JP2005236836A - 位置検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複局方式を用いた移動通信システムにおいて、電波干渉の影響を受けにくく、位置検出用の支援システムを別途設けず、基地局にて移動局位置を検出する方法を提供すること。
【解決手段】基地局は、各々が無線ゾーンを形成する複数のアンテナ9と、各アンテナ9の受信信号から検波データ列を得る無線部8と、各検波データ列の誤り記号数を得るFEC復号部6と、アンテナ9と無線部8とFEC復号部6とで構成される複数の系統から誤り記号数が最小の系統を選択する系統選択部14と、選択結果に従い1つ系統のデータを選択し出力する出力切替部15と、選択結果計数部13と、車載局位置判定部12とを有し、選択結果計数部13で各系統の選択回数を所定時間累積し、車載局位置判定部12で各系統の選択回数累積値26を比較して受信品質の最も良い系統を判定し、その系統の無線ゾーンに移動局が位置することを検出する。
【選択図】図2
【解決手段】基地局は、各々が無線ゾーンを形成する複数のアンテナ9と、各アンテナ9の受信信号から検波データ列を得る無線部8と、各検波データ列の誤り記号数を得るFEC復号部6と、アンテナ9と無線部8とFEC復号部6とで構成される複数の系統から誤り記号数が最小の系統を選択する系統選択部14と、選択結果に従い1つ系統のデータを選択し出力する出力切替部15と、選択結果計数部13と、車載局位置判定部12とを有し、選択結果計数部13で各系統の選択回数を所定時間累積し、車載局位置判定部12で各系統の選択回数累積値26を比較して受信品質の最も良い系統を判定し、その系統の無線ゾーンに移動局が位置することを検出する。
【選択図】図2
Description
本発明は、複局方式を用いる移動通信システムにおいて、基地局で移動局の位置を検出する方法に関する。
基地局にそれぞれが無線ゾーンを形成する複数のアンテナ配置して同一周波数で同じデータをほぼ同時に送信あるいは受信して通信エリアを拡張形成するいわゆる複局方式を用いる移動通信システムは、移動局がゾーン間を移動する際に周波数チャネルを切り替える必要がない、アンテナの配置によってはビルや近傍大型車両などによる電波の遮蔽を回避できるなどの利点を有している。この利点から、近年、高速走行車両への大容量情報ダウンロードや走行支援道路システム(Advanced Cruise−Assist Highway System)などの実現に向けて、複局方式を用いた路車間通信システムなども検討されている(例えば、非特許文献1)。
移動通信システムでは、移動局の位置に応じて、基地局から移動局に適切な情報を送ることが望ましい場合が多い。例えば、路車間通信システムでは、車載局の走行方向前方の道路状況など、車載局の位置や走行方向に適した情報のみが車載局で受け取られることが望ましい。従って、基地局において通信相手である車載局の位置を知る必要がある。従来、複局方式を用いて長いあるいは広い通信エリアをカバーする路車間通信システムでは、各路側アンテナでの信号の受信レベルを基に車載局の位置を検出する方法や、レーダーや音響センサー等から構成される車載局位置検出用の支援システムを別途設けて車載局の位置を検出する方法(例えば、特許文献1)が用いられていた。
特開2000−4468号公報
H.Takai et al., "A DSRC System Proposal Extended From ARIB STD-T75 using Distributed Antenna and PSK-VP Scheme," ITST2002, pp.239-244, Nov.2002
しかしながら、移動体通信では、電波の干渉やマルチパスの存在下では、移動局の位置する無線ゾーンより他の無線ゾーンの受信レベルが大きくなる場合があり、受信レベルだけでは、移動局の位置を正しく判断できない。また、特許文献1に示された位置検出方法では、レーダーや音響センサー等から構成される車載局位置検出用の支援システムを別途基地局に整備するため、基地局の構成が複雑になるとともにコストが高くなるという問題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、複局方式を用いた移動通信システムにおいて、電波の干渉やマルチパスの影響を受けにくく、位置検出用の支援システムを別途必要とせず、安価に移動局の位置を検出する方法を提供するものである。
前記従来の課題を解決するために、第1の発明の位置検出方法は、基地局において、移動局から送信された誤り検出可能な符号化データ列を含むパケットデータで変調された信号を、それぞれが無線ゾーンを形成する複数のアンテナで受信し、各前記アンテナで受信した信号を検波手段により検波して複数の検波データ列を求め、各前記検波データ列について、誤り検出手段により誤り記号数または誤りの有無を検出し、前記アンテナと前記検波手段と前記誤り検出手段とによって構成される複数の系統のうちから、前記誤り記号数が最小となる系統または誤りの無い系統を、系統選択手段により選択して系統選択結果を出力し、前記系統選択結果に基に前記複数系統の検波データ列のうちから1つを、出力生成手段により選択して出力するとともに、前記系統選択結果を基に所定時間内の各系統の選択回数を選択結果計数手段により累積して各系統の選択回数累積値を出力し、前記各系統の選択回数累積値を、位置判定手段により比較して前記移動局がどの系統の無線ゾーンに位置しているかを検出するものである。
上記のような第1の発明によれば、各系統の誤り記号数または誤りの有無に基づく系統選択結果から受信品質の最も良い系統を判定し、その系統の無線ゾーンに移動局が位置することを検出するので、電波の干渉やマルチパスの影響を受けにくく、位置検出用の支援システムを別途設けずに、安価に移動局の位置を検出できる。さらに、上記のような第1の発明によれば、通信中の復号データを処理しながら位置検出を行うので、リアルタイムな位置検出ができる。
第2の発明の位置検出方法は、第1の発明において、パケットデータは、誤り検出可能な符号化データ列で構成されたブロックを複数個含み、誤り検出手段は、前記ブロック毎に各系統の検波データ列の誤り記号数または誤りの有無を求め、系統選択手段は、複数系統のいずれかを前記ブロック毎に選択し、前記選択結果計数手段は、前記ブロック毎の系統選択結果を基に、各系統の選択回数を複数ブロックに渡り所定時間累積することを特徴とする。
上記のような第2の発明によれば、複数回の系統選択結果を基に受信品質の最も良い系統を検出するので、瞬時的に移動局が位置する無線ゾーンを形成する系統と他の系統との誤り検出結果が一致し他の系統が選択されるようなことがあっても正しい位置検出ができるため、第1の発明の効果に加えて、位置検出の信頼性を向上させることができる。
第3の発明の位置検出方法は、基地局において、移動局から送信された誤り検出可能な符号化データ列を含むパケットデータで変調された信号を、それぞれが無線ゾーンを形成する複数のアンテナで受信し、各前記アンテナで受信した信号を検波手段により検波して複数の検波データ列を求め、各前記検波データ列について、誤り検出手段により誤り記号数または誤りの有無を検出して誤り検出結果として出力し、前記アンテナと前記検波手段と前記誤り検出手段とによって構成される複数の系統のうちから、前記誤り記号数が最小となる系統または誤りの無い系統を、系統選択手段により選択して系統選択結果を出力し、前記系統選択結果に基に前記複数系統の検波データ列のうちから1つを、出力生成手段により選択して出力するとともに、前記誤り検出結果を基に所定時間内の各系統の前記誤り記号数または前記誤りの有または無の回数を誤り数計数手段により累積して各系統の誤り数累積値を出力し、前記各系統の誤り数累積値を、位置判定手段により比較して前記移動局がどの系統の無線ゾーンに位置しているかを検出するものである。
上記のような第3の発明によれば、系統選択結果によらず各系統の誤り記号数または誤りの有/無の回数の累積値に基づき受信品質の最も良い系統を検出し、その系統の無線ゾーンに移動局が位置することを検出できるため、電波の干渉やマルチパスの影響を受けにくく、位置検出用の支援システムを別途設けずに、安価に移動局の位置を検出できる。さらに、上記のような第3の発明によれば、通信中の復号データを処理しながら位置検出を行うので、リアルタイムな位置検出ができる。さらに、系統選択結果によらず各系統の誤り記号数または誤りの有/無の回数の累積値を比較して受信品質の最も良い系統を検出するので、瞬時的に移動局が位置する無線ゾーンを形成する系統と他の系統との誤り検出結果が一致し他の系統が選択されるようなことがあっても正しい位置検出ができるため、位置検出の信頼性を向上させることができる。
第4の発明の位置検出方法は、第3の発明において、パケットデータは、誤り検出可能な符号化データ列で構成されたブロックを複数個含み、誤り検出手段は、前記ブロック毎に各系統の検波データ列の誤り記号数または誤りの有無を求めて誤り検出結果として出力し、前記誤り数計数手段は、前記ブロック毎の前記誤り検出結果を基に、各系統の前記誤り記号数または前記誤りの有または無の回数を複数ブロックに渡り所定時間累積することを特徴とする。
上記のような第4の発明によれば、複数ブロックに渡る各系統の前記誤り記号数または前記誤りの有または無の回数の累積値を基に受信品質の最も良い系統を検出するので、移動局が位置する無線ゾーンを形成する系統と他の系統との誤り記号数や誤りの有無が瞬時的に一致することがあっても正しい位置検出ができるため、第3の発明の効果に加えて、位置検出の信頼性を向上させることができる。
第5の発明の位置検出方法は、第1の発明において、系統選択手段は、所定の優先度を設けて、誤り記号数が最小または誤り無しとなる系統が複数存在する場合に、前記所定の優先度が最も高い系統を選択するものである。
上記のような第5の発明によれば、移動局が存在する無線ゾーンから遠く離れた極端に品質が劣悪な無線ゾーンを形成する系統で誤り検出能力を超えるビット誤りが生じ、誤ってその系統を選択するというような誤選択の発生確率を低減して系統選択の信頼性を向上できるので、第1の発明の効果に加えて、系統選択結果に基づく本発明の位置検出方法の信頼性を向上させることができる。
第6の発明の位置検出方法は、第1の発明において、選択結果計数手段は、同じ移動局から所定時間内に送信された複数パケットデータについて、各系統の選択回数を累積することを特徴とする。上記のような第6の発明によれば、複数回の系統選択結果を基に平均的に受信品質の最も良い系統を検出するので、移動局が位置する無線ゾーンを形成する系統と他の系統との誤り検出結果が瞬時的に一致することがあっても正しい位置検出ができるため、第1の発明の効果に加えて、位置検出の信頼性を向上させることができる。
第7の発明の位置検出方法は、第3の発明において、誤り数計数手段は、同じ移動局から所定時間内に送信された複数パケットデータについて、各系統の誤り記号数または誤りの有または誤りの無の回数を累積することを特徴とする。本発明の方法によれば、複数回の誤り検出結果を基に平均的に受信品質の最も良い系統を検出するので、瞬時的に移動局が位置する無線ゾーンを形成する系統と他の系統との誤り検出結果が一致することがあっても正しい位置検出ができるができるため、第3の発明の効果に加えて、位置検出の信頼性を向上させることができる。
本発明の方法によれば、誤り検出結果に基づく系統選択結果または各系統の誤り検出結果に基づき、受信品質の最も良い系統を判定して、その系統の無線ゾーンに移動局が位置することを検出するので、電波の干渉やマルチパスの影響を受けにくく、位置検出用の支援システムを別途設けず、安価に移動局の位置を検出できる。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の位置検出方法が適用される複局方式を用いた路車間通信システムの構成を示す概念図である。図1において、1は基地局、10は通信制御局、11a〜11nは無線基地局、2は車載局である。そして、図2は本発明の実施の形態1における基地局1の位置検出方法に関わる要部構成を示すブロック図、図3は車載局2から基地局1へバースト状に伝送されるパケットデータの構成図である。図2において、9a〜9nはアンテナ、8a〜8nは無線部、6a〜6nはFEC復号部、12は車載局位置判定部、13は選択結果計数部、14は系統選択部、15は出力切替部、16はデータ処理部である。図3において、71はユニークワード、72a〜72jはブロックである。
図1は、本発明の位置検出方法が適用される複局方式を用いた路車間通信システムの構成を示す概念図である。図1において、1は基地局、10は通信制御局、11a〜11nは無線基地局、2は車載局である。そして、図2は本発明の実施の形態1における基地局1の位置検出方法に関わる要部構成を示すブロック図、図3は車載局2から基地局1へバースト状に伝送されるパケットデータの構成図である。図2において、9a〜9nはアンテナ、8a〜8nは無線部、6a〜6nはFEC復号部、12は車載局位置判定部、13は選択結果計数部、14は系統選択部、15は出力切替部、16はデータ処理部である。図3において、71はユニークワード、72a〜72jはブロックである。
以下、図1、図2、図3を用いて、本発明の位置検出方法が適用される実施の形態1の路車間通信システムの動作について説明する。図1の路車間通信システムは、通信制御局10に道路に沿って配置した複数の無線基地局11a〜11nが接続して構成される基地局1と、車載局2との間で通信を行うものである。無線基地局11a〜11nと通信制御部10は例えば光ファイバーなどにより接続されている。各無線基地局11a〜11nは、各々無線ゾーンa〜無線ゾーンnを形成している。
下り回線(基地局から車載局)において、基地局1は、複数の無線基地局11a〜11nから、同一データを同一周波数の電波で各々無線ゾーンa〜無線ゾーンnに向けてほぼ同時に送信する、いわゆる複局同時送信を行う。
一方、上り回線(車載局から基地局)において、図2に示した各無線基地局のアンテナ9a〜9nは、車載局2から放射された電波をそれぞれ受信し、変調信号20a〜20nを無線部8a〜8nに出力する。変調信号20は、図3に示すデータで変調されている。すなわち、変調信号20を変調しているデータは、ユニークワード71とj個(jは1以上の整数)のブロック72a〜72jとからなるパケットを単位とした構造を有している。ユニークワード71は、有効なデータ列の先頭を検出するためのデータである。ブロック72a〜72jは、例えば、kビットの情報データと2mビットの冗長データ(検査ビット)を並べて構成される、2ビット誤り訂正可能な2元BCH符号で符号化されたデータである。ここで、n、k、mはそれぞれ整数であり、n=k+2mの関係にある。なお、誤り訂正符号として、3ビット以上の訂正が可能な符号を用いることももちろん可能である。なお、本実施の形態では、上記(k×j)ビットの情報データの一部には通信相手である車載局を特定するための車載局ID番号情報が含まれるものとする。
無線部8a〜8nおよびFEC復号部6a〜6nは、アンテナ9a〜9nに対応して設けられている。アンテナ9a〜9nと、無線部8a〜8nと、FEC復号部6a〜6nとによって、変調信号20a〜20nを処理する複数の系統が構成される。
変調信号20a〜20nは各系統でそれぞれ同じ処理を受ける。無線部8a〜8nは、それぞれ、変調信号20a〜20nを検波し、検波データ列21a〜21nを出力する。FEC復号部6a〜6nは、それぞれ、検波データ列21a〜21nに対して、先ずユニークワード71が含まれているか否かを調べ、ユニークワード71が検出できた系統では誤り検出と誤り訂正とを行って、誤り記号数22a〜22nと誤り訂正後の復号データ列23a〜23nとを出力する。また、ユニークワード71が検出できなかった場合、無効な系統としてFEC復号部6は、復号データ列23を出力せず、誤り記号数22を最大の値として出力する。検波データ列21a〜21nは、上述したように、2ビット誤り訂正BCH符号で符号化されているので、誤り記号数22a〜22nは、それぞれ、誤りなし、1ビット誤り、2ビット誤り、または、3ビット以上の誤りのいずれかの値をとる。
系統選択部14は、ブロック毎に、各系統の誤り記号数22a〜22nを比較して誤り記号数の最も小さい系統を選択し、その結果を選択結果24として出力する。選択結果24は、出力切替部15と選択結果計数部13とに供給される。
出力切替部15は、選択結果24に従い、復号データ列23a〜23nのうちから1つの復号データ列を選択し、その結果を出力データ列25として出力する。このようにして、基地局1では、複数の系統で得られた検波データ列のうち最も受信品質の良いものを選択する。
一方、選択結果計数部13は、選択結果24を基に、各系統が所定時間内にそれぞれ何回選択されたかを累積カウントして、各系統の選択回数累積値26a〜26nを出力する。本実施の形態では、選択結果計数部13は、所定時間を図3に示したパケット1個分の処理時間として累積カウントを行う。
車載局位置判定部12は、各系統の選択回数累積値26a〜26nを比較して、選択回数累積値が最大となる系統が形成する無線ゾーンに通信相手の車載局が位置していると判定し、車載局位置判定結果27を出力する。
データ処理部16では、出力データ列25に含まれる車載局ID番号を識別するとともに車載局位置判定結果27を受信して、識別したID番号の車載局が車載局位置判定結果27の示す無線ゾーンに位置していることを検出する。
一般に、各系統の受信品質は、主に車載局と各無線基地局11a〜11nとの間の伝搬距離とアンテナの指向性とによって定まる伝送損失に大きく影響される。各無線基地局11a〜11nの形成する無線ゾーンは、この伝送損失を考慮して各々その無線ゾーン内に位置する車載局と基地局の間で所要の受信品質が得られるように設計されており、車載局が位置する無線ゾーンから離れた無線ゾーンを形成する系統ほど受信品質が悪く、車載局が位置する無線ゾーンを形成する系統が最も良い品質が得られる。
従って、本実施の形態の位置検出方法によれば、各系統の検波データ列の誤り記号数に基づいて、最も受信品質の良いと考えられる系統をブロック毎に選択しながら、所定時間内の各系統の累積選択回数を比較することにより、所定時間内の最良の受信品質を有する系統を判定して、その判定結果からどの無線ゾーンに通信相手の車載局が位置するかが検出できる。従って、受信信号のレベルに依存した位置検出方法に比べて電波の干渉やマルチパスの影響を受けにくく、車載局の位置を検出するためのレーダーや音響センサー等で構成される車載局位置検出用の支援システムを別途必要とせず、安価に通信相手である車載局の位置を検出できる。さらに、本実施の形態の位置検出方法によれば、制御チャネルや通信チャネルの区別なく、通信中の復号データを処理しながら位置検出を行うので、リアルタイムな位置検出ができる。
なお、上記実施の形態1では、車載局から伝送されるパケットデータのブロック72a〜72jは、図3のように誤り検出に加えて、誤り訂正まで可能な2元BCH符号で符号化されたブロック構成としたが、図4のように、情報データ列81と、CRC符号やパリティ符号など情報データ列81中のビット誤りを検出するためのビット誤り検出符号82とで構成した場合にも、本発明の位置検出方法は適用可能である。図4のデータ構成の場合、FEC復号部6a〜6nは、それぞれ、情報データ82を抽出して復号データとし、誤り記号数の代わりにビット誤りの有無を誤り検出結果として出力する。そして、系統選択部14は誤り検出結果を基にビット誤りの無かった系統を選択し、選択結果24を出力する。
なお、上記の実施の形態において、選択結果計数部13で各系統が何回選択されたかを累積カウントする所定時間(以下、累積カウント時間と呼ぶ)は、図3に示したパケット1個分の処理時間、すなわちj回の選択を行う時間としたが、累積カウント時間は、この限りではなく、例えば、j回より少ないi回の選択を行う時間とすることも可能である。例えば、i=1とすることも可能である。i=1とすれば、累積カウントの必要がないため、選択結果計数部13を設けず、選択結果24を直接車載局位置判定部12に入力して車載局位置の検出が行えるため、通信制御局10の回路規模を縮小できる。
但し、ブロック72a〜72jを本実施の形態のように冗長度の低い誤り訂正符号を用いて構成した場合、車載局が実際に位置するゾーン(図1の場合、無線ゾーンbと無線ゾーンc)から遠く離れたゾーン(図1の場合、無線ゾーンnなど)を形成する系統では、受信品質が悪すぎて誤り訂正符号の訂正能力を越える誤りの発生により、誤って誤り記号数を少なく算出してしまい、その結果系統選択部14で誤って系統を選択してしまう(以下、誤選択と呼ぶ)ことも稀に起こり得る。また、図3、図4におけるブロック72a〜72jのビット長nが短い場合には、ブロック72a〜72jのうちの1つだけの誤り記号数や誤りの有無を比較すると、車載局が実際に位置するゾーンの近傍ゾーン(図1の場合、無線ゾーンa)を形成する系統でも、無線ゾーンbおよび無線ゾーンcを形成する系統と同じになる場合も有り得る。このような場合に、車載局が実際に位置するゾーンの近傍のゾーンを形成する系統を選択してしまう(以下、近傍選択と呼ぶ)ことも起こり得る。累積カウント時間を極端に短くすると、上述した誤選択や近傍選択が生じると、車載局検出位置を誤ってしまう。
従って、累積カウント時間は、無線ゾーンの大きさに対して車載局の移動距離が十分小さい範囲内で、ある程度長い方が望ましい。ある程度長い時間にわたる平均した受信品質は、一般に車載局が実際に位置するゾーンを形成している系統の方が他の系統に比べて良い。したがって、ブロック72a〜72jに冗長度の低い誤り訂正符号を用いたり、ブロック72a〜72jのビット長nが短い場合には、ある程度の長さの累積カウント時間を設けて複数のブロックの系統選択結果を基に車載局位置を判定することにより、上述の誤選択や近傍選択の影響を回避でき、より確実に車載局位置を検出することができる。
なお、誤り記号数が最小となる系統が複数存在した場合の系統選択部14における系統選択方法については、ランダムに選択することも可能であるが、予め優先順位を設けて選択することが望ましい。例えば、特開2003−32161号公報に開示されている方法を用いて、誤り記号数が最小の系統が複数存在する場合には、そのうちから、無線ゾーンが前回選択した系統が形成する無線ゾーンに近い順に優先度を設けて選択する方法を用いればよい。この選択方法を用いることにより、車載局が存在する無線ゾーンから遠く離れた極端に品質が劣悪な無線ゾーンを形成する系統を誤って選択するというような誤選択の発生確率を低減することができるため、基地局における系統選択の信頼性が向上し、その結果として、系統選択結果に基づいて車載局位置検出を行う本発明の位置検出方法の信頼性も向上させることができる。
以下、本発明の位置検出方法を、ARIB標準規格STD−T75のQPSK方式に則った狭域通信(DSRC)システムに適用した場合について、具体的な数値を挙げて説明する。
図5は、DSRCシステムのTDMAフレーム構成例を示したものである。図5(a)に示すように、DSRCシステムのTDMAフレームは、フレーム制御用のフレームコントロールメッセージスロット(FCMS)と、データ伝送用のメッセージデータスロット(MDS)と、車載局が基地局の通信リンクに登録するためのアクチベーションスロット(ACTS)などにより構成される。
FCMSは、下り回線のみに割り当てられた制御用スロットであり、1つのTDMAフレームには必ず先頭のスロットに存在する。基地局は、FCMSにおいて、基地局が運用する無線周波数、フレーム周期、通信を許可した車載局に割当てられたスロット位置などのフレーム構成情報を多重したフレームコントロールメッセージチャネル(FCMC)を送信する。車載局では、このFCMCを受信してフレーム同期を確立し、フレーム構成を認識する。ACTSは、上り回線のみに割り当てられたスロットであり、車載局は、ACTSにおいて、基地局との通信開始に先立ち基地局に対してリンク接続を要求するためのアクチベーションチャネル(ACTC)を送信する。基地局は、このACTCを受信し、リンク接続要求のあった車載局に対して次のフレーム以降で車載局からのデータ伝送用のMDSを割り当て、割り当て情報をFCMCに多重して送信する。車載局は、FCMCを受信して、自局へ割り当てられたMDSを認識し、図5(b)に示すように、路車間でのデータ交換を行うデータメッセージチャネル(MDC)を自局に割り当てられた上り回線のMDSで送信し、自局に割り当てられた下り回線ではMDCの受信確認として送達確認チャネル(ACKC)を返信する。MDCは、図5(c)に示すように、ランプビット(R)と、ビット同期用のプリアンブル(PR)と、MDC中の情報データの先頭位置を検出するためのユニークワード(UW)と、情報データを含む31個のブロックと、テールビット(T)で構成されている。各ブロックは、2ビット誤り訂正可能な(63、51)BCH符号を用いて構成されている。すなわち、各ブロックは51ビットの情報データに12ビット誤り訂正符号を付加した計63ビットの長さを持つ。
上述のフレーム構成で通信する路車間通信システムにおいて、基地局1では、複数の系統で受信した車載局2からのMDCをFEC復号部6a〜6nで復号し、ブロックごとに、各系統の誤り記号数22a〜22nを系統選択部14で比較して誤り記号数の最も小さい系統を選択し、選択結果24を得る。そして、累積カウント時間を1つのMDCパケットの全ブロックを選択し終わるまでの時間として、選択結果計数部13において、選択結果24を基に各系統がそれぞれ何回選択されたかを累積カウントして、各系統についての選択回数累積値26a〜26nを出力する。MDCパケット1個分には31個の誤り訂正ブロックがあるので、パケット1個分の処理が終了した時点における各系統の選択回数累積値26はそれぞれ0〜31の値となり、すべての系統の累積値を合計すると31となる。車載局位置判定部12は、各系統の選択回数累積値26a〜26nを比較して、選択回数累積値が最大となる系統が形成する無線ゾーンに通信相手の車載局が位置していると判定し、車載局位置判定結果27を出力する。
ARIB標準規格STD−T75では、MDCパケットには車載局IDは含まれていないが、上述したFCMCとACTCを用いて路車間でプライベートリンクアドレス(LID)を共有することにより、上り回線のMDSはスロットごとに1つの特定の車載局に割り当てられているので、基地局ではスロットタイミングからどの車載局が現在送信しているかが認識できている。そこで、データ処理部16では、スロットタイミングから車載局のLIDを認識するとともに車載局位置判定結果27を受信して、通信相手の車載局が車載局位置判定結果27の示す無線ゾーンに位置していることを検出する。
ARIB標準規格STD−T75のQPSK方式では、信号速度が4096.000kbpsなので、1つのMDCの全誤り訂正ブロック31個を伝送するの要する時間は約477μsec程度しかかからず、この間に車載局が移動する距離は、車両の走行速度を仮に180km/hとしても、2.4cm程度である。従って、累積カウント時間を1つのMDCパケットの全ブロックを選択し終わるまでの時間としても、車載局がこの間に移動する距離はわずかで、位置検出の間、車載局は1つの系統が形成する無線ゾーンに位置すると考えられる。
従って、本実施の形態の位置検出方法をARIB標準規格STD−T75のQPSK方式を用いる路車間通信システムに適用して、車載局からのMDCパケットを受信した際に各系統の検波データ列の誤り記号数に基づいて、最も受信品質の良いと考えられる系統をブロック毎に選択し、1つのMDCパケットに含まれる全ブロックを選択し終えた時点の各系統の累積選択回数を比較することにより、最良の受信品質を有する系統を判定して、その判定結果からどの無線ゾーンに通信相手の車載局が位置するかが検出できる。従って、受信信号のレベルに依存した位置検出方法に比べて電波の干渉やマルチパスの影響を受けにくく、車載局の位置を検出するためのレーダーや音響センサー等で構成される車載局位置検出用の支援システムを別途必要とせず、安価に通信相手である車載局の位置を検出できる。しかも、本実施の形態の位置検出方法によれば、データ伝送に用いるMDCを復号処理しながら位置検出を行うので、リアルタイムな位置検出ができる。
なお、上述した実施の形態においては、本発明の位置検出方法を用いて、基地局1が上りのMDCを処理しながら車載局の位置検出を行う例について説明したが、MDCに代えて上りのACKCを用いて、基地局1が車載局の位置検出を行うことも可能である。但し、ACKCは、図5(d)に示したように、情報データ(AI)と誤り検出用CRC符号でブロックが構成されており、1つのパケットには1つのブロックしか存在しない。また情報データ、CRC符号を合わせた1ブロックのビット長は24ビットしかない。そのため、1つのACKC受信だけで車載局位置検出を行うと、上述した近傍選択によって、位置検出を誤る恐れがある。従って、位置検出にACKCを用いる場合には、累積カウント時間を同じ車載局からの複数回のACKC受信時の選択時間として、位置検出を行う方ことが望ましい。
例えば、1フレームがARIB標準規格STD−T75の最大長である9スロット構成で、ある1つの車載局に下りのMDSスロットを毎フレームに1つずつ割り当て、基地局は同じ車載局から毎フレーム1回のACKCを受信するものとし、累積カウント時間を同じ車載局からの10回のACKC受信時の選択時間とする。この場合、1フレーム周期は、約7msecなので、10フレームの伝送に要する時間は高々約70msec、この間に車載局が移動する距離は、車両の走行速度を仮に180km/hとしても、3.5m程度である。従来の路車間通信システムの代表例の一つである電波ビーコンを用いるVICSなどでは1つの無線ゾーン長は数十m程度に設計されている。この程度の無線ゾーン長を想定した場合、上記した累積カウント時間内に車載局が移動する距離は無線ゾーン長に比べて十分小さく、位置検出の間、車載局は1つの無線ゾーンに位置するか、あるいは、2つの無線ゾーンの境界付近に位置すると考えられる。
従って、本発明の位置検出方法をARIB標準規格STD−T75に準じた路車間通信システムに適用し、累積カウント時間を同じ車載局からの複数回のACKC受信時の選択時間として、所定回のACKCパケットを選択し終えた時点の各系統の累積選択回数を比較することにより、最良の受信品質を有する系統を判定して、その判定結果からどの無線ゾーンに通信相手の車載局が位置するかが検出できる。
なお、車載局が2つの無線ゾーンの境界付近に位置する場合には、累積選択回数が2つの系統で同程度となることも有り得るが、この場合、どちらの系統が形成する無線ゾーンに車載局が位置すると判定しても、無線ゾーンサイズ程度の位置検出精度は保たれる。また、累積選択回数が2つの系統で同程度になった場合、その2つの系統が各々構成する無線ゾーンがオーバーラップする付近に車載局が位置していると判定してもよい。複数回数の選択結果を基に、このような位置判定を行えば、車載局がどの無線ゾーンに位置しているかが検出できるだけでなく、無線ゾーンのオーバーラップする境界付近に位置しているのか、無線ゾーンのオーバーラップしていない付近に位置しているのかまで検出できるため、位置検出の精度を向上できる。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2における基地局の位置検出方法に関わる要部構成を示すブロック図である。図6において17は誤り記号数計数部であり、図2と同一の参照番号を付したその他の構成要素は、実施の形態1の基地局の構成要素と同じものであり、動作の説明を極力省略する。また、本実施の形態も、実施の形態1と同じ図1に概念図を示したいわゆる複局方式を用いる路車間通信システムに適用されるものであり、車載局2から基地局1へバースト状に伝送されるパケットデータの構成も、実施の形態1と同じ図3に示したものであるので、それらについての説明を省略する。
図6は、本発明の実施の形態2における基地局の位置検出方法に関わる要部構成を示すブロック図である。図6において17は誤り記号数計数部であり、図2と同一の参照番号を付したその他の構成要素は、実施の形態1の基地局の構成要素と同じものであり、動作の説明を極力省略する。また、本実施の形態も、実施の形態1と同じ図1に概念図を示したいわゆる複局方式を用いる路車間通信システムに適用されるものであり、車載局2から基地局1へバースト状に伝送されるパケットデータの構成も、実施の形態1と同じ図3に示したものであるので、それらについての説明を省略する。
本実施の形態では、実施の形態1における選択結果計数部13に代えて、誤り記号数計数部17を有している点が、実施の形態1と異なる。
図6において、FEC復号部6a〜6nは、それぞれ、検波データ列21a〜21nに対して、先ずユニークワード71が含まれているか否かを調べ、ユニークワード71が検出できた系統では誤り検出と誤り訂正とを行って、誤り訂正後の復号データ列23a〜23nを出力切替部15を出力するとともに、誤り記号数22a〜22nを系統選択部14と誤り記号数計数部17とに出力する。
系統選択部14は、ブロック毎に、各系統の誤り記号数22a〜22nを比較して誤り記号数の最も小さい系統を選択し、その結果を選択結果24として出力切替部15にのみ出力する。
誤り記号数計数部17は、ブロックごとにFEC復号部6a〜6nから入力される誤り記号数22a〜22nを、所定時間、各系統について累積カウントして、累積誤り記号数28a〜28nを出力する。本実施の形態では、誤り記号数計数部17は、所定時間を図3に示したパケット1個分の処理時間として累積カウントを行う。
車載局位置判定部12は、各系統の累積誤り記号数28a〜28nを比較して、累積誤り記号数が最小となる系統が形成する無線ゾーンに通信相手の車載局が位置していると判定し、車載局位置判定結果27をデータ処理部16に出力する。
データ処理部16では、出力データ列25に含まれる車載局ID番号を識別するとともに車載局位置判定結果27を受信して、識別したID番号の車載局が車載局位置判定結果27の示す無線ゾーンに位置していることを検出する。
なお、一般に、オーバーラップしている無線ゾーンを形成している複数の系統の受信品質は、ほぼ同等と考えられる。従って、無線ゾーンのオーバーラップする地点に通信相手の車載局が位置する場合、オーバーラップしている無線ゾーンを形成している複数の系統の累積誤り記号数は、同じになることが多い。そこで、累積誤り記号数が最小となる系統が複数存在する場合には、車載局位置判定部12は、それら複数の系統の構成する無線ゾーンがオーバーラップしている地点に通信相手の車載局が位置していると判定し、その旨を示す車載局位置判定結果27をデータ処理部16に出力すればよい。
以上のように、本実施の形態の位置検出方法によれば、各系統の検波データ列の誤り記号数に基づいて、最も受信品質の良いと考えられる系統をブロック毎に選択しながら、所定時間内の各系統の累積誤り記号数を比較することにより、所定時間内の最良の受信品質を有する系統を判定して、その判定結果からどの無線ゾーンに通信相手の車載局が位置するかが検出できる。従って、受信信号のレベルに依存した位置検出方法に比べて電波の干渉やマルチパスの影響を受けにくく、車載局の位置を検出するためのレーダーや音響センサー等で構成される車載局位置検出用の支援システムを別途必要とせず、安価に通信相手である車載局の位置を検出できる。さらに、本実施の形態の位置検出方法によれば、制御チャネルや通信チャネルの区別なく、通信中の復号データを処理しながら位置検出を行うので、リアルタイムな位置検出ができる。
なお、上記実施の形態2においても実施の形態1と同じく、ブロック72a〜72jは、図4のようにCRC符号やパリティ符号などビット誤りを検出する符号を含む構成とした場合にも、本発明の位置検出方法は適用可能である。図4のデータ構成の場合、誤り記号数計数部17は、FEC復号部6a〜6nから出力されるビット誤りの有無を示す誤り検出結果を基に、所定時間内の各系統のビット誤りの有りまたは無しの回数を累積し、累積誤り記号数28a〜28nとして出力する。そして、車載局位置判定部12は、各系統の累積誤り記号数28a〜28nを比較して、所定時間内にビット誤りの有りと判定された回数が最小となる系統が形成する無線ゾーンに通信相手の車載局が位置していると判定し、車載局位置判定結果27をデータ処理部16に出力する。
また、上記の実施の形態においても、誤り記号数計数部17で各系統の誤り記号数を累積カウントする所定時間(以下、累積カウント時間と呼ぶ)は、実施の形態1と同じく、図3に示したパケット1個分の処理時間、すなわちj回の選択を行う時間としたが、累積カウント時間は、この限りではなく、例えば、j回より少ないi回の選択を行う時間とすることも可能である。但し、ブロック72a〜72jに冗長度の低い誤り訂正符号を用いる場合や、ブロック72a〜72jのビット長nが短い場合には、実施の形態1と同じく、ある程度の長さの累積カウント時間を設けて多数個のブロックの誤り記号数累積結果を基に車載局位置を判定することが望ましい。移動局が位置する無線ゾーンを形成する系統と他の系統との誤り記号数や誤りの有無の累積値が一致する可能性は累積カウント時間を長くするほど小さくなるので、ある程度の長さの累積カウント時間を設けて多数個のブロックの誤り記号数累積結果を基に車載局位置を判定することにより、より確実に車載局位置を検出することができる。
なお、本実施の形態の位置検出方法によれば、系統選択結果によらず所定時間内の各系統の累積誤り記号数を基に位置検出を行うので、実施の形態1に比べて、同じ累積カウント時間を設けた場合、より確実な位置検出が行える。例えば、累積カウント時間をブロック3個分の処理時間とする。今、図1の無線ゾーンcに通信相手の車載局が位置し、無線ゾーンa、無線ゾーンb、無線ゾーンc、無線ゾーンnを各々形成する系統の誤り記号数が、第1ブロックについて各々0、0、0、0、第1ブロックについて各々1、0、0、2、第3ブロックについて各々1、1、0、2と検出されたとする。そして、各ブロックの選択結果が、第1ブロックでは誤選択が発生し無線ゾーンnを形成する系統、第2ブロックでは近傍選択が発生し無線ゾーンbを形成する系統、第3ブロックでは無線ゾーンcを形成する系統が各々選択されたとする。この時、系統選択回数の累積値は、無線ゾーンa、無線ゾーンb、無線ゾーンc、無線ゾーンnを各々形成する系統の順に、0、1、1、1、各系統の累積誤り記号数は、2、1、0、4となる。実施の形態1の位置検出方法では、系統選択回数の累積値を基にどの系統が最も受信品質の良い系統であるか判定するので、選択回数の累積値が最大の系統の中から最も受信品質の良い系統をランダムに判定し車載局が位置する無線ゾーンを検出すると、上記のように系統選択回数の累積値が得られた場合、3分2の確率で位置検出を誤る。一方、本実施の形態の位置検出方法を用いれば、各系統の累積誤り記号数を基に車載局位置判定部12は、無線ゾーンcを構成する系統が最も受信品質の良い系統であると判定し、車載局が無線ゾーンcに位置していることを検出できる。
なお、上記した実施の形態1、2では、基地局は複数の無線基地局と通信制御局とが離れた構成としたが、基地局の構成はこの限りではなく、複数のアンテナ9a〜9nが各々異なる無線ゾーンを形成し、各アンテナの受信信号に対する検波データ列の誤り検出を行って、1つの系統の検波データ列を選択する基地局であれば本発明の位置検出方法が適用できる。例えば、無線基地局と通信制御局とが離れた構成で、無線部、FEC復号部とも無線基地局側あるいは通信制御局側に配備してもよい。あるいは、通信制御局と複数の無線基地局の部分を1つの筐体に収め、それぞれ互いに異なる方向を指向する複数のアンテナを同じ場所に配置してもよい。
また、上記した実施の形態1、2において、本発明の位置検出方法が適用される複局方式を用いた路車間通信システムとして、各無線基地局が形成する無線ゾーンをオーバーラップさせて1次元直線上に通信エリアを形成する場合を示したが、無線ゾーンをオーバーラップさせずに点在させて通信エリアを形成する場合や、2次元平面上や、3次元空間内に通信エリアを形成する場合にも本発明の位置検出方法は適用可能である。
なお、上記した実施の形態1、2において、本発明の位置検出方法が適用される複局方式を用いた移動通信システムとして路車間通信システムを例に説明したが、本発明の位置検出方法は車載局の位置検出に限らず、例えば、基地局において歩行者の携帯端末の位置検出にも適用可能である。
本発明にかかる位置検出方法は、基地局において移動局の位置を検出する方法であって、基地局において、移動局から送信された誤り検出可能な符号化データ列を含むパケットデータを、異なる無線ゾーンを形成する複数のアンテナで受信し、各アンテナの受信信号を検波し、複数の各前記検波データ列の誤り記号数または誤りの有無を検出して、誤り記号数が最小または誤りの無い検波データ列を複数の検波データ列のうちから1つを選択して復号データを得る、いわゆる複局受信を行う移動通信システムに有用である。
1 基地局
2 車載局
6a〜6n FEC復号部
8a〜8n 無線部
9a〜9n アンテナ
10 通信制御局
11a〜11n 無線基地局
12 車載局位置判定部
13 選択結果計数部
14 系統選択部
15 出力切替部
16 データ処理部
17 誤り記号数計数部
20a〜20n 変調信号
21a〜21n 検波データ列
22a〜22n 誤り記号数
23a〜23n 復号データ列
24 選択結果
25 出力データ列
26a〜26n 選択回数累積値
27 車載局位置判定結果
28a〜28n 累積誤り記号数
71 ユニークワード
72a〜72j ブロック
81 情報データ列
82 ビット誤り検出符号
2 車載局
6a〜6n FEC復号部
8a〜8n 無線部
9a〜9n アンテナ
10 通信制御局
11a〜11n 無線基地局
12 車載局位置判定部
13 選択結果計数部
14 系統選択部
15 出力切替部
16 データ処理部
17 誤り記号数計数部
20a〜20n 変調信号
21a〜21n 検波データ列
22a〜22n 誤り記号数
23a〜23n 復号データ列
24 選択結果
25 出力データ列
26a〜26n 選択回数累積値
27 車載局位置判定結果
28a〜28n 累積誤り記号数
71 ユニークワード
72a〜72j ブロック
81 情報データ列
82 ビット誤り検出符号
Claims (7)
- 基地局において、移動局の通信位置を検出する方法であって、
前記基地局は、移動局から送信された誤り検出可能な符号化データ列を含むパケットデータで変調された信号を、それぞれが無線ゾーンを形成する複数のアンテナで受信し、
各前記アンテナで受信した信号を検波手段により検波して複数の検波データ列を求め、
各前記検波データ列について、誤り検出手段により誤り記号数または誤りの有無を検出し、
前記アンテナと前記検波手段と前記誤り検出手段とによって構成される複数の系統のうちから、前記誤り記号数が最小となる系統または誤りの無い系統を、系統選択手段により選択して系統選択結果を出力し、
前記系統選択結果に基に前記複数系統の検波データ列のうちから1つを、出力生成手段により選択して出力するとともに、
前記系統選択結果を基に所定時間内の各系統の選択回数を選択結果計数手段により累積して各系統の選択回数累積値を出力し、
前記各系統の選択回数累積値を、位置判定手段により比較して前記移動局がどの系統の無線ゾーンに位置しているかを検出することを特徴とする位置検出方法。 - 前記パケットデータは誤り検出可能な符号化データ列で構成されたブロックを複数個含み、
前記誤り検出手段は、前記ブロック毎に各系統の検波データ列の誤り記号数または誤りの有無を検出し、
前記系統選択手段は、前記複数系統のいずれかを前記ブロック毎に選択し、
前記出力生成手段は、前記複数系統の検波データ列のうちから1つを前記ブロック毎に選択し、
前記選択結果計数手段は、前記ブロック毎の系統選択結果を基に、各系統の選択回数を複数ブロックに渡り所定時間累積することを特徴とする請求項1に記載の位置検出方法。 - 基地局において、移動局の通信位置を検出する方法であって、
前記基地局は、移動局から送信された誤り検出可能な符号化データ列を含むパケットデータで変調された信号を、それぞれが無線ゾーンを形成する複数のアンテナで受信し、
各前記アンテナで受信した信号を検波手段により検波して複数の検波データ列を求め、
各前記検波データ列について、誤り検出手段により誤り記号数または誤りの有無を検出して誤り検出結果として出力し、
前記アンテナと前記検波手段と前記誤り検出手段とによって構成される複数の系統のうちから、前記誤り記号数が最小となる系統または誤りの無い系統を、系統選択手段により選択して系統選択結果を出力し、
前記系統選択結果に基に、前記複数系統の検波データ列のうちから1つを、出力生成手段により選択して出力するとともに、
前記誤り検出結果を基に、所定時間内の各系統の前記誤り記号数または前記誤りの有または無の回数を誤り数計数手段により累積して各系統の誤り数累積値を出力し、
前記各系統の誤り数累積値を、位置判定手段により比較して前記移動局がどの系統の無線ゾーンに位置しているかを検出することを特徴とする位置検出方法。 - 前記パケットデータは、誤り検出可能な符号化データ列で構成されたブロックを複数個含み、
前記誤り検出手段は、前記ブロック毎に各系統の検波データ列の誤り記号数または誤りの有無を検出して誤り検出結果として出力し、
前記系統選択手段は、前記複数系統のいずれかを前記ブロック毎に選択し、
前記出力生成手段は、前記複数系統の検波データ列のうちから1つを前記ブロック毎に選択し
前記誤り数計数手段は、前記ブロック毎の前記誤り検出結果を基に、各系統の前記誤り記号数または前記誤りの有または無の回数を複数ブロックに渡り所定時間累積することを特徴とする請求項3に記載の位置検出方法。 - 前記系統選択手段は、所定の優先度を設けて、前記誤り記号数が最小または誤り無しとなる系統が複数存在する場合に、前記所定の優先度が最も高い系統を選択することを特徴とする請求項1記載の位置検出方法。
- 前記選択結果計数手段は、同じ移動局から所定時間内に送信された複数パケットデータについて、各系統の前記選択回数を累積することを特徴とする請求項1に記載の位置検出方法。
- 前記誤り数計数手段は、同じ移動局から所定時間内に送信された複数パケットデータについて、各系統の前記誤り記号数または前記誤りの有または前記誤りの無の回数を累積することを特徴とする請求項3に記載の位置検出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004045882A JP2005236836A (ja) | 2004-02-23 | 2004-02-23 | 位置検出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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ID=35019310
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009077392A (ja) * | 2007-08-03 | 2009-04-09 | Lufthansa Systems Ag | 物体の位置追跡デバイス及び制御方法 |
WO2010113219A1 (ja) * | 2009-04-01 | 2010-10-07 | 富士通株式会社 | 移動局通信装置、移動局間通信システムおよび移動局間通信方法 |
-
2004
- 2004-02-23 JP JP2004045882A patent/JP2005236836A/ja active Pending
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