JPWO2010049990A1 - スピーカ装置用磁気回路及びスピーカ装置 - Google Patents

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Abstract

振動板(2)と、振動板(2)を振動方向に沿って振動自在に支持するフレーム(3)と、フレーム(3)に設けられ、音声信号によって振動板(2)に振動を与える駆動部(4)とを備え、駆動部(4)は、振動板(2)の振動方向とは異なる方向に沿って磁気ギャップ(40G)を形成する磁気回路(40)と、ボイスコイル(60)を有し磁気ギャップ(40G)に沿って振動するボイスコイル支持部(6)と、ボイスコイル支持部(6)の振動を方向変換して振動板(2)に伝える振動方向変換部(7)とを備え、磁気回路(40)は、磁束方向が異なる一対の磁気ギャップ(40G,40G)がボイスコイル支持部(6)の振動方向に沿って並べて形成され、ボイスコイル支持部(6)に支持されたボイスコイル(60)が一対の磁気ギャップ(40G,40G)を巡回するように平面状に配置されている。

Description

本発明は、スピーカ装置用磁気回路及びスピーカ装置に関するものである。
一般的なスピーカ装置として、ダイナミック型スピーカ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このダイナミック型スピーカ装置は、例えば図1に示すように、フレーム3Jと、コーン形状の振動板21Jと、振動板21Jをフレーム3Jに支持するエッジ4Jと、振動板21Jの内周部に接合されたボイスコイルボビン610Jと、ボイスコイルボビン610Jをフレーム3Jに支持するダンパ7Jと、ボイスコイルボビン610Jに巻き回されたボイスコイル611Jと、ヨーク部51J,磁石52J,プレート53Jを備えると共に、ボイスコイル611Jが配置される磁気ギャップが形成された磁気回路とを有する。このスピーカ装置では、音声信号がボイスコイル611Jに入力されると、磁気ギャップ内のボイスコイル611Jに生じたローレンツ力によりボイスコイルボビン610Jが振動し、その振動によって振動板21Jが駆動される。
特開平8−149596号公報(第1図)
前述した一般的なダイナミック型スピーカ装置は、例えば図1に示すように、振動板21Jの音響放射側に対して反対側にボイスコイル611Jが配設され、ボイスコイル611J及びボイスコイルボビン610Jの振動方向と振動板21Jの振動方向が略同じ方向になるように構成されている。そして、このようなスピーカ装置では、振動板21Jが振動するための領域、ボイスコイルボビン610Jが振動するための領域、磁気回路が配置される領域等が振動板21Jの振動方向(音響放射方向)に沿って形成されることになるので、スピーカ装置の全高が比較的大きく成らざるを得ない構造になっている。
詳細には、図1に示すように、スピーカ装置の振動板21Jの振動方向に沿った大きさは、コーン形状の振動板21Jの振動方向に沿った大きさ及び振動板21Jをフレーム3Jに支持するエッジ4Jの全高(a)、振動板21Jとボイスコイルボビン610Jとの接合部からボイスコイル611Jの上端までのボイスコイルボビン高さ(b)、ボイスコイル高さ(c)、磁気回路の主に磁石高さ(d)、磁気回路の主にヨーク部51Jの厚さ(e)等からなる。このようなスピーカ装置においては、充分な振動板21Jの振動ストロークを確保するためには、前述したa,b,c,dの高さを充分に確保する必要があり、また充分な駆動力を得るためには前述したc,d,eの高さを充分に確保する必要があるので、特に、大音量対応型スピーカ装置では、スピーカ装置の全高が大きく成らざるを得ない。
このように、従来のスピーカ装置では、ボイスコイルボビン610Jの振動方向と振動板21Jの振動方向とが同方向になっているので、振動板21Jの振幅を大きくして大音量を得ようとすると、ボイスコイルボビン610Jの振動ストロークを確保するためにスピーカ装置の全高が大きくなってしまい、装置の薄型化を達成し難い。すなわち、装置の薄型化と大音量化を両立し難い問題がある。
この問題を解決する手立てとして、ボイスコイルの振動方向を振動板の振動方向とは異なる方向にして、ボイスコイルの振動を機械的に方向変換して振動板に伝えることが考えられる。これが実現されれば、ボイスコイルの振動ストロークを大きくしても、これが直接スピーカ装置の厚さに影響せず、薄型のスピーカ装置を実現することができる。これを実現して薄型のスピーカ装置を得るためには、磁気回路を含めた駆動系を如何に平坦状にするかが問題になる。従来技術のような円筒のボイスコイルボビンを振動板の振動方向と異なる方向に倒しただけでは磁気回路の厚さが嵩んで薄型化を実現できない。ボイスコイル自体を平面状にして、そのボイスコイルを平面的に往復振動させ且つそれ自体が薄型化された磁気回路が求められる。
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、比較的簡単な構造で大音量の再生音を放射することができる薄型のスピーカ装置を提供すること、スピーカ装置の薄型化を達成できる平面状のボイスコイルとそのボイスコイルを駆動する薄型化された磁気回路を得ること、等が本発明の目的である。
このような目的を達成するために、本発明によるスピーカ装置は、以下の各独立請求項に係る構成を少なくとも具備するものである。
[請求項1]平面状に巻き回されたボイスコイルを支持するボイスコイル支持部の振動を、剛性の振動方向変換部を介して振動板に伝えるスピーカ装置に用いられ、前記ボイスコイル支持部を平面的に振動させるスピーカ装置用磁気回路であって、磁束方向が異なる一対の磁気ギャップが前記ボイスコイル支持部の振動方向に沿って並べて配置されていることを特徴とするスピーカ装置用磁気回路。
[請求項12]平面状に巻き回されたボイスコイルと、該ボイスコイルを支持するボイスコイル支持部と、該ボイスコイル支持部を平面的に振動させる磁気回路とを備える駆動部と、音声信号によって前記駆動部からの振動が伝えられる振動板と、前記駆動部と前記振動板を支持するフレームと、前記ボイスコイル支持部と前記振動板との間に設けられ、前記ボイスコイル支持部の振動を方向変換して前記振動板に伝える剛性の振動方向変換部とを備え、前記磁気回路は、前記ボイスコイル支持部の振動方向に沿って並べて配置され、磁束方向が異なる一対の磁気ギャップを備え、前記ボイスコイルが前記一対の磁気ギャップを巡回するように配置されていることを特徴とするスピーカ装置。
従来技術の説明図である。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置の基本構成を示した説明図である。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置の基本構成(駆動部)を示した説明図である。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置の基本構成(駆動部)を示した説明図である。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置の基本構成(駆動部)を示した説明図である。 本発明の他の実施形態に係るスピーカ装置の基本構成を示した説明図である。 本発明の他の実施形態に係るスピーカ装置の基本構成(駆動部)を示した説明図である。 本発明の他の実施形態に係るスピーカ装置の基本構成(駆動部)を示した説明図である。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置の基本構成(振動方向変換部の動作)を示した説明図である。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置用磁気回路の構成例を示した説明図である(同図(a)が平面図、同図(b)がX1−X1断面図、同図(c)が背面図、同図(d)が正面図である)。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置用磁気回路の構成例を示した説明図である(同図(a)が平面図、同図(b)がX1−X1断面図、同図(c)が背面図、同図(d)が正面図である)。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置用磁気回路の構成例を示した説明図である(同図(a)が平面図、同図(b)がX1−X1断面図、同図(c)が背面図、同図(d)が正面図である)。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置用磁気回路の構成例を示した説明図である(同図(a)が平面図、同図(b)がX1−X1断面図、同図(c)が背面図、同図(d)が正面図である)。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置用磁気回路の構成例を示した説明図である(同図(a)が平面図、同図(b)がX1−X1断面図、同図(c)が背面図、同図(d)が正面図である)。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置用磁気回路の構成例を示した説明図である(同図(a)が平面図、同図(b)がX1−X1断面図、同図(c)が背面図、同図(d)が正面図である)。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置用磁気回路の構成例を示した説明図である(同図(a)が平面図、同図(b)がX1−X1断面図、同図(c)が背面図、同図(d)が正面図、同図(e)が変形図である)。 本発明の他に実施形態に係るスピーカ装置の説明図である。 本発明の他に実施形態に係るスピーカ装置の説明図である。 本発明の他の実施形態に係るスピーカ装置を示した説明図(図17に示した実施形態の斜視図)である。 本発明の実施例に係るスピーカ装置用磁気回路の磁束密度分布を示した説明図(グラフ)である。 本発明の実施例に係るスピーカ装置用磁気回路の磁束密度分布を示した説明図(同図(a)が各部の寸法、同図(b)が磁束密度のグラフ)である。 本発明の実施例に係るスピーカ装置用磁気回路の磁束密度分布を示した説明図(同図(a)が各部の寸法、同図(b)が磁束密度のグラフ)である。 本発明の実施例に係るスピーカ装置用磁気回路の磁束密度分布を示した説明図(同図(a)が各部の寸法、同図(b)が磁束密度のグラフ)である。 本発明の実施例に係るスピーカ装置用磁気回路の磁束密度分布を示した説明図(同図(a)が各部の寸法、同図(b)が磁束密度のグラフ)である。 本発明の実施例に係るスピーカ装置用磁気回路の磁束密度分布を示した説明図(同図(a)が各部の寸法、同図(b)が磁束密度のグラフ)である。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置を備えた電子機器を示した説明図である。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置を備えた自動車を示した説明図である。
本発明の実施形態に係るスピーカ用磁気回路は、平面状に巻き回されたボイスコイルを支持するボイスコイル支持部の振動を、剛性の振動方向変換部を介して振動板に伝えるスピーカ装置に用いられ、前記ボイスコイル支持部を平面的に振動させるスピーカ装置用磁気回路であって、磁束方向が異なる一対の磁気ギャップが前記ボイスコイル支持部の振動方向に沿って並べて配置されていることを特徴とする。
これによると、磁束方向が異なる一対の磁気ギャップがボイスコイル支持部の振動方向に沿って並べて配置されているので、平面状に巻き回されたボイスコイルに音声電流を流すと、このボイスコイルが一対の磁気ギャップを巡回するように配置されたところで、ボイスコイルに振動方向に沿ったローレンツ力が作用する。これによってボイスコイル支持部が平面的に振動し、その振動が振動方向変換部を介して振動板に伝えられることになり、ボイスコイル支持部の振動方向とは異なる方向に振動板を振動させることができる。
このスピーカ装置用磁気回路は、振動板の振動方向とは異なる方向にボイスコイル支持部を平面的に振動させることができるので、ボイスコイル支持部の振動がスピーカ装置における音響放射方向の厚さに影響しない構造にすることができ、音響放射方向に薄型のスピーカ装置を実現することができる。また、振動板の振動方向とは異なる方向に一対の磁気ギャップを並べて配置するので、振動板の振動方向に直接影響なく磁気ギャップの大きさを決めることができ、このような磁気ギャップを形成するための磁気回路自体を振動板の振動方向に直接関係なく薄型に形成することができる。
また、このスピーカ装置用磁気回路は、前記ボイスコイル支持部の移動空間の両側に対向配置したヨーク部と、前記一対の磁気ギャップに異なる磁束方向を形成するように配置された磁石を備えており、対向配置したヨーク部に磁石を如何に組み合わせるかによって、一対の磁気回路の磁束分布を適宜設定することができる。ボイスコイル支持部の移動空間の両側に平面的なヨーク部を形成すればボイスコイル支持部の振動方向と交差する方向に磁気回路が嵩張ることが無く、磁気回路自体の薄型化が可能になる。
また、このスピーカ装置用磁気回路では、前記ヨーク部を、前記ボイスコイル支持部の移動空間を囲繞するように端部が結合される形態にすることができる。この場合には、磁気ギャップの周囲がヨーク部で囲われることになるので、ボイスコイル支持部の振動が周辺部材に干渉することがなく、また、ボイスコイル支持部の移動空間を貫通させた開口部を形成しながら磁気ギャップの磁束密度を高くすることが可能になる。
また、このスピーカ装置用磁気回路では、前記ヨーク部を、端部が非磁性体のスペーサで支持されるように形成することができる。この場合には、対向配置するヨーク部分を2部材に分けることができるので、複雑なヨーク部の加工が不要になり、非磁性体のスペーサをスピーカ装置のフレームの一部で構成するなどして、設置スペースに対してボイスコイル支持部の移動空間を広げることができる。また、比較的小さい磁力を有する磁石を用いても、効果的に磁気ギャップ内の磁束密度を高くすることが可能となる。
また、このスピーカ装置用磁気回路は、前記一対の磁気ギャップの少なくとも一方を前記ヨーク部間に形成することもできるし、前記一対の磁気ギャップの少なくとも一方を2つの前記磁石間に形成することもできる。磁気ギャップに対する磁石の配置によって磁気ギャップでの磁束分布を多様に設定することができる。
また、このスピーカ装置用磁気回路は、前記ボイスコイル支持部の移動空間の両側に対向配置したヨーク部と該ヨーク部に接合され前記一対の磁気ギャップのそれぞれに向けて突出配置した磁石を備え、前記磁気ギャップ毎に前記磁石の着磁方向を逆にして形成することができる。この場合は、磁石毎に2回の着磁を行って、それぞれの磁石が逆方向に着磁するように形成する。これによると、一対の磁気ギャップをボイスコイル支持部の振動方向の中心に対して略対称の磁束分布に形成できるので、効率的にボイスコイル支持部に駆動力を付加することができる。
また、このスピーカ装置用磁気回路は、前記磁石と前記ヨーク部又は前記ヨーク部から突出した凸部との間に前記磁気ギャップを形成することができる。磁石とヨーク部との間に磁気ギャップを形成した場合には、ヨーク部を平らにすることでヨーク部側に広がる磁気ギャップを形成でき、磁石とヨーク部から突出した凸部との間に磁気ギャップを形成した場合には、磁石と凸部との間に磁束が集中する磁気ギャップを形成することができる。
また、このスピーカ装置用磁気回路は、前記ボイスコイル支持部の移動空間の両側に対向配置したヨーク部を備え、該ヨーク部に接合され前記一対の磁気ギャップの一方を形成すべく突出配置した磁石を備えると共に、前記一対の磁気ギャップの他方を形成すべく前記ヨーク部を突出させた凸部を有することを特徴とする。これによると、磁気ギャップの両側に磁石を設ける代わりにその片側をヨーク部の凸部にすることができる。
また、一対の磁気ギャップの一方では、一対の前記磁石間に当該磁気ギャップを形成し、前記一対の磁気ギャップの他方では、一対の前記凸部間に当該磁気ギャップを形成するか、或いは、一対の磁気ギャップの一方では、一つの前記磁石と前記ヨーク部との間に当該磁気ギャップを形成し、前記一対の磁気ギャップの他方では、一つの前記凸部と前記ヨーク部との間に当該磁気ギャップを形成することができる。このように磁気回路を形成することで、磁石の配置を磁気ギャップの片側に集中させることができ、着磁回数を1回で済ませることができる。着磁回数を減らすことで、塵等が磁気回路内に入り込むことを抑止することができ、スピーカ装置の信頼性を向上させることができ、また、製造工程を簡略化することができる。
本発明の実施形態に係るスピーカ装置は、平面状に巻き回されたボイスコイルと、該ボイスコイルを支持するボイスコイル支持部と、該ボイスコイル支持部を平面的に振動させる磁気回路とを備えた駆動部と、音声信号によって前記駆動部からの振動が伝えられる振動板と、前記駆動部と前記振動板を支持するフレームと、前記ボイスコイル支持部と前記振動板との間に設けられ、前記ボイスコイル支持部の振動を方向変換して前記振動板に伝える振動方向変換部とを備え、前記磁気回路は磁束方向が異なる一対の磁気ギャップが前記ボイスコイル支持部の振動方向に沿って並べて配置され、前記ボイスコイルが前記一対の磁気ギャップを巡回するように配置されていることを特徴とする。
このようなスピーカ装置によると、音声信号が駆動部のボイスコイルに入力されると、磁気回路の磁気ギャップに配置されたボイスコイルにローレンツ力が生じて、ボイスコイル支持部が、振動板の振動方向に対して異なる方向、好適には振動板の振動方向に対して直交する方向に沿って振動する。これに対して振動方向変換部が機能してボイスコイル支持部の振動を方向変換して振動板に伝える。振動板は、振動方向変換部を介して伝達された駆動力によりボイスコイル支持部とは異なる(例えば、ボイスコイル支持部と直交する)振動方向に沿って振動する。
一般的なスピーカ装置では、例えば振動板の背面側にボイスコイルボビンが配置され、振動板の振動方向とボイスコイルボビンの振動方向とが同方向になるように構成されているために、振動方向に沿って振動板およびボイスコイルボビンが振動するための領域を要するので、スピーカ装置の音響放射方向に沿った幅が比較的大きい。これに対して、本発明の実施形態に係るスピーカ装置では、振動板の振動方向に対して異なる方向、好適には、振動板の振動方向に対して直交する方向に形成された磁気ギャップを有する磁気回路とその磁気回路に沿って振動するボイスコイル支持部、更にはボイスコイル支持部の振動方向を方向変換して振動板に伝える振動方向変換部を有するので、前述した一般的なスピーカ装置と比べて、音響放射方向に沿った幅が比較的小さい。つまり、薄型スピーカ装置を提供することができる。また、ボイスコイル支持部の振動ストロークをスピーカ装置の全高に影響しない方向に設定できるので、ボイスコイル支持部の振動ストロークすなわち振動板の振幅を大きくした場合であってもスピーカ装置の薄型化を達成しやすい。これによって、スピーカ装置の薄型化と大音量化を両立することが可能になる。
更には、本発明の実施形態に係るスピーカ装置では、磁気回路は、磁束方向が異なる一対の磁気ギャップがボイスコイル支持部の振動方向に沿って並べて配置されており、ボイスコイル支持部に支持されたボイスコイルが一対の磁気ギャップを巡回するように平面状に配置されているので、平面状に巻き回したボイスコイルをその平面に沿って振動させる磁気回路を形成することができ、ボイスコイル及び磁気回路自体を薄型化できるとともに、ボイスコイルの振動がスピーカ装置の厚さ方向に影響しない駆動系を実現することができる。
また、本発明の実施形態に係るスピーカ装置によると、前記ボイスコイルは略平行な一対の直線部を有し、該一対の直線部がそれぞれ前記一対の磁気ギャップ内で磁束方向と交差するように配置されていることを特徴とする。これによると、ボイスコイルを流れる音声電流によって略平行な一対の直線部で略同じ方向にローレンツ力が働き、ボイスコイル及びボイスコイル支持部を効果的に平面振動させることができる。
また、本発明の実施形態に係るスピーカ装置によると、前記磁気回路は、前記ボイスコイル支持部の移動空間の両側に対向配置したヨーク部と磁石を備えることを特徴とする。これによると、ボイスコイル支持部の移動空間を跨いで磁気回路を形成できるので、ボイスコイル支持部の振動方向と交差する方向に磁気回路が嵩張ることが無く、スピーカ装置の薄型化が可能になる。
前記ヨーク部は、前記ボイスコイル支持部の振動方向と交差する方向に部分的に張り出した支持部を有し、該支持部が前記フレームに支持されていることを特徴とする。これによると、支持部を利用してヨーク部を所定の間隔を空けてフレームに支持させることができ、ヨーク部をボイスコイル支持部の移動空間両側に2部材で設ける場合に効果的に設置することが可能になる。
また、本発明の実施形態に係るスピーカ装置によると、前記振動方向変換部は、前記ボイスコイル支持部と前記振動板との間に形成されたリンク部分を角度変換させるリンク機構を備え、前記リンク機構は、前記リンク部分が前記振動板側とは逆側に位置する静止部からの反力を受けて角度変換することを特徴とする。これによると、振動方向変換部は、ボイスコイル支持部の振動と静止部から受ける反力によってボイスコイル支持部と振動板との間に形成されたリンク部分を角度変換させるリンク機構を備えるので、ボイスコイル支持部の振動は静止部からの反力を受けながら確実に振動板に伝達されることになり、ボイスコイルの振動方向と振動板の振動方向が異なる場合であっても、良好な振動の伝達効率を得ることができ、スピーカ装置の良好な再生効率を得ることができる。特に、ボイスコイルの振動を確実に振動板に伝えることで高音域の良好な再生特性を得ることが可能になる。ボイスコイル支持部の振動方向をそれと直交する方向に変換して振動板に伝えることでより効果的なスピーカ装置の薄型化が可能になる。
また、本発明の実施形態に係るスピーカ装置によると、前記振動方向変換部は、前記ボイスコイル支持部の振動方向をそれと直交する方向に変換して前記振動板に伝えることを特徴とする。これによると、音響放射方向に直交してボイスコイル支持部を振動させるので、スピーカ装置における音響放射方向の厚さとは無関係にボイスコイル支持部の振幅を得ることができ、薄型化と大音量化を両立することが可能になる。
また、本発明の実施形態に係るスピーカ装置によると、前記静止部は前記フレームの一部であって、前記フレームは平面状の底面を有し、前記振動板は前記フレームの底面に沿って平面的に支持され、前記磁気ギャップは前記フレームの底面に沿って形成され、前記振動方向変換部は前記フレームの底面からの反力により当該底面と交差する方向に前記振動板を振動させることを特徴とする。これによると、フレームの底面に沿って磁気ギャップが形成され、この磁気ギャップを形成するために薄型化された磁気回路を形成することができるので、スピーカ装置の薄型化を図ると共に、ボイスコイル支持部の振動を確実に方向変換して振動板に伝えることができる。
また、本発明の実施形態に係るスピーカ装置によると、前記駆動部を一対設け、前記振動方向変換部を互いに略左右対称に対向配置したことを特徴とする。これによると、一対の駆動部の駆動力を合わせて一つの振動板を振動させることができるので、スピーカ装置の薄型化を図ると共に高い駆動力で振動板を振動させることができる。
本発明に係るスピーカ装置は、例えば、携帯電話機、車載用スピーカ、パーソナルコンピュータ用スピーカ、テレビジョン放送受信機用スピーカ、など各種装置に採用することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいてより具体的に説明する。
図2〜図5は、本発明の実施形態に係るスピーカ装置の基本構成を示した説明図である。図2(a)が平面図(振動板は仮想線で示し、振動板を除いた状態を示している)、図2(b)が図2(a)におけるA−A断面図(振動板を含む)、図3〜図5は駆動部を示した説明図(図3が組立斜視図、図4が分解斜視図、図5が断面図)である。以下の説明において、音響放射方向(SD)をZ軸方向と規定し、スピーカ装置の長手方向をそのZ軸方向に直交するX軸方向、Z軸方向とX軸方向に直交する方向をY軸方向と規定している。
本発明の実施形態に係るスピーカ装置1は、振動板2,フレーム3,駆動部4を主要な構成要素としている。振動板2はその外縁がエッジ5を介してフレーム3の外周縁部3Aに支持されている。このエッジ5の機能によって振動板2は基本的にZ軸方向にのみ振動方向が規制されている。音声信号が駆動部4に加えられると駆動部4が駆動し、その駆動によって生じる振動が振動板2に与えられる。
駆動部4は、磁気回路40とボイスコイル支持部6と振動方向変換部7を備えている。磁気回路40は振動板2の振動方向(例えばZ軸方向)とは異なる方向(例えばX軸方向)に沿って磁気ギャップ40Gを形成している。図示の例では、振動板2の振動方向と直交する方向に沿って磁気ギャップ40Gを形成しているが、特にそれに限定されるものではなく、所定の角度をなす方向に沿って磁気ギャップ40Gを形成しても構わない。ボイスコイル支持部6は、ボイスコイル60を有し磁気ギャップ40Gに沿って振動するものである。ボイスコイル支持部6は、ダンパ8によって動きが規制され、磁気ギャップ40Gに沿った方向のみの移動が許容されている。ボイスコイル60に音声信号が入力されると、磁気ギャップ40G内のボイスコイル60にローレンツ力が作用して、ボイスコイル60と一体のボイスコイル支持部6が振動する。
また、振動方向変換部7は、ボイスコイル支持部6の振動を方向変換して振動板2に伝えるものである。この振動方向変換部7は、後述するようなリンク機構を備えており、ボイスコイル支持部6の振動とボイスコイル支持部6の振動に対して静止部となるフレーム3から受ける反力によってボイスコイル支持部6と振動板2との間に形成されたリンク部分(第1のリンク部分)70の角度を変換させる。
このような本発明の実施形態によると、例えば音声信号発生源50から信号線51を介してフレーム3に備えた端子52に音声信号が送られ、更に端子52から信号線53を介してボイスコイル支持部6のボイスコイル60に音声信号が入力されると、振動板2の許容される振動方向とは異なる方向に沿って形成された磁気ギャップ40Gに沿ってボイスコイル支持部6が振動することになり、この振動が振動方向変換部7によって方向変換されて振動板2に伝達されることになって、振動板2を振動させて音響放射方向SDに音声信号に応じた音が放射される。
この際、磁気ギャップ40Gの方向を振動板2の振動方向及びスピーカ装置1の厚さ方向に交差させているので、磁気回路40の駆動力或いはボイスコイル支持部6の振動ストロークを大きくすることが直接的にスピーカ装置1の厚さ方向(Z軸方向)の大きさに影響を与えない。よって、大音量化を図りながらスピーカ装置1の薄型化を実現することが可能になる。また、構造的にはボイスコイル支持部6の振動ストロークよりスピーカ装置1の厚さを薄くすることも可能になり、薄型化が実現しやすい構造になっている。
また、振動方向変換部7は、機械的なリンク機構によってボイスコイル支持部6の振動方向を変換して振動板2に伝えているので、振動の伝達効率が高い。更に、リンク部分70の角度変換が静止部となるフレーム3からの反力を受けて行われるので、より確実にボイスコイル支持部6からの振動を振動板に伝えることができる。これによって、スピーカ装置1の良好な再生効率を得ることができ、特に、ボイスコイル60の振動を確実に振動板に伝えることで高音域の良好な再生特性を得ることが可能になる。
以下、本実施形態に係るスピーカ装置1の各構成要素について詳細に説明する。
[フレーム3]フレーム3は、振動板2を振動方向に沿って振動自在に支持すると共に駆動部4を内部で支持している。また、フレーム3は振動方向変換部7のリンク機構の一部を支持して、リンク機構の動作に対して静止部となるフレーム3からの反力を加える。このようなフレーム3は平面状の底面31Aを有していることが望ましい。
フレーム3は、ボイスコイル支持部6に対し静止している状態にて配置されている静止部でもある。なお、静止部は、完全に静止している状態を意図するわけではなく、例えば、振動板2を支持できる程度に静止していればよく、スピーカ装置1を駆動する際に生じる振動が伝搬し、振動が静止部全体に生じても構わない。また、静止部は後述する磁気回路40と機械的に一体になって配置されていてもよく、フレーム3は磁気回路40に支持されているとも言えるので、磁気回路40の一部自体が静止部にも成りうる。
図2に示したフレーム3は、音響放射方向(SD)から視認すると、平面形状が矩形状に形成されており、断面形状が凹形状に形成されている。図示のように、フレーム3は、詳細には、平面形状が矩形状の底板部31と、底板部31の外周部から音響放射方向(SD)に向かって立設される矩形状の筒状部32とを有し、上部に開口部30が形成されている。また、底板部31上には磁気回路40が配置され、筒状部32の上端部にはエッジ5の外周部が接着剤などにより接合され、開口部30にはエッジ5を介して支持された振動板2が配置されている。図示の例では、筒状部32の上端部には、内側に向かって延在した平坦な外周縁部3Aが形成されており、この外周縁部3Aにエッジ5が接合されている。フレーム3の形成材料としては、例えば樹脂、金属などの公知の材料を採用することができる。
また、図2(b)に示すように、フレーム3は例えば側面部や底面部に孔部33が形成されている。この孔部33は、例えば通気孔として機能する。例えば通気孔を設けない場合、スピーカ駆動時に、振動板2の振動に伴い、振動板2とフレーム3により囲まれた空間の空気がバネ性を帯びて、振動板2の振動が低減する場合がある。これに対して、図示の例では、孔部33が設けられているので、そのような振動板2の振動低減を抑止することができる。また、この孔部33は磁気回路40やボイスコイル60の熱を放熱するように機能する。また、孔部33は、例えばスピーカ装置外部に設けられた、アンプ、イコライザ、チューナ、放送受信機、テレビジョンなどの音声信号発生源50と、ボイスコイル60とを電気的に接続する信号線が通る孔として用いてもよい。
[振動板2]振動板2は、図2(b)に示すように、振動方向(Z軸方向)に沿って振動自在にフレーム3に支持されている。振動板2は、スピーカ駆動時、音響放射方向(SD)に音波を放射する。また、振動板2は、エッジ5を介してフレーム3に支持されており、振動方向以外の方向、詳細にはX軸方向やY軸方向に沿った移動は、エッジ5により規制されている。このエッジ5と振動板2は一体形成されてもよい。
振動板2の形成材料としては、例えば、樹脂系材料、金属系材料、紙系材料、セラミックス系材料、複合材料などを採用することができる。振動板2は、例えば剛性を有することが好ましい。振動板2は、例えば平板形状、ドーム形状、コーン形状などの規定形状に形成することができる。図示の例で振動板2は平板形状に形成されており、また、フレーム3の平面状の底面31Aに沿って支持されている。薄型化の実現を課題とする本発明の実施形態としては、平板形状の振動板2が特に好ましい。また、振動板2は、音響放射方向(SD)から視認した形状(平面形状)が、矩形状、楕円形状、円形状、多角形状など、規定形状に形成することができる。図示の例では、振動板2は平面形状が矩形状に形成されている。
振動板2は、振動自在にフレーム3に支持されており、振動板2の背面側(音響放射方向とは逆側)における振動板2とフレーム3とで囲まれる空間が音響放射方向に対して遮断されているので、振動板2の背面側から発せられる音波が音響放射方向に向けて放射されるのを抑止でき、振動板2の前面側(音響放射側)から発せられる音波と干渉することを抑止することができる。
[エッジ5]エッジ5は、振動板2とフレーム3との間に配置され、内周部が振動板2の外周部を支持するとともに、外周部がフレーム3に接合することにより、振動板2を規定位置に保持する。詳細には、エッジ5は、振動板2を振動方向(Z軸方向)に沿って振動自在に支持するとともに、振動方向に直交する方向には制動する。図示のエッジ5は、音響放射方向から視認した場合、リング形状に形成されている。エッジ5は、図2(b)に示すように、断面形状が規定形状、例えば凸形状、凹形状、波型形状などに形成されている。本実施形態ではエッジ5は、音響方向に凹形状に形成されている。エッジ5は、例えば、皮,布,ゴム,樹脂,それらに目止め加工を施したもの、ゴム,樹脂や発泡樹脂などを規定の形状に成形した部材等を採用することができる。
[磁気回路40]磁気回路40は、フレーム3に内に配置されている。図示の磁気回路40は、図2(b)に示すように、フレーム3に収容されており、フレーム3の平面状の底面31Aに沿って磁気ギャップ40Gが形成されている。磁気回路40としては、例えば、内磁型磁気回路、外磁型磁気回路、等を採用することができる。
磁気回路40としては、図4及び図5に示す例では、ヨーク部41、および磁石42を有する。図示の磁気回路40は、複数の磁石42A〜42Dを有する。この磁気回路40では、磁石42が、磁気ギャップ40Gの磁場の方向に沿った両側に設けられている。例えば磁気ギャップ40Gは、ボイスコイル60がX軸方向に沿って規定範囲内で移動することができるようにX軸方向に沿って形成されている。
ヨーク部41は、ボイスコイル支持部6の移動空間の両側に対向配置されており、下側平坦部41A、上側平坦部41B、および支柱部41Cを有する。下側平坦部41Aと上側平坦部41Bは規定間隔をあけて略平行に配置されており、中央部には、支柱部41Cが下側平坦部41Aおよび上側平坦部41Bに対して略直交する方向へ延在するように形成されている。
下側平坦部41Aが、前述したフレーム3の代わりに、振動板2やエッジ5などを支持する形状に形成しても構わない。具体的には、下側平坦部41Aを、断面形状が凹形状に形成し、平面形状を矩形状の底板部と、底板部の外周部から音響放射方向(SD)に向かって立設される矩形状の筒状部と、上部に形成される開口部とを備える形状にしても構わない。この場合、下側平坦部41Aは、静止部となる。
磁気ギャップ40Gの磁場中のボイスコイル60に音声信号(電流)が流れた場合、フレミング左手の法則により、磁場の方向および電流の方向それぞれに直交する方向に沿ってローレンツ力が生じる。本実施形態に係るスピーカ装置1は、振動板2の振動方向と異なる規定方向、詳細には、振動板2の振動方向(Z軸方向)に対して直交する方向(X軸方向)に沿って、ボイスコイル60にローレンツ力が生じて、ボイスコイル60がX軸方向に沿って振動するように、ボイスコイル60および磁気回路40が構成されている。平坦部41A,41Bには磁石42A〜42Dが配置され、磁石42Aと磁石42Cとで一つの磁気ギャップ40G1が形成され、磁石42Bと磁石42Dとでもう一つの磁気ギャップ40G2が形成されている。この一対の磁気ギャップ40G1と磁気ギャップ40G2は、平面的に並べて形成され、互いに逆方向の磁場が形成されるようになっている。
一方、本実施形態に係るリング状のボイスコイル60は、音響放射方向(SD)から視認した場合、平面形状が略矩形状に形成されており、Y軸方向に沿って形成された略平行な一対の直線部60A,60Cと、X軸方向に沿って形成された直線部60B,60Dにより構成されている。ボイスコイル60の直線部60A,60Cは、磁気回路40の磁気ギャップ40G内に配置され、磁場の方向がZ軸方向に沿うように規定されている。ボイスコイル60の直線部60B,60Dには磁場を印加しないほうが好ましい。また、直線部60B,60Dに磁場が印加されている場合でも、その直線部60B,60Dに生じるローレンツ力が互いに相殺するように構成されている。
また、本実施形態に係るボイスコイル60は、薄型の平板形状に形成されており、巻き数を比較的多くすることで、磁気ギャップ40G中の部分を比較的大きくすることができ、スピーカ駆動時、比較的大きな駆動力を得ることができる。
そして、本実施形態に係る磁気回路40は、図5に示すように、ボイスコイル60の直線部60Aにかかる磁場の向きが、直線部60Cに係る磁場の向きに対して逆向きとなるように、複数の磁石42A〜42Dが着磁されている。また、ボイスコイル60の直線部60A,直線部60Cそれぞれには逆向きに音声信号が流れるように、ボイスコイル60は環状に形成されている。
このようなスピーカ装置1では、ボイスコイル60に音声信号が入力されると、直線部60Aに生じるローレンツ力と、直線部60Cに生じるローレンツ力が同一方向となり、例えば直線部60A,60Cのいずれか一方のみに磁場を印加している構成と比較して、駆動力が2倍となっている。このため、このような構成の磁気回路40とボイスコイル60では、比較的薄型に構成することができ、かつ比較的大きな駆動力を得ることができる。
[ボイスコイル支持部6]ボイスコイル支持部6は、平面状に巻き回されたボイスコイル60を備え、振動板2の振動方向に対して異なる方向に沿って移動自在に形成されている。図示の例では、フレーム3の平面状の底面31Aに沿って形成された磁気ギャップ40Gに沿って振動自在に配置されている。更に詳細には、本実施形態に係るボイスコイル支持部6は、X軸方向に沿ってのみ移動自在に形成されており、それ以外の方向には移動が規制されている。このボイスコイル支持部6の移動範囲の規制は、本実施形態では規制部としてダンパ8を設けたが、この形態に限られるものではない。例えば、レールやガイド部材,溝部等による規制手段を設けることもできる。
また、ボイスコイル支持部6は、磁気回路40の磁気ギャップ40G内にボイスコイル60が配置されるとともに、ボイスコイル60から移動方向に沿って磁気ギャップ40G外まで延出した形状の平面状の絶縁部材61を有する。また、ボイスコイル支持部6は、開口部62が形成されており、その開口部62の外周に沿ってボイスコイル60が備えられている。このような構造のボイスコイル支持部6は、絶縁部材61の内部にボイスコイル60が埋め込まれた構造にすることができるので、これによってボイスコイル60の強度を補強することができ、ボイスコイル60の歪みを低減することができる。
図示の例では開口部62は、磁気回路40の支柱部41Cに遊嵌されており、この状態でボイスコイル支持部6の移動範囲が規制されている。具体的には開口部62は矩形状に形成されており、ボイスコイル支持部6の移動方向に沿った両辺の間隔が、支柱部41Cの幅と略同じ大きさ又は大きく形成されており、移動方向に直交する方向の両辺の間隔は、ボイスコイル支持部6の移動範囲に対応して比較的大きく形成されている。
[振動方向変換部7]振動方向変換部7は、ボイスコイル支持部6の振動と静止部としてのフレーム3から受ける反力によってボイスコイル支持部6と振動板2との間に形成されたリンク部分(第1のリンク部分)70を角度変換させるリンク機構を備える。具体的には、図2及び図3に示した例では、一端をボイスコイル支持部6との関節部70Aとし、他端を振動板2との関節部70Bとする第1のリンク部分70と、一端を第1のリンク部分70の中間部との関節部71Aとし、他端をフレーム3との関節部71Bとする第2のリンク部分71とを有し、第1のリンク部分70と第2のリンク部分71をボイスコイル支持部6の振動方向(例えば、X軸方向)に対して異なる方向に傾斜配置している。
ここでいうリンク部分とは、リンク機構を形成するための一部であって、基本的には変形しない(剛性を有する)部分で、その両端に関節部を有する。この関節部は二つの部材を回転可能に接合することによって形成することもできるし、一つの部材を任意の角度に屈折自在にした屈折箇所として形成することもできる。図2(b)に示した例では、関節部71Bはフレーム3の底面31A上に突出して形成された静止部である支持部34上に形成されている。
図2及び図3に示した例では、第1のリンク部分70,第2のリンク部分71,関節部70A,70B,71A,71Bによってリンク機構が形成されている。この例では第2のリンク部分71とフレーム3との関節部71Bが位置変位しない関節部であって、他の関節部70A,70B,71Aは位置が変位する関節部になっている。これによって、全体のリンク機構は関節部71Bにおいて静止部であるフレーム3からの反力を受ける構造になっている。このリンク機構では、関節部70Aがボイスコイル支持部6の振動によってX軸方向に移動すると、関節部70BはZ軸方向に沿って移動することになり、ボイスコイル支持部6の振動を方向変換して振動板2に伝える。
本発明の実施形態に係る振動方向変換部7は、線状の屈折部を有する板状部材によって形成することができ、この屈折部を前述したリンク機構の関節部にすることができる。すなわち、図示の例では、第1のリンク部分70及び第2のリンク部分71を板状部材によって形成し、リンク機構の関節部70A,70B,71A,71Bを線状の屈折部によって形成することができる。これによると、振動板2との接合部分を線状に接合することができるので、平面状の振動板2に対して幅方向に沿って均一に振動を加えることができ、振動板全体を略同位相で振動させることが可能になる。すなわち、分割振動の発生を抑えて特に高音域側の再生が可能になる。また、各リンク部分は剛性を有するので、固有振動モードでの振動が発生しにくく、リンク部分のたわみ振動等が振動板2の振動へ悪影響を与えるのを抑止し、音響特性が低減することを抑止できる。
本実施形態に係る振動方向変換部7は、図示はしていないが、例えば通気孔を形成しても良い。通気孔は、スピーカ振動時の振動板2とフレーム3で囲まれる空間の空気圧の局所的な変動を低減することができ、空気圧による振動方向変換部7の制動を抑止する。また、通気孔によって例えばリンク部分に中抜きが形成されて、リンク部分を軽量化できるので、これによって高域再生が可能になる。また、振動方向変換部7の軽量化は、特に再生特性の広域化や、所定の音声電流に対する音波の振幅及び音圧レベルを大きくすることに有効である。また、リンク部分に通気孔を形成することで、リンク部分に作用する空気圧(制動力)を比較的小さくすることができる。
また、振動方向変換部7は、屈折部で繋がった一体部品からなるようにしてもよい。この場合は、複雑なリンク機構を形成する振動方向変換部7を即座にボイスコイル支持部6や振動板2に接合することができ、装置の組立性が良好になる。また、振動方向変換部7は例えばボイスコイル支持部6や振動板2と一体に形成することも可能である。
[ダンパ8]ダンパ8は、ボイスコイル支持部6が磁気回路40に接触しないように、ボイスコイル支持部6を磁気ギャップ40G内の規定位置に保持するとともに、ボイスコイル支持部6を振動方向(X軸方向)に沿って移動自在に支持している。このダンパ8は、ボイスコイル支持部6の振動方向と異なる方向、例えばZ軸方向やY軸方向には、ボイスコイル支持部6が移動しないように規制している。
本実施形態に係るダンパ8は、例えば板形状に形成され可撓性を有する。また、ダンパ8は断面形状が、凸形状、凹形状、波型形状など、厚みが均一、不均一など各種形状に形成されていてもよい。ダンパ8は、一端部がボイスコイル支持部6に接合し、他端部がフレーム3に接合している。ダンパ8は、この形態に限られるものではなく、例えば一端部がボイスコイル支持部6に接合し、他端部が磁気回路40に接合した構成となっていてもよい。
また、ボイスコイル支持部6の移動規制又は支持は、前述したダンパ8に換えて、例えばレールや溝部、段部、ガイド部材等をフレーム3に設けてもよい。つまり、スピーカ装置1は、レール、溝部、段部等に、ボイスコイル支持部6の端部が嵌合した状態で、このボイスコイル支持部6が摺動するような構造を有することもできる。
図6〜図8は、本発明の他の実施形態に係るスピーカ装置の基本構成を示した説明図であって、磁気回路40の変形例を示している(図6が組立斜視図、図7が分解斜視図、図8が断面図)。図2〜図5に示した説明と共通する箇所は同一符号を付して重複説明を省略する。
この例では、磁気回路40のヨーク部41は、ボイスコイル支持部6の移動空間の両側に対向配置されている2つのヨーク部41A1,41B1を備えている。そして、ヨーク部41A1,41B1は、ボイスコイル支持部6の振動方向(X軸方向)と交差する方向(例えばY軸方向)に部分的に張り出した支持部41A11,41B11を有している。この支持部41A11,41B11をフレーム3で支持することで、2つのヨーク部41A1,41B1を所定の間隔で離間させて配備している。
また、ヨーク部41A1,41B1には、磁気ギャップ40G側に突出した凸部41A10,41B10が設けられており、この凸部41A10,41B10間に磁気ギャップ40G1が形成され、ヨーク部41A1,41B1にそれぞれ接合される磁石42X,42Y間にもう一方の磁気ギャップ40G2が形成されている。
このような磁気回路40は、未着磁時の磁石42X,42Yをヨーク部41A1,41B1に接合した状態でフレーム3に支持させ、所定の磁気ギャップ40G1,40G2を保持した状態で、磁石42X,42Yを同一の磁束方向に着磁する。これによって、1回の着磁工程で磁束方向が異なる一対の磁気ギャップがボイスコイル支持部6の振動方向に沿って並べて形成される。
図9は、本発明の実施形態に係るスピーカ装置1の動作を説明するための説明図である。詳細には、図9(b)は振動板2が基準位置に位置した状態の振動方向変換部7の状態、図9(a)は振動板2が基準位置に対して音響放射側に変位している状態の振動方向変換部7の状態、図9(c)は振動板2が基準位置に対して音響放射側に対して反対方向に変位している状態の振動方向変換部7の状態を示している。
前述したように、関節部71Bが唯一位置変動しない関節部であり、これが静止部に対して支持され、静止部からの反力をリンク機構に付与している。これによって、ボイスコイル支持部6が基準位置X0からX軸方向にX1だけ移動すると、図9(a)に示すように、異なる方向に傾斜配置している第1のリンク部分70と第2のリンク部分71の角度がほぼ同角度立ち上がることになり、関節部71Bでフレーム3からの反力を受けて関節部70Bは確実に振動板2を基準位置Z0からZ軸方向にZ1だけ押し上げる。また、ボイスコイル支持部6が基準位置X0からX軸と逆方向にX2だけ移動すると、図9(c)に示すように、第1のリンク部分70と第2のリンク部分71の角度がほぼ同角度下がることになり、関節部71Bで静止部からの反力を受けて関節部70Bは確実に振動板2を基準位置Z0からZ軸と逆方向にZ2だけ押し下げる。
ここで、関節部70Aから関節部71Aまでのリンク部分の長さaと関節部71Aから関節部70Bまでのリンク部分の長さbと関節部71Aから関節部71Bまでのリンク部分の長さcをほぼ等しくして、ボイスコイル支持部6の移動方向の直線上に関節部70Aと関節部71Bを配置していることが好ましい。このようなリンク機構はスコットラッセルの機構として知られており、関節部70A,70B,71Bは関節部71Aを中心として直径が第1のリンク部分70の長さ(a+b=2a)の円周上にある。すなわち、関節部70A,71B,70Bのなす角は常に直角になる。これによって、ボイスコイル支持部6をX軸方向に移動させると、第1のリンク部分70と振動板2との関節部70Bは常にX軸と垂直なZ軸に沿って移動することになり、ボイスコイル支持部6の振動方向をそれとは垂直方向に変換して振動板2に伝えることができる。
以上、説明したように、スピーカ装置1は、振動板2の振動方向とは異なる方向に沿って磁気回路40の磁気ギャップ40Gを形成し、振動方向変換部7を介して磁気ギャップ40Gに沿って振動するボイスコイル支持部6の振動を振動板2に伝えている。この際、ボイスコイル支持部6の振動方向と振動板2の振動方向が直交することが好ましい。これによると、スピーカ装置の各部品の幅をスピーカ装置の幅方向(振動板の振動方向)とは異なる方向に重ねることができるので、一般的なスピーカ装置と比べて、音響放射方向に沿ったスピーカ装置の幅(スピーカ装置の全高)を比較的小さくすることができ、スピーカ装置1の薄型化を実現することができる。
また、例えばボイスコイル60から振動板2に駆動力を伝達させる際に、可撓性部材の撓みを利用して駆動力を伝達させる方式のものと比べて、スピーカ装置1は、機械的なリンク機構を介してボイスコイル支持部6から振動板2に駆動力を伝達しているので、例えば可撓性部材の歪みによるレスポンスの低下がなく、比較的高感度に振動板2を振動させることができる。また、共振(特に低周波数にて)が発生し易い可撓性部材が無く、効率的に駆動部4の駆動力を振動板2に伝達することが可能となる。
また、スピーカ装置1は、駆動部4のボイスコイル60に生じる駆動力を、機械的なリンク機構を介して角度変換して振動板2に伝達するので、コンデンサ型スピーカ装置のような大音量出力時の再生音質低下が生じない。よって、コンデンサ型のスピーカ装置と比較して大音量で高音質な再生音を放射することができる。
また、スピーカ装置1では、平面状の底面31Aを有し、振動板2を静止部となるフレーム3の底面31Aに沿って支持し、磁気ギャップ40Gをその底面31Aに沿って形成することができるので、スピーカ装置1全体を平面的且つ薄型に形成することができる。また、振動方向変換部7は静止部であるフレーム3の底面31Aからの反力によりこの底面31Aと交差する(好ましくは直交する)方向に振動板2を振動させるので、磁気ギャップ40Gに沿ったボイスコイル支持部6の振動方向が直接スピーカ装置の厚さ方向に影響しない。これによって、ボイスコイル支持部6の振動を大きくし且つ駆動力を大きくしながらスピーカ装置1の全高を小さくすることが可能になり、出力の大音量化とスピーカ装置の薄型化を両立させることが可能になる。また、ボイスコイル60は、薄型の平板形状に形成されており、巻き数を比較的多くすることで、磁気ギャップ40G中においてボイスコイル60の一部に作用するローレンツ力を大きくすることができるので、これによっても比較的大きな駆動力を得ることができる。
図10〜図16は、本発明の実施形態に係る磁気回路の構成例を示したものである。本発明の実施形態における磁気回路400は、ボイスコイル支持部6に支持されたボイスコイル60が一対の磁気ギャップ400G,400Gを巡回するように平面状に配置されており、磁束方向が異なる一対の磁気ギャップ400G,400Gがボイスコイル支持部6の振動方向に沿って並べて形成されている。また、何れの例も、ボイスコイル支持部6の移動空間400Sの両側に対向配置したヨーク部410A,410Bと一対の磁気ギャップ400G,400Gに異なる磁束方向を形成するように配置される磁石420(420A,420B)を備えている。そして、ボイスコイル支持部6の移動空間400Sが貫通する開口部が形成され、ボイスコイル支持部6はこの開口部から外側まで延在している。
図10と図11(各図の(a)が平面図、(b)がX1−X1断面図、(c)が背面図、(d)が正面図を示している)に示した例では、磁気回路400は、ボイスコイル支持部6の移動空間400Sの両側に対向配置したヨーク部410A,410Bとヨーク部410A,410Bに接合され一対の磁気ギャップ400G,400Gのそれぞれに向けて突出配置した磁石420A,420Bを備え、磁気ギャップ400G,400G毎に磁石420A,420Bの着磁方向を逆にしている。磁石420A,420Bは、2つの磁性体部品410,410を組み付ける前に着磁されるが、2つの磁石420A,420Bを逆方向に着磁する必要があるので、2回の着磁工程が必要になる。
図10に示した例では、磁気回路400は、2ピースの磁性体部品410,410を接合して各磁性体部品410,410にそれぞれ磁気ギャップ400G,400Gが形成されている。磁性体部品410はボイスコイル支持部6の移動空間400Sを囲繞するようにヨーク部410A,410B,側壁部410C,410Dを有しており、ヨーク部410A,410Bの両端が側壁部410C,410Dで結合されている。そして、ヨーク部410Aの一方のピースに磁石420Aが接合され、ヨーク部410Bの他方のピースに磁石420Bが接合されている。磁束方向が異なる一対の磁気ギャップ400G,400Gは、磁石420Aとヨーク部410Aの間、磁石420Bとヨーク部410Aの間にそれぞれ形成される。また、ヨーク部410A,410B,410C,410Dは、各々が別部材で構成されていてもよく、又は一つの部材で一体形成されていてもよい。
この磁気回路400は、磁石410A,410Bを逆方向に着磁する必要があるので、2回の着磁工程が必要になるが、一対の磁気ギャップ400G,400Gでボイスコイル支持部6の振動方向に沿った磁束分布に良好な対称性が得られる。これによって、それぞれの磁気ギャップ400Gに存在するボイスコイル60に音声電流が流れると、このボイスコイル60にほぼ同じ電磁気力を(ローレンツ力)を作用させることができる。
磁石410A,410B間の間隔は、ボイスコイル60の直線部分60A,60C間の距離に対応して設定することが好ましい。ボイスコイル60の直線部分60A,60Cが磁気ギャップ400G,400GにおけるX軸方向の中央付近に位置するように、磁石410A,410B間の間隔とボイスコイル60の直線部分60A,60C間の距離を設定することで、大きな駆動力をボイスコイル60に作用させることができる。また、磁石410A,410BのX軸方向の幅はボイスコイル支持部6の振幅(振動幅)の確保に必要であり、大振幅を得るためには磁石410A,410BのX軸方向の幅は大きくする必要がある。そして、最大振幅が得られた場合にもボイスコイル60の直線部分60A,60Cが磁気ギャップ400G,400Gからそれぞれ外れないことが必要であり、そのために磁石410A,410B間の間隔とボイスコイル60の直線部分60A,60C間の距離を調整する必要がある。
ヨーク部410A,410Bを形成する磁性体部品410,410は、ヨーク部410A,410B,410C,410Dによって囲まれた開口部を形成しており、この開口部に沿ってボイスコイル支持部6の移動空間400Sが貫通している。ボイスコイル支持部6は、この開口部から外側まで延在するように配置されることになる。
図11に示した例では、図10の例と同様に、磁気回路400は、2ピースの磁性体部品410,410を接合して各磁性体部品410,410にそれぞれ磁気ギャップ400G,400Gが形成されている。磁性体部品410はボイスコイル支持部6の移動空間400Sを囲繞するようにヨーク部410A,410B,側壁部410C,410Dを有しており、ヨーク部410A,410Bの両端が側壁部410C,410Dで結合されている。そして、磁性体部品410の一方のピースではヨーク410Bに磁石420Aが接合され、磁性体部品410の他方のピースではヨーク部410Aに磁石420Bが接合されている。また、磁石420Aと対面するヨーク410Aには、ヨーク部410Aから磁気ギャップ400G側に突出する凸部410A0が形成されており、磁石420Bと対面するヨーク410Bには、ヨーク部410Bから磁気ギャップ400G側に突出する凸部410B0が形成されている。
すなわち、この磁気回路400は、一つの磁石420Aとヨーク部410Aから突出した凸部410A0との間に磁気ギャップ400Gが形成され、一つの磁石420Bとヨーク部410Bから突出した凸部410B0との間に磁気ギャップ400Gが形成されている。また、ヨーク部410A,410B,410C,410Dは、各々が別部材で構成されていても、一つの部材で一体に形成されていてもよい。
この磁気回路400も図10の例と同様に、一対の磁気ギャップ400G,400Gでボイスコイル支持部6の振動方向に沿った磁束分布に良好な対称性が得られる。これによって、それぞれの磁気ギャップ400Gに存在するボイスコイル60に音声電流が流れると、このボイスコイル60にほぼ同じ電磁気力を(ローレンツ力)を作用させることができる。図10の例に比べるとZ軸方向の厚さが比較的大きくなるが、それでも、この厚さはボイスコイル支持部6の振幅には直接関係しない厚さであるから、大振幅のスピーカ装置を設計する場合も磁気回路400自体のZ軸方向の厚さによって、スピーカ装置を薄型化することが可能となる。
図12〜図15に示した(各図の(a)が平面図、(b)がX1−X1断面図、(c)が背面図、(d)が正面図を示している)に示した例では、磁気回路400は、ボイスコイル支持部6の移動空間400Sの両側に対向配置したヨーク部410A,410Bを有する磁性体部品を備え、ヨーク部410A,410Bに接合され一対の磁気ギャップ400G,400Gの一方を形成すべく突出配置した磁石420を備えると共に、一対の磁気ギャップ400G,400Gの他方を形成すべくヨーク部(410A,410B)を突出させた凸部(410A0,410B0)を有する。これらの例では、一対の磁気ギャップ400G,400Gの一方にのみ磁石を配置しているので、組立後の着磁工程を1工程で済ませることができる。また、着磁回数を減らすことで、塵等が磁気回路内に入り込むことを抑止することができ、スピーカ装置1の信頼性を向上させ、また、製造工程を簡略化することができる。
図12に示した例では、磁気回路400は、ヨーク部410A,410B,側壁部410C,410Dによって一体に形成された磁性体部品が2ピースと一対の磁石420,420からなり、一方のピースにおいては、ヨーク部410A,410Bにそれぞれ磁石420,420が接合されて、磁束方向が同方向に着磁された磁石420,420間に一つの磁気ギャップ400Gが形成され、もう一方のピースにおいては、ヨーク部410Aに凸部410A0が形成され、ヨーク部410Bに凸部410B0が形成されて、この凸部410A0,410B0間にもう一方の磁気ギャップ400Gが形成されている。また、ヨーク部410A,410B,410C,410Dは、各々が別部材で構成されていても構わない。
図13に示した例では、磁気回路400は、4ピースの磁性体部品でそれぞれ形成されるヨーク部410A,410A,410B,410Bと一対の磁石420、420からなり、ヨーク部410Aとヨーク部410Bの両端部が非磁性体のスペーサ430で支持されるか、或いはフレーム3等で支持されて、離間配置されている。一方の支持構造においては、ヨーク部410A,410Bにそれぞれ磁石420,420が接合されて、磁束方向が同方向に着磁された磁石420,420間に一つの磁気ギャップ400Gが形成され、もう一方の支持構造においては、ヨーク部410Aに凸部410A0が形成され、ヨーク部410Bに凸部410B0が形成されて、この凸部410A0,410B0間にもう一方の磁気ギャップ400Gが形成されている。
図14に示した例では、磁気回路400は、ヨーク部410A,410Bと側壁部410C,410Dが一体になった1ピースの磁性体部品と、凸部410A0が形成されたヨーク部410Aと凸部410B0が形成されたヨーク部410Bをそれぞれ形成する2ピースの磁性体部品と、一対の磁石420とからなり、2ピースの磁性体部品からなるヨーク部410Aとヨーク部410Bの両端部が非磁性体のスペーサ430で支持されるか、或いはフレーム3等で支持されて、離間配置されている。
そして、ヨーク部410A,410Bと側壁部410C,410Dが一体になった1ピースの磁性体部品においては、ヨーク部410A,410Bにそれぞれ磁石420,420が接合されて、磁束方向が同方向に着磁された磁石420,420間に一つの磁気ギャップ400Gが形成され、非磁性体のスペーサ430による支持構造においては、凸部410A0,410B0間にもう一方の磁気ギャップ400Gが形成されている。また、ヨーク部410A,410B,410C,410Dは、各々が別部材で構成されていても構わない。
図15に示した例では、磁気回路400は、平板状のヨーク部410Bと凸部410B0が形成されたヨーク部410Bをそれぞれ形成する2ピースの磁性体部品と、2つのヨーク部410B,410Bの両方に対応するように配置される1ピースの磁性体部品からなるヨーク部410Aと、一つの磁石420からなる。そして、ヨーク部410Aとヨーク部410B,410Bの両端部が非磁性体のスペーサ430で支持されるか、或いはフレーム3等で支持されて、離間配置されており、磁石420とヨーク部410Aとの間に一つの磁気ギャップ400Gが形成され、凸部410B0とヨーク部410Aとの間にもう一つの磁気ギャップ400Gが形成されている。
図16に示した例では、磁気回路400は、凸部410B0が形成されたヨーク部410Bを形成する2ピースの磁性体部品と、2つのヨーク部410B,410Bの両方に対応するように配置される1ピースの磁性体部品からなるヨーク部410Aと、一つの磁石420からなる。そして、ヨーク部410B,410Bの間に磁石420が配置され、凸部410B0,410B0とヨーク部410Aとの間に一対の磁気ギャップ400G,400Gが形成されている。同図(e)は、その変形例であって、磁石420のX軸方向の長さWを大きくした例である。この例では変形例のように磁石の長さを長くすることで、磁気ギャップ400G,400Gの磁束強度を高めることができる。
図10〜図16に示した磁気回路400は、何れも、ヨーク部410A,410BのX軸方向に向けた開口部が形成されており、この開口部をボイスコイル支持部6の移動空間400Sが貫通している。これに対して、図1に示すような一般的なスピーカ装置の磁気回路は、ボイスコイルの振動方向の一端がヨーク51Jによって塞がれている。仮に、ヨーク51Jにボイスコイルボビン610Jが通過できる開口部を形成した場合、磁石52Jの磁力がボイスコイルボビンの内側に形成されるセンターポール54Jへ充分に伝えられず、センターポール54Jとプレート53Jとの間に形成される磁気ギャップ内の磁束密度が低下する場合がある。本発明の実施形態に係る磁気回路400では、ボイスコイル支持部6の移動空間400Sが貫通する開口部を形成しても、磁気ギャップ400G内における磁束密度を比較的大きくすることができ、駆動力を低下させることなく、ボイスコイル支持部6の大きな振幅を確保することができる。また、磁石420の体積を比較的大きくすることで、磁気ギャップ400G内における磁束密度を比較的大きくすることができ、磁石420の体積を適宜変更することが可能になる。
図17〜図19は(図19は図17に示した実施形態の斜視図である。)、本発明の他に実施形態に係るスピーカ装置の説明図である。前述した実施形態と共通する箇所は同一符号を付して重複説明を省略する。図17(a),(b)及び図18に示す実施形態はそれぞれ2つの特徴を有しており、その一つは、振動方向変換部7が、ボイスコイル支持部6の振動方向両端に設けられ、両端に設けられた振動方向変換部7のリンク部分によって平行リンクが形成されていること、他の特徴は、駆動部4を一対設け、振動方向変換部7を互いに略左右対称に対向配置していることである。
図17(a),(b)に示すスピーカ装置100,101は、それぞれ、一つの振動板2に対して、略左右一対の駆動部4(R),4(L)を備えており、駆動部4(R),4(L)は略左右対称に設けられている。つまり、駆動部4(R)には、磁気回路40(R)とボイスコイル支持部6(R)が設けられ、ボイスコイル支持部6(R)の振動板2中心側の端部には第1のリンク部分70(R)と第2のリンク部分71(R)が設けられ、ボイスコイル支持部6(R)の外側端部には、一端をボイスコイル支持部6(R)との関節部72A(R)とし、他端を振動板2との関節部72B(R)とする外側リンク部分72(R)が設けられている。同様に、駆動部4(L)には、磁気回路40(L)とボイスコイル支持部6(L)が設けられ、ボイスコイル支持部6(L)の振動板2中心側の端部には第1のリンク部分70(L)と第2のリンク部分71(L)が設けられ、ボイスコイル支持部6(L)の外側端部には、一端をボイスコイル支持部6(L)との関節部72A(L)とし、他端を振動板2との関節部72B(L)とする外側リンク部分72(L)が設けられている。
そして、図17(a)に示したスピーカ装置100は、ボイスコイル支持部6(R),6(L)の振動板2中心側端部に設けられる振動方向変換部において、第1のリンク部分70(R),70(L)の振動板2との関節部70Bが共通部となっており、第2のリンク部分71(R),71(L)のフレーム3との関節部71Bが共通部になっている。これよって、関節部70B,71A(R),71A(L),71Bによって菱形状のリンク機構が形成され、ボイスコイル支持部6(R),6(L)の互いにX軸方向に沿って近接・離間する振動を方向変換して振動板2にZ軸方向(音響放射方向)の振動を与える。この場合にも、関節部71Bがフレーム3に支持されていることで、ボイスコイル支持部6(R),6(L)の近接・離間振動に対して、第1のリンク部分70(R),70(L)及び第2のリンク部分71(R),71(L)からなるリンク機構が静止部であるフレーム3からの反力を受け、この反力によって振動板2を確実にZ軸方向に振動させている。
また、一つのボイスコイル支持部6(R)の振動方向両側に設けられる第1のリンク部分70(R)と外側リンク部分72(R)、或いはボイスコイル支持部6(L)の振動方向両側に設けられる第1のリンク部分70(L)と外側リンク部分72(L)は、それぞれ平行リンクを形成しており、ボイスコイル支持部6(R),6(L)のX方向の移動によって、平行な第1のリンク部分70(R)と外側リンク部分72(R)、或いは第1のリンク部分70(L)と外側リンク部分72(L)が同じ角度で角度変換することになる。これによって3箇所の関節部70B,72B(R),72B(L)が振動板2の平面状態を維持しながら上下動することになり、平面状の振動板2に略同位相で振動させることが可能になる。これによって、振動板2の分割振動を抑制することが可能になる。この際、一対のボイスコイル支持部6(R),6(L)の振動は、略同位相・略同振幅で互いに逆方向に振動することが条件になる。
図17(b)に示したスピーカ装置101は、関節部70Bが関節部70B(R)と70B(L)に分離してそれぞれ離間配置され、関節部71Bが関節部71B(R)と71B(L)に分離してそれぞれ離間配置されている以外は、図17(a)に示したスピーカ装置100と同様である。したがって、図17(b)に示したスピーカ装備101は図17(a)に示したスピーカ装置100と同様の機能を示すが、スピーカ装置101は同時に上下動する4箇所の関節部70B(R),70B(L),72B(R),72B(L)によって振動板2が上下動するので、更に振動板2の分割振動を抑制することが可能になる。
図18に示したスピーカ装置102は、外側リンク部分のリンク機構を除いては、図18に示す実施形態と同様である(図示の例は図17(a)に対応する構成例を示しているが、同様に外側リンク部分のみを換えて図17(b)に対応する構成例を実施することができる。図17との共通部分は同一符号を付して重複説明を省略する)。同図(a)は全体断面図、同図(b),(c)は外側リンク部分とフレームとの関節部を示した説明図である。このスピーカ装置102は、外側リンク部分が第1の外側リンク部分72(R),72(L)と第2の外側リンク部分73(R),73(L)を備える。ここでも、略左右対称の一対の駆動部4(R),4(L)を備えている。
ここでは、一端をボイスコイル支持部6(R)又は6(L)の外側部分との関節部72A(R)又は72A(L)とし、他端を振動板2との関節部72B(R)又は72B(L)とする第1の外側リンク部分72(R),72(L)と、一端を第1の外側リンク部分72(R)又は72(L)の中間部との関節部73A(R)又は73A(L)とし、他端をフレーム3との関節部73B(R)又は73B(L)とする第2の外側リンク部分73(R),73(L)とを備える。図示の例では、関節部73B(R),73B(L)は支持部35を介して静止部であるフレーム3に支持されている。
第2の外側リンク部分73(R),73(L)とフレーム3との関節部73B(R),73B(L)について説明すると、図18(b)に示すように、ボイスコイル支持部6(R)には開口部63が形成され、開口部63を介して第2の外側リンク部分73(R)の端部がフレーム3に支持部35を介して支持されていてもよいし、同図(c)に示すように、第2の外側リンク部分73(R)は端部が門型状に形成され、ボイスコイル支持部6(R)を跨いで端部がフレーム3に支持部35を介して支持されていてもよい(図示は右側(R)の例のみを示したが左側も同様(略左右対称)である)。
このような実施形態によると、ボイスコイル支持部6(R),6(L)外側端部のリンク部分においても、静止部であるフレームからの反力を受けるリンク機構を形成することができ、ボイスコイル支持部6(R),6(L)の移動に対して、フレーム3からの反力を利用して第1の外側リンク部分72(R),72(L)を角度変換するので、確実に振動板2を上下動させることができる。
また、この実施形態では、ボイスコイル支持部6(R),6(L)が移動する際に、常に静止部であるフレーム3からの反力を受けることになるので、振動板2を上下動させるときに振動板2から受ける反力によってボイスコイル支持部6(R),6(L)が上下動することがない。これによって、ボイスコイル支持部6(R),6(L)を円滑に振動させることができると共に、この振動を円滑に振動板2に伝えることができる。
図19に示すように、磁気回路40(R),40(L)のヨーク部41(41B1)には支持部41B11(図6参照)が設けられており、この支持部41B11がフレーム3の内側に支持されて、ヨーク部41の配置間隔を保持している。また、図示のように、第1のリンク部分70(R),(L)と外側リンク部分72(R),(L)には、開口部70P,72Pが形成されており、この開口部70P,72Pによって、第1のリンク部分70(R),(L)と外側リンク部分72(R),(L)を軽量化し、更には振動抵抗を軽減している。フレーム3には開口301が形成されている。
図20〜図25は、本発明の実施例に係るスピーカ装置用磁気回路の磁束密度分布を示した説明図である(同図(a)が各部の寸法、同図(b)が磁束密度のグラフを示している)。図20が図10に示した構成例、図21が図11に示した構成例、図22が図12に示した構成例、図23が図13に示した構成例、図24が図14に示した構成例、図25が図15に示した構成例にそれぞれ対応している。各図(a)における寸法の数字の単位はmmであり、各図(b)のグラフは、計測位置(磁気ギャップのセンター)での磁束密度を、基準位置(ヨーク部幅の中心位置)からX軸方向(ボイスコイル支持部6の振動方向)に沿った距離に対応して示している。
図20,21の例では、振動方向に沿った一対の磁気ギャップで対称性のある磁束密度が得られる。図20の例では、左側最小値−0.52T,右側最大値0.52Tとなっている。図21の例では、左側最大値0.52T,右側最小値−0.52Tとなっている。
図22〜25の例では、振動方向に沿った一対の磁気ギャップで非対象の磁束分布が得られる。図22の例では、左側最大値0.70T,右側最小値−0.055Tとなっている。図23の例では、左側最大値0.68T,右側最小値−0.14Tとなっている。図24の例では、左側最大値0.64T,右側最小値−0.25Tとなっている。図25の例では、左側最大値0.44T,右側最小値−0.14Tとなっている。ここでの最大値,最小値は磁気ギャップ内(基準位置から±1〜±11mmの範囲)での磁束密度(紙面上における磁束密度の方向が、上方向の場合は正、下方向の場合は負とする)値である。
本発明の実施形態に係るスピーカ装置は薄型化が可能であり、且つ大音量化の実現も可能である。このようなスピーカ装置は各種電子機器や車載用として効果的に用いることができる。図26は、本発明の実施形態に係るスピーカ装置を備える電子機器を示した説明図である。同図(a)に示した携帯電話或いは携帯情報端末のような電子機器1000、或いは同図(b)に示したフラットパネルディスプレイのような電子機器2000は、スピーカ装置1の設置に必要な厚さスペースを小さくできるので、電子機器全体の薄型化が可能になる。また、薄型化された電子機器においても充分な音声出力を得ることができる。図27は、本発明の実施形態に係るスピーカを備えた自動車を示した説明図である。同図に示した自動車3000は、スピーカ装置1の薄型化によって車内スペースの拡大が可能になる。特にドアパネルに本発明の実施形態に係るスピーカ装置1を内装したものでは、ドアパネルの出っ張りを無くし運転者の操作スペースの拡大が可能になる。また、充分な音声出力が得られるので、雑音が多い高速走行時等でも車内で快適に音楽やラジオ放送を楽しむことができる。

Claims (26)

  1. 平面状に巻き回されたボイスコイルを支持するボイスコイル支持部の振動を、剛性の振動方向変換部を介して振動板に伝えるスピーカ装置に用いられ、前記ボイスコイル支持部を平面的に振動させるスピーカ装置用磁気回路であって、
    磁束方向が異なる一対の磁気ギャップが前記ボイスコイル支持部の振動方向に沿って並べて配置されていることを特徴とするスピーカ装置用磁気回路。
  2. 前記ボイスコイル支持部の移動空間の両側に対向配置したヨーク部と、前記一対の磁気ギャップに異なる磁束方向を形成するように配置された磁石を備えることを特徴とする請求項1記載のスピーカ装置用磁気回路。
  3. 前記ヨーク部は、前記ボイスコイル支持部の移動空間を囲繞するように端部が結合されていることを特徴とする請求項2記載のスピーカ装置用磁気回路。
  4. 前記ヨーク部は、端部が非磁性体のスペーサで支持されていることを特徴とする請求項2記載のスピーカ装置用磁気回路。
  5. 前記一対の磁気ギャップの少なくとも一方を前記ヨーク部間に形成したことを特徴とする請求項2記載のスピーカ装置用磁気回路。
  6. 前記一対の磁気ギャップの少なくとも一方を2つの前記磁石間に形成したことを特徴とする請求項2記載のスピーカ装置用磁気回路。
  7. 前記ボイスコイル支持部の移動空間の両側に対向配置したヨーク部と該ヨーク部に接合され前記一対の磁気ギャップのそれぞれに向けて突出配置した磁石を備え、前記磁気ギャップ毎に前記磁石の着磁方向を逆にすることを特徴とする請求項1記載のスピーカ装置用磁気回路。
  8. 前記磁石と前記ヨーク部又は前記ヨーク部から突出した凸部との間に前記磁気ギャップが形成されることを特徴とする請求項7に記載のスピーカ装置用磁気回路。
  9. 前記ボイスコイル支持部の移動空間の両側に対向配置したヨーク部を備え、該ヨーク部に接合され前記一対の磁気ギャップの一方を形成すべく突出配置した磁石を備えると共に、前記一対の磁気ギャップの他方を形成すべく前記ヨーク部を突出させた凸部を有することを特徴とする請求項1記載のスピーカ装置用磁気回路。
  10. 前記一対の磁気ギャップの一方では、一対の前記磁石間に当該磁気ギャップが形成され、前記一対の磁気ギャップの他方では、一対の前記凸部間に当該磁気ギャップが形成されることを特徴とする請求項9に記載のスピーカ装置用磁気回路。
  11. 前記一対の磁気ギャップの一方では、一つの前記磁石と前記ヨーク部との間に当該磁気ギャップが形成され、前記一対の磁気ギャップの他方では、一つの前記凸部と前記ヨーク部との間に当該磁気ギャップが形成されていることを特徴とする請求項9に記載のスピーカ装置用磁気回路。
  12. 平面状に巻き回されたボイスコイルと、該ボイスコイルを支持するボイスコイル支持部と、該ボイスコイル支持部を平面的に振動させる磁気回路とを備える駆動部と、
    音声信号によって前記駆動部からの振動が伝えられる振動板と、
    前記駆動部と前記振動板を支持するフレームと、
    前記ボイスコイル支持部と前記振動板との間に設けられ、前記ボイスコイル支持部の振動を方向変換して前記振動板に伝える剛性の振動方向変換部とを備え、
    前記磁気回路は、前記ボイスコイル支持部の振動方向に沿って並べて配置され、磁束方向が異なる一対の磁気ギャップを備え、前記ボイスコイルが前記一対の磁気ギャップを巡回するように配置されていることを特徴とするスピーカ装置。
  13. 前記ボイスコイルは略平行な一対の直線部を有し、該一対の直線部がそれぞれ前記一対の磁気ギャップ内で磁束方向と交差するように配置されることを特徴とする請求項12記載のスピーカ装置。
  14. 前記磁気回路は、前記ボイスコイル支持部の移動空間の両側に対向配置したヨーク部と磁石を備えることを特徴とする請求項12記載のスピーカ装置。
  15. 前記ヨーク部は、前記ボイスコイル支持部の振動方向と交差する方向に部分的に張り出した支持部を有し、該支持部が前記フレームに支持されていることを特徴とする請求項14記載のスピーカ装置。
  16. 前記振動方向変換部は、前記ボイスコイル支持部と前記振動板との間に形成されたリンク部分を角度変換させるリンク機構を備え、前記リンク機構は、前記リンク部分が前記振動板側とは逆側に位置する静止部からの反力を受けて角度変換することを特徴とする請求項12に記載のスピーカ装置。
  17. 前記振動方向変換部は、前記ボイスコイル支持部の振動方向をそれと略直交する方向に変換して前記振動板に伝えることを特徴とする請求項12に記載のスピーカ装置。
  18. 前記静止部は前記フレームの一部であって、
    前記フレームは平面状の底面を有し、前記振動板は前記フレームの底面に沿って平面的に支持され、前記磁気ギャップは前記フレームの底面に沿って形成され、前記振動方向変換部は前記フレームの底面からの反力により当該底面と交差する方向に前記振動板を振動させることを特徴とする請求項16に記載のスピーカ装置。
  19. 前記駆動部を一対設け、前記振動方向変換部を互いに対向配置したことを特徴とする請求項12記載のスピーカ装置。
  20. 前記振動板は、エッジを介して、前記フレームに支持されており、
    前記ボイスコイル支持部は、ダンパを介して前記フレームに支持されることを特徴とする請求項12に記載のスピーカ装置。
  21. 前記ヨーク部は前記ボイスコイル支持部の移動空間が貫通する開口部を形成し、前記ボイスコイル支持部は、前記ヨーク部の開口部から外側まで延在することを特徴とする請求項14記載のスピーカ装置。
  22. 前記フレームは、前記磁気回路を構成するヨーク部であることを特徴とする請求項14に記載のスピーカ装置。
  23. 前記静止部は前記ヨーク部の一部であって、
    前記ヨーク部は平面状の底面を有し、前記振動板は前記ヨーク部の底面に沿って平面的に支持され、前記磁気ギャップは前記ヨーク部の底面に沿って形成され、前記振動板方向変換部は前記ヨーク部の底面からの反力により当該底面と交差する方向に前記振動板を振動させることを特徴とする請求項16に記載のスピーカ装置。
  24. 前記ボイスコイルと外部の音声信号発生源とを電気的に接続する信号線を備え、前記振動線は前記フレーム内にて引き回されていることを特徴とする請求項12に記載のスピーカ装置。
  25. 請求項12に記載のスピーカ装置を備えることを特徴とする自動車。
  26. 請求項12に記載のスピーカ装置を備えることを特徴とする電子機器。
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