JP6899556B2 - シルクナノファイバーの製造方法、複合材料、およびシルクナノファイバーフィルム - Google Patents

シルクナノファイバーの製造方法、複合材料、およびシルクナノファイバーフィルム Download PDF

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Description

本発明は、シルクナノファイバーの製造方法、複合材料、およびシルクナノファイバーを用いたフィルムに関する。
シルクは、繊維質を豊富に含む天然素材であり、従来、絹織物の原料、近年では化粧品や健康食品の素材として利用されている。人工血管、人工皮膚、コンタクトレンズの素材としても検討がなされている。
また、シルク由来のグリーンコンポジット等の複合材料および医療分野における生体適合材料の開発を目的として、ナノレベルで均一に微細化(ナノファイバー化)されたシルクを得るための研究が活発に行われている。しかし、シルクは、セルロース、キチン、キトサンなどの生体高分子と類似した構造を形成しているために微細化が困難である。
また、シルクを可溶し、エレクトロスピニング法で作製する方法の研究も進んでいる(例えば、特許文献1,2参照)が、これらの方法では、シルクの微細化が不十分である。
特許第5186671号公報 特許第5470569号公報
シルクは、その強固な結晶構造のための利用可能な用途に制限があった。シルクの有効利用には、結晶性生体高分子であるシルクの高効率かつ連続的な微細化処理方法の開発が必須である。本発明の目的は、上記問題点に鑑み、シルクを効率的かつ十分にナノファイバー化することにある。
本発明の一態様によれば、pH8.0〜11のシルクの分散流体(以下、分散流体という。)を粉砕処理して、分散流体中のシルクを粉砕することを含む、シルクナノファイバーの製造方法が提供される。
かかる構成によれば、シルクを効率的かつ十分にナノファイバー化することができる。
本発明の別の態様によれば、粉砕処理は、分散流体を噴射して、衝突用硬質体に衝突させること、または分散流体を噴射して、2つ以上の分散流体同士を衝突させることを含む。
かかる構成によれば、シルクをより効率的かつ十分にナノファイバー化することができる。
本発明の別の態様によれば、分散流体の噴射圧力は100〜245MPa、噴射速度は440〜700m/sである。
かかる構成によれば、シルクをより効率的かつ十分にナノファイバー化することができる。
本発明の別の態様によれば、分散流体が、内径0.1〜0.8mmのオリフィスノズルから噴射される。
かかる構成によれば、圧力エネルギーを噴射の速度エネルギーに変換することができる。
本発明の別の態様によれば、分散流体には、炭酸塩が溶解されている。
炭酸塩は、シルクを構成するセリシンとフィブロインに作用し、繊維状であるフィブロインをウォータージェットによって、セリシンから取り出すことができる。
このような構成によれば、入手が容易な試薬により、分散流体を、安価かつ簡便にアルカリ性にすることができる。
本発明の別の態様によれば、分散流体には、アルカリ金属水酸化物、四ホウ酸ナトリウム十水和物、またはこれらの混合物が溶解されている。
これらの塩は、シルクを構成するセリシンとフィブロインに作用し、フィブロインをウォータージェットによって、セリシンから取り出すことができる。また、セリシンとフィブロインに対する作用がより適している。
このような構成によれば、入手が容易な試薬により、分散流体を、安価かつ簡便にアルカリ性にすることができる。
本発明の別の態様によれば、分散流体には、リン酸塩が溶解される。
リン酸塩は、シルクを構成するセリシンとフィブロインに作用し、フィブロインをウォータージェットによって、セリシンから取り出すことができる。また、セリシンとフィブロインに対する作用がより適している。
このような構成によれば、入手が容易な試薬により、分散流体を安価かつ簡便にアルカリ性にすることができる。
本発明の別の態様によれば、シルクナノファイバーの平均径が10〜100nmである。このような構成によれば、シルクナノファイバーが十分にナノファイバー化されている。
本発明の別の態様によれば、上記のシルクナノファイバーを含む複合材料が提供される。
本発明の別の態様によれば、上記のシルクナノファイバーを含むシルクナノファイバーフィルムが提供される。
本技術を用いることによって、シルクの効率的なナノファイバー化が可能となる。得られたシルクナノファイバーは、その抗菌性・創傷治癒性・生分解性などの特性を利用して、医療分野における生体適合材料の開発に適用可能である。
シングル噴射チャンバで処理したシルクの分散状態。 本発明に使用される微細化装置のシングル噴射チャンバの概略構成を示す模式図。 微細化装置の回路の概略構成を示す模式図。 従来の微細化装置のチェックバルブの内部構造の拡大部分断面図。 改良された微細化装置のチェックバルブの内部構造の拡大断面図。 (A),(B)従来の原料タンクの拡大断面図。 改良された原料タンクの拡大断面図。 シルクナノファイバーの電界放射型走査電子顕微鏡の写真。 シルクフィルムの写真。
本発明の実施の形態について、以下に詳細に説明する。
シルク(原料、絹とも言う)は、カイコ(家蚕、野蚕)由来の高分子、特に、水に難溶性の高分子を意味する。繊維状、粒状など、任意の形態を用いることができ、市販の原料を使用してもよい。微細化装置を用いて分散流体を高圧噴射処理すると、シルクは繊維の長さを保ったまま繊維同士の絡まりがほどけて細くなるが、噴射圧力や処理回数などの処理条件を変えることで、繊維の切断もしくは分子量を低下させることも可能である。
シルクの分散流体(以下、分散流体という)は、シルクを溶媒に分散させたものである。溶媒は、好ましくは水であり、任意選択でアルカリ試薬を添加することができる。従来、シルクのナノファイバー化には、臼(ディスクミル)やエレクトロスピニング法などが用いられているが、生産効率は低く、微細化の均一性にも問題があった。本発明のシルクナノファイバーの製造方法によれば、触媒や有害な薬品を一切使用せず、ナノファイバー化に供する分散流体のpHをアルカリ側へシフトすることのみで、シルクナノファイバーの作製用に適した分散流体を得ることができる。よって、本発明のシルクナノファイバーの製造方法は、環境低負荷なシルクの開繊およびナノファイバー化技術である。
分散流体は、シルクの濃度が薄い場合は、流動性が高くなるが、シルクが微細化するにしたがって粘性が高くなり、シルクの濃度が高くなるとペーストに近い性状となる。分散流体中のシルクの濃度は、高濃度ほどシルクのナノファイバー化の処理効率が高まるため好ましいが、ナノレベルの微細化した繊維により、分散流体の粘度が高くなりすぎ、分散流体がペースト状になると高圧噴射が困難になる。
分散流体中のシルクの濃度は、例えば1〜20質量%程度、好ましくは5〜20質量%程度、より好ましくは10〜20質量%程度、さらに好ましくは11〜20質量%程度であってもよい。
ナノファイバーは、繊維の幅がナノサイズになったものを意味する。例えば、シルクは、本発明の製造方法によって、繊維同士がほどけて1本の最小単位の繊維になると、その直径が10〜50nm程度となる。シルク(原料)ないしシルクナノファイバーの直径(幅)は、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM、以下、電子顕微鏡という。)写真により測定することができる。このような繊維において、長さはナノサイズではなくても、直径(幅)がナノサイズであるので、ナノファイバーと記載する。
本発明のシルクナノファイバーの製造方法は、pH8.0〜11の分散流体を粉砕処理して分散流体中のシルクを粉砕することを含む。粉砕処理の例としては、分散流体を噴射して、衝突用硬質体に衝突させること、および分散流体を噴射して、2つ以上の分散流体同士を衝突させること等が挙げられる。
粉砕装置により粉砕処理する場合、グラインダー、ボールミル、ビーズミル、アトライター、ホモジナイザー等の公知の粉砕装置を使用することができる。粉砕装置による粉砕時間、粉砕速度等を適宜変更することにより、シルクナノファイバーが得られることが当業者には理解できる。
分散流体を噴射させて分散流体中のシルクを粉砕する場合、好ましくは、分散流体を、1又は2つ以上のノズルより噴射し、ノズルから吐出された分散流体を衝突用硬質体に衝突させるか、または別のノズルから吐出された分散流体と衝突させることにより、シルクが粉砕、微細化される。
噴射圧力及び噴射速度は限定されないが、好ましくは、噴射圧力は100〜245MP
a、噴射速度は440〜700m/sである。
上記の製造方法により得られたシルクナノファイバーの平均繊維径(平均径)は、好ましくは10〜100nm、より好ましくは10〜40nm、最も好ましくは15〜25nmである。
一実施形態では、シルクナノファイバーの平均径は、好ましくは100nm以下、より好ましくは80nm以下、さらに好ましくは60nm以下、特に40nm以下である。
本発明では、シルクナノファイバーの平均径が非常に細いため、水に分散させた場合に、肉眼観察で透明または半透明の分散流体を得ることもできる。こうして得られたシルクナノファイバーから、複合材料または透明または半透明のフィルムを得ることができる。
複合材料としては、シルクナノファイバーをフィラーとし、ポリオレフィン樹脂、ビニル系樹脂、ポリアミド樹脂等の樹脂を、フィラーを分散させるマトリックスとした複合材料;シルクナノファイバーと樹脂製の基材との複合化により得られた透明フィルムまたは透明樹脂である複合材料;シルクナノファイバーと、水素結合形成可能なフェノール樹脂、ポリエチレングリコール、ポリエチレンテレフタラート、ポリビニルアルコールなどの高分子との複合材料;シルクナノファイバーと、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリカプロラクトンなどの生分解性樹脂との複合材料;化学修飾により疎水性にしたシルクナノファイバーと、アクリル樹脂などの疎水性樹脂との複合材料;シルクナノファイバーとセルロースナノファイバーとの複合材料;等が挙げられる。
シルクナノファイバーのフィルムは、微細化装置を用いて製造したシルクナノファイバーまたはシルクナノファイバーを含む分散流体を、シャーレ等の容器に流し入れ(キャスト)、乾燥させることにより製造することができる。フィルム化の方法は、特に制限はなく、フィルム作製に一般的に用いられているフィルムアプリケーターや吸引濾過などの操作後に、シルクナノファイバーを乾燥させることでフィルムを作製することができる。乾燥は、加熱あるいは常温乾燥により行うことができる。
フィルムの透明度は、微細化装置を用いた微細(ナノファイバー)化の度合いに応じて、調節することができる。可視光波長(400〜800nm)に対して1/10以下の大きさの物体は、光の散乱を生じないという物理的原理に従って、20nmの均一幅で微細化されたシルクナノファイバーフィルムは非常に高い透明性を示す。微細化装置を用いて微細化されたシルクナノファイバーについても同様なフィルムを作製することができる。
図1は、遠心後(15,000rpm)の各分散流体の状態の写真である。ウォータージェット処理(分散流体を高圧噴射する処理)を施していないシルクは、遠心を行う必要もなく沈殿するのに対し(図1の左側の容器)、図2に示したシングル噴射チャンバ10を用いてウォータージェットで処理したシルクは、遠心後(15,000rpm)も分散流体中に均一に分散(不透明ゲルを形成)している(図1の右側の容器)ことがわかる。
シルクナノファイバーは、繊維長/繊維幅(アスペクト比)が大きいため、強度を保ちつつ、ナノファイバーが絡み合ったフィルム状またはシート状に成型することが容易であり、各種の材料として好適に使用できる。シルクナノファイバーを用いたフィルムは、繊維幅が極めて細く、透明性が高いという特徴がある。なお、厚みが0.2mm以上の板状体をシート、厚みが0.2mm未満の板状体をフィルムとする。
本発明者らは、ウォータージェットの技術を基にバイオマスに特化した新規微細化技術の開発に成功した。また、シルクをアルカリ性の溶媒中に分散させることで、シルクが十分に微細化されることを見出した。以下、分散流体を高圧噴射させてシルクナノファイバーを製造する方法、得られたシルクナノファイバー、およびかかる方法の実施に使用され
る微細化装置の詳細について説明する。
図1の右側の容器のシルクナノファイバーのゲルを、シャーレにキャストした後、乾燥させると、シルクナノファイバーから形成された透明または半透明なフィルムが得られる。
シルクナノファイバーを用いてできるフィルムは、透明な紙と同義である。紙の透明化は、原理として、紙層中(繊維間)の光の屈折(散乱)頻度を下げ、不透明性を減ずることにある。一般の上質紙は、体積中に50%前後の空気を含んでおり、繊維間には微細な空隙が数多く存在する。そのため、無数にある両者の界面で光が複雑に屈折することにより、紙が白く不透明に見える。可視光の波長は、400〜800nmであるから、それより十分小さい物体(1/10以下)は光の散乱を生じないとみなすことができる。
従って、紙を透明にするためには、繊維を可視光波長より細く(1/10以下)するだけでなく、繊維間の空隙も可視光波長より十分細くしなければならない。
微細化装置を用いたナノファイバー化の工程を、図2を参照しながら説明する。本発明では、出願人である株式会社スギノマシンが開発したウォータージェットを用いた微細化装置を用いて、分散流体をノズルより高圧噴射することによって、シルクナノファイバーを生成する。
図2は、本発明にて使用される微細化装置のシングル噴射チャンバ10の概略構成を示す模式図である。シングル噴射チャンバ10は、分散流体加圧部11と、分散流体加圧部11の下流側に設けられたオリフィスノズル12と、オリフィスノズル12の下流側に設けられた衝撃増強領域14と、衝突増強領域14の下流側に設けられた衝突用硬質体15と、回収用流路16とを備えている。
分散流体を、分散流体加圧部11にて100〜245MPaの超高圧に加圧し、微細なオリフィスノズル12から高圧で噴射し、シルクナノファイバーを得る。
分散流体に添加するアルカリ試薬としては、特に限定されないが、例えば、炭酸塩、アルカリ金属水酸化物、四ホウ酸ナトリウム十水和物、リン酸塩、およびそれらの混合物が挙げられる。
炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩が挙げられる。
アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられる。
リン酸塩としては、リン酸ナトリウム(例えばリン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム)、リン酸カリウム(例えば、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム)、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、メタリン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩などが挙げられる。これらのリン酸塩を単独でまたは組み合わせて使用することができる。シルクの成分であるフィブロインへの影響の点で、特に炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、またはこれらの混合物が好ましい。アルカリの添加により、シルクの開繊およびファイバー化が簡素になり、その効率を高めることができる。さらに、電解溶液のpHを特定の範囲に保つため、かかるアルカリ試薬を含む、バッファー効果の期待できるアルカリ性の溶媒を、シルクを分散させる溶媒として用いるのが好ましい。
また、分散流体は、好ましくは、常温でシルクと混合させるだけでよく、加温などの前工程を加えることなく、シルクナノファイバーの製造の工程に入ることができる。さらに、分散流体中のシルクは、可溶せず短時間で沈殿する。このため適時撹拌した後で、微細化装置での微細化処理をおこなうことで、可溶化せずともシルクナノファイバーを得ることができる。
オリフィスノズル12からの吐出流は、440〜700m/sの高速噴流となるが、その速度までに加速されるオリフィス13内では、高い剪断力が発生する。オリフィスノズル12には、一つのオリフィス13が設けられており、シングル噴射とは一つのオリフィス13を介した噴射を指す。オリフィスノズル12内のオリフィス13の直径は、好ましくは0.1〜0.8mm、好ましくは0.4mmである。ここで使用するオリフィスノズル12の直径は、好ましくは0.4mmと極端に薄いため、圧力エネルギーの大部分ほぼ100%を噴射の速度エネルギーに変換できる。すなわち、オリフィス13では、0.1〜0.8mmという狭い隙間と、440〜700m/sの超高速の状態となり、高い剪断力を得るための構成要素が満たされている。

[剪断力]=[分散流体の粘度]×[速度]/[隙間]
また、440〜700m/sの高速噴流(高圧噴射状態)では、キャビテーション気泡が発生し、この気泡が消滅することによって強い衝撃力が発生する。オリフィスノズル12の後に衝撃増強領域14を設けることで、キャビテーションを効率的に発生させることができる。
また、微細化装置は、構造上の噴流受けとして、衝突用硬質体15としてのセラミック硬質体を備える。結晶化度をより低下させるためには、噴射圧力を高くし噴流の速度の速い領域を用い、この衝突用硬質体15への衝突力も粉砕に利用する。つまり、高圧噴射して衝突用硬質体15に衝突させた分散流体を、ノズル12より衝突用硬質体15に向けて高圧噴射する操作を必要な回数(パス回数)、例えば1〜50回程度、好ましくは1〜40回程度、より好ましくは1〜30回程度、さらに好ましくは1〜20回程度、特に好ましくは1〜10回程度繰り返す。シルクは、衝突用硬質体15に衝突することで、繊維の絡まりがほどけ、繊維径が縮小し、ナノサイズに微細化していく。なお、衝突用硬質体15は、ボール状、平板状などの形状が想定できる。
次に、微細化装置の回路1について、図3を参照しながら説明する。図3中、点線の四角で囲まれた部分は、図2のシングル噴射チャンバ10に対応する。
微細化装置の回路1において、原料タンク2には分散流体3が収容される。原料タンク2の上部には密閉蓋2aが配置される。原料タンク2の下部には給液ポンプ4が原料タンク2と一体化して設けられている。
原料タンク2からの分散流体3は、モータから動力を供給された原料タンク2内のプロペラ2bにより撹拌、混合されて、給液配管5を介してシングル噴射チャンバ10に向かって送られる。原料タンク2から原料タンク2へ向かう給液配管5の途中にはチェックバルブ6が設けられ、チェックバルブ6において給液配管5は増圧機7と接続され、増圧機7はさらに油圧発生・制御部8に接続されており、原料である分散流体3はシングル噴射チャンバ10のオリフィスノズル12に入る前に、油圧発生・制御部8の制御下で増圧機7により加圧される。
図3の回路1は、高濃度(高粘度)の分散流体に対応している。煎断力には、原料のスラリー粘度も影響するため、高濃度対応回路とすることによって、より効果的にシルクをナノファイバー化することができる。従来、シルクのナノファイバー化では、シルクの濃度2質量%の処理が限界とされてきたが、微細化装置の回路1内の各ユニットにおいて、以下の改良を施すことで、濃度10〜20質量%までの高濃度(高粘度)シルクのナノファイバー化処理を可能にした。
増圧機7(高圧ポンプ)に分散流体3を供給する給液配管5の内径を40〜50mmに
大径化し、さらに原料タンク2と給液ポンプ4を一体化させることで、従来、分散流体3の吸込み時に発生していた配管による圧力損失をなくすことができ、高濃度(高粘度)の分散流体3を増圧機7へ供給することができる。圧力損失と配管内径、配管長さ、原料の粘性には次の関係がある。

[圧力損失]∝[配管長さ]×[原料の粘性]/([配管内径]の4乗)
通常、100MPa以上の増圧機7型高圧ポンプ用の給液ポンプには、締め切り運転が可能なエア式ダイヤフラムポンプを用いるが、エア圧が一般の工場エア0.5MPaであるため、押し込み力は、その0.5MPaに制限される。締め切り運転ができて、押し込み圧力0.5MPaで高濃度(高粘度)シルクを増圧機7に供給する場合、上記の圧損低減が有効である。
増圧機7へ供給する途中に存在するチェックバルブ6(逆止弁)も高圧シール性を得るため、一般のチェックバルブ6は圧力損失の大きい構造であるが、本願では、チェックバルブ6の内部構造をシンプル化することで圧力損失を低減できる。
より具体的には、図4を参照するように、従来のチェックバルブ6は、ボールホルダ20内に保持されたボール状のボール弁21が、ボールホルダ20に一端で取り付けられたスプリング22の他端により付勢され、スプリング22とは反対側でバルブシート23に受承された構成であるが、従来のチェックバルブ6では、シール性を重視するため、ボール弁21をスプリング22で押し付けている。そのため、高濃度でかつ繊維状物質を含有する分散流体3がスプリング22内の通路を通過するときに抵抗となり、十分に供給できていなかった。なお、図において、矢印25Aの方向から分散流体3が供給されてチェックバルブ6に入り、チェックバルブ6から矢印25Bの方向に吐出される。
そこで、本願では、図5に示すように、ボール弁21の押し付けのスプリング22を排除し、押し付け力は、分散流体3自身の圧力によるものとした。また、流体自身の圧力のみでのシール性を向上させるため、スラリーのシールに用いられる密封シート24の材質を、従来の樹脂から、よりシール性を重視して柔軟性を持たせた樹脂とゴムとの中間強度の材質に変更した。柔軟性のある方がシール性は向上する。つまり、分散流体3が高粘性になると、むしろ漏れが発生しにくく、シール性が良くなる傾向がある。従来の硬度を持った改良型の密封シート24は研磨性の高いスラリーに対して用いられているが、今回使用する材料はバイオマスであり、研磨性が高くないため、軟質材から形成された密封シート24でも耐磨耗性は十分である。
次に、図6(A),(B)に示すように、従来の原料タンク2の構成では、10−20質量%の高粘度スラリーは原料タンク2内で架橋を起こし、原料タンク2下の吸込み口でラットホール3aを形成する。この場合、増圧機7にエアが混入するため、高圧ポンプに昇圧不良を引き起こす。プロペラ2bによる撹拌や原料タンク2の壁面への衝撃では高濃度(高粘度)の分散流体3を原料タンク2の下方で平坦化し、吸込み口へ送り込むことは不可能である。
そこで、図7に示すように、原料タンク2を密閉蓋2aで密閉し、外部に漏れないように密閉蓋2aをシールし、内部に分散流体3を原料タンク2内に送り込む。原料タンク2の出口では、給液ポンプ4で分散流体が吸引されるため、原料タンク2内の分散流体3は、常に一定量に保たれている。この状態を保持することで、高濃度(高粘度)の分散流体の複数回噴射処理が可能となる。原料タンク2内部では、混合のためプロペラ2bを回す。
以上のように、ウォータージェットの技術を応用したキャビテーション効果、および硬質体とシルクを互いに衝突させて微細化する効果が最適化された噴射チャンバと、高濃度・高粘度の分散流体の処理に対応した回路を備えた微細化装置とを組み合わせることで、シルクの剪断効果を高め、均一幅で微細化されたシルクナノファイバーを連続して大量に製造することができる。得られたシルクナノファイバーは、電子顕微鏡を用いて観察することができる。
なお、本発明は、衝突用硬質体15を用いる代わりに、あるいは衝突用硬質体15を用いることに加えて、ウォータージェット処理した
1.シルクナノファイバーの製造および分散流体の粘度測定
実施例1〜3および比較例1,2のウォータージェット処理した分散流体について、各分散流体の粘度を粘度計で測定した。
なお、実施例のウォータージェット処理においては、分散流体を100〜245MPaの高圧に加圧し、直径0.4mmの一つの(シングル)オリフィスノズルから高圧で噴射し、ナノファイバーを得た。また、噴射された分散流体は、ボール状のセラミック硬質体に衝突させた。
実施例1〜3および比較例1,2の分散流体のpH調整には、実施例1では、炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムの混合物、実施例2では、四ホウ酸ナトリウム十水和物、実施例3では、リン酸二水素カリウムとリン酸水素二ナトリウムの混合物を用いた。
(実施例1)
溶媒である水の水素イオン濃度(pH)を11にしてウォータージェット処理した分散流体の粘度を、B型粘度計で計測した。測定条件は、スピンドルの回転速度100rpm、サンプル量は2質量%の分散流体を8ml、測定温度は25℃とし、測定開始後10分後の結果を読み取った。
(実施例2)
溶媒である水の水素イオン濃度(pH)を9.2にしてウォータージェット処理した分散流体の粘度を、B型粘度計で計測した。測定条件は、スピンドルの回転速度100rpm、サンプル量は8ml、測定温度は25℃とし、測定開始後10分後の結果を読み取った。
(実施例3)
溶媒である水の水素イオン濃度(pH)を8.0にしてウォータージェット処理した分散流体の粘度を、B型粘度計で計測した。測定条件は、スピンドルの回転速度100rpm、サンプル量は8ml、測定温度は25℃とし、測定開始後10分後の結果を読み取った。
(比較例1)
溶媒である水の水素イオン濃度(pH)を7.5にしてウォータージェット処理した分散流体の粘度を、B型粘度計で計測した。測定条件は、スピンドルの回転速度100rpm、サンプル量は8ml、測定温度は25℃とし、測定開始後10分後の結果を読み取った。
(比較例2)
溶媒である水の水素イオン濃度(pH)を6.9にしてウォータージェット処理した分散流体の粘度を、B型粘度計で計測した。測定条件は、スピンドルの回転速度100rp
m、サンプル量は8ml、測定温度は25℃で測定開始後10分後の結果を読み取った。
表1に示されるように、溶媒である水の水素イオン濃度(pH)をアルカリ側にシフトすることで、粘性上昇が確認された。
2.電子顕微鏡によるシルクナノファイバーの観察および平均径測定
実施例1〜3および比較例1,2のウォータージェット処理した分散流体の各々をt−ブタノールで置換し、凍結乾燥させた。乾燥させた試料に、白金とパラジウムの混合物の蒸着を約3ナノメートルの膜厚で行った。実施例1〜3および比較例1,2の分散流体から得られたシルクナノファイバーについて、電子顕微鏡であるJEOL社のJSM−6700を用いて加速電圧2.0kVの条件で電子顕微鏡観察を行った。図8に示すのは、実施例2のウォータージェット処理によりナノファイバー化されたシルクのFE−SEM写真である。
電子顕微鏡によるシルクナノファイバーの観察では、比較例1,2の中性付近の分散流体は微細化されているだけであるが、実施例1〜3のアルカリでウォータージェット処理した分散流体では、ファイバー形状であることが確認された。
また、上記電子顕微鏡下で、実施例1〜3および比較例1,2の分散流体中のシルクナノファイバーを観察し、平均径を測定した。結果を表1に示す。実施例1〜3のシルクナノファイバーの平均径は100mn以下と小さく、比較例1,2のシルクナノファイバーの平均径は実施例1〜3のそれよりはるかに大きいことが分かった。
3.シルクナノファイバーのフィルム化
次に、シルクナノファイバーのフィルム化を製作し、検証を行った。
微細化装置を用いて製造したシルクナノファイバーを、シャーレに流し入れ(キャスト)、できるだけ薄くキャストした後に、乾燥機で50℃にて乾燥させ、シルクナノファイバーのフィルムを得た。図9は実施例2のシルクナノファイバーから製造されたフィルム(「Silk Nano Fiberと書いた紙の手前の透明フィルム)の写真である。表1に示すように、実施例1〜3のシルクナノファイバーから製造されたフィルムは透明であったが、比較例1のシルクナノファイバーからは、シルクが微細化されるだけで、粘性も持たないため、フィルムを製造することはできなかった。
Figure 0006899556
本発明によれば、ウォータージェットをコア技術とした微細化装置により、シルクをナノファイバー化することで、シルクの幅広い有効利用が可能になる。
シルクナノファイバーは、非常になめらかな感触であって、保湿作用、スキンケア作用、抗菌作用、新陳代謝の促進作用などが期待できる。そこで、シルクのナノファイバー化によって得られる光学特性を生かした化粧品(サンスクリーン剤)や有機EL、液晶基板などに用いることができる。
また、シルクの水酸基を様々な官能基に置換することで、異なる特性・機能をもった分離・濾過材を製造することができる。さらに、シルクナノファイバーの直径を制御することで、空隙の大きさを変えることができ、シルク繊維間に生じたナノオーダーの空隙を生かしたフィルターを製造することができる。
また、シルクは、カチオン性ポリマーであることから、医薬品を保持する力があり、医
薬品の担体として徐放性を示すことが知られている。服用した薬は、体内に吸収されると肝臓へ送られて解毒され、残りが血液中に出て全身を回り、患部に到達して効力をあらわす。よって服用する薬は肝臓で解毒される量を見越して投与される。シルクナノファイバーを医薬品担体として用いれば、徐々に薬を放出することで医薬品の効力の持続性を高めることができ、少ない量で効果を示すことで副作用の軽減に役立つことができる。
また、シルクを原料としたコンタクトレンズの開発が現在検討されているが、この場合、縫合糸の製造と同様にアミド溶媒で溶解させてゲル化したシルクを特殊な凝固液でアミド溶媒を除去し乾燥させることで透明なレンズを得ることを想定している。つまり、コンタクトレンズは、原材料をアミド溶媒に溶かして透明で粘調なドープを得た後、特殊な凝固液にてアミド溶媒を除去し、乾燥させて透明なレンズを得るが、シルクナノファイバーを用いると特殊なアミド溶媒を必要とせず、乾燥だけでレンズ状の透明な成形体を作製することができる。シルクナノファイバーは、厚みを持たせて乾燥させるだけで簡単にレンズ状に成形可能であることから、コンタクトレンズとしてだけでなくバイオマス由来の光学・透明材料として用いることができる。
シルクナノファイバーをフィラーとして用いる際の合成高分子樹脂として、ポリオレフィン樹脂、ビニル系樹脂、ポリアミド樹脂などの重縮合系樹脂などが上げられる。シルクと等しい屈折率のエポキシなどの透明基材(樹脂)との複合化により、新機能性透明フィルムまたは樹脂を合成することができる。特に、シルクナノファイバーは、水素結合形成可能なフェノール樹脂、ポリエチレングリコール、ポリエチレンテレフタラート、ポリビニルアルコールなどの高分子と複合化することで、強度ないし表面特性を変えることができる。
シルクナノファイバーは、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリカプロラクトンなどの生分解性樹脂との複合化により、これら樹脂の強度、耐熱性などの特性を向上させることができる。
シルクナノファイバーの表面改質(化学修飾)により、上記以外の性質を持つ樹脂、例えばシルクナノファイバーをアセチル化し、疎水性の性質を持たせることで、アクリル樹脂などの疎水性樹脂との複合化も可能になる。
シルクも分子内に反応性の高いアミノ基と水酸基を有することから、様々な化学修飾が可能な天然高分子材料である。また、シルクは、タンパク質や金属など数多くの物質を吸着する性質が知られている。シルクナノファイバーは、比表面積が増大していることから吸着体として適しており、これを乾燥させてできるフィルムは、ナノレベルで制御された空隙を持つ多孔質膜であることから、酵素などの生体触媒の固定化担体、分離精製などのクロマトグラフィー用の担体、あるいは細胞培養基質に用いることができる。
また、シルクは、抗菌・防臭性を示すことから、衣類、日用品、インテリアなどの繊維に本発明のシルクナノファイバーを配合することで、これらの製品に抗菌・防臭効果を付与することができる。
従来、封筒の窓材には透明樹脂フィルムが使用されてきたが、樹脂フィルムは、禁忌品としてリサイクルを妨げるため、最近ではグラシン紙や水性ワックスを含浸した塗工紙など、リサイクル可能な紙素材に移行しつつある。このような動きは封筒窓材だけでなく、各種包装材料分野においても同様であり、従来の透明フィルムをリサイクル可能な紙素材に置き換えるべく、透明紙に注目が集まっている。シルクナノファイバーを用いたフィルムは、100%バイオマス由来のものであるので、リサイクル可能な封筒窓材、塗工紙、上質紙、各種包装材料として使用することができる。
さらに、シルクとアニオン性ポリマーであるセルロースのナノファイバー同士を組み合わせることで、電荷による静電引力の補強効果が期待され、より強固なナノファイバーの創製も可能である。紙の強度に関与する最も主要な因子は繊維間の接着強さであり、セルロースの水酸基間の水素結合で決定される。紙の強度を高めるためには、水素結合を増やせばよいことになる。シルクは、上記の性質に加えてセルロースに類似した化学構造で直鎖状であることからセルロースと親和性が高く、紙力増強剤、また、インクジェットインクの受容体として使用されているが、N−ヒドロキシル化などの化学修飾により可溶化させる必要がある。本発明のシルクナノファイバーは、既に水に均一分散しているため化学修飾する必要がなく、単純に塗布あるいは配合するだけでインクジェット印刷用紙などを高機能化させることができる。
また、本発明のシルクナノファイバーを酸素非存在下(窒素あるいはアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下)高温処理することで炭化することができる。すなわち、バイオマス由来のシルクナノ炭素繊維を製造することができる。ナノレベルの小さな孔を大量に含む多孔質炭素は、脱臭剤や脱色剤、あるいは水浄化用のフィルターとして利用されており、本発明のシルクナノファイバーを炭化させてできるシルクナノ炭化繊維もそのような分野へ利用することができる。また、多孔質炭素はその小さな孔(細孔)に臭いや汚れの分子を捕らえるだけでなく、電気の力を借りればイオン(電荷を帯びた原子や分子)も捕らえることができる。捉えた電荷は、取り出すこともできるので、これを利用して大容量のキャパシタ(コンデンサ)が開発されている。このようなキャパシタは、燃料電池自動車の補助電源や夜間の余った電力を蓄える貯蔵庫としても使えるので、近年、非常に注目されている。電気二重層キャパシタの静電容量は電気二重層に蓄えられる電荷量により決定されることから、電極の表面積が大きいほど大きな静電容量を得ることができるため、高い導電性と比表面積を有する活性炭が電極材料として用いられている。本発明のシルクナノファイバーを炭化させてできるシルクナノ炭素繊維は高比表面積を有し、細孔がナノレベルで制御されたメソポーラス活性炭であることから、電気二重層キャパシタなどの静電容量を飛躍的に高める電極材料として使用することができる。
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることは言うまでもない。
3…分散流体、12…オリフィスノズル、15…衝突用硬質体。

Claims (13)

  1. pH8.0〜11のシルクの分散流体を粉砕処理して、前記分散流体中のシルクを粉砕することを含む、シルクナノファイバーの製造方法。
  2. 前記粉砕処理は、前記分散流体を噴射して、衝突用硬質体に衝突させること、または前記分散流体を噴射して、2つ以上のシルクの分散流体同士を衝突させることを含む、請求項1に記載のシルクナノファイバーの製造方法。
  3. 前記分散流体の噴射圧力は100〜245MPa、噴射速度は440〜700m/sである請求項2記載のシルクナノファイバーの製造方法。
  4. 前記分散流体を、内径0.1〜0.8mmのオリフィスノズルから噴射する請求項2または3記載のシルクナノファイバーの製造方法。
  5. 前記分散流体には、炭酸塩が溶解されている請求項1〜4のいずれかに記載のシルクナノファイバーの製造方法。
  6. 前記分散流体には、アルカリ金属水酸化物、四ホウ酸ナトリウム十水和物、またはこれらの混合物が溶解されている請求項1〜4のいずれかに記載のシルクナノファイバーの製造方法。
  7. 前記分散流体には、リン酸塩が溶解されている請求項1〜4のいずれかに記載のシルクナノファイバーの製造方法。
  8. シルクナノファイバーの平均径が10〜100nmである請求項1〜7のいずれかに記載のシルクナノファイバーの製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のシルクナノファイバーの製造方法により得られたシルクナノファイバーを含む複合材料。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載のシルクナノファイバーの製造方法により得られたシルクナノファイバーを含むシルクナノファイバーフィルム。
  11. 請求項1〜8のいずれかに記載のシルクナノファイバーの製造方法により得られたシルクナノファイバーを含む分散流体。
  12. 請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法により得られたシルクナノファイバーを、樹脂又は高分子と複合化させる工程を含む、複合材料の製造方法。
  13. 請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法により得られたシルクナノファイバーを、キャストし乾燥させる工程を含む、シルクナノファイバーフィルムの製造方法。
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