JPWO2009081739A1 - 緩衝履物 - Google Patents

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Abstract

本発明の緩衝履物は、地面から受ける衝撃を少なくする圧縮コイルバネを収納するバネ収納室の通気・通水性を保ち、かつ容易に内部が見えないようにすると共に緩衝履物全体の高さ寸法を低くして、安定性、安全性を高める。バネ収納空間の外周を網体でカバーして、通常は網カバーに遮られて、内部の圧縮コイルバネなどは外部から見えない構造にしてあるので、見苦しくないし、通気通水性もよい。また、地面側バネ受け部を円状の凹溝とし、その中に前記圧縮コイルバネの下端寄りを収納するため、緩衝履物全体の高さを低く抑えることができる。

Description

本発明は、地面から受ける衝撃を極力少なくすると共に、内部構造を見えづらく、かつ緩衝履物全体の高さを低減可能な構造に関する。
本発明の発明者は、特許文献1において、履物中に設ける圧縮コイルバネの上端並びに下端と中底層並びに外底層との間にバネ受け板を介在させるため、圧縮コイルバネで履物自体を損傷する恐れが少ない履物構造を提案した。
一方、地面から受ける衝撃を極力少なくした緩衝履物において、特許文献2に記載のように、圧縮コイルバネを挟んでいる中底層側と外底層側とが相対的に横揺れするのを防止するために、大小の上部ケースと下部ケースの中に圧縮コイルバネを内蔵すると共に、外底と中底の外周間に伸縮性を有する遮断幕を取付けて中底と外底間に異物が入り込むのを防止する構造が提案されている。
また、本発明の発明者は、特許文献3や特許文献4において、外底と中底間に介在させる圧縮コイルバネの収納室に、外部から塵埃が侵入しないように、収納室の外周を閉鎖するための遮蔽壁を設けると共に、収納室の内部の空気が出入りできるように、空気孔を開けた構造を提案した。
特願2007−229216 特表2007−520241 特願2007−331230 特願2008−265607
しかしながら、特許文献1記載のように、圧縮コイルバネを1個のみ用いたり、履物の一部だけに配設する構造では、圧縮コイルバネによる緩衝作用が足裏の全面に均一に作用せず、また緩衝作用が不十分である。
ところで、人体の脳や脊椎は、足から受ける衝撃によって、様々な悪影響を受けることが有ると言われている。
従って、脳や脊椎に及ぼす悪影響を抑制するには、可能ならば、履物から受ける衝撃を極力緩和することであるが、そのような緩衝履物が見当たらない。
また、特許文献2のように、大小の上部ケースと下部ケースの中に圧縮コイルバネを内蔵する構造は、歩行するたびに上部ケースと下部ケースとが擦り合って磨耗したり、磨耗音が発生するという問題がある。
ところが、特許文献2、3に記載のように、圧縮コイルバネの収納空間を遮断幕や遮蔽壁で密閉すると、バネ収納空間の内部が見えないので、故障や不具合が生じても視認できず、修理などのメンテナンスに支障が生じる。
また、特許文献2のように、遮断幕が完全な密閉構造だと、バネ収納空間の拡大・縮小の際に遮断幕が空気圧で膨張と収縮を繰り返し、見苦しいだけでなく、遮断幕の損傷が早く、頻繁に修理する必要が生じる。
このような問題を解消すべく、引用文献3、4のように、空気孔を開けた場合は、内部に水が入った場合の排水が容易でなく、乾燥も時間を要する。臭気がこもりやすい、などの問題もある。内部を水洗いすることもできない。
また、引用文献1〜4に記載のように、圧縮コイルバネを介在させる構造の場合、充分な弾性を実現するには、圧縮コイルバネを高くする必要があるが、その結果、緩衝履物全体が高くなって、履きづらくなり、引っ掛かってつまずいたりする危険が有り、しかもデザイン的にも見苦しくなる。
したがって、圧縮コイルバネの緩衝作用を低下させることなしに、緩衝履物全体の高さをより低く抑えることが望ましい。
本発明の技術的課題は、このような問題に着目し、緩衝作用に優れた圧縮コイルバネを効果的に利用することで、履物から脳や脊椎に及ぼす衝撃を極力緩和し緩衝できる緩衝履物を実現すると共に、歩行時の横揺れ防止手段による磨耗や磨耗音が発生せず、しかも内部構造が見えづらく、緩衝履物全体の高さを低下可能で、かつ履きやすい構造を実現することにある。
本発明の技術的課題は次のような手段によって解決される。請求項1は、図1のように、中底層側並びに外底層側に踵部から指先部に渡って、バネ受け兼用又はバネ受けRを有する金属板を敷設すると共に、両金属板の間において、踵部から指先部に渡って緩衝用の圧縮コイルバネを複数個、分散して介在させるか、又は図12のように、圧縮コイルバネは指側又は踵側のみとし、他の圧縮コイルバネの領域には、両金属板の間にサンドイッチされた弾性層を拡張して代用することを特徴とする緩衝履物である。
このように、履物中に設ける緩衝用の圧縮コイルバネの上端並びに下端と中底層並びに外底層との間に、踵部から指先部に渡って金属板を敷設する構造において、踵部から指部に渡って複数の圧縮コイルバネを分散配置してあるため、足裏の全面に複数の圧縮コイルバネによる緩衝作用が働くので、各種衝撃によって脳や脊椎が受ける悪影響を効果的に抑制できる。
また、圧縮コイルバネを指側又は踵側のみとする場合は、他の圧縮コイルバネの領域には、両金属板の間にサンドイッチされた弾性層を拡張して代用するため、圧縮コイルバネとその受け板機能を省いて簡素化し、コストダウン可能となる。圧縮コイルバネを足指側のみに配設する場合は、常に最初に着地する指側を効果的に緩衝でき、逆に踵側のみに圧縮コイルバネを配設する場合は、緩衝力が無く衝撃の影響をまともに受け易い踵側を効果的に緩衝できる。
請求項2は、図1のように、前記の中底層の内面に内層を重ねると共に、前記内層と前記中底層と前記金属板とを分離不能に接着又は連結固定してあることを特徴とする請求項1に記載の緩衝履物である。
このように、前記の中底層の内面に内層を重ねると共に、前記内層と前記中底層と前記金属板とを分離不能に接着又は連結固定してあるため、前記内層と、圧縮コイルバネを受ける金属板との間に、前記中底層をサンドイッチした状態に固定でき、靴などの履物全体と金属板との一体性が確保され、履きやすく、かつ圧縮コイルバネによる緩衝作用を阻害することがない。
請求項3は、図2のように、前記の圧縮コイルバネの存在しない領域において、前記の片方の又は両方の金属板の圧縮コイルバネ側の面に第2緩衝手段を取付けてあることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の緩衝履物である。
このように、前記の圧縮コイルバネの存在しない領域において、前記の片方の又は両方の金属板の圧縮コイルバネ側の面に第2の緩衝手段を取付けてあり、圧縮コイルバネが極限まで圧縮される前に第2緩衝手段が作用して、圧縮コイルバネの圧縮時の衝撃がより緩和される。したがって、ばね性の柔軟な圧縮コイルバネを用いて、ソフトな緩衝作用を実現でき、軽量な人体に適する。
請求項4は、図2のように、土踏まずから指先に到る領域又は全領域において、前記の片方の又は両方の金属板にヒンジ手段を介在させるか金属板の板厚を薄くして可撓性を持たせてあることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載の緩衝履物である。
土踏まずから指先に到る領域は、足裏が上下方向に屈曲変形するため、この変形動作に対応して、中底層も屈曲変形できることが望ましい。
そのため、請求項4のように、少なくとも土踏まずから指先に到る領域において、前記の片方の又は両方の金属板にヒンジ手段を介在させたり、金属板の板厚を薄くして可撓性を持たせてあるので、足裏が自由に屈曲変形可能となり、金属板を設けたことによる違和感が解消される。
請求項5は、前記の金属板が部分的又は全面的に可撓性又は柔軟性に富んだ構成としたことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの項に記載の緩衝履物である。
このように、土踏まずから指先に到る領域に限らず、前記の金属板が全面的に可撓性又は柔軟性に富んでいるため、構造がシンプルで製造が容易である。ただし、各圧縮コイルバネのバネ受け作用が低下しないように、硬度の高い金属板などのバネ受けを設けるなどの配慮を要する。
請求項6は、図3のように、前記の金属板の外周に上向きおよび/又は下向きの周壁を設けることによって前記の中底層および/又は外底層を部分的又は全面的に囲う構造とし、
前記のヒンジ手段又は足裏屈曲変形領域と対応する部位の周壁を中断させてあることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の緩衝履物である。
このように、前記の金属板の外周に上向きおよび/又は下向きの周壁を設けることによって前記の中底層および/又は外底層を部分的又は全面的に囲う構造としたので、前記中底層や外底層の露出部が損傷したり劣化するのを前記周壁によって防護できる。
また、前記のヒンジ手段又は足裏屈曲変形領域と対応する部位の周壁を例えばV状に中断させてあるので、周壁を設けたことによって、金属板の屈曲変形の妨げになるような恐れはない。
請求項7は、図4のように、足側の金属板の左右部の周壁の立ち上がり寸法よりも足指側周壁の立ち上がり寸法を高くし、踵側周壁の立ち上がり寸法を更に高くしてあることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかの項に記載の緩衝履物である。
このように、足側の金属板の左右部の周壁の立ち上がり寸法(例えば8〜18mm程度)よりも足指側周壁の立ち上がり寸法を高く(例えば20mm程度)し、踵側周壁の立ち上がり寸法を更に高く(例えば6cm程度)してあるため、足側金属板の前後左右の立ち上がり壁の内部に靴の中底層1を収納配置して着用した際に足との一体感が増し、安定性がより高まる。すなわち、履いている足と足側金属板の前後の立ち上がり壁とが、よりフィットし調和すると共に、足の指側と踵側が効果的に保護される。
請求項8は、図3、図4のように、足側の金属板の外周付近又は上向きおよび/又は下向きの周壁に、結束手段用の挿通孔を開けてあることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の緩衝履物である。
このように、前記の上向きおよび/又は下向きの周壁14・14c・14b、15や足側金属板fの平面部外周の内側を利用して、結束手段や着脱手段用の挿通孔16、16’、16fを開けてあるので、結束紐や着脱面テープなどを挿通して、中底層側を足の甲に結束したり着脱すれば、履いている緩衝履物と足との一体性が確保されて履き易くなり、かつ緩衝作用もより効果的となり、脳や脊椎に及ぼす各種の悪影響を効果的に低減できる。
請求項9は、図5のように、前記の圧縮コイルバネが、帯板を螺旋坂状に形成してなる螺旋坂状圧縮コイルバネであることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれかに記載の緩衝履物である。
このように、前記の圧縮コイルバネが、帯板を螺旋坂状に形成してなる螺旋坂状圧縮コイルバネであるため、螺旋坂状圧縮コイルバネの下端を取付けた地面側金属板に対する上端を取付けた足側金属板の横ずれや横揺れが極めて少なく、違和感無くかつ安全に歩行でき、またたとえ特異な動き方をしても何ら支障が無い。しかも、帯板を螺旋坂状に形成してなるため、圧縮コイルバネ全体としての高さが低く、緩衝履物全体を低く薄型にでき、安定性も向上する。
請求項10は、図6〜図9のように、中底層すなわち足側のバネ受け部と外底層すなわち地面側のバネ受け部との間のバネ収納空間すなわちバネ収納室に圧縮コイルバネを介在させる緩衝履物において、バネ収納空間の外周を網体でカバーしてなることを特徴とする緩衝履物である。
このように、バネ収納室に圧縮コイルバネを介在させる緩衝履物において、バネ収納室の外周を網体でカバーしてあるため、通常は網カバーに遮られて、内部の圧縮コイルバネなどは外部から見えないので、見苦しくない。
しかし、内部でトラブルが生じたりして、内部を注意深く目視する必要がある場合は、照明などの明るい場所にかざして見ると、網カバーの網目から内部の状態を視認できるので、内部状態を目視確認する必要が有る場合に好都合である。
一方、網カバーの網目から空気や水は自由に出入りできるので、特別に空気孔を開ける必要はないし、内部の臭気も自由に外部に放出される。また、内部の洗浄も容易である。歩くたびに、ゴムカバーのように空気力で膨出と収縮を繰り返すこともない。
請求項11は、図6〜図9のように、少なくとも外底層側のバネ受け部を円状ないし環状の凹溝とし、その中に前記圧縮コイルバネの端部寄りを収納する構造としたことを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれかに記載の緩衝履物である。
このように、外底層側のバネ受け部を円状ないし環状の凹溝とし、その中に前記圧縮コイルバネの端部寄りを収納する構造としたため、弾性を高めるために圧縮コイルバネを高くしても、全高さ寸法の下端寄りの部分が円状凹溝中に収納されて、緩衝履物全体の高さを低く抑えることができる。
請求項12は、図6〜図9のように、前記の凹溝の底部はU溝状の凹曲面となっていることを特徴とする請求項11に記載の緩衝履物である。
圧縮コイルバネを構成する線材の断面形状は真円の場合が多いので、請求項12のように、前記凹溝の底部をU溝状の凹曲面にした場合、圧縮コイルバネの下端を安定化のために平坦に処理する必要もなく、そのまま収納でき、工数を低減できる。また、圧縮コイルバネの下端の真円の線材をそのまま、U溝状の凹曲面中に収納するので、圧縮コイルバネの下側部をより深くまで凹溝中に収納して、緩衝履物全体の高さをより低くできる。
請求項13は、図7のように、前記の凹溝の底部ないし側壁に至る領域に、接合用の貫通孔を開けて、バネ受け部と圧縮コイルバネの端部とを溶接又は半田付け、ロウ付けなどの接合手段で接合してなることを特徴とする請求項11または請求項12に記載の緩衝履物である。
バネ受け部の円状凹溝の中に圧縮コイルバネの下端を収納した状態で互いに溶接などの手法で接合することが堅牢な構造となり、中底層側の足側金属板と外底層側の地面側金属板とが分離することもない。このように接合する場合は、円状凹溝の底部ないし側壁に至る領域に、接合用の貫通孔を開けておいて、この貫通孔で圧縮コイルバネの下端や上端と溶接したり、半田付けやロウ付けすると、容易にかつ確実に接合できる。
請求項14は、図10(2)のように、前記の凹溝の側壁から圧縮コイルバネの端部を押さえるように舌片又は隆起部を押し出し形成して加締めてなることを特徴とする請求項11、請求項12または請求項13に記載の緩衝履物である。
このように、前記凹溝の側壁から圧縮コイルバネの端部を押さえるように舌片や隆起部を押し出し形成して加締めることによって、圧縮コイルバネの下端や上端とバネ受け部を連結固定すると、溶接無しで接合できるので、溶接によるサビの発生を未然に防げる。
請求項15は、図10、図11のように、前記の足側すなわち中底層側のバネ受け部と地面側すなわち外底層側のバネ受け部との間隔が小さくなるように、引っ張りコイルバネ、ワイヤー、紐、鎖又は帯板バネ材によって、圧縮コイルバネが予めある程度圧縮された構造とすることを特徴とする請求項1から請求項14までのいずれかに記載の緩衝履物である。
このように、足側バネ受け部と地面側バネ受け部との間隔が小さくなるように、引っ張りコイルバネ、ワイヤー、紐、鎖又は帯板バネ材によって、圧縮コイルバネが予めある程度圧縮されているので、履かない状態の高さ寸法を小さくでき、安定性が高まる。しかも、圧縮コイルバネに常に圧縮荷重がかかっていて弾性が硬くなっているため、図の地面側金属板eに対し足側金属板fが横ずれ横揺れし難く、安定性が良いので履きやすい。さらに、履いて歩く場合に全体重の多くが作用して初めて圧縮コイルバネが更に圧縮され始めるため、体重のかなりが作用する前から容易に圧縮されるような問題も解消されて上下ストロークが短くなり、履きやすい。引っ掛かってつまずいたりする危険も解消される。
従って、使用者の体重別に圧縮コイルバネの硬さを設定すると共に、全体重の多くが作用して初めて圧縮コイルバネが圧縮され始める構成が可能となり、かつ高さ寸法を低くできる。
請求項16は、図6〜図9のように、足側バネ受け部と地面側バネ受け部との間のバネ収納室に圧縮コイルバネを介在させた緩衝履物において、
バネ収納室の外周を網体でカバーすることによって、空気や水は容易に出入りできるが、内部は見えづらくすることを特徴とする緩衝履物におけるバネ収納空間の遮蔽方法である。
このように、バネ収納室の外周を網体でカバーすることによって、空気や水は容易に出入りできるが、内部は見えづらくする遮蔽方法であるから、通常の状態では、履いている緩衝履物のバネ収納空間の内部が他人に見えることはなく、空気は容易に出入りできるので、ゴムカバーのように、歩くたびにカバーが空気力で膨出・収縮を繰り返すこともない。水は容易に出入りできるので、内部の洗浄は容易にできる。内部を目視確認する場合は、明るい場所にかざして見ると、網カバーの網目から内部を視認できるので、保守点検する場合に有利である。
請求項1のように、履物中に設ける緩衝用の圧縮コイルバネの上端並びに下端と中底層並びに外底層との間に、踵部から指先部に渡って金属板を敷設する構造において、踵部から指部に渡って複数の圧縮コイルバネを分散配置してあるため、足裏の全面に複数の圧縮コイルバネによる緩衝作用が働くので、各種衝撃によって脳や脊椎が受ける悪影響を効果的に抑制できる。
また、圧縮コイルバネを指側又は踵側のみに配設する場合は、他の圧縮コイルバネの領域には、両金属板の間にサンドイッチされた弾性層を拡張して代用するため、圧縮コイルバネやその受け板を省いて簡素化し、コストダウン可能となる。圧縮コイルバネを足指側のみに配設する場合は、常に最初に着地する指側を効果的に緩衝でき、逆に踵側のみに圧縮コイルバネを配設する場合は、緩衝力が無く衝撃の影響をまともに受け易い踵側を効果的に緩衝できる。
請求項2のように、前記中底層の内面に内層を重ねると共に、前記内層と前記中底層と前記金属板とを分離不能に接着又は連結固定してあるため、前記内層と、圧縮コイルバネを受ける金属板との間に、前記中底層をサンドイッチした状態に固定でき、履物全体と金属板との一体性が確保され、圧縮コイルバネによる緩衝作用を阻害することがない。
請求項3のように、前記の圧縮コイルバネの伸縮動作を妨げない領域において、前記の片方又は両方の金属板の圧縮コイルバネ側の面に第2緩衝手段を取付けてあり、圧縮コイルバネが極限まで圧縮される前に第2緩衝手段が作用して、圧縮コイルバネの圧縮時の衝撃がさらに緩和される。したがって、ばね性の柔軟な圧縮コイルバネを用いて、ソフトな緩衝作用を実現でき、軽量な人体に適する。
土踏まずから指先に到る領域は、足裏が上下方向に湾曲変形するため、この変形動作に対応して、中底層も湾曲変形できることが望ましい。
そのため、請求項4のように、土踏まずから指先に到る領域において、前記の金属板にヒンジ手段を介在させたり、金属板の板厚を薄くして可撓性を持たせてあるので、足裏が自由に湾曲変形可能となり、金属板を設けたことによる違和感が解消される。
請求項5のように、土踏まずから指先に到る領域に限らず、前記の金属板が全面的に可撓性又は柔軟性に富んでいるため、構造がシンプルで製造が容易である。
請求項6のように、前記の金属板の外周に上向きおよび/又は下向きの周壁を設けたことによって前記の中底層および/又は外底層を部分的又は全面的に囲う構造としたので、前記中底層や外底層の露出部が損傷したり劣化するのを前記周壁によって防護できる。
しかも、前記のヒンジ手段又は足裏湾曲変形領域と対応する部位の周壁を中断させてあるので、周壁を設けたことで、金属板の湾曲変形の妨げになるような恐れはない。
請求項7のように、前記の足側金属板fの左右周壁の立ち上がり寸法よりも足指側周壁の立ち上がり寸法を高くし、踵側周壁の立ち上がり寸法を更に高くしてあるため、足側金属板の前後左右の立ち上がり壁の内部に靴の中底層1を収納配置して着用した際に足との一体感が増し、安定性がより高まる。すなわち、履いている足と足側金属板の前後の立ち上がり壁とがフィットし調和すると共に、足の指側と踵側が効果的に保護される。
請求項8のように、前記の足側金属板fの上向きおよび/又は下向きの周壁14・14c・14b、15や足側金属板fの外周の内側を利用して、結束手段や着脱手段用の挿通孔16、16fを開けてあるので、結束紐や着脱面テープなどを挿通して、中底層側を足の甲に結束したり着脱すれば、履いている緩衝履物と足との一体性が確保され、緩衝作用がより効果的となり、脳や脊椎に及ぼす各種の悪影響を効果的に低減できる。
請求項9のように、前記の圧縮コイルバネが、帯板を螺旋坂状に形成してなる螺旋坂状圧縮コイルバネであるため、螺旋坂状圧縮コイルバネの下端を取付けた地面側金属板に対する上端を取付けた足側金属板の横ずれが極めて少なく、違和感無くかつ安全に歩行でき、またたとえ特異な動きをしても何ら支障が無い。しかも、帯板を螺旋坂状に形成してなるため、圧縮コイルバネ全体としての高さが薄く、緩衝履物全体を薄型にでき、安定性も向上する。
請求項10のように、バネ収納空間に圧縮コイルバネを介在させる緩衝履物において、バネ収納空間の外周を網体でカバーしてあるため、通常は網カバーに遮られて、内部の圧縮コイルバネなどは外部から見えないので、見苦しくない。しかも、目視する必要がある場合は、網カバーの網目から内部の状態を視認できる。空気や水は自由に出入りできるので、内部の臭気も自由に外部に放出されるし、内部の洗浄も容易である。
請求項11のように、地面側バネ受け部を円状の凹溝とし、その中に前記圧縮コイルバネの端部寄りを収納する構造にすると、弾性を高めるために圧縮コイルバネを高くしても、全高さ寸法の下端寄りの部分が円状凹溝中に収納されて、緩衝履物全体の高さを低く抑えることができる。
請求項12のように、前記凹溝の底部をU溝状の凹曲面にした場合、圧縮コイルバネの下端を安定化のために平坦に処理する必要もなく、そのまま収納でき、工数を低減できる。また、圧縮コイルバネの下端の真円の線材をそのまま、U溝状の凹曲面中に収納するので、圧縮コイルバネの下側部をより深くまで凹溝中に収納して、緩衝履物全体の高さをより低くできる。
請求項13のように、円状凹溝の底部ないし側壁に至る領域に、接合用の貫通孔を開けておいて、この貫通孔で圧縮コイルバネの下端や上端と溶接したり、半田付けやロウ付けすると、容易にかつ確実に接合できる。
請求項14のように、前記凹溝の側壁から圧縮コイルバネの端部を押さえるように舌片又は隆起部を押し出し形成して加締めることによって、圧縮コイルバネの下端や上端とバネ受け部を連結固定すると、溶接無しで接合できるので、溶接によるサビの発生を未然に防げる。
請求項15のように、足側バネ受け部と地面側バネ受け部との間隔が小さくなるように、引っ張りコイルバネ、ワイヤー、紐、鎖又は帯板バネ材によって、圧縮コイルバネが予めある程度圧縮されているので、履かない状態の高さ寸法を小さくでき、安定性が高まる。しかも、圧縮コイルバネに常に圧縮荷重がかかっていて弾性が硬くなっているため、地面側金属板に対し足側金属板が横ずれ横揺れし難く、安定性が良いので履きやすい。さらに、全体重の多くが作用して初めて圧縮コイルバネが更に圧縮され始めるため、体重のかなりが作用する前から容易に圧縮されるような問題も解消されて上下ストロークが短くなり、履きやすい。引っ掛かってつまずいたりする危険も解消される。
請求項16のように、バネ収納空間の外周を網体でカバーすることによって、空気や水は容易に出入りできるが、内部は見えづらくする遮蔽方法であるから、通常の状態では、履いている緩衝履物のバネ収納空間の内部が他人に見えることはなく、空気は容易に出入りできるので、ゴムカバーのように、歩くたびにカバーが空気力で膨出・収縮を繰り返すこともない。内部の洗浄は容易にでき、網カバーの網目から内部を視認できるので、保守点検する場合に有利である。
次に本発明による緩衝履物が実際上どのように具体化されるか実施形態を説明する。図1は本発明による緩衝履物の第1実施形態で、(1)は全体の縦断面図である。履物として靴Kを例示してあり、中底層1の下面に足側金属板fを重ねてあり、靴Kの外底層2の上に地面側金属板eを重ねてある。
足側の金属板fは、中底層1のほぼ全面に渡って重ねてあり、互いに接着剤で全面を接着してもよい。また、地面側の金属板eは外底層2のほぼ全面に渡って重ねてあり、互いに接着剤で全面を接着してもよい。全面接着の場合は、足側金属板fや地面側金属板eは一体形状でなく、分離形状も可能である。
そして、足側金属板fと地面側金属板eとの間において、踵部から指部に渡って複数個の圧縮コイルバネsを介在させてある。圧縮コイルバネsの上端又は下端と上下の金属板f、eとは、溶接やハンダ付け、ロウ付け、接着剤による接着などの手法で一体に接合してもよいが、加締めやネジ止め、ビス止めなどで一体連結も可能である。
また、図1(3)のように、足側金属板fに、圧縮コイルバネsが当接する位置に円周状に複数の貫通孔H…を開けておくと、足側金属板fの裏側から孔H…を利用して溶接したりハンダ付けしたりできる。地面側金属板eの場合も同様である。
圧縮コイルバネsの上端や下端の内径と同程度の外径を有する高さ3〜7mm程度の凸状部を前記金属板f、eの圧縮コイルバネs側に押し出し形成しておいて、この凸部を圧縮コイルバネsの上端や下端に押し込んだ状態にすると、圧縮コイルバネsの位置決めやずれ防止となり、安定性が増す。従って、溶接固定までの組立て作業にも極めて有効である。なお、凸状に代えて、その外径部だけリング状に押し出し形成しても、同様な使い方ができる。
中底層1や外底層2と足側金属板fや地面側金属板eの間も接合又はネジ止め連結可能である。図示例は、ネジ止め連結構造であり、外底層2の下側に開けた凹室に、金属又は硬質樹脂製の分割形状の又は図示のような一体形状のワッシャー状板3を収納して、ネジ4を挿通し、地面側金属板eの上面のナット5とでネジ止めした後、外底層2と同じ材質の蓋6を被せて塞いである。
足裏側は、中底層1の上側(内面)に内層7を重ねると共に、内層7と中底層1と足側金属板fとにネジ8を挿通し、足側金属板fの下部に設けたナット9でネジ止めしてある。
図1(2)は、前記の上下の金属板f、e間に圧縮コイルバネsを介在させた状態の縦断面図であり、そのA−A方向の底面図が(3)で、右足用である。このように、前後と中間に設けた計3個の圧縮コイルバネsを避けた位置に、ネジ8を挿通する孔10が開けてある。
図1(4)は、中底層1の上に重ねる内層7の平面図で、右足用である。前記ネジ8を挿通する孔11が開けてある。
このようにして、中底層1の内面に内層7を重ねると共に、内層7と中底層1と足側金属板fとをネジ8を挿通してネジ止めすることで、互いに分離不能に連結固定されている。ネジの代用として、リベット止めも可能である。これら3層を全面的又は部分的に接着剤で接着することで、ネジ8やリベットを省いてもよいし、併用してもよい。あるいは、図1(3)〜(5)のように、内層7と足側金属板fにミシン目状の貫通孔mを開けて、中底層1を挟んだ3層を、強力なクツ糸で縫って固定してもよい。
なお、前記の外底層2と地面側金属板eとの間も全面的又は部分的に接着剤で接着してもよいし、ネジ止めと併用してもよい。あるいは、前記のミシン目状孔mと同様の貫通孔を開けて縫い止めと併用してもよい。
図1の構造において、着地時の衝撃が強いと、足側金属板f側のネジ8と地面側金属板e側のネジ4とが衝突したり、圧縮コイルバネs自体が極限まで圧縮された際の衝撃が発生して、人体とりわけ脳や脊椎に悪影響を及ぼす恐れがある。
そこで、図2は、特許文献1にける第2緩衝手段と同じ目的の緩衝ゴム12を取付けてある。図示例では、足側金属板fの下面と、地面側金属板eの上面の双方に接着し取付けてある。上下の緩衝ゴム12、12の間に隙間gが残る程度の寸法に設定してあるので、着地の際は最初に圧縮コイルバネsがある程度圧縮されて緩衝作用が発生し、次いで上下の緩衝ゴム12、12同士が接触する。
緩衝ゴム12はゴム材又はゴム質状の軟質ないし硬質の合成樹脂製であるため、上下の緩衝ゴム12・12同士が加圧されると、徐々に圧縮されて最終的には圧縮不能な限界状態となるので、上下の緩衝ゴム12・12によるこのような緩衝作用も加わって、圧縮コイルバネsはそれ以上圧縮不能となり、圧縮動作は完了する。なお、緩衝ゴム12は、中空構造にしてもよい。
図2(2)は、図2(1)のB−B断面図であり、圧縮コイルバネsの存在しない領域に緩衝ゴム12…設けてある。なお、圧縮コイルバネsの内部にも、第2緩衝手段として円柱状又は台形状の緩衝ゴム12…を設けてもよい。つまり、圧縮コイルバネsの伸縮動作を妨げない領域であれば足りる。
また、第2緩衝用の緩衝ゴム12は、足側金属板fの下面のみ、又は地面側金属板eの上面のみに取付けることもできる。複数存在する緩衝ゴム12のうち、一部は足側金属板fの下面に取付け、他の一部は地面側金属板eの上面に取付けることもできる。
土踏まずから指先に到る領域において、足側金属板fに蝶番13を取付けてあるので、歩行したり走行する際に、蝶番13の部位で足側金属板fが容易に折れ曲がるため、足裏の動きに容易に追従できる。その結果、下駄を履いている場合と違って、より歩きやすくなる。なお、図1の(1)のように前記内層7の上に中敷n等を重ねてから履くので違和感は無い。
図2(3)は、蝶番13は1か所のみに取付けてあるのに対し、図2(4)は、前後に間隔をおいて、2か所に蝶番13、13を取付けてある。
その結果、前後2か所で足側金属板fが折れ曲がることで、足裏の動きにより忠実に追従し変形できる。従って、追従性を増すためには、複数の蝶番13…を任意の位置に間隔をおいて配設することもできる。
ヒンジ手段としては、蝶番13に代えて、銅やアルミニウム等のような柔軟性に富んだ材質の薄板を介在させることもできる。
足側金属板f自体の板厚を薄くしたり、前後方向の波板状にして、全体的に可撓性を持たせ、全体が容易に湾曲変形可能とすることで、複数のヒンジ手段に代えることもできる。
なお、図1〜図4のように、両金属板f、eにバネ受け板R・Rを重ねることも可能で、このようにバネ受け板R・Rを独立させると、硬度の高い材質を採用できるので、両金属板f、eとして、硬度の低い軟質板や薄板、可撓性の高い形状を採用可能となり、複数のヒンジ手段の代用が容易になる。図6〜図11では、両金属板f、e自体がバネ受け板を兼ねている。
前記のように、足側金属板fの前半を部分的に板厚を薄くしたり、銅やアルミニウムなどのような柔軟性に富んだ材質とすることで、ヒンジ手段に代えることもできるが、足側金属板fの全体を薄くしたり柔軟性に富んだ材質にして、全体が容易に湾曲変形可能とすれば、製造は容易になる。ただし、圧縮コイルバネsとの接触部において、損傷しない程度の強度を確保する必要がある。
図2(5)は、地面側金属板eにも、土踏まずから指先に到る領域に蝶番13bを設けてある。この場合も、前記の足側金属板fと同様に前後に間隔をおいて蝶番13bを複数設けたり、蝶番13bに代えて、銅やアルミニウム等のような柔軟性に富んだ材質の薄板を介在させることもできる。
また、地面側金属板e自体の板厚を薄くしたり、前後方向の波板状にして、全体的に可撓性を持たせ、全体が容易に湾曲変形可能とすることで、複数のヒンジ手段に代えることもできる。
以上のように、足側金属板fや地面側金属板eが蝶番13・13bその他の手段によって上下方向に湾曲変形可能にした場合は、図1(1)のように中底層1の内面に重ねる内層7も、図1(5)のように図2(1)(2)の蝶番13と対応する位置で前後に分離すると、内層7による抵抗が緩和されるので、より履きやすくなる。
前記のように蝶番13を複数か所に配設する場合は、内層7も複数に分断し分割するのがよい。分割された各内層7が中底層1から分離しないように、ネジ8や接着剤などで固定することは言うまでもない。あるいは、図1(3)〜(5)のミシン目状孔mによる縫い止めと併用してもよい。
図1(5)の内層7は、軽量化のために複数の孔Hb…を開けてあるが、本発明の場合、内層7に限らず、後述の周壁14、15なども含めて、各金属板f、eや各金属板製のすべてに複数の孔を開けて軽量化するのがよい。
図3(1)は、足側金属板fと地面側金属板eの外周に周壁14を設けた実施形態の縦断面図で、圧縮コイルバネsは側面図で表現してある。足側金属板f外周の周壁14は8〜18mm程度の立ち上がり形状になっており、その内部に、中底層1が収納配置されているので、周壁14で中底層1を囲うことで、使用中に中底層1側が損傷劣化するのを抑制できる。中底層1の防護効果は、周壁14の高さによって決まる。
地面側金属板e外周の周壁15は2〜8mm程度の垂下形状になっているので外底層2を囲うことで、その損傷劣化を抑制して、長寿命化が可能となる。
図2のように、ヒンジ手段を設けたりして、足側金属板fを湾曲変形させる場合は、周壁14が障害となるので、前記のヒンジ手段又は足裏の湾曲変形領域と対応する部位の周壁に切除部Vを設けることで、周壁14を中断させ、湾曲変形を容易にしてある。
周壁14を設ける場合は、結束用と兼用できる。本発明の緩衝履物を履いた際に、履物が大き過ぎて、抜けそうな場合や、きつく履きたい場合などは、履いた状態で、足Lの甲の上から結束できると、足Lとの一体性が増して履き易くなる。
そのために、周壁14、15において、要所要所に、結束紐などの挿通孔16、16’を開けてあると、結束紐17、22を挿通するのに好都合である。結束紐17、22に代えて、マジックテープ(登録商標)のような面着脱テープを用いて、靴Kの外面に着脱固定もできる。
圧縮コイルバネsを設けた領域に、外部から塵埃が侵入しないように、前記周壁14と15間を閉鎖するための遮蔽壁18を設けることもできる。
図3(2)は、(1)図のC−C断面図で、ゴム状の柔軟性に富んだ遮蔽壁18の内部の圧縮コイルバネ収納室19の内部の空気が出入りできるように、空気孔20を開けてある。
遮蔽壁18に代えて、図4(3)(4)のように、圧縮コイルバネsの存在しない領域において、足側金属板fの下面と地面側金属板eの上面に、例えばゴム材又はゴム質状の軟質ないし硬質の合成樹脂製あるいはスポンジなどのように柔軟性に富んだ弾性層12F、12Fを接着固定することによって、前記の第2緩衝手段12との兼用もできるし、併用も出来る。上下の弾性層12F・12F間に隙間gを設けて、圧縮コイルバネsの弾力だけを生かすようにしてもよいが、隙間gをゼロにして、図4(3)のように、上下の弾性層12Fと12Fを一体化することもできる。
上下の弾性層12F・12Fは、足側金属板fや地面側金属板eと同様に足裏状の平面形状が望ましいが、圧縮コイルバネsの領域19pは除去してある。この場合は、図2の緩衝ゴム12を省くことも出来る。かつ遮蔽壁18も不要となり、構成が簡素化される。
なお、上下の弾性層12F・12Fは、側面に更に緩衝性を高める為に、複数の溝や孔を空けた方がよい(図示せず)。図1(3)に鎖線で示すような位置で縦横に予め分断しておくと、組立てやメンテナンスの際に便利であり、合理的である。分断された領域ごとに作業できるからである。
図4(3)(4)の一体弾性層12Fを、土踏まず側と踵側の圧縮コイルバネsの領域まで拡張して、図12のように、中間の土踏まず側と後方の踵側の圧縮コイルバネsを廃止することも可能である。この場合は、足側金属板fと地面側金属板e間にサンドイッチされた代用弾性層12fの前方にワニ口状の開閉口12cを形成して、前方の圧縮コイルバネsの拡縮動作に同期して円滑に開閉可能にすると、足裏の動きに逆らうことなく、忠実に追従するので履きやすくなる。両金属板f・eは、圧縮コイルバネsの存在しない、ほぼ後半を除去することも可能であり、この場合、踵側は、代用弾性層12fを例えば1.1〜2.0倍まで厚くするのもよい。
なお、配置を前後逆にして、指側圧縮コイルバネsと蝶番13を踵側に配置すると、緩衝作用に優れた圧縮コイルバネによって、緩衝力が無く、衝撃の影響を最も受けやすい踵側を緩衝し、他の領域は圧縮コイルバネを省いて、簡素化することも可能となる。
図3(3)は、前記の周壁14、15を圧縮コイルバネs側にも延長させた形状にすることで、延長周壁14’、15’の隙間Gを設けてある。
図4は図3の別の実施形態で、足側金属板fの左右の周壁14のみ8〜20mm程度の立ち上がり寸法とし、前方の足指部14cは2cm程度の立ち上がり寸法とし、後方の踵部付近14bの立ち上がり寸法は6cm程度とし、左右側に比べ高くしてある。その結果、着用時の足Lとの一体感が増し、安定性がより高まる。しかも、周壁14を金属板製にすると共に、切込みVを設けて足Lが動き易くして互いの調和が高まるようにしてある。
従って、金属板製の立ち上がり周壁14、14c、14bの内部に、通常の靴の中底層1が収納配置されているので、周壁14、14c、14bで中底層1の全周を囲うことで、使用中に中底層1側が損傷劣化するのを効果的に抑制できる。
地面側金属板e外周の周壁15は8〜20mm程度の垂下形状になっているので外底層2の外周を囲うことで、その損傷劣化を抑制して、長寿命化が可能となる。
図2のように、ヒンジ手段を設けたりして、足側金属板fや地面側金属板eを湾曲変形させる場合は、周壁15が障害となるので、前記のヒンジ手段又は湾曲変形領域と対応する部位の周壁に、前記の足側金属板fの周壁14と同様な切除部Vを設けることで、周壁15を中断させ、湾曲変形を容易にする。
図4(3)の場合、足側金属板f側の延長周壁14’の内側に地面側金属板eの延長周壁15’を配置して、互いにずらしてあるので、体重で足側金属板f側の延長周壁14’が上下動した際に、互いに激突することはない。なお、延長周壁14’の下端縁や延長周壁15’の上端縁は、図4(3)のU部のように折り返しを付けたり、エッジを研磨して面取りすると安全である。
更に足側金属板fの周壁14、14c、14b、14’や地面側金属板eの周壁15、15’の全週又は一部につき、メンテナンスや修理が容易なように、着脱や開け閉めできる構造とすることもできる。
図5は、線材の断面形状が円形の前記圧縮コイルバネsに代えて、断面形状が長方形状の帯板を螺旋状に形成してなる螺旋坂状圧縮コイルバネPを用いる例である。
(1)は螺旋坂状コイルバネPの斜視図で、その縦断面図が(2)である。この螺旋坂状圧縮コイルバネPの使用に当たっては、上端面21を足側金属板fの下面に溶接やビス止め固定し、下端面24を地面側金属板eの上面に溶接やビス止め固定する。
このように、コイルバネPを構成する帯板材23は、図示のように螺旋坂状になっているため、本発明の緩衝履物を履いた状態で、変則的な動きをした場合でも、下端面24に対し上端面21が横ずれしにくい。そのため、特許文献2記載のように上下の横ずれ防止円筒同士が擦れ合ったり、磨耗音が発生したりする恐れはない。
また、帯板材23を螺旋坂状のコイルにしてあるため、全体的なバネ高さが薄いため、足側金属板fと地面側金属板eとの間隔を縮小でき、全体的に薄型の緩衝履物を実現できる。その結果、履いた際の安定性が向上する。
図6は本発明による網カバー付きの緩衝履物の第1実施形態で、(1)は全体の縦断面図である。履物として靴Kを例示してあり、くつ底層1の下面にバネ受け兼用の足側金属板fを重ねてあり、緩衝くつの接地層2の上にバネ受け兼用の地面側金属板eを重ねてある。
足側の金属板fは、くつ底層1のほぼ全面に渡って重ねてあり、互いに接着剤で全面を接着してもよい。また、地面側の金属板eは接地層2のほぼ全面に渡って重ねてあり、互いに接着剤で全面を接着してもよい。全面接着の場合は、足側金属板fや地面側金属板eは一体形状でなく、前後に分断分離した形状が好ましく、くつ底層1や接地層2の柔軟性が増して、足裏の動きになじみやすい。
そして、足側金属板fと地面側金属板eとの間の圧縮コイルバネ収納室19において、踵部から指部に渡って複数個の圧縮コイルバネsを介在させてある。圧縮コイルバネsの上端又は下端と上下の金属板f、eとは、溶接やハンダ付け、ロウ付け、接着剤による接着などの手法で一体に接合してもよいが、加締めやビス止めなどによる一体連結も可能である。
図7において拡大図で示すように、圧縮コイルバネsの下端は、円状の凹溝u中に収納してある。この凹溝の溝底は、平面状も可能だが、図示のようなU溝状が好ましく、圧縮コイルバネsを構成する線材の断面形状が真円であるから、圧縮コイルバネsの下端を溝底深くまで収納できる。
また、図8のように、U溝uの底面に貫通孔Hを間隔をおいて開けておくと、U溝u中の圧縮コイルバネs下端が貫通孔H中に下側から見えるため、上下反転した状態で貫通孔H中にハンダやロウ、接着剤を充填することによって、地面側金属板eのU溝uの部分と圧縮コイルバネsの下端とを接合し連結できる。
貫通孔Hの部分で溶接することによって、地面側金属板eのU溝uの部分と圧縮コイルバネsの下端とを溶接によって接合し連結することもできる。このように、貫通孔Hを利用して溶接したりハンダ付けしたりできる。
凹溝uの側壁又は底部から側壁に至る領域に複数の貫通孔hを開けて、前記の底部貫通孔Hの場合と同様にして、溶接したり、ハンダやロウ、接着剤を充填して接合することもできる。
あるいは、図10(2)のように、凹溝uの底部から側壁に至る領域を矢印a1、a2方向から加圧して、内向きの隆起部33、33を形成して、圧縮コイルバネsの下端部を溝底側に押さえ付けて固定することもできる。
内向きの隆起部33、33に代えて、外側から内側に向けて舌片を加圧形成して、左右両側の舌片で加締め固定することも可能である。
同様にして、足側金属板fにも下面側からU溝を形成できるが、充分な深さを設けるための寸法的な余裕が無いので、図10(2)のように極めて浅いU溝30となり、圧縮コイルバネsの上端が浅溝30に嵌入して、位置ずれを防止できる程度である。
これに対し、地面側金属板eの場合は、その下側に厚手の接地層2が有るので、その中にU溝uの全体を嵌入させ埋設できるので、充分に深いU溝uを形成して、圧縮コイルバネsの下端寄りの20〜60%程度の高さを収納可能とすることが望ましく、緩衝靴全体の高さ寸法を格段と低くできる。
U溝uを形成した地面側金属板eや足側金属板fの前記周壁15、14は、網カバーMの取付けにも利用できる。図6の場合は、圧縮コイルバネsの収納空間19の内部が外から見えないように、前記周壁14と15間を閉鎖する網カバーMを被せて、周壁14と15の外周に接着固定してある。このように、網カバーMでバネ収納室19の外周を覆っているので、内部の空気が容易に出入りでき、内部の異臭も容易に排出できる。
空気の出入りが容易なため、ゴムカバーのように空気圧で膨らんだりすることはなく、体重で折り重なったり、真っ直ぐに延びたりするだけで、見苦しくない。また、雨水が入っても容易に排水して乾燥でき、かつ内部の洗浄も容易である。
網カバーMが破損したりした場合は、接着部分から剥がして、新たな網カバーを接着剤で貼り替えることになる。なお、網カバーMの接着面の上に合成樹脂製の粘着テープなどを重ねて接着し、補強保護したり網カバーMの接着部を隠したりできる。
接着剤による接着に代えて、又は接着と併用すべく、図7〜図9のように、網カバーMの上にテープ状ないしベルト状の保護バンドBを重ね、その上からビスbをねじ込んで周壁14や15の外周に固定してもよい。ビスbは所定の間隔をおいて、多数設けるのが、確実に固定できる。網カバーMが破損した場合は、ビスbを抜いて網カバーを除去し、新たな網カバーを取付けてビスbで固定する。
保護バンドBは、薄手のテープ状から厚手のベルト状まで、いろいろ使用でき、材質もアルミニウムや銅その他の金属、皮革、合成樹脂などを採用できる。
網カバーMは、その網目のサイズ設定は自由である。材質は合成繊維製が適しているが、これに限定はされない。色の設定も自由である。
ところで、以上のように圧縮コイルバネsを介在させるだけでは、開放状態の圧縮コイルバネsに負荷がかかり始める最初の段階では、弾力が弱過ぎて容易に圧縮されるため、大人のように体重の大きな人が履くと、緩衝作用が有り過ぎて、足側金属板fと地面側金属板eとの間隔も大き過ぎる。
その結果、緩衝靴全体の高さ寸法も高過ぎて、デザイン的にも好ましくない。履いて歩いた際の接地層2側の上下ストロークが長く、安定性が悪いので捻挫したり、引っ掛かってつまずいたりする危険もある。
前記のように網カバーMを被せる場合も、網カバーMの領域の高さが高過ぎて、外観が良くない。上下ストロークが長いので、履いて歩くたびに、網カバーMが上下方向に折り重なって見苦しい。したがって、接地層2側の上下ストロークを極力小さくする必要がある。
このように、足側金属板fと地面側金属板eとの間隔を小さくして、緩衝靴全体の高さを低く抑えるには、足側金属板fと地面側金属板eとの間隔が小さくなるように、圧縮コイルバネsが予めある程度圧縮された構造とすることが効果的である。
図10は、圧縮コイルバネsを予め圧縮しておくための各種実施形態である。(1)は全面圧縮タイプで、圧縮コイルバネsの配置の邪魔にならない位置に圧縮ワイヤー26を分散配置してあり、各圧縮ワイヤー26の両端は加圧板27、28を貫通した状態で外側の面に溶接固定してある。
圧縮ワイヤー26は、足側金属板fと地面側金属板eを貫通しており、足側金属板fの上に前記の加圧板27を重ね、地面側金属板eの下に前記の加圧板28を重ねた状態になっている。
図7のように圧縮コイルバネsに全く負荷が作用していない状態の上下寸法Wに対し、図10(1)のように、圧縮ワイヤー26で圧縮コイルバネsを圧縮した状態の上下寸法ωが小さくなるように、予め設定される。
すなわち、圧縮コイルバネsが設定寸法ωとなるように、図7の足側金属板fと地面側金属板eとの間を治具などで締め付け固定した状態で、図10のように、加圧板28に固定した圧縮ワイヤー26の先端を地面側金属板e→足側金属板f→加圧板27の順に貫通させてから、先端を加圧板27の上にL字状に折り曲げて、加圧板27に溶接固定する。
このようにして、図6(2)に示すように、各圧縮コイルバネsを避けた位置で、加圧板27、28を用いて、ピアノ線などから成る圧縮ワイヤー26を配置すると、開放状態の各圧縮コイルバネsが上下寸法ωとなるまで常時圧縮されているので、緩衝靴の全高さ寸法が低くなり、歩行する際の地面側金属板eと接地層2の上下ストロークも短縮され、履きやすく、歩行し易くなる。
全体重を受けて、上下寸法ωの状態の圧縮コイルバネsが更に圧縮されると、圧縮ワイヤー16は容易に座屈して曲がるので、何ら問題はない。
ワイヤー26に代えて、引っ張りに強い紐や鎖なども使用可能である。容易に座屈して曲がるような帯板バネ材、例えばゼンマイ用のバネ材を使用してもよい。この場合は、加圧板27、28を省いて、地面側金属板eの下面や足側金属板fの上面に直接溶接固定することもできる。
図10(2)は、嵌入凹溝u外面に環状ワイヤー32で巻き付けて締め付け圧縮するタイプで、図7のU溝uの溝開口の外側にワイヤー孔29・29を開けてあり、足側金属板fの圧縮コイルバネsの受け溝30の外側にワイヤー孔31・31を開けてある。そして、前記のように、圧縮コイルバネsを上下寸法ωとなるように、足側金属板fと地面側金属板e間を治具などで締め付け固定した状態で、U溝uの溝開口の外側のワイヤー孔29・29と足側金属板fのバネ受け溝30の外側のワイヤー孔31・31に圧縮ワイヤー32を挿通して、環状に巻きつけた状態で、ワイヤー両端同士を溶接などの手法で連結固定する。
このようにして、各圧縮コイルバネsにおいて、円周方向に120度間隔に3か所又は、図10(4)のように90度間隔に4か所程度に環状ワイヤー32を配設し締め付けおくと、各圧縮コイルバネsを上下寸法ωの状態に圧縮しておくことができる。
図10(3)は、環状ワイヤー32を使用するが、圧縮コイルバネsを治具などで締め付け圧縮して、上下寸法ωとした状態で、圧縮コイルバネs自体に直接に環状ワイヤー32を巻き付けて、ワイヤー両端を溶接などで連結固定してある。
図10(4)のように圧縮コイルバネsの円周方向に90度間隔に4か所で、前記の環状ワイヤー32巻き付け、圧縮状態に締め付けてあるが、120度間隔に3か所でもよく、更に増やしてもよい。
圧縮ワイヤー32も、例えばゼンマイ用の板バネ材等を使用しもよい。全体重で圧縮コイルバネsが極限まで加圧圧縮されても、圧縮ワイヤー32やゼンマイ用の板バネ材は容易に座屈し屈曲できるので、何ら障害とならない。
なお、各環状ワイヤー32を避けるための切り欠きやスリット、凹溝などを足側金属板fや地面側金属板e、バネ受け部に形成しておき、圧縮コイルバネsのバネ受け作用の邪魔にならないように配慮する必要がある。
図10のように、圧縮コイルバネsを高さ寸法ωまで常時圧縮しておくと、歩行時に圧縮コイルバネsが開放される度に、圧縮状態に引っ張っておくワイヤーや紐、鎖、帯板バネ材などに衝撃が作用して音を発したり、振動を発する恐れがあるので、圧縮量は圧縮コイルバネsの全高さ寸法の10〜20%程度以内が限度である。
この衝撃力を解消するには、図11のように引っ張りコイルバネs1を圧縮コイルバネsの内部に配置し、足側金属板fと地面側金属板eを引っ張ることも有効である。この場合、引っ張りバネ力を、圧縮コイルバネsの反発力の例えば8〜15%程度に設定すると、高さWの開放状態の圧縮コイルバネsが引っ張られて、高さ寸法をωに縮小できる。引っ張りコイルバネs2のように、圧縮コイルバネsの外側に配置してもよい。
このように、引っ張りコイルバネs1および/又はs2で常時引っ張っていると、常に引っ張り力が作用して圧縮コイルバネsの圧縮力は低減されるが、図10のように圧縮コイルバネsの開放時に衝撃力が発生するという問題は解消される。
また、圧縮コイルバネsが体重で圧縮される際は、引っ張りコイルバネs1および/又はs2による引っ張り力は低下していき、影響は低減していくので、圧縮コイルバネsとしての働きが犠牲になることはない。
しかも、図10、図11のように、圧縮コイルバネsを挟んだ状態で足側金属板fと地面側金属板eとを連絡すると互いに分離することはないため、圧縮コイルバネsの上下端と足側金属板fや地面側金属板eとの溶接固定などの連結手段を省くこともできる。また、足側金属板fと地面側金属板eとの間の横ずれや横揺れも少なくなる。
以上の実施形態において、踵から指部の間の領域に配設する各圧縮コイルバネs…は、それぞれの各方向のサイズは自由であり、それぞれの配置部位や個数も自由であって、特に制限されない。径の異なる圧縮コイルバネsを2個以上同心円状に配置して、反発バネ力を増強することもできる。
足側金属板fや地面側金属板eは、バネ受けを兼ねているが、専用のバネ受けを設けてもよい。
なお、本発明は、前記実施形態のような靴類のほか、サンダルなどにも適用できる。足側金属板fと地面側金属板eは、薄い金属板が適しているが、硬質の合成樹脂板も採用可能である。この場合、バネ受け部だけは、硬質の金属板が望ましい。
以上のように、本発明によると、足側金属板fと地面側金属板eとの間において、踵側から指側に渡る領域に複数の圧縮コイルバネを介在させるので、緩衝作用に優れた圧縮コイルバネを利用することで、履物から脳や脊椎に及ぼす衝撃を極力緩和し緩衝できる緩衝履物を実現可能となる。
したがって、脳や脊椎に及ぼす悪影響を防止する必要性のある人や脳や脊椎に障害を持つ人に特に有効である。
しかも、圧縮コイルバネの収納空間の外周に網カバーを被せて通気・通水性を保ち、かつ容易に内部が見えない構造にしてあり、また圧縮コイルバネを圧縮状態にして高さ寸法を低くできるので、安定が良く履きやすく、安全である。
本発明による緩衝履物の第1実施形態で、(1)は全体の縦断面図、(2)は上下の金属板f、e間に圧縮コイルバネsを介在させた状態の縦断面図、(3)はA−A方向の底面図、(4)(5)は内層7の平面図である。 緩衝ゴムを取付けた各実施形態である。 足側金属板と地面側金属板の外周に周壁を設けた実施形態である。 図3の実施形態の改良構造である。 螺旋坂状圧縮コイルバネを用いた実施形態である。 本発明による緩衝履物のU溝構造の実施形態で、(1)は全体の縦断面図、(2)はA−A方向の平面図である。 図6の緩衝履物の前半部の拡大断面図である。 図7の緩衝履物のA−A平面図である。 本発明の網カバー構造の実施形態で、(1)は全体の縦断面図(網カバーのみは側面図)、(2)はA−A方向の平面図である。 圧縮コイルバネを予め圧縮して高さ寸法を縮小するための各種実施形態で、(1)は全面圧縮タイプ、(2)は凹溝巻き付けタイプ、(3)(4)は圧縮コイルバネ自体を圧縮するタイプである。 圧縮コイルバネの内外に引っ張りコイルバネを配設した実施形態の縦断面図である。 代用弾性層を設けることによって、土踏まず側の圧縮コイルバネと、踵側又は指側の圧縮コイルバネを省いた実施形態を示す部分断面側面図である。
符号の説明
1 中底層
f 足側金属板
2 外底層
e 地面側金属板
s 圧縮コイルバネ
R バネ受け板
3 ワッシャー状板
4・8 ネジ
5・9 ナット
6 蓋
7 内層
10・11 ネジ挿通孔
H・h 貫通孔
Hb 軽量化孔
12 緩衝ゴム
12F 圧縮コイルバネ領域以外に設けた弾性層
12f 代用弾性層
12c ワニ口状の開閉口
13・13b 蝶番
14・15 周壁
V 切除部
U 折り返し部
16・16’・16f 結束紐挿通孔
17・22 結束紐又は着脱面テープ
18 遮蔽壁
19 圧縮コイルバネ収納室
20 空気孔
P 螺旋坂状コイルバネ
21 上端面
23 帯板材
24 下端面
B 保護バンド
b ビス
M 網カバー
u U溝
26 圧縮ワイヤー(帯板バネ材)
27・28 加圧板
29・31 ワイヤー孔
30 圧縮コイルバネsの受け溝
32 環状の圧縮ワイヤー(帯板バネ材)
s1・s2 引っ張りコイルバネ
本発明は、地面から受ける衝撃を極力少なくすると共に、内部構造を見えづらく、かつ緩衝履物全体の高さを低減可能な構造に関する。
本発明の発明者は、特許文献1において、履物中に設ける圧縮コイルバネの上端並びに下端と中底層並びに外底層との間にバネ受け板を介在させるため、圧縮コイルバネで履物自体を損傷する恐れが少ない履物構造を提案した。
一方、地面から受ける衝撃を極力少なくした緩衝履物において、特許文献2に記載のように、圧縮コイルバネを挟んでいる中底層側と外底層側とが相対的に横揺れするのを防止するために、大小の上部ケースと下部ケースの中に圧縮コイルバネを内蔵すると共に、外底と中底の外周間に伸縮性を有する遮断幕を取付けて中底と外底間に異物が入り込むのを防止する構造が提案されている。
また、本発明の発明者は、特許文献3や特許文献4において、外底と中底間に介在させる圧縮コイルバネの収納室に、外部から塵埃が侵入しないように、収納室の外周を閉鎖するための遮蔽壁を設けると共に、収納室の内部の空気が出入りできるように、空気孔を開けた構造を提案した。
特願2007−229216 特表2007−520241 特願2007−331230 特願2008−265607
しかしながら、特許文献1記載のように、圧縮コイルバネを1個のみ用いたり、履物の一部だけに配設する構造では、圧縮コイルバネによる緩衝作用が足裏の全面に均一に作用せず、また緩衝作用が不十分である。
ところで、人体の脳や脊椎は、足から受ける衝撃によって、様々な悪影響を受けることが有ると言われている。
従って、脳や脊椎に及ぼす悪影響を抑制するには、可能ならば、履物から受ける衝撃を極力緩和することであるが、そのような緩衝履物が見当たらない。
また、特許文献2のように、大小の上部ケースと下部ケースの中に圧縮コイルバネを内蔵する構造は、歩行するたびに上部ケースと下部ケースとが擦り合って磨耗したり、磨耗音が発生するという問題がある。
ところが、特許文献2、3に記載のように、圧縮コイルバネの収納空間を遮断幕や遮蔽壁で密閉すると、バネ収納空間の内部が見えないので、故障や不具合が生じても視認できず、修理などのメンテナンスに支障が生じる。
また、特許文献2のように、遮断幕が完全な密閉構造だと、バネ収納空間の拡大・縮小の際に遮断幕が空気圧で膨張と収縮を繰り返し、見苦しいだけでなく、遮断幕の損傷が早く、頻繁に修理する必要が生じる。
このような問題を解消すべく、引用文献3、4のように、空気孔を開けた場合は、内部に水が入った場合の排水が容易でなく、乾燥も時間を要する。臭気がこもりやすい、などの問題もある。内部を水洗いすることもできない。
また、引用文献1〜4に記載のように、圧縮コイルバネを介在させる構造の場合、充分な弾性を実現するには、圧縮コイルバネを高くする必要があるが、その結果、緩衝履物全体が高くなって、履きづらくなり、引っ掛かってつまずいたりする危険が有り、しかもデザイン的にも見苦しくなる。
したがって、圧縮コイルバネの緩衝作用を低下させることなしに、緩衝履物全体の高さをより低く抑えることが望ましい。
本発明の技術的課題は、このような問題に着目し、緩衝作用に優れた圧縮コイルバネを効果的に利用することで、履物から脳や脊椎に及ぼす衝撃を極力緩和し緩衝できる緩衝履物を実現すると共に、歩行時の横揺れ防止手段による磨耗や磨耗音が発生せず、しかも内部構造が見えづらく、緩衝履物全体の高さを低下可能で、かつ履きやすい構造を実現することにある。
本発明の技術的課題は次のような手段によって解決される。請求項1は、図1のように、中底層側並びに外底層側に踵部から指先部に渡って、バネ受け兼用又はバネ受けRを有する金属板を敷設すると共に、両金属板の間において、踵部から指先部に渡って緩衝用の圧縮コイルバネを複数個、分散して介在させる構造において、
図6〜図9のように、少なくとも外底層側のバネ受け部を円状ないし環状の凹溝とし、その中に前記圧縮コイルバネの端部寄りを収納する構造としたことを特徴とする緩衝履物である。
このように、外底層側のバネ受け部を円状ないし環状の凹溝とし、その中に前記圧縮コイルバネの端部寄りを収納する構造としたため、弾性を高めるために圧縮コイルバネを高くしても、全高さ寸法の下端寄りの部分が円状凹溝中に収納されて、緩衝履物全体の高さを低く抑えることができる。
請求項2は、前記凹溝の底部はU溝状の凹曲面となっていることを特徴とする請求項1に記載の緩衝履物である。
圧縮コイルバネを構成する線材の断面形状は真円の場合が多いので、図6〜図9のように、前記凹溝の底部をU溝状の凹曲面にした場合、圧縮コイルバネの下端を安定化のために平坦に処理する必要もなく、そのまま収納でき、工数を低減できる。また、圧縮コイルバネの下端の真円の線材をそのまま、U溝状の凹曲面中に収納するので、圧縮コイルバネの下側部をより深くまで凹溝中に収納して、緩衝履物全体の高さをより低くできる。
請求項3は、前記金属板又は凹溝の底部ないし側壁に至る領域に、接合用の貫通孔を開けて、バネ受け部と圧縮コイルバネの端部とを溶接又は半田付け、ロウ付けなどの接合手段で接合するか、又は前記凹溝の側壁から圧縮コイルバネの端部を押さえるような舌片又は隆起部を押し出し形成して加締めてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の緩衝履物。
このようにバネ受け部の円状凹溝の中に圧縮コイルバネの下端を収納した状態で互いに溶接などの手法で接合することが堅牢な構造となり、中底層側の足側金属板と外底層側の地面側金属板とが分離することもない。このように接合する場合は、図7のように、円状凹溝の底部ないし側壁に至る領域に、接合用の貫通孔を開けておいて、この貫通孔で圧縮コイルバネの下端や上端と溶接したり、半田付けやロウ付けすると、容易にかつ確実に接合できる。
さらに、図10(2)のように、前記凹溝の側壁から圧縮コイルバネの端部を押さえるように舌片や隆起部を押し出し形成して加締めることによって、圧縮コイルバネの下端や上端とバネ受け部を連結固定すると、溶接無しで接合できるので、溶接によるサビの発生を未然に防げる。
請求項4は、図2のように、土踏まずから指先に到る領域若しくは全領域において、前記の片方の若しくは両方の金属板にヒンジ手段を介在させるか金属板の板厚を薄くして可撓性を持たせてあるか又は、
前記の金属板が部分的若しくは全面的に可撓性若しくは柔軟性に富んだ構成としたことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の緩衝履物である。
土踏まずから指先に到る領域は、足裏が上下方向に屈曲変形するため、この変形動作に対応して、中底層も屈曲変形できることが望ましい。
そのため、請求項4のように、少なくとも土踏まずから指先に到る領域において、前記の片方の又は両方の金属板にヒンジ手段を介在させたり、金属板の板厚を薄くして可撓性を持たせてあるので、足裏が自由に屈曲変形可能となり、金属板を設けたことによる違和感が解消される。
また、土踏まずから指先に到る領域に限らず、前記の金属板が全面的に可撓性又は柔軟性に富んでいるため、構造がシンプルで製造が容易である。ただし、各圧縮コイルバネのバネ受け作用が低下しないように、硬度の高い金属板などのバネ受けを設けるなどの配慮を要する。
請求項5は、図1のように、前記の中底層の内面に内層を重ねると共に、前記内層と前記中底層と前記金属板とを分離不能に接着又は連結固定してあると共に、
図2のように、前記の圧縮コイルバネの存在しない領域において、前記の片方の又は両方の金属板の圧縮コイルバネ側の面に第2緩衝手段を取付けてあることを特徴とする請求項1に記載の緩衝履物である。
このように、前記の中底層の内面に内層を重ねると共に、前記内層と前記中底層と前記金属板とを分離不能に接着又は連結固定してあるため、前記内層と、圧縮コイルバネを受ける金属板との間に、前記中底層をサンドイッチした状態に固定でき、靴などの履物全体と金属板との一体性が確保され、履きやすく、かつ圧縮コイルバネによる緩衝作用を阻害することがない。
また、前記の圧縮コイルバネの存在しない領域において、前記の片方の又は両方の金属板の圧縮コイルバネ側の面に第2の緩衝手段を取付けてあり、圧縮コイルバネが極限まで圧縮される前に第2緩衝手段が作用して、圧縮コイルバネの圧縮時の衝撃がより緩和される。したがって、ばね性の柔軟な圧縮コイルバネを用いて、ソフトな緩衝作用を実現でき、軽量な人体に適する。
請求項6は、図3のように、前記の金属板の外周に上向きおよび/又は下向きの周壁を設けることによって前記の中底層および/又は外底層を部分的又は全面的に囲う構造とし、
前記のヒンジ手段又は足裏屈曲変形領域と対応する部位の周壁を中断させてあることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の緩衝履物である。
このように、前記の金属板の外周に上向きおよび/又は下向きの周壁を設けることによって前記の中底層および/又は外底層を部分的又は全面的に囲う構造としたので、前記中底層や外底層の露出部が損傷したり劣化するのを前記周壁によって防護できる。
また、前記のヒンジ手段又は足裏屈曲変形領域と対応する部位の周壁を例えばV状に中断させてあるので、周壁を設けたことによって、金属板の屈曲変形の妨げになるような恐れはない。
請求項7は、図4のように、足側の金属板の左右部の周壁の立ち上がり寸法よりも足指側周壁の立ち上がり寸法を高くし、踵側周壁の立ち上がり寸法を更に高くしてあることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかの項に記載の緩衝履物である。
このように、足側の金属板の左右部の周壁の立ち上がり寸法(例えば8〜18mm程度)よりも足指側周壁の立ち上がり寸法を高く(例えば20mm程度)し、踵側周壁の立ち上がり寸法を更に高く(例えば6cm程度)してあるため、足側金属板の前後左右の立ち上がり壁の内部に靴の中底層1を収納配置して着用した際に足との一体感が増し、安定性がより高まる。すなわち、履いている足と足側金属板の前後の立ち上がり壁とが、よりフィットし調和すると共に、足の指側と踵側が効果的に保護される。
請求項8は、図3、図4のように、足側の金属板の外周付近又は上向きおよび/又は下向きの周壁に、結束手段用の挿通孔を開けてあることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の緩衝履物である。
このように、前記の上向きおよび/又は下向きの周壁14・14c・14b、15や足側金属板fの平面部外周の内側を利用して、結束手段や着脱手段用の挿通孔16、16’、16fを開けてあるので、結束紐や着脱面テープなどを挿通して、中底層側を足の甲に結束したり着脱すれば、履いている緩衝履物と足との一体性が確保されて履き易くなり、かつ緩衝作用もより効果的となり、脳や脊椎に及ぼす各種の悪影響を効果的に低減できる。
請求項9は、図5のように、前記の圧縮コイルバネが、帯板を螺旋坂状に形成してなる螺旋坂状圧縮コイルバネであることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれかに記載の緩衝履物である。
このように、前記の圧縮コイルバネが、帯板を螺旋坂状に形成してなる螺旋坂状圧縮コイルバネであるため、螺旋坂状圧縮コイルバネの下端を取付けた地面側金属板に対する上端を取付けた足側金属板の横ずれや横揺れが極めて少なく、違和感無くかつ安全に歩行でき、またたとえ特異な動き方をしても何ら支障が無い。しかも、帯板を螺旋坂状に形成してなるため、圧縮コイルバネ全体としての高さが低く、緩衝履物全体を低く薄型にでき、安定性も向上する。
請求項10は、図6〜図9のように、中底層すなわち足側のバネ受け部と外底層すなわち地面側のバネ受け部との間のバネ収納空間すなわちバネ収納室に圧縮コイルバネを介在させる緩衝履物において、バネ収納空間の外周を網体でカバーしてなることを特徴とする緩衝履物である。
このように、バネ収納室に圧縮コイルバネを介在させる緩衝履物において、バネ収納室の外周を網体でカバーしてあるため、通常は網カバーに遮られて、内部の圧縮コイルバネなどは外部から見えないので、見苦しくない。
しかし、内部でトラブルが生じたりして、内部を注意深く目視する必要がある場合は、照明などの明るい場所にかざして見ると、網カバーの網目から内部の状態を視認できるので、内部状態を目視確認する必要が有る場合に好都合である。
一方、網カバーの網目から空気や水は自由に出入りできるので、特別に空気孔を開ける必要はないし、内部の臭気も自由に外部に放出される。また、内部の洗浄も容易である。歩くたびに、ゴムカバーのように空気力で膨出と収縮を繰り返すこともない。
請求項11は、図12のように、圧縮コイルバネは指側又は踵側のみとし、他の圧縮コイルバネの領域には、両金属板の間にサンドイッチされた弾性層を拡張して代用することを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれかに記載の緩衝履物である。
このように、圧縮コイルバネは指側又は踵側のみとし、他の圧縮コイルバネの領域には、両金属板の間にサンドイッチされた弾性層を拡張して代用するため、圧縮コイルバネとその受け板機能を省いて簡素化し、コストダウン可能となる。圧縮コイルバネを足指側のみに配設する場合は、常に最初に着地する指側を効果的に緩衝でき、逆に踵側のみに圧縮コイルバネを配設する場合は、緩衝力が無く衝撃の影響をまともに受け易い踵側を効果的に緩衝できる。
請求項16は、図6〜図9のように、足側バネ受け部と地面側バネ受け部との間のバネ収納室に圧縮コイルバネを介在させた緩衝履物において、
バネ収納室の外周を網体でカバーすることによって、空気や水は容易に出入りできるが、内部は見えづらくすることを特徴とする緩衝履物におけるバネ収納空間の遮蔽方法である。
このように、バネ収納室の外周を網体でカバーすることによって、空気や水は容易に出入りできるが、内部は見えづらくする遮蔽方法であるから、通常の状態では、履いている緩衝履物のバネ収納空間の内部が他人に見えることはなく、空気は容易に出入りできるので、ゴムカバーのように、歩くたびにカバーが空気力で膨出・収縮を繰り返すこともない。水は容易に出入りできるので、内部の洗浄は容易にできる。内部を目視確認する場合は、明るい場所にかざして見ると、網カバーの網目から内部を視認できるので、保守点検する場合に有利である。
請求項1のように、履物中に設ける緩衝用の圧縮コイルバネの上端並びに下端と中底層並びに外底層との間に、踵部から指先部に渡って金属板を敷設する構造において、踵部から指部に渡って複数の圧縮コイルバネを分散配置してあるため、足裏の全面に複数の圧縮コイルバネによる緩衝作用が働くので、各種衝撃によって脳や脊椎が受ける悪影響を効果的に抑制できる。
また、圧縮コイルバネを指側又は踵側のみに配設する場合は、他の圧縮コイルバネの領域には、両金属板の間にサンドイッチされた弾性層を拡張して代用するため、圧縮コイルバネやその受け板を省いて簡素化し、コストダウン可能となる。圧縮コイルバネを足指側のみに配設する場合は、常に最初に着地する指側を効果的に緩衝でき、逆に踵側のみに圧縮コイルバネを配設する場合は、緩衝力が無く衝撃の影響をまともに受け易い踵側を効果的に緩衝できる。
請求項2のように、前記中底層の内面に内層を重ねると共に、前記内層と前記中底層と前記金属板とを分離不能に接着又は連結固定してあるため、前記内層と、圧縮コイルバネを受ける金属板との間に、前記中底層をサンドイッチした状態に固定でき、履物全体と金属板との一体性が確保され、圧縮コイルバネによる緩衝作用を阻害することがない。
請求項3のように、前記の圧縮コイルバネの伸縮動作を妨げない領域において、前記の片方又は両方の金属板の圧縮コイルバネ側の面に第2緩衝手段を取付けてあり、圧縮コイルバネが極限まで圧縮される前に第2緩衝手段が作用して、圧縮コイルバネの圧縮時の衝撃がさらに緩和される。したがって、ばね性の柔軟な圧縮コイルバネを用いて、ソフトな緩衝作用を実現でき、軽量な人体に適する。
土踏まずから指先に到る領域は、足裏が上下方向に湾曲変形するため、この変形動作に対応して、中底層も湾曲変形できることが望ましい。
そのため、請求項4のように、土踏まずから指先に到る領域において、前記の金属板にヒンジ手段を介在させたり、金属板の板厚を薄くして可撓性を持たせてあるので、足裏が自由に湾曲変形可能となり、金属板を設けたことによる違和感が解消される。
請求項5のように、土踏まずから指先に到る領域に限らず、前記の金属板が全面的に可撓性又は柔軟性に富んでいるため、構造がシンプルで製造が容易である。
請求項6のように、前記の金属板の外周に上向きおよび/又は下向きの周壁を設けたことによって前記の中底層および/又は外底層を部分的又は全面的に囲う構造としたので、前記中底層や外底層の露出部が損傷したり劣化するのを前記周壁によって防護できる。
しかも、前記のヒンジ手段又は足裏湾曲変形領域と対応する部位の周壁を中断させてあるので、周壁を設けたことで、金属板の湾曲変形の妨げになるような恐れはない。
請求項7のように、前記の足側金属板fの左右周壁の立ち上がり寸法よりも足指側周壁の立ち上がり寸法を高くし、踵側周壁の立ち上がり寸法を更に高くしてあるため、足側金属板の前後左右の立ち上がり壁の内部に靴の中底層1を収納配置して着用した際に足との一体感が増し、安定性がより高まる。すなわち、履いている足と足側金属板の前後の立ち上がり壁とがフィットし調和すると共に、足の指側と踵側が効果的に保護される。
請求項8のように、前記の足側金属板fの上向きおよび/又は下向きの周壁14・14c・14b、15や足側金属板fの外周の内側を利用して、結束手段や着脱手段用の挿通孔16、16fを開けてあるので、結束紐や着脱面テープなどを挿通して、中底層側を足の甲に結束したり着脱すれば、履いている緩衝履物と足との一体性が確保され、緩衝作用がより効果的となり、脳や脊椎に及ぼす各種の悪影響を効果的に低減できる。
請求項9のように、前記の圧縮コイルバネが、帯板を螺旋坂状に形成してなる螺旋坂状圧縮コイルバネであるため、螺旋坂状圧縮コイルバネの下端を取付けた地面側金属板に対する上端を取付けた足側金属板の横ずれが極めて少なく、違和感無くかつ安全に歩行でき、またたとえ特異な動きをしても何ら支障が無い。しかも、帯板を螺旋坂状に形成してなるため、圧縮コイルバネ全体としての高さが薄く、緩衝履物全体を薄型にでき、安定性も向上する。
請求項10のように、バネ収納空間に圧縮コイルバネを介在させる緩衝履物において、バネ収納空間の外周を網体でカバーしてあるため、通常は網カバーに遮られて、内部の圧縮コイルバネなどは外部から見えないので、見苦しくない。しかも、目視する必要がある場合は、網カバーの網目から内部の状態を視認できる。空気や水は自由に出入りできるので、内部の臭気も自由に外部に放出されるし、内部の洗浄も容易である。
請求項11のように、地面側バネ受け部を円状の凹溝とし、その中に前記圧縮コイルバネの端部寄りを収納する構造にすると、弾性を高めるために圧縮コイルバネを高くしても、全高さ寸法の下端寄りの部分が円状凹溝中に収納されて、緩衝履物全体の高さを低く抑えることができる。
請求項12のように、前記凹溝の底部をU溝状の凹曲面にした場合、圧縮コイルバネの下端を安定化のために平坦に処理する必要もなく、そのまま収納でき、工数を低減できる。また、圧縮コイルバネの下端の真円の線材をそのまま、U溝状の凹曲面中に収納するので、圧縮コイルバネの下側部をより深くまで凹溝中に収納して、緩衝履物全体の高さをより低くできる。
請求項13のように、円状凹溝の底部ないし側壁に至る領域に、接合用の貫通孔を開けておいて、この貫通孔で圧縮コイルバネの下端や上端と溶接したり、半田付けやロウ付けすると、容易にかつ確実に接合できる。
請求項14のように、前記凹溝の側壁から圧縮コイルバネの端部を押さえるように舌片又は隆起部を押し出し形成して加締めることによって、圧縮コイルバネの下端や上端とバネ受け部を連結固定すると、溶接無しで接合できるので、溶接によるサビの発生を未然に防げる。
請求項15のように、足側バネ受け部と地面側バネ受け部との間隔が小さくなるように、引っ張りコイルバネ、ワイヤー、紐、鎖又は帯板バネ材によって、圧縮コイルバネが予めある程度圧縮されているので、履かない状態の高さ寸法を小さくでき、安定性が高まる。しかも、圧縮コイルバネに常に圧縮荷重がかかっていて弾性が硬くなっているため、地面側金属板に対し足側金属板が横ずれ横揺れし難く、安定性が良いので履きやすい。さらに、全体重の多くが作用して初めて圧縮コイルバネが更に圧縮され始めるため、体重のかなりが作用する前から容易に圧縮されるような問題も解消されて上下ストロークが短くなり、履きやすい。引っ掛かってつまずいたりする危険も解消される。
請求項16のように、バネ収納空間の外周を網体でカバーすることによって、空気や水は容易に出入りできるが、内部は見えづらくする遮蔽方法であるから、通常の状態では、履いている緩衝履物のバネ収納空間の内部が他人に見えることはなく、空気は容易に出入りできるので、ゴムカバーのように、歩くたびにカバーが空気力で膨出・収縮を繰り返すこともない。内部の洗浄は容易にでき、網カバーの網目から内部を視認できるので、保守点検する場合に有利である。
次に本発明による緩衝履物が実際上どのように具体化されるか実施形態を説明する。図1は本発明による緩衝履物の第1実施形態で、(1)は全体の縦断面図である。履物として靴Kを例示してあり、中底層1の下面に足側金属板fを重ねてあり、靴Kの外底層2の上に地面側金属板eを重ねてある。
足側の金属板fは、中底層1のほぼ全面に渡って重ねてあり、互いに接着剤で全面を接着してもよい。また、地面側の金属板eは外底層2のほぼ全面に渡って重ねてあり、互いに接着剤で全面を接着してもよい。全面接着の場合は、足側金属板fや地面側金属板eは一体形状でなく、分離形状も可能である。
そして、足側金属板fと地面側金属板eとの間において、踵部から指部に渡って複数個の圧縮コイルバネsを介在させてある。圧縮コイルバネsの上端又は下端と上下の金属板f、eとは、溶接やハンダ付け、ロウ付け、接着剤による接着などの手法で一体に接合してもよいが、加締めやネジ止め、ビス止めなどで一体連結も可能である。
また、図1(3)のように、足側金属板fに、圧縮コイルバネsが当接する位置に円周状に複数の貫通孔H…を開けておくと、足側金属板fの裏側から孔H…を利用して溶接したりハンダ付けしたりできる。地面側金属板eの場合も同様である。
圧縮コイルバネsの上端や下端の内径と同程度の外径を有する高さ3〜7mm程度の凸状部を前記金属板f、eの圧縮コイルバネs側に押し出し形成しておいて、この凸部を圧縮コイルバネsの上端や下端に押し込んだ状態にすると、圧縮コイルバネsの位置決めやずれ防止となり、安定性が増す。従って、溶接固定までの組立て作業にも極めて有効である。なお、凸状に代えて、その外径部だけリング状に押し出し形成しても、同様な使い方ができる。
中底層1や外底層2と足側金属板fや地面側金属板eの間も接合又はネジ止め連結可能である。図示例は、ネジ止め連結構造であり、外底層2の下側に開けた凹室に、金属又は硬質樹脂製の分割形状の又は図示のような一体形状のワッシャー状板3を収納して、ネジ4を挿通し、地面側金属板eの上面のナット5とでネジ止めした後、外底層2と同じ材質の蓋6を被せて塞いである。
足裏側は、中底層1の上側(内面)に内層7を重ねると共に、内層7と中底層1と足側金属板fとにネジ8を挿通し、足側金属板fの下部に設けたナット9でネジ止めしてある。
図1(2)は、前記の上下の金属板f、e間に圧縮コイルバネsを介在させた状態の縦断面図であり、そのA−A方向の底面図が(3)で、右足用である。このように、前後と中間に設けた計3個の圧縮コイルバネsを避けた位置に、ネジ8を挿通する孔10が開けてある。
図1(4)は、中底層1の上に重ねる内層7の平面図で、右足用である。前記ネジ8を挿通する孔11が開けてある。
このようにして、中底層1の内面に内層7を重ねると共に、内層7と中底層1と足側金属板fとをネジ8を挿通してネジ止めすることで、互いに分離不能に連結固定されている。ネジの代用として、リベット止めも可能である。これら3層を全面的又は部分的に接着剤で接着することで、ネジ8やリベットを省いてもよいし、併用してもよい。あるいは、図1(3)〜(5)のように、内層7と足側金属板fにミシン目状の貫通孔mを開けて、中底層1を挟んだ3層を、強力なクツ糸で縫って固定してもよい。
なお、前記の外底層2と地面側金属板eとの間も全面的又は部分的に接着剤で接着してもよいし、ネジ止めと併用してもよい。あるいは、前記のミシン目状孔mと同様の貫通孔を開けて縫い止めと併用してもよい。
図1の構造において、着地時の衝撃が強いと、足側金属板f側のネジ8と地面側金属板e側のネジ4とが衝突したり、圧縮コイルバネs自体が極限まで圧縮された際の衝撃が発生して、人体とりわけ脳や脊椎に悪影響を及ぼす恐れがある。
そこで、図2は、特許文献1にける第2緩衝手段と同じ目的の緩衝ゴム12を取付けてある。図示例では、足側金属板fの下面と、地面側金属板eの上面の双方に接着し取付けてある。上下の緩衝ゴム12、12の間に隙間gが残る程度の寸法に設定してあるので、着地の際は最初に圧縮コイルバネsがある程度圧縮されて緩衝作用が発生し、次いで上下の緩衝ゴム12、12同士が接触する。
緩衝ゴム12はゴム材又はゴム質状の軟質ないし硬質の合成樹脂製であるため、上下の緩衝ゴム12・12同士が加圧されると、徐々に圧縮されて最終的には圧縮不能な限界状態となるので、上下の緩衝ゴム12・12によるこのような緩衝作用も加わって、圧縮コイルバネsはそれ以上圧縮不能となり、圧縮動作は完了する。なお、緩衝ゴム12は、中空構造にしてもよい。
図2(2)は、図2(1)のB−B断面図であり、圧縮コイルバネsの存在しない領域に緩衝ゴム12…設けてある。なお、圧縮コイルバネsの内部にも、第2緩衝手段として円柱状又は台形状の緩衝ゴム12…を設けてもよい。つまり、圧縮コイルバネsの伸縮動作を妨げない領域であれば足りる。
また、第2緩衝用の緩衝ゴム12は、足側金属板fの下面のみ、又は地面側金属板eの上面のみに取付けることもできる。複数存在する緩衝ゴム12のうち、一部は足側金属板fの下面に取付け、他の一部は地面側金属板eの上面に取付けることもできる。
土踏まずから指先に到る領域において、足側金属板fに蝶番13を取付けてあるので、歩行したり走行する際に、蝶番13の部位で足側金属板fが容易に折れ曲がるため、足裏の動きに容易に追従できる。その結果、下駄を履いている場合と違って、より歩きやすくなる。なお、図1の(1)のように前記内層7の上に中敷n等を重ねてから履くので違和感は無い。
図2(3)は、蝶番13は1か所のみに取付けてあるのに対し、図2(4)は、前後に間隔をおいて、2か所に蝶番13、13を取付けてある。
その結果、前後2か所で足側金属板fが折れ曲がることで、足裏の動きにより忠実に追従し変形できる。従って、追従性を増すためには、複数の蝶番13…を任意の位置に間隔をおいて配設することもできる。
ヒンジ手段としては、蝶番13に代えて、銅やアルミニウム等のような柔軟性に富んだ材質の薄板を介在させることもできる。
足側金属板f自体の板厚を薄くしたり、前後方向の波板状にして、全体的に可撓性を持たせ、全体が容易に湾曲変形可能とすることで、複数のヒンジ手段に代えることもできる。
なお、図1〜図4のように、両金属板f、eにバネ受け板R・Rを重ねることも可能で、このようにバネ受け板R・Rを独立させると、硬度の高い材質を採用できるので、両金属板f、eとして、硬度の低い軟質板や薄板、可撓性の高い形状を採用可能となり、複数のヒンジ手段の代用が容易になる。図6〜図11では、両金属板f、e自体がバネ受け板を兼ねている。
前記のように、足側金属板fの前半を部分的に板厚を薄くしたり、銅やアルミニウムなどのような柔軟性に富んだ材質とすることで、ヒンジ手段に代えることもできるが、足側金属板fの全体を薄くしたり柔軟性に富んだ材質にして、全体が容易に湾曲変形可能とすれば、製造は容易になる。ただし、圧縮コイルバネsとの接触部において、損傷しない程度の強度を確保する必要がある。
図2(5)は、地面側金属板eにも、土踏まずから指先に到る領域に蝶番13bを設けてある。この場合も、前記の足側金属板fと同様に前後に間隔をおいて蝶番13bを複数設けたり、蝶番13bに代えて、銅やアルミニウム等のような柔軟性に富んだ材質の薄板を介在させることもできる。
また、地面側金属板e自体の板厚を薄くしたり、前後方向の波板状にして、全体的に可撓性を持たせ、全体が容易に湾曲変形可能とすることで、複数のヒンジ手段に代えることもできる。
以上のように、足側金属板fや地面側金属板eが蝶番13・13bその他の手段によって上下方向に湾曲変形可能にした場合は、図1(1)のように中底層1の内面に重ねる内層7も、図1(5)のように図2(1)(2)の蝶番13と対応する位置で前後に分離すると、内層7による抵抗が緩和されるので、より履きやすくなる。
前記のように蝶番13を複数か所に配設する場合は、内層7も複数に分断し分割するのがよい。分割された各内層7が中底層1から分離しないように、ネジ8や接着剤などで固定することは言うまでもない。あるいは、図1(3)〜(5)のミシン目状孔mによる縫い止めと併用してもよい。
図1(5)の内層7は、軽量化のために複数の孔Hb…を開けてあるが、本発明の場合、内層7に限らず、後述の周壁14、15なども含めて、各金属板f、eや各金属板製のすべてに複数の孔を開けて軽量化するのがよい。
図3(1)は、足側金属板fと地面側金属板eの外周に周壁14を設けた実施形態の縦断面図で、圧縮コイルバネsは側面図で表現してある。足側金属板f外周の周壁14は8〜18mm程度の立ち上がり形状になっており、その内部に、中底層1が収納配置されているので、周壁14で中底層1を囲うことで、使用中に中底層1側が損傷劣化するのを抑制できる。中底層1の防護効果は、周壁14の高さによって決まる。
地面側金属板e外周の周壁15は2〜8mm程度の垂下形状になっているので外底層2を囲うことで、その損傷劣化を抑制して、長寿命化が可能となる。
図2のように、ヒンジ手段を設けたりして、足側金属板fを湾曲変形させる場合は、周壁14が障害となるので、前記のヒンジ手段又は足裏の湾曲変形領域と対応する部位の周壁に切除部Vを設けることで、周壁14を中断させ、湾曲変形を容易にしてある。
周壁14を設ける場合は、結束用と兼用できる。本発明の緩衝履物を履いた際に、履物が大き過ぎて、抜けそうな場合や、きつく履きたい場合などは、履いた状態で、足Lの甲の上から結束できると、足Lとの一体性が増して履き易くなる。
そのために、周壁14、15において、要所要所に、結束紐などの挿通孔16、16’を開けてあると、結束紐17、22を挿通するのに好都合である。結束紐17、22に代えて、マジックテープ(登録商標)のような面着脱テープを用いて、靴Kの外面に着脱固定もできる。
圧縮コイルバネsを設けた領域に、外部から塵埃が侵入しないように、前記周壁14と15間を閉鎖するための遮蔽壁18を設けることもできる。
図3(2)は、(1)図のC−C断面図で、ゴム状の柔軟性に富んだ遮蔽壁18の内部の圧縮コイルバネ収納室19の内部の空気が出入りできるように、空気孔20を開けてある。
遮蔽壁18に代えて、図4(3)(4)のように、圧縮コイルバネsの存在しない領域において、足側金属板fの下面と地面側金属板eの上面に、例えばゴム材又はゴム質状の軟質ないし硬質の合成樹脂製あるいはスポンジなどのように柔軟性に富んだ弾性層12F、12Fを接着固定することによって、前記の第2緩衝手段12との兼用もできるし、併用も出来る。上下の弾性層12F・12F間に隙間gを設けて、圧縮コイルバネsの弾力だけを生かすようにしてもよいが、隙間gをゼロにして、図4(3)のように、上下の弾性層12Fと12Fを一体化することもできる。
上下の弾性層12F・12Fは、足側金属板fや地面側金属板eと同様に足裏状の平面形状が望ましいが、圧縮コイルバネsの領域19pは除去してある。この場合は、図2の緩衝ゴム12を省くことも出来る。かつ遮蔽壁18も不要となり、構成が簡素化される。
なお、上下の弾性層12F・12Fは、側面に更に緩衝性を高める為に、複数の溝や孔を空けた方がよい(図示せず)。図1(3)に鎖線で示すような位置で縦横に予め分断しておくと、組立てやメンテナンスの際に便利であり、合理的である。分断された領域ごとに作業できるからである。
図4(3)(4)の一体弾性層12Fを、土踏まず側と踵側の圧縮コイルバネsの領域まで拡張して、図12のように、中間の土踏まず側と後方の踵側の圧縮コイルバネsを廃止することも可能である。この場合は、足側金属板fと地面側金属板e間にサンドイッチされた代用弾性層12fの前方にワニ口状の開閉口12cを形成して、前方の圧縮コイルバネsの拡縮動作に同期して円滑に開閉可能にすると、足裏の動きに逆らうことなく、忠実に追従するので履きやすくなる。両金属板f・eは、圧縮コイルバネsの存在しない、ほぼ後半を除去することも可能であり、この場合、踵側は、代用弾性層12fを例えば1.1〜2.0倍まで厚くするのもよい。
なお、配置を前後逆にして、指側圧縮コイルバネsと蝶番13を踵側に配置すると、緩衝作用に優れた圧縮コイルバネによって、緩衝力が無く、衝撃の影響を最も受けやすい踵側を緩衝し、他の領域は圧縮コイルバネを省いて、簡素化することも可能となる。
図3(3)は、前記の周壁14、15を圧縮コイルバネs側にも延長させた形状にすることで、延長周壁14’、15’の隙間Gを設けてある。
図4は図3の別の実施形態で、足側金属板fの左右の周壁14のみ8〜20mm程度の立ち上がり寸法とし、前方の足指部14cは2cm程度の立ち上がり寸法とし、後方の踵部付近14bの立ち上がり寸法は6cm程度とし、左右側に比べ高くしてある。その結果、着用時の足Lとの一体感が増し、安定性がより高まる。しかも、周壁14を金属板製にすると共に、切込みVを設けて足Lが動き易くして互いの調和が高まるようにしてある。
従って、金属板製の立ち上がり周壁14、14c、14bの内部に、通常の靴の中底層1が収納配置されているので、周壁14、14c、14bで中底層1の全周を囲うことで、使用中に中底層1側が損傷劣化するのを効果的に抑制できる。
地面側金属板e外周の周壁15は8〜20mm程度の垂下形状になっているので外底層2の外周を囲うことで、その損傷劣化を抑制して、長寿命化が可能となる。
図2のように、ヒンジ手段を設けたりして、足側金属板fや地面側金属板eを湾曲変形させる場合は、周壁15が障害となるので、前記のヒンジ手段又は湾曲変形領域と対応する部位の周壁に、前記の足側金属板fの周壁14と同様な切除部Vを設けることで、周壁15を中断させ、湾曲変形を容易にする。
図4(3)の場合、足側金属板f側の延長周壁14’の内側に地面側金属板eの延長周壁15’を配置して、互いにずらしてあるので、体重で足側金属板f側の延長周壁14’が上下動した際に、互いに激突することはない。なお、延長周壁14’の下端縁や延長周壁15’の上端縁は、図4(3)のU部のように折り返しを付けたり、エッジを研磨して面取りすると安全である。
更に足側金属板fの周壁14、14c、14b、14’や地面側金属板eの周壁15、15’の全週又は一部につき、メンテナンスや修理が容易なように、着脱や開け閉めできる構造とすることもできる。
図5は、線材の断面形状が円形の前記圧縮コイルバネsに代えて、断面形状が長方形状の帯板を螺旋状に形成してなる螺旋板状圧縮コイルバネPを用いる例である。
(1)は螺旋板状コイルバネPの斜視図で、その縦断面図が(2)である。この螺旋板状圧縮コイルバネPの使用に当たっては、上端面21を足側金属板fの下面に溶接やビス止め固定し、下端面24を地面側金属板eの上面に溶接やビス止め固定する。
このように、コイルバネPを構成する帯板材23は、図示のように螺旋坂状になっているため、本発明の緩衝履物を履いた状態で、変則的な動きをした場合でも、下端面24に対し上端面21が横ずれしにくい。そのため、特許文献2記載のように上下の横ずれ防止円筒同士が擦れ合ったり、磨耗音が発生したりする恐れはない。
また、帯板材23を螺旋坂状のコイルにしてあるため、全体的なバネ高さが薄いため、足側金属板fと地面側金属板eとの間隔を縮小でき、全体的に薄型の緩衝履物を実現できる。その結果、履いた際の安定性が向上する。
図6は本発明による網カバー付きの緩衝履物の第1実施形態で、(1)は全体の縦断面図である。履物として靴Kを例示してあり、くつ底層1の下面にバネ受け兼用の足側金属板fを重ねてあり、緩衝くつの接地層2の上にバネ受け兼用の地面側金属板eを重ねてある。
足側の金属板fは、くつ底層1のほぼ全面に渡って重ねてあり、互いに接着剤で全面を接着してもよい。また、地面側の金属板eは接地層2のほぼ全面に渡って重ねてあり、互いに接着剤で全面を接着してもよい。全面接着の場合は、足側金属板fや地面側金属板eは一体形状でなく、前後に分断分離した形状が好ましく、くつ底層1や接地層2の柔軟性が増して、足裏の動きになじみやすい。
そして、足側金属板fと地面側金属板eとの間の圧縮コイルバネ収納室19において、踵部から指部に渡って複数個の圧縮コイルバネsを介在させてある。圧縮コイルバネsの上端又は下端と上下の金属板f、eとは、溶接やハンダ付け、ロウ付け、接着剤による接着などの手法で一体に接合してもよいが、加締めやビス止めなどによる一体連結も可能である。
図7において拡大図で示すように、圧縮コイルバネsの下端は、円状の凹溝u中に収納してある。この凹溝の溝底は、平面状も可能だが、図示のようなU溝状が好ましく、圧縮コイルバネsを構成する線材の断面形状が真円であるから、圧縮コイルバネsの下端を溝底深くまで収納できる。
また、図8のように、U溝uの底面に貫通孔Hを間隔をおいて開けておくと、U溝u中の圧縮コイルバネs下端が貫通孔H中に下側から見えるため、上下反転した状態で貫通孔H中にハンダやロウ、接着剤を充填することによって、地面側金属板eのU溝uの部分と圧縮コイルバネsの下端とを接合し連結できる。
貫通孔Hの部分で溶接することによって、地面側金属板eのU溝uの部分と圧縮コイルバネsの下端とを溶接によって接合し連結することもできる。このように、貫通孔Hを利用して溶接したりハンダ付けしたりできる。
凹溝uの側壁又は底部から側壁に至る領域に複数の貫通孔hを開けて、前記の底部貫通孔Hの場合と同様にして、溶接したり、ハンダやロウ、接着剤を充填して接合することもできる。
あるいは、図10(2)のように、凹溝uの底部から側壁に至る領域を矢印a1、a2方向から加圧して、内向きの隆起部33、33を形成して、圧縮コイルバネsの下端部を溝底側に押さえ付けて固定することもできる。
内向きの隆起部33、33に代えて、外側から内側に向けて舌片を加圧形成して、左右両側の舌片で加締め固定することも可能である。
同様にして、足側金属板fにも下面側からU溝を形成できるが、充分な深さを設けるための寸法的な余裕が無いので、図10(2)のように極めて浅いU溝30となり、圧縮コイルバネsの上端が浅溝30に嵌入して、位置ずれを防止できる程度である。
これに対し、地面側金属板eの場合は、その下側に厚手の接地層2が有るので、その中にU溝uの全体を嵌入させ埋設できるので、充分に深いU溝uを形成して、圧縮コイルバネsの下端寄りの20〜60%程度の高さを収納可能とすることが望ましく、緩衝靴全体の高さ寸法を格段と低くできる。
U溝uを形成した地面側金属板eや足側金属板fの前記周壁15、14は、網カバーMの取付けにも利用できる。図6の場合は、圧縮コイルバネsの収納空間19の内部が外から見えないように、前記周壁14と15間を閉鎖する網カバーMを被せて、周壁14と15の外周に接着固定してある。このように、網カバーMでバネ収納室19の外周を覆っているので、内部の空気が容易に出入りでき、内部の異臭も容易に排出できる。
空気の出入りが容易なため、ゴムカバーのように空気圧で膨らんだりすることはなく、体重で折り重なったり、真っ直ぐに延びたりするだけで、見苦しくない。また、雨水が入っても容易に排水して乾燥でき、かつ内部の洗浄も容易である。
網カバーMが破損したりした場合は、接着部分から剥がして、新たな網カバーを接着剤で貼り替えることになる。なお、網カバーMの接着面の上に合成樹脂製の粘着テープなどを重ねて接着し、補強保護したり網カバーMの接着部を隠したりできる。
接着剤による接着に代えて、又は接着と併用すべく、図7〜図9のように、網カバーMの上にテープ状ないしベルト状の保護バンドBを重ね、その上からビスbをねじ込んで周壁14や15の外周に固定してもよい。ビスbは所定の間隔をおいて、多数設けるのが、確実に固定できる。網カバーMが破損した場合は、ビスbを抜いて網カバーを除去し、新たな網カバーを取付けてビスbで固定する。
保護バンドBは、薄手のテープ状から厚手のベルト状まで、いろいろ使用でき、材質もアルミニウムや銅その他の金属、皮革、合成樹脂などを採用できる。
網カバーMは、その網目のサイズ設定は自由である。材質は合成繊維製が適しているが、これに限定はされない。色の設定も自由である。
ところで、以上のように圧縮コイルバネsを介在させるだけでは、開放状態の圧縮コイルバネsに負荷がかかり始める最初の段階では、弾力が弱過ぎて容易に圧縮されるため、大人のように体重の大きな人が履くと、緩衝作用が有り過ぎて、足側金属板fと地面側金属板eとの間隔も大き過ぎる。
その結果、緩衝靴全体の高さ寸法も高過ぎて、デザイン的にも好ましくない。履いて歩いた際の接地層2側の上下ストロークが長く、安定性が悪いので捻挫したり、引っ掛かってつまずいたりする危険もある。
前記のように網カバーMを被せる場合も、網カバーMの領域の高さが高過ぎて、外観が良くない。上下ストロークが長いので、履いて歩くたびに、網カバーMが上下方向に折り重なって見苦しい。したがって、接地層2側の上下ストロークを極力小さくする必要がある。
このように、足側金属板fと地面側金属板eとの間隔を小さくして、緩衝靴全体の高さを低く抑えるには、足側金属板fと地面側金属板eとの間隔が小さくなるように、圧縮コイルバネsが予めある程度圧縮された構造とすることが効果的である。
図10は、圧縮コイルバネsを予め圧縮しておくための各種実施形態である。(1)は全面圧縮タイプで、圧縮コイルバネsの配置の邪魔にならない位置に圧縮ワイヤー26を分散配置してあり、各圧縮ワイヤー26の両端は加圧板27、28を貫通した状態で外側の面に溶接固定してある。
圧縮ワイヤー26は、足側金属板fと地面側金属板eを貫通しており、足側金属板fの上に前記の加圧板27を重ね、地面側金属板eの下に前記の加圧板28を重ねた状態になっている。
図7のように圧縮コイルバネsに全く負荷が作用していない状態の上下寸法Wに対し、図10(1)のように、圧縮ワイヤー26で圧縮コイルバネsを圧縮した状態の上下寸法ωが小さくなるように、予め設定される。
すなわち、圧縮コイルバネsが設定寸法ωとなるように、図7の足側金属板fと地面側金属板eとの間を治具などで締め付け固定した状態で、図10のように、加圧板28に固定した圧縮ワイヤー26の先端を地面側金属板e→足側金属板f→加圧板27の順に貫通させてから、先端を加圧板27の上にL字状に折り曲げて、加圧板27に溶接固定する。
このようにして、図6(2)に示すように、各圧縮コイルバネsを避けた位置で、加圧板27、28を用いて、ピアノ線などから成る圧縮ワイヤー26を配置すると、開放状態の各圧縮コイルバネsが上下寸法ωとなるまで常時圧縮されているので、緩衝靴の全高さ寸法が低くなり、歩行する際の地面側金属板eと接地層2の上下ストロークも短縮され、履きやすく、歩行し易くなる。
全体重を受けて、上下寸法ωの状態の圧縮コイルバネsが更に圧縮されると、圧縮ワイヤー16は容易に座屈して曲がるので、何ら問題はない。
ワイヤー26に代えて、引っ張りに強い紐や鎖なども使用可能である。容易に座屈して曲がるような帯板バネ材、例えばゼンマイ用のバネ材を使用してもよい。この場合は、加圧板27、28を省いて、地面側金属板eの下面や足側金属板fの上面に直接溶接固定することもできる。
図10(2)は、嵌入凹溝u外面に環状ワイヤー32で巻き付けて締め付け圧縮するタイプで、図7のU溝uの溝開口の外側にワイヤー孔29・29を開けてあり、足側金属板fの圧縮コイルバネsの受け溝30の外側にワイヤー孔31・31を開けてある。そして、前記のように、圧縮コイルバネsを上下寸法ωとなるように、足側金属板fと地面側金属板e間を治具などで締め付け固定した状態で、U溝uの溝開口の外側のワイヤー孔29・29と足側金属板fのバネ受け溝30の外側のワイヤー孔31・31に圧縮ワイヤー32を挿通して、環状に巻きつけた状態で、ワイヤー両端同士を溶接などの手法で連結固定する。
このようにして、各圧縮コイルバネsにおいて、円周方向に120度間隔に3か所又は、図10(4)のように90度間隔に4か所程度に環状ワイヤー32を配設し締め付けおくと、各圧縮コイルバネsを上下寸法ωの状態に圧縮しておくことができる。
図10(3)は、環状ワイヤー32を使用するが、圧縮コイルバネsを治具などで締め付け圧縮して、上下寸法ωとした状態で、圧縮コイルバネs自体に直接に環状ワイヤー32を巻き付けて、ワイヤー両端を溶接などで連結固定してある。
図10(4)のように圧縮コイルバネsの円周方向に90度間隔に4か所で、前記の環状ワイヤー32巻き付け、圧縮状態に締め付けてあるが、120度間隔に3か所でもよく、更に増やしてもよい。
圧縮ワイヤー32も、例えばゼンマイ用の板バネ材等を使用しもよい。全体重で圧縮コイルバネsが極限まで加圧圧縮されても、圧縮ワイヤー32やゼンマイ用の板バネ材は容易に座屈し屈曲できるので、何ら障害とならない。
なお、各環状ワイヤー32を避けるための切り欠きやスリット、凹溝などを足側金属板fや地面側金属板e、バネ受け部に形成しておき、圧縮コイルバネsのバネ受け作用の邪魔にならないように配慮する必要がある。
図10のように、圧縮コイルバネsを高さ寸法ωまで常時圧縮しておくと、歩行時に圧縮コイルバネsが開放される度に、圧縮状態に引っ張っておくワイヤーや紐、鎖、帯板バネ材などに衝撃が作用して音を発したり、振動を発する恐れがあるので、圧縮量は圧縮コイルバネsの全高さ寸法の10〜20%程度以内が限度である。
この衝撃力を解消するには、図11のように引っ張りコイルバネs1を圧縮コイルバネsの内部に配置し、足側金属板fと地面側金属板eを引っ張ることも有効である。この場合、引っ張りバネ力を、圧縮コイルバネsの反発力の例えば8〜15%程度に設定すると、高さWの開放状態の圧縮コイルバネsが引っ張られて、高さ寸法をωに縮小できる。引っ張りコイルバネs2のように、圧縮コイルバネsの外側に配置してもよい。
このように、引っ張りコイルバネs1および/又はs2で常時引っ張っていると、常に引っ張り力が作用して圧縮コイルバネsの圧縮力は低減されるが、図10のように圧縮コイルバネsの開放時に衝撃力が発生するという問題は解消される。
また、圧縮コイルバネsが体重で圧縮される際は、引っ張りコイルバネs1および/又はs2による引っ張り力は低下していき、影響は低減していくので、圧縮コイルバネsとしての働きが犠牲になることはない。
しかも、図10、図11のように、圧縮コイルバネsを挟んだ状態で足側金属板fと地面側金属板eとを連絡すると互いに分離することはないため、圧縮コイルバネsの上下端と足側金属板fや地面側金属板eとの溶接固定などの連結手段を省くこともできる。また、足側金属板fと地面側金属板eとの間の横ずれや横揺れも少なくなる。
以上の実施形態において、踵から指部の間の領域に配設する各圧縮コイルバネs…は、それぞれの各方向のサイズは自由であり、それぞれの配置部位や個数も自由であって、特に制限されない。径の異なる圧縮コイルバネsを2個以上同心円状に配置して、反発バネ力を増強することもできる。
足側金属板fや地面側金属板eは、バネ受けを兼ねているが、専用のバネ受けを設けてもよい。
なお、本発明は、前記実施形態のような靴類のほか、サンダルなどにも適用できる。足側金属板fと地面側金属板eは、薄い金属板が適しているが、硬質の合成樹脂板も採用可能である。この場合、バネ受け部だけは、硬質の金属板が望ましい。
以上のように、本発明によると、足側金属板fと地面側金属板eとの間において、踵側から指側に渡る領域に複数の圧縮コイルバネを介在させるので、緩衝作用に優れた圧縮コイルバネを利用することで、履物から脳や脊椎に及ぼす衝撃を極力緩和し緩衝できる緩衝履物を実現可能となる。
したがって、脳や脊椎に及ぼす悪影響を防止する必要性のある人や脳や脊椎に障害を持つ人に特に有効である。
しかも、圧縮コイルバネの収納空間の外周に網カバーを被せて通気・通水性を保ち、かつ容易に内部が見えない構造にしてあり、また圧縮コイルバネを圧縮状態にして高さ寸法を低くできるので、安定が良く履きやすく、安全である。
本発明による緩衝履物の第1実施形態で、(1)は全体の縦断面図、(2)は上下の金属板f、e間に圧縮コイルバネsを介在させた状態の縦断面図、(3)はA−A方向の底面図、(4)(5)は内層7の平面図である。 緩衝ゴムを取付けた各実施形態である。 足側金属板と地面側金属板の外周に周壁を設けた実施形態である。 図3の実施形態の改良構造である。 螺旋坂状圧縮コイルバネを用いた実施形態である。 本発明による緩衝履物のU溝構造の実施形態で、(1)は全体の縦断面図、(2)はA−A方向の平面図である。 図6の緩衝履物の前半部の拡大断面図である。 図7の緩衝履物のA−A平面図である。 本発明の網カバー構造の実施形態で、(1)は全体の縦断面図(網カバーのみは側面図)、(2)はA−A方向の平面図である。 圧縮コイルバネを予め圧縮して高さ寸法を縮小するための各種実施形態で、(1)は全面圧縮タイプ、(2)は凹溝巻き付けタイプ、(3)(4)は圧縮コイルバネ自体を圧縮するタイプである。 圧縮コイルバネの内外に引っ張りコイルバネを配設した実施形態の縦断面図である。 代用弾性層を設けることによって、土踏まず側の圧縮コイルバネと、踵側又は指側の圧縮コイルバネを省いた実施形態を示す部分断面側面図である。
符号の説明
1 中底層
f 足側金属板
2 外底層
e 地面側金属板
s 圧縮コイルバネ
R バネ受け板
3 ワッシャー状板
4・8 ネジ
5・9 ナット
6 蓋
7 内層
10・11 ネジ挿通孔
H・h 貫通孔
Hb 軽量化孔
12 緩衝ゴム
12F 圧縮コイルバネ領域以外に設けた弾性層
12f 代用弾性層
12c ワニ口状の開閉口
13・13b 蝶番
14・15 周壁
V 切除部
U 折り返し部
16・16’・16f 結束紐挿通孔
17・22 結束紐又は着脱面テープ
18 遮蔽壁
19 圧縮コイルバネ収納室
20 空気孔
P 螺旋坂状コイルバネ
21 上端面
23 帯板材
24 下端面
B 保護バンド
b ビス
M 網カバー
u U溝
26 圧縮ワイヤー(帯板バネ材)
27・28 加圧板
29・31 ワイヤー孔
30 圧縮コイルバネsの受け溝
32 環状の圧縮ワイヤー(帯板バネ材)
s1・s2 引っ張りコイルバネ

Claims (16)

  1. 中底層側並びに外底層側に踵部から指先部に渡って、バネ受け兼用又はバネ受けを有する金属板を敷設すると共に、両金属板の間において、踵部から指先部に渡って緩衝用の圧縮コイルバネを複数個、分散して介在させるか、又は圧縮コイルバネは指側又は踵側のみとし、他の圧縮コイルバネの領域には、両金属板の間にサンドイッチされた弾性層を拡張して代用することを特徴とする緩衝履物。
  2. 前記の中底層の内面に内層を重ねると共に、前記内層と前記中底層と前記金属板とを分離不能に接着又は連結固定してあることを特徴とする請求項1に記載の緩衝履物。
  3. 前記の圧縮コイルバネの存在しない領域において、前記の片方の又は両方の金属板の圧縮コイルバネ側の面に第2緩衝手段を取付けてあることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の緩衝履物。
  4. 土踏まずから指先に到る領域又は全領域において、前記の片方の又は両方の金属板にヒンジ手段を介在させるか金属板の板厚を薄くして可撓性を持たせてあることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載の緩衝履物。
  5. 前記の金属板が部分的又は全面的に可撓性又は柔軟性に富んだ構成としたことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの項に記載の緩衝履物。
  6. 前記の金属板の外周に上向きおよび/又は下向きの周壁を設けることによって前記の中底層および/又は外底層を部分的又は全面的に囲う構造とし、
    前記のヒンジ手段又は足裏屈曲変形領域と対応する部位の周壁を中断させてあることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の緩衝履物。
  7. 足側の金属板の左右周壁の立ち上がり寸法よりも足指側周壁の立ち上がり寸法を高くし、踵側周壁の立ち上がり寸法を更に高くしてあることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかの項に記載の緩衝履物。
  8. 足側の金属板の外周付近又は上向きおよび/又は下向きの周壁に、結束手段用の挿通孔を開けてあることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の緩衝履物。
  9. 前記の圧縮コイルバネは、バネ性の帯板を螺旋坂状に形成してなる螺旋坂状圧縮コイルバネであることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれかに記載の緩衝履物。
  10. 足側バネ受け部と地面側バネ受け部との間のバネ収納室に圧縮コイルバネを介在させる緩衝履物において、
    バネ収納室の外周を網体でカバーしてなることを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかに記載の緩衝履物。
  11. 少なくとも外底層側のバネ受け部を円状ないし環状の凹溝とし、その中に前記圧縮コイルバネの端部寄りを収納する構造としたことを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれかに記載の緩衝履物。
  12. 前記凹溝の底部はU溝状の凹曲面となっていることを特徴とする請求項11に記載の緩衝履物。
  13. 前記金属板又は凹溝の底部ないし側壁に至る領域に、接合用の貫通孔を開けて、バネ受け部と圧縮コイルバネの端部とを溶接又は半田付け、ロウ付けなどの接合手段で接合してなることを特徴とする請求項1〜12に記載の緩衝履物。
  14. 前記の凹溝の側壁から圧縮コイルバネの端部を押さえるような舌片又は隆起部を押し出し形成して加締めてなることを特徴とする請求項11、請求項12または請求項13に記載の緩衝履物。
  15. 中底層側のバネ受け部と外底層側のバネ受け部との間隔が小さくなるように、引っ張りコイルバネ、ワイヤー、紐、鎖又は帯板バネ材によって、圧縮コイルバネが予めある程度圧縮される構造とすることを請求項1から請求項14までのいずれかに記載の緩衝履物。
  16. 中底層側のバネ受け部と外底層側のバネ受け部との間のバネ収納室に圧縮コイルバネを介在させた緩衝履物において、
    バネ収納室の外周を網体でカバーすることによって、空気や水は容易に出入りできるが、内部は見えづらくすることを特徴とする緩衝履物におけるバネ収納空間の遮蔽方法。
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