオキサゾリル基、5−イソオキサゾリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピラジニル基、2−ピリミジニル基、4−ピリミジニル基、5−ピリミジニル基、3−ピリダジニル基、4−ピリダジニル基、1−インドリジニル基、2−インドリジニル基、3−インドリジニル基、5−インドリジニル基、6−インドリジニル基、7−インドリジニル基、8−インドリジニル基、1−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、1−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、1−インダゾリル基、2−インダゾリル基、3−インダゾリル基、4−インダゾリル基、5−インダゾリル基、6−インダゾリル基、7−インダゾリル基、1−プリニル基、2−プリニル基、3−プリニル基、6−プリニル基、7−プリニル基、8−プリニル基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、1−フタラジニル基、5−フタラジニル基、6−フタラジニル基、2−ナフチリジニル基、3−ナフチリジニル基、4−ナフチリジニル基、2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、2−キナゾリニル基、4−キナゾリニル基、5−キナゾリニル基、6−キナゾリニル基、7−キナゾリニル基、8−キナゾリニル基、3−シンノリニル基、4−シンノリニル基、5−シンノリニル基、6−シンノリニル基、7−シンノリニル基、8−シンノリニル基、2−プテニジニル基、4−プテニジニル基、6−プテニジニル基、7−プテニジニル基及び3−フラザニル基が挙げられ、
Raで置換されていてもよいベンジル基として、ベンジル基、o-メチルベンジル基、m-メチルベンジル基、p-メチルベンジル基、o-クロルベンジル基、m-クロルベンジル基、p-クロルベンジル基、o-フルオロベンジル基、p-フルオロベンジル基、o-メトキシベンジル基、p-メトキシベンジル基、p-ニトロベンジル基、p-シアノベンジル基が挙げられる。
好ましいR1としては、例えば、水素原子、ヒドロキシ基、アミノ基、直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル基、C3-12シクロアルキル基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)オキシ基、(C3-12シクロアルキル)オキシ基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)チオ基、(C3-12シクロアルキル)チオ基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)アミノ基、(C3-12シクロアルキル)アミノ基、ジ(直鎖または分岐鎖であるC1-6アルキル)アミノ基、ジ(C3-6シクロアルキル)アミノ基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)オキシカルボニル基、(C3-12シクロアルキル)オキシカルボニル基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)チオカルボニル基、(C3-12シクロアルキル)チオカルボニル基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)アミノカルボニル基、(C3-12シクロアルキル)アミノカルボニル基、ジ(直鎖または分岐鎖であるC1-6アルキル)アミノカルボニル基、ジ(C3-6シクロアルキル)アミノカルボニル基、Raで置換されていてもよいベンジル基、Raで置換されていてもよいアリール基、Raで置換されていてもよいアリールオキシ基、Raで置換されていてもよいアリールチオ基、Raで置換されていてもよいアリールアミノ基及びRaで置換されていてもよいジアリールアミノ基が挙げられる、特に好ましくは、例えば、水素原子が挙げられる。
好ましいRaとしては、例えば、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C3-6シクロアルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、C1-6アルキルスルフェニルC1-6アルキル基、C1-6ハロアルコキシ基、C1-6アルキルスルフェニル基、C1-6アルキルスルフィニル基、C1-6アルキルスルホニル基、C1-6ハロアルキルスルフェニル基、C1-6ハロアルキルスルフィニル基、C1-6ハロアルキルスルホニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、フェニル基、C1-6アルキルアミノ基またはジC1-6アルキルアミノ基が挙げられ、特に好ましくは、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基等が挙げられる。
好ましいR2及びR3としては、例えば水素原子が挙げられる。
好ましいArとしては、例えば、フェニル基が挙げられる。
好ましいYとしては、例えば水素原子が挙げられる。
本発明は、例えば下記のスキームに従って実施することができる。
Figure 2010123115

(式中、Ar、X、Y、R1、R2及びR3は前記と同じ意味を表す。)
式(1)の化合物をハロゲン化剤と反応させて式(2)の化合物を得る工程について述べる。
ハロゲン化剤としては、塩素、臭素、ヨウ素、N-クロロコハク酸イミド、N-ブロモコハク酸イミド、N-ヨードコハク酸イミド、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン、塩化チオニル、塩化スルフリル、オキシ塩化リン等が好ましい。
用いるハロゲン化剤の量は、基質の化合物(1)の1モルに対して1モル〜10モル、好ましくは、例えば1モル〜2モルである。
ハロゲン化剤とともに、好ましくは無機または有機塩基を用いることができる。かかる塩基は好ましくは炭酸カリウム、水酸化ナトリウムである。塩基の使用量は、化合物(1)に対して0.01モル倍〜100モル倍が好ましく、特に0.5モル倍〜2モル倍が好ましい。
反応温度は−40℃〜200℃であるが、中でも、例えば−10℃〜100℃が好ましく、−10℃〜30℃が更に好ましい。反応は、室温で行うこともできる。
反応時間は用いる基質および反応条件により必ずしも一定しないが、通常1分〜100時間であり、好ましくは5分〜24時間である。
反応溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に限定されるものでなく、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ等のエーテル類、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、および、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶剤が使用できる。
反応溶媒の使用量は、原料を懸濁させるかあるいは完全に溶解させるに足る量で十分であり特に限定されないが、通常、原料に対して0.5〜10重量倍で十分である。
次に、化合物(2)を水素化分解して化合物(3)を製造する方法について述べる。
上記水素化分解では還元触媒が使用されるのが好ましく、該還元触媒としては、一般に接触還元に用いられている金属触媒、例えばニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、コバルト、銅などを使用することができる。工業的にはパラジウム触媒を使用するのが好ましい。これらの触媒は、金属の状態でも使用することができるが、通常は、カーボン、硫酸バリウム、シリカゲル、アルミナ、セライトなどの担体表面に担持させて用いたり、また、ニッケル、コバルト、銅などはラネー触媒としても用いられる。触媒の使用量は特に制限はないが、通常、式(2)で表される化合物に対し触媒金属重量として0.001〜50重量%の範囲であり、好ましくは0.01〜5重量%の範囲である。
反応溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に限定されるものでなく、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ等のエーテル類;ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;またはアセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶剤が使用できる。なお水と混和しない反応溶媒を使用した際に、反応の進行が遅い場合は、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩のような一般に使用されている相間移動触媒を加えることによって速めることができる。
反応溶媒の使用量は、原料を懸濁させるかあるいは完全に溶解させるに足る量で十分であり特に限定されないが、通常、原料に対して0.5〜10重量倍で十分である。反応温度は、特に限定はない。一般的には20〜200℃の範囲、特に20〜100℃が好ましい。また反応圧力は、通常、常圧〜50atm程度である。反応は通常、原料を溶媒に溶解もしくは懸濁させた状態で触媒を加え、ついで攪拌下に所定の温度で水素を導入して還元反応を行う。反応の終点は水素吸収量によっても、あるいは薄層クロマトグラフィーや高速液体クロマトグラフィーなどによっても決定できる。
水素化分解では、好ましくは無機または有機塩基を存在させることができる。かかる塩基は好ましくは、トリエチルアミン、炭酸カリウム、水酸化ナトリウムである。塩基の存在量は化合物「2」に対して0.01モル倍〜100モル倍が好ましく、特に、1モル倍〜8モル倍が好ましい。
なお、水素化分解における水素源としては、例えば水素が好ましいが、それ以外にもギ酸アンモニウムやヒドラジンなどを用いることが出来る。
本発明の製造方法において、置換基R1とRaの中には反応の前後で変化する置換基が含まれるが、それらの置換基は反応後であっても置換基R1とRaの中に含まれる。また、その場合でも生成した2-アザアダマンタン化合物は引き続き有用であり、本発明の効果は充分に達成することができるので、必ずしもそれらの置換基との選択性を出す必要はない。
本発明の製造方法の出発物質である式(1)で表される化合物は、2−アダマンタノン誘導体(4)を出発原料として、下記スキームに従って製造することができる。
Figure 2010123115

(式中、Msはメタンスルホニル基を表し、Ar、R、RおよびRは前記と同じ意味を表す。)
式(6)で表されるカルボン酸化合物は、例えばJ. Org. Chem., Vol. 39, No. 26, p3822 (1974)に準じた方法で製造することができる。
化合物(4)を化合物(5)に導いた後、それを単離することなく化合物(6)を1段階で製造することもできる。その際は、例えば、化合物(4)から化合物(5)への反応を行ったあと、その反応液にアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えることで、化合物(6)を得ることができる。
化合物(6)から化合物(1)を製造する条件は、J. Chem. Soc. Perkin Trans. I, p2529 (1983)記載の方法に準じる。
化合物(8)から化合物(1)の反応で使用されるアルコール(9)は、化合物(8)に対して、通常0.1当量〜100当量用いるが、好ましくは1当量〜20当量である。
化合物(6)から化合物(8)に導いた後、化合物(8)を単離することなく、化合物(1)を化合物(6)から1段階で製造することもできる。
また、式(1)で表される化合物は、次のように(6)で表される化合物を(10)で表される化合物に導いた後、公知のアミノ基保護手段を用いて得ることもできる。
Figure 2010123115

(式中、Ar、R1、R2およびR3は前記と同じ意味を表し、Jはハロゲン原子等の脱離基を表す。)
式(10)で表される化合物を、式(11)表される化合物と反応させて式(1)で表される化合物に変換する手段としては、アミノ基の公知の保護手段を用いればよい。そのような方法としては、例えばProtective Groups in Organic Chemistly(J.F.W.McOmie et al., Plenum Press; Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Edition(Theodora W. Greene, Peter G.M.Wuts, John Wiley & Sons, Inc.(ISBN:0-471-16019-9), April 1999に記載の方法等が挙げられる。
使用される(11)の量は前記の条件に準じる。
各工程の反応に使用する溶媒としては、当該反応条件下において安定であり、かつ不活性で反応を妨げないものが望ましい。かかる溶媒としては、水、アルコール類(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールやオクタノール等)、セロソルブ類(例えばメトキシエタノールやエトキシエタノール等)、非プロトン性極性有機溶媒類(例えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、テトラメチルウレア、スルホラン、N−メチルピロリドンやN,N-ジメチルイミダゾリジノン等)、エーテル類(例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフランやジオキサン等)、脂肪族炭化水素類(例えばペンタン、ヘキサン、c−ヘキサン、オクタン、デカン、デカリンや石油エーテル等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンやテトラリン等)、ハロゲン化炭化水素類(例えばクロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタンや四塩化炭素等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトンやメチルイソブチルケトン等)、低級脂肪族酸エステル(例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルやプロピオン酸メチル等)、アルコキシアルカン類(例えばジメトキシエタンやジエトキシエタン等)及びニトリル類(例えばアセトニトリル基、プロピオニトリルやブチロニトリル等)等の溶媒が挙げられる。これらの溶媒は反応の起こりやすさに従って適宜選択され、単一または混合して用いられる。また場合によっては適当な脱水剤や乾燥剤を用いて非水溶媒として用いられる。以上述べた溶媒は本発明を実施する際の一例であって、本発明はこれらの条件に限定されるものではない。
各工程における目的物は、抽出、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の通常の精製手段を用いて精製することができるし、粗物のまま次の工程の出発物質に供することもできる。
なお、本発明の製造方法によって得られる2−アザアダマンタン化合物は、例えば酸化することにより、アルコールの酸化触媒として有用なAZADO誘導体を製造することができる。
Figure 2010123115

以下、実施例に基づき、本発明を更に詳細に説明するが、本発明の解釈はこれらの実施例により限定されるものではない。
原料合成例1 エンド-ビシクロ[3.3.1]ノン-6-エン- 3-カルボン酸の製造
1L(リットル) の3径フラスコに2-アダマンタノン 48.0 g (0.320 mol) とメタンスルホン酸300 g (202 mL, 1.58 M) を加えて溶解した。この溶液に、撹拌下、反応溶液の温度が20℃から35℃以下を保つようにアジ化ナトリウム 22.9 g (0.353 mol) を少量ずつ加えた。その過程でアジ化水素酸および窒素ガスが発生するので、適宜、氷冷水浴で反応温度を下げた。その後、室温で1時間撹拌し、ガスクロマトグラフィーで2-アダマンタノンの消失を確認した。このとき、4-メタンスルホニル-2-アダマンタノン が生成していた。
次に、反応装置にジムロート冷却管を連結し、50%水酸化カリウム水溶液 (450 mL)を徐々に加えた。この際、反応温度は95℃まで上昇した。そのまま室温で1時間半撹拌して放冷後、反応液をジエチルエーテル 600 mL で洗浄した。水層に濃塩酸120 mLを注意深く加えて反応液を酸性にすると目的物が晶出した。これを濾取し、水で十分に洗浄後、乾燥して粗エンド-ビシクロ[3.3.1]ノン-6-エン- 3-カルボン酸36.5 g (0.220 mol, 69%)を得た。
エンド-ビシクロ[3.3.1]ノン-6-エン- 3-カルボン酸:1H-NMR (400 MHz, CDCl3): d 5.65 (m, 1H), 5.58 (dt, J = 9.5, 3.2 Hz, 1H), 2.57 (t, J = 6.3 Hz, 1H), 2.39 (d, J = 14.0 Hz, 1H), 2.36-2.20 (m, 4H), 2.06 (br s, 1H), 1.78-1.66 (m, 3H), 1.54 (br d, J = 12.3 Hz, 1H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): d 182.6, 130.6, 129.5, 35.9, 31.9, 31.4, 31.1, 29.8, 28.5, 26.2. IR (neat, cm-1): 1680. MS m/z: 166 (M+), 79 (100%). HRMS (EI): Calcd. for C10H14O2 166.0994 (M+), found: 166.0989.
原料合成例2 N-ベンジルオキシカルボニル-エンド-ビシクロ[3.3.1]ノン-6-エン-3-イルアミンの製造
エンド-ビシクロ[3.3.1]ノン-6-エン- 3-カルボン酸 14.7 g (88.5 mmol) のテトラヒドロピラン (88.5 mL, 1.0 M、1L ナス形フラスコ) 溶液に、室温下、トリエチルアミン29.8 mL (213 mmol) およびジフェニルホスホリルアジド(DPPA) 21.0 mL (97.4 mmol) を順次加え、同温度で3時間撹拌した。この時点で、反応系内にはエンド-ビシクロ[3.3.1]ノン-6-エン-3-カルボン酸アジドが生成している。
この反応液にテトラヒドロピラン(88.5 mL) およびベンジルアルコール 91.6 mL (885 mmol) を加え、エンド-ビシクロ[3.3.1]ノン-6-エン-3-カルボキシヒドラジドの消失が確認されるまで加熱・還流した。放冷後、水および酢酸エチルを加えて分液し、有機層を飽和食塩水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル−ヘキサン(1 : 8 v/v))に付し、N-ベンジルオキシカルボニル-エンド-ビシクロ[3.3.1]ノン-6-エン-3-イルアミン 20.4 g (85%) を得た。
N-ベンジルオキシカルボニル-エンド-ビシクロ[3.3.1]ノン-6-エン-3-イルアミン: 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): d 7.38-7.25 (m, 5H), 6.05 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 5.92 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.79 (dt, J = 9.9, 3.2 Hz, 1H), 5.56 (dd, J = 18.5, 12.4 Hz, 2H), 4.03 (m, 1H), 2.43 (dd, J = 18.8, 7.2 Hz, 1H), 2.34 (br s, 1H), 2.18 (br s, 1H), 2.06 (br d, J = 18.1 Hz 1H), 2.00 (dt, J = 14.7, 5.5 Hz, 1H) 1.89-1.66 (m, 4H), 1.55 (br d, J = 12.1 Hz, 1H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): d 155.5, 136.9, 134.4, 128.8, 128.4, 128.0, 127.9, 66.2, 44.7, 37.5, 34.2, 32.5, 31.0, 27.7, 25.5. IR (neat, cm-1): 3434, 1721, 1504 MS m/z: 271 (M+), 91 (100%). HRMS (EI): Calcd. for C17H21NO2 271.1572 (M+), found: 271.1554.
実施例1. N-ベンジルオキシカルボニル-4-ブロモ−2−アザアダマンタンの製造
N-ベンジルオキシカルボニル-エンド-ビシクロ[3.3.1]ノン-6-エン-3-イルアミン5.0gにアセトニトリル12.5g、炭酸カリウム5.1gを加え、0〜10℃に冷却した後、臭素4.4gの50%wtアセトニトリル溶液を30分かけて滴下した。10分撹拌した後にガスクロマトグラフィーで分析したところ、反応は終了していた。
水20gを加え、30分ほど撹拌した。分液し、有機層を1N-NaOH水溶液20g、さらに水20gで洗浄した。濃縮し、N-ベンジルオキシカルボニル-4-ブロモ−2−アザアダマンタンをオイルとして6.2g得た(収率96%)。
N-ベンジルオキシカルボニル-4-ブロモ−2−アザアダマンタン
1H -NMR(300MHz, CDCl3): 1.5-2.8(10H,m), 4.3-4.7(3H,m), 5.15(2H,s), 7.2-7.7(5H, br)
実施例2. 2−アザアダマンタンの製造
N-ベンジルオキシカルボニル-4-ブロモ−2−アザアダマンタン1.0gにトルエン10g、10wt% Pd/C(50%含水)の0.3gを仕込み、水素圧0.5MPaをかけて、20〜30℃で撹拌した。ガスクロマトグラフ(GC)で反応を追跡したところ、5時間で原料のピークは消失した。
メタノール10gを加え30分撹拌した後、セライト(セライトコーポレーション社の登録商標)を用いてろ過し、メタノール10gで二回洗浄した。ろ液と洗浄液をまとめて濃縮した後、トルエン10gと1N塩酸10gを加えた。分液した後、水層にトルエン10gと20wt% NaOH水溶液3gを加え、2−アザアダマンタンを抽出した。トルエン層を濃縮し白色固体0.3gを得た(収率80%)。
実施例3: 2−アザアダマンタンの製造
N-ベンジルオキシカルボニル-4-ブロモ−2−アザアダマンタン1.0gにエタノール10g、、トリエチルアミン0.32g、10wt% Pd/C(50%含水)の0.5gを仕込み、水素圧0.5MPaをかけて、20〜30℃で5時間撹拌した。セライト(セライトコーポレーション社の登録商標)によりろ過して固体を除去し、母液を定量したところ2−アザアダマンタンの収率は85%であった。
実施例4
N−ベンジルオキシカルボニル-4-ブロモ-2-アザアダマンタン8.1gにエタノール81g、炭酸カリウム16.0gを加え、10wt% Pd/C(50%含水)の0.81gを仕込み、水素圧0.5MPaをかけて、4時間攪拌した。セライトによりろ過して固体を除去し、母液を定量したところ2-アザアダマンタンの収率は80%であった。
実施例5: N-ベンジルオキシカルボニル-4-クロロ−2−アザアダマンタンの製造
N-ベンジルオキシカルボニル-エンド-ビシクロ[3.3.1]ノン-6-エン-3-イルアミン110mg(0.41mmol)にアセトニトリル 4.5mLと炭酸カリウム101mg(0.73mmol)を加え、氷冷下、塩素をバブリングした。15分後、ガスクロマトグラフィーにて原料の転化を確認し、水5mLとトルエン10mLを加え分液した。有機層を3%チオ硫酸ナトリウム水溶液 5mLで洗浄し、更に水5mLで二回洗浄した。有機層を濃縮したところ薄黄色固体としてN-ベンジルオキシカルボニル-4-クロロ−2−アザアダマンタン20mg(0.39mmol, 96%)を得た。
N-ベンジルオキシカルボニル-4-クロロ−2−アザアダマンタン
1H -NMR(300MHz, CDCl3): 1.5-2.6(10H,m), 4.0-4.6(3H, m), 5.14(2H,s),7.1-7.7(5H,m)
参考例1: 2-アザアダマンタン- N -オキシル(AZADO)の合成
2-アザアダマンタン 9.7g(70mmol),タングステン酸ナトリウム二水和物2.6g(7.75 mmol) のメタノール(31 ml, 0.5 M)および塩化メチレン(10 ml)溶液を室温にて3 時間撹拌した。反応の終了を確認した後、水(80ml)を加えてクロロホルムで抽出し,有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後,減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル−ヘキサン(1 : 8 v/v))に付し、溶出部よりAZADO (2.12 g, 13.9 mmol) を赤色固体として得た。諸データは公知の合成法により合成したものに一致した。
元素分析(C9H14NO)計算値:C, 9.27; H, 71.02; N, 9.20;実測値: H, 9.18; C, 71.06; N, 9.13.
昇華点 1600 Pa, 48 ℃
N-ベンジルオキシカルボニル-4-ブロモ−2−アザアダマンタンからの2−アザアダマンタン製造時に生成する中間体の構造決定
Figure 2010123115
・実験方法
反応器にN-ベンジルオキシカルボニル-4-ブロモ−2−アザアダマンタン1を2.52g (7.2 mmol)、MeOH を25.2g、K2CO3 を4.98g (1に対して5当量)、10wt% Pd/C(50%含水)を0.120g(10wt%)を加え、水素雰囲気下30℃で10分間撹拌した。反応液をろ過し、得られた反応溶液を濃縮してMeOHを留去した。得られた残渣にトルエンを加え5% NaOH水溶液を用いて洗浄し、有機層を濃縮して化合物2 0.95g(6.9mmol, 収率=96%)を白色固体として得た。
・化合物2のスペクトルデータ
1HNMR/ (CDCl3 [500MHz]
δ=1.48(dd, J = 13.4, 4.15 Hz, 1H), δ=1.54(s, 2H), δ=1.63(dd, J = 13.1, 2.75 Hz, 1H), δ=1.70(dd, J = 10.3, 1.85 Hz, 1H),δ=1.91(s, 1H),δ=2.06(dd, J = 32.3, 13.3 Hz, 2H),δ=2.43-2.51(mt, 3H),δ=2.56(t, J = 5.0 Hz, 1H),δ=3.55(t, J = 5.0 Hz, 1H)
13C NMR/CDCl3[500MHz](dept135°)
δ=24.6(CH),δ=28.8(CH2),δ=31.4(CH),δ=31.8(CH2),δ=32.5(CH2),δ=41.8(CH),δ=45.5(CH), δ=50.2(CH),δ=54.4(CH2)
HRMS(TOF) : m/z: 135.10480(100%), 136.10815(9.7%)。Chemical Formula: C9H13N,
Figure 2010123115
反応器に化合物2 を221mg (1.63 mmol)、EtOH を2.2g、K2CO3 を1.13g、10wt% Pd/C(50%含水)を27mgを加え、水素雰囲気下30℃で15時間撹拌した。反応液をろ過し、得られた反応溶液を濃縮して得られた残渣にトルエンを加え5% NaOH水溶液を用いて洗浄し、有機層を濃縮して2-アザアダマンタン3 を211mg (1.54 mmol, 収率=94%)、白色固体として得た。
本発明により、ビシクロカーバメート化合物から効率的で製造された2−アザアダマンタン化合物は、アルコール酸化触媒などとして広範に使用することができる。
なお、2009年4月24日に出願された日本特許出願2009−105926号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (7)

  1. 下式(1):
    Figure 2010123115

    (式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、スルホ基、直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル基、C3-12シクロアルキル基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)オキシ基、(C3-12シクロアルキル)オキシ基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)チオ基、(C3-12シクロアルキル)チオ基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)アミノ基、(C3-12シクロアルキル)アミノ基、ジ(直鎖または分岐鎖であるC1-6アルキル)アミノ基、ジ(C3-6シクロアルキル)アミノ基、直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキルカルボニル基、C3-12シクロアルキルカルボニル基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)オキシカルボニル基、(C3-12シクロアルキル)オキシカルボニル基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)チオカルボニル基、(C3-12シクロアルキル)チオカルボニル基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)アミノカルボニル基、(C3-12シクロアルキル)アミノカルボニル基、ジ(直鎖または分岐鎖であるC1-6アルキル)アミノカルボニル基、ジ(C3-6シクロアルキル)アミノカルボニル基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)カルボニルオキシ基、(C3-12シクロアルキル)カルボニルオキシ基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)カルボニルチオ基、(C3-12シクロアルキル)カルボニルチオ基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)カルボニルアミノ基、(C3-12シクロアルキル)カルボニルアミノ基、ジ(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキルカルボニル)アミノ基、ジ(C3-12シクロアルキルカルボニル)アミノ基、直鎖または分岐鎖であるC1-6ハロアルキル基、C3-6ハロシクロアルキル基、直鎖または分岐鎖であるC2-6アルケニル基、C3-6シクロアルケニル基、直鎖または分岐鎖であるC2-6ハロアルケニル基、C3-6ハロシクロアルケニル基、直鎖または分岐鎖であるC2-6アルキニル基、直鎖または分岐鎖であるC2-6ハロアルキニル基、Raで置換されていてもよいベンジル基、Raで置換されていてもよいベンジルオキシ基、Raで置換されていてもよいベンジルチオ基、Raで置換されていてもよいベンジルアミノ基、Raで置換されていてもよいジベンジルアミノ基、Raで置換されていてもよいベンジルカルボニル基、Raで置換されていてもよいベンジルオキシカルボニル基、Raで置換されていてもよいベンジルチオカルボニル基、Raで置換されていてもよいベンジルアミノカルボニル基、Raで置換されていてもよいジベンジルアミノカルボニル基、Raで置換されていてもよいベンジルカルボニルオキシ基、Raで置換されていてもよいベンジルカルボニルチオ基、Raで置換されていてもよいベンジルカルボニルアミノ基、Raで置換されていてもよいジ(ベンジルカルボニル)アミノ基、Raで置換されていてもよいアリール基、Raで置換されていてもよいアリールオキシ基、Raで置換されていてもよいアリールチオ基、Raで置換されていてもよいアリールアミノ基、Raで置換されていてもよいジアリールアミノ基、Raで置換されていてもよいアリールカルボニル基、Raで置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基、Raで置換されていてもよいアリールチオカルボニル基、Raで置換されていてもよいアリールアミノカルボニル基、Raで置換されていてもよいジアリールアミノカルボニル基、Raで置換されていてもよいアリールカルボニルオキシ基、Raで置換されていてもよいアリールカルボニルチオ基、Raで置換されていてもよいアリールカルボニルアミノ基、Raで置換されていてもよいジ(アリールカルボニル)アミノ基から選ばれる1以上の置換基を表し、置換基の数が2以上である場合は、それぞれの置換基は同じでも異なっていてもよく、
    Raは、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C3-6シクロアルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、C1-6アルキルスルフェニルC1-6アルキル基、C1-6ハロアルコキシ基、C1-6アルキルスルフェニル基、C1-6アルキルスルフィニル基、C1-6アルキルスルホニル基、C1-6ハロアルキルスルフェニル基、C1-6ハロアルキルスルフィニル基、C1-6ハロアルキルスルホニル基、C2-6アルケニル基、C2-6ハロアルケニル基、C2-6アルケニルオキシ基、C2-6ハロアルケニルオキシ基、C2-6アルケニルスルフェニル基、C2-6アルケニルスルフィニル基、C2-6アルケニルスルホニル基、C2-6ハロアルケニルスルフェニル基、C2-6ハロアルケニルスルフィニル基、C2-6ハロアルケニルスルホニル基、C2-6アルキニル基、C2-6ハロアルキニル基、C2-6アルキニルオキシ基、C2-6ハロアルキニルオキシ基、C2-6アルキニルスルフェニル基、C2-6アルキニルスルフィニル基、C2-6アルキニルスルホニル基、C2-6ハロアルキニルスルフェニル基、C2-6ハロアルキニルスルフィニル基、C2-6ハロアルキニルスルホニル基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、SCN、C1-6アルコキシカルボニル基、C1-6アルキルカルボニル基、C1-6ハロアルキルカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルオキシ基、フェニル基、C1-6アルキルアミノ基またはジC1-6アルキルアミノ基であって、置換するRaの数は1〜5個であり、Raが2個以上の場合は、それぞれの置換基は同じでも異なっていてもよく、
    R2およびR3はそれぞれ独立して、水素原子またはC1-6アルキル基を表し、ArはRaで置換されていてもよいアリール基を表す。)で表されるカーバメート化合物をハロゲン化剤と反応させて、下式(2)
    Figure 2010123115

    (式中、Ar、R1、R2およびR3は前記と同じ意味を表し、Xはハロゲン原子を表す。)で表される2−アザアダマンタンカーバメート化合物を製造し、次いで、該2−アザアダマンタンカーバメート化合物を水素化分解することにより、下式(3)
    Figure 2010123115

    (式中、R1は前記と同じ意味を表し、Yは水素原子またはハロゲン原子を表す。)で表される2−アザアダマンタン化合物またはその塩の製造方法。
  2. 下式(1):
    Figure 2010123115

    (式中、R1、R2およびR3は、請求項1に記載と同じ意味を表す。)で表されるカーバメート化合物をハロゲン化剤と反応させることによる、下式(2)
    Figure 2010123115

    (式中、Ar、R1、R2、R3およびXは、請求項1に記載と同じ意味を表す。)で表される2−アザアダマンタンカーバメート化合物の製造方法。
  3. 下式(2)で表される2−アザアダマンタンカーバメート化合物を水素化分解することによる下式(3)
    Figure 2010123115

    (式中、R1及びYは、請求項1に記載と同じ意味を表す。)で表される2−アザアダマンタン化合物またはその塩の製造方法。
  4. R1が、水素原子、ヒドロキシ基、アミノ基、直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル基、C3-12シクロアルキル基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)オキシ基、(C3-12シクロアルキル)オキシ基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)チオ基、(C3-12シクロアルキル)チオ基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)アミノ基、(C3-12シクロアルキル)アミノ基、ジ(直鎖または分岐鎖であるC1-6アルキル)アミノ基、ジ(C3-6シクロアルキル)アミノ基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)オキシカルボニル基、(C3-12シクロアルキル)オキシカルボニル基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)チオカルボニル基、(C3-12シクロアルキル)チオカルボニル基、(直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル)アミノカルボニル基、(C3-12シクロアルキル)アミノカルボニル基、ジ(直鎖または分岐鎖であるC1-6アルキル)アミノカルボニル基、ジ(C3-6シクロアルキル)アミノカルボニル基、Raで置換されていてもよいベンジル基、Raで置換されていてもよいアリール基、Raで置換されていてもよいアリールオキシ基、Raで置換されていてもよいアリールチオ基、Raで置換されていてもよいアリールアミノ基及びRaで置換されていてもよいジアリールアミノ基から選ばれる1以上の置換基を表し、置換基の数が2以上である場合は、それぞれの置換基は同じでも異なっていてもよく、
    Raがハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C3-6シクロアルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、C1-6アルキルスルフェニルC1-6アルキル基、C1-6ハロアルコキシ基、C1-6アルキルスルフェニル基、C1-6アルキルスルフィニル基、C1-6アルキルスルホニル基、C1-6ハロアルキルスルフェニル基、C1-6ハロアルキルスルフィニル基、C1-6ハロアルキルスルホニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、フェニル基、C1-6アルキルアミノ基またはジC1-6アルキルアミノ基であって、置換するRaの数は1〜5個であり、Raが2個以上の場合は、それぞれの置換基は同じでも異なっていてもよい、請求項1、2、又は3記載の製造方法。
  5. Rが水素原子を表す請求項1、2、又は3記載の製造方法。
  6. 下式(2)
    Figure 2010123115

    (式中、Ar、R、RおよびRは、請求項1に記載と同じ意味を表し、Xはハロゲン原子を表す。)で表される2−アザアダマンタンカーバメート化合物。
  7. Rが水素原子を表す請求項6記載の2−アザアダマンタンカーバメート化合物。
JP2011510382A 2009-04-24 2010-04-23 ビシクロカーバメート化合物からの2−アザアダマンタン化合物の製造方法 Active JP5751167B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011510382A JP5751167B2 (ja) 2009-04-24 2010-04-23 ビシクロカーバメート化合物からの2−アザアダマンタン化合物の製造方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009105926 2009-04-24
JP2009105926 2009-04-24
JP2011510382A JP5751167B2 (ja) 2009-04-24 2010-04-23 ビシクロカーバメート化合物からの2−アザアダマンタン化合物の製造方法
PCT/JP2010/057278 WO2010123115A1 (ja) 2009-04-24 2010-04-23 ビシクロカーバメート化合物からの2-アザアダマンタン化合物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2010123115A1 true JPWO2010123115A1 (ja) 2012-10-25
JP5751167B2 JP5751167B2 (ja) 2015-07-22

Family

ID=43011229

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011510382A Active JP5751167B2 (ja) 2009-04-24 2010-04-23 ビシクロカーバメート化合物からの2−アザアダマンタン化合物の製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US8329909B2 (ja)
EP (1) EP2423212B1 (ja)
JP (1) JP5751167B2 (ja)
CN (1) CN102405221B (ja)
WO (1) WO2010123115A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009084566A1 (ja) * 2007-12-28 2009-07-09 Nippon Paper Industries Co., Ltd. セルロースナノファイバーの製造方法、セルロースの酸化触媒及びセルロースの酸化方法
RU2672468C1 (ru) * 2011-12-22 2018-11-15 Конекшис Лайф Сайенсиз Пвт. Лтд. Производные аза-адамантанов и их применение
CN114315776B (zh) * 2022-01-17 2024-02-02 万华化学集团股份有限公司 一种通过氢解反应制备2,4-二取代四氢吡喃化合物的方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20070232838A1 (en) * 2004-06-24 2007-10-04 Yoshiharu Iwabuchi Alcohol Oxidation Catalyst and Method of Synthesizing the Same
US8273889B2 (en) * 2007-11-20 2012-09-25 Nissan Chemical Industries, Ltd. Method for producing 2-azaadamantane
JP4636170B2 (ja) 2008-12-11 2011-02-23 セイコーエプソン株式会社 水晶振動片とその製造方法及び水晶振動片を利用した水晶デバイス、ならびに水晶デバイスを利用した携帯電話装置および水晶デバイスを利用した電子機器
US8598204B2 (en) * 2009-09-14 2013-12-03 Suven Life Sciences Limited 1,2-dihydro-2-oxoquinoline compounds as 5-HT4 receptor ligands

Also Published As

Publication number Publication date
EP2423212A4 (en) 2013-06-12
JP5751167B2 (ja) 2015-07-22
CN102405221B (zh) 2015-01-21
EP2423212B1 (en) 2016-06-01
US20120053348A1 (en) 2012-03-01
CN102405221A (zh) 2012-04-04
EP2423212A1 (en) 2012-02-29
US8329909B2 (en) 2012-12-11
WO2010123115A1 (ja) 2010-10-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2009145323A1 (ja) 多環式化合物を用いるアルコールの酸化方法
US8669367B2 (en) Method for producing 2-azaadamantane
JP2011153076A (ja) 多環式n−オキシル化合物を用いるアルコールの酸化方法
JP2009114143A (ja) 第一級アルコールからのカルボン酸の製造方法
EP2172462A1 (en) Method for production of 3-hydroxypropan-1-one compound, method for production of 2-propen-1-one compound, and method for production of isoxazoline compound
TWI491594B (zh) 羧醯胺之製備方法
WO2012129384A2 (en) Compositions and processes of preparing and using the same
JP5751167B2 (ja) ビシクロカーバメート化合物からの2−アザアダマンタン化合物の製造方法
WO2008053652A1 (fr) Procédé de fabrication d'hydroxyadamantane-amine
EP2462108B1 (en) Process for the preparation of pyrazole carboxylic acid amides
US6657085B2 (en) Process for the preparation of aniline compounds
DE60314410T2 (de) Verfahren zur herstellung von modafinil
JP2012229163A (ja) 2−アザアダマンタン化合物
US6156892A (en) Purine derivatives having cyclopropane ring
KR101874021B1 (ko) 1-메틸-2-(2-하이드록시에틸)피롤리딘의 효과적인 합성방법
JP2011153077A (ja) オキソアンモニウム硝酸塩を用いるアルコールの酸化方法
AU2013306012A1 (en) Process for the synthesis of substituted gamma lactams
DE102007049039A1 (de) Verfahren zur Herstellung von 8-Hydrazino-8-Aryl-Octanoylderivaten und deren Verwendung
JP4072341B2 (ja) エチル基含有脂環族第三アルコールの製造方法
US10633314B2 (en) Method for the conversion of Abienol to Sclarediol
ITMI20131782A1 (it) Procedimento per la preparazione di un agonista della trombopoietina
ITMI20111672A1 (it) Metodo efficiente per la preparazione di dronedarone cloridrato
JPH04300857A (ja) 1−(3,5−ジメチルフェノキシ)−2−アミノプロパンの製造方法
JPH05221985A (ja) N−(2−クロロピリジン−5−イル−メチル)−エチレンジアミン
JPH10501543A (ja) ベンゾチオフェン誘導体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130123

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140617

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140818

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140930

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141028

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141211

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150421

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150504

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5751167

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350