JPWO2009104719A1 - レーザ走査顕微鏡 - Google Patents

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Abstract

本発明は、正常な透過光画像を得ることができるようにするレーザ走査顕微鏡に関する。蛍光検出ユニット26は、レーザ光の照射により励起する試料12からの蛍光の光量を測定し、透過光検出部27は、レーザ光が試料12を透過した透過光の光量を測定する。また、クレム処理部28は、1画素対応範囲走査時間より短い下限値判定時刻における蛍光の光量が下限閾値未満である場合および1画素対応範囲走査時間中に蛍光の光量が上限閾値以上である場合の一方に該当するときにレーザ光の照射を停止させる制御を1画素対応範囲走査時間ごとに行う。また、クレム処理部28は、下限値判定時刻での透過光の光量に基づいて、1画素対応範囲走査時間の露光がなされていたときに測定されるであろう透過光の光量を外挿し、画像取得部29は、その外挿された光量から透過光画像を取得する。本発明は、例えば、レーザ走査顕微鏡に適用できる。

Description

本発明は、レーザ走査顕微鏡に関し、特に、正常な透過光画像を得ることができるようにしたレーザ走査顕微鏡に関する。
従来、レーザ走査顕微鏡は、生体細胞などの試料にレーザ光を照射し、そのレーザ光を走査させることで、試料の蛍光物質が励起されて試料から発せられる蛍光による蛍光画像や、試料を透過する透過光による透過光画像などを取得する。
また、特許文献1には、レーザ光による試料の損傷(退色)を抑制するために、蛍光の受光量が所定の上限の閾値以上となる場合、および、蛍光の受光量が所定の下限の閾値以下となる場合に、レーザ光の照射を停止するように制御を行うレーザ走査顕微鏡が開示されている。
特表2007−500880号公報
しかしながら、上述したような、閾値を用いてレーザ光の照射を制御するレーザ走査顕微鏡では、例えば、複数のレーザ光を試料に照射し、それぞれのレーザ光による蛍光画像を得る場合に、レーザ光の照射時間がそれぞれ異なることになる。これにより、それらのレーザ光が試料を透過した透過光の光量が照射時間によって変化してしまい、正常な透過光画像を得ることができなかった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、正常な透過光画像を得ることができるようにするものである。
本発明のレーザ走査顕微鏡は、レーザ光を試料に走査して画像を取得するレーザ走査顕微鏡において、
前記レーザ光の照射により励起し、前記試料から発せられる蛍光の光量を測定する蛍光測定手段と、
前記レーザ光が前記試料を透過した透過光の光量を測定する透過光測定手段と、
前記画像の1画素に対応する範囲を走査する時間より短い下限値判定時刻における前記蛍光の光量が下限閾値未満である場合および前記画像の1画素に対応する範囲を走査する時間中に前記蛍光の光量が上限閾値以上である場合の少なくとも一方に該当する場合に、前記レーザ光の照射を停止させる制御を、前記画像の1画素に対応する範囲を走査する時間である1画素対応範囲走査時間ごとに行う照射制御手段と、
前記照射制御手段により、前記蛍光測定手段により測定される蛍光の光量が下限閾値未満であるか否かを判定する前記下限値判定時刻での前記透過光測定手段が測定した透過光の光量に基づいて、前記1画素対応範囲走査時間の照射がなされていたときに測定されるであろう透過光の光量を外挿する外挿手段と、
前記外挿手段により外挿された光量を画像処理し、外挿済みの透過光画像を取得する画像処理手段と
を備えることを特徴とする。
本発明のレーザ走査顕微鏡においては、レーザ光の照射により励起し、試料から発せられる蛍光の光量が測定され、画像の1画素に対応する範囲を走査する時間より短い下限値判定時刻における蛍光の光量が下限閾値未満である場合および画像の1画素に対応する範囲を走査する時間中における蛍光の光量が上限閾値以上である場合の少なくとも一方に該当する場合に、レーザ光の照射を停止させる制御が、画像の1画素に対応する範囲を走査する時間である1画素対応範囲走査時間ごとに行われる。また、蛍光の光量が下限閾値未満であるか否かを判定する下限値判定時刻での透過光の光量に基づいて、1画素対応範囲走査時間の照射がなされていたときに測定されるであろう透過光の光量が外挿される。そして、その外挿された光量が画像処理され、外挿済みの透過光画像が取得される。
本発明のレーザ走査顕微鏡によれば、正常な透過光画像を得ることができる。
本発明を適用したレーザ走査顕微鏡の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。 クレム処理およびクレム外挿処理について説明する図である。 透過光画像データのクレム外挿処理について説明する図である。 透過光画像データのクレム外挿処理について説明する図である。 クレム処理部28の構成例を示すブロック図である。 クレム処理部28の他の構成例を示すブロック図である。 クレム演算透過光画像およびクレム評価透過光画像の例を示す図である。 クレム評価透過光画像および蛍光画像を表示させる処理を説明するフローチャートである。 蛍光画像とクレム評価透過光画像とを重ね合わせた画像と、蛍光画像とクレム評価透過光画像とを2分割表示させた画像とを示す図である。 クレム処理が施された蛍光画像とクレム処理が施されていない蛍光画像とで2分割された画像の例である。 一部でクレム処理を切り替えた画像の例である。
符号の説明
11 レーザ走査顕微鏡システム, 12 試料, 13 レーザ走査顕微鏡, 14 パーソナルコンピュータ, 15 表示装置, 16 入力装置, 17 アプリケーションソフトウェア, 21 レーザ光源ユニット, 22 レーザ走査部, 23 ダイクロイックミラー, 24 対物レンズ, 25 ステージ, 26 蛍光検出ユニット, 27 透過光検出部, 28 クレム処理部, 29 画像取得部,30 ファイバー 31a乃至31c レーザ光源, 32a乃至32c シャッタ, 41 DM, 42 BAフィルタ, 43 PMT, 51 入力信号処理回路, 52 外挿処理回路, 53 出力信号処理回路, 54 切替回路, 55 サンプリング部, 56 演算部, 61 判定処理部, 621および622 サンプリング部, 631および632 演算部
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明を適用したレーザ走査顕微鏡の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
図1において、レーザ走査顕微鏡システム11は、試料12に照射されるレーザ光により画像を取得するレーザ走査顕微鏡13と、レーザ走査顕微鏡13を制御するパーソナルコンピュータ14とが接続されて構成される。
パーソナルコンピュータ14には、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)などからなる表示装置15、および、マウスやキーボードからなる入力装置16が接続されている。パーソナルコンピュータ14は、内蔵するCPU(Central Processing Unit)がアプリケーションソフトウェア17を実行することで、レーザ走査顕微鏡13により取得された画像や、レーザ走査顕微鏡13の設定値をユーザに入力させるためのGUIなどを表示装置15に表示させたり、ユーザが入力装置16を操作することにより入力される設定値に基づいて、レーザ走査顕微鏡13を制御する。
レーザ走査顕微鏡13では、レーザ光源ユニット21からのレーザ光が試料12に照射され、そのレーザ光により試料12の蛍光物質が励起されて試料から発せられる蛍光による蛍光画像、および、試料12を透過する透過光による透過光画像が取得される。
レーザ光源ユニット21には、それぞれ異なる波長のレーザ光を発する3つのレーザ光源31a乃至31c、および、レーザ光の照射をオン/オフするための3つのシャッタ32a乃至32cが設けられている。シャッタ32a乃至32cは、例えば、AOM(Acousto-Optic Modulator:音響光学素子)やAOFT(音響光学可変フィルタ)などの高速シャッタ素子であり、後述するようにクレム処理部28の制御に従って、レーザ光源31a乃至31cからのレーザ光による試料12の照射を、それぞれオン/オフする。
レーザ光源ユニット21から発せられるレーザ光(励起光)は、出力端がファイバコネクタ(図示せず)に接続された光ファイバ(図示せず)によりダイクロイックミラー23に導入され、反射したレーザ光はレーザ走査部22に導入される。
レーザ走査部22は、例えば、レーザ光を反射するミラーと、ミラーを駆動する駆動機構とを有して構成されるガルバノスキャナであり、レーザ光源ユニット21からのレーザ光を、試料12のX−Y平面(試料12に照射されるレーザ光の光軸に対し直交する平面)で走査する。レーザ走査部22により走査されるレーザ光は、対物レンズ24により集光されて、ステージ25上の試料12に照射される。
レーザ光を照射することにより励起され試料12から発せられた蛍光は、対物レンズ24を透過してレーザ走査部22に入射し、デスキャンされた後ダイクロイックミラー23に入射する。ダイクロイックミラー23は、蛍光を透過し、その蛍光は、ファイバー30を介して、蛍光検出ユニット26に入射される。
蛍光検出ユニット26において、試料12からの蛍光は、DM(Dichroic Mirror:ダイクロイックミラー)41aに入射し、第1の波長領域の蛍光がDM41aにより反射されて、BAフィルタ(Barrier filter)42aにより、試料12や光学系からの散乱光がフィルタリングされた後、PMT(photo multiplier tube:光電子増倍管)43aに入射される。
また、DM41aを透過した蛍光は、DM41bに入射し、第2の波長領域の蛍光がDM41bにより反射されて、BAフィルタ42bによりフィルタリングされた後、PMT43bに入射される。また、DM41bを透過した第3の波長領域の蛍光は、BAフィルタ42cによりフィルタリングされた後、PMT43cに入射される。
そして、PMT43a乃至43cは、それぞれ受光した蛍光を検出し、その光量に応じた電圧の電気信号をクレム処理部28に供給する。なお、以下、適宜、PMT43a乃至43cを、それぞれ区別する必要がない場合、PMT43と称する。
また、試料12に照射されたレーザ光のうち、試料12を透過した透過光は、透過光検出部27に入射する。透過光検出部27は、試料12を透過した透過光の光量に応じた電圧の電気信号をクレム処理部28に供給する。
クレム処理部28は、PMT43からの電気信号に基づいて、レーザ光源ユニット21のシャッタ32a乃至32cの制御を、試料12の画像の1画素ごとに1画素に相当する所定時間(1画素に対応する範囲を走査する時間である1画素対応範囲走査時間)内において行い、レーザ光の照射により試料12が露光される露光時間を制御する処理(以下、適宜、クレム(CLEM:Controlled Light-Exposure Microscopy)処理と称する)を行う。
また、クレム処理部28は、クレム処理を行うことにより、露光時間がレーザ光の走査速度に応じて設定される1画素分の露光時間より短い時間となったときに、PMT43または透過光検出部27からの電気信号に対し、1画素分の露光時間の露光がなされていたときに得られるであろう電気信号を演算により外挿して出力する処理(以下、適宜、クレム外挿処理と称する)を行う。
レーザ走査顕微鏡システム11では、クレム処理部28がクレム処理を行うか否かを、ユーザが、パーソナルコンピュータ14を操作することにより設定することができ、クレム処理を行うと設定されている場合、クレム処理部28は、クレム処理を行うとともに、蛍光検出ユニット26からの電気信号に対しクレム外挿処理を施して画像取得部29に供給する。
また、レーザ走査顕微鏡システム11では、クレム処理を行うと設定されているときに、透過光検出部27からの電気信号に対しクレム外挿処理を行うか否かを、ユーザが、パーソナルコンピュータ14を操作することにより設定することができる。そして、クレム処理部28は、透過光検出部27からの電気信号に対しクレム外挿処理を行うと設定されている場合、透過光検出部27からの電気信号を外挿して画像取得部29に供給し、透過光検出部27からの電気信号に対しクレム外挿処理を行わないと設定されている場合、透過光検出部27からの電気信号を、そのまま画像取得部29に供給する。
画像取得部29は、クレム処理部28から供給される電気信号を増幅してA/D(Analog/Digital)変換し、その電気信号から画像を組み立てる画像処理を行い、その画像処理により得られる画像データをパーソナルコンピュータ14に供給する。
即ち、画像取得部29は、蛍光検出ユニット26からの電気信号より蛍光画像データを取得し、クレム処理部28においてクレム外挿処理が施された透過光検出部27からの電気信号よりクレム演算透過光画像データ(即ち、外挿済みの透過光)を取得し、クレム処理部28においてクレム外挿処理が施されていない透過光検出部27からの電気信号よりクレム評価透過光画像データ(即ち、未外挿の透過光画像)を取得する。
そして、レーザ走査顕微鏡システム11では、蛍光画像データ、クレム評価透過光画像データ、およびクレム演算透過光画像データに基づいて、それぞれの画像を個別に表示装置15に表示したり、ユーザにより指定された画像を重ね合わせて、または分割して表示装置15に表示したりすることができる。
次に、図2を参照して、クレム処理およびクレム外挿処理について説明する。
図2において、横軸は時刻を表し、ある1画素の露光が開始される時刻Tstartから、レーザ光の走査速度に応じて設定される1画素あたりの露光時間U(1Pixel Dwell)が経過する時刻Tendまでの時刻が示されている。また、縦軸は、PMT43により計測される蛍光の受光量に応じてPMT43から出力される電気信号の電圧の積算値(即ち、蛍光光量を積算した値)が示されている。
また、図2において、VH'は、レーザ走査顕微鏡13において、画像を取得するために必要十分な電圧値として予めユーザにより設定されたVthHに基づいて算出される、画素の露光時間U経過時に計測されるであろう電圧値を示している。また、VMINは、レーザ走査顕微鏡13において、背景(バックグラウンド)と見なせるあるいは、注目に値しないほど低い信号として設定される下限の電圧値を示している。
クレム処理部28には、PMT43が試料12からの蛍光を受光し、その受光量に応じた電圧の電気信号がPMT43から供給され、クレム処理部28は、時刻Tstartから電圧の積算を開始し、後述する方法により時刻Tendまで積算したであろう積算値を1画素の画素値(光量)として出力する。
ここで、クレム処理部28は、1画素の露光時間Uの経過時に、電圧が最小電圧VMINまで到達することができないと判定した場合、および、電圧が1画素の露光時間Uの時間の中でVthHに達したと判定した場合に、シャッタ32を閉鎖して試料12へのレーザ光の照射を停止させるように制御する。即ち、時間Uの経過時に、電圧が最小電圧VMINまで到達していなかった場合には、PMT43からの電気信号が取得できないような画素であり、これ以上の電気信号の取得は不要である。また、電圧が1画素の露光時間Uの時間の中で、電圧VthHを超過する場合には、PMT43からの電気信号は十分に取得されており、これ以上の電気信号の取得は不要である。従って、この場合には、試料12へのレーザ光の照射を停止させることにより、試料12の劣化(退色)を抑制する。
例えば、クレム処理部28は、電圧が最小電圧VMINまで到達するか否かを判定する時刻である下限値判定時刻TthLにおける電圧値Vnが、下限閾値VthL(VthL=VMIN×TthL/U)未満であるか否かを判定し、下限値判定時刻TthLにおける電圧値Vnが、下限閾値VthL未満であると判定した場合、シャッタ32を閉鎖する。また、例えば、クレム処理部28は、電圧が、所定の上限閾値VthHを超えたときには、電圧が上限閾値VthHを超えた時刻Tnを記憶し、シャッタ32を閉鎖する。
このように、クレム処理部28が、1画素ごとに、PMT43の受光量に応じた電気信号に基づいて、レーザ光源ユニット21のシャッタ32の開閉を制御する処理がクレム処理である。
そして、クレム処理部28は、電圧が最小電圧VMINまで到達しないと判定し、シャッタ32を閉鎖した場合に、シャッタ32を閉鎖せずに時刻Tendまで露光を行ったとしたときに得られるであろう電圧を、下限値判定時刻TthLでの電圧値Vnの直線外挿により求めることができる。即ち、電圧が最小電圧VMINまで到達しないときに外挿された電圧VL’は、VL’=Vn×(U/TthL)で求められる。
また、クレム処理部28は、電圧が1画素の露光時間Uの時間の中で上限閾値VthHに達したと判定し、シャッタ32を閉鎖した場合に、シャッタ32を閉鎖せずに時刻Tendまで露光を行ったとしたときに得られるであろう電圧を、上限閾値VthHでの時刻Tnの直線外挿により求めることができる。即ち、電圧が上限閾値VthHを越えたときに外挿された電圧VH'は、VH'=VthH×(U/Tn)で求められる。
このように、クレム処理部28が、クレム処理によりシャッタ32a乃至32cが閉鎖されたときに、測定された電圧を外挿する処理がクレム外挿処理である。
ここで、レーザ光源ユニット21には、3つのレーザ光源31a乃至31cが設けられており、レーザ光源31a乃至31cのレーザ光により試料12の蛍光物質が励起されて発生する蛍光が、試料12からそれぞれ発せられ、PMT43a乃至43cにより受光される。従って、試料12に含まれる蛍光物質に応じて、それらの蛍光の光量はそれぞれ異なっており、クレム処理部28では、PMT43a乃至43cからの電気信号ごとに、クレム処理を行う。
このようにクレム処理が行われることにより、シャッタ32a乃至32cが閉鎖される時刻は、PMT43a乃至43cからの電気信号それぞれによって異なるものとなる。これにより、あるレーザ光により試料12の蛍光物質が励起されて発生する蛍光の光量が最小電圧VMINまで到達しないほど少ない場合には、そのレーザ光の照射は、下限値判定時刻TthLで停止される。一方、他のレーザ光により試料12の蛍光物質が励起されて発生する蛍光の光量が多い場合には、そのレーザ光の照射は、電圧が上限閾値VthHを超える時刻Tnまで、或いは、1画素の露光時間Uが経過する時刻Tendまで行われる。
また、レーザ走査顕微鏡13では、試料12を透過する透過光を受光する透過光検出部27からの電気信号により透過画像を取得するが、PMT43a乃至43cの受光量に応じて、レーザ光源31a乃至31cからのレーザ光の照射が停止する時刻が異なる場合には、レーザ光の照射時間(露光時間)に応じて透過光光量が異なり、これにより、正常な透過画像を得ることができない。
ところで、蛍光の光量が少ない場合であっても、下限値判定時刻TthLまでは必ずレーザの照射が行われる。このことより、クレム処理部28は、透過光画像データに対してクレム外挿処理を施す場合には、クレム処理が行われるときに、下限値判定時刻TthLにおいて透過光検出部27から出力される電気信号に対して処理を施す。
即ち、図3および図4を参照して、透過光画像データのクレム外挿処理について説明する。
図3および図4においては、横軸は図2と同様に、時刻を表している。また、縦軸は、透過光検出部27により計測される透過光の受光量に応じて出力される電気信号の電圧の積算値(即ち、透過光光量を積算した値)が示されている。
図3には、例えば、2つのレーザ光が試料12に照射されているときに、両方のレーザ光が下限値判定時刻TthLで両方とも停止した場合に測定される電圧値V1と、それらのいずれか一方のレーザ光が下限値判定時刻TthLで停止した場合に測定される電圧値V2とが示されている。
図4には、例えば、2つのレーザ光が試料12に照射されているときに、両方のレーザ光が時刻Tn(上限閾値VthHを超過した時刻)で両方とも停止した場合に測定される電圧値V1と、それらのいずれか一方のレーザ光が時刻Tnで停止した場合に測定される電圧値V2とが示されている。なお、電圧が上限閾値VthHを超過する時刻Tnは、下限値判定時刻TthLから時刻Tendまでの上限値検出範囲Pで検出される。
図3および図4に示すように、2つのレーザ光の両方が停止する場合と、一方が停止する場合とで、測定される電圧値(即ち、外挿が行われない電圧値)が異なるとともに、レーザ光が停止する時刻によっても、測定される電圧値が異なる。
そこで、クレム処理部28は、上述したようにレーザ光の照射が必ず行われている下限値判定時刻TthLでの電圧値Vnに基づいて直線外挿を行い、1画素分の露光時間の露光がなされていたときに得られるであろう電圧値として、外挿電圧値V’(V’=Vn×U/TthL)を算出する。
このように、下限値判定時刻TthLでの電圧値Vnに基づいて直線外挿を行うことで、安定した外挿電圧値を得ることができ、正常な透過画像を得ることができる。即ち、一定の露光時間Uで照射が行われたときの透過画像を正常な画像としたときに、上述したように、複数のレーザ光の照射時間がそれぞれ異なる場合には、それぞれの画素の照射時間に応じた透過画像になり、正常な画像を得ることができなかった。これに対し、下限値判定時刻TthLでの電圧値Vnに基づいて直線外挿を行うことで、上限値検出範囲Pでレーザ光の照射が停止しても、一定の露光時間Uで露光がなされていたときに得られるであろう電圧値が外挿電圧値V’として算出されるので、正常な画像を得ることができる。また、クレム処理部28では、1画素ごとにクレム外挿処理を行うため、下限値判定時刻TthLで直線外挿の演算を開始することで、露光時間Uで確実に外挿電圧値を算出することができる。
また、このようにして下限値判定時刻TthLでの電圧値Vnに基づいてクレム外挿処理を行うか否かは、ユーザが、パーソナルコンピュータ14を操作することにより設定することができ、クレム処理部28は、その設定に従って処理を行う。
次に、図5は、クレム処理部28の構成例を示すブロック図である。
クレム処理部28には、図1の透過光検出部27が受光した透過光の光量に応じた電気信号が入力信号として供給され、透過光検出部27からの入力信号は、まず、クレム処理部28中の入力信号処理回路51および切替回路54に供給される。
また、入力信号処理回路51には、図示しないクロック回路から露光時間Uに同期したピクセルクロック信号(入力制御信号)が供給される。入力信号処理回路51は、積算回路およびA/D(Analog/Digital)変換回路を備えており、ピクセルクロック信号に従って、透過光検出部27からの入力信号を積算し、その電気信号をA/D変換して外挿処理回路52に供給する。
外挿処理回路52は、サンプリング部55および演算部56を備えている。サンプリング部55は、入力信号処理回路51から供給される電気信号を、下限値判定時刻TthLでサンプリングして、その電気信号を演算部56に供給する。
演算部56は、下限値判定時刻TthLでの電圧値に基づいて、図3および図4を参照して説明したように外挿電圧値V’(V’=Vn×U/TthL)を算出し、外挿電圧値V’を出力信号処理回路53に供給する。
なお、演算部56では、入力信号処理回路51、外挿処理回路52、および出力信号処理回路53のそれぞれの回路での処理の速度を考慮した回路定数kを用いて、外挿電圧値V’を算出する際に、V’=Vn×U/TthL×kを演算する。また、例えば、処理速度と外挿精度とのバランスを考慮して、U/TthL×kを定数aとしてあらかじめ算出しておき、外挿電圧値V’をVn×aの演算、即ち、乗算だけで求めることができる。これにより、処理に時間がかかる除算が不要となり、処理速度を向上させることができる。
出力信号処理回路53は、D/A(Digital/Analog)変換回路を備えており、演算部56からの外挿電圧値V’をD/A変換して、図示しないクロック回路から供給される露光時間Uに同期したピクセルクロック信号(出力制御信号)に従って、出力信号処理回路53は、そのピクセルクロック信号に従って、D/A変換した外挿電圧値V’の電気信号を切替回路54に供給する。
切替回路54には、画像取得部29を介して、パーソナルコンピュータ14から、ユーザの設定に従った切替信号が供給され、切替回路54は、その切替信号に従って、出力信号処理回路53から供給される外挿電圧値V’の電気信号、および、透過光検出部27から直接供給される入力信号のうちの、いずれか一方を出力信号として画像取得部29に供給する。即ち、クレム外挿処理を行うと設定されている場合、切替回路54は、出力信号処理回路53から供給される外挿電圧値V’の電気信号を出力し、一方、クレム外挿処理を行わないと設定されている場合、切替回路54は、透過光検出部27から直接供給される入力信号(即ち、透過光量に応じた電圧の電気信号)を出力する。
また、画像取得部29は、例えば、積算回路およびサンプリング部を備えているとともに、パーソナルコンピュータ14からの切替信号に従って、それらの回路を切り替えることができる。即ち、画像取得部29は、クレム外挿処理を行うと設定されている場合、演算部56において演算が施された外挿電圧値V’の電気信号からクレム演算透過光画像を取得する。一方、画像取得部29は、クレム外挿処理を行わないと設定されている場合、透過光検出部27から切替回路54を介して供給される透過光の光量に応じた電気信号を積算し、時刻Tendでサンプリングした電気信号(例えば、図3の電圧値V1またはV2)からクレム評価透過光画像を取得する。
なお、クレム処理部28は、クレム外挿処理を行わないときに、透過光検出部27からの電気信号を直接出力する他、その電気信号を積算し、サンプリングして出力してもよい。
即ち、図6は、クレム処理部28の他の構成例を示すブロック図である。
図6のクレム処理部28は、図5のクレム処理部28と同様に、入力信号処理回路51および出力信号処理回路53を備えており、外挿処理回路52’の構成が、図5の外挿処理回路52と異なる。
外挿処理回路52’は、判定処理部61、サンプリング部621および622、並びに演算部631および632を備えており、判定処理部61に供給される切替信号に従って処理の切り替えを行う。
即ち、判定処理部61は、ユーザの設定に従って、クレム外挿処理を行うことを設定する切替信号がパーソナルコンピュータ14から供給されると、入力信号処理回路51から供給される電気信号をサンプリング部621に供給する。一方、判定処理部61は、クレム外挿処理を行わないことを設定する切替信号がパーソナルコンピュータ14から供給されると、入力信号処理回路51から供給される電気信号をサンプリング部622に供給する。
サンプリング部621は、入力信号処理回路51からの電気信号を、下限値判定時刻TthLでサンプリングして、下限値判定時刻TthLでの電圧値Vnを演算部631に供給し、演算部631は、下限値判定時刻TthLでの電圧値Vn、露光時間U、および回路定数kに基づいて、外挿電圧値V’を算出し、外挿電圧値V’を出力信号処理回路53に供給する。
一方、サンプリング部622は、入力信号処理回路51から供給される電気信号を、時刻Tendでサンプリングし、時刻Tendでの電圧値(例えば、図3の電圧値V1またはV2)を演算部632に供給し、演算部632は、その電圧値を、回路定数kを用いて補正して出力信号処理回路53に供給する。
出力信号処理回路53には、クレム外挿処理を行うことが設定されている場合、演算部631から外挿電圧値V’が供給され、出力信号処理回路53は、外挿電圧値V’をD/A変換して画像取得部29に出力する。これにより、画像取得部29は、クレム演算透過光画像データを取得する。
また、出力信号処理回路53には、クレム外挿処理を行うことが設定されていない場合、演算部632から時刻Tendでの電圧値が供給され、出力信号処理回路53は、時刻Tendでの電圧値をD/A変換して画像取得部29に出力する。これにより、画像取得部29は、クレム評価透過光画像データを取得する。
このように、クレム処理部28において処理を切り替えることにより、レーザ走査顕微鏡システム11では、クレム演算透過光画像およびクレム評価透過光画像のどちらも取得することができる。
例えば、図7のAには、クレム演算透過光画像が示されている。クレム演算透過光画像では、クレム外挿処理により画像全体が、クレム処理が施されなかった場合(即ち、シャッタ32を閉鎖せずに時刻Tendまで露光を行った場合)と同等の光量の画像が表示される。また、クレム演算透過光画像では、試料12により光量が減少した部分が、その他の部分より暗く表示されている。
また、図7のBには、クレム評価透過光画像が示されている。クレム評価透過光画像では、レーザ光が下限値判定時刻TthLで停止した箇所が暗く表示され、レーザ光が時刻Tnで停止した箇所が明るく表示されている。このように、クレム処理においてレーザ光が停止した箇所、即ち、露光時間が短かった箇所を画素ごとに把握することができる。
このように、レーザ走査顕微鏡システム11では、クレム評価透過光画像により、各画素におけるレーザ光(励起光)の照射時間を確認することができる。
なお、本実施形態では、試料12にレーザ光を照射する前に、ユーザがパーソナルコンピュータ14を操作することによりクレム外挿処理を行うか否かを予め設定して、クレム演算透過光画像およびクレム評価透過光画像のいずれか一方を取得することを開示しているが、これに限らない。
図6に示すクレム処理部28の入力信号処理回路51と外挿処理回路52’との間に記憶部を設ける構成にしてもよい。
その場合、記憶部には下限値判定時刻TthLでの電圧値と、時刻Tendでの電圧値とが1画素分ごとにA/D変換後のデジタル信号データとして保存される。クレム演算透過光画像および/またはクレム評価透過光画像の作成は、試料12にレーザ光を照射した後に、ユーザがパーソナルコンピュータ14を操作することによりクレム外挿処理を行うか否か設定して、記憶部に保存されたデジタル信号データを呼び出し、外挿処理回路52’および出力信号処理回路53を経た結果、出力されるA/D変換後のアナログ信号を用いて、画像取得部29にて行う。
また、図6に示すクレム処理部28の外挿処理回路52’と出力信号処理回路53とをクレム処理部28に配置する代わりに画像取得部29に配置し、記憶部をクレム処理部28の入力信号処理回路51の後側、または、画像取得部29の外挿処理回路52’の前側に設けてもよい。
その場合、記憶部には下限値判定時刻TthLでの電圧値と、時刻Tendでの電圧値とが1画素分ごとにA/D変換後のデジタル信号データとして保存される。クレム演算透過光画像またはクレム評価透過光画像の作成は、試料12にレーザ光を照射した後に、ユーザがパーソナルコンピュータ14を操作することによりクレム外挿処理を行うか否か設定して、クレム処理部28または画像取得部29の記憶部に保存されたデジタル信号データを呼び出し、画像取得部29の外挿処理回路52’および出力信号処理回路53を経て、デジタル信号から画像生成して、それをパーソナルコンピュータ14に送り画像表示してもよいし、そのデジタル信号データをデジタル信号の状態でパーソナルコンピュータ14に送り、パーソナルコンピュータ14で画像を生成して表示してもよい。
次に、図8は、ユーザがパーソナルコンピュータ14を操作して、クレム処理部28に対する設定を行い、クレム評価透過光画像および蛍光画像を表示させる処理を説明するフローチャートである。
例えば、ユーザが、ステージ25に試料12をセットし、レーザ走査顕微鏡システム11を起動させると処理が開始され、パーソナルコンピュータ14が実行するアプリケーションソフトウェア17は、表示装置15にGUIを表示し、ステップS11において、ユーザが入力装置16を操作して、レーザ光源ユニット21のレーザ光源31a乃至31cのうちの、クレム処理の対象となるレーザ光源を選択すると、ユーザにより選択されたレーザ光源をクレム処理部28に設定する。
ステップS11の処理後、ステップS12に進み、ユーザが入力装置16を操作して、下限値判定時刻TthL、下限閾値VthL、および上限閾値VthHを入力すると、アプリケーションソフトウェア17は、それらの設定値をクレム処理部28に設定し、処理はステップS13に進む。
ステップS13において、ユーザは、クレム評価透過光画像を確認することによるクレム処理におけるレーザ光の照射時間のコントロール結果を確認するために、入力装置16を操作して、透過光画像のクレム外挿処理を行わない指示を入力すると、アプリケーションソフトウェア17は、その入力に応じて、図5を参照して説明した切換信号を、クレム処理部28の切替回路54に供給する。これにより、クレム処理部28では、透過光画像のクレム外挿処理が無効となるように設定され、切替回路54は、透過光検出部27から直接供給される電気信号を出力するように設定される。
ステップS13の処理後、処理はステップS14に進み、アプリケーションソフトウェア17は、ユーザの操作に応じて、クレム処理を行うとともに、PMT43からの電気信号に対しクレム外挿処理を施すようにクレム処理部28を設定する。これにより、クレム処理部28によりクレム外挿処理が施されたPMT43からの電気信号に基づいて、画像取得部29が蛍光画像データを取得し、表示装置15に蛍光画像が表示されるようになる。
ステップS14の処理後、処理はステップS15に進み、アプリケーションソフトウェア17は、ユーザの操作に応じて、クレム処理部28から出力されるクレム評価透過光画像データを画像化し、疑似カラー表示によりクレム評価透過光画像を表示装置15に表示するように画像取得部29を設定し、処理はステップS16に進む。
ステップS16において、ユーザが入力装置16を操作して、蛍光画像データおよびクレム評価透過光画像データの取得の開始を指示すると、アプリケーションソフトウェア17は、その指示に従って、レーザ走査顕微鏡13の各部を制御し、それらのデータの取得を開始させる。これにより、クレム処理部28は、蛍光画像データおよびクレム評価透過光画像データの取得を開始する。
ステップS16の処理後、処理はステップS17に進み、アプリケーションソフトウェア17は、クレム処理部28から画像取得部29に供給されるクレム評価透過光画像データに基づいて、表示装置15にクレム評価透過光画像を表示するように制御を行う。これにより、表示装置15にクレム評価透過光画像が表示され、ユーザは、クレム評価透過光画像、即ち、クレム処理部28によりクレム処理が施されることによる各画素におけるレーザ光の照射時間のコントロール結果を確認することができる。
ステップS17の処理後、処理はステップS18に進み、アプリケーションソフトウェア17は、ユーザの操作に従って、蛍光画像とクレム評価透過光画像とを重ね合わせた画像を表示するか否かを判定する。ステップS18において、蛍光画像とクレム評価透過光画像とを重ね合わせた画像を表示すると判定された場合、処理はステップS19に進む。
ステップS19において、アプリケーションソフトウェア17は、画像取得部29を制御して、蛍光画像データとクレム評価透過光画像データとに基づいて、それぞれの画像を重ね合わせた画像を生成させ、表示装置15に、蛍光画像とクレム評価透過光画像とを重ね合わせた画像(後述の図9のA)を表示させる。
ステップS19の処理後、または、ステップS18で蛍光画像とクレム評価透過光画像とを重ね合わせた画像を表示を表示しないと判定された場合、処理はステップS20に進む。ステップS20において、アプリケーションソフトウェア17は、蛍光画像とクレム評価透過光画像とを2分割表示させた画像を表示するか否かを判定する。そして、蛍光画像とクレム評価透過光画像とを2分割表示させた画像を表示すると判定された場合、処理はステップS21に進む。
ステップS21において、アプリケーションソフトウェア17は、画像取得部29を制御して、蛍光画像データとクレム評価透過光画像データとに基づいて、それぞれの画像を2分割表示させた画像を生成させ、表示装置15に、蛍光画像とクレム評価透過光画像とを2分割表示させた画像(後述の図9のB)を表示させる。
ステップS21の処理後、または、ステップS20で蛍光画像とクレム評価透過光画像とを2分割表示させた画像を表示しないと判定された場合、処理は終了する。
以上のように、レーザ走査顕微鏡システム11では、ユーザの設定に従って、蛍光画像とクレム評価透過光画像とを重ね合わせた画像や、蛍光画像とクレム評価透過光画像とを2分割表示させた画像を表示することができる。
このように、評価透過光画像を疑似カラー表示させることにより、ユーザは、クレム処理において露光時間が制御された箇所を画素ごとに確認(把握)することができる。また、蛍光画像とクレム評価透過光画像とを比較することで、ユーザは、クレム処理において露光時間が制御された箇所を空間的に把握することができる。
例えば、図9のAは、蛍光画像とクレム評価透過光画像とを重ね合わせた画像であり、この画像では、試料12である細胞の輪郭付近などが明るくなる画像が表示されている。また、図9のBは、蛍光画像とクレム評価透過光画像とを2分割表示させた画像である。
なお、例えば、レーザ走査顕微鏡システム11では、1枚の蛍光画像を得る途中で、クレム処理のオン/オフを切り替えることができ、クレム処理が施された蛍光画像とクレム処理が施されていない蛍光画像とで2分割された画像を得ることができる。
図10は、クレム処理が施された蛍光画像とクレム処理が施されていない蛍光画像とで2分割された画像の例である。
図10に示されている画像は、上側がクレム処理が施された蛍光画像で、下側がクレム処理が施されていない蛍光画像である。このように、クレム処理が施された蛍光画像とクレム処理が施されていない蛍光画像とで2分割された画像により、クレム処理が蛍光画像に適切に施されているか否かを確認することができる。例えば、画像の上側と下側とが、ほぼ同様の蛍光画像であれば、クレム処理が蛍光画像に適切に施されている、即ち、図2の電圧VH’および電圧VL’が適切に求められていることが分かる。
また、クレム処理が施された蛍光画像とクレム処理が施されていない蛍光画像とは、2分割で表示する他、例えば、クレム処理が施された蛍光画像の一部に、クレム処理が施されていない蛍光画像を表示させたり、クレム処理が施されていない蛍光画像の一部に、クレム処理が施された蛍光画像を表示させたりすることができる。
例えば、図11のAは、クレム処理が施された蛍光画像の一部に、クレム処理が施されていない蛍光画像を表示させた画像の例であり、図11のBは、クレム処理が施されていない蛍光画像の一部に、クレム処理が施された蛍光画像を表示させた画像の例である。
このように、試料12の細胞ごとに、クレム処理のオン/オフを切り替えることにより、クレム処理が蛍光画像に適切に施されているか否かを確認することができるとともに、例えば、特定の細胞の劣化だけを抑制することができる。
なお、上述のフローチャートを参照して説明した各処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。

Claims (3)

  1. レーザ光を試料に走査して画像を取得するレーザ走査顕微鏡において、
    前記レーザ光の照射により励起し、前記試料から発せられる蛍光の光量を測定する蛍光測定手段と、
    前記レーザ光が前記試料を透過した透過光の光量を測定する透過光測定手段と、
    前記画像の1画素に対応する範囲を走査する時間より短い下限値判定時刻における前記蛍光の光量が下限閾値未満である場合および前記画像の1画素に対応する範囲を走査する時間中に前記蛍光の光量が上限閾値以上である場合の少なくとも一方に該当する場合に、前記レーザ光の照射を停止させる制御を、前記画像の1画素に対応する範囲を走査する時間である1画素対応範囲走査時間ごとに行う照射制御手段と、
    前記照射制御手段により、前記蛍光測定手段により測定される蛍光の光量が下限閾値未満であるか否かを判定する前記下限値判定時刻での前記透過光測定手段が測定した透過光の光量に基づいて、前記1画素対応範囲走査時間の照射がなされていたときに測定されるであろう透過光の光量を外挿する外挿手段と、
    前記外挿手段により外挿された光量を画像処理し、外挿済みの透過光画像を取得する画像処理手段と
    を備えることを特徴とするレーザ走査顕微鏡。
  2. 前記画像処理手段は、さらに前記1画素対応範囲走査時間経過時に前記透過光測定手段が測定した透過光の光量に基づいて、前記外挿手段による外挿処理を行わない未外挿の透過光画像を取得する機能を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ走査顕微鏡。
  3. 前記画像処理手段により取得される前記外挿済みの透過光画像または前記未外挿の透過光画像と、前記蛍光測定手段により測定された蛍光の光量に基づく蛍光画像とを、ユーザの指定に従って、重ね合わせて、または、1つの画面に分割して表示させる表示制御手段を
    さらに備えることを特徴とする請求項2に記載のレーザ走査顕微鏡。
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