JPWO2010095431A1 - 補聴器および補聴器の音量制御方法 - Google Patents

補聴器および補聴器の音量制御方法 Download PDF

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Abstract

補聴器(101)は、音を電気信号に変換するマイクロホン(121)、本体ケース(102)内に設けられた処理部(105)、可変抵抗器を有する第1の音量調整部(104)、及び電気信号を音に変換するレシーバ(123)を備える。処理部(105)は、マイクロホン(121)からの電気信号を増幅する増幅部(135)、可変抵抗器の抵抗値に応じて、増幅部(135)による増幅度を設定する第2の音量調整部(105b)、及び第2の音量調整部(105b)と増幅部(135)とを制御する制御部(130)を有する。制御部(130)は、可変抵抗器の抵抗値を検知し、抵抗値が所定の閾値を超えたかどうかを判定し、抵抗値が所定の閾値を超えたと判定した場合は、増幅部(135)による増幅度の所定値を取得し、増幅部(135)による増幅度を、同所定値に設定する。

Description

本発明は、補聴器及び補聴器の音量制御方法に関する。
補聴器は、入力された音を電気信号に変換後、その電気信号の増幅度をデジタル処理により自動補正することにより出力音声の音量を調整する手段である、いわゆるエレクトリカルボリュームを備えるものが主流になりつつある。一方で、補聴器装用者にとって、自らの操作により音量を簡易に調整できるメカニカルボリュームを必要とすることが多い。そこで、従来、メカニカルボリュームとエレクトリカルボリュームの双方を備える補聴器が知られている。
図5Aは、かかる従来の補聴器1の構成例を示している(例えば、特許文献1参照)。補聴器1は、マイクロホン11と、増幅器12と、レシーバ13と、メカニカルボリューム14と、エレクトリカルボリューム15とを備える。図5Aに示す補聴器において、マイクロホン11は、可聴音を集音して電気信号すなわち可聴信号に変換する。増幅器12はマイクロホン11から出力された可聴信号を増幅する。レシーバ13は、増幅器12から出力された可聴信号を可聴音に変換する。
メカニカルボリューム14は、超小型回転式可変抵抗器により構成され、増幅器12とアース間に接続された機械的なボリューム調整手段であり、増幅器12を通過する可聴信号のレベル調整の上限の設定を行う。
エレクトリカルボリューム15もまた、増幅器12とアース間に接続されている。エレクトリカルボリューム15は、メカニカルボリューム14で設定された上限の範囲内で、微少ステップで可聴信号のレベル、ひいては音量調整を行う。
図5Bは上記補聴器1の外観斜視図である。
図5Bにおいて、ケーシング16は、挿入部16aと操作部16bとを有している。挿入部16aは耳孔内に挿入する部分であり、操作部16bは音量を調整するための操作を行う部分である。また、取り付け面16cには、メカニカルボリューム14とエレクトリカルボリューム15とマイクロホン11とが取り付けられている。ケーシング16内には、増幅器12、レシーバ13等が収納されている。
次に、上記従来の補聴器1の動作について説明する。
上記補聴器1において、マイクロホン11で集音された可聴音は可聴信号に変換されて、増幅器12に入力される。可聴信号は増幅器12で増幅された後、レシーバ13に出力されて可聴音に変換される。補聴器装用者が超小型回転式可変抵抗器を用いたメカニカルボリューム14を操作することにより、音量調整範囲の上限が設定される。この設定された上限の範囲内でエレクトリカルボリューム15により微少ステップで増幅器12を通過する可聴信号レベル、ひいては音量が微調整される。
このように補聴器1のボリュームは、ボリュームスイッチ(つまり、可変抵抗器を含むメカニカルボリューム14)と、ボリュームスイッチに接続されたLSI(増幅器12及びエレクトリカルボリューム15を含む)とによって制御されている。例えば、表1では、ボリュームスイッチの最大目盛りが「5」、可変抵抗器の最大抵抗値が200オーム、LSIが抵抗値を8ビットでAD変換した例を示す。この例では、LSIの増幅度の値及び音量の関係は表1のようになる。
Figure 2010095431
すなわちボリュームスイッチの目盛りが「0」の場合は、可変抵抗器の値(抵抗値)は0オームである。LSIがその抵抗値を8ビットでAD変換した場合、その値も「0」であり、レシーバ13から出力される音量は「0」である。
一方、ボリュームスイッチの目盛りが「5(MAX)」の場合、抵抗値は、例えば200オームとする。この場合、AD変換後のLSIによる増幅度の値は、8ビットAD変換による最大値である「255」となり、音が最大音量(上限以下)で再生される。
図6は、衝撃音や過大音が入力された場合に、過大な音量が出力されないように自動的に制御する別の従来の補聴器の内部構成例(例えば、特許文献2参照)を示す。
図6に示す例では、入力トランスデューサであるマイクロホン10に過大な音声あるいは衝撃音等のインパルス性の入力信号が入力された場合、その入力信号は、コンデンサC1を介して増幅器30に印加されて一定のゲインで増幅される。増幅された信号は、コンデンサC2を介してクラスDアンプを搭載した受話器であるイヤホン20により出力される。
マイクロホン10、増幅器30、イヤホン20には電池80(及びコンデンサC3)によりDC電源が供給されている。そして、増幅器30の出力信号(接続点B)が増幅回路70と整流回路50によりモニタリングされ、過大にならないようにバイアス付加回路60と減衰回路40により増幅器30の入力信号(接続点A)が減衰される。
このように構成された補聴器について、その動作を説明する。
まず、マイクロホン10への入力音は、増幅器30とトランジスタ41に印加される。
増幅器30からの出力はイヤホン20と増幅回路70に印加される。増幅回路70に印加された交流信号は、整流回路50においてダイオード51、52によって整流され、平滑コンデンサ53で平滑化されて直流電圧に変換される。この直流電圧は、バイアス付加回路60においてトランジスタ61によって与えられたバイアス電圧に加えられ、減衰回路40のトランジスタ41のベース電圧となる。ここで、可変抵抗器42によって決定される閾値をトランジスタ41のベース電圧が超えるとトランジスタ41が動作し、増幅器30の入力段の信号が引き込まれて減衰し、イヤホン20の出力も抑制される。
このように、自動利得制御回路内の信号ラインには、時定数を持つRCフィルタ等を用いていないため、信号入力から抑制開始までの応答が速い。入力信号が小さい場合には、可変抵抗器42によって決定される閾値をトランジスタ41のベース電圧が超えないため、増幅器30の入力信号は減衰されず、イヤホン20の出力には影響を与えない。
特開平5−130698号公報 特開2005−65124号公報
<発明が解決しようとする課題>
図5A及び図5Bに示した従来例においては、例えばボリュームスイッチが故障してメカニカルボリューム14とLSI(増幅器12)間で断線が起きた場合、ボリュームスイッチの抵抗値は無限大となる。このため、レシーバ13から出力される音声は、最大音で再生される。これにより、補聴器装用者の耳を傷めたり、驚かせる等の不都合が生じる。
より具体的には、補聴器は、汗等の水分が補聴器内部及びメカニカルボリューム14内部に浸入しやすい構造を有する。従って、メカニカルボリュームの故障が起きやすい。また、メカニカルボリューム14とエレクトリカルボリューム15を含むLSIとの結線は細いリード線や薄い基板が使用されているため、断線しやすい。従って、上記のような問題が生じる。
例えば、表2に示すように、ボリュームスイッチの最大目盛が「5」である場合に、メカニカルボリューム14とLSI(増幅器12)との間で断線が起きるとする。この場合、補聴器装用者が自分の聴力に合わせてボリュームスイッチの目盛を「3」に設定していても、断線のためにボリュームスイッチの可変抵抗器が無限大オームとLSIが認識してしまい、音量最大で音声が再生されてしまう。
Figure 2010095431
このように従来の補聴器は、可変抵抗器を備えたメカニカルボリュームとLSI制御によるエレクトリカルボリュームの二つを有していても、メカニカルボリュームが断線や腐食等より抵抗無限大になったとき、LSIがボリューム最大と認識して音量を上げるので、補聴器装用者が驚いたり、耳を痛める等の問題が生じる。
また、図6に示した従来の補聴器においても、可変抵抗器42を有しているので、図5A及び図5Bに示す従来例と同じように、断線や腐食等が発生し、音量の調整ができなくなる等の問題が発生する。
そこで本発明は、メカニカルな音量調整手段が故障した場合でも、適度な音量での音声再生を保障する補聴器及び補聴器の音量制御方法を提供することを目的としている。
<課題を解決するための手段>
本発明の第1の観点によれば、補聴器は、本体ケース、マイクロホン、処理部、第1の音量調整部、及びレシーバを備える。マイクロホンは、本体ケース内に設けられ、音を電気信号に変換する。処理部は、本体ケース内に設けられている。第1の音量調整部は、可変抵抗器と、本体ケース外に露出するように設けられ可変抵抗器の抵抗値を設定するための操作部と、を有する。レシーバは、電気信号を音に変換する。処理部は更に、増幅部と、第2の音量調整部と、制御部と、を有する。増幅部は、マイクロホンからの電気信号を増幅する。第2の音量調整部は、第1の音量調整部の可変抵抗器の抵抗値に応じて、増幅部による増幅度を設定する。制御部は、第2の音量調整部と増幅部とを制御する。制御部は更に、第1の音量調整部の可変抵抗器の抵抗値を検知し、抵抗値が所定の閾値を超えたかどうかを判定し、抵抗値が所定の閾値を超えたと判定した場合は、増幅部による増幅度の所定値を取得し、増幅部による増幅度を、同所定値に設定する。
第2の音量調整部は、増幅部による増幅度の上限値を設定し、同上限値以下の範囲で増幅部による増幅度を設定し、制御部は、抵抗値が所定の閾値を超えたと判定した場合は、上限値以下である増幅部による増幅度の所定値を取得するようにしてもよい。
処理部は、制御部に接続され、制御部により前記抵抗値が閾値を超えたと判定された場合に警告を行う警告部を有していてもよい。
補聴器は、制御部に接続され、上記所定値を記憶するメモリを備え、制御部は、同メモリから上記所定値を取得してもよい。
上記所定値は、第1の音量調整部によって過去に設定されていた所定の抵抗値に関する値に応じた増幅度であってもよい。ここで、第1の音量調整部によって過去に設定されていた所定の抵抗値に関する値とは、過去に設定された所定の抵抗値そのものの他、例えば複数の抵抗値の平均値や最頻値等であってもよい。
処理部は更に、上記閾値を記憶する閾値記憶部を有していてもよい。
本発明の第2の観点によれば、音を電気信号に変換するマイクロホン、可変抵抗器を含み可変抵抗器の抵抗値を設定する第1の音量調整部、マイクロホンからの電気信号を増幅する増幅部、増幅した電気信号を音に変換するレシーバ、及び増幅部を制御するプロセッサを含む補聴器の音量制御方法であって、同方法は、プロセッサによって実行される次の手順を備える:
第1の音量調整部の可変抵抗器の抵抗値を検知し;
抵抗値が所定の閾値を超えたかどうかを判定し;
抵抗値が所定の閾値を超えないと判定した場合は、第1の音量調整部の可変抵抗器の抵抗値に応じて、電気信号の増幅度を設定し;
抵抗値が所定の閾値を超えたと判定した場合は、増幅器における電気信号の増幅度の所定値を取得し、増幅部による増幅度を同所定値に設定する。
<発明の効果>
以上説明したように、本発明に係る補聴器によれば、メカニカルな音量調整手段が故障した場合でも、適度な音量での音声再生を保障することができる。
本発明の実施形態に係る耳かけ形補聴器101の外観を示す概略図 同実施形態に係る補聴器101の主に内部構成を示す全体ブロック図 同実施形態に係る補聴器101のLSI105の内部構成を示す概略図 同実施形態に係る補聴器の動作を説明するためのフロー図 従来の補聴器の構成を示す図 従来の補聴器の外観を示す図 他の従来の補聴器の内部構成を示す図
<1.実施形態>
<1.1 補聴器101の外部構成>
図1は、本発明の一の実施形態に係る耳かけ形補聴器101の外観を概略的に示す。耳かけ形補聴器とは、耳の後ろに掛けて使用するタイプの補聴器である。
同図に示すように、耳かけ形補聴器101は、入力された音(音声)を電気信号に変換するマイクロホン(図2)、マイクロホンの出力信号を増幅すると共に入力された音の周波数特性を制御するLSI105(処理部の一例)、及びLSI105の出力信号を音声に変換するレシーバ(図2)等を本体ケース102内に収納して構成されている。また、本体ケース102の背面103には、利得調節用のボリュームスイッチであるメカニカルスイッチ104(第1の音量調整部の一例)と電源スイッチ(図示省略)等が配設されている。
本体ケース102は、補聴器装用者が補聴器101を装着したとき、補聴器装用者の耳介の後面に沿って配置される。本体ケース102の全体的な形状は、湾曲した略長方形状である。本体ケース102は、背面103、背面103反対側の前面102a、前面102aと背面103とを繋ぐ2つの側面102b、及び前面102aと背面103と2つの側面102bとを繋ぐ下面102cを有する。本体ケース102の前面102a及び一方の側面102bは、補聴器101の装着時において補聴器装用者の耳介後面と接触するように配置される。本体ケース102の他方の側面102bは、補聴器装用者の頭部と接触するように配置される。本体ケース102の下面102cは、耳介の下方に配置される。
メカニカルスイッチ104は、背面103に形成された開口部106から本体ケース102の背面103の外側に露出した操作部を含む。補聴器装用者は、メカニカルスイッチ104を指先で本体ケース102の長手(上下)方向に回転させることによりLSI105の利得を調節する。これにより、補聴器装用者にとって所望の大きさの音声出力を得ることができる。なお、メカニカルスイッチ104の操作部は、耳かけ形補聴器101の装用者が指先の腹で容易に認識でき、且つ容易に操作できるように本体ケース102の背面103の外側に突出している。
また、本体ケース102の下面102cに電池ホルダ110を開閉自在に設け、この電池ホルダ110の開閉用突起部111を本体ケース102の下面102cから下方向に突出成形している。補聴器装用者は、指で開閉用突起部111を動かすことにより電池ホルダ110の開閉を行う。なお、補聴器101は、電池ホルダ110を開くと電源をONにし、閉めると電源をOFFにするように設計してもよい。この場合、開閉用突起部111が本体ケース102の下方に突出していることにより、補聴器装用者が不意に開閉用突起部111に触れて電池ホルダ110を開いてしまうことを防ぐことができる。
<1.2 補聴器101の内部構成>
図2は、本実施形態に係る耳かけ形補聴器101の主に内部構成を示す全体ブロック図である。
本実施形態の補聴器101は、マイクロホン121と、LSI105と、レシーバ123と、メカニカルスイッチ104と、メモリ122とを備える。マイクロホン121は、音を電気信号に変換する。LSI105は、1チップで構成され、後述するように電気信号を増幅する。レシーバ123は、イヤホンやスピーカ等であり、LSI105の出力信号をD/Aコンバータ(図示省略)を介して音に変換する。メカニカルスイッチ104は、補聴器装用者の操作を介して音量レベルを設定し、レシーバ123から所望の音量を得る。メモリ122は、所定の増幅度を記憶する。
図2に示すように、メカニカルスイッチ104は、電極104aと、その電極104a上を摺動する摺動子104bとにより構成された可変抵抗器を含む。耳かけ形補聴器101の補聴器装用者が、メカニカルスイッチ104の操作部(図1)を指先で動かすことにより、可変抵抗器の抵抗値を変化させ、設定する。なお図3を参照して後述するが、LSI105は、エレクトリカルスイッチ105b(第2の音量調整部の一例)を含む。
本実施形態に係るメカニカルスイッチ104は、後述するようにエレクトリカルスイッチ105bによって設定された上限値以下の範囲で音量レベルに応じた抵抗値を設定する。
LSI105は、メカニカルスイッチ104の抵抗値を検知する。ここで、抵抗値を検知するとは、メカニカルスイッチ104の操作による可変抵抗器の抵抗値の変動を検知し、変動した抵抗値を取得するようにしてもよい。或いはLSI105が可変抵抗器の抵抗値を定期的に取得するようにしてもよい。検知した抵抗値が所定の閾値以下の場合に、メカニカルスイッチ104の抵抗値に応じて増幅度を設定する。一方、検知した抵抗値が所定の閾値を超えた場合に、上記上限値以下の範囲における所定値に増幅度を設定する。上記所定の閾値は、例えば予め設定された値であり、メモリ122に記憶されている。
以下、LSI105について詳述する。
<1.2.1 LSI105>
図3は、本実施形態に係る耳かけ形補聴器101のLSI105の内部構成を示す概略図である。
LSI105は、図3に示すように、制御部130と、閾値記憶部131と、A/Dコンバータ132と、エレクトリカルスイッチ105bと、警告部134と、増幅部135と、を備える。制御部130は、後述するようにLSI105の各構成要素と接続され、各構成要素の制御を行う。閾値記憶部131は、所定の閾値を記憶する。A/Dコンバータ132は、メカニカルスイッチ104からの抵抗値(アナログ値)をデジタル値に変換する。エレクトリカルスイッチ105bは、後述するように補聴器装用者に合わせて予め設定された上限値以下の範囲内で、マイクロホン121から入力された電気信号の増幅度を設定する。警告部134は、音等による警告を行う。増幅部135は、エレクトリカルスイッチ105bに接続され、マイクロホン121から供給される電気信号をエレクトリカルスイッチ105bで設定される増幅度に応じて増幅し、レシーバ123(イヤホン又はスピーカ)へ出力する。なお、上記所定の閾値は、メモリ122に記憶されており、補聴器101の電源がONされると同時に、閾値記憶部131に格納される。
制御部130は、A/Dコンバータ132から得られるメカニカルスイッチ104の抵抗値を検知し、検知した抵抗値(デジタル値)が閾値を超えたと判定した場合に故障と認識し、警告部134に警告を発するよう指示する。また、制御部130は、抵抗値が閾値を超えたと判定した場合、増幅部135による増幅度を所定値に設定する。なお、制御部130による制御方法の詳細は図4を参照して後述する。
エレクトリカルスイッチ105bには外部通信端子105aが接続されている。外部通信端子105aは、補聴器101のフィッティング時に、補聴器調整装置(例えば、所定のソフトウエアを実行するコンピュータ端末)等の外部機器を接続する。これにより、外部機器は、外部通信端子105aを介してエレクトリカルスイッチ105bと接続される。LSI105は、フィッティング時に補聴器装用者個人の聴力に応じて増幅部135による増幅度の上限値が設定されている。メカニカルスイッチ104は、エレクトリカルスイッチ105bにより設定された増幅度の上限値以下の範囲で、増幅度の大きさを適宜設定する。
以下、メカニカルスイッチ104とエレクトリカルスイッチ105bによる音量調整について説明する。
<1.2.2 メカニカルスイッチ104とエレクトリカルスイッチ105bによる音量調整>
補聴器101の最大増幅度は、本来的には増幅部135の能力によって決まる。しかし、補聴器装用者の難聴度によっては、増幅部135の能力によって決まる最大増幅度が必要とされない場合がある。従って、補聴器101は、この増幅部135の能力によって決まる最大増幅度以下の範囲で、補聴器装用者毎の最大増幅度、すなわち増幅度の上限値が、エレクトリカルスイッチ105bによって設定される。このエレクトリカルスイッチ105bによって補聴器装用者毎に設定される増幅度の上限値は、通常、補聴器101のフィッティング時に、上述した補聴器調整装置等の外部機器を用いて設定される。補聴器装用者はメカニカルスイッチ104を調整するが、増幅度は、エレクトリカルスイッチ105bによりフィッティング時に設定された増幅度の上限値以下の範囲で設定される。補聴器装用者は、補聴器を使用する環境(例えば、静かな環境、又は雑音環境)に応じて、例えばメカニカルスイッチ104の目盛りを操作して、増幅度を適宜、簡易に調整できる。
上述したように、本実施形態の耳かけ形補聴器101は、メカニカルスイッチ104と、エレクトリカルスイッチ105bとの二つの音量調整部により、音量が調整、設定される。当該構成によれば、メカニカルスイッチ104により音量調整の操作性が向上し、エレクトリカルスイッチ105bにより音量調整の信頼性を向上することができる。
ところで、メカニカルスイッチ104は、機械的な部品により構成されており、しかもその一部が本体ケース102外に露出している(図1参照)。従って、断線、さび等より抵抗が無限大となるような故障が、エレクトリカルスイッチ105b以上に生じやすい。具体的には、汗等の水分がメカニカルスイッチ104に付着すると、メカニカルスイッチを構成する電極104a及び摺動子104bが腐食及び酸化するため、電極間が絶縁状態になり、抵抗値が無限大になる。従って、メカニカルスイッチ104の設定値に関わらず、LSI105の制御部130が、メカニカルスイッチの可変抵抗器の抵抗値を無限大と検知してしまう。
そこで、本実施形態の耳かけ形補聴器101においては、所定の閾値を超える抵抗値がLSI105で検知された場合に、メカニカルスイッチ104が故障したと認識させて、音量制御を行う。具体的には、メカニカルスイッチ104が故障したと判定した場合、制御部130は、最大未満の音量(所定値)で音を再生させる。すなわち、LSI105において、抵抗の閾値(例えば260オーム)又はその値に対応する電圧値を閾値記憶部131に記憶しておき、制御部130がメカニカルスイッチ104の抵抗値をモニタリングする。
そして、制御部130は、検知したメカニカルスイッチ104の抵抗値が閾値記憶部131に記憶された閾値を超えたと判定したら、メカニカルスイッチ104が故障したと認識し、エレクトリカルスイッチ105bにより予め設定された所定の増幅度で増幅部135を制御して、適度な音量で音を再生する。
例えば、下記の表3に示すように、補聴器101の装用者が自分の聴力に合わせてメカニカルスイッチ104の目盛りを「3」に設定しているとき、メカニカルスイッチ104が断線し、それによって可変抵抗器の抵抗値が無限大オームになる場合を考える。LSI105の制御部130は、抵抗値が閾値(例えば260オーム)を超えたことを認識し、増幅部135に、エレクトリカルスイッチ105bによって設定されている増幅度の上限値以下の、所定の増幅度で増幅させる。例えば、増幅部135は、所定値「200」に対応する増幅度で信号を増幅する。なお、上記所定値「200」は、例えば、予めメモリ122に記憶されている。
このため、ボリュームスイッチが故障してメカニカルスイッチ104とLSI105との間で断線が起きた場合でも、最大音(増幅部135の能力によって決まる最大増幅度で増幅される音)で再生されることがなく、補聴器装用者を驚かせたり、耳を痛めたりする等の不都合を生じさせることがない。
Figure 2010095431
<1.3 補聴器101の動作>
図4は、本実施形態に係る補聴器101の動作を説明するためのフロー図である。この補聴器101の動作は、主に、LSI105の制御部130によって制御される。
ステップS11:制御部130は、メカニカルスイッチ104の抵抗値を検知する。
ステップS12:制御部130は、検知した抵抗値と閾値記憶部131に記憶された閾値と比較する。メカニカルスイッチ104の抵抗値が閾値より大きい場合、ステップ13に進み、抵抗値が閾値以下である場合ステップS15に進む。
ステップS13:制御部130は、増幅部135による増幅度をメモリ122から読み出した所定値に設定する。
ステップS14:制御部130は警告部134に指令を出し、メカニカルスイッチ104が断線等により故障していることを通知する音等を発する。
ステップS15: 一方、抵抗値が閾値以下である場合、制御部130は、メカニカルスイッチ104の抵抗値に応じて増幅部135による増幅度を設定する。
<1.4 補聴器101の特徴>
以上説明したように、本実施形態に係る補聴器101によれば、LSI105の制御部130が検知したメカニカルスイッチ104の抵抗値が閾値を超えたと判定した場合に、エレクトリカルスイッチ105bにより増幅部135による増幅度を上限値以下の範囲における所定値に自動設定する。従って、メカニカルスイッチ104が故障してLSI105との間で断線が起きた場合でも、最大音(増幅部135の能力によって決まる最大増幅度で増幅される音)で再生されることがなく、補聴器装用者を驚かせたり、耳を痛めたりする等の不都合を生じさせることがなく、適度な音量での音声再生が保障される。
また、本実施形態に係る補聴器101によれば、LSI105の制御部130が検知したメカニカルスイッチ104の抵抗値が閾値を超えたと判定した場合に、警告部134が故障と認識して警告を行う。従って、たとえ補聴器装用者がメカニカルスイッチ104の目盛りを最大にして故障を認識しにくい場合でも、補聴器装用者にメカニカルスイッチ104の故障を知らせることができる。
また、本実施形態に係る補聴器101はメモリ122を備え、メモリ122が所定の増幅度(例えば、200)を記憶しているため、メカニカルスイッチ104が故障した場合に音量を補聴器装用者の聴力に合わせて設定することができる。
また、本実施形態に係る補聴器101によれば、LSI105は所定の閾値を記憶する閾値記憶部を備えるため、メカニカルスイッチ104が故障して抵抗値が無限大になってもその検知を容易に行うことができる。
<2.変形例>
<2.1>
上記実施形態においては、LSI105の制御部130は、検知したメカニカルスイッチ104の抵抗値が閾値記憶部131に記憶された閾値を超えた場合、予めメモリ122に記憶された所定の増幅度に基づき、増幅部135による増幅度を決定する。これに代えて、過去に使用していたメカニカルスイッチ104の可変抵抗器の抵抗値(メカニカルスイッチ104の目盛りによる)に対応した増幅度をメモリ122に記憶しておき、その増幅度を増幅部135における増幅度として設定してもよい。また、記憶される抵抗値は、直前に設定された抵抗値、過去に使用された複数の抵抗値の平均値や最頻値等であってもよい。
このような構成により、補聴器101は、予め所定の増幅度を記憶させておく必要がなく、またメカニカルスイッチ104が故障して断線が起きた場合に補聴器装用者の通常使用している音量で音を再生することができる。
<2.2>
上記実施形態においては、補聴器は耳かけ形を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、耳穴形、箱形、メガネ形等の他の種類の補聴器にも本発明は適用可能である。<2.3>
警告部134は、音の他に、光、振動、熱等を発生させることによりメカニカルスイッチ104が故障したことを示す警告を行ってもよい。更に、補聴器にディスプレイを設けて、警告を表示してもよい。
<2.4>
上記実施形態においてはLSI105を設けたが、集積回路化の手法はLSIに限るものではない。また、上記実施形態に係る補聴器の音量制御方法は、少なくともその一部をプロセッサがプログラムを実行することにより実現してもよい。
<2.5>
本発明は、補聴器装用者に合わせて増幅部135による増幅度の上限値を設定しない補聴器でも適用可能である。抵抗値が所定の閾値を超えたと判定された場合に設定される所定値が予め適度な増幅度の値であればよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態において示された事項に限定されず、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者がその変更・応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
本発明は、メカニカルな音量調整手段が故障した場合でも、適度な音量での音の再生を保障する補聴器に適用可能である。
10,11 マイクロホン
12 増幅部
13 レシーバ
14 メカニカルボリューム
15 エレクトリカルボリューム
16 ケーシング
16a 挿入部
16b 操作部
16c 取り付け面
20 イヤホン
30 増幅器
40 減衰回路
41,61 トランジスタ
42 可変抵抗器
50 整流回路
51,52 ダイオード
53 平滑コンデンサ
60 バイアス付加回路
70 増幅回路
80 電池
101 耳かけ形補聴器(補聴器)
102 本体ケース
103 背面
104 メカニカルスイッチ(第1の音量調整部)
104a 電極
104b 摺動子
105 LSI(処理部)
105a 外部通信端子
105b エレクトリカルスイッチ(第2の音量調整部)
106 開口部
110 電池ホルダ
111 開閉用突起部
121 マイクロホン
122 メモリ
123 レシーバ
130 制御部
131 閾値記憶部
132 A/Dコンバータ
133 検知部
134 警告部
135 増幅部
本発明は、補聴器及び補聴器の音量制御方法に関する。
補聴器は、入力された音を電気信号に変換後、その電気信号の増幅度をデジタル処理により自動補正することにより出力音声の音量を調整する手段である、いわゆるエレクトリカルボリュームを備えるものが主流になりつつある。一方で、補聴器装用者にとって、自らの操作により音量を簡易に調整できるメカニカルボリュームを必要とすることが多い。そこで、従来、メカニカルボリュームとエレクトリカルボリュームの双方を備える補聴器が知られている。
図5Aは、かかる従来の補聴器1の構成例を示している(例えば、特許文献1参照)。補聴器1は、マイクロホン11と、増幅器12と、レシーバ13と、メカニカルボリューム14と、エレクトリカルボリューム15とを備える。図5Aに示す補聴器において、マイクロホン11は、可聴音を集音して電気信号すなわち可聴信号に変換する。増幅器12はマイクロホン11から出力された可聴信号を増幅する。レシーバ13は、増幅器12から出力された可聴信号を可聴音に変換する。
メカニカルボリューム14は、超小型回転式可変抵抗器により構成され、増幅器12とアース間に接続された機械的なボリューム調整手段であり、増幅器12を通過する可聴信号のレベル調整の上限の設定を行う。
エレクトリカルボリューム15もまた、増幅器12とアース間に接続されている。エレクトリカルボリューム15は、メカニカルボリューム14で設定された上限の範囲内で、微少ステップで可聴信号のレベル、ひいては音量調整を行う。
図5Bは上記補聴器1の外観斜視図である。
図5Bにおいて、ケーシング16は、挿入部16aと操作部16bとを有している。挿入部16aは耳孔内に挿入する部分であり、操作部16bは音量を調整するための操作を行う部分である。また、取り付け面16cには、メカニカルボリューム14とエレクトリカルボリューム15とマイクロホン11とが取り付けられている。ケーシング16内には、増幅器12、レシーバ13等が収納されている。
次に、上記従来の補聴器1の動作について説明する。
上記補聴器1において、マイクロホン11で集音された可聴音は可聴信号に変換されて、増幅器12に入力される。可聴信号は増幅器12で増幅された後、レシーバ13に出力されて可聴音に変換される。補聴器装用者が超小型回転式可変抵抗器を用いたメカニカルボリューム14を操作することにより、音量調整範囲の上限が設定される。この設定された上限の範囲内でエレクトリカルボリューム15により微少ステップで増幅器12を通過する可聴信号レベル、ひいては音量が微調整される。
このように補聴器1のボリュームは、ボリュームスイッチ(つまり、可変抵抗器を含むメカニカルボリューム14)と、ボリュームスイッチに接続されたLSI(増幅器12及びエレクトリカルボリューム15を含む)とによって制御されている。例えば、表1では、ボリュームスイッチの最大目盛りが「5」、可変抵抗器の最大抵抗値が200オーム、LSIが抵抗値を8ビットでAD変換した例を示す。この例では、LSIの増幅度の値及び音量の関係は表1のようになる。
Figure 2010095431
すなわちボリュームスイッチの目盛りが「0」の場合は、可変抵抗器の値(抵抗値)は0オームである。LSIがその抵抗値を8ビットでAD変換した場合、その値も「0」であり、レシーバ13から出力される音量は「0」である。
一方、ボリュームスイッチの目盛りが「5(MAX)」の場合、抵抗値は、例えば200オームとする。この場合、AD変換後のLSIによる増幅度の値は、8ビットAD変換による最大値である「255」となり、音が最大音量(上限以下)で再生される。
図6は、衝撃音や過大音が入力された場合に、過大な音量が出力されないように自動的に制御する別の従来の補聴器の内部構成例(例えば、特許文献2参照)を示す。
図6に示す例では、入力トランスデューサであるマイクロホン10に過大な音声あるいは衝撃音等のインパルス性の入力信号が入力された場合、その入力信号は、コンデンサC1を介して増幅器30に印加されて一定のゲインで増幅される。増幅された信号は、コンデンサC2を介してクラスDアンプを搭載した受話器であるイヤホン20により出力される。
マイクロホン10、増幅器30、イヤホン20には電池80(及びコンデンサC3)によりDC電源が供給されている。そして、増幅器30の出力信号(接続点B)が増幅回路70と整流回路50によりモニタリングされ、過大にならないようにバイアス付加回路60と減衰回路40により増幅器30の入力信号(接続点A)が減衰される。
このように構成された補聴器について、その動作を説明する。
まず、マイクロホン10への入力音は、増幅器30とトランジスタ41に印加される。
増幅器30からの出力はイヤホン20と増幅回路70に印加される。増幅回路70に印加された交流信号は、整流回路50においてダイオード51、52によって整流され、平滑コンデンサ53で平滑化されて直流電圧に変換される。この直流電圧は、バイアス付加回路60においてトランジスタ61によって与えられたバイアス電圧に加えられ、減衰回路40のトランジスタ41のベース電圧となる。ここで、可変抵抗器42によって決定される閾値をトランジスタ41のベース電圧が超えるとトランジスタ41が動作し、増幅器30の入力段の信号が引き込まれて減衰し、イヤホン20の出力も抑制される。
このように、自動利得制御回路内の信号ラインには、時定数を持つRCフィルタ等を用いていないため、信号入力から抑制開始までの応答が速い。入力信号が小さい場合には、可変抵抗器42によって決定される閾値をトランジスタ41のベース電圧が超えないため、増幅器30の入力信号は減衰されず、イヤホン20の出力には影響を与えない。
特開平5−130698号公報 特開2005−65124号公報
図5A及び図5Bに示した従来例においては、例えばボリュームスイッチが故障してメカニカルボリューム14とLSI(増幅器12)間で断線が起きた場合、ボリュームスイッチの抵抗値は無限大となる。このため、レシーバ13から出力される音声は、最大音で再生される。これにより、補聴器装用者の耳を傷めたり、驚かせる等の不都合が生じる。
より具体的には、補聴器は、汗等の水分が補聴器内部及びメカニカルボリューム14内部に浸入しやすい構造を有する。従って、メカニカルボリュームの故障が起きやすい。また、メカニカルボリューム14とエレクトリカルボリューム15を含むLSIとの結線は細いリード線や薄い基板が使用されているため、断線しやすい。従って、上記のような問題が生じる。
例えば、表2に示すように、ボリュームスイッチの最大目盛が「5」である場合に、メカニカルボリューム14とLSI(増幅器12)との間で断線が起きるとする。この場合、補聴器装用者が自分の聴力に合わせてボリュームスイッチの目盛を「3」に設定していても、断線のためにボリュームスイッチの可変抵抗器が無限大オームとLSIが認識してしまい、音量最大で音声が再生されてしまう。
Figure 2010095431
このように従来の補聴器は、可変抵抗器を備えたメカニカルボリュームとLSI制御によるエレクトリカルボリュームの二つを有していても、メカニカルボリュームが断線や腐食等より抵抗無限大になったとき、LSIがボリューム最大と認識して音量を上げるので、補聴器装用者が驚いたり、耳を痛める等の問題が生じる。
また、図6に示した従来の補聴器においても、可変抵抗器42を有しているので、図5A及び図5Bに示す従来例と同じように、断線や腐食等が発生し、音量の調整ができなくなる等の問題が発生する。
そこで本発明は、メカニカルな音量調整手段が故障した場合でも、適度な音量での音声再生を保障する補聴器及び補聴器の音量制御方法を提供することを目的としている。
本発明の第1の観点によれば、補聴器は、本体ケース、マイクロホン、処理部、第1の音量調整部、及びレシーバを備える。マイクロホンは、本体ケース内に設けられ、音を電気信号に変換する。処理部は、本体ケース内に設けられている。第1の音量調整部は、可変抵抗器と、本体ケース外に露出するように設けられ可変抵抗器の抵抗値を設定するための操作部と、を有する。レシーバは、電気信号を音に変換する。処理部は更に、増幅部と、第2の音量調整部と、制御部と、を有する。増幅部は、マイクロホンからの電気信号を増幅する。第2の音量調整部は、第1の音量調整部の可変抵抗器の抵抗値に応じて、増幅部による増幅度を設定する。制御部は、第2の音量調整部と増幅部とを制御する。制御部は更に、第1の音量調整部の可変抵抗器の抵抗値を検知し、抵抗値が所定の閾値を超えたかどうかを判定し、抵抗値が所定の閾値を超えたと判定した場合は、増幅部による増幅度の所定値を取得し、増幅部による増幅度を、同所定値に設定する。
第2の音量調整部は、増幅部による増幅度の上限値を設定し、同上限値以下の範囲で増幅部による増幅度を設定し、制御部は、抵抗値が所定の閾値を超えたと判定した場合は、上限値以下である増幅部による増幅度の所定値を取得するようにしてもよい。
処理部は、制御部に接続され、制御部により前記抵抗値が閾値を超えたと判定された場合に警告を行う警告部を有していてもよい。
補聴器は、制御部に接続され、上記所定値を記憶するメモリを備え、制御部は、同メモリから上記所定値を取得してもよい。
上記所定値は、第1の音量調整部によって過去に設定されていた所定の抵抗値に関する値に応じた増幅度であってもよい。ここで、第1の音量調整部によって過去に設定されていた所定の抵抗値に関する値とは、過去に設定された所定の抵抗値そのものの他、例えば複数の抵抗値の平均値や最頻値等であってもよい。
処理部は更に、上記閾値を記憶する閾値記憶部を有していてもよい。
本発明の第2の観点によれば、音を電気信号に変換するマイクロホン、可変抵抗器を含み可変抵抗器の抵抗値を設定する第1の音量調整部、マイクロホンからの電気信号を増幅する増幅部、増幅した電気信号を音に変換するレシーバ、及び増幅部を制御するプロセッサを含む補聴器の音量制御方法であって、同方法は、プロセッサによって実行される次の手順を備える:
第1の音量調整部の可変抵抗器の抵抗値を検知し;
抵抗値が所定の閾値を超えたかどうかを判定し;
抵抗値が所定の閾値を超えないと判定した場合は、第1の音量調整部の可変抵抗器の抵抗値に応じて、電気信号の増幅度を設定し;
抵抗値が所定の閾値を超えたと判定した場合は、増幅器における電気信号の増幅度の所定値を取得し、増幅部による増幅度を同所定値に設定する。
以上説明したように、本発明に係る補聴器によれば、メカニカルな音量調整手段が故障した場合でも、適度な音量での音声再生を保障することができる。
本発明の実施形態に係る耳かけ形補聴器101の外観を示す概略図 同実施形態に係る補聴器101の主に内部構成を示す全体ブロック図 同実施形態に係る補聴器101のLSI105の内部構成を示す概略図 同実施形態に係る補聴器の動作を説明するためのフロー図 従来の補聴器の構成を示す図 従来の補聴器の外観を示す図 他の従来の補聴器の内部構成を示す図
<1.実施形態>
<1.1 補聴器101の外部構成>
図1は、本発明の一の実施形態に係る耳かけ形補聴器101の外観を概略的に示す。耳かけ形補聴器とは、耳の後ろに掛けて使用するタイプの補聴器である。
同図に示すように、耳かけ形補聴器101は、入力された音(音声)を電気信号に変換するマイクロホン(図2)、マイクロホンの出力信号を増幅すると共に入力された音の周波数特性を制御するLSI105(処理部の一例)、及びLSI105の出力信号を音声に変換するレシーバ(図2)等を本体ケース102内に収納して構成されている。また、本体ケース102の背面103には、利得調節用のボリュームスイッチであるメカニカルスイッチ104(第1の音量調整部の一例)と電源スイッチ(図示省略)等が配設されている。
本体ケース102は、補聴器装用者が補聴器101を装着したとき、補聴器装用者の耳介の後面に沿って配置される。本体ケース102の全体的な形状は、湾曲した略長方形状である。本体ケース102は、背面103、背面103反対側の前面102a、前面102aと背面103とを繋ぐ2つの側面102b、及び前面102aと背面103と2つの側面102bとを繋ぐ下面102cを有する。本体ケース102の前面102a及び一方の側面102bは、補聴器101の装着時において補聴器装用者の耳介後面と接触するように配置される。本体ケース102の他方の側面102bは、補聴器装用者の頭部と接触するように配置される。本体ケース102の下面102cは、耳介の下方に配置される。
メカニカルスイッチ104は、背面103に形成された開口部106から本体ケース102の背面103の外側に露出した操作部を含む。補聴器装用者は、メカニカルスイッチ104を指先で本体ケース102の長手(上下)方向に回転させることによりLSI105の利得を調節する。これにより、補聴器装用者にとって所望の大きさの音声出力を得ることができる。なお、メカニカルスイッチ104の操作部は、耳かけ形補聴器101の装用者が指先の腹で容易に認識でき、且つ容易に操作できるように本体ケース102の背面103の外側に突出している。
また、本体ケース102の下面102cに電池ホルダ110を開閉自在に設け、この電池ホルダ110の開閉用突起部111を本体ケース102の下面102cから下方向に突出成形している。補聴器装用者は、指で開閉用突起部111を動かすことにより電池ホルダ110の開閉を行う。なお、補聴器101は、電池ホルダ110を開閉することにより電源をON/OFF制御するように設計してもよい。この場合、開閉用突起部111が本体ケース102の下方に突出していることにより、補聴器装用者が不意に開閉用突起部111に触れて電池ホルダ110を開いてしまうことを防ぐことができる。
<1.2 補聴器101の内部構成>
図2は、本実施形態に係る耳かけ形補聴器101の主に内部構成を示す全体ブロック図である。
本実施形態の補聴器101は、マイクロホン121と、LSI105と、レシーバ123と、メカニカルスイッチ104と、メモリ122とを備える。マイクロホン121は、音を電気信号に変換する。LSI105は、1チップで構成され、後述するように電気信号を増幅する。レシーバ123は、イヤホンやスピーカ等であり、LSI105の出力信号をD/Aコンバータ(図示省略)を介して音に変換する。メカニカルスイッチ104は、補聴器装用者の操作を介して音量レベルを設定し、レシーバ123から所望の音量を得る。メモリ122は、所定の増幅度を記憶する。
図2に示すように、メカニカルスイッチ104は、電極104aと、その電極104a上を摺動する摺動子104bとにより構成された可変抵抗器を含む。耳かけ形補聴器101の補聴器装用者が、メカニカルスイッチ104の操作部(図1)を指先で動かすことにより、可変抵抗器の抵抗値を変化させ、設定する。なお図3を参照して後述するが、LSI105は、エレクトリカルスイッチ105b(第2の音量調整部の一例)を含む。
本実施形態に係るメカニカルスイッチ104は、後述するようにエレクトリカルスイッチ105bによって設定された上限値以下の範囲で音量レベルに応じた抵抗値を設定する。
LSI105は、メカニカルスイッチ104の抵抗値を検知する。ここで、抵抗値を検知するとは、メカニカルスイッチ104の操作による可変抵抗器の抵抗値の変動を検知し、変動した抵抗値を取得するようにしてもよい。或いはLSI105が可変抵抗器の抵抗値を定期的に取得するようにしてもよい。検知した抵抗値が所定の閾値以下の場合に、メカニカルスイッチ104の抵抗値に応じて増幅度を設定する。一方、検知した抵抗値が所定の閾値を超えた場合に、上記上限値以下の範囲における所定値に増幅度を設定する。上記所定の閾値は、例えば予め設定された値であり、メモリ122に記憶されている。
以下、LSI105について詳述する。
<1.2.1 LSI105>
図3は、本実施形態に係る耳かけ形補聴器101のLSI105の内部構成を示す概略図である。
LSI105は、図3に示すように、制御部130と、閾値記憶部131と、A/Dコンバータ132と、エレクトリカルスイッチ105bと、警告部134と、増幅部135と、を備える。制御部130は、後述するようにLSI105の各構成要素と接続され、各構成要素の制御を行う。閾値記憶部131は、所定の閾値を記憶する。A/Dコンバータ132は、メカニカルスイッチ104からの抵抗値(アナログ値)をデジタル値に変換する。エレクトリカルスイッチ105bは、後述するように補聴器装用者に合わせて予め設定された上限値以下の範囲内で、マイクロホン121から入力された電気信号の増幅度を設定する。警告部134は、音等による警告を行う。増幅部135は、エレクトリカルスイッチ105bに接続され、マイクロホン121から供給される電気信号をエレクトリカルスイッチ105bで設定される増幅度に応じて増幅し、レシーバ123(イヤホン又はスピーカ)へ出力する。なお、上記所定の閾値は、メモリ122に記憶されており、補聴器101の電源がONされると同時に、閾値記憶部131に格納される。
制御部130は、A/Dコンバータ132から得られるメカニカルスイッチ104の抵抗値を検知し、検知した抵抗値(デジタル値)が閾値を超えたと判定した場合に故障と認識し、警告部134に警告を発するよう指示する。また、制御部130は、抵抗値が閾値を超えたと判定した場合、増幅部135による増幅度を所定値に設定する。なお、制御部130による制御方法の詳細は図4を参照して後述する。
エレクトリカルスイッチ105bには外部通信端子105aが接続されている。外部通信端子105aは、補聴器101のフィッティング時に、補聴器調整装置(例えば、所定のソフトウエアを実行するコンピュータ端末)等の外部機器を接続する。これにより、外部機器は、外部通信端子105aを介してエレクトリカルスイッチ105bと接続される。LSI105は、フィッティング時に補聴器装用者個人の聴力に応じて増幅部135による増幅度の上限値が設定されている。メカニカルスイッチ104は、エレクトリカルスイッチ105bにより設定された増幅度の上限値以下の範囲で、増幅度の大きさを適宜設定する。
以下、メカニカルスイッチ104とエレクトリカルスイッチ105bによる音量調整について説明する。
<1.2.2 メカニカルスイッチ104とエレクトリカルスイッチ105bによる音量調整>
補聴器101の最大増幅度は、本来的には増幅部135の能力によって決まる。しかし、補聴器装用者の難聴度によっては、増幅部135の能力によって決まる最大増幅度が必要とされない場合がある。従って、補聴器101は、この増幅部135の能力によって決まる最大増幅度以下の範囲で、補聴器装用者毎の最大増幅度、すなわち増幅度の上限値が、エレクトリカルスイッチ105bによって設定される。このエレクトリカルスイッチ105bによって補聴器装用者毎に設定される増幅度の上限値は、通常、補聴器101のフィッティング時に、上述した補聴器調整装置等の外部機器を用いて設定される。補聴器装用者はメカニカルスイッチ104を調整するが、増幅度は、エレクトリカルスイッチ105bによりフィッティング時に設定された増幅度の上限値以下の範囲で設定される。補聴器装用者は、補聴器を使用する環境(例えば、静かな環境、又は雑音環境)に応じて、例えばメカニカルスイッチ104の目盛りを操作して、増幅度を適宜、簡易に調整できる。
上述したように、本実施形態の耳かけ形補聴器101は、メカニカルスイッチ104と、エレクトリカルスイッチ105bとの二つの音量調整部により、音量が調整、設定される。当該構成によれば、メカニカルスイッチ104により音量調整の操作性が向上し、エレクトリカルスイッチ105bにより音量調整の信頼性を向上することができる。
ところで、メカニカルスイッチ104は、機械的な部品により構成されており、しかもその一部が本体ケース102外に露出している(図1参照)。従って、断線、さび等より抵抗が無限大となるような故障が、エレクトリカルスイッチ105b以上に生じやすい。具体的には、汗等の水分がメカニカルスイッチ104に付着すると、メカニカルスイッチを構成する電極104a及び摺動子104bが腐食及び酸化するため、電極間が絶縁状態になり、抵抗値が無限大になる。従って、メカニカルスイッチ104の設定値に関わらず、LSI105の制御部130が、メカニカルスイッチの可変抵抗器の抵抗値を無限大と検知してしまう。
そこで、本実施形態の耳かけ形補聴器101においては、所定の閾値を超える抵抗値がLSI105で検知された場合に、メカニカルスイッチ104が故障したと認識させて、音量制御を行う。具体的には、メカニカルスイッチ104が故障したと判定した場合、制御部130は、最大未満の音量(所定値)で音を再生させる。すなわち、LSI105において、抵抗の閾値(例えば260オーム)又はその値に対応する電圧値を閾値記憶部131に記憶しておき、制御部130がメカニカルスイッチ104の抵抗値をモニタリングする。
そして、制御部130は、検知したメカニカルスイッチ104の抵抗値が閾値記憶部131に記憶された閾値を超えたと判定したら、メカニカルスイッチ104が故障したと認識し、エレクトリカルスイッチ105bにより予め設定された所定の増幅度で増幅部135を制御して、適度な音量で音を再生する。
例えば、下記の表3に示すように、補聴器101の装用者が自分の聴力に合わせてメカニカルスイッチ104の目盛りを「3」に設定しているとき、メカニカルスイッチ104が断線し、それによって可変抵抗器の抵抗値が無限大オームになる場合を考える。LSI105の制御部130は、抵抗値が閾値(例えば260オーム)を超えたことを認識し、増幅部135に、エレクトリカルスイッチ105bによって設定されている増幅度の上限値以下の、所定の増幅度で増幅させる。例えば、増幅部135は、所定値「200」に対応する増幅度で信号を増幅する。なお、上記所定値「200」は、例えば、予めメモリ122に記憶されている。
このため、ボリュームスイッチが故障してメカニカルスイッチ104とLSI105との間で断線が起きた場合でも、最大音(増幅部135の能力によって決まる最大増幅度で増幅される音)で再生されることがなく、補聴器装用者を驚かせたり、耳を痛めたりする等の不都合を生じさせることがない。
Figure 2010095431
<1.3 補聴器101の動作>
図4は、本実施形態に係る補聴器101の動作を説明するためのフロー図である。この補聴器101の動作は、主に、LSI105の制御部130によって制御される。
ステップS11:制御部130は、メカニカルスイッチ104の抵抗値を検知する。
ステップS12:制御部130は、検知した抵抗値と閾値記憶部131に記憶された閾値と比較する。メカニカルスイッチ104の抵抗値が閾値より大きい場合、ステップ13に進み、抵抗値が閾値以下である場合ステップS15に進む。
ステップS13:制御部130は、増幅部135による増幅度をメモリ122から読み出した所定値に設定する。
ステップS14:制御部130は警告部134に指令を出し、メカニカルスイッチ104が断線等により故障していることを通知する音等を発する。
ステップS15: 一方、抵抗値が閾値以下である場合、制御部130は、メカニカルスイッチ104の抵抗値に応じて増幅部135による増幅度を設定する。
<1.4 補聴器101の特徴>
以上説明したように、本実施形態に係る補聴器101によれば、LSI105の制御部130が検知したメカニカルスイッチ104の抵抗値が閾値を超えたと判定した場合に、エレクトリカルスイッチ105bにより増幅部135による増幅度を上限値以下の範囲における所定値に自動設定する。従って、メカニカルスイッチ104が故障してLSI105との間で断線が起きた場合でも、最大音(増幅部135の能力によって決まる最大増幅度で増幅される音)で再生されることがなく、補聴器装用者を驚かせたり、耳を痛めたりする等の不都合を生じさせることがなく、適度な音量での音声再生が保障される。
また、本実施形態に係る補聴器101によれば、LSI105の制御部130が検知したメカニカルスイッチ104の抵抗値が閾値を超えたと判定した場合に、警告部134が故障と認識して警告を行う。従って、たとえ補聴器装用者がメカニカルスイッチ104の目盛りを最大にして故障を認識しにくい場合でも、補聴器装用者にメカニカルスイッチ104の故障を知らせることができる。
また、本実施形態に係る補聴器101はメモリ122を備え、メモリ122が所定の増幅度(例えば、200)を記憶しているため、メカニカルスイッチ104が故障した場合に音量を補聴器装用者の聴力に合わせて設定することができる。
また、本実施形態に係る補聴器101によれば、LSI105は所定の閾値を記憶する閾値記憶部を備えるため、メカニカルスイッチ104が故障して抵抗値が無限大になってもその検知を容易に行うことができる。
<2.変形例>
<2.1>
上記実施形態においては、LSI105の制御部130は、検知したメカニカルスイッチ104の抵抗値が閾値記憶部131に記憶された閾値を超えた場合、予めメモリ122に記憶された所定の増幅度に基づき、増幅部135による増幅度を決定する。これに代えて、過去に使用していたメカニカルスイッチ104の可変抵抗器の抵抗値(メカニカルスイッチ104の目盛りによる)に対応した増幅度をメモリ122に記憶しておき、その増幅度を増幅部135における増幅度として設定してもよい。また、記憶される抵抗値は、直前に設定された抵抗値、過去に使用された複数の抵抗値の平均値や最頻値等であってもよい。
このような構成により、補聴器101は、予め所定の増幅度を記憶させておく必要がなく、またメカニカルスイッチ104が故障して断線が起きた場合に補聴器装用者の通常使用している音量で音を再生することができる。
<2.2>
上記実施形態においては、補聴器は耳かけ形を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、耳穴形、箱形、メガネ形等の他の種類の補聴器にも本発明は適用可能である。
<2.3>
警告部134は、音の他に、光、振動、熱等を発生させることによりメカニカルスイッチ104が故障したことを示す警告を行ってもよい。更に、補聴器にディスプレイを設けて、警告を表示してもよい。
<2.4>
上記実施形態においてはLSI105を設けたが、集積回路化の手法はLSIに限るものではない。また、上記実施形態に係る補聴器の音量制御方法は、少なくともその一部をプロセッサがプログラムを実行することにより実現してもよい。
<2.5>
本発明は、補聴器装用者に合わせて増幅部135による増幅度の上限値を設定しない補聴器でも適用可能である。抵抗値が所定の閾値を超えたと判定された場合に設定される所定値が予め適度な増幅度の値であればよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態において示された事項に限定されず、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者がその変更・応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
本発明は、メカニカルな音量調整手段が故障した場合でも、適度な音量での音の再生を保障する補聴器に適用可能である。
10,11 マイクロホン
12 増幅
13 レシーバ
14 メカニカルボリューム
15 エレクトリカルボリューム
16 ケーシング
16a 挿入部
16b 操作部
16c 取り付け面
20 イヤホン
30 増幅器
40 減衰回路
41,61 トランジスタ
42 可変抵抗器
50 整流回路
51,52 ダイオード
53 平滑コンデンサ
60 バイアス付加回路
70 増幅回路
80 電池
101 耳かけ形補聴器(補聴器)
102 本体ケース
103 背面
104 メカニカルスイッチ(第1の音量調整部)
104a 電極
104b 摺動子
105 LSI(処理部)
105a 外部通信端子
105b エレクトリカルスイッチ(第2の音量調整部)
106 開口部
110 電池ホルダ
111 開閉用突起部
121 マイクロホン
122 メモリ
123 レシーバ
130 制御部
131 閾値記憶部
132 A/Dコンバータ
34 警告部
135 増幅部

Claims (7)

  1. 本体ケースと、
    前記本体ケース内に設けられ、音を電気信号に変換するマイクロホン、
    前記本体ケース内に設けられた処理部、
    可変抵抗器と、前記本体ケース外に露出するように設けられ前記可変抵抗器の抵抗値を設定するための操作部と、を有する第1の音量調整部、及び
    前記電気信号を音に変換するレシーバ、
    を備える補聴器であって、
    前記処理部は、
    前記マイクロホンからの前記電気信号を増幅する増幅部、
    前記第1の音量調整部の前記可変抵抗器の抵抗値に応じて、前記増幅部による増幅度を設定する第2の音量調整部、及び
    前記第2の音量調整部と前記増幅部とを制御する制御部、
    を有し、
    前記制御部は、
    前記第1の音量調整部の前記可変抵抗器の抵抗値を検知し、
    前記抵抗値が所定の閾値を超えたかどうかを判定し、
    前記抵抗値が前記所定の閾値を超えたと判定した場合は、前記増幅部による増幅度の所定値を取得し、
    前記増幅部による増幅度を、前記所定値に設定する、
    補聴器。
  2. 前記第2の音量調整部は、前記増幅部による増幅度の上限値を設定し、前記上限値以下の範囲で前記増幅部による増幅度を設定し、
    前記制御部は、前記抵抗値が前記所定の閾値を超えたと判定した場合は、前記上限値以下である前記増幅部による増幅度の所定値を取得する、
    請求項1に記載の補聴器。
  3. 前記処理部は更に、前記制御部に接続され、前記制御部により前記抵抗値が前記閾値を超えたと判定された場合に警告を行う警告部を有する、
    請求項1に記載の補聴器。
  4. 更に、前記制御部に接続され、前記所定値を記憶するメモリを備え、
    前記制御部は、前記メモリから前記所定値を取得する、
    請求項1に記載の補聴器。
  5. 前記所定値は、前記第1の音量調整部によって過去に設定されていた所定の抵抗値に関する値に応じた増幅度である、
    請求項4に記載の補聴器。
  6. 前記処理部は更に、前記閾値を記憶する閾値記憶部を有する、
    請求項1に記載の補聴器。
  7. 音を電気信号に変換するマイクロホン、
    可変抵抗器を含み前記可変抵抗器の抵抗値を設定する第1の音量調整部、
    前記マイクロホンからの電気信号を増幅する増幅部、
    増幅した前記電気信号を音に変換するレシーバ、及び
    前記増幅部を制御するプロセッサ
    を含む補聴器の音量制御方法であって、前記プロセッサによって、
    前記第1の音量調整部の前記可変抵抗器の抵抗値を検知し、
    前記抵抗値が所定の閾値を超えたかどうかを判定し、
    前記抵抗値が前記所定の閾値を超えないと判定した場合は、前記第1の音量調整部の前記可変抵抗器の抵抗値に応じて、前記電気信号の増幅度を設定し、
    前記抵抗値が前記所定の閾値を超えたと判定した場合は、前記増幅器における前記電気信号の増幅度の所定値を取得し、前記増幅部による増幅度を、前記所定値に設定する、
    補聴器の音量制御方法。


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