JPWO2010097952A1 - スピーカ用ボイスコイル - Google Patents
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Abstract
無指向性に近い音響放射性能を有するスピーカ装置を得る。スピーカ用ボイスコイルであって、入力された音声信号が流れる方向に沿って伸縮可能である。
Description
本発明は、スピーカ用ボイスコイル、スピーカ装置に関するものである。
スピーカ用ボイスコイルは、一般には、円筒状のボイスコイルボビンに沿って導線を巻いて形成され、導線が少なくとも円筒状に沿って所定の長さに巻き回されて円筒状のボイスコイルを形成されている。そして、ボイスコイルの円筒軸に沿った幅を有し、ボイスコイルの径方向に沿った磁束を有する磁気ギャップ内にボイスコイルを配置して、磁気ギャップ内でボイスコイルに電流を流すことで、ボイスコイルに円筒軸方向に沿った一軸方向の駆動力(ローレンツ力)を発生させている。
また、下記特許文献1,2には、振動面が湾曲された振動板の端部に振動板の面方向に略沿った位置に振動板駆動装置を配置し、この振動板駆動装置を介して振動板の端部を振動板の振動方向に対して略直角方向に駆動するスピーカ装置が記載されている。
従来のボイスコイルは、ボイスコイルを筒状に巻く場合や径方向に平面的に巻く場合の何れの場合であっても、一つのボイスコイルは一軸方向に沿った駆動力しか発生しないので、振動板の形状によって音響放射方向に広がりをもたせることは可能であるが、ボイスコイルの一軸方向の駆動力によって振動板の振動方向が特定され、その振動板が振動する方向が主な音響放射方向になる。したがって、このようなボイスコイルを用いると、音響放射側の全方位に同等に音を放射する無指向性のスピーカを得ることはできない。特に振動板の正面方向に対して直交する方向には十分な音圧を発生させることができないので、一つのスピーカ装置の正面と側方とでは音圧に大きな差があり、一つの音源から発生する音を音響放射側の全方位で同等に視聴することはできない問題があった。
また、高音用のスピーカユニットと低音用のスピーカユニットによって全帯域を得るスピーカシステムでは、音の伝搬は高音になるほど直進性が強くなるので、低音用のスピーカユニットの音響放射範囲を有効に活用しようとすると、高音用のスピーカユニットに音響レンズを用いるか、或いは放射方向の異なる複数のユニットを用いることが必要になる。このため、音響放射範囲を広げるためには、高音用のスピーカユニットの音響放射方向を拡大するための設置スペースを要することになり、小型で一つの高音用スピーカユニットで低音用スピーカユニットに見合った音の広がりを有するものが求められている。
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、一つの音源から発生する音を音響放射側の全方位で同等に視聴することができるスピーカ装置を得ること、スピーカシステムで用いられる高音用スピーカユニットにおいて、一つのユニットで低音用スピーカに見合った音の広がりを得ることができること、等が本発明の目的である。
このような目的を達成するために、本発明によるスピーカ用ボイスコイル及びスピーカ装置は、以下の各独立請求項に係る構成を少なくとも具備するものである。
[請求項1]スピーカ用ボイスコイルであって、入力された音声信号が流れる方向に沿って伸縮可能であることを特徴とするスピーカ用ボイスコイル。
[請求項8]静止部と、該静止部に直接又は間接的に支持されて振動可能な振動部とを備え、前記静止部は、磁気ギャップを形成する磁気回路を有し、前記振動部は、少なくとも外周部が支持される振動板と、該振動板に直接又は間接的に支持され、前記磁気ギャップ内に配置されて前記振動板を振動させる、環状のボイスコイルとを有し、前記ボイスコイルが、入力された音声信号が流れる方向に沿って伸縮可能な伸縮部を備え、音声信号によって拡縮振動することを特徴とするスピーカ装置。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。本発明の実施形態は図示の内容を含むがこれのみに限定されるものではない。なお、以後の各図の説明で、既に説明した部位と共通する部分は同一符号を付して重複説明を一部省略する。
[スピーカ用ボイスコイル]
図1〜図3は、本発明の実施形態に係るスピーカ装置のボイスコイルを説明する説明図である。本発明の実施形態に係るスピーカ装置に用いられるボイスコイル10は、径方向に拡縮振動するために、径を拡大又は縮小するように変形することが必要になる。ボイスコイル10は、例えば、導線10aを径方向に重ねて巻き回すことで平板状に形成することが好ましい。これによって、径方向のボイスコイル10の幅10Wを振動板11の外周部11Aに接合して効果的にボイスコイル10の駆動力を外周部11Aに伝えることができる。この場合、導線10aの内端と外端からそれぞれ引出配線30,31が引き出されることになる。そして、ボイスコイル10は、入力された音声信号が流れる方向に沿って全体的又は部分的に伸縮可能であり、図示の例では伸縮部10Pを備えている。
図1〜図3は、本発明の実施形態に係るスピーカ装置のボイスコイルを説明する説明図である。本発明の実施形態に係るスピーカ装置に用いられるボイスコイル10は、径方向に拡縮振動するために、径を拡大又は縮小するように変形することが必要になる。ボイスコイル10は、例えば、導線10aを径方向に重ねて巻き回すことで平板状に形成することが好ましい。これによって、径方向のボイスコイル10の幅10Wを振動板11の外周部11Aに接合して効果的にボイスコイル10の駆動力を外周部11Aに伝えることができる。この場合、導線10aの内端と外端からそれぞれ引出配線30,31が引き出されることになる。そして、ボイスコイル10は、入力された音声信号が流れる方向に沿って全体的又は部分的に伸縮可能であり、図示の例では伸縮部10Pを備えている。
また、ボイスコイル10には、巻き回された導線10aの状態を維持すべく、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ゴム、アクリル系樹脂等の接着剤を用いて、導電10aに塗布しても構わなく、或いは樹脂フィルム等を導線10aの保護用フィルムとして導線10aの上に貼り付ける等しても構わない。
また、導線10aを構成する材料として、金属材料の他に、伸縮変形可能な導電性を有する弾性材料であっても構わない。例えば、弾性材料が樹脂材料と、樹脂材料にカーボンナノチューブやグラファイトを添加又は混在させて構成さされる弾性材料が挙げられる。また、必要に応じてイオン性液体も混合させて導電性を改善しても構わない。前述の樹脂材料としてフッ素系樹脂、イオン性液体としてBMITFSI(1-butyl-3-methylimidazolium bis (trifuluoromethanesulfonyl)imide)が挙げられる。
図2及び図3は、伸縮部10Pの形成例を示した説明図である。伸縮部10Pは、音声信号が流れる導線10aを折れ曲がり形状が変形可能に屈折又は屈曲して形成している。図2に示した例では、伸縮部10Pは周方向に沿った所定箇所で複数配置されており、ボイスコイル10を形成する導線10aの屈曲部又は屈折部によって形成されている。図示には略V字状の屈折部を下向きに形成しているがこれに限定されるものではなく、後述する振動板との接合力が確保できれば変更等をしても構わない。この屈折部又は屈曲部からなる伸縮部10Pは、図2(b)に示すように、屈折角度又は屈曲状態を変形することでボイスコイル10の径を拡大又は縮小変形することが可能になる。また、このボイスコイル10は、平面状に巻き回されており、巻き回された平面に対して凹み状(或いは凸状)に伸縮部10Pが形成されている。
図3は、ボイスコイル10に形成される伸縮部10Pの変形例を示している。同図(a)に示す例は、矩形の屈折部又は屈曲部によって伸縮部10P(10P1)を形成している。同図(b)に示す例は、U字形の屈折部又は屈曲部によって伸縮部10P(10P2)を形成している。同図(c)に示す例は、W字形の複数の屈折部又は屈曲部によって伸縮部10P(10P3)を形成している。同図(d)に示す例は、振動板11の振動方向、すなわちボイスコイル10の径方向外側に凸状の屈折部又は屈曲部を形成して、これによって伸縮部10P(10P4)を形成している。同図(e)に示す例は、振動板11の振動方向、すなわちボイスコイル10の径方向内側に凸状の屈折部又は屈曲部を形成して、これによって伸縮部10P(10P5)を形成している。
このような伸縮部10Pをボイスコイル10に形成することで、比較的小さい駆動力でボイスコイル10を拡縮振動させることができる。伸縮部10Pを形成すること無しに導線10aの伸縮変形のみでもボイスコイルを拡縮振動させることは可能であるが、大きな振幅が得られず、低音域に音圧レベルを広げることができない。柔軟な伸縮部10Pを形成することで、スピーカの出力音圧が向上し、f0を下げることができる。
[スピーカ装置の全体構成]
図4は本発明の一実施形態に係るスピーカ装置の説明図である(同図(a)が全体構成を示す断面図、同図(b)が磁気ギャップ付近の要部断面図)。スピーカ装置1は、図1(a)に示すように、静止部2と振動部3とを備える。静止部2は、ボイスコイル10の振動によって直接的に振動しない部位であって、磁気ギャップ20Gを形成する磁気回路20を有し、振動板11を支持する支持部21(磁性体又は非磁性体)や図示省略のフレーム(アルミニウム等の非磁性体)等を含んでいる。振動部3は、静止部2に直接又は間接的に支持されて振動可能な部位であって、ボイスコイル10の振動によって積極的に振動する部位である。ボイスコイル10自身、振動板11、図示省略の振動板11を保持する保持部等が振動部3を形成する。
図4は本発明の一実施形態に係るスピーカ装置の説明図である(同図(a)が全体構成を示す断面図、同図(b)が磁気ギャップ付近の要部断面図)。スピーカ装置1は、図1(a)に示すように、静止部2と振動部3とを備える。静止部2は、ボイスコイル10の振動によって直接的に振動しない部位であって、磁気ギャップ20Gを形成する磁気回路20を有し、振動板11を支持する支持部21(磁性体又は非磁性体)や図示省略のフレーム(アルミニウム等の非磁性体)等を含んでいる。振動部3は、静止部2に直接又は間接的に支持されて振動可能な部位であって、ボイスコイル10の振動によって積極的に振動する部位である。ボイスコイル10自身、振動板11、図示省略の振動板11を保持する保持部等が振動部3を形成する。
なお、振動部3が直接的に支持される場合には、例えば、振動板11が静止部に直接接合又は接着剤で接合される場合や振動板11と保持部が一体に形成されて保持部が静止部に直接接合又は接着剤で接合されるなどが挙げられる。一方、振動部3が間接的に静止部に支持される場合には、例えば振動板11が該振動板11に対し別部材で形成される保持部を介して静止部に直接接合又は接着剤で接合される場合や、振動板11や保持部12とは別材料で形成される部材を介して、振動板11や保持部12が静止部に直接接合又は接着剤で接合される場合などが挙げられる。
振動板11は、少なくとも外周部11Aが静止部2の支持部21に支持されており、磁気ギャップ20G内に配置されるボイスコイル10が外周部11Aに支持されている。外周部11Aに沿って環状にボイスコイル10が形成されており、ボイスコイル10が磁気ギャップ20G内で振動することで、振動板11の外周部11Aを振動させるようになっている。
また、本発明の実施形態に係るスピーカ装置1は、図4(b)に示すように、磁気ギャップ20G内の磁束の向きaが環状に巻かれたボイスコイル10の径方向に常に交わるように形成されており、径方向に沿った幅wの磁気ギャップ20Gがボイスコイル10の周方向に延在している。これに対してボイスコイル10に音声電流を流すと、周方向bの電流によって径方向cのローレンツ力が作用することになる。すなわち、本発明の実施形態に係るスピーカ装置1は、ボイスコイル10に音声電流を流すと、ボイスコイル10には径方向内側に向かう力又は径方向外側に向かう力が作用することになり、ボイスコイル10に交流電流を流すことで、ボイスコイル10には径方向内側に向かう力と径方向外側に向かう力が交互に作用することになる。つまり、スピーカ装置1は、ボイスコイルに交流電流を流すことで、環状のボイスコイル10を径方向に拡縮振動させることができる。
ボイスコイル10が拡縮振動すると、このボイスコイル10を支持する振動板11の外周部11Aがその拡縮振動に応じて径方向に振動することになるので、振動板11を全方位に向けて振動させることが可能になり、無指向性に近い音響を一つの振動板11から発生させることが可能になる。
図4に示した実施形態では、スピーカ装置1の振動板11は中央が凸状のドーム形状の湾曲部11Bを有しており、この湾曲部11Bによって振動板11の胴体部が形成されている。この胴体部の外周に外周部11Aが径方向に沿った平板状に形成されている。
図5は、本発明の実施形態に係るスピーカ装置の音響放射方向を説明する説明図であり、本発明の実施形態に係るスピーカ装置(同図(a))を従来のドーム型スピーカ(同図(b))と比較している。同図(b)に示す従来技術では、ボイスコイル10Jをドーム形状の振動板11Jの中心軸Oに沿って一軸方向に振動(振動方向v0)させているので、振動板11Jから放射される音の音響放射方向s0は中心軸O沿った指向性を有することになり、この中心軸Oに直交する方向には比較的大きい音圧を得ることが難しい。
これに対して本発明の実施形態では、同図(a)に示すように、中心軸Oに直交する径方向にボイスコイル10を拡縮振動(振動方向v)させるので、振動板11から放射される音の音響放射方向sは、径方向に沿って拡がることになり、振動板11の音響放射側のほぼ全方位で所定の音圧を得ることが可能になる。
[振動板の形態]
図6(同図(a)が音響放射側からみた斜視図、同図(b)が平面図、同図(c)が振動板伸縮部11Cの断面図)及び図7は、本発明の実施形態に係るスピーカ装置の振動板を説明する説明図である。図6に示した例は、前述したように振動板11は、径方向に沿った平板状の外周部11Aと中央が音響放射側に凸状のドーム形状の湾曲部11Bを有している。また、振動板11はボイスコイル10の径方向の拡縮振動によって効率的に振動することが必要になる。
図6(同図(a)が音響放射側からみた斜視図、同図(b)が平面図、同図(c)が振動板伸縮部11Cの断面図)及び図7は、本発明の実施形態に係るスピーカ装置の振動板を説明する説明図である。図6に示した例は、前述したように振動板11は、径方向に沿った平板状の外周部11Aと中央が音響放射側に凸状のドーム形状の湾曲部11Bを有している。また、振動板11はボイスコイル10の径方向の拡縮振動によって効率的に振動することが必要になる。
図6に示した振動板11は、ボイスコイル10の振動によって全方位の振動を得るために、その周方向に沿って伸縮する振動板伸縮部11Cを有している。振動板伸縮部11Cは、振動板表面の部分的な屈曲部又は屈折部によって形成されており、図示の例では、振動板11の中心から外周方向に延びる線状の屈曲部又は屈折部によって形成され、振動板伸縮部11Cはドーム形状の振動板表面の経線方向に線状に延びている。また、屈曲部又は屈折部の折れ曲がりが経線方向と直交する緯線方向に形成されている。これによると、振動板11の湾曲部11Cに振動板の中心から放射状に向けた振動を与えることができ、ドーム形状の湾曲部11Bから全方位に向けて音を放射することが可能になる。
また、図示の例では、振動板伸縮部11Cは、当該振動板伸縮部11Cの間隔(θ1,θ2,…)が異なるように湾曲部11Bの表面に複数形成されている。振動板伸縮部11Cは、振動板11の表面に形成される補強リブになっており、振動板表面の湾曲形状を保持する補強機能を有している。このように振動板11を補強することによって、振動板11の剛性が確保され、高域再生限界が伸びることになる。この補強機能を有する振動板伸縮部11Cの間隔(θ1,θ2,…)を変えることで、共振周波数が分散されることになり、音圧特性を平坦化することが可能になる(音圧特性にピーク・ディップルがでない)。なお、必要に応じて、当該振動板伸縮部11Cの間隔を略同じにしても構わない。
振動板11は、図6(b)に示すように、その周方向に沿って伸縮する振動板伸縮部11Cを有し、伸縮部10Pの配置されている位置の近傍から振動板11の中心に向かって振動板伸縮部11Cが形成されている。これによると伸縮部10Pの伸縮に応じて振動板伸縮部11Cを効率的に変形させることができるので、ボイスコイル10の拡縮振動を効率よく振動板11の全方位の振動に換えることができる。
また、図6(c)には振動板伸縮部11CのA−A断面図が示されている。図にて振動板伸縮部11Cの断面形状は頂部と頂部を境に直線状の壁部を有する。振動板伸縮部11Cは、頂部を境に2つの壁部が互いに逆向きに動くことで、伸縮することを可能にしている。また、振動板伸縮部11Cの断面形状はこれに限定されず、壁部が曲線状に形成されていても構わなく、伸縮することが可能であれば形状を変更しても構わない。
図7は振動板11の他の形成例を示している。前述した振動板11はドーム形状の湾曲部11Bを有するが、振動板11の形態はこれに限らない。図7(a)に示すように、稜線方向にR面を有する円錐形状の振動板11(11−1)や、同図(b)に示すように、稜線方向が直線になる円錐形状の振動板11(11−2)等にすることも可能である。
なお、図6(a)に示される湾曲部11Bは振動板11の胴体部であり、図7(a)に示される振動板11の胴体部は音響放射方向に対し凹状で且つ湾曲状の断面形状を有し、図7(b)に示される振動板11の胴体部は直線状の断面形状を有している。
振動板11を形成する材料は、樹脂フィルム(PET,PI,PEI等)や金属(アルミ,チタン,マグネシウム等)、或いは弾性変形可能なゴム系の材料等を用いることもできる。
[保持部(エッジ部)と振動板の支持形態]
図8〜図10は、本発明の実施形態に係るスピーカ装置における振動板の支持構造を説明する説明図である。前述した図1に示した実施形態では、振動板11は、外周部11Aと湾曲部11Bとが一体に形成され、その外周部11Aはエッジ部11Dを備え、エッジ部11Dを介して支持部21に支持されている。これに対して、図8に示す例は、保持部12を別部材で形成し、その保持部12にエッジ部11Dを形成して、振動板11が保持部12を介して静止部である支持部21に支持されている。
図8〜図10は、本発明の実施形態に係るスピーカ装置における振動板の支持構造を説明する説明図である。前述した図1に示した実施形態では、振動板11は、外周部11Aと湾曲部11Bとが一体に形成され、その外周部11Aはエッジ部11Dを備え、エッジ部11Dを介して支持部21に支持されている。これに対して、図8に示す例は、保持部12を別部材で形成し、その保持部12にエッジ部11Dを形成して、振動板11が保持部12を介して静止部である支持部21に支持されている。
保持部12は、前述した振動部3の一部であり、その内周端が振動板11の外周端と連結され、その外周端が振動板11の外周に沿った外側に配置される支持部21(静止部)に連結されている。そして、保持部12の外周端が連結される支持部21(静止部)は磁気回路20の内部又は外部に形成されているか、或いは磁気回路20の一部に形成することができる。図示の例では、保持部12は音響放射側と逆側に向いた凸状のエッジ部11Dを備えているが、逆に音響放射側に凸状のエッジ部11Dを形成してもよい。また、ボイスコイル10は、振動板11に直接接合してもよいし、図8(b)に示すように、ボイスコイル支持部13を介して振動板11に支持してもよい。この場合には、図示のように、ボイスコイル支持部13の外終端を保持部12の内周端に連結する。なお、ボイスコイル支持部13は、ボイスコイル10の振動を振動板11に伝達させる点で剛性を備えていても構わない。
図9は、保持部12の他の形態を示している。図9(a)に示した例は、保持部12(12−1)が一つ又は複数の湾曲部を備えている。同図(b)に示した例は、保持部12(12−2)の端部が磁気回路20の一部(内面部)に支持されている。同図(c)に示した例は、保持部12(12−3)の端部が磁気回路20の外部の支持部21に支持されている。この保持部12は図示しないフレームに支持されているか、又は後述する図10に示される支柱22の底面部22Bに支持されていても構わない。また、保持部12の端部は、磁気回路を構成する部材、例えばプレート等に支持されていても構わない。
振動板11が高い剛性を要求される場合などは、保持部12を振動板11とは別部材で形成することが有効である。保持部12は振動板11を振動自在に支持部21(静止部)に支持するものであり、非駆動時には振動板11を適正な位置に戻す機能を有することが必要である。そのためには形状復元力の高い材質及び形状が求められる。また、保持部12をゴムや布等の樹脂材料やリン青銅等の金属材料などの内部損失の高い材料にすることで、再生歪みを低減することが可能になる。また、内部損失が比較的大きい樹脂材料と、内部損失が比較的小さい金属材料(例えばリン青銅)を組み合わせて保持部12を形成することで、再生歪みを低減することができる。また、必要に応じて、保持部12に音響放射方向に対して凸状又は凹状のリブを形成しても構わなく、リブは保持部12の内周部から外周部に向かって延びる形状であれば、平面形状が直線状又は湾曲状であっても構わない。このようなエッジとして、フィクスドエッジやフリーエッジ、タンゼンシャルエッジ等がある。
図10は、本発明の実施形態に係るスピーカ装置における振動板の具体的な支持形態を示した説明図(全体断面図)である。この実施形態では、静止部2が、振動板11の中央部を音響放射側とは逆側から支持する支柱22を備えている。図示の例では、支柱22は、振動板11の中心部を支持する柱部22Aと磁気回路20を支持する底面部22Bとを備えている。また、支柱22には接続端子40が設けられ、磁気回路20の内側から外側に接続端子40が引き出されていて、ボイスコイル10から引き出された引出配線30が支柱22に沿って引き出され、その端部が接続端子40に接続されている。
このような支柱22を設けることで、振動板11の中心軸に沿った方向の音圧は低減することになるが、振動板11を中心部と外周部の両方で支持することで、側方に向けた音圧を重点的に高めることができる。
[引出配線の引き出し形態]
図11〜図14は、本発明の実施形態に係るスピーカ装置における引出配線の引き出し形態を説明する説明図である。ボイスコイル10から引出配線30が引き出され、引出配線30の引き出し端が静止部2に設けられる端子部(図示省略)に接続される。
図11〜図14は、本発明の実施形態に係るスピーカ装置における引出配線の引き出し形態を説明する説明図である。ボイスコイル10から引出配線30が引き出され、引出配線30の引き出し端が静止部2に設けられる端子部(図示省略)に接続される。
図11,12の例は、ボイスコイル10が振動板11の音響放射側とは逆側の面に支持される場合の例である。図11(a)の例は、引出配線30が音響放射側とは逆側に引き出され、直接磁気回路の中心孔20Pを通って磁気回路20の外に引き出されている。図11(b)の例は、引出配線30が音響放射側とは逆側に引き出されており、詳細には振動板11の湾曲部11Bに一部が沿って引き出されて、その先が中心孔20Pを通って磁気回路20の外に引き出されている。
図12(a)の例は、引出配線30が音響放射側に引き出され、引出配線30が振動板11を貫通して音響放射側に引き出され、その先が磁気回路20の音響放射側の面に沿って引き出されている。図12(b)の例は、引出配線30が音響放射側に引き出され、引出配線30が振動板11を貫通して音響放射側に引き出され、一部が振動板11の湾曲部11Bに沿って引き出されて、その先が磁気回路20の音響放射側の面に沿って引き出されている。なお、引出配線30が振動板11を貫通する際、振動板11に形成される貫通孔が形成されていることが好ましい。また、貫通孔に引出配線30が通された後、貫通孔を空気が通過することを抑止すべく接着剤等で封鎖するか、又は振動板11に対する音響付加(空気抵抗)を低減すべく、接着剤等で封鎖せずに空気を通過できるよう、貫通孔が形成されたままにしても構わない。
図13,14の例は、ボイスコイル10が振動板11の音響放射側の面に支持される場合の例である。図13(a)の例は、引出配線30が音響放射側に引き出され、引出配線30が磁気回路20の音響放射側の面に沿って引き出されている。図13(b)の例は、引出配線30が音響放射側に引き出され、引出配線30の一部が振動板11の湾曲部11Bに沿って引き出されて、その先が磁気回路20の音響放射側の面に沿って引き出されている。図13(c)の例は、引出配線30が音響放射側と逆側に引き出され、引出配線30が振動板11を貫通して引き出され、磁気回路20の中心孔20Pを通って磁気回路の外に引き出されている。なお、引出配線30が振動板11を貫通する際、振動板11に形成される貫通孔が形成されていることが好ましく、貫通孔に引出配線30が通された後、貫通孔を接着剤等で塞ぐことが好ましい。
図14(同図(a)が断面図、同図(b)が平面図)に示す例では、引出配線30は保持部12(エッジ部11D)上を通って引き出され、引出配線30は磁気回路20に設けた引出通路20A1を通って磁気回路20の外側に引き出されている。引出通路20A1は、磁気回路20を形成する音響放射側の磁極部材20A(プレート)の音響放射側とは逆側の面に形成される溝(20A1)である。なお、引出通路20A1に引出配線30が通された後、接着剤等で引出通路20A1内を塞いでも構わない。また、引出通路20A1の内側近傍において、引出配線30にストレスが作用して断線することを抑止すべく、引出通路30の幅を外側から内側に向かって拡大する形状にするか、或いは引出通路内を塞ぐ接着剤等の、樹脂材料の一群の中で、弾性を有する樹脂材料を選択しても構わない。
[補強部の形態]
図15と図16(同図(a)は平面図、同図(b)は、補強部13の断面図)は、本発明の実施形態に係るスピーカ装置における振動板の補強部の形態を説明する説明図である。振動板11には、その外周部11Aに沿って振動板11を補強する補強部13を設けることが好ましい。補強部13は、弾性を有する接着剤を塗布すること、或いは高い剛性を有する材料(高ヤング率材料)を貼り付けることによって得ることができる。高い剛性を有する材料として、アルミニウムやマグネシウム等の金属材料や、PSU(ポリフェニルサルホン樹脂)やPET(ポリエステルテレフタレート)等の樹脂材料が挙げられる。補強部13の目的は、ボイスコイル10の拡縮振動を効率よく振動板11の振動に変換するためであり、特に、平坦な外周部11Aから屈曲して立ち上がる湾曲部11Bに、平坦な外周部11Aに支持されたボイスコイル10の振動を効率的に伝えるには、外周部11Aから湾曲部11Bに至る境界部分の剛性を強化することが効果的である。具体的には、図15に示すように、湾曲部11Bと外周部11Aとの境界部分に湾曲部11Bから外周部11Aに亘って補強部材13Aを貼り付けることによって補強部13を形成することができる。
図15と図16(同図(a)は平面図、同図(b)は、補強部13の断面図)は、本発明の実施形態に係るスピーカ装置における振動板の補強部の形態を説明する説明図である。振動板11には、その外周部11Aに沿って振動板11を補強する補強部13を設けることが好ましい。補強部13は、弾性を有する接着剤を塗布すること、或いは高い剛性を有する材料(高ヤング率材料)を貼り付けることによって得ることができる。高い剛性を有する材料として、アルミニウムやマグネシウム等の金属材料や、PSU(ポリフェニルサルホン樹脂)やPET(ポリエステルテレフタレート)等の樹脂材料が挙げられる。補強部13の目的は、ボイスコイル10の拡縮振動を効率よく振動板11の振動に変換するためであり、特に、平坦な外周部11Aから屈曲して立ち上がる湾曲部11Bに、平坦な外周部11Aに支持されたボイスコイル10の振動を効率的に伝えるには、外周部11Aから湾曲部11Bに至る境界部分の剛性を強化することが効果的である。具体的には、図15に示すように、湾曲部11Bと外周部11Aとの境界部分に湾曲部11Bから外周部11Aに亘って補強部材13Aを貼り付けることによって補強部13を形成することができる。
また、図16(a)に示すように、振動板11の湾曲部11Bから外周部11Aにかけて部分的な凸部又は凹部13Bを形成することで補強部13を形成することもできる。この凸部又は凹部13Bは補強リブとして機能するものであり、外周部11Aから湾曲部11Bに至る屈曲部分に補強リブを設けることで、その部分の剛性を強化している。
また、ボイスコイル10の振動によって全方位の振動を得るために、その周方向に沿って伸縮する振動板伸縮部としても機能させても構わない。
また、図16(b)には補強リブ13BのA−A断面図が示されている。図にて補強リブ13Bの断面形状は頂部と頂部を境に直線状の壁部を有する。補強リブ13Bは、頂部を境に2つの壁部が互いに逆向きに動くことで、伸縮することを可能にしている。また、補強リブ13Bの断面形状はこれに限定されず、壁部が曲線状に形成されていても構わなく、伸縮することが可能であれば形状を変更しても構わない。
また、ボイスコイル10の振動によって全方位の振動を得るために、その周方向に沿って伸縮する振動板伸縮部としても機能させても構わない。
また、図16(b)には補強リブ13BのA−A断面図が示されている。図にて補強リブ13Bの断面形状は頂部と頂部を境に直線状の壁部を有する。補強リブ13Bは、頂部を境に2つの壁部が互いに逆向きに動くことで、伸縮することを可能にしている。また、補強リブ13Bの断面形状はこれに限定されず、壁部が曲線状に形成されていても構わなく、伸縮することが可能であれば形状を変更しても構わない。
[磁気回路の形態]
本発明の実施形態に係るスピーカ装置1における磁気回路20は、例えば、図1に示す構成を採用することができる。ここで採用される磁気回路20は、ボイスコイル10の径方向に交わる磁束の向きを有する磁気ギャップ20Gをボイスコイル10に沿って延在させるための構成を有する。すなわち、磁気ギャップ20Gが第1の磁極部材20Aと第2の磁極部材20Bとの間に形成され、第1の磁極部材20Aから第2の磁極部材20Bに向かう磁路内に磁石20Cが配置されている。第1の磁極部材20Aは、ボイスコイル10より音響放射側に配置され、振動板11の外周部を覆うように配置されており、第2の磁極部材20Bは、ボイスコイル10より音響放射側とは逆側に配置されている。図示の例では、第1の磁極部材20Aは断面板状のプレート(20A)であり、第2の磁極部材20Bは磁石20Cを介してプレート(20A)と接合されプレート(20A)と対面する立ち上がり部20B1を有するヨーク(20B)である。なお、プレート20Aやヨーク20Bは鉄等の磁性体で構成される。
本発明の実施形態に係るスピーカ装置1における磁気回路20は、例えば、図1に示す構成を採用することができる。ここで採用される磁気回路20は、ボイスコイル10の径方向に交わる磁束の向きを有する磁気ギャップ20Gをボイスコイル10に沿って延在させるための構成を有する。すなわち、磁気ギャップ20Gが第1の磁極部材20Aと第2の磁極部材20Bとの間に形成され、第1の磁極部材20Aから第2の磁極部材20Bに向かう磁路内に磁石20Cが配置されている。第1の磁極部材20Aは、ボイスコイル10より音響放射側に配置され、振動板11の外周部を覆うように配置されており、第2の磁極部材20Bは、ボイスコイル10より音響放射側とは逆側に配置されている。図示の例では、第1の磁極部材20Aは断面板状のプレート(20A)であり、第2の磁極部材20Bは磁石20Cを介してプレート(20A)と接合されプレート(20A)と対面する立ち上がり部20B1を有するヨーク(20B)である。なお、プレート20Aやヨーク20Bは鉄等の磁性体で構成される。
図17は、本発明の実施形態として採用することができる磁気回路20の形成例を示した説明図である。同図(a)に示した例は、環状のボイスコイル10の内側に磁石20cを配置した内磁型の磁気回路20を示している。磁石20cの両側に配置した第1の磁極部材20aと第2の磁極部材20bの間に磁気ギャップ20Gが形成されている。これによると、磁石20cの小型化・小材化が可能であり、装置全体の軽量化・低コスト化が可能になる。なお、同図(a)に示した例では、ボイスコイル10は振動板11の内周部にて支持されており、振動板11の外周部は保持部12を介して支持部21に支持されている。
同図(b)に示した例は、環状のボイスコイル10の内側と外側の両方に磁石20c1と磁石20c2をそれぞれ配置した例であり、振動板11の内側と外側に第1の磁極部材20a1,20a2が磁石20c1,20c2のそれぞれと接合するように配置され、磁石20c1と磁石20c2を接合するように第2の磁極部材20b1が配置されている。これによると、ボイスコイル10の内側と外側に磁石20c1,20c2が配置されるので、高感度化・小型化が可能になる。
同図(c)に示した例では、図1と同様に、第1の磁極部材20a3と磁石20c3と第2の磁極部材20b2とによって外磁型の磁気回路を形成し、その磁石20c3上に第1の磁極部材20a3を介して反発磁石(対向する面の磁極が2つの磁石)を配置したものである。これによると、第1の磁極部材20a3から磁気ギャップ20Gに向かう磁束密度を2つの反発磁石20c3,20c4(対向し合う2つの磁石の磁極が同じ)で高めて高感度化・小型化を実現することが可能になる。
同図(d)に示した例では、磁気ギャップ20Gに対面するように磁石20c5を配置して、第1の磁極部材20a4と第2の磁極部材20b3を接合している。これによっても、磁石20c5の小型化によって、装置全体を小型化・軽量化することが可能になる。
同図(e)に示した例では、磁気回路20を形成する第1の磁極部材20a5と磁石20c6と第2の磁極部材20b4のうち、第1の磁極部材20a5を、振動板11の外側に位置する音響放射側の面が外側にいくほど音響放射側に立ち上がる傾斜面或いは曲面を有するように形成している。すなわち、第1の磁極部材20a5を外側にいくほど肉厚に形成している。これによると、第1の磁極部材20a5の音響放射側の面がホーン効果を有することになり、これによってスピーカ装置の能率を向上させることが可能になる。
なお、前述に記載した磁石はスピーカ装置の中心軸の方向に沿って着磁されているが、これに限定されず、スピーカ装置の中心軸に対し交差する方向(斜めの方向、垂直な方向)に着磁された磁石を用いても構わない。また、前述の磁気回路が備える磁気ギャップ20Gは磁石とプレート、又はプレートとプレートの間に形成されているが、2つの異なる磁石にて磁気ギャップ20Gを形成しても構わなく、図17(d)を例に取れば、第1の磁極部材20a4の内側端部に磁石を配置することで、磁気ギャップ20Gを形成しても構わない。
また、磁気ギャップ20G内の磁束密度を高めるべく、磁気ギャップ20Gを通過する磁力線が形成する磁路の途中に磁石を配置しても構わなく、図17(b)を例に取れば、第2の磁極部材20b1の両端部の間に、新たな磁石を挿入する等しても構わない。
また、磁気ギャップ20G内の磁束密度を高めるべく、磁気ギャップ20Gを通過する磁力線が形成する磁路の途中に磁石を配置しても構わなく、図17(b)を例に取れば、第2の磁極部材20b1の両端部の間に、新たな磁石を挿入する等しても構わない。
以上説明したように、本発明の実施形態に係るスピーカ装置によると、一つの音源から発生する音を音響放射側の全方位で同等に視聴することができる無指向性に近い音響放射性能のスピーカ装置を得ることができる。また、スピーカシステムで用いられる高音用スピーカユニット(ツィータ)において、一つのユニットで低音用スピーカ(ウファー又はサブウファー)に見合った音の広がりを得ることができる。したがって、音響放射範囲の広いスピーカシステムを得る際に、本発明の実施形態に係る全方位放出のスピーカ装置を採用することで、高音用スピーカユニットを小型化・省スペース化しながら、広い帯域の音で音響放射範囲の広いスピーカを得ることができる。
その際に、ボイスコイル10に柔軟な伸縮部10Pを設けて、拡縮振動を行い易くすることで、スピーカ装置の出力音圧を上昇させることが可能であると共に、音圧周波数特性を低音域に拡大することが可能なる。伸縮部10Pの形態はスピーカ装置のf0に影響するので、目標値に応じて適宜の設定を行う。
本発明の実施形態或いは実施例に係るスピーカ装置は各種電子機器や車載用として効果的に用いることができる。図18は、本発明の実施形態に係るスピーカ装置を備える電子機器を示した説明図である。例えば、図示した大画面のフラットパネルディスプレイのような電子機器100は、スピーカ装置1の設置に必要なスペースを小さくできるので、電子機器全体の小型化が可能になる。また、小型化された電子機器においても充分な音声出力や無指向性に近い音響放射性能を得ることができるので、複数の視聴者に同等に音を伝えることができる。図19は、本発明の実施形態に係るスピーカを備えた自動車を示した説明図である。同図に示した自動車101は、スピーカ装置1の小型化によって車内スペースの拡大が可能になる。特にスピーカ装置1を何処に設置しても車内全体に音を放射することができるので、多人数が乗車した状態であっても各乗員が同等の音圧レベルで音を視聴することができる。また、各乗員に対して充分な音声出力が得られるので、雑音が多い高速走行時等でも車内で快適に音楽やラジオ放送を楽しむことができる。
また、スピーカ装置1を備える建築物として、人の居住を用途とする住宅(建築物)や会議、講演会、パーティー等、多数の人数を収容して催しを行うことができるホテル、旅館や研修施設等(建築物)にスピーカ装置1を設置する場合に、スピーカ装置1の設置に必要な厚さスペースを小さくできるので、不要なスペースを削除でき、スペースを有効に活用することができる。また、近年、プロジェクターや大画面テレビ等の普及に伴い、音響・映像設備を備える居室を設ける例が見られるようになっており、一方で音響・映像設備を備える居室を設けずに、リビングルーム等をシアタールームとして使用するケースも見られる。このようなケースにおいても、スピーカ装置1を用いることで、簡易にリビングルーム等をシアタールーム化でき、さらにリビングルーム内の空間を有効に活用することが可能である。なお、スピーカ装置1の配置場所は、例えば、居室内の天井や壁等が挙げられる。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
発明は、スピーカ用ボイスコイルに関するものである。
Claims (38)
- スピーカ用ボイスコイルであって、入力された音声信号が流れる方向に沿って伸縮可能であることを特徴とするスピーカ用ボイスコイル。
- スピーカ用ボイスコイルであって、入力された音声信号が流れる方向に沿って伸縮可能な伸縮部を備えることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ用ボイスコイル。
- 前記伸縮部は、音声電流が流れる導線を折れ曲がり形状が変形可能に屈折又は屈曲して形成されることを特徴する請求項2記載のスピーカ用ボイスコイル。
- 前記スピーカ用ボイスコイルが平面状に巻き回され、巻き回された平面に対して凹み状又は凸状に前記伸縮部を形成することを特徴とする請求項3記載のスピーカ用ボイスコイル。
- 径方向の外側又は内側に凸状に屈折又は屈曲させて前記伸縮部を形成することを特徴とする請求項3記載のスピーカ用ボイスコイル。
- 前記伸縮部は、周方向に沿って所定の間隔で複数箇所形成されることを特徴とする請求項3記載のスピーカ用ボイスコイル。
- 前記音声信号が流れる導線が樹脂材料で形成されることを特徴とする請求項1記載のスピーカ用ボイスコイル。
- 静止部と、該静止部に直接又は間接的に支持されて振動可能な振動部とを備え、
前記静止部は、磁気ギャップを形成する磁気回路を有し、
前記振動部は、少なくとも外周部が支持される振動板と、該振動板に直接又は間接的に支持され、前記磁気ギャップ内に配置されて前記振動板を振動させる、環状のボイスコイルとを有し、
前記ボイスコイルが、入力された音声信号が流れる方向に沿って伸縮可能な伸縮部を備え、音声信号によって拡縮振動することを特徴とするスピーカ装置。 - 前記伸縮部は、音声電流が流れる導線を折れ曲がり形状が変形可能に屈折又は屈曲して形成されることを特徴する請求項8記載のスピーカ装置。
- 前記ボイスコイルが平面状に巻き回され、巻き回された平面に対して凹み状又は凸状に前記伸縮部を形成することを特徴とする請求項9記載のスピーカ装置。
- 前記ボイスコイルを径方向の外側又は内側に凸状に屈折させて前記伸縮部を形成することを特徴とする請求項9記載のスピーカ装置。
- 前記伸縮部は、周方向に沿って所定の間隔で複数箇所形成されることを特徴とする請求項9記載のスピーカ装置。
- 前記ボイスコイルが平面状に巻き回され、巻き回された平面に対して凹み状に前記伸縮部が形成され、
前記ボイスコイルは前記振動板にて、前記伸縮部以外で周方向に亘って直接又は間接的に支持されており、
前記振動板と前記伸縮部とが離間していることを特徴とする請求項12に記載のスピーカ装置。 - 前記ボイスコイルを径方向の外側又は内側に凸状に屈折させて前記伸縮部が形成されており、前記ボイスコイルは前記振動板にて、周方向に亘って直接又は間接的に支持されていることを特徴とする請求項9記載のスピーカ装置。
- 前記磁気回路は、前記磁気ギャップ内の磁束の向きが前記ボイスコイルの径方向に交わり、該径方向に沿った幅の前記磁気ギャップが前記ボイスコイルの周方向に延在することを特徴とする請求項12記載のスピーカ装置。
- 前記振動板は、その周方向に沿って伸縮する振動板伸縮部を有することを特徴とする請求項15記載のスピーカ装置。
- 前記振動板伸縮部は、前記振動板表面の部分的な屈曲部又は屈折部によって形成されていることを特徴とする請求項16記載のスピーカ装置。
- 前記振動板伸縮部は、前記振動板の中心から前記振動板の外周方向に延びる線状の屈曲部又は屈折部によって形成されていることを特徴とする請求項16記載のスピーカ装置。
- 前記振動板は、胴体部とその周囲に形成される外周部とを有し、
前記振動板伸縮部は、前記胴体部と前記外周部との境界部分に前記胴体部から前記外周部に亘って形成されることを特徴とする請求項16に記載のスピーカ装置。 - 前記振動板伸縮部は凸状又は凹状部であることを特徴とする請求項19記載のスピーカ装置。
- 前記振動板は、前記ボイスコイルの伸縮部の配置されている位置の近傍から前記振動板の中心に向かって前記振動板伸縮部が形成されていることを特徴とする請求項16記載のスピーカ装置。
- 前記振動板伸縮部は、隣接する当該振動板用伸縮部の間隔が異なるように複数設けられていることを特徴する請求項21記載のスピーカ装置。
- 前記振動板は、その胴体部の断面形状が音響放射側に凸状のドーム形状に形成される湾曲部を有することを特徴とする請求項22記載のスピーカ装置。
- 前記振動板は、胴体部とその周囲に形成される平板状の前記外周部とを有し、前記外周部に前記ボイスコイルが支持され、前記胴体部と前記外周部との境界部分に前記胴体部から前記外周部に亘って補強部が設けられることを特徴とする請求項23記載のスピーカ装置。
- 前記補強部は、前記振動板を構成する材料に対し剛性を有する材料で構成されることを特徴とする請求項24に記載のスピーカ装置。
- 前記補強部は、前記胴体部から前記外周部にかけて形成される部分的な凸状又は凹状部であることを特徴とする請求項25記載のスピーカ装置。
- 前記振動板の外周部はエッジ部を介して前記静止部に支持されていることを特徴とする請求項8記載のスピーカ装置。
- 前記振動板の外周部は前記磁気回路内で又は前記磁気回路に支持されていることを特徴とする請求項8記載のスピーカ装置。
- 前記磁気回路は、前記磁気ギャップが第1の磁極部材と第2の磁極部材との間に形成され、前記第1の磁極部材から前記第2の磁極部材に向かう磁路内に磁石が配置されていることを特徴とする請求項8記載のスピーカ装置。
- 前記第1の磁極部材は、前記ボイスコイルより音響放射側に配置され、前記振動板の外周部を覆うように配置されており、前記第2の磁極部材は、前記ボイスコイルより音響放射側とは逆側に配置されることを特徴とする請求項29記載のスピーカ装置。
- 前記第1の磁極部材は断面板状のプレートであり、前記第2の磁極部材は磁石を介して前記プレートと接合され前記プレートと対面する立ち上がり部を有するヨークであることを特徴とする請求項29記載のスピーカ装置。
- 前記ボイスコイルから引出配線が引き出され、該引出配線の引き出し端が前記静止部に設けられる端子部に接続されることを特徴とする請求項8記載のスピーカ装置。
- 前記ボイスコイルが前記振動板の音響放射側の面に支持され、前記引出配線が音響放射側に引き出されることを特徴とする請求項32記載のスピーカ装置。
- 前記ボイスコイルが前記振動板の音響放射側とは逆側の面に支持され、前記引出配線が前記振動板を貫通して前記音響放射側に引き出されることを特徴とする請求項32記載のスピーカ装置。
- 前記静止部は、前記振動板の中央部を音響放射側とは逆側から支持する支柱を備えることを請求項8記載のスピーカ装置。
- 請求項8に記載のスピーカ装置を備えることを特徴とする自動車。
- 請求項8に記載のスピーカ装置を備えることを特徴とする電子機器。
- 請求項8に記載のスピーカ装置を備えることを特徴とする建築物。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120529 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20121009 |