JPWO2009113613A1 - 炭化水素化合物の合成反応システム、及び粉化粒子の除去方法 - Google Patents

炭化水素化合物の合成反応システム、及び粉化粒子の除去方法 Download PDF

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Abstract

この合成反応システムは、水素及び一酸化炭素を主成分とする合成ガスと、液体中に固体の触媒粒子を懸濁させてなるスラリーとの化学反応によって炭化水素化合物を合成する反応器と;前記スラリーから前記炭化水素化合物を分離する分離器と;前記分離器から取り出された前記炭化水素化合物を濾過し、粉化した触媒粒子を捕捉する濾過器と;を備える。

Description

本発明は、一酸化炭素ガス及び水素ガスを主成分とする合成ガスを液体炭化水素中に固体の触媒粒子を懸濁させたスラリー中に吹き込んで炭化水素化合物を合成する炭化水素化合物の合成反応システム、及び、粉化された状態で炭化水素化合物に含まれる触媒粒子(粉化粒子)を除去する粉化粒子の除去方法に関する。
本願は、2008年3月14日に出願された特願2008−66154について優先権を主張し、その内容をここに援用する。
一酸化炭素ガス(CO)及び水素ガス(H)を主成分とする合成ガスを原料ガスとしてフィッシャー・トロプシュ合成反応(以下、「FT合成反応」という。)により炭化水素化合物を合成する合成反応システムには、例えば特許文献1のように、液体炭化水素中に固体の触媒粒子を懸濁させたスラリー中に合成ガスを吹き込んでFT合成反応させる気泡塔型スラリー床FT反応システムがある。なお、FT合成反応により合成された炭化水素化合物は、ナフサ(粗ガソリン)・灯油・軽油等の液体燃料製品の原料として利用される。
また、この気泡塔型スラリー床FT反応システムには、例えば、スラリーを収容する反応器本体と、合成ガスを反応器本体の底部に吹き込むガス供給部と、反応器本体内で合成された炭化水素化合物を含むスラリーを反応器本体から流出させ、炭化水素化合物をスラリーから分離する分離器を介してスラリーを再び反応器本体に流入する外部循環部とを備えた、所謂外部循環式のものがある。
米国特許出願公開2007/0014703号明細書
しかしながら、スラリーに含まれる触媒粒子の粒径は、同じ触媒粒子との摩擦や反応器本体の内壁との摩擦、また、FT合成反応による熱的ダメージ等によって少しずつ小さくなる、すなわち、触媒粒子が少しずつ粉化していく。このように、粉化した触媒粒子(以下、粉化粒子と呼ぶ。)は粉化していない正常な触媒粒子よりも明らかに小さいため、分離器において捕捉されないまま、分離された炭化水素化合物と共に、液体燃料製品を製造する工程(アップグレーディング工程)に流入してしまうことがある。そして、粉化粒子が液体燃料製品の製造工程に流入すると、当該工程で使用する触媒の劣化や、液体燃料製品の品質低下を招く虞がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、FT合成反応を実施する合成反応システムにおいて、粉化粒子が液体燃料製品の製造工程に流入することを防止して、液体燃料製品の品質低下を防ぐ好適な粉化粒子の除去方法を提供することを目的とする。
本発明の合成反応システムは、水素及び一酸化炭素を主成分とする合成ガスと、液体中に固体の触媒粒子を懸濁させてなるスラリーとの化学反応によって炭化水素化合物を合成する反応器と;前記スラリーから前記炭化水素化合物を分離する分離器と;前記分離器から取り出された前記炭化水素化合物を濾過し、粉化した触媒粒子を捕捉する濾過器と;を備える。
本発明の合成反応システムによれば、分離器において分離された炭化水素化合物に粉化粒子が含まれていても、濾過器において粉化粒子を捕捉することで炭化水素化合物から粉化粒子を除去できるため、液体燃料製品の製造工程に使用する炭化水素化合物への粉化粒子の混入抑制を図ることができ、液体燃料製品の品質低下を防止することが可能となる。
また、液体燃料製品の製造工程において使用する触媒が、粉化粒子に基づいて劣化することも無いため、液体燃料製品を製造する装置のメンテナンスも容易に行うことができ、且つ、前記装置を長時間安定的に連続して運転することができる。
さらに、分離器において分離された炭化水素化合物に含まれる触媒粒子や粉化粒子の量は、反応器と分離器との間で循環するスラリーの流量の影響を受けるが、濾過器はこの循環部分に含まれないため、濾過器においては、前述したスラリー流量に影響されずに炭化水素化合物の濾過を実施することができる。
また、前記合成反応システムにおいては、前記濾過器が複数設けられ、前記分離器と各濾過器とが、それぞれ前記炭化水素化合物を前記分離器から各濾過器に供給する供給管路によって個別に接続されていてもよい。
このように構成した場合には、分離器から取り出された炭化水素化合物を複数の濾過器に分割して供給することができるため、分離器から取り出される炭化水素化合物に粉化粒子が多量に含まれていても、十分に除去することが可能となる。
そして、前記供給管路の各分岐部分に、これを開閉して各濾過器に対する前記炭化水素化合物の供給を切り替えるバルブを設けた場合には、分離器から取り出される炭化水素化合物の量に応じて、適切な濾過器の数を設定することも可能となる。すなわち、分離器から取り出された炭化水素化合物における粉化粒子の濃度や、分離器から供給される炭化水素化合物の供給量等に応じて、濾過器の数を調整して対応することができ、各濾過器を通過する炭化水素化合物の流量を一定に保持することが可能となる。すなわち、各濾過器において炭化水素化合物を安定して濾過することができる。
さらに、バルブを設けた場合には、一の濾過器が前記炭化水素化合物を濾過すると同時に、他の濾過器が前記炭化水素化合物を濾過しないように、バルブにより各供給管路を開閉することで、一の濾過器において炭化水素化合物を濾過しながら、濾過に使用していない他の濾過器の洗浄を行うことが可能となる。
そして、バルブにより供給管路の開閉を切り替えて炭化水素化合物を濾過する濾過器を交換することで、炭化水素化合物の濾過を継続的に行うことができる。
また、前記合成反応システムは、前記炭化水素化合物が前記濾過器によって濾過される過程において前記濾過器の上流側と下流側との差圧を計測する差圧計を備えていてもよい。
このように差圧を計測する計器を設けることで、濾過器を通過する炭化水素化合物の流れに対する濾過器の抵抗を計測することができる。この抵抗の大きさは、濾過器において捕捉された粉化粒子の量が多くなる程大きくなるため、濾過器の洗浄時期を的確に把握することができる。
なお、前述したように、複数の濾過器を備えると共に全ての濾過器において同時に炭化水素化合物を濾過しないように、バルブにより各供給管路を適宜開閉している場合には、炭化水素化合物の濾過に使用する濾過器の交換時期を的確に把握することができ、継続的な炭化水素化合物の濾過を良好な状態で行うことができる。
また、前記合成反応システムにおいては、前記濾過器が、前記供給管路に接続される濾過容器と、該濾過容器内に配されて前記炭化水素化合物を濾過するフィルタとを備え、当該フィルタに、濾過された前記炭化水素化合物を前記濾過容器の外側に排出する排出管路が接続されていてもよい。
この構成においては、炭化水素化合物が濾過容器の内側から排出管路側に向かうようにフィルタ内を通過することで、炭化水素化合物を濾過することができる。
そして、前記合成反応システムにおいて、前記濾過器の前記フィルタに付着した粉化粒子を除去する洗浄手段を設けることで、フィルタを濾過容器から取外すことなく、フィルタから粉化粒子を除去することが可能となる。
さらに、前記洗浄手段が前記排出管路に接続されると共に、当該排出管路を介して前記フィルタに洗浄用流体を供給する洗浄流体供給部を備える場合には、洗浄用流体が排出管路側から濾過容器の内側に向かうようにフィルタ内を通過することができる。すなわち、洗浄用流体は、フィルタ内において炭化水素化合物が通過する方向とは逆向きに流れるため、粉化粒子を確実にフィルタから取り除くことができる。
また、洗浄用流体を不活性ガスとすることで、炭化水素化合物や粉化粒子との間で化学反応が生じることを防止できる。
また、前記合成反応システムにおいては、前記フィルタが金網を複数枚重ね合わせて焼結した金網焼結フィルタにより構成され、当該金網焼結フィルタに形成される孔の径寸法を、粉化粒子の平均粒径以下とする、あるいは、0μmよりも大きく、かつ、10μm以下とすることが好ましい。
このように孔の径寸法を設定することにより、フィルタにおいて確実に粉化粒子を捕捉することができる。
また、金網焼結フィルタは焼結して構成されているため、炭化水素化合物や洗浄用流体がフィルタを通過する際に、フィルタにかかる圧力が大きくても十分に耐えることができるため、同一のフィルタを長時間にわたって使用することができる。
なお、フィルタの孔径寸法が粉化粒子の平均粒径よりも小さい場合には、孔の径寸法よりも小さい粉化粒子も存在することもあるが、この粉化粒子もフィルタにおいて捕捉することが可能である。
すなわち、粒径がフィルタの孔径寸法よりも大きい粉化粒子は、フィルタにおいて直接捕捉することができ、結果として、フィルタの表面に粉化粒子からなる粒子層が形成されることになる。ここで、粒子層による実質的な孔径寸法は粉化粒子の平均粒径よりも十分に小さくなるため、粒径がフィルタの孔径寸法よりも小さい粉化粒子であっても、粒子層において確実に捕捉することができる。
そして、本発明の粉化粒子の除去方法は、水素及び一酸化炭素を主成分とする合成ガスと、液体中に固体の触媒粒子を懸濁させてなるスラリーとの化学反応によって合成された炭化水素化合物を前記スラリーから取り出した後に実施される、粉化した触媒粒子の除去方法であって:前記炭化水素化合物を、濾過器に具備されるフィルタの一方向に通過させて、粉化した触媒粒子を捕捉する濾過工程と;前記フィルタに前記一方向とは逆向きに洗浄用流体を通過させて、前記フィルタから前記粉化した触媒粒子を除去する洗浄工程と;を備える。
この粉化粒子の除去方法によれば、濾過工程を行うことで、前述した合成反応システムと同様に、液体燃料製品の製造工程に使用する炭化水素化合物への粉化粒子の混入抑制を図り、液体燃料製品の品質低下を防止することができる。
また、洗浄工程を行うことで、粉化粒子を確実にフィルタから取り除くことができるため、同一のフィルタを繰り返し炭化水素化合物の濾過に使用することができる。
また、前記粉化粒子の除去方法においては、前記フィルタが、これに通過させる前記炭化水素化合物に対して複数並列に配され、一のフィルタにおいて前記濾過工程が行われる際には、他のフィルタに対して前記洗浄工程が同時に行われ、また、前記他のフィルタにおいて前記濾過工程が行われる際には、一のフィルタに対して前記洗浄工程が同時に行われることが好ましい。
このように、複数のフィルタに対して濾過工程及び洗浄工程を同時に行うことで、炭化水素化合物の濾過を継続的に行うことができる。
さらに、前記粉化粒子の除去方法においては、前記炭化水素化合物が前記濾過器によって濾過される過程において前記濾過器の上流側と下流側との差圧を計測し、当該差圧の計測結果が、所定の閾値以上となった際に、前記フィルタにおいて実施する工程を前記濾過工程から前記洗浄工程に切り替えるとよい。
なお、計測される差圧は、フィルタにおいて捕捉される粉化粒子の量が増加するほど大きくなる。したがって、この差圧が所定の閾値以上となった際に、フィルタに対して洗浄工程を実施することで、フィルタの洗浄時期を的確に把握し、フィルタにおける炭化水素化合物の濾過性能(効率)の低下を効率よく抑えることが可能となる。
また、前記粉化粒子の除去方法においては、前記閾値を0kPaよりも大きく、かつ、150kPa以下に設定することが特に好ましい。すなわち、前記差圧が前記閾値以上となった際に該当するフィルタによる濾過工程を停止することで、炭化水素化合物が気化することを抑えて、炭化水素化合物が目減りすることを防止できる。
本発明によれば、分離器から分離された炭化水素化合物に含まれる粉化粒子を除去できるため、液体燃料製品の製造工程に使用する炭化水素化合物への粉化粒子の混入抑制を図ることができ、液体燃料製品の品質低下を防止することが可能となる。
図1は、この発明の一実施形態に係る液体燃料合成システムの全体構成を示す概略図である。 図2は、図1に示す液体燃料合成システムを構成する濾過ユニットを示す概略図である。 図3は、図2に示す濾過ユニットを構成する濾過器を示す概略図である。
符号の説明
1…液体燃料合成システム(炭化水素合成反応システム)
30…気泡塔型反応器(気泡塔型炭化水素合成反応器)
36…分離器
91…濾過器
92…供給管路
93…排出管路
95…バルブ
98…差圧計
100…洗浄手段
101…ガス供給部(洗浄流体供給部)
911…濾過容器
912…フィルタ
以下、図1から図3を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態にかかる液体燃料合成システム(炭化水素合成反応システム)1は、天然ガス等の炭化水素原料を液体燃料に転換するGTLプロセスを実行するプラント設備である。この液体燃料合成システム1は、合成ガス生成ユニット3と、FT合成ユニット5と、製品精製ユニット7とから構成される。合成ガス生成ユニット3は、炭化水素原料である天然ガスを改質して一酸化炭素ガスと水素ガスを含む合成ガスを生成する。FT合成ユニット5は、生成された合成ガスからフィッシャー・トロプシュ合成反応(以下、「FT合成反応」という。)により液体炭化水素を生成する。製品精製ユニット7は、FT合成反応により生成された液体炭化水素を水素化・精製して液体燃料製品(ナフサ、灯油、軽油、ワックス等)を製造する。以下、これら各ユニットの構成要素について説明する。
合成ガス生成ユニット3は、例えば、脱硫反応器10と、改質器12と、排熱ボイラー14と、気液分離器16および18と、脱炭酸装置20と、水素分離装置26とを主に備える。脱硫反応器10は、水添脱硫装置等で構成され、原料である天然ガスから硫黄成分を除去する。改質器12は、脱硫反応器10から供給された天然ガスを改質して、一酸化炭素ガス(CO)と水素ガス(H)とを主成分として含む合成ガスを生成する。排熱ボイラー14は、改質器12にて生成した合成ガスの排熱を回収して高圧スチームを発生する。気液分離器16は、排熱ボイラー14において合成ガスとの熱交換により加熱された水を気体(高圧スチーム)と液体とに分離する。気液分離器18は、排熱ボイラー14にて冷却された合成ガスから凝縮分を除去し気体分を脱炭酸装置20に供給する。脱炭酸装置20は、気液分離器18から供給された合成ガスから吸収液を用いて炭酸ガスを除去する吸収塔22と、当該炭酸ガスを含む吸収液から炭酸ガスを放散させて再生する再生塔24とを有する。水素分離装置26は、脱炭酸装置20により炭酸ガスが分離された合成ガスから、当該合成ガスに含まれる水素ガスの一部を分離する。ただし、上記脱炭酸装置20は場合によっては設ける必要がないこともある。
このうち、改質器12は、例えば、下記の化学反応式(1)、(2)で表される水蒸気・炭酸ガス改質法により、二酸化炭素と水蒸気とを用いて天然ガスを改質して、一酸化炭素ガスと水素ガスとを主成分とする高温の合成ガスを生成する。なお、この改質器12における改質法は、上記水蒸気・炭酸ガス改質法の例に限定されず、例えば、水蒸気改質法、酸素を用いた部分酸化改質法(POX)、部分酸化改質法と水蒸気改質法の組合せである自己熱改質法(ATR)、炭酸ガス改質法などを利用することもできる。
CH+HO→CO+3H ・・・(1)
CH+CO→2CO+2H ・・・(2)
また、水素分離装置26は、脱炭酸装置20又は気液分離器18と気泡塔型反応器30とを接続する主配管から分岐した分岐ライン上に設けられる。この水素分離装置26は、例えば、圧力差を利用して水素の吸着と脱着を行う水素PSA(Pressure Swing Adsorption:圧力変動吸着)装置などで構成できる。この水素PSA装置は、並列配置された複数の吸着塔(図示せず。)内に吸着剤(ゼオライト系吸着剤、活性炭、アルミナ、シリカゲル等)を有しており、各吸着塔で水素の加圧、吸着、脱着(減圧)、パージの各工程を順番に繰り返すことで、合成ガスから分離した純度の高い水素ガス(例えば99.999%程度)を、水素を利用して所定反応を行う各種の水素利用反応装置(例えば、脱硫反応器10、WAX留分水素化分解反応器50、灯油・軽油留分水素化精製反応器52、ナフサ留分水素化精製反応器54など)へ連続して供給することができる。
なお、水素分離装置26における水素ガス分離方法としては、上記水素PSA装置のような圧力変動吸着法の例に限定されず、例えば、水素吸蔵合金吸着法、膜分離法、或いはこれらの組合せなどであってもよい。
次に、FT合成ユニット5について説明する。FT合成ユニット5は、例えば、気泡塔型反応器30と、気液分離器34と、分離器36と、気液分離器38と、第1精留塔40と、濾過ユニット90とを主に備える。気泡塔型反応器30は、合成ガスを液体炭化水素に合成する反応器の一例であり、FT合成反応により合成ガスから液体炭化水素を合成するFT合成用反応器として機能する。この気泡塔型反応器30は、反応器本体80と、冷却管81とを主に備えている。
反応器本体80は、略円筒型の金属製の容器であって、その内部には、液体炭化水素(FT合成反応の生成物)中に固体の触媒粒子を懸濁させたスラリーが収容されている。
この反応器本体80の下部においては、水素および一酸化炭素を主成分とする合成ガスがスラリー中に噴射される。そして、スラリー中に吹き込まれた合成ガスは、気泡となってスラリー中を反応器本体80の高さ方向(鉛直方向)下方から上方へ向かって流れる。その過程で、合成ガスは液体炭化水素中に溶解し、触媒粒子と接触する接触反応により、液体炭化水素の合成反応(FT合成反応)が行われる。具体的には、下記化学反応式(3)に示すように水素ガスと一酸化炭素ガスとが合成反応を起こす。
Figure 2009113613
(ただし、nは正の整数である。)
また、合成ガスが気泡として反応器本体80内を上昇することで、反応器本体80の内部においてはスラリーの上昇流(エアリフト)が生じる。これにより、反応器本体80内部に、スラリーの循環流が生じる。なお、反応器本体80内の塔頂まで上昇した未反応の合成ガスは、反応器本体80の塔頂から取り出され、気液分離器38に供給される。
冷却管81は、反応器本体80の内部に設けられ、FT合成反応により発生する熱によって温度が上昇したスラリーを冷却する。この冷却管81は、例えば、1本の管を屈曲し、鉛直方向に沿って上下に複数回往復するように形成されていてもよい。また、例えば、バイヨネット型と呼ばれる二重管構造の冷却管を反応器本体80の内部に複数配置してもよい。すなわち、冷却管81の形状および本数は上記形状および本数に限られるわけではなく、反応器本体80内部に均等に配置されて、スラリーを均等に冷却することに寄与できるものであればよい。
この冷却管81内には、気液分離器34から供給される冷却水(例えば、反応器本体80内の温度との差が−50〜0℃程度の水)が流通しており、冷却管81内を流通する過程で、スラリーと冷却管81の管壁を介して熱交換することにより、反応器本体80内部のスラリーが冷却される。冷却水の一部は、水蒸気となって、気液分離器34に排出され、中圧スチームとして回収される。なお、スラリーを冷却するための媒体としては、上記のような冷却水に限られず、例えば、C〜C10の直鎖、分岐鎖状のパラフィン、ナフテン、オレフィン、低分子量シラン、シリルエーテル、シリコンオイルなどを使用することができる。
気液分離器34は、気泡塔型反応器30内に配設された冷却管81内を流通して加熱された水を、水蒸気(中圧スチーム)と液体とに分離し、液体は冷却水として再び冷却管81に供給される。分離器36は、気泡塔型反応器30の上部及び下部に接続されており、上部から流出したスラリーを液体炭化水素と触媒粒子を多く含むスラリーとに分離処理する。そして、触媒粒子を多く含むスラリーは、分離器36の下部から気泡塔型反応器30内に戻される。気液分離器38は、気泡塔型反応器30の未反応ガス出口806に接続され、未反応合成ガス及び気体炭化水素を冷却処理する。第1精留塔40は、気泡塔型反応器30から分離器36、気液分離器38を介して供給された液体炭化水素を蒸留し、沸点に応じて各留分に分離・精製する。
濾過ユニット90は、分離器36から流出した液体炭化水素を濾過して、これに含まれる粉化粒子を捕捉するものであり、図2に示すように、複数の濾過器91(図示例では4つ)を備えて構成されている。ここで、粉化粒子は、触媒粒子同士あるいは反応器本体80の内壁との摩擦、FT合成反応による熱的ダメージ等によって、触媒粒子が粉化したものである。
分離器36と複数の濾過器91とは、分離器36側から出て途中で分岐する供給管路92によって個別に接続されており、分離器36からの液体炭化水素はこの供給管路92を介して各濾過器91に導入することができるようになっている。また、複数の濾過器91と第1精留塔40とは、各濾過器91側から途中で集約される排出管路93によって接続されており、各濾過器91において濾過された液体炭化水素を第1精留塔40に移送できるようになっている。
また、分離器36側に位置する供給管路92の分岐前位置には、当該位置において供給管路92を開閉する供給側元栓バルブ94が設けられており、さらに、各濾過器91側に位置する供給管路92の各分岐部分には、当該部分を開閉するバルブ95がそれぞれ設けられている。また、各濾過器91側に位置する排出管路93の集約前位置には、当該位置において開閉するバルブ96がそれぞれ設けられており、さらに、第1精留塔40側に位置する排出管路93の集約後位置には、排出側元栓バルブ97が設けられている。
そして、濾過ユニット90は、炭化水素化合物が濾過器91によって濾過される過程において濾過器91の上流側と下流側との差圧を計測する差圧計98も備えている。具体的に、濾過器91に流入する前の液体炭化水素の圧力は、供給管路92が分岐する前の位置において計測され、濾過器91から排出された後の液体炭化水素の圧力は、排出管路93が集約された後の位置において計測される。この差圧計98においては、濾過器91を通過する液体炭化水素の流れに対する濾過器91の抵抗を計測することができる。この抵抗の大きさは、濾過器91において捕捉される粉化粒子の量が多くなるほど大きくなる。
各濾過器91は、図3に示すように、濾過容器911と、複数のフィルタ912とを主に備えて構成されている。
濾過容器911は、供給管路92に接続されて分離器36からの液体炭化水素を内部に導入できるように構成されている。各フィルタ912は、濾過容器911の内部に配されており、濾過容器911内の液体炭化水素を通過させることで濾過して、粉化粒子を捕捉する役割を果たす。そして、このフィルタ912には排出管路93が接続されており、フィルタ912において濾過された液体炭化水素を直接濾過容器911の外側に排出することができる。
このフィルタ912は、例えば金網焼結フィルタによって構成されている。金網焼結フィルタは、金網を複数枚重ね合わせて真空中で高温焼結したものであり、金網のメッシュの大きさや積層枚数に応じて当該金網焼結フィルタに形成される孔径の大きさを調整することができる。ここで、金網焼結フィルタに形成される孔の径寸法は、液体炭化水素は通過するが粉化粒子がフィルタ912を通過しない大きさに形成されていればよく、濾過器91に導入される液体炭化水素の流量や、当該液体炭化水素に含まれる粉化粒子の大きさに応じて変化させればよい。例えば、粉化粒子の大きさが小さい場合には、孔の径寸法を当該粉化粒子の大きさよりも小さくすればよい。
このように構成されるフィルタ912について、その濾過性能を実験した結果の1例を以下に述べる。この実験においては、フィルタ912に濃度1500wt.ppmの粉化粒子を含む液体炭化水素を通過させた。なお、フィルタ912の孔の径寸法については、5μm及び10μmの2種類について実験を行った。
その結果、フィルタ912を通過した液体炭化水素に含まれる粉化粒子の濃度が、孔の径寸法に関わらず、測定下限値(4wt.ppm)以下まで減少した。また、フィルタ912を通過した液体炭化水素に含まれる粉化粒子の粒径は測定できない程度に小さく、大きなものでも8μm以下であることが判明した。
上記結果を踏まえると、粉化粒子の濃度が10wt.ppmより大きく、また、粉化粒子の粒径が8μmよりも大きい場合には、孔径が10μmのフィルタ912を用いて十分に濾過することができる。すなわち、フィルタ912に形成される具体的な孔の径寸法は、0μmよりも大きく、かつ、10μm以下に設定されていればよい。ただし、フィルタ912の孔径を小さくするほどフィルタ912を通過できる粉化粒子の粒径は小さくなるため、孔の径寸法は、0μmよりも大きく、かつ、5μm以下に設定されることがより好ましい。
なお、フィルタ912の孔径10μmの場合でも、フィルタ912を通過した液体炭化水素に含まれる粉化粒子の粒径が上記孔径よりも小さい8μm以下となるのは、粒径がフィルタ912の孔径よりも大きい粉化粒子が、フィルタ912の表面において捕捉されていることが考えられる。すなわち、粒径が10μm以上の粉化粒子がフィルタ912の表面において捕捉されると、フィルタ912の表面に粉化粒子からなる粒子層が形成される。ここで、粒子層による実質的な孔径の寸法は、フィルタ912の孔の径寸法よりも十分に小さくなるため、粒径がフィルタ912の孔の径寸法よりも小さい粉化粒子であっても、この粒子層において確実に捕捉することができる。
このように粉化粒子を捕捉できる場合、フィルタ912の孔径は、上述した数値範囲に限定されることはなく、例えば粉化粒子の平均粒径以下に設定されてもよい。この場合でも、濾過器91に導入される液体炭化水素に含まれる粉化粒子は、フィルタ912の表面において捕捉され、これによって、フィルタ912の表面には粉化粒子の平均粒径よりも十分に小さい孔径を有する粒子層が形成されることになる。したがって、フィルタ912の孔径を粉化粒子の平均粒径以下に設定しても、前述と同様に、粉化粒子を確実に捕捉することができる。
さらに、各濾過器91は、フィルタ912に付着した粉化粒子をフィルタ912から取り除く洗浄手段100を備えている。具体的に、この洗浄手段100は排出管路93に接続されて、排出管路93を介してフィルタ912に窒素・アルゴン等の不活性ガス(洗浄用流体)を高圧で供給するガス供給部(洗浄流体供給部)101によって構成されている。これにより、ガス供給部101からフィルタ912に向けて不活性ガスを吹き出すと、不活性ガスは排出管路93側から濾過容器911の内側に向かうようにフィルタ912内を通過する。すなわち、不活性ガスは、フィルタ912内において炭化水素化合物が通過する方向とは逆向きに流れるため、粉化粒子を確実にフィルタ912から取り除くことができる。なお、不活性ガスを濾過容器911内に吹き出しても、不活性ガスと液体炭化水素や粉化粒子との間で不要な化学反応が生じることない。
このガス供給部101は、ガス供給管路102を介して濾過容器911と排出管路93のバルブ96との間において排出管路93と接続されているため、供給管路92のバルブ95及び排出管路93のバルブ96によりこれら供給管路92及び排出管路93を閉じた状態で、すなわち、液体炭化水素の濾過を停止させた状態で、不活性ガスをフィルタ912に供給することができる。
そして、フィルタ912を通過して内部に到達した不活性ガスは、濾過容器911の上部に接続されたガス排出管路103から外部に排出することができる。また、フィルタ912から取り除かれた粉化粒子は、濾過容器911の下端に接続された粒子排出管路104を介して外部に排出することができる。なお、ガス供給管路102、ガス排出管路103及び粒子排出管路104には、これらを開閉するバルブ105,106,107がそれぞれ設けられているため、これらが液体炭化水素の濾過を阻害することは無い。
最後に、製品精製ユニット7について説明する。製品精製ユニット7は、例えば、WAX留分水素化分解反応器50と、灯油・軽油留分水素化精製反応器52と、ナフサ留分水素化精製反応器54と、気液分離器56,58,60と、第2精留塔70と、ナフサ・スタビライザー72とを備える。WAX留分水素化分解反応器50は、第1精留塔40の下部に接続されている。灯油・軽油留分水素化精製反応器52は、第1精留塔40の中央部に接続されている。ナフサ留分水素化精製反応器54は、第1精留塔40の上部に接続されている。気液分離器56,58,60は、これら水素化反応器50,52,54のそれぞれに対応して設けられている。第2精留塔70は、気液分離器56,58から供給された液体炭化水素を沸点に応じて分離・精製する。ナフサ・スタビライザー72は、気液分離器60及び第2精留塔70から供給されたナフサ留分の液体炭化水素を精留して、ブタンより軽い成分はフレアガス側へ排出し、炭素数が5以上の成分は製品のナフサとして分離・回収する。
次に、以上のような構成の液体燃料合成システム1により、天然ガスから液体燃料を合成する工程(GTLプロセス)について説明する。
液体燃料合成システム1には、天然ガス田または天然ガスプラントなどの外部の天然ガス供給源(図示せず。)から、炭化水素原料としての天然ガス(主成分がCH)が供給される。上記合成ガス生成ユニット3は、この天然ガスを改質して合成ガス(一酸化炭素ガスと水素ガスを主成分とする混合ガス)を製造する。
具体的には、まず、上記天然ガスは、水素分離装置26によって分離された水素ガスとともに脱硫反応器10に供給される。脱硫反応器10は、当該水素ガスを用いて天然ガスに含まれる硫黄分を例えばZnO触媒で水添脱硫する。このようにして天然ガスを予め脱硫しておくことにより、改質器12及び気泡塔型反応器30等で用いられる触媒の活性が硫黄により低下することを防止できる。
このようにして脱硫された天然ガス(二酸化炭素を含んでもよい。)は、二酸化炭素供給源(図示せず。)から供給される二酸化炭素(CO)ガスと、排熱ボイラー14で発生した水蒸気とが混合された後で、改質器12に供給される。改質器12は、例えば、上述した水蒸気・炭酸ガス改質法により、二酸化炭素と水蒸気とを用いて天然ガスを改質して、一酸化炭素ガスと水素ガスとを主成分とする高温の合成ガスを生成する。このとき、改質器12には、例えば、改質器12が備えるバーナー用の燃料ガスと空気とが供給されており、当該バーナーにおける燃料ガスの燃焼熱および改質器12の炉内の輻射熱により、吸熱反応である上記水蒸気・CO改質反応に必要な反応熱がまかなわれている。
このようにして改質器12で生成された高温の合成ガス(例えば、900℃、2.0MPaG)は、排熱ボイラー14に供給され、排熱ボイラー14内を流通する水との熱交換により冷却(例えば400℃)されて、排熱回収される。このとき、排熱ボイラー14において合成ガスにより加熱された水は気液分離器16に供給され、この気液分離器16から気体分が高圧スチーム(例えば3.4〜10.0MPaG)として改質器12または他の外部装置に供給され、液体分の水が排熱ボイラー14に戻される。
一方、排熱ボイラー14において冷却された合成ガスは、凝縮液分が気液分離器18において分離・除去された後、脱炭酸装置20の吸収塔22、又は気泡塔型反応器30に供給される。吸収塔22は、貯留している吸収液内に、合成ガスに含まれる炭酸ガスを吸収することで、当該合成ガスから炭酸ガスを分離する。この吸収塔22内の炭酸ガスを含む吸収液は、再生塔24に導入され、当該炭酸ガスを含む吸収液は例えばスチームで加熱されてストリッピング処理され、放散された炭酸ガスは、再生塔24から改質器12に送られて、上記改質反応に再利用される。
このようにして、合成ガス生成ユニット3で生成された合成ガスは、上記FT合成ユニット5の気泡塔型反応器30に供給される。このとき、気泡塔型反応器30に供給される合成ガスの組成比は、FT合成反応に適した組成比(例えば、H:CO=2:1(モル比))に調整されている。なお、気泡塔型反応器30に供給される合成ガスは、脱炭酸装置20と気泡塔型反応器30とを接続する配管に設けられた圧縮機(図示せず。)により、FT合成反応に適切な圧力(例えば3.6MPaG)まで昇圧される。ただし、上記圧縮機は、設ける必要がない場合もある。
また、上記脱炭酸装置20により炭酸ガスが分離された合成ガスの一部は、水素分離装置26にも供給される。水素分離装置26は、上記のように圧力差を利用した吸着、脱着(水素PSA)により、合成ガスに含まれる水素ガスを分離する。当該分離された水素は、ガスホルダー(図示せず。)等から圧縮機(図示せず。)を介して、液体燃料合成システム1内において水素を利用して所定反応を行う各種の水素利用反応装置(例えば、脱硫反応器10、WAX留分水素化分解反応器50、灯油・軽油留分水素化精製反応器52、ナフサ留分水素化精製反応器54など)に、連続して供給される。
次いで、上記FT合成ユニット5は、上記合成ガス生成ユニット3によって生成された合成ガスから、FT合成反応により、液体炭化水素を合成する。
具体的には、上記合成ガス生成ユニット3によって生成された合成ガスは、気泡塔型反応器30を構成する反応器本体80の底部から流入されて、反応器本体80内に貯留されたスラリー内を上昇する。この際、反応器本体80内では、上述したFT合成反応により、当該合成ガスに含まれる一酸化炭素と水素ガスとが反応して、炭化水素が生成される。さらに、この合成反応時には、冷却管81内に水を流通させることで、FT合成反応の反応熱を除去し、この熱交換により加熱された水が気化して水蒸気となる。この水蒸気は、気液分離器34で液化した水が冷却管81に戻されて、気体分が中圧スチーム(例えば1.0〜2.5MPaG)として外部装置に供給される。
このようにして、気泡塔型反応器30で合成された液体炭化水素は、スラリーとして気泡塔型反応器30から取り出されて、分離器36に導入される。分離器36は、取り出されたスラリーを触媒粒子等の固形分と、液体炭化水素を含んだ液体分とに分離する。分離された触媒粒子等の固形分は、その一部が気泡塔型反応器30に戻され、液体分は後述する濾過ユニット90を介して第1精留塔40に供給される。
また、気泡塔型反応器30からは、未反応の合成ガスと、合成された炭化水素のガス分とが気液分離器38に導入される。気液分離器38は、これらのガスを冷却して、一部の凝縮分の液体炭化水素を分離して第1精留塔40に導入する。一方、気液分離器38で分離されたガス分については、未反応の合成ガス(COとH)は、気泡塔型反応器30の底部に再投入されてFT合成反応に再利用される。また、製品対象外である炭素数が少ない(C以下)炭化水素ガスを主成分とするフレアガスは、外部の燃焼設備(図示せず。)に導入されて、燃焼された後に大気放出される。
そして、分離器36においてスラリーから分離された液体炭化水素は、濾過ユニット90に導入され、液体炭化水素に含まれる粉化粒子が除去される。以下、粉化粒子の除去方法について述べる。
粉化粒子を除去する際には、濾過ユニット90において、供給管路92を介して濾過容器911内に導入された液体炭化水素を、濾過容器911の内側から排出管路93側に向かうフィルタ912の一方向に通過させ、当該フィルタ912において液体炭化水素に含まれる粉化粒子を捕捉する(濾過工程)。
また、濾過ユニット90においては、供給元栓バルブ94及び排出元栓バルブ97により濾過器91の前後の供給管路92及び排出管路93を閉じることで、フィルタ912に付着した粉化粒子を除去することができる(洗浄工程)。具体的に、この洗浄工程においては、ガス供給部101から不活性ガスを吹き出し、排出管路93側から濾過容器911の内側に向かうようにフィルタ912内を通過させる。すなわち、フィルタ912に対して、濾過工程において液体炭化水素を通過させる一方向とは逆向きに不活性ガスを通過させる。これにより、粉化粒子がフィルタ912から取り除かれ、濾過容器911の下端側に下降する。なお、濾過容器911の下端に到達した粉化粒子は、バルブ107を開くことで粒子排出管路104を介して外部に排出することができる。
そして、濾過ユニット90において濾過工程を実施している際には、差圧計98により濾過器91前後における差圧を計測し、この差圧の計測結果が所定の閾値以上となった際に、濾過ユニット90において実施する濾過工程を停止して洗浄工程に切り替える。差圧計98において計測される差圧は、濾過器91のフィルタ912において捕捉された粉化粒子の量が多くなるほど大きくなるため、洗浄工程に切り替える時期を的確に把握することができる。
濾過工程から洗浄工程に切り替える差圧の閾値は、例えば150kPaとすることが好ましい。これは、当該差圧が150kPa以上となると、排出管路93において液体炭化水素が気化してしまい、結果として、液体燃料製品の原料が目減りしてしまうためである。
さらに、濾過ユニット90には、複数の濾過器91が設けられ、また、各濾過器91の前後に個別に接続された供給管路92及び排出管路93の分岐部分にはこれを開閉するバルブ95,96がそれぞれ設けられているため、例えば一の濾過器91A,91Bにおいて濾過工程を実施しながら、他の濾過器91C,91Dにおいて洗浄工程を実施することもできる。
この場合には、供給元栓バルブ94及び排出元栓バルブ97は開いておき、さらに、一の濾過器91A,91Bの前後のバルブ95A,95B,96A,96Bを開いておくと同時に、他の濾過器91C,91Dの前後のバルブ95C,95D,96C,96Dを閉めておけばよい。これにより、一の濾過器91A,91Bには、分離器36からの液体炭化水素が導入され、当該液体炭化水素を濾過し、濾過された液体炭化水素を第1精留塔40に移送することができる。また、他の濾過器91C,91Dには、液体炭化水素が導入されないため、フィルタ912に付着した粉化粒子を除去することができる。
さらに、一の濾過器91A,91Bにより濾過工程を実施している際には、差圧計98により一の濾過器91A,91B前後における差圧を計測し、その計測結果が所定の閾値以上となった際にバルブ95A,95B,96A,96Bを閉じ、一の濾過器91A,91Bに対して洗浄工程を実施する。また、これと同時に、バルブ95C,95D,96C,96Dを開いて他の濾過器91C,91Dにより濾過工程を実施する。
次に、第1精留塔40は、上記のようにして気泡塔型反応器30から分離器36及び濾過ユニット90、あるいは、気液分離器38を介して供給された液体炭化水素(炭素数は多様)を加熱して、沸点の違いを利用して分留し、ナフサ留分(沸点が約150℃未満)と、灯油・軽油留分(沸点が約150〜350℃)と、WAX留分(沸点が約350℃より大)とに分離・精製する。この第1精留塔40の底部から取り出されるWAX留分の液体炭化水素(主としてC21以上)は、WAX留分水素化分解反応器50に移送され、第1精留塔40の中央部から取り出される灯油・軽油留分の液体炭化水素(主としてC11〜C20)は、灯油・軽油留分水素化精製反応器52に移送され、第1精留塔40の上部から取り出されるナフサ留分の液体炭化水素(主としてC〜C10)は、ナフサ留分水素化精製反応器54に移送される。
WAX留分水素化分解反応器50は、第1精留塔40の下部から供給された炭素数の多いWAX留分の液体炭化水素(概ねC21以上)を、上記水素分離装置26から供給された水素ガスを利用して水素化分解して、炭素数をC20以下に低減する。この水素化分解反応では、触媒と熱を利用して、炭素数の多い炭化水素のC−C結合を切断して、炭素数の少ない低分子量の炭化水素を生成する。このWAX留分水素化分解反応器50により、水素化分解された液体炭化水素を含む生成物は、気液分離器56で気体と液体とに分離され、そのうち液体炭化水素は、第2精留塔70に移送され、気体分(水素ガスを含む。)は、灯油・軽油留分水素化精製反応器52及びナフサ留分水素化精製反応器54に移送される。
灯油・軽油留分水素化精製反応器52は、第1精留塔40の中央部から供給された炭素数が中程度である灯油・軽油留分の液体炭化水素(概ねC11〜C20)を、水素分離装置26からWAX留分水素化分解反応器50を介して供給された水素ガスを用いて、水素化精製する。この水素化精製反応では、主に側鎖状飽和炭化水素を得るために、上記液体炭化水素を異性化し、上記液体炭化水素の不飽和結合に水素を付加して飽和させる。この結果、水素化精製された液体炭化水素を含む生成物は、気液分離器58で気体と液体に分離され、そのうち液体炭化水素は、第2精留塔70に移送され、気体分(水素ガスを含む。)は、上記水素化反応に再利用される。
ナフサ留分水素化精製反応器54は、第1精留塔40の上部から供給された炭素数が少ないナフサ留分の液体炭化水素(概ねC10以下)を、水素分離装置26からWAX留分水素化分解反応器50を介して供給された水素ガスを用いて、水素化精製する。この結果、水素化精製された液体炭化水素を含む生成物は、気液分離器60で気体と液体に分離され、そのうち液体炭化水素は、ナフサ・スタビライザー72に移送され、気体分(水素ガスを含む。)は、上記水素化反応に再利用される。
次いで、第2精留塔70は、上記のようにしてWAX留分水素化分解反応器50及び灯油・軽油留分水素化精製反応器52から供給された液体炭化水素を蒸留して、炭素数がC10以下の炭化水素(沸点が約150℃未満)と、灯油(沸点が約150〜250℃)と、軽油(沸点が約250〜350℃)及びWAX留分水素化分解反応器50からの未分解WAX留分(沸点約350℃)とに分離・精製する。第2精留塔70の下部からは軽油が取り出され、中央部からは灯油が取り出される。一方、第2精留塔70の塔頂からは、炭素数がC10以下の炭化水素ガスが取り出されて、ナフサ・スタビライザー72に供給される。
さらに、ナフサ・スタビライザー72では、上記ナフサ留分水素化精製反応器54及び第2精留塔70から供給された炭素数がC10以下の炭化水素を蒸留して、製品としてのナフサ(C〜C10)を分離・精製する。これにより、ナフサ・スタビライザー72の下部からは、高純度のナフサが取り出される。一方、ナフサ・スタビライザー72の塔頂からは、製品対象外である炭素数が所定数以下(C以下)の炭化水素を主成分とするフレアガスが排出される。このフレアガスは、外部の燃焼設備(図示せず。)に導入されて、燃焼された後に大気放出される。
本実施形態に係る液体燃料合成システム1及び粉化粒子の除去方法によれば、分離器36において分離された液体炭化水素に粉化粒子が含まれていても、濾過器91において粉化粒子を捕捉することで液体炭化水素から粉化粒子を除去できるため、液体燃料製品の原料として液体燃料製品の製造工程において使用する液体炭化水素への粉化粒子の混入抑制を図ることができ、液体燃料製品の品質低下を防止することが可能となる。
また、WAX留分水素化分解反応器50等のように液体燃料製品の製造に際して使用する触媒が、粉化粒子に基づいて劣化することも無いため、液体炭化水素を使用して液体燃料製品を製造する製品精製ユニット7(装置)の洗浄も容易で且つ長時間安定的に連続運転を行うことができる。
さらに、分離器36において分離された液体炭化水素に含まれる触媒粒子や粉化粒子の量は、反応器30と分離器36との間で循環するスラリーの流量の影響を受けるが、濾過器91はこの循環部分に含まれないため、濾過器91においては、前述したスラリー流量に影響されずに液体炭化水素の濾過を実施することができる。
また、分離器36及び第1精留塔40に対して複数の濾過器91を並列に配することで、分離器36から取り出された液体炭化水素を複数の濾過器91に分割して供給することができるため、分離器36から取り出される液体炭化水素に粉化粒子が多量に含まれていても、十分に除去することが可能となる。
さらに、バルブ95A〜95D,96A〜96Dにより供給管路92及び排出管路93の分岐部分の開閉を切り替えて液体炭化水素を濾過する濾過器91を交換すると共に、濾過工程と洗浄工程とを同時に実施することで、液体炭化水素の濾過を継続的に行うことができる。特に、差圧計により濾過ユニット90の前後における液体炭化水素の差圧を計測することで、切り替え時期を的確に把握することができるため、液体炭化水素の継続的な濾過を良好な状態で行うことができる。
また、濾過器91に洗浄手段100を設け、これにより洗浄工程を行うことで、フィルタ912を濾過容器911から取外すことなく、フィルタ912から粉化粒子を確実に除去することができ、同一のフィルタ912を繰り返し液体炭化水素の濾過に使用することができる。さらに、フィルタ912は焼結して構成されているため、濾過工程や洗浄工程において液体炭化水素や不活性ガスによってフィルタ912に高い圧力がかかっても十分に耐えることができるため、同一のフィルタ912を長時間にわたって使用することができる。
なお、上記実施形態においては、複数の濾過器91の半数を1つの組として、各組を濾過工程と洗浄工程とに切り替えるとしたが、これに限ることは無く、複数の濾過器91を任意の組に分けて濾過工程と洗浄工程とに切り替えてもよい。
例えば、1つの濾過器91(一の濾過器)のみで濾過工程を行うと同時に、残りの複数の濾過器91(他の濾過器)に対して洗浄工程を実施し、1つの濾過器91が濾過工程から洗浄工程に切り替えられた際には洗浄工程を実施している複数の濾過器91の1つを濾過工程に切り替えてもよい。また、例えば、1つの濾過器91(他の濾過器)だけに対して洗浄工程を実施すると同時に、残りの複数の濾過器91(一の濾過器)により濾過工程を行い、1つの濾過器91が濾過工程から洗浄工程に切り替えられた際には洗浄工程を実施していた1つの濾過器91を濾過工程に切り替えてもよい。
また、洗浄工程を濾過工程と同時に行うことを考慮しない場合でも、バルブ95A〜95D,96A〜96Dにより供給管路92及び排出管路93の各分岐部分を適宜開閉することで、分離器36から取り出される液体炭化水素の量に応じて、濾過工程を実施する適切な濾過器91の数を設定することができる。すなわち、分離器36から導入される液体炭化水素における粉化粒子の濃度や、液体炭化水素の供給流量等の変化に応じて、濾過器91の数を調整して対応することができ、各濾過器91を通過する液体炭化水素の流量を一定に保持することが可能となる。すなわち、各濾過器91において液体炭化水素を安定して濾過することができる。
さらに、洗浄手段100は各濾過器91に備えるとしたが、例えば複数の濾過器91に対して1つだけ設けられていてもよい。この場合には、ガス供給管路102が排出管路93の各分岐部分に接続されるように分岐されていればよい。また、ガス供給管路102の各分岐部分にそれぞれバルブ105を設け、これらバルブ105によりガス供給管路102の分岐部分を選択的に開閉することで、不活性ガスを供給する濾過器91を選択することができる。
また、粉化粒子をフィルタ912から取り除く洗浄用流体は、窒素・アルゴン等の不活性ガスに限らず、例えば、液化炭化水素や(触媒粒子)粉化粒子と化学反応しない液体であってもよい。この液体としては、例えば第1精留塔40において分離・精製された液体炭化水素の各留分、水素化反応器50,52,54において水素化分解・水素化精製された液体炭化水素を含む生成物、気液分離器56,58,60において分離された液体炭化水素、第2精留塔70において分離・精製された灯油・軽油等の液体燃料製品であってもよい。
さらに、フィルタ912に付着した粉化粒子を除去する洗浄手段100としては、ガス供給部101が挙げられているが、例えばフィルタ912を振動させて粉化粒子をフィルタ912から振るい落とす振動手段であっても良い。この場合でも、上記実施形態と同様に、フィルタ912を濾過容器911から取外すことなく、フィルタ912から粉化粒子を除去することができる。
また、各濾過器91には、フィルタ912が複数設けられるとしたが、必要とされる濾過性能に応じて増減してもよい、すなわち、フィルタ912は1つだけ設けられてもよい。
さらに、複数の濾過器91は、分離器36及び第1精留塔40に対して並列に配されることに限らず、例えば、分離器36と第1精留塔40との間で直列に配されても良い。この場合には、例えば、分離器36側の濾過器91におけるフィルタ912の孔径を大きくしておき、第1精留塔40側の濾過器91においては孔径を小さくしても良い。この構成では、粉化粒子の大きさに応じて粉化粒子が複数の段階に分けて除去されるため、各濾過器91において粉化粒子による目詰まりが生じにくくなり、フィルタ912を洗浄・交換することなく、長時間にわたって使用することが可能となる。
また、濾過ユニット90は、複数の濾過器91を備えて構成されているが、液体炭化水素の濾過を継続的に行わない場合には、例えば濾過器91を1つだけ備えて構成されてもよい。
さらに、上記実施形態においては、液体燃料合成システム1に供給される炭化水素原料に天然ガスを用いたが、例えば、アスファルト、残油など、その他の炭化水素原料を用いてもよい。
さらに、上記実施形態においては、液体燃料合成システム1について述べたが、本発明は少なくとも水素及び一酸化炭素を主成分とする合成ガスとスラリーとの化学反応によって炭化水素化合物を合成する炭化水素合成反応システムに適用することができる。なお、炭化水素合成反応システムは、例えばFT合成ユニット5を主たる構成としたものであってもよいし、気泡塔型反応器30、分離器36及び濾過ユニット90や濾過器91を主に備えたものであってもよい。
なお、分離器36は、気泡塔型反応器30の外部に設置されるとしたが、例えば気泡塔型反応器30内部に含まれてもよい。すなわち、気泡塔型反応器30において、スラリーに含まれる液体炭化水素がスラリーから分離されてもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付のクレームの範囲によってのみ限定される。
本発明は、水素及び一酸化炭素を主成分とする合成ガスと、液体中に固体の触媒粒子を懸濁させてなるスラリーとの化学反応によって合成された炭化水素化合物を前記スラリーから取り出す合成反応システムであって、前記スラリーを収容すると共に前記炭化水素化合物を合成する反応器と、当該反応器内部の前記スラリーに含まれる前記炭化水素化合物を前記スラリーから分離する分離器と、当該分離器から取り出された前記炭化水素化合物を濾過することで、前記触媒粒子が粉化してなる粉化粒子を捕捉する濾過器と、を備える合成反応システムに関する。
本発明によれば、液体燃料製品の製造工程に使用する炭化水素化合物への粉化粒子の混入抑制を図ることができ、液体燃料製品の品質低下を防止することが可能となる。

Claims (15)

  1. 水素及び一酸化炭素を主成分とする合成ガスと、液体中に固体の触媒粒子を懸濁させてなるスラリーとの化学反応によって炭化水素化合物を合成する反応器と;
    前記スラリーから前記炭化水素化合物を分離する分離器と;
    前記分離器から取り出された前記炭化水素化合物を濾過し、粉化した触媒粒子を捕捉する濾過器と;
    を備える炭化水素化合物の合成反応システム。
  2. 前記濾過器が複数設けられ、
    前記分離器と各濾過器とが、それぞれ前記炭化水素化合物を前記分離器から各濾過器に供給する供給管路によって個別に接続されている請求項1に記載の炭化水素化合物の合成反応システム。
  3. 前記供給管路の各分岐部分には、これを開閉して各濾過器に対する前記炭化水素化合物の供給を個別に切り替えるバルブが設けられている請求項2に記載の炭化水素化合物の合成反応システム。
  4. 一の濾過器が前記炭化水素化合物を濾過すると同時に、他の濾過器が前記炭化水素化合物を濾過しないように、前記供給管路の各分岐部分が前記バルブによってそれぞれ開閉される請求項3に記載の炭化水素化合物の合成反応システム。
  5. 前記炭化水素化合物が前記濾過器によって濾過される過程において前記濾過器の上流側と下流側との差圧を計測する差圧計を備える請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の炭化水素化合物の合成反応システム。
  6. 前記濾過器は、前記供給管路に接続される濾過容器と、該濾過容器内に配されて前記炭化水素化合物を濾過するフィルタとを備え、
    当該フィルタには、濾過された前記炭化水素化合物を前記濾過容器の外側に排出する排出管路が接続されている請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の炭化水素化合物の合成反応システム。
  7. 前記濾過器は、前記フィルタに付着した前記粉化した触媒粒子を除去する洗浄手段を備える請求項6に記載の炭化水素化合物の合成反応システム。
  8. 前記洗浄手段が、前記排出管路に接続されると共に、当該排出管路を介して前記フィルタに洗浄用流体を供給する洗浄流体供給部を備える請求項7に記載の炭化水素化合物の合成反応システム。
  9. 前記洗浄用流体が不活性ガスである請求項8に記載の炭化水素化合物の合成反応システム。
  10. 前記フィルタが、金網を複数枚重ね合わせて焼結した金網焼結フィルタからなり、
    当該金網焼結フィルタに形成される孔の径寸法が、前記粉化した触媒粒子の平均粒径以下である請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の炭化水素化合物の合成反応システム。
  11. 前記フィルタが、金網を複数枚重ね合わせて焼結した金網焼結フィルタからなり、
    当該金網焼結フィルタに形成される孔の径寸法が、0μmよりも大きく、かつ、10μm以下である請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の炭化水素化合物の合成反応システム。
  12. 水素及び一酸化炭素を主成分とする合成ガスと、液体中に固体の触媒粒子を懸濁させてなるスラリーとの化学反応によって合成された炭化水素化合物を前記スラリーから取り出した後に実施される、粉化した触媒粒子の除去方法であって:
    前記炭化水素化合物を、濾過器に具備されるフィルタの一方向に通過させて、粉化した触媒粒子を捕捉する濾過工程と;
    前記フィルタに前記一方向とは逆向きに洗浄用流体を通過させて、前記フィルタから前記粉化した触媒粒子を除去する洗浄工程と;
    を備える粉化粒子の除去方法。
  13. 前記フィルタが、これに通過させる前記炭化水素化合物に対して複数並列に配され、
    一のフィルタにおいて前記濾過工程が行われる際には、他のフィルタに対して前記メンテナンス工程が同時に行われ、また、前記他のフィルタにおいて前記濾過工程が行われる際には、一のフィルタに対して前記洗浄工程が同時に行われると請求項12に記載の粉化粒子の除去方法。
  14. 前記濾過工程を実施している前記フィルタに対して、当該フィルタに流入する前の前記炭化水素化合物の圧力と、濾過されて前記フィルタから排出された前記炭化水素化合物の圧力との差圧を計測し、
    当該差圧の計測結果が、所定の閾値以上となった際に、前記フィルタにおいて実施する工程を前記濾過工程から前記洗浄工程に切り替える請求項12又は請求項13に記載の粉化粒子の除去方法。
  15. 前記閾値は、0kPaよりも大きく、かつ、150kPa以下である請求項14に記載の粉化粒子の除去方法。
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