JPWO2010113219A1 - 移動局通信装置、移動局間通信システムおよび移動局間通信方法 - Google Patents
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Abstract
Description
上記方式では、通信しようとする車両の台数がある一定値以下である場合、受信スループットは上昇し、良好な車車間通信が実現できるが、車両の台数が一定値を越えると以下のような隠れ端末問題が生じる。
(A)前記移動局の現在位置を検出する移動局位置検出部と、
(B)前記移動局の通路に沿った異なる位置に設けられた複数の割当エリアのそれぞれに対して、互いに異なる送信リソースを割り当てた送信リソース対応情報を記憶し、前記送信リソース対応情報を用いて、検出した前記現在位置に応じて送信リソースを設定する送信リソース設定部と、
(C)設定された前記送信リソースを用いてデータを送信する送信部と、を有する。
また、上記目的は、複数の移動局のそれぞれが上記移動局通信装置を備え、移動局間で無線通信を行う移動局間通信システムにより達成することができる。
(D)前記移動局の現在位置を検出するステップと、
(E)前記移動局の通路に沿った異なる位置に設けられた複数の割当エリアのそれぞれに対して、互いに異なる送信リソースを割り当てた送信リソース対応情報を用いて、検出した前記現在位置に応じて送信リソースを設定するステップと、
(F)設定された前記送信リソースを用いてデータを送信するステップと、を有する。
車車間通信システム10は、道路に沿った異なる位置に複数の割当エリアを設け、この割当エリアのそれぞれに異なる送信リソースを割り当て、車両が割当エリアに位置するとき、車両に搭載された車車間通信装置は、割り当てられた送信リソースを用いて送信を行う。ここで、道路(通路)は、交差点間に挟まれた道路も含む。すなわち、交差点間に挟まれた道路に沿って複数の割当エリアが設けられている場合も含む。図1に示すように、直線の道路上の位置Aの割当エリアに位置する車両aが送信リソースRaを用いて送信を行い、位置Bの割当エリアに位置する車両bが送信リソースRbを用いて送信を行い、車両cがそれぞれの送信データを受信する。このとき、車両a,bが用いる送信リソースが異なるので、車両cにおいて送信データの衝突が起こることなく2つの送信データを受信することができる。すなわち、隠れ衝突問題は生じない。図中、dは、受信位置と位置A、Bとの間で通信が要求される送受信間距離であり、車の衝突防止等のために定められた通信距離を表す。この送受信間距離dで離間する車両a,bと車両cは、互いに通信が可能である。勿論、送受信間距離dより短い距離でも、互いに通信が可能である。送受信間距離dは、例えば80m等である。
Trellis Code)やSTBC(Space Time Block Code)等の受信方式を用いる場合αは小さくすることができる。したがって、αの値を予め設定した場合、このαに応じて、多値変調の方式や符号化率等を適宜設定することで、離間距離がdのとき通信可能で、離間距離がd+αのとき通信できないような車車間通信システム10を構築することができる。
なお、送信リソースを割り当てる割当エリアは、都市における高速道路等を考慮して、路上の高さを含めた3次元のエリアであってもよく、地方道路のように、道路上の2次元のエリアであってもよい。また、割当エリアは、GPS(Global Positioning System)等のように、所定位置を基準とする位置(緯度、経度)と高さ(標高)の少なくとも一方に基づいて定められてもよいし、あるいは、地方道路のような平面的な道路を考慮して、ナビゲーション地図データに基づいて定められてもよい。
図2は、車車間通信システム10に用いる、各車両搭載用の車車間通信装置12の概略の構成を示す図である。
車車間通信装置12は、無線受信部14と、送信データ格納部16と、自車両位置検出部18と、送信リソース設定部20と、無線送信部22と、情報取得部24とを有する。
送信データ格納部16は、無線受信部14から供給された受信データに対して所定の処理を施すとともに、処理結果に応じて送信データを生成し、一時的に送信データを格納する部分である。
自車両位置検出部18は、自車両の現在位置を検出する。自車両位置検出部18は、例えば、GPSを利用して現在位置を検出する構成でもよいし、GPSとともに、車速パルスで走行速度を計測することにより、またジャイロを用いて走行方向を検出することにより、正確な現在位置を検出するように構成してもよい。検出された現在位置の情報は、送信リソース設定部20に供給される。
周波数多重リソース部28は、周波数多重分割方式の通信制御情報を記憶し、処理部34からの要求に応じた通信制御情報を提供する。
符号多重リソース部30は、符号多重分割方式の通信制御情報を記憶し、処理部34からの要求に応じた通信制御情報を提供する。
データベース32は、割当エリアのそれぞれに異なる送信リソースの情報を割り当てた送信リソース対応情報を記憶し、処理部34からの問い合わせに対して、送信リソースを取り出して提供する。
提供を受けた通信制御情報あるいは1つに纏められた通信制御情報は、無線送信部22に提供される。
また、情報取得部24は、特定の車両、例えば、救急車やパトカーや消防車等の緊急車両が、自車両の現在位置を中心とした所定の範囲内に位置するような緊急時、緊急車両が近隣に位置する緊急情報をVICS情報として取得する。このとき、情報取得部24は、緊急時の送信リソース対応情報を取得する。情報取得部24は、このとき取得した緊急時の送信リソース対応情報を、データベース32に提供して記憶させるとともに、送信リソース設定部20に対して、緊急情報を取得したことを知らせ、送信リソース対応情報を、緊急時の送信リソース対応情報に切り替えるよう通知する。これにより、送信リソース設定部20は、緊急車両等の特定の車両の通信を妨害しないように、緊急時の送信リソースを設定する。勿論、情報取得部24が緊急解除の情報を取得した時、緊急時の送信リソース対応情報から以前の送信リソース対応情報に移行する。
車車間通信装置12は、以上のように構成される。
図5(a),(b)は、無線通信で用いる割当エリアを説明する図である。図5(a)では、道路に沿って割当エリアMA(#n−1),MA(#n),MA(#n+1)が設けられている。図中の割当エリアMAは、一定の距離を開けて配置されているが、隣の割当エリアと接触するように配置されてもよい。この割当エリアMAは、交通法規で定められるサイズの車両が収まることのできる大きさであり、車両の最大長さの1〜10倍の長さであり、車両の最大幅を少なくとも有し、1車線の道路幅を超えない幅である。したがって、道路が2車線ある場合は、車線ごとに割当エリアMAが設けられる。
次に、無線送信部22は、設定された送信リソースを用いて、送信データ格納部16に格納され送信データを呼び出して送信する。
周波数多重分割および符号多重分割も同様に行うことができる。
さらに、電波の減衰により干渉が生じない程度に離れている割当エリアに、共通した送信リソースを割り当てることができるので、有限の送信リソースを有効に活用することができる。
車車間通信システム10の効果について、以下のシミュレーションを用いて確認した。
まず、図7に示すように、交差点における車両の衝突を回避するために車両間で通信が要求される送受信間距離dを80mとした。一方、図1に示すαを40mと設定した。すなわち、同じ送信リソースを用いる割当エリアの離間距離2d+αを200mとした。したがって、車車間通信システム10は、離間距離d=80mでは送受信が可能であるが、離間距離d+α=120mでは送受信ができないシステムである。
一方、道路モデルについては、図8に示すように、一辺が50mの碁盤の目のように整然と区画された道路を2次元に展開したモデルを設定した。各割当エリアに割り当てる送信リソースは時間多重分割を用いた。具体的には、送信周期を100m秒とし、送信データ量を100バイトとし、周波数の使用帯域幅を8MMzとした。このとき、総スロット数Cは以下の式で表される。
C = (周波数利用効率)×(使用帯域幅)×(送信周期)
/(1車両当たりの送信データ量)
周波数利用効率は、多値変調方式や符合化率等の方式によって定まる値である。
図9は、多値変調方式の種類及び符号化率が異なる方式A,Bにおける送信周期とスロット数との関係を表すグラフである。方式Aの多値変調方式は64QAMであり、符合化率は5/6である。方式Bの多値変調方式はQPSKであり、符合化率は1/2である。以降では、方式B(QPSK−1/2)を採用し、送信周期が100m秒のときの総スロット数Cを1000とした。
一方、送受信距離に対する電波の減衰による損失を考慮するために、図11に示すような公知のModified Hata model urbanを用いた。
送信電力 20dBm
送信データ量 100バイト
送信周期 100m秒
道路モデル 図10
伝播モデル 図11
通信距離d 80m
距離α 40m
アンテナ構成 1×2(SIMO)
変調方式 変調方式B
キャリア周波数 700MHz
帯域幅 8MHz
NF(雑音指数) 8dB
所要SINR 3dB
このとき、受信車両から送受信間距離d=80m離間した車両から送信された送信データは、正しく受信することができ、受信車両から離間距離d+α=120m離間した車両からの送信データは受信することができなかった。
このシミュレーションにおいて受信できた車両台数Dは、算出された総スループット(Mbps)から以下の式を用いて算出することができる。
D =(総スループット)×(送信周期)/(1車両当たりの送信データ量)
図中、CSMA/CA方式は、キャリアセンスレベルを−93dBm(SINR=3dB)として、図12で示す道路モデルを用いて評価した結果である。
CSMA/CA方式では、道路モデル内の車両台数が150台以降、総スループットが飽和していることがわかる。一方、本システムの車車間通信システム10では、道路モデル内の車両台数が増加しても総スループットは上昇することがわかる。受信できた車両台数Dを算出すると、道路モデル内の車両台数300台に対して受信できた車両台数Dは、車車間通信システム10では300台(=2.4×106×0.1/800)であるのに対し、CSMA/CA方式では62台(=0.5×106×0.1/800)である。これより、車車間通信システム10において受信できた車両台数Dは、CSMA/CA方式対比5倍程度向上することがわかった。したがって、車車間通信システム10は、隠れ端末問題を解決することができる。
12 車車間通信装置
14 無線受信部
16 送信データ格納部
18 自車両位置検出部
20 送信リソース設定部
22 無線送信部
24 情報取得部
26 時間多重リソース部
28 周波数多重リソース部
30 符号多重リソース部
32 データベース
34 処理部
Claims (13)
- 移動局が他の移動局との間で無線通信を行う移動局通信装置であって、
前記移動局の現在位置を検出する移動局位置検出部と、
前記移動局の通路に沿った異なる位置に設けられた複数の割当エリアのそれぞれに対して、互いに異なる送信リソースを割り当てた送信リソース対応情報を記憶し、前記送信リソース対応情報を用いて、検出した前記現在位置に応じて送信リソースを設定する送信リソース設定部と、
設定された前記送信リソースを用いてデータを送信する送信部と、を有することを特徴とする移動局通信装置。 - 前記送信リソースは、時間分割多重、周波数分割多重、および符号分割多重の少なくとも1つの方式を用いて定められる、請求項1に記載の移動局通信装置。
- 前記割当エリアは、通路上の高さを含めた3次元のエリアである、請求項1または2に記載の移動局通信装置。
- 前記割当エリアは、通路上の2次元のエリアである、請求項1または2に記載の移動局通信装置。
- 前記割当エリアは、所定の位置を基準とする位置および高さの少なくとも1つの情報に基づいて定められている、請求項3または4に記載の移動局通信装置。
- 前記移動局は、無線通信を行う車両であり、
前記割当エリアは、ナビゲーション地図データに基づいて定められている、請求項3または4に記載の移動局通信装置。 - 前記送信リソース対応情報を、無線通信によるダウンロードにて取得する情報取得部を備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の移動局通信装置。
- 前記移動局は、無線通信を行う車両であり、
特定の車両が、前記車両の現在位置を中心とした所定の領域内に位置することを表す緊急情報と緊急時の送信リソース対応情報を取得する情報取得部を備え、
前記送信リソース設定部は、前記情報取得部が前記緊急情報を取得したとき、前記送信リソース対応情報を、緊急時の送信リソース対応情報に切り替える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の車車間通信装置。 - 移動局間で無線通信を行う通信システムであって、
前記移動局のそれぞれは、
自移動局の現在位置を検出する移動局位置検出部と、
前記自移動局の通路に沿った異なる位置に設けられた複数の割当エリアのそれぞれに対して、互いに異なる送信リソースを割り当てた送信リソース対応情報を記憶し、前記送信リソース対応情報を用いて、検出した前記現在位置に応じて送信リソースを設定する送信リソース設定部と、
設定された前記送信リソースを用いてデータを送信する送信部と、
他の移動局から送信されたデータを受信する受信部とを有する、ことを特徴とする移動局間通信システム。 - 前記送信リソースは、時間分割多重、周波数分割多重、および符号分割多重の少なくとも1つの方式を用いて定められる、請求項9に記載の移動局間通信システム。
- 移動局間で送受信が要求される送受信間距離が予め定められており、
互いに異なる送信リソースが定められた前記複数の割当エリアは、第1の領域内に設けられ、前記第1の領域の外側には、前記送信リソースと同じ送信リソースが割り当てられた割当エリアを備える第2の領域が設けられ、
前記第1の領域と前記第2の領域の同じ送信リソースを用いる割当エリア間の離間距離がいずれも、前記送受信間距離の2倍より長い、請求項9または10に記載の移動局間通信システム。 - 移動局が他の移動局との間で無線通信を行う移動局間通信方法であって、
前記移動局の現在位置を検出するステップと、
前記移動局の通路に沿った異なる位置に設けられた複数の割当エリアのそれぞれに対して、互いに異なる送信リソースを割り当てた送信リソース対応情報を用いて、検出した前記現在位置に応じて送信リソースを設定するステップと、
設定された前記送信リソースを用いてデータを送信するステップと、を有する、ことを特徴とする移動局間通信方法。 - 前記送信リソースは、時間分割多重、周波数分割多重、および符号分割多重の少なくとも1つの方式を用いて定められる、請求項12に記載の移動局間通信方法。
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