JPWO2010113979A1 - ガラス板用曲げ成形装置及び曲げ成形方法 - Google Patents

ガラス板用曲げ成形装置及び曲げ成形方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、ガラス板用曲げ成形装置及び曲げ成形方法に係り、湾曲させた成形ローラを用いたガラス板の直交方向への曲げ成形において、曲率の大きな深く曲がった形状を成形できると共に光学的な品質にも優れたガラス板を曲げ成形することにある。加熱されたガラス板Gを搬送するためのローラコンベア20の少なくとも一部を形成し、ガラス板Gを搬送方向Xに直交する直交方向Yに曲げ成形すべく搬送面上において直交方向Yに湾曲可能な成形ローラ20と、成形ローラ20を直交方向Yにおいて所望の曲率に湾曲させる湾曲形成機構42aと、を備える。湾曲形成機構42aは、長手方向に延在して可撓自在に構成されたフレキシブルシャフトからなる、成形ローラ20を長手方向全体で支持するバックアップローラ56,58を有し、成形ローラ20を直交方向Yにおいて所望の曲率に湾曲させるべく該バックアップローラ56,58を湾曲させる。

Description

本発明は、ガラス板用曲げ成形装置及び曲げ成形方法に係り、特に、加熱されたガラス板を搬送方向に曲げ成形した後に該搬送方向に直交する直交方向に曲げ成形すべく、ローラコンベアとしての成形ローラを湾曲させるうえで好適なガラス板用曲げ成形装置及び曲げ成形方法に関する。
従来、曲げ成形可能な温度まで加熱されたガラス板を所望の曲面に曲げ成形する装置が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。この装置において、加熱されたガラス板は、搬送面を形成する複数の搬送ローラからなるローラコンベアで搬送される。これらの複数の搬送ローラは、ガラス板を搬送する搬送面を形成し、搬送ローラの少なくとも一部には、ガラス板を搬送方向に直交する方向に湾曲可能な成形ローラが含まれている。この成形ローラは、ガラス板の搬送面を挟んで上下に配置された直交方向に湾曲する下方成形ローラ及び上方成形ローラからなる。そして、ローラコンベアで搬送される際に、ガラス板は、これらの下方成形ローラと上方成形ローラとで挟まれながら搬送されることにより直交方向に曲げ成形される。
また、上記の装置において、直交方向に湾曲する成形ローラは、バックアップローラにより支持されており、バックアップローラが昇降することにより湾曲される。このバックアップローラは、成形ローラの長手方向の複数箇所にそれぞれ設けられている。従って、上記の装置において、成形ローラは、長手方向に所定間隔で並んだ複数のバックアップローラによって点列で支持されている。
特開2000−169167号公報 特開2000−169170号公報
しかしながら、上記した特許文献1や2の装置は、成形ローラが、長手方向に所定間隔で並んだ複数のバックアップローラによって点列で支持されている構造を備える。この成形ローラの構造で複雑な形状に湾曲させるために成形ローラの剛性を低くした場合、バックアップローラの支持間で成形ローラに小さな撓みが生じ易くなる。このため、上記した点列の構造では、バックアップローラの支持間での撓みにより成形ローラの湾曲形状が所望の形状に対して小さなうねりを有する形状となる。その結果、ガラス板が曲げ成形される際に成形ローラの湾曲形状がガラス板の曲げ形状に影響し、ガラス板に光学的な歪が発生し易くなるという問題があった。
一方、上記した成形ローラの剛性を高めれば、上記した特許文献1や2に記載された構造を用いたとしても、すなわち、剛性の高い成形ローラが長手方向に所定間隔で並んだ複数のバックアップローラによって点列で支持されていても、バックアップローラの支持間で成形ローラに撓みは生じ難くなり、成形ローラの湾曲形状は安定したものとなる。しかし、剛性の高い成形ローラを用いた構成では、曲率の大きな曲線を成形ローラに形成させることが難しくなり、本来の自由な湾曲形状を成形ローラに形成させるという目的が達成できなくなる。特に、自動車用窓ガラスに用いられるガラス板の形状においては、その成形ローラの両端部分やその近傍で曲率を大きくする必要のある形状が多いため、ガラス板の成形可能形状の範囲が狭くなる。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、湾曲させた成形ローラを用いたガラス板の直交方向への曲げ成形において、曲率の大きな深く曲がった形状の成形と光学的な品質にも優れた曲げ成形とを実現することが可能なガラス板用曲げ成形装置及び曲げ成形方法を提供することを目的とする。
上記の目的は、加熱されたガラス板を搬送するためのローラコンベアの少なくとも一部を形成し、前記ガラス板を搬送方向に直交する直交方向に曲げ成形すべく搬送面上において前記直交方向に湾曲可能な成形ローラと、前記成形ローラを前記直交方向において所望の曲率に湾曲させる湾曲形成機構と、を備えるガラス板用曲げ成形装置であって、前記成形ローラは、該成形ローラの長手方向に延在して可撓自在に構成されたフレキシブルシャフトと、該フレキシブルシャフトを回転軸として回転可能な複数のリングローラと、からなり、前記湾曲形成機構は、前記長手方向に延在して可撓自在に構成されたフレキシブルシャフトを有する、前記成形ローラを長手方向全体で支持するバックアップローラを備え、前記成形ローラを前記直交方向において所望の曲率に湾曲させるべく該バックアップローラを湾曲させるガラス板用曲げ成形装置により達成される。
また、上記の目的は、搬送中の加熱されたガラス板を搬送方向に直交する直交方向に曲げ成形するガラス板用曲げ成形方法であって、前記した本発明にかかるガラス板用曲げ成形装置によって湾曲された成形ローラを用いて、前記ガラス板を搬送しながら前記直交方向に曲げ成形するガラス板用曲げ成形方法により達成される。
これらの態様の発明において、ガラス板は、ローラコンベアの少なくとも一部を形成する成形ローラが搬送方向に直交する直交方向に湾曲されることにより曲げ成形されるが、この成形ローラは、該成形ローラの長手方向に延在して可撓自在に構成されたバックアップローラにより前記長手方向全体で支持される。また、バックアップローラは、成形ローラを所望の曲率に湾曲させるために、湾曲形成機構により湾曲される。
かかる構成においては、バックアップローラで形成させた湾曲形状には、従来技術同様に撓みが発生することがあるが、成形ローラによって撓みを吸収することで搬送面をスムーズな湾曲形状にする効果がある。また、成形ローラがその長手方向全体でバックアップローラにより支持されながら所望の曲面に湾曲されるので、成形ローラにその長手方向で局所的な撓みによる搬送面のうねりが生じ難くなる。このため、成形ローラを用いたガラス板の直交方向への曲げ成形によってガラス板に光学的な歪みが発生し難くなる。つまり、成形ローラがバックアップローラにより線で支持されるため、ガラス板を直交方向へ曲げ成形するのに成形ローラ自体の剛性をより高めることは不要となる。その結果、大きな形状に成形ローラを湾曲させることができる。従って、ガラス板の直交方向への曲げ成形(特に、直交方向両端での曲げ成形)において、曲率の大きな深く曲がった形状を光学的な品質を確保したまま実現することができる。
また、成形ローラの所望の曲面がガラス板ごとに変化する場合にも、湾曲形成機構によりバックアップローラの湾曲度合いを変えて成形ローラの湾曲度合いを所望の曲面に合致させることができる。それにより、ガラス板の直交方向への曲げ成形を行ううえで様々な曲率のガラス板に速やかに対応することができる。
尚、上記したガラス板用曲げ成形装置において、前記バックアップローラは、前記成形ローラよりも剛性が高いこととしてもよい。
この態様の発明においては、バックアップローラの剛性を所望の湾曲形状が形成できる範囲で高めることができる。かかる構成においては、バックアップローラを湾曲させる際に発生するうねりを最小限に留めることが可能であり、バックアップローラの湾曲形状が滑らかに形成される。これにより、バックアップローラに追従する成形ローラの湾曲形状のうねりの発生を防止することができる。
また、上記したガラス板用曲げ成形装置において、前記バックアップローラは、互いにガラス板の搬送方向の前後に並んだ一対のローラから構成し、前記成形ローラの夫々は、かかる一対のバックアップローラにより挟まれて支持されるようにしてもよい。
この態様の発明においては、成形ローラが、互いに搬送方向に並んだ一対のバックアップローラにより支持されるので、バックアップローラを用いた成形ローラの支持を安定化させることができる。このため、本発明によれば、成形ローラの湾曲形状の精度をより高めることができる。
また、上記したガラス板用曲げ成形装置において、前記湾曲形成機構は、長手方向に複数並べて設けられ、前記バックアップローラの前記フレキシブルシャフトにそれぞれ接続する昇降手段を有し、各昇降手段により前記バックアップローラの各接続点をそれぞれ昇降させることにより該バックアップローラを湾曲させることとしてもよい。
この態様の発明においては、長手方向に並んだ複数の昇降手段によりバックアップローラの各接続点がそれぞれ昇降されることで、バックアップローラが湾曲される。かかる構成においては、各昇降手段による昇降を各接続点で適宜変えることで、バックアップローラを任意かつ自由に湾曲させることができ、その結果として、成形ローラを所望の湾曲面に湾曲させるうえで様々な湾曲面への追従対応性を確保することができる。
また、上記したガラス板用曲げ成形装置において、前記湾曲形成機構は、各昇降手段をそれぞれ独立して前記直交方向に移動させる直交方向変位手段を有することとしてもよい。
この態様の発明においては、各昇降手段がそれぞれ独立して直交方向に移動可能であるので、各昇降手段とバックアップローラとの接続点の直交方向における間隔を任意に設定することができる。バックアップローラの任意の二点に着目した場合、バックアップローラの湾曲度合いが異なれば、その二点間の直交方向における距離が異なるものとなる。従って、本発明によれば、バックアップローラの湾曲度合いが異なる場合にも、共通した装置で昇降手段を用いたバックアップローラの湾曲をそれぞれ適切に実現させることができるので、バックアップローラの湾曲の形状対応性を高めることができる。
また、上記したガラス板用曲げ成形装置において、前記成形ローラの前記フレキシブルシャフトの少なくとも一端に連結し、該フレキシブルシャフトを軸方向内向きに加圧する加圧機構を備えることとしてもよい。
この態様の発明においては、成形ローラのフレキシブルシャフトが加圧機構により軸方向内向きに加圧されるので、成形ローラをバックアップローラに押し付けることができる。つまり、成形ローラを内向きに加圧することで成形ローラを強制的に湾曲させることができる。従って、バックアップローラが複数の曲率を有する複雑な湾曲形状に湾曲されている場合であっても、成形ローラを強制的にバックアップローラに押し付けることができるので、成形ローラの湾曲形状をバックアップローラの湾曲形状に正確に追従させることができる。
また、上記したガラス板用曲げ成形装置において、前記成形ローラ及び前記バックアップローラの両フレキシブルシャフトは、少なくとも一端同士で相対的に軸方向に動かないように固定して連結されることとしてもよい。
この態様の発明においては、成形ローラ及びバックアップローラの一端同士が相対的に軸方向に動かないように固定される。このため、バックアップローラが湾曲することによりそのバックアップローラの一端が内向きに引っ張られると、そのバックアップローラの一端と連結する成形ローラにも同時に内向きに加圧される力が作用する。その結果、成形ローラをバックアップローラに押し付けることができる。つまり、バックアップローラが湾曲されることによって、自動的に成形ローラもバックアップローラに押し付けることが可能である。また、初期設定において、成形ローラの端部とバックアップローラの端部との接続位置を調整することによって、押し付ける強さも調整できる。従って、単純な機構によって、成形ローラを強制的にバックアップローラに押し付けることができる。
更に、上記したガラス板用曲げ成形装置において、前記成形ローラは、曲げ成形される前記ガラス板を上下で挟み込む下方成形ローラと上方成形ローラとしてもよい。また、前記バックアップローラは、前記下方成形ローラを長手方向全体で下方から支持する下方バックアップローラと、前記上方成形ローラを長手方向全体で上方から支持する上方バックアップローラとしてもよい。
この態様の発明においては、下方成形ローラと上方成形ローラとで搬送されてきたガラス板を挟み込むことによって、そのガラス板を直交方向に曲げ成形することが可能となる。従って、本発明によれば、下方成形ローラと上方成形ローラとによって、ガラス板を挟み込んで成形するためにより精度が高い曲げ成形が可能となる。また、上方成形ローラが上方バックアップローラに当接されるように、また下方成形ローラが下方バックアップローラに当接されるように構成されることで、上方成形ローラ、下方成形ローラとも所望の形状に正確に湾曲させることが可能である。
また、上記したガラス板用曲げ成形装置において、前記上方成形ローラの前記フレキシブルシャフトの少なくとも一端に連結し、該フレキシブルシャフトを軸方向外向きに引っ張る引張機構を備えることとしてもよい。
この態様の発明においては、上方成形ローラの一端が引張機構により軸方向外向きに引っ張られると、上方成形ローラを上方に押圧する力が発生する。そのため、上方成形ローラを上方バックアップローラに押し付けることができる。つまり、引張機構が設けられていないと、上方成形ローラが下方に湾曲した際にその上方成形ローラを上方バックアップローラに押し付けることが難しくなるが、本発明の構成においては、引張機構により上方成形ローラを軸方向外向きに引っ張ることによって、湾曲した上方成形ローラを上方に持ち上げることで、上方バックアップローラに押し付けることが可能となる。
尚、これらの発明において、「搬送方向」とはガラス板Gの搬送される方向(以下搬送方向X)であり、「直交方向」とは、ガラス板の搬送方向に直交する、ローラの軸が延在する方向(以下直交方向Y)のことである。また、「直交方向に曲げ成形(される)」とは、ガラス板の形状を、搬送方向に平行な軸の回りに湾曲した形状にすることをいう。すなわち、搬送方向に直交する直交方向に曲げ成形されたガラス板では、搬送方向に直交する方向に沿って平行に切断した際の断面が湾曲状になる。
本発明によれば、湾曲させた成形ローラを用いたガラス板の直交方向への曲げ成形において、曲率の大きな深く曲がった形状の成形と光学的な品質にも優れた曲げ成形とを実現することができる。
本発明の一実施例であるガラス板用曲げ成形装置における成形ローラとバックアップローラとの配置関係を表した斜視図である。 本実施例のガラス板用曲げ成形装置の全体構成図である。 本実施例のガラス板用曲げ成形装置の要部構成図である。 本実施例のガラス板用曲げ成形装置における成形ローラ及びバックアップローラの軸断面図である。 本実施例のバックアップローラをシャフト延在方向に沿って水平な面で切断した際の断面図である。 本発明の変形例であるガラス板用曲げ成形装置の要部構成図である。
以下、図面を用いて、本発明に係るガラス板用曲げ成形装置及び曲げ成形方法の具体的な実施の形態について説明する。
図2は、本発明の一実施例であるガラス板用曲げ成形装置10の全体構成図を示す。本実施例の曲げ成形装置10は、自動車や鉄道などの輸送機器や建物などに使用されるガラス板Gを二方向(搬送方向X及び直交方向Y)にそれぞれ曲げ成形する装置である。尚、この曲げ成形装置10は、ガラス板Gを二方向にそれぞれ曲げ成形する装置について説明しているが、本発明は、特にガラス板Gを少なくとも直交方向Yに曲げ成形する装置に特徴付けられるものである。
図2に示す如く、本実施例の曲げ成形装置10は、加熱炉12と、成形部14と、風冷強化部16と、を備えている。加熱炉12と成形部14と風冷強化部16とは、ガラス板Gが搬送される過程でその順に通過するように配置されている。尚、図2に示す構成では、加熱炉12内に成形部14の一部が配置されている。
加熱炉12には、所定の形状に切り出された平板状のガラス板Gが、コンベア上に載置され、位置決めされて搬入される。加熱炉12は、ヒータを有しており、コンベアによって水平に搬送される平板状のガラス板Gをそのヒータを用いて曲げ成形可能な温度(例えば600℃〜700℃程度)まで加熱する。従って、加熱炉12に搬入されたガラス板Gは、曲げ成形可能な温度まで加熱される。
成形部14は、長手方向に湾曲せずに上下して予備的に成形を行う複数のストレートローラ18と、ガラス板Gを曲げ成形する成形ローラとして長手方向に湾曲可能な複数の湾曲ローラ20を有している。成形部14は、ストレートローラ18及び湾曲ローラ20を用いて、平板状のガラス板Gを搬送方向Xに搬送しながらその搬送方向X及び直交方向Yに曲げ成形する。
各ストレートローラ18は、直交方向Yへ向けて直線状に延在する。つまり、湾曲していないシャフトを有しており、搬送方向Xにおいて隣り合うストレートローラ18は所定間隔を空けて並んで配置されている。各湾曲ローラ20は、直交方向Yにおいて下に凸状(弓状)に湾曲可能なフレキシブルシャフトを有しており、搬送方向Xにおいて隣り合う湾曲ローラ20は所定間隔を空けて並んで配置されている。また、湾曲ローラ20は、ストレートローラ18に対して下流側に隣接して配置されている。
また、ストレートローラ18及び湾曲ローラ20は、搬送方向Xに向けて搬送するための搬送面を形成している。尚、互いに隣り合うローラ18,20間の搬送方向Xにおける間隔は、曲げ成形するガラス板のサイズにもよるが、自動車用の窓ガラス用の場合には、例えば一枚のガラス板Gが4本のストレートローラ18、又4本の湾曲ローラ20で支えられるように設定されている。
ガラス板Gの搬送面を形成する湾曲ローラ20の上方には、直交方向Yにおいて下に凸状(弓状)に湾曲可能なシャフトを有する湾曲ローラ22が配置されている。以下、湾曲ローラ20を下方湾曲ローラ20と、湾曲ローラ22を上方湾曲ローラ22と、それぞれ称す。また、ストレートローラ18の一部(即ち、成形部14の湾曲ローラの配置側の領域)の上方には、ガラス板Gの搬送面を挟んで、直交方向Yへ向けて直線状に延在する、つまり湾曲していない、シャフトを有するストレートローラ24が配置されている。以下、ストレートローラ18を下方ストレートローラ18と、ストレートローラ24を上方ストレートローラ24と、それぞれ称す。
上方湾曲ローラ22及び上方ストレートローラ24は、一本又は二本以上設けられている。下方ストレートローラ18の一部、上方ストレートローラ24、下方湾曲ローラ20、及び上方湾曲ローラ22は、ガラス板Gの搬送面を挟んで互いに対向するように、或いは側方から見て軸中心を結ぶ線が平行四辺形を形成するように配置されている。
下方ストレートローラ18の一部、上方ストレートローラ24、下方湾曲ローラ20、及び上方湾曲ローラ22は、それぞれ上下のローラで搬送されるガラス板Gを挟み込むことで強制的に曲げ成形すべく設けられている。各ローラ18の一部、上方ストレートローラ24、下方湾曲ローラ20、及び上方湾曲ローラ22は、通常の下方ストレートローラ18に比べて剛性を高くすべく大きな軸径(太さ)を有するように構成されている。また、シャフト上において直交方向Yの位置に関係なく軸中心から同一の径を有するように形成されている。尚、本実施例は、上方湾曲ローラ22を配置すれば十分であり、上方ストレートローラ24を配置する必要はない。
また、各湾曲ローラ20,22は、弾性的な可撓性材料により棒状に構成されたフレキシブルシャフトと、中空ローラ構造のリングローラと、からなる。このリングローラは、フレキシブルシャフトに挿通されており、シャフトの長手方向に並んで複数設けられている。リングローラの長手方向に隣り合うもの同士は、フレキシブルシャフトが所定形状まで湾曲可能となるように所定の隙間を空けて設けられていると共に、フレキシブルシャフト周りの回転が互いに伝達可能となるように周方向で噛み合っている。各湾曲ローラ20,22は、直交方向Yにおいて下に凸状(弓状)に湾曲可能であると共に、各湾曲ローラ20,22の各リングローラは、フレキシブルシャフトの中心で回転可能である。
各ストレートローラ18,24及び各湾曲ローラ20,22はそれぞれ、コンベアフレームに対して、回転可能かつ上下方向に移動可能に支持されている。すなわち、これらのローラ18〜24はそれぞれ、シャフト中心で回転可能であると共に、コンベアフレームに対してガラス板Gの搬送方向Xに直交する上下方向Z(以下上下方向Z)に上下動可能である。各ローラ18〜24の回転駆動は各々独立して対応するモータの駆動により行われる。それと同時に各ローラ18〜24の上下動も各々独立して対応する昇降装置に搭載されるモータの駆動により行われる。
本実施例において、成形部14は、コントローラ30を有している。コントローラ30は、光電センサなどを用いて成形部14へのガラス板Gの進入を検知する。これと共に、パルスジェネレータなどを用いてその進入検知後におけるガラス板Gの搬送位置を算出する。そして、予め記憶されているそのガラス板Gを所望の曲率に曲げ成形するために必要なデータに従って、上記の如く算出したガラス板Gの搬送位置に基づいてローラ18〜24の上下動をそれぞれ制御する。また、それらのローラ18〜24の上下位置に合わせた回転速度となるようにローラ18〜24の回転駆動をそれぞれ制御する。
かかる制御において、ガラス板Gが成形部14に搬送されていないときは、ローラ18〜24はすべて最上位置にあり、ローラ18,20上に形成される搬送面は水平である。一方、ガラス板Gが成形部14に搬送されてくると、ローラ18〜24の下降・上昇がそのガラス板Gの搬送を伴って上流側から順次行われる。この際、搬送方向Xに並んだ複数のローラ18〜24が下降されて、直交方向Yから見て搬送面が下方に向けて膨らんだ弓状に湾曲し、その後、複数のローラ18〜24が下降・上昇を繰り返すことでその搬送面の弓状の湾曲が搬送方向Xに移動する。尚、ガラス板Gの搬送が進行するに従って、ローラ18〜24の下降量は大きくなり、直交方向Yから見た搬送面の湾曲面の曲率半径は小さくなる。各ローラ18〜24は、一枚のガラス板Gを搬送するごとに、そのガラス板Gの通過に伴った一周期の下降・上昇動作を行う。
ストレートローラ18により直交方向Yから見て下方に膨らんだ弓状の湾曲面がガラス板Gの搬送に伴って搬送方向Xに進行する。このとき、ガラス板Gは、搬送方向前辺及び搬送方向後辺が通常の搬送レベルに保たれつつ、その搬送方向中央部がストレートローラ18の下降位置に応じて上記の通常の搬送レベルよりも下方に垂れ下がるように変形する。すなわち、ガラス板Gは、ストレートローラ18上を搬送方向Xに移動する際に、自重によりそのストレートローラ18の上下動によって形成された湾曲面に沿って下方に撓み、その湾曲面に沿った形状に変形する。このように、加熱炉12で加熱されたガラス板Gは、成形部14の搬送中にストレートローラ18による曲げ成形動作によって自重により大きく下方に撓み、搬送方向Xに曲げ成形される。
また、ガラス板Gがストレートローラ18の通過時に自重により搬送方向Xに曲げ成形される。すると次に、そのガラス板Gは、その搬送面を挟んで上下に配設されたストレートローラ18,24がそれぞれ回転駆動されることにより搬送方向Xに搬送される。これら上下のストレートローラ18,24はそれぞれ、搬送方向Xについての所望形状に合わせて上下動される。この際、上下のストレートローラ18,24は、そのガラス板Gを挟み込みながらその特定箇所を搬送方向Xに曲げ成形する(三点曲げ)。従って、ガラス板Gは、成形部14の搬送中にストレートローラ18,24による曲げ成形動作によって強制的かつ局所的に搬送方向Xに曲げ成形される。
また、ガラス板Gがストレートローラ18,24の通過時に挟み込まれて搬送方向Xに局所的に曲げ成形される。次に、その搬送面を挟んで上下に配設された湾曲ローラ20,22がそれぞれ回転され、このガラス板Gは搬送方向Xに搬送される。これら上下の湾曲ローラ20,22はそれぞれ、搬送中のガラス板Gが直交方向Yについて曲げ成形されるべき所望形状に合わせて、上下動されると共に、直交方向Yにおいて下に凸状に湾曲される。この際、上下の湾曲ローラ20,22は、そのガラス板Gを挟み込みながらその特定箇所を主に直交方向Y(尚、搬送方向Xを含んでもよい。)に曲げ成形する(三点曲げ)。従って、ガラス板Gは、成形部14の搬送中に湾曲ローラ20,22による曲げ成形動作によって強制的に主に直交方向Yに曲げ成形される。
尚、成形部14においては、複数枚のガラス板Gが、一枚ずつ順次連続して搬送される。そして、ガラス板Gは、搬送されながら、それぞれの搬送位置に基づいて成形部14で曲げ成形される。すなわち、成形部14の各ローラ18はそれぞれ、順次搬送されてくるガラス板Gを搬送方向Xに曲げ成形すべく上下動を繰り返す。それと共に、各ストレートローラ18,24及び各湾曲ローラ20,22はそれぞれ、順次搬送されてくるガラス板Gを少なくとも直交方向Yに曲げ成形すべく上下動や湾曲を繰り返す。
ガラス板Gが湾曲ローラ20,22の通過時に湾曲ローラ20,22の間に挟み込まれて直交方向Yに曲げ成形される。次に、そのガラス板Gは、風冷強化部16に搬入される。風冷強化部16は、ローラコンベア32を挟んで上下に配置された吹き口ヘッド34,36を有しており、ローラコンベア32によって搬送されるガラス板Gを吹き口ヘッド34,36から吹き出されるエアにより風冷強化する。尚、風冷強化部16の冷却能力は、ガラス板Gの素材や厚みに応じて適宜設定される。従って、成形部14で曲げ成形されたガラス板Gは、成形部14の下流側に設置された風冷強化部16内にローラコンベア32によって搬送されて、その風冷強化部16内の搬送中に吹き口ヘッド34,36から吹き出されるエアによって風冷強化される。風冷強化部16で風冷強化されたガラス板Gは、その出口からローラコンベアによって次工程の検査装置に向けて搬送される。
このように、本実施例の曲げ成形装置10においては、ストレートローラ18をガラス板Gの搬送に連動して上下動させてローラ搬送面に搬送方向Xで湾曲面を形成させ、その湾曲面上にガラス板Gを位置させながらその湾曲面を搬送方向Xへ移動させる。その結果、ガラス板Gを搬送方向Xに搬送しながら自重により搬送方向Xに曲げ成形することができる。また、上下のストレートローラ18,24及び湾曲ローラ20,22をガラス板Gの搬送に連動して上下動させてそのガラス板Gを挟み込む。それにより、ガラス板Gを搬送方向Xに搬送しながらストレートローラ18,24による挟持及び湾曲ローラ20,22による挟持により搬送方向X及び直交方向Yに深く曲げ成形することができる。
図1は、本実施例の成形部14における湾曲ローラ20と後述のバックアップローラ56、58との配置関係を表した斜視図を示す。図3は、本実施例の曲げ成形装置10の備える成形部14の要部構成図を示す。尚、図3には、成形部14の要部を搬送方向X側から見た図を示す。図4は、本実施例の成形部14における湾曲ローラ20及びバックアップローラ56、58の軸断面図を示す。また、図5は、本実施例のバックアップローラ56、58をシャフト延在方向に沿って水平な面で切断した際の断面図を示す。
本実施例の曲げ成形装置10において、成形部14は、湾曲ローラ20,22ごとに設けられる湾曲形成装置40を備えている。湾曲形成装置40は、下方の湾曲ローラ20を湾曲させるための下方湾曲形成機構42aと、上方の湾曲ローラ22を湾曲させるための上方湾曲形成機構42bと、を有している。下方湾曲形成機構42aは、下方湾曲ローラ20を、固定されたコンベアフレームに対して上下動させる昇降装置46aのスライダ48aに支持されており、昇降装置46aの駆動によりコンベアフレームに対して下方湾曲ローラ20と一体に上下動される。また、上方湾曲形成機構42bは、上方湾曲ローラ22を、固定されたコンベアフレームに対して上下動させる昇降装置46bのスライダ48bに支持されており、昇降装置46bの駆動によりコンベアフレームに対して上方湾曲ローラ22と一体に上下動される。
下方湾曲形成機構42aは、下方湾曲ローラ20のフレキシブルシャフト20aの端部が固定されるローラハウジング50−1,50−2を有している。ローラハウジング50−1とローラハウジング50−2とは、互いに下方湾曲ローラ20を介して連結されている。ローラハウジング50−1とローラハウジング50−2との直交方向Yにおける直線距離、及び、下方湾曲ローラ20の両端間の長さは、曲げ成形対象のガラス板Gの直交方向Yの幅に比べて大きく設定されている。下方湾曲ローラ20は、ローラハウジング50−1,50−2の固定位置近傍では直交方向Yに略水平に延びているが、常態において中央寄りでは自重により湾曲している。
ローラハウジング50−1には、下方湾曲ローラ20のリングローラ20bをフレキシブルシャフトの周りで回転させるモータ52のハウジングが固定されている。また、ローラハウジング50−1,50−2はそれぞれ、昇降装置46aのスライダ48aに対してスライド部54−1,54−2を介して直交方向Yに移動自在に支持されている。ローラハウジング50−1,50−2は、それぞれ、下方湾曲ローラ20の湾曲に伴ってその下方湾曲ローラ20の両端の直交方向Yにおける位置が変化する。これによりスライダ48aに対して直交方向Yに移動可能となる。
下方湾曲形成機構42aは、また、湾曲可能な下方湾曲ローラ20を支持する下方バックアップローラ56,58を有している。下方バックアップローラ56,58は、下方湾曲ローラ20の下方に配置されており、下方湾曲ローラ20の長手方向に延在して棒状に形成されている。一本の下方湾曲ローラ20に対しては、搬送方向Xに並んだ一対の下方バックアップローラ56,58がその下方湾曲ローラ20を前後で挟むように斜に配置されている。一対の下方バックアップローラ56,58は、一つの下方湾曲ローラ20を斜め下方から支持する。
下方バックアップローラ56,58の両端部は、ローラハウジング50−1,50−2に固定されている。ローラハウジング50−1,50−2は、下方湾曲ローラ20と共に下方バックアップローラ56,58を介して連結されている。下方バックアップローラ56,58は、直交方向Yにおいて下に凸状(弓状)に湾曲可能なフレキシブルシャフト56a,58aを有している。各フレキシブルシャフト56a,58aは、下方湾曲ローラ20のフレキシブルシャフト20aと同様に、弾性的な可撓性部材により棒状に構成されている。各フレキシブルシャフト56a,58aには、長手方向に並んだ複数の中空のリングローラ56b,58bが挿通されている。各リングローラ56b,58bはそれぞれ、フレキシブルシャフト56a,58aを回転軸として回転可能である。また、長手方向に並んだリングローラ56b,58bの隣同士の間には、フレキシブルシャフト56a,58aの湾曲が可能となるように僅かな間隔が空けられている。
下方湾曲形成機構42aは、また、昇降装置46aのスライダ48aにハウジングが固定されたモータ60を有している。モータ60は、スライダ48a上で直交方向Yに所定間隔を空けて複数並べて設けられている。尚、隣り合う2つのモータ60の間隔は、スライダ48a上で常に不変である。各モータ60はそれぞれ、独立して駆動されるモータであり、昇降装置62を構成する。各昇降装置62は、モータ60のねじシャフトと、そのねじシャフトが螺合するナットが形成された台座64と、からなる。台座64は、モータ60のねじシャフトが回転した際にその回転に伴って非回転で上下動される。
台座64には、リンク66を介して下方バックアップローラ56,58のフレキシブルシャフト56a,58aが連結されている。リンク66は、一端が台座64に連結されかつ他端がフレキシブルシャフト56a,58aに連結された構造を有している。リンク66は、搬送方向Xに延びる軸を中心にして、台座64に対して回転自在に連結されていると共に、下方バックアップローラ56,58のフレキシブルシャフト56a,58aに対して回転自在に連結されている。フレキシブルシャフト56a,58aは、その長手方向に所定間隔を空けて各リンク66の他端が連結されるように構成されている。リンク66は、台座64と連結する一端がその台座64の上下動により上下動すると共に、その一端及びフレキシブルシャフト56a,58aと連結する他端でそのフレキシブルシャフト56a,58aの湾曲に伴って回転可能である。
また、リンク66は、一対の下方バックアップローラ56,58のフレキシブルシャフト56a,58aの直交方向Yでの同じ位置近傍を連結しており、両ローラ56,58を一体化して支持している。一対の下方バックアップローラ56,58は、リンク66を介して一体で台座64に支持されている。一対の下方バックアップローラ56,58は、台座64の上下動によりリンク66を介して一体的に上下動され、各リンク66の動作により同じように湾曲される。
尚、下方バックアップローラ56,58の長手方向中央部は、リンク66を介することなく台座64に連結されている。すなわち、この長手方向中央部は、昇降装置46aのスライダ48a上において、昇降装置62の台座64が上下動することで上下動される。その一方で、直交方向Yに対しては移動することなく固定されている。この点、下方バックアップローラ56,58は、長手方向中央部位が直交方向Yに移動することなくその左右部位が移動することで湾曲される。
更に、下方バックアップローラ56,58の両端部は、ローラハウジング50−1,50−2を介して下方湾曲ローラ20と直交方向Yにおいて相対的な位置が動かないように連結されている。下方バックアップローラ56,58が下方に湾曲すると、或いはその湾曲度合いが増すと、ローラハウジング50−1,50−2が、下方バックアップローラ56,58の軸方向内向きに引っ張られる。ローラハウジング50−1,50−2は、スライド部54−1,54−2を介して直交方向Yに相対変位可能に支持されているため、この場合、軸方向内向きにスライドする。かかるスライド動作により、ローラハウジング50−1,50−2に連結されている下方湾曲ローラ20は軸方向内向きに加圧される。このように下方湾曲形成機構42aは、下方バックアップローラ56,58が下方に湾曲することで自動的に下方湾曲ローラ20を加圧する役割を有している。
一方、上方湾曲形成機構42bは、上方湾曲ローラ22のフレキシブルシャフトの端部が固定されるローラハウジング70−1,70−2を有している。ローラハウジング70−1とローラハウジング70−2とは、互いに上方湾曲ローラ22を介して連結されている。ローラハウジング70−1とローラハウジング70−2との直交方向Yにおける直線距離、及び、上方湾曲ローラ22の両端間の長さは、曲げ成形対象のガラス板Gの直交方向Yの幅に比べて大きく設定されている。上方湾曲ローラ22は、ローラハウジング70−1,70−2の固定位置近傍では直交方向Yに略水平に延びている。また、常態において中央寄りでは自重により湾曲している。
ローラハウジング70−2には、上方湾曲ローラ22のリングローラをフレキシブルシャフトの周りで回転させるモータ72のハウジングが固定されている。また、ローラハウジング70−1,70−2はそれぞれ、昇降装置46bのスライダ48bに対してスライド部74−1,74−2を介して直交方向Yに移動自在に支持されている。ローラハウジング70−1,70−2はそれぞれ、上方湾曲ローラ22の湾曲に伴ってその上方湾曲ローラ22の両端の直交方向Yにおける位置が変化することによりスライダ48bに対して直交方向Yに移動可能である。
上方湾曲形成機構42bは、また、湾曲可能な上方湾曲ローラ22を上方から支持する上方バックアップローラ76,78を有している。上方バックアップローラ76,78は、上方湾曲ローラ22の上方に配置されており、上方湾曲ローラ22の長手方向に延在して棒状に形成されている。一本の上方湾曲ローラ22に対しては、搬送方向Xに並んだ一対の上方バックアップローラ76,78がその上方湾曲ローラ22を前後で挟むように斜に配置されている。一対の上方バックアップローラ76,78は、一つの上方湾曲ローラ22を斜め上方から支持する。
上方バックアップローラ76,78は、直交方向Yにおいて下に凸状(弓状)に湾曲可能なフレキシブルシャフトを有している。これらの各フレキシブルシャフトは、上方湾曲ローラ22のフレキシブルシャフトと同様に、弾性的な可撓性部材により棒状に構成されている。これらの各フレキシブルシャフトには、長手方向に並んだ複数の中空のリングローラが挿通されている。
上方湾曲形成機構42bは、また、昇降装置46bのスライダ48bにハウジングが固定されたモータ80を有している。モータ80は、スライダ48b上で直交方向Yに所定間隔を空けて複数並べて設けられている。尚、隣り合う2つのモータ80の間隔は、スライダ48b上で常に不変である。各モータ80はそれぞれ、独立して駆動されるモータであり、昇降装置82を構成する。各昇降装置82は、モータ80のねじシャフトと、そのねじシャフトが螺合するナットが形成された台座84と、からなる。台座84は、モータ80のねじシャフトが回転した際にその回転に伴って非回転で上下動される。
台座84には、リンク86を介して上方バックアップローラ76,78のフレキシブルシャフトが連結されている。リンク86は、一端が台座84に連結されかつ他端がフレキシブルシャフトに連結された構造を有している。リンク86は、搬送方向Xに延びる軸を中心にして、台座84に対して回転自在に連結されていると共に、上方バックアップローラ76,78のフレキシブルシャフトに対して回転自在に連結されている。これらのフレキシブルシャフトは、その長手方向に所定間隔を空けて各リンク86の他端が連結されるように構成されている。リンク86は、台座84と連結する一端がその台座84の上下動により上下動すると共に、その一端及びフレキシブルシャフトと連結する他端でそのフレキシブルシャフトの湾曲に伴って回転可能である。
また、リンク86は、一対の上方バックアップローラ76,78のフレキシブルシャフトの直交方向Yでの同じ位置近傍を連結しており、両ローラ76,78を一体化して支持している。一対の上方バックアップローラ76,78は、リンク86を介して一体で台座84に支持されている。この点、一対の上方バックアップローラ76,78は、台座84の上下動によりリンク86を介して一体的に上下動され、各台座84の上下動に伴う各リンク86の動作により同じように湾曲される。
尚、上方バックアップローラ76,78の長手方向中央部は、リンク86を介することなく台座84に連結されている。すなわち、この長手方向中央部は、昇降装置46bのスライダ48b上において、昇降装置82の台座84が上下動することで上下動される。その一方、直交方向Yに対しては移動することなく固定されている。この点、上方バックアップローラ76,78は、長手方向中央部位が直交方向Yに移動することなくその左右部位が移動することで湾曲される。
また、ローラハウジング70−1,70−2には、サポート部90−1,90−2が設けられている。各サポート部90−1,90−2は、ローラハウジング70−1,70−2の、上方湾曲ローラ22のフレキシブルシャフトの端部が固定される部位の下方部位からそのフレキシブルシャフトが延在する長手方向に向けて延びている。サポート部90−1,90−2は、上方湾曲ローラ22の固定部位の近傍が下方に垂れ下がるのを抑える役割を有している。
更に、昇降装置46bのスライダ48bとローラハウジング70−1,70−2との間には、テンション装置92−1,92−2が介在されている。各テンション装置92−1,92−2は、スライダ48bとローラハウジング70−1,70−2との間で直交方向Yに伸縮可能である。テンション装置92−1は、スライド部74−1を介して相対変位可能なスライダ48bとローラハウジング70−1との直交方向Yにおける距離を調整することで、上方湾曲ローラ22にテンションを与える役割を有している。また、テンション装置92−2は、スライド部74−2を介して相対変位可能なスライダ48bとローラハウジング70−2との直交方向Yにおける距離を調整することで、上方湾曲ローラ22にテンションを与える役割を有している。
本実施例において、コントローラ30は、湾曲ローラ20,22ごとに、搬送されるガラス板Gの所定箇所に局所的に深曲げ部を成形すべく湾曲ローラ20,22を上下動させる。その際、それと同時に、その湾曲ローラ20,22が直交方向Yにおいて所望の角度を伴って下方に凸に湾曲するように各モータ60,80を駆動する。この際、直交方向Yに並んだ複数のモータ60,80は、コントローラ30によりそれぞれ独立して駆動される。すなわち、コントローラ30は、湾曲ローラ20,22ごとに、モータ60,80を用いて、湾曲ローラ20,22の湾曲の角度を制御する。このとき、コントローラ30は、予め記憶されている搬送中の型式のガラス板Gを直交方向Yに所望の曲面に曲げ成形するために必要なデータに従って算出されたガラス板Gの搬送位置に基づいて制御を行う。
かかるモータ60,80の駆動が実行されると、その回転トルクが台座64,84に伝達されて、リンク66,86の一端の上下動に変換される。この回転トルクの伝達は、直交方向Yに並んだすべてのモータ60,80についてそれぞれ行われる。この場合、バックアップローラ56,58,76,78は、リンク66,86の一端の位置が直交方向Yについては固定された状態で一端及び他端を中心にして回転可能なリンク66,86の他端に押圧され或いは引っ張られる。これにより、その全体が直交方向Yにおいて下に凸に湾曲されることとなる。これらバックアップローラ56,58,76,78の湾曲は、ガラス板Gの所望形状に合致するように行われる。
例えば、モータ60によりリンク66が上動されると、リンク66の他端が下方バックアップローラ56,58を上方に押し上げる。一方で、モータ60によりリンク66が下動されると、リンク66の他端が下方バックアップローラ56,58を下方に引っ張る。これにより、バックアップローラ56,58が、長手方向に並んだ各モータ60の駆動に応じて、ガラス板Gの所望形状に合致する角度を伴って下に凸に湾曲する。
上記の如くバックアップローラ56,58,76,78の湾曲が行われると、一対の下方バックアップローラ56,58又は一対の上方バックアップローラ76,78が湾曲ローラ20,22の表面に接してその湾曲ローラ20,22を下方又は上方から支持する状態となる。この状態が形成されると、湾曲ローラ20,22がバックアップローラ56,58,76,78に押圧され、或いは引っ張られることで、その湾曲ローラ20,22がバックアップローラ56,58,76,78の湾曲形状になじむように変形してガラス板Gの所望形状に合わせて湾曲されることとなる。
このように、本実施例においては、ガラス板Gが曲げ成形されるべき所望形状に合わせて湾曲ローラ20,22を直交方向Yにおいて下方へ向けて凸に所望形状に湾曲させるため、その湾曲ローラ20,22に対応する一対のバックアップローラ56,58,76,78を、長手方向に並んだ複数のモータ60,80の駆動によって直交方向Yにおいて下に凸状に適当に湾曲させることができる。そして、その湾曲したバックアップローラ56,58,76,78による支持ないし押圧/引っ張りにより、湾曲ローラ20,22をそのバックアップローラ56,58,76,78の湾曲形状になじむように湾曲させることができる。従って、湾曲ローラ20,22は、搬送されるガラス板Gの所定箇所に局所的に深曲げ部を成形すべく上下動される際、同時に、そのガラス板Gの所望形状に合わせて湾曲される。
かかる状況が形成されると、上下の湾曲ローラ20,22は、対応のバックアップローラ56,58,76,78に支持されながら直交方向Yに所望の湾曲面を形成することで、搬送されてきたガラス板Gを挟み込みながらそのガラス板Gの所定箇所を直交方向Yに曲げ成形し、或いは、ガラス板Gの通過中にその曲率を変化させることができる。これにより、搬送方向Xに沿って直交方向Yの曲率が異なるガラス板を曲げ成形し、更には、その直交方向Yへの曲げ成形に加えて搬送方向Xの曲げ形状を調整すべく搬送方向Xに曲げ成形する。従って、ガラス板Gは、湾曲ローラ20,22を搬送方向Xに通過する際に、上下の湾曲ローラ20,22に挟まれることにより直交方向Yに曲げ成形され、或いは、更に同時に曲げ形状の調整のため搬送方向Xにも曲げ成形される。
本実施例の成形部14において、湾曲ローラ20,22は、ガラス板Gの搬送に連動して直交方向Yに所望形状に湾曲されるが、その湾曲は、湾曲ローラ20,22がバックアップローラ56,58,76,78により支持されつつ押圧若しくは引っ張られることにより実現される。バックアップローラ56,58,76,78は、上記の如く、湾曲ローラ20,22の長手方向に延在して棒状に形成されており、ガラス板Gの所望形状すなわち湾曲ローラ20,22の所望湾曲面に合わせて直交方向Yに下に凸状に湾曲する。この点、本実施例において、バックアップローラ56,58,76,78による湾曲ローラ20,22の支持は、湾曲ローラ20,22の長手方向全体についてバックアップローラ56,58,76,78の表面が接することにより線で実現される。すなわち、湾曲ローラ20,22は、その湾曲時に長手方向全体でバックアップローラ56,58,76,78により線で支持される。
なお、ここでいう長手方向全体で支持するとは、湾曲ローラ20、22がガラス板Gを所望の湾曲形状に成形するために必要な支持力が得られれば良く、バックアップローラ56、58、76、78が湾曲ローラ20、22を支持する点は、完全に連続した線である必要はない。例えば、湾曲ローラ20、22の剛性を考慮して、長手方向にある間隔で支持する点が不連続に線状に並んで湾曲ローラ20、22を支持しても良い。
かかる本発明の実施例の構造においては、湾曲ローラ20,22が長手方向において点で支持される従来例の構造に比べて、湾曲ローラ20,22を湾曲させる際に、その湾曲ローラ20,22に長手方向で局所的に曲率の変化する撓みが生ずるのを抑制することができる。その結果、前記湾曲ローラ20,22に長手方向で局所的な撓みを生じさせ難くすることが可能である。このため、本実施例によれば、湾曲ローラ20,22の湾曲面を所望の形状に対して曲率変化のない安定したものとすることができ、湾曲ローラ20,22を用いたガラス板Gの直交方向Yへの曲率の大きな深く曲がった形状の成形においても光学的に優れた成形が可能となる。これにより、ガラス板Gの直交方向Yでの高い成形精度を確保することが可能となっている。
ここで、湾曲ローラ20,22の湾曲面を曲率変化のない安定したものとし、湾曲ローラ20,22を用いたガラス板Gの直交方向Yへの曲げ成形を安定化させるため、本実施例の如く長手方向に棒状に延在するバックアップローラ56,58,76,78を用いて湾曲ローラ20,22を長手方向全体で支持する構造を示した。また、これ以外に、湾曲ローラ20,22を長手方向において点で支持したうえで湾曲ローラ20,22自体の剛性を高めた構造(以下、対比構造と称す)とすることが考えられる。しかし、かかる対比構造では、湾曲ローラ20,22の剛性を高めれば高めるほど、その湾曲面を安定したものとすることは可能であるが、その湾曲ローラ20,22が特にローラハウジング50−1,50−2,70−1,70−2に固定される長手方向両端側で湾曲し難くなり、直交方向Yでの所望の湾曲形状の形成が困難となってしまう。
これに対して、湾曲ローラ20,22の湾曲面を曲率変化のない安定したものとし、湾曲ローラ20,22を用いたガラス板Gの直交方向Yへの曲げ成形を安定化させるため、本実施例の構造のように、湾曲ローラ20,22の長手方向に棒状に延在するバックアップローラ56,58,76,78を設けることとすれば十分である。よって、湾曲ローラ20,22自体の剛性を高めることは不要である。この点、本実施例によれば、湾曲ローラ20,22が特に長手方向両端側で湾曲し難くなるのを防止して、直交方向Yでの所望の湾曲形状の形成が困難となるのを防止することが可能である。
従って、本実施例のガラス板用曲げ成形装置10によれば、搬送方向Xに直交する直交方向Yで湾曲される湾曲ローラ20,22を、その長手方向に棒状に延在するバックアップローラ56,58,76,78を用いて支持して湾曲させている。これにより、湾曲ローラ20,22の剛性をあまり高めることなく、湾曲ローラ20,22を用いたガラス板Gの直交方向Yへの曲げ成形の光学品質を確保することが可能となっている。
尚、本実施例において、バックアップローラ56,58,76,78による湾曲ローラ20又は22の支持は、搬送方向Xに並んだ一対のバックアップローラ56,58又は76,78が一つの湾曲ローラ20又は22を前後で挟むように行われる。このため、本実施例の構造によれば、一つの湾曲ローラ20,22を一つのバックアップローラのみで支持する構造に比べて、各湾曲ローラ20,22の支持の安定化を図ることができる。また、湾曲ローラ20,22を用いたガラス板Gの直交方向Yへの曲げ成形を安定させることができ、これにより、直交方向Yでガラス板Gの成形精度を向上させることが可能となっている。
また、本実施例において、バックアップローラ56,58,76,78は可撓性を有し、そのバックアップローラ56,58,76,78の湾曲は、コントローラ30による各モータ60,80の駆動により任意かつ自由に実現される。この点、コントローラ30による制御により各バックアップローラ56,58,76,78の湾曲の開始タイミング及び終了タイミング並びにその湾曲角度の動作量を適宜変更することにより、湾曲ローラ20,22を直交方向Yにおいて一つの曲率半径を有する曲面に湾曲させることができる。また、それだけでなく、直交方向Yにおいて複数の曲率半径を有する曲面に湾曲させることが可能となる。また、型式の異なるガラス板Gに合わせて湾曲ローラ20,22を支持することができる。よって、搬送されてくる各ガラス板Gの曲げ成形を行ううえで各バックアップローラ56,58,76,78の交換作業を省くことができ、ジョブチェンジの時間を実質的に無くすことができ、生産性を高めることができる。
すなわち、本実施例によれば、湾曲ローラ20,22の所望曲面が搬送されてくるガラス板Gごとに変化しても、バックアップローラ56,58,76,78の湾曲度合いを変えて湾曲ローラ20,22の湾曲度合いを所望の曲面に合致させることができる。これにより、バックアップローラ56,58,76,78自体を取り替えることなく湾曲ローラ20,22を任意かつ自由に湾曲させることができる。このため、湾曲ローラ20,22を所望の湾曲に湾曲させるうえで様々な湾曲面への追従対応性を確保することができ、特に直交方向Yで所望の形状が異なる様々なガラス板Gをそれぞれ適切にその直交方向Yに曲げ成形することができる。その結果、順次搬送されてくる様々な曲率のガラス板Gの曲げ成形を行ううえで各ガラス板Gに速やかに対応することが可能となっている。
尚、上記の実施例においては、下方湾曲ローラ20及び上方湾曲ローラ22が特許請求の範囲に記載した「成形ローラ」に、下方湾曲形成機構42a及び上方湾曲形成機構42bが特許請求の範囲に記載した「湾曲形成機構」に、昇降装置62,82が特許請求の範囲に記載した「昇降手段」に、下方湾曲ローラが特許請求の範囲に記載した「下方成形ローラ」に、また上方湾曲ローラ22が特許請求の範囲に記載した「上方成形ローラ」に、それぞれ相当している。但し、特許請求の範囲に記載した「成形ローラ」には、図2において示されたX方向い曲げ成形するストレートローラ18は含まれない。
ところで、上記の実施例においては、湾曲ローラ20,22をバックアップローラ56,58,76,78のみを用いて湾曲させることとしている。しかし、湾曲ローラ20,22の湾曲を、バックアップローラ56,58,76,78以外の手段を用いることとし、そのバックアップローラ56,58,76,78を補助的に用いることとしてもよい。
また、上記の実施例においては、バックアップローラ56,58,76,78の湾曲を、コントローラ30により制御されるモータ60,80を有する昇降装置62,82を用いて行うこととしている。しかし、コントローラ30を用いない手動式の昇降装置を用いて行うこととしてもよい。
また、上記の実施例においては、各ローラ18〜24を最初に下降させてその後に上昇させることで、搬送面に、下に凸の湾曲面を形成させてその湾曲面を搬送方向Xに進行させることとしている。しかし、逆に、各ローラ18〜24を最初に上昇させてその後に下降させることで、搬送面に、上に凸の湾曲面を形成させてその湾曲面を搬送方向Xに進行させることとしてもよい。この場合、各湾曲ローラ20,22は、直交方向Yにおいても上に凸に湾曲されることとなる。
更に、上記の実施例においては、バックアップローラ56,58,76,78を湾曲させる各湾曲形成装置40のモータ60,80のハウジングが、コンベアフレームに対して上下動される昇降装置46a,46bのスライダ48a,48bに取り付け固定されているので、直交方向Yに変位できない構造となっている。また同時に、バックアップローラ56,58,76,78のフレキシブルシャフトがスライド部54−1,54−2,74−1,74−2を介して昇降装置46a,46bのスライダ48a,48bに対して直交方向Yに変位自在である。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、図6の様に、各モータ60,80自体をそれぞれスライダ48a,48bに取り付け固定することなくガイド100を介してそのスライダ48a,48bに対して直交方向Yに変位自在としてもよい。また同時に、バックアップローラ56,58,76,78のフレキシブルシャフトの、各モータ60,80への連結部位を上下方向に変位可能としつつ直交方向Yに変位できない構造としてもよい。
すなわち、上記の実施例においては、モータ60,80自体がスライダ48a,48bに対して直交方向Yに変位できない構造となっている一方、バックアップローラ56,58,76,78がスライド部54−1,54−2,74−1,74−2を介して軸方向に変位可能である。よって、バックアップローラ56,58,76,78の湾曲度合いが変わっても、その変化をバックアップローラ56,58,76,78自体の軸方向変位により吸収することができる。その結果、互いに隣り合う2つの昇降装置62,82間、すなわちモータ60,80間の距離が固定されていても、バックアップローラ56,58,76,78を様々な曲面に湾曲させることが可能である。
一方、上記の変形例においては、バックアップローラ56,58,76,78自体がスライダ48a,48bに対して直交方向Yに変位不可能である一方、モータ60,80自体がガイド100を介してスライダ48a,48bに対して直交方向Yに変位可能である。そのため、バックアップローラ56,58,76,78の湾曲度合いが変わっても、その変化をモータ60,80自体の直交方向Yへの変位により吸収することができる。また、バックアップローラ56,58,76,78の、各モータ60,80への連結部位の位置が固定されていても、バックアップローラ56,58,76,78を様々な曲面に湾曲させることが可能である。
尚、かかる変形例においては、ガイド100が特許請求の範囲に記載した「直交方向変位手段」に相当する。
本発明によれば、湾曲させた成形ローラを用いたガラス板の直交方向への曲げ成形において、曲率の大きな深く曲がった形状の成形と光学的な品質にも優れた曲げ成形とを実現することができ、自動車や鉄道などの輸送機器や建物などの曲面形状の窓ガラスの製造に対し有効に利用できる。
なお、2009年3月31日に出願された日本特許出願2009−088070号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の開示として取り入れるものである。
10 ガラス板用曲げ成形装置
14 成形部
20,22 湾曲ローラ
40 湾曲形成装置
42a 下方湾曲形成機構
42b 上方湾曲形成機構
56,58,76,78 バックアップローラ
60,80 モータ
62,82 昇降装置
G ガラス板

Claims (11)

  1. 加熱されたガラス板を搬送するためのローラコンベアの少なくとも一部を形成し、前記ガラス板を搬送方向に直交する直交方向に曲げ成形すべく搬送面上において前記直交方向に湾曲可能な成形ローラと、前記成形ローラを前記直交方向において所望の曲率に湾曲させる湾曲形成機構と、を備えるガラス板用曲げ成形装置であって、
    前記成形ローラは、長手方向に延在して可撓自在に構成されたフレキシブルシャフトと、該フレキシブルシャフトを回転軸として回転可能な複数のリングローラと、からなり、 前記湾曲形成機構は、長手方向に延在して可撓自在に構成されたフレキシブルシャフトを有する、前記成形ローラを長手方向全体で支持するバックアップローラを備え、前記成形ローラを前記直交方向において所望の曲率に湾曲させるべく該バックアップローラを湾曲させることを特徴とするガラス板用曲げ成形装置。
  2. 前記バックアップローラは、前記成形ローラよりも剛性が高い請求項1に記載のガラス板用曲げ成形装置。
  3. 前記成形ローラの夫々は、ガラス板の搬送方向の前後に並んだ一対のバックアップローラにより挟まれて支持される請求項1又は2に記載のガラス板用曲げ成形装置。
  4. 前記湾曲形成機構は、長手方向に複数並べて設けられ、前記バックアップローラの前記フレキシブルシャフトにそれぞれ接続する昇降手段を有し、各昇降手段により前記バックアップローラの各接続点をそれぞれ昇降させることにより該バックアップローラを湾曲させる請求項1から3の何れか一項に記載のガラス板用曲げ成形装置。
  5. 前記湾曲形成機構は、各昇降手段をそれぞれ独立して前記直交方向に移動させる直交方向変位手段を有する請求項4に記載のガラス板用曲げ成形装置。
  6. 前記成形ローラの前記フレキシブルシャフトの少なくとも一端に連結し、該フレキシブルシャフトを軸方向内向きに加圧する加圧機構を備える請求項1から5の何れか一項に記載のガラス板用曲げ成形装置。
  7. 前記成形ローラ及び前記バックアップローラの両フレキシブルシャフトは、少なくとも一端同士で相対的に軸方向に動かないように固定して連結される請求項1から6の何れか一項に記載のガラス板用曲げ成形装置。
  8. 前記成形ローラは、曲げ成形される前記ガラス板を上下で挟み込む下方成形ローラと上方成形ローラとであり、
    前記バックアップローラは、前記下方成形ローラをその長手方向全体で下方から支持する下方バックアップローラと、前記上方成形ローラを長手方向全体で上方から支持する上方バックアップローラと、である請求項1から7の何れか一項に記載のガラス板用曲げ成形装置。
  9. 前記上方成形ローラの前記フレキシブルシャフトの少なくとも一端に連結し、該フレキシブルシャフトを軸方向外向きに引っ張る引張機構を備える請求項8に記載のガラス板用曲げ成形装置。
  10. 前記バックアップローラは、各成形ロール毎に設けられていることを特徴とする請求項1から9の何れか一項に記載のガラス板用曲げ成形装置。
  11. 搬送中の加熱されたガラス板を搬送方向に直交する直交方向に曲げ成形するガラス板用曲げ成形方法であって、
    請求項1から10の何れか一項に記載のガラス板用曲げ成形装置によって湾曲された成形ローラを用いて、前記ガラス板を搬送しながら前記直交方向に曲げ成形することを特徴とするガラス板用曲げ成形方法。
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