JPWO2010038846A1 - 顕微鏡システムおよび観察制御方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、操作性を向上させることができる顕微鏡システムに関する。
電動ズーム21は、サンプルを拡大する倍率を連続的に変更する。また、レボルバ24は、倍率の異なる複数の対物レンズを有し、観察光路内に配置される対物レンズを切り替えて、サンプルを拡大する倍率を断続的に変更する。制御部34は、電動ズーム21による倍率と、観察光路内に現在配置されている対物レンズの倍率とに基づいて、サンプルを観察する総合倍率を算出し、レボルバ24により観察光路内に配置される対物レンズが切り替えられる際に、対物レンズの切り替え後の総合倍率を、対物レンズの切り替え前の総合倍率に維持させる電動ズーム21の倍率である目標倍率を決定する。そして、電動ズーム制御部32が、目標倍率となるように電動ズーム21を制御する。本発明は、例えば、実体顕微鏡に適用できる。

Description

本発明は、顕微鏡システムに関し、特に、操作性を向上させることができるようにした顕微鏡システムに関する。
従来、顕微鏡において、サンプルを拡大して観察する総合倍率を変更する方式として、対物レンズを切り替える方式やズームレンズを利用した方式などの種々の方式が採用されている。
例えば、対物レンズを切り替える方式では、倍率の異なる複数の対物レンズを装着したレンズレボルバを利用して、観察光路内に挿入される対物レンズが切り替えられ、レンズレボルバを回転させるだけで倍率を断続的に変更することができる。また、ズームレンズを利用した方式では、ズームリング内のズームレンズを連続的に移動させることで、ズームレンズの可動範囲内であれば倍率をリニアに変更することができる。
また、レンズレボルバまたはズームレンズを備えた顕微鏡において、レンズレボルバの回転またはズームレンズの移動を電気的に駆動させることにより、顕微鏡の操作性を向上させることができる。
特に、生体試料などをそのままの状態で観察する実体顕微鏡では、対物レンズを切り替える方式と、ズームレンズを利用した方式とを併用した構成が用いられることが多く、倍率をリニアに変更することができるとともに、倍率の可変範囲を広くすることができる。
例えば、特許文献1には、対物レンズを電動で切り替える対物切替機構と、ズームレンズを移動させるズーム機構とを備えた顕微鏡システムが開示されている。
また、特許文献2には、レボルバが回転されたとき、レボルバの回転方向を検出して、切り替え後の対物レンズを予測する技術が開示されている。
特開2004−4856号公報 特開平5−341197号公報
上述したような、対物レンズを切り替える方式とズームレンズを利用した方式とを併用した構成の顕微鏡では、ズームレンズにより倍率を変更する際には、倍率がリニアに変更されるので、倍率の変更時にサンプルの観察位置を見失うことはない。これに対し、対物レンズにより倍率を変更する際には、倍率が大きく変更されるため、観察視野が大きく変化し、サンプルの観察位置を見失い易くなる。従って、このような顕微鏡は、操作に精通した熟練者でなければ、スムーズに扱うことは難しかった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、操作性を向上することができるようにするものである。
本発明の顕微鏡システムは、サンプルを拡大して観察する顕微鏡システムであって、前記サンプルを拡大する倍率を連続的に変更するズーム手段と、倍率の異なる複数の対物レンズを有し、観察光路内に配置される対物レンズを切り替えて、前記サンプルを拡大する倍率を断続的に変更する切替手段と、前記ズーム手段による倍率と、前記観察光路内に現在配置されている前記対物レンズの倍率とに基づいて、前記サンプルを観察する総合倍率を算出する総合倍率算出手段と、前記切替手段により前記観察光路内の前記対物レンズが切り替えられる際に、前記対物レンズの切り替え後の前記総合倍率を前記対物レンズの切り替え前の前記総合倍率に維持させるのに必要な前記ズーム手段の倍率(目標倍率)を決定するズーム倍率決定手段と、前記ズーム手段の倍率が、前記ズーム倍率決定手段により決定された前記目標倍率となるように、前記ズーム手段を制御するズーム制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明の顕微鏡システムにおいては、ズーム手段によりサンプルを拡大する倍率が連続的に変更され、倍率の異なる複数の対物レンズを有する切替手段により、観察光路内に配置される対物レンズが切り替えられて、サンプルを拡大する倍率が断続的に変更される。また、ズーム手段による倍率と、観察光路内に現在配置されている対物レンズの倍率とに基づいて、サンプルを観察する総合倍率が算出され、切替手段により観察光路内の対物レンズが切り替えられる際に、対物レンズの切り替え後の総合倍率を対物レンズの切り替え前の総合倍率に維持させるのに必要なズーム手段の倍率(目標倍率)が決定される。そして、ズーム手段の倍率が、ズーム倍率決定手段により決定された目標倍率となるように、ズーム手段が制御される。
本発明の顕微鏡システムによれば、操作性を向上させることができる。
本発明を適用した顕微鏡システムの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。 リモートコマンダ14を示す図である。 顕微鏡12の総合倍率を維持させる処理について説明する図である。 顕微鏡12の総合倍率を維持させる処理を説明するフローチャートである。 本発明を適用した顕微鏡システムの他の実施の形態の構成例を示すブロック図である。 顕微鏡12の総合倍率を維持させる処理を説明するフローチャートである。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明を適用した顕微鏡システムの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
図1において、顕微鏡システム11は、所定の倍率でサンプルを観察するための顕微鏡12、顕微鏡12の各部を制御するコントロールボックス13、ユーザによる顕微鏡12に対する操作をコントロールボックス13に入力するリモートコマンダ14、顕微鏡12を介してサンプルを撮像する撮像部15、および、撮像部15により撮像された画像などを表示する表示部16を備えて構成されている。
顕微鏡12は、電動ズーム21、センサ22、モータ駆動回路23、レボルバ24、ストップセンサ25、およびアドレスセンサ26を備えて構成されている。
電動ズーム21は、複数のズームレンズと、それらのズームレンズを駆動するモータ(いずれも図示せず)とを有しており、モータの駆動に従ってズームレンズの位置が変更することで、顕微鏡12の倍率をリニアに変更する。
センサ22は、ズームレンズの位置を示す信号を、コントロールボックス13の電動ズーム倍率検出部31に供給する。例えば、センサ22はポテンショメータなどからなり、電動ズーム21が有するズームレンズの移動に応じて、ポテンショメータの抵抗値が変化し、センサ22は、その抵抗値に従って電圧が変化するような信号、即ち、ズームレンズの位置を示す信号を出力する。
モータ駆動回路23は、後述するようにコントロールボックス13の電動ズーム制御部32から供給される制御信号に従って、電動ズーム21が有するズームレンズを移動させるための電力を電動ズーム21が有するモータに供給する。電動ズーム21では、モータ駆動回路23から供給される電力に応じてモータがズームレンズを移動させ、電動ズーム制御部32の制御に従った倍率となる位置にズームレンズが配置される。
レボルバ24には、倍率の異なる複数の対物レンズ(図示せず)が装着されており、ユーザがレボルバ24を回転させることにより、所望の倍率の対物レンズが観察光路内に挿入される。また、レボルバ24には、それぞれの対物レンズの装着箇所を識別するためのアドレスが設定されている。また、レボルバ24は、対物レンズを観察光路内の光軸上で停止させるためのクリックストップ機構を備えており、クリックストップ機構は、一定の力でレボルバ24を保持して回転を停止させ、対物レンズを光軸上に位置決めする。
ストップセンサ25は、対物レンズが光軸上に配置された状態でレボルバ24の回転が停止しているか否か、即ち、クリックストップ機構がレボルバ24を保持して回転を停止させ、対物レンズが光軸上に配置された状態となっているか否かを検出する。そして、ストップセンサ25は、レボルバ24の回転が停止しているか否かを示す信号を、コントロールボックス13のレボルバ位置検出部33に供給する。
アドレスセンサ26は、例えば、ホール素子などを備えて構成され、光軸上に配置されている対物レンズが装着されている装着箇所を識別するアドレスを検出する。
コントロールボックス13は、電動ズーム倍率検出部31、電動ズーム制御部32、レボルバ位置検出部33、および制御部34を備えて構成されている。
電動ズーム倍率検出部31には、ズームレンズの位置を示す信号がセンサ22から供給され、電動ズーム倍率検出部31は、ズームレンズの位置に基づいて電動ズーム21の倍率を求め、電動ズーム21の倍率を示す信号を制御部34に供給する。例えば、電動ズーム倍率検出部31には、ズームレンズの位置を示す信号(電圧値)と電動ズーム21の倍率とが対応付けられたテーブルが予め記憶されており、電動ズーム倍率検出部31は、そのテーブルを参照して、電動ズーム21の倍率を求める。
電動ズーム制御部32には、電動ズーム21の倍率の増大または減少を指示する信号が制御部34から供給され、電動ズーム制御部32は、その信号に従って、電動ズーム21のズームレンズを移動させる制御信号をモータ駆動回路23に供給する。
また、電動ズーム制御部32には、後述するように制御部34から目標倍率を示す信号が供給され、電動ズーム制御部32は、その信号に基づいて、電動ズーム21のズームレンズの移動量を求め、その移動量だけズームレンズを移動させる制御信号をモータ駆動回路23に供給する。これにより、モータ駆動回路23は、電動ズーム制御部32からの制御信号に従った電力を電動ズーム21のモータに供給して、目標倍率となる位置にズームレンズが配置させる。
レボルバ位置検出部33には、レボルバ24の回転が停止しているか否かを示す信号がストップセンサ25から供給され、レボルバ位置検出部33は、ストップセンサ25からの信号がレボルバ24の回転が停止していない状態から、レボルバ24の回転が停止した状態に変化したタイミングで、アドレスセンサ26が検出するレボルバ24のアドレスを読み出す。即ち、レボルバ位置検出部33は、ユーザがレボルバ24を回転させて対物レンズを切り替える際に、レボルバ24の回転が停止して光軸上に対物レンズが配置されると、その対物レンズが装着されている装着箇所を識別するレボルバ24のアドレスを、アドレスセンサ26を介して検出する。そして、レボルバ位置検出部33は、光軸上にある対物レンズの装着箇所を識別するアドレスを示す信号を制御部34に供給する。
制御部34は、CPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)などを備えて構成されており、CPUが、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードして実行することにより、コントロールボックス13の各部を制御する。
上述したように、制御部34には、電動ズーム21の倍率を示す信号が電動ズーム倍率検出部31から供給されるとともに、光軸上にある対物レンズの装着箇所を識別するアドレスを示す信号がレボルバ位置検出部33から供給され、制御部34は、それらの信号から顕微鏡12においてサンプルが拡大される総合倍率を算出する。
例えば、制御部34のRAMには、装着箇所のアドレスと対物レンズの倍率とが対応付けられて記憶されており、制御部34は、レボルバ位置検出部33からの信号により示されるアドレスに対応付けられている対物レンズの倍率と、電動ズーム21の倍率とを乗算した値を総合倍率として求める。
また、制御部34には、ユーザのリモートコマンダ14に対する操作に応じた操作信号がリモートコマンダ14から供給され、制御部34は、その操作信号に従って、電動ズーム21の倍率の増大または減少を指示する信号を電動ズーム制御部32に供給する。
ここで、図2を参照して、リモートコマンダ14について説明する。
図2には、リモートコマンダ14の斜視図が示されており、斜視図の下側には、リモートコマンダ14の底面図が示されている。
図2に示すように、リモートコマンダ14の正面には、ズームアップスイッチ41、ズームダウンスイッチ42、および機能切替スイッチ43が設けられており、リモートコマンダ14の底面には、倍率設定スイッチ44乃至46が設けられている。
ズームアップスイッチ41またはズームダウンスイッチ42は、電動ズーム21の倍率を変更させるときに操作される。
例えば、ユーザが、ズームアップスイッチ41を押し下げる操作をすると、リモートコマンダ14は、ズームアップスイッチ41が操作されたことを示す操作信号を制御部34に供給し、制御部34は、電動ズーム21の倍率の増大を指示する信号を電動ズーム制御部32に供給する。これにより、倍率を増大させる方向に電動ズーム21のズームレンズが移動し、顕微鏡12の総合倍率が増大される。
同様に、ユーザが、ズームダウンスイッチ42を押し下げる操作をすると、リモートコマンダ14は、ズームダウンスイッチ42が操作されたことを示す操作信号を制御部34に供給し、制御部34は、電動ズーム21の倍率の減少を指示する信号を電動ズーム制御部32に供給する。これにより、倍率を減少させる方向に電動ズーム21のズームレンズが移動し、顕微鏡12の総合倍率が減少される。
機能切替スイッチ43は、顕微鏡12の総合倍率を維持させる機能の有効または無効を切り替えるときに操作される。例えば、ユーザが、機能切替スイッチ43を操作して、顕微鏡12の総合倍率を維持する機能を有効にさせると、図4を参照して後述するような顕微鏡12の総合倍率を維持させる処理が実行される。
倍率設定スイッチ44乃至46は、レボルバ24に装着される対物レンズの倍率を設定するときに操作される。
レボルバ24には、例えば、3本の対物レンズを装着することができ、倍率設定スイッチ44は、アドレス1により識別される装着箇所に装着される対物レンズの倍率の設定に用いられる。また、倍率設定スイッチ45は、アドレス2により識別される装着箇所に装着される対物レンズの倍率の設定に用いられ、倍率設定スイッチ46は、アドレス3により識別される装着箇所に装着される対物レンズの倍率の設定に用いられる。
例えば、倍率設定スイッチ44乃至46は、ロータリスイッチにより構成され、ユーザは、レボルバ24のアドレス1乃至3により識別される装着箇所に装着されている対物レンズの倍率に従って、倍率設定スイッチ44乃至46のポジションをそれぞれ設定する。そして、例えば、コントロールボックス13の起動時に、制御部34は、倍率設定スイッチ44乃至46のポジションを読み出し、倍率設定スイッチ44乃至46に対応するアドレスと、それぞれから読み出したポジションに対応する倍率とを対応付けて記憶する。
このように制御部34には、装着箇所のアドレスと対物レンズの倍率とが対応付けられて記憶される。そして、制御部34は、例えば、レボルバ位置検出部33から供給される信号により示されているアドレスが、アドレス1である場合、アドレス1に対応付けて記憶している対物レンズの倍率と、電動ズーム21の倍率とを乗算して、顕微鏡12の総合倍率を算出する。
その後、例えば、ユーザが、レボルバ24を回転させて、アドレス2の装着箇所に装着されている対物レンズを観察光路内の光軸上に配置させると、レボルバ位置検出部33は、アドレス2を示す信号を制御部34に供給する。このとき、制御部34は、対物レンズを切り替える前の総合倍率と、切り替え後の対物レンズの倍率とに基づいて、切り替え後の総合倍率が、切り替え前の総合倍率を維持することができる(ほぼ同じ倍率となるような)電動ズーム21の倍率を、電動ズーム21の目標倍率として算出する。
そして、制御部34が、電動ズーム21の目標倍率を示す信号を電動ズーム制御部32に供給すると、電動ズーム制御部32は、その信号に基づいて、電動ズーム21のズームレンズの移動量を求め、その移動量だけズームレンズを移動させる制御信号をモータ駆動回路23に供給する。これにより、電動ズーム21の倍率が目標倍率に変更され、対物レンズの切り替え後の総合倍率が、対物レンズの切り替え前の総合倍率を維持することができる。
即ち、図3を参照して、顕微鏡12の総合倍率を維持させる処理について説明する。
図3には、電動ズーム21の倍率および対物レンズの倍率と、顕微鏡12の総合倍率との関係が示されている。図3に示すように、電動ズーム21は、0.7倍から15倍までを0.1倍ごとにリニアに倍率を変更することができる。レボルバ24には、3つの対物レンズが装着されており、アドレス1に0.5倍の対物レンズが装着され、アドレス2に1倍の対物レンズが装着され、アドレス3に2.5倍の対物レンズが装着されている。
制御部34は、次の式(1)を演算することにより顕微鏡12の現在の総合倍率を求めて記憶する。
総合倍率=電動ズームの倍率×対物レンズの倍率 ・・・(1)
例えば、現在、電動ズーム21の倍率が2倍であり、0.5倍の対物レンズ(アドレス1)が光軸上に配置されているとすると、制御部34は、顕微鏡12の現在の総合倍率として1倍を算出し記憶する。即ち、現在の総合倍率は、図3に示すように、電動ズーム21の倍率が2倍であり、かつ、対物レンズの倍率が0.5倍である升目C1に示されている1倍である。
そして、ユーザがレボルバ24を回転させて対物レンズの切り替えを行い、1倍の対物レンズ(アドレス2)が光軸上に配置されると、顕微鏡システム11では、顕微鏡12の総合倍率を維持させる処理が行われ、切り替え後の総合倍率は1倍となる。
即ち、制御部34は、1倍の対物レンズ(アドレス2)において、対物レンズの切り替え前の総合倍率である1倍を維持するために、電動ズーム21の倍率を1倍に変更させる。従って、切り替え後の総合倍率は、図3に示すように、電動ズーム21の倍率が1倍であり、かつ、対物レンズの倍率が1倍である升目C2に示されている1倍となる。
ここで、例えば、顕微鏡12の総合倍率を維持させる処理が行われなければ、電動ズーム21の倍率が2倍であるときに、0.5倍の対物レンズから1倍の対物レンズに切り替えられた場合、切り替え後の総合倍率は、図3に示すように、電動ズーム21の倍率が2倍であり、かつ、対物レンズの倍率が1倍である升目C3に示されている2倍となる。このように、総合倍率が大きく変化した場合、ユーザによっては、サンプルの観察位置を見失うことがあり、そのようなユーザにとって、顕微鏡の操作性は低いものである。
これに対し、顕微鏡システム11では、顕微鏡12の総合倍率を維持させる処理が行われるので、0.5倍の対物レンズから、1倍の対物レンズに切り替えられても、顕微鏡12の総合倍率は1倍のままであるので、ユーザが、サンプルの観察位置を見失うことはなく、顕微鏡システム11を容易に操作して観察を行うことができる。即ち、顕微鏡12の総合倍率を維持させる処理により、顕微鏡システム11の操作性が向上することになる。
また、電動ズーム21の倍率が1倍であり、1倍の対物レンズ(アドレス2)が光軸上に配置されているとき、即ち、顕微鏡12の総合倍率が1倍(升目C2)であるときに、ユーザがレボルバ24を回転させて対物レンズの切り替えを行い、2.5倍の対物レンズ(アドレス3)が観察光路内の光軸上に配置されたとする。例えば、顕微鏡12の総合倍率を維持させる処理が行われなければ、図3に示すように、切り替え後の総合倍率は、升目C4に示されている2.5倍となる。
ここで、顕微鏡システム11では、顕微鏡12の総合倍率を維持させる処理が行われるが、図3に示すように、2.5倍の対物レンズ(アドレス3)において総合倍率が1倍を維持するような電動ズーム21の倍率はない。つまり、2.5倍の対物レンズ(アドレス3)において総合倍率を1倍にするには、電動ズーム21の倍率を0.4倍にしなければならないが、電動ズーム21のズーム範囲の下限は0.7倍であるため総合倍率を1倍にすることができない。
このように、電動ズーム21の可変範囲外となって対物レンズの切り替え前後で顕微鏡12の総合倍率を一致させることができない場合、制御部34は、目標倍率を電動ズーム21の倍率の下限値である0.7倍に決定する。即ち、顕微鏡12において、対物レンズの切り替え前の総合倍率に最も近い総合倍率となるように、電動ズーム21の倍率を決定する。この場合、切り替え後の総合倍率は、図3に示すように、電動ズーム21の倍率が0.7倍であり、かつ、対物レンズの倍率が2.5倍である升目C5に示されている1.75倍となる。
なお、例えば、対物レンズの切り替え後に、電動ズーム21の倍率の上限値以上でなければ、顕微鏡12の総合倍率を維持させることができない場合には、制御部34は、目標倍率を電動ズーム21の倍率の上限値である15倍に決定する。
また、例えば、電動ズーム21の倍率が2.5倍であり、かつ、対物レンズの倍率が0.5倍である場合、顕微鏡12の総合倍率は1.25倍であり、このとき、対物レンズの倍率が1倍に切り替えられると、顕微鏡12の総合倍率は1.25倍と一致しない。この場合、制御部34は、切り替え前の総合倍率に最も近い倍率、即ち、1.25倍に最も近い1.2倍または1.3倍を、対物レンズの切り替え後の総合倍率として決定する。
次に、図4は、顕微鏡システム11が、顕微鏡12の総合倍率を維持させる処理を説明するフローチャートである。
例えば、顕微鏡システム11に電源が投入されてコントロールボックス13が起動すると処理が開始され、ステップS11において、制御部34は、リモートコマンダ14の倍率設定スイッチ44乃至46により設定されるレボルバ24に装着されている対物レンズの倍率を読み出す。そして、制御部34は、倍率設定スイッチ44乃至46に応じたアドレスと、倍率設定スイッチ44乃至46から読み出した倍率とをそれぞれ対応付けて記憶し、処理はステップS12に進む。
ステップS12において、レボルバ位置検出部33は、アドレスセンサ26を介して、光軸上に配置されている対物レンズが装着されている装着箇所を識別するアドレスを検出し、そのアドレスを示す信号を制御部34に供給する。
ステップS12の処理後、処理はステップS13に進み、電動ズーム倍率検出部31は、センサ22を介して電動ズーム21の倍率を検出し、電動ズーム21の倍率を示す信号を制御部34に供給して、処理はステップS14に進む。
ステップS14において、制御部34は、ステップS12でレボルバ位置検出部33から供給された信号により示されるアドレスに対応付けて記憶している対物レンズの倍率と、ステップS13で電動ズーム倍率検出部31から供給された信号により示される電動ズーム21の倍率とに基づいて、上述の式(1)を演算し、顕微鏡12の総合倍率を算出する。
ステップS14の処理後、処理はステップS15に進み、レボルバ位置検出部33は、ストップセンサ25を介して、レボルバ24の回転が開始されたか否かを判定する。
例えば、レボルバ位置検出部33は、ストップセンサ25からの信号が、レボルバ24の回転が停止していることを示している状態である場合には、レボルバ24の回転が開始されていないと判定し、レボルバ24の回転が停止していないことを示している状態に変化すると、レボルバ24の回転が開始されたと判定する。
ステップS15において、レボルバ位置検出部33が、レボルバ24の回転が開始されていないと判定した場合、処理はステップS16に進み、制御部34は、ユーザがリモートコマンダ14により電動ズーム21の倍率を変更するように操作したか否かを判定する。
ステップS16において、制御部34が、電動ズーム21の倍率を変更するように操作されていないと判定した場合、処理はステップS15に戻る。即ち、ステップS15でレボルバ24の回転が開始されたと判定されるか、または、ステップS16で電動ズーム21の倍率を変更するように操作されたと判定されるまで、処理は待機される。
一方、ステップS16において、制御部34が、電動ズーム21の倍率を変更するように操作されたと判定した場合、処理はステップS17に進み、制御部34は、リモートコマンダ14から供給される操作信号に基づいて、電動ズーム21の倍率の増大または減少を指示する信号を電動ズーム制御部32に供給する。電動ズーム制御部32は、その信号に基づき、モータ駆動回路23を介して電動ズーム21を制御し、これにより、電動ズーム21の倍率が増大または減少する。
ステップS17の処理後、処理はステップS13に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。なお、この場合、ステップS13では、ステップS17で変更された電動ズーム21の倍率が電動ズーム倍率検出部31により検出され、ステップS14では、変更後の電動ズーム21の倍率を用いて顕微鏡12の総合倍率が求められる。
一方、ステップS15において、レボルバ位置検出部33が、レボルバ24の回転が開始されたと判定した場合、処理はステップS18に進む。
ステップS18において、レボルバ位置検出部33は、ストップセンサ25を介して、レボルバ24の回転が停止したか否かを判定する。
例えば、ステップS15で、ストップセンサ25からの信号は、レボルバ24の回転が停止していないことを示しており、レボルバ位置検出部33は、その信号が、レボルバ24の回転が停止していることを示している状態に変化すると、レボルバ24の回転が停止したと判定する。
レボルバ位置検出部33は、レボルバ24の回転が停止したと判定するまで処理を待機し、レボルバ24の回転が停止したと判定した場合、処理はステップS19に進む。
ステップS19において、レボルバ位置検出部33は、アドレスセンサ26を介して、レボルバ24の回転後に光軸上に配置された対物レンズが装着されている装着箇所を識別するアドレスを検出し、そのアドレスを示す信号を制御部34に供給する。
ステップS19の処理後、処理はステップS20に進み、制御部34は、ステップS19でレボルバ位置検出部33から供給された信号に示されるアドレスに対応付けて記憶している対物レンズの倍率、即ち、切り替え後の対物レンズの倍率を読み出す。そして、制御部34は、切り替え後の対物レンズの倍率、および、対物レンズの切り替え前の顕微鏡12の総合倍率(即ち、直前のステップS14で算出した顕微鏡12の総合倍率)に基づいて、電動ズーム21の目標倍率を算出する。
即ち、制御部34は、図3を参照して説明したように、切り替え後の対物レンズの倍率において、対物レンズの切り替え前の顕微鏡12の総合倍率が維持されるように、電動ズーム21の目標倍率を求める。
ステップS20の処理後、処理はステップS21に進み、制御部34は、ステップS20で算出した電動ズーム21の目標倍率を示す信号を、電動ズーム制御部32に供給し、電動ズーム制御部32は、その信号に基づいて、モータ駆動回路23を介して電動ズーム21を制御する。電動ズーム21では、電動ズーム制御部32の制御に応じて、モータがズームレンズを駆動して、電動ズーム21の倍率が目標倍率に設定される。
ステップS21の処理後、処理はステップS13に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。なお、この場合、ステップS13では、ステップS21で変更された電動ズーム21の倍率が電動ズーム倍率検出部31により検出され、ステップS14では、変更後の電動ズーム21の倍率を用いて顕微鏡12の総合倍率が求められる。
以上のように、顕微鏡システム11では、対物レンズの切り替え前後で顕微鏡12の総合倍率を維持するので、ユーザが、サンプルの観察位置を見失うことはなく、その操作性を向上させることができる。
次に、図5は、本発明を適用した顕微鏡システムの他の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
図5に示されている顕微鏡システム11’において、図1の顕微鏡システム11と共通するブロックについては、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は、適宜省略する。
即ち、顕微鏡システム11’は、顕微鏡12、コントロールボックス13、リモートコマンダ14、撮像部15、および表示部16を備えており、顕微鏡12が、電動ズーム21、センサ22、モータ駆動回路23、レボルバ24、ストップセンサ25、およびアドレスセンサ26を備え、コントロールボックス13が、電動ズーム倍率検出部31、電動ズーム制御部32、および制御部34を備える点で、図1の顕微鏡システム11と共通する。
但し、顕微鏡システム11’では、顕微鏡12が、回転方向検出センサ51を備え、コントロールボックス13が、レボルバ位置および回転方向検出部52を備える点で、図1の顕微鏡システム11と異なっている。
回転方向検出センサ51は、例えば、レボルバ24に設けられる小型永久磁石と、顕微鏡12の本体に設けられるホール素子とにより構成され、ユーザがレボルバ24を手動で回転させると、レボルバ24の回転方向を検出し、レボルバ24の回転方向を示す信号を、コントロールボックス13のレボルバ位置および回転方向検出部52に供給する。
レボルバ位置および回転方向検出部52には、レボルバ24における対物レンズの装着箇所の位置関係と、それらを識別するアドレスとが記憶されている。レボルバ位置および回転方向検出部52は、回転方向検出センサ51からレボルバ24の回転方向を示す信号が供給されると、その信号と、レボルバ24における対物レンズの装着箇所の位置関係とに基づいて、光軸上に配置されていた対物レンズの装着箇所から、回転方向側の位置にある装着箇所の対物レンズ、即ち、レボルバ24の回転後に光軸上に配置される対物レンズを予測し、予測される対物レンズの装着箇所を識別するアドレスを示す信号を制御部34に供給する。
制御部34は、レボルバ位置および回転方向検出部52から供給される信号により示されるアドレスに対応付けて記憶している対物レンズの倍率を、光軸上に配置されることが予測される対物レンズの倍率として決定する。そして、制御部34は、予測される対物レンズの倍率と、対物レンズを切り替える前の総合倍率とに基づいて、電動ズーム21の目標倍率を算出する。
即ち、制御部34は、レボルバ24の回転が開始されると、その回転が停止される前に、回転方向に基づいて予測される対物レンズの倍率に基づいて、電動ズーム21の目標倍率を算出する。さらに、制御部34は、レボルバ24の回転が停止される前に、予測に基づく電動ズーム21の目標倍率を示す信号を電動ズーム制御部32に供給して、電動ズーム21の倍率を、目標倍率に設定する。
その後、ストップセンサ25を介してレボルバ24の回転の停止が検出されると、制御部34は、実際に光軸上に配置されている対物レンズを、アドレスセンサ26を介して確認する。このとき、制御部34は、予測した対物レンズが、実際に光軸上に配置されている対物レンズと一致していなければ、実際に光軸上に配置されている対物レンズの倍率に基づいて、再度、目標倍率を算出して電動ズーム21の倍率を設定し直す。これにより、顕微鏡12の総合倍率が修正される。
次に、図6は、顕微鏡システム11’が、顕微鏡12の総合倍率を維持させる処理を説明するフローチャートである。
図6のフローチャートにおいて、ステップS31乃至ステップS37の処理は、図4のステップS11乃至17の処理と同様に処理が行われる。
そして、ステップS35において、レボルバ位置検出部33が、レボルバ24の回転が開始されたと判定した場合、処理はステップS38に進み、回転方向検出センサ51は、レボルバ24の回転方向を検出する。回転方向検出センサ51は、レボルバ24の回転方向を示す信号を、レボルバ位置および回転方向検出部52に供給し、処理はステップS39に進む。
ステップS39において、レボルバ位置および回転方向検出部52は、回転方向検出センサ51からの信号に基づいて、レボルバ24の回転後に光軸上に配置される対物レンズを予測する。即ち、レボルバ位置および回転方向検出部52は、レボルバ24における対物レンズの装着箇所の位置関係に基づいて、回転方向にある装着箇所に装着されている対物レンズが、回転後に光軸上に配置されると予測し、その装着箇所を識別するアドレスを示す信号を制御部34に供給し、処理はステップS40に進む。
ステップS40において、制御部34は、ステップS39でレボルバ位置および回転方向検出部52から供給された信号により示されるアドレスに対応付けて記憶している対物レンズの倍率、即ち、予測される対物レンズの倍率を読み出す。そして、制御部34は、予測される対物レンズの倍率、および、対物レンズの切り替え前の顕微鏡12の総合倍率(即ち、直前のステップS34で算出した顕微鏡12の総合倍率)に基づいて、顕微鏡12の総合倍率が維持されるように、電動ズーム21の目標倍率を算出する。
ステップS40の処理後、処理はステップS41に進み、制御部34は、ステップS40で算出した電動ズーム21の目標倍率を示す信号を、電動ズーム制御部32に供給し、電動ズーム制御部32は、その信号に基づいて、モータ駆動回路23を介して電動ズーム21を制御する。電動ズーム21では、電動ズーム制御部32の制御に応じて、モータがズームレンズを駆動して、電動ズーム21の倍率が目標倍率に設定され、処理はステップS42に進む。
ステップS42において、レボルバ位置検出部33は、ストップセンサ25を介して、レボルバ24の回転が停止したか否かを判定し、レボルバ24の回転が停止したと判定するまで処理を待機する。そして、レボルバ24の回転が停止したと判定された場合、処理はステップS43に進む。
ステップS43において、レボルバ位置および回転方向検出部52は、アドレスセンサ26を介して、光軸上に配置されている対物レンズが装着されている装着箇所を識別するアドレスを検出し、そのアドレスを示す信号を制御部34に供給する。そして、制御部34は、ステップS39で対物レンズが正しく予測されたか否か、即ち、予測された対物レンズと、光軸上に実際に配置されている対物レンズとが一致しているか否かを判定する。
例えば、制御部34は、直前のステップS39でレボルバ位置および回転方向検出部52から供給された信号に基づくレボルバ24のアドレスと、ステップS43でレボルバ位置および回転方向検出部52から供給された信号に基づくレボルバ24のアドレスとが一致していれば、対物レンズが正しく予測されたと判定する。一方、制御部34は、それらのアドレスが一致していなければ、対物レンズが正しく予測されていないと判定する。
ステップS44において、制御部34が、対物レンズが正しく予測されたと判定した場合、処理はステップS33に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
一方、ステップS44において、制御部34が、対物レンズが正しく予測されていないと判定した場合、処理はステップS45に進み、制御部34は、光軸上に実際に配置されている対物レンズの倍率を用いて、電動ズーム21の目標倍率を算出する。
ステップS45の処理後、処理はステップS46に進み、制御部34は、ステップS45で算出した電動ズーム21の目標倍率を示す信号を、電動ズーム制御部32に供給し、電動ズーム制御部32は、その信号に基づいて、モータ駆動回路23を介して電動ズーム21を制御する。電動ズーム21では、電動ズーム制御部32の制御に応じて、モータがズームレンズを駆動して、電動ズーム21の倍率が目標倍率に設定される。
ステップS46の処理後、処理はステップS33に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
以上のように、顕微鏡システム11’では、レボルバ24の回転が検出された時点で、レボルバ24の回転方向に基づいて予測される対物レンズに応じて電動ズーム21を制御するので、レボルバ24の回転が停止されてから電動ズーム21を制御する場合よりも、顕微鏡12の総合倍率を迅速に調整することができる。これにより、対物レンズの切り替え時に、ユーザの待機時間を短縮することができ、操作性をより向上させることができる。
また、例えば、ユーザが、レボルバ24をある方向に回転させた後に、その方向の対物レンズが光軸上に配置される前に他の方向に回転させた場合などには、制御部34が、光軸上に配置される対物レンズを正確に予測できないことがある。このような場合でも、顕微鏡システム11’では、対物レンズの予測が正しくない場合には、光軸上に実際に配置されている対物レンズに基づいて電動ズーム21の倍率を修正するので、回転方向に基づく対物レンズの予測が間違っていたとしても、顕微鏡12の総合倍率を確実に維持することができる。
なお、顕微鏡システム11では、制御部34が、表示部16による画像の表示を制御することができる。表示部16には、顕微鏡12を介して撮像部15により撮像された画像が表示され、制御部34は、レボルバ24の回転が開始されてから、レボルバ24の回転が停止されるまで、表示部16が画像の表示を停止するように制御する。
例えば、図4のフローチャートのステップS15(または、図6のステップS35)において、レボルバ位置検出部33が、レボルバ24の回転が開始されたと判定した場合、制御部34は、その回転の直前に表示部16を制御して、撮像部15により撮像中の画像(ライブ画像)画像の表示を停止させ、例えば、黒一色の画像を表示させたり、レボルバの回転の直前に撮像された画像を表示させ続けたりする。その後、図4のフローチャートのステップS21(または、図6のステップS46)において、電動ズーム21の倍率が目標倍率に設定された後、制御部34は、表示部16を制御してライブ画像の表示を再開させる。
このように、制御部34が、表示部16による画像の表示を制御することにより、対物レンズの切り替え時に、電動ズーム21の倍率を変更している途中の画像が表示部16に表示されることが回避される。これにより、対物レンズの切り替え前後で顕微鏡12の総合倍率が維持された画像が表示部16に表示されるので、変更中の画像が表示される場合よりも、サンプルを見失い難くなる。つまり、電動ズーム21により倍率が変更中で、対物レンズの切り替え前後の倍率とは異なる倍率の画像が一時的に表示部16に表示される場合よりも、ユーザが、サンプルを見失い難くなるので観察に集中することができ、よりスムーズに観察を行うことができる。
さらに、例えば、制御部35は、ライブ画像の表示を停止している間(例えば、黒一色の画像を表示したり、レボルバの回転の直前の画像を表示し続けている間)、表示部16の端部に、電動ズーム21の倍率が変更中である旨のメッセージを表示してもよい。これにより、ユーザが、ライブ画像の表示が停止している理由を把握することができ、ライブ画像の表示が停止することにより感じる違和感を軽減することができる。
なお、本実施の形態においては、顕微鏡12とコントロールボックス13とが別々に構成されているが、コントロールボックス13が顕微鏡12に組み込まれていてもよい。
また、リモートコマンダ14を用いて電動ズーム21の倍率を変更させる操作を行う他、例えば、コントロールボックス13にRS232CやUSBなどの通信機能を備えさせ、コントロールボックス13とパーソナルコンピュータとを接続させて、パーソナルコンピュータからの通信コマンドにより、コントロールボックス13に各種の操作を指示することができる。
なお、図2に示すように、リモートコマンダ14は機能切替スイッチ43を備えており、ユーザは、機能切替スイッチ43を操作して、適宜、顕微鏡12の総合倍率を維持させる機能を無効にすることができる。このように、顕微鏡12の総合倍率を維持させる機能を切り替えることで、例えば、熟練者などは、よりスムーズに顕微鏡システム11を操作することができる。
また、レボルバ24の回転を検出するために、例えば、ロータリーエンコーダを用いることができる。ロータリーエンコーダによりレボルバ24の回転を検出することにより、ホール素子などを用いたセンサよりも、レボルバ24の回転を確実に検出することができる。これにより、対物レンズの予測が正確に行われるため、例えば、レボルバ24の回転が停止された後の修正を行う処理を行う必要がなくなる。
なお、上述のフローチャートを参照して説明した各処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。また、プログラムは、1つのCPUにより処理されるものであっても良いし、複数のCPUによって分散処理されるものであっても良い。さらに、制御部34のCPUが実行するプログラムは、適宜、制御部34が有するメモリにダウンロードして更新することができる。
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
11 顕微鏡システム, 12 顕微鏡, 13 コントロールボックス, 14 リモートコマンダ, 15 撮像部, 16 表示部, 21 電動ズーム, 22 センサ, 23 モータ駆動回路, 24 レボルバ, 25 ストップセンサ, 26 アドレスセンサ, 31 電動ズーム倍率検出部, 32 電動ズーム制御部, 33 レボルバ位置検出部, 34 制御部, 41 ズームアップスイッチ, 42 ズームダウンスイッチ, 43 機能切替スイッチ, 44乃至46 倍率設定スイッチ, 51 回転方向検出センサ, 52 レボルバ位置および回転方向検出部
本発明は、顕微鏡システムおよび観察制御方法に関し、特に、操作性を向上させることができるようにした顕微鏡システムおよび観察制御方法に関する。
従来、顕微鏡において、サンプルを拡大して観察する総合倍率を変更する方式として、対物レンズを切り替える方式やズームレンズを利用した方式などの種々の方式が採用されている。
例えば、対物レンズを切り替える方式では、倍率の異なる複数の対物レンズを装着したレンズレボルバを利用して、観察光路内に挿入される対物レンズが切り替えられ、レンズレボルバを回転させるだけで倍率を断続的に変更することができる。また、ズームレンズを利用した方式では、ズームリング内のズームレンズを連続的に移動させることで、ズームレンズの可動範囲内であれば倍率をリニアに変更することができる。
また、レンズレボルバまたはズームレンズを備えた顕微鏡において、レンズレボルバの回転またはズームレンズの移動を電気的に駆動させることにより、顕微鏡の操作性を向上させることができる。
特に、生体試料などをそのままの状態で観察する実体顕微鏡では、対物レンズを切り替える方式と、ズームレンズを利用した方式とを併用した構成が用いられることが多く、倍率をリニアに変更することができるとともに、倍率の可変範囲を広くすることができる。
例えば、特許文献1には、対物レンズを電動で切り替える対物切替機構と、ズームレンズを移動させるズーム機構とを備えた顕微鏡システムが開示されている。
また、特許文献2には、レボルバが回転されたとき、レボルバの回転方向を検出して、切り替え後の対物レンズを予測する技術が開示されている。
特開2004−4856号公報 特開平5−341197号公報
上述したような、対物レンズを切り替える方式とズームレンズを利用した方式とを併用した構成の顕微鏡では、ズームレンズにより倍率を変更する際には、倍率がリニアに変更されるので、倍率の変更時にサンプルの観察位置を見失うことはない。これに対し、対物レンズにより倍率を変更する際には、倍率が大きく変更されるため、観察視野が大きく変化し、サンプルの観察位置を見失い易くなる。従って、このような顕微鏡は、操作に精通した熟練者でなければ、スムーズに扱うことは難しかった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、操作性を向上することができるようにするものである。
本発明の顕微鏡システムは、サンプルを拡大して観察する顕微鏡システムであって、前記サンプルを拡大する倍率を連続的に変更するズームと、倍率の異なる複数の対物レンズを有し、観察光路内に配置される対物レンズを切り替えて、前記サンプルを拡大する倍率を断続的に変更する切替と、記切替により前記観察光路内の前記対物レンズが切り替えられる際に、前記対物レンズの切り替え後の総合倍率を前記対物レンズの切り替え前の総合倍率に維持させるのに必要な前記ズームの倍率(目標倍率)を決定するズーム倍率決定と、前記ズームの倍率が、前記ズーム倍率決定により決定された前記目標倍率となるように、前記ズームを制御するズーム制御とを備えることを特徴とする。
本発明の観察制御方法は、倍率を連続的に変更するズーム部と、倍率の異なる複数の対物レンズとを有し、サンプルを拡大して観察する顕微鏡の観察制御方法であって、前記サンプルを拡大する倍率を断続的に変更するために、観察光路内に配置される対物レンズを切り替え、前記観察光路内の前記対物レンズが切り替えられる際に、前記対物レンズの切り替え後の総合倍率を前記対物レンズの切り替え前の総合倍率に維持させるのに必要な前記ズーム部の倍率(目標倍率)を決定し、前記ズーム部の倍率が、決定された前記目標倍率となるように制御するステップを含むことを特徴とする。
本発明の顕微鏡システムおよび観察制御方法においては、ズームによりサンプルを拡大する倍率が連続的に変更され、観察光路内に配置される対物レンズが切り替えられて、サンプルを拡大する倍率が断続的に変更される。観察光路内の対物レンズが切り替えられる際に、対物レンズの切り替え後の総合倍率を対物レンズの切り替え前の総合倍率に維持させるのに必要なズームの倍率(目標倍率)が決定される。そして、ズームの倍率が、決定された目標倍率となるように制御される。
本発明の顕微鏡システムおよび観察制御方法によれば、操作性を向上させることができる。
本発明を適用した顕微鏡システムの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。 リモートコマンダ14を示す図である。 顕微鏡12の総合倍率を維持させる処理について説明する図である。 顕微鏡12の総合倍率を維持させる処理を説明するフローチャートである。 本発明を適用した顕微鏡システムの他の実施の形態の構成例を示すブロック図である。 顕微鏡12の総合倍率を維持させる処理を説明するフローチャートである。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明を適用した顕微鏡システムの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
図1において、顕微鏡システム11は、所定の倍率でサンプルを観察するための顕微鏡12、顕微鏡12の各部を制御するコントロールボックス13、ユーザによる顕微鏡12に対する操作をコントロールボックス13に入力するリモートコマンダ14、顕微鏡12を介してサンプルを撮像する撮像部15、および、撮像部15により撮像された画像などを表示する表示部16を備えて構成されている。
顕微鏡12は、電動ズーム21、センサ22、モータ駆動回路23、レボルバ24、ストップセンサ25、およびアドレスセンサ26を備えて構成されている。
電動ズーム21は、複数のズームレンズと、それらのズームレンズを駆動するモータ(いずれも図示せず)とを有しており、モータの駆動に従ってズームレンズの位置が変更することで、顕微鏡12の倍率をリニアに変更する。
センサ22は、ズームレンズの位置を示す信号を、コントロールボックス13の電動ズーム倍率検出部31に供給する。例えば、センサ22はポテンショメータなどからなり、電動ズーム21が有するズームレンズの移動に応じて、ポテンショメータの抵抗値が変化し、センサ22は、その抵抗値に従って電圧が変化するような信号、即ち、ズームレンズの位置を示す信号を出力する。
モータ駆動回路23は、後述するようにコントロールボックス13の電動ズーム制御部32から供給される制御信号に従って、電動ズーム21が有するズームレンズを移動させるための電力を電動ズーム21が有するモータに供給する。電動ズーム21では、モータ駆動回路23から供給される電力に応じてモータがズームレンズを移動させ、電動ズーム制御部32の制御に従った倍率となる位置にズームレンズが配置される。
レボルバ24には、倍率の異なる複数の対物レンズ(図示せず)が装着されており、ユーザがレボルバ24を回転させることにより、所望の倍率の対物レンズが観察光路内に挿入される。また、レボルバ24には、それぞれの対物レンズの装着箇所を識別するためのアドレスが設定されている。また、レボルバ24は、対物レンズを観察光路内の光軸上で停止させるためのクリックストップ機構を備えており、クリックストップ機構は、一定の力でレボルバ24を保持して回転を停止させ、対物レンズを光軸上に位置決めする。
ストップセンサ25は、対物レンズが光軸上に配置された状態でレボルバ24の回転が停止しているか否か、即ち、クリックストップ機構がレボルバ24を保持して回転を停止させ、対物レンズが光軸上に配置された状態となっているか否かを検出する。そして、ストップセンサ25は、レボルバ24の回転が停止しているか否かを示す信号を、コントロールボックス13のレボルバ位置検出部33に供給する。
アドレスセンサ26は、例えば、ホール素子などを備えて構成され、光軸上に配置されている対物レンズが装着されている装着箇所を識別するアドレスを検出する。
コントロールボックス13は、電動ズーム倍率検出部31、電動ズーム制御部32、レボルバ位置検出部33、および制御部34を備えて構成されている。
電動ズーム倍率検出部31には、ズームレンズの位置を示す信号がセンサ22から供給され、電動ズーム倍率検出部31は、ズームレンズの位置に基づいて電動ズーム21の倍率を求め、電動ズーム21の倍率を示す信号を制御部34に供給する。例えば、電動ズーム倍率検出部31には、ズームレンズの位置を示す信号(電圧値)と電動ズーム21の倍率とが対応付けられたテーブルが予め記憶されており、電動ズーム倍率検出部31は、そのテーブルを参照して、電動ズーム21の倍率を求める。
電動ズーム制御部32には、電動ズーム21の倍率の増大または減少を指示する信号が制御部34から供給され、電動ズーム制御部32は、その信号に従って、電動ズーム21のズームレンズを移動させる制御信号をモータ駆動回路23に供給する。
また、電動ズーム制御部32には、後述するように制御部34から目標倍率を示す信号が供給され、電動ズーム制御部32は、その信号に基づいて、電動ズーム21のズームレンズの移動量を求め、その移動量だけズームレンズを移動させる制御信号をモータ駆動回路23に供給する。これにより、モータ駆動回路23は、電動ズーム制御部32からの制御信号に従った電力を電動ズーム21のモータに供給して、目標倍率となる位置にズームレンズが配置させる。
レボルバ位置検出部33には、レボルバ24の回転が停止しているか否かを示す信号がストップセンサ25から供給され、レボルバ位置検出部33は、ストップセンサ25からの信号がレボルバ24の回転が停止していない状態から、レボルバ24の回転が停止した状態に変化したタイミングで、アドレスセンサ26が検出するレボルバ24のアドレスを読み出す。即ち、レボルバ位置検出部33は、ユーザがレボルバ24を回転させて対物レンズを切り替える際に、レボルバ24の回転が停止して光軸上に対物レンズが配置されると、その対物レンズが装着されている装着箇所を識別するレボルバ24のアドレスを、アドレスセンサ26を介して検出する。そして、レボルバ位置検出部33は、光軸上にある対物レンズの装着箇所を識別するアドレスを示す信号を制御部34に供給する。
制御部34は、CPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)などを備えて構成されており、CPUが、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードして実行することにより、コントロールボックス13の各部を制御する。
上述したように、制御部34には、電動ズーム21の倍率を示す信号が電動ズーム倍率検出部31から供給されるとともに、光軸上にある対物レンズの装着箇所を識別するアドレスを示す信号がレボルバ位置検出部33から供給され、制御部34は、それらの信号から顕微鏡12においてサンプルが拡大される総合倍率を算出する。
例えば、制御部34のRAMには、装着箇所のアドレスと対物レンズの倍率とが対応付けられて記憶されており、制御部34は、レボルバ位置検出部33からの信号により示されるアドレスに対応付けられている対物レンズの倍率と、電動ズーム21の倍率とを乗算した値を総合倍率として求める。
また、制御部34には、ユーザのリモートコマンダ14に対する操作に応じた操作信号がリモートコマンダ14から供給され、制御部34は、その操作信号に従って、電動ズーム21の倍率の増大または減少を指示する信号を電動ズーム制御部32に供給する。
ここで、図2を参照して、リモートコマンダ14について説明する。
図2には、リモートコマンダ14の斜視図が示されており、斜視図の下側には、リモートコマンダ14の底面図が示されている。
図2に示すように、リモートコマンダ14の正面には、ズームアップスイッチ41、ズームダウンスイッチ42、および機能切替スイッチ43が設けられており、リモートコマンダ14の底面には、倍率設定スイッチ44乃至46が設けられている。
ズームアップスイッチ41またはズームダウンスイッチ42は、電動ズーム21の倍率を変更させるときに操作される。
例えば、ユーザが、ズームアップスイッチ41を押し下げる操作をすると、リモートコマンダ14は、ズームアップスイッチ41が操作されたことを示す操作信号を制御部34に供給し、制御部34は、電動ズーム21の倍率の増大を指示する信号を電動ズーム制御部32に供給する。これにより、倍率を増大させる方向に電動ズーム21のズームレンズが移動し、顕微鏡12の総合倍率が増大される。
同様に、ユーザが、ズームダウンスイッチ42を押し下げる操作をすると、リモートコマンダ14は、ズームダウンスイッチ42が操作されたことを示す操作信号を制御部34に供給し、制御部34は、電動ズーム21の倍率の減少を指示する信号を電動ズーム制御部32に供給する。これにより、倍率を減少させる方向に電動ズーム21のズームレンズが移動し、顕微鏡12の総合倍率が減少される。
機能切替スイッチ43は、顕微鏡12の総合倍率を維持させる機能の有効または無効を切り替えるときに操作される。例えば、ユーザが、機能切替スイッチ43を操作して、顕微鏡12の総合倍率を維持する機能を有効にさせると、図4を参照して後述するような顕微鏡12の総合倍率を維持させる処理が実行される。
倍率設定スイッチ44乃至46は、レボルバ24に装着される対物レンズの倍率を設定するときに操作される。
レボルバ24には、例えば、3本の対物レンズを装着することができ、倍率設定スイッチ44は、アドレス1により識別される装着箇所に装着される対物レンズの倍率の設定に用いられる。また、倍率設定スイッチ45は、アドレス2により識別される装着箇所に装着される対物レンズの倍率の設定に用いられ、倍率設定スイッチ46は、アドレス3により識別される装着箇所に装着される対物レンズの倍率の設定に用いられる。
例えば、倍率設定スイッチ44乃至46は、ロータリスイッチにより構成され、ユーザは、レボルバ24のアドレス1乃至3により識別される装着箇所に装着されている対物レンズの倍率に従って、倍率設定スイッチ44乃至46のポジションをそれぞれ設定する。そして、例えば、コントロールボックス13の起動時に、制御部34は、倍率設定スイッチ44乃至46のポジションを読み出し、倍率設定スイッチ44乃至46に対応するアドレスと、それぞれから読み出したポジションに対応する倍率とを対応付けて記憶する。
このように制御部34には、装着箇所のアドレスと対物レンズの倍率とが対応付けられて記憶される。そして、制御部34は、例えば、レボルバ位置検出部33から供給される信号により示されているアドレスが、アドレス1である場合、アドレス1に対応付けて記憶している対物レンズの倍率と、電動ズーム21の倍率とを乗算して、顕微鏡12の総合倍率を算出する。
その後、例えば、ユーザが、レボルバ24を回転させて、アドレス2の装着箇所に装着されている対物レンズを観察光路内の光軸上に配置させると、レボルバ位置検出部33は、アドレス2を示す信号を制御部34に供給する。このとき、制御部34は、対物レンズを切り替える前の総合倍率と、切り替え後の対物レンズの倍率とに基づいて、切り替え後の総合倍率が、切り替え前の総合倍率を維持することができる(ほぼ同じ倍率となるような)電動ズーム21の倍率を、電動ズーム21の目標倍率として算出する。
そして、制御部34が、電動ズーム21の目標倍率を示す信号を電動ズーム制御部32に供給すると、電動ズーム制御部32は、その信号に基づいて、電動ズーム21のズームレンズの移動量を求め、その移動量だけズームレンズを移動させる制御信号をモータ駆動回路23に供給する。これにより、電動ズーム21の倍率が目標倍率に変更され、対物レンズの切り替え後の総合倍率が、対物レンズの切り替え前の総合倍率を維持することができる。
即ち、図3を参照して、顕微鏡12の総合倍率を維持させる処理について説明する。
図3には、電動ズーム21の倍率および対物レンズの倍率と、顕微鏡12の総合倍率との関係が示されている。図3に示すように、電動ズーム21は、0.7倍から15倍までを0.1倍ごとにリニアに倍率を変更することができる。レボルバ24には、3つの対物レンズが装着されており、アドレス1に0.5倍の対物レンズが装着され、アドレス2に1倍の対物レンズが装着され、アドレス3に2.5倍の対物レンズが装着されている。
制御部34は、次の式(1)を演算することにより顕微鏡12の現在の総合倍率を求めて記憶する。
総合倍率=電動ズームの倍率×対物レンズの倍率 ・・・(1)
例えば、現在、電動ズーム21の倍率が2倍であり、0.5倍の対物レンズ(アドレス1)が光軸上に配置されているとすると、制御部34は、顕微鏡12の現在の総合倍率として1倍を算出し記憶する。即ち、現在の総合倍率は、図3に示すように、電動ズーム21の倍率が2倍であり、かつ、対物レンズの倍率が0.5倍である升目C1に示されている1倍である。
そして、ユーザがレボルバ24を回転させて対物レンズの切り替えを行い、1倍の対物レンズ(アドレス2)が光軸上に配置されると、顕微鏡システム11では、顕微鏡12の総合倍率を維持させる処理が行われ、切り替え後の総合倍率は1倍となる。
即ち、制御部34は、1倍の対物レンズ(アドレス2)において、対物レンズの切り替え前の総合倍率である1倍を維持するために、電動ズーム21の倍率を1倍に変更させる。従って、切り替え後の総合倍率は、図3に示すように、電動ズーム21の倍率が1倍であり、かつ、対物レンズの倍率が1倍である升目C2に示されている1倍となる。
ここで、例えば、顕微鏡12の総合倍率を維持させる処理が行われなければ、電動ズーム21の倍率が2倍であるときに、0.5倍の対物レンズから1倍の対物レンズに切り替えられた場合、切り替え後の総合倍率は、図3に示すように、電動ズーム21の倍率が2倍であり、かつ、対物レンズの倍率が1倍である升目C3に示されている2倍となる。このように、総合倍率が大きく変化した場合、ユーザによっては、サンプルの観察位置を見失うことがあり、そのようなユーザにとって、顕微鏡の操作性は低いものである。
これに対し、顕微鏡システム11では、顕微鏡12の総合倍率を維持させる処理が行われるので、0.5倍の対物レンズから、1倍の対物レンズに切り替えられても、顕微鏡12の総合倍率は1倍のままであるので、ユーザが、サンプルの観察位置を見失うことはなく、顕微鏡システム11を容易に操作して観察を行うことができる。即ち、顕微鏡12の総合倍率を維持させる処理により、顕微鏡システム11の操作性が向上することになる。
また、電動ズーム21の倍率が1倍であり、1倍の対物レンズ(アドレス2)が光軸上に配置されているとき、即ち、顕微鏡12の総合倍率が1倍(升目C2)であるときに、ユーザがレボルバ24を回転させて対物レンズの切り替えを行い、2.5倍の対物レンズ(アドレス3)が観察光路内の光軸上に配置されたとする。例えば、顕微鏡12の総合倍率を維持させる処理が行われなければ、図3に示すように、切り替え後の総合倍率は、升目C4に示されている2.5倍となる。
ここで、顕微鏡システム11では、顕微鏡12の総合倍率を維持させる処理が行われるが、図3に示すように、2.5倍の対物レンズ(アドレス3)において総合倍率が1倍を維持するような電動ズーム21の倍率はない。つまり、2.5倍の対物レンズ(アドレス3)において総合倍率を1倍にするには、電動ズーム21の倍率を0.4倍にしなければならないが、電動ズーム21のズーム範囲の下限は0.7倍であるため総合倍率を1倍にすることができない。
このように、電動ズーム21の可変範囲外となって対物レンズの切り替え前後で顕微鏡12の総合倍率を一致させることができない場合、制御部34は、目標倍率を電動ズーム21の倍率の下限値である0.7倍に決定する。即ち、顕微鏡12において、対物レンズの切り替え前の総合倍率に最も近い総合倍率となるように、電動ズーム21の倍率を決定する。この場合、切り替え後の総合倍率は、図3に示すように、電動ズーム21の倍率が0.7倍であり、かつ、対物レンズの倍率が2.5倍である升目C5に示されている1.75倍となる。
なお、例えば、対物レンズの切り替え後に、電動ズーム21の倍率の上限値以上でなければ、顕微鏡12の総合倍率を維持させることができない場合には、制御部34は、目標倍率を電動ズーム21の倍率の上限値である15倍に決定する。
また、例えば、電動ズーム21の倍率が2.5倍であり、かつ、対物レンズの倍率が0.5倍である場合、顕微鏡12の総合倍率は1.25倍であり、このとき、対物レンズの倍率が1倍に切り替えられると、顕微鏡12の総合倍率は1.25倍と一致しない。この場合、制御部34は、切り替え前の総合倍率に最も近い倍率、即ち、1.25倍に最も近い1.2倍または1.3倍を、対物レンズの切り替え後の総合倍率として決定する。
次に、図4は、顕微鏡システム11が、顕微鏡12の総合倍率を維持させる処理を説明するフローチャートである。
例えば、顕微鏡システム11に電源が投入されてコントロールボックス13が起動すると処理が開始され、ステップS11において、制御部34は、リモートコマンダ14の倍率設定スイッチ44乃至46により設定されるレボルバ24に装着されている対物レンズの倍率を読み出す。そして、制御部34は、倍率設定スイッチ44乃至46に応じたアドレスと、倍率設定スイッチ44乃至46から読み出した倍率とをそれぞれ対応付けて記憶し、処理はステップS12に進む。
ステップS12において、レボルバ位置検出部33は、アドレスセンサ26を介して、光軸上に配置されている対物レンズが装着されている装着箇所を識別するアドレスを検出し、そのアドレスを示す信号を制御部34に供給する。
ステップS12の処理後、処理はステップS13に進み、電動ズーム倍率検出部31は、センサ22を介して電動ズーム21の倍率を検出し、電動ズーム21の倍率を示す信号を制御部34に供給して、処理はステップS14に進む。
ステップS14において、制御部34は、ステップS12でレボルバ位置検出部33から供給された信号により示されるアドレスに対応付けて記憶している対物レンズの倍率と、ステップS13で電動ズーム倍率検出部31から供給された信号により示される電動ズーム21の倍率とに基づいて、上述の式(1)を演算し、顕微鏡12の総合倍率を算出する。
ステップS14の処理後、処理はステップS15に進み、レボルバ位置検出部33は、ストップセンサ25を介して、レボルバ24の回転が開始されたか否かを判定する。
例えば、レボルバ位置検出部33は、ストップセンサ25からの信号が、レボルバ24の回転が停止していることを示している状態である場合には、レボルバ24の回転が開始されていないと判定し、レボルバ24の回転が停止していないことを示している状態に変化すると、レボルバ24の回転が開始されたと判定する。
ステップS15において、レボルバ位置検出部33が、レボルバ24の回転が開始されていないと判定した場合、処理はステップS16に進み、制御部34は、ユーザがリモートコマンダ14により電動ズーム21の倍率を変更するように操作したか否かを判定する。
ステップS16において、制御部34が、電動ズーム21の倍率を変更するように操作されていないと判定した場合、処理はステップS15に戻る。即ち、ステップS15でレボルバ24の回転が開始されたと判定されるか、または、ステップS16で電動ズーム21の倍率を変更するように操作されたと判定されるまで、処理は待機される。
一方、ステップS16において、制御部34が、電動ズーム21の倍率を変更するように操作されたと判定した場合、処理はステップS17に進み、制御部34は、リモートコマンダ14から供給される操作信号に基づいて、電動ズーム21の倍率の増大または減少を指示する信号を電動ズーム制御部32に供給する。電動ズーム制御部32は、その信号に基づき、モータ駆動回路23を介して電動ズーム21を制御し、これにより、電動ズーム21の倍率が増大または減少する。
ステップS17の処理後、処理はステップS13に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。なお、この場合、ステップS13では、ステップS17で変更された電動ズーム21の倍率が電動ズーム倍率検出部31により検出され、ステップS14では、変更後の電動ズーム21の倍率を用いて顕微鏡12の総合倍率が求められる。
一方、ステップS15において、レボルバ位置検出部33が、レボルバ24の回転が開始されたと判定した場合、処理はステップS18に進む。
ステップS18において、レボルバ位置検出部33は、ストップセンサ25を介して、レボルバ24の回転が停止したか否かを判定する。
例えば、ステップS15で、ストップセンサ25からの信号は、レボルバ24の回転が停止していないことを示しており、レボルバ位置検出部33は、その信号が、レボルバ24の回転が停止していることを示している状態に変化すると、レボルバ24の回転が停止したと判定する。
レボルバ位置検出部33は、レボルバ24の回転が停止したと判定するまで処理を待機し、レボルバ24の回転が停止したと判定した場合、処理はステップS19に進む。
ステップS19において、レボルバ位置検出部33は、アドレスセンサ26を介して、レボルバ24の回転後に光軸上に配置された対物レンズが装着されている装着箇所を識別するアドレスを検出し、そのアドレスを示す信号を制御部34に供給する。
ステップS19の処理後、処理はステップS20に進み、制御部34は、ステップS19でレボルバ位置検出部33から供給された信号に示されるアドレスに対応付けて記憶している対物レンズの倍率、即ち、切り替え後の対物レンズの倍率を読み出す。そして、制御部34は、切り替え後の対物レンズの倍率、および、対物レンズの切り替え前の顕微鏡12の総合倍率(即ち、直前のステップS14で算出した顕微鏡12の総合倍率)に基づいて、電動ズーム21の目標倍率を算出する。
即ち、制御部34は、図3を参照して説明したように、切り替え後の対物レンズの倍率において、対物レンズの切り替え前の顕微鏡12の総合倍率が維持されるように、電動ズーム21の目標倍率を求める。
ステップS20の処理後、処理はステップS21に進み、制御部34は、ステップS20で算出した電動ズーム21の目標倍率を示す信号を、電動ズーム制御部32に供給し、電動ズーム制御部32は、その信号に基づいて、モータ駆動回路23を介して電動ズーム21を制御する。電動ズーム21では、電動ズーム制御部32の制御に応じて、モータがズームレンズを駆動して、電動ズーム21の倍率が目標倍率に設定される。
ステップS21の処理後、処理はステップS13に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。なお、この場合、ステップS13では、ステップS21で変更された電動ズーム21の倍率が電動ズーム倍率検出部31により検出され、ステップS14では、変更後の電動ズーム21の倍率を用いて顕微鏡12の総合倍率が求められる。
以上のように、顕微鏡システム11では、対物レンズの切り替え前後で顕微鏡12の総合倍率を維持するので、ユーザが、サンプルの観察位置を見失うことはなく、その操作性を向上させることができる。
次に、図5は、本発明を適用した顕微鏡システムの他の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
図5に示されている顕微鏡システム11’において、図1の顕微鏡システム11と共通するブロックについては、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は、適宜省略する。
即ち、顕微鏡システム11’は、顕微鏡12、コントロールボックス13、リモートコマンダ14、撮像部15、および表示部16を備えており、顕微鏡12が、電動ズーム21、センサ22、モータ駆動回路23、レボルバ24、ストップセンサ25、およびアドレスセンサ26を備え、コントロールボックス13が、電動ズーム倍率検出部31、電動ズーム制御部32、および制御部34を備える点で、図1の顕微鏡システム11と共通する。
但し、顕微鏡システム11’では、顕微鏡12が、回転方向検出センサ51を備え、コントロールボックス13が、レボルバ位置および回転方向検出部52を備える点で、図1の顕微鏡システム11と異なっている。
回転方向検出センサ51は、例えば、レボルバ24に設けられる小型永久磁石と、顕微鏡12の本体に設けられるホール素子とにより構成され、ユーザがレボルバ24を手動で回転させると、レボルバ24の回転方向を検出し、レボルバ24の回転方向を示す信号を、コントロールボックス13のレボルバ位置および回転方向検出部52に供給する。
レボルバ位置および回転方向検出部52には、レボルバ24における対物レンズの装着箇所の位置関係と、それらを識別するアドレスとが記憶されている。レボルバ位置および回転方向検出部52は、回転方向検出センサ51からレボルバ24の回転方向を示す信号が供給されると、その信号と、レボルバ24における対物レンズの装着箇所の位置関係とに基づいて、光軸上に配置されていた対物レンズの装着箇所から、回転方向側の位置にある装着箇所の対物レンズ、即ち、レボルバ24の回転後に光軸上に配置される対物レンズを予測し、予測される対物レンズの装着箇所を識別するアドレスを示す信号を制御部34に供給する。
制御部34は、レボルバ位置および回転方向検出部52から供給される信号により示されるアドレスに対応付けて記憶している対物レンズの倍率を、光軸上に配置されることが予測される対物レンズの倍率として決定する。そして、制御部34は、予測される対物レンズの倍率と、対物レンズを切り替える前の総合倍率とに基づいて、電動ズーム21の目標倍率を算出する。
即ち、制御部34は、レボルバ24の回転が開始されると、その回転が停止される前に、回転方向に基づいて予測される対物レンズの倍率に基づいて、電動ズーム21の目標倍率を算出する。さらに、制御部34は、レボルバ24の回転が停止される前に、予測に基づく電動ズーム21の目標倍率を示す信号を電動ズーム制御部32に供給して、電動ズーム21の倍率を、目標倍率に設定する。
その後、ストップセンサ25を介してレボルバ24の回転の停止が検出されると、制御部34は、実際に光軸上に配置されている対物レンズを、アドレスセンサ26を介して確認する。このとき、制御部34は、予測した対物レンズが、実際に光軸上に配置されている対物レンズと一致していなければ、実際に光軸上に配置されている対物レンズの倍率に基づいて、再度、目標倍率を算出して電動ズーム21の倍率を設定し直す。これにより、顕微鏡12の総合倍率が修正される。
次に、図6は、顕微鏡システム11’が、顕微鏡12の総合倍率を維持させる処理を説明するフローチャートである。
図6のフローチャートにおいて、ステップS31乃至ステップS37の処理は、図4のステップS11乃至17の処理と同様に処理が行われる。
そして、ステップS35において、レボルバ位置検出部33が、レボルバ24の回転が開始されたと判定した場合、処理はステップS38に進み、回転方向検出センサ51は、レボルバ24の回転方向を検出する。回転方向検出センサ51は、レボルバ24の回転方向を示す信号を、レボルバ位置および回転方向検出部52に供給し、処理はステップS39に進む。
ステップS39において、レボルバ位置および回転方向検出部52は、回転方向検出センサ51からの信号に基づいて、レボルバ24の回転後に光軸上に配置される対物レンズを予測する。即ち、レボルバ位置および回転方向検出部52は、レボルバ24における対物レンズの装着箇所の位置関係に基づいて、回転方向にある装着箇所に装着されている対物レンズが、回転後に光軸上に配置されると予測し、その装着箇所を識別するアドレスを示す信号を制御部34に供給し、処理はステップS40に進む。
ステップS40において、制御部34は、ステップS39でレボルバ位置および回転方向検出部52から供給された信号により示されるアドレスに対応付けて記憶している対物レンズの倍率、即ち、予測される対物レンズの倍率を読み出す。そして、制御部34は、予測される対物レンズの倍率、および、対物レンズの切り替え前の顕微鏡12の総合倍率(即ち、直前のステップS34で算出した顕微鏡12の総合倍率)に基づいて、顕微鏡12の総合倍率が維持されるように、電動ズーム21の目標倍率を算出する。
ステップS40の処理後、処理はステップS41に進み、制御部34は、ステップS40で算出した電動ズーム21の目標倍率を示す信号を、電動ズーム制御部32に供給し、電動ズーム制御部32は、その信号に基づいて、モータ駆動回路23を介して電動ズーム21を制御する。電動ズーム21では、電動ズーム制御部32の制御に応じて、モータがズームレンズを駆動して、電動ズーム21の倍率が目標倍率に設定され、処理はステップS42に進む。
ステップS42において、レボルバ位置検出部33は、ストップセンサ25を介して、レボルバ24の回転が停止したか否かを判定し、レボルバ24の回転が停止したと判定するまで処理を待機する。そして、レボルバ24の回転が停止したと判定された場合、処理はステップS43に進む。
ステップS43において、レボルバ位置および回転方向検出部52は、アドレスセンサ26を介して、光軸上に配置されている対物レンズが装着されている装着箇所を識別するアドレスを検出し、そのアドレスを示す信号を制御部34に供給する。そして、制御部34は、ステップS39で対物レンズが正しく予測されたか否か、即ち、予測された対物レンズと、光軸上に実際に配置されている対物レンズとが一致しているか否かを判定する。
例えば、制御部34は、直前のステップS39でレボルバ位置および回転方向検出部52から供給された信号に基づくレボルバ24のアドレスと、ステップS43でレボルバ位置および回転方向検出部52から供給された信号に基づくレボルバ24のアドレスとが一致していれば、対物レンズが正しく予測されたと判定する。一方、制御部34は、それらのアドレスが一致していなければ、対物レンズが正しく予測されていないと判定する。
ステップS44において、制御部34が、対物レンズが正しく予測されたと判定した場合、処理はステップS33に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
一方、ステップS44において、制御部34が、対物レンズが正しく予測されていないと判定した場合、処理はステップS45に進み、制御部34は、光軸上に実際に配置されている対物レンズの倍率を用いて、電動ズーム21の目標倍率を算出する。
ステップS45の処理後、処理はステップS46に進み、制御部34は、ステップS45で算出した電動ズーム21の目標倍率を示す信号を、電動ズーム制御部32に供給し、電動ズーム制御部32は、その信号に基づいて、モータ駆動回路23を介して電動ズーム21を制御する。電動ズーム21では、電動ズーム制御部32の制御に応じて、モータがズームレンズを駆動して、電動ズーム21の倍率が目標倍率に設定される。
ステップS46の処理後、処理はステップS33に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
以上のように、顕微鏡システム11’では、レボルバ24の回転が検出された時点で、レボルバ24の回転方向に基づいて予測される対物レンズに応じて電動ズーム21を制御するので、レボルバ24の回転が停止されてから電動ズーム21を制御する場合よりも、顕微鏡12の総合倍率を迅速に調整することができる。これにより、対物レンズの切り替え時に、ユーザの待機時間を短縮することができ、操作性をより向上させることができる。
また、例えば、ユーザが、レボルバ24をある方向に回転させた後に、その方向の対物レンズが光軸上に配置される前に他の方向に回転させた場合などには、制御部34が、光軸上に配置される対物レンズを正確に予測できないことがある。このような場合でも、顕微鏡システム11’では、対物レンズの予測が正しくない場合には、光軸上に実際に配置されている対物レンズに基づいて電動ズーム21の倍率を修正するので、回転方向に基づく対物レンズの予測が間違っていたとしても、顕微鏡12の総合倍率を確実に維持することができる。
なお、顕微鏡システム11では、制御部34が、表示部16による画像の表示を制御することができる。表示部16には、顕微鏡12を介して撮像部15により撮像された画像が表示され、制御部34は、レボルバ24の回転が開始されてから、レボルバ24の回転が停止されるまで、表示部16が画像の表示を停止するように制御する。
例えば、図4のフローチャートのステップS15(または、図6のステップS35)において、レボルバ位置検出部33が、レボルバ24の回転が開始されたと判定した場合、制御部34は、その回転の直前に表示部16を制御して、撮像部15により撮像中の画像(ライブ画像)画像の表示を停止させ、例えば、黒一色の画像を表示させたり、レボルバの回転の直前に撮像された画像を表示させ続けたりする。その後、図4のフローチャートのステップS21(または、図6のステップS46)において、電動ズーム21の倍率が目標倍率に設定された後、制御部34は、表示部16を制御してライブ画像の表示を再開させる。
このように、制御部34が、表示部16による画像の表示を制御することにより、対物レンズの切り替え時に、電動ズーム21の倍率を変更している途中の画像が表示部16に表示されることが回避される。これにより、対物レンズの切り替え前後で顕微鏡12の総合倍率が維持された画像が表示部16に表示されるので、変更中の画像が表示される場合よりも、サンプルを見失い難くなる。つまり、電動ズーム21により倍率が変更中で、対物レンズの切り替え前後の倍率とは異なる倍率の画像が一時的に表示部16に表示される場合よりも、ユーザが、サンプルを見失い難くなるので観察に集中することができ、よりスムーズに観察を行うことができる。
さらに、例えば、制御部35は、ライブ画像の表示を停止している間(例えば、黒一色の画像を表示したり、レボルバの回転の直前の画像を表示し続けている間)、表示部16の端部に、電動ズーム21の倍率が変更中である旨のメッセージを表示してもよい。これにより、ユーザが、ライブ画像の表示が停止している理由を把握することができ、ライブ画像の表示が停止することにより感じる違和感を軽減することができる。
なお、本実施の形態においては、顕微鏡12とコントロールボックス13とが別々に構成されているが、コントロールボックス13が顕微鏡12に組み込まれていてもよい。
また、リモートコマンダ14を用いて電動ズーム21の倍率を変更させる操作を行う他、例えば、コントロールボックス13にRS232CやUSBなどの通信機能を備えさせ、コントロールボックス13とパーソナルコンピュータとを接続させて、パーソナルコンピュータからの通信コマンドにより、コントロールボックス13に各種の操作を指示することができる。
なお、図2に示すように、リモートコマンダ14は機能切替スイッチ43を備えており、ユーザは、機能切替スイッチ43を操作して、適宜、顕微鏡12の総合倍率を維持させる機能を無効にすることができる。このように、顕微鏡12の総合倍率を維持させる機能を切り替えることで、例えば、熟練者などは、よりスムーズに顕微鏡システム11を操作することができる。
また、レボルバ24の回転を検出するために、例えば、ロータリーエンコーダを用いることができる。ロータリーエンコーダによりレボルバ24の回転を検出することにより、ホール素子などを用いたセンサよりも、レボルバ24の回転を確実に検出することができる。これにより、対物レンズの予測が正確に行われるため、例えば、レボルバ24の回転が停止された後の修正を行う処理を行う必要がなくなる。
なお、上述のフローチャートを参照して説明した各処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。また、プログラムは、1つのCPUにより処理されるものであっても良いし、複数のCPUによって分散処理されるものであっても良い。さらに、制御部34のCPUが実行するプログラムは、適宜、制御部34が有するメモリにダウンロードして更新することができる。
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
11 顕微鏡システム, 12 顕微鏡, 13 コントロールボックス, 14 リモートコマンダ, 15 撮像部, 16 表示部, 21 電動ズーム, 22 センサ, 23 モータ駆動回路, 24 レボルバ, 25 ストップセンサ, 26 アドレスセンサ, 31 電動ズーム倍率検出部, 32 電動ズーム制御部, 33 レボルバ位置検出部, 34 制御部, 41 ズームアップスイッチ, 42 ズームダウンスイッチ, 43 機能切替スイッチ, 44乃至46 倍率設定スイッチ, 51 回転方向検出センサ, 52 レボルバ位置および回転方向検出部

Claims (5)

  1. サンプルを拡大して観察する顕微鏡システムにおいて、
    前記サンプルを拡大する倍率を連続的に変更するズーム手段と、
    倍率の異なる複数の対物レンズを有し、観察光路内に配置される対物レンズを切り替えて、前記サンプルを拡大する倍率を断続的に変更する切替手段と、
    前記ズーム手段による倍率と、前記観察光路内に現在配置されている前記対物レンズの倍率とに基づいて、前記サンプルを観察する総合倍率を算出する総合倍率算出手段と、
    前記切替手段により前記観察光路内の前記対物レンズが切り替えられる際に、前記対物レンズの切り替え後の前記総合倍率を前記対物レンズの切り替え前の前記総合倍率に維持させるのに必要な前記ズーム手段の倍率(目標倍率)を決定するズーム倍率決定手段と、 前記ズーム手段の倍率が、前記ズーム倍率決定手段により決定された前記目標倍率となるように、前記ズーム手段を制御するズーム制御手段と
    を備えることを特徴とする顕微鏡システム。
  2. 前記ズーム倍率決定手段は、前記ズーム手段による倍率と前記対物レンズの倍率との組み合わせによって、前記対物レンズの切り替え後の前記総合倍率が前記対物レンズの切り替え前の前記総合倍率に一致しない場合、前記対物レンズの切り替え後の前記総合倍率が前記対物レンズの切り替え前の前記総合倍率に最も近くなる前記ズーム手段の倍率を、前記目標倍率として決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡システム。
  3. 前記ズーム倍率決定手段は、前記総合倍率を維持するための前記ズーム手段の倍率が、前記ズーム手段において変動可能なズーム範囲の上限値以上または下限値以下である場合、前記倍率の上限値または下限値を前記目標倍率として決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡システム。
  4. 前記切替手段は、所定の回転軸を中心に回転することで前記対物レンズを切り替えるレボルバであり、
    前記レボルバの回転が開始されたことを検出する回転検出手段と、
    前記切替手段の回転方向を検出する回転方向検出手段と
    をさらに備え、
    前記ズーム倍率決定手段は、前記切替検出手段により前記レボルバの回転が開始されたことが検出されると、前記回転方向検出手段が検出した回転方向に基づいて、切り替え後に前記観察光路内に配置される前記対物レンズを予測し、その予測に従った対物レンズから前記目標倍率を決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡システム。
  5. 前記対物レンズおよび前記ズーム手段を介して撮像された前記サンプルの画像を表示する表示手段と、
    前記切替手段による前記対物レンズの切り替えが開始されたことを検出する切替検出手段と、
    前記切替検出手段により前記対物レンズの切り替えが開始されたことが検出されてから、前記ズーム制御手段による前記ズーム手段の倍率の変更が終了するまで、前記表示手段の前記画像の表示を停止させる表示制御手段と
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡システム。
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