この発明は、データ作成装置、情報処理装置、データ作成方法、情報処理方法、データ作成プログラム、情報処理プログラム、および記録媒体に関する。ただし、この発明は、上述のデータ作成装置、情報処理装置、データ作成方法、情報処理方法、データ作成プログラム、情報処理プログラム、および記録媒体に限られない。
従来、ナビゲーション装置、PND(Personal Navigation Device)、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)などの情報処理装置は、地図画面を表示する機能や施設検索をおこなう機能を有している。地図画面を表示する場合、地形などを表示する描画用データに重ねて、道路のリンクデータに関連付けられているテキストデータ(名称データ)が表示される。また、施設検索をおこなう場合、検索結果として名称データが表示される。
このように、地図画面の表示や施設検索をおこなうためには、予め道路名称などの名称データを格納しておく必要がある。たとえば、地図画面表示用の名称データと、施設検索用の名称データとを別々に格納し、それぞれの処理において、別々に格納している名称データを読み込むようにした技術が知られている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
しかしながら、上述した特許文献1に記載の技術は、地図画面表示用の名称データと、施設検索用の名称データとを別々に格納しており、すなわち、名称データを重複して格納しているため、格納するデータの容量が多く、情報処理装置のパフォーマンスの低下を招くといった問題が一例として挙げられる。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかるデータ作成装置は、位置情報が紐付けられた名称に関するテキストデータ(以下「名称データ」という)を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記名称データに紐付く位置情報を用いて、当該名称データを所定の地域ごとに分類する分類手段と、隣接する複数の地域を統合する手段であって、統合する地域(以下「統合地域」という)に含まれる前記名称データの合計データサイズが予め設定された所定データサイズを超えないように複数の地域を統合する統合手段と、前記統合地域ごとに前記名称データをまとめて、施設検索処理および地図表示処理の双方に用いられる名称辞書として格納する格納手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項6の発明にかかる情報処理装置は、請求項1〜5のいずれか一つに記載のデータ作成装置によって作成された前記名称辞書を格納する格納部を備え、地図表示処理および施設検索処理を実行する情報処理装置であって、前記地図表示処理または前記施設検索処理が実行される際に、当該処理の対象地域を含む統合地域の名称辞書を前記格納部から読み出してメモリに転送する転送手段と、前記メモリに記憶されている名称辞書を用いて、前記処理における名称表示をおこなう表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項8の発明にかかるデータ作成方法は、位置情報が紐付けられた名称に関するテキストデータ(以下「名称データ」という)を取得する取得工程と、前記取得工程にて取得された前記名称データに紐付く位置情報を用いて、当該名称データを所定の地域ごとに分類する分類工程と、隣接する複数の地域を統合する工程であって、統合する地域(以下「統合地域」という)に含まれる前記名称データの合計データサイズが予め設定された所定データサイズを超えないように複数の地域を統合する統合工程と、前記統合地域ごとに前記名称データをまとめて、施設検索処理および地図表示処理の双方に用いられる名称辞書として格納する格納工程と、を含むことを特徴とする。
また、請求項9の発明にかかる情報処理方法は、複数の地域を統合した統合地域ごとに名称データをまとめて、施設検索処理および地図表示処理の双方に用いられる名称辞書として格納する格納部を備え、地図表示処理および施設検索処理を実行する情報処理装置の情報処理方法であって、前記地図表示処理または前記施設検索処理が実行される際に、当該処理の対象地域を含む統合地域の名称辞書を前記格納部から読み出してメモリに転送する転送工程と、前記メモリに記憶されている名称辞書を用いて、前記処理における名称表示をおこなう表示制御工程と、を含むことを特徴とする。
また、請求項10の発明にかかるデータ作成プログラムは、請求項8に記載のデータ作成方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、請求項11の発明にかかる情報処理プログラムは、請求項9に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、請求項12の発明にかかる記録媒体は、請求項10または11に記載のプログラムをコンピュータに読み取り可能に記録したことを特徴とする。
図1は、実施の形態1にかかるデータ作成装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図2は、実施の形態1にかかるデータ作成装置のデータ作成処理手順の一例を示すフローチャートである。
図3は、実施の形態2にかかる情報処理装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図4は、実施の形態2にかかる情報処理装置の情報処理手順の一例を示すフローチャートである。
図5は、実施例1にかかるデータ作成サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図6は、実施例1にかかるデータ作成サーバがおこなうデータ作成処理の一例を示すフローチャートである。
図7は、特定地域および統合地域の一例を示す説明図である。
図8は、共通名称辞書のデータ構造を示す説明図である。
図9は、A市名称辞書のデータ構造を示す説明図である。
図10−1は、C,D,E市名称辞書のデータ構造を示す説明図である。
図10−2は、共通名称辞書のデータ構造の他の一例を示す説明図である。
図10−3は、A市名称辞書のデータ構造の他の一例を示す説明図である。
図10−4は、C,D,E市名称辞書のデータ構造を示す説明図である。
図11は、実施例2にかかるナビゲーション装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図12は、実施例2にかかるナビゲーション装置がおこなう情報処理手順の概要を示したフローチャートである。
図13は、施設検索時における情報処理手順の一例を示したフローチャートである。
図14は、特定地域の地図表示時における情報処理手順の一例を示したフローチャートである。
図15は、統合地域の地図表示時における情報処理手順の一例を示したフローチャートである。
符号の説明
100 データ作成装置
101 取得部
102 分類部
103 統合部
104 格納部
105 抽出部
300 情報処理装置
301 格納部
302 転送部
303 表示制御部
304 表示部
500 データ作成サーバ
1100 ナビゲーション装置
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるデータ作成装置、情報処理装置、データ作成方法、情報処理方法、データ作成プログラム、情報処理プログラム、および記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
(データ作成装置の機能的構成)
図1を用いて、この発明の実施の形態1にかかるデータ作成装置の機能的構成について説明する。データ作成装置は、たとえば、サーバやPC(Personal Computer)などのコンピュータ装置によって実現される。図1は、実施の形態1にかかるデータ作成装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。データ作成装置100は、取得部101と、分類部102と、統合部103と、格納部104と、抽出部105とを備えている。
取得部101は、位置情報が紐付けられた名称に関するテキストデータ(以下「名称データ」という)を取得する。位置情報は、名称データを、地形などを表した描画データに重ねて表示するための情報である。具体例を挙げると、位置情報は、たとえば、名称データを「川越街道」とした場合、川越街道が通る川越市や川越市近隣の描画用データに紐付けられている情報である。
名称データは、代表的には、道路名称に関するテキストデータが挙げられるが、施設名称や、河川名や山地名などの地物名称のテキストデータを含む。取得部101による取得の手法は、データ作成装置100を管理する操作者からの入力によるものでもよいし、記録媒体からの読み込みによるものでもよいし、外部のサーバなどからの受信によるものでもよい。
分類部102は、取得部101によって取得された名称データに紐付く位置情報を用いて、当該名称データを所定の地域ごとに分類する。所定の地域は、代表的には、都市単位の地域であるが、このほかにも、国ごと、関東や東北のような地方ごと、都道府県ごと、市町村ごとの地域であってもよい。
統合部103は、隣接する複数の地域を統合するものであって、統合する地域(以下「統合地域」という)に含まれる名称データの合計データサイズが予め設定された所定データサイズを超えないように複数の地域を統合する。格納部104は、統合地域ごとに名称データをまとめて、施設検索処理および地図表示処理の双方に用いられる名称辞書として格納する。
また、実施の形態1において、統合部103は、所定データサイズ以上の名称データを有する地域または隣接する他の地域と統合すると名称データの合計データサイズが所定データサイズ以上となる地域(以下「特定地域」という)については隣接する他の地域との統合をおこなわないようにしてもよい。
具体的には、たとえば、統合部103は、大都市のように名称データが多数存在する地域や、中堅都市などのように隣接する他の都市と統合すると名称データが多数存在する地域などのように、名称データの合計データサイズが所定データサイズ以上となる地域に対して統合をおこなわない。このような大都市や中堅都市を特定地域という。この場合、格納部104は、特定地域の名称データをまとめて、施設検索処理および地図表示処理の双方に用いられる名称辞書として格納する。すなわち、格納部104は、特定地域の名称データについては独自の名称辞書として格納する。
また、実施の形態1において、統合部103は、格納部104の格納容量に応じ、所定データサイズを変更して、複数の地域を統合してもよい。統合部103は、具体的には、格納部104の格納容量が大きいほど、データサイズを大きくして、複数の地域を統合する。なお、統合部103は、データ作成装置100の格納部104の格納容量のほかにも、後述する利用者端末装置としての情報処理装置に具備される格納部の格納容量に応じて、所定データサイズを変更して、複数の地域を統合してもよい。
また、実施の形態1において、抽出部105は、任意の構成要素である。抽出部105は、所定の地域ごとに分類された名称データから、所定数以上の地域にて共通する名称データ(以下「共通名称データ」という)を抽出する。共通名称データは、各地域にて共通して用いられる名称であり、具体的には、たとえば、海外の道路における「メインストリート」や、日本国内の道路における「中央通り」、「海岸通り」、「大通り」、などである。
抽出部105を備えた構成において、格納部104は、共通名称データをまとめて、名称辞書とは異なる共通名称辞書として格納する。この場合、名称辞書には、共通名称データは格納されない。具体的には、A都市に「メインストリート」の名称データが存在する場合、格納部104は、A都市の名称辞書に「メインストリート」を格納せず、共通名称辞書に「メインストリート」を格納する。
また、実施の形態1において、図示せぬ出力部を備えてもよい。出力部は、格納部104に格納されている名称辞書や共通名称辞書の情報を、利用者端末装置としての情報処理装置へ送信したり、頒布するための光ディスクなどの記録媒体へ記録させたりする。
(データ作成装置のデータ作成処理手順)
つぎに、図2を用いて、データ作成装置100のデータ作成処理手順について説明する。図2は、実施の形態1にかかるデータ作成装置100のデータ作成処理手順の一例を示すフローチャートである。
図2のフローチャートにおいて、データ作成装置100は、取得部101が名称データを取得したか否かを判断する(ステップS201)。名称データを取得するまで待機状態にあり(ステップS201:Noのループ)、名称データを取得すると(ステップS201:Yes)、分類部102が名称データに紐付く位置情報を用いて、名称データを所定の地域ごとに分類する(ステップS202)。
そして、統合部103が、統合地域に含まれる名称データの合計データサイズが予め設定された所定データサイズを超えないように複数の地域を統合する(ステップS203)このあと、格納部104が統合地域ごとに名称データをまとめて、施設検索処理および地図表示処理の双方に用いられる名称辞書として格納し(ステップS204)、一連の処理を終了する。
以上説明したように、実施の形態1にかかるデータ作成装置100は、統合地域に含まれる名称データの合計データサイズが予め設定された所定データサイズを超えないように複数の地域を統合し、統合地域ごとに名称データをまとめて、施設検索処理および地図表示処理の双方に用いられる名称辞書として格納するようにしたので、名称データを重複して格納することなく、格納するデータ容量を抑えることができる。
また、当該名称辞書を用いたナビゲーション装置などの情報処理装置では、地図表示処理をおこなう場合には、単一の地域ごとに名称辞書を格納する場合に比べて、名称辞書の境界が少なくなる分、名称辞書を参照する処理の数が少なくなり、迅速な処理をおこなうことができる。したがって、情報処理装置のパフォーマンスを向上させることができる。
また、所定データサイズ以上の名称データを有する特定地域、または隣接する他の地域と統合すると名称データの合計データサイズが所定データサイズ以上となる特定地域については隣接する他の地域との統合をおこなわないようにすれば、地域ごとにデータサイズを最適にすることができる。したがって情報処理装置のパフォーマンスを最適にすることができる。
また、格納部104の格納容量に応じ、所定データサイズを変更して、複数の地域を統合するようにすれば、格納容量に相応しい統合をおこなうことができる。したがって、データサイズを最適にすることができる。これにより情報処理装置のパフォーマンスを最適にすることができる。
また、名称データとして、道路名称に関するテキストデータを用いるようにすれば、情報処理装置における地図表示処理において、複数の地域を跨ぐ道路を表示する際に、一の地域ごとに名称辞書を格納することによる、参照する辞書の数が多くなるといった不具合を抑止することができ、パフォーマンスを向上させることができる。すなわち、地図表示処理をおこなう場合に、単一の地域ごとに名称辞書を格納する場合に比べて、辞書の境界が少なくなる分、参照する辞書の数が少なくなり、パフォーマンスを向上させることができる。
また、所定の地域ごとに分類された名称データから、所定数以上の地域にて共通する共通名称データを抽出するようにし、共通名称データをまとめて、名称辞書とは異なる共通名称辞書として格納するようにすれば、複数の地域にて重複する名称データについては一つのみを共通名称辞書に格納しておけばよいので、辞書全体のデータサイズを抑えることができる。
(実施の形態2)
(情報処理装置の機能的構成)
つぎに、図3を用いて、この発明の実施の形態2にかかる情報処理装置の機能的構成について説明する。実施の形態2に示す情報処理装置は、実施の形態1に示したデータ作成装置100によって作成された名称辞書を用いて、地図表示処理および施設検索処理をおこなう装置である。なお、情報処理装置は、たとえば、ナビゲーション装置、PND、携帯電話、PDAなどの電子機器によって実現される。
図3は、実施の形態2にかかる情報処理装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。図3において、情報処理装置300は、格納部301と、転送部302と、表示制御部303と、表示部304とを備えている。
格納部301は、実施の形態1に示したデータ作成装置100によって作成された名称辞書を格納する。格納部301に名称辞書を格納させるために、データ作成装置100から名称辞書を取得する手法は、データ作成装置100からの受信によるものでもよいし、データ作成装置100によって記録された記録媒体からの読み込みによるものでもよい。なお、格納部301は、具体的には、磁気ディスクやフラッシュメモリなどによって実現される。
転送部302は、地図表示処理または施設検索処理が実行される際に、当該処理の対象地域を含む統合地域の名称辞書を格納部301から読み出してメモリに転送する。地図表示処理の実行は、地図表示をおこなうモードとなったときであり、具体的には、たとえば、利用者によって地図画面の表示が選択されたり、起動時に地図画面が表示される設定となっている場合には起動したりしたときである。
また、施設検索処理の実行は、施設検索をおこなうモードとなったときであり、具体的には、利用者によって検索用のキーワードが入力され、検索開始の入力があったときである。対象地域は、たとえば、現在位置周辺の地図表示処理をおこなう場合には現在位置周辺の地域であり、また、あるキーワードについて施設検索処理をおこなう場合には当該キーワードに該当する地域である。メモリは、具体的には、RAMによって実現される。
表示制御部303は、メモリに記憶されている名称辞書を用いて、地図表示処理または施設検索処理における名称表示をおこなう。表示制御部303は、具体的には、地図表示処理においては描画用データに名称データを重ねて表示させる。一方、施設検索処理においては検索結果として背面用のデータに名称データを重ねて表示させたり、地図表示処理と同様に、該当する地域の描画用データに名称データを重ねて表示させたりする制御をおこなう。表示部304は、表示制御部303の制御によって名称データを表示出力する。
また、実施の形態2において、格納部301は、実施の形態1に示したデータ作成装置100によって作成された名称辞書のほかに共通名称辞書を格納してもよい。この場合、転送部302は、共通名称辞書を格納部301から読み出してメモリに予め転送するとともに、地図表示処理または施設検索処理が実行される際に、当該処理の対象地域を含む統合地域の名称辞書を格納部301から読み出してメモリに転送する。すなわち、共通名称データについては、頻繁に使用する可能性が高いため、名称辞書をメモリ(RAM)に常駐させておく。表示制御部303は、メモリに記憶されている共通名称辞書および名称辞書を用いて、地図表示処理または施設検索処理における名称表示をおこなう。
(情報処理装置の情報処理手順)
つぎに、図4を用いて、実施の形態2にかかる情報処理装置300の情報処理手順について説明する。図4は、実施の形態2にかかる情報処理装置300の情報処理手順の一例を示すフローチャートである。
図4のフローチャートにおいて、情報処理装置300は、地図表示処理または施設検索処理の実行開始か否かを判断する(ステップS401)。地図表示処理または施設検索処理の実行開始となるまで待機状態にあり(ステップS401:Noのループ)、地図表示処理または施設検索処理の実行開始となると(ステップS401:Yes)、転送部302が地図表示処理または施設検索処理の対象地域を含む統合地域の名称辞書を格納部301から読み出して、読み出した名称辞書をメモリに転送する(ステップS402)。
このあと、表示制御部303がメモリに記憶されている名称辞書を用いて、地図表示処理または施設検索処理における名称表示の表示制御をおこなう(ステップS403)。そして、表示部304が表示制御部303の制御により、名称データを表示し(ステップS404)、一連の処理を終了する。
以上説明したように、実施の形態2にかかる情報処理装置300は、地図表示処理または施設検索処理を実行する際に、当該処理の対象地域を含む統合地域の名称辞書をメモリに転送し、メモリに記憶した名称辞書を用いて、地図表示処理または施設検索処理における名称表示をおこなうようにしたので、名称データを重複して格納することなく、格納するデータ容量を抑えることができる。
また、地図表示処理をおこなう場合には、単一の地域ごとに名称辞書を格納する場合に比べて名称辞書の境界が少なくなる分、名称辞書を参照する処理の数が少なくなり、迅速な処理をおこなうことができる。したがって、情報処理装置300のパフォーマンスを向上させることができる。
また、共通名称辞書を格納するようにし、共通名称辞書をメモリに予め転送するとともに、地図表示処理または施設検索処理を実行する際に、当該処理の対象地域を含む統合地域の名称辞書をメモリに転送し、メモリに記憶した共通名称辞書および名称辞書を用いて、地図表示処理または施設検索処理における名称表示をおこなうようにすれば、出現頻度の高い共通名称辞書をメモリに常駐させておくことにより、パフォーマンスを向上させることができる。また、複数の地域にて重複する名称データについては一つのみを共通名称辞書に格納しておけばよいので、辞書全体のデータサイズを抑えることができる。
以下に、本発明の実施例1について説明する。実施例1では、本発明のデータ作成装置をデータ作成サーバによって実現した場合の一例について説明する。また、後述する実施例2では、本発明の情報処理装置をナビゲーション装置によって実現した場合の一例について説明する。
(データ作成サーバのハードウェア構成)
図5を用いて、実施例1にかかるデータ作成サーバのハードウェア構成について説明する。図5は、実施例1にかかるデータ作成サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図5において、データ作成サーバ500は、CPU501と、ROM502と、RAM503と、磁気ディスクドライブ504と、磁気ディスク505と、光ディスクドライブ506と、光ディスク507と、入力デバイス508と、映像I/F(インターフェース)509と、ディスプレイ510と、通信I/F511とを備えて構成される。また、各構成部501〜511はバス520によってそれぞれ接続されている。
CPU501は、データ作成サーバ500の全体の制御を司る。ROM502やフラッシュROM等の書換え可能な不揮発性メモリは、ブートプログラム、データ作成プログラム、などの各種プログラムを記録している。また、RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。
データ作成プログラムは、名称に関するテキストデータ(以下「名称データ」という)に紐付く位置情報を用いて、当該名称データを所定の地域ごとに分類し、統合する地域(以下「統合地域」という)に含まれる名称データの合計データサイズが予め設定された所定データサイズを超えないように複数の地域を統合し、統合地域ごとに名称データをまとめた、施設検索処理および地図表示処理の双方に用いられる名称辞書を作成するプログラムである。なお、名称データは、主に道路名称に関するテキストデータ(以下「道路名称データ」という)である。
このデータ作成プログラムにおいて、所定データサイズ以上の名称データを有する地域または隣接する他の地域と統合すると名称データの合計データサイズが所定データサイズ以上となる地域(以下「特定地域」という)については隣接する他の地域との統合をおこなわない。
また、データ作成プログラムは、所定数以上の地域にて共通する名称データ(以下「共通名称データ」という)を抽出し、共通名称データをまとめた、名称辞書とは異なる共通名称辞書を作成させる。作成した名称辞書および共通名称辞書は、磁気ディスク505に格納される。なお、名称辞書および共通名称辞書の詳細については、図7〜10を用いて後述する。
なお、実施の形態1に示した分類部102と、統合部103と、抽出部105とは、CPU501によって実現される。すなわち、CPU501がデータ作成プログラムを実行することにより、分類部102と、統合部103と、抽出部105との機能を実現する。
磁気ディスクドライブ504は、CPU501の制御にしたがって磁気ディスク505に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク505は、磁気ディスクドライブ504の制御で書き込まれたデータを格納する。磁気ディスク505としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。磁気ディスク505には、CPU501の制御によって出力された名称辞書および共通名称辞書が格納される。なお、実施の形態1に示した格納部104は、磁気ディスク505によって実現される。
光ディスクドライブ506は、CPU501の制御にしたがって光ディスク507に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク507は、光ディスクドライブ506の制御にしたがってデータの読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク507は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。また、この着脱自在な記録媒体として、光ディスク507のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。また、光ディスク507は、頒布用として、光ディスクドライブ506の制御により磁気ディスク505に格納されている名称辞書および共通名称辞書を記録してもよい。
入力デバイス508は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、マウス、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス508には、操作者からの操作により、位置情報が紐付けられた名称データが入力される。なお、実施の形態1に示した取得部101は、入力デバイス508によって実現される。
映像I/F509は、ディスプレイ510と接続される。映像I/F509は、具体的には、たとえば、ディスプレイ510全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリとディスプレイ510を表示制御する制御ICなどによって構成される。
通信I/F511は、無線を介してネットワークなどの通信網に接続され、この通信網とCPU501とのインターフェースとしても機能する。なお、本実施例では、入力デバイス508からの入力により名称データを取得するようにしているが、通信I/F511を介して外部のサーバからの受信により名称データを取得してもよいし、光ディスク507からの読み込みにより名称データを取得してもよい。また、通信I/F511は、CPU501の制御により、磁気ディスク505に格納されている名称辞書および共通名称辞書を、後述するナビゲーション装置などの情報処理装置に送信してもよい。
図1に示したデータ作成装置100が備える、取得部101と、分類部102と、統合部103と、格納部104と、抽出部105とは、図5に示したデータ作成サーバ500におけるROM502、RAM503、磁気ディスク505、光ディスク507などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU501が所定のプログラムを実行し、データ作成サーバ500における各部を制御することによってその機能を実現する。
すなわち、本実施例のデータ作成サーバ500は、記録媒体としてのROM502などに記録されているデータ作成プログラムをCPU501が実行することにより、図1に示したデータ作成装置100が備える機能を、図2に示したデータ作成処理手順で実行することができる。
(データ作成サーバがおこなうデータ作成処理の一例)
つぎに、図6を用いて、実施例1にかかるデータ作成サーバ500がおこなうデータ作成処理の一例について説明する。図6は、実施例1にかかるデータ作成サーバ500がおこなうデータ作成処理の一例を示すフローチャートである。
図6のフローチャートにおいて、データ作成サーバ500のCPU501は、たとえば、入力デバイス508からの入力により、名称データを取得したか否かを判断する(ステップS601)。名称データを取得するまで待機状態にあり(ステップS601:Noのループ)、名称データを取得すると(ステップS601:Yes)、名称データを都市ごとに分類する(ステップS602)。
そして、分類した名称データのうち、所定数以上の地域にて共通する共通名称データが存在するか否かを判断する(ステップS603)。所定数以上の地域にて共通名称データが存在すると判断した場合(ステップS603:Yes)、共通名称データを抽出する(ステップS604)。このあと、それぞれ共通名称データに対応する共通名称IDを付与する(ステップS605)。なお、共通名称データの詳細については、図7,8を用いて後述する。
そして、CPU501の制御により磁気ディスク505が、共通名称データをまとめて共通名称辞書として格納する(ステップS606)。そして、他に取得した名称データがあるか否かを判断する(ステップS607)。他に取得した名称データがないと判断した場合(ステップS607:No)、一連の処理を終了する。一方、他に取得した名称データがあると判断した場合(ステップS607:Yes)、ステップS603に戻る。
また、ステップS603において、所定数以上の地域にて共通名称データが存在しないと判断した場合(ステップS603:No)、特定地域が存在するか否かを判断する(ステップS608)。なお、詳細については図7,9を用いて後述するが、特定地域は、所定データサイズ(たとえば、30KB)以上の名称データを有する地域、または隣接する他の地域と統合すると名称データの合計データサイズが所定データサイズ以上となる地域である。
特定地域が存在しないと判断した場合(ステップS608:No)、隣接する複数の都市を統合する(ステップS609)。そして、当該複数の都市を跨ぐ道路があるか否かを判断する(ステップS610)。当該複数の都市を跨ぐ道路があると判断した場合(ステップS610:Yes)、当該道路の名称データを1つのみ格納する(ステップS611)。
なお、複数の都市を跨ぐ道路の名称データを1つのみ格納するようにしたのは、各都市を跨ぐ道路名称データを、都市ごとに複数格納しないようにするためである。すなわち、具体例を挙げると、甲市、乙市を統合した場合であって、甲市、乙市を跨ぐ道路(たとえば「丙街道」という道路名称)がある場合、甲市、乙市のテキストデータとして、それぞれに「丙街道」という道路名称データを格納しておくのではなく、「丙街道」という一のテキストデータのみを格納しておくことにより、データサイズを抑えるようにしている。
ステップS611のあと、CPU501の制御により磁気ディスク505に、統合地域ごとに名称データをまとめて名称辞書として格納し(ステップS612)、ステップS607に移行する。一方、ステップS610において、当該複数の都市を跨ぐ道路がないと判断した場合(ステップS610:No)、ステップS612における名称辞書の格納をおこなう。
また、ステップS608において、特定地域が存在すると判断した場合(ステップS608:Yes)、都市の統合をおこなわずに、特定地域の名称データをまとめて名称辞書として格納し(ステップS613)、ステップS607に移行する。
(特定地域および統合地域一例)
つぎに、図7を用いて、特定地域および統合地域の一例について説明する。図7は、特定地域および統合地域の一例を示す説明図である。
図7において、符号710は、複数の都市からなる地図データを示したものである。また、符号720は、地図データ710を都市ごとに区分けした区分データである。地図データ710は、たとえば、「平成通り」という名称の道路と、「中央通り」という名称の三本の別々の道路と、「朝日街道」という名称の幹線道路と、「bマート」および「c石油」という名称の施設とを有している。なお、地図データ710は、格子状に区分けされているブロック(メッシュ)によって構成されている。
区分データ720は、A〜E市の都市に区分けしたものを示している。A〜E市の名称データのサイズは、順に28KB、43KB、10KB、10KB、9KBである。ここで、本実施例においては、各都市の名称辞書として格納する上限のデータサイズを30KBとしている。この30KBを超える都市(B市)、および他の地域と統合することにより30KBを超える都市(A市)は、統合をおこなわない特定地域であり、それぞれ独立した名称辞書として格納している。
すなわち、A市についてはA市名称辞書731として名称データを格納し、B市についてはB市名称辞書732として名称データを格納している。なお、本実施例では、各都市の名称辞書として格納する上限のデータサイズを30KBとしているが、たとえば、磁気ディスク505の格納容量に応じて、または、後述するナビゲーション装置などの情報処理装置に具備される磁気ディスクなどの格納部の格納容量に応じて、他の値に変更することも可能である。
一方、C〜E市は、統合すると合計のデータサイズは29KBであり、統合することが可能な統合地域である。すなわち、C〜E市については、C,D,E市名称辞書733として格納している。
また、A市、B市、D市には、「中央通り」という、所定数以上の地域にて共通する共通名称データが存在する。この「中央通り」という共通名称データは、A市名称辞書731、B市名称辞書732、C,D,E市名称辞書733とは異なる共通名称辞書740に格納される。なお、共通名称辞書740には辞書番号「0」が、A市名称辞書731には辞書番号「1」が、B市名称辞書732には辞書番号「2」が、C,D,E市名称辞書733には辞書番号「3」が、付されている。
なお、A市、B市、D市に属する描画用データ(パーセルデータ)には、それぞれ「中央通り」のリンクに、共通名称辞書740の辞書番号「0」と、共通名称辞書740の名称ID「1」とを設定しておくことにより、地図表示時または施設検索時における「中央通り」というテキストデータの読み込みが可能になっている。
また、C市、D市、E市を跨ぐ「朝日街道」という名称データが存在する。図6のフローチャートの説明においても補足したが、本実施の形態においては、この「朝日街道」という名称データをC市、D市、E市にそれぞれもたせず、すなわち、C,D,E市名称辞書733に3つ、または「朝日街道」が描画されているメッシュの数に相当する分、格納していない。つまり、「朝日街道」という名称データをC市、D市、E市で1つ格納している。
なお、この場合、C市、D市、E市に属する描画用データには、それぞれ「朝日街道」のリンクに、C,D,E市名称辞書733の辞書番号「3」とC,D,E市名称辞書733の名称ID「1」とを設定しておくことにより、地図表示時または施設検索時における「朝日街道」というテキストデータの読み込みが可能になっている。
なお、「朝日街道」のようなC市、D市、E市を跨ぐ道路に限らず、C市、D市、E市を跨ぐ地物の名称についても同様に、たとえば、海岸の名称、山の名称などについても、一つの名称データのみを格納し、C市、D市、E市の描画用データに、各地物に辞書番号と、名称IDとを設定することも可能である。
(共通名称辞書のデータ構造)
つぎに、図8を用いて、共通名称辞書740のデータ構造について説明する。図8は、共通名称辞書740のデータ構造を示す説明図である。図8において、共通名称辞書740には、名称IDと、共通名称データとが格納されている。具体的には、共通名称辞書740は、名称IDを対応付けて各共通名称データを格納している。たとえば、図7に示した「中央通り」の共通名称データに、「1」の共通名称IDが関連付けられている。
(A市名称辞書のデータ構造)
つぎに、図9を用いて、A市名称辞書731のデータ構造について説明する。図9は、A市名称辞書731のデータ構造を示す説明図である。図9において、A市名称辞書731は、名称IDと、名称データとが格納されている。名称データは、「平成通り」、「bマート」といった図7に示した名称などをテキストデータとして示したものである。
名称IDは、A市内の名称データを識別するための情報である。このA市名称辞書731には、「中央通り」のテキストデータが格納されていない。上述したように、A市の描画用データには、「中央通り」のリンクに、共通名称辞書740の辞書番号「0」と、名称ID「1」とが設定されている。これにより、地図表示時または施設検索時における「中央通り」というテキストデータの読み込みが可能になっている。
なお、B市名称辞書732のデータ構造については、図示による説明を省略するが、A市名称辞書731のデータ構造と同様の構成であり、すなわち、名称IDおよび名称データから構成される。
(C,D,E市名称辞書のデータ構造)
つぎに、図10−1を用いて、C,D,E市名称辞書733のデータ構造について説明する。図10−1は、C,D,E市名称辞書733のデータ構造を示す説明図である。図10−1において、C,D,E市名称辞書733は、名称IDと、名称データとを有している。名称データは、「朝日街道」、「c石油」といった図7に示した名称などのテキストデータである。
名称IDは、C,D,E市の名称データを識別するための情報である。このC,D,E市名称辞書733には、「朝日街道」のテキストデータを1つしか格納していない。なお、上述したように、C,D,E市の描画用データには、「朝日街道」のリンクに、C,D,E市名称辞書733の辞書番号「3」と、名称ID「1」とが設定されている。これにより、地図表示時または施設検索時における「朝日街道」というテキストデータの読み込みが可能になっている。
また、C,D,E市名称辞書733には、A市名称辞書731と同様に、「中央通り」のテキストデータが格納されていない。上述したように、D市の描画用データには、「中央通り」のリンクに、共通名称辞書740の辞書番号「0」と、名称ID「1」とが設定されている。これにより、地図表示時または施設検索時における「中央通り」というテキストデータの読み込みが可能になっている。
(共通名称辞書のデータ構造の他の一例)
つぎに、図10−2〜10−4を用いて、各辞書のデータ構造について、他の一例について説明する。図10−2は、共通名称辞書740のデータ構造の他の一例を示す説明図である。図10−2において、共通名称辞書740には、名称IDと、共通名称データと、共通名称IDとが格納されている。たとえば、図7に示した「中央通り」の共通名称データには、「1」の名称IDが関連付けられている。
(A市名称辞書のデータ構造の他の一例)
図10−3は、A市名称辞書731のデータ構造の他の一例を示す説明図である。図10−3において、A市名称辞書731は、名称IDと、名称データと、共通名称IDとが格納されている。名称データは、「平成通り」、「bマート」といった図7に示した名称などをテキストデータとして示したものである。
名称IDは、A市内の名称データを識別するための情報である。共通名称IDは、共通名称辞書740の名称IDに相当する。名称ID「3」に対応する共通名称IDには、「1」が格納されている。これは共通名称辞書740に格納されている名称ID「1」の「中央通り」に対応する。すなわち、A市名称辞書731には、「中央通り」というテキストデータが格納されておらず、共通名称IDとしての番号が格納されている。
なお、この場合、A市の描画用データには、「中央通り」のリンクに、A市名称辞書731の辞書番号「1」と、名称ID「3」(共通名称ID「1」に相当)とが設定されている。これにより、地図表示時または施設検索時における「中央通り」というテキストデータの読み込みが可能になっている。
なお、B市名称辞書732のデータ構造についても、同様の構成とすることが可能であり、すなわち、名称ID、名称データおよび共通名称IDから構成されることも可能である。
(C,D,E市名称辞書のデータ構造の他の一例)
図10−4は、C,D,E市名称辞書733のデータ構造を示す説明図である。図10−4において、C,D,E市名称辞書733は、名称IDと、名称データと、共通名称IDとを有している。名称データは、「朝日街道」、「c石油」といった図7に示した名称などのテキストデータである。
名称IDは、C,D,E市の名称データを識別するための情報である。共通名称IDは、共通名称辞書740の名称IDに相当する。名称ID「3」に対応する共通名称IDには、「1」が格納されている。これは共通名称辞書740に格納されている名称ID「1」の「中央通り」に対応する。すなわち、C,D,E市名称辞書733には、「中央通り」というテキストデータが格納されておらず、共通名称IDとしての番号が格納されている。
なお、この場合、D市の描画用データには、「中央通り」のリンクに、C,D,E市名称辞書733の辞書番号「3」と、名称ID「3」(共通名称ID「1」に相当)とが設定されている。これにより、地図表示時または施設検索時における「中央通り」というテキストデータの読み込みが可能になっている。
また、C,D,E市名称辞書733には、「朝日街道」のテキストデータを1つしか格納していない。なお、この場合、D市の描画用データには、「朝日街道」のリンクに、C,D,E市名称辞書733の辞書番号「3」と、名称ID「1」とが設定されている。これにより、地図表示時または施設検索時における「朝日街道」というテキストデータの読み込みが可能になっている。
このように、図10−2〜10−4に示した各辞書のデータ構造であっても、図8〜10−1に示した各辞書のデータ構造と同様に、共通名称データを一元化できるとともに、各地域を統合して名称データを格納しておくことができる。なお、上述したデータ構造は、一例に過ぎず、これに限られるものではない。
以上説明したように、実施例1にかかるデータ作成サーバ500は、統合地域に含まれる名称データの合計データサイズが予め設定された30KBのデータサイズを超えないように複数の地域を統合し、統合地域ごとに名称データをまとめて、施設検索処理および地図表示処理の双方に用いられる名称辞書(C,D,E市名称辞書)として格納するようにしたので、名称データを重複して格納することなく、格納するデータ容量を抑えることができる。
また、当該名称辞書を用いたナビゲーション装置などの情報処理装置では、地図表示処理をおこなう場合に、単一の地域ごとに名称辞書を格納する場合に比べて名称辞書の境界が少なくなる分、名称辞書を参照する処理の数が少なくなり、迅速な処理をおこなうことができる。したがって、情報処理装置のパフォーマンスを向上させることができる。
また、30KBのデータサイズ以上の名称データを有する特定地域、または隣接する他の地域と統合すると名称データの合計データサイズが所定データサイズ以上となる特定地域については隣接する他の地域との統合をおこなわないようにし、A市名称辞書、B市名称辞書として格納するようにしたので、地域ごとにデータサイズを最適にすることができる。したがって、情報処理装置のパフォーマンスを最適にすることができる。
また、本実施例において、磁気ディスク505の格納容量に応じて、30KBのデータサイズを変更して、複数の地域を統合することも可能である。このようにすれば、格納容量に相応しい統合をおこなうことができる。したがって、データサイズを最適にすることができる。これにより、情報処理装置のパフォーマンスを最適にすることができる。
また、名称データとして、道路名称に関するテキストデータを用いたので、情報処理装置における地図表示処理において、複数の地域を跨ぐ道路を表示する際に、一の地域ごとに名称辞書を格納することによる、参照する辞書の数が多くなるといった不具合を抑止することができ、パフォーマンスを向上させることができる。すなわち、地図表示処理をおこなう場合に、単一の地域ごとに名称辞書を格納する場合に比べて、辞書の境界が少なくなる分、参照する辞書の数が少なくなり、パフォーマンスを向上させることができる。
また、所定の地域ごとに分類された名称データから、所定数以上の地域にて共通する共通名称データを抽出するようにし、共通名称データをまとめて、名称辞書とは異なる共通名称辞書740として格納するようにした。したがって、複数の地域にて重複する名称データについては一つのみを共通名称辞書740に格納しておけばよいので、辞書全体のデータサイズを抑えることができる。
以下に、本発明の実施例2について説明する。実施例2では、本発明の情報処理装置をナビゲーション装置によって実現した場合の一例について説明する。なお、実施例2において、実施例1にて説明した内容については、適宜その説明を省略する。
(ナビゲーション装置のハードウェア構成)
図11を用いて、実施例2にかかるナビゲーション装置1100のハードウェア構成について説明する。図11は、実施例2にかかるナビゲーション装置1100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図11において、ナビゲーション装置1100は、CPU1101と、ROM1102と、RAM1103と、磁気ディスクドライブ1104と、磁気ディスク1105と、光ディスクドライブ1106と、光ディスク1107と、音声I/F1108と、スピーカ1109と、入力デバイス1110と、映像I/F1111と、ディスプレイ1112と、通信I/F1113と、GPSユニット1114と、各種センサ1115とを備えている。また、各構成部1101〜1115はバス1120によってそれぞれ接続されている。
CPU1101は、ナビゲーション装置1100の全体の制御を司る。ROM1102は、ブートプログラム、地図表示プログラム、施設検索プログラム、情報処理プログラムなどの各種プログラムを記録している。また、RAM1103は、CPU1101のワークエリアとして使用されるとともに、共通名称辞書を記憶する。
地図表示プログラムは、後述する磁気ディスク1105に記録されている、描画用データや名称データなどからなる地図データを利用して、たとえば、現在位置周辺の地図画面を表示させるプログラムである。施設検索プログラムは、磁気ディスク1105に記録されている名称辞書および共通名称辞書を用いて、利用者から入力されたキーワードに該当する地点を名称辞書および共通名称辞書から検索するプログラムである。
情報処理プログラムは、地図表示プログラムによる地図表示処理、または施設検索プログラムによる施設検索処理が実行される際に、実施例1のデータ作成サーバ500にて作成された名称辞書を磁気ディスク1105から読み出してRAM1103に転送し、RAM1103に記憶されている名称辞書または共通名称辞書を用いて、地図表示処理または施設検索処理における名称データを表示出力させるプログラムである。なお、共通名称辞書については、地図表示処理または施設検索処理の前段階で、予め磁気ディスク1105から読み出され、RAM1103に記憶されている。
なお、実施の形態2に示した、転送部302と、表示制御部303とは、CPU1101によって実現される。すなわち、CPU1101が情報処理プログラムを実行することにより、転送部302と、表示制御部303との機能を実現する。
磁気ディスクドライブ1104は、CPU1101の制御にしたがって磁気ディスク1105に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク1105は、磁気ディスクドライブ1104の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク1105としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
磁気ディスク1105は、実施例1に示したデータ作成サーバ500にて作成された名称辞書および共通名称辞書を記録する。また、磁気ディスク1105は、建物、河川、地表面などの地物を表す背景データと、道路の形状を表す道路形状データとからなる描画用データ(パーセルデータ)や、検索時における背景の画面を表す背面データなども記録する。なお、携帯型ナビゲーション装置(PND)では、磁気ディスク1105に記録しているデータをフラッシュメモリなどに記録する。実施の形態2に示した格納部301は、磁気ディスク1105によって実現される。
なお、描画用データは、複数の都市にて共通する名称のデータを有する「中央通り」などのリンクや地物に、共通名称辞書の辞書番号と、共通名称辞書の名称IDとを記録している。また、複数の都市を統合した各都市の描画用データは、当該複数の都市を跨ぐ道路リンクや地物に、統合地域の名称辞書の辞書番号と、当該名称辞書の名称IDとを記録している。
光ディスクドライブ1106は、CPU1101の制御にしたがって光ディスク1107に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク1107は、光ディスクドライブ1106の制御にしたがってデータの読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク1107は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。また、この着脱可能な記録媒体として、光ディスク1107のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。
本実施例では、データ作成サーバ500にて作成された名称辞書および共通名称辞書を記録した光ディスク1107を用い、当該光ディスク1107から名称辞書および共通名称辞書を読み込むことにより、磁気ディスク1105に名称辞書および共通名称辞書を記録させている。
音声I/F1108は、音声出力用のスピーカ1109に接続される。スピーカ1109は、音声を出力する。入力デバイス1110は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、マウス、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス1110は、リモコン、キーボード、マウス、タッチパネルのうち、いずれか一つの形態によって実現されてもよいし、複数の形態によって実現してもよい。
映像I/F1111は、ディスプレイ1112と接続される。映像I/F1111は、具体的には、たとえば、ディスプレイ1112全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいて、ディスプレイ1112を表示制御する制御ICなどによって構成される。なお、実施の形態2に示した表示部304は、ディスプレイ1112によって実現される。
通信I/F1113は、無線を介してネットワークに接続され、ナビゲーション装置1100とCPU1101とのインターフェースとして機能する。なお、通信I/F1113は、データ作成サーバ500にて作成された名称辞書および共通名称辞書を受信してもよい。また、通信I/F1113は、CPU1101の制御により、名称辞書または共通名称辞書の更新周期となったときに、データ作成サーバ500に対して、当該名称辞書または共通名称辞書の送信要求をおこなう旨の情報を送信してもよい。
GPSユニット1114は、GPS衛星からの電波を受信し、車両の現在地点を示す情報を出力する。GPSユニット1114の出力情報は、後述する各種センサ1115の出力値とともに、CPU1101による車両の現在地点の算出に際して利用される。現在地点を示す情報は、たとえば緯度・経度、高度などの、地図データ上の1点を特定する情報である。
各種センサ1115は、車速センサ、加速度センサ、角速度センサなどの、車両の位置や挙動を判断することが可能な情報を出力する。各種センサ1115の出力値は、CPU1101による車両の現在地点の算出や、速度や方位の変化量の測定などに用いられる。
図3に示した情報処理装置300が備える、格納部301と、転送部302と、表示制御部303と、表示部304とは、図11に示したナビゲーション装置1100におけるROM1102、RAM1103、磁気ディスク1105、光ディスク1107などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU1101が所定のプログラムを実行し、ナビゲーション装置1100における各部を制御することによってその機能を実現する。
すなわち、本実施例のナビゲーション装置1100は、記録媒体としてのROM1102などに記録されている情報処理プログラムをCPU1101が実行することにより、図3に示した情報処理装置300が備える機能を、図4に示した情報処理手順で実行することができる。
(ナビゲーション装置がおこなう情報処理手順の概要)
つぎに、図12を用いて、実施例2にかかるナビゲーション装置1100がおこなう情報処理手順の概要について説明する。図12は、実施例2にかかるナビゲーション装置1100がおこなう情報処理手順の概要を示したフローチャートである。
図12において、ナビゲーション装置1100のCPU1101は、ナビゲーション装置1100が施設検索モードまたは地図表示モードになったか否かを判断する(ステップS1201)。施設検索モードまたは地図表示モードとなるまで待機状態にあり(ステップS1201:Noのループ)、施設検索モードまたは地図表示モードになると(ステップS1201:Yes)、磁気ディスク1105に記録されている共通名称辞書をRAM1103に転送する(ステップS1202)。
このあと、施設検索処理または地図表示処理を実行するまで待機状態にあり(ステップS1203:Noのループ)、施設検索処理または地図表示処理を実行すると(ステップS1203:Yes)、当該処理の対象地域を含む統合地域または特定地域の名称辞書をRAM1103に転送する(ステップS1204)。さらに、RAM1103に記憶されている共通名称辞書および名称辞書を用いて、ディスプレイ1112から当該処理における名称を表示し(ステップS1205)、一連の処理を終了する。
(施設検索時における情報処理手順の一例)
つぎに、図13を用いて、施設検索時における情報処理手順の一例について説明する。図13は、施設検索時における情報処理手順の一例を示したフローチャートである。なお、図13に示すフローチャートでは、共通名称辞書を予めRAM1103に記憶させていることを前提とする。
図13のフローチャートにおいて、ナビゲーション装置1100のCPU1101は、利用者から入力デバイス1110を介してキーワードが入力され、施設検索処理の開始を受け付けたか否かを判断する(ステップS1301)。施設検索処理の開始を受け付けるまで待機状態にあり(ステップS1301:Noのループ)、施設検索処理の開始を受け付けると(ステップS1301:Yes)、施設検索処理の対象地域(キーワード)を含む地域の名称辞書をRAM1103に転送する(ステップS1302)。
このあと、検索対象データに対応する名称データを共通名称辞書または対象地域の名称辞書から取得する(ステップS1303)。そして、取得した名称データを参照して検索をおこなう(ステップS1304)。そして、共通名称辞書および名称辞書の検索により、該当する名称データ(または共通名称データ)を背面データに重合させる(ステップS1305)。なお、背面データは、検索結果を表示する際の背景を示す画像データである。このあと、重合させたデータを検索結果として表示し(ステップS1306)、一連の処理を終了する。なお、検索結果として、キーワードに該当する名称データ周辺の地図を表示させる際には、名称データを描画用データに重合させて表示すればよい。
(特定地域の地図表示時における情報処理手順の一例)
つぎに、図14を用いて、特定地域の地図表示時における情報処理手順の一例について説明する。図14は、特定地域の地図表示時における情報処理手順の一例を示したフローチャートである。なお、図14に示すフローチャートでは、共通名称辞書を予めRAM1103に記憶させていることを前提とする。また、特定地域は、図7に示したA市およびB市であり、以下の説明ではA市を例に挙げて説明する。また、以下の説明では、磁気ディスク1105に記録されている辞書のデータ構造は、図8〜10−1に示したデータ構造と同様のものとする。
図14のフローチャートにおいて、ナビゲーション装置1100のCPU1101は、たとえば、車両がA市付近に位置し、A市の地図表示処理が開始したか否かを判断する(ステップS1401)。A市の地図表示処理が開始するまで待機状態にあり(ステップS1401:Noのループ)、A市の地図表示処理が開始すると(ステップS1401:Yes)、磁気ディスク1105から、A市の描画用データの読み込みをおこなう(ステップS1402)。
そして、A市名称辞書(図7参照)をRAM1103に転送する(ステップS1403)。さらに、描画用データの表示範囲内に共通名称辞書を示す辞書番号および名称IDの設定された地物(たとえば図7に示した「中央通り」などの道路)があるか否かを判断する(ステップS1404)。描画用データの表示範囲内に共通名称辞書を示す辞書番号および名称IDの設定された地物があると判断した場合(ステップS1404:Yes)、RAM1103に予め記憶されている共通名称辞書から名称IDに対応する共通名称データの読み込みをおこなう(ステップS1405)。
このあと、A市名称辞書から表示範囲内の名称データの読み込みをおこなう(ステップS1406)。一方、ステップS1404において、描画用データの表示範囲内に共通名称辞書を示す辞書番号および名称IDの設定された地物がないと判断した場合(ステップS1404:No)、ステップS1406に移行する。
ステップS1406の処理のあと、読み込んだ名称データ(または共通名称データ)を描画用データに重合させる(ステップS1407)。そして、重合させたデータを地図画面として表示し(ステップS1408)、一連の処理を終了する。
なお、図10−2〜10−4に示したデータ構造の名称辞書を用いる場合、ステップS1404において、上述した「描画用データの表示範囲内に共通名称辞書を示す辞書番号および名称IDの設定された地物があるか否かの判断」とするのではなく、「描画用データの表示範囲内に、A市名称辞書を示す辞書番号と共通名称IDを有する名称IDとが設定された地物があるか否かの判断」とすればよい。なお、この場合、上記辞書番号と上記名称IDとが設定された地物がある場合に、ステップS1405に移行すればよい。
(統合地域の地図表示時における情報処理手順の一例)
つぎに、図15を用いて、統合地域の地図表示時における情報処理手順の一例について説明する。図15は、統合地域の地図表示時における情報処理手順の一例を示したフローチャートである。なお、図15に示すフローチャートでは、共通名称辞書を予めRAM1103に記憶させていることを前提とする。また、統合地域は、図7に示したC,D,E市であり、以下の説明ではC市を表示する場合を例に挙げて説明する。
図15のフローチャートにおいて、ナビゲーション装置1100のCPU1101は、たとえば、車両がC市付近に位置し、C市の地図表示処理が開始したか否かを判断する(ステップS1501)。C市の地図表示処理が開始するまで待機状態にあり(ステップS1501:Noのループ)、C市の地図表示処理が開始すると(ステップS1501:Yes)、磁気ディスク1105から、C市の描画用データの読み込みをおこなう(ステップS1502)。
そして、C,D,E市名称辞書(図7参照)をRAM1103に転送する(ステップS1503)。さらに、描画用データの表示範囲内に共通名称辞書を示す辞書番号および名称IDの設定された地物(たとえば図7に示した「中央通り」などの道路)があるか否かを判断する(ステップS1504)。描画用データの表示範囲内に共通名称辞書を示す辞書番号および名称IDの設定された地物があると判断した場合(ステップS1504:Yes)、RAM1103に予め記憶されている共通名称辞書から名称IDに対応する共通名称データの読み込みをおこなう(ステップS1505)。
そして、描画用データの表示範囲内にC,D,E市名称辞書(図7参照)を示す辞書番号および名称IDの設定された地物(たとえば図7に示した「朝日街道」などの道路)があるか否かを判断する(ステップS1506)。描画用データの表示範囲内にC,D,E市名称辞書を示す辞書番号および名称IDの設定された地物があると判断した場合(ステップS1506:Yes)、C,D,E市名称辞書から名称IDに対応する名称データの読み込みをおこなう(ステップS1507)。
そして、C,D,E市名称辞書から表示範囲内の名称データの読み込みをおこなう(ステップS1508)。このあと、読み込んだ名称データ(または共通名称データ)を描画用データに重合させる(ステップS1509)。そして、重合させたデータを地図画面として表示し(ステップS1510)、一連の処理を終了する。
一方、ステップS1504において、描画用データの表示範囲内に共通名称辞書を示す辞書番号および名称IDの設定された地物がないと判断した場合(ステップS1504:No)、ステップS1506に移行する。また、ステップS1506において、描画用データの表示範囲内にC,D,E市名称辞書を示す辞書番号および名称IDの設定された地物がないと判断した場合(ステップS1506:No)、ステップS1508における名称データの読み込みをおこなう。
なお、図10−2〜10−4に示したデータ構造の名称辞書を用いる場合、図14の説明にて補足したことと同様に、ステップS1504の処理を、上述した「描画用データの表示範囲内に共通名称辞書を示す辞書番号と名称IDとが設定された地物があるか否かの判断」とするのではなく、「描画用データの表示範囲内に、A市名称辞書を示す辞書番号と共通名称IDを有する名称IDとが設定された地物があるか否かの判断」とすればよい。なお、この場合、上記辞書番号と上記名称IDとが設定された地物がある場合に、ステップS1505に移行すればよい。
以上説明したように、実施例2にかかるナビゲーション装置1100は、地図表示処理または施設検索処理を実行する際に、当該処理の対象地域を含む統合地域の名称辞書をメモリに転送し、メモリに記憶した名称辞書を用いて、地図表示処理または施設検索処理における名称表示をおこなうようにしたので、名称データを重複して格納することなく、磁気ディスク1105に記録するデータ容量を抑えることができる。
また、地図表示処理をおこなう場合には、単一の地域ごとに名称辞書を格納する場合に比べて名称辞書の境界が少なくなる分、名称辞書を参照する処理の数が少なくなり、迅速な処理をおこなうことができる。したがって、ナビゲーション装置1100のパフォーマンスを向上させることができる。
また、実施例2にかかるナビゲーション装置1100は、磁気ディスク1105に共通名称辞書を記録するようにし、共通名称辞書をRAM1103に予め転送するとともに、地図表示処理または施設検索処理を実行する際に、当該処理の対象地域を含む統合地域の名称辞書をRAM1103に転送し、RAM1103に記憶した共通名称辞書および名称辞書を用いて、地図表示処理または施設検索処理における名称表示をおこなうようにした。
したがって、出現頻度の高い共通名称辞書をRAM1103に常駐させておくことにより、パフォーマンスを向上させることができる。また、複数の地域にて重複する名称データについては一つのみを共通名称辞書に格納しておけばよいので、辞書全体のデータサイズを抑えることができる。
以上説明したように、本発明のデータ作成装置、情報処理装置、データ作成方法、情報処理方法、データ作成プログラム、情報処理プログラム、および記録媒体によれば、データ容量を抑えることができ、施設検索処理および地図表示処理におけるパフォーマンスを向上させることができる。
なお、実施例1,2で説明したデータ作成方法および情報処理方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかるデータ作成装置は、位置情報が紐付けられた名称に関するテキストデータ(以下「名称データ」という)を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記名称データに紐付く位置情報を用いて、当該名称データを所定の地域ごとに分類する分類手段と、隣接する複数の地域を統合する手段であって、統合する地域(以下「統合地域」という)に含まれる前記名称データの合計データサイズが予め設定された所定データサイズを超えないように複数の地域を統合する統合手段と、前記統合地域ごとに前記名称データをまとめて、施設検索処理および地図表示処理の双方に用いられる名称辞書として格納する格納手段と、前記所定の地域ごとに分類された前記名称データから、所定数以上の地域にて共通する名称データ(以下「共通名称データ」という)を抽出する抽出手段と、を備え、前記格納手段は、前記共通名称データをまとめて、前記名称辞書とは異なる共通名称辞書として格納することを特徴とする。
また、請求項5の発明にかかる情報処理装置は、請求項1〜4のいずれか一つに記載のデータ作成装置によって作成された前記名称辞書を格納する格納部を備え、地図表示処理および施設検索処理を実行する情報処理装置であって、前記地図表示処理または前記施設検索処理が実行される際に、当該処理の対象地域を含む統合地域の名称辞書を前記格納部から読み出してメモリに転送する転送手段と、前記メモリに記憶されている名称辞書を用いて、前記地図表示処理または前記施設検索処理における名称表示をおこなう表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項7の発明にかかるデータ作成方法は、施設検索処理および地図表示処理の双方に用いられるデータを作成する、データ作成装置のデータ作成方法において、位置情報が紐付けられた名称に関するテキストデータ(以下「名称データ」という)を取得する取得工程と、前記取得工程によって取得された前記名称データに紐付く位置情報を用いて、当該名称データを所定の地域ごとに分類する分類工程と、隣接する複数の地域を統合する工程であって、統合する地域(以下「統合地域」という)に含まれる前記名称データの合計データサイズが予め設定された所定データサイズを超えないように複数の地域を統合する統合工程と、前記統合地域ごとに前記名称データをまとめて、前記施設検索処理および前記地図表示処理の双方に用いられる名称辞書として格納手段に格納する格納工程と、前記所定の地域ごとに分類された前記名称データから、所定数以上の地域にて共通する名称データ(以下「共通名称データ」という)を抽出する抽出工程と、を含み、前記格納工程は、前記共通名称データをまとめて、前記名称辞書とは異なる共通名称辞書として格納することを特徴とする。
また、請求項8の発明にかかる情報処理方法は、請求項7に記載のデータ作成方法によって作成された前記名称辞書を格納する格納部を備え、前記地図表示処理および前記施設検索処理を実行する情報処理装置の情報処理方法であって、前記地図表示処理または前記施設検索処理が実行される際に、当該処理の対象地域を含む統合地域の名称辞書を前記格納部から読み出してメモリに転送する転送工程と、前記メモリに記憶されている名称辞書を用いて、前記地図表示処理または前記施設検索処理における名称表示をおこなう表示制御工程と、を含むことを特徴とする。
また、請求項9の発明にかかるデータ作成プログラムは、請求項7に記載のデータ作成方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、請求項10の発明にかかる情報処理プログラムは、請求項8に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、請求項11の発明にかかる記録媒体は、請求項9または10に記載のプログラムをコンピュータに読み取り可能に記録したことを特徴とする。