JPWO2009054332A1 - ピリドン置換ジヒドロピラゾロピリミジノン誘導体 - Google Patents

ピリドン置換ジヒドロピラゾロピリミジノン誘導体 Download PDF

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Abstract

【構成】一般式(I−0)【化1】[式中、R1はC1−C6アルキル基、C2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基又はC3−C6シクロアルキル基を;R2、R3、R4及びR5は水素原子、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、ハロ−C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基又はハロ−C1−C6アルコキシ基を;R6は水素原子又はC1−C6アルキル基を;R7aは水素原子、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、ハロ−C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、ヒドロキシ−C1−C6アルキル基、−Q2−N(R1c)R1d又は含窒素複素環基を;R8aは水素原子、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、ハロ−C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基又はヒドロキシ−C1−C6アルキル基を意味し;あるいは、R7a及びR8aは一緒になってC2−C6アルキレン基又はR7a及びR8a並びにそれらが結合する環原子は一緒になってスピロ環若しくはビシクロ環であってもよく;そして、X及びYはメチン基又は窒素原子を意味する]で表される化合物等に関する。【効果】本発明の化合物は、優れたWee1キナーゼ阻害作用に基づく細胞増殖阻害作用及び他の抗がん剤との相加・相乗作用を有することから医薬の分野において有用である。【選択図】なし

Description

本発明は医薬の分野において有用である。更に詳しくは、本発明のピリドン置換ジヒドロピラゾロピリミジノン誘導体は、キナーゼ阻害剤、特にWee1キナーゼ阻害剤として、各種がん治療の分野において有用である。
細胞は、DNAに損傷を受けると細胞周期を一時的に停止し、これを修復するチェックポイント機構を持っている[セル・プロリフェレーション(Cell Proliferation)、第33巻、261−274頁]。ヒトのがんの約半数において、がん抑制遺伝子であるp53が変異あるいは欠損しているためにG1チェックポイントの機能が失われている。しかしながら、そのようながん細胞にはまだG2チェックポイント機能が残されており、DNA作用性の抗がん剤や放射線に対して感受性を低下させる要因の1つとなっていると考えられている。
Wee1キナーゼは細胞周期のG2チェックポイントに関与するチロシンキナーゼである。Wee1は、細胞周期のG2期からM期への進行に関与するCdc2(Cdk1)のチロシン15をリン酸化することによりCdc2を不活性化し、細胞周期を一時的にG2期に停止させる[ザ・エンボ・ジャーナル(The EMBO Journal)、第12巻、75−85頁]。したがって、p53の機能が欠損したがん細胞では、DNA損傷時にこれを修復し細胞死を回避するために、Wee1によるG2チェックポイント機能が重要であると考えられる。これまでに、RNA干渉によるWee1発現の低下や化合物によるWee1の阻害は、がん細胞のアドリアマイシンやエックス線、ガンマ線に対する感受性を増加させることが報告された[キャンサー・バイオロジー・アンド・セラピー(Cancer Biology & Therapy)、第3巻、305−313頁,あるいはキャンサー・リサーチ(Cancer Research)、第61巻、8211−8217頁]。以上のことから、Wee1阻害剤は、p53欠損がん細胞のG2チェックポイント機能を阻害することにより、DNA作用性の抗がん剤や放射線に対する感受性を高めることが出来ると考えられる。
低分子のWee1キナーゼ阻害剤としては、例えば米国特許出願US2005/0250836号公報(特許文献1)、国際公開第2003/091255号パンフレット(特許文献2)、キャンサー・リサーチ(Cancer Research)、第61巻、8211−8217頁(非特許文献1)又はバイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レターズ(Bioorg & Med.Chem.Lett.)、第15巻、1931−1935頁(非特許文献2)等に記載の化合物が知られているが、これら文献に記載の化合物は本発明の化合物とは構造が全く異なる。
一方、国際公開第2004/056786号パンフレット(特許文献3)、国際公開第2005/021532号パンフレット(特許文献4)又は国際公開第2006/091737号パンフレット(特許文献5)には、本発明の化合物と骨格が比較的類似するジヒドロピラゾロピリミジン等を有する種々の化合物が開示されている。しかしながら、それらの文献には当該化合物のWee1キナーゼ阻害作用及び本発明化合物について何ら具体的な開示も示唆もされていない。
キャンサー・リサーチ、第61巻、8211−8217頁 バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レターズ、第15巻、1931−1935頁 米国特許出願US2005/0250836号公報 国際公開第2003/091255号パンフレット 国際公開第2004/056786号パンフレット 国際公開第2005/021532号パンフレット 国際公開第2006/091737号パンフレット
本発明の目的は、キナーゼ阻害作用、特にWee1キナーゼ阻害作用を有する新規な抗がん剤、又はがんの化学療法若しくは放射線療法の増感剤を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究の結果、一般式(I−0)
Figure 2009054332
[式中、Rはハロゲン原子で置換されていてもよい、C1−C6アルキル基、C2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基又はC3−C6シクロアルキル基を意味し;
、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、ハロ−C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基又はハロ−C1−C6アルコキシ基を意味し;
は水素原子又はC1−C6アルキル基を意味し;
7aは水素原子、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、ハロ−C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、ヒドロキシ−C1−C6アルキル基若しくは−Q−N(R1c)R1dで表される基を意味するか、又はハロゲン原子、C1−C6アルキル基、ヒドロキシ−C1−C6アルキル基、オキソ基及び−Q−N(R1a)R1bで表される基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよい含窒素複素環基を意味し;
8aは水素原子、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、ハロ−C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基又はヒドロキシ−C1−C6アルキル基を意味し;
あるいは、R7a及びR8aが、次式(a)
Figure 2009054332
で表される基の隣接する環原子上に互いに存在するときは、R7a及びR8aは一緒になって形成するC2−C6アルキレン基であってもよく、ここで、該C2−C6アルキレン基を構成する1又は2のメチレン基が、それぞれ独立して、酸素原子又は−N(R1e)−で表される基で置き換えられた基を意味してもよく、また、該C2−C6アルキレン基はハロゲン原子、C1−C6アルキル基及びハロ−C1−C6アルキル基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよく、又はR7a及びR8a並びにそれらが結合する環原子は一緒になって、5員ないし7員の脂肪族環と他の3員ないし7員の脂肪族環から形成されるスピロ環若しくはビシクロ環であってもよく、ここで、該スピロ環若しくはビシクロ環を構成する1若しくは2以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基、スルホニル基、カルボニル基又は−N(R1f)−で表される基で置き換えられていてよく、また、該スピロ環若しくはビシクロ環はそれぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基、C1−C6アルキル基、ヒドロキシ−C1−C6アルキル基又は−Q−N(R1g)R1hで表される基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよく;
1a及びR1bは、それぞれ独立して、水素原子、C1−C6アルキル基若しくはハロ−C1−C6アルキル基を意味するか、又は一緒になって形成するC2−C6アルキレン基を意味し、ここで、該C2−C6アルキレン基はハロゲン原子、C1−C6アルキル基及びハロ−C1−C6アルキル基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよく;
1c、R1d及びR1eは、それぞれ独立して、水素原子を意味するか、又はハロゲン原子、水酸基、オキソ基、C3−C6シクロアルキル基及び含窒素複素環基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよいC1−C6アルキル基を意味し;
1fは水素原子を意味するか、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1−C6アルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基及びC2−C7アルカノイル基からなる群より選択される置換基を有していてもよい、C1−C6アルキル基、C3−C6シクロアルキル基又はC2−C7アルカノイル基を意味するか、又は−Q−Cy若しくは−Q−N(R1i)R1jで表される基を意味し;
Cyはハロゲン原子又はC1−C6アルキル基に置換されていてもよい、アリール基又はヘテロ環基を意味し;
1g及びR1hは、それぞれ独立して、水素原子を意味するか、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1−C6アルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基、C2−C7アルカノイル基及びC1−C6アルキルスルホニル基からなる群より選択される置換基を有していてもよい、C1−C6アルキル基、C2−C7アルカノイル基若しくはC1−C6アルキルスルホニル基を意味するか、又は−Q−N(R1k)R1lで表される基を意味し;
1i、R1j、R1k及びR1lは、それぞれ独立して、水素原子を意味するか、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1−C6アルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基、C2−C7アルカノイル基及びC1−C6アルキルスルホニル基からなる群より選択される置換基を有していてもよい、C1−C6アルキル基、C2−C7アルカノイル基又はC1−C6アルキルスルホニル基を意味し;
及びQは、それぞれ独立して、単結合又はC1−C3アルキレン基を意味し;
、Q、Q及びQは、それぞれ独立して、単結合又はC1−C6アルキレン基を意味し、ここで該C1−C6アルキレン基を構成する1若しくは2以上のメチレン基は、それぞれ独立して、スルフィニル基、スルホニル基若しくはカルボニル基で置き換えられていてもよく;そして
X及びYは、それぞれ独立して、メチン基又は窒素原子を意味する]で表される化合物が優れたキナーゼ阻害作用、特にWee1キナーゼ阻害作用を有することを見出し、本発明を完成した。
本発明化合物(I−0)は、キナーゼ阻害作用、特にWee1キナーゼ阻害作用を有することにより、例えば脳腫瘍、頭頸部がん、食道がん、甲状腺がん、小細胞がん、非小細胞がん、乳がん、肺がん、胃がん、胆のう・胆管がん、肝がん、膵がん、結腸がん、直腸がん、卵巣がん、絨毛上皮がん、子宮体がん、子宮頸がん、腎盂・尿管がん、膀胱がん、前立腺がん、陰茎がん、睾丸がん、胎児性がん、ウイルムス腫瘍、皮膚がん、悪性黒色腫、神経芽細胞腫、骨肉腫、ユ−イング腫、軟部肉腫、急性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、ホジキンリンパ腫等、各種がんの治療剤、又はこれらに対する化学療法若しくは放射線療法の増感剤として有用である。
特に、本発明化合物(I−0)は、例えば乳がん、肺がん、膵がん、結腸がん、卵巣がん、急性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、ホジキンリンパ腫等の治療剤、又はこれらに対する化学療法若しくは放射線療法の増感剤として有用である。
本発明は、一般式(I−0)で表される化合物、又はその薬学的に許容され得る塩並びにそれらの製造法及び用途に関する。
以下に、本明細書において用いられる用語の意味を記載し、本発明について更に詳細に説明する。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を意味する。
「C1−C6アルキル基」とは、炭素数1ないし6の直鎖状又は分岐状のアルキル基を意味し、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基等が挙げられる。
「C2−C6アルケニル基」とは、炭素数2ないし6の直鎖又は分岐状のアルケニル基を意味し、例えばビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、3−ブテニル基、2−ブテニル基、1−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−エチル−1−エテニル基、2−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、3−メチル−2−ブテニル基、4−ペンテニル基等が挙げられる。
「C2−C6アルキニル基」とは、炭素数2ないし6の直鎖又は分岐状のアルキニル基を意味し、例えばエチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、3−ブチニル基、2−ブチニル基、1−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、1−エチル−2−プロピニル基、1−メチル−2−ブチニル基、4−ペンチニル基等が挙げられる。
「C3−C6シクロアルキル基」とは、炭素数3ないし6のシクロアルキル基を意味し、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
「ハロ−C1−C6アルキル基」とは、置換可能な任意の位置が1又は2以上、好ましくは1ないし3の同一又は異なる前記ハロゲン原子で置換された前記C1−C6アルキル基を意味し、例えばフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、1,2−ジフルオロエチル基、クロロメチル基、2−クロロエチル基、1,2−ジクロロエチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基等が挙げられる。
「C1−C6アルコキシ基」とは、炭素数1ないし6の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基を意味し、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、sec−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基等が挙げられる。
「C2−C7アルカノイル基」とは、前記C1−C6アルキル基を有するアルカノイル基、すなわち、炭素数2ないし7のアルカノイル基を意味し、例えばアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基等が挙げられる。
「アリール基」としては、例えばフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
「ヘテロ環基」とは、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群より、同一若しくは異なって選ばれる1若しくは2以上、好ましくは1ないし3のヘテロ原子を含有する3員ないし7員の単環式ヘテロ環基又は該単環式ヘテロ環基と3員ないし7員の炭素環基が縮合した、若しくは同一若しくは異なる該単環式ヘテロ環基が互いに縮合した縮合環式ヘテロ環基を意味し、前記ヘテロアリール基を含む。具体例としては、前記ヘテロアリール基として例示した基に加え、例えばピロリジニル基、ジヒドロ−1,2,4−トリアゾリル基、ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾリル基、ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾリル基、ジヒドロ−1,2,4−チアジアゾリル基、ジヒドロ−1,2,3,5−オキサチアジアゾリル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基等が挙げられる。
「C1−C6アルキルスルホニル基」とは、炭素数1ないし6の直鎖状又は分岐状のアルキルスルホニル基を意味し、例えばメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、sec−ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、tert−ブチルスルホニル基、ペンチルスルホニル基、イソペンチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、イソヘキシルスルホニル基等が挙げられる。
「ハロ−C1−C6アルコキシ基」とは、置換可能な任意の位置が1又は2以上、好ましくは1ないし3の同一又は異なる前記ハロゲン原子で置換された前記C1−C6アルコキシ基を意味し、例えばフルオロメトキシ基、クロロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ジクロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2−フルオロエトキシ基、2−クロロエトキシ基、2,2−ジフルオロエトキシ基、1,2,2−トリフルオロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、3−フルオロプロポキシ基、3,3−ジフルオロプロポキシ基等が挙げられる。
「ヒドロキシ−C1−C6アルキル基」とは、置換可能な任意の位置が1又は2以上、好ましくは1又は2の水酸基で置換された前記C1−C6アルキル基を意味し、例えばヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル基、1,2−ジヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
「3員ないし7員、又は5員ないし7員の脂肪族環」とは、3ないし7、又は5ないし7の原子が環状に結合した構造であって、それ自体は単環性の飽和構造であるか、又は不飽和結合を含む芳香環以外の環を意味し、例えばシクロプロパン、シクロプロペン、シクロブタン、シクロブテン、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロヘプタン、シクロヘプテン等が挙げられ、該脂肪族環を構成するメチレン基は後述のとおり、所定の原子又は基によって「置き換え」又は「置換」され得る。
「含窒素複素環基」とは、少なくとも1の窒素原子を含み、該窒素原子に加えて酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群より、同一若しくは異なって選ばれる1若しくは2以上、好ましくは1の複素原子を含有する各環3ないし7の環原子からなる単環式又は二環式の複素環基を意味し、当該複素環基は芳香族であっても、脂肪族であってもよい。また、当該二環式の複素環基は2つの環が1の環原子を共有するスピロ構造を有していても、2以上の環原子を共有するビシクロ構造を有していてもよい。かかる含窒素複素環基の例としては、例えばピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、1,2,3−チアジアゾリル基、1,2,4−チアジアゾリル基、1,3,4−チアジアゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、1,2,4−トリアジニル基、1,3,5−トリアジニル基、インドリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリル基、イソキノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、ピリド[3,2−b]ピリジル基、アゼチジニル基、ピロリジニル基、ジヒドロ−1,2,4−トリアゾリル基、ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾリル基、ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾリル基、ジヒドロ−1,2,4−チアジアゾリル基、ジヒドロ−1,2,3,5−オキサチアジアゾリル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、ジヒドロピリジル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、2,6−ジアザスピロ[3.5]ノニル基、2,7−ジアザスピロ[3.5]ノニル基、2,7−ジアザスピロ[4.5]デシル基、2,7−ジアザビシクロ[3.3.0]オクチル基又は3,6−ジアザビシクロ[3.3.0]オクチル基等が挙げられる。
「C2−C6アルキレン基」とは、炭素数2ないし6のアルキレン基を意味し、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基が挙げられる。
「C1−C3アルキレン基」とは、炭素数1ないし3のアルキレン基を意味し、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基が挙げられる。
本発明化合物の「薬学的に許容され得る塩」とは、医薬として許容されうる慣用的なものを意味し、例えば水酸基を有する場合の当該水酸基における塩基付加塩又はアミノ基若しくは塩基性の含窒素複素環基その他のヘテロ環基を有する場合の当該アミノ基若しくは塩基性の含窒素複素環基その他のヘテロ環基における酸付加塩の塩類を挙げることができる。
該塩基付加塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;例えばカルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;例えばアンモニウム塩;例えばトリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、プロカイン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩等の有機アミン塩等が挙げられる。
該酸付加塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、りん酸塩、過塩素酸塩等の無機酸塩;例えばマレイン酸塩、フマール酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、トリフルオロ酢酸塩等の有機酸塩;例えばメタンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等のスルホン酸塩等が挙げられる。
本発明の化合物を更に具体的に開示するため、本明細書等において用いられる各種記号につき、その好適な具体例を挙げて更に詳細に説明する。
本発明の一実施態様としては、一般式(I)
Figure 2009054332
[式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、ハロ−C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、ヒドロキシ−C1−C6アルキル基若しくは−Q−N(R1c)R1dで表される基を意味するか、又はハロゲン原子、C1−C6アルキル基、ヒドロキシ−C1−C6アルキル基、オキソ基及び−Q−N(R1a)R1bで表される基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよい含窒素複素環基を意味し;
は水素原子、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、ハロ−C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基又はヒドロキシ−C1−C6アルキル基を意味し;
あるいは、R及びRが、次式(a)
Figure 2009054332
で表される基の隣接する環原子上に互いに存在するときは、R及びRは一緒になって形成するC2−C6アルキレン基であってもよく、ここで、該C2−C6アルキレン基を構成する1又は2のメチレン基が、それぞれ独立して、酸素原子又は−N(R1e)−で表される基で置き換えられた基を意味してもよく、また、該C2−C6アルキレン基はハロゲン原子、C1−C6アルキル基及びハロ−C1−C6アルキル基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよく;そして
、R、R、R、R、R、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、Q、Q、X及びYの定義は前記一般式(I―0)におけるこれらの定義と同じである]で表される化合物又はその薬学的に許容され得る塩が挙げられる。
ここで、一般式(I)において用いられる各種記号について説明する。
はハロゲン原子で置換されていてもよい、C1−C6アルキル基、C2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基又はC3−C6シクロアルキル基を意味する。
「ハロゲン原子で置換されていてもよい、C1−C6アルキル基、C2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基又はC3−C6シクロアルキル基」とは、無置換の前記C1−C6アルキル基、C2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基若しくはC3−C6シクロアルキル基を意味するか、又は置換可能な任意の位置が同一又は異なる1又は2以上、好ましくは1ないし3の前記ハロゲン原子で置換された前記C1−C6アルキル基、C2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基若しくはC3−C6シクロアルキル基を意味する。
としては、2−プロペニル基等のC2−C6アルケニル基等が好ましい。
、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、ハロ−C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基又はハロ−C1−C6アルコキシ基を意味する。
次式(b)
Figure 2009054332
で表される基は該基の結合可能な任意の環原子において隣接する次式(c)又は(d)
Figure 2009054332
で表される基とそれぞれ結合し、更に、R及びRは、それぞれ独立して、式(b)で表される基の結合可能な任意の環原子と結合して存在する。
及びRの好ましい態様としては、R及びRの両者が水素原子のときか;又はR及びRのいずれか一方が水素原子であり、かつ他方がフッ素原子等のハロゲン原子であるとき等が挙げられる。
Xはメチン基又は窒素原子を意味し、窒素原子が好ましい。
及びRは、それぞれ独立して、次式(d)
Figure 2009054332
で表される基の結合可能な任意の環原子と結合して存在する。
及びRの好ましい態様としては、R及びRの両者が水素原子のときか;又はR及びRのいずれか一方が水素原子であり、かつ他方がフッ素原子等のハロゲン原子、メチル基等のC1−C6アルキル基、トリフルオロメチル基等のハロ−C1−C6アルキル基、メトキシ基等のC1−C6アルコキシ基であるときが挙げられ、中でもR及びRの両者が水素原子のとき、又はR及びRのいずれか一方が水素原子であり、かつ他方がフッ素原子等のハロゲン原子であるときが好ましい。
は水素原子又はC1−C6アルキル基を意味し、水素原子が好ましい。
は水素原子、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、ハロ−C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、ヒドロキシ−C1−C6アルキル基若しくは−Q−N(R1c)R1dで表される基を意味するか、又はハロゲン原子、C1−C6アルキル基、ヒドロキシ−C1−C6アルキル基、オキソ基及び−Q−N(R1a)R1bで表される基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよい含窒素複素環基を意味する。
−Q−N(R1c)R1dで表される基において、Qは単結合又はC1−C3アルキレン基を意味し、R1c及びR1dは、それぞれ独立して、水素原子を意味するか、又はハロゲン原子、水酸基、オキソ基、C3−C6シクロアルキル基及び含窒素複素環基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよいC1−C6アルキル基を意味する。
1c又はR1dの「ハロゲン原子、水酸基、オキソ基、C3−C6シクロアルキル基及び含窒素複素環基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよいC1−C6アルキル基」とは、無置換の前記C1−C6アルキル基、又は置換可能な任意の位置に置換基を有する前記C1−C6アルキル基を意味し、該置換基はハロゲン原子、水酸基、オキソ基、C3−C6シクロアルキル基及び含窒素複素環基からなる群より、同一又は異なって1又は2以上、好ましくは1又は2選択することができる。
該置換基のハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子等が好ましい。
該置換基のC3−C6シクロアルキル基としては、例えばシクロプロピル基等が好ましい。
該置換基の含窒素複素環基としては、例えばピリジル基等が好ましい。
該置換基としては、例えば水酸基、オキソ基、C3−C6シクロアルキル基、含窒素複素環基等が好適である。
1c又はR1dの前記置換基を有していてもよいC1−C6アルキル基の「C1−C6アルキル基」それ自体としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2−メチルプロピル基、tert-ブチル基等、より好ましくはメチル基、エチル基、tert-ブチル基等が好適である。
1c又はR1dの前記置換基を有していてもよいC1−C6アルキル基の好ましい態様としては、メチル基、エチル基、tert-ブチル基、2−ヒドロキシエチル基、シクロプロピルカルボニル基、2−ピリジルメチル基等が挙げられる。
1c又はR1dとしては、それぞれ独立して、水素原子であるか、又は水酸基、オキソ基、C3−C6シクロアルキル基及びピリジル基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよいC1−C6アルキル基が好ましい。
したがって、−Q−N(R1c)R1dで表される基の好ましい態様としては、例えばtert-ブチルアミノメチル基、メチル(2−ピリジルメチル)アミノ基、ジエチルアミノメチル基、3−(ジメチルアミノ)プロピル基、3−[2−ヒドロキシエチル(メチル)アミノ]プロピル基、シクロプロピルカルボニルアミノ基等が挙げられる。
の「ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、ヒドロキシ−C1−C6アルキル基、オキソ基及び−Q−N(R1a)R1bで表される基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよい含窒素複素環基」とは、無置換の前記含窒素複素環基、又は置換可能な任意の位置に置換基を有する前記含窒素複素環基を意味し、該置換基はハロゲン原子、C1−C6アルキル基、ヒドロキシ−C1−C6アルキル基、オキソ基及び−Q−N(R1a)R1bで表される基からなる群より、同一又は異なって1又は2以上、好ましくは1又は2選択することができる。
該置換基のハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子等が好適である。
該置換基のC1−C6アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基等が好適である。
該置換基のヒドロキシ−C1−C6アルキル基としては、例えばヒドロキシメチル基等が好適である。
該置換基の−Q−N(R1a)R1bで表される基において、Qは単結合又はC1−C3アルキレン基を意味し、R1a及びR1bは、それぞれ独立して、水素原子、C1−C6アルキル基若しくはハロ−C1−C6アルキル基を意味するか、又は一緒になって形成するC2−C6アルキレン基を意味し、ここで、該C2−C6アルキレン基はハロゲン原子、C1−C6アルキル基及びハロ−C1−C6アルキル基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよい。
1a又はR1bのC1−C6アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、tert-ブチル基等が好適である。
1a及びR1bが一緒になって形成するC2−C6アルキレン基としては、例えばテトラメチレン基等が好適であり、該テトラメチレン基は隣接する窒素原子とともに1−ピロリジニル基を形成する。
1a及びR1bとしては、それぞれ独立して、水素原子若しくはC1−C6アルキル基であるか、又は一緒になって形成するC2−C6アルキレン基が好ましい。
したがって、−Q−N(R1a)R1bで表される基としては、例えばジメチルアミノ基、tert-ブチルアミノ基、1−ピロリジニルメチル基等が好適である。
の前記置換基により置換されていてもよい含窒素複素環基の「置換基」としては、例えばフッ素原子等のハロゲン原子、メチル基等のC1−C6アルキル基、ヒドロキシメチル基等のヒドロキシ−C1−C6アルキル基、オキソ基、又はジメチルアミノ基、tert-ブチルアミノ基若しくは1−ピロリジニルメチル基等の−Q−N(R1a)R1bで表される基等が好適である。
の前記置換基により置換されていてもよい含窒素複素環基の「含窒素複素環基」それ自体としては、例えばアゼチジニル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、ジヒドロピリジル基、2,7−ジアザスピロ[3.5]ノニル基、2,7−ジアザビシクロ[3.3.0]オクチル基、3,6−ジアザビシクロ[3.3.0]オクチル基等が好適であり、より具体的にはアゼチジン−1−イル基、ピロリジン−1−イル基、4−ピペリジニル基、1−ピペラジニル基、1,2−ジヒドロピリジン−1−イル基、2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナー7−イル基、2,7−ジアザビシクロ[3.3.0]オクタ−2−イル基、3,6−ジアザビシクロ[3.3.0]オクタ−3−イル基が好適であり、中でもピロリジン−1−イル基、4−ピペリジニル基等がより好ましい。
したがって、Rの前記置換基により置換されていてもよい含窒素複素環基としては、例えば3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル基、3−ジメチルアミノアゼチジン−1−イル基、2−(1−ピロリジニルメチル)ピロリジン−1−イル基、2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル基、2−オキソピロリジン−1−イル基、3−(tert−ブチルアミノ)ピロリジン−1−イル基、3−ジメチルアミノピロリジン−1−イル基、1−メチル−4−ピペリジニル基、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−1−イル基、4−メチル−1−ピペラジニル基、2−メチル−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナー7−イル基、7−メチル−2,7−ジアザビシクロ[3.3.0]オクタ−2−イル基、6−メチル−3,6−ジアザビシクロ[3.3.0]オクタ−3−イル基等が好適であり、中でも3−ジメチルアミノピロリジン−1−イル基、1−メチル−4−ピペリジニル基等がより好ましい。
としては、−Q−N(R1c)R1dで表される基であるか、又はハロゲン原子、C1−C6アルキル基、ヒドロキシ−C1−C6アルキル基、オキソ基及び−Q−N(R1a)R1bで表される基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよい含窒素複素環基が好適である。
は水素原子、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、ハロ−C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基又はヒドロキシ−C1−C6アルキル基を意味する。
としては、水素原子、メチル基等のC1−C6アルキル基、メトキシ基等のC1−C6アルコキシ基、ヒドロキシメチル基等のヒドロキシ−C1−C6アルキル基等が好適である。
次式(a)
Figure 2009054332
で表される基は該基の結合可能な任意の環原子において隣接する次式(c’)
Figure 2009054332
で表される基と結合し、更に、R及びRは、式(a)で表される基の結合可能な任意の環原子と結合して存在する。R及びRが、式(a)で表される基の隣接する環原子上に互いに存在するときは、R及びRは一緒になって形成するC2−C6アルキレン基であってもよく、ここで、該C2−C6アルキレン基を構成する1又は2のメチレン基が、それぞれ独立して、酸素原子又は−N(R1e)−で表される基で置き換えられた基を意味してもよく、また、該C2−C6アルキレン基はハロゲン原子、C1−C6アルキル基及びハロ−C1−C6アルキル基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよい。
本発明の1つの側面としては、式(a−1)
Figure 2009054332
で表される基が、式(a−2)
Figure 2009054332
で表される基であり、ここでR及びRが一緒になって形成するC2−C6アルキレン基であって、該C2−C6アルキレン基を構成する1又は2のメチレン基が、それぞれ独立して、−N(R1e)−で表される基で置き換えられた基であり、かつR1eがC1−C6アルキル基であるときが挙げられる。
本発明の別の側面としては、R及びRが一緒になって形成するC2−C6アルキレン基は、例えばテトラメチレン基等を意味し、該テトラメチレン基は前記式(a)で表される基とともに、例えば次式(a−10)
Figure 2009054332
で表される基を形成し、更に該テトラメチレン基を構成するメチレン基が酸素原子又は−N(R1e)−で表される基で置き換えられた例として、次式(a−11)
Figure 2009054332
で表される基を形成する。
上記のテトラメチレン基等のC2−C6アルキレン基部分は前記置換基で置換されていてもよく、当該置換基としては、フッ素原子等のハロゲン原子、メチル基等のC1−C6アルキル基等が好適である。
Yはメチン基又は窒素原子を意味し、メチン基が好ましい。
式(a−1)
Figure 2009054332
で表される基としては、具体的には、例えば3−ヒドロキシメチル−4−メトキシフェニル基、4−(tert-ブチルアミノメチル)フェニル基、4−[メチル(2−ピリジルメチル)アミノ]フェニル基、4−(ジエチルアミノメチル)フェニル基、4−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]フェニル基、4−[3−[2−ヒドロキシエチル(メチル)アミノ]プロピル]フェニル基、4−(シクロプロピルカルボニルアミノ)フェニル基、4−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)フェニル基、4−(3−ジメチルアミノアゼチジン−1−イル)フェニル基、4−[2−(1−ピロリジニルメチル)ピロリジン−1−イル]フェニル基、4−[2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]フェニル基、4−(2−オキソピロリジン−1−イル)フェニル基、4−[3−(tert−ブチルアミノ)ピロリジン−1−イル]フェニル基、4−(3−ジメチルアミノピロリジン−1−イル)フェニル基、3−(1−メチル−4−ピペリジニル)フェニル基、4−(1−メチル−4−ピペリジニル)フェニル基、4−(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−1−イル)フェニル基、4−(4−メチル−1−ピペラジニル)フェニル基、3−メチル−4−(4−メチル−1−ピペラジニル)フェニル基、3−ヒドロキシメチル−4−(4−メチル−1−ピペラジニル)フェニル基、4−(2−メチル−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナ−7−イル)フェニル基、4−(7−メチル−2,7−ジアザビシクロ[3.3.0]オクタ−2−イル)フェニル基、4−(6−メチル−3,6−ジアザビシクロ[3.3.0]オクタ−3−イル)フェニル基、2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イル基、2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−イル基、2,4,4−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−イル基、2,2,3,3−テトラフルオロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル基等が好適であり、中でも4−(3−ジメチルアミノピロリジン−1−イル)フェニル基、4−(4−メチル−1−ピペラジニル)フェニル基等がより好適である。
本発明の1つの側面としては、一般式(I−1)
Figure 2009054332
[式中、R、R、R、R、R、R、R、R及びXは前記の意味を有する]で表される化合物である。
一般式(I−1)で表される化合物におけるR、R、R、R、R、R、R、R及びXの好適な例は、前記一般式(I)で表される化合物におけるR、R、R、R、R、R、R、R及びXの好適な例と同様である。
本発明の別の側面としては、一般式(I−2)
Figure 2009054332
[式中、R10はC2−C6アルケニル基を意味し;R70は−Q−N(R10c)R10dで表される基を意味するか、又はハロゲン原子、C1−C6アルキル基、ヒドロキシ−C1−C6アルキル基、オキソ基及び−Q−N(R10a)R10bで表される基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよい、アゼチジン−1−イル基、ピロリジン−1−イル基、4−ピペリジニル基、1−ピペラジニル基、1,2−ジヒドロピリジン−1−イル基、2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナー7−イル基、2,7−ジアザビシクロ[3.3.0]オクタ−2−イル基及び3,6−ジアザビシクロ[3.3.0]オクタ−3−イル基からなる群より選択される含窒素複素環基を意味し;R80は水素原子、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基又はヒドロキシ−C1−C6アルキル基を意味し;あるいは、R70及びR80は一緒になって形成するC2−C6アルキレン基であって、該C2−C6アルキレン基を構成する1又は2のメチレン基が、それぞれ独立して、−N(R10e)−で表される基で置き換えられた基を意味し;R10a及びR10bは、それぞれ独立して、水素原子若しくはC1−C6アルキル基を意味するか、又は一緒になって形成するC2−C6アルキレン基を意味し;R10c及びR10dは、それぞれ独立して、水酸基、オキソ基、C3−C6シクロアルキル基及びピリジル基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよいC1−C6アルキル基を意味し;R10eはC1−C6アルキル基を意味し;Q、Q、R、R、R、R、R及びXは前記の意味を有する]で表される化合物である。
一般式(I−2)で表される化合物におけるR、R、R、R、R及びXの好適な例は、前記一般式(I)で表される化合物におけるR、R、R、R、R及びXの好適な例と同様であり、一般式(I−2)で表される化合物におけるR10、R70及びR80の好適な例は、前記一般式(I)で表される化合物におけるR、R及びRの好適な例とそれぞれ同様である。
本発明の別の実施態様としては、一般式(I−0)において、R7a及びR8aが、次式(a)
Figure 2009054332
で表される基の隣接する環原子上に互いに存在し、かつR7a及びR8a並びにそれらが結合する環原子が一緒になって、5員ないし7員の脂肪族環と他の3員ないし7員の脂肪族環から形成されるスピロ環又はビシクロ環であり、ここで、該スピロ環又はビシクロ環を構成する1又は2以上のメチレン基が、それぞれ独立して、酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基、スルホニル基、カルボニル基又は−N(R1f)−で表される基で置き換えられていてよく、また、該スピロ環又はビシクロ環がそれぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基、C1−C6アルキル基、ヒドロキシ−C1−C6アルキル基又は−Q−N(R1g)R1hで表される基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよいときが挙げられる。
「R7a及びR8a並びにそれらが結合する環原子が一緒になって、5員ないし7員の脂肪族環と他の3員ないし7員の脂肪族環から形成されるスピロ環」とは、式(a)で表される環とオルト縮合する5員ないし7員の脂肪族環の脂肪族環部と該脂肪族環部の環原子の1つを共有する他の3員ないし7員の脂肪族環が一緒になって形成するスピロ環を意味し、式(a)で表される環と一緒になって例えば以下の式(a−12)
Figure 2009054332
で表される三環性の環式基を構成する。
「R7a及びR8a並びにそれらが結合する環原子が一緒になって、5員ないし7員の脂肪族環と他の3員ないし7員の脂肪族環から形成されるビシクロ環」とは、式(a)で表される環とオルト縮合する5員ないし7員の脂肪族環の脂肪族環部と該脂肪環部の環原子の少なくとも2つを共有する他の3員ないし7員の脂肪族環が一緒になって形成するビシクロ環を意味し、式(a)で表される環と一緒になって例えば以下の式(a−13)
Figure 2009054332
で表される三環性の環式基を構成する。
該スピロ環又はビシクロ環を構成する1又は2以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基、スルホニル基、カルボニル基又は−N(R1f)−で表される基で置き換えられていてよい。ここで「該スピロ環又はビシクロ環を構成する1又は2以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基、スルホニル基、カルボニル基又は−N(R1f)−で表される基で置き換えられていてよい」とは、該スピロ環又はビシクロ環を構成する1若しくは2以上のメチレン基が酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基、スルホニル基、カルボニル基及び−N(R1f)−で表される基からなる群より、同一若しくは異なって1若しくは2以上、好ましくは1ないし3選択された基又は原子で当該メチレン基それ自体が置き換えられているか、又は置き換えられていないことを意味し、そのような置き換えを含む結果、式(a−0)
Figure 2009054332
で表される基としては、式(a−14)
Figure 2009054332
で表される基からなる群より選択される基、又は式(a−15)
Figure 2009054332
で表される基からなる群より選択される基等が挙げられる。
式(a−14)で表される基のうち、好ましい態様としては、式(a−16)
Figure 2009054332
で表される基からなる群より選択される基等が挙げられ、更に好ましい態様としては、式(a−17)
Figure 2009054332
で表される基等が挙げられる。
前記R1fは、それぞれ独立して、水素原子を意味するか、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1−C6アルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基及びC2−C7アルカノイル基からなる群より選択される置換基を有していてもよい、C1−C6アルキル基、C3−C6シクロアルキル基又はC2−C7アルカノイル基を意味するか、又は−Q−Cy若しくは−Q−N(R1i)R1jで表される基を意味する。
「ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1−C6アルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基及びC2−C7アルカノイル基からなる群より選択される置換基を有していてもよい、C1−C6アルキル基、C3−C6シクロアルキル基又はC2−C7アルカノイル基」とは、無置換の前記C1−C6アルキル基、C3−C6シクロアルキル基若しくはC2−C7アルカノイル基、又は置換可能な任意の位置に置換基を有する前記C1−C6アルキル基、C3−C6シクロアルキル基若しくはC2−C7アルカノイル基を意味し、該置換基はハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1−C6アルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基及びC2−C7アルカノイル基からなる群より、同一又は異なって1又は2以上、好ましくは1又は2選択することができる。
該置換基としては、塩素原子若しくはフッ素原子等のハロゲン原子;水酸基;メトキシ基若しくはエトキシ基等のC1−C6アルコキシ基;シクロプロピル基等のC3−C6シクロアルキル基;又はアセチル基等のC2−C7アルカノイル基等が好適であり、中でもフッ素原子等のハロゲン原子;水酸基;又はメトキシ基等のC1−C6アルコキシ基等がより好ましい。
1fの前記置換基を有していてもよいC1−C6アルキル基の「C1−C6アルキル基」それ自体としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基若しくは2−メチルプロピル基等、より好ましくはメチル基若しくはエチル基等が好適である。
1fの前記置換基を有していてもよいC1−C6アルキル基の好ましい態様としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、2,2−ジフルオロエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル基若しくは2−メトキシエチル基等が挙げられ、中でもメチル基、エチル基若しくは2−ヒドロキシエチル基等が好ましい。
1fの前記置換基を有していてもよいC3−C6シクロアルキル基としては、シクロプロピル基等が好適である。
1fの前記置換基を有していてもよいC2−C7アルカノイル基としては、アセチル基等が好適である。
−Q−Cyで表される基において、Cyはハロゲン原子又はC1−C6アルキル基に置換されていてもよい、アリール基又はヘテロ環基を意味し、Qは単結合又はC1−C6アルキレン基を意味し、ここで該C1−C6アルキレン基を構成する1若しくは2以上のメチレン基は、それぞれ独立して、スルフィニル基、スルホニル基若しくはカルボニル基で置き換えられていてよい。
「ハロゲン原子又はC1−C6アルキル基に置換されていてもよい、アリール基又はヘテロ環基」とは、無置換の前記アリール基若しくはヘテロ環基、又は置換可能な任意の位置に置換基を有する前記アリール基又はヘテロ環基を意味し、該置換基はハロゲン原子又はC1−C6アルキル基より、同一又は異なって1又は2以上、好ましくは1又は2選択することができる。
該置換基としては、塩素原子若しくはフッ素原子等のハロゲン原子;又はメチル基若しくはエチル基等のC1−C6アルキル基等が好ましい。
Cyのアリール基としてはフェニル基等が好ましく、ヘテロ環基としてはピリジル基、テトラヒドロフリル基若しくはピロリジニル基等、より好ましくはピリジル基等が好適である。
のC1−C6アルキレン基としては、メチレン基若しくはエチレン基等が好ましい。
−Q−Cyで表される基の好ましい態様としては、アラルキル基、好ましくはベンジル基、2−ピリジル基、テトラヒドロフラン−3−イルメチル基、1−メチル−2−ピロリジニルメチル基又は2−(1−ピロリジニル)エチル基等が挙げられ、2−ピリジル基等がより好適である。
−Q−N(R1i)R1jで表される基において、R1i及びR1jは、それぞれ独立して、水素原子を意味するか、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1−C6アルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基、C2−C7アルカノイル基及びC1−C6アルキルスルホニル基からなる群より選択される置換基を有していてもよい、C1−C6アルキル基、C2−C7アルカノイル基又はC1−C6アルキルスルホニル基を意味し、Qは単結合又はC1−C6アルキレン基を意味し、ここで該C1−C6アルキレン基を構成する1若しくは2以上のメチレン基は、それぞれ独立して、スルフィニル基、スルホニル基若しくはカルボニル基で置き換えられていてもよい。
「ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1−C6アルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基、C2−C7アルカノイル基及びC1−C6アルキルスルホニル基からなる群より選択される置換基を有していてもよい、C1−C6アルキル基、C2−C7アルカノイル基又はC1−C6アルキルスルホニル基」とは、無置換の前記C1−C6アルキル基、C2−C7アルカノイル基若しくはC1−C6アルキルスルホニル基、又は置換可能な任意の位置に置換基を有する前記C1−C6アルキル基、C2−C7アルカノイル基若しくはC1−C6アルキルスルホニル基を意味し、該置換基はハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1−C6アルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基、C2−C7アルカノイル基及びC1−C6アルキルスルホニル基からなる群より、同一又は異なって1又は2以上、好ましくは1又は2選択することができる。
該置換基としては、塩素原子若しくはフッ素原子等のハロゲン原子;水酸基;メトキシ基若しくはエトキシ基等のC1−C6アルコキシ基;シクロプロピル基等のC3−C6シクロアルキル基;アセチル基等のC2−C7アルカノイル基;又はメチルスルホニル基等のC1−C6アルキルスルホニル基等が好適であり、中でもフッ素原子等のハロゲン原子又は水酸基等がより好ましい。
1i又はR1jの前記置換基を有していてもよいC1−C6アルキル基の「C1−C6アルキル基」それ自体としては、メチル基、エチル基、プロピル基等、より好ましくはメチル基若しくはエチル基等が好適である。
1i又はR1jの前記置換基を有していてもよいC2−C7アルカノイル基としては、アセチル基等が好適である。
1i又はR1jの前記置換基を有していてもよいC1−C6アルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル基等が好適である。
のC1−C6アルキレン基としては、メチレン基若しくはエチレン基等が好ましい。
−Q−N(R1i)R1jで表される基の好ましい態様としては、2−(ジメチルアミノ)エチル基、ジメチルアミノカルボニルメチル基、ジメチルアミノメチルカルボニル基、2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]エチル基又は2−[アセチル(メチル)アミノ]エチル基等が挙げられ、中でも2−(ジメチルアミノ)エチル基、ジメチルアミノカルボニルメチル基又はジメチルアミノメチルカルボニル基等が好適である。
1fの好ましい態様としては、水素原子、前記置換基を有していてもよいC1−C6アルキル基若しくはC2−C7アルカノイル基、又は−Q−N(R1i)R1jで表される基等、より好ましくは前記置換基を有していてもよいC1−C6アルキル基又はC2−C7アルカノイル基が挙げられ、特に前記置換基を有してもよいC1−C6アルキル基が好ましい。
上記R7a及びR8a並びにそれらが結合する環原子が一緒になって形成する「スピロ環又はビシクロ環」の脂肪族環を構成する1若しくは2以上のメチレン基は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基、C1−C6アルキル基、ヒドロキシ−C1−C6アルキル基又は−Q−N(R1g)R1hで表される基で置換されていてもよい。
当該置換基であるハロゲン原子としては、塩素原子又はフッ素原子等が好適である。
当該置換基であるC1−C6アルキル基としては、メチル基又はエチル基等が好適である。
当該置換基であるヒドロキシ−C1−C6アルキル基としては、ヒドロキシメチル基又は2−ヒドロキシエチル基等が好適である。
−Q−N(R1g)R1hで表される基において、R1g及びR1hは、それぞれ独立して、水素原子を意味するか、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1−C6アルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基、C2−C7アルカノイル基及びC1−C6アルキルスルホニル基からなる群より選択される置換基を有していてもよい、C1−C6アルキル基、C2−C7アルカノイル基若しくはC1−C6アルキルスルホニル基を意味するか、又は−Q−N(R1k)R1lで表される基を意味し、Qは単結合又はC1−C6アルキレン基を意味し、ここで該C1−C6アルキレン基を構成する1若しくは2以上のメチレン基は、それぞれ独立して、スルフィニル基、スルホニル基若しくはカルボニル基で置き換えられていてよい。
「ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1−C6アルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基、C2−C7アルカノイル基及びC1−C6アルキルスルホニル基からなる群より選択される置換基を有していてもよい、C1−C6アルキル基、C2−C7アルカノイル基又はC1−C6アルキルスルホニル基」とは、無置換の前記C1−C6アルキル基、C2−C7アルカノイル基若しくはC1−C6アルキルスルホニル基、又は置換可能な任意の位置に置換基を有する前記C1−C6アルキル基、C2−C7アルカノイル基若しくはC1−C6アルキルスルホニル基を意味し、該置換基はハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1−C6アルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基、C2−C7アルカノイル基及びC1−C6アルキルスルホニル基からなる群より、同一又は異なって1又は2以上、好ましくは1又は2選択することができる。
該置換基としては、塩素原子若しくはフッ素原子等のハロゲン原子;水酸基;メトキシ基若しくはエトキシ基等のC1−C6アルコキシ基;シクロプロピル基等のC3−C6シクロアルキル基;アセチル基等のC2−C7アルカノイル基;又はメチルスルホニル基等のC1−C6アルキルスルホニル基等が好適であり、中でも水酸基等がより好ましい。
1g又はR1hの前記置換基を有していてもよいC1−C6アルキル基の「C1−C6アルキル基」それ自体としては、メチル基、エチル基又はプロピル基等、より好ましくはメチル基又はエチル基等が好適である。
1g又はR1hの前記置換基を有していてもよいC1−C6アルキル基の好ましい態様としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、2,2−ジフルオロエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル基若しくは2−メトキシエチル基等が挙げられ、中でもメチル基又は2−ヒドロキシエチル基等が好ましい。
1g又はR1hの前記置換基を有していてもよいC2−C7アルカノイル基としては、アセチル基等が好適である。
1g又はR1hの前記置換基を有していてもよいC1−C6アルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル基等が好適である。
−Q−N(R1k)R1lで表される基において、R1k及びR1lは、それぞれ独立して、水素原子を意味するか、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1−C6アルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基、C2−C7アルカノイル基及びC1−C6アルキルスルホニル基からなる群より選択される置換基を有していてもよい、C1−C6アルキル基、C2−C7アルカノイル基又はC1−C6アルキルスルホニル基を意味し、Qは単結合又はC1−C6アルキレン基を意味し、ここで該C1−C6アルキレン基を構成する1若しくは2以上のメチレン基は、それぞれ独立して、スルフィニル基、スルホニル基若しくはカルボニル基で置き換えられていてよい。
1k又はR1lの「ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1−C6アルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基、C2−C7アルカノイル基及びC1−C6アルキルスルホニル基からなる群より選択される置換基を有していてもよい、C1−C6アルキル基、C2−C7アルカノイル基又はC1−C6アルキルスルホニル基」とは、前記R1g又はR1hの「ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1−C6アルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基、C2−C7アルカノイル基及びC1−C6アルキルスルホニル基からなる群より選択される置換基を有していてもよい、C1−C6アルキル基、C2−C7アルカノイル基又はC1−C6アルキルスルホニル基」と同様の意味を有する。
1k又はR1lとしては、水素原子又はメチル基、2,2−ジフルオロエチル基等の前記置換基を有していてもよいC1−C6アルキル基が好ましい。
としては、メチレン基又はエチレン基等が好ましい。
−Q−N(R1k)R1lで表される基としては、ジメチルアミノメチルカルボニル基等が好適である。
としては、単結合;又はメチレン基等のC1−C6アルキレン基が好適である。
−Q−N(R1g)R1hで表される基の好ましい態様としては、ジメチルアミノ基、2−ヒドロキシエチル(メチル)アミノ基、ジメチルアミノメチル基、2−(ジメチルアミノ)エチル基又は(ジメチルアミノメチルカルボニル)アミノ基等が挙げられ、中でもジメチルアミノ基、2−ヒドロキシエチル(メチル)アミノ基又はジメチルアミノメチル基、より好ましくはジメチルアミノ基又はジメチルアミノメチル基等が好適である。
上記R7a及びR8a並びにそれらが結合する環原子が一緒になって形成する「スピロ環又はビシクロ環」の脂肪族環を構成する1若しくは2以上のメチレン基上の当該置換基としては、C1−C6アルキル基又は−Q−N(R1g)R1hで表される基が好適である。
式(a−0)
Figure 2009054332
で表される基のうち、前記三環性の環式基の具体例としては、例えば2’−メチル−2’,3’−ジヒドロ−1’H−スピロ[シクロプロパン−1,4’−イソキノリン]−7’−イル基、3’,4’−ジヒドロ−2’H−スピロ[シクロプロパン−1,1’−イソキノリン]−6’−イル基、2’−メチル−3’,4’−ジヒドロ−2’H−スピロ[シクロプロパン−1,1’−イソキノリン]−6’−イル基、3’,4’−ジヒドロ−2’H−スピロ[シクロブタン−1,1’−イソキノリン]−6’−イル基、2’−メチル−3’,4’−ジヒドロ−2’H−スピロ[シクロブタン−1,1’−イソキノリン]−6’−イル基、2’−(2−ヒドロキシエチル)−3’,4’−ジヒドロ−2’H−スピロ[シクロブタン−1,1’−イソキノリン]−6’−イル基、3’,4’−ジヒドロ−2’H−スピロ[シクロペンタン−1,1’−イソキノリン]−6’−イル基、2’−メチル−3’,4’−ジヒドロ−2’H−スピロ[シクロペンタン−1,1’−イソキノリン]−6’−イル基等が好適であり、中でも2’−メチル−2’,3’−ジヒドロ−1’H−スピロ[シクロプロパン−1,4’−イソキノリン]−7’−イル基等がより好適である。
一般式(I―0)で表される化合物におけるR、R、R、R、R、R、R7a、R8a及びXの好適な例は、前記一般式(I)で表される化合物におけるR、R、R、R、R、R、R、R及びXの好適な例とそれぞれ同様な例を含む。更には、一般式(I―0)で表される化合物において、R7a及びR8aが前記のとおり式(a)で表される基と一緒になって三環性の環式基を形成するとき、Rとしてはメチル基、エチル基、イソプロピル基等のC1−6アルキル基又は2−プロピニル基等のC2−C6アルキニル基等が好ましい。
用語「置換可能な任意の位置」とは、炭素、窒素、酸素及び/又は硫黄原子上に置換可能な水素原子を有し、当該水素原子の置換が化学的に許容され、その結果、安定な化合物をもたらす部位を意味する。
用語「結合可能な任意の環原子」とは、環を構成する原子であって、他の原子又は原子団との結合が化学的に許容され、その結果、安定な化合物をもたらす環原子を意味する。本願において他の原子又は原子団の例としては、例えばR、R、R、R、R若しくはRにおいて定義される水素原子若しくはその他の基、又は前記式(c)、(c’)若しくは(d)で表される基等が挙げられる。
本発明化合物において、例えばC2−C6アルキレン基を構成するメチレン基の例えば酸素原子又は−N(R1e)−で表される基等による「置き換え」は、その「置き換え」が化学的に許容され、その結果、安定な化合物をもたらす場合に許容される。
本発明の化合物は、その置換基の態様又は塩型によって、光学異性体、ジアステレオ異性体、幾何異性体等の立体異性体又は互変異性体が存在する場合があるが、本発明の化合物はこれら全ての立体異性体、互変異性体及びそれらの混合物をも包含する。
本発明は、本発明化合物の種々の結晶、アモルファス、塩、水和物及び溶媒和物を含む。
更に本発明化合物のプロドラッグもまた本発明の範囲に属する。一般的に、そのようなプロドラッグは、生体内で必要とされる化合物に容易に変換されうる本発明化合物の機能的誘導体である。したがって、本発明に係る各種疾患の処置方法においては、「投与」という言葉は、特定した化合物の投与のみならず、患者に投与した後、生体内で当該特定した化合物に変換される化合物の投与を含む。適当なプロドラッグ誘導体の選択及び製造のための常套手段は、例えば“Design of Prodrugs” ed. H.Bundgaard, Elsevier,1985等に記載され、ここに引用してその記載全体を本願明細書の一部となす。これらの化合物の代謝物は、本発明化合物を生物学的環境に置くことによって産生される活性化合物を含み、本発明の範囲に属する。
一般式(I−0)で表される化合物、又はその薬学的に許容され得る塩の具体例としては、例えば以下の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩が挙げられる:
(1)6’−(2−アリル−6−{[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(2)6’−[2−アリル−6−({4−[(3R)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]フェニル}アミノ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(3)6’−[2−アリル−6−({4−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]フェニル}アミノ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(4)2−アリル−1−[3−フルオロ−5−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル]−6−{[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−オン、
(5)6’−(2−アリル−6−{[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−5−フルオロ−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(6)6’−[2−アリル−6−({4−[(tert−ブチルアミノ)メチル]フェニル}アミノ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(7)2−アリル−6−{[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−1−[3−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル]−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−オン、
(8)2−アリル−6−{[4−(1−メチルピペリジン−4−イル)フェニル]アミノ}−1−[3−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル]−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−オン、
(9)6’−(2−アリル−6−{[4−(1−メチルピペリジン−4−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(10)6’−(2−アリル−6−{[3−(ヒドロキシメチル)−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(11)6’−(2−アリル−6−{[3−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(12)6’−(2−アリル−6−{[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−3−メチル−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(13)6’−(2−アリル−6−{[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−4−メチル−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(14)6’−(2−アリル−6−{[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−5−メチル−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(15)6’−(2−アリル−6−{[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−3−メトキシ−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(16)6’−(2−アリル−6−{[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(17)6’−(2−アリル−6−{[4−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(18)N−(3−{[2−アリル−3−オキソ−1−(2−オキソ−2H−1,2’−ビピリジン−6’−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}フェニル)シクロプロパンカルボキサミド、
(19)6’−[2−アリル−6−({4−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]フェニル}アミノ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(20)6’−[2−アリル−6−({4−[3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イル]フェニル}アミノ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(21)6’−[2−アリル−6−({4−[(ジエチルアミノ)メチル]フェニル}アミノ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(22)6’−(2−アリル−3−オキソ−6−{[4−(2−オキソピロリジン−1−イル)フェニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(23)6’−(2−アリル−3−オキソ−6−{[4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(24)6’−[2−アリル−6−({4−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]フェニル}アミノ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(25)6’−[2−アリル−6−({4−[(2R)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]フェニル}アミノ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(26)6’−{2−アリル−3−オキソ−6−[(2,2,3,3−テトラフルオロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)アミノ]−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル}−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(27)6’−(2−アリル−6−{[3−(1−メチルピペリジン−4−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(28)6’−[2−アリル−3−オキソ−6−({4−[(2S)−2−(ピロリジン−1−イルメチル)ピロリジン−1−イル]フェニル}アミノ)−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(29)6’−(2−アリル−6−{[3−(ヒドロキシメチル)−4−メトキシフェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(30)6’−{2−アリル−6−[(2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−イル)アミノ]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル}−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(31)6’−[2−アリル−6−({4−[メチル(ピリジン−2−イルメチル)アミノ]フェニル}アミノ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(32)6’−(2−アリル−6−{[4−(2−メチル−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナ−7−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(33)6’−(2−アリル−6−{[4−(5−メチルヘキサヒドロピロロ[3,4−b]ピロール−1(2H)−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(34)6’−(2−アリル−6−{[4−(1−メチルヘキサヒドロピロロ[3,4−b]ピロール−5(1H)−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(35)6’−[2−アリル−6−({4−[3−(tert−ブチルアミノ)ピロリジン−1−イル]フェニル}アミノ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(36)6’−{2−イソプロピル−6−[(2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−イル)アミノ]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル}−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(37)6’−{2−メチル−6−[(2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イル)アミノ]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル}−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(38)6’−{2−メチル−6−[(2’−メチル−2’,3’−ジヒドロ−1’H−スピロ[シクロプロパン−1,4’−イソキノリン]−7’−イル)アミノ]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル}−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(39)6’−{2−イソプロピル−6−[(2’−メチル−2’,3’−ジヒドロ−1’H−スピロ[シクロプロパン−1,4’−イソキノリン]−7’−イル)アミノ]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル}−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(40)6’−{2−イソプロピル−3−オキソ−6−[(2,4,4−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−イル)アミノ]−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル}−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(41)6’−{2−エチル−6−[(2’−メチル−2’,3’−ジヒドロ−1’H−スピロ[シクロプロパン−1,4’−イソキノリン]−7’−イル)アミノ]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル}−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、又は
(42)6’−{6−[(2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−イル)アミノ]−3−オキソ−2−(2−プロピニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル}−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン。
上記化合物の中でも、
(1)6’−(2−アリル−6−{[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(2)6’−[2−アリル−6−({4−[(3R)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]フェニル}アミノ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(3)6’−[2−アリル−6−({4−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]フェニル}アミノ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(4)2−アリル−1−[3−フルオロ−5−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル]−6−{[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−オン、
(5)6’−(2−アリル−6−{[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−5−フルオロ−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(38)6’−{2−メチル−6−[(2’−メチル−2’,3’−ジヒドロ−1’H−スピロ[シクロプロパン−1,4’−イソキノリン]−7’−イル)アミノ]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル}−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
(39)6’−{2−イソプロピル−6−[(2’−メチル−2’,3’−ジヒドロ−1’H−スピロ[シクロプロパン−1,4’−イソキノリン]−7’−イル)アミノ]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル}−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、又は
(42)6’−{6−[(2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−イル)アミノ]−3−オキソ−2−(2−プロピニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル}−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
又はその薬学的に許容され得る塩等がより好適である。
次に、本発明に係る化合物の製造法について説明する。
製造法1
一般式(II)
Figure 2009054332
[式中、Lは脱離基を意味し、R、R、R、R及びR及びXは前記の意味を有する]で表される化合物と一般式(III)
Figure 2009054332
[式中、
7apは水素原子、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、ハロ−C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、保護されていてもよいヒドロキシ−C1−C6アルキル基若しくは−Q−N(R1cp)R1dpで表される基を意味するか、又はハロゲン原子、C1−C6アルキル基、保護されていてもよいヒドロキシ−C1−C6アルキル基、保護されていてもよいオキソ基及び−Q−N(R1ap)R1bpで表される基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよい含窒素複素環基(ここで含窒素複素環基はイミノ基の保護基で保護されていてもよい)を意味し;
8apは水素原子、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、ハロ−C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基又は保護されていてもよいヒドロキシ−C1−C6アルキル基を意味し;
あるいは、R7ap及びR8apが、次式(a)
Figure 2009054332
で表される基の隣接する環原子上に互いに存在するときは、R7ap及びR8apは一緒になって形成するC2−C6アルキレン基であってもよく、ここで、該C2−C6アルキレン基を構成する1又は2のメチレン基が、それぞれ独立して、酸素原子又は−N(R1ep)−で表される基で置き換えられた基を意味してもよく、また、該C2−C6アルキレン基はハロゲン原子、C1−C6アルキル基及びハロ−C1−C6アルキル基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよく、又はR7ap及びR8ap並びにそれらが結合する環原子は一緒になって、5員ないし7員の脂肪族環と他の3員ないし7員の脂肪族環から形成されるスピロ環若しくはビシクロ環であってもよく、ここで、該スピロ環若しくはビシクロ環を構成する1若しくは2以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基、スルホニル基、カルボニル基又は−N(R1fp)−で表される基で置き換えられていてよく、また、該スピロ環若しくはビシクロ環はそれぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基、C1−C6アルキル基、ヒドロキシ−C1−C6アルキル基又は−Q−N(R1gp)R1hpで表される基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよく;
1ap及びR1bpは、それぞれ独立して、アミノ基若しくはイミノ基の保護基、水素原子、C1−C6アルキル基若しくはハロ−C1−C6アルキル基を意味するか、又は一緒になって形成するC2−C6アルキレン基を意味し、ここで、該C2−C6アルキレン基はハロゲン原子、C1−C6アルキル基及びハロ−C1−C6アルキル基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよく;
1cp及びR1dpは、それぞれ独立して、アミノ基若しくはイミノ基の保護基、若しくは水素原子を意味するか、又はハロゲン原子、保護されていてもよい水酸基、保護されていてもよいオキソ基、C3−C6シクロアルキル基及び含窒素複素環基(ここで含窒素複素環基はイミノ基の保護基で保護されていてもよい)からなる群より選択される置換基により置換されていてもよいC1−C6アルキル基を意味し;
1epはイミノ基の保護基若しくは水素原子を意味するか、又はハロゲン原子、保護されていてもよい水酸基、保護されていてもよいオキソ基、C3−C6シクロアルキル基及び含窒素複素環基(ここで含窒素複素環基はイミノ基の保護基で保護されていてもよい)からなる群より選択される置換基により置換されていてもよいC1−C6アルキル基を意味し;
1fpは水素原子を意味するか、ハロゲン原子、保護されていてもよい水酸基、シアノ基、C1−C6アルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基及びC2−C7アルカノイル基からなる群より選択される置換基を有していてもよい、C1−C6アルキル基、C3−C6シクロアルキル基又はC2−C7アルカノイル基を意味するか、又は−Q−Cy若しくは−Q−N(R1ip)R1jpで表される基を意味し;
1gp及びR1hpは、それぞれ独立して、アミノ基若しくはイミノ基の保護基若しくは水素原子を意味するか、ハロゲン原子、保護されていてもよい水酸基、シアノ基、C1−C6アルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基、C2−C7アルカノイル基及びC1−C6アルキルスルホニル基からなる群より選択される置換基を有していてもよい、C1−C6アルキル基、C2−C7アルカノイル基若しくはC1−C6アルキルスルホニル基を意味するか、又は−Q−N(R1kp)R1lpで表される基を意味し;
1ip、R1jp、R1kp及びR1lpは、それぞれ独立して、アミノ基若しくはイミノ基の保護基若しくは水素原子を意味するか、ハロゲン原子、保護されていてもよい水酸基、シアノ基、C1−C6アルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基、C2−C7アルカノイル基及びC1−C6アルキルスルホニル基からなる群より選択される置換基を有していてもよい、C1−C6アルキル基、C2−C7アルカノイル基又はC1−C6アルキルスルホニル基を意味し;
、Q、Q、Q、Q、Q、Cy、R及びYは前記の意味を有する]で表される化合物又はその塩とを反応させ一般式(IV)
Figure 2009054332
[式中、R、R、R、R、R、R、R7ap、R8ap、X及びYは前記の意味を有する]で表される化合物とし、該化合物(IV)がアミノ基、イミノ基、水酸基若しくはオキソ基の保護基を有する場合には、当該保護基を除去することにより、一般式(I−0)
Figure 2009054332
[式中、R、R、R、R、R、R、R7a、R8a、X及びYは前記の意味を有する]で表される化合物を製造することができる。
で示される脱離基としては、例えば塩素原子、臭素原子若しくはヨウ素原子等のハロゲン原子、メチルスルフィニル基、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基等の有機スルホニル基又はメチルスルホニルオキシ基、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基、p−トリルスルホニルオキシ基等の有機スルホニルオキシ基等が挙げられ、中でも塩素原子、メチルスルフィニル基、メチルスルホニル基等が好適である。
本製造法は、一般式(I−0)で表される化合物の一般的な製造法である。
上記反応において、反応物質中に反応に関与しないアミノ基、イミノ基、水酸基、オキソ基等が存在する場合、当該アミノ基、イミノ基、水酸基、オキソ基は、適宜、アミノ基若しくはイミノ基の保護基、水酸基の保護基又はオキソ基の保護基で保護した後に反応を行い、反応後に当該保護基を除去することができる。
「アミノ基若しくはイミノ基の保護基」としては、その機能を有するものであれば特に限定されないが、例えばベンジル基、p−メトキシベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基、o−ニトロベンジル基、p−ニトロベンジル基、ベンズヒドリル基、トリチル基等のアラルキル基;例えばホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ピバロイル基等の低級アルカノイル基;例えばベンゾイル基;例えばフェニルアセチル基、フェノキシアセチル基等のアリールアルカノイル基;例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等の低級アルコキシカルボニル基;例えばベンジルオキシカルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基等のアラルキルオキシカルボニル基;例えばトリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等の低級アルキルシリル基;例えばテトラヒドロピラニル基;例えばトリメチルシリルエトキシメチル基;例えばメチルスルホニル基、エチルスルホニル基等の低級アルキルスルホニル基等;例えばベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基等のアリールスルホニル基等が挙げられ、特にアセチル基、ベンゾイル基、tert−ブトキシカルボニル基、トリメチルシリルエトキシメチル基、メチルスルホニル基等が好ましい。
「水酸基の保護基」としては、その機能を有するものであれば特に限定されないが、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基等の低級アルキル基;例えばトリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等の低級アルキルシリル基;例えばメトキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基等の低級アルコキシメチル基;例えばテトラヒドロピラニル基;例えばトリメチルシリルエトキシメチル基;例えばベンジル基、p−メトキシベンジル基、2,3−ジメトキシベンジル基、o−ニトロベンジル基、p−ニトロベンジル基、トリチル基等のアラルキル基;例えばホルミル基、アセチル基等のアシル基等が挙げられ、特にメチル基、メトキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、トリチル基、トリメチルシリルエトキシメチル基、tert−ブチルジメチルシリル基、アセチル基等が好ましい。
「オキソ基の保護基」としては、その機能を有するものであれば特に限定されないが、例えばエチレンケタール、トリメチレンケタール、ジメチルケタール等のアセタール、ケタール等が挙げられる。
一般式(II)で表される化合物と一般式(III)で表される化合物との反応は、通常、化合物(II)の1モルに対して、化合物(III)を等モルないし過剰モル、好ましくは等モルないし1.5モル用いて行われる。
反応は、通常、不活性溶媒中で行われ、当該不活性溶媒としては、例えばトルエン、ベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等又はその混合溶媒等が好適である。
また、上記反応は塩基の存在下に行うことが好ましく、当該塩基としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の有機塩基又は炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基を使用することができる。
当該塩基の使用量は、通常、一般式(II)で表される化合物1モルに対して、等モルないし過剰モル、好ましくは1ないし3モルである。
反応温度は、通常、0℃ないし200℃、好ましくは20℃ないし150℃である。
反応時間は、通常、5分間ないし7日間、好ましくは30分間ないし24時間である。
反応終了後、通常の処理を行い、一般式(IV)で表される化合物の粗生成物を得ることができる。このようにして得られた一般式(IV)で表される化合物を、常法に従って精製し、又は精製することなく、該化合物(IV)がアミノ基、イミノ基、水酸基若しくはオキソ基の保護基を有する場合には、当該保護基を除去することにより、一般式(I−0)で表される化合物を製造することができる。
なお、一般式(IV)で表される化合物がアミノ基、イミノ基、水酸基若しくはオキソ基の保護基を有しない場合は、一般式(IV)で表される化合物は実質的に一般式(I−0)で表される化合物を意味する。
保護基の除去法は、当該保護基の種類及び目的化合物(I−0)の安定性等により異なるが、例えば文献記載の方法[プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)、第3版、T.W.グリーン(T.W.Greene)著、John Wiley & Sons社(1999年)参照]又はそれに準じる方法に従って、例えば酸又は塩基を用いる加溶媒分解、すなわち、例えば0.01モルないし大過剰の酸、好ましくはトリフルオロ酢酸、ギ酸、塩酸等、又は等モルないし大過剰の塩基、好ましくは水酸化カリウム、水酸化カルシウム等を作用させる方法;水素化金属錯体等を用いる化学的還元又はパラジウム−炭素触媒、ラネーニッケル触媒等を用いる接触還元等により行われる。
一般式(I−0)の化合物は、通常の分離手段により容易に単離精製できる。係る手段としては、例えば溶媒抽出、再結晶、カラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー等を例示できる。
これらの化合物は、常法により医薬として許容されうる塩又はエステルとすることができ、また逆に塩又はエステルから遊離化合物への変換も常法に従って行うことができる。
一般式(III)で表される化合物の「塩」とは、有機化学の分野で用いられる慣用的なものを意味し、例えばテトラゾリル基のような酸性複素環基を有する場合の当該酸性複素環基における塩基付加塩又はアミノ基若しくは塩基性の複素環基を有する場合の当該アミノ基若しくは塩基性複素環基における酸付加塩の塩類を挙げることができる。
該塩基付加塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;例えばカルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;例えばアンモニウム塩;例えばトリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、プロカイン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩等の有機アミン塩等が挙げられる。
該酸付加塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、過塩素酸塩等の無機酸塩;例えばマレイン酸塩、フマール酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、トリフルオロ酢酸塩等の有機酸塩;例えばメタンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等のスルホン酸塩等が挙げられる。
一般式(II)又は(III)で表される化合物は、例えば市販品を用いるか、文献記載の方法[国際公開第2007/067506号パンフレット、国際公開第2004/104007号パンフレット、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリ(Journal of Medicinal Chemistry)、第48巻、2371−2387頁等参照]若しくはこれらの方法に準じる方法、あるいは以下の方法又は実施例・製造例に記載する方法等を必要に応じ適宜組み合わせることにより製造することができる。
製造法A
Figure 2009054332
[式中、Etはエチル基を意味し;Mは一般的な有機金属原子を意味し;Meはメチル基を意味し;
は水素原子又はイミノ基の保護基を意味し;Rは次式(e)
Figure 2009054332
(ここにおいて、R、R、R、R及びXは前記の意味を有する)で表される基を意味し;Rx−1は次式(b−10)
Figure 2009054332
(ここにおいて、Lは脱離基を意味し、R、R及びXは前記の意味を有する)で表される基を意味し;R1は前記の意味を有する]
のイミノ基の保護基としては、例えばベンジル基、パラメトキシベンジル基、tert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等が好適である。
製造法Cは一般式(II)で表される化合物のうち、Lの脱離基がメチルスルフィニル基である化合物、すなわち、一般式(II−1)で表される化合物の製造法である。
本製造法によれば、一般式(II−1)で表される化合物は、式(1)で表される化合物と式(2)で表されるヒドラジン誘導体とを塩基の存在下反応させ、加水分解した後、該化合物を環化させることにより式(3)で表される化合物とした後、
(i)該化合物(3)に式(4)で表される有機金属化合物を触媒の存在下反応させて上記Rで表される基を導入して化合物(5)とする工程、又は
(ii)該化合物(3)に式(6)で表される有機金属化合物を触媒の存在下反応させて上記Rx−1で表される基を導入して化合物(7)とし、次いで該化合物(7)に式(8)で表される化合物を反応させて化合物(5)とする工程を経て、最後に該化合物(5)のメチルチオ基を酸化してメチルスルフィニル基とすることにより製造することができる。
式(1)で表される化合物と式(2)で表されるヒドラジン誘導体とを塩基の存在下反応させる工程は、通常、化合物(1)1モルに対して、ヒドラジン誘導体(2)を0.5モルないし過剰モル、好ましくは等モルないし1.5モル用いて行われる。
反応は、通常、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の有機塩基又は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基の存在下、例えば塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ベンゼン、トルエン、ジメチルホルムアミド等又はその混合溶媒等の不活性溶媒中行うことができる。
当該塩基は、通常、化合物(1)1モルに対して、等モルないし過剰モル用いるのが好適である。また当該塩基が液体である場合には、当該塩基を溶媒兼塩基として用いることができる。
反応温度は、通常、−78℃ないし200℃、好ましくは20℃ないし100℃である。
反応時間は、通常、5分間ないし7日間、好ましくは8時間ないし24時間である。
上記反応で得られた化合物を加水分解する工程は、それ自体有機化学の分野でよく知られたカルボン酸エステルの加水分解反応方法を応用することができ、通常、例えばメタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、水等の溶媒又はこれらの混合溶媒中、例えば塩酸、硫酸等の酸、又は例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の塩基を用いて行うことができる。
反応温度は、通常、室温ないし反応に用いる溶媒の沸点までが好ましく、反応時間は、通常、1時間ないし48時間が好ましい。
上記加水分解反応後、得られた化合物を環化させて化合物(3)を製造する工程は、当該加水分解後、反応液を酸性にすることにより、そのまま環化反応が進行するか、又は環化反応が進行しない場合には、当該加水分解後の化合物を、無水酢酸の存在下、加熱還流するか、若しくは当該加水分解後の化合物に塩化チオニルを作用させることによって行われる。
無水酢酸を用いての環化反応の場合、無水酢酸の使用量は、過剰モルが好ましく、反応時間は、通常、1時間ないし48時間が好ましい。
塩化チオニルを作用させる場合、塩化チオニルの使用量は、過剰モルが好ましく、反応時間は、通常、1時間ないし48時間が好ましい。
化合物(3)に式(4)で表される有機金属化合物を触媒の存在下反応させてRで表される基を導入して化合物(5)を製造する工程は、通常、金属塩触媒又は金属塩試薬、化合物(3)の1モルに対して、化合物(4)を0.5モルないし5モル、好ましくは0.7モルないし3モル用いて行われる。
反応で用いられる金属塩触媒又は金属塩試薬としては、例えば銅、ニッケル、パラジウム等のクロスカップリング反応で一般的に用いられる遷移金属が挙げられ、例えば酢酸銅(II)、トリフルオロメタンスルホン酸銅、ヨウ化銅等が好ましい。
Mで表される一般的な有機金属原子とは、クロスカップリング反応に一般的に用いられる有機金属原子を意味し、例えばリチウム、ホウ素、ケイ素、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、スズ等、より好ましくはホウ素、亜鉛、スズ等が挙げられ、具体的な使用形態としては、例えばホウ素はホウ酸又はホウ酸エステル等が、亜鉛は塩化亜鉛、臭化亜鉛又はヨウ化亜鉛等が、スズはトリ低級アルキルスズ等が挙げられる。
反応は、通常、不活性溶媒中で行われ、当該不活性溶媒としては、例えば水、ベンゼン、トルエン、キシレン、塩化メチレン、クロロホルム、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド等又はその混合溶媒等が好適である。
反応温度は、通常、室温ないし反応に用いる溶媒の沸点、好ましくは20℃ないし200℃である。
反応時間は、通常、30分間ないし7日間、好ましくは24時間ないし3日間である。
また上記反応は、塩基の存在下行うことが好ましく、当該塩基としては、例えばリン酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の無機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ピリジン等の有機塩基が挙げられる。
当該塩基の使用量としては、通常、化合物(3)の1モルに対して、当該塩基を0.5モルないし5モル、好ましくは等モルないし3モル用いて行われる。
また、上記工程は式(4)で表される有機金属化合物に替えてRで表される基を有するハロゲン化化合物を用いることによっても行うことができる。当該ハロゲン化化合物を用いる場合、触媒としてはヨウ化胴(I)−ジアミン錯体が好適である。
化合物(3)に式(6)で表される有機金属化合物を触媒の存在下反応させて上記Rx−1で表される基を導入して化合物(7)を製造する工程は、上記化合物(3)に式(4)で表される有機金属化合物を触媒の存在下反応させて上記Rで表される基を導入して化合物(5)とする工程と同様に行うことができる。また、当該工程において、式(4)で表される有機金属化合物に替えてRで表される基を有するハロゲン化化合物を用いることによっても行うことができることと同様に、式(6)で表される有機金属化合物に替えてRx−1で表される基を有するハロゲン化化合物を用いることによっても行うことができる。この場合、触媒としてヨウ化胴(I)−ジアミン錯体等を用いることが好適である。
x−1の式(b−10)中、Lで表される脱離基としては、製造法1においてLで表される脱離基として例示した基を挙げることができ、例えば臭素原子等のハロゲン原子等が好適である。
化合物(7)に式(8)で表される化合物を反応させて化合物(5)とする工程は、上記の化合物(3)にRx−1で表される基を有するハロゲン化化合物を反応させる工程と同様に行うことができる。この場合、上記と同様に触媒としてヨウ化胴(I)−ジアミン錯体等を用いることが好適である。
化合物(5)のメチルチオ基を酸化して化合物(II−1)を製造する工程は、それ自体有機化学の分野でよく知られた、メチルチオ基をメチルスルフィニル基又はメチルスルホニル基へと酸化する方法が応用でき、通常、例えばベンゼン、トルエン、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド等の不活性溶媒中、例えば化合物(5)1モルに対して、0.5モルないし過剰モル、好ましくは等モルないし1.5モルのメタクロロ過安息香酸、オキソン等の酸化剤を用いて行うことができる。
反応温度は、通常、0℃ないし反応に用いる溶媒の沸点までが好ましく、反応時間は、通常、30分間ないし8時間が好ましい。
なお、一般式(1)、(2)、(4)、(6)又は(8)で表される化合物は市販品を用いるか、公知の方法若しくは実施例記載の方法又はそれらに準じる方法を必要に応じ適宜組み合わせることにより製造することができる。
下記に本発明化合物の薬理試験例を示す。
薬理試験1(Wee1キナーゼ阻害作用)
(1)Wee1キナーゼの精製
アミノ末端にグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)を融合したWee1キナーゼのcDNAをバキュロウイルス発現ベクタ−に組み込み、組み換えバキュロウイルスを作製し、昆虫細胞Sf9株に感染させて高発現させた。感染細胞を回収して可溶化した後、GSTタグ付加Wee1キナーゼタンパク質をグルタチオンカラムに吸着させ、グルタチオンでカラムから溶出し、活性画分を脱塩カラムで脱塩し精製酵素とした。
(2)Wee1キナーゼの活性測定
Wee1キナーゼの活性測定において、基質は合成ペプチドであるPoly(Lys,Tyr)Hydrobromide(Lys:Tyr (4:1))をシグマ社より購入して用いた。
反応液量は21.1μLで、反応緩衝液の組成は50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)/10mM塩化マグネシウム/1mMジチオトレイトールで、そこに精製したWee1キナーゼと2.5μgの基質ペプチドと10μMの非標識アデノシン三リン酸(ATP)及び1μCiの[γ−33P]標識ATP(2500Ci/mmol以上)を添加して、30℃で30分間反応させた。その後、10μLの350mMリン酸緩衝液を反応系に添加して反応を停止させた。基質ペプチドをP81ペ−パ−フィルタ−96ウエルプレ−トに吸着させた後、130mMリン酸緩衝液で数回洗浄し、その放射活性を液体シンチレ−ションカウンタ−で測定した。[γ−33P]標識ATPはアマシャムバイオサイエンス社から購入した。
被検化合物の反応系への添加は、まず化合物のジメチルスルホキシド(DMSO)希釈系列を調製し、それを1.1μL加えることで行った。反応系へDMSOを1.1μL加えたものを対照とした。
本発明に係る化合物は、表1に示されるように優れたWee1阻害活性作用を示す。
Figure 2009054332
次に、本発明に係る一般式(I−0)の化合物の細胞におけるCdc2−チロシン15リン酸化阻害作用について以下説明する。
薬理試験2(細胞を用いた薬剤効果判定方法(Cdc2(Cdk1)チロシン15−リン酸化阻害作用))
a)試薬
ウシ胎児血清(FBS)はモルゲート社から、RPMI1640培地とDMEM培地はインビトロジェン社から、カンプトテシンはシグマ社から、ゲムシタビンは日本イーライリリー社から、ノコダゾールとプロテアーゼインヒビターカクテルはシグマ社から、ウサギ抗Cdc2抗体とマウス抗Cdc2抗体はサンタクルズバイオテクノロジー社から、ウサギ抗チロシン15−リン酸化Cdc2抗体と西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗マウスIgG抗体はセルシグナリングテクノロジー社から、シュアブルーリザーブTMBペルオキシダーゼ基質はキルケガードアンドペリーラボラトリーズ社から、それぞれ入手した。
b)細胞
ヒト非小細胞肺がん細胞(NCI−H1299)及びヒト大腸がん細胞(WiDr)は、アメリカン・タイプ・カルチャ・コレクション(American Type Culture Collection; ATCC)より入手した。
c)効果判定法
NCI−H1299細胞を用いる方法では、細胞を10%FBS添加RPMI1640培地に懸濁し、1穴あたり2000個/100マイクロリットルの細胞懸濁液をヌンク社より購入した96穴ヌンクロンデルタ処理プラスチックプレートに分注し、37℃、5%CO−95%空気中で1晩培養した。カンプトテシンをジメチルスルホキシド(DMSO)にて溶解し更に10%FBS添加RPMI1640培地で希釈した後、あらかじめ細胞を播いておいたプレートにカンプトテシンの終濃度が200nMになるように50マイクロリットルずつ分注し、16時間、37℃、5%CO−95%空気中で培養した。被検化合物をDMSOにて段階希釈し、更に4000nMノコダゾールを含む10%FBS添加RPMI1640培地で希釈した後、カンプトテシンを処理した細胞を播いてあるプレートに50マイクロリットルずつ分注した。8時間、37℃、5%CO−95%空気中で培養後、培養液を取り除き、細胞溶解緩衝液を100マイクロリットルずつ加え、4℃で2時間震盪した後、−80℃で凍結・融解したものを細胞溶解液とした。この細胞溶解液中のCdc2及びチロシン15−リン酸化Cdc2を酵素結合免疫測定法(ELISA法)で測定し、Cdc2に対するチロシン15−リン酸化Cdc2の割合を算出し、被検化合物の細胞に対する50%リン酸化阻害濃度(EC50,nM)を求めた。ここで、細胞溶解緩衝液とは、20mM ヘペス(pH7.5)、150mM 塩化ナトリウム、1mM エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、0.1% ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル、1% プロテアーゼインヒビターカクテル、1mM ジチオトレイトール、2mM オルトバナジン酸ナトリウム、10mM フッ化ナトリウム、及び10mM グリセロール2リン酸を含んだ水溶液である。ELISA法によるCdc2測定は下記の通り行った。ヌンク社より購入した96穴マキシソープイムノプレートに50mM 炭酸−重炭酸緩衝液(pH9.6)で200倍に希釈したウサギ抗Cdc2抗体溶液を1穴あたり50マイクロリットルずつ分注し4℃、1晩静置し抗体を固相化した。次に、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で3回洗浄し、5%ウシ血清アルブミンを含むPBS(5%BSA/PBS)を300マイクロリットルずつ加え2時間室温で静置し、再びPBSで3回洗浄し、0.05%ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート及び1%BSA含有トリス−塩酸緩衝生理食塩水(1%BSA/TBS−T)で100倍に希釈したマウス抗Cdc2抗体溶液を50マイクロリットルずつ加え、細胞溶解液を5マイクロリットル添加し4℃で1晩静置した。次に0.05%ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート及び0.1%BSA含有トリス−塩酸緩衝生理食塩水(0.1%BSA/TBS−T)で3回洗浄後、1%BSA/TBS−Tで2000倍希釈した西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗マウスIgG抗体溶液を70マイクロリットルずつ加え室温で3時間静置した。最後に0.1%BSA/TBS−Tで5回洗浄後、シュアブルーリザーブTMBペルオキシダーゼ基質を100マイクロリットルずつ分注し、暗所室温にて15分間発色反応を行い、1M 塩酸を100マイクロリットルずつ分注することで反応を停止させ、比色法にて測定した。ELISA法によるチロシン15−リン酸化Cdc2測定は下記の通り行った。96穴マキシソープイムノプレートに50mM 炭酸−重炭酸緩衝液(pH9.6)で100倍に希釈したウサギ抗チロシン15−リン酸化Cdc2抗体溶液を1穴あたり50マイクロリットルずつ分注し4℃、1晩静置し抗体を固相化した。次に、PBSで3回洗浄し、5%BSA/PBSを300マイクロリットルずつ加え2時間室温で静置し、再びPBSで3回洗浄し、1%BSA/TBS−Tで100倍に希釈したマウス抗Cdc2抗体溶液を50マイクロリットルずつ加え、細胞溶解液を5マイクロリットル添加し4℃で1晩静置した。次に0.1%BSA/TBS−Tで3回洗浄後、1%BSA/TBS−Tで2000倍希釈した西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗マウスIgG抗体溶液を70マイクロリットルずつ加え室温で3時間静置した。最後に0.1%BSA/TBS−Tで5回洗浄後、シュアブルーリザーブTMBペルオキシダーゼ基質を100マイクロリットルずつ分注し、暗所室温にて5分間発色反応を行い、1M 塩酸を100マイクロリットルずつ分注することで反応を停止させ、比色法にて測定した。
WiDr細胞を用いる方法では、細胞を10%FBS添加DMEM培地に懸濁し、1穴あたり2000個/100マイクロリットルの細胞懸濁液を96穴ヌンクロンデルタ処理プラスチックプレートに分注し、37℃、5%CO−95%空気中で1晩培養した。ゲムシタビンをPBSにて溶解し更に10%FBS添加DMEM培地で希釈した後、あらかじめ細胞を播いておいたプレートにゲムシタビンの終濃度が100nMになるように50マイクロリットルずつ分注し、24時間、37℃、5%CO−95%空気中で培養した。被検化合物をDMSOにて段階希釈し更に1200nMノコダゾールを含む10%FBS添加DMEM培地で希釈した後、ゲムシタビンを処理した細胞を播いてあるプレートに50マイクロリットルずつ分注した。8時間、37℃、5%CO−95%空気中で培養後、培養液を取り除き、細胞溶解緩衝液を100マイクロリットルずつ加え、4℃で2時間震盪した後、−80℃で凍結・融解したものを細胞溶解液とした。この細胞溶解液中のCdc2及びチロシン15−リン酸化Cdc2をELISA法で測定し、Cdc2に対するチロシン15−リン酸化Cdc2の割合を算出し、被検化合物の細胞に対する50%リン酸化阻害濃度(EC50,nM)を求めた。ELISA法によるCdc2測定は下記の通り行った。96穴マキシソーププラスチックプレートに50mM 炭酸−重炭酸緩衝液(pH9.6)で200倍に希釈したウサギ抗Cdc2抗体溶液を1穴あたり50マイクロリットルずつ分注し4℃、1晩静置し抗体を固相化した。次に、PBSで3回洗浄し、5%BSA/PBSを300マイクロリットルずつ加え2時間室温で静置し、再びPBSで3回洗浄し、1%BSA/TBS−Tで100倍に希釈したマウス抗Cdc2抗体溶液を50マイクロリットルずつ加え、細胞溶解液を10マイクロリットル添加し4℃で1晩静置した。次に0.1%BSA/TBS−Tで3回洗浄後、1%BSA/TBS−Tで2000倍希釈した西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗マウスIgG抗体溶液を70マイクロリットルずつ加え室温で3時間静置した。最後に0.1%BSA/TBS−Tで5回洗浄後、シュアブルーリザーブTMBペルオキシダーゼ基質を100マイクロリットルずつ分注し、暗所室温にて15分間発色反応を行い、1M 塩酸を100マイクロリットルずつ分注することで反応を停止させ、比色法にて測定した。ELISA法によるチロシン15−リン酸化Cdc2測定は下記の通り行った。96穴マキシソーププラスチックプレートに50mM 炭酸−重炭酸緩衝液(pH9.6)で100倍に希釈したウサギ抗チロシン15−リン酸化Cdc2抗体溶液を1穴あたり50マイクロリットルずつ分注し4℃、1晩静置し抗体を固相化した。次に、PBSで3回洗浄し、5%BSA/PBSを300マイクロリットルずつ加え2時間室温で静置し、再びPBSで3回洗浄し、1%BSA/TBS−Tで100倍に希釈したマウス抗Cdc2抗体溶液を50マイクロリットルずつ加え、細胞溶解液を10マイクロリットル添加し4℃で1晩静置した。次に0.1%BSA/TBS−Tで3回洗浄後、1%BSA/TBS−Tで2000倍希釈した西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗マウスIgG抗体溶液を70マイクロリットルずつ加え室温で3時間静置した。最後に0.1%BSA/TBS−Tで5回洗浄後、シュアブルーリザーブTMBペルオキシダーゼ基質を100マイクロリットルずつ分注し、暗所室温にて10分間発色反応を行い、1M 塩酸を100マイクロリットルずつ分注することで反応を停止させ、比色法にて測定した。
本発明に係わる化合物は、表2及び表3に示されるように、ヒト由来のがん細胞(NCI−H1299及びWiDr)に対し、優れたCdc2−チロシン15リン酸化阻害作用を示す。
Figure 2009054332
Figure 2009054332
次に、本発明に係る一般式(I−0)の化合物の細胞におけるチェックポイント解除作用について以下説明する。
薬理試験3(細胞を用いた薬剤効果判定方法(チェックポイント解除作用))
a)試薬
牛胎児血清(FBS)はモルゲート社から、DMEM培地はインビトロジェン社から、ゲムシタビンは日本イーライリリー社から、ノコダゾールと4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドールはシグマ社から、ウサギ抗リン酸化ヒストンH3抗体はアップステイト社から、蛍光標識(Alexa Fluor 488)抗ウサギIgG抗体はモレキュラープローブ社から、それぞれ入手できる。
b)細胞
ヒト大腸がん細胞(WiDr)は、アメリカン・タイプ・カルチャ・コレクション(American Type Culture Collection; ATCC)より入手できる。
c)効果判定法
細胞を10%FBS添加DMEM培地に懸濁し、1穴あたり2000個/100マイクロリットルの細胞懸濁液をベクトン・ディッキンソン社より購入したポリ−D−リジンコートの96穴プラスチックプレートに分注し、37℃、5%CO−95%空気中で1晩培養する。ゲムシタビンをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)にて溶解し、更に10%FBS添加DMEM培地で希釈した後、あらかじめ細胞を播いておいたプレートにゲムシタビンの最終濃度が100nMになるように50マイクロリットルずつ分注し、24時間、37℃、5%CO−95%空気中で培養する。被検化合物をジメチルスルホキシドにて段階希釈し更に1200nMノコダゾールを含む10%FBS添加DMEM培地で希釈した後、ゲムシタビンを処理した細胞を播いてあるプレートに50マイクロリットルずつ分注する。8時間、37℃、5%CO−95%空気中で培養後、培養液を取り除き、−20℃に冷却しておいたメタノールを100マイクロリットルずつ加え、プレートを−20℃に一晩置くことで細胞を固定する。次に、メタノールで固定した細胞をPBSで洗い、1%ウシ血清アルブミンを含むPBS(1%BSA/PBS)を50マイクロリットルずつ加え30分間室温で静置し、続いて1%BSA/PBSで250倍に希釈したウサギ抗リン酸化ヒストンH3抗体を50マイクロリットルずつ加え室温で90分間静置する。次にPBSで洗浄後、1%BSA/PBSで10μg/mLに希釈した4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール及び250倍に希釈した蛍光標識(Alexa Fluor 488)抗ウサギIgG抗体を含む溶液を50マイクロリットルずつ加え暗所室温で60分間反応させる。最後にPBSで洗浄後、蛍光強度を測定することによりリン酸化ヒストンH3陽性細胞(チェックポイントを解除することで細胞分裂期へと移行した細胞)の割合を算出し、被検化合物の細胞に対する50%チェックポイント解除作用濃度(EC50,nM)を求める。
以上により、本発明に係わる化合物のヒト由来の癌細胞(WiDr)に対する優れたチェックポイント解除作用を測定することができる。
薬理試験4(腫瘍増殖抑制効果)
ヒト大腸癌株WiDr(ATCCより入手)をF344/N Jcl−rnuヌードラットの背部皮下に移植する。移植12日後にゲムシタビン(Gemcitabine)5mg/kg(Gemzar注、イーライリリー)を静脈内投与し、その24時間後に被験化合物を溶媒(0.5%メチルセルロース)に懸濁し、経口投与する。これを1週間に1度、3週間繰り返す。腫瘍体積(0.5x長径x短径)の測定は初回ゲムシタビン投与日をDay0とし、Day0,3,6,10, 13,17,20,24及び27に行う。腫瘍体積率(Relative tumor volume)はDay0における腫瘍体積を1として算出する。また、腫瘍増殖率(%T/C)は次式により求める。
被験化合物投与群のDay0からの腫瘍体積変化量が>0の場合:
%T/C=(Day3,6,10,13,17,20,24,27における各被験化合物群の腫瘍体積変化量/Day3,6,10,13,17,20,24,27におけるコントロール群の腫瘍体積変化量)x100
被験化合物投与群のDay0からの腫瘍体積変化量が<0の場合:
%T/C=(Day3,6,10,13,17,20,24,27における各被験化合物群の腫瘍体積変化量/Day0における各被験化合物群の腫瘍体積)x100
以上により、本発明化合物が他の抗がん剤と組み合わせて使用することにより他の抗がん剤の作用を増強させることを測定することができる。

薬理試験5(細胞を用いた薬剤効果判定方法(放射線(X線)増感作用))
a)試薬
ウシ胎児血清(FBS)はモルゲート社から、RPMI1640培地と0.25%トリプシンEDTAはインビトロジェン社から、サイクルテストプラスDNAリージェントキットはベクトンディッキンソン社から、ナイロンネットフィルターはミリポア社から、それぞれ入手できる。
b)細胞
ヒト非小細胞肺がん細胞(NCI−H1299)はATCCより入手できる。
c)効果判定法
NCI−H1299細胞を10%FBS添加RPMI1640培地に懸濁し、1穴あたり100000個/2ミリリットルの細胞懸濁液をヌンク社より購入した6穴ヌンクロンデルタ処理プラスチックプレートに分注し、37℃、5%CO−95%空気中で1晩培養する。ソフテックス社のM−150WEを用いて細胞に5000RのX線を照射した後、16時間、37℃、5%CO−95%空気中で培養する。被検化合物をDMSOにて段階希釈した後、X線を処理した細胞を播いてあるプレートに2マイクロリットルずつ添加する。8時間、37℃、5%CO−95%空気中で培養後、培養液を各サンプルの一部として取り置き、プレートに残った細胞は0.25%トリプシンを600マイクロリットルずつ加えて室温で静置することで単細胞懸濁液とする。この単細胞懸濁液と取り置いた培養液をサンプルごとに混合し、遠心分離した後上清を除くことでサンプリングを完了する。このサンプルをサイクルテストプラスDNAリージェントキットの緩衝液1ミリリットルに懸濁し−80℃で凍結保存する。保存したサンプルは測定日に融解させ、遠心分離後上清を除き、サイクルテストプラスのA溶液250マイクロリットルに懸濁し室温にて10分間静置した後、B溶液を150マイクロリットル加え室温で更に10分間静置する。その後C溶液を150マイクロリットル加え4℃で10分間静置し、ナイロンネットフィルターを通過させることでDNAの染色を完了する。ベクトンディッキンソン社のFACS Caliburを用いてFACS法により各細胞のDNA量の定量を行い、DNA断片化を起こした細胞の割合を測定する。
以上により、本発明化合物のヒト由来のがん細胞(NCI−H1299)に対する優れたDNA断片化誘導作用を測定することができ、本発明化合物のX線増感作用を測定することができる。
一般式(I−0)で表される化合物は、経口又は非経口的に投与することができ、そしてそのような投与に適する形態に製剤化することにより、医薬組成物、抗がん剤として供することができる。
本明細書で用いる「がん」という用語は、各種肉腫及び癌腫を含み、固形がん及び造血器がんを含む。ここで、固形がんは、例えば、脳腫瘍、頭頸部がん、食道がん、甲状腺がん、小細胞がん、非小細胞がん、乳がん、肺がん、胃がん、胆のう・胆管がん、肝がん、膵がん、結腸がん、直腸がん、卵巣がん、絨毛上皮がん、子宮体がん、子宮頸がん、腎盂・尿管がん、膀胱がん、前立腺がん、陰茎がん、睾丸がん、胎児性がん、ウイルムス腫瘍、皮膚がん、悪性黒色腫、神経芽細胞腫、骨肉腫、ユーイング腫、軟部肉腫等である。一方、造血器がんとしては、例えば、急性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、真性多血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫等である。
本明細書で用いる「がんの治療」という用語は、がん患者に対して、抗がん剤を投与することにより、がん細胞の増殖を阻害することを意味する。好ましくは、かかる治療は、がん増殖を後退、即ち、測定可能ながんの大きさを減縮させることができる。更に好ましくは、かかる治療は、がんを完全に消失させる。
本発明に係る化合物の治療効果が期待される好適ながんとしては、例えばヒトの固形がん等が挙げられる。ヒトの固形がんとしては、例えば、脳腫瘍、頭頸部がん、食道がん、甲状腺がん、小細胞がん、非小細胞がん、乳がん、肺がん、胃がん、胆のう・胆管がん、肝がん、膵がん、結腸がん、直腸がん、卵巣がん、絨毛上皮がん、子宮体がん、子宮頸がん、腎盂・尿管がん、膀胱がん、前立腺がん、陰茎がん、睾丸がん、胎児性がん、ウイルムス腫瘍、皮膚がん、悪性黒色腫、神経芽細胞腫、骨肉腫、ユ−イング腫、軟部肉腫、急性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、ホジキンリンパ腫等が挙げられる。
本発明に係る医薬組成物又は抗がん剤は、薬学的に許容できる担体又は希釈剤を含んでいてもよい。ここで、「薬学的に許容できる担体又は希釈剤」は、賦形剤〔例えば、脂肪、蜜蝋、半固体及び液体のポリオール、天然若しくは硬化オイルなど〕; 水(例えば、蒸留水、特に、注射用蒸留水など)、生理学的食塩水、アルコール(例えば、エタノール)、グリセロール、ポリオール、ブドウ糖水溶液、マンニトール、植物オイルなど; 添加剤〔例えば、増量剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、湿潤剤、安定剤、乳化剤、分散剤、保存剤、甘味料、着色剤、調味料若しくは芳香剤、濃化剤、希釈剤、緩衝物質、溶媒若しくは可溶化剤、貯蔵効果を達成するための薬剤、浸透圧を変えるための塩、コーティング剤、又は抗酸化剤〕などを意味する。
本発明の医薬組成物又は抗がん剤に係る製剤は、各種の形態を選択することができ、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤若しくは液剤等の経口製剤、或いは、例えば溶液若しくは懸濁液等の殺菌した液状の非経口製剤、坐剤、軟膏剤等が挙げられる。
固体の製剤は、そのまま錠剤、カプセル剤、顆粒剤又は粉末の形態として製造することもできるが、適当な担体(添加物)を使用して製造することもできる。そのような担体(添加物)としては、例えば乳糖若しくはブドウ糖等の糖類; 例えばトウモロコシ、小麦若しくは米等の澱粉類; 例えばステアリン酸等の脂肪酸; 例えばメタケイ酸アルミン酸マグネシウム若しくは無水リン酸カルシウム等の無機塩; 例えばポリビニルピロリドン若しくはポリアルキレングリコール等の合成高分子; 例えばステアリン酸カルシウム若しくはステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸塩; 例えばステアリルアルコール若しくはベンジルアルコール等のアルコール類; 例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース若しくはヒドロキシプロピルメチルセルロース等の合成セルロース誘導体; その他、ゼラチン、タルク、植物油、アラビアゴム等通常用いられる添加物が挙げられる。
これらの錠剤、カプセル剤、顆粒剤及び粉末等の固形製剤は一般的には、製剤全体の重量を基準として、例えば、上記式(I−0)で示される化合物0.1〜100重量%、好ましくは5〜98重量%の有効成分を含んでいてもよい。
液状製剤は、水、アルコール類又は例えば大豆油、ピーナツ油、ゴマ油等の植物由来の油等の液状製剤において通常用いられる適当な添加物を使用し、懸濁液、シロップ剤、注射剤、点滴剤(静脈内輸液)等の形態として製造される。
特に、非経口的に筋肉内注射、静脈内注射又は皮下注射の形で投与する場合の適当な溶剤又は希釈剤としては、例えば注射用蒸留水、塩酸リドカイン水溶液(筋肉内注射用)、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、静脈内注射用液体(例えばクエン酸及びクエン酸ナトリウム等の水溶液)若しくは電解質溶液(点滴静注及び静脈内注射用)等、又はこれらの混合溶液が挙げられる。
これらの注射剤は予め溶解したものの他、粉末のまま或いは適当な担体(添加物)を加えたものを用時溶解する形態もとり得る。これらの注射液は、製剤全体の重量を基準として、例えば、0.1〜10重量%の有効成分を含むことができる。
また、経口投与用の懸濁剤、シロップ剤等の液剤は、製剤全体の重量を基準として、例えば、0.1〜10重量%の有効成分を含むことができる。
これら製剤は常法又は慣用技術に従って当業者が容易に製造することができる。例えば経口製剤の場合、例えば本発明化合物の適量と、乳糖適量を混合し、経口投与に適した硬ゼラチンカプセルに詰めることにより製造することができる。一方、本発明化合物を含む製剤が注射剤の場合は、例えば、本発明化合物適量を0.9%生理食塩水適量と混合し、この混合物を注射用バイアルに詰めることにより製造することができる。
本発明化合物は各種がん治療に有用な他剤と組み合わせて、又は放射線療法と組み合わせて使用することができる。そのような組み合わせの個々の成分は、処置期間中、別々の異なる時に又は同時に、分割された又は単一の製剤で投与することができる。したがって、本発明は同時の又は時間が異なる投与の全てを含むと解釈すべきであり、本発明における投与はそのように解釈すべきである。本発明化合物と上記の疾患の処置に有用な他剤との組み合わせの範囲には、原則として上記疾患の処置に有用ないかなる医薬製剤との組み合わせも包含される。
放射線療法それ自体は、がん治療の分野における一般的な方法を意味する。当該放射線療法にはX線、γ線、中性子線、電子線、陽子線等、種々の放射線種、線源が用いられるが、最も一般的な放射線療法は線形加速器を用いる外部放射線によるものでγ線を照射する。
本発明化合物は放射線療法と組み合わせることにより、当該放射線療法の治療効果を高めることができ、がん治療の分野において放射線増感剤としても有用なものとなり得る。
本発明化合物のもう1つの側面は、がん治療の分野において他の抗がん剤の増感剤としても有用なことである。
本発明化合物は、放射線療法と組み合わせ、及び/又は以下に示す他の抗がん剤と組み合わせて使用することができる。
ここで放射線又は抗がん剤の「増感剤」とは、がん治療の分野において、放射線療法及び/又は抗がん剤を使用した化学療法と組み合わせて使用することにより、それら放射線療法及び/又は化学療法の治療効果を相加的又は相乗的に高める薬剤を意味する。
本発明に係る組み合わせ製剤中の各製剤は、各種の形態を選択することができ、それぞれ上記製剤と同様に製造することができる。また、本発明化合物と他の抗がん剤を含む合剤の場合にも、常法又は慣用技術に従って、当業者が容易に製造することができる。
上記組み合わせは、本発明の組成物に一つの他の活性物質のみならず、2又はそれ以上の他の活性物質を組み合わせたものを包含する。本発明の組成物と、上記疾患の治療薬から選ばれた1、2又はそれ以上の活性化物質との組み合わせには多くの例が存在する。
本剤と組み合わせる薬剤としては、例えば抗がん性アルキル化剤、抗がん性代謝拮抗剤、抗がん性抗生物質、植物由来抗がん剤、抗がん性白金配位化合物、抗がん性カンプトテシン誘導体、抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤、モノクローナル抗体、インターフェロン、生物学的応答調節剤、及びその他抗がん剤からなる群から選択される抗がん剤又はその薬学的に許容し得る塩若しくはエステルを含む製剤が挙げられる。
本明細書で用いる「抗がん性アルキル化剤」は、抗がん活性を有するアルキル化剤を意味し、ここで、「アルキル化剤」とは、一般に、有機化合物の水素原子をアルキル基で置換するアルキル化反応において、アルキル基を与えるものをいう。「抗がん性アルキル化剤」は、例えば、ナイトロジェン マスタード N−オキシド、シクロホスファミド、イホスファサミド、メルファラン、ブスルファン、ミトブロニトール、カルボコン、チオテパ、ラニムスチン、ニムスチン、テモゾロミド又はカルムスチンなどである。
本明細書で用いる「抗がん性代謝拮抗物質」は、抗がん活性を有する代謝拮抗物質をいい、ここで、「代謝拮抗物質」とは、広義には、生体にとって重要な代謝物(ビタミン、補酵素、アミノ酸、糖類など)と構造上又は機能上類似しているために、正常な物質代謝を行わなくさせる物質や、電子伝達系を阻害することによって高エネルギー中間体をつくれなくさせる物質を包含する。「抗がん性代謝拮抗物質」は、例えば、メトトレキサート、6−メルカプトプリンリボシド、メルカプトプリン、5−フルオロウラシル、テガフール、ドキシフルリジン、カルモフール、シタラビン、シタラビンオクホスファート、エノシタビン、S−1、ゲムシタビン、フルダラビン又はペメトレクスド ジソディウムなどであり、好ましくは、シタラビン、ゲムシタビンなどである。
本明細書で用いる「抗がん性抗生物質」は、抗がん活性を有する抗生物質をいい、ここで、「抗生物質」とは、微生物によってつくられ、微生物その他の生物細胞の発育その他の機能を阻害する物質を包含する。「抗がん性抗生物質」は、例えば、アクチノマイシンD、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ネオカルチノスタチン、ブレオマイシン、ペプロマイシン、マイトマイシンC、アクラルビシン、ピラルビシン、エピルビシン、ジノスタチンスチマラマー、イダルビシン、シロリムス又はバルルビシンなどであり、好ましくは、ドキソルビシン、マイトマイシンCなどである。
本明細書で用いる「植物由来抗がん剤」は、植物を起源として見いだされた抗がん活性を有する化合物であるか、或いは、その化合物に化学修飾を加えた化合物を包含する。「植物由来抗がん剤」は、例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、エトポシド、ソブゾキサン、ドセタキセル、パクリタキセル、ビノレルビンなどであり、好ましくは、エトポシドなどである。
本明細書で用いる「抗がん性カンプトテシン誘導体」は、カンプトテシン自身を含み、構造的にカンプトテシンに関連するがん細胞増殖阻害性化合物を意味する。「抗がん性カンプトテシン誘導体」としては、特に限定されないが、カンプトテシン、10−ヒドロキシカンプトテシン、トポテカン、イリノテカン、9−アミノカンプトテシンなどが挙げられ、好ましくは、カンプトテシンなどである。なお、イリノテカンは、生体内で代謝されてSN−38として抗がん作用を示す。カンプトテシン誘導体は、作用機構及び活性はほぼカンプトテシンと同様と考えられる(新田 他、癌と化学療法、14,850−857(1987)など)。
本明細書で用いる「抗がん性白金配位化合物」は、抗がん活性を有する白金配位化合物をいい、ここで、「白金配位化合物」は、イオンの形態で白金を提供する白金配位化合物を意味する。好ましい白金化合物としては、シスプラチン;シス−ジアンミンジアコ白金(II)−イオン;クロロ(ジエチレントリアミン)−白金(II)クロリド;ジクロロ(エチレンジアミン)−白金(II);ジアンミン(1,1−シクロブタンジカルボキシラト)白金(II)(カルボプラチン);スピロプラチン;イプロプラチン;ジアンミン(2−エチルマロナト)−白金(II);エチレンジアミンマロナト白金(II);アクア(1,2−ジアミノジシクロヘキサン)スルファト白金(II);アクア(1,2−ジアミノジシクロヘキサン)マロナト白金(II);(1,2ジアミノシクロヘキサン)マロナト白金(II);(4−カルボキシフタラト)(1,2−ジアミノシクロヘキサン)白金(II);(1,2−ジアミノシクロヘキサン)(イソシトラト)白金(II);(1,2ジアミノシクロヘキサン)オキサラト白金(II);オルマプラチン;テトラプラチン;カルボプラチン;ネダプラチン及びオキザリプラチンであり、好ましくは、カルボプラチン又はシスプラチンなどである。また、本明細書で挙げた他の抗がん性白金配位化合物は、公知であり、商業的に入手可能であり、及び/又は、慣用技術によって当業者が製造することができる。
本明細書で用いる「抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤」とは、抗がん活性を有するチロシンキナーゼ阻害剤をいい、ここで、「チロシンキナーゼ阻害剤」とは、ATPのγ−リン酸基をタンパク質の特定のチロシンのヒドロキシル基に転移する「チロシンキナーゼ」を阻害する化学物質をいう。「抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤」としては、ゲフィチニブ、イマチニブ、エルロチニブなどが挙げられる。
本明細書で用いる「モノクローナル抗体」は、単クローン性抗体ともいわれ、単一クローンの抗体産生細胞が産生する抗体をいい、例えば、セツキシマブ、ベバシズマブ、リツキシマブ、アレムツズマブ、トラスツズマブなどが挙げられる。
本明細書で用いる「インターフェロン」とは、抗がん活性を有するインターフェロンをいい、一般に、ウイルス感染に際して、ほとんどすべての動物細胞が生産・分泌する分子量約2万の糖タンパク質であり、ウイルス増殖抑制のみならず、細胞(特に腫瘍細胞)の増殖抑制や、ナチュラルキラー活性の増強をはじめ多様な免疫エフェクター作用があり、サイトカインの1種と位置づけられる。「インターフェロン」としては、例えば、インターフェロンα、インターフェロンα−2a、インターフェロンα−2b、インターフェロンβ、インターフェロンγ−1a、インターフェロンγ−n1などが挙げられる。
本明細書で用いる「生物学的応答調節剤」とは、いわゆるバイオロジカル・レスポンス・モディファイヤー(biological response modifier; BRM)であり、一般に、生体のもつ防御機構や組織細胞の生存、増殖、又は分化など生物学的反応を調節することによって、腫瘍や感染あるいはその他の疾病に対して、個体に利する方向にもっていくことを目的とする物質や薬剤の総称をいう。「生物学的応答調節剤」としては、例えば、クレスチン、レンチナン、シゾフィラン、ピシバニール、ウベニメクスなどが挙げられる。
本明細書で用いる「その他抗がん剤」とは、抗がん活性を有する上記のいずれにも属しない抗がん剤をいう。「その他抗がん剤」としては、ミトキサントロン、L−アスパラギナーゼ、プロカルバジン、ダカルバジン、ヒドロキシカルバミド、ペントスタチン、トレチノイン、アレファセプト、ダルベポエチン アルファ、アナストロゾール、エキセムスタン、ビカルタミド、リュープロレリン、フルタミド、フルベストラント、ペガプタニブ オクタソディウム、デニリューキン ジフティトクス、アルデスリューキン、チロトロピン アルファ、アルセニック トリオキシド、ボルテゾミブ、カペシタビン、ゴセレリン、などが挙げられる。
上記「抗がん性アルキル化剤」、「抗がん性代謝拮抗物質」、「抗がん性抗生物質」、「植物由来抗がん剤」、「抗がん性白金配位化合物」、「抗がん性カンプトテシン誘導体」、「抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤」、「モノクローナル抗体」、「インターフェロン」、「生物学的応答調節剤」、及び「その他抗がん剤」は、いずれも公知であり、商業的に入手可能であり、或いは、それ自体公知の方法ないし周知・慣用的な方法によって当業者が製造することができる。また、 ゲフィチニブの製造方法は、例えば、米国特許第5,770,599号明細書に;セツキシマブの製造方法は、例えば、国際公開WO96/40210号パンフレットに; ベバシズマブの製造方法は、例えば、国際公開WO94/10202号パンフレットに; オキザリプラチンの製造方法は、例えば、米国特許第5,420,319号明細書、同第5,959,133号明細書に; ゲムシタビンの製造方法は、例えば、米国特許第5,434,254号明細書、同第5,223,608号明細書に; カンプトテシンの製造方法は、米国特許第5,162,532号明細書、同第5,247,089号明細書、同第5,191,082号明細書、同第5,200,524号明細書、同第5,243,050号明細書、同第5,321,140号明細書に; イリノテカンの製造方法は、例えば、米国特許第4,604,463号明細書に; トポテカンの製造方法は、例えば、米国特許第5,734,056号明細書に; テモゾロミドの製造方法は、例えば、日本特許公報平4−5029号明細書に; リツキシマブの製造方法は、日本公表特許公報平2−503143号明細書に、それぞれ記載されている。
上記の抗がん性アルキル化剤については、例えば、ナイトロジェンマスタード N−オキシドは、ナイトロミン(商品名)として三菱ウェルファーマから; シクロホスファミドは、エンドキサン(商品名)として塩野義製薬から; イホスファサミドは、イフォミド(商品名)として塩野義製薬から; メルファランは、アルケラン(商品名)としてグラクソスミスクラインから; ブスルファンは、マブリン(商品名)として武田薬品から; ミトブロニトールは、ミエブロール(商品名)として杏林製薬から; カルボコンは、エスキノン(商品名)として三共から; チオテパは、テスパミン(商品名)として住友製薬から; ラニムスチンは、シメリン(商品名)として三菱ウエルファーマから; 及びニムスチンは、ニダラン(商品名)として三共から; テモゾロミドは、テモダール(商品名)としてシェリングから; 及びカルムスチンは、グリアデル ウォファー(商品名)としてグリフォードから、それぞれ市販で入手することができる。
上記の抗がん性代謝拮抗剤については、例えば、メトトレキサートは、メトトレキセート(商品名)として武田薬品から; 6−メルカプトプリンリボシドは、チオイノシ(商品名)としてアベンティスから; メルカプトプリンは、ロイケリン(商品名)として武田薬品から; 5−フルオロウラシルは、5−FU(商品名)として協和発酵から; テガフールは、フトラフール(商品名)として大鵬薬品から; ドキシフルリジンは、フルツロン(商品名)として日本ロシュから; カルモフールは、ヤマフール(商品名)として山之内製薬から; シタラビンは、シロサイド(商品名)として日本新薬から; シタラビンオクホスファートは、ストラシド(商品名)として日本化薬から; エノシタビンは、サンラビン(商品名)として旭化成から; S−1は、TS−1(商品名)として大鵬薬品から; ゲムシタビンは、ゲムザール(商品名)としてリリーから; フルダラビンは、フルダラ(商品名)として日本シェーリングから; 及びペメトレクスド ジソディウムは、アリムタ(商品名)としてイーライリリーから、それぞれ市販で入手することができる。
上記の抗がん性抗生物質としては、例えば、アクチノマイシンDは、コスメゲン(商品名)として万有製薬から; ドキソルビシンは、アドリアシン(商品名)として協和発酵から; ダウノルビシンは、ダウノマイシン(商品名)として明治製菓から; ネオカルチノスタチンは、ネオカルチノスタチン(商品名)として山之内製薬から; ブレオマイシンは、ブレオ(商品名)として日本化薬から; ペプロマイシンは、ペプロ(商品名)として日本化薬から; マイトマイシンCは、マイトマイシン(商品名)として協和発酵から; アクラルビシンは、アクラシノン(商品名)として山之内製薬から; ピラルビシンは、ピノルビン(商品名)として日本化薬から; エピルビシンは、ファルモルビシン(商品名)としてファルマシアから; ジノスタチンスチマラマーは、スマンクス(商品名)として山之内製薬から; イダルビシンは、イダマイシン(商品名)としてファルマシアから; 及びシロリムスは、ラパムン(商品名)としてワイスから; バルルビシンは、バルスター(商品名)としてアンスラ ファーマシューティカルからそれぞれ市販で入手することができる。
上記の植物由来抗がん剤としては、例えば、ビンクリスチンは、オンコビン(商品名)として塩野義製薬から; ビンブラスチンは、ビンブラスチン(商品名)として杏林製薬から; ビンデシンは、フィルデシン(商品名)として塩野義製薬から; エトポシドは、ラステット(商品名)として日本化薬から; ソブゾキサンは、ペラゾリン(商品名)として全薬工業から; ドセタキセルは、タキソテール(商品名)としてアベンテイスから; パクリタキセルは、タキソール(商品名)としてブリストルから; 及びビノレルビンは、ナベルビン(商品名)として協和発酵から、それぞれ市販で入手することができる。
上記の抗がん性白金配位化合物としては、例えば、シスプラチンは、ランダ(商品名)として日本化薬から; カルボプラチンはパラプラチン(商品名)としてブリストルから; ネダプラチンは、アクプラ(商品名)として塩野義製薬から;及びオキザリプラチンは、エロキサチン(商品名)としてサノフィから、それぞれ市販で入手することができる。
上記の抗がん性カンプトテシン誘導体としては、例えば、イリノテカンは、カンプト(商品名)としてヤクルトから; トポテカンは、ハイカムチン(商品名)としてグラクソスミスクラインから; 及びカンプトテシンは、米国アルドリッチケミカルなどから、それぞれ市販で入手することができる。
上記の抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤としては、例えば、ゲフィチニブは、イレッサ(商品名)としてアストラゼネカから; イマチニブは、グリベック(商品名)としてノバルティスから; 及びエルロチニブは、タルセバ(商品名)としてオーエスアイ ファーマシューティカルから、それぞれ市販で入手することができる。
上記のモノクローナル抗体としては、例えば、セツキシマブは、エルビタックス(商品名)としてブリストルマイヤーズスクイブから; ベバシズマブは、アバスチン(商品名)としてジェネンテックから; リツキシマブは、リツキサン(商品名)としてバイオジェンから; アレムツズマブは、カンパス(商品名)としてベルレックスから; 及びトラスツズマブは、ハーセプチン(商品名)として中外製薬から、それぞれ市販で入手することができる。
上記のインターフェロンとしては、例えば、インターフェロンαは、スミフェロン(商品名)として住友製薬から; インターフェロンα−2aは、カンフェロン−A(商品名)として武田薬品から; インターフェロンα−2bは、イントロンA(商品名)としてシェリングプラウから; インターフェロンβは、IFNβ(商品名)として持田製薬から; インターフェロンγ−1aは、イムノマックス−γ(商品名)として塩野義製薬から; 及びインターフェロンγ−n1は、オガンマ(商品名)として大塚製薬から、それぞれ市販で入手することができる。
上記の生物学的応答調節剤としては、例えば、クレスチンは、クレスチン(商品名)として三共から; レンチナンは、レンチナン(商品名)としてアベンテイスから; シゾフィランは、ソニフィラン(商品名)として科研製薬から; ピシバニールは、ピシバニール(商品名)として中外製薬から; 及びウベニメクスは、ベスタチン(商品名)として日本化薬から、それぞれ市販で入手することができる。
上記のその他抗がん剤としては、例えば、ミトキサントロンは、ノバントロン(商品名)として日本ワイスレダリーから; L−アスパラギナーゼは、ロイナーゼ(商品名)として協和発酵から; プロカルバジンは、ナツラン(商品名)として日本ロシュから; ダカルバジンは、ダカルバジン(商品名)として協和発酵から; ヒドロキシカルバミドは、ハイドレア(商品名)としてブリストルから; ペントスタチンは、コフォリン(商品名)として化学及び血清療法研究所から; 及びトレチノインは、ベサノイド(商品名)として日本ロシュから; アレファセプトは、アメビブ(商品名)としてバイオジェンから; ダルベポエチン アルファは、アラネスプ(商品名)としてアムジェンから; アナストロゾールは、アリミデックス(商品名)としてアストラゼネカから; エキセメスタンは、アロマシン(商品名)としてファイザーから; ビカルタミドは、カソデックス(商品名)としてアストラゼネカから; リュープロレリンは、リュープリン(商品名)として武田薬品から; フルタミドは、ユーレキシン(商品名)としてシェリングプラウから; フルベストラントは、ファスロデックス(商品名)としてアストラゼネカから; ペガプタニブ オクタソディウムは、マクゲン(商品名)としてギリードサイエンスから; デニリューキン ジフティトクスは、オンタック(商品名)としてリガンドから; アルデスリューキンは、プロリューキン(商品名)としてキロンから; チロトロピン アルファは、チロゲン(商品名)としてゲンザイムから; アルセニック トリオキシドは、トリセノックス(商品名)としてセル セラピューティクスから; ボルテゾミブは、ベルケイド(商品名)としてミレニウムから; カペシタビンは、ゼロダ(商品名)としてロシュから; 及びゴセレリンは、ゾラデックス(商品名)としてアストラゼネカから、それぞれ市販で入手することができる。
本発明は治療的に有効量の本発明化合物、その薬学的に許容され得る塩又はエステルを、投与が必要な対象に投与することからなるがんの治療法をも包含する。
本発明に係る方法において、好ましい治療単位は、本発明化合物の投与形態、使用される本発明化合物の種類、使用される本発明化合物の剤型; 併用される他の抗がん剤の種類、投与形態、剤型など;及び治療されるがん細胞、患者の状態などによって変化してもよい。所定の条件において最適な治療は、慣用の治療決定単位を基にして、及び/又は、本明細書を考慮して、当業者が決定することができる。
本発明に係る方法において、本発明化合物の治療単位は、具体的に言うと、使用される化合物の種類、配合された組成物の種類、適用頻度及び治療すべき特定部位、病気の軽重、患者の年令、医師の診断、がんの種類等によって変えることができるが、一応の目安として、例えば、1日当たりの成人1人当りの投与量は、経口投与の場合、例えば、1ないし1000mgの範囲内とすることができる。また非経口投与、好ましくは静脈内投与、更に好ましくは点滴静注の場合、例えば、1日当たり1ないし100mg/m(体表面積)の範囲内とすることができる。ここで、点滴静注の場合、例えば、1〜48時間連続して投与してもよい。なお、投与回数は、投与方法及び症状により異なるが、例えば、1日1回ないし5回である。また、隔日投与、隔々日投与などの間けつ投与等の投与方法でも用いることができる。非経口投与の場合の治療の休薬期間は、例えば、1〜6週間である。
また、本発明化合物と併用される他の抗がん剤の治療単位は、特に限定されないが、公知文献などにより当業者が必要に応じて決定することができる。例えば、以下に示す通りである。
5−フルオロウラシル(5−FU)の治療単位は、経口投与の場合、例えば、1日200〜300mgを1〜3回に連日投与し、注射剤の場合は、例えば、1日5〜15mg/kgを最初の5日間連日1日1回静注又は点滴静注し、以後、5〜7.5mg/kg を隔日に1日1回静注又は点滴静注する(投与量は、適宜増減してもよい)。
S−1(テガフール・ギメスタット・オスタットカリウム)の治療単位は、例えば、初回投与量(1回量)を体表面積に合わせて次の基準量とし、朝食後及び夕食後の1日2回、28日間連日経口投与し、その後14日間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。体表面積当たりの初回基準量(テガフール相当量)は、1.25m2未満:40mg/回、1.25m2以上〜1.5m2未満:50mg/回、1.5m2以上:60mg/回であり、患者の状態により適宜増減する。
ゲムシタビンの治療単位は、例えば、ゲムシタビンとして1回1g/m2を30分かけて点滴静注し、週1回投与を3週連続し、4週目は休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。年齢、症状又は副作用の発現に応じて適宜減量する。
ドキソルビシン(例えば、塩酸ドキソルビシン)の治療単位は、静脈内注射の場合、例えば、1日1回10mg(0.2mg/kg)(力価)で4〜6日間連日静脈内ワンショット投与後、7〜10日間休薬し、これを1コースとし、2〜3コース繰り返す。ここで、総投与量は、500mg(力価)/m2(体表面積)以下が好ましく、その範囲内で適宜増減してもよい。
エトポシドの治療単位は、静脈内注射の場合、例えば、1日60〜100mg/m2(体表面積)で5日間連続投与し、3週間休薬する(投与量は、適宜増減してもよい)。これを1コースとして繰り返す。一方、経口投与の場合は、例えば、1日175〜200mgを5日間連続投与し、3週間休薬する(投与量は、適宜増減してもよい)。これを1コースとして繰り返す。
ドセタキセル(ドセタキセル水和物)の治療単位は、例えば、1日1回、ドセタキセルとして60mg/m2(体表面積)を1時間以上かけて3〜4週間間隔で点滴静注する(投与量は、適宜増減することができる)。
パクリタキセルの治療単位は、例えば、1日1回210mg/m2(体表面積)を3時間かけて点滴静注し、少なくとも3週間休薬する。これを1コースとして、繰り返す。投与量は適宜増減することができる。
シスプラチンの治療単位は、静脈内注射の場合、例えば、1日1回50〜70mg/m2(体表面積)で投与し、3週間以上休薬する(投与量は、適宜増減してもよい)。これを1コースとして繰り返す。
カルボプラチンの治療単位は、例えば、1日1回300〜400mg/m2を30分以上かけて点滴静注し、少なくとも4週間休薬する(投与量は適宜増減してもよい)。これを1コースとして繰り返す。
オキザリプラチンの治療単位は、1日1回85mg/m2を静注し、2週間休薬し、これを1コースとして繰り返す。
イリノテカン(例えば、塩酸イリノテカン)の治療単位は、例えば、1日1回100mg/m2、1週間間隔で3〜4回点滴静注し、少なくとも2週間休薬する。
トポテカンの治療単位は、例えば、1日1回1.5mg/m2を5日間点滴静注し、少なくとも3週間休薬する。
シクロホスファミドの治療単位は、静脈内注射の場合、例えば、1日1回100mg連日静注し、患者が耐えられる場合は1日200mgに増量してもよく、総量で3000〜8000mg投与するが、適宜増減してもよい。また必要に応じて筋肉内、胸腔内、又は腫瘍内に注射又は注入してもよい。一方、経口投与の場合は、例えば、1日100〜200mgで投与する。
ゲフィチニブの治療単位は、例えば、1日1回250mgを経口投与する。
セツキシマブの治療単位は、例えば、第1日目に400mg/m2を点滴静注し、その後250mg/m2を毎週点滴静注する。
ベバシズマブの治療単位は、例えば、3mg/kgを毎週点滴静注する。
トラスツズマブの治療単位は、例えば、通常、成人に対して1日1回、トラスツズマブとして初回投与時には4mg/kg(体重)を、2回目以降は2mg/kgを90分以上かけて1週間間隔で点滴静注する。
エキセメスタンの治療単位は、例えば、通常、成人には1日1回25 mgを食後に経口投与する。
リュープロレリン(例えば、酢酸リュープロレリン)の治療単位は、例えば、通常、成人には12週に1回として11.25mgを皮下に投与する。
イマチニブの治療単位は、例えば、通常、慢性骨髄性白血病の慢性期の成人には1日1回400mgを食後に経口投与する。
5−FUとロイコボリンを組み合わせた場合の治療単位は、例えば、第1日目から第5日目に5−FU 425mg/m2、ロイコボリン 200mg/m2を点滴静注し、これを4週間間隔で繰り返す。
本発明の化合物は、優れたWee1キナーゼ阻害作用を有することから医薬の分野、特に各種がん治療の分野において有用である。
実施例・製造例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
実施例及び製造例の薄層クロマトグラフィーは、プレートとしてSilica gel60254(Merck)を、検出法としてUV検出器を用いた。カラム用シリカゲルとしては、WakogelTMC−300又はC−200(和光純薬)又はNH(FUJI SILYSIA CHEMICAL)を用いた。MSスペクトルは、JMS−SX102A(日本電子(JEOL))又はQUATTROII(マイクロマス)を用いて測定した。NMRスペクトルは、重ジメチルスルホキシド溶液で測定する場合には内部基準としてジメチルスルホキシドを用い、JNM−AL 400(400MHz;JEOL)、Mercury400(400MHz;Varian)、又はInova400(400MHz;Varian)型スペクトロメータを用いて測定し、全δ値をppmで示した。
製造例・実施例における略号の意味を以下に示す。
s:シングレット
d:ダブレット
dd:ダブル ダブレット
ddd:ダブル ダブル ダブレット
t:トリプレット
dt:ダブル トリプレット
ddt:ダブル ダブル トリプレット
q:クァルテット
m:マルチプレット
br:ブロード
J:カップリング定数
Hz:ヘルツ
DMSO−d:重ジメチルスルホキシド
CDCl:重クロロホルム
CDOD:重メタノール
製造例1
2−アリル−6−(メチルチオ)−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−オンの製造
1)1−アリルヒドラジンカルボン酸=tert−ブチルエステル
フタル酸無水物280gのトルエン3L溶液にヒドラジンカルボン酸=tert−ブチルエステル250gを加えた。この反応混合物をディーンスターク水分離器の下、3時間加熱還流した。室温まで冷却した後、生成する固体を濾取し、粗(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)カルバミン酸=tert−ブチルエステルを516g得た。
上記化合物のアセトニトリル3.5L溶液に炭酸カリウム520g、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド43.3g、及びアリルブロミド250mLを順次加え、室温下18時間攪拌した。反応溶液に水1.5Lを加え、アセトニトリル層を分離濃縮した。この残渣並びに水層に水1Lを加え、酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後、析出する無色固体をヘキサンで洗浄後乾燥し、粗アリル(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)カルバミン酸=tert−ブチルエステルを460g得た。
上記化合物のテトラヒドロフラン3.0L溶液に氷浴下メチルヒドラジン100mLを加え、室温に戻した後、18時間攪拌した。析出する不溶物を濾別した後、濾液を濃縮した。残渣にヘキサン−酢酸エチル3対1の混合溶媒を加え、析出する不溶物を濾別した。この操作を5回繰り返した後、濾液を減圧留去し、得られた残渣を減圧蒸留し、表題化合物を淡黄色油状物として211g得た。
ESI−MSFound:m/z[M+H]+173
2)2−アリル−6−(メチルチオ)−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−オンの製造
4−クロロ−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル142gのテトラヒドロフラン1.5L溶液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン260mL、及び上記1で得たヒドラジン106gを加え、加熱還流下18時間攪拌した。室温に冷却した後、反応溶液を減圧留去し、残渣にジエチルエーテル500mLを加えて析出する固体を濾別した。濾液を減圧留去した後、残渣を氷浴にて冷却し、トリフルオロ酢酸400mLをゆっくり加え、室温にて1時間攪拌、更に70℃にて1時間攪拌した。反応溶液を減圧留去し、エタノール500mL加え氷浴にて冷却後、6N水酸化ナトリウム溶液1.0Lを加え室温下15分間攪拌した。氷浴にて冷却した反応溶液を濃塩酸400mLにより酸性にした後、減圧留去した。残渣をクロロホルムと水に分配、クロロホルム層を抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、生成する黄色固体を濾取、エタノール及びジエチルエーテルで洗浄後、乾燥し、表題化合物を黄色固体として99.1g得た。
H−NMR(400MHz,DMSO−d)δ:8.66(1H,brs),5.83(1H,ddt,J=17.1,9.8,5.4Hz),5.13(1H,d,J=9.8Hz),5.06(1H,d,J=17.1Hz),4.34(2H,d,J=5.4Hz),2.51(3H,s).
ESI−MSFound:m/z[M+H]+223
製造例2
2−イソプロピル−6−(メチルチオ)−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−オンの製造
1)4−ヒドラジノ−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステルの製造
ヒドラジン一水和物9.71gをエタノール200mLに溶解して0℃に冷却した溶液に、4−クロロ−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル15.0gをエタノール200mLに溶解したものを添加し、1時間攪拌した。析出した固体を濾取、蒸留水で洗浄後乾燥して表題化合物を白色固体として9.66g得た。
H−NMR(400MHz,CDOD)δ:8.56(1H,s),4.36(2H,q,J=7.2Hz),2.62(3H,s),1.39(3H,t,J=7.2Hz).
ESI−MSFound:m/z[M+H]+229
2)4−〔2−(1−メチルエチリデン)ヒドラジノ〕−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステルの製造
上記化合物9.66gをアセトン300mLに溶解し、70℃にて12時間攪拌した。反応溶液を室温に冷却した後、減圧下溶媒を留去して表題化合物を白色固体として9.66g得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.75(1H,s),4.36(2H,q,J=6.8 Hz),2.60(3H,s),2.17(3H,s),2.04(3H,s),1.40(3H,t,J=6.8Hz).
ESI−MSFound:m/z[M+H]+269
3)4−(2−イソプロピルヒドラジノ)−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステルの製造
上記化合物9.66gをメタノール180mLに溶解し、0℃に冷却した。反応溶液にシアノ水素化ホウ素ナトリウム2.26gのメタノール36mL溶液と0.15mLの濃塩酸を添加し、30分間攪拌した。反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して表題化合物を黄色アモルファスとして10.2g得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:9.39(1H,s),8.62(1H,s),4.34(2H,q,J=7.2Hz),3.24(1H,septet,J=6.3Hz),2.54(3H,s),1.37(3H,t,J=7.1Hz),1.14(6H,d,J=6.3Hz).
ESI−MSFound:m/z[M+H]+271
4)2−イソプロピル−6−(メチルチオ)−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−オンの製造
上記化合物10.2gのメタノール100mL溶液に5N水酸化ナトリウム水溶液300mLを加えて3時間攪拌した。減圧下メタノールを留去し、5N塩酸水溶液を加えpH2程度として3時間半攪拌した。反応溶液をクロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、表題化合物を橙色アモルファスとして7.52g得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.71(1H,s),4.85(1H,septet,J=6.8Hz),2.60(3H,s),1.44(6H,d,J=6.8Hz).
ESI−MSFound:m/z[M+H]+225
製造例3
2−メチル−6−(メチルチオ)−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−オンの製造
Figure 2009054332
製造例1−1で用いた1−アリルヒドラジンカルボン酸=tert−ブチルエステルの代わりに1−メチルヒドラジンカルボン酸=tert−ブチルエステルを用いる以外は製造例1と同様の方法で表題化合物を淡黄色固体として得た。
ESI−MSFound:m/z[M+H]+197
製造例4
[5−アミノ−2−(4−エチルピペラジン−1−イル)フェニル]メタノールの製造
1)[5−ニトロ−2−(4−エチルピペラジン−1−イル)フェニル]メタノールの製造
2−フルオロ−5−ニトロベンジルアルコール4.24g、N−エチルピペラジン4.24gのN−メチルピロリドン4.24mL溶液に炭酸カリウム4.24gを加え、140℃で14時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、表題化合物を黄色固体として得た。
2)[5−アミノ−2−(4−エチルピペラジン−1−イル)フェニル]メタノールの製造
上記反応で得られた化合物のエタノール−水(1/1)80mL溶液に、鉄7.0g及び塩化アンモニウム15gを加え、1時間加熱還流した。反応液を減圧下濃縮し、5N水酸化ナトリウム水溶液を加え塩基性とした。クロロホルム−イソプロパノール(80/20)で抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、表題化合物を2.49g得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.27(1H,d,J=2.4Hz),8.14(1H,dd,J=8.8,2.9Hz),7.16(1H,d,J=9.3Hz),4.80(2H,s),3.10(4H,t,J=4.9Hz),2.66(4H,brs),2.51(2H,q,J=7.3Hz),1.14(3H,t,J=7.1Hz).
ESI−MSFound:m/z[M+H]+236
製造例5
4−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル]−3−メチルアニリンの製造
1)1−(2−ヒドロキシエチル)−4−(2−メチル−4−ニトロフェニル)ピペラジンの製造
製造例4−1で用いたN−エチルピペラジンの代わりに4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジンを用い、2−フルオロ−5−ニトロベンジルアルコールの代わりに5−ニトロ−2−フルオロトルエンを用い、炭酸カリウムの代わりにN,N−ジイソプロピルエチルアミンを用い、N−メチルピロリドンの代わりにジメチルスルホキシドを用いる以外は製造例4−1と同様の方法で表題化合物を黄色固体として得た。
2)4−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル]−3−メチルアニリンの製造
製造例4−2で用いた[5−ニトロ−2−(4−エチルピペラジン−1−イル)フェニル]メタノールの代わりに1−(2−ヒドロキシエチル)−4−(2−メチル−4−ニトロフェニル)ピペラジンを用いる以外は製造例4−2と同様の方法で表題化合物を白色個体として得た。
H−NMR(400MHz,DMSO−d)δ:6.73(1H,d,J=8.3Hz),6.37(1H,d,J=2.4Hz),6.33(1H,dd,J=8.3,2.4Hz),4.63(2H,s),4.38(1H,t,J=5.4Hz),3.50(2H,t,J=6.3Hz),2.67(4H,t,J=4.6Hz),2.53−2.48(4H,m),2.41(2H,t,J=6.3Hz),2.09(3H,s).
ESI−MSFound:m/z[M+H]+236
製造例6
1−(2−メチル−4−ニトロフェニル)ピペラジン塩酸塩の製造
製造例4−1で用いたN−エチルピペラジンの代わりにtert−ブチル ピペラジン−1−カルボキシレートを用い、2−フルオロ−5−ニトロベンジルアルコールの代わりに2−フルオロ−5−ニトロトルエンを用い、炭酸カリウムの代わりにN,N−ジイソプロピルエチルアミンを用い、N−メチルピロリドンの代わりにジメチルスルホキシドを用いる以外は製造例4−1と同様の方法で粗tert−ブチル 4−[2−メチル−4−ニトロフェニル]ピペラジン−1−カルボキシレートを黄色個体として4.91g得た。
上記反応で得られた化合物のメタノール50mL溶液に4N塩酸/酢酸エチル溶液を加え、室温で30分間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、粗4−(2−メチル−4−ニトロフェニル)ピペラジン塩酸塩を3.86g得た。
製造例7
4−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)−3−メチルアニリンの製造
1)1−イソプロピル−4−(2−メチル−4−ニトロフェニル)ピペラジンの製造
製造例6で得た化合物500mgのエタノール20mL溶液に、アセトン1.13g、シアノ水素化ホウ素ナトリウム183mgを加え、室温で15時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣に2N水酸化ナトリウム水溶液を加えて塩基性とした。クロロホルムで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、表題化合物を黄色固体として120mg得た。
2)4−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)−3−メチルアニリンの製造
製造例4−2で用いた[5−ニトロ−2−(4−エチルピペラジン−1−イル)フェニル]メタノールの代わりに1−イソプロピル−4−(2−メチル−4−ニトロフェニル)ピペラジンを用いる以外は製造例4−2と同様の方法で表題化合物を白色個体として91mg得た。
H−NMR(400MHz,DMSO−d)δ:6.73(1H,d,J=8.3Hz),6.37(1H,d,J=2.4Hz),6.32(1H,dd,J=8.3,2.4Hz),4.62(2H,s),2.66(4H,t,J=4.9Hz),2.66−2.60(1H,m),2.54−2.47(4H,m),2.09(3H,s),0.98(6H,d,J=6.3Hz).
ESI−MSFound:m/z[M+H]+234
製造例8
4−{4−[2−(メチルスルホニル)エチル]ピペラジン−1−イル}アニリンの製造
1)1−(4−ニトロフェニル)ピペラジン塩酸塩の製造
製造例6で用いた2−フルオロ−5−ニトロトルエンの代わりに4−フルオロニトロベンゼンを用いる以外は製造例6と同様の方法で粗4−(4−ニトロフェニル)ピペラジン塩酸塩を4.33g得た。
2)1−[2−(メチルスルホニル)エチル]−4−(4−ニトロフェニル)ピペラジンの製造
製造例8−1で得た化合物458mgのエタノール10mL溶液に、メチルビニルスルホン0.49mL、N,N−ジイソプロピルエチルアミン0.5mLを加え、室温で15時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、粗1−[2−(メチルスルホニル)エチル]−4−(4−ニトロフェニル)ピペラジンを得た。
3)4−{4−[2−(メチルスルホニル)エチル]ピペラジン−1−イル}アニリンの製造
製造例8−2で得た化合物のメタノール20mL溶液に10%パラジウム炭素200mgを加え、1気圧水素雰囲気下、室温で4時間攪拌した。パラジウム炭素をろ過して除き、ろ液を減圧下濃縮し、表題化合物を611mg得た。
H−NMR(400MHz,DMSO−d)δ:6.85(2H,d,J=8.3Hz),6.47(2H,d,J=8.8Hz),4.82(2H,s),3.28(2H,t,J=6.6Hz),3.03(3H,s),2.96(2H,d,J =10.7Hz),2.70(2H,t,J=6.0Hz),2.01(2H,t,J=11.2Hz),1.66(2H,d,J=11.2Hz),1.51(2H,ddd,J=24.5,12.1,3.3Hz).
ESI−MSFound:m/z[M+H]+284
製造例9
4−(1,1−ジオキシドチオモルホリン−4−イル)−3−メチルアニリンの製造
1)4−(2−メチル−4−ニトロフェニル)チオモルホリン−1,1−ジオキシドの製造
製造例4−1で用いたN−エチルピペラジンの代わりにチオモルホリンを用い、2−フルオロ−5−ニトロベンジルアルコールの代わりに5−ニトロ−2−フルオロトルエンを用い、炭酸カリウムの代わりにN,N−ジイソプロピルエチルアミンを用い、N−メチルピロリドンの代わりにジメチルスルホキシドを用いる以外は製造例4−1と同様の方法で粗4−(2−メチル−4−ニトロフェニル)チオモルホリンを得た。
上記反応で得られた化合物のクロロホルム100mL溶液にm−クロロ過安息香酸19gを加え、氷冷下24時間攪拌した。反応液を亜硫酸ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、表題化合物を4.85g得た。
2)4−(1,1−ジオキシドチオモルホリン−4−イル)−3−メチルアニリンの製造
製造例8−3で用いた1−[2−(メチルスルホニル)エチル]−4−(4−ニトロフェニル)ピペラジンの代わりに4−(2メチル−4−ニトロフェニル)チオモルホリン1,1−ジオキシドを用いる以外は製造例8−3と同様の方法で表題化合物を白色個体として1.01g得た。
H−NMR(400MHz,DMSO−d)δ:10.08−9.87(2H,m),7.19(1H,d,J=8.3Hz),7.14−7.10(1H,m),7.13(1H,s),3.26(8H,s),2.28(3H,s).
ESI−MSFound:m/z[M+H]+241
製造例10
3−メチル−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アニリンの製造
1)1−メチル−4−(2−メチル−4−ニトロフェニル)−1H−ピラゾールの製造
2−ブロモ−5−ニトロトルエン216mg、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−1−イル)−1H−ピラゾール208mg、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)10mgの1,2−ジメトキシエタン10mL溶液に2M炭酸ナトリウム水溶液5mLを加え、16時間加熱還流した。反応液を水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、表題化合物を白色固体として357mg得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.12(1H,d,J=2.3Hz),8.04(1H,dd,J=7.3,2.3Hz),7.70(1H,s),7.58(1H,s),8.12(1H,d,J=7.3Hz),4.00(3H,s),2.51(3H,s).
ESI−MSFound:m/z[M+H]+218
2)3−メチル−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アニリンの製造
製造例4−2で用いた[5−ニトロ−2−(4−エチルピペラジン−1−イル)フェニル]メタノールの代わりに1−メチル−4−(2−メチル−4−ニトロフェニル)−1H−ピラゾールを用いる以外は製造例4−2と同様の方法で表題化合物を白色個体として311mg得た。
ESI−MSFound:m/z[M+H]+188
製造例11
3−[2−アリル−6−(メチルチオ)−3−オキソ−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]安息香酸メチルエステルの製造
2−アリル−6−(メチルチオ)−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−オン7.5g、酢酸銅(II)6.1g、[3−(メトキシカルボニル)]フェニルボロン酸10gのクロロホルム溶液にピリジン20mLを加え、室温で3日間撹拌した。反応液に30%アンモニア水溶液を、飽和食塩水を順次加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、3−[2−アリル−6−(メチルチオ)−3−オキソ−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]安息香酸メチルエステルを黄色油状物として6.7g得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.92(1H,s),8.11−8.06(2H,m),7.65−7.59(2H,m),5.68(1H,ddt,J=17.1,10.2,5.9Hz),5.13(1H,dd,J=10.2,1.0Hz),4.97(1H,dd,J=17.1,1.0Hz),4.45(2H,d,J=5.9Hz),3.96(3H,s),2.51(3H,s).
製造例12
2−アリル−6−{[3−ヒドロキシメチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−1−ピリジン−2−イル−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピミジン−3−オンの製造
1)2−アリル−6−(メチルチオ)−1−ピリジン−2−イル−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−オンの製造
2−アリル−6−(メチルチオ)−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−オン4.44g、ヨウ化銅(I)3.80g、2−ヨードピリジン5.33g、炭酸カリウム3.80gの1,4−ジオキサン50mL溶液にN,N’−ジメチルエチレンジアミン2.4mLを加え、95℃にて終夜攪拌した。反応液を冷却した後、アンモニア水を加え酢酸エチルにて抽出し、飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去し、酢酸エチルにて結晶化し、表題化合物を白色固体として5.15g得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.94(1H,s),8.52(1H,d,J=5.1Hz),7.90(2H,d,J=3.5Hz),7.29−7.25(1H,m),5.68(1H,ddt,J=17.0,10.2,6.3Hz),5.05(1H,d,J=10.2Hz),4.91(1H,d,J=17.0Hz),4.85(2H,d,J=6.3Hz),2.58(3H,s).
ESI−MSFound:m/z[M+H]+300
2)2−アリル−6−{[3−ヒドロキシメチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−1−ピリジン−2−イル−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピミジン−3−オンの製造
2−アリル−6−(メチルチオ)−1−ピリジン−2−イル−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−オン898mgのトルエン20mL溶液にm−クロロ過安息香酸(>65%)796mgを加え30分間攪拌した。反応液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン1.60mL、[5−アミノ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]メタノール800mg、テトラヒドロフラン10mLを加え終夜攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えクロロホルム−イソプロパノール(80/20)混合溶液にて抽出した。無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、溶媒を留去し残渣を塩基性シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=50/50〜0/100)にて精製した。得られた結晶をエタノールにて再結晶し表題化合物を白色結晶として941mg得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.85(1H,s),8.54(1H,ddd,J=4.9,4.9,1.0Hz),7.91(1H,ddd,J=8.8,6.8,1.5Hz),7.85(1H,d,J=7.8Hz),7.61(1H,s),7.50(1H,s),7.34(1H,d,J=8.8Hz),7.29−7.25(1H,m),7.21(1H,d,J=8.8Hz),5.73(1H,ddt,J=17.1,10.0,6.3Hz),5.48(1H,s),5.02(1H,dd,J=10.0,1.2Hz),4.91(1H,dd,J=17.1,1.5Hz),4.79(2H,s),4.78(2H,d,J=6.3Hz),3.02(4H,t,J=4.6Hz),2.62(4H,s),2.38(3H,s).
ESI−MSFound:m/z[M+H]+473
製造例13
1−(4−アミノフェニル)−N−(tert−ブチル)ピロリジン−3−アミンの製造
Figure 2009054332
1)1−ベンジル−N−(tert−ブチル)ピロリジン−3−アミンの製造
1−ベンジル−3−ピロリドン1.83mlのテトラヒドロフラン10ml溶液に0.3Mシアノ水素化ホウ素ナトリウム、0.15M塩化亜鉛の混合メタノール溶液を38mL加えた。室温にて1時間撹拌後、塩化亜鉛1.56gを加え72時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウムを加え酢酸エチルにて抽出した。飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去後、残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)にて精製し、表題化合物を無色油状物質として739mg得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:7.34−7.23(5H,m),3.58(2H,dd,J=17.1,12.7Hz),3.47−3.39(1H,m),2.95(1H,t,J=7.8Hz),2.68(1H,td,J=8.5,4.9Hz),2.50−2.42(1H,m),2.25−2.15(1H,m),2.10(1H,dd,J=9.3,7.3Hz),2.05(1H,s),1.50−1.42(1H,m),1.29−1.22(1H,m),1.07(9H,s).
2)N−(tert−ブチル)−1−(4−ニトロフェニル)ピロリジン−3−アミンの製造
上記反応で得られた化合物739mgのテトラヒドロフラン10ml、メタノール10ml混合溶液に、4N塩酸ジオキサン溶液0.795ml、20%水酸化パラジウム−炭素500mgを加え、水素雰囲気下、室温にて終夜撹拌した。反応液をろ過後、溶媒を留去し、得られた残渣に4−フルオロニトロベンゼン0.337mL、炭酸水素ナトリウム534mg、イソプロパノール10mLを加え90℃にて終夜攪拌した。
反応液にクロロホルム及び水を加え、有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去後、得られた粗精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、表題化合物を黄色固体物質として606mg得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.12(2H,d,J=9.3Hz),6.45(2H,d,J=9.3Hz),3.68−3.50(3H,m),3.38(1H,td,J=9.6,7.0Hz),3.02(1H,dd,J=9.3,7.3Hz),2.35−2.28(1H,m),1.87−1.77(1H,m),1.16(9H,s).
3)1−(4−アミノフェニル)−N−(tert−ブチル)ピロリジン−3−アミンの製造
上記反応により得た化合物を還元して表題化合物を白色固体として309mg得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:6.67(2H,d,J=8.8Hz),6.44(2H,d,J=8.8Hz),3.57−3.47(2H,m),3.32−3.19(2H,m),2.90−2.84(1H,m),2.29−2.21(1H,m),1.79−1.69(1H,m),1.15(9H,s).
製造例14
6’−[6−(メチルチオ)−3−オキソ−(2−プロピニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オンの製造
Figure 2009054332
6’−[2−アリル−6−(メチルチオ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン1gのテトラヒドロフラン10mL溶液にギ酸アンモニウム964mgと[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]ジクロロパラジウム(II)−ジクロロメタン錯体208mgを加え、終夜加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、クロロホルムで希釈し水、飽和食塩水にて順に洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥た。不溶物を溶かした後に溶媒を留去し、粗6’−[6−(メチルチオ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オンを得た。
上記化合物をN,N’−ジメチルホルムアミド10mLに溶解し、水素化ナトリウム112mgを加えた。室温にて1時間撹拌した後、臭化プロパルギル909mgを加え、室温にて終夜撹拌した。反応液に水を加え、クロロホルムにて抽出した。得られた有機層を水、食塩水にて順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。不溶物をろ過した後に溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)にて精製し、表題化合物を淡褐色固体として396mg得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.95(1H,s),8.16−8.13(1H,m),8.07(1H,t,J=8.0Hz),7.94(1H,dd,J=7.8,1.0Hz),7.81(1H,dd,J=7.6,1.7Hz),7.41(1H,ddd,J=9.4,6.5,2.1Hz),6.67(1H,d,J=9.3Hz),6.31(1H,td,J=6.8,1.0Hz),4.99(2H,d,J=2.4Hz),2.64(3H,s),2.12(1H,t,J=2.4Hz).
ESI−MSFound:m/z[M+H]+391

公知の方法若しくは実施例記載の方法又はそれらに準じる方法を必要に応じ適宜組み合わせることにより以下の製造例の化合物を製造した。
製造例15
2−アリル−1−(3−ブロモフェニル)−6−(メチルチオ)−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.91(1H,s),7.63−7.60(1H,m),7.55−7.52(1H,m),7.41−7.35(2H,m),5.73−5.63(1H,m),5.15(1H,dd,J=10.2,1.3Hz),5.01(1H,dd,J=17.1,1.3Hz),4.45−4.43(2H,m),2.53(3H,s).
製造例16
4−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)アニリン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:6.66(2H,d,J=8.8Hz),6.39(2H,d,J=8.8Hz),4.12(4H,t,J=11.7Hz),3.39(2H,brs).
製造例17
1−(4−アミノフェニル)−N,N−ジメチルアゼチジン−3−アミン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:6.62(2H,d,J=8.3Hz),6.36(2H,d,J=8.8Hz),3.89(2H,t,J=6.8Hz),3.53(2H,t,J=6.3Hz),3.23−3.17(1H,m),2.76(2H,brs),2.19(6H,s).
製造例18
(2S)−1−(4−ニトロフェニル)−2−(ピロリジン−1−イルメチル)ピロリジン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.11(2H,d,J=9.3Hz),6.54(2H,d,J=9.3Hz),4.02−3.97(1H,m),3.52−3.47(1H,m),3.27(1H,dd,J=18.0,8.8Hz),2.68−2.62(2H,m),2.57−2.49(4H,m),2.24−2.19(1H,m),2.14−1.98(3H,m),1.82−1.79(4H,m).
製造例19
4−[(2S)−2−(ピロリジン−1−イルメチル)ピロリジン−1−イル]アニリン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:6.67(2H,d,J=8.8Hz),6.52(2H,d,J=8.8Hz),3.76−3.70(1H,m),3.41−3.36(1H,m),3.02(1H,ddd,J=16.1,9.8,3.4Hz),2.69−2.63(2H,m),2.57−2.53(3H,m),2.43(1H,dd,J=12.2,10.2Hz),2.08−1.93(4H,m),1.81−1.78(4H,m).
製造例20
N−メチル−4−ニトロ−N−(ピリジン−2−イルメチル)アニリン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.61(1H,d,J=4.9Hz),8.11(2H,d,J=9.3Hz),7.64(1H,td,J=7.7,1.6Hz),7.21(1H,dd,J=7.6,5.1Hz),7.07(1H,d,J=7.8Hz),6.67(2H,d,J=9.3Hz),4.77(2H,s),3.28(3H,s).
製造例21
N−メチル−N−(ピリジン−2−イルメチル)ベンゼン−1,4−ジアミン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.57−8.56(1H,m),7.59(1H,td,J=7.6,1.8Hz),7.23(1H,d,J=7.8Hz),7.14(1H,dd,J=8.5,4.6Hz),6.64(4H,s),4.52(2H,s),3.32(2H,s),2.99(3H,s).
製造例22
4−(2−メチル−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナ−7−イル)アニリン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:6.81(2H,d,J=8.8Hz),6.64(2H,d,J=9.3Hz),3.42(2H,s),3.09(4H,s),2.93(4H,t,J=5.6Hz),2.38(3H,s),1.89(4H,t,J=5.6Hz).
製造例23
2’−メチル−2’,3’−ジヒドロ−1’H−スピロ[シクロプロパン−1,4’−イソキノリン]−7’−アミンの製造
1)メチル 1−(2−シアノフェニル)シクロプロパンカルボキシレートの製造
Figure 2009054332
2−シアノフェニル酢酸メチル4.0gのトルエン(40mL)溶液に臭化テトラn−ブチルアンモニウム1.5g、1,2−ジブロモエタン6.5g及び50%水酸化ナトリウム水溶液20mLを加え、室温で1時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、表題化合物を無色固体として3.0g得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:7.66(1H,dd,J=7.6,1.2Hz),7.55(1H,td,J=7.6,1.2Hz),7.43−7.36(2H,m),3.66(3H,s),1.82(2H,q,J=3.7Hz),1.30(2H,q,J=3.7Hz).
ESI−MSFound:m/z[M+H]202
2)メチル 1−[2−(アミノメチル)フェニル]シクロプロパンカルボキシレート1塩酸塩の製造
Figure 2009054332
上記反応1)で得た化合物2.95gのエタノール50mL溶液に10%パラジウム炭素1.6gを加え、2気圧水素雰囲気下、室温で3時間攪拌した。パラジウム炭素をろ過して除き、ろ液を減圧下濃縮し、粗生成物をジエチルエーテルで洗浄し、表題化合物を無色固体として3.2g得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:8.47(2H,s),7.55(1H,d,J=6.8Hz),7.38(3H,td,J=7.2,2.1Hz),7.36−7.29(2H,m),4.04(2H,d,J=4.9Hz),3.54(3H,s),1.61−1.56(2H,m),1.33−1.29(2H,m).
ESI−MSFound:m/z[M+H]206
3)1’,2’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロプロパン−1,4’−イソキノリン]−3’−オンの製造
Figure 2009054332
上記反応2)で得た化合物3.2gのメタノール50mL溶液に5N水酸化ナトリウム水溶液4mLを加え、室温で30分間攪拌した。1N塩酸水溶液を加え中和した後、減圧下メタノールを留去した。残渣を水で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去し、表題化合物を無色固体として2.1g得た。
H−NMR(CDCl)δ:7.23(1H,td,J=7.8,1.1Hz),7.18(1H,td,J=7.3,1.1Hz),7.10(1H,dd,J=7.3,1.0Hz),6.73(1H,dd,J=7.8,1.0Hz),4.69(2H,d,J=1.5Hz),1.85(2H,q,J=3.7Hz),1.24(2H,q,J=3.7Hz).
ESI−MSFound:m/z[M+H]174
4)7’−ニトロ−1’,2’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロプロパン−1,4’−イソキノリン]−3’−オンの製造
Figure 2009054332
上記反応3)で得た化合物2.1gの硫酸60mL溶液に硝酸カリウム1.3gを5分間かけて徐々に加え、更に室温にて10分間攪拌した。反応液を氷水にあけ析出した結晶をろ取し、水で洗浄し、表題化合物を黄色固体として2.4g得た。
H−NMR(CDCl)δ:8.09(1H,dd,J=8.8,2.4Hz),8.01(1H,t,J=2.4Hz),6.86(1H,d,J=8.8Hz),6.30(1H,s),4.78(2H,d,J=1.5Hz),2.01(2H,q,J=4.1Hz),1.35(2H,q,J=4.1Hz).
ESI−MSFound:m/z[M+H]219
5)7’−ニトロ−1’,2’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロプロパン−1,4’−イソキノリン]の製造
Figure 2009054332
水素化ホウ素ナトリウム1.3gのテトラヒドロフラン懸濁液に、氷冷下3フッ化ホウ素ジエチルエーテルコンプレックス6.3gを加え、1時間攪拌した。反応液に上記反応4)で得た化合物2.4gのテトラヒドロフラン溶液(100mL)を加え、2時間加熱還流した。反応液を冷却後、飽和重曹水で中和した。減圧下溶媒を留去し、残渣をエタノールに溶解し、5N塩酸を加え、1時間加熱還流した。反応液を冷却後、減圧下溶媒を留去し、残渣を炭酸カリウム水溶液で中和した。水層をクロロホルムで抽出し、有機層無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去し、表題化合物を得た。
ESI−MSFound:m/z[M+H]205
6)2’−メチル−7’−ニトロ−2’,3’−ジヒドロ−1’H−スピロ[シクロプロパン−1,4’−イソキノリン]の製造
Figure 2009054332
上記反応5)で得た化合物(2.3g)、ホルムアルデヒドの37%水溶液2.7mL及び酢酸0.7mLのメタノール50mL溶液にシアノ水素化ホウ素ナトリウム1.5gを加え、室温にて15時間攪拌した。反応液を飽和重曹水で中和し、メタノールを減圧下留去した。残渣を水で希釈し、クロロホルムで3回抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、表題化合物を無色固体として1.7g得た。
H−NMR(CDCl)δ:7.97(1H,dd,J=8.8,2.4Hz),7.91(1H,d,J=2.4Hz),6.78(1H,d,J=8.8Hz),3.77(2H,s),2.57(2H,s),2.48(3H,s),1.16−1.12(2H,m),1.10−1.06(2H,m).
ESI−MSFound:m/z[M+H]219
7)2’−メチル−2’,3’−ジヒドロ−1’H−スピロ[シクロプロパン−1,4’−イソキノリン]−7’−アミンの製造
Figure 2009054332
上記反応6)で得た化合物1.7gのエタノール20mL溶液に10%パラジウム炭素800mgを加え、1気圧水素雰囲気下、室温で15時間攪拌した。パラジウム炭素をろ過して除き、ろ液を減圧下濃縮し、粗生成物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、表題化合物を無色固体として1.1g得た。
H−NMR(CDCl)δ:6.50−6.48(2H,m),6.38−6.36(1H,m),3.61(2H,s),3.50(2H,s),2.49(2H,s),2.42(3H,s),0.91(2H,dd,J=6.3,4.6Hz),0.81(2H,dd,J=6.3,4.6Hz).
ESI−MSFound:m/z[M+H]189
製造例24
Tert−ブチル 6’−アミノ−3’,4’−ジヒドロ−2’H−スピロ[シクロプロパン−1,1’−イソキノリン]−2’−カルボキシレートの製造
1)2’H−スピロ[シクロプロパン−1,1’−イソキノリン]−3’(4’H)−オンの製造
Figure 2009054332
2−シアノフェニル酢酸メチル10g及びチタニウムテトライソプロポキシド17.9gのジエチルエーテル(200mL)溶液にエチルマグネシウムブロミドの2Mジエチルエーテル溶液38mLを室温にて滴下し、更に1時間攪拌した。反応液に1N塩酸水溶液を加え、有機層を分離した。更に水層をクロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去した。粗生成物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、表題化合物を無色固体として1.8g得た。
H−NMR(CDCl)δ:7.39(1H,s),7.19−7.11(2H,m),6.80−6.76(1H,m),3.66(2H,s),1.24(2H,t,J=2.2Hz),1.22(2H,t,J=2.2Hz).
ESI−MSFound:m/z[M+H]174
2)6’−ニトロ−2’H−スピロ[シクロプロパン−1,1’−イソキノリン]−3’(4’H)−オンの製造
Figure 2009054332
上記反応1)で得た化合物1.8gの硫酸20mL溶液に硝酸カリウム1.1gを氷冷下徐々に加え、更に室温にて15時間攪拌した。反応液を28%アンモニア水溶液で中和し、クロロホルムで2回抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた固体を酢酸エチルで洗浄し、表題化合物を黄色固体として1.3g得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:8.26(1H,s),8.11(1H,d,J=2.4Hz),8.02(1H,dd,J=8.8,2.4Hz),7.21(1H,d,J=8.3Hz),3.73(2H,s),1.32(2H,t,J=1.7Hz),1.31(2H,t,J=1.7Hz).
ESI−MSFound:m/z[M+H]219
3)6’−ニトロ−3’,4’−ジヒドロ−2’H−スピロ[シクロプロパン−1,1’−イソキノリン]の製造
Figure 2009054332
製造例23−5)で用いた7’−ニトロ−1’,2’−ジヒドロ−3’H−スピロ[シクロプロパン−1,4’−イソキノリン]−3’−オンの代わりに上記反応2)で得た化合物を用いる以外は製造例21−5)と同様の方法で表題化合物を黄色油状物として940mg得た。
H−NMR(CDCl)δ:7.98−7.93(2H,m),6.73(1H,d,J=8.4Hz),3.23(2H,t,J=6.0Hz),2.98(2H,t,J=6.0Hz),1.28−1.24(2H,m),1.18−1.15(2H,m).
ESI−MSFound:m/z[M+H]205
4)tert−ブチル 6’−ニトロ−3’,4’−ジヒドロ−2’H−スピロ[シクロプロパン−1,1’−イソキノリン]−2’−カルボキシレートの製造
Figure 2009054332
上記反応3)で得た化合物38mgのクロロホルム2mL溶液にジ−tert−ブチル=ジカルボン酸無水物0.06mL及びトリエチルアミン0.05mLを加え、室温にて18時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、表題化合物を黄色油状物として35mg得た。
ESI−MSFound:m/z[M+H]305
5)Tert−ブチル 6’−アミノ−3’,4’−ジヒドロ−2’H−スピロ[シクロプロパン−1,1’−イソキノリン]−2’−カルボキシレートの製造
Figure 2009054332
製造例23−7)で用いた2’−メチル−7’−ニトロ−2’,3’−ジヒドロ−1’H−スピロ[シクロプロパン−1,4’−イソキノリン]の代わりに上記反応4)で得た化合物35mgを用いる以外は製造例23−7)と同様の方法で表題化合物を黄色固体として27mg得た。
H−NMR(CDCl)δ:6.52(1H,d,J=8.2Hz),6.43−6.39(2H,m),3.72(2H,t,J=6.3Hz),2.84(2H,t,J=6.3Hz),1.37(9H,s),1.31−1.26(2H,m),1.14−1.10(2H,m).
ESI−MSFound:m/z[M+H]275
製造例25
2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−アミンの製造
1)7−ニトロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン1塩酸塩の製造
Figure 2009054332
製造例24−2)で用いた2’H−スピロ[シクロプロパン−1,1’−イソキノリン]−3’(4’H)−オンの代わりに1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンを用いる以外は製造例24−2)と同様の方法で7−ニトロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンを得た。これを酢酸エチルに溶解した後、4N塩酸−酢酸エチルを加え、析出した固体をろ取し、酢酸エチルで洗浄した。更にメタノールから再結晶し、表題化合物を黄色固体として5.6g得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:9.48(2H,s),8.21(1H,d,J=2.0Hz),8.11(1H,dd,J=8.3,2.0Hz),7.52(1H,d,J=8.3Hz),3.42−3.33(4H,m),3.14−3.10(2H,m).
ESI−MSFound:m/z[M+H]180
2)2−メチル−7−ニトロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンの製造
Figure 2009054332
上記反応1)で得た化合物10g、ホルムアルデヒドの37%水溶液10.4mL及び酢酸4mLのメタノール450mL溶液にシアノ水素化ホウ素ナトリウム5.9gを加え、50℃にて15時間攪拌した。析出している固体をろ取し、メタノールで洗浄した。得られた粗生成物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、表題化合物を無色固体として8.7g得た。
H−NMR(CDCl)δ:7.99(1H,dd,J=8.5,2.0Hz),7.92(1H,d,J=2.0Hz),7.26(1H,d,J=8.5Hz),3.65(2H,s),3.01(2H,t,J=5.9Hz),2.73(2H,t,J=5.9Hz),2.49(3H,s).
ESI−MSFound:m/z[M+H]193
3)2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−アミンの製造
Figure 2009054332
製造例23−7)で用いた2’−メチル−7’−ニトロ−2’,3’−ジヒドロ−1’H−スピロ[シクロプロパン−1,4’−イソキノリン]の代わりに上記反応2)で得た化合物8.7gを用いる以外は製造例23−7)と同様の方法で表題化合物を黄色固体として7.3g得た。
H−NMR(CDCl)δ:6.89(1H,d,J=8.3Hz),6.51(1H,dd,J=8.3,2.0Hz),6.36(1H,d,J=2.0Hz),3.51(2H,brs),3.48(2H,s),2.80(2H,t,J=6.1Hz),2.64(2H,t,J=6.1Hz),2.43(3H,s).
ESI−MSFound:m/z[M+H]164

実施例1
6’−(2−アリル−6−{[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オンの製造
Figure 2009054332
1)6’−ブロモ−2H−1,2’−ビピリジン−2−オンの製造
2,6−ジブロモピリジン4.74g、2−ヒドロキシピリジン2.85g、炭酸カリウム4.15g、N−メチルピロリドン1mLを150℃にて6時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却し、酢酸エチル及び炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、不溶物をセライトでろ去後、有機層を分離した。飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、表題化合物を白色固体として1.63g得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.02(1H,d,J=7.3Hz),7.91(1H,dd,J=7.6,1.7Hz),7.70(1H,t,J=7.8Hz),7.51(1H,d,J=7.8Hz),7.41−7.37(1H,m),6.63(1H,dd,J=9.3,1.5Hz),6.33−6.29(1H,m).
2)6’−[2−アリル−6−(メチルチオ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オンの製造
製造例12−1で用いた2−ヨードピリジンの代わりに6’−ブロモ−2H−1,2’−ビピリジン−2−オンを用いる以外は製造例12−1と同様の方法で表題化合物を白色油状物質として1.11g得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.95(1H,s),8.05(1H,t,J=8.0Hz),7.94(2H,d,J=8.3Hz),7.83(1H,dd,J=7.6,1.7Hz),7.44−7.40(1H,m),6.68(1H,d,J=9.3Hz),6.34−6.30(1H,m),5.68(1H,ddt,J=17.1,10.2,6.3Hz),5.07(1H,dd,J=10.2,1.0Hz),4.99(1H,dd,J=17.1,1.0Hz),4.79(2H,d,J=6.3Hz),2.61(3H,s).
3)6’−(2−アリル−6−{[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オンの製造
製造例12−2で用いた[5−アミノ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]メタノールの代わりに4−(4−メチルピペラジン−1−イル)アニリン、2−アリル−6−(メチルチオ)−1−ピリジン−2−イル−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−オンの代わりに6’−[2−アリル−6−(メチルチオ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オンを用いる以外は製造例12−2と同様の方法で表題化合物を黄色固体として62.3mg得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.83(1H,s),7.98(1H,dd,J=9.3,6.8Hz),7.93−7.90(2H,m),7.86(1H,dd,J=6.6,1.7Hz),7.47−7.39(4H,m),6.93(2H,d,J=9.3Hz),6.67(1H,d,J=8.8Hz),6.31(1H,t,J=6.8Hz),5.68(1H,ddt,J=17.1,10.5,6.3Hz),5.04(1H,d,J=10.2Hz),4.99(1H,d,J=17.1Hz),4.73(2H,d,J=6.3Hz),3.21(4H,t,J=5.1Hz),2.60(4H,t,J=5.1Hz),2.37(3H,s).
ESI−MSFound:m/z[M+H]536
実施例2
6’−[2−アリル−6−({4−[(3R)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]フェニル}アミノ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オンの製造
Figure 2009054332
製造例12−2で用いた[5−アミノ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]メタノールの代わりに(3R)−1−(4−アミノフェニル)−N,N−ジメチルピロリジン−3−アミン、2−アリル−6−(メチルチオ)−1−ピリジン−2−イル−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−オンの代わりに6’−[2−アリル−6−(メチルチオ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オンを用いる以外は製造例12−2と同様の方法で表題化合物を黄色固体として35.5mg得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.81(1H,s),7.96−7.85(4H,m),7.43−7.35(4H,m),6.67(1H,d,J=9.3Hz),6.53(2H,d,J=9.3Hz),6.30(1H,t,J=6.8Hz),5.67(1H,ddt,J=17.1,10.2,6.3Hz),5.04(1H,d,J=10.2Hz),4.99(1H,dd,J=17.1,1.5Hz),4.72(2H,d,J=6.3Hz),3.53−3.43(2H,m),3.39−3.31(1H,m),3.17(1H,t,J=8.3Hz),2.87(1H,t,J=8.5Hz),2.34(6H,s),2.28−2.20(1H,m),2.00−1.92(1H,m).
ESI−MSFound:m/z[M+H]550
実施例3
6’−[2−アリル−6−({4−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]フェニル}アミノ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オンの製造
Figure 2009054332
製造例12−2で用いた[5−アミノ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]メタノールの代わりに(3S)−1−(4−アミノフェニル)−N,N−ジメチルピロリジン−3−アミン、2−アリル−6−(メチルチオ)−1−ピリジン−2−イル−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−オンの代わりに6’−[2−アリル−6−(メチルチオ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オンを用いる以外は製造例12−2と同様の方法で表題化合物を黄色固体として36.7mg得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.81(1H,s),7.96−7.85(4H,m),7.43−7.35(4H,m),6.67(1H,d,J=9.3Hz),6.53(2H,d,J=9.3Hz),6.32−6.28(1H,m),5.67(1H,ddt,J=17.1,10.2,6.3Hz),5.04(1H,d,J=10.2Hz),4.99(1H,dd,J=17.1,1.0Hz),4.72(2H,d,J=6.3Hz),3.53−3.43(2H,m),3.35(1H,dd,J=16.3,9.0Hz),3.17(1H,t,J=8.3Hz),2.87(1H,t,J=8.5Hz),2.33(6H,s),2.28−2.20(1H,m),2.00−1.90(1H,m).
ESI−MSFound:m/z[M+H]550
実施例4
2−アリル−1−[3−フルオロ−5−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル]−6−{[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−オンの製造
Figure 2009054332
1)2−アリル−1−(3−ブロモ−5−フルオロフェニル)−6−(メチルチオ)−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−オンの製造
製造例11で用いた[3−(メトキシカルボニル)]フェニルボロン酸の代わりに(3−ブロモ−5−フルオロフェニル)ボロン酸を用いる以外は製造例11と同様の方法で表題化合物を白色油状物質として500mg得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.91(1H,s),7.44−7.42(1H,m),7.28(1H,dt,J=8.0,2.1Hz),7.18(1H,dt,J=8.9,2.1Hz),5.73−5.63(1H,m),5.16(1H,dd,J=10.2,1.0Hz),5.04(1H,dd,J=17.1,1.0Hz),4.45(2H,d,J=5.9Hz),2.55(3H,s).
2)2−アリル−1−[3−フルオロ−5−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル]−6−(メチルチオ)−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−オンの製造
2−アリル−1−(3−ブロモ−5−フルオロフェニル)−6−(メチルチオ)−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−オン100mgのジオキサン溶液5mlに2−ヒドロキシピリジン48.1mg、ヨウ化銅48.2mg、炭酸カリウム35.0mg、トランス−(1R,2R)−N,N’−ビスメチル−1,2−シクロヘキサンジアミン39.9μlを加え、封管中、100℃にて一晩加熱撹拌した。
反応液を冷却後、アンモニア水溶液を加え、クロロホルムで3回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過し、溶媒を留去した。得られた粗精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を黄色油状物質として91mg得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.91(1H,s),7.45−7.41(1H,m),7.38(1H,dt,J=8.9,2.1Hz),7.34(1H,dd,J=6.8,1.5Hz),7.30−7.29(1H,m),7.18(1H,dt,J=8.9,2.1Hz),6.67(1H,d,J=9.3Hz),6.30(1H,td,J=6.7,1.1Hz),5.73−5.63(1H,m),5.15(1H,dd,J=10.2,1.0Hz),5.08(1H,dd,J=17.1,1.0Hz),4.53(2H,d,J=5.9Hz),2.57(3H,s).
3)2−アリル−1−[3−フルオロ−5−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル]−6−{[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−オンの製造
製造例12−2で用いた[5−アミノ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]メタノールの代わりに4−(4−メチルピペラジン−1−イル)アニリン、2−アリル−6−(メチルチオ)−1−ピリジン−2−イル−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−オンの代わりに2−アリル−1−[3−フルオロ−5−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル]−6−(メチルチオ)−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−オンを用いる以外は製造例12−2と同様の方法で表題化合物を黄色固体として68.4mg得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.80(1H,s),7.46−7.29(7H,m),7.15(1H,dt,J=8.8,2.0Hz),6.90−6.87(2H,m),6.68(1H,d,J=9.3Hz),6.28(1H,t,J=6.1Hz),5.74−5.64(1H,m),5.13(2H,d,J=10.2Hz),5.09(2H,dd,J=17.1,1.5Hz),4.46(2H,d,J=5.9Hz),3.21−3.18(4H,m),2.62−2.58(4H,m),2.38(3H,s).
ESI−MSFound:m/z[M+H]553
実施例5
6’−(2−アリル−6−{[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−5−フルオロ−2H−1,2’−ビピリジン−2−オンの製造
Figure 2009054332
1)2−アリル−1−(6−ブロモピリジン−2−イル)−6−(メチルチオ)−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−オンの製造
製造例12−1で用いた2−ヨードピリジンの代わりに2,6−ジブロモピリジンを用いる以外は製造例12−1と同様の方法で表題化合物を白色固体物質として2.94g得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.94(1H,s),7.95(1H,d,J=7.8Hz),7.73(1H,t,J=8.0Hz),7.43(1H,d,J=7.8Hz),5.69(1H,ddt,J=17.1,10.2,6.3Hz),5.06(1H,dd,J=10.2,1.2Hz),5.00(1H,d,J=17.1Hz),4.88(2H,d,J=6.3Hz),2.60(3H,s).
2)6’−[2−アリル−6−(メチルチオ)―3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−5−フルオロ−2H−1,2’−ビピリジン−2−オンの製造
実施例4−2で用いた2−アリル−1−(3−ブロモ−5−フルオロフェニル)−6−(メチルチオ)−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−オンの代わりに上記反応で得た化合物を用い、2−ヒドロキシピリジンの代わりに5−フルオロ−2−ヒドロキシピリジン用いる以外は実施例4−2と同様の方法で表題化合物を白色油状物質として170mg得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.96(1H,s),8.07(1H,s),8.06(1H,d,J=3.4Hz),7.93−7.89(2H,m),7.41−7.36(1H,m),6.66(1H,dd,J=10.2,5.4Hz),5.69(1H,ddt,J=17.1,10.2,6.3Hz),5.08(1H,d,J=10.2Hz),4.99(1H,d,J=17.1Hz),4.77(2H,d,J=6.3Hz),2.61(3H,s).
3)6’−(2−アリル−6−{[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−5−フルオロ−2H−1,2’−ビピリジン−2−オンの製造
製造例12−2で用いた[5−アミノ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]メタノールの代わりに4−(4−メチルピペラジン−1−イル)アニリン、2−アリル−6−(メチルチオ)−1−ピリジン−2−イル−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−オンの代わりに6’−[2−アリル−6−(メチルチオ)―3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−5−フルオロ−2H−1,2’−ビピリジン−2−オンを用いる以外は製造例12−2と同様の方法で表題化合物を黄色固体として23.6mg得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.83(1H,s),8.02(1H,dd,J=7.8,1.0Hz),7.98(1H,t,J=7.8Hz),7.94−7.89(2H,m),7.47−7.42(2H,m),7.40−7.35(1H,m),6.95−6.90(2H,m),6.66(1H,dd,J=10.2,5.4Hz),5.74−5.64(1H,m),5.06(1H,dd,J=10.2,1.0Hz),4.99(1H,dd,J=17.1,1.0Hz),4.71(2H,d,J=6.3Hz),3.24−3.20(4H,m),2.64−2.59(4H,m),2.38(3H,s).
ESI−MSFound:m/z[M+H]554
実施例6
6’−[2−アリル−6−({4−[(tert−ブチルアミノ)メチル]フェニル}アミノ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オンの製造
Figure 2009054332
6’−[2−アリル−6−{[4−(ヒドロキシメチル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン110mg、トリエチルアミン164μlのテトラヒドロフラン溶液10mlに、塩化メタンスルホン酸37μlを加え、室温にて1時間撹拌した後、反応液にtert−ブチルアミン500μlを加え6時間攪拌した。反応液にクロロホルム及び炭酸水素ナトリウム水溶液を加えを有機層を分離した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過し、溶媒を留去し、得られた粗精製物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル/エタノール(19/1)混合液)で精製し、表題化合物を白色固体物質として9.2mg得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:8.86(1H,s),8.03(1H,t,J=8.0Hz),7.94−7.91(2H,m),7.88−7.85(1H,m),7.54(3H,d,J=8.3Hz),7.44−7.39(1H,m),7.33(2H,d,J=8.3Hz),6.68(1H,d,J=8.8Hz),6.32(1H,t,J=6.8Hz),5.68(1H,ddt,J=17.1,10.2,6.3Hz),5.05(1H,d,J=10.2Hz),5.00(1H,d,J=17.1Hz),4.74(2H,d,J=6.3Hz),3.73(2H,s),1.20(9H,s).
ESI−MSFound:m/z[M+H]523

適宜対応する原料を用い、上記実施例と同様の方法により、以下の実施例7〜42の化合物を得た。
実施例7
2−アリル−6−{[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−1−[3−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル]−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.80(1H,s),7.62(1H,t,J=8.0Hz),7.55−7.51(2H,m),7.46−7.38(4H,m),7.36−7.32(1H,m),6.87−6.83(2H,m),6.68(1H,d,J=9.3Hz),6.28(1H,td,J=6.7,1.1Hz),5.75−5.64(1H,m),5.12(1H,dd,J=10.2,1.0Hz),5.05(1H,dd,J=17.1,1.0Hz),4.45(2H,d,J=6.3Hz),3.25−3.19(4H,m),2.71−2.63(4H,m),2.42(3H,s).
ESI−MSFound:m/z[M+H]535
実施例8
2−アリル−6−{[4−(1−メチルピペリジン−4−イル)フェニル]アミノ}−1−[3−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル]−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.83(1H,s),7.64(1H,t,J=7.8Hz),7.60−7.56(1H,m),7.54−7.42(5H,m),7.42−7.36(2H,m),7.17−7.12(2H,m),6.70(1H,d,J=9.3Hz),6.29(1H,td,J=6.8,1.5Hz),5.75−5.65(1H,m),5.12(1H,dd,J=10.2,1.0Hz),5.06(1H,dd,J=17.1,1.0Hz),4.47(2H,d,J=5.9Hz),3.10−3.03(2H,m),2.52−2.43(1H,m),2.39(3H,s),2.20−2.10(2H,m),1.88−1.81(4H,m).
ESI−MSFound:m/z[M+H]534
実施例9
6’−(2−アリル−6−{[4−(1−メチルピペリジン−4−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.86(1H,s),7.99(1H,dd,J=9.0,6.6Hz),7.94−7.91(2H,m),7.86(1H,dd,J=7.6,1.7Hz),7.52(2H,d,J=8.8Hz),7.44−7.39(2H,m),7.22(2H,d,J=8.8Hz),6.68(1H,d,J=8.8Hz),6.33−6.29(1H,m),5.68(1H,ddt,J=17.1,10.2,6.3Hz),5.05(1H,d,J=10.2Hz),4.99(1H,dd,J=17.1,1.0Hz),4.74(2H,d,J=6.3Hz),2.99(2H,d,J=11.7Hz),2.53−2.45(1H,m),2.34(3H,s),2.09−2.03(2H,m),1.86−1.78(4H,m).
ESI−MSFound:m/z[M+H]535
実施例10
6’−(2−アリル−6−{[3−(ヒドロキシメチル)−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.86(1H,s),8.05(1H,t,J=8.0Hz),7.93(2H,dd,J=7.6,4.1Hz),7.84(1H,dd,J=6.8,2.0Hz),7.58(1H,s),7.45−7.36(2H,m),7.21(1H,d,J=8.8Hz),6.68(1H,d,J=8.8Hz),6.31(1H,t,J=6.8Hz),5.68(1H,ddt,J=17.1,10.2,6.3Hz),5.05(1H,d,J=10.2Hz),4.99(1H,d,J=17.1Hz),4.80(2H,s),4.74(2H,d,J=6.3Hz),3.02(4H,t,J=4.9Hz),2.63(4H,brs),2.38(3H,s).
ESI−MSFound:m/z[M+H]566
実施例11
6’−(2−アリル−6−{[3−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.84(1H,s),8.01−7.91(3H,m),7.87−7.85(1H,m),7.48(1H,brs),7.44−7.39(1H,m),7.31(1H,dd,J=8.8,2.4Hz),7.02(1H,d,J=8.8Hz),6.67(1H,d,J=9.3Hz),6.33−6.29(1H,m),5.68(1H,ddt,J=17.1,10.2,6.3Hz),5.04(1H,dd,J=10.2,1.5Hz),4.99(1H,dd,J=17.1,1.5Hz),4.74(2H,d,J=6.3Hz),2.94(4H,t,J=4.6Hz),2.60(4H,brs),2.38(3H,s),2.34(3H,s).
ESI−MSFound:m/z[M+H]550
実施例12
6’−(2−アリル−6−{[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−3−メチル−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.83(1H,s),7.99−7.94(1H,m),7.92−7.87(2H,m),7.75−7.72(1H,m),7.48−7.43(2H,m),7.30−7.27(1H,m),6.94−6.90(2H,m),6.23(1H,t,J=6.8Hz),5.73−5.63(1H,m),5.04(1H,dd,J=10.2,1.0Hz),4.99(1H,dd,J=17.3,1.0Hz),4.72(2H,d,J=5.9Hz),3.24−3.19(4H,m),2.64−2.58(4H,m),2.38(3H,s),2.21(3H,s).
ESI−MSFound:m/z[M+H]550
実施例13
6’−(2−アリル−6−{[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−4−メチル−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.83(1H,s),7.98−7.92(2H,m),7.88(1H,dd,J=7.1,1.6Hz),7.79(1H,d,J=7.3Hz),7.48−7.43(2H,m),6.95−6.90(2H,m),6.47(1H,s),6.15(1H,dd,J=7.3,1.6Hz),5.72−5.62(1H,m),5.04(1H,dd,J=10.2,1.0Hz),4.98(1H,dd,J=17.1,1.0Hz),4.72(2H,d,J=6.3Hz),3.24−3.18(4H,m),2.65−2.59(4H,m),2.37(3H,s),2.25(3H,s).
ESI−MSFound:m/z[M+H]550
実施例14
6’−(2−アリル−6−{[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−5−メチル−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.84(1H,s),7.97(1H,t,J=7.8Hz),7.91−7.87(2H,m),7.61(1H,s),7.48−7.43(2H,m),7.29−7.27(1H,m),6.94−6.90(2H,m),6.62(1H,d,J=9.8Hz),5.74−5.64(1H,m),5.05(1H,dd,J=10.0,1.0Hz),5.00(1H,dd,J=17.1,1.0Hz),4.73(2H,d,J=6.3Hz),3.24−3.19(4H,m),2.64−2.59(4H,m),2.38(3H,s),2.13(3H,s).
ESI−MSFound:m/z[M+H]550
実施例15
6’−(2−アリル−6−{[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−3−メトキシ−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.83(1H,s),8.01−7.96(1H,m),7.93−7.87(2H,m),7.49−7.44(3H,m),6.95−6.90(2H,m),6.67(1H,dd,J=7.3,1.5Hz),6.24(1H,t,J=7.3Hz),5.71−5.61(1H,m),5.03(1H,dd,J=11.2,1.0Hz),4.99(1H,dd,J=17.1,1.5Hz),4.74(2H,d,J=6.3Hz),3.88(3H,s),3.25−3.19(4H,m),2.64−2.59(4H,m),2.37(3H,s).
ESI−MSFound:m/z[M+H]566
実施例16
6’−(2−アリル−6−{[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.84(1H,s),8.28−8.23(1H,m),8.03−7.97(2H,m),7.85−7.80(1H,m),7.54(1H,dd,J=9.8,2.4Hz),7.47−7.42(2H,m),6.96−6.91(2H,m),6.76(1H,d,J=9.8Hz),5.74−5.65(1H,m),5.06(1H,dd,J=10.2,1.0Hz),5.01(1H,dd,J=17.1,1.0Hz),4.71(2H,d,J=6.3Hz),3.24−3.20(4H,m),2.64−2.59(4H,m),2.38(3H,s).
ESI−MSFound:m/z[M+H]604
実施例17
6’−(2−アリル−6−{[4−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.83(1H,s),7.98−7.85(4H,m),7.45−7.40(3H,m),6.68(1H,d,J=9.6Hz),6.50(2H,d,J=9.2Hz),6.31(1H,td,J=7.2,1.2Hz),5.68(1H,ddt,J=16.8,10.4,6.0Hz),5.05(1H,d,J=10.4Hz),4.99(1H,d,J=16.8Hz),4.72(2H,d,J=6.0Hz),4.24(4H,t,J=12.0Hz).
ESI−MSFound:m/z[M+H]529
実施例18
N−(3−{[2−アリル−3−オキソ−1−(2−オキソ−2H−1,2’−ビピリジン−6’−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}フェニル)シクロプロパンカルボキサミド
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.86(1H,s),8.03−7.74(7H,m),7.42(1H,m),7.12(1H,m),6.67(1H,d,J=8.8Hz),6.32(1H,dd,J=6.8,6.8Hz),5.68(1H,ddt,J=17.2,10.4,6.0Hz),5.05(1H,d,J=10.4Hz),4.99(1H,d,J=17.2Hz),4.72(2H,d,J=6.0Hz),1.57(1H,m),1.10(2H,m),0.88(2H,m).
ESI−MSFound:m/z[M+H]521
実施例19
6’−[2−アリル−6−({4−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]フェニル}アミノ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.86(1H,s),7.99(1H,d,J=7.6Hz),7.93(2H,dd,J=7.6,2.0Hz),7.86(1H,dd,J=7.2,2.0Hz),7.50(2H,d,J=8.4Hz),7.42(1H,m),7.19(2H,d,J=8.4Hz).6.68(1H,d,J=9.6Hz),6.31(1H,td,J=6.0,1.2Hz),5.68(1H,ddt,J=16.0,10.4,6.4Hz),5.05(1H,d,J=10.4Hz),4.99(1H,d,J=16.0Hz),4.74(2H,d,J=6.4Hz),2.65(2H,t,J=7.2Hz),2.31(2H,t,J=7.2Hz),2.24(6H,s),1.80(2H,tt,J=7.2,7.2Hz),
ESI−MSFound:m/z[M+H]523
実施例20
6’−[2−アリル−6−({4−[3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イル]フェニル}アミノ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.81(1H,s),7.97−7.85(4H,m),7.44−7.35(3H,m),6.67(1H,d,J=8.8Hz),6.45(2H,d,J=9.2Hz),6.31(1H,ddd,J=6.0,6.0,0.4Hz),5.67(1H,ddt,J=17.2,10.8,6.4Hz)5.04(1H,d,J=10.8Hz),4.99(1H,d,J=17.2Hz),4.72(2H,d,J=6.4Hz),3.99(2H,dd,J=6.8,6.8Hz),3,67(2H,dd,J=6.8,6.8Hz),3,25(1H,dd,J=6.8,6.8Hz),2.23(6H,s)
ESI−MSFound:m/z[M+H]536
実施例21
6’−[2−アリル−6−({4−[(ジエチルアミノ)メチル]フェニル}アミノ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.87(1H,s),8.01(1H,t,J=7.8Hz),7.93(2H,dd,J=7.8,4.4Hz),7.86(1H,dd,J=7.1,1.7Hz),7.54(2H,d,J=8.8Hz),7.44−7.39(1H,m),7.33(2H,d,J=8.3Hz),6.68(1H,d,J=9.3Hz),6.32(1H,t,J=6.8Hz),5.68(1H,ddt,J=17.1,10.2,6.3Hz),5.05(1H,dd,J=10.5,1.2Hz),4.99(1H,dd,J=17.1,1.0Hz),4.74(2H,d,J=6.3Hz),3.57(2H,s),2.54(4H,q,J=7.2Hz),1.06(6H,t,J=7.1Hz).
ESI−MSFound:m/z[M+H]523
実施例22
6’−(2−アリル−3−オキソ−6−{[4−(2−オキソピロリジン−1−イル)フェニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.87(1H,s),8.03(1H,t,J=8.0Hz),7.91(2H,dd,J=8.0,3.2Hz),7.85(1H,dd,J=7.1,1.7Hz),7.64−7.58(5H,m),7.44−7.40(1H,m),6.68(1H,d,J=8.8Hz),6.32(1H,t,J=6.8Hz),5.68(1H,ddt,J=17.1,10.2,6.3Hz),5.05(1H,d,J=10.2Hz),5.00(1H,d,J=17.1Hz),4.74(2H,d,J=6.3Hz),3.89(2H,t,J=6.8Hz),2.64(2H,t,J=8.0Hz),2.20(2H,t,J=7.5Hz).
ESI−MSFound:m/z[M+H]521
実施例23
6’−(2−アリル−3−オキソ−6−{[4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.89(1H,s),8.06(1H,s),8.01(1H,t,J=8.0Hz),7.92−7.84(3H,m),7.71(2H,d,J=8.8Hz),7.46−7.33(5H,m),6.68(2H,t,J=10.2Hz),6.34−6.26(2H,m),5.69(1H,ddt,J=17.1,10.2,6.3Hz),5.06(1H,d,J=10.2Hz),5.00(1H,d,J=17.1Hz),4.74(2H,d,J=6.3Hz).
ESI−MSFound:m/z[M+H]531
実施例24
6’−[2−アリル−6−({4−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]フェニル}アミノ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.81(1H,s),7.99−7.85(4H,m),7.44−7.35(4H,m),6.70−6.65(3H,m),6.33−6.29(1H,m),5.68(1H,ddt,J=17.1,10.2,6.3Hz),5.05(1H,dd,J=10.2,1.0Hz),4.99(2H,dd,J=17.1,1.0Hz),4.71(2H,d,J=5.9Hz),3.89−3.83(1H,m),3.70−3.63(2H,m),3.53(1H,t,J=8.0Hz),3.20−3.13(1H,m),2.13−1.88(4H,m).
ESI−MSFound:m/z[M+H]537
実施例25
6’−[2−アリル−6−({4−[(2R)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]フェニル}アミノ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.81(1H,s),8.00−7.85(4H,m),7.44−7.36(4H,m),6.68(3H,d,J=9.3Hz),6.33−6.29(1H,m),5.68(1H,ddt,J=17.1,10.2,6.3Hz),5.05(1H,dd,J=10.2,1.0Hz),4.99(1H,dd,J=17.3,1.2Hz),4.71(2H,d,J=5.4Hz),3.86(1H,s),3.71−3.63(2H,m),3.53(1H,t,J=7.8Hz),3.19−3.13(1H,m),2.17−1.99(4H,m).
ESI−MSFound:m/z[M+H]537
実施例26
6’−{2−アリル−3−オキソ−6−[(2,2,3,3−テトラフルオロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)アミノ]−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル}−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.89(1H,s),8.05(1H,t,J=7.8Hz),7.96(1H,d,J=7.8Hz),7.92(1H,s),7.89(1H,d,J=8.3Hz),7.84(1H,dd,J=6.6,1.7Hz),7.70(1H,s),7.44−7.40(1H,m),7.11(2H,s),6.69(1H,dd,J=9.3,1.5Hz),6.34−6.30(1H,m),5.69(1H,ddt,J=17.1,10.2,6.3Hz),5.06(1H,dd,J=10.0,1.2Hz),5.00(1H,dd,J=17.1,1.5Hz),4.75(2H,d,J=6.3Hz).
ESI−MSFound:m/z[M+H]568
実施例27
6’−(2−アリル−6−{[3−(1−メチルピペリジン−4−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.87(1H,s),8.09(1H,t,J=7.8Hz),7.94(2H,dd,J=7.6,5.6Hz),7.86(1H,dd,J=6.8,1.5Hz),7.53(1H,brs),7.47−7.39(3H,m),7.29(1H,t,J=7.8Hz),7.02(1H,d,J=7.3Hz),6.67(1H,d,J=9.3Hz),6.33−6.29(1H,m),5.68(1H,ddt,J=17.1,10.2,6.3Hz),5.05(1H,dd,J=10.2,1.0Hz),4.99(1H,dd,J=17.1,1.0Hz),4.74(2H,d,J=6.3Hz),2.99(2H,d,J=11.7Hz),2.53−2.44(1H,m),2.33(3H,s),2.09−2.02(2H,m),1.87−1.79(4H,m).
ESI−MSFound:m/z[M+H]535
実施例28
6’−[2−アリル−3−オキソ−6−({4−[(2S)−2−(ピロリジン−1−イルメチル)ピロリジン−1−イル]フェニル}アミノ)−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.81(1H,s),7.95(2H,s),7.90−7.85(2H,m),7.43−7.34(3H,m),6.67(1H,d,J=8.8Hz),6.61(2H,d,J=9.3Hz),6.30(1H,t,J=6.3Hz),5.67(1H,ddt,J=17.1,10.2,6.3Hz),5.04(1H,d,J=10.2Hz),4.99(1H,d,J=17.1Hz),4.73(2H,d,J=6.3Hz),3.85(1H,s),3.46−3.42(1H,m),3.18−3.11(1H,m),2.70−2.64(2H,m),2.60−2.55(3H,m),2.47(1H,t,J=11.2Hz),2.16−1.99(4H,m),1.83−1.79(4H,m).
ESI−MSFound:m/z[M+H]590
実施例29
6’−(2−アリル−6−{[3−(ヒドロキシメチル)−4−メトキシフェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.84(1H,s),8.06(1H,t,J=7.6Hz),7.95(1H,d,J=7.8Hz),7.89(1H,d,J=7.8Hz),7.83(1H,d,J=7.3Hz),7.68(1H,brs),7.50(1H,brs),7.44−7.39(1H,m),6.86(1H,d,J=8.8Hz),6.67(1H,d,J=8.8Hz),6.31(1H,t,J=6.8Hz),5.68(1H,ddt,J=17.1,10.2,6.3Hz),5.04(1H,d,J=10.2Hz),4.99(1H,d,J=17.1Hz),4.74(2H,d,J=5.9Hz),4.70(2H,d,J=6.3Hz),3.89(3H,s),2.35(1H,t,J=5.9Hz).
ESI−MSFound:m/z[M+H]498
実施例30
6’−{2−アリル−6−[(2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−イル)アミノ]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル}−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.86(1H,s),8.00(1H,t,J=7.8Hz),7.96−7.92(2H,m),7.86(1H,dd,J=7.6,1.7Hz),7.48(1H,brs),7.44−7.39(1H,m),7.34(1H,s),7.30(1H,dd,J=8.0,2.2Hz),7.10(1H,d,J=8.3Hz),6.68(1H,d,J=9.3Hz),6.33−6.29(1H,m),5.68(1H,ddt,J=17.1,10.2,6.3Hz),5.05(1H,d,J=10.2Hz),4.99(1H,dd,J=17.1,1.5Hz),4.74(2H,d,J=6.3Hz),3.59(2H,s),2.92(2H,t,J=5.9Hz),2.72(2H,t,J=5.9Hz),2.49(3H,s).
ESI−MSFound:m/z[M+H]507
実施例31
6’−[2−アリル−6−({4−[メチル(ピリジン−2−イルメチル)アミノ]フェニル}アミノ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.81(1H,s),8.61(1H,d,J=4.9Hz),7.91−7.84(3H,m),7.62(1H,td,J=7.7,1.8Hz),7.43−7.35(4H,m),7.19(2H,t,J=6.6Hz),6.71(2H,d,J=8.8Hz),6.66(1H,d,J=8.8Hz),6.32−6.28(1H,m),5.67(1H,ddt,J=17.1,10.2,5.9Hz),5.03(1H,d,J=10.2Hz),4.98(1H,dd,J=17.1,1.0Hz),4.72(2H,d,J=5.9Hz),4.67(2H,s),3.16(3H,s).
ESI−MSFound:m/z[M+H]558
実施例32
6’−(2−アリル−6−{[4−(2−メチル−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナ−7−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.82(1H,s),7.97(1H,d,J=7.3Hz),7.93−7.85(4H,m),7.45−7.39(3H,m),6.92(2H,d,J=9.3Hz),6.67(1H,d,J=9.3Hz),6.33−6.29(1H,m),5.68(1H,ddt,J=17.2,10.2,6.3Hz),5.04(1H,d,J=10.2Hz),4.99(1H,dd,J=16.8,1.2Hz),4.73(2H,d,J=6.3Hz),3.10(4H,t,J=5.6Hz),3.08(4H,s),2.37(3H,s),1.90(4H,t,J=5.6Hz).
ESI−MSFound:m/z[M+H]576
実施例33
6’−(2−アリル−6−{[4−(5−メチルヘキサヒドロピロロ[3,4−b]ピロール−1(2H)−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.81(1H,s),7.94−7.85(4H,m),7.43−7.35(3H,m),6.67(1H,d,J=9.3Hz),6.57(2H,d,J=9.3Hz),6.33−6.29(1H,m),5.74−5.62(1H,m),5.04(1H,d,J=10.2Hz),4.99(1H,dd,J=17.1,1.5Hz),4.73(2H,d,J=6.3Hz),3.57−3.51(1H,m),3.27−3.20(1H,m),2.96(1H,brs),2.73(1H,d,J=11.7Hz),2.60−2.48(4H,m),2.33(3H,s),2.24−2.14(1H,m),1.99−1.90(1H,m).
ESI−MSFound:m/z[M+H]562
実施例34
6’−(2−アリル−6−{[4−(1−メチルヘキサヒドロピロロ[3,4−b]ピロール−5(1H)−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.80(1H,s),7.98−7.85(4H,m),7.68(1H,brs),7.43−7.39(1H,m),7.36(2H,d,J=8.8Hz),6.67(1H,d,J=9.3Hz),6.63(2H,d,J=8.8Hz),6.31(1H,t,J=6.1Hz),5.72−5.62(1H,m),5.04(1H,d,J=10.2Hz),4.99(1H,dd,J=16.8,1.2Hz),4.73(2H,d,J=6.3Hz),3.51(1H,d,J=10.2Hz),3.33−3.31(2H,m),3.15(2H,dd,J=10.2,5.4Hz),3.02−2.91(2H,m),2.44(3H,s),2.42−2.38(1H,m),2.22−2.14(1H,m),1.83−1.74(1H,m).
ESI−MSFound:m/z[M+H]562
実施例35
6’−[2−アリル−6−({4−[3−(tert−ブチルアミノ)ピロリジン−1−イル]フェニル}アミノ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.81(1H,s),7.97−7.85(4H,m),7.44−7.33(4H,m),6.67(1H,d,J=8.8Hz),6.52(2H,d,J=8.8Hz),6.30(1H,t,J=6.8Hz),5.67(1H,ddt,J=17.2,10.2,6.3Hz),5.04(1H,d,J=10.2Hz),4.99(1H,d,J=17.1Hz),4.73(2H,d,J=6.3Hz),3.61−3.56(2H,m),3.41(1H,t,J=7.1Hz),3.35−3.28(1H,m),2.95(1H,s),2.30(1H,s),1.85−1.74(1H,m),1.17(9H,s).
ESI−MSFound:m/z[M+H]578
実施例36
6’−{2−イソプロピル−6−[(2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−イル)アミノ]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル}−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,DMSO−d)δ:10.24(1H,brs),8.81(1H,s),8.22(1H,t,J=7.8Hz),7.95(1H,d,J=7.8Hz),7.87(1H,dd,J=7.6,1.7Hz),7.81(1H,d,J=7.8Hz),7.53(1H,ddd,J=9.0,6.6,2.2Hz),7.46(1H,brs),7.41(1H,dd,J=8.3,2.0Hz),7.01(1H,d,J=8.3Hz),6.52(1H,dd,J=9.3,1.0Hz),6.37(1H,td,J=6.7,1.1Hz),4.25−4.17(1H,m),3.44(2H,s),2.75(2H,t,J=5.6Hz),2.57(2H,t,J=5.9Hz),2.35(3H,s),1.33(6H,d,J=6.8Hz).
ESI−MSFound:m/z[M+H]509
実施例37
6’−{2−メチル−6−[(2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イル)アミノ]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル}−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,DMSO−d)δ:10.26(1H,s),8.86(1H,s),8.25(1H,t,J=8.0Hz),8.01(1H,d,J=8.3Hz),7.90(1H,dd,J=6.8,1.5Hz),7.73(1H,d,J=7.8Hz),7.62(1H,brs),7.54(1H,ddd,J=9.1,6.7,2.3Hz),7.40(1H,dd,J=8.5,2.2Hz),6.98(1H,d,J=8.8Hz),6.53(1H,d,J=9.3Hz),6.37(1H,td,J=6.8,1.0Hz),3.44(2H,s),3.38(3H,s),2.81(2H,t,J=5.4Hz),2.59(2H,t,J=5.9Hz),2.34(3H,s).
ESI−MSFound:m/z[M+H]481
実施例38
6’−{2−メチル−6−[(2’−メチル−2’,3’−ジヒドロ−1’H−スピロ[シクロプロパン−1,4’−イソキノリン]−7’−イル)アミノ]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル}−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,DMSO−d)δ:10.25(1H,brs),8.86(1H,s),8.24(1H,t,J=8.0Hz),8.00(1H,d,J=8.3Hz),7.90(1H,dd,J=7.3,1.5Hz),7.75(1H,d,J=7.8Hz),7.54(1H,ddd,J=9.0,6.6,2.2Hz),7.50−7.41(2H,m),6.65(1H,d,J=8.8Hz),6.53(1H,d,J=9.3Hz),6.38(1H,td,J=6.7,1.1Hz),3.58(2H,s),3.38(3H,s),2.34(3H,s),0.90−0.84(4H,m).
ESI−MSFound:m/z[M+H]507
実施例39
6’−{2−イソプロピル−6−[(2’−メチル−2’,3’−ジヒドロ−1’H−スピロ[シクロプロパン−1,4’−イソキノリン]−7’−イル)アミノ]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル}−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.80(1H,s),8.04−7.98(2H,m),7.94(1H,dd,J=7.1,1.7Hz),7.84(1H,dd,J=7.1,1.7Hz),7.61(1H,brs),7.40(1H,ddd,J=9.1,6.7,2.3Hz),7.29(1H,d,J=2.4Hz),6.65(2H,dd,J=18.8,8.5Hz),6.29(1H,td,J=6.8,1.0Hz),4.28−4.21(1H,m),3.69(2H,s),2.54(2H,s),2.47(3H,s),1.47(6H,d,J=6.8Hz),1.03−0.90(4H,m).
ESI−MSFound:m/z[M+H]535
実施例40
6’−{2−イソプロピル−3−オキソ−6−[(2,4,4−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−イル)アミノ]−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル}−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:8.80(1H,s),8.05−7.98(2H,m),7.95(1H,dd,J=7.3,2.0Hz),7.86(1H,dd,J=6.8,2.0Hz),7.40(1H,ddd,J=9.0,6.6,2.2Hz),7.33(1H,dd,J=8.8,2.4Hz),7.30−7.24(2H,m),6.67(1H,d,J=9.3Hz),6.29(1H,td,J=6.8,0.7Hz),4.31−4.20(1H,m),3.52(2H,s),2.43(3H,s),2.40(2H,s),1.47(6H,d,J=6.8Hz),1.31(6H,s).
ESI−MSFound:m/z[M+H]537
実施例41
6’−{2−エチル−6−[(2’−メチル−2’,3’−ジヒドロ−1’H−スピロ[シクロプロパン−1,4’−イソキノリン]−7’−イル)アミノ]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル}−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,DMSO−d)δ:10.25(1H,brs),8.85(1H,s),8.25(1H,t,J=7.8Hz),8.02(1H,d,J=8.3Hz),7.88(1H,dd,J=7.1,1.7Hz),7.76(1H,d,J=7.8Hz),7.54(1H,ddd,J=9.3,6.6,2.2Hz),7.50−7.40(2H,m),6.64(1H,d,J=8.8Hz),6.52(1H,d,J=8.8Hz),6.37(1H,td,J=6.8,1.5Hz),3.96(2H,q,J=7.0Hz),3.57(2H,s),2.44(2H,s),2.33(3H,s),0.99(3H,t,J=6.8Hz),0.92−0.80(4H,m).
ESI−MSFound:m/z[M+H]521
実施例42
6'−{6−[(2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−イル)アミノ]−3−オキソ−2−(2−プロピニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル}−2H−1,2'−ビピリジン−2−オン
Figure 2009054332
H−NMR(400MHz,DMSO−d)δ:10.44(1H,brs),8.91(1H,s),8.24(1H,t,J=8.0Hz),7.92−7.85(2H,m),7.73(1H,d,J=7.8Hz),7.68−7.64(1H,m),7.56−7.50(1H,m),7.44(1H,dd,J=8.3,2.4Hz),7.08(1H,d,J=8.3Hz),6.52(1H,d,J=8.8Hz),6.36(1H,td,J=6.8,1.0Hz),4.76(2H,d,J=2.4Hz),3.55(2H,s),3.20(1H,t,J=2.4Hz),2.80(2H,t,J=5.6Hz),2.65(2H,t,J=5.6Hz),2.40(3H,s).
ESI−MSFound:m/z[M+H]505
本発明の化合物は、優れたWee1キナーゼ阻害作用を有することから医薬の分野、特に各種がん治療の分野において有用である。

Claims (20)

  1. 一般式(I−0)
    Figure 2009054332
    [式中、Rはハロゲン原子で置換されていてもよい、C1−C6アルキル基、C2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基又はC3−C6シクロアルキル基を意味し;
    、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、ハロ−C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基又はハロ−C1−C6アルコキシ基を意味し;
    は水素原子又はC1−C6アルキル基を意味し;
    7aは水素原子、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、ハロ−C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、ヒドロキシ−C1−C6アルキル基若しくは−Q−N(R1c)R1dで表される基を意味するか、又はハロゲン原子、C1−C6アルキル基、ヒドロキシ−C1−C6アルキル基、オキソ基及び−Q−N(R1a)R1bで表される基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよい含窒素複素環基を意味し;
    8aは水素原子、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、ハロ−C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基又はヒドロキシ−C1−C6アルキル基を意味し;
    あるいは、R7a及びR8aが、次式(a)
    Figure 2009054332
    で表される基の隣接する環原子上に互いに存在するときは、R7a及びR8aは一緒になって形成するC2−C6アルキレン基であってもよく、ここで、該C2−C6アルキレン基を構成する1又は2のメチレン基が、それぞれ独立して、酸素原子又は−N(R1e)−で表される基で置き換えられた基を意味してもよく、また、該C2−C6アルキレン基はハロゲン原子、C1−C6アルキル基及びハロ−C1−C6アルキル基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよく、又はR7a及びR8a並びにそれらが結合する環原子は一緒になって、5員ないし7員の脂肪族環と他の3員ないし7員の脂肪族環から形成されるスピロ環若しくはビシクロ環であってもよく、ここで、該スピロ環若しくはビシクロ環を構成する1若しくは2以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基、スルホニル基、カルボニル基又は−N(R1f)−で表される基で置き換えられていてよく、また、該スピロ環若しくはビシクロ環はそれぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基、C1−C6アルキル基、ヒドロキシ−C1−C6アルキル基又は−Q−N(R1g)R1hで表される基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよく;
    1a及びR1bは、それぞれ独立して、水素原子、C1−C6アルキル基若しくはハロ−C1−C6アルキル基を意味するか、又は一緒になって形成するC2−C6アルキレン基を意味し、ここで、該C2−C6アルキレン基はハロゲン原子、C1−C6アルキル基及びハロ−C1−C6アルキル基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよく;
    1c、R1d及びR1eは、それぞれ独立して、水素原子を意味するか、又はハロゲン原子、水酸基、オキソ基、C3−C6シクロアルキル基及び含窒素複素環基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよいC1−C6アルキル基を意味し;
    1fは水素原子を意味するか、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1−C6アルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基及びC2−C7アルカノイル基からなる群より選択される置換基を有していてもよい、C1−C6アルキル基、C3−C6シクロアルキル基又はC2−C7アルカノイル基を意味するか、又は−Q−Cy若しくは−Q−N(R1i)R1jで表される基を意味し;
    Cyはハロゲン原子又はC1−C6アルキル基に置換されていてもよい、アリール基又はヘテロ環基を意味し;
    1g及びR1hは、それぞれ独立して、水素原子を意味するか、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1−C6アルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基、C2−C7アルカノイル基及びC1−C6アルキルスルホニル基からなる群より選択される置換基を有していてもよい、C1−C6アルキル基、C2−C7アルカノイル基若しくはC1−C6アルキルスルホニル基を意味するか、又は−Q−N(R1k)R1lで表される基を意味し;
    1i、R1j、R1k及びR1lは、それぞれ独立して、水素原子を意味するか、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1−C6アルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基、C2−C7アルカノイル基及びC1−C6アルキルスルホニル基からなる群より選択される置換基を有していてもよい、C1−C6アルキル基、C2−C7アルカノイル基又はC1−C6アルキルスルホニル基を意味し;
    及びQは、それぞれ独立して、単結合又はC1−C3アルキレン基を意味し;
    、Q、Q及びQは、それぞれ独立して、単結合又はC1−C6アルキレン基を意味し、ここで該C1−C6アルキレン基を構成する1若しくは2以上のメチレン基は、それぞれ独立して、スルフィニル基、スルホニル基若しくはカルボニル基で置き換えられていてもよく;そして
    X及びYは、それぞれ独立して、メチン基又は窒素原子を意味する]で表される化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
  2. 一般式(I)
    Figure 2009054332
    [式中、Rはハロゲン原子で置換されていてもよい、C1−C6アルキル基、C2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基又はC3−C6シクロアルキル基を意味し;
    、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、ハロ−C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基又はハロ−C1−C6アルコキシ基を意味し;
    は水素原子又はC1−C6アルキル基を意味し;
    は水素原子、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、ハロ−C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、ヒドロキシ−C1−C6アルキル基若しくは−Q−N(R1c)R1dで表される基を意味するか、又はハロゲン原子、C1−C6アルキル基、ヒドロキシ−C1−C6アルキル基、オキソ基及び−Q−N(R1a)R1bで表される基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよい含窒素複素環基を意味し;
    は水素原子、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、ハロ−C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基又はヒドロキシ−C1−C6アルキル基を意味し;
    あるいは、R及びRが、次式(a)
    Figure 2009054332
    で表される基の隣接する環原子上に互いに存在するときは、R及びRは一緒になって形成するC2−C6アルキレン基であってもよく、ここで、該C2−C6アルキレン基を構成する1又は2のメチレン基が、それぞれ独立して、酸素原子又は−N(R1e)−で表される基で置き換えられた基を意味してもよく、また、該C2−C6アルキレン基はハロゲン原子、C1−C6アルキル基及びハロ−C1−C6アルキル基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよく;
    1a及びR1bは、それぞれ独立して、水素原子、C1−C6アルキル基若しくはハロ−C1−C6アルキル基を意味するか、又は一緒になって形成するC2−C6アルキレン基を意味し、ここで、該C2−C6アルキレン基はハロゲン原子、C1−C6アルキル基及びハロ−C1−C6アルキル基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよく;
    1c、R1d及びR1eは、それぞれ独立して、水素原子を意味するか、又はハロゲン原子、水酸基、オキソ基、C3−C6シクロアルキル基及び含窒素複素環基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよいC1−C6アルキル基を意味し;
    及びQは、それぞれ独立して、単結合又はC1−C3アルキレン基を意味し;そして
    X及びYは、それぞれ独立して、メチン基又は窒素原子を意味する]で表される化合物である請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
  3. 7a及びR8aが、次式(a)
    Figure 2009054332
    で表される基の隣接する環原子上に互いに存在し、かつR7a及びR8a並びにそれらが結合する環原子が一緒になって、5員ないし7員の脂肪族環と他の3員ないし7員の脂肪族環から形成されるスピロ環又はビシクロ環であり、ここで、該スピロ環又はビシクロ環を構成する1又は2以上のメチレン基が、それぞれ独立して、酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基、スルホニル基、カルボニル基又は−N(R1f)−で表される基で置き換えられていてよく、また、該スピロ環又はビシクロ環がそれぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基、C1−C6アルキル基、ヒドロキシ−C1−C6アルキル基又は−Q−N(R1g)R1hで表される基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよい、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
  4. がC2−C6アルケニル基である請求項2又は3記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
  5. が−Q−N(R1c)R1dで表される基であるか、又はハロゲン原子、C1−C6アルキル基、ヒドロキシ−C1−C6アルキル基、オキソ基及び−Q−N(R1a)R1bで表される基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよい、アゼチジニル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、ジヒドロピリジル基、2,7−ジアザスピロ[3.5]ノニル基、2,7−ジアザビシクロ[3.3.0]オクチル基及び3,6−ジアザビシクロ[3.3.0]オクチル基からなる群より選択される含窒素複素環基であり、ここでR1a及びR1bが、それぞれ独立して、水素原子若しくはC1−C6アルキル基であるか、又は一緒になって形成するC2−C6アルキレン基であり、R1c及びR1dが、それぞれ独立して、水素原子であるか、又は水酸基、オキソ基、C3−C6シクロアルキル基及びピリジル基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよいC1−C6アルキル基である請求項2記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
  6. 式(a−1)
    Figure 2009054332
    で表される基が、式(a−2)
    Figure 2009054332
    で表される基であり、ここでR及びRが一緒になって形成するC2−C6アルキレン基であって、該C2−C6アルキレン基を構成する1又は2のメチレン基が、それぞれ独立して、−N(R1e)−で表される基で置き換えられた基であり、かつR1eがC1−C6アルキル基である請求項2記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
  7. 式(a−0)
    Figure 2009054332
    で表される基が、式(a−14)
    Figure 2009054332
    で表される基からなる群より選択される基であり、該基の脂肪族環を構成する1又は2以上のメチレン基が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基、C1−C6アルキル基、ヒドロキシ−C1−C6アルキル基又は−Q−N(R1g)R1hで表される基で置換されていてもよい、請求項3記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
  8. 一般式(I−1)
    Figure 2009054332
    [式中、Rはハロゲン原子で置換されていてもよい、C1−C6アルキル基、C2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基又はC3−C6シクロアルキル基を意味し;
    、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、ハロ−C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基又はハロ−C1−C6アルコキシ基を意味し;
    は水素原子又はC1−C6アルキル基を意味し;
    は水素原子、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、ハロ−C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、ヒドロキシ−C1−C6アルキル基若しくは−Q−N(R1c)R1dで表される基を意味するか、又はハロゲン原子、C1−C6アルキル基、ヒドロキシ−C1−C6アルキル基、オキソ基及び−Q−N(R1a)R1bで表される基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよい含窒素複素環基を意味し;
    は水素原子、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、ハロ−C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基又はヒドロキシ−C1−C6アルキル基を意味し;
    あるいは、R及びRは一緒になって形成するC2−C6アルキレン基であって、該C2−C6アルキレン基を構成する1又は2のメチレン基が、それぞれ独立して、酸素原子又は−N(R1e)−で表される基で置き換えられた基を意味し、また、該C2−C6アルキレン基はハロゲン原子、C1−C6アルキル基及びハロ−C1−C6アルキル基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよく;
    1a及びR1bは、それぞれ独立して、水素原子、C1−C6アルキル基若しくはハロ−C1−C6アルキル基を意味するか、又は一緒になって形成するC2−C6アルキレン基を意味し、ここで、該C2−C6アルキレン基はハロゲン原子、C1−C6アルキル基及びハロ−C1−C6アルキル基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよく;
    1c、R1d及びR1eは、それぞれ独立して、水素原子を意味するか、又はハロゲン原子、水酸基、オキソ基、C3−C6シクロアルキル基及び含窒素複素環基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよいC1−C6アルキル基を意味し;
    及びQは、それぞれ独立して、単結合又はC1−C3アルキレン基を意味し;そして
    Xはメチン基又は窒素原子を意味する]で表される化合物である請求項2記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
  9. 一般式(I−2)
    Figure 2009054332
    [式中、R10はC2−C6アルケニル基を意味し;
    、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、ハロ−C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基又はハロ−C1−C6アルコキシ基を意味し;
    は水素原子又はC1−C6アルキル基を意味し;
    70は−Q−N(R10c)R10dで表される基を意味するか、又はハロゲン原子、C1−C6アルキル基、ヒドロキシ−C1−C6アルキル基、オキソ基及び−Q−N(R10a)R10bで表される基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよい、アゼチジン−1−イル基、ピロリジン−1−イル基、4−ピペリジニル基、1−ピペラジニル基、1,2−ジヒドロピリジン−1−イル基、2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナー7−イル基、2,7−ジアザビシクロ[3.3.0]オクタ−2−イル基及び3,6−ジアザビシクロ[3.3.0]オクタ−3−イル基からなる群より選択される含窒素複素環基を意味し;
    80は水素原子、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基又はヒドロキシ−C1−C6アルキル基を意味し;
    あるいは、R70及びR80は一緒になって形成するC2−C6アルキレン基であって、該C2−C6アルキレン基を構成する1又は2のメチレン基が、それぞれ独立して、−N(R10e)−で表される基で置き換えられた基を意味し;
    10a及びR10bは、それぞれ独立して、水素原子若しくはC1−C6アルキル基を意味するか、又は一緒になって形成するC2−C6アルキレン基を意味し;
    10c及びR10dは、それぞれ独立して、水酸基、オキソ基、C3−C6シクロアルキル基及びピリジル基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよいC1−C6アルキル基を意味し;
    10eはC1−C6アルキル基を意味し;
    及びQは、それぞれ独立して、単結合又はC1−C3アルキレン基を意味し;そして
    Xはメチン基又は窒素原子を意味する]で表される化合物である請求項2記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
  10. 以下の化合物から選択される請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩:
    (1)6’−(2−アリル−6−{[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (2)6’−[2−アリル−6−({4−[(3R)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]フェニル}アミノ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (3)6’−[2−アリル−6−({4−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]フェニル}アミノ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (4)2−アリル−1−[3−フルオロ−5−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル]−6−{[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−オン、
    (5)6’−(2−アリル−6−{[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−5−フルオロ−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (6)6’−[2−アリル−6−({4−[(tert−ブチルアミノ)メチル]フェニル}アミノ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (7)2−アリル−6−{[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−1−[3−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル]−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−オン、
    (8)2−アリル−6−{[4−(1−メチルピペリジン−4−イル)フェニル]アミノ}−1−[3−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル]−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−オン、
    (9)6’−(2−アリル−6−{[4−(1−メチルピペリジン−4−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (10)6’−(2−アリル−6−{[3−(ヒドロキシメチル)−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (11)6’−(2−アリル−6−{[3−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (12)6’−(2−アリル−6−{[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−3−メチル−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (13)6’−(2−アリル−6−{[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−4−メチル−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (14)6’−(2−アリル−6−{[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−5−メチル−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (15)6’−(2−アリル−6−{[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−3−メトキシ−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (16)6’−(2−アリル−6−{[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (17)6’−(2−アリル−6−{[4−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (18)N−(3−{[2−アリル−3−オキソ−1−(2−オキソ−2H−1,2’−ビピリジン−6’−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}フェニル)シクロプロパンカルボキサミド、
    (19)6’−[2−アリル−6−({4−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]フェニル}アミノ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (20)6’−[2−アリル−6−({4−[3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イル]フェニル}アミノ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (21)6’−[2−アリル−6−({4−[(ジエチルアミノ)メチル]フェニル}アミノ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (22)6’−(2−アリル−3−オキソ−6−{[4−(2−オキソピロリジン−1−イル)フェニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (23)6’−(2−アリル−3−オキソ−6−{[4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (24)6’−[2−アリル−6−({4−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]フェニル}アミノ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (25)6’−[2−アリル−6−({4−[(2R)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]フェニル}アミノ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (26)6’−{2−アリル−3−オキソ−6−[(2,2,3,3−テトラフルオロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)アミノ]−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル}−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (27)6’−(2−アリル−6−{[3−(1−メチルピペリジン−4−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (28)6’−[2−アリル−3−オキソ−6−({4−[(2S)−2−(ピロリジン−1−イルメチル)ピロリジン−1−イル]フェニル}アミノ)−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (29)6’−(2−アリル−6−{[3−(ヒドロキシメチル)−4−メトキシフェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (30)6’−{2−アリル−6−[(2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−イル)アミノ]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル}−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (31)6’−[2−アリル−6−({4−[メチル(ピリジン−2−イルメチル)アミノ]フェニル}アミノ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (32)6’−(2−アリル−6−{[4−(2−メチル−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナ−7−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (33)6’−(2−アリル−6−{[4−(5−メチルヘキサヒドロピロロ[3,4−b]ピロール−1(2H)−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (34)6’−(2−アリル−6−{[4−(1−メチルヘキサヒドロピロロ[3,4−b]ピロール−5(1H)−イル)フェニル]アミノ}−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (35)6’−[2−アリル−6−({4−[3−(tert−ブチルアミノ)ピロリジン−1−イル]フェニル}アミノ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (36)6’−{2−イソプロピル−6−[(2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−イル)アミノ]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル}−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (37)6’−{2−メチル−6−[(2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イル)アミノ]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル}−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (38)6’−{2−メチル−6−[(2’−メチル−2’,3’−ジヒドロ−1’H−スピロ[シクロプロパン−1,4’−イソキノリン]−7’−イル)アミノ]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル}−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (39)6’−{2−イソプロピル−6−[(2’−メチル−2’,3’−ジヒドロ−1’H−スピロ[シクロプロパン−1,4’−イソキノリン]−7’−イル)アミノ]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル}−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (40)6’−{2−イソプロピル−3−オキソ−6−[(2,4,4−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−イル)アミノ]−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル}−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、
    (41)6’−{2−エチル−6−[(2’−メチル−2’,3’−ジヒドロ−1’H−スピロ[シクロプロパン−1,4’−イソキノリン]−7’−イル)アミノ]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル}−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン、又は
    (42)6’−{6−[(2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−イル)アミノ]−3−オキソ−2−(2−プロピニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル}−2H−1,2’−ビピリジン−2−オン。
  11. 治療的に有効量の請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩及び薬学的に許容され得る担体又は希釈剤を含むことを特徴とする医薬組成物。
  12. 請求項11記載の医薬組成物を含むことを特徴とする抗がん剤。
  13. がん治療において同時に、別々に、又は順次に投与するための組み合わせ製剤であって、以下の(a)及び(b)の2つの別個の製剤を含むことを特徴とする組み合わせ製剤。
    (a)薬学的に許容し得る担体又は希釈剤と一緒に、上記一般式(I−0)で示される化合物又はその薬学的に許容され得る塩を含む製剤、並びに
    (b)薬学的に許容し得る担体又は希釈剤と一緒に、抗がん性アルキル化剤、抗がん性代謝拮抗剤、抗がん性抗生物質、植物由来抗がん剤、抗がん性白金配位化合物、抗がん性カンプトテシン誘導体、抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤、モノクローナル抗体、インターフェロン、生物学的応答調節剤、及びその他抗がん剤からなる群から選択される抗がん剤又はその薬学的に許容され得る塩若しくはエステルを含む製剤;
    ここで、抗がん性アルキル化剤は、ナイトロジェン マスタード N−オキシド、シクロホスファミド、イホスファサミド、メルファラン、ブスルファン、ミトブロニトール、カルボコン、チオテパ、ラニムスチン、ニムスチン、テモゾロミド又はカルムスチンであり、
    抗がん性代謝拮抗剤は、メトトレキサート、6−メルカプトプリンリボシド、メルカプトプリン、5−フルオロウラシル、テガフール、ドキシフルリジン、カルモフール、シタラビン、シタラビンオクホスファート、エノシタビン、S−1、ゲムシタビン、フルダラビン又はペメトレクスド ジソディウムであり、
    抗がん性抗生物質は、アクチノマイシンD、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ネオカルチノスタチン、ブレオマイシン、ペプロマイシン、マイトマイシンC、アクラルビシン、ピラルビシン、エピルビシン、ジノスタチンスチマラマー、イダルビシン、シロリムス、又はバルルビシンであり、
    植物由来抗がん剤は、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、エトポシド、ソブゾキサン、ドセタキセル、パクリタキセル、又はビノレルビンであり、
    抗がん性白金配位化合物は、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、又はオキザリプラチンであり、
    抗がん性カンプトテシン誘導体は、イリノテカン、トポテカン、又はカンプトテシンンであり、
    抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤は、ゲフィチニブ、イマチニブ、又はエルロチニブであり、
    モノクローナル抗体は、セツキシマブ、ベバシズマブ、リツキシマブ、アレムツズマブ又はトラスツズマブであり、
    インターフェロンは、インターフェロンα、インターフェロンα−2a、インターフェロンα−2b、インターフェロンβ、インターフェロンγ−1a、又はインターフェロンγ−n1であり、
    生物学的応答調節剤は、クレスチン、レンチナン、シゾフィラン、ピシバニール、又はウベニメクスであり、そして、
    その他抗がん剤は、ミトキサントロン、L−アスパラギナーゼ、プロカルバジン、ダカルバジン、ヒドロキシカルバミド、ペントスタチン、トレチノイン、アレファセプト、ダルベポエチン アルファ、アナストロゾール、エキセムスタン、ビカルタミド、リュープロレリン、フルタミド、フルベストラント、ペガプタニブ オクタソディウム、デニリューキン ジフティトクス、アルデスリューキン、チロトロピン アルファ、アルセニック トリオキシド、ボルテゾミブ、カペシタビン、又はゴセレリンである。
  14. 薬学的に許容される担体又は希釈剤と一緒に、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩、並びに抗がん性アルキル化剤、抗がん性代謝拮抗剤、抗がん性抗生物質、植物由来抗がん剤、抗がん性白金配位化合物、抗がん性カンプトテシン誘導体、抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤、モノクローナル抗体、生物学的応答調節剤、及びその他抗がん剤(ここで、各抗がん剤の定義は、請求項13の記載と同じである)からなる群から選択される抗がん剤又はその薬学的に許容され得る塩を含むことを特徴とする医薬組成物。
  15. 請求項11記載の医薬組成物を含むことを特徴とする放射線増感剤。
  16. 請求項11記載の医薬組成物を含むことを特徴とする、抗がん性アルキル化剤、抗がん性代謝拮抗剤、抗がん性抗生物質、植物由来抗がん剤、抗がん性白金配位化合物、抗がん性カンプトテシン誘導体、抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤、モノクローナル抗体、生物学的応答調節剤、及びその他抗がん剤(ここで、各抗がん剤の定義は、請求項13の記載と同じである)からなる群から選択される抗がん剤又はその薬学的に許容され得る塩の増感剤。
  17. 抗がん剤を製造するための請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩の使用。
  18. 治療的に有効量の請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を、投与が必要な対象に投与することを特徴とするがんの治療法。
  19. 治療的に有効量の請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を、投与が必要な対象に、放射線療法と組み合わせて、及び/又は抗がん性アルキル化剤、抗がん性代謝拮抗剤、抗がん性抗生物質、植物由来抗がん剤、抗がん性白金配位化合物、抗がん性カンプトテシン誘導体、抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤、モノクローナル抗体、生物学的応答調節剤、及びその他抗がん剤(ここで、各抗がん剤の定義は、請求項13の記載と同じである)からなる群から選択される抗がん剤又はその薬学的に許容され得る塩と組み合わせて投与することを特徴とするがんの治療法。
  20. 治療的に有効量の請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を、投与が必要な対象に、放射線療法と組み合わせて投与することを特徴とするがんの治療法。
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