JPWO2009066446A1 - ビーム走査型表示装置、表示方法、及び自動車 - Google Patents

ビーム走査型表示装置、表示方法、及び自動車 Download PDF

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Abstract

ビーム走査型表示装置(10)は、ユーザの網膜にビームを走査して画像を表示するものであって、画像を構成する各画素を描画するビームを出力する光源(101)、及び光源(101)からのビームを2次元方向に走査させる走査部(103)を収納する筐体(11)と、走査部(103)で走査されたビームを筐体(11)が装着されたユーザの眼の網膜に向かう方向へ偏向する偏向部(104)を有し、筐体(11)とは別体のコンタクトレンズ(12)とを備える。

Description

本発明は、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)等の表示装置に関するものである。
従来、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)等の表示装置において、レーザ光を2次元走査して、眼の網膜に直描する方式(以下、レーザ走査方式、と記す)がある。(例えば、特許文献1参照)。レーザ走査方式の表示装置は、網膜走査ディスプレイ(Retinal Scanning Display:RSD)、網膜照射ディスプレイ、網膜直描ディスプレイ、レーザ走査ディスプレイ、直視型表示装置、仮想網膜ディスプレイ(Virtual Retinal Display:VRD)、などとも呼ばれている。
また、レーザ走査方式で、メガネ型のHMDとする方式も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、HMDともレーザ走査方式とも異なるが、表示装置をコンタクトレンズのように眼に装着する方式も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
また、視線検出方法としては、赤外光を眼に照射し、その反射光を用いて視線検出する方式(例えば特許文献4)や、走査したレーザ光の眼からの反射光を用いて視線検出する方式(例えば特許文献5)がある。
特許第2932636号公報 特開2005−70671号公報 特開2005−311823号公報 特許第2995876号公報 特許第3425818号公報
メガネが嫌いでコンタクトレンズを使用しているユーザなど、メガネを常用していないユーザにとって、眼鏡型のHMDは、装着性に関して課題が生じる場合がある。例えば、メガネをしている容姿が嫌いである課題や、メガネを外した際に、装着した跡が鼻などに残る課題や、メガネの装着によって鼻などの接触部分の化粧が崩れる課題などがある。これらメガネに関する装着性の課題は、メガネ型HMDにおいても同様に課題となる。
また、前記特許文献3では、コンタクトレンズ型表示装置を提案し、これによってメガネの装着性の課題を回避している。しかし特許文献3の方式では、コンタクトレンズ部が光源や光導波路や伝播光放出部の2次元配列などを含む方式であり、小型化や透過性確保や電源供給など実現には多くの課題が残されている。
本発明は前記課題を解決するもので、レーザ走査方式のディスプレイで、装着性の課題を解決するレーザ走査型表示装置を実現することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のビーム走査型表示装置は、ユーザの網膜にビームを走査して画像を表示するものであって、画像を構成する各画素を描画するビームを出力する光源、及び前記光源からのビームを2次元方向に走査させる走査部を収納する筐体と、前記走査部で走査されたビームを、前記筐体を装着するユーザの眼の網膜に向かう方向へ偏向する偏向部を有し、前記筐体とは別体のコンタクトレンズとを備える。本構成のように、筐体とコンタクトレンズとを別体としたことによって、メガネ型HMDでの装着性に関する課題が解決され、メガネによって容姿が変わることを回避できる効果がある。
また、前記偏向部は、前記コンタクトレンズの表面に形成されるホログラムであってもよい。本構成によって、偏向部を薄くできる結果、コンタクトレンズの装着性が向上する。また、回折の角度選択性を活用することで、走査部と偏向部との相対位置関係が変化して、偏向部へのビーム入射角が変化した場合でも、網膜に映像を表示させられる効果がある。さらに、回折の周波数選択性を活用することで、レーザ色とその他の色で異なる回折角とできるので、表示を見ながら外の光景も見える透過型(シースルー)の表示装置とできる効果がある。
また、前記ホログラムは、第1の方向から入射したビームを前記網膜に向かう方向へ偏向する第1の干渉縞と、前記第1の方向と異なる第2の方向から入射したビームを前記網膜に向かう方向へ偏向する第2の干渉縞とを有してもよい。
一実施形態として、前記第1及び第2の方向は、前記コンタクトレンズが眼球の表面に沿って所定の角度だけ自転した前後における、前記走査部から前記ホログラムに向かう方向である。本構成によって、コンタクトレンズが眼に装着中に回転しても、走査部からのビームを網膜の方向へ偏向できるので、映像が見えなくなる状況を軽減できる効果がある。
他の実施形態として、前記第1及び第2の方向は、前記コンタクトレンズが眼球中心を中心として所定の角度だけ公転した前後における、前記走査部から前記ホログラムに向かう方向である。本構成によって、コンタクトレンズが眼球回転に伴って移動しても、走査部からのビームを偏向部が網膜に向かう方向へ偏向でき、映像が見える効果がある。
また、前記コンタクトレンズは、眼球の表面に沿って自転することを抑制する自転抑制部を有してもよい。本構成によって、コンタクトレンズが眼に装着中に回転しにくくなるので、回転によって映像が見えなくなる状況を軽減できる効果を持つ。
また、前記自転抑制部は、前記コンタクトレンズの一部であり、他の部分と密度が異なってもよい。本構成によって、コンタクトレンズに容易に回転抑制特性を持たせられるので、安価で迅速に、回転によって映像が見えなくなる状況を軽減できる効果を持つ。
また、本発明のビーム走査型表示装置は、さらに、前記光源から出力されたビームの前記コンタクトレンズからの反射光を検出する光検出部と、前記光検出部の検出結果に基づいて、前記走査部と前記偏向部との相対位置の変化を検出する相対位置検出部と、前記相対位置検出部の検出結果に基づいて、前記偏向部に入射するビームが網膜に向かう方向に入射するように、前記走査部の走査角を制御する走査角制御部とを備える。本構成によって、コンタクトレンズからの反射光を用いてコンタクトレンズとの位置を検出しやすくなる結果、位置変化に伴う表示映像の、画質や位置ずれなどの劣化を軽減できる効果がある。
また、前記コンタクトレンズは、反射特性が他の部分と異なる特徴点を有する。前記光検出部は、前記特徴点からの反射光を検出する。そして、前記相対位置検出部は、予め定めた前記特徴点の基準位置と、前記光検出部によって検出された前記特徴点の位置との差分によって、前記走査部と前記偏向部との相対位置の変化を検出してもよい。本構成によって、走査部とコンタクトレンズとの位置関係を検出しやすくなる結果、位置変化に伴う表示映像の、画質や位置ずれなどの劣化を軽減できる効果がある。
また、前記特徴点は、前記コンタクトレンズの頂上部より前記走査部に近い位置に配置されてもよい。これにより、光検出部が特徴点の位置を確実に検出することができる。
また、前記走査部は、前記偏向部よりもユーザにとって前方に配置されてもよい。本構成によって、偏向部へのビーム入射角を減少させられる結果、ホログラムの回折効率が向上し、より高画質、大画面な表示とできる効果がある。また、ビームが皮膚などによって遮られる状況が軽減できる結果、映像が見えなくなる状況を減らせる効果がある。
また、前記走査部は、前記偏向部よりもユーザにとって下方に配置されてもよい。本構成によって、上瞼によってビームが遮られる状況が軽減できる結果、映像が見えなくなる状況を減らせる効果がある。また、眼と同等の位置にあるものを見る場合に、走査部が視線を遮ることを軽減できる結果、ユーザが他人の顔や眼を見る際に表示装置が視線を遮ることを避けられる効果がある。同様に、他人にユーザの顔を見せる際に、表示装置に遮られることなくユーザの眼を見せられる効果がある。
また、前記走査部は、ユーザ頭部の左右方向で、耳と前記偏向部との間の位置に配置されてもよい。本構成によって、左眼用走査部を左眼より左に配置することで、ユーザが正面を向いている際にユーザの中心視野を遮ることを軽減できる効果がある。右眼用走査部を右眼より右に配置した場合も同様の効果がある。また、左眼用走査部を左耳より右に配置することで、走査部と偏向部との距離を短縮できる結果、走査部での必要ビーム径を縮小できる場合があり、走査部の走査ミラーを小型化できる効果がある。また、同じ走査ミラーサイズの場合は、距離を短縮できると、より太いビーム径を走査できるようになる結果、ビームを網膜上で絞ったサイズを縮小できるので、より高解像度な表示を行える効果もある。右眼用走査部を右耳より左に配置しても同様の効果がある。
また、前記筐体は、ユーザの側頭部によってのみ支持されてもよい。本構成によって、表示装置がメガネ型ではなくなるので、メガネの装着性に関する課題が解決され、メガネを外した際に、装着した跡が鼻などに残らなくなる効果や、装着によって鼻などの接触部分の化粧が崩れることがなくなる効果がある。
また、前記筐体は、ユーザの側頭部との接触位置より前方に位置する第1の部分と、前記接触位置より後方に位置し、前記接触位置まわりのモーメントが前記第1の部分と実質的に釣り合う第2の部分とで構成されてもよい。本構成によって、筐体の重心位置が、耳付近の側頭部接触位置の周辺位置となるため、装着ずれを軽減でき、装着ズレに伴う画質劣化を減少できる効果がある。また、接触部付近に重心があることで、ユーザが感じる重量を軽減できる効果もある。
また、前記接触位置は、ユーザの耳の付け根である。そして、前記第2の部分には、該ビーム走査型表示装置を駆動する電池が配置されてもよい。本構成によって、充電池を含む筐体の重心位置が、耳付近の側頭部接触位置の周辺位置となるため、装着ずれを軽減でき、装着ズレに伴う画質劣化を減少できる効果がある。また、接触部付近に重心があることで、ユーザが感じる重量を軽減できる効果もある。
本発明に係る表示方法は、光源及び走査部を有する筐体と、偏向部を有し、前記筐体とは別体のコンタクトレンズとを備えるビーム走査型表示装置で画像を表示する表示方法であって、前記光源から画像を構成する各画素を描画するビームを出力するビーム出力ステップと、前記ビーム出力ステップで出力されたビームを2次元方向に走査させる走査ステップと、前記走査ステップで走査されたビームを前記偏向部でユーザの眼の網膜に向かう方向へ偏向する偏向ステップと、前記ビーム出力ステップで出力されたビームの前記コンタクトレンズからの反射光を検出する光検出ステップと、前記光検出ステップでの検出結果に基づいて、前記走査部と前記偏向部との相対位置の変化を検出する相対位置検出ステップと、前記相対位置検出ステップでの検出結果に基づいて、前記偏向部に入射するビームが網膜に向かう方向に入射するように、前記走査部の走査角を制御する走査角制御ステップとを含む。
なお、本発明は、このようなビーム走査型表示装置として実現できるだけでなく、ビーム走査型表示装置の機能を実現する集積回路として実現したり、そのような機能をコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体及びインターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。また、本発明は、このような表示装置の機能を実現する集積回路として実現したりもできる。
この発明に係る自動車は、請求項1に記載のビーム走査型表示装置を搭載しており、具体的には、前記コンタクトレンズを装着したドライバーが着席する運転席と、ドライバーが装着した前記コンタクトレンズに対してビームを走査可能な位置に、前記筐体を保持する筐体保持部とを備える。
本発明によれば、光源等を収納する筐体と、偏向部を備えるコンタクトレンズとを別体としたので、装着性の向上したレーザ走査型表示装置を得ることができる。
図1は、本発明の実施の形態1に係るビーム走査型表示装置の平面図である。 図2は、本発明の実施の形態1に係るビーム走査型表示装置の側面図である。 図3は、本発明の実施の形態1に係るビーム走査型表示装置の詳細構成図である。 図4は、本発明の実施の形態1に係るビーム走査型表示装置の制御部の構成図である。 図5は、本発明の実施の形態1に係る走査部と偏向部の位置関係の一例を示す図である。 図6は、本発明の実施の形態1に係る走査部と偏向部の位置関係の他の例を示す図である。 図7は、本発明の実施の形態1に係る偏向部の一例を示す図である。 図8は、本発明の実施の形態1に係る偏向部の他の例を示す図である。 図9は、本発明の実施の形態1に係るビーム走査型表示装置の動作を説明するフローチャートである。 図10は、本発明の実施の形態2に係るビーム走査型表示装置の構成図である。 図11は、本発明の実施の形態3に係るビーム走査型表示装置の構成図である。
符号の説明
10 ビーム走査型表示装置
11 筐体
12 コンタクトレンズ
101 光源
102 波面形状変更部
103,103A,103B,103C 走査部
104 偏向部
105 制御部
106 ヘッドホン部
106A スピーカー
106B バッテリー
201 焦点距離水平成分変更部
202 焦点距離垂直成分変更部
211 赤色レーザ光源
212 青色レーザ光源
213 緑色レーザ光源
214 光検出部
401 自転抑制部
501 中央処理部
501a 相対位置検出部
501b 走査角制御部
502 記憶部
503 入出力制御部
510 光源入出力制御部
511 波面形状変更入出力制御部
512 走査入出力制御部
513 偏向入出力制御部
514 ヘッドホン入出力制御部
515 電源入出力制御部
516 通信入出力制御部
520 通信部
601A,601B 特徴点
1000 車
1001 運転席
1002 筐体保持部
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1〜図4を参照して、本発明の実施の形態1に係るビーム走査型表示装置10を説明する。なお、図1はビーム走査型表示装置10の平面図、図2はビーム走査型表示装置10の側面図、図3は図1の一部の詳細構成図、図4はビーム走査型表示装置10の機能ブロック図である。
まず、図1及び図2に示されるように、ビーム走査型表示装置10は、ユーザの側頭部に固定される筐体11と、ユーザの眼に装着されるコンタクトレンズ12とを備え、ユーザの網膜にビームを走査して画像を表示する。なお、図1及び図2から明らかなように、筐体11とコンタクトレンズ12とは、それぞれ独立した部材(別体)である。
筐体11は、光源101と、波面形状変更部102と、走査部103と、制御部105と、ヘッドホン部106とを備える。なお、この実施形態におけるヘッドホン部106は、図2に示されるように、音声を出力するスピーカー106Aと、ビーム走査型表示装置10を駆動させるバッテリー106Bとを備える。一方、コンタクトレンズ12の表面には、偏向部104が設けられている。
光源101は、画像を構成する各画素を描画するビームを出力する。出力するビームは、図3に示すように、赤色レーザ光源211と、青色レーザ光源212と、緑色レーザ光源213から出力される各レーザ光を合波したレーザ光であり、各色レーザ光源211、212、231の出力を適切に変調することで、任意の色のレーザ光を出力できる。さらに、波面形状変更部102や走査部103などと連動させて変調することで、ユーザの眼の網膜上に映像を表示できる。
なお、図3では、赤色レーザ光源211は赤色のレーザを出力する半導体レーザ光源であり、青色レーザ光源212は青色のレーザを出力する半導体レーザ光源である。一方、緑色レーザ光源213は、赤外線を出力する半導体レーザ光源と、赤外線を緑色に変換するSHG(Second−Harmonic Generation:第2次高調波発生)素子とを組み合わせて構成されている。しかしながら、これに限ることなく、緑色レーザ光源213を緑色のレーザを出力する半導体レーザ光源としてもよいし、各光源を固体レーザ、液体レーザ、ガスレーザ、発光ダイオードとしてもよい。
なお、図3では各レーザ光源211、212、213でレーザ光の変調を行っているが、各レーザ光源211、212、213から出力された光を変調する強度変調部を、各レーザ光源211、212、213と組み合わせて用いることで、レーザ光を変調してもよい。これにより、一定強度で出力するレーザ光源211、212、213でも、強度変調部と組み合わせることで、本発明に適用できる効果がある。
なお、光源101は、さらに光検出部214を含んでもよい。光検出部214は、コンタクトレンズ12からの反射光やユーザの眼の角膜からの反射光の強度を検出することで、コンタクトレンズ12の位置やユーザの視線方向を検出できる。偏向部104により眼の方向へ偏向されたビームの多くは、角膜表面に対して斜めから入射するが、眼球に対して正面からのビームは、角膜表面に対して垂直に入射するために、ビームの反射率が比較的高くなる。そこで、反射光の強度検出によって視線方向を検出できる。コンタクトレンズ12や視線方向の検出動作については、後述する動作説明で述べる。
波面形状変更部102は、光源101からのビームの波面形状を変化させて、偏向部104で偏向されたビームのスポットサイズを所定の範囲内となるようにする。なお、ビームの「スポットサイズ」とは、ユーザの眼の網膜でのスポットサイズとして、以後説明するが、瞳孔でのスポットサイズ、角膜でのスポットサイズ、偏向部でのスポットサイズでもよい。網膜でのスポットサイズは、表示する画素サイズと同一である。また、「波面形状」とはビーム波面の3次元形状であり、平面、球面、非球面の形状を含む。
波面形状変更部102は、図3に示されるように、焦点距離水平成分変更部201と、焦点距離垂直成分変更部202とを光路に直列に配置している。これによって、ビームの水平方向の曲率と垂直方向の曲率とを独立して変更できる。焦点距離水平成分変更部201は、シリンドリカルレンズとミラーとの距離を変更することで水平方向の曲率を変更している。焦点距離垂直成分変更部202は、焦点距離水平成分変更部201のシリンドリカルレンズに対して垂直に配置したシリンドリカルレンズを用いることで、垂直方向の曲率を変更している。また、焦点距離水平成分変更部201及び焦点距離垂直成分変更部202ともに、曲率の変更に伴い、ビームの直径も変更している。
なお、水平方向の曲率を垂直方向よりも大きく変化させると、水平方向の変化に、より大きく対応できるので、画面の水平視野角を垂直視野角より大きくしたい場合や、側頭部に走査部103を配置する場合など、走査部103から偏向部104へのビームの水平入射角が垂直入射角よりも大きい場合に、特に有効となる。
なお、図3では、波面形状を表す項目のなかで、水平方向の曲率と垂直方向の曲率とそれぞれの直径という波面形状の一部のみを変更しているが、他の項目として波面内での曲率の分布や、波面端の形状やサイズなどを変更する手段があってもよい。これにより、網膜に到達するビームの収差を補正したり、ビーム形状を変化させたりできる効果がある。
なお、図3の波面形状変更部102では、シリンドリカルレンズとミラーを用いて波面形状を変更するが、他の手段として、液晶レンズや、液体レンズ等の可変形状レンズや、回折素子や、EO素子(電気−光変換素子)などを用いてもよい。
走査部103は、波面形状変更部102からのビームを2次元走査する。走査部103は、角度を2次元的に変更できる単板小型ミラーであり、より具体的には、MEMS(Micro−Electro−Mechanical−System)ミラーである。
なお、走査部103は水平走査用と垂直走査用のように2種以上の走査部の組合せで実現してもよい。水平走査部と垂直走査部とに分割することにより、一方の振動が他方に影響しにくくなる効果や、走査部のしくみが単純にできるものがある。
なお、走査部103はミラーを物理的に傾ける方法に限定されず、レンズを移動したり、回折素子を回転する方法や、液晶レンズや可変形状レンズや、AO素子(音響光学素子)やEO素子(電気−光変換素子)などの偏向素子を用いる方法でもよい。
偏向部104は、走査部103で走査されたビームの向きをユーザの眼に向かう方向へ偏向する。偏向部104では、コンタクトレンズ12の表面に、例えばフォトポリマー層を形成し、フォトポリマー層にリップマン体積ホログラムを形成することによって、走査部103からのビームをユーザの眼の網膜に回折するように製作されている。
フォトポリマー層には赤色、緑色、青色、それぞれの光源からの光を反射する3つのホログラムを多重に形成してもよいし、それぞれの色の光に対応した3層のホログラムを積層してもよい。また、ホログラムの波長選択性を用いることで、光源波長の光のみを回折させ、外界からの光のほとんどを占める光源波長以外の波長の光を回折させないように製作することで、透過型のディスプレイにできる。ホログラムの回折によってビームを偏向することで、偏向部104を薄くできる結果、コンタクトレンズ12装着時の違和感を解消することができる。
なお、コンタクトレンズ12は、度数が0でもよい。また、偏向部104はホログラムなどの回折素子による偏向に限定されず、凹面鏡などのミラーや、凸レンズなどのレンズでもよい。
制御部105は、HMD各部を制御する集積回路を備える。制御部105は、図4に示されるように、中央処理部501、記憶部502、入出力制御部503、及び通信部520を備えてもよい。
中央処理部501は、光検出部214が検出した反射光に基づいて、走査部103と偏向部104との相対位置の変化を検出する相対位置検出部501aと、相対位置検出部501aの検出結果に基づいて、偏向部104に入射するビームが網膜に向かう方向に入射するように、走査部103の走査角を制御する走査角制御部501bとを含む。
記憶部502は制御部105で用いるデータを記憶する。
入出力制御部503は、制御部105の制御対象となる光源101、波面形状変更部102、走査部103、偏向部104、ヘッドホン部106、バッテリー106B、及び通信部520などへの制御信号出力や制御対象からの信号入力を制御する。入出力制御部503は制御対象種別毎に、光源入出力制御部510、波面形状変更入出力制御部511、走査入出力制御部512、偏向入出力制御部513、ヘッドホン入出力制御部514、電源入出力制御部515、通信入出力制御部516から構成される。入出力制御部503で入出力に関連した処理を実行することで、中央処理部501の負荷を下げられる効果がある。中央処理部501は、記憶部502や入出力制御部503と信号を受け渡しして情報処理を実行する。具体的な制御の方法は、後述する動作説明で述べる。
通信部520は、携帯電話等の周辺機器と無線接続して映像音声信号を受信する。これにより、HMDと周辺機器の接続がワイヤレスとなり、HMDの装着性を向上させられる効果がある。
なお、図1に示すように、走査部103は、偏向部104よりもユーザにとって前方に配置されてもよい。これによって、偏向部104へのビーム入射角を減少させられる結果、ホログラムの回折効率が向上し、より高画質、大画面な表示にできる効果がある。また、ビームが皮膚などによって遮られる状況が軽減できる結果、映像が見えなくなる状況を減らせる効果がある。
なお、図2に示すように、走査部103は、偏向部104よりもユーザにとって下方に配置されてもよい。これによって、上瞼によってビームが遮られる状況が軽減できる結果、映像が見えなくなる状況を減らせる効果がある。また、眼と同等の位置にあるものを見る場合に、走査部103が視線を遮ることを軽減できる結果、ユーザが他人の顔や眼を見る際にビーム走査型表示装置10が視線を遮ることを避けられる効果がある。同様に、他人にユーザの顔を見せる際に、ビーム走査型表示装置10に遮られることなくユーザの眼を見せられる効果がある。
なお、図1に示すように、走査部103は、ユーザ頭部の左右方向で、耳と偏向部104との間の位置に配置してもよい。左眼用の走査部103を左眼より左に配置することで、ユーザが正面を向いている際にユーザの中心視野を遮ることを軽減できる効果がある。右眼用走査部を右眼より右に配置した場合も同様の効果がある。また、左眼用の走査部103を左耳より右に配置することで、走査部103と偏向部104との距離を短縮できる結果、走査部103での必要ビーム径を縮小できる場合があり、走査部103の走査ミラーを小型化できる効果がある。また、同じ走査ミラーサイズの場合は、距離を短縮できると、より太いビーム径を走査できるようになる結果、ビームを網膜上で絞ったサイズを縮小できるので、より高解像度な表示を行える効果もある。右眼用走査部を右耳より左に配置しても同様の効果がある。
なお、図1に示すように、筐体11は、ユーザの側頭部のみによって固定されるようにしてもよい。具体的には、耳の付け根の部分で筐体11を支持するようにし、ユーザの鼻や額に筐体11を接触させないようにしてもよい。これによって、ビーム走査型表示装置10がメガネ型ではなくなるので、メガネの装着性に関する課題が解決され、メガネを外した際に、装着した跡が鼻などに残らなくなる効果や、装着によって鼻などの接触部分の化粧が崩れることがなくなる効果がある。
なお、図2に示すように、筐体11は、側頭部接触位置より前方の筐体前方部(第1の部分)と、側頭部接触位置より後方の筐体後方部(第2の部分)とで、側頭部接触位置まわりのモーメントが実質的に釣り合うように構成されている。図2では耳上方の側頭部を筐体11との接触位置としている。これによって、筐体11の重心位置が、耳付近の側頭部接触位置の周辺位置となるため、装着ずれを軽減でき、装着ズレに伴う画質劣化を減少できる効果がある。また、接触部付近に重心があることで、ユーザが感じる重量を軽減できる効果もある。
ここで、図2から明らかなように、側頭部接触位置から筐体前方部の前端までの距離は、側頭部接触位置から筐体後方部の後端までの距離より長いので、両者のモーメントを釣り合わせるためには、筐体後方部を筐体前方部より重くしなければならない。そこで、筐体後方部に、構成要素の中で最も重いバッテリー106Bを配置すればよい。
なお、走査部103を含む筐体11は、図1のように頭部に接触する形態としてもよいし、ユーザ周辺の壁や柱や机や椅子や卓上電気スタンドなどに固定的に配置されていてもよいし、携帯電話端末などの持ち運び可能な端末に配置されていてもよい。
なお、図1、図2、図3における偏向部104以外の各手段や各部は、1つの筐体11に含まれていてもよいし、複数以上の筐体に含まれてもよい。例えば光源101が走査部103とは別の筐体に含まれていてもよいし、ヘッドホン部106がなくてもよい。また、各部が分散配置していてもよい。例えば、制御部105が走査部103や波面形状変更部102に一部含まれていてもよい。また、各部は、複数存在してもよい。例えば、左眼用と右眼用に走査部103が2つあってもよい。また、ユーザに装着された筐体11の走査部103と、公的な空間に設置された走査部103から、同一の偏向部104へビームを走査してもよい。また、1つの走査部103から左眼用の偏向部104と右眼用の偏向部104の両方にビームを走査してもよい。複数の機器で各部を共有してもよい。例えば、光源101を2つの表示装置で共有してもよい。
ここで、上記構成のビーム走査型表示装置10は、走査部103を含む筐体11と、偏向部104を含むコンタクトレンズ12とを別体として構成している。その結果、コンタクトレンズ12が動くことによって、走査部103と偏向部104との相対位置が変化してしまう。
そこで、ホログラムによる回折の角度選択性を活用することで、走査部103と偏向部104との相対位置関係が変化して、偏向部104へのビーム入射角が変化した場合でも、網膜に映像を表示させられる。
ホログラムは、コンタクトレンズ12の表面にフォトポリマー層を形成し、物体光と参照光とで露光させることによって形成することができる。このとき、物体光と参照光との組み合わせを複数種類用意し、フォトポリマー層に多重露光することにより、角度選択性を得ることができる。つまり、多重露光によって、第1の方向から入射したビームを網膜に向かう方向に偏向する第1の干渉縞と、第1の方向と異なる第2の方向から入射したビームを網膜に向かう方向に偏向する第2の干渉縞とを形成することにより、ホログラムに角度選択性を付与することができる。
図5は、コンタクトレンズ12が眼球の表面に沿って所定の角度だけ自転した前後における、走査部103と偏向部104との相対位置を示す図である。なお、図5では、走査部103の位置を変更しているが、実際には偏向部104が自転することによって、両者の相対位置が変化している。
図5に示す走査部103Aは、ユーザがビーム走査型表示装置10を装着した時点における偏向部104との相対位置を示している。このとき、左斜め前方(第1の方向)の走査部103Aから偏向部104に対して入射されたビームは、第1の干渉縞によって網膜に向かう方向に偏向される。
一方、走査部103Bは、コンタクトレンズ12が、その頂上部における法線を回転軸として、眼球の表面に沿って180°自転した時点における、走査部103と偏向部104との相対位置を示している。このとき、右斜め前方(第2の方向)の走査部103Bから偏向部104に対して入射されたビームは、第2の干渉縞によって網膜に向かう方向に偏向される。
第1及び第2の干渉縞をこのように構成することで、コンタクトレンズ12が眼の中で回転した場合でも、画像を表示し続けることができる。なお、上記の説明では、単純化するために2種類の干渉縞を形成した例を示したが、より多くの干渉縞を形成することにより、コンタクトレンズ12の様々な回転角度に対応することができる。
次に、図6は、コンタクトレンズ12が眼球中心を中心として所定の角度だけ公転した前後における、走査部103と偏向部104との相対位置を示す図である。なお、図6では、走査部103の位置を変更しているが、実際には偏向部104が公転することによって、両者の相対位置が変化している。
図6に示す走査部103Aは、ユーザがビーム走査型表示装置10を装着した時点における偏向部104との相対位置を示している。このとき、左斜め前方の第1の方向の走査部103Aから偏向部104に対して入射されたビームは、第1の干渉縞によって網膜に向かう方向に偏向される。
一方、走査部103Bは、コンタクトレンズ12が、眼球が回転したのに伴って、眼球中心を中心として所定の角度だけ公転した時点における、走査部103と偏向部104との相対位置を示している。このとき、第1の方向より入射角度の大きい第2の方向の走査部103Cから偏向部104に対して入射されたビームは、第2の干渉縞によって網膜に向かう方向に偏向される。
第1及び第2の干渉縞をこのように構成することで、コンタクトレンズ12が眼球と共に回転した場合でも、画像を表示し続けることができる。なお、上記の説明では、単純化するために2種類の干渉縞を形成した例を示したが、より多くの干渉縞を形成することにより、コンタクトレンズ12の様々な回転角度に対応することができる。また、図5及び図6で説明した干渉縞を組み合わせることにより、コンタクトレンズ12のあらゆる動きに対応することができる。
次に、図7は、本実施の形態1に係るコンタクトレンズ12の一例を示す図である。
図7に示すコンタクトレンズ12は、偏向部104が形成されている中央領域と、その外側の外縁領域とに区分することができる。そして、コンタクトレンズ12の外縁領域には、コンタクトレンズ12が眼球の表面に沿って自転することを抑制する自転抑制部401が設けられている。
この自転抑制部401は、コンタクトレンズ12の平均密度より大きな密度を持っている。そのため、ユーザがこのコンタクトレンズ12を眼に装着すると、自転抑制部401がコンタクトレンズ12の下方に位置するように、眼の中でコンタクトレンズ12が回転する。
これにより、コンタクトレンズ12の自転運動を狭い範囲(角度)内に制限することができる。なお、自転抑制部401を単独で適用してもよいが、図5を用いて説明した複数の干渉縞と組み合わせて適用することにより、より有利な効果が期待できる。
なお、本実施の形態1においては、自転抑制部401の密度をコンタクトレンズ12の平均密度より大きくした例を示したが、これに限ることなく、密度を小さくする等、コンタクトレンズ12の重心位置を頂上部から外れさせることができる形態であればどのようなものであってもよい。
また、自転抑制部401の作成方法は特に限定されないが、例えば、密度の異なる部材を貼付してもよいし、コンタクトレンズ12の内部に樹脂等の充填剤を注入するなどしてもよい。
なお、偏向部104はコンタクトレンズ12の一部に形成されてもよいし、全部に形成されていてもよい。一部に形成すれば偏向部104の面積が比較的小さくて済むので製造コストを下げられる効果がある。全部に形成すれば、より広い画面のビーム走査型表示装置10を得ることができる。一部に形成する場合の位置は、コンタクトレンズ12の中央部、外側表面部、内側表面部などでもよい。中央部とすれば中心視野で表示を視認できる効果があり、外側表面部とすれば、眼と偏向部104とを接触させずに済む効果があり、内側表面部とすれば、外気や瞼と偏向部104を接触させずに済む効果がある。
次に、図8及び図9を参照して、前述したビーム走査型表示装置10特有の問題点を解決する他の方法を説明する。なお、図8は本実施の形態1に係るコンタクトレンズ12の他の例を示す図、図9はビーム走査型表示装置10の動作を示すフローチャートである。
図8に示すコンタクトレンズ12は、偏向部104が形成されている中央領域と、その外側の外縁領域とに区分することができる。そして、コンタクトレンズ12の外縁領域には、反射特性が他の部分と異なる特徴点601A、601Bが設けられている。
なお、特徴点601A、601Bの反射特性を他の部分と異ならせる方法は、ミラーを形成するなどして反射率を上げる方法でもよい。これにより反射率を高めて検出しやすくなる効果がある。なお、反射光は表示に用いるビームの反射光でもよいし、赤外光などの検出用照射光の反射光でもよいし、ユーザ周辺からの外光の反射光でもよい。また、光を散乱させる加工をするなどして反射率を下げる方法でもよい。これにより、コンタクトレンズ12上での反射率が異なる部分を目立たないようできる効果がある。また、赤や黒や赤外などの特定波長やその組合せの波長の反射率を変える方法でもよい。これによりレーザ光反射による検出のしやすさと、可視光低反射での目立たなさを両立できる効果がある。
なお、特徴点601A、601Bは、コンタクトレンズ12の中心よりも、走査部103に近い側に配置してもよい。これにより、反射特性の異なる部分からの反射光が光検出部214に至る光路が短くなったり、眼球回転に伴い眼球表面の曲率が原因となって反射特性の異なる部分が他部の影の部分に移動してしまって検出できなくなったりする状況を減らせる結果、反射特性の異なる部分を、より検出しやすくなる。
次に動作について説明する。
図1のビーム走査型表示装置10が、眼球回転や頭部振動に伴い、走査部103と偏向部104との相対位置が変化した場合でも、変化に追従してビームを走査し、網膜上に映像を描画する流れを、図9を用いて説明する。なお、下記の説明は、ユーザが図8に示すコンタクトレンズ12を装着していることを前提としている。
(S01)光検出部214が、コンタクトレンズ12の特徴点601A、601Bからの反射光を検出し、S02の動作へ移る。走査部103からのビームが、偏向部104を含むコンタクトレンズ12の領域を走査し、コンタクトレンズ12からのビーム反射光が走査部103を経由して光検出部214に到達する。検出された反射光の強度変化と、走査部103での走査角度から、特徴点601A、601B(走査部103からの相対位置)が判明する。図8に示す特徴点601A、601Bのように反射特性の異なる領域を設けておくことで、反射率の変化の検出が容易となる。さらに、光検出部214で反射光の強度に加えて、反射ビーム径やビームの曲率半径や波面形状などを検出することで、走査部103からの前後距離を検出してもよい。
なお、コンタクトレンズ12からの反射光を用いる以外にも、角膜や水晶体や網膜など眼からの反射光を用いたり併用してもよい。これにより、コンタクトレンズ12と眼球とのズレによる影響を軽減できる効果や、扱う反射光の種別を増すことで、検出の信頼性や精度を向上できる効果がある。
本ステップにおける位置検出の方法は、本実施の形態で示すように、走査部103で走査したビームの反射光を用いる方法でも、走査部103からのビームとは別の光源の反射光を用いる方法でもよい。例えば、特許文献4では、赤外発光ダイオードから出射して眼で反射した赤外光をイメージセンサーで検出して視線検出を実現している。また特許文献5では、走査部で走査したビームの眼での反射光をイメージセンサーで検出して視線検出を実現している。
なお、反射光の強度は、光源101で変調された出射光の強度と、光検出部214で検出した反射光の強度との比で表してもよい。これにより表示映像の変化に伴う出射光の強度変化の影響を減少させることができる効果がある。また、赤外線など眼に感じない光を一定強度で走査しつつ、その反射光を検出してもよい。これにより表示映像の明暗や色調の変化と独立して反射光を検出できる効果がある。
(S02)制御部105の相対位置検出部501aが、S01で検出したコンタクトレンズ12の特徴点601A、601Bの位置を用いて、偏向部位置を算出し、S03の動作へ移る。偏向部位置とは、走査部103の中心部と、偏向部104の中心部との相対位置を意味する。偏向部104を有するコンタクトレンズ12が眼球回転に伴って移動する場合や、走査部103を有する筐体11が振動したり、筐体11を装着中にズレたりする場合などに、偏向部位置は変化する。
偏向部位置は、偏向部104の基準位置に対して、現在位置の差分を加える方法で算出できる。偏向部104の基準位置とは、ユーザがビーム走査型表示装置10を装着中で、かつ視線が正面を向いている状況での、偏向部104の位置とする。基準位置は、ビーム走査型表示装置10の設計時に設定した値としてもよいし、ユーザがビーム走査型表示装置10を購入時に、実際に計測した値としてもよいし、光検出部214を用いて計測した値としてもよい。設計時の設定値なら比較的容易に実現できる効果があり、購入時の計測値ならユーザ個人差に対応できる効果があり、光検出部214の計測値なら使用中変化にも対応できる効果がる。また、偏向部104の基準位置と同様に、コンタクトレンズ12の特徴点601A、601Bの基準位置も、偏向部104の中心部からの各特徴点601A、601Bの位置関係を用いて求めておく。
偏向部104の現在位置は、S01で検出したコンタクトレンズ12の特徴点601A、601Bの位置と、各特徴点601A、601Bの基準位置との差を用いて求められる。図7に示した自転抑制部401を持つコンタクトレンズ12の場合は、コンタクトレンズ12の特徴点601A、601Bの位置変化を、偏向部104の位置変化と同一とみなしてもよい。また、複数個所の特徴点601A、601Bを検出することで、偏向部104の回転も考慮して、位置変化を求めてもよい。
なお、光検出部214を持たないビーム走査型表示装置10の場合は、偏向部位置は、前記基準位置としてもよい。
(S03)光源101が、S02で求めた偏向部位置に基づき、ビームを出力制御し、S04の動作へ移る。
赤色レーザ光源211と青色レーザ光源212と緑色レーザ光源213から出力されるビームの強度をそれぞれ適切に変調することで、網膜に表示する画素の色相や彩度や明度を表現する。また、出力制御は、走査部103や偏向部104など、光源101から眼までの光学系の影響を考慮した補正制御をしてもよい。例えば、偏向部104に対して走査部103からのビームは斜めに入射するので、表示領域の矩形が台形など矩形以外に歪む。さらに、偏向部104の位置が変化すれば歪み具合も変化する。そこで、表示領域が矩形となるように予め逆補正した形状の表示領域となるレーザの出力制御を走査部103と連動して行ってもよい。
なお、偏向部104の移動によって、偏向部104の一部が隠れて走査部103からのビームが届かなくなった場合は、その隠れた部分に対応するビームを出力しないように制御してもよい。例えば、左眼のコンタクトレンズ12に偏向部104があり、左眼より左前方に走査部103がある場合に、ユーザが右を見るために左眼を右に回転させると、眼球の曲率の影響で、偏向部104の右の部分が走査部103から見て、他の部分に遮られる状況が発生しうる。その状況では、偏向部104の左の部分にのみビームが当たるように、光源101の出力を制御してもよい。
(S04)波面形状変更部102が、S02で求めた偏向部位置に基づき、網膜上でのビームスポットサイズが所定範囲内となるように、光源101からのビームの波面形状を変更し、S05の動作へ移る。網膜上でのビームスポットサイズは、走査部103と偏向部104と網膜との位置関係等によって変化するため、走査角の変化や、偏向部位置の変化に応じて、ビームの波面形状を変化させる。例えば、波面形状の水平焦点距離を変更したい場合は、焦点距離水平成分変更部201のシリンドリカルレンズとミラー間の距離を変更することで、水平焦点距離を変更する。同様に、垂直焦点距離を変更したい場合は、焦点距離垂直成分変更部202で変更する。
(S05)走査角制御部501bが、S02で求めた偏向部位置に基づいて走査部103のMEMSミラーの傾きを変化させることで、波面形状変更部102からのビームが、偏向部104へ向かうように走査角を変更し、S06の動作へ移る。
偏向部位置が変化しない場合でも、走査部103は所定の範囲内で走査角を変更することでビームを走査して映像を表示する。偏向部位置が変化した場合は、さらに走査角の範囲(走査角の上限と下限)を変更する。さらに偏向部104への入射角も変化する場合には、走査角の範囲の幅(走査角の上限と下限の差)も変化させてもよい。
(S06)偏向部104が、走査部103からのビームを、ユーザの網膜の向きへ偏向し、S01の動作へ移る。偏向部104のホログラムの回折効果により偏向されたビームがユーザの眼の瞳孔を通過し、網膜に到達してユーザに映像として知覚される。
なお、S03からS06までの一連の処理は、逐次的に実行してもよいし、同時に実行してもよいし、実行順が入れ替わってもよい。実効順序関係の制約を弱めることで、マルチスレッド処理などによって合計処理時間を減少できる可能性が高まる効果がある。
なお、S01やS02の処理を実行する頻度は、S03からS06までの処理を実行する頻度と異なってもよい。S06実行後にS03の動作に移ってもよい。これにより、S01やS02に要する時間が長い場合に、S03からS06までを何回も繰返す動作の合計時間を短くする効果がある。
以上の動作により、偏向部104の位置変化に追従して、ユーザの眼の網膜に映像を描いていく動作を実現できる。
以上の構成と動作により、本発明のビーム走査型表示装置10は、偏向部104が眼に装着するコンタクトレンズ12に形成されることで、メガネ型HMDの装着性に関する課題が解決され、メガネによって容姿が変わることを避けられる効果や、鼻などの接触部分に装着跡が残らない効果や、鼻などの接触部分の化粧が落ちない効果がある。
なお、S01からS06までの動作は、確率を伴う処理動作としてもよい。例えば、偏向部位置の算出を、上方に1ミリメートル移動した確率が20%で、移動していない確率が80%、のように確率的に表現してもよい。これにより算出値が不確かな場合でも、算出しない場合よりは高画質な表示とできる効果がある。
(実施の形態2)
図10は、本発明の実施の形態2における、自動車搭載型のHUD(Head−up Display:ヘッドアップディスプレイ)の構成図である。本実施の形態2に係る車1000は、ドライバーが着席する運転席1001と、ドライバーが装着したコンタクトレンズ12に対してビームを走査可能な位置に、筐体11を保持する筐体保持部1002とを備える。
光源101、波面形状変更部102、走査部103、偏向部104、制御部105、ヘッドホン部106の、基本的な仕組みや動作は、実施の形態1と同様である。
本実施の形態では、乗車中のユーザに対して映像を表示する。実施の形態1同様に偏向部104にビーム偏向特性と車外からの可視光の透過特性を持たせることで、車外の光景を見ながら、本発明による表示も見ることができる。これにより、車外の光景を見ながら、車速、注意や警告、行先案内などの、運転行動や居場所などに関連する情報を見られる効果がある。
光源101、波面形状変更部102、走査部103を保持する筐体11は、図10のように車1000の天井付近(天井が「筐体保持部1002」に相当)に取り付けてもよい。これにより、窓からの視界を遮らない効果や、眼に近い場所に配置することで、光路が短くなり表示精度を向上できる効果がある。また、光源101を車体下部などの波面形状変更部102から離れた場所に配置し、光源101から波面形状変更部102まで光ファイバーでビームを伝送する構成としてもよい。これにより、光源101を設置するための領域を天井部で減少できる効果がある。
制御部105はダッシュボード内に配置してもよい。本発明のビーム走査型表示装置10とは別の制御装置、例えば車速管理装置や案内制御装置(カーナビゲーションシステム)などの制御装置が本制御部105を兼ねてもよい。これにより制御装置の総数を減らせる効果がある。
ヘッドホン部106は、ユーザの耳に接触している必要はなく、ユーザ周囲の室内面、例えばドアや前面ダッシュボードに装備されたスピーカーでよい。
(実施の形態3)
図11は、本発明の実施の形態3における、椅子装着型のビーム走査型表示装置10の構成図である。
光源101、波面形状変更部102、走査部103、偏向部104、制御部105、ヘッドホン部106の、基本的な仕組みや動作は、実施の形態1と同様である。
本実施の形態では、椅子に着席しているユーザに対して映像を表示する。
光源101、波面形状変更部102、走査部103を含む筐体11は、図11のように椅子の背もたれからユーザ眼前の偏向部104へと至る部分(「筐体保持部」に相当)に配置してもよい。図11ではユーザの頭部の上方に配置しているが、側頭部や、頭部下方に配置してもよい。
制御部105は椅子下部に配置してもよい。本発明のビーム走査型表示装置10とは別の制御装置、例えばマッサージ制御装置などの制御装置が本制御部105を兼ねてもよい。これにより制御装置の総数を減らせる効果がある。
ヘッドホン部106は、ユーザの耳に接触するヘッドホンでもよいし、頭部後方や側方に設置されたスピーカーでもよい。
なお、上記した各実施の形態での制御処理は、専用のH/W(電子回路等)で実現されてもよいし、記憶装置(ROM、RAM、ハードディスク等)に格納された上述した処理手順を実行可能な所定のプログラムデータが、CPUによって解釈実行されることで実現されてもよい。この場合、プログラムデータは、記録媒体を介して記憶装置内に導入されてもよいし、記録媒体上から直接実行されてもよい。なお、記録媒体は、ROM、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクメモリ、CD−ROMやDVDやBD等の光ディスクやSDカード等のメモリカード等の記録媒体をいう。また、記録媒体は、電話回線や搬送路等の通信媒体も含む概念である。
また、実施の形態は本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適時変更が可能である。
本発明にかかるビーム走査型表示装置は、偏向部がコンタクトレンズに形成され、表示装置、表示システム、表示方法などの用途にも応用できる。
本発明は、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)等の表示装置に関するものである。
従来、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)等の表示装置において、レーザ光を2次元走査して、眼の網膜に直描する方式(以下、レーザ走査方式、と記す)がある(例えば、特許文献1参照)。レーザ走査方式の表示装置は、網膜走査ディスプレイ(Retinal Scanning Display:RSD)、網膜照射ディスプレイ、網膜直描ディスプレイ、レーザ走査ディスプレイ、直視型表示装置、仮想網膜ディスプレイ(Virtual Retinal Display:VRD)、などとも呼ばれている。
また、レーザ走査方式で、メガネ型のHMDとする方式も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、HMDともレーザ走査方式とも異なるが、表示装置をコンタクトレンズのように眼に装着する方式も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
また、視線検出方法としては、赤外光を眼に照射し、その反射光を用いて視線検出する方式(例えば特許文献4)や、走査したレーザ光の眼からの反射光を用いて視線検出する方式(例えば特許文献5)がある。
特許第2932636号公報 特開2005−70671号公報 特開2005−311823号公報 特許第2995876号公報 特許第3425818号公報
メガネが嫌いでコンタクトレンズを使用しているユーザなど、メガネを常用していないユーザにとって、眼鏡型のHMDは、装着性に関して課題が生じる場合がある。例えば、メガネをしている容姿が嫌いである課題や、メガネを外した際に、装着した跡が鼻などに残る課題や、メガネの装着によって鼻などの接触部分の化粧が崩れる課題などがある。これらメガネに関する装着性の課題は、メガネ型HMDにおいても同様に課題となる。
また、前記特許文献3では、コンタクトレンズ型表示装置を提案し、これによってメガネの装着性の課題を回避している。しかし特許文献3の方式では、コンタクトレンズ部が光源や光導波路や伝播光放出部の2次元配列などを含む方式であり、小型化や透過性確保や電源供給など実現には多くの課題が残されている。
本発明は前記課題を解決するもので、レーザ走査方式のディスプレイで、装着性の課題を解決するレーザ走査型表示装置を実現することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のビーム走査型表示装置は、ユーザの網膜にビームを走査して画像を表示するものであって、画像を構成する各画素を描画するビームを出力する光源、及び前記光源からのビームを2次元方向に走査させる走査部を収納する筐体と、前記走査部で走査されたビームを、前記筐体を装着するユーザの眼の網膜に向かう方向へ偏向する偏向部を有し、前記筐体とは別体のコンタクトレンズとを備える。本構成のように、筐体とコンタクトレンズとを別体としたことによって、メガネ型HMDでの装着性に関する課題が解決され、メガネによって容姿が変わることを回避できる効果がある。
また、前記偏向部は、前記コンタクトレンズの表面に形成されるホログラムであってもよい。本構成によって、偏向部を薄くできる結果、コンタクトレンズの装着性が向上する。また、回折の角度選択性を活用することで、走査部と偏向部との相対位置関係が変化して、偏向部へのビーム入射角が変化した場合でも、網膜に映像を表示させられる効果がある。さらに、回折の周波数選択性を活用することで、レーザ色とその他の色で異なる回折角とできるので、表示を見ながら外の光景も見える透過型(シースルー)の表示装置とできる効果がある。
また、前記ホログラムは、第1の方向から入射したビームを前記網膜に向かう方向へ偏向する第1の干渉縞と、前記第1の方向と異なる第2の方向から入射したビームを前記網膜に向かう方向へ偏向する第2の干渉縞とを有してもよい。
一実施形態として、前記第1及び第2の方向は、前記コンタクトレンズが眼球の表面に沿って所定の角度だけ自転した前後における、前記走査部から前記ホログラムに向かう方向である。本構成によって、コンタクトレンズが眼に装着中に回転しても、走査部からのビームを網膜の方向へ偏向できるので、映像が見えなくなる状況を軽減できる効果がある。
他の実施形態として、前記第1及び第2の方向は、前記コンタクトレンズが眼球中心を中心として所定の角度だけ公転した前後における、前記走査部から前記ホログラムに向かう方向である。本構成によって、コンタクトレンズが眼球回転に伴って移動しても、走査部からのビームを偏向部が網膜に向かう方向へ偏向でき、映像が見える効果がある。
また、前記コンタクトレンズは、眼球の表面に沿って自転することを抑制する自転抑制部を有してもよい。本構成によって、コンタクトレンズが眼に装着中に回転しにくくなるので、回転によって映像が見えなくなる状況を軽減できる効果を持つ。
また、前記自転抑制部は、前記コンタクトレンズの一部であり、他の部分と密度が異なってもよい。本構成によって、コンタクトレンズに容易に回転抑制特性を持たせられるので、安価で迅速に、回転によって映像が見えなくなる状況を軽減できる効果を持つ。
また、本発明のビーム走査型表示装置は、さらに、前記光源から出力されたビームの前記コンタクトレンズからの反射光を検出する光検出部と、前記光検出部の検出結果に基づいて、前記走査部と前記偏向部との相対位置の変化を検出する相対位置検出部と、前記相対位置検出部の検出結果に基づいて、前記偏向部に入射するビームが網膜に向かう方向に入射するように、前記走査部の走査角を制御する走査角制御部とを備える。本構成によって、コンタクトレンズからの反射光を用いてコンタクトレンズとの位置を検出しやすくなる結果、位置変化に伴う表示映像の、画質や位置ずれなどの劣化を軽減できる効果がある。
また、前記コンタクトレンズは、反射特性が他の部分と異なる特徴点を有する。前記光検出部は、前記特徴点からの反射光を検出する。そして、前記相対位置検出部は、予め定めた前記特徴点の基準位置と、前記光検出部によって検出された前記特徴点の位置との差分によって、前記走査部と前記偏向部との相対位置の変化を検出してもよい。本構成によって、走査部とコンタクトレンズとの位置関係を検出しやすくなる結果、位置変化に伴う表示映像の、画質や位置ずれなどの劣化を軽減できる効果がある。
また、前記特徴点は、前記コンタクトレンズの頂上部より前記走査部に近い位置に配置されてもよい。これにより、光検出部が特徴点の位置を確実に検出することができる。
また、前記走査部は、前記偏向部よりもユーザにとって前方に配置されてもよい。本構成によって、偏向部へのビーム入射角を減少させられる結果、ホログラムの回折効率が向上し、より高画質、大画面な表示とできる効果がある。また、ビームが皮膚などによって遮られる状況が軽減できる結果、映像が見えなくなる状況を減らせる効果がある。
また、前記走査部は、前記偏向部よりもユーザにとって下方に配置されてもよい。本構成によって、上瞼によってビームが遮られる状況が軽減できる結果、映像が見えなくなる状況を減らせる効果がある。また、眼と同等の位置にあるものを見る場合に、走査部が視線を遮ることを軽減できる結果、ユーザが他人の顔や眼を見る際に表示装置が視線を遮ることを避けられる効果がある。同様に、他人にユーザの顔を見せる際に、表示装置に遮られることなくユーザの眼を見せられる効果がある。
また、前記走査部は、ユーザ頭部の左右方向で、耳と前記偏向部との間の位置に配置されてもよい。本構成によって、左眼用走査部を左眼より左に配置することで、ユーザが正面を向いている際にユーザの中心視野を遮ることを軽減できる効果がある。右眼用走査部を右眼より右に配置した場合も同様の効果がある。また、左眼用走査部を左耳より右に配置することで、走査部と偏向部との距離を短縮できる結果、走査部での必要ビーム径を縮小できる場合があり、走査部の走査ミラーを小型化できる効果がある。また、同じ走査ミラーサイズの場合は、距離を短縮できると、より太いビーム径を走査できるようになる結果、ビームを網膜上で絞ったサイズを縮小できるので、より高解像度な表示を行える効果もある。右眼用走査部を右耳より左に配置しても同様の効果がある。
また、前記筐体は、ユーザの側頭部によってのみ支持されてもよい。本構成によって、表示装置がメガネ型ではなくなるので、メガネの装着性に関する課題が解決され、メガネを外した際に、装着した跡が鼻などに残らなくなる効果や、装着によって鼻などの接触部分の化粧が崩れることがなくなる効果がある。
また、前記筐体は、ユーザの側頭部との接触位置より前方に位置する第1の部分と、前記接触位置より後方に位置し、前記接触位置まわりのモーメントが前記第1の部分と実質的に釣り合う第2の部分とで構成されてもよい。本構成によって、筐体の重心位置が、耳付近の側頭部接触位置の周辺位置となるため、装着ずれを軽減でき、装着ズレに伴う画質劣化を減少できる効果がある。また、接触部付近に重心があることで、ユーザが感じる重量を軽減できる効果もある。
また、前記接触位置は、ユーザの耳の付け根である。そして、前記第2の部分には、該ビーム走査型表示装置を駆動する電池が配置されてもよい。本構成によって、充電池を含む筐体の重心位置が、耳付近の側頭部接触位置の周辺位置となるため、装着ずれを軽減でき、装着ズレに伴う画質劣化を減少できる効果がある。また、接触部付近に重心があることで、ユーザが感じる重量を軽減できる効果もある。
本発明に係る表示方法は、光源及び走査部を有する筐体と、偏向部を有し、前記筐体とは別体のコンタクトレンズとを備えるビーム走査型表示装置で画像を表示する表示方法であって、前記光源から画像を構成する各画素を描画するビームを出力するビーム出力ステップと、前記ビーム出力ステップで出力されたビームを2次元方向に走査させる走査ステップと、前記走査ステップで走査されたビームを前記偏向部でユーザの眼の網膜に向かう方向へ偏向する偏向ステップと、前記ビーム出力ステップで出力されたビームの前記コンタクトレンズからの反射光を検出する光検出ステップと、前記光検出ステップでの検出結果に基づいて、前記走査部と前記偏向部との相対位置の変化を検出する相対位置検出ステップと、前記相対位置検出ステップでの検出結果に基づいて、前記偏向部に入射するビームが網膜に向かう方向に入射するように、前記走査部の走査角を制御する走査角制御ステップとを含む。
なお、本発明は、このようなビーム走査型表示装置として実現できるだけでなく、ビーム走査型表示装置の機能を実現する集積回路として実現したり、そのような機能をコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体及びインターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。また、本発明は、このような表示装置の機能を実現する集積回路として実現したりもできる。
この発明に係る自動車は、上記記載のビーム走査型表示装置を搭載しており、具体的には、前記コンタクトレンズを装着したドライバーが着席する運転席と、ドライバーが装着した前記コンタクトレンズに対してビームを走査可能な位置に、前記筐体を保持する筐体保持部とを備える。
本発明によれば、光源等を収納する筐体と、偏向部を備えるコンタクトレンズとを別体としたので、装着性の向上したレーザ走査型表示装置を得ることができる。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1〜図4を参照して、本発明の実施の形態1に係るビーム走査型表示装置10を説明する。なお、図1はビーム走査型表示装置10の平面図、図2はビーム走査型表示装置10の側面図、図3は図1の一部の詳細構成図、図4はビーム走査型表示装置10の機能ブロック図である。
まず、図1及び図2に示されるように、ビーム走査型表示装置10は、ユーザの側頭部に固定される筐体11と、ユーザの眼に装着されるコンタクトレンズ12とを備え、ユーザの網膜にビームを走査して画像を表示する。なお、図1及び図2から明らかなように、筐体11とコンタクトレンズ12とは、それぞれ独立した部材(別体)である。
筐体11は、光源101と、波面形状変更部102と、走査部103と、制御部105と、ヘッドホン部106とを備える。なお、この実施形態におけるヘッドホン部106は、図2に示されるように、音声を出力するスピーカー106Aと、ビーム走査型表示装置10を駆動させるバッテリー106Bとを備える。一方、コンタクトレンズ12の表面には、偏向部104が設けられている。
光源101は、画像を構成する各画素を描画するビームを出力する。出力するビームは、図3に示すように、赤色レーザ光源211と、青色レーザ光源212と、緑色レーザ光源213から出力される各レーザ光を合波したレーザ光であり、各色レーザ光源211、212、231の出力を適切に変調することで、任意の色のレーザ光を出力できる。さらに、波面形状変更部102や走査部103などと連動させて変調することで、ユーザの眼の網膜上に映像を表示できる。
なお、図3では、赤色レーザ光源211は赤色のレーザを出力する半導体レーザ光源であり、青色レーザ光源212は青色のレーザを出力する半導体レーザ光源である。一方、緑色レーザ光源213は、赤外線を出力する半導体レーザ光源と、赤外線を緑色に変換するSHG(Second−Harmonic Generation:第2次高調波発生)素子とを組み合わせて構成されている。しかしながら、これに限ることなく、緑色レーザ光源213を緑色のレーザを出力する半導体レーザ光源としてもよいし、各光源を固体レーザ、液体レーザ、ガスレーザ、発光ダイオードとしてもよい。
なお、図3では各レーザ光源211、212、213でレーザ光の変調を行っているが、各レーザ光源211、212、213から出力された光を変調する強度変調部を、各レーザ光源211、212、213と組み合わせて用いることで、レーザ光を変調してもよい。これにより、一定強度で出力するレーザ光源211、212、213でも、強度変調部と組み合わせることで、本発明に適用できる効果がある。
なお、光源101は、さらに光検出部214を含んでもよい。光検出部214は、コンタクトレンズ12からの反射光やユーザの眼の角膜からの反射光の強度を検出することで、コンタクトレンズ12の位置やユーザの視線方向を検出できる。偏向部104により眼の方向へ偏向されたビームの多くは、角膜表面に対して斜めから入射するが、眼球に対して正面からのビームは、角膜表面に対して垂直に入射するために、ビームの反射率が比較的高くなる。そこで、反射光の強度検出によって視線方向を検出できる。コンタクトレンズ12や視線方向の検出動作については、後述する動作説明で述べる。
波面形状変更部102は、光源101からのビームの波面形状を変化させて、偏向部104で偏向されたビームのスポットサイズを所定の範囲内となるようにする。なお、ビームの「スポットサイズ」とは、ユーザの眼の網膜でのスポットサイズとして、以後説明するが、瞳孔でのスポットサイズ、角膜でのスポットサイズ、偏向部でのスポットサイズでもよい。網膜でのスポットサイズは、表示する画素サイズと同一である。また、「波面形状」とはビーム波面の3次元形状であり、平面、球面、非球面の形状を含む。
波面形状変更部102は、図3に示されるように、焦点距離水平成分変更部201と、焦点距離垂直成分変更部202とを光路に直列に配置している。これによって、ビームの水平方向の曲率と垂直方向の曲率とを独立して変更できる。焦点距離水平成分変更部201は、シリンドリカルレンズとミラーとの距離を変更することで水平方向の曲率を変更している。焦点距離垂直成分変更部202は、焦点距離水平成分変更部201のシリンドリカルレンズに対して垂直に配置したシリンドリカルレンズを用いることで、垂直方向の曲率を変更している。また、焦点距離水平成分変更部201及び焦点距離垂直成分変更部202ともに、曲率の変更に伴い、ビームの直径も変更している。
なお、水平方向の曲率を垂直方向よりも大きく変化させると、水平方向の変化に、より大きく対応できるので、画面の水平視野角を垂直視野角より大きくしたい場合や、側頭部に走査部103を配置する場合など、走査部103から偏向部104へのビームの水平入射角が垂直入射角よりも大きい場合に、特に有効となる。
なお、図3では、波面形状を表す項目のなかで、水平方向の曲率と垂直方向の曲率とそれぞれの直径という波面形状の一部のみを変更しているが、他の項目として波面内での曲率の分布や、波面端の形状やサイズなどを変更する手段があってもよい。これにより、網膜に到達するビームの収差を補正したり、ビーム形状を変化させたりできる効果がある。
なお、図3の波面形状変更部102では、シリンドリカルレンズとミラーを用いて波面形状を変更するが、他の手段として、液晶レンズや、液体レンズ等の可変形状レンズや、回折素子や、EO素子(電気−光変換素子)などを用いてもよい。
走査部103は、波面形状変更部102からのビームを2次元走査する。走査部103は、角度を2次元的に変更できる単板小型ミラーであり、より具体的には、MEMS(Micro−Electro−Mechanical−System)ミラーである。
なお、走査部103は水平走査用と垂直走査用のように2種以上の走査部の組合せで実現してもよい。水平走査部と垂直走査部とに分割することにより、一方の振動が他方に影響しにくくなる効果や、走査部のしくみが単純にできるものがある。
なお、走査部103はミラーを物理的に傾ける方法に限定されず、レンズを移動したり、回折素子を回転する方法や、液晶レンズや可変形状レンズや、AO素子(音響光学素子)やEO素子(電気−光変換素子)などの偏向素子を用いる方法でもよい。
偏向部104は、走査部103で走査されたビームの向きをユーザの眼に向かう方向へ偏向する。偏向部104では、コンタクトレンズ12の表面に、例えばフォトポリマー層を形成し、フォトポリマー層にリップマン体積ホログラムを形成することによって、走査部103からのビームをユーザの眼の網膜に回折するように製作されている。
フォトポリマー層には赤色、緑色、青色、それぞれの光源からの光を反射する3つのホログラムを多重に形成してもよいし、それぞれの色の光に対応した3層のホログラムを積層してもよい。また、ホログラムの波長選択性を用いることで、光源波長の光のみを回折させ、外界からの光のほとんどを占める光源波長以外の波長の光を回折させないように製作することで、透過型のディスプレイにできる。ホログラムの回折によってビームを偏向することで、偏向部104を薄くできる結果、コンタクトレンズ12装着時の違和感を解消することができる。
なお、コンタクトレンズ12は、度数が0でもよい。また、偏向部104はホログラムなどの回折素子による偏向に限定されず、凹面鏡などのミラーや、凸レンズなどのレンズでもよい。
制御部105は、HMD各部を制御する集積回路を備える。制御部105は、図4に示されるように、中央処理部501、記憶部502、入出力制御部503、及び通信部520を備えてもよい。
中央処理部501は、光検出部214が検出した反射光に基づいて、走査部103と偏向部104との相対位置の変化を検出する相対位置検出部501aと、相対位置検出部501aの検出結果に基づいて、偏向部104に入射するビームが網膜に向かう方向に入射するように、走査部103の走査角を制御する走査角制御部501bとを含む。
記憶部502は制御部105で用いるデータを記憶する。
入出力制御部503は、制御部105の制御対象となる光源101、波面形状変更部102、走査部103、偏向部104、ヘッドホン部106、バッテリー106B、及び通信部520などへの制御信号出力や制御対象からの信号入力を制御する。入出力制御部503は制御対象種別毎に、光源入出力制御部510、波面形状変更入出力制御部511、走査入出力制御部512、偏向入出力制御部513、ヘッドホン入出力制御部514、電源入出力制御部515、通信入出力制御部516から構成される。入出力制御部503で入出力に関連した処理を実行することで、中央処理部501の負荷を下げられる効果がある。中央処理部501は、記憶部502や入出力制御部503と信号を受け渡しして情報処理を実行する。具体的な制御の方法は、後述する動作説明で述べる。
通信部520は、携帯電話等の周辺機器と無線接続して映像音声信号を受信する。これにより、HMDと周辺機器の接続がワイヤレスとなり、HMDの装着性を向上させられる効果がある。
なお、図1に示すように、走査部103は、偏向部104よりもユーザにとって前方に配置されてもよい。これによって、偏向部104へのビーム入射角を減少させられる結果、ホログラムの回折効率が向上し、より高画質、大画面な表示にできる効果がある。また、ビームが皮膚などによって遮られる状況が軽減できる結果、映像が見えなくなる状況を減らせる効果がある。
なお、図2に示すように、走査部103は、偏向部104よりもユーザにとって下方に配置されてもよい。これによって、上瞼によってビームが遮られる状況が軽減できる結果、映像が見えなくなる状況を減らせる効果がある。また、眼と同等の位置にあるものを見る場合に、走査部103が視線を遮ることを軽減できる結果、ユーザが他人の顔や眼を見る際にビーム走査型表示装置10が視線を遮ることを避けられる効果がある。同様に、他人にユーザの顔を見せる際に、ビーム走査型表示装置10に遮られることなくユーザの眼を見せられる効果がある。
なお、図1に示すように、走査部103は、ユーザ頭部の左右方向で、耳と偏向部104との間の位置に配置してもよい。左眼用の走査部103を左眼より左に配置することで、ユーザが正面を向いている際にユーザの中心視野を遮ることを軽減できる効果がある。右眼用走査部を右眼より右に配置した場合も同様の効果がある。また、左眼用の走査部103を左耳より右に配置することで、走査部103と偏向部104との距離を短縮できる結果、走査部103での必要ビーム径を縮小できる場合があり、走査部103の走査ミラーを小型化できる効果がある。また、同じ走査ミラーサイズの場合は、距離を短縮できると、より太いビーム径を走査できるようになる結果、ビームを網膜上で絞ったサイズを縮小できるので、より高解像度な表示を行える効果もある。右眼用走査部を右耳より左に配置しても同様の効果がある。
なお、図1に示すように、筐体11は、ユーザの側頭部のみによって固定されるようにしてもよい。具体的には、耳の付け根の部分で筐体11を支持するようにし、ユーザの鼻や額に筐体11を接触させないようにしてもよい。これによって、ビーム走査型表示装置10がメガネ型ではなくなるので、メガネの装着性に関する課題が解決され、メガネを外した際に、装着した跡が鼻などに残らなくなる効果や、装着によって鼻などの接触部分の化粧が崩れることがなくなる効果がある。
なお、図2に示すように、筐体11は、側頭部接触位置より前方の筐体前方部(第1の部分)と、側頭部接触位置より後方の筐体後方部(第2の部分)とで、側頭部接触位置まわりのモーメントが実質的に釣り合うように構成されている。図2では耳上方の側頭部を筐体11との接触位置としている。これによって、筐体11の重心位置が、耳付近の側頭部接触位置の周辺位置となるため、装着ずれを軽減でき、装着ズレに伴う画質劣化を減少できる効果がある。また、接触部付近に重心があることで、ユーザが感じる重量を軽減できる効果もある。
ここで、図2から明らかなように、側頭部接触位置から筐体前方部の前端までの距離は、側頭部接触位置から筐体後方部の後端までの距離より長いので、両者のモーメントを釣り合わせるためには、筐体後方部を筐体前方部より重くしなければならない。そこで、筐体後方部に、構成要素の中で最も重いバッテリー106Bを配置すればよい。
なお、走査部103を含む筐体11は、図1のように頭部に接触する形態としてもよいし、ユーザ周辺の壁や柱や机や椅子や卓上電気スタンドなどに固定的に配置されていてもよいし、携帯電話端末などの持ち運び可能な端末に配置されていてもよい。
なお、図1、図2、図3における偏向部104以外の各手段や各部は、1つの筐体11に含まれていてもよいし、複数以上の筐体に含まれてもよい。例えば光源101が走査部103とは別の筐体に含まれていてもよいし、ヘッドホン部106がなくてもよい。また、各部が分散配置していてもよい。例えば、制御部105が走査部103や波面形状変更部102に一部含まれていてもよい。また、各部は、複数存在してもよい。例えば、左眼用と右眼用に走査部103が2つあってもよい。また、ユーザに装着された筐体11の走査部103と、公的な空間に設置された走査部103から、同一の偏向部104へビームを走査してもよい。また、1つの走査部103から左眼用の偏向部104と右眼用の偏向部104の両方にビームを走査してもよい。複数の機器で各部を共有してもよい。例えば、光源101を2つの表示装置で共有してもよい。
ここで、上記構成のビーム走査型表示装置10は、走査部103を含む筐体11と、偏向部104を含むコンタクトレンズ12とを別体として構成している。その結果、コンタクトレンズ12が動くことによって、走査部103と偏向部104との相対位置が変化してしまう。
そこで、ホログラムによる回折の角度選択性を活用することで、走査部103と偏向部104との相対位置関係が変化して、偏向部104へのビーム入射角が変化した場合でも、網膜に映像を表示させられる。
ホログラムは、コンタクトレンズ12の表面にフォトポリマー層を形成し、物体光と参照光とで露光させることによって形成することができる。このとき、物体光と参照光との組み合わせを複数種類用意し、フォトポリマー層に多重露光することにより、角度選択性を得ることができる。つまり、多重露光によって、第1の方向から入射したビームを網膜に向かう方向に偏向する第1の干渉縞と、第1の方向と異なる第2の方向から入射したビームを網膜に向かう方向に偏向する第2の干渉縞とを形成することにより、ホログラムに角度選択性を付与することができる。
図5は、コンタクトレンズ12が眼球の表面に沿って所定の角度だけ自転した前後における、走査部103と偏向部104との相対位置を示す図である。なお、図5では、走査部103の位置を変更しているが、実際には偏向部104が自転することによって、両者の相対位置が変化している。
図5に示す走査部103Aは、ユーザがビーム走査型表示装置10を装着した時点における偏向部104との相対位置を示している。このとき、左斜め前方(第1の方向)の走査部103Aから偏向部104に対して入射されたビームは、第1の干渉縞によって網膜に向かう方向に偏向される。
一方、走査部103Bは、コンタクトレンズ12が、その頂上部における法線を回転軸として、眼球の表面に沿って180°自転した時点における、走査部103と偏向部104との相対位置を示している。このとき、右斜め前方(第2の方向)の走査部103Bから偏向部104に対して入射されたビームは、第2の干渉縞によって網膜に向かう方向に偏向される。
第1及び第2の干渉縞をこのように構成することで、コンタクトレンズ12が眼の中で回転した場合でも、画像を表示し続けることができる。なお、上記の説明では、単純化するために2種類の干渉縞を形成した例を示したが、より多くの干渉縞を形成することにより、コンタクトレンズ12の様々な回転角度に対応することができる。
次に、図6は、コンタクトレンズ12が眼球中心を中心として所定の角度だけ公転した前後における、走査部103と偏向部104との相対位置を示す図である。なお、図6では、走査部103の位置を変更しているが、実際には偏向部104が公転することによって、両者の相対位置が変化している。
図6に示す走査部103Aは、ユーザがビーム走査型表示装置10を装着した時点における偏向部104との相対位置を示している。このとき、左斜め前方の第1の方向の走査部103Aから偏向部104に対して入射されたビームは、第1の干渉縞によって網膜に向かう方向に偏向される。
一方、走査部103Bは、コンタクトレンズ12が、眼球が回転したのに伴って、眼球中心を中心として所定の角度だけ公転した時点における、走査部103と偏向部104との相対位置を示している。このとき、第1の方向より入射角度の大きい第2の方向の走査部103Cから偏向部104に対して入射されたビームは、第2の干渉縞によって網膜に向かう方向に偏向される。
第1及び第2の干渉縞をこのように構成することで、コンタクトレンズ12が眼球と共に回転した場合でも、画像を表示し続けることができる。なお、上記の説明では、単純化するために2種類の干渉縞を形成した例を示したが、より多くの干渉縞を形成することにより、コンタクトレンズ12の様々な回転角度に対応することができる。また、図5及び図6で説明した干渉縞を組み合わせることにより、コンタクトレンズ12のあらゆる動きに対応することができる。
次に、図7は、本実施の形態1に係るコンタクトレンズ12の一例を示す図である。
図7に示すコンタクトレンズ12は、偏向部104が形成されている中央領域と、その外側の外縁領域とに区分することができる。そして、コンタクトレンズ12の外縁領域には、コンタクトレンズ12が眼球の表面に沿って自転することを抑制する自転抑制部401が設けられている。
この自転抑制部401は、コンタクトレンズ12の平均密度より大きな密度を持っている。そのため、ユーザがこのコンタクトレンズ12を眼に装着すると、自転抑制部401がコンタクトレンズ12の下方に位置するように、眼の中でコンタクトレンズ12が回転する。
これにより、コンタクトレンズ12の自転運動を狭い範囲(角度)内に制限することができる。なお、自転抑制部401を単独で適用してもよいが、図5を用いて説明した複数の干渉縞と組み合わせて適用することにより、より有利な効果が期待できる。
なお、本実施の形態1においては、自転抑制部401の密度をコンタクトレンズ12の平均密度より大きくした例を示したが、これに限ることなく、密度を小さくする等、コンタクトレンズ12の重心位置を頂上部から外れさせることができる形態であればどのようなものであってもよい。
また、自転抑制部401の作成方法は特に限定されないが、例えば、密度の異なる部材を貼付してもよいし、コンタクトレンズ12の内部に樹脂等の充填剤を注入するなどしてもよい。
なお、偏向部104はコンタクトレンズ12の一部に形成されてもよいし、全部に形成されていてもよい。一部に形成すれば偏向部104の面積が比較的小さくて済むので製造コストを下げられる効果がある。全部に形成すれば、より広い画面のビーム走査型表示装置10を得ることができる。一部に形成する場合の位置は、コンタクトレンズ12の中央部、外側表面部、内側表面部などでもよい。中央部とすれば中心視野で表示を視認できる効果があり、外側表面部とすれば、眼と偏向部104とを接触させずに済む効果があり、内側表面部とすれば、外気や瞼と偏向部104を接触させずに済む効果がある。
次に、図8及び図9を参照して、前述したビーム走査型表示装置10特有の問題点を解決する他の方法を説明する。なお、図8は本実施の形態1に係るコンタクトレンズ12の他の例を示す図、図9はビーム走査型表示装置10の動作を示すフローチャートである。
図8に示すコンタクトレンズ12は、偏向部104が形成されている中央領域と、その外側の外縁領域とに区分することができる。そして、コンタクトレンズ12の外縁領域には、反射特性が他の部分と異なる特徴点601A、601Bが設けられている。
なお、特徴点601A、601Bの反射特性を他の部分と異ならせる方法は、ミラーを形成するなどして反射率を上げる方法でもよい。これにより反射率を高めて検出しやすくなる効果がある。なお、反射光は表示に用いるビームの反射光でもよいし、赤外光などの検出用照射光の反射光でもよいし、ユーザ周辺からの外光の反射光でもよい。また、光を散乱させる加工をするなどして反射率を下げる方法でもよい。これにより、コンタクトレンズ12上での反射率が異なる部分を目立たないようできる効果がある。また、赤や黒や赤外などの特定波長やその組合せの波長の反射率を変える方法でもよい。これによりレーザ光反射による検出のしやすさと、可視光低反射での目立たなさを両立できる効果がある。
なお、特徴点601A、601Bは、コンタクトレンズ12の中心よりも、走査部103に近い側に配置してもよい。これにより、反射特性の異なる部分からの反射光が光検出部214に至る光路が短くなったり、眼球回転に伴い眼球表面の曲率が原因となって反射特性の異なる部分が他部の影の部分に移動してしまって検出できなくなったりする状況を減らせる結果、反射特性の異なる部分を、より検出しやすくなる。
次に動作について説明する。
図1のビーム走査型表示装置10が、眼球回転や頭部振動に伴い、走査部103と偏向部104との相対位置が変化した場合でも、変化に追従してビームを走査し、網膜上に映像を描画する流れを、図9を用いて説明する。なお、下記の説明は、ユーザが図8に示すコンタクトレンズ12を装着していることを前提としている。
(S01)光検出部214が、コンタクトレンズ12の特徴点601A、601Bからの反射光を検出し、S02の動作へ移る。走査部103からのビームが、偏向部104を含むコンタクトレンズ12の領域を走査し、コンタクトレンズ12からのビーム反射光が走査部103を経由して光検出部214に到達する。検出された反射光の強度変化と、走査部103での走査角度から、特徴点601A、601B(走査部103からの相対位置)が判明する。図8に示す特徴点601A、601Bのように反射特性の異なる領域を設けておくことで、反射率の変化の検出が容易となる。さらに、光検出部214で反射光の強度に加えて、反射ビーム径やビームの曲率半径や波面形状などを検出することで、走査部103からの前後距離を検出してもよい。
なお、コンタクトレンズ12からの反射光を用いる以外にも、角膜や水晶体や網膜など眼からの反射光を用いたり併用してもよい。これにより、コンタクトレンズ12と眼球とのズレによる影響を軽減できる効果や、扱う反射光の種別を増すことで、検出の信頼性や精度を向上できる効果がある。
本ステップにおける位置検出の方法は、本実施の形態で示すように、走査部103で走査したビームの反射光を用いる方法でも、走査部103からのビームとは別の光源の反射光を用いる方法でもよい。例えば、特許文献4では、赤外発光ダイオードから出射して眼で反射した赤外光をイメージセンサーで検出して視線検出を実現している。また特許文献5では、走査部で走査したビームの眼での反射光をイメージセンサーで検出して視線検出を実現している。
なお、反射光の強度は、光源101で変調された出射光の強度と、光検出部214で検出した反射光の強度との比で表してもよい。これにより表示映像の変化に伴う出射光の強度変化の影響を減少させることができる効果がある。また、赤外線など眼に感じない光を一定強度で走査しつつ、その反射光を検出してもよい。これにより表示映像の明暗や色調の変化と独立して反射光を検出できる効果がある。
(S02)制御部105の相対位置検出部501aが、S01で検出したコンタクトレンズ12の特徴点601A、601Bの位置を用いて、偏向部位置を算出し、S03の動作へ移る。偏向部位置とは、走査部103の中心部と、偏向部104の中心部との相対位置を意味する。偏向部104を有するコンタクトレンズ12が眼球回転に伴って移動する場合や、走査部103を有する筐体11が振動したり、筐体11を装着中にズレたりする場合などに、偏向部位置は変化する。
偏向部位置は、偏向部104の基準位置に対して、現在位置の差分を加える方法で算出できる。偏向部104の基準位置とは、ユーザがビーム走査型表示装置10を装着中で、かつ視線が正面を向いている状況での、偏向部104の位置とする。基準位置は、ビーム走査型表示装置10の設計時に設定した値としてもよいし、ユーザがビーム走査型表示装置10を購入時に、実際に計測した値としてもよいし、光検出部214を用いて計測した値としてもよい。設計時の設定値なら比較的容易に実現できる効果があり、購入時の計測値ならユーザ個人差に対応できる効果があり、光検出部214の計測値なら使用中変化にも対応できる効果がる。また、偏向部104の基準位置と同様に、コンタクトレンズ12の特徴点601A、601Bの基準位置も、偏向部104の中心部からの各特徴点601A、601Bの位置関係を用いて求めておく。
偏向部104の現在位置は、S01で検出したコンタクトレンズ12の特徴点601A、601Bの位置と、各特徴点601A、601Bの基準位置との差を用いて求められる。図7に示した自転抑制部401を持つコンタクトレンズ12の場合は、コンタクトレンズ12の特徴点601A、601Bの位置変化を、偏向部104の位置変化と同一とみなしてもよい。また、複数個所の特徴点601A、601Bを検出することで、偏向部104の回転も考慮して、位置変化を求めてもよい。
なお、光検出部214を持たないビーム走査型表示装置10の場合は、偏向部位置は、前記基準位置としてもよい。
(S03)光源101が、S02で求めた偏向部位置に基づき、ビームを出力制御し、S04の動作へ移る。
赤色レーザ光源211と青色レーザ光源212と緑色レーザ光源213から出力されるビームの強度をそれぞれ適切に変調することで、網膜に表示する画素の色相や彩度や明度を表現する。また、出力制御は、走査部103や偏向部104など、光源101から眼までの光学系の影響を考慮した補正制御をしてもよい。例えば、偏向部104に対して走査部103からのビームは斜めに入射するので、表示領域の矩形が台形など矩形以外に歪む。さらに、偏向部104の位置が変化すれば歪み具合も変化する。そこで、表示領域が矩形となるように予め逆補正した形状の表示領域となるレーザの出力制御を走査部103と連動して行ってもよい。
なお、偏向部104の移動によって、偏向部104の一部が隠れて走査部103からのビームが届かなくなった場合は、その隠れた部分に対応するビームを出力しないように制御してもよい。例えば、左眼のコンタクトレンズ12に偏向部104があり、左眼より左前方に走査部103がある場合に、ユーザが右を見るために左眼を右に回転させると、眼球の曲率の影響で、偏向部104の右の部分が走査部103から見て、他の部分に遮られる状況が発生しうる。その状況では、偏向部104の左の部分にのみビームが当たるように、光源101の出力を制御してもよい。
(S04)波面形状変更部102が、S02で求めた偏向部位置に基づき、網膜上でのビームスポットサイズが所定範囲内となるように、光源101からのビームの波面形状を変更し、S05の動作へ移る。網膜上でのビームスポットサイズは、走査部103と偏向部104と網膜との位置関係等によって変化するため、走査角の変化や、偏向部位置の変化に応じて、ビームの波面形状を変化させる。例えば、波面形状の水平焦点距離を変更したい場合は、焦点距離水平成分変更部201のシリンドリカルレンズとミラー間の距離を変更することで、水平焦点距離を変更する。同様に、垂直焦点距離を変更したい場合は、焦点距離垂直成分変更部202で変更する。
(S05)走査角制御部501bが、S02で求めた偏向部位置に基づいて走査部103のMEMSミラーの傾きを変化させることで、波面形状変更部102からのビームが、偏向部104へ向かうように走査角を変更し、S06の動作へ移る。
偏向部位置が変化しない場合でも、走査部103は所定の範囲内で走査角を変更することでビームを走査して映像を表示する。偏向部位置が変化した場合は、さらに走査角の範囲(走査角の上限と下限)を変更する。さらに偏向部104への入射角も変化する場合には、走査角の範囲の幅(走査角の上限と下限の差)も変化させてもよい。
(S06)偏向部104が、走査部103からのビームを、ユーザの網膜の向きへ偏向し、S01の動作へ移る。偏向部104のホログラムの回折効果により偏向されたビームがユーザの眼の瞳孔を通過し、網膜に到達してユーザに映像として知覚される。
なお、S03からS06までの一連の処理は、逐次的に実行してもよいし、同時に実行してもよいし、実行順が入れ替わってもよい。実効順序関係の制約を弱めることで、マルチスレッド処理などによって合計処理時間を減少できる可能性が高まる効果がある。
なお、S01やS02の処理を実行する頻度は、S03からS06までの処理を実行する頻度と異なってもよい。S06実行後にS03の動作に移ってもよい。これにより、S01やS02に要する時間が長い場合に、S03からS06までを何回も繰返す動作の合計時間を短くする効果がある。
以上の動作により、偏向部104の位置変化に追従して、ユーザの眼の網膜に映像を描いていく動作を実現できる。
以上の構成と動作により、本発明のビーム走査型表示装置10は、偏向部104が眼に装着するコンタクトレンズ12に形成されることで、メガネ型HMDの装着性に関する課題が解決され、メガネによって容姿が変わることを避けられる効果や、鼻などの接触部分に装着跡が残らない効果や、鼻などの接触部分の化粧が落ちない効果がある。
なお、S01からS06までの動作は、確率を伴う処理動作としてもよい。例えば、偏向部位置の算出を、上方に1ミリメートル移動した確率が20%で、移動していない確率が80%、のように確率的に表現してもよい。これにより算出値が不確かな場合でも、算出しない場合よりは高画質な表示とできる効果がある。
(実施の形態2)
図10は、本発明の実施の形態2における、自動車搭載型のHUD(Head−Up Display:ヘッドアップディスプレイ)の構成図である。本実施の形態2に係る車1000は、ドライバーが着席する運転席1001と、ドライバーが装着したコンタクトレンズ12に対してビームを走査可能な位置に、筐体11を保持する筐体保持部1002とを備える。
光源101、波面形状変更部102、走査部103、偏向部104、制御部105、ヘッドホン部106の、基本的な仕組みや動作は、実施の形態1と同様である。
本実施の形態では、乗車中のユーザに対して映像を表示する。実施の形態1同様に偏向部104にビーム偏向特性と車外からの可視光の透過特性を持たせることで、車外の光景を見ながら、本発明による表示も見ることができる。これにより、車外の光景を見ながら、車速、注意や警告、行先案内などの、運転行動や居場所などに関連する情報を見られる効果がある。
光源101、波面形状変更部102、走査部103を保持する筐体11は、図10のように車1000の天井付近(天井が「筐体保持部1002」に相当)に取り付けてもよい。これにより、窓からの視界を遮らない効果や、眼に近い場所に配置することで、光路が短くなり表示精度を向上できる効果がある。また、光源101を車体下部などの波面形状変更部102から離れた場所に配置し、光源101から波面形状変更部102まで光ファイバーでビームを伝送する構成としてもよい。これにより、光源101を設置するための領域を天井部で減少できる効果がある。
制御部105はダッシュボード内に配置してもよい。本発明のビーム走査型表示装置10とは別の制御装置、例えば車速管理装置や案内制御装置(カーナビゲーションシステム)などの制御装置が本制御部105を兼ねてもよい。これにより制御装置の総数を減らせる効果がある。
ヘッドホン部106は、ユーザの耳に接触している必要はなく、ユーザ周囲の室内面、例えばドアや前面ダッシュボードに装備されたスピーカーでよい。
(実施の形態3)
図11は、本発明の実施の形態3における、椅子装着型のビーム走査型表示装置10の構成図である。
光源101、波面形状変更部102、走査部103、偏向部104、制御部105、ヘッドホン部106の、基本的な仕組みや動作は、実施の形態1と同様である。
本実施の形態では、椅子に着席しているユーザに対して映像を表示する。
光源101、波面形状変更部102、走査部103を含む筐体11は、図11のように椅子の背もたれからユーザ眼前の偏向部104へと至る部分(「筐体保持部」に相当)に配置してもよい。図11ではユーザの頭部の上方に配置しているが、側頭部や、頭部下方に配置してもよい。
制御部105は椅子下部に配置してもよい。本発明のビーム走査型表示装置10とは別の制御装置、例えばマッサージ制御装置などの制御装置が本制御部105を兼ねてもよい。これにより制御装置の総数を減らせる効果がある。
ヘッドホン部106は、ユーザの耳に接触するヘッドホンでもよいし、頭部後方や側方に設置されたスピーカーでもよい。
なお、上記した各実施の形態での制御処理は、専用のH/W(電子回路等)で実現されてもよいし、記憶装置(ROM、RAM、ハードディスク等)に格納された上述した処理手順を実行可能な所定のプログラムデータが、CPUによって解釈実行されることで実現されてもよい。この場合、プログラムデータは、記録媒体を介して記憶装置内に導入されてもよいし、記録媒体上から直接実行されてもよい。なお、記録媒体は、ROM、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクメモリ、CD−ROMやDVDやBD等の光ディスクやSDカード等のメモリカード等の記録媒体をいう。また、記録媒体は、電話回線や搬送路等の通信媒体も含む概念である。
また、実施の形態は本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適時変更が可能である。
本発明にかかるビーム走査型表示装置は、偏向部がコンタクトレンズに形成され、表示装置、表示システム、表示方法などの用途にも応用できる。
図1は、本発明の実施の形態1に係るビーム走査型表示装置の平面図である。 図2は、本発明の実施の形態1に係るビーム走査型表示装置の側面図である。 図3は、本発明の実施の形態1に係るビーム走査型表示装置の詳細構成図である。 図4は、本発明の実施の形態1に係るビーム走査型表示装置の制御部の構成図である。 図5は、本発明の実施の形態1に係る走査部と偏向部の位置関係の一例を示す図である。 図6は、本発明の実施の形態1に係る走査部と偏向部の位置関係の他の例を示す図である。 図7は、本発明の実施の形態1に係る偏向部の一例を示す図である。 図8は、本発明の実施の形態1に係る偏向部の他の例を示す図である。 図9は、本発明の実施の形態1に係るビーム走査型表示装置の動作を説明するフローチャートである。 図10は、本発明の実施の形態2に係るビーム走査型表示装置の構成図である。 図11は、本発明の実施の形態3に係るビーム走査型表示装置の構成図である。
10 ビーム走査型表示装置
11 筐体
12 コンタクトレンズ
101 光源
102 波面形状変更部
103,103A,103B,103C 走査部
104 偏向部
105 制御部
106 ヘッドホン部
106A スピーカー
106B バッテリー
201 焦点距離水平成分変更部
202 焦点距離垂直成分変更部
211 赤色レーザ光源
212 青色レーザ光源
213 緑色レーザ光源
214 光検出部
401 自転抑制部
501 中央処理部
501a 相対位置検出部
501b 走査角制御部
502 記憶部
503 入出力制御部
510 光源入出力制御部
511 波面形状変更入出力制御部
512 走査入出力制御部
513 偏向入出力制御部
514 ヘッドホン入出力制御部
515 電源入出力制御部
516 通信入出力制御部
520 通信部
601A,601B 特徴点
1000 車
1001 運転席
1002 筐体保持部

Claims (18)

  1. ユーザの網膜にビームを走査して画像を表示するビーム走査型表示装置であって、
    画像を構成する各画素を描画するビームを出力する光源、及び前記光源からのビームを2次元方向に走査させる走査部を収納する筐体と、
    前記走査部で走査されたビームを、前記筐体を装着するユーザの眼の網膜に向かう方向へ偏向する偏向部を有する、前記筐体とは別体のコンタクトレンズとを備える
    ビーム走査型表示装置。
  2. 前記偏向部は、前記コンタクトレンズの表面に形成されるホログラムである
    請求項1に記載のビーム走査型表示装置。
  3. 前記ホログラムは、
    第1の方向から入射したビームを前記網膜に向かう方向へ偏向する第1の干渉縞と、
    前記第1の方向と異なる第2の方向から入射したビームを前記網膜に向かう方向へ偏向する第2の干渉縞とを有する
    請求項2に記載のビーム走査型表示装置。
  4. 前記第1及び第2の方向は、前記コンタクトレンズが眼球の表面に沿って所定の角度だけ自転した前後における、前記走査部から前記ホログラムに向かう方向である
    請求項3に記載のビーム走査型表示装置。
  5. 前記第1及び第2の方向は、前記コンタクトレンズが眼球中心を中心として所定の角度だけ公転した前後における、前記走査部から前記ホログラムに向かう方向である
    請求項3に記載のビーム走査型表示装置。
  6. 前記コンタクトレンズは、眼球の表面に沿って自転することを抑制する自転抑制部を有する
    請求項1に記載のビーム走査型表示装置。
  7. 前記自転抑制部は、前記コンタクトレンズの一部であり、他の部分と密度が異なる
    請求項6に記載のビーム走査型表示装置。
  8. さらに、
    前記光源から出力されたビームの前記コンタクトレンズからの反射光を検出する光検出部と、
    前記光検出部の検出結果に基づいて、前記走査部と前記偏向部との相対位置の変化を検出する相対位置検出部と、
    前記相対位置検出部の検出結果に基づいて、前記偏向部に入射するビームが網膜に向かう方向に入射するように、前記走査部の走査角を制御する走査角制御部とを備える
    請求項1に記載のビーム走査型表示装置。
  9. 前記コンタクトレンズは、反射特性が他の部分と異なる特徴点を有し、
    前記光検出部は、前記特徴点からの反射光を検出し、
    前記相対位置検出部は、予め定めた前記特徴点の基準位置と、前記光検出部によって検出された前記特徴点の位置との差分によって、前記走査部と前記偏向部との相対位置の変化を検出する
    請求項8に記載のビーム走査型表示装置。
  10. 前記特徴点は、前記コンタクトレンズの頂上部より前記走査部に近い位置に配置される
    請求項9に記載のビーム走査型表示装置。
  11. 前記走査部は、前記偏向部よりもユーザにとって前方に配置される
    請求項1に記載のビーム走査型表示装置。
  12. 前記走査部は、前記偏向部よりもユーザにとって下方に配置される
    請求項1に記載のビーム走査型表示装置。
  13. 前記走査部は、ユーザ頭部の左右方向で、耳と前記偏向部との間の位置に配置される
    請求項1に記載のビーム走査型表示装置。
  14. 前記筐体は、ユーザの側頭部によってのみ支持される
    請求項1に記載のビーム走査型表示装置。
  15. 前記筐体は、
    ユーザの側頭部との接触位置より前方に位置する第1の部分と、
    前記接触位置より後方に位置し、前記接触位置まわりのモーメントが前記第1の部分と実質的に釣り合う第2の部分とで構成される
    請求項14に記載のビーム走査型表示装置。
  16. 前記接触位置は、ユーザの耳の付け根であり、
    前記第2の部分には、該ビーム走査型表示装置を駆動する電池が配置されている
    請求項15に記載のビーム走査型表示装置。
  17. 光源及び走査部を有する筐体と、偏向部を有し、前記筐体とは別体のコンタクトレンズとを備えるビーム走査型表示装置で画像を表示する表示方法であって、
    前記光源から画像を構成する各画素を描画するビームを出力するビーム出力ステップと、
    前記ビーム出力ステップで出力されたビームを2次元方向に走査させる走査ステップと、
    前記走査ステップで走査されたビームを前記偏向部でユーザの眼の網膜に向かう方向へ偏向する偏向ステップと、
    前記ビーム出力ステップで出力されたビームの前記コンタクトレンズからの反射光を検出する光検出ステップと、
    前記光検出ステップでの検出結果に基づいて、前記走査部と前記偏向部との相対位置の変化を検出する相対位置検出ステップと、
    前記相対位置検出ステップでの検出結果に基づいて、前記偏向部に入射するビームが網膜に向かう方向に入射するように、前記走査部の走査角を制御する走査角制御ステップとを含む
    表示方法。
  18. 請求項1に記載のビーム走査型表示装置を搭載した自動車であって、
    前記コンタクトレンズを装着したドライバーが着席する運転席と、
    ドライバーが装着した前記コンタクトレンズに対してビームを走査可能な位置に、前記筐体を保持する筐体保持部とを備える
    自動車。
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