JPWO2009050890A1 - そけいヘルニア治療用パッチ - Google Patents

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    • A61F2/0063Implantable repair or support meshes, e.g. hernia meshes

Abstract

ヘルニア門を閉塞するためのそけいヘルニア治療用パッチであって、可撓性を有し、医用として認可された素材から形成された本体と、前記本体の外縁から中心部に向かって形成されたスリットと、を備え、前記スリットから精索を前記本体に収容することにより固定される、そけいヘルニア治療用パッチ。本発明に係るそけいヘルニア治療用パッチによれば、スリットを介して本体に収容された精索又は円靭帯により固定されるため、従来のプラグ法に比べてそけい管後壁の広い範囲を内側から補強することができ、患者の負担を強いることなく確実に固定され、かつ、装着も容易となる。

Description

本発明は、そけいヘルニア治療用パッチに関し、詳しくは、患者の負担を強いることなく確実に固定され、かつ、装着が容易なそけいヘルニア治療用パッチに関する。
1990年代に成人そけいヘルニアの治療は大きな変化を遂げ、それまで行われてきた自己組織のみを用いる修復方法 (tension repair)から、人工物を用いた、いわゆるテンション フリー リペア(tension free repair)と称される手術方法が主流となった。この手術方法により、そけいヘルニアの再発率の著しい低下(従来法の10分の1から20分の1)や術後の愁訴の減少がもたらされるようになった。
現在、人工物を用いる手術方法は理論的に3つに分類される。すなわち、1)そけい管後壁の上に人工物を留置するオンレイ(onlay)法、2)そけい管後壁の腹腔側にパッチを留置するインレイ(inlay)法、クーゲル(Kugel)法や鏡視下ヘルニア根治術(TEPP法、TAP法など)、3)ヘルニア門に人工物で作ったプラグ(栓)を挿入するプラグ法、である。
現在世界中で最も多く用いられているのは上記3)のプラグ法である。その理由は手技が簡便である点に尽きると考えられる。プラグ法に用いられるプラグとしては、例えば、修復すべきヘルニア門の輪郭に適合するプリーツ面を有する円錐形メッシュプラグがある(特許文献1)。この円錐形メッシュプラグは、ヘルニア門に挿入する際、円錐形メッシュプラグ内に配置されるメッシュ充填材料により、ヘルニア門内で圧縮され、植え込み体を強化するように構成されている。
理論的に最も優れていると考えられている方法は、上記2)のインレイ法である。このようなインレイ法に用いられるパッチとしては、例えば、開口よりも大きい本体部を有するパッチと、パッチから延在する位置決め用のテザーと、からなる埋め込み形プロテーゼが提案されている(特許文献2)。
特開平07−430号公報 特表2005−534404号公報
プラグ法は手技が簡便である一方、一般にプラグ法に用いられるプラグは硬く、また、ヘルニア門にプラグを留置した後はプラグの一部が腹腔側に突出するため、術後に腸管と癒着したり、硬く立体的な瘢痕組織を形成し、疼痛の一因になるとの指摘がある。そのような理由から、ヘルニア治療の歴史が長い欧州では、フラットメッシュの使用が望ましいと報告する専門医も多い。
理論的には最も優れている上記2)のインレイ(inlay)法が多く行われないのは、パッチを留置する際に腹膜前腔の剥離が難しく、剥離した腔にパッチを広げる操作が煩雑であるためと考えられる。また、鏡視下手術は手技が煩雑なだけではなく、麻酔も全身麻酔を必要とする。腹腔内操作を必要とする手技は、頻度は低いものの腸管の損傷や術後腸閉塞などの重篤な合併症の可能性を新たに生じている。
従って、本発明の目的は、プラグ法とインレイ法が有する問題点を解消し、患者の負担を強いることなく確実に固定され、かつ、装着が容易なそけいヘルニア治療用パッチを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために、ヘルニア門を閉塞するためのそけいヘルニア治療用パッチであって、可撓性を有し、医用として認可された素材から形成された本体と、前記本体の外縁から中心部に向かって形成されたスリットと、を備え、前記スリットから精索又は円靭帯を前記本体に収容することにより固定される、そけいヘルニア治療用パッチを提供するものである。
このような構成により、本発明のそけいヘルニア治療用パッチはスリットを介して本体に収容された精索により固定される。精索固定部は外そけいヘルニアのヘルニア門そのものであり、精索周辺を本発明のそけいヘルニア治療用パッチで取り囲むことにより、ヘルニア門を確実に閉塞することができる。
上記発明は、前記本体に、指が挿入可能な大きさを有するポケットを備えることが好ましい。
このような構成により、そけい管後壁の腹腔側に沿うようにして寝かせて挿入する操作を容易に行うことができる。また、挿入後は指を使ってそけいヘルニア治療用パッチを展開することも可能となる。
また、上記発明は、可撓性を有し、医用として認可された素材から形成された本体と、前記本体の外縁から中心部に向かって形成されたスリットと、を備えた補助パッチをさらに備え、前記補助パッチのスリットから前記補助パッチの本体に前記精索又は前記円靭帯を収容した後、前記そけいヘルニア治療用パッチの本体部に前記補助パッチが固定されることが好ましい。
このような構成により、本発明のそけいヘルニア治療用パッチをより確実に固定することが可能となる。
また、上記本発明は、可撓性を有し、医用として認可された素材から形成された本体と、前記本体の外縁から中心部に向かって形成されたスリットと、を備えた補助パッチをさらに備え、前記そけいヘルニア治療用パッチのスリット及び前記補助パッチのスリットから前記精索又は前記円靭帯を前記本体に収容することにより固定されることが好ましい。
このような構成により、本発明のそけいヘルニア治療用パッチをより確実に固定することが可能となる。
また、上記発明は、前記スリットの周縁部の一部又は全部が着色されてなることが好ましい。
このような構成により、本発明のそけいヘルニア治療用パッチを前記精索又は前記円靭帯に挿入する際の作業性やスリットが形成された部位を縫合する際の視認性を向上させることができる。
本発明に係るそけいヘルニア治療用パッチによれば、スリットを介して本体に収容された精索又は円靭帯により固定されるため、従来のプラグ法に比べてそけい管後壁の広い範囲を内側から補強することができ、患者の負担を強いることなく確実に固定され、かつ、装着も容易となる。
第1の実施形態に係るそけいヘルニア治療用パッチ1の全体構成を示す斜視図である。 第1の実施形態に係るそけいヘルニア治療用パッチ1の分解斜視図である。 第1の実施形態に係るそけいヘルニア治療用パッチ1の使用方法の一例を説明するための図である。 第1の実施形態に係るそけいヘルニア治療用パッチ1の使用方法の一例を説明するための図である。 第1の実施形態に係るそけいヘルニア治療用パッチ1の使用方法の一例を説明するための図である。 第1の実施形態に係るそけいヘルニア治療用パッチ1の使用方法の一例を説明するための図である。 第2の実施形態に係るそけいヘルニア治療用パッチ10及び補助パッチ11の正面図である。 第2の実施形態に係るそけいヘルニア治療用パッチ10の使用方法の一例を説明するための図である。 第2の実施形態に係るそけいヘルニア治療用パッチ10の使用方法の一例を説明するための図である。 第2の実施形態に係るそけいヘルニア治療用パッチ10の使用方法の一例を説明するための図である。 第2の実施形態に係るそけいヘルニア治療用パッチ10の使用方法の一例を説明するための図である。 第3の実施形態に係るそけいヘルニア治療用パッチ30の正面図である。 第3の実施形態に係るそけいヘルニア治療用パッチ30の分解斜視図である。
符号の説明
1…そけいヘルニア治療用パッチ、2…本体シート、2a…本体シート上部、2b…本体シート下部、3…本体シート、3a…本体シート上部、3b…本体シート下部、4及び5…スリット、10…そけいヘルニア治療用パッチ、11…補助パッチ、12…本体シート、12a…本体シート上部、12b…本体シート下部、13…本体シート、13a…本体シート上部、13b…本体シート下部、14及び15…スリット、14a及び15a…スリット周縁部、16…ポケット、18…第2シート、30…そけいヘルニア治療用パッチ、100…精巣動静脈、101…精管、105…筋及び筋膜、106…腹膜前腔、107…腹膜、108…腹腔、110…皮膚、115…ヘルニア嚢、120…欠損部、125…切開部、130…指
第1の実施形態
図1は第1の実施形態に係るそけいヘルニア治療用パッチ1の全体構成を示す斜視図である。また、図2は本実施形態に係るそけいヘルニア治療用パッチ1の分解斜視図である。
図1に示すように、本実施形態のそけいヘルニア治療用パッチ1は、略らせん形の形状を有している。本実施形態のそけいヘルニア治療用パッチ1のらせんの数は、360度を1回転として、1.5回転である場合を示したが、これに限定されず、1回転以上であればよく、1.5回転以上であってもよい。
図2に示すように、第1の実施形態に係るそけいヘルニア治療用パッチ1は、略円形に形成された本体シート2と本体シート3がX−X線を中心として上下に貼り合わされて構成されている。本体シート2は、図面右側の外縁から中心部に向かってスリット4が形成されている。これに対し、本体シート3は、図面右側の外縁から中心部に向かってスリット5が形成されている。スリット4及び5はいずれも、本体シート2及び3の半径よりも大きく形成されている。なお、本実施形態では略円形に形成された本体シート2及び3を例として説明したが、形状はこれに限定されず、任意に形成することができる。
スリット4及び5を本体シート2及び3の半径よりも大きく形成する理由は、精索(女性の場合は「円靭帯」に相当する。以下同じ。)を挿入するための隙間2Wを設けるためである。即ち、半径よりも大きく形成されたスリットWは、本体シート2と本体シート3を貼り合わせたときに、図1に示す2Wの隙間を形成する。そして、その隙間2Wが、精索を挿入する隙間となる。従って、2Wの長さは、挿入されるべき精索の直径を考慮して設定される。
本体シート2と本体シート3を貼り合わせる場合は、スリット4及び5を境界にしたときの本体シートの上部同士(図2の2a及び3a)、または、本体シートの下部同士(図2の2b及び3b)が貼り合わされる。本体シート2及び本体シート3とを貼り合わせる方法としては特に限定されないが、熱融着による方法、接着剤を用いる方法、本体シートと同じ素材の糸を用いて縫製する方法などが挙げられる。なお、本実施形態では2枚のシートを上下に張り合わせる例を説明したが、製造方法はこれに限定されず、例えば、1枚のシートで図1に示すそけいヘルニア治療用パッチ1のように形成してもよい。
例えば、本体シートの上部同士(図2の2a及び3a)が貼り合わせられると、本体シート下部2b及び3bは素材の可撓性の範囲で自由に撓ませることができる。
本体シート2及び3の素材は、可撓性を有し、医用として認可された素材から形成されている。好適な素材としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、テフロン(登録商標)等を挙げることができる。
本体シート2及び3の素材は、組織又は筋との接着性を考慮すれば、メッシュ地のフィラメントから編成されることが好ましい。本体シート2及び3の素材としてメッシュ地のフィラメントから編成されたものを使用することにより、組織又は筋がメッシュ内部や周囲に成長しやすくなり、そけいヘルニア治療用パッチ1が速やかにヘルニア門を閉塞することになる。
次に、本実施形態のそけいヘルニア治療用パッチ1の使用方法について説明する。図3〜図6は、本実施形態のそけいヘルニア治療用パッチ1の使用方法の一例を説明するための図である。
図3に示すように、まず、そけいヘルニア治療用パッチ1の本体シート下部2bを図面上方に持ち上げて本体シート3のスリット5から精巣動静脈100と精管101とからなる精索をそけいヘルニア治療用パッチ1の中心部に誘導する。なお、これとは逆に、本体シート下部3bを図面下方に引っ張って、本体シート3のスリット4から誘導するようにしてもよい。
次に、図4に示すように、精巣動静脈100と精管101がそけいヘルニア治療用パッチ1の中心部に挿入された後、本体シート下部2bをさらに撓ませて精巣動静脈100と精管101を取り囲むように動かす。
これにより、図5に示すように、最後は本体シート下部2bの付勢力により精巣動静脈100と精管101を取り囲み、そけいヘルニア治療用パッチ1が精巣動静脈100と精管101に上下動可能に固定された状態となる。
そして、図6に示すように、そけいヘルニア治療用パッチ1を皮膚110の表面に形成された切開部125方向に移動し、欠損部120(ヘルニア門)から腹膜前腔106に挿入する。これによって、欠損部120(ヘルニア門)が閉塞されることになる。
なお、本実施形態ではインレイ(inlay)法により欠損部(ヘルニア門)を閉塞した例を説明したが、これには限定されず、例えば、オンレイ(onlay)法でもよい。
第2の実施形態
図7は第2の実施形態に係るそけいヘルニア治療用パッチ10及び補助パッチ11の正面図である。図7に示すように、第2の実施形態に係るそけいヘルニア治療用パッチ10は、略楕円形に形成された本体シート12と、本体シート12の外縁から中心部に向けて形成されたスリット14と、ヒトの指が挿入できる空間を有するポケット16とから構成されている。
ポケット16を形成する方法は特に限定されないが、例えば、本体シート12の長径幅よりも短い幅で、かつ、本体シート12の短径幅と同等の幅で形成した第2シート18を用意する。そして、この第2シート18の開放端を除く縁周を、熱融着による方法、接着剤を用いる方法、本体シートと同じ素材の糸を用いて縫製する方法などにより接着することで形成することができる。さらに、本体シート12と一体的に形成してもよい。
本体シート12及び第2シート18の素材は、可撓性を有し、医用として認可された素材から形成されている。好適な素材としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、テフロン(登録商標)等を挙げることができる。
本体シート12及び第2シート18の素材は、組織又は筋との接着性を考慮すれば、メッシュ地のフィラメントから編成されることが好ましい。本体シート12及び第2シート18の素材としてメッシュ地のフィラメントから編成されたものを使用することにより、組織又は筋がメッシュ内部や周囲に成長しやすくなり、そけいヘルニア治療用パッチ10が速やかにヘルニア門を閉塞することになる。
図7に示すように、本実施形態では、補助パッチ11が用いられる。補助パッチ11は、可撓性を有し、医用として認可された素材から形成された本体シート13と、本体シート13の外縁から中心部に向かって形成されたスリット15とを備えている。
補助パッチ11の形状は特に限定されないが、そけいヘルニア治療用パッチ10の形状を考慮して、略円形であることが好ましい。また、補助パッチ11の素材については、そけいヘルニア治療用パッチ10と同様の素材を用いることが好ましい。
なお、本体シート12及び13に形成されたスリット14及び15の周縁部14a及び15aは、スッリト14及び15が形成されていることが視認しやすくなるように、着色が施されていることが好ましい。スリット周縁部14a及び15aを着色することにより、そけいヘルニア治療用パッチを精索又は円靭帯に挿入する際の作業性や、スリットが形成された部位を縫合する際の視認性を向上させることができる。着色は、スリット周縁部14a及び15aの全部を着色しても、一部のみ着色してもよい。また、色の種類はスリット14及び15の視認性を向上させるものであれば特に限定はない。
スリット周縁部14a及び15aの着色は、先述した第1の実施形態に係るそけいヘルニア治療用パッチ1及び後述する第3の実施形態に係るそけいヘルニア治療用パッチ30及びそれに用いられる補助パッチ11のスリット周縁部にも適用可能である。
次に、本実施形態のそけいヘルニア治療用パッチ10の使用方法について説明する。図8〜図11は、本実施形態のそけいヘルニア治療用パッチ10の使用方法の一例を説明するための図である。
図8に示すように、そけいヘルニア治療用パッチ10のポケット16に指130を挿入する。図9(A)は欠損部120からヘルニア嚢115が突出している様子を示す部分断面図である。なお、図に示すように、一般に、そけいヘルニアは筋及び筋膜105の欠損部120から腹膜107が突出し、袋状のヘルニア嚢115を形成する。
次に、図9(B)に示すように、ヘルニア嚢115を腹膜前腔106内に押し戻すとともに、筋及び筋膜105に形成された欠損部120から指130を使ってそけいヘルニア治療用パッチ10を筋及び筋膜105と腹膜107との間に沿うように挿入する。このとき、そけいヘルニア治療用パッチ10が腹膜前腔106でしわにならないように、指130を使って十分に展開する。なお、ヘルニア嚢115は切除してもよい。
図9(C)に示すようにそけいヘルニア治療用パッチ10を展開した後、指130をポケット16から抜き取り、そけいヘルニア治療用パッチ10のスリット14(図7参照)から、中心部に向けて精巣動静脈100と精管101を収容する。
引き続き、図10に示すように、補助パッチ11のスリット15に精巣動静脈100と精管101を収容し、欠損部120から腹膜前腔106に補助パッチ10を挿入する。これにより、精巣動静脈100と精管101はそけいヘルニア治療用パッチ10のスリット14と補助パッチ11のスリット15に挟み込まれるようにして収容される。
そして、図11に示すように、補助パッチ11をそけいヘルニア治療用パッチ10の本体シートに縫合等により固定する。固定する箇所は特に限定されない。補助パッチ11をそけいヘルニア治療用パッチ10に固定すると、精巣動静脈100と精管101にそけいヘルニア治療用パッチ10が固定され、ズレを防止することが可能となる。
なお、本実施形態ではインレイ(inlay)法により欠損部(ヘルニア門)を閉塞した例を説明したが、これには限定されず、例えば、オンレイ(onlay)法でもよく、また、そけいヘルニア治療用パッチ10は筋及び筋膜105と腹膜107との間に沿うように挿入し、補助パッチ11は筋及び筋膜105に形成された欠損部120上を覆う位置に留置して欠損部(ヘルニア門)を閉塞した後、パッチ(10及び11)をそれぞれ固定する方法でもよい(以下「イン−オンレイ(in-onlay)法」という)。
第3の実施形態
図12は、第3の実施形態に係るそけいヘルニア治療用パッチ30の正面図である。本実施形態のそけいヘルニア治療用パッチ30は、図7で説明したそけいヘルニア治療用パッチ10と補助パッチ11とが予め一体形成されている点が、第2の実施形態とは異なる。
図13は第3の実施形態に係るそけいヘルニア治療用パッチ30の分解斜視図である。図13に示すように、第3の実施形態に係るそけいヘルニア治療用パッチ30は、略楕円形に形成された本体シート12と本体シート13がY−Y線を中心として上下に貼り合わされて構成されている。本体シート12は、図面右側の外縁から中心部に向かってスリット14が形成されている。これに対し、本体シート13は、図面右側の外縁から中心部に向かってスリット15が形成されている。
本体シート12と本体シート13を貼り合わせる場合は、スリット14及び15を境界にしたときの本体シートの上部同士(12a及び13a)、または、本体シートの下部同士(12b及び13b)が貼り合わされる。本体シート12及び本体シート13とを貼り合わせる方法としては特に限定されないが、熱融着による方法、接着剤を用いる方法、本体シートと同じ素材の糸を用いて縫製する方法などが挙げられる。
本体シート12と本体シート13を一体に形成することにより、本体シート13に、略らせん形の形状が形成される。らせんの数は、360度を1回転とすると、1回転以上であればよい。
例えば、本体シートの上部同士(12a及び13a)が貼り合わせられると、本体シート下部12b及び13bは素材の可撓性の範囲で自由に撓ませることができる。
本体シート12及び13の素材は、可撓性を有し、医用として認可された素材から形成されている。好適な素材としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、テフロン(登録商標)等を挙げることができる。
本体シート12及び13の素材は、組織又は筋との接着性を考慮すれば、メッシュ地のフィラメントから編成されることが好ましい。本体シート12及び13の素材としてメッシュ地のフィラメントから編成されたものを使用することにより、組織又は筋がメッシュ内部や周囲に成長しやすくなり、そけいヘルニア治療用パッチ30が速やかにヘルニア門を閉塞することになる。
本実施形態のそけいヘルニア治療用パッチ30の使用方法は、そけいヘルニア治療用パッチ10と補助パッチ11を縫合する必要がない点以外は、第2の実施形態と同様の要領で実施することができる。
なお、本実施形態ではインレイ(inlay)法により欠損部(ヘルニア門)を閉塞した例を説明したが、これには限定されず、例えば、オンレイ(onlay)法でもよく、イン−オンレイ(in-onlay)法でもよい。

Claims (7)

  1. ヘルニア門を閉塞するためのそけいヘルニア治療用パッチであって、
    可撓性を有し、医用として認可された素材から形成された本体と、
    前記本体の外縁から中心部に向かって形成されたスリットと、
    を備え、
    前記スリットから精索又は円靭帯を前記本体に収容することにより固定される、そけいヘルニア治療用パッチ。
  2. 前記本体がらせん形に形成された、請求項1に記載のそけいヘルニア治療用パッチ。
  3. 前記本体に、指が挿入可能な大きさを有するポケットを備えた、請求項1に記載のそけいヘルニア治療用パッチ。
  4. 可撓性を有し、医用として認可された素材から形成された本体と、
    前記本体の外縁から中心部に向かって形成されたスリットと、
    を備えた補助パッチをさらに備え、
    前記補助パッチのスリットから前記補助パッチの本体に前記精索又は前記円靭帯を収容した後、前記そけいヘルニア治療用パッチの本体部に前記補助パッチが固定された、請求項1又は3に記載のそけいヘルニア治療用パッチ。
  5. 可撓性を有し、医用として認可された素材から形成された本体と、
    前記本体の外縁から中心部に向かって形成されたスリットと、
    を備えた補助パッチをさらに備え、
    前記そけいヘルニア治療用パッチのスリット及び前記補助パッチのスリットから前記精索又は前記円靭帯を前記本体に収容することにより固定される、請求項1又は3に記載のそけいヘルニア治療用パッチ。
  6. 前記補助パッチがらせん形に形成された、請求項5に記載のそけいヘルニア治療用パッチ。
  7. 前記スリットの周縁部の一部又は全部が着色されてなる、請求項1〜6のいずれか1項に記載のそけいヘルニア治療用パッチ。
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