JPWO2010050289A1 - 圧力センサ診断方法及びコモンレール式燃料噴射制御装置 - Google Patents

圧力センサ診断方法及びコモンレール式燃料噴射制御装置 Download PDF

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Abstract

圧力センサの動作診断のための専用の回路を設けることなく、簡易な構成で異常の有無の診断を可能とする。電子制御ユニット4により、ピエゾインジェクタである燃料噴射弁2−1〜2−nへ所定の駆動電流Isを所定駆動時間ETの間通電し、その通電期間中において生ずるピエゾインジェクタの端子電圧のリンギングにおいて、通電開始後、最初に現れる第1のピーク電圧と、次の第2のピーク電圧の電位差を求め、その電位差に対して本来あるべき標準レール圧を、予め定められた第1のピーク電圧と第2のピーク電圧の電位差と標準レール圧との所定の相関関係に基づいて求め、圧力センサ11により得られた検出レール圧との差が所定閾値より大である場合に、圧力センサ11の異常と判定するものである。

Description

本発明は、センサ動作の異常診断に係り、特に、専用部品を用いることなく簡易な構成による異常診断の実現等を図ったものに関する。
例えば、ディーゼルエンジンに代表される自動車の内燃機関の電子制御装置においては、様々なセンサが設けられており、その検出信号が内燃機関の動作制御に供されるようになっている。
そのようなセンサの一つとして、コモンレール式燃料噴射制御装置におけるレール圧を検出する圧力センサは、適切な燃料噴射を実現する上で重要であり、故障検出のための方策が種々提案されている。
このようなコモンレール式燃料噴射制御装置における圧力センサの故障診断の一つとして、例えば、圧力センサの故障診断に際し、レール圧を意図的に上げる指令を行うと共に、インジェクタの通電時間の減少を指令することで、結果的に燃料噴射量の変化がなく、排ガス特性に変化が生じないと判定された場合に、圧力センサの故障はないと推定する方法などが提案されている(例えば、特許文献1等参照)。
しかしながら、上述の故障診断方法においては、圧力センサの故障検出のために、本来の燃料噴射とは無関係に不要なレール圧の引き上げを指令する必要があり、制御動作の冗長を招くだけでなく、何らかの原因により、不要なレール圧の上昇が実際に生じ、燃料噴射動作に影響を与えかねないという虞もある。
特開平10−325352号公報
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、圧力センサの異常、故障等の動作診断のための専用の回路を設けることなく、簡易な構成で異常の有無の診断を可能とする圧力センサ診断方法及びコモンレール式燃料噴射制御装置を提供するものである。
本発明の第1の形態によれば、燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続されたピエゾインジェクタを用いてなる燃料噴射弁を介して内燃機関へ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、前記コモンレールの圧力が、前記コモンレールの圧力を検出する圧力センサの検出信号に基づいて制御可能に構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置における圧力センサ診断方法であって、
前記ピエゾインジェクタへ所定の駆動電流を所定駆動時間の間通電し、当該通電期間中において生ずる前記ピエゾインジェクタの端子電圧の所定区間における変化を取得し、当該取得された前記ピエゾインジェクタの端子電圧の所定区間における変化に対して生ずべき標準レール圧を、予め定められた前記端子電圧の変化と標準レール圧との所定の相関関係に基づいて求め、
前記圧力センサにより得られた検出レール圧と、前記所定の相関関係に基づいて得られた標準レール圧との差が所定閾値より大である場合に、前記圧力センサの異常と判定するよう構成されてなる圧力センサ診断方法が提供される。
本発明の第2の形態によれば、燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続されたピエゾインジェクタを用いてなる燃料噴射弁を介して内燃機関へ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、電子制御ユニットにより前記コモンレールの圧力が、前記コモンレールの圧力を検出する圧力センサの検出信号に基づいて制御可能に構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置であって、
前記電子制御ユニットは、
前記ピエゾインジェクタへ所定の駆動電流を所定駆動時間の間通電し、当該通電期間中において生ずる前記ピエゾインジェクタの端子電圧の所定区間における変化を取得し、当該取得された前記ピエゾインジェクタの端子電圧の所定区間における変化に対して生ずべき標準レール圧を、予め定められた前記端子電圧の変化と標準レール圧との所定の相関関係に基づいて算出し、
前記圧力センサにより得られた検出レール圧と、所定の相関関係に基づいて得られた標準レール圧との差が所定閾値より大であるか否かを判定し、前記圧力センサにより得られた検出レール圧と、所定の相関関係に基づいて得られた標準レール圧との差が所定閾値より大であると判定された場合に、前記圧力センサの異常と判定するよう構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置が提供される。
本発明の第3の形態によれば、燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続されたピエゾインジェクタを用いてなる燃料噴射弁を介して内燃機関へ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、前記コモンレールの圧力が、前記コモンレールの圧力を検出する圧力センサの検出信号に基づいて制御可能に構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置における圧力センサ診断方法であって、
前記ピエゾインジェクタへの通電開始後に生ずる端子電圧の脈動における最初のピーク電圧と前記ピエゾインジェクタの通電終了時における端子電圧に基づいて前記圧力センサの異常の有無を判定するよう構成されてなる圧力センサ診断方法が提供される。
本発明の第4の形態によれば、燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続されたピエゾインジェクタを用いてなる燃料噴射弁を介して内燃機関へ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、電子制御ユニットにより前記コモンレールの圧力が、前記コモンレールの圧力を検出する圧力センサの検出信号に基づいて制御可能に構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置であって、
前記電子制御ユニットは、
前記ピエゾインジェクタへの通電開始後に生ずる端子電圧の脈動における最初のピーク電圧と前記ピエゾインジェクタの通電終了時における端子電圧とに基づいて前記圧力センサの異常の有無を判定するよう構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置が提供される。
本発明の第5の形態によれば、燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続されたピエゾインジェクタを用いてなる燃料噴射弁を介して内燃機関へ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、前記コモンレールの圧力が、前記コモンレールの圧力を検出する圧力センサの検出信号に基づいて制御可能に構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置における圧力センサ診断方法であって、
前記ピエゾインジェクタへの通電終了時における前記ピエゾインジェクタの端子電圧と、前記通電終了時における前記ピエゾインジェクタの端子電圧の目標電圧とに基づいて前記圧力センサの異常の有無を判定するよう構成されてなる圧力センサ診断方法が提供される。
本発明の第6の形態によれば、燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続されたピエゾインジェクタを用いてなる燃料噴射弁を介して内燃機関へ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、電子制御ユニットにより前記コモンレールの圧力が、前記コモンレールの圧力を検出する圧力センサの検出信号に基づいて制御可能に構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置であって、
前記電子制御ユニットは、
前記ピエゾインジェクタへの通電終了時における前記ピエゾインジェクタの端子電圧を取得し、当該取得されたピエゾインジェクタの端子電圧と、前記ピエゾインジェクタの通電終了時における前記ピエゾインジェクタの端子電圧の目標電圧とに基づいて前記圧力センサの異常の有無を判定するよう構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置が提供される。
本発明の第7の形態によれば、燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続されたピエゾインジェクタを用いてなる燃料噴射弁を介して内燃機関へ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、前記コモンレールの圧力が、前記コモンレールの圧力を検出する圧力センサの検出信号に基づいて制御可能に構成されてなると共に、前記ピエゾインジェクタは、その通電終了時における端子電圧が予め定められた目標電圧となるよう前記ピエゾインジェクタの印加電圧が補正されて駆動制御されるよう構成されてなる圧力センサ診断方法であって、
前記ピエゾインジェクタの通電終了時の印加電圧の補正量が所定量を超える場合に前記圧力センサの異常の有無を判定するよう構成されてなる圧力センサ診断方法が提供される。
本発明の第8の形態によれば、燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続されたピエゾインジェクタを用いてなる燃料噴射弁を介して内燃機関へ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、電子制御ユニットにより、前記コモンレールの圧力が、前記コモンレールの圧力を検出する圧力センサの検出信号に基づいて制御可能に構成されてなると共に、前記ピエゾインジェクタの通電終了時における端子電圧が予め定められた目標電圧となるよう前記ピエゾインジェクタの印加電圧が補正されて前記ピエゾインジェクタの駆動が制御されるよう構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置であって、
前記電子制御ユニットは、
前記ピエゾインジェクタの通電終了時の印加電圧の補正量が所定量を超えるか否かを判定し、前記ピエゾインジェクタの通電終了時の印加電圧の補正量が所定量を超えると判定される場合に前記圧力センサの異常と判定するよう構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置が提供される。
本発明の第9の形態によれば、燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続されたピエゾインジェクタを用いてなる燃料噴射弁を介して内燃機関へ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、前記コモンレールの圧力が、前記コモンレールの圧力を検出する圧力センサの検出信号に基づいて制御可能に構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置における圧力センサ診断方法であって、
前記ピエゾインジェクタへの通電開始後に生ずる端子電圧の脈動における所定区間内の前記端子電圧の変化に基づいて前記圧力センサの異常の有無を判定するよう構成されてなる圧力センサ診断方法が提供される。
本発明の第1及び第2の形態並びに第9の形態によれば、ピエゾインジェクタの端子電圧の変化とレール圧との相関関係に基づいて、あるべき本来のレール圧を求め、圧力センサの検出圧力と比較することで、圧力センサの異常の有無を検出できるようにしたので、異常の有無の診断のための専用の回路を新たに設けることなく、ソフトウェアによる簡易な構成で圧力センサの異常検出を実現することができるという効果を奏すると共に、かかる診断方法を適用することで、信頼性の高いコモンレール式燃料噴射制御装置を提供することができるという効果を奏するものである。
本発明の第3乃至及第9の形態によれば、ピエゾインジェクタの駆動時における所定のタイミングの端子電圧とレール圧との相関関係に基づいて、圧力センサの異常の有無を検出できるようにしたので、異常の有無の診断のための専用の回路を新たに設けることなく、ソフトウェアによる簡易な構成で圧力センサの異常検出を実現することができるという効果を奏すると共に、かかる診断方法を適用することで、信頼性の高いコモンレール式燃料噴射制御装置を提供することができるという効果を奏するものである。
本発明の実施の形態における圧力センサ診断方法が適用されるコモンレール式燃料噴射制御装置の一構成例を示す構成図である。 図1に示されたコモンレール式燃料噴射制御装置を構成する電子制御ユニットにより実行される本発明の第1及び第9の形態における圧力センサ診断処理の第1の構成例における全体的手順を示すサブルーチンフローチャートである。 図2に示された圧力センサ診断処理の中で実行される診断処理の具体的な処理手順を示すサブルーチンフローチャートである。 図2に示された圧力センサ診断処理の中で実行される最終診断処理の具体的な処理手順を示すサブルーチンフローチャートである。 第1及び第9の形態における圧力センサ診断処理の第2の構成例における圧力センサ診断処理の全体的手順を示すサブルーチンフローチャートである。 第1及び第9の形態の圧力センサ診断処理の基本原理を説明するためのピエゾインジェクタの駆動時における端子電圧の時間変化例を模式的に示す模式図である。 第3及び第5の形態並びに第9の形態の圧力センサ診断処理の全体的手順を示すサブルーチンフローチャートである。 図7に示された圧力センサ診断処理の中で実行される診断処理の具体的な処理手順を示すサブルーチンフローチャートである。 図7に示された圧力センサ診断処理の中で実行される最終診断処理の具体的な処理手順を示すサブルーチンフローチャートである。 第7及び第9の形態の圧力センサ診断処理の具体的な処理手順を示すサブルーチンフローチャートである。 第3及び第5の形態並びに第9の形態の圧力センサ診断処理の基本原理を説明するためのピエゾインジェクタの駆動時における端子電圧の時間変化例を模式的に示す模式図である。 第7及び第9の形態の圧力センサ診断処理における基本原理を説明するためのピエゾインジェクタの駆動時における端子電圧の時間変化例を模式的に示す模式図である。
1…コモンレール
2−1〜2−n…燃料噴射弁
3…ディーゼルエンジン
4…電子制御ユニット
11…圧力センサ
50…高圧ポンプ装置
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図12を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の第1の形態及び第9の形態における圧力センサの診断方法が適用される内燃機関噴射制御装置の構成例について、図1を参照しつつ説明する。
この図1に示された内燃機関噴射制御装置は、具体的には、特に、コモンレール式燃料噴射制御装置が構成されたものとなっている。
このコモンレール式燃料噴射制御装置は、高圧燃料の圧送を行う高圧ポンプ装置50と、この高圧ポンプ装置50により圧送された高圧燃料を蓄えるコモンレール1と、このコモンレール1から供給された高圧燃料をディーゼルエンジン(以下「エンジン」と称する)3の気筒へ噴射供給する複数の燃料噴射弁2−1〜2−nと、燃料噴射制御処理や後述する圧力センサ診断処理などを実行する電子制御ユニット(図1においては「ECU」と表記)4を主たる構成要素として構成されたものとなっている。
かかる構成自体は、従来から良く知られているこの種の燃料噴射制御装置の基本的な構成と同一のものである。
高圧ポンプ装置50は、供給ポンプ5と、調量弁6と、高圧ポンプ7とを主たる構成要素として構成されてなる公知・周知の構成を有してなるものである。
かかる構成において、燃料タンク9の燃料は、供給ポンプ5により汲み上げられ、調量弁6を介して高圧ポンプ7へ供給されるようになっている。調量弁6には、電磁式比例制御弁が用いられ、その通電量が電子制御ユニット4に制御されることで、高圧ポンプ7への供給燃料の流量、換言すれば、高圧ポンプ7の吐出量が調整されるものとなっている。
なお、供給ポンプ5の出力側と燃料タンク9との間には、戻し弁8が設けられており、供給ポンプ5の出力側の余剰燃料を燃料タンク9へ戻すことができるようになっている。
また、供給ポンプ5は、高圧ポンプ装置50の上流側に高圧ポンプ装置50と別体に設けるようにしても、また、燃料タンク9内に設けるようにしても良いものである。
燃料噴射弁2−1〜2−nは、エンジン3の気筒毎に設けられており、それぞれコモンレール1から高圧燃料の供給を受け、電子制御ユニット4による噴射制御によって燃料噴射を行うようになっている。
本発明の実施の形態において、燃料噴射弁2−1〜2−nは、ピエゾインジェクタを用いてなるものである。かかるピエゾインジェクタ(図示せず)は、本発明特有のものではなく、従来の構成を有してなるものであり、電子制御ユニット4によって、その駆動制御が行われ、エンジン3の気筒への高圧燃料の噴射を可能としてなるものである。なお、ピエゾインジェクタは、駆動電圧の印加によって、燃料噴射弁2−1〜2−nの噴射孔(図示せず)が開成される構成のものが一般的であり、本発明の実施の形態においても、かかる構成のものであるとする。
かかるピエゾインジェクタの駆動制御は、一般に、大凡2つの形態(制御パターン)に大別される。
すなわち、その2つの内の一方の制御パターンは、燃料噴射弁2−1〜2−nの駆動電圧がレール圧毎に設定されており、レール圧に応じた駆動電圧で燃料噴射弁2−1〜2−nが駆動されるものである。なお、かかる制御パターンを、便宜的に「駆動電圧選択型」と称することとする。
そして、他方の制御パターンは、レール圧によらず所定の駆動電圧で燃料噴射弁2−1〜2−nの駆動を行うものである。ここで、所定の駆動電圧は、最大レール圧で噴射を可能とする駆動電圧であり、予め試験等により求められた値が設定されるものである。なお、かかる制御パターンを、便宜的に「駆動電圧固定型」と称する。
いずれの制御パターンを選択するかは、車両の種類や排気量等を考慮して定められるべきものである。
電子制御ユニット4は、例えば、公知・周知の構成を有してなるマイクロコンピュータ(図示せず)を中心に、RAMやROM等の記憶素子(図示せず)を有すると共に、燃料噴射弁2−1〜2−nを通電駆動するための回路(図示せず)や、調量弁6等を通電駆動するための回路(図示せず)を主たる構成要素として構成されたものとなっている。
かかる電子制御ユニット4には、コモンレール1の圧力を検出する圧力センサ11の検出信号が入力される他、エンジン回転数、アクセル開度、エンジン冷却水温、燃料温度などの各種の検出信号が、エンジン3の動作制御や燃料噴射制御に供するために入力されるようになっている。
また、電子制御ユニット4には、後述する本発明の実施の形態における圧力センサ診断処理において必要とされるピエゾインジェクタの端子電圧が読み込まれるようになっている。
次に、かかる電子制御ユニット4によって実行される本発明の第1の形態における圧力センサ診断処理の第1の構成例について、図2乃至図5を参照しつつ説明する。
この第1の構成例は、電子制御ユニット4による燃料噴射弁2−1〜2−nの駆動制御が、先に述べた駆動電圧選択型の制御パターンで行われるように構成されたものである場合に適するものである。
まず、図2には、この第1の構成例における圧力センサ診断処理の全体的な手順がサブルーチンフローチャートに示されており、以下、同図を参照しつつ、その内容について説明する。
本発明の実施の形態における圧力センサ診断処理は、電子制御ユニット4において車両の動作制御のための種々実行され制御処理の1つとしてサブルーチン処理されるものとなっている。
電子制御ユニット4による圧力センサ診断処理が開始されると、最初に、車両の動作状態が、圧力センサ診断を行うに適した状態か否か、すなわち、エンジン3の運転状態が安定しているか否か、オーバーランの状態にあるか否かの判断処理が行われる(図2のステップS102〜S112参照)。
以下、具体的に各処理内容について説明すれば、まず、電子制御ユニット4により、エンジン冷却水の水温変化量ΔTcが取得される(図2のステップS102参照)。すなわち、電子制御ユニット4に入力されたエンジン冷却水温に基づいて、所定の単位時間(例えば、一分間隔)におけるエンジン冷却水の水温変化量が演算算出されることとなる。
次いで、演算算出により取得された水温変化量ΔTcが所定水温変化量K1より小さいか否かが判定され(図2のステップS104参照)、所定水温変化量K1より小さいと判定された場合(YESの場合)には、電子制御ユニット4による処理は、次述するステップS106の処理へ進むこととなる。一方、ステップS104において、電子制御ユニット4により、エンジン冷却水の水温変化量が所定水温変化量K1より小さくない、換言すれば、エンジン冷却水の水温変化量が所定水温変化量K1を超えていると判定された場合(NOの場合)には、車両の動作状態が圧力センサ診断を行うに適した状態ではないとして一連の処理が終了され、図示されないメインルーチンへ一旦戻ることとなる。
なお、K1は、車両の規模等によって種々適切な値が異なるので、特定の値に限定される必要はないが、本発明の実施の形態においては、例えば、K1=5℃と設定されている。
次に、ステップS106においては、電子制御ユニット4により、燃温変化量ΔTfが取得される。すなわち、電子制御ユニット4に入力された燃料温度に基づいて、所定の単位時間(例えば、一分間隔)における燃料温度の変化量(燃温変化量)ΔTfが演算算出されることとなる。
次いで、演算算出により取得された燃温変化量ΔTfが所定燃温変化量K2より小さいか否かが判定され(図2のステップS108参照)、所定燃温変化量K2より小さいと判定された場合(YESの場合)には、電子制御ユニット4による処理は、次述するステップS110の処理へ進むこととなる。
一方、ステップS108において、電子制御ユニット4により、燃温変化量ΔTfが所定燃温変化量K2より小さくない、換言すれば、燃温変化量が所定燃温変化量K2を超えていると判定された場合(NOの場合)には、車両の動作状態が圧力センサ診断を行うに適した状態ではないとして一連の処理が終了され、図示されないメインルーチンへ一旦戻ることとなる。
なお、K2は、車両の規模等によって種々適切な値が異なるので、特定の値に限定される必要はないが、本発明の実施の形態においては、例えば、K2=5℃と設定されている。
このように、本発明の実施の形態においては、エンジン冷却水の水温変化量、燃料温度の燃温変化量によって、エンジン3の運転状態が安定状態にあるか否かを判定するようにしている。
次に、ステップS110においては、アクセル開度検出信号が電子制御ユニット4に読み込まれ、次いで、アクセル開度Accが0%、すなわち、アクセル(図示せず)が踏み込まれていない状態にあるか否かが判定される(図2のステップS112参照)。
そして、ステップS112において、電子制御ユニット4によりアクセル開度Accが0%であると判定された場合(YESの場合)には、車両がオーバーラン状態にあるとして、電子制御ユニット4の処理は、ステップS200へ進み、次述する診断処理が実行され、しかる後、図示されないメインルーチンへ一旦戻ることとなる。
このように、診断処理を実質的に行う前に、オーバーラン状態か否かを判断するのは、次述するような理由によるものである。
この第1の構成例における圧力センサ診断処理は、先に述べたように、電子制御ユニット4による燃料噴射弁2−1〜2−nの駆動制御のパターンが、駆動電圧選択型であることを前提としているが、この駆動電圧選択型の場合、車両の動作状態がオーバーラン状態、すなわち、アクセル(図示せず)が踏まれていない状態、換言すれば、アクセル開度が零の状態において、診断処理を行うことが車両動作への影響を極力少なくし、ドライバーへ違和感を与えないと考えられるからである。これは、詳細は後述するように、診断処理における燃料噴射弁2−1〜2−nへの通電電流が比較的高く設定されているため、車両の動作状態によっては、診断処理による燃料噴射弁2−1〜2−nへの通電による噴射によって、エンジン回転数に大きな変動を生じさせ、さらには、ドライバー、乗員に不快感を与えかねない虞があるからである。
図3には、診断処理の具体的な処理手順がサブルーチンフローチャートに示されており、以下、同図を参照しつつ、その具体的な処理手順について説明する。
まず、この図3に示された一連の処理は、燃料噴射弁2−1〜2−nの1つ1つに対して、それぞれ実行されるものとなっている。すなわち、図3に示された一連の処理は、予め定めた順番に沿って燃料噴射弁2−1〜2−n毎に実行されるものとなっている。これは、本発明の実施の形態における圧力センサ診断では、詳細は後述するように、それぞれの燃料噴射弁2−1〜2−nにおける診断処理の結果を総合的に判断して、最終的に、圧力センサ11の異常か否かを判定するようにしているためである。
しかして、電子制御ユニット4により、診断処理が開始されると、予め定められた順番に沿って、燃料噴射弁2−1〜2−nの内のいずれか1つに対して、所定駆動電流Isでの通電駆動が開始され、予め定められた所定通電時間ETの間、通電が継続される(図3のステップS202参照)。
ここで、図6を参照しつつ、本発明の実施の形態における所定駆動電流Isの通電による診断処理の基本原理について説明することとする。
図6は、燃料噴射弁2−1〜2−nを通電駆動した際の端子電圧の時間変化の一例を示したもので、横軸は通電開始からの経過時間を、縦軸は電圧を、それぞれ表している。
図6において、二点鎖線で表された特性線は、燃料噴射弁2−1〜2−nの通常の駆動状態における電圧変化の一例を示すものである。
一方、実線で表された特性線は、駆動電流Isで燃料噴射弁2−1〜2−nを駆動した場合の電圧変化を示すものである。
本願発明者は、ピエゾインジェクタの動作とレール圧との関連性について鋭意研究を行った結果、ある一定値以上の高い駆動電流でピエゾインジェクタを駆動すると、ピエゾインジェクタの端子電圧の変化は、ピエゾインジェクタの大きさが違ってもレール圧に対して同じ傾向を示すという結論を得るに至った。
しかも、本願発明者は、通電開始後、ピエゾインジェクタの端子電圧が上下に変化するいわゆる脈動において、最初のピーク値(図6において時刻t1の箇所の電圧値)と、その最初のピーク値(以下「第1のピーク値」と称する)の後の電圧下降から上昇に転じた際の第2のピーク値(図6において時刻t2の箇所の電圧値)との差が、レール圧と一定の相関関係を有しており、具体的には大凡比例関係にあるという結論を導くに至った。
さらに、上述のような第1のピーク値と第2のピーク値との電位差とレール圧との相関関係のみならず、例えば、第1のピーク値に対する電位差(第1のピーク値と第2のピーク値との差)の比の絶対値とレール圧との間にも同様な相関関係が成立するという結論を得るに至った。
本発明の実施の形態における圧力センサ診断は、本願発明者によって得られたかかる知見に基づくもので、概括的に言えば、ピエゾインジェクタへ所定の駆動電流を所定駆動時間の間通電し、その通電期間中において生ずるピエゾインジェクタの端子電圧の所定区間における変化を取得し、その取得されたピエゾインジェクタの端子電圧の所定区間における変化に対して生ずべき標準レール圧を、予め定められたピエゾインジェクタの端子電圧の所定区間における変化と標準レール圧との所定の相関関係に基づいて求め、圧力センサ11により得られた検出レール圧と、先の所定の相関関係に基づいて得られた標準レール圧との差によって圧力センサ11の異常の有無を診断するようにしたものであるということができるものである。
ここで、再び、図3の説明に戻れば、先に説明したように所定駆動電流Isの通電による燃料噴射弁2−1〜2−nの1つに対する駆動が開始された後、ピエゾインジェクタの端子電圧の最初のピーク電圧(第1ピーク電圧)V1が電子制御ユニット4において検出され、その値が電子制御ユニット4内の所定の記憶領域(図示せず)に暫定的に読み込まれることとなる(図3のステップS204参照)。
ここで、最初のピーク電圧V1は、図6に例示された電圧変化の実線の特性線において、時刻t1の時点の電圧である。
次いで、第2ピーク電圧V2が同様にして読み込まれる(3のステップS206参照)。すなわち、ピエゾインジェクタの端子電圧は、先の第1のピーク電圧V1に達した後、一旦、下降してゆき(図6参照)、ある程度電圧低下した後、再び上昇に転じ、第1のピーク電圧V1より低い電圧V2でピークとなり(図6の時刻t2の箇所参照)、再び下降に転じてゆく変化を示すものとなっている。ピエゾインジェクタが正常であれば、通常、これらの変化は、予め定められた所定通電時間ET内に出現する。なお、所定通電時間ETは、所定駆動電流Isと共に、試験やシミュレーション結果等に基づいて、適切な値を設定するのが好適である。
ステップS206においては、電子制御ユニット4により、かかる第2ピーク電圧が検出され、電子制御ユニット4内の所定の記憶領域(図示せず)に暫定的に記憶されることとなる。
次いで、電子制御ユニット4の処理は、ステップS208の処理へ進み、第1ピーク電圧V1と第2ピーク電圧V2との電位差ΔVが演算算出されることとなる。
次いで、上述のようにして算出された電位差を基に、電位差・レール圧換算処理が行われる(図3のステップS210参照)。
かかる電位差・レール圧換算処理は、先に図6を参照しつつ説明したように、所定駆動電流Isによるピエゾインジェクタの駆動においては、第1ピーク電圧V1と第2ピーク電圧との電位差ΔVが、その際のレール圧と相関関係を有していることに基づくものである。
具体的には、電位差ΔVとレール圧との相関関係を予め求め、これを、例えば、マップ化して電子制御ユニット4の所定の記憶領域(図示せず)に記憶しておき、ステップS208で求められた電位差ΔVに対して、その際あるべき本来のレール圧(標準レール圧)Pvが求められるようにすると好適である。なお、マップ化に代えて、相関関係を演算式化し、その演算式を用いることで、ある電位差ΔVに対するレール圧Pvが求められるようにしても好適である。
次いで、電子制御ユニット4により、センサ検出圧Pacが取得される(図3のステップS212参照)。すなわち、電子制御ユニット4には、圧力センサ11の検出信号が入力されるようになっているが、電子制御ユニット4においては、入力された圧力センサ11の検出信号に基づいて、予め定められた演算式やマップなどにより、その検出信号に対応するレール圧(検出レール圧)Pacが決定されるようになっている。
次いで、電子制御ユニット4により、電圧差・レール圧換算により得られたレール圧Pvと、圧力センサ11の検出信号に基づく検出レール圧Pacとの差の絶対値Lが、L=|Pv−Pac|として算出されることとなる(図3のS214参照)。なお、以下、Lを、説明の便宜上、「絶対圧力差」と称することとする。
そして、上述のようにして求められた絶対圧力差Lが、所定の閾値を超えているか否かが電子制御ユニット4により判定され(図3のステップS216参照)、所定の閾値を超えていないと判定された場合(NOの場合)には、圧力センサ11は正常であるとして一連の処理が終了され、電子制御ユニット4における処理は、一旦、図示されないメインーチンへ戻ることとなる。
一方、ステップS216において、絶対圧力差Lが、所定の閾値を超えていると電子制御ユニット4により判定された場合(YESの場合)には、圧力センサ11が異常(センサ異常)であるとされ(図3のステップS218参照)、一連の処理が終了され、電子制御ユニット4における処理は、一旦、図示されないメインルーチンへ戻ることとなる。
ここで、ステップS218におけるセンサ異常との判定は、燃料噴射弁2−1〜2−nの内の1つに対して、上述した一連の診断処理を実行した結果であるので、この1つのセンサ異常との判定のみで、即座に異常報知などの対応処理を行うよりは、診断の慎重を記する観点から、後述するように、複数の燃料噴射弁における診断処理においてセンサ異常と判定された場合に、異常報知などの処理を行うようにすると好適である。
なお、上述の処理例においては、第1のピーク電圧V1と第2のピーク電圧V2との差ΔVと標準レール圧Pvとの相関関係を、ある電位差ΔVに対して生ずべき標準レール圧を求めるのに用いるようにしたが、次述するようにしても好適である。
すなわち、先に述べたように、第1のピーク電圧V1に対する第1のピーク電圧V1と第2のピーク電圧V2との差ΔVの比、すなわち、ΔV/V1とレール圧(標準レール圧)との間にも相関関係が成立する。
そこで、このΔV/V1とレール圧(標準レール圧)との相関関係に基づいて、ΔV/V1を取得する毎に、そのΔV/V1に対する標準レール圧を求め(図3のステップS210の処理に相当)、以下、図3のステップS214以降の処理を同様に行うことでも、圧力センサ11の診断が可能である。
次に、最終診断処理について、図4に示されたサブルーチンフローチャートを参照しつつ説明する。
本発明の実施の形態においては、先に説明したように、図3に示された一連の処理は、燃料噴射弁2−1〜2−nの1つ1つ、換言すれば、エンジン3の気筒の1つ1つに対して順に実行されるものとなっており、その1つの燃料噴射弁における診断処理によってセンサ異常と判定されても、直ぐに、異常報知などの対応処理を行うのではなく、次述するように、最終診断処理によって、異常報知の要否を選択するようにしている。
以下、具体的に、最終診断処理について説明する。
電子制御ユニット4により、処理が開始されると、最初に、電子制御ユニット4の所定の記憶領域(図示せず)に記憶されている、各燃料噴射弁2−1〜2−nにおける先の図3に示された診断処理の結果J1〜Jnが読み出されることとなる(図3のステップS216及びS218並びに図4のステップS302参照)。
次いで、上述のようにして読み出された診断結果の中で、診断結果がセンサ異常(図3のステップS218参照)とされている数が電子制御ユニット4により計数され、異常診断数の計数値Nが確定される(図4のステップS304参照)。
そして、計数値Nが所定の基準計数値Nsより大であるか否かが電子制御ユニット4により判定され(図4のステップS306参照)、計数値Nが所定の基準計数値Nsより大ではないと判定された場合(NOの場合)には、圧力センサ11は、異常ではないとして一連の処理が終了され、図示されないメインルーチンへ戻ることとなる。
一方、ステップS306において、計数値Nが所定の基準計数値Nsより大であると電子制御ユニット4により判定された場合(YESの場合)には、圧力センサ11が異常であるとして、電子制御ユニット4により異常報知が行われることとなる(図4のステップS308参照)。
なお、異常報知は、警報の発生や異常表示等を適宜行うようにすると好適であるが、勿論、これらに限定される必要はなく、適宜任意に選定されるべきものである。
次に、第2の構成例について、図5を参照しつつ説明する。
この第2の構成例は、電子制御ユニット4による燃料噴射弁2−1〜2−nの駆動制御が、先に述べた駆動電圧固定型の制御パターンで行われるように構成されたものである場合に適するものである。
図5は、この第2の構成例における圧力センサ診断処理の全体的な手順をサブルーチンフローチャートに示したものであるが、先に第1の構成例における圧力センサ診断処理の全体的な手順が示された図2のサブルーチンフローチャートと異なる点は、図2におけるステップS110及びS112の処理が省かれている点のみである。なお、図5においては、図2の処理内容と同一処理のステップについては、同一のステップ番号を付して、その詳細な説明を省略することとする。
すなわち、この第2の構成例は、電子制御ユニット4による燃料噴射弁2−1〜2−nの駆動制御が、駆動電圧固定型の制御パターンで行われるようになっている場合、エンジン冷却水温の水温変化量ΔTc、及び、燃料温度の燃温変化量ΔTfが、それぞれ所定値より小さいと判断される際に(図5のステップS102〜S108参照)、電子制御ユニット4による診断処理(図5のステップS200参照)を実行するようにしたものである。
なお、診断処理の具体的な内容は、先に図3及び図4で説明した通りであるので、ここでの再度の詳細な説明は省略することとする。
なお、ピエゾインジェクタの経年劣化により、その端子電圧の変化が、圧力センサ11が正常であるにも関わらず、上述した圧力センサ診断処理によって圧力センサ11の異常と判定されるような状態となる場合がある。
このような場合に対する対処として、次述するようにして、ピエゾインジェクタの経年劣化の有無を診断する処理を実行してピエゾインジェクタの経年劣化に起因する圧力センサ11を異常とするような誤診断の発生を回避するようにしても好適である。
すなわち、まず、ピエゾインジェクタの通電駆動の毎に、電子制御ユニット4により、先に述べた第1のピーク電圧と第2のピーク電圧の電位差ΔVを取得すると共に、電子制御ユニット4の記憶素子(図示せず)の適宜な領域に逐次記憶してゆくようにする一方、新たな電位差ΔVが取得された際に、記憶素子に記憶されている直近のΔVと比較を行い、その差が所定閾値A以下であればピエゾインジェクタの経年変化があるとしても、圧力センサ診断処理の診断結果に影響を及ぼす程ではないとして、圧力センサ診断処理(図2のステップS200参照)を実行するようにする。
一方、新たな電位差ΔVと直近のΔVの差が所定閾値Aより大きい所定閾値B(所定閾値A<所定閾値B)を超える場合には、圧力センサ診断処理(図2のステップS200参照)を行うに適した状態ではないとして、圧力センサ診断処理の実行を見合わせるようにする。
ここで、所定閾値Aを比較的小さな値(微少値)に設定し、所定閾値Bを比較的大きな値に設定することで、ピエゾインジェクタの経年劣化の可能性の有無を検出することが可能である。これは、ピエゾインジェクタの経年劣化により、ピエゾインジェクタの端子電圧に、上述の微少値に相当する電圧のずれが徐々に積み重ねられてゆき、換言すれば、微少値のずれが積分されたと等価な状態となり遂には、圧力センサ11の異常の有無を診断するに適した端子電圧の変化状態ではなくなると考えられるからである。
なお、上述のようなピエゾインジェクタの経年劣化の有無の診断処理は、図2におけるステップS112においてYESの判定がされた場合、又は、図5のステップS108においてYESの判定がされた場合に、ステップS200の処理実行の直前に行うようにすることが考えられるが、これに限定される必要は無く、例えば、図2又は図5のステップS102の処理実行の前に行い、ピエゾインジェクタの経年劣化があるとしても圧力センサ診断処理の診断結果に影響を及ぼす程ではないと判定された場合に、ステップS102以降の処理を実行するようにしても良い。
次に、本発明の第3乃至第9の形態について、図1、図7乃至図12を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
まず、本発明の実施の形態における圧力センサの診断方法は、先に図1を参照しつつ説明した構成を有する内燃機関噴射制御装置において適用されるのに適するものである。
ここで、図1に示された内燃機関噴射制御装置の構成について、再度説明することとする。
図1に示された内燃機関噴射制御装置は、具体的には、特に、コモンレール式燃料噴射制御装置が構成されたものとなっている。
このコモンレール式燃料噴射制御装置は、高圧燃料の圧送を行う高圧ポンプ装置50と、この高圧ポンプ装置50により圧送された高圧燃料を蓄えるコモンレール1と、このコモンレール1から供給された高圧燃料をディーゼルエンジン(以下「エンジン」と称する)3の気筒へ噴射供給する複数の燃料噴射弁2−1〜2−nと、燃料噴射制御処理や後述する圧力センサ診断処理などを実行する電子制御ユニット(図1においては「ECU」と表記)4を主たる構成要素として構成されたものとなっている。
かかる構成自体は、従来から良く知られているこの種の燃料噴射制御装置の基本的な構成と同一のものである。
高圧ポンプ装置50は、供給ポンプ5と、調量弁6と、高圧ポンプ7とを主たる構成要素として構成されてなる公知・周知の構成を有してなるものである。
かかる構成において、燃料タンク9の燃料は、供給ポンプ5により汲み上げられ、調量弁6を介して高圧ポンプ7へ供給されるようになっている。調量弁6には、電磁式比例制御弁が用いられ、その通電量が電子制御ユニット4に制御されることで、高圧ポンプ7への供給燃料の流量、換言すれば、高圧ポンプ7の吐出量が調整されるものとなっている。
なお、供給ポンプ5の出力側と燃料タンク9との間には、戻し弁8が設けられており、供給ポンプ5の出力側の余剰燃料を燃料タンク9へ戻すことができるようになっている。
また、供給ポンプ5は、高圧ポンプ装置50の上流側に高圧ポンプ装置50と別体に設けるようにしても、また、燃料タンク9内に設けるようにしても良いものである。
燃料噴射弁2−1〜2−nは、エンジン3の気筒毎に設けられており、それぞれコモンレール1から高圧燃料の供給を受け、電子制御ユニット4による噴射制御によって燃料噴射を行うようになっている。
本発明の実施の形態において、燃料噴射弁2−1〜2−nは、ピエゾインジェクタを用いてなるものである。かかるピエゾインジェクタ(図示せず)は、本発明特有のものではなく、従来の構成を有してなるものであり、電子制御ユニット4によって、その駆動制御が行われ、エンジン3の気筒への高圧燃料の噴射を可能としてなるものである。なお、ピエゾインジェクタは、駆動電圧の印加によって、燃料噴射弁2−1〜2−nの噴射孔(図示せず)が開成される構成のものが一般的であり、本発明の実施の形態においても、かかる構成のものであるとする。
かかるピエゾインジェクタの駆動制御は、一般に、大凡2つの形態(制御パターン)に大別される。
すなわち、その2つの内の一方の制御パターンは、燃料噴射弁2−1〜2−nの駆動電圧がレール圧毎に設定されており、レール圧に応じた駆動電圧で燃料噴射弁2−1〜2−nが駆動されるものである。なお、かかる制御パターンを、便宜的に「駆動電圧選択型」と称することとする。
そして、他方の制御パターンは、レール圧によらず所定の駆動電圧で燃料噴射弁2−1〜2−nの駆動を行うものである。ここで、所定の駆動電圧は、最大レール圧で噴射を可能とする駆動電圧であり、予め試験等により求められた値が設定されるものである。なお、かかる制御パターンを、便宜的に「駆動電圧固定型」と称する。
いずれの制御パターンを選択するかは、車両の種類や排気量等を考慮して定められるべきものである。
電子制御ユニット4は、例えば、公知・周知の構成を有してなるマイクロコンピュータ(図示せず)を中心に、RAMやROM等の記憶素子(図示せず)を有すると共に、燃料噴射弁2−1〜2−nを通電駆動するための回路(図示せず)や、調量弁6等を通電駆動するための回路(図示せず)を主たる構成要素として構成されたものとなっている。
かかる電子制御ユニット4には、コモンレール1の圧力を検出する圧力センサ11の検出信号が入力される他、エンジン回転数、アクセル開度、エンジン冷却水温、燃料温度などの各種の検出信号が、エンジン3の動作制御や燃料噴射制御に供するために入力されるようになっている。
また、電子制御ユニット4には、後述する本発明の実施の形態における圧力センサ診断処理において必要とされるピエゾインジェクタの端子電圧が読み込まれるようになっている。
次に、かかる電子制御ユニット4によって実行される本発明の第3及び第5の形態並びに第9の形態における圧力センサ診断処理について、図7乃至図9、並びに図11を参照しつつ説明する。
まず、図7には、この第1の構成例における圧力センサ診断処理の全体的な手順がサブルーチンフローチャートに示されており、以下、同図を参照しつつ、その内容について説明する。
本発明の実施の形態における圧力センサ診断処理は、電子制御ユニット4において車両の動作制御のための種々実行され制御処理の1つとしてサブルーチン処理されるものとなっている。
電子制御ユニット4による圧力センサ診断処理が開始されると、最初に、車両の動作状態が、圧力センサ診断を行うに適した動作状態にあるか否か、すなわち、エンジン3の運転状態が安定しているか否かの判断処理が行われる(図7のステップS502〜S512参照)。
以下、具体的に各々の処理内容について説明すれば、まず、電子制御ユニット4により、エンジン冷却水の水温変化量ΔTcが取得される(図7のステップS502参照)。すなわち、電子制御ユニット4に入力されたエンジン冷却水温に基づいて、所定の単位時間(例えば、一分間隔)におけるエンジン冷却水の水温変化量が演算算出されることとなる。
次いで、演算算出により取得された水温変化量ΔTcが所定水温変化量K1より小さいか否かが判定され(図7のステップS504参照)、所定水温変化量K1より小さいと判定された場合(YESの場合)には、電子制御ユニット4による処理は、次述するステップS506の処理へ進むこととなる。
一方、ステップS504において、電子制御ユニット4により、エンジン冷却水の水温変化量が所定水温変化量K1より小さくない、換言すれば、エンジン冷却水の水温変化量が所定水温変化量K1を超えていると判定された場合(NOの場合)には、車両の動作状態が圧力センサ診断を行うに適した状態ではないとして一連の処理が終了され、図示されないメインルーチンへ一旦戻ることとなる。
なお、K1は、車両の規模等によって種々適切な値が異なるので、特定の値に限定される必要はないが、本発明の実施の形態においては、例えば、K1=5℃と設定されている。
次に、ステップS506においては、電子制御ユニット4により、燃温変化量ΔTfが取得される。すなわち、電子制御ユニット4に入力された燃料温度に基づいて、所定の単位時間(例えば、一分間隔)における燃料温度の変化量(燃温変化量)ΔTfが演算算出されることとなる。
次いで、演算算出された燃温変化量ΔTfが所定燃温変化量K2より小さいか否かが判定され(図7のステップS508参照)、所定燃温変化量K2より小さいと判定された場合(YESの場合)には、電子制御ユニット4による処理は、次述するステップS510の処理へ進むこととなる。
一方、ステップS508において、電子制御ユニット4により、燃温変化量ΔTfが所定燃温変化量K2より小さくない、換言すれば、燃温変化量が所定燃温変化量K2を超えていると判定された場合(NOの場合)には、車両の動作状態が圧力センサ診断を行うに適した状態ではないとして一連の処理が終了され、図示されないメインルーチンへ一旦戻ることとなる。
なお、K2は、車両の規模等によって種々適切な値が異なるので、特定の値に限定される必要はないが、本発明の実施の形態においては、例えば、K2=5℃と設定されている。
このように、本発明の実施の形態においては、エンジン冷却水の水温変化量、燃料温度の燃温変化量によって、エンジン3の運転状態が安定状態にあるか否かが判定されるものとなっている。
次に、ステップS510においては、ピエゾインジェクタへの通電駆動開始からの経過時間(通電時間)tが取得され、次いで、その通電時間tが所定通電時間Tsを超えているか否かが電子制御ユニット4により判定される(図7のステップS512参照)。なお、通電駆動開始からの経過時間である通電時間は、電子制御ユニット4内部において実行される周知・公知の計時プログラムによって取得されるようになっている。
ここで、所定通電時間Tsは、後述する診断処理(図7のステップS600)において、所望するピエゾインジェクタの端子電圧(詳細は後述)を取得するに十分な通電時間を確保する観点から定められるものであり、試験やシミュレーション等に基づいて装置毎に適切な値が設定されるべきものである。なお、本発明の実施の形態においては、Tsは、大凡300μs程度に設定されている。
そして、ステップS512において、通電時間tは、所定通電時間Tsより大ではないと判定された場合(NOの場合)には、診断処理を行うに適した状態ではないとして、一連の処理が終了され、一旦、図示されないメインルーチンへ戻ることとなる。
一方、ステップS512において、通電時間tは、所定通電時間Tsより大であると判定された場合(YESの場合)には、診断処理を行うに適した状態であるとして、電子制御ユニット4の処理は、ステップS600へ進み、次述する診断処理が実行され、しかる後、図示されないメインルーチンへ一旦戻ることとなる。
図8には、診断処理の具体的な処理手順がサブルーチンフローチャートに示されており、以下、同図を参照しつつ、その具体的な処理手順について説明する。
まず、この図8に示された一連の処理は、燃料噴射弁2−1〜2−nの1つ1つに対して、それぞれ実行されるものとなっている。すなわち、図8に示された一連の処理は、予め定めた順番に沿って燃料噴射弁2−1〜2−n毎に実行されるものとなっている。これは、本発明の実施の形態における圧力センサ診断では、詳細は後述するように、それぞれの燃料噴射弁2−1〜2−nにおける診断処理の結果を総合的に判断して、最終的に、圧力センサ11の異常か否かを判定するようにしているためである。
しかして、電子制御ユニット4により、診断処理が開始されると、ピエゾインジェクタの通電駆動開始後に生ずる最初のピーク値V1(第1実測電圧)の値が電子制御ユニット4によって読み込まれる(図8のステップS602参照)。
ここで、図11を参照しつつ、本発明の実施の形態における診断処理の基本原理について説明することとする。
はじめに、本願発明者は、ピエゾインジェクタの動作とレール圧との関連性について鋭意研究を行った結果、圧力センサ11の故障等により出力信号に異常を生じ、電子制御ユニット4において実際のレール圧とは異なる誤ったレール圧が認識されて、ピエゾインジェクタの駆動がなされた場合、ピエゾインジェクタの端子電圧の変化に一定の規則性があり、それを利用することによって圧力センサ11の故障、異常を診断することができるという結論を得るに至った。
図11は、ピエゾインジェクタを通電駆動した際の端子電圧の時間変化の一例を示したもので、横軸は通電開始からの経過時間を、縦軸はピエゾインジェクタの端子電圧を、それぞれ表している。
同図において実線で表された特性線は、圧力センサ11が正常であり、車両動作全体も正常である場合において、あるレール圧におけるピエゾインジェクタの通電駆動時の端子電圧の時間変化例を示したものである。
すなわち、ピエゾインジェクタの端子電圧は、通電開始後、上下に変化するいわゆる脈動状態を示すのが一般的であり、通電開始直後、比較的早い変化速度で上昇し、ある電圧で最初のピーク(図11において時刻t1の箇所の電圧値)に達し、その直後下降に転じ、立ち上がりとほぼ同様の時間変化で低下してゆく。
なお、この通電開始直後における最初のピーク電圧を、便宜的に「充電開始ピーク電圧」と称することとする。
そして、ある電圧まで下がると、再び上昇に転じ、上述の最初のピーク電圧よりも低いある電圧で2回目のピークとなる。以後、同様に電圧の上下動を繰り返し、時刻t2において通電が終了され、ピエゾインジェクタの放電状態となるため、端子電圧は急速に低下してゆくものとなっている(図11参照)。なお、時刻t2におけるピエゾインジェクタの端子電圧を、便宜的に「放電開始電圧」と称することとする。
実際には、ピエゾインジェクタの駆動制御は、上述の時刻t1において予め設定した電圧でピークとなるように、また、通電終了時となる時刻t2における電圧が目標として予め定められた電圧となるように、ピエゾインジェクタの通電電流の大きさや、通電時間等が設定されて、駆動されるものとなっている。
したがって、車両装置全体が正常動作状態にある場合、上述の時刻t1における電圧V1、時刻t2における電圧V2は、予め設定された電圧、又は、所定のずれの範囲内の電圧となる。
これに対して、圧力センサ11により検出されたレール圧が、何らかの原因により実際のレール圧と異なる場合、ピエゾインジェクタの端子電圧の変化は、実際のレール圧と圧力センサ11による検出レール圧との大小関係によって次述するように変化する。
すなわち、まず、実際のレール圧に対して、圧力センサ11により検出されたレール圧が低い場合、ピエゾインジェクタの端子電圧の変化は、例えば、図11において一点鎖線で表された特性線のように、時刻t1における電圧V1は正常時よりも高い電圧にシフトし、そのシフト量は、本来のレール圧との差に応じたものとなる一方、時刻t2における電圧V2は、正常時(図11において実線の特性線参照)とほぼ同程度となる。
また、実際のレール圧に対して、圧力センサ11により検出されたレール圧が高い場合、ピエゾインジェクタの端子電圧の変化は、例えば、図11において二点鎖線で表された特性線のように、時刻t1における電圧V1は、正常時とほぼ同一の値となる一方、時刻t2における電圧V2は、正常時(図11において実線の特性線参照)よりも高い電圧にシフトしたものとなり、そのシフト量は、本来のレール圧との差に応じたものとなる。
これらのことから、時刻t2における実際の電圧V2と、予め設定された目標電V2Tとの差が所定閾値αより大きい場合には、圧力センサ11により検出されたレール圧が、実際のレール圧より高くなる異常な状態にあると判断できる。
また、時刻t1における実際の電圧V1と時刻t2における実際の電圧V2との差が所定閾値βより大きい場合には、圧力センサ11により検出されたレール圧が、実際のレール圧より低くなる異常な状態にあると判断できる。
ここで、再び、図8の説明に戻れば、ステップS602において読み込まれる第1実測電圧V1は、図11で説明した時刻t1における電圧である。
次いで、先の図11で説明した時刻t2、すなわち、換言すれば、ピエゾインジェクタへの通電終了時における電圧(第2実測電圧)V2が電子制御ユニット4により読み込まれて、電子制御ユニット4内の所定の記憶領域(図示せず)に一時的に記憶されることとなる(図8のステップS604参照)。
次いで、電子制御ユニット4内の所定の記憶領域(図示せず)に予め記憶されている時刻t2(図11参照)における目標第2電圧V2Tが読み出される(図8のステップS606参照)。
目標第2電圧V2Tは、先に図11を参照しつつ説明したように、予め定められており、電子制御ユニット4の所定の記憶領域(図示せず)に記憶されているものである。
次いで、電子制御ユニット4により第2実測電圧と目標第2電圧との差、V2−V2Tが所定閾値αを超えているか否かが判定されることとなる(図8のステップS608参照)。
そして、電子制御ユニット4により、V2−V2T>αであると判定された場合(YESの場合)には、圧力センサ11が異常であるとされ(図8のステップS612参照)、図示されないメインルーチンへ一旦戻ることとなる。
一方、ステップS608において、V2−V2T>αではないと判定された場合(NOの場合)には、先に取得された第1実測電圧V1、第2実測電圧V2について、その差が所定閾値βを超えているか否かが電子制御ユニット4により判定されることとなる(図8のステップS610参照)。
そして、V1−V2>βであると判定された場合(YESの場合)には、圧力センサ11が異常であるとされ(図8のステップS612参照)、図示されないメインルーチンへ一旦戻ることとなる。
ここで、ステップS612におけるセンサ異常との判定は、燃料噴射弁2−1〜2−nの内の1つに対して、上述した一連の診断処理を実行した結果であるので、この1つのセンサ異常との判定のみで、即座に異常報知などの対応処理を行うよりは、診断の慎重を記する観点から、後述するように、複数の燃料噴射弁における診断処理においてセンサ異常と判定された場合に、異常報知などの処理を行うようにすると好適である。
次に、最終診断処理について、図9に示されたサブルーチンフローチャートを参照しつつ説明する。
本発明の実施の形態においては、先に説明したように、図8に示された一連の処理は、燃料噴射弁2−1〜2−nの各々、換言すれば、エンジン3の気筒の各々に対して順に実行されるものとなっており、その1つの燃料噴射弁における診断処理によってセンサ異常と判定されても、直ちに、異常報知などの対応処理を行うのではなく、次述するように、最終診断処理によって、異常報知の要否を選択するようにしている。
以下、具体的に、最終診断処理について説明する。
電子制御ユニット4により、処理が開始されると、最初に、電子制御ユニット4の所定の記憶領域(図示せず)に記憶されている、各燃料噴射弁2−1〜2−nにおける先の図8に示された診断処理の結果J1〜Jnが読み出されることとなる(図8のステップS612及び図9のステップS802参照)。
次いで、上述のようにして読み出された診断結果の中で、診断結果がセンサ異常(図8のステップS612参照)とされている数が電子制御ユニット4により計数され、異常診断数の計数値Nが確定される(図9のステップS804参照)。
そして、計数値Nが所定の基準計数値Nsより大であるか否かが電子制御ユニット4により判定され(図9のステップS806参照)、計数値Nが所定の基準計数値Nsより大ではないと判定された場合(NOの場合)には、圧力センサ11は、異常ではないとして一連の処理が終了され、図示されないメインルーチンへ戻ることとなる。
一方、ステップS806において、計数値Nが所定の基準計数値Nsより大であると電子制御ユニット4により判定された場合(YESの場合)には、圧力センサ11が異常であるとして、電子制御ユニット4により異常報知が行われることとなる(図9のステップS808参照)。
なお、異常報知は、警報の発生や異常表示等を適宜行うようにすると好適であるが、勿論、これらに限定される必要はなく、適宜任意に選定されるべきものである。
次に、本発明の第7及び第9の形態について、図10及び図12を参照しつつ説明する。
最初に、図12を参照しつつ本発明の第7及び第9の形態における圧力センサ診断処理の基本的な概念について説明する。
図12は、先の図11と同様にピエゾインジェクタの通電の際の端子電圧の変化例を示すもので、横軸は通電開始からの経過時間を、縦軸はピエゾインジェクタ電圧を、それぞれ示している。
同図において、実線の特性線は、圧力センサ11が正常であると共に、車両装置全体が正常な動作状態である場合にあって、あるレール圧におけるピエゾインジェクタの端子電圧の変化例である。
これに対して、二点鎖線で示された特性線は、圧力センサ11の出力の異常等により、本来のレール圧よりも高いレール圧が圧力センサ11により出力されることにより、ピエゾインジェクタの端子電圧変化が、本来の変化、すなわち、実線の特性線に対して、電圧が上昇する方向に変位した場合の一例を示すものである。
なお、図12における時刻t1,t2は、いずれも先に図11で説明した時刻t1,t2と同一である。
ところで、一般的には、図12において二点鎖線の特性線で示されたように、ピエゾインジェクタの端子電圧の変化が、本来の変化を示す実線の特性線に対して偏移することは、例えば、圧力センサ11の異常、故障のみならず、特性のばらつきによっても十分生じ得ることである。
すなわち、圧力センサ11の特性のばらつきによって、検出レール圧が本来のレール圧と異なることによって、電子制御ユニット4によって指示されるピエゾインジェクタへの駆動電圧が本来の値からずれる結果、図12において二点鎖線の特性線のようになることがある。なお、この図12の二点鎖線の特性線は、圧力センサ11により検出されたレール圧が、本来の正しいレール圧よりも高い場合のピエゾインジェクタの端子電圧の変化例である。
このような圧力センサ11の特性ばらつきによるピエゾインジェクタの駆動電圧の変化を補正する観点から、通電終了時の時刻t2におけるピエゾインジェクタの印加電圧を補正してピエゾインジェクタの駆動制御を行うことが従来から行われている。
すなわち、まず、ピエゾインジェクタの駆動制御においては、先に図11を参照しつつ述べたように時刻t2(図11参照)における目標とする電圧である目標第2電圧V2Tがレール圧に応じて定められている。そして、電子制御ユニット4により、ある噴射タイミングにおける時刻t2において検出されたピエゾインジェクタの実際の端子電圧と、その目標第2電圧VTとの差が補正量U2として算出されると、次回の噴射タイミングにおいては、この補正量U2を加味した電圧印加(電圧補正)がピエゾインジェクタに対して行われるようになっている。
すなわち、時刻t2におけるピエゾインジェクタの端子電圧が目標第2電圧VTより高い場合には、次回のピエゾインジェクタの駆動の際には、前回の印加電圧より補正量U2だけ低い印加電圧がピエゾインジェクタへ印加されることとなる(図12参照)。
圧力センサ11の出力特性のばらつきや、ピエゾインジェクタの特性のばらつき等を考慮すれば、ピエゾインジェクタの端子電圧の目標第2電圧VTからのずれは、ある程度生じ得るものであるが、補正量U2の大きさが、圧力センサ11やピエゾインジェクタの特性のばらつき等の影響によるものと考えられる範囲を大きく逸脱するような場合には、圧力センサ11の異常、故障であると考えることが可能である。
この第7の形態は、かかる点に着目し、補正量U2の大きさによって圧力センサ11の診断を行うようにしたものである。
次に、図10を参照しつつ、第7及び第9の形態における圧力センサ診断処理の具体的内容について説明する。
まず、上述したように電子制御ユニット4によるピエゾインジェクタの通電制御において、電圧補正が行われていることが前提である。
しかして、電子制御ユニット4により処理が開始されると、最初に、所定回数の補正量U2の記憶が行われる(図10のステップS702参照)。
ここで、補正量U2は、先に図12を参照しつつ説明した通りのものである。
そして、補正量U2が所定回数記憶されると、その平均値(以下「平均補正量U2av」と称する)が電子制御ユニット4により算出される(図10のステップS704参照)。
そして、上述のようにして得られた平均補正量U2avと、この時点における最新の補正量U2との差の絶対値Kが電子制御ユニット4により算出される(図8のステップS706参照)。
次いで、絶対値Kが所定閾値Ksを超えているか否かが電子制御ユニット4により判定され(図10のステップS708参照)、所定閾値Ksを超えていないと判定された場合(NOの場合)には、圧力センサ11の異常では無いとして、図示されないメインルーチンへ一旦戻ることとなる。
一方、ステップS708において、絶対値Kが所定閾値Ksを超えていると判定された場合(YESの場合)には、圧力センサ11が異常(センサ異常)であるとされ(図10のステップS710参照)、一連の処理が終了され、電子制御ユニット4における処理は、一旦、図示されないメインルーチンへ戻ることとなる。
ここで、ステップS710におけるセンサ異常との判定は、燃料噴射弁2−1〜2−nの内の1つに対して、上述した一連の診断処理を実行した結果であるので、この1つのセンサ異常との判定のみで、即座に異常報知などの対応処理を行うよりは、診断の慎重を期す観点から、先に図9を参照しつつ説明したように、複数の燃料噴射弁における診断処理においてセンサ異常と判定された場合に、異常報知などの処理を行うようにすると好適である。なお、図9に示された最終診断処理についてのここでの再度の詳細な説明は、省略することとする。
ピエゾインジェクタの端子電圧の変化を、圧力センサの故障診断に用いるようにしたので、、ピエゾインジェクタを用いたコモンレール式燃料噴射装置における圧力センサの診断に適用できる。

Claims (25)

  1. 燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続されたピエゾインジェクタを用いてなる燃料噴射弁を介して内燃機関へ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、前記コモンレールの圧力が、前記コモンレールの圧力を検出する圧力センサの検出信号に基づいて制御可能に構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置における圧力センサ診断方法であって、
    前記ピエゾインジェクタへ所定の駆動電流を所定駆動時間の間通電し、当該通電期間中において生ずる前記ピエゾインジェクタの端子電圧の所定区間における変化を取得し、当該取得された前記ピエゾインジェクタの端子電圧の所定区間における変化に対して生ずべき標準レール圧を、予め定められた前記端子電圧の変化と標準レール圧との所定の相関関係に基づいて求め、
    前記圧力センサにより得られた検出レール圧と、前記所定の相関関係に基づいて得られた標準レール圧との差が所定閾値より大である場合に、前記圧力センサの異常と判定することを特徴とする圧力センサ診断方法。
  2. ピエゾインジェクタの端子電圧の所定区間における変化は、前記ピエゾインジェクタへの所定駆動時間の通電期間中において生ずる前記ピエゾインジェクタの端子電圧の脈動における前記所定の駆動電流の通電開始後に現れる第1のピーク電圧と第2のピーク電圧の電位差であることを特徴とする請求項1記載の圧力センサ診断方法。
  3. ピエゾインジェクタの端子電圧の所定区間における変化は、前記ピエゾインジェクタへの所定駆動時間の通電期間中において生ずる前記ピエゾインジェクタの端子電圧の脈動における前記所定の駆動電流の通電開始後に現れる第1のピーク電圧と第2のピーク電圧の電位差の前記第1のピーク電圧に対する比であることを特徴とする請求項1記載の圧力センサ診断方法。
  4. エンジンの気筒に対応して設けられたピエゾインジェクタ毎に順に、圧力センサにより得られた検出レール圧と、所定の相関関係に基づいて得られた標準レール圧との差が所定閾値より大であるか否かを判定し、所定数を超えるピエゾインジェクタにおいて、圧力センサにより得られた検出レール圧と、所定の相関関係に基づいて得られた標準レール圧との差が所定閾値より大であると判定された場合に、圧力センサが異常であるとすることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか記載の圧力センサ診断方法。
  5. エンジンの運転状態が安定している場合に、ピエゾインジェクタへの所定の駆動電流による通電を開始することを特徴とする請求項1乃至請求項4いずれか記載の圧力センサ診断方法。
  6. エンジン冷却水の水温変化量、燃料温度の温度変化量及びアクセル開度の少なくともいずれか1つに基づいてエンジンの運転状態が安定しているか否かを判定することを特徴とする請求項5記載の圧力センサ診断方法。
  7. 燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続されたピエゾインジェクタを用いてなる燃料噴射弁を介して内燃機関へ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、電子制御ユニットにより前記コモンレールの圧力が、前記コモンレールの圧力を検出する圧力センサの検出信号に基づいて制御可能に構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置であって、
    前記電子制御ユニットは、
    前記ピエゾインジェクタへ所定の駆動電流を所定駆動時間の間通電し、当該通電期間中において生ずる前記ピエゾインジェクタの端子電圧の所定区間における変化を取得し、当該取得された前記ピエゾインジェクタの端子電圧の所定区間における変化に対して生ずべき標準レール圧を、予め定められた前記端子電圧の変化と標準レール圧との所定の相関関係に基づいて算出し、
    前記圧力センサにより得られた検出レール圧と、所定の相関関係に基づいて得られた標準レール圧との差が所定閾値より大であるか否かを判定し、前記圧力センサにより得られた検出レール圧と、所定の相関関係に基づいて得られた標準レール圧との差が所定閾値より大であると判定された場合に、前記圧力センサの異常と判定することを特徴とするコモンレール式燃料噴射制御装置。
  8. ピエゾインジェクタの端子電圧の所定区間における変化は、前記ピエゾインジェクタへの所定駆動時間の通電期間中において生ずる前記ピエゾインジェクタの端子電圧の脈動における前記所定の駆動電流の通電開始後に現れる第1のピーク電圧と第2のピーク電圧の電位差であることを特徴とする請求項7記載のコモンレール式燃料噴射制御装置。
  9. ピエゾインジェクタの端子電圧の所定区間における変化は、前記ピエゾインジェクタへの所定駆動時間の通電期間中において生ずる前記ピエゾインジェクタの端子電圧の脈動における前記所定の駆動電流の通電開始後に現れる第1のピーク電圧と第2のピーク電圧の電位差の前記第1のピーク電圧に対する比であることを特徴とする請求項7記載のコモンレール式燃料噴射制御装置。
  10. 電子制御ユニットは、
    エンジンの気筒に対応して設けられたピエゾインジェクタ毎に順に、圧力センサにより得られた検出レール圧と、所定の相関関係に基づいて得られた標準レール圧との差が所定閾値より大であるか否かを判定し、所定数を超えるピエゾインジェクタにおいて、圧力センサにより得られた検出レール圧と、所定の相関関係に基づいて得られた標準レール圧との差が所定閾値より大であると判定された場合に、圧力センサが異常であると判定するよう構成されてなることを特徴とする請求項7乃至請求項9いずれか記載のコモンレール式燃料噴射制御装置。
  11. 電子制御ユニットは、エンジンの運転状態が安定しているか否かを判定し、
    エンジンの運転状態が安定していると判定された場合に、ピエゾインジェクタへの所定の駆動電流による通電を開始するよう構成されてなることを特徴とする請求項7乃至請求項10いずれか記載のコモンレール式燃料噴射制御装置。
  12. 電子制御ユニットは、
    エンジン冷却水の水温変化量、燃料温度の温度変化量及びアクセル開度の少なくともいずれか1つに基づいてエンジンの運転状態が安定しているか否かを判定するよう構成されてなることを特徴とする請求項11記載のコモンレール式燃料噴射制御装置。
  13. 燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続されたピエゾインジェクタを用いてなる燃料噴射弁を介して内燃機関へ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、前記コモンレールの圧力が、前記コモンレールの圧力を検出する圧力センサの検出信号に基づいて制御可能に構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置における圧力センサ診断方法であって、
    前記ピエゾインジェクタへの通電開始後に生ずる端子電圧の脈動における最初のピーク電圧と前記ピエゾインジェクタの通電終了時における端子電圧に基づいて前記圧力センサの異常の有無を判定することを特徴とする圧力センサ診断方法。
  14. ピエゾインジェクタへの通電開始後に生ずる端子電圧の脈動における最初のピーク電圧と前記ピエゾインジェクタの通電終了時における端子電圧との差が所定の閾値を超える場合に圧力センサの異常と判定することを特徴とする請求項13記載の圧力センサ診断方法。
  15. 燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続されたピエゾインジェクタを用いてなる燃料噴射弁を介して内燃機関へ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、前記コモンレールの圧力が、前記コモンレールの圧力を検出する圧力センサの検出信号に基づいて制御可能に構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置における圧力センサ診断方法であって、
    前記ピエゾインジェクタへの通電終了時における前記ピエゾインジェクタの端子電圧と、前記通電終了時における前記ピエゾインジェクタの端子電圧の目標電圧とに基づいて前記圧力センサの異常の有無を判定することを特徴とする圧力センサ診断方法。
  16. ピエゾインジェクタへの通電終了時における前記ピエゾインジェクタの端子電圧と、前記通電終了時における前記ピエゾインジェクタの端子電圧の目標電圧との差が所定の閾値を超える場合に圧力センサの異常と判定することを特徴とする請求項15記載の圧力センサ診断方法。
  17. 燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続されたピエゾインジェクタを用いてなる燃料噴射弁を介して内燃機関へ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、前記コモンレールの圧力が、前記コモンレールの圧力を検出する圧力センサの検出信号に基づいて制御可能に構成されてなると共に、前記ピエゾインジェクタは、その通電終了時における端子電圧が予め定められた目標電圧となるよう前記ピエゾインジェクタの印加電圧が補正されて駆動制御されるよう構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置における圧力センサ診断方法であって、
    前記ピエゾインジェクタの通電終了時の印加電圧の補正量が所定量を超える場合に前記圧力センサの異常の有無を判定することを特徴とする圧力センサ診断方法。
  18. 所定の補正回数分の補正量の平均値と、最新の補正量の差の絶対値が所定の所定量を超える場合に圧力センサの異常の有無を判定することを特徴とする請求項17記載の圧力センサ診断方法。
  19. 燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続されたピエゾインジェクタを用いてなる燃料噴射弁を介して内燃機関へ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、電子制御ユニットにより前記コモンレールの圧力が、前記コモンレールの圧力を検出する圧力センサの検出信号に基づいて制御可能に構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置であって、
    前記電子制御ユニットは、
    前記ピエゾインジェクタへの通電開始後に生ずる端子電圧の脈動における最初のピーク電圧と前記ピエゾインジェクタの通電終了時における端子電圧とに基づいて前記圧力センサの異常の有無を判定するよう構成されてなることを特徴とするコモンレール式燃料噴射制御装置。
  20. 電子制御ユニットは、前記ピエゾインジェクタへの通電開始後に生ずる端子電圧の脈動における最初のピーク電圧と前記ピエゾインジェクタの通電終了時における端子電圧との差が所定の閾値を超える場合に圧力センサの異常と判定するよう構成されてなることを特徴とする請求項19記載のコモンレール式燃料噴射制御装置。
  21. 燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続されたピエゾインジェクタを用いてなる燃料噴射弁を介して内燃機関へ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、電子制御ユニットにより前記コモンレールの圧力が、前記コモンレールの圧力を検出する圧力センサの検出信号に基づいて制御可能に構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置であって、
    前記電子制御ユニットは、
    前記ピエゾインジェクタへの通電終了時における前記ピエゾインジェクタの端子電圧を取得し、当該取得されたピエゾインジェクタの端子電圧と、前記ピエゾインジェクタの通電終了時における前記ピエゾインジェクタの端子電圧の目標電圧とに基づいて前記圧力センサの異常の有無を判定するよう構成されてなることを特徴とするコモンレール式燃料噴射制御装置。
  22. 電子制御ユニットは、ピエゾインジェクタへの通電終了時における前記ピエゾインジェクタの端子電圧を取と、前記ピエゾインジェクタの通電終了時における前記ピエゾインジェクタの端子電圧の目標電圧との差が所定の閾値を超える場合に圧力センサの異常と判定するよう構成されてなることを特徴とする請求項21記載のコモンレール式燃料噴射制御装置。
  23. 燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続されたピエゾインジェクタを用いてなる燃料噴射弁を介して内燃機関へ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、電子制御ユニットにより、前記コモンレールの圧力が、前記コモンレールの圧力を検出する圧力センサの検出信号に基づいて制御可能に構成されてなると共に、前記ピエゾインジェクタの通電終了時における端子電圧が予め定められた目標電圧となるよう前記ピエゾインジェクタの印加電圧が補正されて前記ピエゾインジェクタの駆動が制御されるよう構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置であって、
    前記電子制御ユニットは、
    前記ピエゾインジェクタの通電終了時の印加電圧の補正量が所定量を超えるか否かを判定し、前記ピエゾインジェクタの通電終了時の印加電圧の補正量が所定量を超えると判定される場合に前記圧力センサの異常と判定するよう構成されてなることを特徴とするコモンレール式燃料噴射制御装置。
  24. 電子制御ユニットは、所定の補正回数分の補正量の平均値を算出し、当該平均値と最新の補正量との差の絶対値が所定量を超えるか否かを判定し、前記絶対値が所定量を超えると判定された場合に圧力センサの異常と判定するよう構成されてなることを特徴とする請求項23記載のコモンレール式燃料噴射制御装置。
  25. 燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続されたピエゾインジェクタを用いてなる燃料噴射弁を介して内燃機関へ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、前記コモンレールの圧力が、前記コモンレールの圧力を検出する圧力センサの検出信号に基づいて制御可能に構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置における圧力センサ診断方法であって、
    前記ピエゾインジェクタへの通電開始後に生ずる端子電圧の脈動における所定区間内の前記端子電圧の変化に基づいて前記圧力センサの異常の有無を判定することを特徴とする圧力センサ診断方法。
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