JPWO2010052797A1 - 磁気質検出装置 - Google Patents

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Abstract

紙葉類の搬送ラインについて対称位置に上部ユニットと、下部ユニットとを配置し、上部ユニットおよび下部ユニットとで閉磁路を構成することで、搬送ラインにおける磁力線が、搬送される紙葉類と直交するように磁気質検出装置を構成する。また、下部ユニットの搬送路側に1枚板の導磁板を配置することで、磁力線の変曲点の位置を下部ユニットの上面に近づけるとともに、導磁板の厚みや導磁率を変更することで、磁力線の変曲点の位置を調整するように磁気質検出装置を構成する。また、上部ユニットの搬送路側に複数の分割導磁板を配置するとともに、下部ユニットの搬送路側に複数の分割導磁板を配置するように磁気質検出装置を構成する。

Description

本発明は、磁気インクで印刷された紙葉類を搬送面に沿って搬送することで紙葉類の磁気を検出する磁気質検出装置に関し、特に、磁気インクの保磁力特性の差異を精度良く検出することができる磁気質検出装置に関する。
従来から、紙幣や商品券といった紙葉類の印刷インクには、偽造防止の観点から磁性体を含んだ磁気インクが用いられている。ここで、磁気インクとしては、保磁力が大きい硬磁性インクや、保磁力が小さい軟磁性インクが併用して用いられており、磁気インクごとの保磁力の特性の差異を磁気質検出装置で検出することで、紙葉類の真偽判別が行われる。
たとえば、特許文献1には、硬磁性インクおよび軟磁性インクで印刷された紙葉類の磁気質を検出する磁気質検出装置が開示されている。かかる磁気質検出装置では、磁気インクを飽和磁化させたうえで適度なバイアス磁界を印加することで、硬磁性インクおよび軟磁性インクの硬軟混合磁気パターンを検出する。
そして、硬磁性インクの保磁力に相当するバイアス磁界を印加することで、硬磁性インクの磁化消去を行い、軟磁性インクの磁化のみを残留させる。この場合、真正な紙葉類において硬磁性インクの残留磁化が0となるようにバイアス磁界の強度を調整すると、真正な紙葉類では、軟磁性インクの磁気パターンのみが検出されることになる。そして、先に取得した硬軟混合磁気パターンと、あらたに取得した軟磁気パターンとを用いることで、紙葉類の真偽を判別することができる。
ところで、特許文献1の磁気質検出装置では、紙葉類の搬送路の片面に磁石などを設け、かかる磁石に発散磁界型の磁界を発生させたうえで紙葉類を通過させることで、紙葉類の真偽判別を行っている。
特許第3283931号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、搬送路における搬送面の垂線の向き(以下、「Y方向」と記載する)について、硬磁性インクの残留磁化が0となるようにバイアス磁界の強度が調整されており、搬送路における搬送方向(以下、「X方向」と記載する)の残留磁化については考慮されていない。
ところが、発散磁界型の磁界を用いる場合、磁力線の向きは、必ずしもY方向と平行とはならず、磁力線は、所定の角度をもって紙葉類を通過することになる。すなわち、発散磁界型の磁界における磁力線には、X方向成分が存在する。
このため、Y方向における硬磁性インクの残留磁化を0としても、X方向における硬磁性インクの残留磁化は必ずしも0とはならない。したがって、X方向およびY方向の合成残留磁化を精度良く0にすることができず、真偽判別精度を十分に高めることができないという問題があった。
これらのことから、磁気インクの保磁力特性の差異を精度良く検出することができる磁気質検出装置をいかにして実現するかが大きな課題となっている。なお、かかる課題は、磁気質検出装置による検出結果を用いて紙葉類の真偽を判別する紙葉類判別装置についても同様に発生する課題である。
本発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、磁気インクの保磁力特性の差異を精度良く検出することができる磁気質検出装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、磁気インクで印刷された紙葉類を搬送面に沿って搬送することで前記紙葉類の磁気を検出する磁気質検出装置であって、磁石の異極間をヨークで連結した磁石ユニットを、前記搬送面を挟んで対向する位置にそれぞれ配置しており、前記搬送面における磁気検出区間において磁気ベクトルの向きが前記搬送面と垂直であり、かつ、磁界強度が前記磁気検出区間における搬送向きについて非減少(単調増加)または非増加(単調減少)となるように調整された磁界発生手段と、前記磁気検出区間に設けられた磁気質検出手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記磁界発生手段の各磁石ユニットは、前記搬送面を挟んで対向する前記磁石の磁極が異極同士となるように配置されていることを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記磁界発生手段は、各磁石ユニットの前記搬送面側に搬送方向について分断された複数の分割導磁板をさらに備えており、前記磁気質検出手段は、前記分割導磁板に対応する位置であって、前記分割導磁板よりも前記搬送面寄りに設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記磁界発生手段は、前記分割導磁板の搬送方向における位置を調整する位置調整機構をさらに備えたことを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記磁界発生手段は、一方の前記磁石ユニットの前記搬送面側に1つの導磁板をさらに備えており、前記磁気質検出手段は、前記導磁板よりも前記搬送面寄りに設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記磁界発生手段は、導磁率および/または板厚が異なる前記導磁板を用いることで前記搬送面と前記一方の磁石ユニットとの距離を調整することを特徴とする。
本発明によれば、磁石の異極間をヨークで連結した磁石ユニットを、搬送面を挟んで対向する位置にそれぞれ配置しており、搬送面における磁気検出区間において磁気ベクトルの向きが搬送面と垂直であり、かつ、磁界強度が磁気検出区間における搬送向きについて非減少または非増加となるように調整された磁界発生手段と、検出区間に設けられた磁気質検出手段とを備えることとしたので、紙葉類を磁力線の向きが紙葉類の垂線方向となる位置で搬送することによって、磁気インクの保磁力特性の差異を精度良く検出することができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、磁界発生手段の各磁石ユニットは、搬送面を挟んで対向する磁石の磁極が異極同士となるように配置されていることとしたので、磁石ユニット間に閉磁路を構成することで、磁力線の向きを紙葉類の垂線方向にすることができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、磁界発生手段は、各磁石ユニットの搬送面側に搬送方向について分断された複数の分割導磁板をさらに備えており、磁気質検出手段は、分割導磁板に対応する位置であって、分割導磁板よりも搬送面寄りに設けられていることとしたので、分割導磁板を用いることで、磁石ユニット間の磁界強度をステップ状に変化させることができ、これにより、磁気質検出手段の設置ずれの許容範囲を広げることができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、磁界発生手段は、分割導磁板の搬送方向における位置を調整する位置調整機構をさらに備えることとしたので、磁石ユニット間の磁界強度を調整することができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、磁界発生手段は、一方の磁石ユニットの搬送面側に1つの導磁板をさらに備えており、磁気質検出手段は、導磁板よりも搬送面寄りに設けられていることとしたので、一方の磁石ユニットに1枚板の導磁板を用いることで、磁力線の向きが紙葉類の垂線方向となる位置を、かかる磁石ユニット寄りに変更することができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、磁界発生手段は、導磁率および/または板厚が異なる導磁板を用いることで搬送面と一方の磁石ユニットとの距離を調整することとしたので、磁力線の向きが紙葉類の垂線方向となる位置を詳細に調整することができるという効果を奏する。
図1は、実施例1に係る磁気質検出装置の概要を示す図である。 図2は、実施例1に係る磁気質検出装置が発生する磁力線および磁界強度分布を示す図である。 図3は、硬磁性インクおよび軟磁性インクの飽和磁化曲線およびMRセンサによる検出値を示す図である。 図4は、実施例2に係る磁気質検出装置の概要を示す図である。 図5は、実施例2に係る磁気質検出装置の磁力線分布を示す図である。 図6は、導磁板の厚みおよび導磁率と磁力線変曲点の位置との関係を示す図である。 図7は、実施例2に係る磁気質検出装置の変形例を示す図である。 図8は、実施例3に係る磁気質検出装置の概要を示す図である。 図9は、実施例3に係る磁気質検出装置が発生する磁力線および磁界強度分布を示す図である。 図10は、最上流側の分割導磁板を移動した場合における磁界強度分布の変化を示す図である。 図11は、最下流側の分割導磁板を移動した場合における磁界強度分布の変化を示す図である。 図12は、分割導磁板配置の変形例を示す図である。 図13は、双方向搬送に対応した磁気質検出装置その1の構成および磁界強度分布を示す図である。 図14は、双方向搬送に対応した磁気質検出装置その2の構成および磁界強度分布を示す図である。 図15は、紙葉類押さえ機構のバリエーションを示す図である。
符号の説明
100 磁気質検出装置
101 搬送方向
110 上部ユニット
111 ヨーク
112、113 磁石
120 下部ユニット
121 ヨーク
122、123 磁石
124 基板
125 MRセンサ(MR1)
126 MRセンサ(MR2)
200 磁気質検出装置
210 上部ユニット
211 ヨーク
212、213 磁石
220 下部ユニット
221 ヨーク
222、223 磁石
224 基板
225 MRセンサ(MR1)
226 MRセンサ(MR2)
227 導磁板
300 磁気質検出装置
310 上部ユニット
311 ヨーク
312、313 磁石
314a、314b、314c、314d 分割導磁板
320 下部ニット
321 ヨーク
322、323 磁石
324a、324b、324c、324d 分割導磁板
325 基板
326 MRセンサ(MR1)
327 MRセンサ(MR2)
以下に、添付図面を参照して、本発明に係る磁気質検出装置の好適な実施例を詳細に説明する。なお、実施例1では、搬送路を挟んで対称な位置に磁石ユニットをそれぞれ配置する場合について、実施例2では、一方の磁石ユニットの搬送路側に1枚板の導磁板を配置する場合について、実施例3では、双方の磁石ユニットの搬送路側に搬送方向について分断された複数の分割導磁板をそれぞれ配置する場合について、それぞれ説明することとする。
図1は、実施例1に係る磁気質検出装置100の概要を示す図である。なお、同図に示すように、実施例1に係る磁気質検出装置100は、搬送路の上方に設けられた上部ユニット110と、搬送路の下方に設けられた下部ユニット120とから構成される。
上部ユニット110は、搬送路側に耐摩耗性素材を付与したハウジング内に、磁石112と磁石113とをヨーク111で連結した磁界発生部(磁界発生手段)を有している。ここで、ヨーク111は、たとえば、パーマロイのような導磁率が高い素材で構成された部材である。
また、同図に示すように、上部ユニット110内の磁石112および磁石113は、ハウジングの下面に沿って設けられており、搬送方向101の上流側には磁石112が、下流側には磁石113が、それぞれ配置されている。なお、磁石112および磁石113については、永久磁石で構成することとしてもよいし、電磁石として構成することとしてもよい。
下部ユニット120は、搬送路側に耐摩耗性素材を付与したハウジング内に、磁石122と磁石123とをヨーク121で連結した磁界発生部(磁界発生手段)を有している。また、同図に示すように、下部ユニット120内の磁石122および磁石123は、ハウジングの上面に向かって設けられており、搬送方向101の上流側には磁石122が、下流側には磁石123が、それぞれ配置されている。なお、磁石122および磁石123についても、磁石112および磁石113と同様に、永久磁石で構成することとしてもよいし、電磁石として構成することとしてもよい。
また、下部ユニット120の内部には、ハウジングの上面に沿って磁気質検出部(磁気質検出手段)が設けられている。この磁気質検出部は、同図に示すように、基板124上に、MR(MagnetoResistive)センサ(MR1)125と、MRセンサ(MR2)126とを設けることで構成されている。ここでMRセンサとは、磁界強度に応じて抵抗値が変化するセンサのことを指す。なお、本実施例1では、MRセンサを用いる場合について説明するが、ホールセンサ、磁気インピーダンスセンサ、フラックスゲートセンサ等を用いることとしてもよい。
同図に示したように、上部ユニット110の磁石112と、下部ユニット120の磁石122とは、搬送路を挟んで対向している。また、上部ユニット110の磁石113と、下部ユニット120の磁石123とは、搬送路を挟んで対向している。このように、上部ユニット110と、下部ユニット120とは、搬送路をエアギャップとして閉磁路を形成している。以下では、かかる閉磁路についてさらに詳細に説明する。
図2は、実施例1に係る磁気質検出装置100が発生する磁力線および磁界強度分布を示す図である。なお、同図の(A)には、磁気質検出装置100が発生する磁力線を、同図の(B)には、磁界強度分布を、それぞれ示している。
図2の(A)に示したように、上部ユニット110の磁石112は、搬送路側がS極でヨーク111側がN極であり、下部ユニット120の磁石122は、搬送路側がN極でヨーク121側がS極となっている。また、上部ユニット110の磁石113は、搬送路側がN極でヨーク111側がS極であり、下部ユニット120の磁石123は、搬送路側がS極でヨーク121側がN極となっている。
このように、各磁石ユニット(上部ユニット110および下部ユニット120)は、対向する磁石ユニットの磁石と異極同士が向き合うように設けられているので、各磁力線は、対向する上部ユニット110および下部ユニット120の中間点で搬送ライン21と垂直となる。ここで、搬送ライン21とは、搬送される紙葉類が通過する位置を指しており、搬送ライン21の矢印の向きは、搬送方向をあらわしている。
すなわち、同図に示す搬送ライン21上では、磁力線のX方向成分は0となり、Y方向成分のみとなるので、紙葉類をY方向についてのみ磁化させることができる。したがって、被検体(紙葉類)の磁化コントロールを確実に行うことが可能となり、保磁力検知の精度を向上させることができる。
なお、MRセンサ(MR1)125およびMRセンサ(MR2)126は、同図に示すように、上部ユニット110と下部ユニット120とで挟まれた搬送路の搬送ライン21近辺に配置される。このようにすることで、Y方向成分のみで磁化された紙葉類の残留磁化を高精度に取得することができる。
また、同図の(B)に示したように、上部ユニット110と下部ユニット120とで形成される閉磁路における磁界強度は、同図に示す位置23/位置26間で、変曲点のない非減少の曲線22としてあらわされる。
具体的には、曲線22は、点22aから点22dにおいて変曲点を有しておらず、単調に増加している。このように、飽和磁化曲線に沿って非減少となるように磁界強度を変化させることで、点22aで飽和磁化させた紙葉類の残留磁化を精度良く検出することが可能となる。
ここで、MRセンサ(MR1)125およびMRセンサ(MR2)126は、同図に示す位置24および位置25にそれぞれ配置されているので、非減少区間(点22a/点22d間)に含まれる点22bおよび点22cの残留磁化を検出することになる。
なお、MRセンサ(MR1)125の位置24およびMRセンサ(MR2)126の位置25は、点22a/点22d間の任意の位置とすることができる。また、同図では、2つのMRセンサで2点の残留磁化を検出する場合について示しているが、MRセンサの数量を3つ以上とすることとしてもよい。
次に、MRセンサ(MR1)125による検出値と、MRセンサ(MR2)126による検出値との比較による紙葉類の真偽判定例について図3を用いて説明する。図3は、硬磁性インクおよび軟磁性インクの飽和磁化曲線およびMRセンサによる検出値を示す図である。なお、同図の(A)には、飽和磁化曲線を、同図の(B)には、MRセンサによる検出値を、それぞれ示している。
図3の(A)に示したように、たとえば、位置23の点32aで飽和磁化状態となった軟磁性インクは、位置24(MRセンサ(MR1)125の取付位置)の点32bで、MRセンサ(MR1)125によって残留磁化を検出され、位置25(MRセンサ(MR2)126の取付位置)の点32cで、MRセンサ(MR2)126によって残留磁化を検出される。
また、位置23の点31aで飽和磁化状態となった硬磁性インクは、位置24(MRセンサ(MR1)125の取付位置)の点31bで、MRセンサ(MR1)125によって残留磁化を検出され、位置25(MRセンサ(MR2)126の取付位置)の点31cで、MRセンサ(MR2)126によって残留磁化を検出される。ここで、位置25(MRセンサ(MR2)126の取付位置)は、真正な紙葉類の場合に、点31cにおける磁化強度が0となる位置に調整されている。
したがって、MRセンサ(MR2)126は、真正な紙葉類の場合には、硬磁性インクの磁気パターンを検出せず、真正ではない紙葉類の場合には、硬磁性インクの磁気パターンを検出することになる。
たとえば、同図の(B)に示したように、真正な紙葉類の磁性インクパターンが、搬送ライン21と交わるように、軟磁性インクのラインが3つ、硬磁性インクのラインが2つとなるように、紙葉類に付されているとする。
この場合、位置24に配置されたMRセンサ(MR1)125の検出値は、同図の曲線33のようになる。すなわち、MRセンサ(MR1)125では、軟磁性インクによる残留磁化と、硬磁性インクによる残留磁化(同図の33a参照)とを双方とも検出する。
一方、位置25に配置されたMRセンサ(MR2)126の検出値は、同図の曲線34のようになる。すなわち、MRセンサ(MR2)126では、軟磁性インクによる残留磁化については検出するものの、硬磁性インクによる残留磁化(同図の34a参照)については検出しない。
このように、真正な紙葉類については、硬磁性インクの残留磁化が0となる位置にMRセンサ(MR2)126を配置することで、紙葉類の真偽を判別することができる。ここで、本実施例1に係る磁気質検出装置100は、紙葉類の搬送ラインにおいて、磁力線のX成分が0となるように、すなわち、磁力線が搬送ラインと直交するように、上部ユニット110と下部ユニット120とで閉磁路を形成することとしているので、硬磁性インクの残留磁化が0となる位置を正確に見積もることができる。
上述してきたように、実施例1では、紙葉類の搬送ラインについて対称位置に上部ユニットと、下部ユニットとを配置し、上部ユニットおよび下部ユニットとで閉磁路を構成することで、搬送ラインにおける磁力線が、搬送される紙葉類と直交するようにした。したがって、紙葉類と平行向きの磁力線成分を排除して紙葉類と直交向きの磁力線成分のみで紙葉類の磁化を行うので、異なる磁性特性を有するインクの残留磁化を正確に取得することができる。これにより、紙葉類の真偽判別を高精度に行うことが可能となる。
なお、実施例1では、異なる磁性特定を有するインクの残留磁化を検出し、検出した残留磁化に基づいて紙葉類の真偽を判別する場合について示したが、図3に示したように、実施例1に係る磁気質検出装置では、飽和磁化曲線に沿って磁化強度を変化させているので、絶対的な磁気量を検出することもできる。したがって、絶対的な磁気量に基づく真偽判別を行うことも可能である。
ところで、上述した実施例1では、紙葉類の搬送ラインについて対称位置に磁石ユニットをそれぞれ配置した場合について示したが、一方の磁石ユニットの搬送路側に1枚板の導磁板を配置することで、搬送ラインと磁石ユニットとの距離を調整することとしてもよい。そこで、以下に示す実施例2では、一方の磁石ユニットの搬送路側に1枚板の導磁板を配置する場合について説明することとする。
図4は、実施例2に係る磁気質検出装置200の概要を示す図である。同図に示すように、実施例2に係る磁気質検出装置200は、搬送路の上方に設けられた上部ユニット210と、搬送路の下方に設けられた下部ユニット220とから構成されるが、下部ユニット220が導磁板227を備える点で、実施例1に係る磁気質検出装置100とは異なる。
なお、上部ユニット210は、実施例1に係る磁気質検出装置100と同様に、搬送路側に耐摩耗性素材を付与したハウジング内に、ヨーク211と、磁石212と、磁石213とを有している。また、下部ユニット220は、搬送路側に耐摩耗性素材を付与したハウジング内に、ヨーク221と、磁石222と、磁石223とを有しており、MRセンサ(MR1)225およびMRセンサ(MR2)226を設けた基板224と、磁石222および磁石223との間に、上記した導磁板227を備えている。
ここで、導磁板227は、下部ユニット220の磁石222あるいは磁石223と接触しないように取り付けられる。その理由は、導磁板227と磁石(磁石222または磁石223)とを接触させると、これらの部材間で閉じた磁気回路が形成されてしまい、上部ユニット210/下部ユニット220間の磁界が形成されなくなってしまうためである。
実施例2に係る磁気質検出装置200は、かかる導磁板227を備えることによって、磁力線が被検体(紙葉類)と直交するラインの位置を、下部ユニット220側に引き寄せることができる。すなわち、実施例2に係る磁気質検出装置200によれば、磁力線がY軸成分のみとなる搬送ラインの位置を、上部ユニット210と下部ユニット220との中間点とする必要がない。
次に、実施例2に係る磁気質検出装置200の磁力線分布について、図5を用いて説明する。図5は、実施例2に係る磁気質検出装置200の磁力線分布を示す図である。なお、同図の(A)には、実施例2に係る磁気質検出装置200の磁力線分布を、同図の(B)には、参考のため、実施例1に係る磁気質検出装置100の磁力線分布を、それぞれ示している。
図5の(A)に示したように、実施例2に係る磁気質検出装置200では、各磁力線は、下部ユニット220寄りの位置で、Y軸成分のみ(Y軸と平行)となる。したがって、搬送ライン51を、下部ユニット220寄りの位置に設定することができる。ここで、搬送ライン51とは、搬送される紙葉類が通過する位置を指しており、搬送ライン51の矢印の向きは、搬送方向をあらわしている。
図5の(B)に示したように、実施例1に係る磁気質検出装置100における搬送ライン21は、上部ユニット110と下部ユニット120との中間点に設ける必要があったが、実施例2に係る磁気質検出装置200における搬送ライン51は、MRセンサを有する下部ユニット220の表面に設けることができる。したがって、MRセンサによる残留磁化の計測精度を向上させることができる。
ここで、実施例2に係る磁気質検出装置200では、導磁板227の厚み(T)や、導磁率(μ)を変更することで、磁力線がY軸成分のみ(Y軸と平行)となる位置を変更することが可能である。
図6は、導磁板227の厚みおよび導磁率と磁力線変曲点の位置との関係を示す図である。ここで、磁力線変曲点とは、磁力線がY軸成分のみ(Y軸と平行)となる磁力線上の点のことを指し、磁力線変曲点の位置とは、各磁力線について磁力線変曲点を結んだ線と、搬送面(ここでは、下部ユニット220の上面)との距離をあらわすものとする。なお、下部ユニット220の上面には耐摩耗性素材が付与されているものとする。
なお、同図の(A)には、上部ユニット210と、下部ユニット220との距離(クリアランス)を8.0mmとし、導磁板227と、磁石(磁石222および磁石223)との距離を0.5mmとし、導磁板227と下部ユニット220の上面との距離を1mmとした場合の磁力線を示している。また、同図の(B)には、磁力線変曲点と搬送面との距離(d)と、導磁板227の厚み(T)との関係を示すグラフを、導磁板の導磁率(μ)ごとに示している。
具体的には、距離(d)と厚み(T)との関係をあらわすグラフは、導磁率(μ)が50の場合については曲線61となり、導磁率(μ)が100の場合については曲線62となり、導磁率(μ)が200の場合については曲線63となる。また、導磁率(μ)が500の場合については曲線64となり、導磁率(μ)が1000の場合については曲線65となる。
図6の(B)に示したように、距離(d)は、導磁率(μ)が大きいほど、また、厚み(T)が厚いほど、小さくなる傾向にある。言い換えれば、導磁率(μ)が小さく、厚み(T)が薄いほど、距離(d)は大きくなる傾向にある。
このように、紙葉類の搬送面と、磁力線の変曲点とを一致させる導磁率(μ)と厚み(T)との組み合わせは多くあるが、実際には、導磁板227の薄化による割れや、厚化によるユニットサイズの増大を避けるために、導磁板227の厚み(T)を、0.3mm〜2.0mm程度とすることが好ましい。
したがって、図6の(B)に示したグラフを参照すると、導磁率(μ)については、100〜500程度で距離(d)が0となるように、導磁率(μ)および厚み(T)を選定することとすればよいことがわかる。このように、実施例2に係る磁気質検出装置200を用いると、磁力線の変曲点の位置を、下部ユニット220の上面付近に調整することができる。
ところで、図4等では、ヨーク211と、磁石212と、磁石213とで上部ユニット210とを構成し、搬送路側には、磁石212および磁石213を配置する場合について示したが、搬送路側にさらにヨークを設けることで、次に例を示すように搬送路における磁界強度を強めることとしてもよい。
図7は、実施例2に係る磁気質検出装置200の変形例を示す図である。同図に示すように、上部ユニット210における磁石212の搬送路側には、ヨーク81がさらに設けられている。このように、ヨーク81を設けることで、下部ユニット220の磁石222との間の磁界強度を強めることができる。これにより、紙葉類500を飽和磁化させるための磁気を増強することが可能となる。ここで、搬送ライン82は、搬送される紙葉類が通過する位置を指しており、搬送ライン81の矢印の向きは、搬送方向をあらわしている。
上述してきたように、実施例2では、下部ユニットの搬送路側に1枚板の導磁板を配置することで、磁力線の変曲点の位置を下部ユニットの上面に近づけることとした。また、導磁板の厚みや導磁率を変更することで、磁力線の変曲点の位置を調整することとした。したがって、下部ユニットのMRセンサは、紙葉類の残留磁化を高精度に検出することができる。また、磁気質検出装置の装置サイズをコンパクト化することができる。
ところで、上述した実施例2では、1枚板の導磁板を用いる場合について示したが、搬送方向について分断された複数の分割導磁板を用いることとしてもよい。そこで、以下に示す実施例3では、複数の分割導磁板を用いる場合について説明することとする。
図8は、実施例3に係る磁気質検出装置300の概要を示す図である。同図に示すように、実施例3に係る磁気質検出装置300は、搬送路の上方に設けられた上部ユニット310と、搬送路の下方に設けられた下部ユニット320とから構成されるが、上部ユニット310が複数の分割導磁板(314a、314b、314cおよび314d)を備え、下部ユニット320も複数の分割導磁板(324a、324b、324cおよび324d)を備える点で、実施例1に係る磁気質検出装置100とは異なる。
ここで、上部ユニット310の分割導磁板314aは、下部ユニット320の分割導磁板324aと搬送路を挟んで対向しており、以下同様に、分割導磁板314bと分割導磁板324b、分割導磁板314cと分割導磁板324c、分割導磁板314dと分割導磁板324dが、それぞれ対向している。
このように、複数の分割された導磁板を用いることで、上部ユニット310/下部ユニット320間の磁界強度をステップ状に変化させることができ、MRセンサの設置位置ずれの許容範囲を広げることが可能となる。
なお、上部ユニット310は、搬送路側に耐摩耗性素材を付与したハウジング内に、ヨーク311と、磁石312と、磁石313とを有しており、磁石312の搬送路側には分割導磁板314aを、磁石313の搬送路側には分割導磁板314dを、それぞれ有している。また、磁石312と磁石313との間には、分割導磁板314aおよび分割導磁板314dと平行となるように、分割導磁板314bおよび分割導磁板314cを有している。
また、下部ユニット320は、搬送路側に耐摩耗性素材を付与したハウジング内に、ヨーク321と、磁石322と、磁石323とを有しており、磁石322の搬送路側には分割導磁板324aを、磁石323の搬送路側には分割導磁板324dを、それぞれ有している。また、磁石322と磁石323との間には、分割導磁板324aおよび分割導磁板324dと平行となるように、分割導磁板324bおよび分割導磁板324cを有している。そして、下部ユニット320内の上面付近には、MRセンサ(MR1)326およびMRセンサ(MR2)327を設けた基板325を有している。
なお、分割導磁板を用いる場合には、1枚板の導磁板を用いる場合と異なり、分割導磁板を各磁石と接触させて設置することが許容される。
図9は、実施例3に係る磁気質検出装置300が発生する磁力線および磁界強度分布を示す図である。なお、同図の(A)には、磁気質検出装置300が発生する磁力線を、同図の(B)には、磁界強度分布を、それぞれ示している。
図9の(A)に示したように、上部ユニット310の磁石312は、搬送路側がS極でヨーク311側がN極であり、下部ユニット320の磁石322は、搬送路側がN極でヨーク321側がS極となっている。また、上部ユニット310の磁石313は、搬送路側がN極でヨーク311側がS極であり、下部ユニット320の磁石323は、搬送路側がS極でヨーク321側がN極となっている。
このように、各磁石ユニット(上部ユニット310および下部ユニット320)は、対向する磁石ユニットの磁石と異極同士が向き合うように設けられているので、各磁力線は、対向する上部ユニット310および下部ユニット320の中間点で搬送ライン501と垂直となる。ここで、搬送ライン501とは、搬送される紙葉類が通過する位置を指しており、搬送ライン501の矢印の向きは、搬送方向をあらわしている。
すなわち、同図に示す搬送ライン501上では、磁力線のX方向成分は0となり、Y方向成分のみとなるので、紙葉類をY方向についてのみ磁化させることができる。したがって、被検体(紙葉類)の磁化コントロールを確実に行うことが可能となり、保磁力検知の精度を向上させることができる。
ここで、MRセンサ(MR1)326は、分割導磁板314b/分割導磁板324b間の領域に、MRセンサ(MR2)327は、分割導磁板314c/分割導磁板324c間の領域に、それぞれ配置されている。これは、対向する分割導磁板で挟まれた領域においては、磁界強度の変化が緩やかになるためである。この点について、同図の(B)を用いてさらに詳細に説明する。
図9の(B)に示したように、上部ユニット310と下部ユニット320とで形成される閉磁路における磁界強度は、位置503よりも下流側で、変曲点のない曲線502としてあらわされる。また、位置504および位置505近辺においては、磁界強度の変化が停滞している(ステップ状となっている)。
このように、分割導磁板を用いると、各分割導磁板に対応する位置において磁界強度の変化を停滞させることができる。したがって、各MRセンサの設置位置ずれの許容範囲を広げることができる。
たとえば、同図において、MRセンサ(MR1)326は、位置504に取り付けられており、点502bにおける磁界強度を取得する。しかし、MRセンサ(MR1)326の取付位置が同図の左右に多少ずれた場合であっても、磁界強度はほとんど変化しない。したがって、MRセンサ(MR1)326の取付位置を正確に位置504としなくても、位置504に設置した場合と同等の磁界強度を検出することができる。
また、同図において、MRセンサ(MR2)327は、位置505に取り付けられており、点502cにおける磁界強度を取得するが、MRセンサ(MR2)327の取付ずれも、MRセンサ(MR1)326の場合と同様の理由から許容されることになる。
ところで、分割導磁板を用いる場合、分割導磁板の位置を、搬送方向について上流側あるいは下流側にずらすことで、上部ユニット310/下部ユニット320間の磁界強度分布を変更することができる。そこで、以下では、図10および図11を用いて分割導磁板の移動に伴う磁界強度分布の変化について説明することとする。
図10は、最上流側の分割導磁板(分割導磁板314aおよび分割導磁板324a)を移動した場合における磁界強度分布の変化を示す図である。なお、図10の(B)に示した場合が既定位置であり、この場合、各分割導磁板間の距離は、同図の左から、0.5mm、1.5mm、0.5mmとなる。
ここで、同図に示すように、分割導磁板314aおよび分割導磁板324aには、それぞれ位置調整機構111が取り付けられている。位置調整機構111は、たとえば、ネジ111bと、ネジ111bの回転を許容しつつネジ111bの位置を固定する固定板111aと、分割導磁板314aまたは分割導磁板324aに接続されておりネジ111bの回転によって固定板111aとの相対距離を変更可能な連結部材111cとから構成される。
また、同図の(A)では、分割導磁板314aと分割導磁板314bとの間隔および分割導磁板324aと分割導磁板324bとの間隔を、1.0mmとした場合を、同図の(C)では、同じく0.2mmとした場合を、同図の(D)では、同じく0.0mmとした場合を、それぞれ示している。
そして、同図の(E)には、(A)〜(D)にそれぞれ対応する磁界強度の変化を示す曲線を示している。ここで、曲線511は(A)に、曲線512は(B)に、曲線513は(C)に、曲線514は(D)に、それぞれ対応している。このように、分割導磁板の間隔を変更することで、磁界強度分布を調整することができる。
図11は、最下流側の分割導磁板(分割導磁板314dおよび分割導磁板324d)を移動した場合における磁界強度分布の変化を示す図である。なお、図11の(C)に示した場合が既定位置であり、この場合、各分割導磁板間の距離は、同図の左から、0.5mm、1.5mm、0.5mmとなる。なお、分割導磁板314dおよび分割導磁板324dには、図10に示した位置調整機構111が接続されている。
また、同図の(A)では、分割導磁板314cと分割導磁板314dとの間隔および分割導磁板324cと分割導磁板324dとの間隔を、0.0mmとした場合を、同図の(B)では、同じく0.2mmとした場合を、同図の(D)では、同じく1.0mmとした場合を、それぞれ示している。
そして、同図の(E)には、(A)〜(D)にそれぞれ対応する磁界強度の変化を示す曲線を示している。ここで、曲線521は(A)に、曲線522は(B)に、曲線523は(C)に、曲線524は(D)に、それぞれ対応している。このように、分割導磁板の間隔を変更することで、磁界強度分布を調整することができる。
なお、図10および図11では、最上流および最下流の分割導磁板をそれぞれ移動する場合について示したが、他の分割導磁板を移動することとしてもよい。また、各分割導磁板を取り外し可能に固定する個数調整機構を用いることとしたうえで、分割導磁板の個数を調整することとしてもよい。
ところで、これまでは、それぞれが搬送方向と平行な分割導磁板を用いる場合について説明してきたが、分割導磁板を必ずしも搬送方向と平行にする必要はない。図12は、分割導磁板配置の変形例を示す図である。同図に示すように、分割導磁板を搬送方向と非平行となるように配置しても、各磁力線がY軸と平行になる搬送ライン(同図の矢印参照)を得ることができる。
また、これまでは、搬送方向が固定された磁気質検出装置300について説明してきたが、双方向の搬送に対応した磁気質検出装置300を構成することとしてもよい。そこで以下では、図13および図14を用いて双方向搬送に対応した磁気質検出装置300について、それぞれ説明することとする。
図13は、双方向搬送に対応した磁気質検出装置その1の構成および磁界強度分布を示す図である。なお、同図の(A)には、磁気質検出装置300aが発生する磁力線を、同図の(B)には、磁界強度分布を、それぞれ示している。
図13の(A)に示したように、磁気質検出装置300aは、図9に示した磁気質検出装置300を、同図に示す位置542について反転させて接続した形状を有している。なお、同図に示すように、磁気質検出装置300aは、上部ユニット310aと、下部ユニット320aとから構成される。また、搬送ラインは、同図に示す両矢印の位置となり、この搬送ライン上では、各磁力線の向きがY軸と平行となる。
また、同図の(B)に示したように、磁界強度の変化を示す曲線544は、位置541〜位置542の区間では、変曲点がない非減少グラフとしてあらわされる。また、曲線544は、位置542〜位置543の区間では、変曲点がない非増加グラフとしてあらわされる。このように、磁気質検出装置300aは、位置542について対称な形状を有しているので、双方向搬送に対応することができる。
この場合、紙葉類を同図の左から右へ搬送する場合には、同図に示す「MR1」および「MR2」のMRセンサを用い、紙葉類を同図の右から左へ搬送する場合には、同図に示す「MR1´」および「MR2´」のMRセンサを用いる。
図14は、双方向搬送に対応した磁気質検出装置その2の構成および磁界強度分布を示す図である。なお、同図の(A)には、磁気質検出装置300bが発生する磁力線を、同図の(B)には、磁界強度分布を、それぞれ示している。
図14の(A)に示したように、磁気質検出装置300bは、図10に示した磁気質検出装置300aから中央部分における壁を取り除いた形状を有している。なお、同図に示すように、磁気質検出装置300aは、上部ユニット310bと、下部ユニット320bとから構成される。また、搬送ラインは、同図に示す両矢印の位置となり、この搬送ライン上では、各磁力線の方向がY軸と平行となる。
また、同図の(B)に示したように、磁界強度の変化を示す曲線554は、位置551〜位置552の区間では、変曲点がない非減少グラフとしてあらわされ、位置552〜位置553の区間では、変曲点がない非増加グラフとしてあらわされる。このように、磁気質検出装置300bは、位置552について対称な形状を有しているので、双方向搬送に対応することができる。
この場合、紙葉類を同図の左から右へ搬送する場合には、同図に示す「MR1」および「MR2」のMRセンサを用い、紙葉類を同図の右から左へ搬送する場合には、同図に示す「MR1´」および「MR2」のMRセンサを用いる。
上述してきたように、実施例3では、上部ユニットの搬送路側に複数の分割導磁板を配置するとともに、下部ユニットの搬送路側に複数の分割導磁板を配置することとしたので、上部ユニット/下部ユニット間の磁界強度の変化をステップ状にすることができる。したがって、MRセンサの取付ずれの許容範囲を広げることができる。また、分割導磁板の位置を変更したり、分割導磁板の数を変更したりすることで、磁界強度分布を調整することができる。
次に、上述した実施例2に係る磁気質検出装置200あるいは実施例3に係る磁気質検出装置300に対して紙葉類押さえ機構を付加した場合について図15を用いて説明する。図15は、紙葉類押さえ機構のバリエーションを示す図である。
なお、同図の(A)には、実施例3に係る磁気質検出装置300に対して付加する紙葉類押さえ機構について、同図の(B)および同図の(C)には、実施例2に係る磁気質検出装置200に対して付加する紙葉類押さえ機構について、それぞれ示している。また、同図には、紙葉類500、紙葉類500の搬送方向501、下部ユニット320あるいは下部ユニット220の上面(搬送路側)に付与された耐摩耗性素材の耐摩耗板502を併せて示している。
図15の(A)に示したように、実施例3に係る磁気質検出装置300の場合、上部ユニット310と下部ユニット320との間隔は、実施例2に係る磁気質検出装置200の場合よりも狭くする必要がある。これは、上部ユニット310と下部ユニット320との中間位置に磁力線変曲点が存在するので、紙葉類500の搬送位置を磁力線変曲点位置付近とする必要があるためである。
このように、実施例3に係る磁気質検出装置300では、上部ユニット310/下部ユニット320間の間隔が小さいので、同図に示すように、紙葉類押さえ機構として押さえばね71を使用する。
具体的には、押さえばね71は、ピン72で固定されており、搬送される紙葉類500を、下部ユニット220の上面に押さえつける。しかしながら、押さえばね71のような板ばねによる押さえでは、紙葉類の高速搬送時にジャム(紙葉類詰まり)が発生しやすい。
このため、図15の(B)や(C)に示したように、実施例2に係る磁気質検出装置200を使用することとすれば、磁力線変曲点位置を下部ユニットの上面付近に調整することができるので、上部ユニット210/下部ユニット220間の間隔を大きくとることが可能となる。これにより、紙葉類500に対する押さえ効果が高いローラ付きアームを紙葉類押さえ機構として用いることができる。
同図の(B)に示したように、ローラ付きアームは、アーム73にローラ75を取り付けることで構成されている。具体的には、ローラ75をローラ軸76で支持するアーム73は、アーム軸74まわりに回動するように取り付けられており、アーム73の一端は、ばね78経由でピン77に固定されている。
かかるローラ付きアームを用いた場合、同図に破線で示した位置(同図の73a参照)まで、ローラ付きアームは移動することがある。したがって、同図の(B)に示したように、上部ユニット210は、ローラ付きアームと接触しない位置に設ける必要がある。このため、同図の(B)に示したように、上部ユニット210/下部ユニット220間の間隔を、同図の(A)に示した場合よりも大きくする必要がある。
そこで、同図の(C)に示したように、上部ユニット210の下面を下側が凹んだ形としてローラ付きアームとの接触を避けたうえで、上部ユニット210の取付位置を、図15の(B)における上部ユニット210の取付位置(同図の79参照)よりも搬送路側に近づけることとしてもよい。このようにすることで、ローラ付きアームを用いつつ磁気質検出装置200の装置サイズをコンパクト化することができる。
以上のように、本発明に係る磁気質検出装置は、磁気インクの保磁力特性の差異を精度良く検出したい場合に有用である。

Claims (6)

  1. 磁気インクで印刷された紙葉類を搬送面に沿って搬送することで前記紙葉類の磁気を検出する磁気質検出装置であって、
    磁石の異極間をヨークで連結した磁石ユニットを、前記搬送面を挟んで対向する位置にそれぞれ配置しており、前記搬送面における磁気検出区間において磁気ベクトルの向きが前記搬送面と垂直であり、かつ、磁界強度が前記磁気検出区間における搬送向きについて非減少または非増加となるように調整された磁界発生手段と、
    前記磁気検出区間に設けられた磁気質検出手段と
    を備えたことを特徴とする磁気質検出装置。
  2. 前記磁界発生手段の各磁石ユニットは、
    前記搬送面を挟んで対向する前記磁石の磁極が異極同士となるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気質検出装置。
  3. 前記磁界発生手段は、
    各磁石ユニットの前記搬送面側に搬送方向について分断された複数の分割導磁板をさらに備えており、
    前記磁気質検出手段は、
    前記分割導磁板に対応する位置であって、前記分割導磁板よりも前記搬送面寄りに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の磁気質検出装置。
  4. 前記磁界発生手段は、
    前記分割導磁板の搬送方向における位置を調整する位置調整機構をさらに備えたことを特徴とする請求項3に記載の磁気質検出装置。
  5. 前記磁界発生手段は、
    一方の前記磁石ユニットの前記搬送面側に1つの導磁板をさらに備えており、
    前記磁気質検出手段は、
    前記導磁板よりも前記搬送面寄りに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の磁気質検出装置。
  6. 前記磁界発生手段は、
    導磁率および/または板厚が異なる前記導磁板を用いることで前記搬送面と前記一方の磁石ユニットとの距離を調整することを特徴とする請求項5に記載の磁気質検出装置。
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