JPWO2009025305A1 - 熱可塑性ポリウレタンテープ - Google Patents
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Abstract
Description
1.20℃における300%伸長後の残留歪が5〜40%の範囲である事を特徴とする熱可塑性ポリウレタンテープ。
2.−10℃における300%伸長回復サイクルを3回繰返した後の回復率が85%以上である事を特徴とする、上記1に記載の熱可塑性ポリウレタンテープ。
(i)有機ポリイソシアネート化合物、
(ii)下記の構造式(A)と構造式(B)で表される構造単位からなり、かつ下記式(1)を満足する組成をもつ、分子量が300〜30,000のポリアルキレンエーテルジオール。
(但し、MAおよびMBは、当該ポリアルキレンエーテルジオール中に存在する構造単位(A)および(B)のモル数である。)
5.イソシアネート基と反応する活性水素化合物がジオール類である事を特徴とする上記4に記載の熱可塑性ポリウレタンテープ。
6.ポリアルキレンエーテルジオール(ii)と有機ポリイソシアネート化合物(i)の当量比((ii):(i))が1:1.5から1:3.5の割合であることを特徴とする上記3〜5のいずれかに記載の熱可塑性ポリウレタンテープ。
8.伸度100%における応力が、3.0MPa以上、6.0MPa以下であることを特徴とする上記1から7のいずれかに記載の熱可塑性ポリウレタンテープ。
本発明は、熱可塑性ポリウレタンからなるテープに関する。ここで熱可塑性とは、分解温度以下の加熱により流動性を持ち、冷却により固化するという可逆的性質を有することである。一般にポリウレタン樹脂は、230℃以上では分解が始まる。
0.09≦ MB/(MA+MB)≦0.30 (2)
鎖延長反応によって得られたポリマーは、80℃から180℃程度の温度で熱処理(アニーリング)することにより溶融押出に適した粘度に調整することができる。
また、テープ状に押出成形するにあたり冷延伸または熱延伸することができる。紡糸から直接延伸することもできるし、いったん巻き取った後、別工程で延伸することもできる。延伸倍率は、2〜8倍が好ましく、3〜7倍がさらに好ましい。
テープの厚さは、通常、0.02〜0.5mm程度である。
引張試験機(オリエンテック(株)製商品名UTM−III 100型)を使用し、20℃および−10℃の条件下で、幅0.6cm、長さ5cmのテープを50cm/分の速度で伸長後、回復し、応力ひずみの変化を測定する。
図1に伸長回復操作の1回目と3回目におけるS−Sカーブを示す。L1は引き伸ばした最大伸度(300%)であり、L2は1回目のS−Sカーブの応力ゼロとなった伸度である。L3は3回目のS−Sカーブの応力ゼロとなった伸度を示す。
残留ひずみは、図1に示すL2の伸度で示す。
300%伸長回復を3回繰返した後の回復率は、下記式(3)で表される。
[(L1−L3)/(L1+100)]×100 (3)
東洋精機製作所社製メルトインデクサーS−101型を用いて、190℃、加重2.16kgで実施した。
引張試験機(オリエンテック(株)製商品名UTM−III 100型)を使用し、20℃で幅0.6cm、長さ5cmのテープを50cm/分の速度で伸長し、応力ひずみ測定を行った。伸度100%における測定値をテープの断面積で割った値を応力とする。
ポリアルキレンエーテルジオール(ii)として旭化成せんい株式会社製PTXG1800を使用した。PTXG1800の共重合組成MB/(MA+MB)は、0.1であった。PTXG1400g及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート389.4gを、窒素ガス気流下80℃において180分間攪拌しつつ反応させて、両末端にイソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマーを得た。ついで、これを急速に25℃まで冷却した後、1,4−ブタンジオール35gを前記プレポリマーに添加して30分間攪拌した。粘度117,000mPa・s(25℃)のポリウレタンを得た。
このポリウレタンをテフロン(登録商標)トレイに入れたまま、130℃の熱風オーブン中で3時間アニーリングしてポリウレタン樹脂を得た。このポリウレタン樹脂は、ショアーA硬度が71、MFRが5.0であり熱可塑性の特性を有していた。
このポリウレタン樹脂粉末を、テクノベル社製二軸押出機KZW15TW−45HGにて溶融押出し成形した。幅:150mm、リップ幅:1.0mmのTダイスよりダイス温度200℃でフィルム状に12.4g/分の吐出量で押出した。15℃に冷却した金属ロールで、ロール速度0.5m/分で巻き取り、厚み250μmのフィルムを得た。
このフィルムをスリット加工し、6mm幅のテープを得た。このテープのMFRは、18であった。
このテープの20℃における300%伸長後の残留歪は24%と良好であった。また、−10℃における300%伸長回復を3回繰返した後の回復率は92%と良好であった。
このテープの伸度100%における応力は、3.1MPaであった。
実施例1で得られたポリウレタン樹脂粉末を、テクノベル社製二軸押出機KZW15TW−45HGにて溶融押出し成形した。幅:150mm、リップ幅:1.0mmのTダイスよりダイス温度200℃でフィルム状に12.4g/分の吐出量で押出した。15℃に冷却した金属ロールで、ロール速度0.5m/分で巻き取り、厚み250μmのフィルムを得た。
このフィルムをスリット加工し、6mm幅のテープを得た。このテープを4倍冷延伸した状態で治具で固定し、70℃の熱風オーブン中で30分熱処理した。
このテープの20℃における300%伸長後の残留歪は18%と良好であった。このテープの伸度100%における応力は、4.02MPaであった。
主として構造式(A)で表される構造単位からなり、構造式(B)で表される構造単位を含まない、日本ミラクトラン社製、ポリエーテル系熱可塑性ポリウレタンE380(ショアーA硬度=80、MI=8.3)を使用し、実施例1と同条件でTダイスよりフィルム状に押出成形を行った。厚み250μmのフィルムを得た。
このフィルムをスリット加工し、6mm幅のテープを得た。
このテープの20℃における300%伸長後の残留歪は、58%で回復性が悪いものであった。また、−10℃における300%伸長回復を3回繰返した後の回復率は、80%であった。
主として構造式(A)で表される構造単位からなり、構造式(B)で表される構造単位を含まない、日本ミラクトラン社製、ポリエーテル系熱可塑性ポリウレタンE385(ショアーA硬度=85、MI=6.6)を使用し、実施例1と同様にTダイスよりフィルム状に押出成形を行った。厚み250μmのフィルムを得た。
このフィルムをスリット加工し、6mm幅のテープを得た。
このテープの20℃における300%伸長後の残留歪は、61%で回復性が悪いものであった。また、−10℃における300%伸長回復を3回繰返した後の回復率は、67%であった。
実施例1で作成したポリウレタン樹脂粉末を、50mmφ単軸押出機にて溶融押出し成形した。幅:30mm、厚み:0.2mmのスリットダイより、ダイ温度200℃でリボン状に80g/分の吐出量で押出した。15℃に冷却した金属ロールに巻きつけ、ロール速度30m/分、ワインダー速120m/分で巻き取った。厚み110μmのテープを得た。
このテープの20℃における300%伸長後の残留歪は25%と良好であった。また、−10℃における300%伸長回復を3回繰返した後の回復率は90%と良好であった。
実施例1で得たポリウレタンテープを肩口に挿入したカットソーを作製した。一週間毎日着用し洗濯を繰り返したが、肩口のだれは発生せず良好であった。
Claims (8)
- 20℃における300%伸長後の残留歪が5〜40%の範囲であることを特徴とする熱可塑性ポリウレタンテープ。
- −10℃における300%伸長回復サイクルを3回繰返した後の回復率が85%以上であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性ポリウレタンテープ。
- 熱可塑性ポリウレタンが、イソシアネート基と反応する活性水素含有化合物からなる鎖延長剤から得られた構造をさらに含有することを特徴とする請求項3に記載の熱可塑性ポリウレタンテープ。
- イソシアネート基と反応する活性水素含有化合物がジオール類であることを特徴とする請求項4に記載の熱可塑性ポリウレタンテープ。
- ポリアルキレンエーテルジオール(ii)と有機ポリイソシアネート化合物(i)の当量比((ii):(i))が1:1.5から1:3.5の割合であることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の熱可塑性ポリウレタンテープ。
- 190℃におけるMFR(メルトフローレイト)が15以上、25以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性ポリウレタンテープ。
- 伸度100%における応力が、3.0MPa以上、6.0MPa以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の熱可塑性ポリウレタンテープ。
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