JPWO2010044198A1 - 撮影用光学装置 - Google Patents

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Abstract

安定した振れの補正が可能になるとともに薄型化を図ることが可能な撮影用光学装置を提供すること。具体的には、撮影用光学装置1は、レンズと撮像素子とレンズを駆動するレンズ駆動機構とを搭載したレンズ駆動装置2を有する可動モジュール12と、可動モジュール12を支持する支持体5と、支持体5に対してレンズ駆動装置2の光軸Lが傾くように可動モジュール12を揺動させて振れを補正する振れ補正機構とを備えている。可動モジュール12は、レンズ駆動装置2の傾きの変化を検出するためのセンサ4を備え、振れ補正機構は、可動モジュール12の揺動中心となる支点部19を備えている。センサ4は、レンズ駆動装置2の光軸方向において支点部19と重ならずに、支点部19に対して光軸Lに直交する方向にずれた状態で配置されている。

Description

本発明は、レンズおよび撮像素子を搭載したレンズ駆動装置を揺動させて振れを補正する振れ補正機能を有する撮影用光学装置に関する。
近年、携帯電話等の携帯機器には、撮影用光学装置が搭載されている。携帯機器の場合、撮影時に手振れが発生しやすい。そこで、撮影時の手振れを補正することが可能な光学装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の光学装置は、レンズや撮像素子を搭載した可動部と、光学装置の基台に固定されるとともに可動部の底面に当接するピボット軸と、基台に固定されるとともに可動部を揺動可能に支持する板バネと、可動部を揺動させるための揺動機構とを備えている。この光学装置では、揺動機構は、駆動用コイルと駆動用磁石とによって構成されている。また、この光学装置では、光学装置の傾きを検出するためのX軸ジャイロとY軸ジャイロとが基台に固定されており、X軸ジャイロはX軸に平行な軸を中心とする基台の傾きを検出する機能を果たし、Y軸ジャイロはY軸に平行な軸を中心とする基台の傾きを検出する機能を果たしている。
この特許文献1に記載の光学装置では、X軸ジャイロまたはY軸ジャイロによって基台の傾きが検出されると、揺動機構が駆動する。揺動機構が駆動すると、揺動機構の駆動力で、基台に対してピボット軸を支点にして可動部が揺動して、手振れが補正される。
特開2007−310084号公報
上述のように、特許文献1に記載の光学装置では、基台の傾きが検出されると、揺動機構の駆動力で可動部が揺動して、手振れが補正される。すなわち、この光学装置では、基台の傾きを検出しているにもかかわらず、可動部を揺動させて手振れを補正しており、傾きの検出対象と手振れ補正時の制御対象とが異なる。そのため、この光学装置では、安定した手振れ補正が困難になるおそれがある。
一方、近年、携帯電話等の携帯機器の市場では、携帯機器の薄型化の要求が一段と高まっており、その結果、携帯機器に搭載される撮影用光学装置の薄型化の要求も一段と高まっている。
そこで、本発明の課題は、安定した振れの補正が可能になるとともに薄型化を図ることが可能な撮影用光学装置を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明の撮影用光学装置は、レンズと撮像素子とレンズを駆動するレンズ駆動機構とを搭載したレンズ駆動装置を有する可動モジュールと、可動モジュールを支持する支持体と、支持体に対してレンズ駆動装置の光軸が傾くように可動モジュールを揺動させて手振れを補正する手振れ補正機構とを備え、可動モジュールは、レンズ駆動装置の傾きの変化を検出するためのセンサを備え、手振れ補正機構は、可動モジュールの揺動中心となる支点部を備え、センサは、レンズ駆動装置の光軸方向において支点部と重ならずに、支点部に対して光軸に直交する方向にずれた状態で配置されていることを特徴とする。
本発明の撮影用光学装置では、可動モジュールがレンズ駆動装置の傾きの変化を検出するためのセンサを備えており、手振れ補正機構によって可動モジュールを揺動させて手振れを補正している。すなわち、本発明では、可動モジュールを構成するセンサで可動モジュールの傾きの変化(レンズ駆動装置の傾きの変化)を検出し、可動モジュールを揺動させて手振れを補正しており、傾きの検出対象と手振れ補正時の制御対象とが同じになっている。そのため、本発明では、安定した手振れ補正が可能になる。
また、本発明の撮影用光学装置では、センサは、レンズ駆動装置の光軸方向において支点部と重ならずに、支点部に対して光軸に直交する方向にずれた状態で配置されている。そのため、可動モジュールにセンサが搭載される場合であっても、可動モジュールをレンズ駆動装置の光軸方向で小型化すること(すなわち、薄型化すること)が可能になり、撮影用光学装置を薄型化することが可能になる。
また、上記の課題を解決するため、本発明の撮影用光学装置は、レンズと撮像素子とレンズを駆動するレンズ駆動機構とを搭載したレンズ駆動装置を有する可動モジュールと、可動モジュールを支持する支持体と、支持体に対してレンズ駆動装置の光軸が傾くように可動モジュールを揺動させて振れを補正する振れ補正機構とを備え、可動モジュールは、レンズ駆動装置の傾きの変化を検出するためのセンサを備え、振れ補正機構は、可動モジュールの揺動中心となる支点部を備え、センサは、レンズ駆動装置の光軸方向において支点部と重ならずに、支点部に対して光軸に直交する方向にずれた状態で配置されていることを特徴とする。
本発明の撮影用光学装置では、可動モジュールがレンズ駆動装置の傾きの変化を検出するためのセンサを備えており、振れ補正機構によって可動モジュールを揺動させて振れを補正している。すなわち、本発明では、可動モジュールを構成するセンサで可動モジュールの傾きの変化(レンズ駆動装置の傾きの変化)を検出し、可動モジュールを揺動させて振れを補正しており、傾きの変化の検出対象と振れ補正時の制御対象とが同じになっている。そのため、本発明では、安定した振れ補正が可能になる。また、本発明の撮影用光学装置では、センサが、レンズ駆動装置の光軸方向において支点部と重ならずに、支点部に対して光軸に直交する方向にずれた状態で配置されている。そのため、本発明では、可動モジュールにセンサが搭載される場合であっても、可動モジュールを薄型化することが可能になり、撮影用光学装置を薄型化することが可能になる。
本発明において、撮影用光学装置は、撮影用光学装置の外周面を構成するケース体を備え、センサは、ケース体の内部に配置されていることが好ましい。このように構成すると、光軸に直交する方向において、可動モジュールの揺動中心となる支点部とセンサとの距離を短くすることが可能になり、可動モジュールが揺動する際にセンサにかかるモーメントを小さくすることが可能になる。したがって、可動モジュールに搭載されるレンズ駆動装置の動きにセンサを適切に追従させることが可能になり、その結果、センサによってレンズ駆動装置の傾きの変化を適切に検出することが可能になる。また、このように構成すると、撮影用光学装置の薄型化を図るとともに、レンズ駆動装置の光軸に直交する方向で撮影用光学装置を小型化することが可能になる。
本発明において、撮影用光学装置は、レンズ駆動装置の外周面を覆うように配置されるカバー部材を備え、センサの少なくとも中心は、カバー部材の内部に配置されていることが好ましい。このように構成すると、光軸に直交する方向において、支点部とセンサとの距離をより短くすることが可能になり、可動モジュールが揺動する際にセンサにかかるモーメントをより小さくすることが可能になる。したがって、レンズ駆動装置の動きにセンサをより適切に追従させることが可能になり、その結果、センサによってレンズ駆動装置の傾きの変化をより適切に検出することが可能になる。また、この場合には、センサは、カバー部材の内部に配置されていることがより好ましい。
本発明において、撮影用光学装置は、レンズ駆動装置の外周面を覆うように配置されるカバー部材を備え、センサは、光軸に直交する方向において、カバー部材とケース体との間に配置されていても良い。また、本発明において、撮影用光学装置は、レンズ駆動装置の外周面を覆うように配置されるカバー部材を備え、センサは、カバー部材の外部に配置されていても良い。
本発明において、撮影用光学装置は、撮影用光学装置の外周面を構成するケース体を備え、センサは、ケース体の外部に配置されていることが好ましい。このように構成すると、ケース体の内部にセンサの配置スペースを形成する必要がなくなるため、撮影用光学装置をより効果的に薄型化することが可能になる。
本発明において、撮影用光学装置は、センサが実装される基板を備え、可動モジュールは、基板が取り付けられるとともにセンサの重量に起因する基板の変形を防止するための基板取付部材を備えることが好ましい。このように構成すると、ケース体の外部にセンサが配置される場合であっても、可動モジュールに搭載されるレンズ駆動装置の動きにセンサを適切に追従させることが可能になり、レンズ駆動装置の傾きの変化をセンサで適切に検出することが可能になる。したがって、安定した振れ補正が可能になる。
本発明において、撮影用光学装置は、撮像素子とセンサとが同一面に実装される基板を備えることが好ましい。このように構成すると、撮像素子用の基板とセンサ用の基板とを共通にすることができるため、撮影用光学装置の構成を簡素化することが可能になる。
以上のように、本発明の撮影用光学装置では、安定した振れの補正が可能になるとともに薄型化を図ることが可能になる。
本発明の実施の形態1にかかる撮影用光学装置の平面図である。 図1のE−E断面の断面図である。 本発明の実施の形態1の変形例にかかる撮影用光学装置の断面図である。 本発明の実施の形態2にかかる撮影用光学装置の平面図である。 図4のF−F断面の断面図である。
1、51 撮影用光学装置
2 レンズ駆動装置
3 撮像素子
4 センサ
5、55 支持体
6 揺動駆動機構(振れ補正機構の一部、手振れ補正機構の一部)
9、59 カバー部材
10 FPC(フレキシブルプリント基板、基板)
12、62 可動モジュール
13 基板取付部材
16、66 ケース体
17、67 板バネ(振れ補正機構の一部、手振れ補正機構の一部)
19、69 支点部(振れ補正機構の一部、手振れ補正機構の一部)
C センサの中心
L 光軸
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
[実施の形態1]
(撮影用光学装置の構成)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる撮影用光学装置1の平面図である。図2は、図1のE−E断面の断面図である。なお、以下の説明では、図1、図2に示すように、互いに直交する3方向のそれぞれをX方向、Y方向およびZ方向とする。また、図1、図2のX1方向側を「右」側、X2方向側を「左」側、Y1方向側を「前」側、Y2方向側を「後(後ろ)」側、Z1方向側を「上」側、Z2方向側を「下」側とする。
本形態の撮影用光学装置1は、携帯電話等の携帯機器に搭載される小型かつ薄型のカメラであり、全体として略直方体状に形成されている。この撮影用光学装置1は、図1、図2に示すように、レンズ(図示省略)および撮像素子3を搭載したレンズ駆動装置2と、レンズ駆動装置2の傾きの変化を検出するためのセンサ4と、レンズ駆動装置2を支持する支持体5と、レンズ駆動装置2の光軸Lが傾くようにレンズ駆動装置2を揺動させる揺動駆動機構6とを備えている。なお、本形態では、Z方向(上下方向)は、レンズ駆動装置2が揺動していないときの撮影用光学装置1の光軸Lの方向(光軸方向)と一致するが、レンズ駆動装置2の最大揺動角度はわずか(たとえば、2°程度)であるため、レンズ駆動装置2が揺動している場合であっても、上下方向と光軸方向とはほぼ一致する。
支持体5は、撮影用光学装置1の下面を構成するベース体15と、撮影用光学装置1の前後および左右の外周面を構成するケース体16とを備えている。また、揺動駆動機構6は、駆動用磁石21と、駆動用磁石21に対向配置される駆動用コイル23とを備えている。本形態の揺動駆動機構6は、4個の駆動用磁石21と4個の駆動用コイル23とを備えている。
レンズ駆動装置2には、上述のように、レンズおよび撮像素子3が搭載されている。具体的には、レンズ駆動装置2の上端側にレンズが搭載され、レンズ駆動装置2の下端に撮像素子3が搭載されている。また、レンズ駆動装置2には、レンズを光軸方向に駆動するためのレンズ駆動機構が搭載されている。このレンズ駆動機構は、たとえば、駆動用のコイルと駆動用の磁石とによって構成されている。
レンズ駆動装置2は、全体として略直方体状に形成されている。このレンズ駆動装置2の前後および左右の側面は、下端が開口する底付きの略四角筒状に形成されたカバー部材9に覆われている。すなわち、レンズ駆動装置2の外周面は、カバー部材9に覆われている。具体的には、レンズ駆動装置2の外周面は、カバー部材9の内周面との間にわずかな隙間をあけた状態で、カバー部材9に覆われている。
カバー部材9は、磁性材料で形成されている。上端側に配置されるカバー部材9の底部には、円形の貫通孔9aが形成されている。また、カバー部材9の下端には、前後方向の外側および左右方向の外側に向かって広がる鍔部9bが形成されている。カバー部材9の前後および左右の側面のそれぞれには、駆動用磁石21が固定されている。
センサ4は、レンズ駆動装置2の傾きの変化を検出するためのジャイロスコープである。すなわち、センサ4は、レンズ駆動装置2の角速度を検出するための角速度センサである。このセンサ4は、ケース体16の外部に配置されている。具体的には、図2に示すように、センサ4は、光軸方向では撮像素子3とほぼ同じ位置に配置されるとともに、撮像素子3の右方に配置されている。また、センサ4は、光軸方向では、駆動用コイル23よりも下側に配置されている。
センサ4には、フレキシブルプリント基板(FPC)10が接続されている。このFPC10は、撮像素子3にも接続されている。本形態では、撮像素子3とセンサ4とがFPC10の上面に実装されている。すなわち、本形態では、撮像素子3とセンサ4とが同一面に実装されている。また、FPC10は、撮影用光学装置1の下端側で引き回されて、たとえば、撮影用光学装置1の右側面から引き出されている。
FPC10の、撮像素子3およびセンサ4が実装された部分は、略矩形状の平板状に形成された基板取付部材13の上面に取り付けられている。基板取付部材13は、レンズ駆動装置2またはカバー部材9の下端に固定されている。すなわち、センサ4は、FPC10および基板取付部材13を介してレンズ駆動装置2またはカバー部材9に固定されている。この基板取付部材13は、金属製の板状部材であり、所定の剛性を有している。本形態では、基板取付部材13は、ケース体16の外部に配置されるセンサ4の重量によって、FPC10の、撮像素子3およびセンサ4が実装された部分が変形するのを防止する機能を果たしている。
基板取付部材13の下面には、略球面状の支点突起11aが形成された支点部材11が固定されている。支点部材11は、略矩形の平板状に形成されるとともに、レンズ駆動装置2の下方で、基板取付部材13の下面に固定されている。支点突起11aは、支持部材11の略中心から下側に向かって突出するように形成されている。また、支点突起11aは、その中心を光軸Lが通過するように配置されており、後述の可動モジュール12の揺動の支点となっている。なお、支点突起11aは、基板取付部材13の下面に直接、形成されても良い。
本形態では、レンズ駆動装置2とセンサ4とカバー部材9と支点部材11と基板取付部材13とが、支持体5に揺動可能に支持されている。すなわち、本形態では、レンズ駆動装置2、センサ4、カバー部材9、支点部材11および基板取付部材13によって、支持体5に対して揺動可能な可動モジュール12が構成されている。
支持体5は、上述のように、ベース体15とケース体16とを備えている。ケース体16には、可動モジュール12を揺動可能に支持する板バネ17と、可動モジュール12の揺動範囲を規制するためのストッパ部材18とが固定されている。
ベース体15は、略矩形の平板状に形成されている。このベース体15の略中心には、上側に向かって突出する突出部15aが形成されている。また、突出部15aには、支点部材11に形成された支点突起11aと係合する係合凹部15bが突出部15aの上面から窪むように形成されている。この係合凹部15bは、上下方向に直交する断面の形状が円形状となる円筒面状に形成されている。また、係合凹部15bの直径は、略球面状に形成される支点突起11aの直径よりもわずかに大きくなっており、支点突起11aは、係合凹部15bの底面に当接している。なお、係合凹部15bは、支点突起11aの直径よりもわずかに直径の大きい半球面状に形成されても良いし、下方向に向かって直径が次第に小さくなる円錐面状に形成されても良い。
本形態では、支点突起11aと係合凹部15bとによって、可動モジュール12の揺動中心(レンズ駆動装置2の揺動中心)となる支点部19が構成されている。すなわち、可動モジュール12の下側に可動モジュール12の揺動中心が配置されている。この支点部19は、レンズ駆動装置2の光軸Lが通過する位置に配置されている。また、レンズ駆動装置2の光軸Lは、可動モジュール12の中心に配置されている。なお、係合凹部15bの内周面には、支点突起11aおよび係合凹部15bの内周面の摩耗を抑制するための潤滑剤が塗布されていることが好ましい。
ケース体16は、上端および下端が開口する略四角筒状に形成されている。このケース体16の下端側には、ベース体15が固定されている。本形態のケース体16は、非磁性の金属材料で形成されている。
板バネ17は、全体として略正方形状に形成されている。板バネ17の四隅は、ケース体16の上端側に固定されている。また、板バネ17の中心部には、可動モジュール12の上端(具体的には、カバー部材9の上端)が固定されている。この板バネ17は、図1に示すように、可動モジュール12を保持する保持部17aと、ケース体16に固定される4個の固定部17bと、保持部17aと固定部17bとを繋ぐ4本のバネ部17cとを備えている。保持部17aには、円形の開口部17dが形成されている。
なお、板バネ17は、支点部材11の支点突起11aとベース体15の係合凹部15bの底面とを確実に当接させるための与圧が発生するように(すなわち、可動モジュール12を下方向へ付勢する付勢力が発生するように)、撓んだ状態でケース体16に固定されている。すなわち、保持部17aよりも固定部17bが下側に下がった状態で、固定部17bがケース体16に固定されている。また、本形態の板バネ17は、所定の取付部材を介してケース体16に固定されている。すなわち、ケース体16の内周面に固定された取付部材に板バネ17の四隅が固定されている。
ストッパ部材18は、ケース体16の内周面に固定されている。具体的には、カバー部材9の鍔部9bの上面に当接可能な位置で、ストッパ部材18がケース体16の内周面に固定されており、ストッパ部材18と鍔部9bとによって、可動モジュール12の揺動範囲が規制されている。
駆動用磁石21は、略矩形の板状に形成されている。また、駆動用磁石21は、第1磁石片21aと第2磁石片21bとの2個の磁石片によって構成されている。具体的には、第1磁石片21aの下面と第2磁石片21bの上面とが当接した状態で、第1磁石片21aと第2磁石片21bとが接着固定されて駆動用磁石21が形成されている。
駆動用磁石21は、カバー部材9の前後の側面および左右の側面のそれぞれに1個ずつ固定されており、ケース体16の内部に配置されている。また、駆動用磁石21は、レンズ駆動装置2とともに揺動する。上述のように、カバー部材9は、磁性材料で形成されており、カバー部材9は、駆動用磁石21のバックヨークの機能を果たしている。
本形態では、カバー部材9の左右の側面に固定される駆動用磁石21は、駆動用磁石21の右面に形成される磁極と左面に形成される磁極とが異なるように着磁されている。また、カバー部材9の左右の側面に固定される駆動用磁石21は、左右方向における第1磁石片21aの外側面に形成される磁極と第2磁石片21bの外側面に形成される磁極とが異なるように(すなわち、左右方向における第1磁石片21aの内側面に形成される磁極と第2磁石片21bの内側面に形成される磁極とが異なるように)着磁されている。
同様に、カバー部材9の前後の側面に固定される駆動用磁石21は、駆動用磁石21の前面に形成される磁極と後面に形成される磁極とが異なるように着磁されている。また、カバー部材9の前後の側面に固定される駆動用磁石21は、前後方向における第1磁石片21aの外側面に形成される磁極と第2磁石片21bの外側面に形成される磁極とが異なるように着磁されている。
たとえば、カバー部材9の右側面に固定される駆動用磁石21の第1磁石片21aの右側面はS極、左側面はN極に着磁され、この駆動用磁石21の第2磁石片21bの右側面はN極、左側面はS極に着磁されている。同様に、カバー部材9の左側面に固定される駆動用磁石21の第1磁石片21aの左側面はS極、右側面はN極に着磁され、この駆動用磁石21の第2磁石片21bの左側面はN極、右側面はS極に着磁されている。
また、たとえば、カバー部材9の後側面に固定される駆動用磁石21の第1磁石片21aの後側面はN極、前側面はS極に着磁され、この駆動用磁石21の第2磁石片21bの後側面はS極、前側面はN極に着磁されている。同様に、カバー部材9の前側面に固定される駆動用磁石21の第1磁石片21aの前側面はN極、後側面はS極に着磁され、この駆動用磁石21の第2磁石片21bの前側面はS極、後側面はN極に着磁されている。
駆動用コイル23は、導線の周りを被覆する絶縁被膜と、絶縁被膜の周りをさらに被覆する融着被膜とを備える融着線が空芯状に巻回された(すなわち、ボビン等の巻芯を備えていない)空芯コイルである。この駆動用コイル23は、融着線が略長方形状に巻回されて形成されている。また、駆動用コイル23は、絶縁性のフィルムを介してケース体16の前後の側面および左右の側面のそれぞれに1個ずつ固定されている。
図2に示すように、駆動用磁石21と駆動用コイル23とは所定の隙間をあけた状態で対向配置されている。具体的には、支点部19を支点として可動モジュール12が揺動しても、駆動用磁石21と駆動用コイル23とが接触しないように、駆動用磁石21と駆動用コイル23とが所定の隙間をあけた状態で対向配置されている。なお、本形態では、駆動用コイル23に電流が供給されていないときには、図2に示すように、可動モジュール12は、支持体5に対して傾いていない中立位置にある。
また、本形態では、図2に示すように、上下方向における駆動用コイル23の中心位置が第1磁石片21aと第2磁石片21bとの当接面よりも上側に配置されるように、駆動用磁石21と駆動用コイル23とが対向配置されている。
また、本形態では、駆動用磁石21と駆動用コイル23とは、左右方向または前後方向で対向配置されており、左右方向で対向配置される駆動用磁石21と駆動用コイル23とによって、前後方向を揺動の軸方向として可動モジュール12を揺動させる(すなわち、Y軸回りに可動モジュール12を揺動させる)駆動力が発生する。また、前後方向で対向配置される駆動用磁石21と駆動用コイル23とによって、左右方向を揺動の軸方向として可動モジュール12を揺動させる(すなわち、X軸回りに可動モジュール12を揺動させる)駆動力が発生する。
以上のように構成された撮影用光学装置1では、センサ4でレンズ駆動装置2の傾きの変化が検出されると(すなわち、レンズ駆動装置2の振れ(振動)が検出されると)、センサ4での検出結果に基づいて、駆動用コイル23に電流が供給され、可動モジュール12が支点部19を中心にして光軸Lを傾けるように揺動して、振れが補正される。具体的には、撮影用光学装置1では、センサ4での検出結果に基づいて手振れが検出されると、駆動用コイル23に電流が供給され、可動モジュール12が支点部19を中心にして光軸Lを傾けるように揺動(回動)して、手振れが補正される。
なお、本形態では、支点突起11aと係合凹部15bとからなる支点部19と、揺動駆動機構6と、板バネ17とによって、支持体5に対してレンズ駆動装置2の光軸Lが傾くように可動モジュール12を揺動させて(すなわち、レンズ駆動装置2を揺動させて)振れを補正する振れ補正機構が構成されている。すなわち、本形態では、支点部19と、揺動駆動機構6と、板バネ17とによって、支持体5に対してレンズ駆動装置2の光軸Lが傾くように可動モジュール12を揺動させて手振れを補正する手振れ補正機構が構成されている。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、可動モジュール12を構成するセンサ4で可動モジュール12の傾きの変化(レンズ駆動装置2の傾きの変化)を検出し、このセンサ4での検出結果に基づいて、可動モジュール12を揺動させて振れを補正している。すなわち、本形態では、傾きの変化の検出対象と振れ補正時の制御対象とが同じ可動モジュール12となっている。そのため、本形態では、安定した振れ補正が可能になる。
また、本形態では、センサ4は、ケース体16の外部に配置されている。すなわち、本形態では、センサ4は、レンズ駆動装置2の光軸Lが通過する位置に配置される支点部19と光軸方向において重ならずに、支点部19に対して右方向にずれた状態で配置されている。そのため、可動モジュール12にセンサ4が搭載される場合であっても、可動モジュール12を光軸方向で小型化すること(すなわち、薄型化すること)ができ、撮影用光学装置1を薄型化することができる。
特に本形態では、センサ4は、ケース体16の外部に配置されているため、ケース体16の内部にセンサ4の配置スペースを形成する必要がない。したがって、撮影用光学装置1を効果的に薄型化することができる。また、ケース体16の外部にセンサ4が配置されているため、駆動用コイル23に生じる熱がセンサ4に伝達されるのを抑制することができる。
本形態では、FPC10の、撮像素子3およびセンサ4が実装された部分は、基板取付部材13の上面に取り付けられている。また、基板取付部材13は、所定の剛性を有しており、ケース体16の外部に配置されるセンサ4の重量によって、FPC10の、撮像素子3およびセンサ4が実装された部分が変形するのを防止する機能を果たしている。そのため、ケース体16の外部にセンサ4が配置される場合であっても、可動モジュール12に搭載されるレンズ駆動装置2の動きにセンサ4を適切に追従させることができ、レンズ駆動装置2の傾きの変化をセンサ4で適切に検出することができる。したがって、本形態では、安定した振れ補正が可能になる。
本形態では、撮像素子3とセンサ4とがFPC10の上面に実装されている。そのため、1枚のFPC10に撮像素子3およびセンサ4を実装することができる。すなわち、撮像素子3を実装するための基板とセンサ4を実装するための基板とを共通のFPC10とすることができる。したがって、撮影用光学装置1の構成を簡素化することができる。
なお、本形態の場合、たとえば、撮影用光学装置1が搭載される携帯機器が所定位置から落下すると、落下時の衝撃が支点部19に集中しやすくなるが、本形態では、センサ4は、支点部19と光軸方向において重ならずに支点部19に対して右方向にずれた状態で配置されているため、携帯機器が落下した際の衝撃に起因するセンサ4の損傷を抑制することができる。
(実施の形態1の変形例)
上述した形態では、センサ4は、ケース体16の外部に配置されている。この他にもたとえば、図3に示すように、センサ4は、ケース体16の内部に配置されていても良い。
図3に示す例では、センサ4は、レンズ駆動装置2の光軸Lが通過する位置に配置される支点部19と光軸方向において重ならずに、支点部19に対してたとえば右方向にずれた状態で配置されている。また、センサ4の左端側は、レンズ駆動装置2の右端側の下側に配置され、センサ4の右端側は、レンズ駆動装置2の右端よりも右側へ突出している。すなわち、光軸方向において、センサ4の一部は、レンズ駆動装置2と重なるように配置されている。
また、図3に示す例では、センサ4を保持するセンサ保持部材31に、上述した形態の支点突起11aに相当する支点突起31aが形成されており、支点突起31aと係合凹部15bとによって支点部19が構成されている。また、センサ保持部材31は、レンズ駆動装置2またはカバー部材9の下端に固定されている。なお、図3では、上述した形態と同一の構成には、同一の符号を付している。
このように構成された図3の撮影用光学装置1では、センサ4が支点部19に対してたとえば右方向にずれた状態で配置されているため、可動モジュール12を薄型化することができ、撮影用光学装置1を薄型化することができる。また、この場合には、光軸方向において、センサ4の一部は、レンズ駆動装置2と重なるように配置されているため、左右方向で撮影用光学装置1を小型化することが可能になる。また、この場合には、光軸Lに直交する方向において、支点部19とセンサ4との距離を短くすることができるため、可動モジュール12が揺動する際にセンサ4にかかるモーメントを小さくすることができる。したがって、可動モジュール12に搭載されるレンズ駆動装置2の動きにセンサ4をより適切に追従させることができ、センサ4によってレンズ駆動装置2の傾きの変化をより適切に検出することができる。
[実施の形態2]
図4は、本発明の実施の形態2にかかる撮影用光学装置51の平面図である。図5は、図4のF−F断面の断面図である。なお、以下の説明では、実施の形態1と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略または簡略化する。また、以下の説明では、実施の形態1と同様に、互いに直交する3方向のそれぞれをX方向、Y方向およびZ方向とする。また、図4、図5のX1方向側を「右」側、X2方向側を「左」側、Y1方向側を「前」側、Y2方向側を「後(後ろ)」側、Z1方向側を「上」側、Z2方向側を「下」側とする。
本形態の撮影用光学装置51は、実施の形態1の撮影用光学装置1と同様に、携帯電話等の携帯機器に搭載される小型かつ薄型のカメラであり、全体として略直方体状に形成されている。この撮影用光学装置51は、図4、図5に示すように、レンズ駆動装置2と、センサ4と、揺動駆動機構6と、レンズ駆動装置2を支持する支持体55とを備えている。なお、実施の形態1と同様に、本形態でも、上下方向は、レンズ駆動装置2が揺動していないときの撮影用光学装置51の光軸方向と一致する。
支持体55は、撮影用光学装置51の下面を構成するベース体65と、撮影用光学装置51の前後および左右の外周面を構成するケース体66と、駆動用コイル23を保持するコイル保持部材64とを備えている。
レンズ駆動装置2の前後および左右の側面は、下端が開口する底付きの略四角筒状に形成されたカバー部材59に覆われている。具体的には、レンズ駆動装置2の前後の側面および左側面は、カバー部材59の内周面との間にわずかな隙間をあけた状態で、カバー部材59に覆われている。一方、レンズ駆動装置2の右側面とカバー部材59の右内周面との間には所定の空間が形成されており、この空間を介して、レンズ駆動装置2の右側面は、カバー部材59の右内周面に覆われている。
カバー部材59は、磁性材料で形成されている。上端側に配置されるカバー部材59の底部には、円形の貫通孔59aが形成されている。また、カバー部材59の下端には、前後方向の外側および左右方向の外側に向かって広がる鍔部59bが形成されている。また、カバー部材59の右側面には、センサ4を配置するための切欠溝59cが形成されている。この切欠溝59cは、カバー部材59の下端から上側に向かって窪むようにカバー部材59の右側面に形成されている。カバー部材59の前後および左右の側面のそれぞれには、駆動用磁石21が固定されている。
センサ4は、レンズ駆動装置2の右側に配置されている。具体的には、センサ4の左端側は、左右方向におけるカバー部材59の右側面の内側に配置されるとともに、センサ4の右端側は、カバー部材59の右側面よりも右側に突出している。より具体的には、センサ4の中心Cは、左右方向におけるカバー部材59の右側面の内側に配置されており、センサ4の大半部分は、左右方向におけるカバー部材59の右側面の内側に配置されている。また、センサ4は、ケース体66の内部に配置されている。なお、センサ4の左端側の一部は、切欠溝59cの中に配置されている。
センサ4には、フレキシブルプリント基板(FPC)60が接続されている。このFPC60は、撮像素子3にも接続されている。FPC60には、揺動駆動機構6を駆動するためのドライバIC63が実装されている。また、FPC60は、撮影用光学装置51の下端側で引き回されて、たとえば、撮影用光学装置51の右側面から引き出されている。なお、ドライバIC63は、レンズ駆動装置2の右側面とカバー部材59の右内周面との間に形成される空間の中に配置されている。
また、センサ4の下面側は、略矩形の板状に形成された板状部材71に覆われている。板状部材71は、カバー部材59の鍔部59bの下面に取り付けられている。具体的には、鍔部59bの下面に当接する板状部材71と鍔部59bの上面に当接する板状部材72とが鍔部59bを挟んだ状態で互いに固定されている。板状部材72は、略矩形の板状に形成されている。板状部材71、72の中心部分には、レンズ駆動装置2の下端側が配置される配置孔が形成されている。また、板状部材72の右端側には、センサ4を配置するための配置溝が形成されている。この配置溝は、板状部材72の中心部分に形成される上述の配置孔から右端まで形成されている。
板状部材71の下側には、略矩形の板状に形成された下カバー部材73が固定されている。また、下カバー部材73の下面には、後述の支点突起65aが当接する平面状の当接面61aが形成される当接部材61が固定されている。
本形態では、レンズ駆動装置2とセンサ4とカバー部材59と当接部材61と板状部材71、72と下カバー部材73とが、支持体55に揺動可能に支持されている。すなわち、本形態では、レンズ駆動装置2、センサ4、カバー部材59、当接部材61、板状部材71、72および下カバー部材73によって、支持体55に対して揺動可能な可動モジュール62が構成されている。
支持体55は、上述のように、ベース体65とケース体66とコイル保持部材64とを備えている。ベース部材65には、可動モジュール62を揺動可能に支持する板バネ67が固定されている。
ベース体65は、略矩形の平板状に形成されている。このベース体65の略中心には、可動モジュール62の揺動の支点となる支点突起65aが上側に向かって突出するように形成されている。すなわち、本形態では、可動モジュール62の下側に可動モジュール62の揺動の支点が配置されている。この支点突起65aは、たとえば、半球面状に形成されており、当接部材61の当接面61aに当接している。本形態では、支点突起65aと当接面61aとによって、レンズ駆動装置2の揺動中心となる支点部69が構成されている。
支点部69は、光軸方向から見たときに、可動モジュール62の略中心位置に配置されている。また、本形態では、支点部69は、光軸方向において、センサ4と重ならないように配置されている。具体的には、支点部69は、センサ4よりも左側に配置されている。なお、本形態では、レンズ駆動装置2の光軸Lは、可動モジュール62の中心からずれている。すなわち、本形態では、レンズ駆動装置2の光軸Lからずれた位置に支点部69が配置されている。
ケース体66は、下端が開口する底付きの略四角筒状に形成されている。上端側に配置されるケース体66の底部には、略矩形状の貫通孔66aが形成されている。このケース体66の下端側には、ベース体65が固定されている。本形態のケース体66は、非磁性の金属材料で形成されている。
コイル保持部材64は、たとえば、絶縁性の樹脂で形成されている。また、コイル保持部材64は、ケース体66の側面と略平行な4個の側面を有する略四角筒状に形成されている。このコイル保持部材64は、ケース体66の内周面に固定されている。コイル保持部材64の4個の側面のそれぞれには、駆動用コイル23が配置される配置孔64aが形成されている。配置孔64aは、コイル保持部材64の側面を貫通するように形成されている。
板バネ67は、全体として略長方形状に形成されている。板バネ67の四隅は、ベース体65に固定されている。また、板バネ67の中心部には、可動モジュール62の下端側(具体的には、板状部材71の下面)が固定されている。すなわち、板バネ67は、可動モジュール62を保持する保持部と、支持体55に固定される固定部と、保持部と固定部とを繋ぐバネ部とを備えている。
なお、板バネ67は、当接部材61の当接面61aとベース体65の支点突起65aとを確実に当接させるための与圧が発生するように(すなわち、可動モジュール62を下方向へ付勢する付勢力が発生するように)、撓んだ状態でベース体65に固定されている。
駆動用磁石21は、カバー部材59の前後の側面および左右の側面のそれぞれに1個ずつ固定されており、ケース体66の内部に配置されている。また、駆動用磁石21は、レンズ駆動装置2とともに揺動する。上述のように、カバー部材59は、磁性材料で形成されており、カバー部材59は、駆動用磁石21のバックヨークの機能を果たしている。
実施の形態1と同様に、カバー部材59の左右の側面に固定される駆動用磁石21は、駆動用磁石21の右面に形成される磁極と左面に形成される磁極とが異なるように着磁されている。また、カバー部材59の左右の側面に固定される駆動用磁石21は、左右方向における第1磁石片21aの外側面に形成される磁極と第2磁石片21bの外側面に形成される磁極とが異なるように着磁されている。
同様に、カバー部材59の前後の側面に固定される駆動用磁石21は、駆動用磁石21の前面に形成される磁極と後面に形成される磁極とが異なるように着磁されている。また、カバー部材59の前後の側面に固定される駆動用磁石21は、前後方向における第1磁石片21aの外側面に形成される磁極と第2磁石片21bの外側面に形成される磁極とが異なるように着磁されている。
駆動用コイル23は、コイル保持部材64の前後の側面および左右の側面のそれぞれに1個ずつ固定されている。
図5に示すように、駆動用磁石21と駆動用コイル23とは所定の隙間をあけた状態で対向配置されている。具体的には、支点部69を支点として可動モジュール62が揺動しても、駆動用磁石21と駆動用コイル23とが接触しないように、駆動用磁石21と駆動用コイル23とが所定の隙間をあけた状態で対向配置されている。なお、実施の形態1と同様に、本形態でも、駆動用コイル23に電流が供給されていないときには、図5に示すように、可動モジュール62は、支持体55に対して傾いていない中立位置にある。
本形態では、図5に示すように、可動モジュール62が中立位置にあるときに、コイル保持部材64の左右の側面に固定される駆動用コイル23の左右方向の内側面は、上方向に向かうにしたがって左右方向の外側へ緩やかに広がるように傾斜している。同様に、可動モジュール62が中立位置にあるときに、コイル保持部材64の前後の側面に固定される駆動用コイル23の前後方向の内側面は、上方向に向かうにしたがって前後方向の外側へ緩やかに広がるように傾斜している。
また、実施の形態1と同様に、本形態でも、図5に示すように、上下方向における駆動用コイル23の中心位置が第1磁石片21aと第2磁石片21bとの当接面よりも上側に配置されるように、駆動用磁石21と駆動用コイル23とが対向配置されている。
また、実施の形態1と同様に、本形態でも、左右方向で対向配置される駆動用磁石21と駆動用コイル23とによって、前後方向を揺動の軸方向として可動モジュール62を揺動させる(すなわち、Y軸回りに可動モジュール62を揺動させる)駆動力が発生する。また、前後方向で対向配置される駆動用磁石21と駆動用コイル23によって、左右方向を揺動の軸方向として可動モジュール62を揺動させる(すなわち、X軸回りに可動モジュール62を揺動させる)駆動力が発生する。
以上のように構成された撮影用光学装置51では、センサ4でレンズ駆動装置2の傾きの変化が検出されると(すなわち、レンズ駆動装置2の振れ(振動)が検出されると)、センサ4での検出結果に基づいて、駆動用コイル23に電流が供給され、可動モジュール62が支点部69を中心にして光軸Lを傾けるように揺動して、振れが補正される。なお、本形態では、支点部69と、揺動駆動機構6と、板バネ67とによって、支持体55に対してレンズ駆動装置2の光軸Lが傾くように可動モジュール62を揺動させて(すなわち、レンズ駆動装置2を揺動させて)振れ(手振れ)を補正する振れ補正機構(手振れ補正機構)が構成されている。
また、以上のように構成された撮影用光学装置51では、実施の形態1の撮影用光学装置1と同様に、安定した振れ補正が可能になる。また、撮影用光学装置51では、センサ4と支点部69とが光軸方向において重なっていないため、実施の形態1と同様に、可動モジュール62にセンサ4が搭載される場合であっても、可動モジュール62を薄型化することができる。特に、撮影用光学装置51では、実施の形態1と同様に、光軸方向において、レンズ駆動装置2とセンサ4とが重なっていないため、可動モジュール62にセンサ4が搭載される場合であっても、可動モジュール62をより薄型化することができる。
また、撮影用光学装置51では、センサ4がケース体66の内部に配置されるとともに、センサ4の大半部分は、カバー部材59の内部に配置されているため、光軸Lに直交する方向において、支点部69とセンサ4との距離を短くすることができる。したがって、可動モジュール62が揺動する際にセンサ4にかかるモーメントを小さくすることができる。その結果、可動モジュール62に搭載されるレンズ駆動装置2の動きにセンサ4をより適切に追従させることができ、センサ4によってレンズ駆動装置2の傾きの変化をより適切に検出することができる。
[他の実施の形態]
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
上述した実施の形態2では、センサ4の中心Cは、左右方向におけるカバー部材59の右側面の内側に配置されており、センサ4の大半部分は、左右方向におけるカバー部材59の右側面の内側に配置されている。この他にもたとえば、センサ4の中心Cが左右方向におけるカバー部材59の右側面の外側に配置されるとともに、センサ4の大半部分が、左右方向におけるカバー部材59の右側面の外側に配置されても良い。また、センサ4の全体が、左右方向におけるカバー部材59の右側面の内側に配置されても良い。また、センサ4の全体が、カバー部材59の右側面とケース体66の右側面との間に配置されても良い。すなわち、センサ4は、光軸Lに直交する方向において、カバー部材59とケース体66との間に配置されても良い。
上述した実施の形態1では、支点部材11に支点突起11aが形成され、ベース体15に係合凹部15bが形成されている。この他にもたとえば、ベース体15に支点突起が形成され、この支点突起と係合する係合凹部が支点部材11に形成されても良い。また、上述した実施の形態2では、ベース体65に支点突起65aが形成され、当接部材61に支点突起65aが当接する当接面61aが形成されているが、当接部材61に支点突起が形成され、ベース体65にこの支点突起が当接する当接面が形成されても良い。
上述した形態では、撮像素子3およびセンサ4が実装される基板は、柔軟性を有するFPC10、60であるが、撮像素子3およびセンサ4が実装される基板は、ガラスエポキシ材等で形成される剛性の高い基板であっても良い。
上述した形態では、駆動用磁石21は、第1磁石片21aと第2磁石片21bとの2個の磁石片によって構成されている。この他にもたとえば、駆動用磁石21は、1個の磁石片によって構成されても良い。この場合には、駆動用磁石21の両面のそれぞれにおいて、光軸方向で重なる2極の磁極が形成されるように、1個の磁石片が着磁される。
上述した実施の形態1では、駆動用磁石21がカバー部材9に取り付けられ、駆動用コイル23がケース体16に取り付けられている。この他にもたとえば、駆動用磁石21がケース体16に取り付けられ、駆動用コイル23がカバー部材9に取り付けられても良い。同様に、上述した実施の形態2では、駆動用磁石21がカバー部材59に取り付けられ、駆動用コイル23がコイル保持部材64に取り付けられているが、駆動用磁石21がケース体66に取り付けられ、駆動用コイル23がカバー部材59に取り付けられても良い。
上述した形態では、撮影用光学装置1、51は、携帯電話等の携帯機器に搭載されている。この他にもたとえば、自動車の運転状況を記録するドライブレコーダに、撮影用光学装置1、51が搭載されても良い。この場合には、走行時の自動車の振動等に起因して、センサ4でレンズ駆動装置2の傾きの変化が検出されると(すなわち、レンズ駆動装置2の振れ(振動)が検出されると)、センサ4での検出結果に基づいて、駆動用コイル23に電流が供給され、可動モジュール12、62が支点部19、69を中心に揺動して、振れが補正される。また、撮影用光学装置1、51は、監視カメラ等のその他の装置に搭載されても良い。
本発明において、撮影用光学装置は、撮像素子とセンサとが同一面に実装される基板を備えることが好ましい。このように構成すると、撮像素子用の基板とセンサ用の基板とを共通にすることができるため、撮影用光学装置の構成を簡素化することが可能になる。また、本発明において、撮影用光学装置は、支持体と可動モジュールとを繋ぐ板バネを備え、板バネは、光軸方向において、支点部側へ可動モジュールを付勢していることが好ましい。また、本発明において、可動モジュールは、光軸方向から見たときに略四角形状に形成され、手振れ補正機構または振れ補正機構は、駆動用磁石と駆動用コイルとを備え、光軸方向に平行な可動モジュールの4つの側面のそれぞれに、駆動用磁石または駆動用コイルのいずれか一方が固定され、駆動用磁石または駆動用コイルのいずれか他方が駆動用磁石または駆動用コイルのいずれか一方に対向配置されていることが好ましい。

Claims (10)

  1. レンズと撮像素子と前記レンズを駆動するレンズ駆動機構とを搭載したレンズ駆動装置を有する可動モジュールと、前記可動モジュールを支持する支持体と、前記支持体に対して前記レンズ駆動装置の光軸が傾くように前記可動モジュールを揺動させて手振れを補正する手振れ補正機構とを備え、
    前記可動モジュールは、前記レンズ駆動装置の傾きの変化を検出するためのセンサを備え、
    前記手振れ補正機構は、前記可動モジュールの揺動中心となる支点部を備え、
    前記センサは、前記レンズ駆動装置の光軸方向において前記支点部と重ならずに、前記支点部に対して前記光軸に直交する方向にずれた状態で配置されていることを特徴とする撮影用光学装置。
  2. レンズと撮像素子と前記レンズを駆動するレンズ駆動機構とを搭載したレンズ駆動装置を有する可動モジュールと、前記可動モジュールを支持する支持体と、前記支持体に対して前記レンズ駆動装置の光軸が傾くように前記可動モジュールを揺動させて振れを補正する振れ補正機構とを備え、
    前記可動モジュールは、前記レンズ駆動装置の傾きの変化を検出するためのセンサを備え、
    前記振れ補正機構は、前記可動モジュールの揺動中心となる支点部を備え、
    前記センサは、前記レンズ駆動装置の光軸方向において前記支点部と重ならずに、前記支点部に対して前記光軸に直交する方向にずれた状態で配置されていることを特徴とする撮影用光学装置。
  3. 前記撮影用光学装置の外周面を構成するケース体を備え、
    前記センサは、前記ケース体の内部に配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の撮影用光学装置。
  4. 前記レンズ駆動装置の外周面を覆うように配置されるカバー部材を備え、
    前記センサの少なくとも中心は、前記カバー部材の内部に配置されていることを特徴とする請求項3記載の撮影用光学装置。
  5. 前記センサは、前記カバー部材の内部に配置されていることを特徴とする請求項4記載の撮影用光学装置。
  6. 前記レンズ駆動装置の外周面を覆うように配置されるカバー部材を備え、
    前記センサは、前記光軸に直交する方向において、前記カバー部材と前記ケース体との間に配置されていることを特徴とする請求項3記載の撮影用光学装置。
  7. 前記レンズ駆動装置の外周面を覆うように配置されるカバー部材を備え、
    前記センサは、前記カバー部材の外部に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の撮影用光学装置。
  8. 前記撮影用光学装置の外周面を構成するケース体を備え、
    前記センサは、前記ケース体の外部に配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の撮影用光学装置。
  9. 前記センサが実装される基板を備え、
    前記可動モジュールは、前記基板が取り付けられるとともに前記センサの重量に起因する前記基板の変形を防止するための基板取付部材を備えることを特徴とする請求項8記載の撮影用光学装置。
  10. 前記撮像素子と前記センサとが同一面に実装される基板を備えることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の撮影用光学装置。
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