JPWO2010061508A1 - 圧電振動子及び超音波モータ - Google Patents

圧電振動子及び超音波モータ Download PDF

Info

Publication number
JPWO2010061508A1
JPWO2010061508A1 JP2010540303A JP2010540303A JPWO2010061508A1 JP WO2010061508 A1 JPWO2010061508 A1 JP WO2010061508A1 JP 2010540303 A JP2010540303 A JP 2010540303A JP 2010540303 A JP2010540303 A JP 2010540303A JP WO2010061508 A1 JPWO2010061508 A1 JP WO2010061508A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric
vibrating body
mode
piezoelectric vibrator
piezoelectric elements
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010540303A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5110170B2 (ja
Inventor
宏志 浅野
宏志 浅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2010540303A priority Critical patent/JP5110170B2/ja
Publication of JPWO2010061508A1 publication Critical patent/JPWO2010061508A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5110170B2 publication Critical patent/JP5110170B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02NELECTRIC MACHINES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H02N2/00Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction
    • H02N2/10Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction producing rotary motion, e.g. rotary motors
    • H02N2/16Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction producing rotary motion, e.g. rotary motors using travelling waves, i.e. Rayleigh surface waves
    • H02N2/166Motors with disc stator
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02NELECTRIC MACHINES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H02N2/00Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02NELECTRIC MACHINES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H02N2/00Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction
    • H02N2/10Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction producing rotary motion, e.g. rotary motors

Abstract

B(1,n)モード(nは自然数)の位相が90°異なる2つの定在波による進行波を発生させる圧電振動子であって、圧電素子成形工程、分極工程及び製造工程の簡略化を果たすことができ、コストを低減することができる構造を得る。振動体4の下面に(4/3)n枚の圧電素子5〜16が、B(1,n)モードの位相が90°異なる2つの定在波の合成によるn波進行波を発生させるために設けられており、該進行波の波長をλとしたときに、圧電素子5〜16が、(1/2)λθに相当する中心角を占める周方向長さを有し、かつ複数の圧電素子5〜16が(1/4)λθに相当する中心角を占める間隔を隔てて配置されており、各圧電素子は、厚み方向に分極された圧電体と、圧電体の両面に形成された一対の電極とを有し、前記周回方向において圧電素子の圧電体の分極方向が2枚毎に厚み方向の一方または他方とされている、圧電振動子。

Description

本発明は、圧電効果を利用して進行波を発生する圧電振動子、並びに該圧電振動子より生じた進行波を利用した超音波モータに関する。
従来、圧電効果を利用した超音波モータが種々提案されている。下記の特許文献1には、円板状の振動体の片面に円板状の圧電素子を貼り付けてなるステータを有する超音波モータが開示されている。図8(a)及び(b)は、特許文献1に記載の超音波モータを示す略図的正面断面図及び下面の圧電素子の分極構造を説明するための振動体の模式的平面図である。
特許文献1に開示されている超音波モータ101では、B(1,3)モードの位相が互いに90°異なる2つの定在波を発生させ、該2つの定在波の合成により進行波が発生される。
超音波モータ101は、支持板102を有する。支持板102の中央に、中心軸103が取り付けられている。中心軸103は、支持板102の中央から上方に延ばされている。中心軸103にステータ104が固定されており、それによって、ステータ104は、中心軸103及び支持板102により保持されている。
ステータ104は、円板状の振動体105と、振動体105の下面に貼り付けられた円板状の圧電素子106とを有する。図8(b)に示すように、圧電素子106は、中心角30°の12個の扇形の領域に区分されている。各扇形の領域が、図示の+または−の記号で示すように厚み方向に分極されている。+で示されている扇形の領域と、−で示されている扇形の領域とは、厚み方向において逆方向に分極処理されていることを示す。B(1,n)モードやB(0,n)モード(但し、nは自然数)の定在波を発生させてn波の進行波を得るには、4n個の領域に圧電体を分割しなければならない。なお、nは自然数である。従って、特許文献1では、3波の進行波を得るために、圧電素子106が12個の領域に区分されている。
圧電素子106は、分極された圧電セラミック板の両面に電極を形成した構造を有する。圧電素子106に、交流電圧を印加することにより、上記のように、+または−の記号で示した各領域が逆の位相で振動し、それによって、圧電素子106に取り付けられた振動体105が振動する。この振動により、図8(a)の破線Aで示す振動姿態と、破線Bで示す振動姿態との間で変位が繰り返され、B(1,3)モードの定在波が生じる。そして、位相が90°異なる2つの定在波を発生させるように圧電素子106を駆動することにより、振動体105よりも小さな径の進行波が発生する。
振動体105の上面には、上記進行波が伝搬する径方向において突出部105aが形成されており、突出部105aに接するように、振動体105の上面に図示しないロータが配置される。ロータは、中心軸103の周りに回転材となるように中心軸103により軸支される。従って、上記進行波の発生により、突出部105aに接触されているロータが中心軸103の周りを回転されることになる。
なお、上記B(1,3)モードを含むB(1,n)モードやB(0,n)モードを利用した超音波モータは下記の非特許文献1に開示されている。
特開平7−194151号公報
「精密制御用ニューアクチュエータ便覧」日本工業技術振興協会団体アクチュエータ研究部会編 フジテクノシステム発行 第839頁〜第841頁「拡大機能を有するディスク型超音波モータ」
特許文献1に記載の超音波モータ101では、B(1,3)モードの位相が90°異なる2つの定在波の合成により生じた進行波の発生によりロータが回転される。この場合の回転効率は比較的高いものの、超音波モータ101を得るにあたっては、略円板状の圧電素子106を12個もの領域に分割し、各領域を分極しなければならなかった。そのため、圧電体の形成工程や分極工程が複雑であり、さらに電極形成も複雑にならざるを得なかった。従って、超音波モータのコストを低減することができなかった。
本発明の目的は、大きな振動エネルギーを得ることが容易なB(1,n)モードの進行波を利用した超音波モータであって、圧電体の成形工程、分極工程及び電極形成工程の簡略化を図ることができ、コストを低減することができ、しかも様々なB(1,n)モードを容易に利用することができる超音波モータを提供することにある。
本発明によれば、外周縁が円または多角形である板状体からなる振動体と、前記振動体を振動させることにより、B(1,n)モード(但し、nは自然数)の位相が90°異なる2つの定在波の合成により生じ、かつ周回するように進行するn波の進行波を発生させるために該振動体の少なくとも一方主面に固定されており、前記進行波の周回方向に沿って分散配置された(4/3)n枚の圧電素子とを備え、前記進行波の波長に対応する前記周回方向中心周りの中心角をλθとしたときに、各圧電素子が中心角でλθ/2に対応する寸法を有し、かつ隣り合う圧電素子同士が前記周回方向に沿って中心角でλθ/4に対応する間隔をあけて配置されており、各圧電素子は、厚み方向に分極された圧電体と、圧電体の両面に形成された一対の電極とを有し、前記周回方向において圧電素子の圧電体の分極方向が2枚毎に厚み方向の一方または他方とされている、圧電振動子が提供される。
本発明に係る圧電振動子のある特定の局面によれば、前記複数の圧電素子が、前記B(1,n)モードの定在波の振動の腹上に位置するように設けられている。この場合には、より効果的に位相が異なる2つの定在波を発生させることができる。
本発明に係る圧電振動子の他の特定の局面では、前記複数の圧電素子が、前記B(1,n)モードの定在波の環状のノードよりも内側に位置している該定在波の振動の腹上に配置されている。この場合には、上記定在波をより一層効率よく発生させることができる。
本発明に係る圧電振動子のさらに他の特定の局面では、前記圧電振動子が、前記B(1,n)モードの定在波の環状の振動のノードよりも外側には至らないように該ノードよりも内側に設けられている。この場合には、振動のノードよりも外側に圧電振動子が至らないため、逆相の定在波の発生を抑制することができ、駆動効率の低下を抑制することができる。
本発明において、圧電素子の平面形状は特に限定されないが、本発明の他の特定の局面によれば、圧電素子は矩形の平面形状を有する。この場合には、マザーの圧電体から複数の圧電素子を容易にかつ高い生産性で形成することができる。
本発明に係る圧電素子のさらに別の特定の局面では、前記振動体の前記ロータと接触される側の面に、前記振動体の面から突出するように設けられた接触子がさらに備えられている。突出されている接触子の先端にロータなどの駆動される部材が接触されることにより、ロータ等をより一層効率良く駆動することができる。
本発明のさらに別の特定の局面によれば、前記接触子として、前記振動体の主面において、前記B(1,n)モードの振動の進行波が伝搬する領域である円環状の領域に分散配置された複数の接触子が設けられている。この場合には、より一層効率良くロータ等を駆動することができる。
本発明に係る超音波モータは、本発明に従って構成された圧電振動子からなるステータと、該ステータに接触されるように配置されており、ステータに応じて生じた進行波による振動を受けて回転されるロータとを備える。
本発明に係る圧電振動子では、板状体からなる振動体の少なくとも一方主面に(4/3)n枚の圧電素子が進行波の周回方向に沿って上記特定の関係となるように分散配置されているため、B(1,n)モードの位相が異なる2つの定在波の合成により生じた進行波が発生される。この進行波は、B(0,n)モードの定在波の合成による進行波を利用した場合よりも振動体において大きな変位を生み出す。従って、ロータなどの圧電振動子により駆動される部材を効率よく回転駆動することができる。
しかも、複数の圧電素子が振動体の少なくとも一方主面に上記特定の関係となるように固定されている構造を有するだけであるため、しかも、B(1,n)モードの位相が90°異なる2つの定在波の合成により生じるn波の進行波を発生させるのに、(4/3)n枚の単一分極の圧電素子を固定すればよいだけであるため、1枚の円環状もしくは円板状の4n分割された分極領域をもつ圧電素子を用いた従来例に比べ、圧電素子の成形工程、分極工程及び電極形成工程を大幅に簡略化することができ、コストを大幅に低減することが可能となる。
図1(a)及び(b)は、本発明の一実施形態の超音波モータのステータを示す斜視図及び平面図であり、(c)は、ステータにおいて生じる2つの定在波を説明するためのステータの正面図である。 図2(a)は、本発明の一実施形態の超音波モータのステータに固定される圧電素子の構造を説明するための圧電素子の正面断面図であり、(b)は、圧電素子の寸法及び圧電素子間の距離を説明するための模式的平面図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る超音波モータの正面図である。 図4は、本発明の一実施形態において、圧電振動子において生じるB(1,9)モードの定在波の振動の環状のノードをN及び変位が最も大きい腹Dの位置を示す模式的平面図である。 図5は、本発明に従ってB(1,3)モードの定在波を利用した圧電振動子における位相が互いに90°異なるB(1,3)モードの2つの定在波を模式的に示す平面図である。 図6は、本発明の一実施形態の変形例における圧電素子の位置と定在波との関係を説明するための模式的正面図である。 図7は、本発明の超音波モータの変形例におけるステータの平面図である。 図8(a)及び(b)は、従来のB(1,n)モードの進行波を用いた超音波モータを説明するための模式的正面図及びステータの下面に貼り付けられた圧電板の分極構造を示す模式的平面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る超音波モータの正面図である。超音波モータ1は、本発明の実施形態としての圧電振動子からなるステータ2と、ステータ2により回転駆動されるロータ3とを有する。ロータ3は、本実施形態では、略円板状の形状を有し、該円板の中心を周りに回転駆動される。ロータ3は、金属、セラミックスまたは合成樹脂などの適宜の剛性材料により形成される。本実施形態では、ステータ2において、後述する位相が時間的に及び位置的に90°異なるB(1,9)モードの2つの定在波が発生され、該2つの定在波の合成による進行波が生じるために該進行波によりロータ3が回転駆動される。
図1(a)及び(b)は、ステータ2の外観を示す斜視図及び平面図であり、図1(c)は、ステータ2において生じる定在波を説明するための模式的正面図である。
ステータ2は、板状の弾性体からなる振動体4を有する。振動体4は、中央に貫通孔4cを有する円板状の形状を有する。もっとも、振動体4は、円環状の形状を有していてもよい。
また、円や円環に限らず、振動体4の平面形状は正六角形、正八角形、または正十角形などの正多角形形状であってもよい。
上記振動体4は、本実施形態では、リン青銅により形成されている。もっとも、振動体4は、リン青銅などの金属からなる必要は必ずしもない。振動体4は、セラミックス、シリコン材料または合成樹脂などの他の弾性体により形成されていてもよい。上記振動体4は、打ち抜き加工などにより容易に正確な形状に形成され得る。
振動体4の下面4b上には、複数の圧電素子5〜16が貼り付けられている。図2は、圧電素子5を模式的に示す拡大正面断面図である。圧電素子5は、厚み方向に分極処理された圧電体5aと、圧電体5aの両面に形成された第1の電極5bと、下面に形成された第2の電極5cとを有する。上記圧電体5aは、チタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスのような圧電セラミックスあるいは圧電単結晶などの適宜の圧電材料により形成され得る。
第1,第2の電極5b,5cは、Al、Ag、Cuまたはこれらの合金などの適宜の金属材料からなる。
圧電素子6〜16も、圧電素子5と同様に構成されている。もっとも、後述するB(1,9)モードの位相が90°異なる2つの定在波を励振させるために、周方向において2個おきに、圧電素子の圧電体の分極方向が圧電体の厚み方向において逆方向とされている。すなわち、圧電素子5,6において、下面から上面を向く方向に圧電体5aが分極処理されている場合、圧電素子7,8では、圧電体は上面から下面に向う方向に分極処理されている。図1(b)において、圧電体の上面から下面に向う方向の分極方向を+、下面から上面に分極処理されている方向を−で示すこととなる。
なお、本実施形態では、上記周回方向において、圧電素子5,6の組の隣に圧電素子7,8の組が配置されていたが、例えば、圧電素子5,6の組と圧電素子7,8との間の組に、圧電体が上記プラス方向またはマイナス方向に分極されている1つの圧電素子が配置されていてもよい。あるいは、例えば圧電素子5,6の組と、圧電素子7,8の組のいずれかにおいて、1つの圧電素子が間引かれていてもよい。B(1,9)モードの定在波の励振効率が低下するため好ましくないが、このように、1つまたは幾つかの圧電素子が部分的に付加または間引きされている構造は、本発明の範囲から排除されるものではない。
上記圧電素子5〜16は、振動体4の下面に図示しない適宜の接合材により固定されている。このような接合材としては、適宜の接着剤や金属からなる接合材料等を例示することができる。
また、複数の圧電素子5〜16に交流電圧を印加するために、圧電素子5〜16の下面の第2の電極が適宜配線される。なお、圧電素子の上面に設けられた第1の電極については、共通接続される。
上記圧電素子5〜16は、本実施形態では、図1(b)に示すように、矩形の平面形状を有する。従って、大きなマザーの圧電体の両面に電極を形成し、厚み方向に分極した後に、矩形の形状を有するように分断することにより、多数の圧電素子5〜16を容易にかつ高精度に形成することができる。よって、分極工程の簡略化を果たすことができる。また、複数の圧電素子5〜16を振動体4の下面に貼り付けるだけでよいため、ステータ2の製造工程の簡略化及びコストの低減を果たすことができる。よって、超音波モータ1のコストを低めることができる。
上記複数の圧電素子5〜16は、振動体4内において、ある周方向に沿って分散配置されている。より具体的には、B(1,9)モードの定在波が生じる円環状領域に沿って、生じる進行波の波長に対応する中心角をλθとしたときに、図2(b)に模式的に示すように、各圧電素子5,6は、(1/2)λθに相当する中心角を占める周方向長さWを有し、かつ複数の圧電素子5,6は、(1/4)λθに相当する中心角を占める間隔Sを隔てて配置されている。残りの圧電素子7〜16も同様に配置されている。
より具体的には、本実施形態には、円板状の振動体4の外周縁4dよりも内側の一点鎖線で図1(b)に示す仮想円Dに沿って上記進行波が伝搬する。従って、複数の圧電素子5〜16の振動体4における径方向位置は、圧電素子5〜16の中心が、仮想円D上に位置するように圧電素子5〜16が位置決めされている。
上記ステータ2において、圧電素子5〜16の内、第1の圧電素子グループ5,7,9,11,13,15と、第2の圧電素子グループ6,8,10,12,14,16において、時間的に位相が異なる2つの高周波電圧を印加することにより、位置的及び時間的位相が90°ずれたB(1,9)モードの2つの定在波が発生する。この2つの定在波が合成され、進行波が生じる。すなわち、上記仮想円D上を伝搬する進行波が生じることとなる。
上記進行波が生じた場合、振動体4は、図1(c)に破線Eで示す振動姿態と、破線Fで示す振動姿態との間で振動を繰り返す。この場合、図1(c)から明らかなように、圧電素子7,12の振動体4の径方向中心に位置する部分において、振動体4が上下にもっとも大きく変位することとなる。すなわち、振動体4においてもっとも変位の大きな部分は、上記仮想円D上の値である。この仮想円Dは、上記B(1,9)モードの定在波の振動の腹に相当する。
なお、図4に模式的平面図で示すように、仮想円Dの外側に、上記定在波の振動のノードに相当する環状のノードNが存在する。図1(c)に示すように、この振動のノードNでは、変位がほとんど生じず、環状のノードNの外側においても、大きく変位する振動の腹部分が存在する。
本実施形態では、圧電素子5〜16は、上記振動の腹に相当する仮想円D上に位置しており、かつ振動のノードNよりも外側には至っていない。ノードNよりも外側に圧電素子5〜16が至っていると、逆相で駆動される部分にも圧電素子5〜12が位置することになり、励振効率が低くなり、好ましくない。
もっとも、振動のノードNの外側に、圧電素子5〜16それぞれ逆極性に分極された圧電素子を設けてもよい。例えば図6に圧電素子7,13が設けられている部分で示すように、圧電素子7,13の外側に圧電素子7A,13Aを設けてもよい。その場合には、振動のノードNの両側に位置している圧電素子を駆動し、進行波を発生させることも可能である。
本実施形態では、上記圧電素子5〜16の振動体4における径方向位置は、該圧電素子5〜16の中心が上記仮想円D上に位置するように圧電素子5〜16が位置決めされている。言い換えれば、圧電素子5〜16の中心が、B(1,9)モードの進行波が生じた場合の振動の頂点となる位置に位置決めされている。従って、圧電素子5〜16を駆動することにより、上記B(1,9)モードの進行波を効率良く励振させることができる。また、この仮想円D上に、後述する複数の接触子が配置され、ロータの回転効率を高めることが可能とされている。
また、本実施形態においては、上記複数の圧電素子5〜16においては、振動体4の片面の中心に対し、前述した第1のグループの圧電素子5,7,9,11,13,15と、第2の圧電素子グループ6,8,10,12,14,16は対称に配置されている。従って、ステータ2の製造ばらつきが生じたり、あるいはロータ3の加圧状態がアンバランスになっている場合であっても、これらの影響を受け難い。よって、超音波モータ1の動作の安定性を高めることができる。
なお、B(1,n)モードの進行波を用いた場合、公知のB(0,n)モードの進行波を利用した場合に比べて効率を高めることができる。これは、B(1,n)モードの進行波により振動体が振動した場合の変位がもっとも大きい部分、すなわち上記進行波が伝搬する部分は、円板状振動体の外周縁よりも内側となる。そのため、円板状の振動体の外周縁を伝搬するB(0,n)モードの進行波を利用した場合に比べ、振動する領域が径方向において広くなるので、振動エネルギーが大きく、かつ変位が最も大きくなる部分における変位量が大きくなる。従って、B(0,n)モードの進行波を利用した場合と比べて、B(1,n)モードの進行波を利用することにより、ステータ2に接触されるロータを効率良く回転駆動することができる。
上記実施形態では、上記ステータ2において、振動体4の上面4a上に、ロータ3をより効果的に回転駆動するために、複数の接触子が振動体4の上面4aから上方に突出形成されている。より具体的には、振動体4の上面4a上に、仮想円Dが設けられている位置に、円環状壁17が形成されている。円環状壁17の上面には、振動体4の径方向に延びる複数の切欠17aが周方向において所定の間隔を隔てて設けられている。この隣り合う切欠17a,17a間の突出部が1つの接触子17bを構成している。従って、複数の接触子17bが振動体4の上面4aから上方に突出するように設けられている。複数の接触子17bは、上記進行波であるB(1,n)モードの進行波が伝搬する経路上に分散配置されている。より具体的には、複数の接触子17bは、仮想円Dの周方向に沿って分散配置されており、前述したもっとも変位が大きい部分に配置されている。
接触子17bは、振動体4側から振動体4に遠ざかる方向に突出形成されているため、振動体4において、B(1,n)モードの進行波が生成し、仮想円Dで位置する部分において、振動体4が変位した場合、接触子17bの先端はより大きく変位することとなる。
なお、図1(a)に示した貫通孔4cは、例えばロータ3及びステータ2を軸とする中心軸を挿通させるために設けられている。このような貫通孔4cと同様の貫通孔がロータ3にも設けられている。従って、例えば、図3に示すように、中心軸18とベースプレート19とを含む保持部材により、ステータ2及びロータ3を保持することができる。この場合、ロータ3は、貫通孔3aにおいて中心軸の周りに回転自在に軸支され、ステータ2は、振動体4の貫通孔4cにおいて、中心軸18に固定されることになる。中心軸18は、適宜ベースプレート19に固定されている。
上記中心軸18としては、金属あるいはセラミックスなどの他の適宜の剛性材料により形成することができる。
なお、上記実施形態の超音波モータ1では、特に限定されるわけではないが、圧電素子5〜16は矩形の平面形状を有していたが、図5に示す変形例のように、平面形状が円形の圧電素子25〜36を用いてもよい。円形の圧電素子25〜36もまた、矩形の圧電素子5〜16と同様に容易に形成することができる。もっとも、マザーの圧電体からの歩留りを高めるには、前述した矩形の圧電素子5〜16が望ましい。
また、上記実施形態は、B(1,9)モードの進行波を利用した例を示したが、他のB(1,n)モードを利用してもよい。例えば、B(1,x)モードを利用する場合には、(4/3)x個の圧電素子を周方向に分散配置すればよい。
なお、図5は、本発明により発生される進行波をより分かり易く説明するための模式的平面図である。ここでは、3波の定在波X及びYが示されている。すなわち、円板状の圧電振動体41内において、4枚の圧電素子42〜45が中心角30°の角度を隔てて配置されている。各圧電素子42〜45は、60°の中心角を占める周回方向寸法を有する。すなわち、3波の定在波X,Yが励振されるため、進行波の波長に対する中心角は120°となるため、各圧電素子の周回方向寸法は中心角で120°/2=60°に対応する寸法を有し、隣り合う圧電素子が120°/4=30°の中心角に対応する間隔を空けて隔てられている。この場合、図示のように、位相が90°異なる3波の定在波X,Yが励振され、両者が合成されて、進行波が生じる。
なお、図5における、A+、A−、B+、B−は圧電体の分極方向を示し、+は厚み方向において上面から下面に向けて分極されていることを示し、−は逆方向に分極されていることを示す。
また、Aは、第1のグループの圧電素子42,44であることを示し、Bは第2のグループの圧電素子43,45であることを示す。
図5では、図示を容易とするため、3波の例を示したが、上記実施形態の9波の場合も同様に位相が90°異なる2つの定在波が励振され、両者の合成により進行波が生じる。
上記のように、B(1,n)モードを利用した超音波モータに広く本発明を適用することができ、本発明に従って分極操作及び製造工程の簡略化を図り、コストを低減することが可能となる。
1…超音波モータ
2…ステータ
3…ロータ
3a…貫通孔
4…振動体
4a…上面
4b…下面
4c…貫通孔
4d…外周縁
5〜16…圧電素子
5a…圧電体
5b…第1の電極
5c…第2の電極
7A,13A…圧電素子
17…円環状壁
17a…切欠
17b…接触子
18…中心軸
19…ベースプレート
25〜36…圧電素子
41…圧電振動体
42〜45…圧電素子

Claims (8)

  1. 外周縁が円または多角形である板状体からなる振動体と、
    前記振動体を振動させることにより、B(1,n)モード(但し、nは自然数)の位相が90°異なる2つの定在波の合成により生じ、かつ周回するように進行するn波の進行波を発生させるために該振動体の少なくとも一方主面に固定されており、前記進行波の周回方向に沿って分散配置された(4/3)n枚の圧電素子とを備え、
    前記進行波の波長に対応する前記周回方向中心周りの中心角をλθとしたときに、各圧電素子が中心角でλθ/2に対応する寸法を有し、かつ隣り合う圧電素子同士が前記周回方向に沿って中心角でλθ/4に対応する間隔をあけて配置されており、
    各圧電素子は、厚み方向に分極された圧電体と、圧電体の両面に形成された一対の電極とを有し、前記周回方向において圧電素子の圧電体の分極方向が2枚毎に厚み方向の一方または他方とされている、圧電振動子。
  2. 前記複数の圧電素子が、前記B(1,n)モードの定在波の振動の腹上に位置するように設けられている、請求項1に記載の圧電振動子。
  3. 前記複数の圧電素子が、前記B(1,n)モードの定在波の環状のノードよりも内側に位置している該定在波の振動の腹上に配置されている、請求項2に記載の圧電振動子。
  4. 前記圧電振動子が、前記B(1,n)モードの定在波の環状の振動のノードよりも外側には至らないように該ノードよりも内側に設けられている、請求項3に記載の圧電振動子。
  5. 前記圧電素子が矩形の平面形状を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧電振動子。
  6. 前記振動体の一方主面から突出するように設けられた接触子をさらに備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の圧電振動子。
  7. 前記接触子として、前記振動体の一方主面において、前記進行波が伝搬する領域である円環状の領域に分散配置された複数の接触子を有する、請求項6に記載の圧電振動子。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の圧電振動子からなるステータと、
    前記ステータに接触されるように配置されており、前記ステータにおいて生じた進行波による振動を受けて回転されるロータとを備える、超音波モータ。
JP2010540303A 2008-11-25 2009-09-04 圧電振動子及び超音波モータ Active JP5110170B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010540303A JP5110170B2 (ja) 2008-11-25 2009-09-04 圧電振動子及び超音波モータ

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008299489 2008-11-25
JP2008299489 2008-11-25
JP2010540303A JP5110170B2 (ja) 2008-11-25 2009-09-04 圧電振動子及び超音波モータ
PCT/JP2009/004370 WO2010061508A1 (ja) 2008-11-25 2009-09-04 圧電振動子及び超音波モータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2010061508A1 true JPWO2010061508A1 (ja) 2012-04-19
JP5110170B2 JP5110170B2 (ja) 2012-12-26

Family

ID=42225400

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010540303A Active JP5110170B2 (ja) 2008-11-25 2009-09-04 圧電振動子及び超音波モータ

Country Status (6)

Country Link
US (1) US8330327B2 (ja)
EP (1) EP2360829B1 (ja)
JP (1) JP5110170B2 (ja)
KR (1) KR101239308B1 (ja)
CN (1) CN102224670B (ja)
WO (1) WO2010061508A1 (ja)

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4561894B2 (ja) * 2008-07-14 2010-10-13 株式会社村田製作所 圧電モータ及びその製造方法
CN103124150B (zh) * 2013-01-30 2014-12-17 东南大学 三电源空间调相环形行波超声波电机及其控制方法
CN103124149B (zh) * 2013-01-30 2014-12-17 东南大学 空间调相环形行波超声波电机结构误差补偿控制方法
CN103138624B (zh) * 2013-02-01 2015-06-03 东南大学 三电源空间调相行波超声波电机正反转移相控制方法
JP2017513449A (ja) 2014-04-02 2017-05-25 ピーシービー モーター エイピーエスPcb Motor Aps ステータ及びモータ
CN104009668A (zh) * 2014-06-04 2014-08-27 天津大学 一种动力调谐激振装置
CN105262368B (zh) * 2015-10-26 2017-06-27 天津大学 一种旋转超声激振装置及时空相位调谐方法
KR101814103B1 (ko) * 2016-05-25 2018-01-02 부경대학교 산학협력단 초음파 스트리밍 및 충격파를 이용한 나노입자 분산장치
CN106533253B (zh) * 2016-12-21 2018-07-31 深圳大学 一种多定子轴向叠层的超声波电机
CN106533250B (zh) * 2016-12-21 2018-08-24 深圳大学 一种多定子平面阵列结构的超声波电机
US10473925B2 (en) * 2017-01-25 2019-11-12 GM Global Technology Operations LLC System and method for utilizing inertial force for water displacement
DE102017114667B3 (de) * 2017-06-30 2018-11-15 Physik Instrumente (Pi) Gmbh & Co. Kg Rotationsultraschallmotor
KR102254895B1 (ko) * 2019-07-18 2021-05-21 국립낙동강생물자원관 곱슬사초 추출물을 이용한 항염증용 조성물
CN110601590B (zh) * 2019-11-05 2024-01-26 山东理工大学 贴片式驻波型双面齿超声电机定子
CN114731120A (zh) 2019-11-15 2022-07-08 株式会社村田制作所 超声波马达
CN111969888B (zh) * 2020-08-07 2022-05-31 深圳市汇顶科技股份有限公司 压电电机和芯片的防抖装置
JP7392874B2 (ja) 2020-11-13 2023-12-06 株式会社村田製作所 超音波モータ

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3120427B2 (ja) * 1989-03-11 2000-12-25 ソニー株式会社 超音波モータ
JPH072029B2 (ja) * 1989-06-26 1995-01-11 セイコー電子工業株式会社 超音波モータ
DE3939419A1 (de) * 1989-11-29 1991-06-06 Licentia Gmbh Mehrflaechensensorsteuerung fuer einen wanderwellenmotor
JPH03243180A (ja) * 1990-02-20 1991-10-30 Nec Corp 振動波モータ
JPH05137355A (ja) * 1991-11-12 1993-06-01 Canon Inc 振動波モータ
JPH07194151A (ja) * 1993-12-28 1995-07-28 Seiko Instr Inc 超音波モータ及び超音波モータ付き電子機器
JP3124514B2 (ja) * 1997-08-01 2001-01-15 セイコーインスツルメンツ株式会社 超音波モータ、電子機器、及びアナログ式時計
JP2001045774A (ja) * 1999-07-28 2001-02-16 Canon Inc 電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体、この振動体を駆動源とする振動波駆動装置、振動波駆動装置を有する装置およびこの振動体を搬送源とする搬送装置
US6943481B2 (en) * 2001-06-05 2005-09-13 Canon Precision Kabushiki Kaisha Vibration member and vibration wave driving apparatus
FR2854284B1 (fr) * 2003-04-28 2005-06-03 Centre Nat Rech Scient Moteur piezoelectrique permettant au moins deux degres de liberte, en rotation et en deplacement lineaire
JP4874604B2 (ja) * 2005-09-09 2012-02-15 Hoya株式会社 超音波モータ
US7723900B2 (en) * 2005-10-28 2010-05-25 Pcb Motor Aps Electro-mechanical wave device
CN100438307C (zh) * 2005-11-18 2008-11-26 清华大学 螺纹驱动多面体超声电机
CN100525058C (zh) * 2006-03-09 2009-08-05 南京航空航天大学 环形定子多自由度超声电机
EP2284984B1 (en) * 2008-05-27 2016-01-06 Murata Manufacturing Co. Ltd. Ultrasonic motor

Also Published As

Publication number Publication date
EP2360829B1 (en) 2015-08-12
KR101239308B1 (ko) 2013-03-05
WO2010061508A1 (ja) 2010-06-03
JP5110170B2 (ja) 2012-12-26
EP2360829A1 (en) 2011-08-24
CN102224670B (zh) 2014-02-05
CN102224670A (zh) 2011-10-19
US20110215675A1 (en) 2011-09-08
US8330327B2 (en) 2012-12-11
EP2360829A4 (en) 2014-06-11
KR20110086116A (ko) 2011-07-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5110170B2 (ja) 圧電振動子及び超音波モータ
US8063538B2 (en) Ultrasonic motor
JP4648391B2 (ja) 小型化可能なモーター
WO1987005166A1 (en) Ultrasonic motor
JP4119903B2 (ja) 平板型圧電超音波モーター
JP2010022169A (ja) 圧電モータ及びその製造方法
CN102931875B (zh) 贴片式方形超声波电机振子及其驱动方法
JP4261894B2 (ja) 振動型駆動装置
JPH07115782A (ja) 振動波駆動装置
JP2013201813A (ja) 駆動装置及びモータ
JP2010246249A (ja) 圧電素子を使用した回転駆動装置
JP2007135267A (ja) 超音波モータ
JP6263902B2 (ja) 超音波発生装置
JP7392874B2 (ja) 超音波モータ
JP2007135268A (ja) 超音波モータのステータ
JP4731737B2 (ja) 振動波モータ
JP2002369556A (ja) 電気−機械エネルギー変換素子及び振動波駆動装置
JP2007135269A (ja) 超音波モータのステータ
JP3283756B2 (ja) 超音波モータ
JP2002199753A (ja) 超音波モータ、及びそのステータ
JP2537848B2 (ja) 超音波モ−タ
JP2013004071A (ja) エネルギー転換モジュール
CN116897503A (zh) 超声波马达
JPH11155291A (ja) 超音波モータ及び圧電バイブレータ
JPH04171875A (ja) 圧電体素子

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120911

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120924

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151019

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5110170

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150