JPWO2010001751A1 - 樹脂フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、フィルム変形をより抑制することができる樹脂フィルムおよび樹脂フィルムの製造方法を提供する。この樹脂フィルムは、少なくとも両側端部に長手方向に沿ってエンボス部(13A)を有する長尺な樹脂フィルム(11)であって、エンボス部(13A)は、長手方向に直交する方向における断面において、一対の凸部(13b、13b)と、一対の凸部(13b、13b)の間における、一対の凸部(13b、13b)が形成されている樹脂フィルム(11)の一方面(14a)に対向する他方面(14b)に形成されている凹部とを有する。

Description

本発明は、樹脂フィルムに関し、特に、適切にロール巻きすることができる長尺な樹脂フィルおよびその製造方法に関する。
近年、樹脂フィルムは、その化学的特性、機械的特性および電気的特性等に鑑み、様々な分野で多用されている。例えば、液晶表示装置の画像表示領域には、種々の樹脂フィルム、例えば、偏光板の基材フィルム、偏光素子フィルムおよびその偏光素子フィルムを保護するための透明保護フィルム等が配置されている。このような樹脂フィルムとしては、例えば、セルロースエステル系樹脂フィルム等の透光性に優れた樹脂フィルムが用いられている。
このような樹脂フィルムは、例えば溶融流延製膜法や溶液流延製膜法等によって長尺状に製造され、例えば保管や輸送等の観点から、巻取機でフィルムコアにロール状に巻き取られる。このようなロール状に巻き取られる長尺なフィルムでは、巻き取られたフィルム(巻きフィルム)の端面がずれてしまうこと(巻きズレ)や、フィルムが巻き取られる際に空気が巻き込まれ、この巻き込まれた空気が抜ける際にフィルムに変形が生じてしまうこと(フィルム変形)が問題となっている。
このような問題の対策として、例えば、特許文献1や特許文献2が提案されている。図6は、特許文献1におけるエンボスリングの外周面の拡大概略展開図である。図7は、ホットエンボス加工によって形成されるエンボスを説明するための図である。図7(A)は、エンボス部の拡大断面図であり、図7(B)は、エンボス部の拡大断面写真を画像読取装置によって図面化したものである。図8は、特許文献2における凹凸部を形成したPETフィルムの拡大断面図である。
この特許文献1に開示のフィルムの巻取方法は、図6に示すように、フィルムをロール状に巻き取るに際し、フィルムの幅方向端部を、エンボス突起1002がリング外周にスパイラル状に複数配列され、このエンボス突起1002の配列方向とリング周方向との成す角θが20≦θ≦70(度)を満たすエンボスリング1001にてエンボス処理し、フィルムに凹凸を形成するものである。特許文献1には、このような構成によって、フィルムを中間製品としてロール状に巻き取る際、ずれの問題を発生させることなく、空気の巻き込みを少なくし、しわ欠点等の発生しない安定した巻き取りができる、と記載されている。
この特許文献1に開示のフィルムの巻取方法におけるエンボス処理は、エンボスリングを加熱しながらフィルムにプレスするホットエンボス加工であると推察され、このホットエンボス加工を行うと、図7に示す構造のエンボス部が形成される。このエンボス部1010は、フィルム1011の一方主面にホットエンボス加工によって凹部1012が形成されると共にその両側に第1凸部1013、1013が形成され、さらに、凹部1012の形成に伴ってフィルム1011の他方主面に第2凸部1014が形成される。
また、特許文献2に開示のフィルム2001は、図8に示すように、ドラムにロール巻きされる長いフィルム2001であって、その一方表面2005の両側縁に、レーザ光線2004を照射することによって局部的に溶融して凹部2006を形成すると共にその両側に凸部2007、2007を形成するものである(図8は両側縁の一方を示している)。特許文献2には、このような構成によって、フィルムの巻き取りと共に空気が取り込まれても、この空気は、互いに重なり合うフィルム間に形成される僅かな隙間に逃げることができ、そのために巻き取られるフィルムは、規則正しくドラムに巻き付き、しかも横ズレしない、と記載されている。
また、COレーザ光によって形成された図8に示すような断面構造を持つエンボスは、例えば、特許文献3にも開示されている。
特開平09−124199号公報 登録実用新案第3134651号公報 特開2007−119181号公報
ところで、上記特許文献1から特許文献3に開示の技術によって、上記問題は、或る程度解消することができるが、現実には、まだ不充分であった。すなわち、上記特許文献1に開示のフィルムの巻取方法では、ホットエンボス加工によって形成されるエンボス部1010の第2凸部1014が潰れやすく、この第2凸部1014の潰れに応じてエンボス部1010の凹部1012も埋もれてしまう。このため、空気が抜けにくくなってしまい、充分に空気を抜くことが難しい。また、上記特許文献2および特許文献3に開示のエンボスでは、エンボスの凹部における体積が充分ではなく、フィルムの巻き取りにおいて空気の抜け方によってはフィルムに変形が生じてしまう。
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、フィルム変形をより抑制することができる樹脂フィルムおよび樹脂フィルムの製造方法を提供することである。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。すなわち、本発明にかかる一態様では、少なくとも両側端部に長手方向に沿ってエンボス部を有する長尺な樹脂フィルムであって、前記エンボス部は前記長手方向に直交する方向における断面において、一対の凸部と、前記一対の凸部の間における、前記一対の凸部が形成されている前記樹脂フィルムの一方面に対向する他方面に形成されている凹部とを有することを特徴とする。
このような構成の樹脂フィルムでは、エンボス部が一対の凸部と凹部とを備え、この凹部が一対の凸部の間における、一対の凸部が形成されている樹脂フィルムの一方面に対向する他方面に形成されている。このため、樹脂フィルムがロール状に巻かれて重ねられても、一対の凸部が形成されている一方面に対向する他方面に凸部がなく、また、他方面であって一対の凸部が形成されている位置と異なる位置に凹部が形成されているので、一対の凸部が潰れようとしても凸部部分の樹脂材料が入り込む凹部がないから、一対の凸部が潰れ難くなる。また、凸部が潰れ難くなる結果、その凸部部分の樹脂材料が入り込むこともないから、凹部も潰れ難くなる。したがって、フィルムがロール状に巻き取られる際に空気が巻き込まれても、この巻き込まれた空気を一対の凸部および凹部によって効率的に抜くことができ、フィルム変形を効果的により抑制することが可能となる。
また、上述の樹脂フィルムにおいて、好ましくは、前記一対の凸部および凹部は、前記長手方向に沿って連続的に形成されている。
また、上述の樹脂フィルムにおいて、好ましくは、前記エンボス部は、前記一対の凸部の間における、前記一対の凸部が形成されている前記樹脂フィルムの一方面に、第2凹部をさらに備える。
この構成によれば、さらに第2凹部を備えるので、前記空気をさらに効率的に抜くことができ、フィルム変形をさらに抑制することが可能となる。
また、上述の樹脂フィルムにおいて、好ましくは、前記凸部の高さは、前記樹脂フィルムの一方面における平滑面から3〜30μmであり、前記凹部の深さは、前記樹脂フィルムの他方面における平滑面から1μm以上であり、前記凹部が形成された部分における前記樹脂フィルムの膜厚は、前記樹脂フィルムの膜厚の90%以下である。
凸部の高さが3μmよりも低いと、巻きズレが生じてしまい好ましくなく、一方、凸部の高さが30μmよりも高いと、樹脂フィルムがロール状に巻かれた場合に樹脂フィルムが撓んでしまい、フィルムの張り付きが生じるなど好ましくない。また、凹部の深さが1μmよりも浅いと、空気が抜け難く、フィルム変形が生じてしまうので、好ましくない。そして、凹部の深さを1μm以上とすることで、一対の凸部および凹部が上述のように互いに作用し合って潰れ難くなる。また、凹部が形成された部分における樹脂フィルムの膜厚が樹脂フィルムの膜厚の90%を超えると、樹脂フィルムの膜厚に比し凹部が浅くなって、空気が抜け難く、フィルム変形が生じてしまうので、好ましくない。
また、上述の樹脂フィルムにおいて、好ましくは、前記樹脂フィルムの膜厚は、30μm〜90μmである。
フィルムの膜厚が90μmよりも大きいと凹部が小さくなり、空気が抜け難く、フィルム変形が生じやすくなって好ましくない。また、フィルムの膜厚が30μmよりも小さいと、エンボス部を形成する場合にフィルムに穴があき易くなって好ましくない。すなわち、フィルムに穴があいてしまうと、凸部への下支えが弱くなるので、凸部が潰れ易くなり、結果として、空気が抜け難く、フィルム変形が生じやすくなる。
また、本発明の他の一態様では、これら上述のいずれかの樹脂フィルムを製造する樹脂フィルムの製造方法であって、前記エンボス部は、非接触で前記樹脂フィルムを加熱する非接触加熱部によって形成されることを特徴とする。
このような構成の樹脂フィルムの製造方法では、エンボス部を形成する際に、局所的に樹脂フィルムを加熱することができる。この結果、樹脂フィルムを局所的に溶解することができると共に、加熱を停止することで急冷することができる。このため、樹脂フィルムの一方面に一対の凸部を形成することができると共に、一対の凸部の間における、前記一方面に対向する他方面に凹部を形成することができる。したがって、このような構成の製造方法によって形成された樹脂フィルムは、フィルム変形をより抑制することが可能となる。
また、上述の樹脂フィルムの製造方法において、好ましくは、前記非接触加熱部は、光を照射することによって非接触で前記樹脂フィルムを加熱する光照射加熱部である。
この構成によれば、局所的に樹脂フィルムを加熱する場合に、光を光学系によって集光するなどによって、比較的正確に、樹脂フィルムを加熱することができる。
また、上述の樹脂フィルムの製造方法において、好ましくは、前記光照射加熱部は、レーザ光を照射することによって非接触で前記樹脂フィルムを加熱するレーザ加熱装置である。
この構成によれば、レーザ光が用いられるので、局所に効率よくエネルギーを照射することができ、比較的短時間にエンボス部を形成することが可能となる。
また、本発明の他の一態様では、これら上述のいずれかの樹脂フィルムを製造する樹脂フィルムの製造方法であって、前記凹部は、非接触で前記樹脂フィルムを加熱する非接触加熱部によって形成され、前記凸部は、樹脂溶液を前記樹脂フィルムに吹き付けるインクジェット印刷部によって形成されることを特徴とする。
この構成によれば、前記構成のエンボス部を持った樹脂フィルムを製造することが可能となる。
本発明にかかる樹脂フィルムおよび樹脂フィルムの製造方法では、フィルム変形をより抑制することが可能となる。
実施形態における樹脂フィルムの平面図である。 図1のAA線における断面を示す図である。 実施形態にかかる樹脂フィルムの製造装置の構成を示す概略図である。 図1のAA線における他の形態の断面を示す図である。 図4に示す構造のエンボス部の製造方法を説明するための図である。 特許文献1におけるエンボスリングの外周面の拡大概略展開図である。 ホットエンボス加工によって形成されるエンボスを説明するための図である。 特許文献2における凹凸部を形成したPETフィルムの拡大断面図である。
以下、本発明に係る実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。また、本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
図1は、実施形態における樹脂フィルムの平面図である。図2は、図1の樹脂フィルムの長手方向に直交する方向(AA線)における断面を示す図である。図2(A)は、図1のAA線における断面概略図であり、図2(B)は、図1のAA線における拡大断面写真を画像読取装置によって図面化したものである。
図1において、樹脂フィルム11は、所定の略一定幅および所定の略一定膜厚を有した帯状の長尺なフィルムであり、少なくともその両側端部12、12に長手方向Xに沿って略直線状に形成されたエンボス部13、13を有している。エンボス部13は、両側端部12、12だけでなく、その両側端部12、12の間に、さらに、長手方向Xに沿って略直線状に形成されてもよい。例えば、樹脂フィルム11の幅方向Yの略中央部に長手方向Xに沿ってエンボス部13がさらに形成されてもよい。なお、エンボス部13は、長尺な樹脂フィルム11の全長に亘って形成されてもよく、また断続的に形成されてもよい。
前記所定の一定幅は、例えば樹脂フィルム11の用途や仕様等に応じて適宜に設定され、例えば、大型の液晶表示装置への使用、偏光板加工時の樹脂フィルムの使用効率および生産効率等の観点から、好ましくは、1000〜4000mmである。前記所定の一定膜厚は、例えば樹脂フィルム11の用途や仕様等に応じて適宜に設定され、例えば、適切な深さの凹部の形成、液晶表示装置の薄型化および樹脂フィルムの生産安定化等の観点から、好ましくは、30μm〜90μmであり、前記観点から、より好ましくは、30μm〜80μmである。ここで膜厚とは、平均膜厚のことであり、株式会社ミツトヨ製の接触式膜厚計により、樹脂フィルムの幅方向に50mm間隔で膜厚を測定し、その測定値の平均値を膜厚として示す。また、樹脂フィルム11は、例えば、偏光板加工時の樹脂フィルムの使用効率および生産効率等の観点から、好ましくは、2000m〜6000mの長さを有している。
樹脂フィルム11の材料は、例えば樹脂フィルム11の用途や仕様等に応じて適宜に設定され、特に制限されないが、例えば、セルロースジアセテート樹脂、セルローストリアセテート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂等のセルロースエステル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂;ポリメチルメタクリレート樹脂等のアクリル系樹脂;ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、セロファン、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、シンジオタクティックポリスチレン系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリメチルペンテン樹脂等のビニル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリアリレート系樹脂;ポリエーテルケトン樹脂;ポリエーテルケトンイミド樹脂;ポリアミド系樹脂;フッ素系樹脂等を挙げることができる。これらの中でも、液晶表示装置等に利用される透明性樹脂フィルムとしては、ハードコート層等との接着性に優れていること、および、光学的に等方性であること等の観点から、セルロースエステル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンを含む)系樹脂が好ましい。さらに、セルロースエステル系樹脂が好ましく、セルロースエステル系樹脂の中でも、セルロースアセテート樹脂、セルロースプロピオネート樹脂、セルロースブチレート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂が好ましく、セルロースアセテートプロピオネート樹脂が特に好ましい。ここで、透明性とは、可視光の透過率が60%以上であることであり、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。
セルロースエステル系樹脂は、アセチル基の置換度をx、プロピオニル基又はブチリル基の置換度をyとした時、xとyが下記式(I)及び(II)を満たすセルロースの混合脂肪酸エステルを有するセルロースエステル系樹脂が好ましい。
2.0≦x+y≦2.6 ・・・(I)
0.1≦y≦1.2 ・・・(II)
また、上記式(I)及び(II)に加えて、下記式(III)及び(IV)を満たすセルロースの混合脂肪酸エステルを有するセルロースエステル系樹脂(総アシル基置換度=x+y)がより好ましい。
2.4≦x+y≦2.6 ・・・(III)
1.4≦x≦2.3 ・・・(IV)
さらに、上記式(I)〜(IV)に加えて、下記式(V)及び(VI)を満たすセルロースアセテートプロピオネート樹脂またはセルロースアセテートブチレート樹脂(総アシル基置換度=x+y)が特に好ましい。
1.7≦x≦2.3 ・・・(V)
0.1≦y≦0.9 ・・・(VI)
また、アシル基で置換されていない部分は、通常水酸基として存在している。これらのセルロースエステル系樹脂は、公知の方法で合成することができる。アシル基の置換度の測定方法は、ASTM−D817−96の規定に準じて測定することができる。
前記セルロースエステル系樹脂の原料であるセルロースとしては、特に限定はないが、綿花リンター、木材パルプ(針葉樹由来、広葉樹由来)、ケナフ等を挙げることができる。また、それらから得られたセルロースエステル系樹脂は、それぞれ任意の割合で混合使用することができる。これらのセルロースエステル系樹脂は、アシル化剤が酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸)である場合には、酢酸のような有機酸やメチレンクロライド等の有機溶媒を用い、硫酸のようなプロトン性触媒を用いてセルロース原料と反応させて得ることができる。
前記アシル化剤が、酸クロライド(CH3COCl、C2H5COCl、C3H7COCl)である場合には、触媒としてアミンのような塩基性化合物を用いて反応が行われる。より具体的には、例えば特開平10−45804号公報に記載の方法等を参考にして合成することができる。また、セルロースエステル系樹脂は、各置換度に合わせて上記アシル化剤量を調整して反応させたものであり、セルロースエステル系樹脂は、これらアシル化剤がセルロース分子の水酸基に反応する。セルロース分子は、グルコースユニットが多数連結したものからなっており、グルコースユニットに3個の水酸基がある。この3個の水酸基にアシル基が誘導された数を置換度(モル%)と言う。例えば、セルローストリアセテートは、グルコースユニットの3個の水酸基全てにアセチル基が結合している(実際には2.6〜3.0である)。
また、セルロースエステル系樹脂としては、前述のようにセルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂およびセルロースアセテートプロピオネートブチレート樹脂のようなアセチル基の他にプロピオネート基またはブチレート基が結合したセルロースの混合脂肪酸エステルが好ましく用いられる。なお、プロピオネート基を置換基として含むセルロースアセテートプロピオネート樹脂は、耐水性に優れ、液晶画像表示装置用のフィルムとして特に有用である。
セルロースエステル系樹脂の数平均分子量は、40000〜200000であることが、樹脂フィルムに成型した場合の機械的強度が強く、かつ、溶液流延製膜法において適度なドープ粘度となる点で好ましく、50000〜150000であることがより好ましい。また、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が1.4〜4.5の範囲であることが好ましい。
このような樹脂フィルム11は、例えば、溶融流延製膜法および溶液流延製膜法等によって製造することが可能である。溶融流延製膜法とは、大略、原料樹脂を加熱溶融した樹脂溶融液を支持体上に流延し、流延膜を冷却固化した後、固化された流延膜を樹脂フィルム11として巻き取る方法である。また、溶液流延製膜法とは、大略、原料樹脂を溶媒に溶解した樹脂溶液を支持体上に流延し、流延膜を搬送しながら乾燥させた後、乾燥した流延膜を樹脂フィルム11として巻き取る方法である。これらの方法のうち、液晶表示装置等に利用される透明性樹脂フィルムとしては、樹脂フィルム11の組成を調整しやすいこと、樹脂フィルム11の膜厚をより均一化しやすいこと、および、樹脂フィルム11に複屈折が生じにくい等の理由により、溶液流延製膜法による製造が好ましい。
前記エンボス部13は、図1および図2に示すように、長手方向Xに沿って略直線状に形成された一対の凸部13b、13bと、長手方向Xに沿って略直線状に形成された凹部(第1凹部)13aとを備え、この凹部13aは、一対の凸部13b、13bの間における、一対の凸部13b、13bが形成されている樹脂フィルム11の一方主面(表面)14aに対向する他方主面(裏面)14bに形成されている。そして、図1および図2に示す例では、エンボス部13は、一対の凸部13b、13bの間における、一対の凸部13b、13bが形成されている樹脂フィルム11の一方主面14aに、長手方向Xに沿って略直線状に形成された第2凹部13cをさらに備えるエンボス部13Aである。
凸部13bの高さは、経験的に、凸部13bの高さが3μmよりも低いと、巻きズレが生じてしまい好ましくなく、一方、凸部13bの高さが30μmよりも高いと、樹脂フィルムがロール状に巻かれた場合に樹脂フィルムが撓んでしまい、フィルムの張り付きが生じるなど好ましくないことから、好ましくは、樹脂フィルム11の一方主面14aにおける平滑面14aから3μm〜30μmである。また、前記観点から、凸部13bの高さは、より好ましくは、5μm〜30μmであり、さらに好ましくは、5μm〜28μmである。凹部13aの深さは、凹部13aの深さが1μmよりも浅いと、空気が抜け難く、フィルム変形が生じてしまうので、好ましくなく、そして、凹部13aの深さを1μm以上とすることで、一対の凸部13b、13bおよび凹部13aが互いに作用し合って潰れ難くなることから、好ましくは、樹脂フィルム11の他方主面14bにおける平滑面14bから1μm以上である。前記観点から、凹部13aの深さは、より好ましくは、2μm以上であり、さらに好ましくは、3μm以上である。そして、凹部13aが形成された部分における樹脂フィルム11の膜厚は、凹部13aが形成された部分における樹脂フィルム11の膜厚が樹脂フィルム11の膜厚の90%を超えると、樹脂フィルム11の膜厚に比し凹部13aが浅くなって、空気が抜け難く、フィルム変形が生じてしまって好ましくないことから、好ましくは、樹脂フィルム11の膜厚の90%以下である。前記観点から、凹部13aが形成された部分における樹脂フィルム11の膜厚は、より好ましくは、85%以下であり、さらに好ましくは、80%以下である。
このような構造の樹脂フィルム11は、例えば、以下のように製造され、そして、ロール状に巻き取られる。
図3は、実施形態にかかる樹脂フィルムの製造装置の構成を示す概略図である。図3において、樹脂フィルム11の製造装置Sは、無端ベルト支持体111と、流延ダイ112と、剥離ローラ113と、延伸乾燥装置114と、非接触加熱部115と、巻取ローラ116とを備えて構成される。流延ダイ112は、原料樹脂、例えば透明性樹脂を溶媒に溶解した樹脂溶液(ドープ)117を無端ベルト支持体111の表面上に流延する。無端ベルト支持体111は、流延ダイ112から流延された樹脂溶液117からなる流延膜(ウェブ)を形成し、搬送させながら乾燥させる。そして、剥離ローラ113は、流延膜を無端ベルト支持体111から剥離する。剥離された流延膜は、延伸乾燥装置114へ搬送され、延伸乾燥装置114によって延伸されるとともにさらに乾燥される。乾燥された流延膜は、樹脂フィルム11として非接触加熱部115へ搬送され、非接触加熱部115でその両側端部12、12にエンボス部13、13が形成される。このエンボス部13、13が形成された樹脂フィルム11は、巻取ローラ116に巻き取られる。
非接触加熱部115は、非接触で樹脂フィルム11を予め設定された所定の温度で加熱する装置である。非接触加熱部115は、より具体的には、本実施形態では、光を照射することによって非接触で樹脂フィルムを予め設定された所定の光強度で加熱する光照射加熱部115である。さらにより具体的には、非接触加熱部(光照射加熱部)115は、本実施形態では、レーザ光を照射することによって非接触で樹脂フィルム11を予め設定された所定の光強度で加熱するレーザ加熱装置である。レーザ加熱装置は、例えば、炭酸ガスレーザやYAGレーザ等の比較的高出力なレーザ装置を備えて構成される。
エンボス部13(13A)を形成するエンボス部形成工程では、樹脂フィルム11の一方主面(表面)14aが非接触加熱部115によって予め設定された所定の温度で局所的に加熱されると、樹脂フィルム11が溶解し、この加熱された部分に第2凹部13cが形成されるとともに、この第2凹部13cの両側に一対の凸部13b、13bが盛り上がって形成される。そして、局所的な加熱が停止されると、急冷によって、溶解した樹脂フィルム11が収縮して固化し、加熱された部分における樹脂フィルム11の他方面(裏面)14bに凹部13aが形成される。より具体的には、本実施形態では、樹脂フィルム11の一方面(表面)14aがレーザ加熱装置115によって局所的に予め設定された所定の光強度で加熱されると、樹脂フィルム11が溶解し、この加熱された部分に第2凹部13cが形成されるとともに、この第2凹部13cの両側に一対の凸部13b、13bが盛り上がって形成される。そして、局所的な加熱が停止されると、急冷によって、溶解した樹脂フィルム11が収縮して固化し、加熱された部分における樹脂フィルム11の他方主面(裏面)14bに凹部13aが形成される。このようなレーザ加熱装置115では、レーザ光が用いられるので、局所に効率よくエネルギーを照射することができ、比較的短時間にエンボス部13を形成することが可能となる。なお、レーザ光の照射時間(加熱時間)は、樹脂フィルム11の搬送速度(巻き取り速度)によって決定される。レーザ加熱装置115が連続的にレーザ光を照射していたとしても、樹脂フィルム11が搬送されているので、局所的には、所定の照射時間(加熱時間)だけ加熱されることになる。
なお、非接触加熱部115は、上述では、レーザ加熱装置115を備えて構成されたが、例えば、高圧ナトリウムランプ、水銀ランプおよびハロゲンランプ等の比較的高出力なランプと、光を集光する光学系とを備え、前記ランプの光を前記光学系によって集光して非接触で樹脂フィルム11を局所的に加熱する装置であってもよい。また例えば、非接触加熱部115は、例えばマイクロ波を発生するマイクロ波発生装置と、ゾーンプレート等の回折現象を利用した集光装置とを備え、前記マイクロ波発生装置のマイクロ波を前記集光装置によって集光して非接触で樹脂フィルム11を局所的に加熱する装置であってもよい。このような非接触加熱部115では、比較的正確に、樹脂フィルム11を局所的に加熱することができる。また例えば、非接触加熱部115は、抵抗加熱ヒータを備え、抵抗加熱ヒータを樹脂フィルム11に近接させることによって非接触で樹脂フィルム11を局所的に加熱する装置であってもよい。このような非接触加熱部115では、比較的簡易で低廉な構成で、樹脂フィルム11を加熱することができる。
以上、説明したように、一対の凸部13b、13bおよび凹部13aを備えるエンボス部13を少なくとも両側端部12、12に有する樹脂フィルム11では、樹脂フィルム11がロール状に巻かれて重ねられても、一対の凸部13b、13bが形成されている一方主面14aに対向する他方主面14bに背景技術で説明したような凸部がなく、また、他方主面14bであって一対の凸部13b、13bが形成されている位置と異なる位置に凹部13aが形成されているので、一対の凸部13b、13bが潰れようとしても凸部13b、13b部分の樹脂材料が入り込む凹部がないから、一対の凸部13b、13bが潰れ難くなる。また、凸部13bが潰れ難くなる結果、その凸部13b部分の樹脂材料が入り込むこともないから、凹部13aも潰れ難くなる。したがって、樹脂フィルム11がロール状に巻き取られる際に空気が巻き込まれても、この巻き込まれた空気を一対の凸部13b、13bおよび凹部13aによって効率的に抜くことができ、フィルム変形を効果的により抑制することが可能となる。なお、特許文献2および特許文献3に開示のエンボスでは、他方面(裏面)14b側に、本実施形態の凹部13aに相当する凹部が形成されていないため、巻き込まれた空気を効率的に抜くことができる点で、本実施形態の樹脂フィルム11の方が優れている。
そして、本実施形態にかかる樹脂フィルム11は、さらに第2凹部13cを備えるので、前記空気をさらに効率的に抜くことができ、フィルム変形をさらに抑制することが可能となる。
なお、上述の実施形態では、エンボス部13は、図2に示すように、第2凹部13cを備えるエンボス部13Aであったが、もちろん、例えば図4に示すように、第2凹部13cを備えないエンボス部13Bであってもよい。
図4は、図1のAA線における他の形態の断面を示す図である。図5は、図4に示す構造のエンボス部の製造方法を説明するための図である。
図4に示すエンボス部13Bは、長手方向Xに沿って略直線状に形成された一対の凸部13e、13eと、長手方向Xに沿って略直線状に形成された凹部13dとを備え、この凹部13dは、一対の凸部13e、13eの間における、一対の凸部13e、13eが形成されている樹脂フィルム11の一方主面(表面)14aに対向する他方主面(裏面)14bに形成されている。
このようなエンボス部13Bは、例えば、図5に示すように、まず、非接触加熱部115によって樹脂フィルム11の他方主面14bに凹部13dが形成される(凹部形成工程、図5(A))。この凹部形成工程では、樹脂フィルム11の他方主面14bが非接触加熱部115によって予め設定された所定の強度で局所的に加熱されると、樹脂フィルム11が溶解し、この加熱された部分に凹部13dが形成される。より具体的には、本実施形態では、樹脂フィルム11の他方主面14bがレーザ加熱装置115によって局所的に予め設定された所定の光強度で加熱されると、樹脂フィルム11が溶解し、この加熱された部分に凹部13dが形成される。ここで、凹部13dを形成するための照射されるレーザ光の光強度は、照射時間(加熱時間)が同じ場合では、一対の凸部13bおよび凹部13cを形成するために照射されるレーザ光の光強度よりも小さい。
次に、図3に破線で示す凸部形成部118によって樹脂フィルム11の一方主面14aに一対の凸部13eが形成される(凸部形成工程、図5(B))。凸部形成部118は、例えば、原料樹脂、例えば透明性樹脂を溶媒に溶解した樹脂溶液を吹き付けるインクジェット方式によって樹脂溶液を樹脂フィルム11に印刷するインクジェット印刷部118を備えて構成される。インクジェット印刷部118で用いる前記樹脂溶液には、樹脂フィルム11と同じ材料が用いられる。この凸部形成工程では、インクジェット印刷部118で樹脂溶液が吹き付けられ、乾燥されることによって、一対の凸部13e、13eが形成でされる。
このように図4に示す構造のエンボス部13Bは、凹部形成工程および凸部形成工程によって形成されるが、先に、凸部形成工程が行われ、次に、凹部形成工程が行われてもよい。
このエンボス部13Bを備える樹脂フィルム11も同様に、樹脂フィルム11がロール状に巻き取られる際に空気が巻き込まれても、この巻き込まれた空気を一対の凸部13e、13eおよび凹部13dによって効率的に抜くことができ、フィルム変形を効果的により抑制することが可能となる。
次に、実施例について説明する。
溶液流延製膜法およびエンボス加工によって表1に示すようなトリアセチルセルロースフィルムが製膜された。すなわち、まず、ドーブが調液される。次に、ベルト支持体にドープが流延され、流延膜が形成される。この流延膜は、ベルト支持体から剥離され、延伸工程で延伸され、乾燥工程で乾燥され、フィルム幅が2000mmにスリットされた。その後、エンボス部形成工程でエンボス部がフィルム両端部の10mm幅で施された。このエンボス部形成工程では、波長10.6μmで定格出力60Wの炭酸ガスレーザ装置が用いられた。レーザ光は、トリアセチルセルロースフィルムにエンボス部を形成している際には、所定の出力(光強度)で照射された。レーザ光の出力は、トリアセチルセルロースフィルムの膜厚、一対の凸部の高さおよび凹部の深さ等に応じて適宜に調整された。
比較例として、実施例と同様に、溶液流延製膜法によってトリアセチルセルロースフィルムが製膜され、トリアセチルセルロースフィルムにホットエンボス加工によって図7に示す構造のエンボス部が形成された。
そして、これらトリアセチルセルロースフィルムが4000m長でロール状にそれぞれロール巻きされ、フィルムの評価がそれぞれ行われた。
フィルムの評価は、各条件のフィルム巻きを100本製作し、フィルム巻き中にあるフィルム変形による微小凹凸の個数を目視で計測することによって、そのフィルム変形の発生を観測し、下記の基準で評価した。
◎;全ての巻きフィルムの微小凹凸の個数が0個である、
○;微小凹凸の個数が1個であるフィルム巻きが3本以下であり、かつ、微小凹凸の個数が2個以上であるフィルム巻きがない、
△;微小凹凸の個数が1個であるフィルム巻きが4本以上であり、かつ、微小凹凸の個数が2個以上であるフィルム巻きがない、
×;微小凹凸の個数が2個以上であるフィルム巻きがある。
表1から分かるように、凸部の高さがフィルムの平滑面から10μmであり、凹部の深さがフィルムの平滑面から1μm以上であり、凹部が形成された部分におけるフィルムの膜厚がフィルムの膜厚の90%以下であり、フィルムの膜厚が30μm〜90μmである場合に、全ての巻きフィルムの微小凹凸の個数が0個であった(実施例2〜4)。
そして、フィルム膜厚が100μmである場合では、凸部の高さがフィルムの平滑面から10μmであり、凹部の深さがフィルムの平滑面から0.5μmであり、凹部が形成された部分におけるフィルムの膜厚がフィルムの膜厚の97%であって、微小凹凸の個数が1個であるフィルム巻きが4本以上であり、かつ、微小凹凸の個数が2個以上であるフィルム巻きがなかった(実施例1)。
次に、フィルム膜厚が20μmである場合では、凸部の高さがフィルムの平滑面から10μmにした場合に、フィルムに孔あきが発生し、微小凹凸の個数が1個であるフィルム巻きが4本以上であり、かつ、微小凹凸の個数が2個以上であるフィルム巻きがなかった(実施例5)。
これに対し、凸部の高さがフィルムの平滑面から12μmであり、凹部の深さがフィルムの平滑面から11μm以上であり、凹部が形成された部分におけるフィルムの膜厚がフィルムの膜厚の98%以上であり、フィルムの膜厚が40μm〜10μmである場合に、微小凹凸の個数が2個以上であるフィルム巻きがあった(比較例1〜4)。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
11 樹脂フィルム
13、13A、13B エンボス部
13a、13d 凹部(第1凹部)
13b、13e 凸部
13c 第2凹部
115 非接触加熱部(光照射加熱部、レーザ加熱装置)
118 凸部形成部

Claims (9)

  1. 少なくとも両側端部に長手方向に沿ってエンボス部を有する長尺な樹脂フィルムであって、
    前記エンボス部は前記長手方向に直交する方向における断面において、一対の凸部と、
    前記一対の凸部の間における、前記一対の凸部が形成されている前記樹脂フィルムの一方面に対向する他方面に形成されている凹部とを有すること
    を特徴とする樹脂フィルム。
  2. 前記一対の凸部および凹部は、前記長手方向に沿って連続的に形成されていること
    を特徴とする請求項1に記載の樹脂フィルム。
  3. 前記エンボス部は、前記一対の凸部の間における、前記一対の凸部が形成されている前記樹脂フィルムの一方面に、第2凹部をさらに備えること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の樹脂フィルム。
  4. 前記凸部の高さは、前記樹脂フィルムの一方面における平滑面から3〜30μmであり、
    前記凹部の深さは、前記樹脂フィルムの他方面における平滑面から1μm以上であり、
    前記凹部が形成された部分における前記樹脂フィルムの膜厚は、前記樹脂フィルムの膜厚の90%以下であること
    を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の樹脂フィルム。
  5. 前記樹脂フィルムの膜厚は、30μm〜90μmであること
    を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の樹脂フィルム。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の樹脂フィルムを製造する樹脂フィルムの製造方法であって、
    前記エンボス部は、非接触で前記樹脂フィルムを加熱する非接触加熱部によって形成されること
    を特徴とする樹脂フィルムの製造方法。
  7. 前記非接触加熱部は、光を照射することによって非接触で前記樹脂フィルムを加熱する光照射加熱部であること
    を特徴とする請求項6に記載の樹脂フィルムの製造方法。
  8. 前記光照射加熱部は、レーザ光を照射することによって非接触で前記樹脂フィルムを加熱するレーザ加熱装置であること
    を特徴とする請求項7に記載の樹脂フィルムの製造方法。
  9. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の樹脂フィルムを製造する樹脂フィルムの製造方法であって、
    前記凹部は、非接触で前記樹脂フィルムを加熱する非接触加熱部によって形成され、
    前記凸部は、樹脂溶液を前記樹脂フィルムに吹き付けるインクジェット印刷部によって形成されること
    を特徴とする樹脂フィルムの製造方法。
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