JP3425818B2 - 網膜直接表示装置及びそれを用いたテレビジョン受信機 - Google Patents

網膜直接表示装置及びそれを用いたテレビジョン受信機

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JP3425818B2
JP3425818B2 JP00784895A JP784895A JP3425818B2 JP 3425818 B2 JP3425818 B2 JP 3425818B2 JP 00784895 A JP00784895 A JP 00784895A JP 784895 A JP784895 A JP 784895A JP 3425818 B2 JP3425818 B2 JP 3425818B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、映像信号を可視光のビ
ームに変換し、そのビームを水平及び垂直に偏向し、両
眼の瞳孔を通して網膜上にラスタ走査を行って二次元画
像(平面画像)あるいは三次元画像(立体画像)の映像
表示を行う網膜直接表示装置と、それを用いたテレビジ
ョン受信機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このような分野の技術としては、
例えば次のような文献に記載されるものがあった。 文献1;特開平2−5号公報 文献2;特開平2−161930号公報 文献3;特開平3−214872号公報 前記文献1にはカメラの視線方向検出装置の技術、文献
2にはレーザ走査式光凝固装置の技術、及び文献3には
眼鏡型網膜直接表示装置の技術がそれぞれ記載されてい
る。前記文献3に記載された従来の眼鏡型網膜直接表示
装置は、タングステンランプ及びミラーからなる点光源
と、該点光源で照射される映像板と、該映像板とほぼ一
体的に配置された短焦点の接眼レンズとを備え、それら
が眼鏡型のフレームに取付けられている。映像板は、例
えば、カラーフィルタを有する透過型の液晶板で構成さ
れ、液晶テレビジョンに採用されているような表示駆動
回路から供給される映像信号で駆動されるようになって
いる。この種の眼鏡型網膜直接表示装置では、点光源か
ら出射された光が映像板を通過し、接眼レンズによって
眼球の表面の瞳孔に焦点が結ばれる。この瞳孔に焦点が
結ばれた映像板の実像は、眼球の水晶体で反転されて網
膜上に結像される。映像観賞者が、接眼レンズの焦点に
瞳孔が位置するように眼鏡型網膜直接表示装置を装着す
ると、個人の視度(近眼、遠視眼)に関係なく、映像信
号で駆動される映像板の像のみを鮮明に感知することが
可能になる。しかも、眼球に入射される映像光線は、視
野角を約60°にすることも可能になるから、大画面を
近くで見るような迫力ある画面としてみることができ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記文
献3に記載された従来の眼鏡型網膜直接表示装置では、
次のような課題があった。従来の網膜直接表示装置で
は、映像信号をディスプレイの一種である映像板によっ
て可視像に変換し、その可視像を眼球の網膜上に結像す
ることによって該可視像を見る構造になっている。その
ため、高画質の映像信号が入力されても、それを映像板
によって可視像に変換する際に、該映像板の構造に起因
して画質が劣化し、高い解像度を得ることが困難であっ
た。しかも、映像板を必要とするため、装置の小型化及
び低コスト化に限界があり、未だ技術的に充分満足のゆ
く網膜直接表示装置を得ることが困難であった。本発明
は、前記従来技術が持っていた課題として、解像度の劣
化、及び装置の小型化や低コスト化に限界があるといっ
た点について解決した高解像度の網膜直接表示装置とそ
れを用いたテレビジョン受信機を提供することを目的と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、請求項1に係る発明では、網膜直接表示装置におい
て、水平同期信号及び垂直同期信号を含んだ映像信号
を、可視光のビームに変換する可視光変換手段と、網膜
投影手段と、視線追尾手段とを備え、前記可視光変換手
段、前記網膜投影手段、及び前記視線追尾手段が観賞者
の前面から所定距離離れた所に設置される網膜直接表示
装置であって、前記網膜投影手段、及び前記視線追尾手
段を次のように構成している。即ち、前記網膜投影手段
は、水平偏向信号及び垂直偏向信号に基づき、前記可視
光変換手段で変換された前記ビームを水平及び垂直方向
に偏向する二次元走査手段と、前記二次元走査手段で偏
向されたビームをその出射方向に向けた前記観賞者の両
眼へ投影し、所定の範囲内で移動する前記観賞者の両眼
の瞳孔を通して網膜上にラスタ走査を行わせる光学系と
を有している。前記視線追尾手段は、前記映像信号中に
含まれる前記水平同期信号及び前記垂直同期信号を抽出
する同期回路と、前記眼側から送られてくる反射光ビー
ム又は照射光ビームを電気信号に変換する光電変換装置
と、前記光電変換装置で変換された前記電気信号に基づ
き、現在のフレームの瞳孔の画像情報と1つ前のフレー
ムの瞳孔の画像情報とを比較して前記瞳孔の動きの方向
と量を検出し、前記瞳孔の水平及び垂直方向の動き検出
信号を出力する画像処理装置と、前記同期回路で抽出さ
れた前記水平同期信号及び前記垂直同期信号と前記画像
処理装置から出力された前記動き検出信号とに基づき、
前記水平偏向信号及び前記垂直偏向信号を前記網膜投影
手段に出力し、前記網膜投影手段のビーム出射方向を前
記瞳孔の移動に追尾させる視線追尾制御装置とを有して
いる。さらに、前記光学系は、前記網膜投影手段から出
射されるビームの径を、前記瞳孔の径と等しいか、ある
いは該瞳孔の径よりも大きくかつ眼球の水晶体の径より
も小さくする構成にしている。
【0005】請求項2に係る発明では、網膜直接表示装
置において、異なる角度から撮影して生成された、水平
同期信号及び垂直同期信号をそれぞれ含んだ右眼用映像
信号と左眼用映像信号のうち、前記右眼用映像信号を可
視光の右眼用ビームに変換する右眼用可視光変換手段
と、前記左眼用映像信号を可視光の左眼用ビームに変換
する左眼用可視光変換手段と、右眼用網膜投影手段と、
左眼用網膜投影手段と、視線追尾手段とを備え、前記右
眼用可視光変換手段、前記左眼用可視光変換手段、前記
右眼用網膜投影手段、前記左眼用網膜投影手段、及び前
記視線追尾手段が観賞者の前面から所定距離離れた所に
設置される網膜直接表示装置であって、前記右眼用網膜
投影手段、前記左眼用網膜投影手段、及び前記視線追尾
手段を次のように構成している。即ち、前記右眼用網膜
投影手段は、水平偏向信号及び垂直偏向信号に基づき、
前記右眼用ビームを水平及び垂直方向に偏向する右眼用
二次元走査手段と、前記右眼用二次元走査手段で偏向さ
れた右眼用ビームをその出射方向へ向けた前記観賞者の
右眼へ投影し、所定の範囲内で移動する前記観賞者の右
眼の瞳孔を通して右眼網膜上にラスタ走査を行わせる右
眼用光学系とを有している。前記左眼用網膜投影手段
は、前記水平偏向信号及び前記垂直偏向信号に基づき、
前記右眼用網膜投影手段と同期して前記左眼用ビームを
偏向する左眼用二次元走査手段と、前記左眼用二次元走
査手段で偏向された左眼用ビームをその出射方向へ向け
た前記観賞者の左眼へ投影し、所定の範囲内で移動する
前記観賞者の左眼の瞳孔を通して左眼網膜上にラスタ走
査を行わせる左眼用光学系とを有している。前記視線追
尾手段は、前記映像信号中に含まれる水平同期信号及び
垂直同期信号を抽出する同期回路と、前記眼側から送ら
れてくる反射光ビーム又は照射光ビームを電気信号に変
換する光電変換装置と、前記光電変換装置で変換された
前記電気信号に基づき、現在のフレームの片眼又は両眼
の瞳孔の画像情報と1つ前のフレームの片眼又は両眼の
瞳孔の画像情報とを比較して前記片眼又は両眼の瞳孔の
動きの方向と量を検出し、前記片眼又は両眼の瞳孔の水
平及び垂直方向の動き検出信号を出力する画像処理装置
と、前記同期回路で抽出された前記水平同期信号及び前
記垂直同期信号と前記画像処理装置から出力された前記
動き検出信号とに基づき、前記水平偏向信号及び前記垂
直偏向信号を前記右眼用及び左眼用網膜投影手段に出力
し、前記右眼用及び左眼用網膜投影手段のビーム出射方
向を前記瞳孔の移動に追尾させる視線追尾制御装置とを
有している。さらに、請求項1と同様に、前記光学系
は、前記網膜投影手段から出射されるビームの径を、前
記瞳孔の径と等しいか、あるいは該瞳孔の径よりも大き
くかつ眼球の水晶体の径よりも小さくする構成にしてい
る。請求項に係る発明では、請求項1又は2の網膜直
接表示装置において、前記ビームは、コヒーレントなレ
ーザビーム又はインコヒーレントな光ビームである。請
求項に係る発明では、テレビジョン受信機において、
請求項1、2又は3の網膜直接表示装置に、音声信号を
音声に変換する音響機器と、観賞者が座る所定位置を指
示するミラーとを設けている。
【0006】
【作用】請求項1、に係る発明によれば、映像信号が
入力されると、その映像信号が可視光変換手段で可視光
のビーム(コヒーレントなレーザビーム又はインコヒー
レントな光ビーム)に変換され、網膜投影手段へ送られ
る。網膜投影手段では、入射されたビームを二次元走査
手段で水平及び垂直方向に偏向し、所定距離離れた観賞
者の両眼の瞳孔を通して網膜上に直接ラスタ走査を行
う。この際、観賞者の顔が所定の範囲内で移動したとき
には、視線追尾手段により、瞳孔の移動方向が検出さ
れ、網膜投影手段のビーム出射方向が該瞳孔の移動に追
従するように制御される。請求項2、に係る発明によ
れば、異なる角度から撮影して生成された右眼用映像信
号と左眼用映像信号が入力されると、それらの右眼用映
像信号と左眼用映像信号が右眼用可視光変換手段と左眼
用可視光変換手段でそれぞれ可視光のビーム(コヒーレ
ントなレーザビーム又はインコヒーレントな光ビーム)
に変換され、右眼用網膜投影手段と左眼用網膜投影手段
へそれぞれ送られる。右眼用網膜投影手段では、入射さ
れた右眼用ビームを右眼用二次元走査手段で水平及び垂
直方向に偏向し、所定距離離れた観賞者の右眼の瞳孔を
通して右眼網膜上に直接ラスタ走査を行う。これと同期
して左眼用網膜投影手段では、入射された左眼用ビーム
を左眼用二次元走査手段で水平及び垂直方向に偏向し、
観賞者の左眼の瞳孔を通して左眼網膜上に直接ラスタ走
査を行う。この際、観賞者の顔が所定の範囲内で移動し
たときには、視線追尾手段により、右眼又は左眼のいず
れか一方の瞳孔、あるいは両眼の瞳孔の移動方向が検出
され、右眼用網膜投影手段及び左眼用網膜投影手段のビ
ーム出射方向が該瞳孔の移動に追従するように制御され
る。
【0007】請求項4に係る発明によれば、テレビジョ
ン受信機に設けられたミラーにより指示された所定位置
に観賞者が座ると、網膜直接表示装置によってビームが
その観賞者の眼球の網膜上に直接ラスタ走査される。さ
らに、入力された音声信号が音響機器で音声に変換され
る。従って、前記課題を解決できるのである。
【0008】
【実施例】第1の実施例 図1は、本発明の第1の実施例を示す投影型網膜直接表
示装置の構成ブロック図である。この投影型網膜直接表
示装置は、映像観賞者から所定距離離れた所に設置さ
れ、赤(R)、緑(G)及び青(B)の三原色からなる
映像信号INを可視光のビーム(コヒーレントなレーザ
ビーム又はインコヒーレントな光ビーム)S10に変換
した後、そのビームS10を偏向して眼球1の瞳孔2及
び水晶体3を通して網膜4上にラスタ走査を行い、平面
画像の映像表示を可能にする装置である。即ち、この投
影型網膜直接表示装置は、R、G、Bの三原色からなる
映像信号INを可視光のビームS10に変換する可視光
変換手段である可視光変換装置10を有し、その出力側
に網膜投影手段である網膜投影装置20が接続されてい
る。網膜投影装置20は、前記文献2に記載されたレー
ザ走査式光凝固装置と類似する装置であり、水平偏向信
号S40H及び垂直偏向信号S40Vに基づき、入射さ
れたビームS10を水平及び垂直方向に走査する二次元
走査手段を有し、該二次元走査手段で偏向されたビーム
S20を眼球1へ投影し、その眼球1の瞳孔2及び水晶
体3を通して網膜4上にラスタ走査を行う機能を有して
いる。
【0009】網膜投影装置20には、眼の瞳孔2の移動
方向を検出し、その検出結果に基づき該網膜投影装置2
0のビーム出射方向を該瞳孔2の移動に追尾させる視線
追尾手段が接続されている。視線追尾手段は、前記文献
1に記載されたカメラの視線方向検出装置と類似する技
術であり、同期回路30、視線追尾制御装置40、照射
光源50、光電変換装置60、及び画像処理装置70で
構成されている。同期回路30は、映像信号IN中に含
まれる水平同期信号S30H及び垂直同期信号S30V
を抽出する回路であり、その出力側に視線追尾制御装置
40が接続されている。視線追尾制御装置40は、水平
同期信号S30H及び垂直同期信号S30Vと、画像処
理装置70で検出された視線情報(即ち、瞳孔2の動き
検出信号)S70H,S70Vとに基づき、水平偏向信
号S40H及び垂直偏向信号S40Vを出力し、網膜投
影装置20のビーム出射方向を瞳孔2の移動方向に追尾
させる機能を有している。
【0010】照射光源50は、照射ビーム(例えば、コ
ヒーレントな赤外線レーザビームあるいはインコヒーレ
ントな光ビーム)S50を出射する光源である。この照
射光源50から出射された照射ビームS50は、例え
ば、網膜投影装置20内に設けられたハーフミラー等の
ビームスプリッタで反射されて眼球1方向へ送られ、そ
の眼球1で反射する。眼球1で反射した反射照射ビーム
S23bは、例えば、網膜投影装置20内に設けられた
ハーフミラー等のビームスプリッタで反射され、光電変
換装置60へ送られるようになっている。光電変換装置
60は、網膜投影装置20から送られてきた反射照射ビ
ームS23bを電気信号に変換する装置であり、電荷結
合素子(Charge Coupled Device、以下CCDという)
等のイメージセンサで構成されており、その出力側に画
像処理装置70が接続されている。画像処理装置70
は、光電変換装置60の出力信号を入力し、該光電変換
装置60から与えられる現在のフレームの瞳孔2の画像
情報と、1つ前の瞳孔2の画像情報とを比較し、該瞳孔
2の動きを検出してその動き検出信号S70H,S70
Vを視線追尾制御装置40に与える装置であり、中央処
理装置(Central Processing Unit 、以下CPUとい
う)及び記憶装置(以下、メモリという)等で構成され
ている。
【0011】図2は、図1の投影型網膜直接表示装置の
具体的な構成図である。網膜投影装置20は、水平走査
部21及び垂直走査部22からなる二次元走査手段と、
光学系23とで、構成されている。水平走査部21は、
視線追尾制御装置40からの水平偏向信号S40Hに基
づき、可視光変換装置10から出射された可視光のビー
ムS10を水平方向に走査する機能を有している。垂直
走査部22は、視線追尾制御装置40からの垂直偏向信
号S40Vに基づき、水平走査部21で水平方向に走査
されたビームS10を垂直方向に走査する機能を有して
いる。光学系23は、例えば、ハーフミラー等で構成さ
れた2つのビームスプリッタ23a,23bと、収束用
レンズ23cとを備えている。一方のビームスプリッタ
23aは、照射光源50から出射された照射ビームS5
0を眼球1方向へ反射する機能を有し、他方のビームス
プリッタ23bは、眼球1からの反射照射ビームS23
bを光電変換装置60側へ反射する機能を有している。
収束用レンズ23cは、垂直走査部22から出射されビ
ームスプリッタ23a,23bを通して送られてくるビ
ームS20を収束して瞳孔2の上に焦点を結ばせる機能
を有している。
【0012】視線追尾制御装置40は、水平同期側のバ
イアス発生回路41H、のこぎり波発生回路42H、電
圧制御発振器(Voltage Controlled Oscillator 、以下
VCOという)43H、及びドライバ44Hと、垂直同
期側のバイアス発生回路41V、のこぎり波発生回路4
2V、VCO43V、及びドライバ44Vとで、構成さ
れている。水平同期側のバイアス発生回路41Hは、同
期回路30から出力される水平同期信号S30Hを入力
し、画像処理装置70から送られてくる動き検出信号S
70Hに応じたバイアス信号S41Hを発生する回路で
あり、その出力側にのこぎり波発生回路42Hが接続さ
れている。のこぎり波発生回路42Hは、のこぎり波を
発生して該のこぎり波とバイアス信号S41Hとを重畳
してのこぎり波信号S42Hを出力する回路であり、ブ
ロッキング発振器等で構成されている。のこぎり波発生
回路42Hの出力側には、VCO43Hが接続されてい
る。VCO43Hは、のこぎり波信号S42Hの電圧レ
ベルに応じて発振周波数が変化する発振器であり、その
出力側にドライバ44Hが接続されている。ドライバ4
4Hは、VCO43Hの出力信号を駆動して水平偏向信
号S40Hを出力し、網膜投影装置20内の水平走査部
21へ与える回路である。
【0013】水平同期側と同様に、垂直同期側のバイア
ス発生回路41Vは、同期回路30から出力される垂直
同期信号S30Vを入力し、画像処理装置70から送ら
れてくる動き検出信号S70Vに応じたバイアス信号S
41Vを発生する回路であり、その出力側にのこぎり波
発生回路42Vが接続されている。のこぎり波発生回路
42Vは、ブロッキング発振器等で構成され、のこぎり
波を発生して該のこぎり波とバイアス信号S41Vとを
重畳してのこぎり波信号S42Vを出力する回路であ
り、その出力側にVCO43Vが接続されている。VC
O43Vは、のこぎり波信号S42Vの電圧レベルに応
じて発振周波数が変化する発振器であり、その出力側に
ドライバ44Vが接続されている。ドライバ44Vは、
VCO43Vの出力信号を駆動して垂直偏向信号S40
Vを出力し、網膜投影装置20内の垂直走査部22に与
える回路である。画像処理装置70は、サンプルホール
ド回路71、補正回路72、アナログ/ディジタル変換
器(Analog-to-Digital converter 、以下A/D変換器
という)73、動き検出回路74、フィールドメモリ7
5、制御回路76、及びディジタル/アナログ変換器
(Digital-to-Analog converter 、以下D/A変換器と
いう)77H,77Vで構成されている。
【0014】サンプルホールド回路71は、光電変換装
置60の出力信号をサンプルホールドする回路であり、
その出力側に補正回路72が接続されている。補正回路
72は、サンプルホールド回路71の出力信号に対して
自動利得制御(Automatic Gain Control、以下AGCと
いう)と非線形処理すなわちガンマ補正(以下、γ補正
という)とを行う回路であり、その出力側にA/D変換
器73が接続されている。A/D変換器73は、補正回
路72の出力信号をディジタル信号に変換する回路であ
り、その出力側に動き検出回路74及びフィールドメモ
リ75が接続されている。フィールドメモリ75は、デ
ータの読み書き(即ち、アクセス)が動き検出回路74
で制御され、1フレーム前の画像信号を記憶するメモリ
である。動き検出回路74は、フィールドメモリ75に
対するアクセスを制御する機能を有すると共に、該フィ
ールドメモリ75から入力した1フレーム前の画像信号
と、A/D変換器73から入力した現フレームの画像信
号とを比較して、瞳孔2の動きの方向と量(これを動き
ベクトルという)を求め、この動きベクトルに応じた動
き検出信号を出力する回路である。
【0015】これらの動き検出回路74及びフィールド
メモリ75は、CPUを有するマイクロコンピュータ等
で構成された制御回路76によって制御されるようにな
っている。動き検出回路74の出力側には、2つのD/
A変換器77H,77Vが接続されている。一方のD/
A変換器77Hは、動き検出回路74の出力信号をアナ
ログ信号に変換して瞳孔2の水平方向の動き検出信号S
70Hを出力し、バイアス発生回路41Hに与える回路
である。他方のD/A変換器77Vは、動き検出回路7
4の出力信号をアナログ信号に変換し、瞳孔2の垂直方
向の動き検出信号S70Vを出力し、バイアス発生回路
41Vに与える回路である。
【0016】図3は、図2中の網膜投影装置20の概略
の構成図である。この網膜投影装置20は、例えば、音
響光学式光偏向器で構成されるもので、水平走査部21
が、水平方向に配置され水平走査を行う音響光学式光偏
向器21aと、該偏向器21aの出射側に設けられたλ
/4(但し、λは波長)波長板21bとで、構成されて
いる。垂直走査部22は、λ/4波長板21bの出射側
において紙面に対して垂直方向に配置され垂直走査を行
う音響光学式光偏向器22aで構成されている。光偏向
器22aの出射側には、ビームスプリッタ23a,23
b及び収束用レンズ23cを有する光学系23が設けら
れている。水平走査用の光偏向器21aでは、モリブデ
ン酸鉛、TeO2 等の音響光学媒質21a−1の一端
に、ZnOやLiNbO3 等の圧電材料からなるトラン
スジューサ21a−2が張付けられ、該音響光学媒質2
1a−1の他端に、超音波吸収層21a−3が設けられ
ている。この光偏向器21aは、音響光学媒質21a−
1中を伝搬する超音波によって生ずる屈折率の粗密(即
ち、回折格子)で光が回折される音響光学効果を利用
し、トランスジューサ21a−2に印加される水平偏向
信号S40Hの電圧あるいは周波数を変えることによ
り、入射されたビームS10の回折方向を変化させて水
平走査を行うようになっている。垂直走査用の光偏向器
22aは、水平走査用の光偏向器21aと同一の構成で
あり、垂直偏向信号S40Vの電圧あるいは周波数を変
えることによって回折方向を変化させ、垂直走査を行っ
てビームS20を出射するようになっている。
【0017】光学系23内の収束用レンズ23cは、垂
直走査用の光偏向器22aから出射されビームスプリッ
タ23a,23bを通して送られてくるビームS20を
収束して眼球1の表面の瞳孔2の上に焦点を結ばせる機
能を有している。この瞳孔2上に焦点を結ばれたビーム
S20は、眼球1の水晶体3で反転されて網膜4上に結
像され、該網膜4上において水平方向及び垂直方向の走
査が行われるようになっている。眼球1の瞳孔2は、そ
の径が人の生理作用によって暗い所では大きく、明るい
所では小さくなる。そこで、レンズ23cから出射され
るビームS20のビーム径は、瞳孔2の径と等しいか、
あるいは該瞳孔2の径よりも大きくかつ水晶体3の径よ
りも小さくした方が、ものが見やすくなって疲労度が少
なく、生理的に望ましい。
【0018】図4は、図1の投影型網膜直接表示装置を
搭載したテレビジョン受信機の概略の構成ブロック図で
ある。このテレビジョン受信機80は、キャビネット8
1を有し、該キャビネット81の外側に初期設定用のミ
ラー82が取付けられている。キャビネット81内に
は、図1の投影型網膜直接表示装置でそれぞれ構成され
る2つの網膜直接表示装置100R,100Lが設けら
れ、それらの網膜投影装置100R,100Lから交差
法によって2本のビームS20R,S20Lが交差状態
で出射され、該キャビネット81前の所定位置に腰掛け
た観賞者300の両方の眼球1R,1Lに入射するよう
になっている。さらに、キャビネット81内には、音響
装置が設けられている。この音響装置は、例えば音声回
路201及びスピーカ202等で構成されている。音声
回路201は、外部から入力される音声信号を検波及び
増幅してスピーカ202を動作させる回路である。以上
のように構成される投影型網膜直接表示装置及びそれを
搭載したテレビジョン受信機の動作を説明する。
【0019】図4に示すように、観賞者300がテレビ
ジョン受信機80によってテレビジョン信号やビデオ信
号等の映像を観賞する場合、キャビネット81上に設け
られたミラー82を見ながら自分の顔が見えるような所
定位置に座ることにより、投影距離の初期設定が行われ
る。外部から入力される音声信号は、キャビネット81
内に設けられた音声回路201によって検波及び増幅さ
れ、スピーカ202が動作して該スピーカ202から音
声が出力される。外部から入力される映像信号INは、
キャビネット81内に設けられた各網膜直接表示装置1
00R,100L内の図1の可視光変換装置10によ
り、例えばR、G、Bの三原色の可視光のビームS10
に変換されて網膜投影装置20へ送られる。図2の網膜
投影装置20において、水平走査部21を構成する図3
の水平走査用光偏向器21aでは、視線追尾装置40か
ら与えられる水平偏向信号S40Hに基づき、入射され
たビームS10に対する水平走査を行う。水平走査され
たビームは、λ/4波長板21bを通して垂直走査用光
偏向器22aへ送られる。垂直走査用光偏向器22aで
は、視線追尾制御装置40から与えられる垂直偏向信号
S40Vに基づき、入射されるビームに対する垂直走査
を行う。垂直走査されたビームS20は、ビームスプリ
ッタ23a,23bを透過し、収束用レンズ23cから
出射される。
【0020】このように、図4の各網膜直接表示装置1
00R,100L内の網膜投影装置20によって偏向さ
れた2本のビームS20R,S20Lは、それらの各網
膜投影装置20から交差して出射される。2本のビーム
S20R,S20Lは、観賞者300の両方の眼球1
R,1Lの瞳孔2及び水晶体3を通って網膜4上に結像
される。この2本のビームS20R,S20Lにより、
両眼の網膜4上に直接、水平方向及び垂直方向に走査さ
れるので、目の残像効果によって観賞者300は、網膜
直接表示装置100R,100Lから出射される平面画
像の映像を楽しむことができる。この際、各網膜直接表
示装置100R,100L内にそれぞれ設けられた図2
の照射光源50から出射された照射ビームS50は、各
ビームスプリッタ23aで反射されて両方の眼球1R,
1Lへそれぞれ送出される。送出された各照射ビームS
50は、両眼の眼球1R,1Lでそれぞれ反射し、各網
膜直接表示装置100R,100L内のビームスプリッ
タ23bへそれぞれ送られる。各ビームスプリッタ23
bへ送られた反射照射ビームS23bは、それらの各ビ
ームスプリッタ23bでそれぞれ反射され、各光電変換
装置60でそれぞれ電気信号に変換されて各画像処理装
置70へ送られる。
【0021】各網膜直接表示装置100R,100L内
の図2の画像処理装置70では、光電変換装置60の出
力信号が、サンプルホールド回路71でサンプルホール
ドされ、補正回路72によってAGC及びγ補正が行わ
れた後、A/D変換器73でディジタル信号に変換さ
れ、動き検出回路74及びフィールドメモリ75へ送ら
れる。フィールドメモリ75には、1フレーム前の瞳孔
2の画像信号が記憶されている。動き検出回路74で
は、フィールドメモリ75から読出された1フレーム前
の瞳孔2の画像信号と、A/D変換器73から送られて
くる現フレームの瞳孔2の画像信号とを比較し、該瞳孔
2の動きの方向と量(即ち、動きベクトル)を求め、こ
の動きベクトルに応じた水平方向及び垂直方向の動き検
出信号を出力する。
【0022】動き検出回路74から出力された水平方向
の動き検出信号は、D/A変換器77Hでアナログ信号
に変換され、該変換された水平方向の動き検出信号S7
0Hが視線追尾制御装置40内のバイアス発生回路41
Hへ送られる。さらに、動き検出回路74から出力され
た垂直方向の動き検出信号は、D/A変換器77Vでア
ナログ信号に変換され、その変換された垂直方向の動き
検出信号S70Vが視線追尾制御装置40内のバイアス
発生回路41Vへ送られる。各網膜直接表示装置100
R,100L内の同期回路30では、入力された映像信
号INから水平同期信号S30H及び垂直同期信号S3
0Vを抽出し、バイアス発生回路41H,41Vへ送
る。水平同期側のバイアス発生回路41Hは、同期回路
30から出力された水平同期信号S30Hと、D/A変
換器77Hから出力された動き検出信号S70Hとを入
力し、その動き検出信号S70Hに応じたレベルのバイ
アス信号S41Hをのこぎり波発生回路42Hへ出力す
る。のこぎり波発生回路42Hでは、入力されたバイア
ス信号S41Hに、内部で発生したのこぎり波を重畳し
てのこぎり波信号S42Hを出力するので、該のこぎり
波信号S42Hの電圧レベルに応じてVCO43Hの発
振周波数が変化する。このVCO43Hの出力信号は、
ドライバ44Hで駆動され、該ドライバ44Hから水平
偏向信号S40Hが出力され、水平走査部21内の光偏
向器21aに与えられる。
【0023】一方、垂直同期側のバイアス発生回路41
Vでは、同期回路30から出力された垂直同期信号S3
0Vと、D/A変換器77Vから出力された動き検出信
号S70Vとを入力し、該動き検出信号S70Vのレベ
ルに応じたバイアス信号S41Vをのこぎり波発生回路
42Vへ出力する。のこぎり波発生回路42では、入力
されたバイアス信号S41Vに、内部で発生したのこぎ
り波を重畳してのこぎり波信号S42Vを出力するの
で、該のこぎり波信号S42VによってVCO43Vの
発振周波数が変化する。このVCO43Vの出力信号
は、ドライバ44Vで駆動され、該ドライバ44Vから
垂直偏向信号S40Vが出力され、垂直走査部22内の
光偏向器22aへ与えられる。これにより、光学系23
を構成するレンズ23cのビーム出射方向が制御され
る。そのため、テレビジョン受信機80の前に居る観賞
者300の顔が、映像観賞中に所定の範囲内で移動し、
両眼の眼球1R,1Lの瞳孔2が移動した場合、その瞳
孔2の移動に追従して各網膜直接表示装置100R,1
00Lから出射されるビームS20R,S20Lも移動
する。従って、各網膜直接表示装置100R,100L
から出射されるビームS20R,S20Lにより、観賞
者300の眼球1R,1Lの各瞳孔2及び水晶体3を通
して網膜4上にラスタ走査が行われることになる。
【0024】以上のように、この第1の実施例では、次
のような利点(a)〜(d)を有している。 (a) 高画質の映像信号INが各網膜直接表示装置1
00R,100L内の可視光変換装置10によって可視
光のビームS10に変換され、そのビームS10を用い
て網膜投影装置20によって直接、網膜4上にラスタ走
査が行われるので、従来の映像板を用いたものに比べて
画質劣化が少なく、高い解像度を得ることができる。 (b) 従来の映像板に代えて両眼の網膜4上に直接ラ
スタ走査を行う構成であるため、従来の映像板を省略す
ることによって装置の小型化及び低コスト化が可能とな
る。 (c) 観賞者300の顔が所定の範囲内で移動して
も、照射光源50から出射される照射ビームS50を用
いて視線追尾を行うので、視線追尾精度を向上できる。 (d) 可視光のビームS10,S20及び照射ビーム
S50として、レーザビームを用いた場合、該レーザビ
ームは収束性が高いので、ラスタ走査及び視線追尾の精
度をより向上できる。但し、目に対する安全性のため、
低エネルギーのレーザビームを用いることが望ましい。
これに対し、インコヒーレントな可視光ビームを用いれ
ば、収束性が低いので、レーザビームに比べてラスタ走
査及び視線追尾の精度が低いが、目に対してはより安全
である。
【0025】第2の実施例 図5は、本発明の第2の実施例を示す投影型網膜直接表
示装置の構成ブロック図であり、第1の実施例を示す図
1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されてい
る。この網膜直接表示装置では、図1及び図2中の照射
光源50及びビームスプリッタ23aを省略し、網膜投
影装置20から眼球1へ出射されたビームS20の反射
ビームを用いて瞳孔2の視線追尾を行うようになってい
る点のみが異なっている。即ち、この第2の実施例で
は、網膜4上にラスタ走査を行うために、網膜投影装置
20からビームS20が出射されると、そのビームS2
0の眼球1からの反射ビームを図2中のビームスプリッ
タ23bで反射し、その反射したビームS23bを光電
変換装置60で電気信号に変換する。変換された電気信
号は、第1の実施例と同様に、画像処理装置70によっ
て瞳孔2の動き検出信号S70H,S70Vが検出さ
れ、その検出された動き検出信号S70H,S70Vに
基づき、視線追尾制御装置40によって網膜投影装置2
0のビーム出射方向が制御され、該瞳孔2の移動に追尾
する。この第2の実施例では、第1の実施例とほぼ同様
の作用、効果が得られる上に、照射光源50及びビーム
スプリッタ23aを省略し、網膜投影装置20から出射
されるビームS20の反射ビームを用いて視線追尾を行
うので、その視線追尾手段の構成を簡単化できる。
【0026】第3の実施例 図6は、本発明の第3の実施例を示す網膜投影装置の概
略の構成図であり、第1の実施例を示す図3中の要素と
共通の要素には共通の符号が付されている。図4のテレ
ビジョン受信機80では、右眼用と左眼用に2つの網膜
直接表示装置100R,100Lが設けられている。こ
れらの各網膜直接表示装置100R,100Lは、図1
あるいは図5に示す装置で構成される。この場合、2つ
の網膜直接表示装置100R,100L内のうち、同期
回路30、視線追尾制御装置40、光電変換装置60、
及び画像処理装置70で構成される視線追尾手段は、右
眼と左眼の瞳孔2の動きがほぼ等しいので、一方の網膜
直接表示装置100R又は100L内のみに設ければ足
りる。そのため、2つの網膜直接表示装置100R又は
100Lの一方に設けた共用の視線追尾制御装置40か
ら出力される水平偏向信号S40H及び垂直偏向信号S
40Vを、各網膜直接表示装置100R,100L内の
網膜投影装置20に与えれば、回路構成の簡単化が図れ
る。さらに回路構成の簡単化を図ろうとすれば、図4の
2つの網膜直接表示装置100R,100Lを図1又は
図5のような1つの共用の網膜直接表示装置で構成し、
その共用の網膜直接表示装置内の網膜投影装置20を図
3と異なる構成にして、該共用の網膜投影装置20から
右眼用と左眼用の2本のビームS20R,S20Lを出
射する構成にすれば、構成をより簡単化できる。この共
用の網膜投影装置20の構成例が図6に示されている。
【0027】この図6の網膜投影装置20では、図3と
同様の水平走査用光偏向器21a及びλ/4波長板21
bからなる水平走査部21と、図3と同様の垂直走査用
光偏向器22aからなる垂直走査部22とを備え、その
出射側に設けられる光学系23の構成のみが図3のもの
と異なっている。この図6の光学系23では、ハーフミ
ラー等で構成されたビームスプリッタ23aR,23b
Rと、ミラー等で構成されたビームスプリッタ23aL
と、右眼側の収束用レンズ23cRと、左眼側の収束用
レンズ23cLとを、備えている。一方のビームスプリ
ッタ23aRは、垂直走査用光偏向器22aから出射さ
れるビームを右眼側レンズ23cR方向へ透過させると
共に、他方のビームスプリッタ23aL方向へ反射する
機能を有している。他方のビームスプリッタ23aL
は、一方のビームスプリッタ23aRからの反射光を左
眼側レンズ23cL方向へ反射する機能を有している。
右眼側レンズ23cRは、一方のビームスプリッタ23
aR及び23bRを透過したビームS20Rを収束して
右眼へ送出する機能を有している。左眼側レンズ23c
Lは、他方のビームスプリッタ23aLで反射されたビ
ームS20Lを収束して左眼へ送出する機能を有してい
る。
【0028】図6の共用の網膜投影装置20では、図3
と同様に、図1又は図5の視線追尾制御装置40から与
えられる水平偏向信号S40H及び垂直偏向信号S40
Vに基づき、水平走査用光偏向器21a及び垂直走査用
光偏向器22aにより、可視光変換装置10から出射さ
れたビームS10の水平及び垂直走査が行われる。垂直
走査用光偏向器22aから出射されたビームは、ビーム
スプリッタ23aR,23bRを透過してレンズ23c
Rで収束され、その収束されたビームS20Rによって
右眼の網膜4R上に直接、水平方向及び垂直方向のラス
タ走査が行われる。一方、垂直走査用光偏向器22aか
ら出射されたビームは、ビームスプリッタ23aRで反
射され、さらにビームスプリッタ23aLで反射された
後、レンズ23cLで収束され、その収束されたビーム
S20Lによって左眼の網膜4L上に直接、水平方向及
び垂直方向のラスタ走査が行われる。これにより、目の
残像効果によって図4の観賞者300は、平面画像の映
像を楽しむことができる。このように、図4の2つの網
膜直接表示装置100R,100L内に設けられる網膜
投影装置20を図6のような共用構造にすれば、装置の
構成をより簡単化できる。以上説明した第1、第2及び
第3の実施例では、網膜4R,4L上に直接、ビームS
20R,S20Lをラスタ走査して平面画像の映像表示
を行うようにしているが、それを立体表示の構成に適用
することも可能である。その構成例を、次の第4の実施
例で説明する。
【0029】第4の実施例 図7は、本発明の第4の実施例を示すもので、立体表示
を行うための投影型網膜直接表示装置の構成ブロック図
であり、第1の実施例を示す図1中の要素と共通の要素
には共通の符号が付されている。この投影型網膜直接表
示装置では、右眼用と左眼用の共用の同期回路30、視
線追尾制御装置40、照射光源50、光電変換装置6
0、及び画像処理装置70で構成された図1と同様の視
線追尾手段が設けられている。さらに、入力される右眼
用映像信号INRに対しては、可視光変換装置10R及
び網膜投影装置20Rが設けられ、左眼用映像信号IN
Lに対しても、可視光変換装置10L及び網膜投影装置
20Lが設けられている。右眼用可視光変換装置10R
は、図1の可視光変換装置10と同様に、右眼用映像信
号INRを可視光のビーム(コヒーレントなレーザビー
ムあるいはインコヒーレントな光ビーム)S10Rに変
換する装置であり、その出力側に網膜投影装置20Rが
接続されている。右眼用網膜投影装置20Rは、図1の
網膜投影装置20と同様に、視線追尾制御装置40から
与えられる水平偏向信号S40H及び垂直偏向信号S4
0Vに基づき、可視光変換装置10Rから出射されるビ
ームS10Rを二次元走査手段で水平及び垂直に偏向
し、その偏向されたビームS20Rを光学系によって右
眼の眼球1Rへ送出する装置である。
【0030】左眼用可視光変換装置10Lも、右眼可視
光変換装置10Rと同様に、左眼用映像信号INLを可
視光のビーム(コヒーレントなレーザビームあるいはイ
ンコヒーレントな光ビーム)S10Lに変換する装置で
あり、その出力側に網膜投影装置20Lが接続されてい
る。左眼用網膜投影装置20Lも、右眼用網膜投影装置
20Rと同様に、視線追尾制御装置40から与えられる
水平偏向信号S40H及び垂直偏向信号S40Vに基づ
き、ビームS10Lを二次元走査手段で水平及び垂直に
偏向し、その偏向されたビームS20Lを光学系によっ
て左眼の眼球1Lへ送出する装置である。以上のような
構成の投影型網膜直接表示装置を、図4の2つの網膜直
接表示装置100R,100Lに代えてキャビネット8
1内に設ければ、立体表示可能なテレビジョン受信機を
構成できる。
【0031】この図7の投影型網膜直接表示装置では、
異なる角度から撮影して生成された右眼用映像信号IN
Rと左眼用映像信号INLが各可視光変換装置10R,
10Lにそれぞれ入力されると、その右眼用可視光変換
装置10Rで可視光のビームS10Rに変換され、網膜
投影装置20Rへ送られる。左眼用映像信号INLは、
左眼用可視光変換装置10Lで可視光のビームS10L
に変換され、網膜投影装置20Lへ送られる。右眼用網
膜投影装置20Rでは、視線追尾制御装置40から与え
られる水平偏向信号S40H及び垂直偏向信号S40V
に基づき、入射されたビームS10Rを水平及び垂直に
偏向する。この偏向されたビームS20Rは、網膜投影
装置20R内の光学系から出射され、右眼の瞳孔2Rを
通して網膜4R上にラスタ走査が行われる。左眼用映像
信号INLは、左眼用可視光変換装置10Lで可視光の
ビームS10Lに変換された後、網膜投影装置20Lへ
送られる。左眼用網膜投影装置20Lでは、視線追尾制
御装置40から与えられる水平偏向信号S40H及び垂
直偏向信号S40Vに基づき、入射されたビームS10
Lを水平及び垂直に偏向する。この偏向されたビームS
20Lは、網膜投影装置20L内の光学系から出射さ
れ、左眼の瞳孔2Lを通して網膜4上にラスタ走査が行
われる。これにより、図4の観賞者300は、目の残像
効果によって立体映像を楽しむことができる。なお、こ
の投影型網膜直接表示装置において、同期回路30、視
線追尾制御装置40、照射光源50、ビームスプリッタ
51,52、光電変換装置60、及び画像処理装置70
で構成される視線追尾手段を、左眼用映像信号INL側
にも設けたり、あるいはその左眼用映像信号INL側の
みに設けてもよい。また、照射光源50及び図2中のビ
ームスプリッタ23aを、図5のように省略した構成に
してもよく、それによって構成の簡単化が図れる。
【0032】第5の実施例 図8(a),(b)は、本発明の第5の実施例を示すも
ので、図2の水平走査部21及び垂直走査部22の他の
構成例を示す構成図であり、同図(a)は斜視図、及び
同図(b)は側面図である。図2の水平走査部21及び
垂直走査部22は、図8に示すような水平走査用と垂直
走査用の2つの電気光学式光偏向器21cを用いて構成
してもよい。電気光学式光偏向器21cは、電気光学結
晶に電界を印加することで屈折率を変化させて入射光の
偏向を行うものである。この光偏向器21cでは、例え
ば、電気光学係数(効果)の大きな材料(例えば、KH
2 PO4 (KDP)、LiNbO3 等)で作られた2つ
のプリズム21c−1,21c−2が接合され、それら
のプリズム21c−1,21c−2に変調電圧E(即
ち、水平偏向信号S40H又は垂直偏向信号S40V)
が印加されるようになっている。このような光偏向器2
1cでは、変調電圧Eによってプリズム21c−1,2
1c−2に電界を印加すると、屈折率が変化するので、
該変調電圧Eを変えることによって入射されたビームS
10の出射方向の偏向が行える。このような光偏向器2
1cを水平走査用と垂直走査用に2個縦続接続すれば、
図2の可視光変換装置10から出射されたビームS10
の水平及垂直方向の偏向が行える。
【0033】第6の実施例 図9は、本発明の第6の実施例を示す視線追尾手段の他
の構成例を示す構成図であり、第1の実施例を示す図2
中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
図4のテレビジョン受信機80では、2つの網膜直接表
示装置100R,100Lが設けられ、それらの各網膜
直接表示装置100R,100Lが例えば図2の投影型
網膜直接表示装置で構成されている。この場合、各網膜
直接表示装置100R,100L毎に図2の照射光源5
0、ビームスプリッタ23a,23b、及び光電変換装
置60が設けられることになるが、これらの視線追尾手
段の構成の簡単化を図ったものが、この第6の実施例の
視線追尾手段である。この視線追尾手段では、図2の照
射光源50から出射される照射ビームS50を右眼用と
左眼用の照射ビームS50R,S50Lに分岐するた
め、ハーフミラー等のビームスプリッタ23aRと、ミ
ラー等のビームスプリッタ23aLとが、設けられてい
る。これらの各ビームスプリッタ23aR,23aLの
反射光路上には、ハーフミラー等のビームスプリッタ2
3bR,23bLがそれぞれ配置され、それらのビーム
スプリッタ23bR,23bLの反射光路側に図2の光
電変換装置60が設けられている。ビームスプリッタ2
3bR,23bLを透過した照射ビームS50R,S5
0Lを反射するために、眼鏡400が用いられる。眼鏡
400は、右レンズ410R及び左レンズ410Lを有
している。これらの各レンズ410R,410Lの中央
部には、図2の網膜投影装置20から出射されるビーム
S20(S20R,S20L)を透過するための透明部
411R,411Lが形成され、さらにそれらの各透明
部411R,411Lの周辺部に、反射部412R,4
12Lが形成されている。
【0034】このような構成の視線追尾手段では、照射
光源50から照射ビームS50が出射されると、それが
ビームスプリッタ23aR,23aLで右眼の照射ビー
ムS50Rと左眼の照射ビームS50Lとに分岐され
る。右眼の照射ビームS50Rは、ビームスプリッタ2
3bRを透過して図4の観賞者300が装着した眼鏡4
00の右レンズ410Rへ送られ、さらに左眼の照射ビ
ームS50Lが、ビームスプリッタ23bLを透過して
左レンズ410Lへ送られる。右眼の照射ビームS50
Rは、右レンズ410Rの反射部412Rで反射された
後、ビームスプリッタ23bRで反射され、その反射照
射ビームS23bRが光電変換装置60へ送られる。左
眼の照射ビームS50Lも、左レンズ410Lの反射部
412Lで反射された後、ビームスプリッタ23bLで
反射され、その反射照射ビームS23bLが光電変換装
置60へ送られる。光電変換装置60において、ビーム
スプリッタ23bR,23bLからの反射照射ビームS
23bR,S23bLが電気信号に変換され、図2の画
像処理装置70によって瞳孔の動き検出信号S70H,
S70Vが検出される。この動き検出信号S70H,S
70Vに基づき、視線追尾制御装置40によって網膜投
影装置20のビーム出射方向が眼鏡400の移動方向に
追尾する。
【0035】この第6の実施例では、次のような利点
(a),(b)を有している。 (a) 眼鏡400を用い、照射光源50から出射され
た照射ビームS50を該眼鏡400の反射部412R,
412Lで反射させ、その反射ビームを光電変換装置6
0で電気信号に変換するようにしているので、眼鏡40
0からの的確な反射ビームが得られ、精度の良い視線追
尾が行える。 (b) 図4の2つの網膜直接表示装置100R,10
0L内には、それぞれ図2の可視光変換装置10及び網
膜投影装置20が設けられているが、その各網膜投影装
置20内のビームスプリッタ23a,23bに代えて、
図9のビームスプリッタ23aR,23aL,23b
R,23bL等を設ければ、該可視光変換装置10及び
網膜投影装置20を各網膜直接表示装置100R,10
0Lで共用できる。このような構成にした場合、図2の
網膜投影装置20から出射されたビームS20が、ビー
ムスプリッタ23aR,23aLで右眼側と左眼側とに
分岐され、ビームスプリッタ23bR,23bL及び収
束用レンズを通り、さらに、眼鏡400の右レンズ41
0R及び左レンズ410Lの透明部411R,411L
を通過して両眼の網膜上にラスタ走査が行われ、映像の
観賞が可能となる。
【0036】第7の実施例 図10は、本発明の第7の実施例を示す視線追尾手段の
他の構成例を示す構成図である。この視線追尾手段で
は、図2の照射光源50及びビームスプリッタ23a,
23b、又は図9の照射光源50、ビームスプリッタ2
3aR,23aL,23bR,23bL及び眼鏡400
に代えて、図4の観賞者300が装着する眼鏡型フレー
ム420に、例えば赤外線等のビームS421を出射す
る発光素子421が設けられている。この第7の実施例
では、観賞者300が眼鏡型フレーム420を装着する
と、その眼鏡型フレーム420に設けられた発光素子4
21からビームS421が出射される。このビームS4
21を、例えば図2の光電変換装置60で電気信号に変
換し、その電気信号を用いて、観賞者300が装着した
眼鏡型フレーム420の移動に追従した視線追尾が行わ
れる。このような眼鏡型フレーム420を用いた視線追
尾手段では、図2あるいは図9の照射光源50及びビー
ムスプリッタ23a,23aR,23aL,23b,2
3bR,23bLを省略できるので、構成がより簡単に
なる。
【0037】なお、本発明は、上記実施例に限定され
ず、種々の変形が可能である。その変形例としては、例
えば次の(1)〜(6)のようなものがある。 (1) 図1、図5及び図7の可視光変換装置10,1
0R,10Lでは、カラー表示のためにR、G、Bの三
原色のビームS10,S10R,S10Lに変換するよ
うにしているが、白黒表示の場合には白黒を表示する1
種類のビームS10,S10R,S10Lに変換すれば
よい。このような白黒表示の場合、可視光変換装置1
0,10R,10L及び網膜投影装置20,20R,2
0Lを、白黒の変換と投影のみを行う構成にすればよい
ため、装置構成がより簡単になる。 (2) 図2の水平走査部21及び垂直走査部22は、
機械式光偏向器(例えば、ガルバノスキャナや、走査レ
ーザ検眼鏡に使用されている上下、左右走査ミラー等)
といった他の構造のものを用いて構成してもよい。 (3) 図4では、キャビネット81から、交差した2
本のビームS20R,S20Lが出射するようになって
いるが、その2本のビームS20R,S20Lを平行に
観賞者300に向けて出射する構成にしてもよい。ま
た、キャビネット81に設けたミラー82を用いて観賞
者300の位置の初期設定を行うようにしているが、他
の方法(例えば、観賞者300の座る位置を固定)を用
いて初期設定をするようにしてもよい。
【0038】(4) 視線追尾手段は、上記実施例以外
の構成にしてもよい。例えば、図9の眼鏡400のレン
ズ410R,410Lを他の反射構造に変えて瞳孔の動
きを検出し、その瞳孔の動きに網膜投影装置20,20
R,20Lのビーム出射方向がより的確に追尾できるよ
うな構成にしてもよい。また、観賞者300の顔面をビ
デオカメラ等によって撮影し、その顔面画像をメモリに
蓄積した後、CPU等で構成された画像処理装置70を
用いて瞳孔の移動を検出することにより、視線追尾を行
う構成にしてもよい。 (5) 図1、図2、図5、図7あるいは図9の照射光
源50、ビームスプリッタ23a,23aR,23a
L,23bR,23bL、光電変換装置60、画像処理
装置70、及び視線追尾制御装置40等を、網膜投影装
置20,20R,20L内に設けてもよい。 (6) 上記実施例では、例えば図4に示すように、網
膜直接表示装置100R,100Lをキャビネット81
内に収納した投影型構造について説明したが、これらの
網膜直接表示装置100R,100Lを例えば図10の
ような眼鏡型フレーム420に取付けて眼鏡型構造にし
てもよい。このような眼鏡型構造にすれば、網膜投影装
置20,20R,20Lから眼球1R,1Lの瞳孔2
R,2Lまでの距離が短くなるため、視線追尾手段の視
線追尾精度を向上できると共に、該視線追尾手段の構成
をより簡単化できる。また、図4のスピーカ202をイ
ヤホン等に代え、そのイヤホン等と音声回路201と
を、図10の眼鏡型フレーム420に取付けた構成にし
てもよい。
【0039】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1に
係る発明によれば、入力される映像信号を可視光変換手
段で可視光のビームに変換し、そのビームを両眼の瞳孔
を通して網膜上に直接ラスタ走査を行うことにより、映
像表示を行うようにしたので、観賞者の顔が所定の範囲
内で移動して眼が移動しても、視線追尾手段によって精
度の良い視線追尾が行え、入力される高画質の映像信号
の画質を劣化することなく、高い解像度の映像表示が可
能となる。しかも、従来のような映像板を用いる必要が
ないので、その省略に伴う装置の小型化及び低コスト化
が可能となる。その上、通常のテレビジョン観賞等より
も大画面で、より迫力のある映像観賞が可能となる。
らに、網膜投影手段から出射されるビームの径を、光学
系によって瞳孔の径と等しいか、あるいは該瞳孔の径よ
りも大きくかつ眼球の水晶体の径よりも小さくするよう
にしたので、瞳孔の径の生理的な変化に適合した網膜へ
の走査が行え、それによって目の疲労度を少なくでき
る。請求項2に係る発明によれば、入力される右眼用映
像信号を右眼用可視光変換手段で右眼用ビームに変換す
ると共に、入力される左眼用映像信号を左眼用可視光変
換手段で左眼用ビームに変換し、それらの右眼用ビーム
及び左眼用ビームを右眼用網膜投影手段及び左眼用網膜
投影手段でそれぞれ水平及び垂直に偏向し、その偏向さ
れたビームを両眼の瞳孔を通して網膜上に直接ラスタ走
査を行うようにしたので、請求項1に係る発明と同様
に、入力される高画質の映像信号の画質を劣化すること
なく、高い解像度の立体映像表示が可能となり、さら
に、装置の小型化及び低コスト化も可能となり、通常の
テレビジョン観賞等よりも大画面で、より迫力のある映
像観賞が可能となる。しかも、請求項1に係る発明と同
様に、網膜投影手段から出射されるビームの径を、光学
系によって瞳孔の径と等しいか、あるいは該瞳孔の径よ
りも大きくかつ眼球の水晶体の径よりも小さくするよう
にしたので目の疲労度を少なくできる。
【0040】請求項に係る発明によれば、網膜投影手
段からコヒーレントなレーザビームを出射するようにし
たので、該レーザビームが収束性の高い光であることか
ら、網膜への走査精度を向上できる。但し、パワーの強
いレーザビームを長時間目に照射すると、健康上害する
おそれがあるので、目に対する刺激が弱い種類のパワー
の弱いレーザビームを使用することが望ましい。これに
対し、網膜投影手段からインコヒーレントな可視光ビー
ムを出射する構成にした場合、レーザビームに比べて収
束性が低いので、走査精度は多少劣るが、目に対する刺
激が弱いので、健康上の弊害が少ない。請求項に係る
発明によれば、網膜直接表示装置と音響装置を設けてテ
レビジョン受信機を構成し、さらに、観賞者が座る所定
位置を指示するミラーを設けたので、所定位置に座った
観賞者に対し、入力される高画質の映像信号の画質を劣
化することなく、高い解像度の平面画像又は立体画像の
映像表示が可能になる。その上、テレビジョン受信機の
小型化及び低コスト化も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す投影型網膜直接表
示装置の構成ブロック図である。
【図2】図1に示す投影型網膜直接表示装置の具体的な
構成図である。
【図3】図2中の網膜投影装置の概略の構成図である。
【図4】図1の投影型網膜直接表示装置を搭載したテレ
ビジョン受信機の概略の構成ブロック図である。
【図5】本発明の第2の実施例を示す投影型網膜直接表
示装置の構成ブロック図である。
【図6】本発明の第3の実施例を示す網膜投影装置の概
略の構成図である。
【図7】本発明の第4の実施例を示す立体表示用の投影
型網膜直接表示装置の構成ブロック図である。
【図8】本発明の第5の実施例を示す網膜投影装置にお
ける走査部の構成図である。
【図9】本発明の第6の実施例を示す視線追尾手段の他
の構成図である。
【図10】本発明の第7の実施例を示す視線追尾手段の
他の構成図である。
【符号の説明】
1,1R,1L 眼球 2,2R,2L 瞳孔 3,3R,3L 水晶体 4,4R,4L 網膜 10,10R,10L 可視光変換装置 20,20R,20L 網膜投影装置 21 水平走査部 22 垂直走査部 23 光学系 23a,23aR,23aL,23b,23bR,23
bLビームスプリッタ 23c,23cR,23cL レンズ 30 同期回路 40 視線追尾制御装置 50 照射光源 60 光電変換装置 70 画像処理装置 80 テレビジョン受信
機 100R,100L 網膜直接表示装置 201 音声回路 202 スピーカ 300 観賞者 400 眼鏡 420 眼鏡型フレーム 421 発光素子
フロントページの続き (72)発明者 二宮 佑一 東京都世田谷区砧1丁目10番11号 日本 放送協会 放送技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−198892(JP,A) 特表 平8−502372(JP,A) 国際公開94/009472(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 5/64 511 G02B 27/00 H04N 13/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平同期信号及び垂直同期信号を含んだ
    映像信号を、可視光のビームに変換する可視光変換手段
    と、網膜投影手段と、視線追尾手段とを備え、前記可視
    光変換手段、前記網膜投影手段、及び前記視線追尾手段
    が観賞者の前面から所定距離離れた所に設置される網膜
    直接表示装置であって、 前記網膜投影手段は、 水平偏向信号及び垂直偏向信号に基づき、前記可視光変
    換手段で変換された前記ビームを水平及び垂直方向に偏
    向する二次元走査手段と、 前記二次元走査手段で偏向されたビームをその出射方向
    に向けた前記観賞者の両眼へ投影し、所定の範囲内で移
    動する前記観賞者の両眼の瞳孔を通して網膜上にラスタ
    走査を行わせる光学系とを有し、 前記視線追尾手段は、 前記映像信号中に含まれる前記水平同期信号及び前記垂
    直同期信号を抽出する同期回路と、 前記眼側から送られてくる反射光ビーム又は照射光ビー
    ムを電気信号に変換する光電変換装置と、 前記光電変換装置で変換された前記電気信号に基づき、
    現在のフレームの瞳孔の画像情報と1つ前のフレームの
    瞳孔の画像情報とを比較して前記瞳孔の動きの方向と量
    を検出し、前記瞳孔の水平及び垂直方向の動き検出信号
    を出力する画像処理装置と、 前記同期回路で抽出された前記水平同期信号及び前記垂
    直同期信号と前記画像処理装置から出力された前記動き
    検出信号とに基づき、前記水平偏向信号及び前記垂直偏
    向信号を前記網膜投影手段に出力し、前記網膜投影手段
    のビーム出射方向を前記瞳孔の移動に追尾させる視線追
    尾制御装置とを有し、 前記光学系は、前記網膜投影手段から出射されるビーム
    の径を、前記瞳孔の径と等しいか、あるいは該瞳孔の径
    よりも大きくかつ眼球の水晶体の径よりも小さくする構
    成にした ことを特徴とする網膜直接表示装置。
  2. 【請求項2】 異なる角度から撮影して生成された、水
    平同期信号及び垂直同期信号をそれぞれ含んだ右眼用映
    像信号と左眼用映像信号のうち、前記右眼用映像信号を
    可視光の右眼用ビームに変換する右眼用可視光変換手段
    と、 前記左眼用映像信号を可視光の左眼用ビームに変換する
    左眼用可視光変換手段と、 右眼用網膜投影手段と、 左眼用網膜投影手段と、 視線追尾手段とを備え、 前記右眼用可視光変換手段、前記左眼用可視光変換手
    段、前記右眼用網膜投影手段、前記左眼用網膜投影手
    段、及び前記視線追尾手段が観賞者の前面から所定距離
    離れた所に設置される網膜直接表示装置であって、 前記右眼用網膜投影手段は、 水平偏向信号及び垂直偏向信号に基づき、前記右眼用ビ
    ームを水平及び垂直方向に偏向する右眼用二次元走査手
    段と、 前記右眼用二次元走査手段で偏向された右眼用ビームを
    その出射方向へ向けた前記観賞者の右眼へ投影し、所定
    の範囲内で移動する前記観賞者の右眼の瞳孔を通して右
    眼網膜上にラスタ走査を行わせる右眼用光学系とを有
    し、 前記左眼用網膜投影手段は、 前記水平偏向信号及び前記垂直偏向信号に基づき、前記
    右眼用網膜投影手段と同期して前記左眼用ビームを偏向
    する左眼用二次元走査手段と、 前記左眼用二次元走査手段で偏向された左眼用ビームを
    その出射方向へ向けた前記観賞者の左眼へ投影し、所定
    の範囲内で移動する前記観賞者の左眼の瞳孔を通して左
    眼網膜上にラスタ走査を行わせる左眼用光学系とを有
    し、 前記視線追尾手段は、 前記映像信号中に含まれる水平同期信号及び垂直同期信
    号を抽出する同期回路と、 前記眼側から送られてくる反射光ビーム又は照射光ビー
    ムを電気信号に変換する光電変換装置と、 前記光電変換装置で変換された前記電気信号に基づき、
    現在のフレームの片眼又は両眼の瞳孔の画像情報と1つ
    前のフレームの片眼又は両眼の瞳孔の画像情報とを比較
    して前記片眼又は両眼の瞳孔の動きの方向と量を検出
    し、前記片眼又は両眼の瞳孔の水平及び垂直方向の動き
    検出信号を出力する画像処理装置と、 前記同期回路で抽出された前記水平同期信号及び前記垂
    直同期信号と前記画像処理装置から出力された前記動き
    検出信号とに基づき、前記水平偏向信号及び前記垂直偏
    向信号を前記右眼用及び左眼用網膜投影手段に出力し、
    前記右眼用及び左眼用網膜投影手段のビーム出射方向を
    前記瞳孔の移動に追尾させる視線追尾制御装置とを有
    し、 前記光学系は、前記網膜投影手段から出射されるビーム
    の径を、前記瞳孔の径と等しいか、あるいは該瞳孔の径
    よりも大きくかつ眼球の水晶体の径よりも小さくする構
    成にした ことを特徴とする網膜直接表示装置。
  3. 【請求項3】 前記ビームは、コヒーレントなレーザビ
    ーム又はインコヒーレントな光ビームである請求項1又
    は2記載の網膜直接表示装置。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の網膜直接表示
    装置に、音声信号を音声に変換する音響機器と、観賞者
    が座る所定位置を指示するミラーとを設けたことを特徴
    とするテレビジョン受信機。
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