JPWO2010113798A1 - コーティング絹微粒子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明のコーティング絹微粒子の製造方法は、超臨界状態もしくは亜臨界状態の高圧流体の存在下で、絹粒子と被覆材とを接触させる工程、および、得られた混合物を大気圧下へ噴出させて膨張させる工程、を含む。得られたコーティング絹微粒子は、種々の剤型の食品、化粧品または医薬品の材料として好適に用いることができる。

Description

本発明は、コーティング絹微粒子およびその製造方法に関する。特に、化粧品、医薬品などに好適に使用され得る、コーティング絹微粒子およびその製造方法に関する。
従来より、絹繊維は、一般に衣料用繊維や雑貨類の素材として利用されており、その主タンパク成分はフィブロインおよびセリシンである。また、絹タンパク質は、アミノ酸含有量が高く、皮膚や毛髪に対する親和性や保湿性、紫外線吸収性などに優れていることから、粉末状や液状といった形態で、食品や化粧品、医薬品などに広範に用いられている。
しかしながら、粉末化された絹タンパク質は独特の臭いと色とを有し、このことが、食品や化粧品、医薬品などへの絹タンパク質の適用範囲を狭める要因となっている。そこで、絹粉末の臭いを除去する方法として、絹粉末に焼き塩を加えて擦り合わせ、脱塩処理を行う方法(特許文献1)などが提案されている。この方法により、絹粉末の臭いについての問題は解消され得るが、得られる絹タンパク質の形態は、粉末状および液状に限られる。
絹タンパク質を配合した最終製品、例えば、化粧品や医薬品などの剤型は多様化しているため、種々の剤型の製品に配合し得る絹タンパク質が求められている。しかし、絹タンパク質粉末は、他の化粧品材料または医薬品材料との親和性に欠け、粉末状または液状の形態では、他の材料に均一に混合させることが困難な場合がある。そこで、絹タンパク質の新たな形態として、例えばジェル状の絹フィブロインを得る方法(特許文献2)などが知られている。しかし、この方法で得られるのは、ジェル状の絹タンパク質に限られるため、他の剤型に適用し得る絹タンパク質が依然として求められる。
一方、臭いをマスキングするために、臭いを有する材料をコーティングすることが知られている。微粒子をコーティングする技術として、超臨界流体を用いたコーティング法がある。特許文献3では、超臨界二酸化炭素の存在下で無機粒子とフッ素系またはシリコーン系高分子化合物とを接触させ、得られた混合物を減圧膨張させて、高分子化合物でコーティングされた無機粒子(複合化粒子)を得る方法が開示されている。これは、人体に対して有害な有機溶媒を用いることなく、簡易な製造工程によって複合化粒子が得られる点で優れた方法であるが、使用できる高分子が超臨界二酸化炭素への溶解度の高いフッ素系およびシリコーン系の高分子に限定されており、食品や化粧品、医薬品として利用し得るタンパク質である絹粒子のコーティングに適用することは困難であった。
また、特許文献4には、超臨界流体の存在下で硬化油脂を用いて微粒子をコーティングすることにより、複合化粒子を得る方法が開示されている。油脂によってコーティングされた複合化粒子は、味や臭いが不快である微粒子のマスキング効果に優れており、分散性が良好であるため、化粧品や医薬品等に好適に用いられる。しかしながら、この方法で用いられる油脂は絹粒子との親和性が低く、絹粒子に対しては十分な被膜効果が得られなかった。
特開2006−182992号公報 特許第4056972号公報 特許第3469223号公報 特開2008−206517号公報
本発明は、他の食品材料、化粧品材料または医薬品材料との親和性の高いコーティング絹微粒子およびその製造方法を提供することをその目的とする。さらに、本発明は、有機溶媒を用いることなく、安全性が高く製造コストが低い簡易な製造工程で、コーティング絹微粒子およびその製造方法を提供することをその目的とする。
本発明は、コーティング絹微粒子の製造方法を提供し、該方法は、超臨界状態もしくは亜臨界状態の高圧流体の存在下で、絹粒子と被覆材とを接触させる工程、および、得られた高圧流体を大気圧下へ噴出させて膨張させる工程、を含む。
好適な実施態様では、上記被覆材は、アクリル系樹脂およびポリ乳酸からなる群より選択される少なくとも1種である。
好適な実施態様では、上記アクリル系樹脂はポリメチルメタクリレートを含む。
好適な実施態様では、上記高圧流体は超臨界二酸化炭素である。
好適な実施態様では、上記コーティング絹微粒子の平均粒径は0.1μmから200μmである。
本発明はまた、絹粒子が被覆材でコーティングされたコーティング絹微粒子を提供する。
好適な実施態様では、上記被覆材は、アクリル系樹脂およびポリ乳酸からなる群より選択される少なくとも1種である。
本発明によれば、他の食品材料、化粧品材料または医薬品材料との親和性の高い、コーティング絹微粒子を提供することができる。本発明の方法では、超臨界状態もしくは亜臨界状態の高圧流体を用いることにより、減圧操作のみで容易に高圧流体とコーティング絹微粒子とを分離することができる。さらに、本発明によれば、人体に対して有害な有機溶媒を用いず、したがって残留溶媒を加熱処理などによって除去する工程が不要であるため、安全性が高く製造コストが低い簡易な製造工程で、コーティング絹微粒子を提供することができる。
被覆材として、絹粒子との親和性の高い高分子材料、例えば、アクリル系樹脂やポリ乳酸を用いることにより、絹粒子を効果的にコーティングすることができ、絹粒子に独特の臭いを消滅または軽減させることができる。また、アクリル系樹脂やポリ乳酸は、他の食品材料、化粧品材料または医薬品材料との親和性も高いため、アクリル系樹脂やポリ乳酸でコーティングした絹粒子は、他の食品材料、化粧品材料または医薬品材料と容易に混合させることができ、食品材料、化粧品材料または医薬品材料として好適に用いることができる。さらに、アクリル系樹脂として、化粧品などに幅広く用いられているポリメチルメタクリレートを成分として含むアクリル系樹脂を用いることにより、特に化粧品材料として広く適用することができる。
加えて、高圧流体として、超臨界二酸化炭素を用いる場合には、特に安全にそして低コストで、コーティング絹微粒子を製造することができる。すなわち、二酸化炭素は安価で毒性が極めて小さく、超臨界二酸化炭素は低温で操作を行うことができるため、安全性が高く製造コストが低い簡易な製造工程で製造することが可能である。さらに、超臨界二酸化炭素はアクリル樹脂に溶解し、アクリル樹脂を可塑化させるため、絹粒子を効果的にコーティングすることができる。
また、本発明のコーティング絹微粒子は平均粒径0.1μmから200μmの均一な粒子であるため、高品質な化粧品および医薬品を製造し得る化粧品材料または医薬品材料として用いることができる。
本発明の製造方法で使用される撹拌翼の一例を示す模式図である。 コーティング前の絹粒子の電子顕微鏡写真である。 実施例1で得られたコーティング絹微粒子の電子顕微鏡写真である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において「コーティング絹微粒子」とは、絹粒子と被覆材とから構成される粒子であって、被覆材に絹粒子が内包され、あるいは絹粒子が被覆材によってコーティングされた微粒子をいう。本発明では、被覆材として、以下に詳述するアクリル系樹脂およびポリ乳酸からなる群より選択される少なくとも1種を用いる。コーティング絹微粒子は、他の化粧品材料または医薬品材料との混和が容易である粒径200μm以下の均一な大きさであることが好ましい。より好ましくは、コーティング絹微粒子は、平均粒径2μmから30μmの大きさである。
本発明において「絹粒子」とは、例えば、絹織物の端材や蚕の繭から取り出した絹糸を細粒化したもの、絹繊維をアルカリや酸とともに高温にて水に溶解し、それを固化して製造したものをいう。細粒化の方法は特に限定されず、例えば凍結粉砕処理などによる粉砕や、特許文献1で開示された方法などを任意に用い得るが、絹の特性を残したまま細粒化できる方法が好ましい。細粒化された絹粒子の大きさは、コーティングしたときに他の化粧品材料または医薬品材料と混合しやすい大きさであることが好ましい。好ましくは粒径0.1μmから200μm、より好ましくは粒径2μmから30μmであり、さらに好ましくは平均粒径20μm程度である。
本発明においては、被覆材として、絹粒子との親和性を有し、超臨界または亜臨界状態の高圧流体を溶解させ得る材料が用いられる。さらに、他の食品材料、化粧品材料または医薬品材料との親和性が高い材料であることが好ましい。したがって、本発明では、そのような材料として、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステルなどのアクリル系樹脂やポリ乳酸が用いられる。アクリル系樹脂やポリ乳酸は、絹粒子との親和性が高いことに加え、超臨界二酸化炭素の溶解度が高く、二酸化炭素が溶解することによって可塑化することから、絹粒子を効果的にコーティングし得る。さらに、アクリル系樹脂やポリ乳酸は、ココアバターや蜜蝋などの他の化粧品材料または医薬品材料との親和性が高く、アクリル系樹脂やポリ乳酸でコーティングされた絹粒子は、化粧品材料または医薬品材料として好適に用いることができる。
本発明で用いられるアクリル系樹脂の例としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、あるいはこれらの混合物の重合体、またはアクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルを主成分とし、他のモノマーと重合した重合体が挙げられる。また、ポリ乳酸の例としては、乳酸またはラクチドから重合したポリ乳酸が挙げられる。化粧品や医薬品に広く用いられているポリメチルメタクリレート類やポリ乳酸が好ましく用いられる。
ポリメチルメタクリレート類は、超臨界流体存在下にて80℃以下で融解するものが好ましい。例えば、超臨界流体の存在下にて55℃以下で融解現象を示すポリメチルメタクリレートが好ましく用いられる。ポリメチルメタクリレートの重量平均分子量は、好ましくは2000〜100000、より好ましくは3000〜50000、さらに好ましくは5000〜30000である。特に重量平均分子量10000程度のポリメチルメタクリレートは、低温で操作を行うことができ、操作性に優れることから、本発明において好ましく用いられる。
ポリ乳酸類は、超臨界流体存在下にて80℃以下で融解するものが好ましい。例えば、超臨界流体の存在下にて55℃以下で融解現象を示すポリ乳酸が好ましく用いられる。ポリ乳酸の重量平均分子量は、好ましくは3000〜50000、より好ましくは5000〜20000である。特に重量平均分子量10000程度のポリ乳酸は、低温で操作を行うことができ、操作性に優れることから、本発明において好ましく用いられる。
本発明において、「高圧流体」とは、超臨界から臨界圧力下の流体をいい、通常、気体状態であるが、液状態の物質を含んでいてもよい。
本発明において、「超臨界流体」とは、臨界温度および臨界圧力を超えた温度および圧力下の流体をいうが、亜臨界流体を包含する場合もある。このような超臨界流体としては、その化学種は特に限定されない。例えば、常温で気体状態のガスが用いられ得る。超臨界流体に用いるガスとしては、メタン、プロパン、窒素および二酸化炭素などが挙げられるが、安価で操作性に優れる二酸化炭素が好ましく用いられる。
(コーティング絹微粒子の製造方法)
本発明のコーティング絹微粒子は、以下のようにして製造する。まず、高圧チャンバー内で、高圧流体を被覆材(アクリル系樹脂またはポリ乳酸)に溶解し、被覆材を可塑化(粘度を低くして流動性を高める)する。その後、撹拌しながら、予め高圧チャンバー内に仕込んでおいた絹粒子と高圧流体で可塑化した被覆材とを接触させる。圧力を徐々に昇圧することで、絹粒子と高圧流体で可塑化した被覆材との密度差を減少させ、絹粒子を高圧流体で可塑化した被覆材中に分散させる。絹粒子と被覆材との割合は特に限定されないが、絹粒子約1質量部に対して、被覆材は0.001質量部〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは0.05質量部〜1.5質量部である。この工程における圧力は、絹粒子を被覆材と均一に接触させるため、および次の工程において高圧流体の排出と膨張を効率的に行うために、72〜400kg/cmであることが好ましく、より好ましくは100〜200kg/cmである。温度は、308〜393K(35〜120℃)であることが好ましく、より好ましくは313〜363K(40〜90℃)である。
本発明の製造方法では、撹拌翼を有する撹拌槽が備えられた高圧チャンバーを用い、この撹拌槽において絹粒子と被覆材とを接触させることが好ましい。例えば、撹拌翼10は、図1に示すように、溶液を撹拌する翼(ブレード)11と電気モーターからの動力を伝達し、高圧セル中央で翼(ブレード)11を支えるシャフト12とからなる。撹拌は、好ましくは平板型またはパドル型の撹拌翼によって行われる。撹拌によって、絹粒子が流体中に均一に分散され、被覆材と効率よく接触され得る。直径50mmの円筒型の内部形状を有する容積500mLの高圧容器に対して、翼径30mmの平板型(長さ10mm、幅5mm)の撹拌翼(4枚)を用いた場合、撹拌は、好ましくは400rpm(2300m/sの翼先端速度)以上、より好ましくは1000rpm(5600m/sの翼先端速度)以上の回転速度で行われ得る。
次いで、絹粒子およびアクリル系樹脂を含む高圧流体を、大気圧下へ噴出させて膨張させる。この工程において、高圧流体を大気圧下へ噴出させる手段は、特に限定されない。例えば、高圧状態の容器内で混合溶解した高圧流体を、ノズルなどを用いて、容器外に噴出させる手段などが挙げられる。
本発明の方法で使用されるコーティング絹微粒子製造装置は、上記の工程を行い得る装置であれば、特に限定されない。高圧状態下で混合溶解した高圧流体を、ノズルなどを用いて、大気圧下に噴出させて急速に膨張させてコーティング絹微粒子を得る方法に用い得る装置としては、例えば、特許文献3などで開示された公知の装置を使用することができる。
(実施例1)
株式会社森博多織社より提供された絹繊維(蚕繭より生成した絹織物用)10gを用いて、耐圧300kg/cm;内容積500cmのオートクレーブ(図示せず)中にて、120℃熱水蒸気処理(45分間、水蒸気と接触する)を施し、その後、家庭用電子レンジ(マイクロ波加熱器、500W、1分30秒)で絹繊維を加熱処理した。熱水蒸気処理ならびにマイクロ波加熱処理した後、絹繊維をはさみにて、長さ3mm以下に切った。長さ3mm以下に切りそろえた絹繊維を、凍結粉砕装置(SPEX社製フリーザーミル6770型;6770 Freezer/Mill)にて、液体窒素雰囲気下−196℃にて、2分間凍結粉砕し、絹粒子を得た。絹粒子は、平均粒径約20μmに調製した。
絹粒子5gと、アクリル系樹脂としてポリメチルメタクリレート(重量平均分子量30000:三菱ガス化学株式会社製PMMA)5gとを用いて、コーティング絹微粒子製造実験を行った。高圧流体としては超臨界二酸化炭素を用いた。
高圧チャンバー内で、高圧流体をアクリル系樹脂(PMMA)に溶解し、アクリル系樹脂を可塑化(粘度を低くして流動性を高める)するために、撹拌機付き高圧チャンバー(容積500cm)に、上記絹粒子とポリメチルメタクリレートを入れ、二酸化炭素を用いて、温度・圧力操作条件として、35℃で約80kg/cm付近まで昇圧した。高圧チャンバー内を1000rpmで撹拌しながら、予め高圧チャンバー内に仕込んでおいた絹粒子と高圧流体で可塑化したアクリル系樹脂とを接触させた。加温しつつ、二酸化炭素をさらに供給することで、圧力を徐々に昇圧し、絹粒子と高圧流体で可塑化したアクリル系樹脂との密度差を減少させ、絹粒子を高圧流体で可塑化したアクリル系樹脂中に分散させた。撹拌は、平板型の撹拌翼(シャフトと翼との角度は30度)によって行った。撹拌によって、無機粒子は流体中に均一に分散し、アクリル系樹脂と効率よく接触した。直径50mmの円筒型の内部形状を有する容積500mLの高圧容器に対して、翼径30mmの平板型(長さ10mm、幅5mm)の撹拌翼(4枚)を用いた。撹拌は、1000rpm(5600m/sの翼先端速度)の回転速度で行った。1000rpmで撹拌しながら徐々に圧力を上げ、最終的に60℃、200kg/cm付近で安定させた後、大気圧下のair bath内に二酸化炭素を排出して膨張させた。air bath内の粒子を回収し、コーティングされた絹微粒子を得た。
得られたコーティング絹微粒子を、透過型電子顕微鏡により観察した。コーティング前の絹粒子の電子顕微鏡写真を図2に、上記実施例1で得られたコーティング絹微粒子の電子顕微鏡写真を図3に示す。図3からわかるように、平均粒径20μmの粒子が多数得られた。得られたコーティング絹微粒子の内部には絹粒子が存在し、外部はアクリル系樹脂で覆われていた。
(実施例2)
上記実施例1で得られたコーティング絹微粒子の、他の化粧品材料または医薬品材料との親和性について検討した。実施例1で得られたコーティング絹微粒子および以下の各成分を均一に混合・撹拌して絹粒子を含む化粧用クリームを得た。
<化粧用クリームの組成(化粧用クリーム100g中の各g数)>
コーティング絹微粒子 1g
トリエチルヘキサノイン 12g
1,3‐ブチレングリコール 9g
グリセリン 9g
ミリスチン酸オクチルドデシル 5g
スクワラン 3g
レシチン 3g
水添ナタネ油アルコール 3g
マルチトール 3g
アスコルビン酸 0.1g
精製水 53.9g
防腐剤 適量
香料 適量
コーティング絹微粒子が、化粧用クリーム内で均一に混合されていることを官能試験(人皮膚への塗り実験)により確認した。
本発明のコーティング絹微粒子は、他の食品材料、化粧品材料または医薬品材料との親和性が高い。したがって、従来は絹粒子を含むことが困難であった剤型の化粧品や医薬品などの材料としても好適に用いることができ、絹粒子を含む製品を種々の剤型で製造することが可能となる。さらに、本発明によれば、安全性が高く製造コストが低い簡易な製造工程で、コーティング絹微粒子を提供することができる。
10 撹拌翼
11 翼(ブレード)
12 シャフト

Claims (7)

  1. 超臨界状態もしくは亜臨界状態の高圧流体の存在下で、絹粒子と被覆材とを接触させる工程、および
    得られた混合物を大気圧下へ噴出させて膨張させる工程、
    を含む、コーティング絹微粒子の製造方法。
  2. 前記被覆材が、アクリル系樹脂およびポリ乳酸からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記アクリル系樹脂がポリメチルメタクリレートを含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記高圧流体が超臨界二酸化炭素である、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記コーティング絹微粒子の平均粒径が0.1μmから200μmである、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 絹粒子が被覆材でコーティングされた、コーティング絹微粒子。
  7. 前記被覆材が、アクリル系樹脂およびポリ乳酸からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項6に記載のコーティング絹微粒子。
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