JPWO2009123064A1 - ポリアセタール含有ブラシ - Google Patents

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雅也 小滝
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佐千子 鋤柄
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靖彦 深見
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Abstract

金属との接触において、金属に傷がつきにくいブラシを提供することを目的とする。本発明によれば、ポリアセタールを含有するフィラメントを用いてなるブラシであって、該フィラメント1本あたりの曲げ剛性が1〜100μg・m2/yarnであるブラシを提供することができる。

Description

本発明は、ポリアセタールを主成分として含有するブラシに関する。詳しくは、金属に対する傷つき性が小さく改良されたブラシであり、金属と接触するブラシ用途として好適である。
エンジニアリングプラスチックスのポリアセタールは、その優れた機械的性質、摺動特性、摩擦・磨耗特性、耐薬品性などを有し、自動車、OA機器などの基幹部品として多く用いられている。ポリアセタールは、その規則的な一次構造に由来して高い結晶性を示し、その用途は射出成形分野を中心に拡大してきた。近年、押出用途、特に繊維やフィルムといった用途においてポリアセタールの有する優れた特長を活かす検討が行われている。
プラスチックスよりなるブラシ、ハケといった部品は、これまでナイロンやポリエステルが主流であった。ポリアセタールについてもブラシに関する検討が過去になされているが(特許文献1)、他のプラスチックと同様、フィラメントの物性がブラシ特性に与える影響については何ら言及されておらず、特に産業分野で用いられる金属と接触するブラシに適した材料については開示が無いのが現状である。
国際公開第WO2006/074889 A1パンフレット
本発明は、掛かる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、金属との接触において傷がつきにくいブラシを提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、ブラシを構成するフィラメントの主成分をポリアセタールとし、曲げ剛性を最適範囲にすることで上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下に示すブラシに関する。
(1)ポリアセタールを含有するフィラメントを用いてなるブラシであって、該フィラメント1本あたりの曲げ剛性が1〜100μg・m2/yarnのブラシである。
(2)フィラメント1本あたりの曲げ剛性が2〜50μg・m2/yarnである、上記(1)に記載のブラシである。
(3)上記ポリアセタールが、下記(1)式で表される炭素数2以上6以下のオキシアルキレン繰り返し単位を0.2〜15モル%含有してなる、上記(1)に記載のブラシである。

(式中、R0及びR0’は各々、水素原子、アルキル基もしくはアルキル基を有する有機基、フェニル基またはフェニル基を有する有機基を示す。mは2〜6の整数を示す。)
(4)上記ポリアセタールが、ポリエチレンワックス、シリコーンオイル及びポリエチレン樹脂から選ばれる少なくとも1種を含有する、上記(1)に記載のブラシである。
本発明のブラシは、金属との接触において傷がつきにくいため、産業用ブラシに好適なものと期待される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のブラシは、ポリアセタールを含有するフィラメントを用いてなり、該フィラメント1本あたりの曲げ剛性が1〜100μg・m2/yarnであることを特徴とする。また、該フィラメント1本あたりの曲げ剛性は2〜50μg・m2/yarnであることがより好ましく、2〜20μg・m2/yarnであることが特に好ましい。該フィラメント1本あたりの曲げ剛性が1μg・m2/yarn以上であると、フィラメント1本の直線強度も必然的に高くなっており、ブラシを製造する際に破断などのトラブルがなく好ましい。また、100μg・m2/yarn以下であると、構成する毛材自体が適度に柔軟性を持ち、接触する相手材を傷つけないため好ましい。
本発明に用いるポリアセタールは、アセタール構造(−O-CRH−)(但し、Rは水素原子、又は有機基を示す。)を繰り返し構造に有する高分子であり、通常はRが水素原子であるオキシメチレン基(−CHO−)を主たる構成単位とするものである。本発明に用いるポリアセタール樹脂は、この繰り返し構造のみからなるアセタールホモポリマー以外に、前記オキシメチレン基以外の繰り返し構成単位を1種以上含むコポリマー(例えば、ブロックコポリマー)やターポリマー等も含み、更には線状構造のみならず分岐、架橋構造を有していてもよい。
前記オキシメチレン基以外の構成単位としては例えば、オキシエチレン基(−CHCHO−)、オキシプロピレン基(−CHCHCHO−)、オキシブチレン基(−CHCHCHCHO−)等の炭素原子数2〜10のオキシアルキレン基が好ましく挙げられ、より好ましくは炭素原子2〜6のオキシアルキレン基であり、特にオキシエチレン基が好ましい。また、これらオキシアルキレン基は、炭素原子数2〜6の分岐、もしくは架橋構造を有していてもよい。この様な、オキシメチレン基以外のオキシアルキレン構造単位の含有量としては、ポリアセタール中において0.2〜15モル%であることが好ましく、0.2〜10モル%であることがより好ましく、0.3〜6モル%であることが特に好ましい。
本発明においては、ポリアセタールが、下記(1)式で表される炭素数2以上6以下のオキシアルキレン繰り返し単位を0.2〜15モル%含有してなる態様が好ましい。

式中、R0,及びR0’は各々、水素原子、アルキル基もしくはアルキル基を有する有機基、フェニル基またはフェニル基を有する有機基を示す。mは2〜6の整数を示す。
上記アルキル基の具体的としては、例えばメチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、t-ブチルをはじめ、分子量2000以下の脂肪族炭化水素が挙げられる。
上記アルキル基を有する有機基の具体例としては、下記(2)式で表される化合物が挙げられ、Rは分子量2000以下の脂肪族炭化水素を表す。尚、nは0〜20の整数を表す。
−CH−O−(CH−O)n―R (2)
上記フェニル基を有する有機基の具体例としては、下記(3)または(4)式で表される化合物が挙げられ、Rは分子量2000以下の脂肪族炭化水素もしくはC〜Cのポリアルキレンオキシドグリコール残基を表し、Phはベンゼン環を表し、一部の水素が有機基で置換されていてもよい。
−CH−O−R−Ph (3)
−CH−O−Ph (4)
ポリアセタール樹脂の製造方法は任意であり、従来公知の任意の方法によって製造することができる。例えば、オキシメチレン基と、炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基を構成単位とするポリアセタール樹脂の製造方法としては、ホルムアルデヒドの3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のオキシメチレン基の環状オリゴマーと、エチレンオキサイド、1,3−ジオキソラン、1,3,6−トリオキソカン、1,3−ジオキセパン等の炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基を含む環状オリゴマーとを共重合することによって製造することができる。
本発明に用いるポリアセタール樹脂としては、トリオキサンやテトラオキサン等の環状オリゴマーと、エチレンオキサイドまたは1,3−ジオキソランとの共重合体であることが好ましく、これらの中でもトリオキサンと1,3−ジオキソランとの共重合体であることがより好ましい。また、その溶融粘度は、ASTM−D1238(190℃、2.16kg荷重下)に基づく溶融指数(MI)で0.01〜150g/10分であることが好ましい。
ポリアセタールの摩擦摩耗特性を向上させるために、ポリエチレンワックス、シリコーンオイルおよびポリエチレン樹脂から選ばれる少なくとも1種以上を配合することができる。ポリエチレンワックスは、ポリエチレン及びポリエチレン共重合体の他、これらを酸化変性処理したポリエチレンワックス、または酸変性処理した変性ポリエチレンワックスが含まれ、これらの中から単独で使用してもよく、または2種以上を任意の割合で併用しても良い。ポリエチレンワックスの数平均分子量は、500〜15000が好ましく、500〜12000がより好ましく、1000〜10000が更に好ましい。数平均分子量が500以上であると成形品表面へのブリードアウトの発生を防止でき、一方、15000以下であると摩擦摩耗特性、成形加工性等を向上することができる。その添加量としては、ポリアセタール100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、0.1〜3重量部がより好ましい。
シリコーンオイルは従来公知の任意のものを使用できる。具体的には例えば、ポリジメチルシロキサンからなるシリコーンオイルの他、ポリジメチルシロキサンにおけるメチル基の一部又は全部が、水素、炭素原子数が2以上のアルキル基、フェニル基、ハロゲン化フェニル基、エステル基、フッ素等のハロゲン化エステル基、ポリエーテル基等で置換された置換シリコーンオイル類;ポリジメチルシロキサンに更にエポキシ基、アミノ基、アルコール性水酸基、ポリエーテル基等を有する変性シリコーンオイル類;ジメチルシロキサン単位とフェニルメチルシロキサン単位を含むアルキルアラルキルシリコーンオイル類;ジメチルシロキサン単位のメチル基の一部がポリエーテルで置換された構造を有するシロキサン単位とフェニルメチルシロキサン単位とを有するアルキルアラルキルポリエーテル変性シリコーンオイル類;などが挙げられる。これらの中で好ましいのは、ジメチルシロキサンの重合物、及びジメチルシロキサンとメチルフェニルシロキサンとの共重合物である。25℃における動粘度は、50×10センチストークス(cSt)以上のものが好適に用いられ、中でも100×10〜1000×10cStであることが好ましい。その添加量としては、ポリアセタール100重量部に対して、0.1〜5重量部が好ましく、0.1〜3重量部がより好ましい。
ポリエチレン樹脂とは、ポリエチレンワックスよりも数平均分子量の多い、数平均分子量が2×10〜50×10であり、その溶融粘度は、通常、ASTM−D1238に基づく溶融指数(MI)(測定条件:190℃、2.16kg荷重下)が好ましくは0.01〜150g/10分であり、より好ましくは0.1〜100g/10分である。ポリエチレン樹脂としては、低密度ポリエチレン、エチレンとα−オレフィンとの共重合体からなる直鎖状低密度ポリエチレンおよび超低密度ポリエチレンが挙げられ、それらのグリシジルメタクリレートなどのエポキシや無水マレイン酸などの酸無水物などで変性されたポリエチレン樹脂でも良く、中でも低密度ポリエチレンが好適に用いられる。低密度ポリエチレン樹脂(直鎖低密度ポリエチレン樹脂やその共重合体を含む)とは密度が0.910〜0.940g/cmのものを示し、また超低密度ポリエチレン樹脂とは密度が0.875g/cm以上で0.910g/cm未満のものを示す。低密度ポリエチレンは、高密度ポリエチレンと比較して結晶性が低いので、ポリアセタールとある程度混和し、摩擦摩耗特性がより向上するので好ましい。その添加量は、ポリアセタール100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、0.1〜3重量部がより好ましい。
ポリアセタールに対する添加剤としては、熱安定剤や酸化防止剤が公知であり、本発明においても好適に使用される。
添加・配合される熱安定剤としては、メラミン、メラミン樹脂、メチロールメラミン、ベンゾグアナミン、シアノグアニジン、N,N−ジアリールメラミン、CTUグアナミン(3,9−ビス[2−(3,5−ジアミノ−2,4,6−卜リアザフェニル)エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)、CMTUグアナミン(3,9−ビス[1−(3,5−ジアミノ−2,4,6−卜リアザフェニル)メチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)等のアミン置換トリアジン化合物や、ポリアミド類、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、ウレタン類等が例示され、メラミンが特に好ましい。
通常、これら添加剤の添加量は、ポリアセタール100重量部に対して0.01〜5.0重量部であり、好ましくは0.01〜0.5重量部であるが、本発明のようにフィラメント材料として用いる場合には、特にこのアミン置換トリアジン化合物のうち、ホルムアルデヒド、もしくはオキシメチレン共重合体の分子末端と結合し、架橋構造を生成する化合物を添加するときにはその添加量には注意を要する。その添加量は、得られるオキシメチレン樹脂組成物の熱安定性が加工条件に耐えうるものとする必要があるが、好ましくは0.05重量部以下とすることが必要である。これよりも多い添加量では、延伸性を低下させる原因となる。
酸化防止剤としては、例えば立体障害性フェノールが例示され、一般市販のフェノール系抗酸化剤として具体的には、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、3,9−ビス{2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル〕プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナミド〕、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシベンゼンプロピオン酸1,6−ヘキサンジイルエステル等が挙げられる。その中で、特にトリエチレングリコール−ビス−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好適に用いられる。添加量としては、ポリアセタール100重量部に対して、0.01〜5.0重量部であり、好ましくは0.01〜2.0重量部であり、特に好ましくは0.02〜1.0重量部である。立体障害性フェノールの配合量が少ない場合は、加工時の分解により樹脂の分子量低下や分解ガスの混入が無視できなくなり、加工性が低下する問題が生じ、逆にその配合量が多過ぎる場合はブリードが多く、加工品の外観が損なわれるという問題が生じる。
更に、本発明の本来の目的を損なわない範囲内で公知の添加剤および/または充填剤を添加することが可能である。添加剤としては、例えば結晶核剤、上記以外の酸化防止剤、ポリアルキレングリコールなどの可塑剤、艶消し剤、発泡剤、潤滑剤、離型剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、消臭剤、難燃剤、摺動剤、香料、抗菌剤等が挙げられる。また、充填剤としてはガラス繊維、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、チタン酸カリウムウィスカー等が挙げられる。さらに、顔料、染料を加えて所望の色目に仕上げることも可能である。また、各種モノマー、カップリング剤、末端処理剤、その他の樹脂、木粉、でんぷんなどを加えて変性することも可能である。
ポリアセタールを主成分とする材料をフィラメントに加工する方法としては、公知の方法を用いることができる。特に溶融紡糸装置を用いたモノフィラメント、マルチフィラメントの装置が好適に用いられる。溶融紡糸装置としては、シリンダーの加熱による温度制御機能を備えた単軸押出機、定量的にノズルより紡糸するためのギアポンプ、異物を除去するスクリーン、および紡糸ノズルからなる一般的なものが挙げられる。このとき、紡糸ノズルの穴形状を替えてフィラメント断面を異形にしてもよい。シリンダーやギアポンプ、ノズルの加熱温度は、材料の融点〜240℃が選ばれ、特に熱分解によるガスの混入を避けるために180〜220℃が一般的である。
所望の曲げ剛性を得るためには、適当な延伸処理を行う必要がある。
モノフィラメントの場合には、紡糸されたノズルから冷却槽で一旦固化させた後、インライン、もしくはオフラインで加熱延伸処理を行う。紡糸時に注意しなければいけないのが、フィラメントの真円度である。真円度はフィラメント断面の長径と短径の比(長径/短径)で表され、1より大きいほど真円度が低いということになる。ノズル直下の糸揺れなどを制御し、好ましくはこの真円度を1.1以下とする。この真円度が低い場合にはブラシに加工した際に異方性を生じ、期待する特性が小さくなるか、もしくは得られないことがある。一方、延伸時の歪速度が大きいと糸切れが生じやすいので、できれば多段延伸が好ましく、また均一加熱を行うためには熱風やヒーター接触型よりもスチームや温水、オイルといった液体との接触による加熱が好ましい。
マルチフィラメントの場合には、紡糸ノズルより空冷で巻取り、やはり上記と同じように加熱延伸される。空冷で巻取る際に巻取り回転数を上げることで延伸と同じ効果が発現することが知られており、所定の曲げ剛性は吐出速度と巻取り速度の条件のみで得られる場合もある。
得られたフィラメントを複数本束にして得られるブラシの形状としては、特に限定は無いが、チャンネルブラシ、植込式ブラシ、筒型・平型・笠型ブラシ、ホイール型ブラシ、ねじりブラシ、カップブラシ、べべル型ブラシ、ホーキ型ブラシなどが挙げられ、ポリアセタールの特長である耐薬品性、耐クリープ性、摩擦磨耗特性を活かし、清掃用、塗布用、電動機などにおける除電目的、板金などの支持体などの様々な用途で用いることができる。
以下に、本発明の実施例と比較例を共に示し、発明の内容を詳細に示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(a)曲げ剛性
カトーテック社製純曲げ試験機(KES−FB2)を用い、回転垂直片持ち梁法によりブラシを構成するモノフィラメント1本あたりの曲げ剛性(μg・m2/yarn)を曲げ変形速度0.5cm−1/秒、曲率2.5cm−1、1サイクルのモードにて測定した。
(b)スクラッチ試験
カトーテック社製スクラッチテスターを用い、金属板上にブラシを垂直に設置し、これに所定の静荷重をロードして試験速度100mm/秒にて1方向のみ実体顕微鏡で傷が認められるまで繰返しスクラッチ試験を行った。
(1)POM-1
上記(1)式で表される炭素数2以上6以下のオキシアルキレン繰り返し単位を0.5モル%含有するポリアセタール100重量部に対して、三井化学(株)製ハイワックス410P(一般低密度型、酸価0mgKOH/g、エチレン−プロピレン共重合タイプ、分子量4000)を1.5重量部、信越化学工業(株)製ポリジメチルシロキサンKF-96-1000000CS(25℃における動粘度100×10cSt)を1重量部、日本ユニカー(株)製NUC−8350(低密度ポリエチレン、密度0.916g/cm、数平均分子量22000、MI:18g/10分)を1重量部添加した。
(2)POM-2
上記(1)式で表される炭素数2以上6以下のオキシアルキレン繰り返し単位を1.5モル%含有するポリアセタールをそのまま用いた。
(c)フィラメントの調製
φ25mm単軸押出機、ギアポンプ、スクリーン、および紡糸ノズルで構成されるモノフィラメント製造設備を用いた。押出機のシリンダー温度を200℃とし、10kg/hの吐出量で紡糸を行った。スクリーンは200メッシュの金網を挿入し、φ1mm×24穴のノズルから紡糸し、40℃に設定した水槽中で一旦冷却固化させた後、110℃に設定したオイルにて加熱後、延伸処理を行った。得られたフィラメントは70mm長に合わせてカットした。
上記原料POM-1及びPOM-2から製造したフィラメントの名称を、それぞれPOM-1及びPOM-2とした。
(d)ブラシの作製
軟質ポリエチレン製の頭部に設けられた埋設孔にフィラメントを約550本植え込んだ後、所定の毛丈となるようにカットしてブラシを作製した。尚、植え込みの際には、フィラメントをU字状に折り返して埋設孔に挿入し、フィラメントの折り返し箇所を同様にU字状の埋設金具を用いて頭部に係合させた。
〈実施例1,2及び比較例1〉
実施例1では上述の方法で得たフィラメントPOM-1を用い、実施例2では上述の方法で得たフィラメントPOM-2を用い、比較例1についてはナイロン-6,6とナイロン6との共重合体(組成比は5:1)でシリコン樹脂を数%含有した既存のNylonフィラメントを用いた。
表1に各フィラメントの物性を示す。また、表2に表1のフィラメントを用いて作製したブラシについて、一般的な機械加工材アルミニウム板(神戸製鋼製A5052)を相手材としてスクラッチ試験を行った結果を示した。高い曲げ剛性を有するPOM製のブラシは、高い荷重をかけてもA5052に対して傷がつきにくいことが明らかとなった。

Claims (4)

  1. ポリアセタールを含有するフィラメントを用いてなるブラシであって、該フィラメント1本あたりの曲げ剛性が1〜100μg・m2/yarnであることを特徴とするブラシ。
  2. フィラメント1本あたりの曲げ剛性が2〜50μg・m2/yarnである、請求項1に記載のブラシ。
  3. 前記ポリアセタールが、下記(1)式で表される炭素数2以上6以下のオキシアルキレン繰り返し単位を0.2〜15モル%含有してなる、請求項1に記載のブラシ。

    (式中、R0及びR0’は各々、水素原子、アルキル基もしくはアルキル基を有する有機基、フェニル基またはフェニル基を有する有機基を示す。mは2〜6の整数を示す。)
  4. 前記ポリアセタールが、ポリエチレンワックス、シリコーンオイル及びポリエチレン樹脂から選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項1に記載のブラシ。
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