JP2503143B2 - 軌道の幅方向傾斜角検知装置 - Google Patents

軌道の幅方向傾斜角検知装置

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JP2503143B2
JP2503143B2 JP950492A JP950492A JP2503143B2 JP 2503143 B2 JP2503143 B2 JP 2503143B2 JP 950492 A JP950492 A JP 950492A JP 950492 A JP950492 A JP 950492A JP 2503143 B2 JP2503143 B2 JP 2503143B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軌道の点検・整備に使
用される装置であって、軌道の水準値及びカントを自動
検出するために必要とする軌道幅方向の傾斜角を検知す
る傾斜角検知装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】軌道は、列車の通過する都度に繰り返し
荷重を受けるため、各部は軌道敷設当初の状態に比し、
変位又は変形し、所謂「軌道狂い」を生じ、この軌道狂
い量は一定以上に大きくなれば、列車の脱線事故の発生
の原因となる。そこで、列車が安全に走行し得るために
は、前記軌道狂い量をある一定量以下に常時維持してお
く必要がある。
【0003】従って、前記軌道狂い量の状態は常時適格
に把握しておかねばならない。前記軌道狂いの態様は種
々あるが、軌道の点検・整備においては、該態様のうち
共通して軌間並び水準及びカントを一定量以下に維持管
理することは必須の条件である。
【0004】ここに、軌間とは、図7に示す如く、軌道
1を構成してなる一対の軌条2a,2bにおいて対向す
る軌条の頭部の内側表面間の距離Lであるが、通常各々
の軌道2a,2b上面と該各々の上面下16mm位置との
間における軌条内側面間の最短距離Lo をいう。水準と
は、図8に示す如く、直線軌道において軌道1を構成す
る一対の対向する軌条2a,2bの各々の軌条上面間の
高低差Hをいう。カントとは、図9に示す如く、列車5
が曲線軌道部を走行する際、列車の自重と遠心力とが組
み合った際の合成力Wが、対向する一対の軌条の各々の
軌条上面にほぼ同じ力W/2が作用するように、該曲線
部の内側軌条を基準にして、外側軌条の頂点と内側軌条
の頂点との高さの差を設けた場合の高さの差であり、図
中の寸法Kをいう。
【0005】軌道は列車が通過する度に列車の重量を受
けるため、軌道の水準やカントは、図8に示す如く、軌
道1を構成している軌条2a,2bが枕木3に食い込ん
だり、枕木3自体が枕木3を支えているバラス4中に不
等沈下したりして、所定の高低差に対し狂い(以下「水
準狂い」、「カント狂い」という。)が生じる。
【0006】水準狂いが生じている軌道には、図3に示
す如く、軌道1の幅方向における各々の軌条2a,2b
の頂点位置を結ぶ直線が水平面dに対して形成する軌道
幅方向の傾斜角θは、力学的に該直線に直角な方向aと
重力方向cとが形成する角度に等しいという特質があ
る。
【0007】従って、水準は、前記直線に直角な方向a
と重力方向cとが形成する角度θを検知することによ
り、水準をH、対向する各々の軌条の頂点間の距離を
l、軌道幅方向の傾斜角をθに設定した場合に成立する
物理学的に成立する関係式H=l×sinθによって知
ることができる。また、カントについても前記水準Hと
同様にして算出することができる。
【0008】なお、軌道の水準値やカントを算出するに
当っては、脱線事故を引き起こすに至らない程度に広が
った軌間lを、軌間規格値Lo に置き換えて算出した場
合の水準や、カントの算出誤差は無視できる程度のもの
であるため、通常、前記頂点間の距離ではなく、軌間規
格値Lo を用いている。従って、通常水準やカントの算
出に当たっては H=Lo ×sinθ ……………………………………… なる関係式が使用されている。それ故に、軌道の水準狂
い量及びカント狂い量を正確に検出するために、軌道の
幅方向の傾斜角を正確に測定することが要求されてい
た。
【0009】前述の軌道の幅方向傾斜角の特質を利用し
た軌道水準測定装置21が、特開昭60−233201
号公報によって公開されているが、測定装置21は角度
変位検知器6を前記直線に平行に設置してなる水平基準
ビーム7を軌道1上を走行させながら、角度変位検知器
6を介して前記重力方向とが形成する角度を測定し、該
角度と軌間とから水準を算出するものである。
【0010】図10は前記軌道水準測定装置21の断面
図を示し、軌道1を構成してなる軌条2a,2b上に横
架してなる水平基準ビーム7の下端両側の各々に、断面
がL字形の一対の支持片8を定着・垂下し、これら支持
片の下端に横架・固定した支軸9に円筒状の車輪10を
回転自在に支持し、これら車輪10を対向してなる軌条
2a,2bの各々の頂面を転動自在に敷置する。
【0011】一方、水平基準ビーム7の略中央上面にビ
スのような止着具11で角度変位検知器6を定置し、角
度変位検知器6を構成する筐体12の両側内部に固定・
垂下された断面U字形の軸受13に支軸14を横架・固
定し、これら支軸14に上方を回動自在に貫通された腕
片の下端に、円柱状の重錘16を固定・懸垂する一方、
腕片15の中途に設けた一対の切り込みに係入した突子
17を取付けたU字状の挟持体18に、水準測定桿19
の端部をネジ込みにより固定し(図11に示す。)、水
準測定桿19の中間を、筐体12の略中央に定着した取
付片に介在・固定せる差動トランス52の通孔に貫通さ
せてなるものである。
【0012】軌道水準測定装置21が直線軌道を走行し
ているときは、円柱状の重錘16には慣性抵抗が走行に
よって走行方向に常時発生している。前記慣性抵抗の発
生方向が、重錘16を懸吊する支軸14の軸方向で、し
かも支軸14を縦回転させる方向であるため、慣性抵抗
は支軸14と軸受部13とが当接する力、即ち支軸14
の回動を妨げる力として作用するため、重錘16の振れ
は本来振れるべき振れ幅より小さくなるという欠点があ
った。
【0013】角度変位検知器6の内側天井面に設けた断
面U字形の軸受13の支軸14に固着した重錘16の腕
片15に掛合してなる水準測定桿19の変位を、差動ト
ランス52で検知するものであるから、支軸14と軸受
13との間隙及び掛合部53の間隙は、重錘16の振れ
の動作遅れや動作不足を生じさせる原因となり、振れ角
に誤差を発生させる。従って、重錘16の振れ角は、実
際の軌道幅方向の傾斜角より小さなものとなり、傾斜角
が小さい程振れが鈍くなり誤差がより多いものとなる。
【0014】水準狂いの許容範囲はもともと狭いため
に、軌道の幅方向の傾斜角は小さな値(例えば、軌間が
1035mmで水準狂いが1mmである状態である場合の軌
道の幅方向傾斜角は約0.055度である。)となると
ころにもって、前述の如く、重錘16の振れ幅が小さく
なることは、算出に用いる軌道幅方向の傾斜角が実際の
傾斜角より小さくなることになり、このため検出された
軌道の水準やカントは大きな誤差を含むこととなる。
【0015】また、前記慣性抵抗は軌道水準測定装置2
1の走行速度が早くなるに連れて大きくなるため、重錘
16の角度変位量は軌道の幅方向の傾斜角にますます追
従できず、変化量と傾斜角との差はより大きなものとな
る。従って、角度変位検知器6によって検出された軌道
の幅方向傾斜角は、軌道水準測定装置21の走行速度が
早くなるに連れて不正確さを増すという欠点があった。
【0016】更に、軌道水準測定装置21が曲線軌道を
走行しているときは、円柱状の重錘16には曲線の接線
方向に慣性抵抗が曲線の半径方向に遠心力とが常時発生
している。また、曲線軌道にはカントが設けてあるの
で、重錘16は慣性抵抗、遠心力、カントによって合成
された角度変位を生ずる。
【0017】慣性抵抗、遠心力は、水平基準ビーム7の
走行速度が早くなるに連れて大きくなるため、重錘16
の角度変位量は軌道1の幅方向の傾斜角に相当する量の
角度変位と相違する。殊に、遠心力による重錘16の角
度変位量は遠心力の作用する方向が重錘16を懸吊する
支軸14を回動する方向であるため、大きな値となると
いう欠点があった。
【0018】以上のことから、前記に開示されている軌
道水準検測装置21は、低速走行でしか実用に供するこ
とができず、また精度の悪いものであるといえる。前述
の欠点を改善した傾斜角の測定方法に、回転軸の不動性
を応用したジャイロスコープを用いて傾斜角を測定する
方法があるが、該測定方法は、回転軸の水平面に対する
測定開始時の位置を管理しなければならないため、測定
準備に回転駆動位置の微調整作業が伴い面倒であり、ま
た高価であるという欠点があった。前記微調整作業は炎
天下・寒風下であっても列車の脱線を未然に予防するた
めに作業遂行を余儀なくされるもので、時として極めて
苦痛な作業になるという問題もあった。列車速度が早く
なり、軌道の使用状態が過密化したことにより軌道の点
検・整備作業時間が極限近くまでに短縮化されている今
日においては、軌道の点検・整備を行なう上で最も基本
たる水準値及びカント狂い量を適切に管理していくため
に、その基礎値となる軌道の幅方向の傾斜角を点検・整
備を行っている現場で、簡易に正確にかつ迅速に検出で
きる装置の出現が切望され続けていた。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の問題
点に鑑みなされたもので、重錘の傾動を用いないで、か
つ、検出装置の走行速度が早くかつ検出部が曲線軌道部
であっても、正確な軌道の幅方向の傾斜角が簡易に正確
にかつ迅速に検出できる装置を提供することを目的とす
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、軌道を走行
する台車の機枠に、懸吊部付近に薄肉化した溝底で構成
された蝶番を板幅面に水平方向に具備した板状振子を、
軌道に対し該板状振子の幅面を平行に設置し、かつ、該
板状振子の振れ力を電気信号に変換する電気回路と、該
電気信号を該振子の吊設部の傾斜角度に変換する電気回
路を設置したことを特徴とする軌道の幅方向傾斜角検知
装置(A)である。
【0021】更に本発明は軌道を走行する台車の機枠
に、音叉及び音叉を駆動する電気回路、音叉の振動方向
に対し垂直方向に配置した板ばね、該板ばねの振動を電
気信号に変換する電気回路とから構成された板ばね振動
検知装置を、軌道に対し該板ばねの幅面を平行に設置
し、該電気信号を角速度に変換する電気回路と、懸吊部
付近に薄肉化した溝底で構成された蝶番を板幅面に水平
方向に具備した板状振子を、軌道に対し該板状振子の幅
面を平行に設置し、かつ、該板状振子の振れ力を電気信
号に変換する電気回路と、該電気信号を該振子の吊設部
の傾斜角度に変換する電気回路及び両電気信号からの軌
道の傾斜角を演算する電気回路を設置したことを特徴と
する軌道の幅方向傾斜角検知装置(B)である。
【0022】
【作用】図1は本発明の軌道の幅方向傾斜角検知装置
(B)22の半断面側面図を示すもので、軌道の幅方向
傾斜角を用いて水準を演算する装置31、傾斜角や該水
準の記憶装置32、記録装置33及び画像表示装置34
等を具備したものである。図2(a)は図1のA−A断
面図で、図中の35は、懸吊部41付近に水平に位置し
た細溝51a,51b(図2(c))の底に対向して設
けることにより、該底間をばね性が極めて小さく、かつ
可塑性に至るまで肉薄化して成る蝶番を形成した矩形の
縦長い板状振子35である。 また、板状振子35の該溝
底の厚さは、板厚方向の振れに対し圧潰しない強度を保
持し得るに足るものである。更に、板状振子35は、軌
道1を構成する軌条2a,2bの頂点位置を結ぶ水平な
直線に対し、板状振子35の両幅面36a,36bが垂
直に設置され、かつ、両幅面36a,36bのそれぞれ
の面にコイル50a,50bが固定されたものである。
筐体12の天井に懸垂されてなる板状振子35の両幅面
36a,36bには、図2(b),(c)に示す如く、
コイル50a,50bがその端面を対向して対称に固着
され、磁石54a,54bの各々の一方がコイル50
a,50b内に遊嵌し、各々の他方が筐体12の内側面
に固着され、板状振子35は軌条2a,2bの各々の上
端の高さ間に差位がない状態において垂直に垂下してな
る。
【0023】以上の構成であるため、板状振子35の振
れの起点、即ち曲り部は、図10に示す角変位検出器に
おける軸受13と、腕片15を介して重錘16を固着し
た支軸14とで構成された摺動構造であるのと異なり、
細溝51の底部であるため、振子35の板厚方向に外力
が加重されても、細溝51の溝底の幅が細いので外力に
よって捩れることなく、また外力による板厚方向の振れ
力即ちモーメントによって圧潰しない強度を有している
ので、外力は板状振子35の振れを妨げる力として作用
しない。
【0024】従って、板状振子35は、従来の支軸に固
着した振子と異なり、軌道傾斜角検知装置(B)22の
進行方向に発生する慣性力に影響されることなく、軌道
傾斜角検知装置(B)22の傾いた角度、即ち軌道の幅
方向の傾斜角と等しい角度に正確に変位する。
【0025】前述の板状振子35は、板状振子35の下
端部の両側面に突起43a,43bを有し、板状振子3
5の鉛直垂下時においては各々の突起先端は圧電素子4
5a,45bと一定の微小な間隙44a,44bを介在
して(接触に近い状態で)位置している。尚、図2では
間隙44a,44bが大きく記載されているが、これは
説明の都合上大きく記載したものである。
【0026】図3は軌道傾斜角、水準、及び本発明にお
ける軌道の傾斜角検知装置(B)22を構成する板状振
子35との関係を示したものである。図中のaは板状振
子35の中心線が圧電素子45a,45bの中間に位置
しているときの中心線であり、bは軌道の該傾斜角検知
装置(B)22が傾いたため、板状振子35の下端部4
2が変位して突起43aの先端が圧電素子45aに当接
しているときの板状振子35の中心線であり、cは圧電
素子45a,45bが具備されていないと仮定した場合
に、傾斜角検知装置(B)22が傾いた際、板状振子3
5の下端部42が変位したときの最大変位時における板
状振子35の中心線である。又dは軌道が傾斜している
ときの一対の軌条のうち低い方の軌条の頂点を通る水平
線である。
【0027】46は板状振子35の変位を検出するため
の変位検出器で、一対の対向してなる圧電素子45a,
45bで構成され、圧電素子45a,45bは板状振子
35が変位していないときの板状振子35の中心線が圧
電素子45a,45b間の中心に位置して固設されてな
る。
【0028】直線軌道に水準狂いがある場合即ち軌道が
幅方向に傾斜している場合、軌道傾斜角検知装置(B)
22は軌道の傾斜に応じて傾き、板状振子35は、図3
に示す如く、細溝51部で曲り水平面に対し垂下しよう
とする。
【0029】前記垂下しようとした板状振子35の突起
43a先端は圧電素子45aに当接し、当接した圧力の
大きさに相応した圧電電流が発生し、圧電電流は増幅器
(図示せず)によって増幅され、振子の幅面に固定され
てなるコイル50aに流れる。
【0030】従って、前記コイル50aを流れる電流と
前記コイル50a内に遊嵌して定置された磁石54aの
磁力線とにより、板状振子35の端部を変位検出器46
の中心に押し戻す力が発生する。
【0031】前記押し戻す力が強すぎると、板状振子3
5の突起43a先端が圧電素子45aから離れ、他側突
起先43b端が他側圧電素子45bに当接し、板状振子
35の突起43a先端が圧電素子45aに当接した場合
と同様にして圧電素子45bから離れる。
【0032】ここに、押し戻す力は板状振子35の細溝
51から下の振子部、該振子部に固定されたコイル50
a,50bその他振子部の附属物の総重量と、振子が変
位しようとした変位角及び前記当接した圧力等とで定ま
る力であるという関係、圧電素子45a,45b間に均
等圧電電流が発生しているときの電流は該力と相対関係
にあること等から、これらの関係を物理計算することに
よって板状振子35の変位角を算出することができる。
【0033】図3の場合とは逆の方向に前記板状振子3
5が振れたときも、前記と同様にして板状振子35の変
位角を算出することができる。ここに、板状振子35は
縦長い程また前記総重量が大きい程振れ力が大きくなっ
て、軌道1の幅方向の傾斜に対する板状振子35の変位
現象の感度が良くなる。
【0034】なお、板状振子の振れ角を検出する電気回
路は、従来から慣用されてきている自動制御の電気回路
を活用したもので十分である。板状振子35は、本発明
の軌道の幅方向傾斜角検知装置を構成する4個の走行輪
49a,49b,49c,49dにおける対角関係の対
角線の交叉する交叉点上に、板状振子35の幅面36を
軌条2a,2bと平行に設置してなる。従って、走行輪
は4個の内いずれか3個の走行輪が軌条と当接するが、
板状振子は前記対角線の中央にあるため、軌条に当接す
る走行輪が入れ替わっても傾動しない。
【0035】以上の構成であるから、本発明の軌道傾斜
角検知装置(B)22によって、軌道1の幅方向の傾斜
角を検知する場合、板状振子35の振れは装置の走行速
度が速くても並びに急加速または急減速されても、走行
速度に影響されることなく、軌道の幅方向の傾斜角に等
しい角度を検知することができるという特徴がある。更
に、本発明の軌道水準検知装置(B)が曲線軌道のある
位置を速度Vで通過する際、板状振子35に振れを妨げ
る要素がない場合においては、図4に示す如く、軌道1
が曲線であるため板状振子35に遠心力が作用し、板状
振子35の振れ角は遠心力によって押し戻されるため、
振れ角は軌道1の幅方向の傾斜角と同一にならない。
【0036】このときの板状振子35に作用する遠心力
をa、板状振子35に働く角速度をω、板状振子の振れ
角をφ、板状振子に遠心力が作用していないとき、即ち
軌道傾斜角検知装置が前記位置に停止しているときの板
状振子の振れ角をθとすれば、力学的法則によりa=V
×ω及びGo sinθ=Go sinφ+acosφの関
係式が成立するため、両該式をまとめると sinθ=(Go sinφ+V・ωcosφ)/Go =〔Go sinφ+V・ω・(1−sin2 φ)1/2 〕/Go … なる関係式が成立する。
【0037】このため、軌道傾斜角検知装置の走行速度
Vは慣用されている速度計を用いて、また板状振子の振
れ角φは本発明の軌道傾斜角検知装置を用いて測定する
ことができ、重力加速度Go は定数値であるから、板状
振子に作用する角速度ωが解れば、遠心力が作用してい
ないときの板状振子の振れ角θを算出することができ
る。従って、前記式によって水準Hを算出することが
できる。
【0038】図1に示す本発明の軌道傾斜角検知装置2
2は、前述の軌道傾斜角検知機構に角速度の検出機構を
組み付けて前記式の演算機能を有する演算装置を組み
込んだものである。
【0039】前記角速度検出機構は、図1及び図5に示
す如く、板ばね38を音叉37の振動方向に対し垂直に
かつ軌条2a,2bと平行に設置し、音叉37を駆動す
る電気回路27を設け、板ばね38の振動を電気信号に
変換する電気回路28とから構成されてなるもので、俗
称「振動ジャイロ」と呼称されているものである。
【0040】音叉37が電気回路27が駆動されている
ときに、外力である角速度が板ばね38に作用すると、
板ばね38に物理学的な力であるコリオリ力が発生し、
板ばね38は角速度に比例した振動をする。
【0041】前記板ばね38の振動を検知装置40で検
知し、振動値を電気回路29によって角速度として電気
信号に変換し、該電気信号を演算用電気信号に変換し、
該演算用電気信号や前記式の演算電気回路等で機能す
る電気回路30によって、前記板状振子35の遠心力が
作用していないときの振れ角θを算出することができ
る。
【0042】ここで、本発明の角速度検出機能付軌道傾
斜角検知装置(B)22が直線軌道を走行する場合、角
速度が作用しないためω=0、板状振子は遠心力が作用
しないためφ=θとなるため、軌道の幅方向の傾斜角θ
を検出できる。
【0043】それ故に、図1に示す本発明の角速度検出
機能付軌道傾斜角検知装置(B)22は、走行する軌道
が低速高速を問わず軌道の幅方向の傾斜角を連続して検
知できる。従って、軌道の幅方向の傾斜角θと軌間寸法
とから前述の如くして軌道の水準値を算出することがで
きる。該水準値から所定のカント値とを差し引くことに
よってカントの狂い量もわかる。
【0044】従来のこのような検測は微低速でしかでき
ず、しかもその検測値は遠心力の作用を受けるためあま
り正確でなかったが、本発明の角速度検出機能付軌道傾
斜角検知装置を牽引することによって、低速走行中(約
15km/H)でも正確に検知ができるようになった。
【0045】従来から用いられている方式の角度変位検
出器、例えば特開昭60−233201号公報に開示さ
れているような振子の吊設部の摺動によって振子が振れ
る方式では、走行速度が速くなると遠心力が大きくな
り、振子には遠心力と走行による慣性力との合成力が作
用し、傾斜角遠心力相応した振れを示さないため、角速
度が検出できても前記式の活用ができなかった。
【0046】しかしながら、本発明の軌道の幅方向傾斜
角検知装置(B)22では板状振子35を用いて傾斜角
を検出するが故に、走行による慣性力の影響を受けず、
また遠心力は振子の本来の振れ方向に作用するために前
記式が活用できるのであり、このような特質を有する
軌道の傾斜角検知装置は全く新規なものと言える。
【0047】なお、図6は図1に示す本発明の軌道の幅
方向傾斜角検知装置(B)22のブロックダイヤグラム
の実施例を示すもので、図中のポテンシャルメータ47
は軌間変位量を検出するもので、軌道を構成する一対の
軌条の各々を基準として軌間変位量を検出し、その各々
の軌間変位量の平均値を基に実軌間を演算するために各
々の軌条の略対向位置に設け、回転パルス発生器48は
検知装置の走行速度を検出するための走行輪49a,4
9b,49c,49dの回転速度に応じたパルスを発生
する機器で、各々の軌条2a,2bを転動する走行輪の
走行速度を検出し、その各々の走行輪速度の平均値を基
に、軌道の幅方向傾斜角検知装置の走行速度を演算する
ために各々の軌条の走行輪に設けられている。
【0048】従って、曲線軌道において前記ブロックダ
イヤグラムを機能する軌道の傾斜角検知装置を用いて軌
道傾斜角を検知すれば、実軌間に基づいた軌道傾斜角が
演算されるため、規格軌間を用いた場合の水準、水準狂
い、カント及びカント狂いの検出値よりも正確に検出で
きる。
【0049】尚、本発明の軌道傾斜角検知装置を用いて
直線及び曲線軌道において、時速8km/Hで測定した水
準測定結果を表1に示す。水準測定結果は表1に示す如
く人力測定による水準測定値と略同一である。
【0050】
【表1】
【0051】人力測定による水準測定の測定精度は、実
際の水準値に対し−1mmから+1mmの範囲内であること
からして、本発明の軌道傾斜角検知装置による水準測定
の測定精度も、実際の水準値に対し−1mmから+1mmの
範囲内に近いものであるといえる。
【0052】また、本発明の軌道傾斜角検知装置は、時
速15km/H程度の速度まで有効に使用できることが実
証されている。市販されている手押し式軌道検測装置の
検測走行速度は、メーカ型録値によれば4km/Hが限度
であることからも本発明の技術の進歩性が伺い知ること
ができる。
【0053】本発明の軌道の幅方向傾斜角検知装置
(B)は前述の特徴を有するため、軌道の外観や信号系
統を目視点検しながら、軌道の水準を点検する場合等に
おいては、検知装置を断続走行することを余儀なくされ
るが、断続走行中のいずれの時点においても本発明の軌
道傾斜角検知装置が位置しているため、軌道傾斜角検知
装置に具備してなる演算装置を介して、傾斜角を基に軌
道の水準を検知することができるという特徴がある。
【0054】本発明の軌道の幅方向傾斜角検知装置
(B)は、以上の構成であるから、小形でしかも2名の
人力で移動可能な重量(約60kg)であり、軌道検知中
に列車が近接してくる場合は、軌道の幅方向傾斜角検知
装置を抱えて軌道から容易に退避することができる。
【0055】図1に示す本発明の軌道の幅方向傾斜角検
知装置(B)から角速度を測定する機構を除去した軌道
の幅方向傾斜角検知装置(A)(図示せず)にあって
は、直線軌道における走行中での軌道の幅方向傾斜角の
検知をすることができるが、曲線軌道における走行中で
の軌道の幅方向傾斜角の検知については、前記板状振子
が受ける遠心力の影響を補正できないために検知できな
い。しかし、曲線軌道については走行中でなく停止状態
で曲線軌道の幅方向の検知であれば、前記板状振子によ
って正確に軌道の幅方向傾斜角の検知ができる。
【0056】
【発明の効果】本発明の軌道傾斜角検知装置は従来の傾
斜角測定器とは異なり、傾斜角を検出する機器には摺動
部分がないため、衝撃や振動に強く故障しにくいという
長所があり、また傾斜角を用いて演算できる水準、水準
狂い量、カント、カント狂い量等の演算装置や演算結果
の記憶装置、記録装置及び画像表示装置を具備すること
によって、軌道の性状の検査を簡易に正確にしかも迅速
に行うことができるようになった。
【0057】このため、軌道の点検・整備作業は信頼性
の高いものになると共に、その作業時間が短くなった。
また、本発明の軌道傾斜角検知装置を列車に牽引させる
ことにより、従来より困難視されていた点検・整備時に
おける軌道載荷状態の水準狂いやカント狂いの検知がか
なうようになった。更に、本発明の軌道傾斜角検知装置
は以上の如く構造が極めて簡単であるから安価なもので
ある。従って、本発明は列車の安全運行に絶大なる寄与
を果たすことになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の軌道の幅方向傾斜角検知装置(B)の
半断面側面図である。
【図2】(a)は図1のA−A断面図、(b)は部分斜
視図、(c)は(b)の断面図である。
【図3】軌道傾斜角、水準、及び本発明である軌道の傾
斜角検知装置(B)22を構成する板状振子との関係を
示す説明図である。
【図4】曲線軌道を走行中である場合の板状振子の振れ
の状態を示す断面図である。
【図5】振動ジャイロの概念を示す断面図である。
【図6】本発明の軌道の傾斜角検知装置(B)のブロッ
クダイヤグラムである。
【図7】通常の軌間を表示した説明図である。
【図8】水準を表示した説明図である。
【図9】カントを表示した説明図である。
【図10】従来例の角度変位検知器の断面図である。
【図11】図10のA−A断面図である。
【符号の説明】
1 軌道 2a,2b 軌条 3 枕木 4 バラス 5 列車 6 角度変位検出器 7 水平基準ビーム 8 支持片 9 支軸 10 車輪 11 止着具 12 筐体 13 軸受 14 支軸 15 腕片 16 重錘 17 突子 18 U字状の支持体 19 水準測定桿 20 通孔 21 軌道水準測定装置 22 軌道の幅方向傾斜角検知装置(B) 23 傾斜検知センサー 24 角速度検知センサー 25 振子の振れを電気信号に変換する電気
回路 26 傾斜角度に変換する電気回路 27 音叉を駆動する電気回路 28 板ばねの振動を電気信号に変換する電
気回路 29 角速度に変換する電気回路 30 軌道の傾斜角を演算する電気回路 31 水準を演算する装置 32 記憶装置 33 記録装置 34 画像表示装置 35 板状振子 36a,36b 幅面 37 音叉 38 板ばね 39 幅面 40 振動検知装置 41 懸吊部 42 下端部 43a,43b 突起 44a,44b 間隙 45a,45b 圧電素子 46 変位検出器 47 ポテンシャルメータ 48 回転パルス発生器 49a,49b,49c,49d 走行輪 50a,50b コイル 51 細溝 52 差動トランス 53 掛合部 54a,54b 磁石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大木 克孝 北九州市八幡東区川淵町9−27 太平工 業株式会社 八幡支店内 (72)発明者 山本 孝雄 北九州市八幡東区川淵町9−27 太平工 業株式会社 八幡支店内 (72)発明者 池端 宏美 北九州市八幡東区川淵町9−27 太平工 業株式会社 八幡支店内 (72)発明者 柴田 浩継 北九州市八幡東区川淵町9−27 太平工 業株式会社 八幡支店内 (72)発明者 佐渡 正明 北九州市八幡東区川淵町9−27 太平工 業株式会社 八幡支店内 (56)参考文献 特開 昭53−131863(JP,A) 特開 昭60−220814(JP,A) 特開 昭61−148320(JP,A) 実開 昭53−34705(JP,U) 実開 昭53−34706(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軌道を走行する台車の機枠に、懸吊部付
    に薄肉化した溝底で構成された蝶番を板幅面に水平方
    向に具備した板状振子を、軌道に対し該板状振子の幅面
    を平行に設置し、かつ、該板状振子の振れ力を電気信号
    に変換する電気回路と該電気信号を該振子の吊設部の傾
    斜角度に変換する電気回路を設置したことを特徴とする
    軌道の幅方向傾斜角検知装置。
  2. 【請求項2】 軌道を走行する台車の機枠に、音叉及び
    該音叉を駆動する電気回路、音叉の振動方向に対し垂直
    方向に配置した板ばね、該板ばねの振動を電気信号に変
    換する電気回路とから構成された板ばね振動検知装置
    を、軌道に対し該板ばねの幅面を平行に設置し、該電気
    信号を角速度に変換する電気回路と、懸吊部付近に薄肉
    化した溝底で構成された蝶番を板幅面に水平方向に具備
    した板状振子を、軌道に対し該板状振子の幅面を平行に
    設置し、かつ、該板状振子の振れ力を電気信号に変換す
    る電気回路と、該電気信号を該振子の吊設部の傾斜角度
    に変換する電気回路及び両電気信号からの軌道の傾斜角
    を演算する電気回路を設置したことを特徴とする軌道の
    幅方向傾斜角検知装置。
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