JPWO2009051173A1 - 水溶性封入包材 - Google Patents

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Abstract

水へ分散・溶解させる薬剤を封入でき、水溶性であり、健康を害する恐れがある物質を含まず安全で安心して使用でき、薬剤とりわけ塩素含有又は臭素含有化合物が含まれた薬剤を封入して長期間保存しても劣化せず水に溶け易いままであり耐ハロゲン性に優れた水溶性封入包材を提供する。水溶性封入包材は、ポリビニルアルコール樹脂の100重量部と、ハイドロタルサイト類化合物、IIa族及びIIb族の金属を含む炭酸塩、該金属を含む酸化物、及び該金属を含む水酸化物から選ばれる少なくとも1種類の無機化合物の0.1〜100重量部とが含有されている包装素材で形成されハロゲン含有の薬剤を封入するものである。

Description

本発明は、殺菌剤や洗浄剤などの薬剤、特に塩素含有又は臭素含有化合物が含まれた薬剤を封入する水溶性の封入包材に関するものである。
洗剤、洗浄剤、殺菌剤、殺虫剤、除草剤、肥料、染料などの薬剤を、一回の使用量分だけ充填し封入して個別に包装する包材が汎用されている。
このような薬剤が、水溶性樹脂フィルム製の袋や水溶性樹脂製の成型容器のような水溶性封入包材に封入されていると、使用の際に包材を開封して薬剤をわざわざ取り出さなくとも、そのまま水中に投入するだけで薬剤を水に溶解、分散させることができる。そのため、水溶性封入包材を用いると、飛散すれば作業者が吸入して健康を害したり作業環境を汚染したりする恐れがある粉末の薬剤や、直接触れたら作業者の皮膚に障害を与える固体又は液体の薬剤を、安全に取扱うことができる。また、その包材に予め適量の薬剤を個別に封入しておけば、一回毎の使用量を簡便に管理でき、作業効率が高まる。
作業者に対する安全性や環境保全の観点から水溶性封入包材の使用が望まれる殺菌剤、洗浄剤、農薬のような薬剤には、塩素含有又は臭素含有化合物が含まれた薬剤が多い。そのような薬剤をこの水溶性封入包材で長期間保管している間に、その塩素や臭素の所為で容器自体が劣化し水に不溶となったり難溶となったりする。
そこでそのような劣化を回避するため、特許文献1に、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−tert−ブチルカテコールなどのラジカル補足剤をポリビニルアルコール樹脂に添加した塩素含有物質包装用フィルムが、開示されている。ハイドロキノンは、様々な排出源から排出又は移動される潜在的に有害な環境汚染物質を行政機関で登録するというPRTR制度の対象物質中の第1種の物質であり、直接皮膚に触れる化粧品に使用する場合に2%以下の低濃度で使用しなければならず、高濃度で刺激性を有するから原末のまま直接触れると危険な物質である。
特許文献2に、変性ポリビニルアルコールに没食子酸又は没食子酸プロピルをポリビニルアルコール樹脂に対して添加した塩素含有物質包装用フィルムが開示されている。また、特許文献3に、スルホン酸基を有する変性ポリビニルアルコールへ没食子酸又は没食子酸プロピルを添加した塩素含有物質包装用フィルムが開示されている。没食子酸や没食子酸プロピルは、商品にそれを含有していることの表示が義務付けられた成分であり、アレルギー障害の惹起の恐れがある物質である。
このような規制されている物質を含むことなく、しかも薬剤とりわけハロゲン含有の薬剤を封入して長期保管しても、水に不溶もしくは難溶とならない個包装用の容器が望まれている。
特開平9−316270号公報 特開2003−104435号公報 特開平11−222546号公報
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、水へ分散・溶解させる薬剤を封入でき、水溶性であり、健康を害する恐れがある物質を含まず安全で安心して使用でき、薬剤とりわけ塩素含有又は臭素含有化合物が含まれた薬剤を封入して長期間保存しても劣化せず水に溶け易いままであり耐ハロゲン性に優れた水溶性封入包材を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた特許請求の範囲の請求項1の水溶性封入包材は、ポリビニルアルコール樹脂の100重量部と、ハイドロタルサイト類化合物、IIa族及びIIb族の金属を含む炭酸塩、該金属を含む酸化物、及び該金属を含む水酸化物から選ばれる少なくとも1種類の無機化合物の0.1〜100重量部とが含有されている包装素材で形成されハロゲン含有の薬剤を封入することを特徴とする。
請求項2に記載の水溶性封入包材は、請求項1に記載されたもので、前記無機化合物が、下記化学式(1)
Al(OH)2p+6−2q・rHO ・・・(1)
(式中、Mはマグネシウム,カルシウム及び/又は亜鉛、p,qは2p+6−2q>0にする正数、rは0又は正数、AはCO又はHPO
で表わされることを特徴とする。
請求項3に記載の水溶性封入包材は、請求項1に記載されたもので、前記無機化合物が、前記金属をマグネシウム、カルシウム及び/又は亜鉛とし、前記炭酸塩、前記酸化物、又は前記水酸化物であることを特徴とする。
請求項4に記載の水溶性封入包材は、請求項1に記載されたもので、前記包装素材が、前記薬剤を封入するフィルムであってその周囲を融着又は接着されて袋状に前記形成され、又は前記薬剤を封入する空洞を有する容器に成型されて前記形成されていることを特徴とする。
請求項5に記載の水溶性封入包材は、請求項1に記載されたもので、前記薬剤が、塩素含有又は臭素含有化合物を含んでいることを特徴とする。
本発明の水溶性封入包材は、水に溶け易いので水へ投入するだけで速やかに溶解し、それに封入されているハロゲン含有薬剤を水へ放出して簡便に分散・溶解させることができる。
水溶性封入包材は、ハロゲン含有薬剤、特に塩素含有又は臭素含有化合物が含まれた薬剤を封入し、長期間保存した後であっても、劣化せず水に溶け易いままである。
しかもこの水溶性封入包材は、健康を害する恐れがある物質を含まず安全で安心して使用できるから、日常用いられる洗剤のような薬剤、医療用薬剤、工業用薬剤、塗装用薬剤などを封入するのに、汎用的に用いることができる。
この水溶性封入包材は、可撓性のフィルムにしても、可撓性又は非変形性の容器にしても、薬剤を包装して封入するのに適している。個包装用に使用できるから、作業者や管理者、使用者が使い易い。
発明を実施するための好ましい形態
以下、本発明の実施のための好ましい形態を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
水溶性封入包材の好ましい形態は、ポリビニルアルコール樹脂と、無機化合物としてハイドロタルサイト類化合物とを含む水溶性フィルムで形成されている。この水溶性封入包材は、フィルムの周囲を融着又は接着されて、ハロゲン含有の薬剤を封入し、袋状に形成されている。
水溶性封入包材は、以下のようにして製造される。ポリビニルアルコール樹脂とハイドロタルサイト類化合物とを混練して樹脂組成物とし、押出成型のような方法でフィルムにする。それを適当な大きさに切断し、その2枚を重ね合わせ、その三辺を融着又は接着して袋状とする。そこに、ハロゲン含有の薬剤を充填し、残りの一辺を融着又は接着することによって、その薬剤を封入すると、水溶性封入包材が得られる。
水溶性封入包材が、袋状である例を示したが、空洞を有する柱状、樽状、瓶状、又は錘状に成型されて形成された容器であってもよい。
無機化合物として、ハイドロタルサイト類化合物の例を示したが、ハイドロタルサイト類化合物、周期表のIIa族及びIIb族の金属の炭酸塩、その金属の酸化物、その金属の水酸化物から選ばれる少なくとも1種類であってもよい。
ハイドロタルサイト類化合物は、MgAl(OH)16CO・4HOであるハイドロタルサイト石、又はそのMgやOHやCOが置換されたり結晶水が増減したりしたハイドロタルサイト石群であり、具体的には、化学式(1)
Al(OH)2p+6−2q・rHO ・・・(1)
(式中、Mはマグネシウム,カルシウム及び/又は亜鉛、p,qは2p+6−2q>0にする正数、rは0又は正数、AはCO又はHPO)で表わされるものであることが好ましく、中でもMがマグネシウムでAがCOである化合物が一層好ましい。pが4〜8でありqが0.5〜2であると一層好ましい。またrが0〜20であると一層好ましい。
ハイドロタルサイト類化合物は、アニオン交換機能を有する層状複水酸化物であり、水分子やイオンをインターカレートすることができるものである。
また、周期表IIa族及びIIb族の少なくとも何れかの金属の炭酸塩、酸化物、又は水酸化物は、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛であると一層好ましい。これらの複数種の混合物であってもよい。より具体的には、ハンタイト[MgCa(CO]が挙げられる。
この無機化合物の粒子径は、ポリビニルアルコール樹脂への十分な分散性を得るために、20μm以下であることが好ましい。
また、無機化合物の添加量は、ポリビニルアルコール樹脂100重量部に対して、0.1〜100重量部が好ましい。その添加量が0.1重量部未満であると、得られるフィルムや容器である水溶性封入包材の耐塩素性や耐臭素性が低くなってしまう。一方、100重量部を超えると、水溶性封入包材は、機械物性が低下したものとなり、実用的な強度が得られず、脆弱となってしまう。
これらの無機化合物は、耐塩素性・耐臭素性のような耐ハロゲン性を発現するのに重要な役割を果たす。
これらの無機化合物が適切な粒子径を有し適量添加されていると、得られるフィルムや水溶性封入容器の機械物性は、実用的に十分なレベルの強度を、満たしている。またこの無機化合物は安全なものであるから、水溶性封入包材を水に投入したとき不溶残留するこの無機化合物の安全性への影響は全く問題がない。
ポリビニルアルコール樹脂は、ポリビニルアルコール、ビニルアルコール共重合体、又はそれらの誘導体であってもよく、それらの混合物であってもよい。
ポリビニルアルコールは、ケン化度が70モル%以上、重合度が300以上であることが好ましく、ケン化度が75モル%以上、重合度が500以上であると一層好ましい。重合度が300より低いとフィルムの機械物性が低下し易くなってしまい、ケン化度が70モル%より低いと水溶性が低下し易い。重合度は、最大5000であってもよい。
ビニルアルコール共重合体は、不飽和カルボン酸−酢酸ビニル共重合体のケン化物が挙げられる。その場合の不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、スルホン酸、酢酸アリルなどが挙げられる。
他のポリビニルアルコール誘導体は、前記ポリビニルアルコールやビニルアルコール共重合体を、無水コハク酸、無水フタル酸、無水マレイン酸のような酸無水物でエステル化した化合物が挙げられる。
ポリビニルアルコール樹脂に必要に応じて可塑剤が添加されていてもよい。好ましい可塑剤は、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロール、テトラエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、グルコース、フルクトース、ラクトース、トリエタノールアミン、トリエタノールアミンアセテート、エタノールアセトアミドが挙げられる。
ポリビニルアルコール樹脂と無機化合物とからなる樹脂組成物を用いて、フィルムや水溶性封入包材を製造するには、例えば、溶液流延法、含水押出法、溶融押出法などの公知の方法で行われる。
水溶性封入包材は、その物性を損なわない範囲で、セルロース、澱粉類等の水溶性高分子を含有させたものであってもよく、その他界面活性剤、着色料、香料、無機フィラーのような汎用添加剤を含有させたものであってもよい。
水溶性封入包材に封入されるハロゲン含有薬剤としては、塩素含有化合物、臭素含有化合物が挙げられる。より具体的には、プールや銭湯やスパ(多機能風呂)の消毒剤のような殺菌剤や水処理剤、家庭用に使用する漂白剤、トイレ及び台所などの洗浄剤、殺虫剤や除草剤や肥料の農薬、染料のような工業用薬剤、水性塗料の顔料や分散剤のような塗装用薬剤が挙げられる。より具体的には、トリクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸及びその塩、モノクロロイソシアヌル酸及びその塩、次亜塩素酸及びその塩、トリクロロメラミン、N−ブロモ−N−クロロ−5,5−ジメチルヒダトイン、N,N−ジブロモ−N−ニトリロプロピオンアミドなどが主成分の一つに含む薬剤が挙げられる。ハロゲン含有薬剤の剤形は、顆粒、タブレット錠のような錠剤、粉体、場合によっては非水系の液体であってもよい。また、水溶性封入包材は、ハロゲン含有薬剤以外の薬剤を封入するのに用いてもよい。
ポリビニルアルコール樹脂と無機化合物とが含有されているフィルムや水溶性封入包材を用いて、塩素含有又は臭素含有化合物を含んでいる薬剤を包装した場合に起こるそのフィルムや容器の水溶解性のメカニズムは、必ずしも明らかでないが、以下のように推察される。
ポリビニルアルコール樹脂のみからなる容器で包装して保管している場合、塩素・臭素含有物質から生じる塩素又は臭素ラジカルによって、ポリビニルアルコール主鎖中にある水酸基の水素部分の引抜きによりケトン化されることや、水酸基に由来する新たな三次元架橋の形成によって、水への溶解性低下につながる場合があると考える。
それに対し本発明のように、水溶性封入包材が、ポリビニルアルコール樹脂にハイドロタルサイト類化合物や周期表IIa族及びIIb族の金属の炭酸塩、酸化物、水酸化物のような無機化合物を添加したものであると、その無機化合物が、ハロゲン含有薬剤である塩素含有化合物や臭素含有化合物から生成した塩素ラジカル又は臭素ラジカルを捕捉して失活させる結果、水溶性封入包材が水へ溶解し難くなるのを抑制し、耐塩素性・耐臭素性を発現する。また同時に、ハロゲン含有薬剤である塩素含有化合物から生成される塩化物イオン及び塩素や、ハロゲン含有薬剤である臭素含有化合物から生成される臭化物イオン及び臭素に対しても、同様に失活させて、同様な効果を示すものと考えられる。
以下、本発明を適用する水溶性封入包材を試作した例を実施例1〜4に示し、本発明を適用外の水溶性封入包材を試作した例を比較例1〜2に示す。
(実施例1)
重合度1800、ケン化度85モル%の部分ケン化ポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール株式会社製)に対し、ハイドロタルサイト類化合物としてMgAl(OH)16CO・4HO(和光純薬工業株式会社製)をポリビニルアルコールの重量に対して0.1部添加して、溶液流延法で成型し厚み40μmのフィルム試料1を得た。ハイドロタルサイト類化合物の量を1部、10部、100部と変えた以外は試料1と同様にして、試料2〜4を得た。
(実施例2)
重合度1700、ケン化度88モル%の部分ケン化ポリビニルアルコール(電気化学工業株式会社製)に対し、酸化マグネシウムをポリビニルアルコールの重量に対して0.1重量部添加し、更に可塑剤としてグリセリン21重量部添加して厚さ60μmのフィルム試料5を得た。酸化マグネシウムの量を1部、10部、100部と変えた以外は試料5と同様にして、試料6〜8を得た。
(実施例3)
重合度2400、ケン化度88モル%の部分ケン化ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製)に対し、水酸化マグネシウムを10部添加し、更に可塑剤としてグリセリン8部添加して、溶液流延で成型し厚さ120μmの容器試料9を得た。試料9の水酸化マグネシウムを、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛に変えてフィルム試料10〜13を得た。
(実施例4)
重合度1700、ケン化度95モル%のカルボキシル基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製)に対し、ハイドロタルサイト類化合物としてMg4.5Al(OH)13CO・3.5HO(協和化学株式会社製)を5部と酸化亜鉛5部とをそれぞれ添加し、更に剥離剤0.2部添加して、厚さ60μmのフィルム試料14を得た。又はイドロタルサイト類化合物を炭酸マグネシウムに変えた以外は試料14と同様にして厚さ60μmの試料15を得た。更に試料15の酸化亜鉛を酸化マグネシウムに変えてフィルム試料16を得た。
(比較例1)
実施例2の酸化マグネシウムをシリカ(富士シリシア化学株式会社製)に変えた以外は同様にして、厚み60μmのフィルム試料17を得た。
(比較例2)
水酸化マグネシウムを炭酸ナトリウムに変えた以外は実施例3と同様にして、厚さ120μmの容器試料18を得た。また、試料18の炭酸ナトリウムを塩化マグネシウムに変えて容器試料19を得た。
実施例及び比較例で得られた試料についての物性を以下のようにして評価した。
(物性の評価)
(耐塩素性・耐臭素性評価)
得られた水溶性封入包材であるフィルム試料を50mm×50mmの大きさにカットした。その表層に、ハロゲン含有薬剤である塩素含有化合物(1)としてジクロロイソシアヌル酸ナトリウム(東京化成工業株式会社製)、別な塩素含有化合物(2)としてトリクロロイソシアヌル酸(東京化成工業株式会社製)、及び臭素含有化合物(3)としてスパクリーンブロム60T(四国化成工業株式会社製;商品名)をそれぞれ接触するように設置し、耐塩素性・耐臭素性評価に供した。40℃雰囲気下で6週間静置し長期保存した。又、同様に、得られた水溶性封入包材である容器試料にハロゲン含有薬剤を接触させて、長期保存した。
(溶解性試験)
長期保存前後に、水溶性封入包材の各試料を、溶解性試験に用いた。溶解性試験は、1000mlビーカーに20℃の水800mlを入れ、スターラーにて攪拌している中に、水溶性封入包材の各試料を貼り付けたスライドマウントを吊し、フィルムが膨潤し破裂しフィルムが完全に溶解した時間を溶解時間とした。溶解性試験時の試料溶解の状態を観察し、以下の3段階で評価した。A又はB評価であれば溶解性が十分である。
A評価:5分以内に溶解した。
B評価:5分以内に溶解するが、1mm角以上の溶け残り片があった。
C評価:5分以内に溶解しなかった。
その結果を、表1にまとめて示す。
Figure 2009051173
表1から明らかな通り、本発明を適用する実施例の水溶性封入包材は、長期保存を経た後であっても優れた水溶性を示していた。本発明を適用外の比較例の水溶性封入包材は、作製後、長期保存前に優れた水溶性を示していたが、長期保存後、塩素含有・臭素含有化合物により劣化し水溶性が低下していた。
本発明の水溶性封入包材は、ハロゲン含有薬剤である粉末洗剤や粉末洗浄剤のような日用の薬剤、殺菌剤のような医療用薬剤、殺虫剤や除草剤や肥料の農薬のような農業用薬剤、染料のような工業用薬剤、水性塗料の顔料や分散剤のような塗装用薬剤を、個別に封入し長期間保存後、薬剤を開封することなく水に投入するのに用いられる。

Claims (5)

  1. ポリビニルアルコール樹脂の100重量部と、ハイドロタルサイト類化合物、IIa族及びIIb族の金属を含む炭酸塩、該金属を含む酸化物、及び該金属を含む水酸化物から選ばれる少なくとも1種類の無機化合物の0.1〜100重量部とが含有されている包装素材で形成されハロゲン含有の薬剤を封入することを特徴とする水溶性封入包材。
  2. 前記無機化合物が、下記化学式(1)
    Al(OH)2p+6−2q・rHO ・・・(1)
    (式中、Mはマグネシウム,カルシウム及び/又は亜鉛、p,qは2p+6−2q>0にする正数、rは0又は正数、AはCO又はHPO
    で表わされることを特徴とする請求項1に記載の水溶性封入包材。
  3. 前記無機化合物が、前記金属をマグネシウム、カルシウム及び/又は亜鉛とし、前記炭酸塩、前記酸化物、又は前記水酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の水溶性封入包材。
  4. 前記包装素材が、前記薬剤を封入するフィルムであってその周囲を融着又は接着されて袋状に前記形成され、又は前記薬剤を封入する空洞を有する容器に成型されて前記形成されていることを特徴とする請求項1に記載の水溶性封入包材。
  5. 前記薬剤が、塩素含有又は臭素含有化合物を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の水溶性封入包材。
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