JP2006192007A - 鼠径ヘルニア治療用プロテーゼ - Google Patents
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Abstract
【課題】鼠径管後壁の補強をより高め、再発を抑える鼠径ヘルニア治療用プロテーゼ
【解決手段】鼠径管後壁に固定する長方形のシート状プロテーゼに、精索起始部を円筒状に覆うプロテーゼを斜めに固定して一体化させた。 シート状プロテーゼのスリットおよび、円筒型プロテーゼのスリットには各々余白（余剰）部分をもち、個々の症例に応じた適切なプロテーゼ固定の調節が可能である。ヘルニア嚢の処理を終えた後に鼠径管後壁にシート部分を縫着するが、このとき内鼠径輪から出る精索起始部を円筒部分で覆い、余白部分でさらに包み込んで数針の縫合糸で固定。また、シート部分外側においても余白部分を重ね、シート二重部分から内鼠径輪にかけて後壁組織に数針の縫合糸で固定する。これによりプロテーゼのずれや浮き上がりを予防し、内鼠径輪を中心とした強固な鼠径管後壁補強が期待できる。
【選択図】 図２
【解決手段】鼠径管後壁に固定する長方形のシート状プロテーゼに、精索起始部を円筒状に覆うプロテーゼを斜めに固定して一体化させた。 シート状プロテーゼのスリットおよび、円筒型プロテーゼのスリットには各々余白（余剰）部分をもち、個々の症例に応じた適切なプロテーゼ固定の調節が可能である。ヘルニア嚢の処理を終えた後に鼠径管後壁にシート部分を縫着するが、このとき内鼠径輪から出る精索起始部を円筒部分で覆い、余白部分でさらに包み込んで数針の縫合糸で固定。また、シート部分外側においても余白部分を重ね、シート二重部分から内鼠径輪にかけて後壁組織に数針の縫合糸で固定する。これによりプロテーゼのずれや浮き上がりを予防し、内鼠径輪を中心とした強固な鼠径管後壁補強が期待できる。
【選択図】 図２
Description
本発明は、成人鼠径ヘルニアの手術治療法に用いるプロテーゼについて、より再発を起こしにくくする形状的工夫に関するものである。
現在、成人の鼠径ヘルニア（いわゆる脱腸）の手術方法としては、筋・筋膜組織の人工補強材であるメッシュなどのプロテーゼを用いたリヒテンシュタイン法やメッシュ・プラグ法に代表されるテンション・フリー修復法が主流である。鼠径管後壁に広い範囲でプロテーゼを敷きつめるように固定して後壁を補強し、さらに経年性にこのプロテーゼが周囲組織と癒着して一体化し、鼠径管後壁の組織を強化することによりヘルニアの再発を防ぐ方法である。
鼠径ヘルニアの手術；最近の工夫 Ｌｉｃｈｔｅｎｓｔｅｉｎ法 中嶋昭、佐藤康 ２５：４２７−４３２，２００２ 消化器外科 へるす出版
鼠径ヘルニアの手術；最近の工夫 Ｍｅｓｈ ｐｌｕｇ（ｐｌｕｇ ａｎｄ ｐａｔｃｈ）法 内藤稔、名和清人、古谷四郎 他 ２５：４３３−４３９，２００２ 消化器外科 へるす出版
成人鼠径ヘルニアの手術治療においては、術後の再発率をいかに低くできるかが重要である。従来の方法はメッシュに代表されるプロテーゼを剪刀でトリミングして鼠径管後壁に固定するものであるが、術後に内鼠径輪周辺およびその外側におけるヘルニアの脱出（再発）がしばしばみられる。その原因として、鼠径管後壁にプロテーゼを数針の糸で固定するだけでは内鼠径輪周囲を不安定な一層の補強材で閉鎖するにとどまり、プロテーゼ自体のずれや浮き上がりが生じやすく、鼠径管後壁全体の強固な補強が期待できないことにある。
本発明は従来の、鼠径管後壁に固定するシート状プロテーゼに、内鼠径輪近くの精索を円筒状に覆うプロテーゼを一体化させた。 長方形のシート状プロテーゼは精索が通る穴とスリットをもち、円筒型プロテーゼがこれに斜めに固定されて一体化されている。シート状プロテーゼのスリットおよび、円筒型プロテーゼのスリットには各々余白（余剰）部分をもち、個々の症例に応じた適切なプロテーゼ固定の調節が可能であり、また余白部を重ねてプロテーゼによる補強を二重にすることもできる。
本発明により精索の起始部から内鼠径輪までを立体的に閉鎖し、また後壁に固定されたプロテーゼのずれや浮き上がりも起こりにくい。内鼠径輪を中心としたより強固な鼠径管後壁補強が期待できる。テンション・フリー修復法による手術後のヘルニア再発を可及的に抑えることを目的とした成人鼠径ヘルニア修復装置である。
鼠径ヘルニア根治手術後の再発は鼠径管後壁の補強が不足し、脆弱になることによってヘルニア嚢が後壁から再度突出することによる。鼠径管後壁に緊張を加えることなくプロテーゼを鼠径管後壁に固定し、補強するのがリヒテンシュタイン法に代表されるテンション・フリー修復法である。本発明はリヒテンシュタイン法やメッシュ・プラグ法など、テンション・フリー修復法によって根治を試みるすべての鼠径ヘルニア症例に対して適応がある。
リヒテンシュタイン法の場合、ヘルニア嚢の処理を終えた鼠径管後壁の形状に合わせてシート部分を剪刀でトリミングし、上内側では内腹斜筋筋縁に、下外側では鼠径靱帯に縫着する。このとき内鼠径輪から出る精索を円筒部分で覆い、締めすぎないように注意しつつ余白部分でさらに包み込み、数針の縫合糸で固定。また、シート部分外側においても余白部分を重ね、シート二重部分から内鼠径輪にかけて後壁組織に数針の縫合糸で固定する。これにより内鼠径輪を中心とした強固な鼠径管後壁補強が期待でき、ヘルニア再発を可及的に抑える。
また、メッシュ・プラグ法の場合、ヘルニア嚢を腹膜前腔へプラグで押し込んだ後、リヒテンシュタイン法と同様に鼠径管後壁および精索に、トリミングされた本発明を縫着固定する。
１ プロテーゼのシート状部
２ プロテーゼの円筒状部
３ シート状部の余白
４ 円筒状部の余白
５ 縫合糸によるシート状部の固定
６ 内腹斜筋
７ 精索
８ 外腹斜筋腱膜
９ 鼠径靱帯
２ プロテーゼの円筒状部
３ シート状部の余白
４ 円筒状部の余白
５ 縫合糸によるシート状部の固定
６ 内腹斜筋
７ 精索
８ 外腹斜筋腱膜
９ 鼠径靱帯
Claims (1)
- 成人鼠径ヘルニアの手術治療時に使用する補強材で、鼠径管後壁に固定するシート状プロテーゼに精索を円筒状に覆うプロテーゼを一体化させ、内鼠径輪を中心とした強固な補強を目的とした成人鼠径ヘルニア修復装置
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2005004963A JP2006192007A (ja) | 2005-01-12 | 2005-01-12 | 鼠径ヘルニア治療用プロテーゼ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2005004963A JP2006192007A (ja) | 2005-01-12 | 2005-01-12 | 鼠径ヘルニア治療用プロテーゼ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2006192007A true JP2006192007A (ja) | 2006-07-27 |
Family
ID=36798532
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2005004963A Pending JP2006192007A (ja) | 2005-01-12 | 2005-01-12 | 鼠径ヘルニア治療用プロテーゼ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2006192007A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2009050890A1 (ja) * | 2007-10-16 | 2009-04-23 | Takashi Hori | そけいヘルニア治療用パッチ |
| CN101889881A (zh) * | 2010-07-21 | 2010-11-24 | 薛运章 | 腹腔镜疝修补用的双臂搭接式补片 |
| CN104244864A (zh) * | 2012-01-31 | 2014-12-24 | 移植轴节公司 | 用于造口旁疝的重建和/或用于预防其发展的医用装置;以及该装置的应用方法 |
| CN108992200A (zh) * | 2018-08-06 | 2018-12-14 | 潘乃梁 | 一种双锥面疝气补片 |
-
2005
- 2005-01-12 JP JP2005004963A patent/JP2006192007A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2009050890A1 (ja) * | 2007-10-16 | 2009-04-23 | Takashi Hori | そけいヘルニア治療用パッチ |
| JPWO2009050890A1 (ja) * | 2007-10-16 | 2011-02-24 | 孝吏 堀 | そけいヘルニア治療用パッチ |
| CN101889881A (zh) * | 2010-07-21 | 2010-11-24 | 薛运章 | 腹腔镜疝修补用的双臂搭接式补片 |
| CN104244864A (zh) * | 2012-01-31 | 2014-12-24 | 移植轴节公司 | 用于造口旁疝的重建和/或用于预防其发展的医用装置;以及该装置的应用方法 |
| CN108992200A (zh) * | 2018-08-06 | 2018-12-14 | 潘乃梁 | 一种双锥面疝气补片 |
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